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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081591
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】積層型電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
H01G4/30 201F
H01G4/30 201G
H01G4/30 513
H01G4/30 516
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023152246
(22)【出願日】2023-09-20
(31)【優先権主張番号】10-2022-0168650
(32)【優先日】2022-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】李 岡夏
(72)【発明者】
【氏名】朴 珍受
(72)【発明者】
【氏名】朴 允娥
(72)【発明者】
【氏名】崔 素銀
(72)【発明者】
【氏名】崔 恩▲ビョル▼
(72)【発明者】
【氏名】李 哲承
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE01
5E082FF05
5E082FG26
5E082GG11
(57)【要約】
【課題】信頼性、高温信頼性、及び耐湿信頼性が向上し、単位体積当たりの容量を確保しながらもめっき液及び/または水分が本体の内側に浸透することを防止する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の外部電極は、基礎電極層及び本体のコーナー上に配置され、上記基礎電極層上に配置されるコーナー電極層を含み、上記コーナー電極層は金属が占める面積割合が90%であってもよい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層、並びに前記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極を含み、
前記第1方向に対向する第1及び第2面、前記第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面、並びに前記第1~第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面を含み、
前記第3面と前記第1、第2、第5及び第6面とのそれぞれを連結する第1コーナー、並びに前記第4面と前記第1、第2、第5及び第6面とのそれぞれを連結する第2コーナーを含む本体と、
前記第3面上に配置され、前記第1、第2、第5及び第6面の少なくとも一部に延びて配置される第1基礎電極層、前記第1コーナー上に配置され、前記第1基礎電極層上に配置される第1コーナー電極層、並びに前記第1コーナー電極層上に配置され、前記第3面上で前記第1基礎電極層の少なくとも一部と接するように配置される第1めっき層を含む第1外部電極と、
前記第4面上に配置され、前記第1、第2、第5及び第6面の少なくとも一部に延びて配置される第2基礎電極層、前記第2コーナー上に配置され、前記第2基礎電極層上に配置される第2コーナー電極層、並びに前記第2コーナー電極層上に配置され、前記第4面上で前記第2基礎電極層の少なくとも一部と接するように配置される第2めっき層を含む第2外部電極と、を含み、
前記第1及び第2コーナー電極層は、金属が占める面積割合が90%以上である、積層型電子部品。
【請求項2】
前記第1コーナー上で前記第1基礎電極層と前記第1コーナー電極層との厚さを合わせた値の最小値をtbとするとき、前記最小値tbは2μm以上である、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記本体の前記第1方向の中央で測定した前記第1基礎電極層の前記第2方向の厚さをta、前記本体の前記第1方向の最外側に配置された前記内部電極で測定した前記第1基礎電極層及び前記第1コーナー電極層の前記第2方向の厚さをそれぞれta’、tb’とするとき、ta’+tb’<taである、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記第1及び第2コーナー電極層はガラスを含まない、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記第1及び第2コーナー電極層は実質的に金属からなる、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記第1及び第2コーナー電極層に含まれる金属は、Cu、Ni、Cr、Sn、Pd及びこれらの合金から選択された1つ以上の金属からなる、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記第1及び第2コーナー電極層に含まれる金属は、前記第1及び第2めっき層の金属元素とは異なる、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記第1めっき層は、前記第1、第2、第5及び第6面上で前記第1基礎電極層と少なくとも一部が接するように配置され、
前記第2めっき層は、前記第1、第2、第5及び第6面上で前記第2基礎電極層と少なくとも一部が接するように配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記第1外部電極は、前記第3面上に配置される第1接続部、前記第1コーナー上に配置される第1コーナー部、並びに前記第1、第2、第5及び第6面上に配置された第1バンド部を含み、
前記第2外部電極は、前記第4面上に配置される第2接続部、前記第2コーナー上に配置される第2コーナー部、並びに前記第1、第2、第5及び第6面上に配置された第2バンド部を含み、
前記第1コーナー電極層の一端部は前記第1接続部に配置され、
前記第2コーナー電極層の一端部は前記第2接続部に配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記第1コーナー電極層の他端部は前記第1バンド部に配置され、
前記第2コーナー電極層の他端部は前記第2バンド部に配置される、請求項9に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
前記第1及び第2基礎電極層はガラスを含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
誘電体層、並びに前記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極を含み、前記第1方向に対応する第1及び第2面、前記第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面、並びに前記第1~第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面を含み、
前記第3面と前記第1、第2、第5及び第6面のとそれぞれを連結する第1コーナー並びに前記第4面と前記第1、第2、第5及び第6面とのそれぞれを連結する第2コーナーを含む本体と、
前記第3面上に配置され、前記第1、第2、第5及び第6面の少なくとも一部に延びて配置される第1基礎電極層、前記第1コーナー上に配置され、前記第1基礎電極層上に配置される第1コーナー電極層、前記第1コーナー電極層上に配置され、前記第3面上で前記第1基礎電極層の少なくとも一部と接するように配置される第1導電性樹脂層、並びに前記第1導電性樹脂層上に配置される第1めっき層を含む第1外部電極と、
前記第4面上に配置され、前記第1、第2、第5及び第6面の少なくとも一部に延びて配置される第2基礎電極層、前記第2コーナー上に配置され、前記第2基礎電極層上に配置される第2コーナー電極層、前記第2コーナー電極層上に配置され、前記第4面上で前記第2基礎電極層の少なくとも一部と接するように配置される第2導電性樹脂層、並びに前記第2導電性樹脂層上に配置される第2めっき層を含む第2外部電極と、を含み、
前記第1及び第2コーナー電極層は、金属が占める面積割合が90%以上である、積層型電子部品。
【請求項13】
前記第1コーナー上で前記第1基礎電極層と前記第1コーナー電極層との厚さを合わせた値の最小値をtbとするとき、前記最小値tbは2μm以上である、請求項12に記載の積層型電子部品。
【請求項14】
前記本体の前記第1方向の中央で測定した前記第1基礎電極層の前記第2方向の厚さをta、前記本体の前記第1方向の最外側に配置された前記内部電極で測定した前記第1基礎電極層及び前記第1コーナー電極層の前記第2方向の厚さをそれぞれta’、tb’とするとき、ta’+tb’<taである、請求項12に記載の積層型電子部品。
【請求項15】
前記第1コーナー上で前記第1めっき層は前記第1コーナー電極層の少なくとも一部と接し、前記第2コーナー上で前記第2めっき層は前記第2コーナー電極層の少なくとも一部と接する、請求項12に記載の積層型電子部品。
【請求項16】
前記第1外部電極は、前記第3面上に配置される第1接続部、前記第1コーナー上に配置される第1コーナー部、並びに前記第1、第2、第5及び第6面上に配置された第1バンド部を含み、
前記第2外部電極は、前記第4面上に配置される第2接続部、前記第2コーナー上に配置される第2コーナー部、並びに前記第1、第2、第5及び第6面上に配置された第2バンド部を含み、
前記第1コーナー電極層の一端部は前記第1接続部に配置され、
前記第2コーナー電極層の一端部は前記第2接続部に配置される、請求項12に記載の積層型電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話などの様々な電子製品のプリント回路基板に装着されて電気を充電または放電させる役割を果たすチップ形態のコンデンサである。
【0003】
積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという利点により、様々な電子装置の部品として用いられることができ、コンピュータ、モバイル機器など、各種電子機器が小型化、高出力化され、積層セラミックキャパシタに対する小型化及び高容量化の要求が増大している。
【0004】
また、電子部品が高温、高湿などの環境条件でも駆動可能となるように様々な特性が求められている。
【0005】
積層セラミックキャパシタの外部電極を形成する際に、導電性金属が含まれた導電性ペーストに本体の内部電極が露出した面をディッピング(dipping)する方法が主に用いられている。しかし、ディッピング工法によって形成された外部電極は、外部電極の厚さが均一ではなく、本体のコーナー部分には外部電極が非常に薄く形成されるのに対し、本体の中央部分には外部電極が非常に厚く形成されていた。これにより、積層セラミックキャパシタの単位体積当たりの容量を確保することが困難であるだけでなく、本体のコーナー部分を介してめっき液及び/または水分が本体の内側に浸透して積層セラミックキャパシタの信頼性が低下するという問題が存在していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の様々な目的の一つは、信頼性が向上した積層型電子部品を提供することである。
【0007】
本発明の様々な目的の一つは、高温信頼性及び耐湿信頼性が向上した積層型電子部品を提供することである。
【0008】
本発明の様々な目的の一つは、単位体積当たりの容量を確保しながらもめっき液及び/または水分が本体の内側に浸透することを防止することである。
【0009】
但し、本発明の目的は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、誘電体層、並びに上記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極を含み、上記第1方向に対向する第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面、並びに上記第1~第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面を含み、上記第3面と上記第1、第2、第5及び第6面とのそれぞれを連結する第1コーナー並びに上記第4面と上記第1、第2、第5及び第6面とのそれぞれを連結する第2コーナーを含む本体と、上記第3面上に配置され、上記第1、第2、第5及び第6面の少なくとも一部に延びて配置される第1基礎電極層、上記第1コーナー上に配置され、上記第1基礎電極層上に配置される第1コーナー電極層、並びに上記第1コーナー電極層上に配置され、上記第3面上で上記第1基礎電極層の少なくとも一部と接するように配置される第1めっき層を含む第1外部電極と、上記第4面上に配置され、上記第1、第2、第5及び第6面の少なくとも一部に延びて配置される第2基礎電極層、上記第2コーナー上に配置され、上記第2基礎電極層上に配置される第2コーナー電極層、並びに上記第2コーナー電極層上に配置され、上記第4面上で上記第2基礎電極層の少なくとも一部と接するように配置される第2めっき層を含む第2外部電極と、を含み、上記第1及び第2コーナー電極層は、金属が占める面積割合が90%以上であってもよい。
【0011】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、誘電体層、並びに上記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極を含み、上記第1方向に対向する第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面、並びに上記第1~第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面を含み、上記第3面と上記第1、第2、第5及び第6面のそれぞれを連結する第1コーナー並びに上記第4面と上記第1、第2、第5及び第6面のそれぞれを連結する第2コーナーを含む本体と、上記第3面上に配置され、上記第1、第2、第5及び第6面の少なくとも一部に延びて配置される第1基礎電極層、上記第1コーナー上に配置され、上記第1基礎電極層上に配置される第1コーナー電極層、上記第1コーナー電極層上に配置され、上記第3面上で上記第1基礎電極層の少なくとも一部と接するように配置される第1導電性樹脂層、並びに上記第1導電性樹脂層上に配置される第1めっき層を含む第1外部電極と、上記第4面上に配置され、上記第1、第2、第5及び第6面の少なくとも一部に延びて配置される第2基礎電極層、上記第2コーナー上に配置され、上記第2基礎電極層上に配置される第2コーナー電極層、上記第2コーナー電極層上に配置され、上記第4面上で上記第2基礎電極層の少なくとも一部と接するように配置される第2導電性樹脂層、並びに上記第2導電性樹脂層上に配置される第2めっき層を含む第2外部電極と、を含み、上記第1及び第2コーナー電極層は、金属が占める面積割合が90%以上であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の様々な効果の一つとして、本体のコーナー上に配置され、基礎電極層上に配置されたコーナー電極層を含むことで、積層型電子部品の信頼性を向上させることができる。
【0013】
本発明の様々な効果の一つとして、単位体積当たりの容量を確保しながらも、めっき液及び/又は水分が本体の内側に浸透することを防止することができる。
【0014】
本発明の様々な効果の一つとして、実装によるクラックを防止しながらもESR(等価直列抵抗、Effective/Equivalent Series Resistance)が高くなることを防止することができる。
【0015】
但し、本発明の多様でありながらも有意義な利点及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程で、より容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品を概略的に示した斜視図である。
図2図1において外部電極のめっき層を除いた構造を概略的に示した斜視図である。
図3図1のI-I’線に沿った断面図である。
図4図1のII-II’線に沿った断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の本体を分解して概略的に示した分解斜視図である。
図6図3のK1領域拡大図である。
図7図3のK2領域拡大図である。
図8】本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品を概略的に示した斜視図である。
図9図8において外部電極のめっき層を除いた構造を概略的に示した斜視図である。
図10図8のIII-III’線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上に同一符号で示される要素は同一要素である。
【0018】
尚、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、図示した各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意で示したものであるため、本発明は必ずしも図示により限定されない。また、同一の思想の範囲内の機能が同一である構成要素は、同一の参照符号を用いて説明することができる。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0019】
図面において、第1方向は厚さ(T)方向、第2方向は長さ(L)方向、第3方向は幅(W)方向と定義することができる。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品を概略的に示した斜視図であり、図2は、図1において外部電極のめっき層を除いた構造を概略的に示した斜視図であり、図3は、図1のI-I’線に沿った断面図であり、図4は、図1のII-II’線に沿った断面図であり、図5は、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の本体を分解して概略的に示した分解斜視図であり、図6は、図3のK1領域拡大図であり、図7は、図3のK2領域拡大図である。
【0021】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100は、誘電体層111、並びに上記誘電体層を挟んで交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含み、上記第1方向に対向する第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面3、4、並びに上記第1~第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面5、6を含み、上記第3面と上記第1、第2、第5及び第6面のそれぞれを連結する第1コーナーC1並びに上記第4面と上記第1、第2、第5及び第6面のそれぞれを連結する第2コーナーC2を含む本体110と、上記第3面上に配置され、上記第1、第2、第5及び第6面の少なくとも一部に延びて配置される第1基礎電極層131a、上記第1コーナー上に配置され、上記第1基礎電極層上に配置される第1コーナー電極層131b、並びに上記第1コーナー電極層上に配置され、上記第3面上で上記第1基礎電極層の少なくとも一部と接するように配置される第1めっき層131dを含む第1外部電極131と、上記第4面上に配置され、上記第1、第2、第5及び第6面の少なくとも一部に延びて配置される第2基礎電極層132a、上記第2コーナー上に配置され、上記第2基礎電極層上に配置される第2コーナー電極層132b、並びに上記第2コーナー電極層上に配置され、上記第4面上で上記第2基礎電極層の少なくとも一部と接するように配置される第2めっき層132dを含む第2外部電極132と、を含み、上記第1及び第2コーナー電極層131b、132bは、金属が占める面積割合が90%以上であってもよい。
【0022】
積層セラミックキャパシタの外部電極を形成する際に、導電性金属が含まれた導電性ペーストに本体の内部電極が露出した面をディッピング(dipping)する方法が主に用いられている。しかしながら、ディッピング工法によって形成された外部電極は、本体のコーナー部分に外部電極が薄く形成されるため、本体のコーナー部分を介してめっき液及び/または水分が本体の内側に浸透しやすい。これを防止するために外部電極を厚く形成すると、単位体積当たりの容量が低下するという問題が発生することがある。
【0023】
本発明の一実施形態によると、金属が占める面積割合が90%以上である第1及び第2コーナー電極層131b、132bが、本体の第1及び第2コーナーC1、C2上に配置され、第1及び第2基礎電極層131a、132a上に配置されることで、単位体積当たりの容量を確保しながらも、本体のコーナーを介しためっき液及び/または外部からの水分の浸透を防止することができる。
【0024】
以下、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100に含まれる各構成についてより詳細に説明する。
【0025】
本体110の具体的な形状に特に制限はないが、図示するように本体110は六面体状やこれと類似した形状で形成されてもよい。焼成過程で本体110に含まれたセラミック粉末の収縮やエッジ部の研磨により、本体110は完全な直線を有する六面体状ではなく、実質的に六面体状を有していてもよい。
【0026】
本体110は、第1方向に向かい合う第1面1及び第2面2、上記第1面1及び第2面2と連結され、第2方向に向かい合う第3面3及び第4面4、並びに第1面~第4面1、2、3、4と連結され、第3方向に向かい合う第5面5及び第6面6を有してもよい。また、本体110は、第3面3と第1面1、第2面2、第5面5及び第6面6のとそれぞれを連結する第1コーナーC1を含んでもよく、第4面4と第1面1、第2面2、第5面5及び第6面6とのそれぞれを連結する第2コーナーC2を含んでもよい。
【0027】
第1コーナーC1は、第3面3と第1面1とを連結する第1-1コーナーC1-1及び上記第3面3と第2面2とを連結する第1-2コーナーC1-2を含んでもよく、第2コーナーC2は、上記第4面4と第1面1をと連結する第2-3コーナーC2-1及び上記第4面4と第2面2とを連結する第2-2コーナーC2-2を含んでもよい。また、第1コーナーC1は第3面3と第5面5とを連結する第1-5コーナー及び第3面3と第6面6とを連結する第1-6コーナーを含んでもよく、第2コーナーC2は、第4面4と第5面5とを連結する第2-5コーナー及び第4面4と第6面6とを連結する第2-6コーナーを含んでもよい。
【0028】
上記コーナーは、本体110の各面を連結するエッジを別途の工程を実行してラウンド処理するにつれてラウンド状を有していてもよい。本体110の第1面~第6面1、2、3、4、5、6は、概ね平坦な面であり、平坦でない領域をコーナーとしてみてもよい。
【0029】
本体110は、誘電体層111及び第1及び第2内部電極121、122が交互に積層されていてもよい。本体110を形成する複数の誘電体層111は焼成された状態であり、隣接する誘電体層111間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化してもよい。
【0030】
誘電体層111は、セラミック粉末、有機溶剤及びバインダーを含むセラミックスラリーを製造し、上記スラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥してセラミックグリーンシートを設けた後、上記セラミックグリーンシートを焼成することで形成されてもよい。セラミック粉末は、十分な静電容量が得られる限り、特に制限されないが、例えば、チタン酸バリウム系(BaTiO)系粉末を用いてもよい。
【0031】
誘電体層111の平均厚さtdは特に限定する必要はないが、例えば10μm以下であってもよい。また、誘電体層111の平均厚さtdは、所望の特性や用途に応じて任意で設定することができる。例えば、高電圧電装用電子部品の場合、誘電体層111の平均厚さtdは2.8μm未満であってもよく、小型IT用電子部品の場合、小型化及び高容量化を達成するために、誘電体層111の平均厚さtdは0.4μm以下であってもよく、本発明がこれに限定されるものではない。
【0032】
一般的に、誘電体層111の厚さが薄くなるほど電圧印加時に発生する反り応力による本体110にクラックが発生しやすく、本体110のコーナーを介しためっき液及び/または外部からの水分浸透に脆弱である。一方、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100の場合、金属が占める面積割合が90%以上である第1及び第2コーナー電極層131b、132bが本体110の第1及び第2コーナーC1、C2上に配置され、第1及び第2基礎電極層131a、132a上に配置されることで、誘電体層111の平均厚さtdが2.8μm未満または0.4μm以下である場合にも積層型電子部品100の信頼性を向上させることができる。
【0033】
ここで、誘電体層111の平均厚さtdは、第1及び第2内部電極121、122の間に配置される誘電体層111の第1方向の厚さを意味する。誘電体層111の平均厚さtdは、本体110の第1方向及び第2方向の断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM)を用いてスキャンして測定されてもよい。より具体的には、1つの誘電体層111のうち多数の地点、例えば第2方向に等間隔の30の地点でその厚さを測定して平均値を測定されてもよい。上記等間隔の30の地点は、後述する容量形成部Acで指定されてもよい。また、このような平均値測定を10個の誘電体層111に拡張して平均値を測定すると、誘電体層111の平均厚さtdをさらに一般化することができる。
【0034】
第1及び第2内部電極121、122は、誘電体層111と交互に配置されてもよく、例えば、互いに異なる極性を有する一対の電極である第1内部電極121と第2内部電極122とが誘電体層111を挟んで互いに対向するように配置されてもよい。複数の第1内部電極121及び複数の第2内部電極122は、その間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に分離されてもよい。
【0035】
複数の第1内部電極121は、それぞれ第4面4と離隔して第3面3と連結されるように配置されてもよい。また、複数の第2内部電極122は、それぞれ第3面3と離隔して第4面4と連結されるように配置されてもよい。
【0036】
第1及び第2内部電極121、122に含まれる導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち一つ以上であってもよいが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0037】
第1及び第2内部電極121、122は、セラミックグリーンシート上に所定の厚さで導電性金属を含む内部電極用導電性ペーストを塗布して焼成することで形成されてもよい。内部電極用導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いてもよいが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0038】
第1及び第2内部電極121、122の平均厚さteは特に限定する必要はないが、例えば3μm以下であってもよい。また、第1及び第2内部電極121、122の平均厚さteは、所望の特性や用途に応じて任意に設定することができる。例えば、高電圧電装用電子部品の場合、内部電極121、122の平均厚さteは1μm未満であってもよく、小型IT用電子部品の場合、小型化及び高容量化を達成するために、内部電極121、122の平均厚さteは0.4μm以下であってもよいが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0039】
一方、上述したように、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100の場合、金属が占める面積割合が90%以上である第1及び第2コーナー電極層131b、132bが本体110の第1及び第2コーナーC1、C2上に配置され、第1及び第2基礎電極層131a、132a上に配置されることで、複数の内部電極121、122の少なくとも一つの平均厚さteが1μm未満または0.4μm以下である場合にも積層型電子部品100の信頼性を向上させることができる。
【0040】
第1及び第2内部電極121、122の厚さは、第1及び第2内部電極121、122の第1方向の厚さを意味する。ここで、第1及び第2内部電極121、122の平均厚さteは、本体110の第1方向及び第2方向の断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM)を用いてスキャンして測定されてもよい。より具体的には、1つの内部電極のうち多数の地点、例えば、第2方向に等間隔の30の地点でその厚さを測定して平均値が測定されてもよい。上記等間隔の30の地点は、後述する容量形成部Acで指定されてもよい。また、このような平均値測定を10個の内部電極121、122に拡張して平均値を測定すると、内部電極121、122の平均厚さteをさらに一般化することができる。
【0041】
本体110は、本体110の内部に配置され、誘電体層111を挟んで互いに交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含んで容量が形成される容量形成部Acと、容量形成部Acの第1方向に向かい合う両面上にそれぞれ配置される第1カバー部112及び第2カバー部113とを含んでもよい。第1及び第2カバー部112、113は、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。第1及び第2カバー部112、113は、内部電極を含まないことを除いては、誘電体層111と同じ構成を有していてもよい。
【0042】
本体110は、容量形成部Acの第3方向に向かい合う両面上に配置されるマージン部114、115を含んでもよい。すなわち、マージン部114、115は、本体110を第1方向及び第3方向に切断した断面において内部電極121、122の両端と本体110の境界面との間の領域を意味し得る。このとき、マージン部114、115は、本体110の第5面5と連結される第1マージン部114及び本体110の第6面6と連結される第2マージン部115を含んでもよい。
【0043】
第1及び第2マージン部114、115は、第1及び第2内部電極121、122を含まないことを除いては、誘電体層111と同じ材料を含んでもよい。第1及び第2マージン部114、115は、基本的に物理的または化学的ストレスによる第1及び第2内部電極121、122の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0044】
第1及び第2マージン部114、115は、セラミックグリーンシート上に第1及び第2マージン部114、115が形成されるところを除いて、内部電極用導電性ペーストを塗布して焼成することで形成されたものであってもよい。あるいは、第1及び第2内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後の第1及び第2内部電極121、122が本体110の第5面5及び第6面6と連結されるように切断した後、単一の誘電体層111または2つ以上の誘電体層111を容量形成部Acの第3方向に向かい合う両面上に積層することで第1及び第2マージン部114、115を形成してもよい。
【0045】
第1及び第2外部電極131、132は、本体110の第3面3及び第4面4に配置されてもよく、上記第1面、第2面、第5面及び第6面の一部上に延長してもよい。また、第1及び第2外部電極131、132は、複数の第1内部電極121と連結される第1外部電極131、及び複数の第2内部電極122と連結される第2外部電極132を含んでもよい。
【0046】
また、第1外部電極131のうち上記第3面上に配置される領域を第1接続部P1a、上記第1面及び第2面上に配置される領域を第1バンド部P1b、上記第1コーナーC1上に配置される第1接続部P1aと第1バンド部P1bとの間の領域を第1コーナー部P1cと定義することができる。第2外部電極132のうち上記第4面上に配置される領域を第2接続部P2a、上記第1面及び第2面上に配置される領域を第2バンド部P2b、上記第2コーナーC2上に配置される第2接続部P2aと第2バンド部P2bとの間の領域を第2コーナー部P2cと定義することができる。
【0047】
第1外部電極131は、第3面3上に配置され、上記第1、第2、第5及び第6面の少なくとも一部に延びて配置される第1基礎電極層131a、上記第1コーナー上に配置され、上記第1基礎電極層上に配置される第1コーナー電極層131b、並びに上記第1コーナー電極層上に配置され、上記第3面上で上記第1基礎電極層の少なくとも一部と接するように配置される第1めっき層131dを含んでもよい。第2外部電極132は、第4面上に配置され、上記第1、第2、第5及び第6面の少なくとも一部に延びて配置される第2基礎電極層132a、上記第2コーナー上に配置され、上記第2基礎電極層上に配置される第2コーナー電極層132b、並びに上記第2コーナー電極層上に配置され、上記第4面上で上記第2基礎電極層の少なくとも一部と接するように配置される第2めっき層132dを含んでもよい。
【0048】
第1基礎電極層131aは、第1内部電極121と第1外部電極131とを連結させる役割を果たすことができ、第2基礎電極層132aは、第2内部電極122と第2外部電極132とを連結させる役割を果たすことができる。
【0049】
第1及び第2基礎電極層131a、132aに含まれる導電性金属は特に限定する必要はないが、例えば、第1及び第2基礎電極層131a、132aは、Ni、Cu、Cr、Sn、Pd、及びこれらの合金のうち一つ以上を含んでもよい。
【0050】
一実施形態において、第1基礎電極層131aは、第3面3上に配置され、第1、第2、第5及び第6面1、2、5、6の少なくとも一部に延びて配置されてもよい。第1基礎電極層131aのうち、第1、第2、第5及び第6面1、2、5、6上に配置された領域を第1基礎電極層131aの第1バンド部P1b、第3面3上に配置された領域を第1基礎電極層131aの第1接続部P1a、第1コーナーC1上に配置された領域を第1基礎電極層131aの第1コーナー部P1cとしてもよい。
【0051】
第2基礎電極層132aは、第4面4上に配置され、第1、第2、第5及び第6面1、2、5、6の少なくとも一部に延びて配置されてもよい。第2基礎電極層132aのうち、第1、第2、第5及び第6面1、2、5、6上に配置された領域を第2基礎電極層132aの第2バンド部P2b、第4面4上に配置された領域を第2基礎電極層132aの第2接続部P2a、第2コーナーC2上に配置された領域を第2基礎電極層132aの第2コーナー部P2cとしてもよい。
【0052】
一実施形態において、第1及び第2基礎電極層131a、132aはガラスを含んでもよい。これにより、第1及び第2基礎電極層131a、132aは本体110との結合力に優れることができる。この場合、第1及び第2基礎電極層131a、132aは、導電性金属及びガラスを含むペーストに本体をディッピングした後に焼成することで形成されてもよい。
【0053】
第1及び第2コーナー電極層131b、132bは、基本的に、本体110の第1及び第2コーナーC1、C2上に配置される。
【0054】
一般的に、導電性金属及びガラスを含むペーストを用いてディッピング方式によって第1及び第2基礎電極層131a、132aを形成する場合、接続部の厚さが最も厚くなり、コーナー部の厚さが薄くなる。また、ガラスは酸性のめっき液及び水分に曝されたときに浸食が起こることがあり、ガラスが浸食される場合、本体のコーナーが直接露出する領域が発生することがあるため、水分浸透経路となり得る。
【0055】
一方、本発明の一実施形態によると、金属が占める面積割合が90%以上の第1及び第2コーナー電極層131b、132bが、本体110の第1及び第2コーナーC1、C2上に配置され、第1及び第2基礎電極層131a、132a上に配置されることで、第1及び第2外部電極131、132の第1方向の中央領域の厚さを過度に増加させずに耐湿信頼性を向上させることができ、積層型電子部品100の単位体積当たりの容量を確保しながらもめっき液及び/または外部からの水分が本体110の第1及び第2コーナーC1、C2に浸透することを防止することができる。
【0056】
第1及び第2コーナー電極層131b、132bは、金属が占める面積割合が90%以上でってもよい。第1及び第2コーナー電極層131b、132bは、第1及び第2基礎電極層131a、132a上に配置されることによって、本体110との結合力が要求されない。したがって、第1及び第2コーナー電極層131b、132bのうち金属が占める面積割合を90%以上とすることで、めっき液や水分などによる浸食を効果的に抑制することができ、第1及び第2めっき層131d、132dの形成時に本体110の第1及び第2コーナーC1、C2にめっき液が浸透することを効果的に防止することができ、外部からの水分が本体110の第1及び第2コーナーC1、C2に浸透することを効果的に防止することができる。より好ましくは、第1及び第2コーナー電極層131b、132bのうち金属が占める面積割合は95%以上であってもよく、さらに好ましくは98%以上であってもよい。すなわち、第1及び第2コーナー電極層131b、132bは、不可避な不純物を除くと金属からなることが最も好ましい。
【0057】
一方、第1及び第2コーナー電極層131b、132bのうち金属を除いた領域には気孔、ガラスなどが配置されてもよく、第1及び第2コーナー電極層131b、132bのうち金属を除いた領域には、ガラスが含まれないことがより好ましい。
【0058】
一実施形態において、第1及び第2コーナー電極層131b、132bは実質的に金属からなってもよい。ここで、第1及び第2コーナー電極層131b、132bが実質的に金属からなることは、第1及び第2コーナー電極層131b、132bのうち金属が占める面積割合が98%以上であることを意味し得る。
【0059】
第1及び第2コーナー電極層131b、132bは、基礎電極層で拡散した元素や焼成過程での酸化に用いる酸素原子などを一部含んでもよいが、これらを除くと第1及び第2コーナー電極層131b、132bは実質的に金属である。これにより、本発明による耐湿信頼性の向上効果がより顕著になり得る。
【0060】
このとき、第1及び第2コーナー電極層131b、132bのうち金属が占める面積割合は、SEM(Scanning Electron Microscope)を用いてスキャンしたイメージから算出したものであってもよい。具体的には、積層型電子部品100を幅方向(第3方向)の中央の位置まで研磨して長さ方向及び厚さ方向の断面(L-T断面)を露出させた後、コーナー電極層の部分を、SEMを用いて2000倍率でスキャンしたイメージを分析して測定することができる。このとき、イメージ分析プログラムを用いて面積を測定することができ、イメージ分析プログラムは特に限定されない。SEMを用いてスキャンしたイメージから陰影の差異で金属、気孔、ガラスなどを区分することができ、金属は最も明るい色、ガラスは濃い灰色、気孔は黒色で現れるため、目視でも容易に区別できる。
【0061】
一実施形態において、第1及び第2コーナー電極層131b、132bは、ガラスを含まなくてもよい。第1及び第2コーナー電極層131b、132bがガラスを含まないことによって、めっき液及び/または外部からの水分によってガラスが浸食されることを根本的に防止することができるため、本発明による耐湿信頼性の向上効果をより顕著にすることができる。
【0062】
第1及び第2コーナー電極層131b、132bに含まれる金属は特に限定する必要はないが、例えば、第1及び第2コーナー電極層131b、132bに含まれる金属は、Cu、Ni、Cr、Sn、Pd及びこれらの合金から選択された1つ以上の金属からなってもよい。
【0063】
一方、第1及び第2コーナー電極層131b、132bに含まれる金属は、第1及び第2基礎電極層131a、132aに含まれた金属と異なっていてもよい。但し、これに制限されるものではなく、第1及び第2コーナー電極層131b、132bに含まれた金属と第1及び第2基礎電極層131a、132aに含まれた金属は同一であってもよく、第1及び第2基礎電極層131a、132aに含まれた金属元素のいずれか1つ以上を含んでいてもよい。
【0064】
また、第1及び第2コーナー電極層131b、132bに含まれる金属は、第1及び第2めっき層131d、132dの金属元素と異なっていてもよい。但し、これに制限されるものではなく、第1及び第2コーナー電極層131b、132bに含まれる金属は、第1及び第2めっき層131d、132dを構成する金属元素と同一であってもよく、第1及び第2めっき層131d、132dを構成する金属元素のいずれか1つ以上を含んでいてもよい。
【0065】
第1及び第2コーナー電極層131b、132bを形成する方法は特に限定する必要はない。例えば、第1及び第2コーナー電極層131b、132bは、本体110の第1及び第2コーナーC1、C2上に導電性金属を含む導電性ペーストを塗布して焼成することで形成されてもよい。また、第1及び第2コーナー電極層131b、132bは、本体110の第1及び第2コーナーC1、C2上に導電性金属は含むが、ガラスを含まない導電性ペーストを塗布して焼成することで形成されてもよい。
【0066】
一実施形態において、第1コーナー電極層131bの一端部は、第1接続部P1aに配置され、第2コーナー電極層132bの一端部は、第2接続部P2aに配置されてもよい。これにより、めっき液及び/または外部からの水分が本体110の第1及び第2コーナーC1、C2に浸透することをより確実に抑制することができる。
【0067】
このとき、第1コーナー電極層131bの他端部は、第1バンド部P1bに配置され、第2コーナー電極層132bの他端部は、第2バンド部P2bに配置されてもよい。すなわち、第1コーナー電極層131bは、第1コーナーC1を全て覆うように配置されてもよく、第2コーナー電極層132bは、第2コーナーC2を全て覆うように配置されてもよい。これにより、めっき液及び/または外部からの水分が本体110の第1及び第2コーナーC1、C2に浸透することをより確実に抑制することができる。
【0068】
さらに、第1及び第2コーナー電極層131b、132bは、第1方向を基準にして最外側に配置された内部電極を覆うように配置されてもよい。これにより、めっき液及び/または外部からの水分が上記最外側に配置された内部電極を介して本体の内部に浸透することを抑制することができる。
【0069】
第1及び第2めっき層131d、132dは、実装特性を向上させることができる。第1及び第2めっき層131d、132dの種類は特に限定されず、Ni、Sn、Pd及び/またはこれらを含む合金などを含むめっき層とすることができ、複数の層で形成されてもよい。
【0070】
第1及び第2めっき層131d、132dは、例えば、Niめっき層またはSnめっき層であってもよく、Niめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であってもよい。また、第1及び第2めっき層131d、132dは、複数のNiめっき層及び/または複数のSnめっき層を含んでもよい。
【0071】
第1めっき層131dは、第3面3上で第1基礎電極層131aの少なくとも一部と接するように配置されてもよく、第2めっき層132dは、第4面4上で第2基礎電極層132aの少なくとも一部と接するように配置されてもよい。これにより、第1及び第2外部電極131、132の厚さを最小化して単位体積当たりの容量を向上させることができる。
【0072】
一実施形態において、第1めっき層131dは、第1、第2、第5及び第6面1、2、5、6上で第1基礎電極層131aと少なくとも一部が接するように配置され、第2めっき層132dは第1、第2、第5及び第6面1、2、5、6上で第2基礎電極層132aと少なくとも一部が接するように配置されてもよい。すなわち、第1めっき層131dは、第1コーナー電極層131bを全て覆うように配置されてもよく、第2めっき層132dは、第2コーナー電極層132bを全て覆うように配置されてもよい。
【0073】
以下では、第1基礎電極層131a、第1コーナー電極層131b、及び第1めっき層131dを基準として説明するが、第2外部電極132は第1外部電極131と第2方向において対称の関係であってもよいため、第1基礎電極層131a、第1コーナー電極層131b、及び第1めっき層131dに関する説明は、第2基礎電極層132a、第2コーナー電極層132b、及び第2めっき層132dにも同様に適用することができる。
【0074】
図6を参照すると、一実施形態において、第1コーナーC1上で第1基礎電極層131aと第1コーナー電極層131bとの厚さを合わせた値の最小値をtbとするとき、tbは2μm以上であってもよい。上記最小値tbが2μm以上である場合、めっき液及び/または外部からの水分が本体110の第1コーナーC1を介して浸透することをさらに効果的に防止することができる。
【0075】
上記最小値tbは、第1-1コーナーC1-1または第1-2コーナーC1-2の表面に直交する方向で測定した第1基礎電極層131aと第1コーナー電極層131bとの厚さを合計した値の最小値を意味する。また、上記tbは、積層型電子部品100の第3方向の中央で第1及び第2方向に切断した断面を、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて3000倍以上の倍率で観察して測定したものであってもよい。
【0076】
図6を参照すると、第3面3から第1面1または第2面2に配置された第1基礎電極層131aの端部までの第2方向の距離をL1、第3面3から第1面1または第2面2に配置された第1コーナー電極層131bの端部までの第2方向の距離をL2とするとき、L1>L2であってもよい。第1コーナー電極層131bは本体110との結合力が弱いため、L1>L2を満たすことで第1コーナー電極層131bのデラミネーション(はく離)を防止することができる。
【0077】
L1、L2は、積層型電子部品100の第3方向の中央から第1及び第2方向に切断した断面を、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて2000倍以上の倍率で観察して測定したものであってもよい。
【0078】
図6及び図7を参照すると、一実施形態において、本体110の第1方向の中央で測定した第1基礎電極層131aの第2方向の厚さをta、本体110の第1方向の最外側に配置された内部電極で測定した第1基礎電極層131aの第2方向の厚さをta’とするとき、ta’/taは1未満であってもよい。
【0079】
また、第1基礎電極層131aがディッピング方式によって形成される場合、ta’/taは0.7超過の値を有することが困難である可能性があるため、ta’/taは0.7以下であってもよい。第1基礎電極層131aがディッピング方式によって形成される場合、一般的にta’/taは0.4以下の値であってもよい。
【0080】
上記ta’/taが0.7以下としてコーナー部P1cにおける第1基礎電極層131aの厚さが薄い場合であっても、本発明の一実施形態によると、金属が占める面積割合が90%以上である第1及び第2コーナー電極層131b、132bが本体の第1及び第2コーナーC1、C2上に配置され、第1及び第2基礎電極層131a、132a上に配置されるため、耐湿信頼性を確保することができる。
【0081】
一方、ta’/taの下限は特に限定する必要はなく、例えばta’/taは0.05以上であってもよい。
【0082】
また、図6を参照すると、一実施形態において、本体110の第1方向の中央で測定した第1基礎電極層131aの第2方向の厚さをta、本体の第1方向の最外側に配置された内部電極で測定した第1基礎電極層131aの厚さをta’、本体110の第1方向の最外側に配置された内部電極で測定した第1コーナー電極層131bの第2方向の厚さをtb’とするとき、ta’+tb’<taであってもよい。
【0083】
これによって、第1コーナー電極層131bの形成に伴う外部電極の第2方向の厚さの増加を抑制して、耐湿信頼性を確保しながらも単位体積当たりの容量を向上させることができる。
【0084】
また、ta、ta’及びtb’は、積層型電子部品100の第3方向の中央で第1及び第2方向に切断した断面を、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて3000倍以上の倍率で観察して測定したものであってもよい。
【0085】
以下、本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品について説明する。但し、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、上述した本発明の一実施形態に係る積層型電子部品と同様の構成を有することができる。したがって、上述した本発明の一実施形態と重複する説明は省略する。
【0086】
上述した本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100と比較すると、本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品200は、外部電極231、232が導電性樹脂層231c、232cをさらに含む形態である。
【0087】
図8は、本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品を概略的に示した斜視図であり、図9は、図8において外部電極のめっき層を除いた構造を概略的に示した斜視図であり、図10は、図8のIII-III’線に沿った断面図である。
【0088】
図8図10を参照すると、本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品200は、誘電体層111並びに上記誘電体層を挟んで交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含み、上記第1方向に対向する第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面3、4、並びに上記第1~第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面5、6を含み、上記第3面と第1、第2、第5及び第6面とのそれぞれを連結する第1コーナーC1並びに上記第4面と第1、第2、第5及び第6面とのそれぞれを連結する第2コーナーC2を含む本体110と、上記第3面上に配置され、上記第1、第2、第5及び第6面の少なくとも一部に延びて配置される第1基礎電極層231a、上記第1コーナー上に配置され、上記第1基礎電極層上に配置される第1コーナー電極層231b、上記第1コーナー電極層上に配置され、上記第3面上で上記第1基礎電極層の少なくとも一部と接するように配置される第1導電性樹脂層231c、並びに上記第1導電性樹脂層上に配置される第1めっき層231dを含む第1外部電極231と、上記第4面上に配置され、上記第1、第2、第5及び第6面の少なくとも一部に延びて配置される第2基礎電極層232a、上記第2コーナー上に配置され、上記第2基礎電極層上に配置される第2コーナー電極層232b、上記第2コーナー電極層上に配置され、上記第4面上で上記第2基礎電極層の少なくとも一部と接するように配置される第2導電性樹脂層232c、並びに上記第2導電性樹脂層上に配置される第2めっき層232dを含む第2外部電極232と、を含み、上記第1及び第2コーナー電極層は、金属が占める面積割合が90%以上であってもよい。
【0089】
第1及び第2導電性樹脂層231c、232cは、導電性金属及び樹脂を含んでもよい。第1及び第2導電性樹脂層231c、232cに含まれる導電性金属は、第1及び第2基礎電極層231a、232a及び第1及び第2コーナー電極層231b、232bと電気的に接続されるようにする役割を果たすことができる。第1及び第2導電性樹脂層231c、232cに含まれる導電性金属は、特に限定する必要はないが、例えば、Cu、Ni、Ag、Sn、Cr及びこれらの合金のうち一つ以上を含んでもよい。
【0090】
第1及び第2導電性樹脂層231c、232cに含まれる導電性金属の形態は、特に限定する必要はないが、例えば、球状粒子及びフレーク(flake)状粒子のうち一つ以上を含んでもよい。
【0091】
ここで、球状粒子は、完全な球状ではない形態も含んでよく、例えば、長軸と短軸の長さ割合(長軸/短軸)が1.45以下の形態を含んでもよい。フレーク状粒子は、平坦でありながら長い形態を有する粒子を意味し、特に制限されるものではないが、例えば、長軸と短軸の長さ割合(長軸/短軸)が1.95以上であってもよい。
【0092】
上記球状粒子及びフレーク状粒子の長軸及び短軸の長さは、積層型電子部品200の第3方向の中央で第1及び第2方向に切断した断面を、走査電子顕微鏡(SEM)を用いてスキャンして得られたイメージから測定してもよい。
【0093】
第1及び第2導電性樹脂層231c、232cに含まれる樹脂は、接合性確保及び衝撃吸収の役割を果たすことができる。これにより、第1及び第2導電性樹脂層231c、232cは比較的高い柔軟性を有することができる。これにより、外部の物理的衝撃や反り衝撃から積層型電子部品200を保護することができ、基板実装時に加えられる応力や引張応力を吸収して積層型電子部品200にクラックが発生することを防止することができる。
【0094】
第1及び第2導電性樹脂層231c、232cに含まれる樹脂は特に限定する必要はないが、絶縁性樹脂を用いてもよく、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂及びエチルセルロースのうち一つ以上を含んでもよい。
【0095】
一実施形態において、第1コーナーC1上で第1めっき層231dは、第1コーナー電極層231bの少なくとも一部と接し、第2コーナーC2上で第2めっき層232dは第2コーナー電極層232bの少なくとも一部と接してもよい。例えば、第1コーナー部P1cにおいて第1コーナー電極層231bの少なくとも一部が第1めっき層231dと接してもよく、第2コーナー部P2cにおいて第2コーナー電極層232bの少なくとも一部が第2めっき層232dと接してもよい。
【0096】
上述したように、実装によるクラックを防止するために、第1及び第2外部電極231、232が第1及び第2導電性樹脂層231c、232cを含む場合、抵抗が高い第1及び第2導電性樹脂層231c、232cによって積層型電子部品200のESRが増加するという問題が存在していた。
【0097】
一方、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品200の場合、本体110の第1及び第2コーナーC1、C2上で第1及び第2コーナー電極層231b、232bの少なくとも一部が第1及び第2めっき層231d、232dと接することで第1及び第2導電性樹脂層231c、232cを介して実装によるクラックを防止しながらも、ESRが増加することを防止することができる。
【0098】
特に、第1及び第2コーナー電極層231b、232bの少なくとも一部は、第1及び第2内部電極121、122と離隔した本体110の第1及び第2コーナーC1、C2上で第1及び第2めっき層231d、232dと接することで積層型電子部品200の信頼性に影響を与えずにESRを効果的に減少させることができる。
【0099】
一方、第1及び第2コーナー電極層231b、232bと第1及び第2めっき層231d、232dとが接する地点は、本体110の第1及び第2コーナーC1、C2上であれば良く、特に限定する必要はない。例えば、積層型電子部品200の第3方向の1/4地点、2/4地点、3/4地点を第1及び第2方向に切断した各断面の少なくとも1つの断面において、第1及び第2コーナー電極層231b、232bの少なくとも一部が本体110の第1及び第2コーナーC1、C2上で第1及び第2めっき層231d、232dと接していてもよい。
【0100】
第1及び第2コーナー電極層231b、232bを第1及び第2めっき層231d、232dと接するようにする方法は特に限定する必要はない。例えば、図9を参照すると、第1導電性樹脂層231cは、第1コーナーC1上に配置された第1開口部Hを含んでもよく、上記第1開口部を介して第1コーナー電極層231bと第1めっき層231dとが互いに接し、第2導電性樹脂層232cは、第2コーナーC2上に配置された第2開口部を含んでもよく、上記第2開口部を介して第2コーナー電極層232bと第2めっき層232dとが互いに接していてもよい。すなわち、第1及び第2導電性樹脂層231c、232cは、第1及び第2コーナー部P1c、P2cに配置された開口部を含んでもよく、上記開口部を介して第1及び第2コーナー電極層231b、232bと第1及び第2めっき層231d、232dとが互いに接していてもよい。
【0101】
第1及び第2導電性樹脂層231c、232cは、本体110の第1及び第2コーナーC1、C2上に配置された少なくとも1つ以上の開口部を含んでもよく、上記開口部は第1及び第2コーナー電極層231b、232bと第1及び第2めっき層231d、232dとを互いに接するようにすることができれば、如何なる形態であっても構わない。
【0102】
上記第1及び第2導電性樹脂層231c、232cの開口部を形成する方法は、特に限定する必要はないが、例えば、第1及び第2導電性樹脂層231c、232cを形成する導電性樹脂組成物を第1及び第2コーナー電極層231b、232b上に塗布した後、上記導電性樹脂組成物を硬化する前に、本体110の第1及び第2コーナーC1、C2上に塗布された導電性樹脂組成物の少なくとも一部を除去することで上記開口部を形成することができる。
【0103】
第1及び第2導電性樹脂層231c、232cは、第1及び第2コーナー電極層231b、232b上に配置され、第1及び第2導電性樹脂層231c、232cの少なくとも一部は、第1面1及び第2面2上に延びていてもよい。また、第1及び第2導電性樹脂層231c、232cの少なくとも一部は、第5面5及び第6面6上に延びていてもよい。
【0104】
第3面3から第1面1または第2面2に配置された第1及び第2導電性樹脂層231c、232cの端部までの第2方向の距離は、第3面3から第1面1または第2面2に配置された第1及び第2基礎電極層231a、232aの端部までの第2方向の距離より大きくてもよい。これにより、反り強度の特性をより向上させることができる。
【0105】
(実験例1)
図1図7に示した本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の構造を有する実施例1を製作した。比較例1の場合、実施例1とは異なりコーナー電極層を除いて製作した。
【0106】
具体的には、誘電体層及び内部電極を含む本体を設けた後、上記本体を導電性金属及びガラスを含むペーストにディッピングした後に焼成して基礎電極層を形成した。この後、実施例1は、基礎電極層が形成された本体のコーナー上に導電性金属を含むが、ガラスを含まない導電性ペーストを塗布した後に焼成することでコーナー電極層を形成し、比較例1はコーナー電極層を形成しなかった。この後、めっき層を形成してサンプルチップを設けた。
【0107】
実施例1及び比較例1のそれぞれ400個のサンプルチップを製作して基板に実装した後、高温信頼性及び耐湿信頼性を評価して下記表1に記載した。
【0108】
高温信頼性の場合、温度105℃で1Vrの電圧を12時間印加し、耐湿信頼性の場合、温度85℃相対湿度85%で0.6Vrの電圧を12時間印加した後、絶縁抵抗が初期数値より10Ω以上低下する場合、不良と判断し、不良のサンプル個数を表1に記載した。
【0109】
【表1】
【0110】
表1を参照すると、比較例1の場合、4つのサンプルで高温信頼性の不良が発生し、7つのサンプルで耐湿信頼性の不良が発生した。
【0111】
一方、実施例1の場合、高温信頼性の不良が発生したサンプルはなく、1つのサンプルで耐湿信頼性の不良が発生して、比較例1に比べて高温信頼性及び耐湿信頼性の向上効果が顕著であることが確認できる。
【0112】
(実験例2)
図8図10に示された本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品の構造を有する実施例2を製作した。比較例2の場合、実施例2とは異なりコーナー電極層を除いて製作した。
【0113】
具体的には、誘電体層及び内部電極を含む本体を設けた後、上記本体を導電性金属及びガラスを含むペーストにディッピングした後に焼成して基礎電極層を形成した。この後、実施例1は、基礎電極層が形成された本体のコーナー上に導電性金属を含む導電性ペーストを塗布した後に焼成することでコーナー電極層を形成し、比較例1はコーナー電極層を形成しなかった。この後、導電性樹脂組成物を塗布した後、本体のコーナーのうち第3方向の中央領域に塗布された導電性樹脂組成物を一部除去して中間電極層が露出するようにした。この後、硬化熱処理を進行して導電性樹脂層を形成し、上記導電性樹脂層上にめっき層を形成してサンプルチップを設けた。
【0114】
実施例1及び比較例1のそれぞれ400個のサンプルチップを製作して基板に実装した後に、高温信頼性、耐湿信頼性及びESRを評価して下記表2に記載した。
【0115】
高温信頼性及び耐湿信頼性の評価方法は、実験例1と同様にした。
【0116】
ESRは測定器を用いて測定し、1MHzでの平均値、最小値、及び最大値を測定して下記表2に記載した。
【0117】
【表2】
【0118】
表2を参照すると、比較例2の場合、2つのサンプルで高温信頼性の不良が発生し、5つのサンプルで耐湿信頼性の不良が発生した。
【0119】
一方、実施例2の場合、高温信頼性の不良及び耐湿信頼性の不良が発生したサンプルはなく、ESRの平均値及び最小値が比較例2より低く、特にESRの最大値は比較例2の半分であり、比較例2に対してESR増加が抑制され、高温信頼性及び耐湿信頼性の向上効果が顕著であることが確認できる。
【0120】
本発明は、上述した実施形態及び添付された図面によって限定されるものではなく、添付された特許請求の範囲によって限定しようとする。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で当技術分野の通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これもまた本発明の範囲に属するといえる。
【0121】
なお、「一実施形態」という表現は、互いに同一の実施形態を意味するものではなく、それぞれ異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記で提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態において説明された事項が他の一実施形態に説明されていなくても、他の一実施形態においてその事項と対立または矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に関連する説明として理解することができる。
【0122】
さらに、第1、第2などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区別するために用いるものであり、該当構成要素の順序及び/または重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲を逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名することもでき、同様に第2構成要素は第1構成要素と命名することもできる。
【符号の説明】
【0123】
100 積層型電子部品
110 本体
111 誘電体層
112、113 カバー部
114、115 マージン部
121、122 内部電極
131、132、231、232 外部電極
131a、132a、231a、232a 基礎電極層
131b、132b、231b、232b コーナー電極層
231c、232c 導電性樹脂層
131d、132d、231d、232d めっき層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10