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特開2024-81580情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081580
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20240611BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113293
(22)【出願日】2023-07-10
(62)【分割の表示】P 2022195160の分割
【原出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】521425652
【氏名又は名称】株式会社ゼロボード
(72)【発明者】
【氏名】渡慶次 道隆
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA00
5L049AA00
(57)【要約】
【課題】削減量の目標を管理することができるようにする。
【解決手段】情報処理システムであって、事業主体による温室効果ガスの排出量を記憶する排出量記憶部と、事業主体による排出量の削減目標割合、基準時点及び目標時点の入力を受け付ける入力部と、基準時点に対応する排出量を排出量記憶部から取得し、取得した排出量に削減目標割合を乗じて削減量を計算し、計算した削減量を基準時点から目標時点までの単位時間の数で割った単位削減量を計算する単位削減量計算部と、単位時間ごとに、基準時点に対応する排出量から累積の単位削減量を減じた目標排出量を計算する目標排出量計算部と、単位時間ごとに目標排出量を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業主体による温室効果ガスの排出量を記憶する排出量記憶部と、
前記事業主体による前記排出量の削減目標割合、基準時点及び目標時点の入力を受け付ける入力部と、
前記基準時点に対応する前記排出量を前記排出量記憶部から取得し、取得した前記排出量に前記削減目標割合を乗じて削減量を計算し、計算した前記削減量を前記基準時点から前記目標時点までの単位時間の数で割った単位削減量を計算する単位削減量計算部と、
前記単位時間ごとに、前記基準時点に対応する前記排出量から累積の前記単位削減量を減じた目標排出量を計算する目標排出量計算部と、
前記単位時間ごとに前記目標排出量を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記排出量記憶部は、前記事業主体による直接的な第1の排出量、前記事業主体による間接的な第2の排出量、及び前記事業主体のサプライチェーンの上流又は下流に位置する他の事業者による第3の排出量を記憶し、
前記入力部は、前記第1ないし第3の排出量のそれぞれについて、第1ないし第3の前記削減目標割合を受け付け、
前記単位削減量計算部は、前記第1ないし第3の排出量のそれぞれについて、第1ないし第3の前記単位削減量を計算し、
前記目標排出量計算部は、前記第1ないし第3の排出量のそれぞれについて、前記単位時間ごとの前記目標排出量を計算し、
前記出力部は、前記第1ないし第3の排出量のそれぞれについて、前記目標排出量を出力すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記排出量記憶部は、前記他の事業者に係る前記第3の排出量に関し、カテゴリ別の第4の排出量を記憶し、
前記入力部は、前記第3の排出量について、前記カテゴリ別の第4の前記削減目標割合を受け付け、
前記単位削減量計算部は、前記第3の排出量について、前記カテゴリ別の第4の前記単位削減量を計算し、
前記目標排出量計算部は、前記第3の排出量について、前記単位時間ごとの前記カテゴリ別の第4の前記目標排出量を計算し、
前記出力部は、前記第3の排出量について、前記カテゴリ別に前記第4の目標排出量を出力すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記入力部は、前記他の事業者から前記第3の削減目標割合を受け付けること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理システムであって、
前記入力部は、前記他の事業者に対して、前記第3の削減目標割合の入力を指示するメッセージを送信し、前記メッセージに応じて前記他の事業者から入力される前記第3の削減目標割合を受け付けること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記排出量の削減を実現するソリューションを特定する情報及び前記ソリューションにより削減されうる前記排出力の削減量を計算するための削減情報を記憶するソリューション記憶部を備え、
前記出力部は、前記ソリューションの指定を受け付け、指定された前記ソリューションに対応する前記削減情報を前記ソリューション記憶部から読み出し、読み出した前記削減情報に基づいて前記排出量の前記削減量を計算し、前記排出量から前記削減量を減じた値を出力すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
事業主体による温室効果ガスの排出量を排出量記憶部に記憶するステップと、
前記事業主体による前記排出量の削減目標割合、基準時点及び目標時点の入力を受け付けるステップと、
前記基準時点に対応する前記排出量を前記排出量記憶部から取得し、取得した前記排出量に前記削減目標割合を乗じて削減量を計算し、計算した前記削減量を前記基準時点から前記目標時点までの単位時間の数で割った単位削減量を計算するステップと、
前記単位時間ごとに、前記基準時点に対応する前記排出量から累積の前記単位削減量を減じた目標排出量を計算するステップと、
前記単位時間ごとに前記目標排出量を出力するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
事業主体による温室効果ガスの排出量を排出量記憶部に記憶するステップと、
前記事業主体による前記排出量の削減目標割合、基準時点及び目標時点の入力を受け付けるステップと、
前記基準時点に対応する前記排出量を前記排出量記憶部から取得し、取得した前記排出量に前記削減目標割合を乗じて削減量を計算し、計算した前記削減量を前記基準時点から前記目標時点までの単位時間の数で割った単位削減量を計算するステップと、
前記単位時間ごとに、前記基準時点に対応する前記排出量から累積の前記単位削減量を減じた目標排出量を計算するステップと、
前記単位時間ごとに前記目標排出量を出力するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、温室効果ガスの排出量を表示して削減活動を喚起するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012?226120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
削減活動を管理することが求められている。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、削減量の目標を管理することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理システムであって、事業主体による温室効果ガスの排出量を記憶する排出量記憶部と、前記事業主体による前記排出量の削減目標割合、基準時点及び目標時点の入力を受け付ける入力部と、前記基準時点に対応する前記排出量を前記排出量記憶部から取得し、取得した前記排出量に前記削減目標割合を乗じて削減量を計算し、計算した前記削減量を前記基準時点から前記目標時点までの単位時間の数で割った単位削減量を計算する単位削減量計算部と、前記単位時間ごとに、前記基準時点に対応する前記排出量から累積の前記単位削減量を減じた目標排出量を計算する目標排出量計算部と、前記単位時間ごとに前記目標排出量を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、削減量の目標を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】目標排出量を出力する処理を説明する図である。
図5】ソリューションにより削減した排出量を出力する処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の情報処理システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1と通信ネットワーク3を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク3は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0011】
ユーザ端末1は、排出主体となる企業等の事業主体のユーザが操作するコンピュータである。ユーザ端末1は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどとすることができる。ユーザは、ユーザ端末1を用いて管理サーバ2にアクセスし、排出量の計算を行うことができる。
【0012】
管理サーバ2は、排出量の計算及び管理を行うコンピュータである。管理サーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0013】
<管理サーバ>
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0014】
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、排出係数記憶部231と、排出量記憶部232と、ソリューション記憶部233と、排出量計算部211と、入力部212と、単位削減量計算部213と、目標排出量計算部214と、出力部215と、を備える。
【0015】
排出係数記憶部231は、温室効果ガスの排出量を算出するための排出係数を含む情報(以下、排出係数情報という。)を記憶する。排出係数は、一次データ(排出主体自らが収集した、直接的な測定から得た、又は最初の情報源における直接的な測定に基づいた計算から得たデータ)であってもよいし、二次データ(一次データ以外のデータ、例えば、同種の商品を提供する複数の企業の排出量から標準化(統計処理)されたもの)であってもよい。排出係数記憶部231は、活動の種類に対応付けて排出係数を記憶することができる。排出係数記憶部231は、事業主体を特定する情報(起業ID)と、活動の種類を示す情報(種類特定情報)とに対応付けて、排出係数を記憶することができる。
【0016】
排出量記憶部232は、事業主体による温室効果ガスの排出量を記憶する。排出量記憶部232は、事業主体による直接的な第1の排出量(スコープ1)、事業主体による間接的な第2の排出量(スコープ2)、及び事業主体のサプライチェーンの上流又は下流に位置する他の事業者による第3の排出量(スコープ3)を記憶することができる。また、排出量記憶部232は、他の事業者に係る第3の排出量(スコープ3)に関し、カテゴリ別の第4の排出量を記憶することもできる。本実施形態では、排出量記憶部232は、事業主体を示す企業IDと、活動が行われた時期を特定する情報(時間情報)と、スコープと、カテゴリと、排出量とを対応付けて記憶することができる。時間情報は、例えば、年度や年、年月、年月日、日時範囲など任意の期間を設定することができる。スコープ及びカテゴリは、GHGプロトコルに規定されるスコープ及びカテゴリとすることができる。なお、カテゴリは省略されてもよい。
【0017】
ソリューション記憶部233は、排出量の削減を実現するソリューションに関する情報(ソリューション情報という。)を記憶する。ソリューションは、例えば、削減計画の策定や実行などに係るコンサルティングサービス、再エネ電力の調達、Jクレジットなどのオフセット取引など、温室効果ガスの排出量の削減やオフセットに係る各種のサービス及び商品を含むことができる。ソリューション記憶部233は、ソリューションを特定する情報(ソリューションID)及び当該ソリューションの採用可能な業種に対応付けて、ソリューションにより削減されうる排出力の削減量を計算するための削減情報を記憶することができる。削減情報は、例えば、排出量に対する割合(パーセント)であってもよいし、活動量に乗じるための排出係数であってもよい。
【0018】
排出量計算部211は、事業主体の排出量(又は第1ないし第4の排出量の少なくともいずれか)を計算することができる。排出量計算部211は、例えば、活動量の入力を受け付け、活動量の種類に対応する排出係数を排出係数記憶部231から取得し、取得した排出係数を活動量に乗じて活動ごとの排出量を計算し、スコープ及び/又はカテゴリ別に排出量を合計して排出量を計算することができる。なお、排出量計算部211は、外部で計算された排出量の入力を受け付けるようにしてもよい。
【0019】
入力部212は、事業主体による排出量の削減目標割合、基準時点及び目標時点の入力を受け付ける。基準時点及び目標時点は、例えば、年(年度)である。基準時点の排出量を基準として、削減目標割合だけ削減した目標排出量を目標時点に実現することを目標として設定することができる。入力部212は、第1ないし第3の排出量のそれぞれについて、第1ないし第3の削減目標割合を受け付けることができる。入力部212は、第3の排出量について、カテゴリ別の第4の削減目標割合を受け付けることもできる。
【0020】
入力部212は、他の事業者から第3の削減目標割合を受け付けることができる。入力部212は、例えば、他の事業者(の従業者)が操作するユーザ端末1から第3の削減目標割合を受信することができる。入力部212は、他の事業者のユーザ端末1に対して、第3の削減目標割合の入力を指示するメッセージを送信し、メッセージに応じて他の事業者から入力された第3の削減目標割合を当該ユーザ端末1から受信することができる。
【0021】
単位削減量計算部213は、単位時間での排出量の削減量を計算する。単位時間は例えば1年であるが、四半期や月、週などとしてもよい。単位削減量計算部213は、基準時点における排出量を排出量記憶部231から取得し、取得した排出量に削減目標割合を乗じて、基準時点から目標時点までに削減する削減量を計算する。単位削減量計算部213は、計算した削減量を基準時点から目標時点までの単位時間の数(例えば年数)で割って、単位時間(例えば1年)あたりに削減する削減量の目標値(単位削減量)を計算することができる。単位削減量計算部213はまた、第1ないし第3の排出量のそれぞれについて、第1ないし第3の単位削減量を計算することができる。単位削減量計算部213はまた、第3の排出量について、カテゴリ別の第4の単位削減量を計算することもできる。
【0022】
目標排出量計算部214は、単位時間(例えば1年)ごとの排出量の目標値(目標排出量という。)を計算する。目標排出量計算部214は、基準時点から単位時間ごとに、基準時点の排出量から累積の単位削減量を減じて目標排出量を計算することができる。目標排出量計算部214は、第1ないし第3の排出量のそれぞれについて、単位時間ごとの目標排出量(第1ないし第3の目標排出量)を計算することができる。目標排出量計算部214は、第3の排出量について、単位時間ごとのカテゴリ別の第4の目標排出量を計算することができる。
【0023】
出力部215は、単位時間ごとに目標排出量を出力することができる。出力部215は、第1ないし第3の排出量のそれぞれについて、目標排出量を出力することができる。出力部215は、第3の排出量について、カテゴリ別に第4の目標排出量を出力することができる。
【0024】
出力部215は、排出量が登録されている期間については、排出量と目標排出量(合計又は第1ないし第4の排出量及び目標排出量)を対応付けて出力することができる。出力部215は、例えば、グラフ形式により排出量と目標排出力とを出力することができる。
【0025】
出力部215は、ソリューションを導入した後の排出量(又は削減量)を可視化することもできる。出力部215は、例えば、ユーザ端末1からソリューションの指定を受け付け、指定されたソリューションに対応する削減情報をソリューション記憶部233から読み出し、読み出した削減情報に基づいて排出量の削減量を計算し、排出量から削減量を減じた値(シミュレーション排出量)を計算し、シミュレーション排出量を出力することができる。出力部215は、排出量及び目標排出量とともに、シミュレーション排出量を出力することもできる。
【0026】
<動作>
図4は、目標排出量を出力する処理を説明する図である。
【0027】
管理サーバ2は、自社のユーザが操作するユーザ端末1から基準時点、目標時点、及び削減割合の入力を受け付ける(S301)。管理サーバ2は、サプライチェーンの上流及び/又は下流の他の事業主体のユーザ端末1に対して、基準時点及び目標時点を設定した、削減割合を要求するリクエストを送信する(S302)。他の事業主体のユーザは、リクエストに応じてユーザ端末1に削減割合を入力し、管理サーバ2は、リクエストに応じてユーザ端末1から送信される削減割合を受信する(S303)。なお、他の事業主体において排出量を管理するシステムが削減割合を応答するようにしてもよい。また、管理サーバ2は、自社のユーザから、他の事業主体による削減割合の入力を受け付けるようにしてもよい。
【0028】
管理サーバ2は、基準時点から目標時点までの単位時間(例えば年)ごとの削減量を計算する(S304)。管理サーバ2は、例えば、基準時点の排出量を排出量記憶部232から読み出し、読み出した排出量に削減割合を乗じて削減量を計算することができる。管理サーバ2は、スコープ1及び2のそれぞれについて、異なる削減割合を受け付けるようにしてもよい。また、スコープ3については、他の事業主体のユーザ端末1から取得した削減割合は、自社のスコープ1,2に係る削減割合とは異なることがある。管理サーバ2は、自社の企業ID及び基準時点に対応する排出量を排出量記憶部232から読み出して、自社のユーザ端末1から受け付けた削減割合を乗じて目標削減量を計算するとともに、他の事業主体を示す企業ID及び基準時点に対応する排出量を排出量記憶部232から読み出して他の事業者のユーザ端末1から受信した削減割合を乗じて目標削減量を計算するようにし、スコープ及び/又はカテゴリごとに目標削減量を合計することができる。
【0029】
管理サーバ2は、基準時点から目標時点までの単位時間(例えば年)の数で目標削減量を割ることにより、単位時間ごとの削減量を計算し(S304)、基準時点の排出量から、累積した削減量を減じることにより、単位時間ごとの目標排出量を計算することができる(S305)。
【0030】
管理サーバ2は、排出量が排出量記憶部232に登録されている単位時間(年)については、排出量と目標排出量とを対応付けて出力することができる(S306)。管理サーバ2は、排出量が登録されていない単位時間(年)については、目標排出量のみを出力することができる。なお、管理サーバ2は、目標排出量ではなく単位時間ごとの削減量と排出量(登録されていれば)とを出力するようにしてもよい。
【0031】
図5は、ソリューションにより削減した排出量を出力する処理を説明する図である。
【0032】
管理サーバ2は、ソリューションの指定を受け付け(S321)、受け付けたソリューション及び自社の業種に対応する削減情報をソリューション記憶部233から読み出し、読み出した削減情報と、基準時点の排出量とに基づいて、ソリューションの導入により期待される削減量(期待削減量)を計算する(S322)。管理サーバ2は、基準時点から目標時点までの単位時間(例えば年)の数で期待削減量を割ることにより、単位時間ごとの期待削減量を計算し(S323)、基準時点の排出量から、累積した単位時間ごとの期待削減量を減じることにより、単位時間ごとのソリューションの導入により期待される排出量(期待排出量)を計算することができる(S324)。管理サーバ2は、排出量が排出量記憶部232に登録されている単位時間(年)については、排出量及び目標排出量とともに、期待排出量を対応付けて出力することができる(S325)。管理サーバ2は、排出量が登録されていない単位時間(年)については、目標排出量と期待排出量とを対応付けて出力することができる。なお、管理サーバ2は、期待排出量ではなく単位時間ごとの期待削減量と排出量(登録されていれば)とを出力するようにしてもよい。
【0033】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0034】
<開示事項>
なお、本開示には、以下のような構成も含まれる。
[項目1]
事業主体による温室効果ガスの排出量を記憶する排出量記憶部と、
前記事業主体による前記排出量の削減目標割合、基準時点及び目標時点の入力を受け付ける入力部と、
前記基準時点に対応する前記排出量を前記排出量記憶部から取得し、取得した前記排出量に前記削減目標割合を乗じて削減量を計算し、計算した前記削減量を前記基準時点から前記目標時点までの単位時間の数で割った単位削減量を計算する単位削減量計算部と、
前記単位時間ごとに、前記基準時点に対応する前記排出量から累積の前記単位削減量を減じた目標排出量を計算する目標排出量計算部と、
前記単位時間ごとに前記目標排出量を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記排出量記憶部は、前記事業主体による直接的な第1の排出量、前記事業主体による間接的な第2の排出量、及び前記事業主体のサプライチェーンの上流又は下流に位置する他の事業者による第3の排出量を記憶し、
前記入力部は、前記第1ないし第3の排出量のそれぞれについて、第1ないし第3の前記削減目標割合を受け付け、
前記単位削減量計算部は、前記第1ないし第3の排出量のそれぞれについて、第1ないし第3の前記単位削減量を計算し、
前記目標排出量計算部は、前記第1ないし第3の排出量のそれぞれについて、前記単位時間ごとの前記目標排出量を計算し、
前記出力部は、前記第1ないし第3の排出量のそれぞれについて、前記目標排出量を出力すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目3]
項目2に記載の情報処理システムであって、
前記排出量記憶部は、前記他の事業者に係る前記第3の排出量に関し、カテゴリ別の第4の排出量を記憶し、
前記入力部は、前記第3の排出量について、前記カテゴリ別の第4の前記削減目標割合を受け付け、
前記単位削減量計算部は、前記第3の排出量について、前記カテゴリ別の第4の前記単位削減量を計算し、
前記目標排出量計算部は、前記第3の排出量について、前記単位時間ごとの前記カテゴリ別の第4の前記目標排出量を計算し、
前記出力部は、前記第3の排出量について、前記カテゴリ別に前記第4の目標排出量を出力すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目4]
項目2に記載の情報処理システムであって、
前記入力部は、前記他の事業者から前記第3の削減目標割合を受け付けること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目5]
項目4に記載の情報処理システムであって、
前記入力部は、前記他の事業者に対して、前記第3の削減目標割合の入力を指示するメッセージを送信し、前記メッセージに応じて前記他の事業者から入力される前記第3の削減目標割合を受け付けること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目6]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記排出量の削減を実現するソリューションを特定する情報及び前記ソリューションにより削減されうる前記排出力の削減量を計算するための削減情報を記憶するソリューション記憶部を備え、
前記出力部は、前記ソリューションの指定を受け付け、指定された前記ソリューションに対応する前記削減情報を前記ソリューション記憶部から読み出し、読み出した前記削減情報に基づいて前記排出量の前記削減量を計算し、前記排出量から前記削減量を減じた値を出力すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目7]
事業主体による温室効果ガスの排出量を排出量記憶部に記憶するステップと、
前記事業主体による前記排出量の削減目標割合、基準時点及び目標時点の入力を受け付けるステップと、
前記基準時点に対応する前記排出量を前記排出量記憶部から取得し、取得した前記排出量に前記削減目標割合を乗じて削減量を計算し、計算した前記削減量を前記基準時点から前記目標時点までの単位時間の数で割った単位削減量を計算するステップと、
前記単位時間ごとに、前記基準時点に対応する前記排出量から累積の前記単位削減量を減じた目標排出量を計算するステップと、
前記単位時間ごとに前記目標排出量を出力するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目8]
事業主体による温室効果ガスの排出量を排出量記憶部に記憶するステップと、
前記事業主体による前記排出量の削減目標割合、基準時点及び目標時点の入力を受け付けるステップと、
前記基準時点に対応する前記排出量を前記排出量記憶部から取得し、取得した前記排出量に前記削減目標割合を乗じて削減量を計算し、計算した前記削減量を前記基準時点から前記目標時点までの単位時間の数で割った単位削減量を計算するステップと、
前記単位時間ごとに、前記基準時点に対応する前記排出量から累積の前記単位削減量を減じた目標排出量を計算するステップと、
前記単位時間ごとに前記目標排出量を出力するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0035】
1 ユーザ端末
2 管理サーバ
図1
図2
図3
図4
図5