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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081587
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】鏡筒及びレンズユニット
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20240611BHJP
【FI】
G02B7/02 A
G02B7/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023135625
(22)【出願日】2023-08-23
(62)【分割の表示】P 2022195110の分割
【原出願日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】320008672
【氏名又は名称】i-PRO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長田 晃典
(72)【発明者】
【氏名】真田 崇史
【テーマコード(参考)】
2H044
【Fターム(参考)】
2H044AA02
2H044AA16
2H044AA18
2H044AC01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】汎用性を向上させた鏡筒及びレンズユニットを提供する。
【解決手段】鏡筒2の内部には、第1開口に連通し、第1レンズ群3が収容される第1収容部が形成されている。また、鏡筒2の内部には、第2開口に連通し、第2レンズ群4が収容される第2収容部が形成されている。そして、第1収容部と第2収容部とが連通する連通位置から光軸方向において離れた第2レンズ群4の収容位置までの第2収容部の内径D1は第2レンズ群4の直径と同一であり、第2レンズ群4を第2収容部内で光軸方向に移動自在に収容する。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1レンズ群を収容する第1収容部と、
前記第1収容部と連通し、第2レンズ群を収容する第2収容部と、を備え、
前記第2収容部は、前記第1収容部と連通する連通位置から光軸方向において離れた前
記第2レンズ群の収容位置までの内径が、前記第2レンズ群の直径と実質的に同じ径であ
り、前記第2レンズ群を前記光軸方向に移動自在に収容する、
鏡筒。
【請求項2】
前記第1レンズ群は、前記光軸方向において前記第2収容部の最も近くに配置されてい
る第1レンズを有し、
前記鏡筒は、前記第1レンズの前記第2収容部側への移動を規制する規制部を備える、
請求項1に記載の鏡筒。
【請求項3】
前記規制部は、前記鏡筒の内周面から前記鏡筒の中心軸に向けて突出する突出部である

請求項2に記載の鏡筒。
【請求項4】
前記第1レンズ群は、前記光軸方向において前記第1レンズよりも前記第2収容部から
離れ、かつ前記第1レンズよりも大きい直径である第2レンズを有し、
前記第1収容部は、前記第1レンズを収容する第1部分と、前記第2レンズを収容する
第2部分と、を有する、
請求項2に記載の鏡筒。
【請求項5】
前記第1レンズ群は、前記光軸方向において前記第2レンズよりも前記第2収容部から
離れ、かつ前記第2レンズよりも大きい直径である第3レンズを有し、
前記第1収容部は、前記第3レンズを収容する第3部分を有する、
請求項4に記載の鏡筒。
【請求項6】
負のパワーを有する第1レンズ群と、
正のパワーを有する第2レンズ群と、
絞りと、
鏡筒と、を備えたレンズユニットにおいて、
前記鏡筒は、第1レンズ群を収容する第1収容部と、前記第1収容部と連通し、第2レ
ンズ群を収容する第2収容部と、を有し、
前記第2収容部は、前記第1収容部と連通する連通位置から光軸方向において離れた前
記第2レンズ群の収容位置までの内径が、前記第2レンズ群の直径と実質的に同じ径であ
り、前記第2レンズ群を前記光軸方向に移動自在に収容し、
前記絞りは、前記光軸方向において前記連通位置と前記第2レンズ群との間で前記第2
レンズ群と対向する、
レンズユニット。
【請求項7】
前記第1レンズ群は、第1レンズを有し、
前記鏡筒は、前記第1レンズの前記第2収容部側への移動を規制する規制部、を備え、
前記絞りは、前記光軸方向において前記規制部と前記第2レンズ群との間で前記第2レ
ンズ群と対向する、
請求項6に記載のレンズユニット。
【請求項8】
前記光軸方向において前記第1レンズ群に対する前記第2レンズ群の位置を調節する位
置調節機構を備える、
請求項6又は7に記載のレンズユニット。
【請求項9】
前記位置調節機構は、スペーサ部材である、
請求項8に記載のレンズユニット。
【請求項10】
前記スペーサ部材は、第1円環部材と、前記光軸方向に沿って前記第1円環部材と並べ
て配置されている第2円環部材と、を含む、
請求項9に記載のレンズユニット。
【請求項11】
前記第1円環部材は、前記第2円環部材と同じ厚みである、
請求項10に記載のレンズユニット。
【請求項12】
前記第1収容部は、被写体に向かって開口する第1開口を有し、
前記第1レンズ群は、前記第1開口の直径と実質的に同じ直径を有するレンズを含む複
数枚のレンズであり、
前記第2レンズ群は、前記第1開口の直径よりも小さい直径を有する複数枚のレンズで
ある、
請求項6に記載のレンズユニット。
【請求項13】
前記第1レンズ群は、前記光軸方向において最も前記第2収容部の近くに配置されてい
る第1レンズと、前記第1レンズよりも前記第2収容部から離れ、かつ前記第1レンズよ
りも大きい直径である第2レンズと、を有し、
前記第1収容部は、前記第1レンズを収容する第1部分と、前記第2レンズを収容する
第2部分と、を有し、
前記第1レンズは、前記光軸方向における前記第2収容部側への前記第2レンズの移動
を規制する、
請求12に記載のレンズユニット。
【請求項14】
前記第1レンズ群は、前記光軸方向において前記第2レンズよりも前記第2収容部から
離れ、かつ前記第2レンズよりも大きい直径である第3レンズを有し、
前記第1収容部は、前記第3レンズを収容する第3部分を有し、
前記第2レンズは、前記光軸方向における前記第2収容部側への前記第3レンズの移動
を規制する、
請求項13に記載のレンズユニット。
【請求項15】
前記第1レンズ群又は前記第2レンズ群の少なくとも一方は、ガラスレンズを含む、
請求項12から請求項14のいずれか1項に記載のレンズユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鏡筒及びレンズユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラなどの光学機器に用いられるレンズユニットとして、例えば、鏡筒内に複数のレ
ンズ群を光軸方向に沿って収容したものが知られている(例えば、特許文献1~3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-144532号公報
【特許文献2】特許第6951967号公報
【特許文献3】特開2018-054922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1~3のレンズユニットでは、被写体側から反被写体側に向けてレンズ鏡筒の
内径が徐々に狭くなっている。そして、各レンズ群の外径は被写体側から順に小さくなっ
ており、各レンズ群の収容位置は鏡筒の内径に応じた位置に固定されている。そのため、
焦点距離毎に専用の鏡筒を用意する必要があり、特許文献1~3のレンズユニットは汎用
性に欠けるといった課題がある。
【0005】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、汎用性を向上させた鏡筒及びレ
ンズユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の鏡筒は、第1レンズ群を収容する第1収容部と、
前記第1収容部と連通し、第2レンズ群を収容する第2収容部と、を備え、前記第2収容
部は、前記第1収容部と連通する連通位置から光軸方向において離れた前記第2レンズ群
の収容位置までの内径が、前記第2レンズ群の直径と実質的に同じ径であり、前記第2レ
ンズ群を前記光軸方向に移動自在に収容する。
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明のレンズユニットは、負のパワーを有する第1レン
ズ群と、正のパワーを有する第2レンズ群と、絞りと、鏡筒と、を備えたレンズユニット
において、前記鏡筒は、第1レンズ群を収容する第1収容部と、前記第1収容部と連通し
、第2レンズ群を収容する第2収容部と、を有し、前記第2収容部は、前記第1収容部と
連通する連通位置から光軸方向において離れた前記第2レンズ群の収容位置までの内径が
、前記第2レンズ群の直径と実質的に同じ径であり、前記第2レンズ群を前記光軸方向に
移動自在に収容し、前記絞りは、前記光軸方向において前記連通位置と前記第2レンズ群
との間で前記第2レンズ群と対向する。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、汎用性を向上させた鏡筒及びレンズユニットを提供できる。なお、上記し
た以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A図1Aは、実施の形態1に係るレンズユニットの外観図である。
図1B図1Bは、実施の形態1に係る鏡筒の外観図である。
図2A図2Aは、実施の形態1に係るレンズユニットの縦断面図である。
図2B図2Bは、実施の形態1に係る鏡筒の縦断面図である。
図3A図3Aは、実施の形態1に係るスペーサの枚数と画角の関係を示す説明図である。(スペーサ0枚)
図3B図3Bは、実施の形態1に係るスペーサの枚数と画角の関係を示す説明図である。(スペーサ1枚)
図3C図3Cは、実施の形態1に係るスペーサの枚数と画角の関係を示す説明図である。(スペーサ2枚)
図3D図3Dは、実施の形態1に係るスペーサの枚数と画角の関係を示す説明図である。(スペーサ3枚)
図3E図3Eは、実施の形態1に係るスペーサの枚数と画角の関係を示す説明図である。(スペーサ4枚)
図4A図4Aは、実施の形態1に係るレンズユニット1を反被写体側に移動させた状態のカメラモジュールの外観斜視図である。
図4B図4Bは、実施の形態1に係るレンズユニット1を反被写体側に移動させた状態のカメラモジュールの側面図である。
図4C図4Cは、実施の形態1に係るレンズユニット1を被写体側に移動させた状態のカメラモジュールの外観斜視図である。
図4D図4Dは、実施の形態1に係るレンズユニット1を被写体側に移動させた状態のカメラモジュールの側面図である。
図5A図5Aは、変形例の鏡筒の縦断面図である。
図5B図5Bは、変形例の鏡筒の縦断面図である。
図5C図5Cは、変形例の鏡筒の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態を説明する。本開示は、汎用性の高いレン
ズユニット及び鏡筒を実現することで、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:
Sustainable Development Goals)の「9.産業と技術革
新の基盤をつくろう」に貢献する。
【0011】
[実施の形態1]
[レンズユニット1、鏡筒2の構成]
図1A,B及び図2A,Bに示すように、レンズユニット1は焦点距離が変化しない固
定焦点式のレンズユニットである。レンズユニット1は、鏡筒2と、鏡筒2に収容された
第1レンズ群3及び第2レンズ群4とを備える。
【0012】
鏡筒2は、プラスチック又は金属を材質とした成形品である。鏡筒2は、第1開口5と
、第2開口6を有する。第1開口5は、鏡筒2の被写体側(先端側)の端部に形成されて
いる。第1開口5は、鏡筒2の反被写体側(基端側)の端部に形成されている。
【0013】
鏡筒2は、鏡筒2の内部に、第1収容部7と、第2収容部8とを有する。第1収容部7
は、第1開口5に連通し、第1レンズ群3を収容可能なように形成されている。第2収容
部8は、第2開口6に連通し、第2レンズ群4を収容可能なように形成されている。第1
収容部7は第2収容部8と連通している。
【0014】
鏡筒2の外周のうち、鏡筒2の基端から一定範囲には、雄ネジ9が形成されている。雄
ネジ9は、後述するカメラモジュール18(図4参照)の雌ネジと螺合する。これにより
、レンズユニット1をカメラモジュール18に組み込むことができる。なお、レンズユニ
ット1とカメラモジュール18との結合にヘリコイド結合を用いてもよい。
【0015】
第1レンズ群3は、レンズユニット1においてフォーカスレンズとして機能する。第2
レンズ群4は、レンズユニット1においてズームレンズとして機能する。第1レンズ群3
は第1収容部7における収容位置が固定されている。第2レンズ群4は第2収容部8にお
ける光軸方向の収容位置を調節することができる。なお、レンズ群の収容位置は、レンズ
群の取付位置あるいは固定位置と言うこともできる。
【0016】
第1レンズ群3は、第1レンズ31、第2レンズ32、第3レンズ33を備える。第2
レンズ32と第3レンズ33との間には遮光リング10aが設けられている。第1レンズ
群3は、第1レンズ31、第2レンズ32、第3レンズ33の組合せにより負のパワー(
負の屈曲力)を有する。第1レンズ群3において、レンズは、被写体側から第3レンズ3
3、第2レンズ32、第1レンズ31の順に配置されている。
【0017】
つまり、第1レンズ群3において、第1レンズ31は光軸方向に関して第2収容部8の
最も近くに配置されている。また、第1レンズ群3において、第2レンズ32は光軸方向
に関して第1レンズ31よりも第2収容部8から離れ、かつ第3レンズ33よりも第2収
容部8の近くに配置されている。また、第1レンズ群3において、第3レンズ33は光軸
方向に関して第2収容部8から最も遠くに配置されている。
【0018】
第3レンズ33は、第1開口5の直径と同じ長さの直径であり、かつ第3レンズ33、
第2レンズ32、第1レンズ31のうち、最も大きな径のレンズである。また、第3レン
ズ33、第2レンズ32、第1レンズ31のうち、第1レンズ31は、最も小さい直径の
レンズである。また、第2レンズ32の直径は第3レンズ33の直径と第2レンズ32の
直径との間の長さである。
【0019】
第2レンズ群4は、第4レンズ41、第5レンズ42、第6レンズ43を備える。第4
レンズ41と第5レンズ42の間には遮光リング10bが設けられている。第2レンズ群
4は、第4レンズ41、第5レンズ42、第6レンズ43の組合せにより正のパワー(正
の屈曲力)を有する。第2レンズ群において、レンズは、被写体側から第4レンズ41、
第5レンズ42、第6レンズ43の順に配置されている。
【0020】
第4レンズ41の直径、第5レンズ42の直径、第6レンズ43の直径はそれぞれ同一
の径である。また、第4レンズ41の直径、第5レンズ42の直径、第6レンズ43の直
径は、第1開口5の直径より小さい。
【0021】
なお、第1レンズ群3を構成するレンズ又は第2レンズ群4を構成するレンズの少なく
ともいずれか一方はガラスレンズを含んでいてもよい。ガラスレンズを含むことにより、
色収差の低減や温度特性の改善を行うことができる。また、レンズユニット1に含まれる
レンズは、プラスチックなどの樹脂製のレンズであってもよい。
【0022】
図2A,Bに示すように、第1収容部7には被写体側から順に段差部13,14が設け
られている。第1収容部7における鏡筒2の内径は、段差部13,14により、第2収容
部8側に向かうにつれて段階的に小さくなる。また、第1収容部7は、第3レンズ33を
収容する第3レンズ収容部7a、第2レンズ32を収容する第2レンズ収容部7b、第1
レンズ31を収容する第1レンズ収容部7cを有する。第1収容部7においては、被写体
側から、第3レンズ収容部7a、第2レンズ収容部7b、第1レンズ収容部7cの順で配
置されている。よって、第1レンズ31、第2レンズ32及び第3レンズ33を好適な位
置に収容できる。第1レンズ収容部7cは、本実施形態の第1部分の一例である。第2レ
ンズ収容部7bは、本実施形態の第2部分の一例である。第3レンズ収容部7aは、本実
施形態の第3部分の一例である。
【0023】
鏡筒2の内径は、第3レンズ収容部7aにおいて最も大きく、かつ、第1レンズ収容部
7cにおいて最も小さい。また、第2レンズ収容部7bにおける鏡筒2の内径は、第1レ
ンズ収容部7cよりも大きく、かつ第3レンズ収容部7aよりも小さい。
【0024】
また、第1レンズ収容部7cは、鏡筒2の内周面から光軸P(すなわち、鏡筒2の中心
軸)に向けて突出する突出部15を有する。突出部15はスペーサ16を設けない場合の
位置調節機構の一例である。光軸Pが、本実施形態の光軸方向の一例である。突出部15
は、鏡筒2の内周面に沿って鏡筒2の内周面に一体形成された円環状の板部である。なお
、突出部15は、鏡筒2の内周面から突出した単数又は複数の突出片として、鏡筒2の内
周面に形成してもよい。つまり、第1収容部7は、突出部15を有する。
【0025】
このように、鏡筒2は、第1収容部7と第2収容部8との境界部分に突出部15を有す
る。本実施形態では、第1収容部7と第2収容部8とが連通する連通位置の一例として、
鏡筒2の光軸Pの方向に関して、突出部15の第2収容部8側の端面の位置を連通位置と
して定義する。なお、突出部15の第1収容部7側の端面の位置を連通位置としてもよく
、突出部15の厚み方向の中心位置を連通位置としてもよい。つまり、第1収容部7と第
2収容部8との境界において特定の位置を本実施形態の連通位置として定めることができ
る。
【0026】
また、第1レンズ収容部7cに第1レンズ31を収容すると、第1レンズ31の基端部
は突出部15の中央の孔15a内に収容される。さらに、第1レンズ収容部7cに第1レ
ンズ31を収容すると、第1レンズ31の端部は突出部15の被写体側の規制面15bに
押し当てられる。よって、第1レンズ31を好適な位置に位置決めできる。また、簡便な
構成で第1レンズ31を好適な位置に位置決めできる。規制面15bは、光軸方向におけ
る第1レンズ31の第2収容部8側への移動を規制する。このように、突出部15は第1
開口5と連通位置の間で第1レンズ31の光軸方向における第2収容部8側への移動を規
制する。突出部15が、本実施形態の規制部の一例である。
【0027】
また、第2レンズ32を第2レンズ収容部7bに収容すると、第2レンズ32は第1レ
ンズ31に当接する。これにより、第1レンズ31は第2レンズ32の第2収容部8側へ
の移動を規制する。また、第3レンズ33を第3レンズ収容部7aに収容すると、第3レ
ンズ33が遮光リング10aに当接し、遮光リング10aが第2レンズ32に当接する。
これにより、第2レンズ32は遮光リング10aを介して光軸方向における第3レンズ3
3の第2収容部8側への移動を規制する。
【0028】
また、光軸方向において連通位置と第2レンズ群4との間には絞り12が設けられてい
る。絞り12は、中央が開口した円環状の板であり、第2レンズ群4と対向して配置され
ている。なお、絞り12は、フィルム状の絞りでもよい。
【0029】
第2収容部8において連通位置から光軸方向に関して最も離れた第2レンズ群の収容位
置(例えば、後述するスペーサ16を4枚設けたときの収容位置)までの鏡筒2の内径D
1は第2レンズ群4の直径と同じ長さの径である。
【0030】
このため、第2収容部8の内径を統一しているので、第2レンズ群4は第2収容部8に
収容された状態において光軸方向で移動自在である。よって、光軸方向において、第2収
容部8における第2レンズ群4の位置を変化させることにより、鏡筒2を交換することな
く焦点距離を調節することができる。このように、本実施形態のレンズユニット1は、目
的の焦点距離に応じた鏡筒を用意する必要がないため、レンズユニット1及び鏡筒2の汎
用性を高めることができる。また、絞り12は、連通位置と第2レンズ群4との間で光軸
方向において第2レンズ群4と対向するように設けられている。したがって、レンズユニ
ット1において絞り12は、光軸方向において第2レンズ群4に入射する光の光量を調整
可能な位置に配置されることとなる。つまり、レンズユニット1において、第1レンズ群
3を透過した光の光量は、光軸方向における第2レンズ群4の位置に関わらず第2レンズ
群4に光が入射する前に調整可能である。
【0031】
さらに、本実施形態では、第2開口6の直径(直径D3:図2B)が第1開口5の直径
(直径D2:図2B)よりも小さい長さである。また、第2収容部8における鏡筒2の内
径D1(図2B参照)は直径D3と同じ長さであるか、又は直径D3よりも小さい長さで
ある。また、突出部15の開口15dの直径、すなわち連通位置における鏡筒2の内径D
4(図2B参照)は直径D3よりも小さい長さである。
【0032】
本実施形態では、第3レンズ33は、第1開口5の直径(直径D2:図2B)と同じ長
さである。そして、第2レンズ群4は、第1開口5の直径(直径D2:図2B)よりも小
さい直径を有する複数枚のレンズである。よって、鏡筒2をコンパクトにすることができ
る。
【0033】
なお、連通位置から第2レンズ群の収容位置までの内径D1は第2レンズ群4の直径と
同じ長さの径に限らない。例えば、第2収容部8において第2レンズ群4を移動自在に収
容することができれば、内径D1と第2レンズ群4の直径とが実質的に同じ長さの径であ
ってもよい。すなわち、内径D1は、第2レンズ群4の直径と同じ長さの径か、または第
2レンズ群4の直径より僅かに大きい長さの径であってよい。
【0034】
図2Aに示すように、レンズユニット1は光軸方向に沿って並べられている4枚のスペ
ーサ16を有する。スペーサ16は位置調節機構及びスペーサ部材の一例である。また、
光軸方向に沿って並べられているスペーサ16は第1円環部材及び第2円環部材の一例で
ある。スペーサ16は、連通位置と第2レンズ群4の間であり、かつ絞り12よりも被写
体側に配置されている。スペーサ16は円環状の板である。また、4枚のスペーサ16は
、同じ厚みである。スペーサ16の厚みが同一であるので、スペーサ16の製造コストを
低減することができる。スペーサ16の材質として、例えば、ステンレス、アルミニウム
等の金属、又は樹脂を用いてもよい。なお、加工しやすさの観点では、他の材料に比べて
ステンレスが好適である。
【0035】
スペーサ16は、突出部15の規制面15c(図2B参照)に押し当てられる。これに
より、光軸方向におけるスペーサ16の移動が規制され、さらに位置決めが行われる。
【0036】
図3A図3Eは、スペーサ16の枚数と、レンズユニット1の画角との関係を説明す
るための図である。図3A図3Eに示すように、レンズユニット1は、第2収容部8に
収容するスペーサ16の枚数を増減することにより、第2収容部8における第2レンズ群
4の収容位置を調節することが可能である。そして、レンズユニット1は、第2収容部8
に収容するスペーサ16の枚数を増減することにより第1レンズ群3に対する第2レンズ
群4の光軸上での位置、つまりレンズユニット1の焦点距離を調節することができる。ま
た、簡便な構成で焦点距離を調節することができる。
【0037】
例えば、図3Aに示すように、スペーサ16が0枚のとき、レンズユニット1の画角は
、例えば90°である。図3Bに示すように、スペーサ16が1枚のとき、レンズユニッ
ト1の画角は、例えば100°である。図3Cに示すように、スペーサ16が2枚のとき
、レンズユニット1の画角は、例えば110°である。図3Dに示すように、スペーサ1
6が3枚のとき、レンズユニット1の画角は、例えば120°である。図3Eに示すよう
に、スペーサ16が4枚のとき、レンズユニット1の画角は、例えば130°である。
【0038】
具体的に、第2収容部8に収容するスペーサ16の枚数を減らすことにより、第2レン
ズ群4が第1レンズ群3に近づくため、レンズユニット1の画角が狭くなる。このように
、第2収容部8に収容するスペーサ16の枚数を減らすことにより、第2レンズ群4を望
遠側(テレ側)に変位させることができる。
【0039】
一方、第2収容部8に収容するスペーサ16の枚数を増やすと、第2レンズ群4は第1
レンズ群3から遠ざかるため、レンズユニット1の画角が広くなる。このように、第2収
容部8に収容するスペーサ16の枚数を増やすことにより、第2レンズ群4を広角側(ワ
イド側)に変位させて画角を広くすることができる。
【0040】
なお、本実施形態において、遮光リング10aの直径を9.00mm、開口の直径を5
.56mm、厚みを0.15mmに設定し、突出部15の内径を4.50mm、光軸方向
の幅を0.53mmに設定し、スペーサ16の開口の直径を3.50mm、厚みを0.4
0mmに設定し、絞り12の絞り開口の直径を2.66mm、厚みを0.05mmに設定
し、第2収容部8の内径を6.00mmに設定することが好適である。
【0041】
[レンズユニット1の組立方法]
本実施形態のレンズユニット1の組み立て順序について説明する。まず、第1レンズ3
1、第2レンズ32、遮光リング10a、第3レンズ33の順序で、これらの部材を第1
開口5から鏡筒2に挿入する。第1収容部7は、鏡筒2に挿入された第1レンズ31、第
2レンズ32、遮光リング10a、第3レンズ33を収容する。そして、第3レンズ33
の端縁を接着剤17により鏡筒2の内面に接着する。
【0042】
次いで、スペーサ16、絞り12、第4レンズ41、遮光リング10b、第5レンズ4
2、第6レンズ43の順序で、これらの部材を第2開口6から鏡筒2に挿入する。第2収
容部8は、鏡筒2に挿入されたスペーサ16、絞り12、第4レンズ41、遮光リング1
0b、第5レンズ42、第6レンズ43を収容する。そして、第6レンズ43の端縁を、
接着剤17を用いて鏡筒2の内面に接着することにより、レンズユニット1を組み立てる
ことができる。
【0043】
なお、鏡筒2の第2収容部8と第2開口6の間Lの内径は第2収容部8の内径D1より
も長くなっている。また、第2開口6の縁はC面取りによる面取り加工が施されている。
このため、第2レンズ群4を第2開口6から鏡筒2に挿入するときの作業性を向上させる
ことができる。また、金型で鏡筒2を製造したときに金型から製品を離型しやすくするこ
とができる。
【0044】
本実施形態では、第3レンズ33及び第6レンズ43を鏡筒2に接着する例を挙げて説
明している。レンズを鏡筒2に接着する以外にも、例えば、熱カシメによるカシメ固定に
よってレンズを鏡筒2に固定する、あるいは、固定用のリングを鏡筒2に取り付けること
によりレンズを鏡筒2に固定するなど、異なる方法で鏡筒2にレンズを固定してもよい。
【0045】
[カメラモジュール]
図4Aは、レンズユニット1を反被写体側に移動させたときのカメラモジュール18の
外観斜視図であり、図4Bは、レンズユニット1を反被写体側に移動させたときのカメラ
モジュール18の側面図である。図4Cは、レンズユニット1を被写体側に移動させたと
きのカメラモジュール18の外観斜視図であり、図4Dは、レンズユニット1を被写体側
に移動させたときのカメラモジュール18の側面図である。
【0046】
図4A図4Dに示すように、レンズユニット1は、カメラモジュール18に組み込む
ことができる。カメラモジュール18は、CMOS(Complementary Me
tal-Oxide-Semiconductor)やCCD(Charge-Coup
led Device)等の撮影素子が実装されている画像処理部を有する。そして、カ
メラモジュール18は、レンズユニット1から入射してきた光を撮影素子上で結像させ、
電気信号に変化することで画像を取得する。カメラモジュール18は携帯情報端末、バー
コードリーダー、ID(Identification)機器、FA(Factory
Automation)機器、ロボット、セキュリティ機器、自動車などに使用すること
ができる。例えば、ロボットによる荷物のピッキングを行うときの荷物の識別、物流にお
ける二次元コードの認識、生産ラインにおける製品の良品・不良品の判定、特定スペース
における人間の混雑度合いの判定に用いることができる。
【0047】
カメラモジュール18は、レンズユニット1の雄ネジ9が螺合可能な雌ネジを有する。
レンズユニット1の雄ネジ9をカメラモジュール18の雌ネジに螺合させると、カメラモ
ジュール18にレンズユニット1を組み込むことができる。そして、手動によりレンズユ
ニット1の雄ネジ9とカメラモジュール18の雌ネジとの螺合位置を調節することによっ
てレンズユニット1の光軸方向における位置を定めることができる。具体的には、図4A
図4Bに示すようにレンズユニット1を光軸方向で反被写体側に移動させることができ
る。また、図4C図4Dに示すようにレンズユニット1を光軸方向で被写体側に移動さ
せることができる。
【0048】
なお、カメラモジュール18におけるピント調節は手動に限らずモータを用いた調節機
構によりピント調節を行うことも可能である。また、鏡筒の外周にネジを形成せずに、鏡
筒2を直接カメラモジュール18に接着することも可能である。この場合は、レンズユニ
ット1を回転させてピント調節する場合に比べて光軸の位置ずれを抑えることができる。
【0049】
[変形例]
(1)本開示では、上記実施形態で説明した鏡筒2に限らず、鏡筒2と異なる形状の鏡
筒を適用することができる。なお、実施の形態1と同様の部分に関しては同じ符号を付し
、説明を省略する。
【0050】
鏡筒2と異なる形状の鏡筒として、鏡筒2における突出部15に相当する部分を備えて
いない鏡筒を本開示に適用することができる。例えば、図5に示すように、突出部15を
備えていない鏡筒として、鏡筒20,50,60を挙げることができる。
【0051】
図5Aに示すように、鏡筒20は、第1開口21と、第2開口22と、第1開口21に
連通する第1収容部23と、第2開口22に連通する第2収容部24を備えている。
【0052】
第1収容部23は、第3レンズ33を収容する第3レンズ収容部23a、第2レンズ3
2を収容する第2レンズ収容部23b、第1レンズ31を収容する第1レンズ収容部23
cを有する。第1収容部23においては、被写体側から、第3レンズ収容部23a、第2
レンズ収容部23b、第1レンズ収容部23cの順で配置されている。第1レンズ収容部
23cは、本実施形態の第1部分の一例である。第2レンズ収容部23bは、本実施形態
の第2部分の一例である。第3レンズ収容部23aは、本実施形態の第3部分の一例であ
る。
【0053】
第3レンズ収容部23aにおける鏡筒20の内径が最も大きく、第1レンズ収容部23
cにおける鏡筒20の内径が最も小さく、第2レンズ収容部23bにおける鏡筒20の内
径は第1レンズ収容部23cよりも大きく、かつ第3レンズ収容部23aよりも小さい長
さである。
【0054】
鏡筒20には、第1収容部23と第2収容部24の連通部分には、鏡筒2における突出
部15に相当する部分が設けられていない。そのため、変形例に係る鏡筒20においては
、第1収容部23と第2収容部24の境界部分の位置を連通位置として定義すればよい。
そして、第1収容部23の第1レンズ収容部23cのほうが第2収容部24よりも鏡筒2
0の内径が大きくなっている。よって、第1レンズ31は第1収容部23と第2収容部2
4の境目の段差により、光軸方向に関して第2開口22へ向かう方向への移動が規制され
る。また、スペーサ16は第1レンズ31と対向するように配置することができる。鏡筒
20では、第2収容部24と第2開口22の間の内径は第2収容部24の直径よりも大き
くなっている。また、鏡筒20では、第2開口22の縁の面取り加工は行われていない。
【0055】
なお、鏡筒20には鏡筒2における突出部15に相当する部分が設けられていない。ま
た、第1収容部23の第1レンズ収容部23cのほうが第2収容部24よりも鏡筒20の
内径が大きくなっている。よって、レンズ鏡筒を組み立てるときに、第1開口21から第
1レンズ群3を構成するレンズ及び第2レンズ群4を構成するレンズを挿入することがで
きる。
【0056】
また、突出部15に相当する部分を設けない場合は、第1レンズ31の反被写体側に絞
り12又はスペーサ16を設けることによって、第1レンズ31の第2開口22へ向かう
方向への移動を規制してもよい。
【0057】
図5Bに示すように、鏡筒50は、第1開口51と、第2開口52と、第1開口51に
連通する第1収容部53と、第2開口52に連通する第2収容部54を備えている。
【0058】
第1収容部53は、第3レンズ33を収容する第3レンズ収容部53a、第2レンズ3
2を収容する第2レンズ収容部53b、第1レンズ31を収容する第1レンズ収容部53
cを有する。第1収容部53においては、被写体側から、第3レンズ収容部53a、第2
レンズ収容部53b、第1レンズ収容部53cの順で配置されている。第1レンズ収容部
53cは、本実施形態の第1部分の一例である。第2レンズ収容部53bは、本実施形態
の第2部分の一例である。第3レンズ収容部53aは、本実施形態の第3部分の一例であ
る。
【0059】
第3レンズ収容部53aにおける鏡筒50の内径が最も大きく、第1レンズ収容部53
cにおける鏡筒50の内径が最も小さく、第2レンズ収容部53bにおける鏡筒50の内
径は第1レンズ収容部53cよりも大きく、かつ第3レンズ収容部53aよりも小さい長
さである。第1レンズ収容部53cは、本実施形態の第1部分の一例である。第2レンズ
収容部53bは、本実施形態の第2部分の一例である。第3レンズ収容部53aは、本実
施形態の第3部分の一例である。
【0060】
第1収容部53と第2収容部54の連通部分には、鏡筒2における突出部15に相当す
る部分が設けられていない。そのため、変形例に係る鏡筒50においては、第1収容部5
3と第2収容部54の境界部分の位置を連通位置として定義すればよい。そして、第1収
容部53の第1レンズ収容部53cのほうが第2収容部54よりも直径が大きくなってい
る。よって、第1レンズ31は第1収容部53と第2収容部54の境目の段差により、光
軸方向に関して第2開口52へ向かう方向への移動が規制される。また、スペーサ16は
第1レンズ31と対向するように配置することができる。鏡筒50では、鏡筒20と異な
り、第2収容部54から第2開口52までの第2収容部54の直径が同じ長さになってい
る。また、鏡筒20と異なり、第2開口52の縁がC面取りによって加工されている。
【0061】
なお、鏡筒50には鏡筒2における突出部15に相当する部分が設けられていない。ま
た、第1収容部53の第1レンズ収容部53cのほうが第2収容部54よりも鏡筒50の
内径が大きくなっている。よって、レンズ鏡筒を組み立てるときに、第1開口51から第
1レンズ群3を構成するレンズ及び第2レンズ群4を構成するレンズを挿入することがで
きる。
【0062】
また、突出部15に相当する部分を設けない場合は、第1レンズ31の反被写体側に絞
り12又はスペーサ16を設けることによって、第1レンズ31の第2開口22へ向かう
方向への移動を規制してもよい。
【0063】
図5Cに示すように、鏡筒60は、第1開口61と、第2開口62と、第1開口61に
連通する第1収容部63と、第2開口62に連通する第2収容部64を備えている。
【0064】
第1収容部63は、第3レンズ33を収容する第3レンズ収容部63a、第2レンズ3
2を収容する第2レンズ収容部63b、第1レンズ31を収容する第1レンズ収容部63
cを有する。第1収容部63においては、被写体側から、第3レンズ収容部63a、第2
レンズ収容部63b、第1レンズ収容部63cの順で配置されている。第1レンズ収容部
63cは、本実施形態の第1部分の一例である。第2レンズ収容部63bは、本実施形態
の第2部分の一例である。第3レンズ収容部63aは、本実施形態の第3部分の一例であ
る。
【0065】
第3レンズ収容部63aにおける鏡筒60の内径が最も大きく、第1レンズ収容部63
cにおける鏡筒60の内径が最も小さく、第2レンズ収容部63bにおける鏡筒60の内
径は第1レンズ収容部63cよりも大きく、かつ第3レンズ収容部63aよりも小さい長
さである。
【0066】
第1収容部63と第2収容部64の連通部分に鏡筒2における突出部15に相当する部
分が設けられていない。そのため、変形例に係る鏡筒60においては、第1収容部63と
第2収容部64の境界部分の位置を連通位置として定義すればよい。そして、第1収容部
63の第1レンズ収容部63cのほうが第2収容部64よりも直径が大きくなっている。
よって、第1レンズ31は第1収容部63と第2収容部64の境目の段差により、光軸方
向に関して第2開口62へ向かう方向への移動が規制される。また、スペーサ16は第1
レンズ31と対向するように配置することができる。鏡筒60では、鏡筒20と異なり、
第2収容部64から第2開口62までの第2収容部64の直径が同じ長さになっている。
また、鏡筒60では、第2開口62の縁の面取り加工は行われていない。
【0067】
なお、鏡筒60には鏡筒2における突出部15に相当する部分が設けられていない。ま
た、第1収容部63の第1レンズ収容部63cのほうが第2収容部64よりも鏡筒60の
内径が大きくなっている。よって、レンズ鏡筒を組み立てるときに、第1開口61から第
1レンズ群3を構成するレンズ及び第2レンズ群4を構成するレンズを挿入することがで
きる。
【0068】
また、突出部15に相当する部分を設けない場合は、第1レンズ31の反被写体側に絞
り12又はスペーサ16を設けることによって、第1レンズ31の第2開口22へ向かう
方向への移動を規制してもよい。
【0069】
(2)上記実施形態では、位置調整機構として複数のスペーサ16を設ける例を挙げて
説明したが、位置調整機構としては複数のスペーサ16と異なる機構を適用することがで
きる。
【0070】
例えば、位置調整機構として、焦点距離に応じて光軸方向での長さが異なるスペーサを
用いることにより、第2レンズ群4の位置を調整してもよい。
【0071】
また、例えば、第1レンズ群3を収容する鏡筒と第2レンズ群4を収容する鏡筒とを別
個にし、各鏡筒の光軸方向での相対的な位置を変位させることにより、第2レンズ群4の
位置を調整してもよい。
【0072】
また、例えば、第2レンズ群4の収容位置が固定されており、かつ第2レンズ群4の収
容位置が異なる鏡筒を用いることにより、第2レンズ群4の位置を調整してもよい。
【0073】
また、例えば、鏡筒の外周面に形成した孔からピンを打ち込むことによって第2レンズ
群4の移動を規制することにより、第2レンズ群4の位置を調整してもよい。
【0074】
また、例えば、鏡筒の外周面にスリットを形成し、スリットから接着剤を塗布すること
で鏡筒とレンズを固定し、第2レンズ群4の移動を規制することにより、第2レンズ群4
の位置を調整してもよい。
【0075】
(3)上記実施形態では、反被写体側のレンズ群の位置を変位可能な例を挙げて説明し
たが、被写体側のレンズ群の位置を変位可能な構成としてもよい。
【0076】
(4)上記実施形態では、鏡筒2において突出部15の第2収容部8側の開口15dを
連通位置とする例を挙げて説明した。上述の実施形態以外にも、鏡筒2に突出部15を設
けることなく、第1収容部7と第2収容部8とを連通させ、第1収容部7と第2収容部8
との境目を連通位置としてもよい。
【0077】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に
限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇
内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ること
は明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される
。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構
成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本開示は、汎用性を向上させたレンズユニット及び鏡筒として有用である。
【符号の説明】
【0079】
1 レンズユニット
2 鏡筒
3 第1レンズ群
4 第2レンズ群
5 第1開口
6 第2開口
7 第1収容部
7a 第3レンズ収容部(第3部分)
7b 第2レンズ収容部(第2部分)
7c 第1レンズ収容部(第1部分)
8 第2収容部
15 突出部(規制部)
16 スペーサ(スペース部材)
31 第1レンズ
32 第2レンズ
33 第3レンズ
41 第4レンズ
42 第5レンズ
43 第6レンズ

図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C