(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081606
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】フレキシブル表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240611BHJP
H10K 77/10 20230101ALI20240611BHJP
H10K 59/124 20230101ALI20240611BHJP
H10K 59/123 20230101ALI20240611BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20240611BHJP
H10K 59/80 20230101ALI20240611BHJP
H10K 71/60 20230101ALI20240611BHJP
H10K 59/90 20230101ALI20240611BHJP
【FI】
G09F9/30 348A
G09F9/30 308Z
G09F9/30 338
H10K77/10
H10K59/124
H10K59/123
H10K59/131
H10K59/80
H10K71/60
H10K59/90
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023200495
(22)【出願日】2023-11-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0168981
(32)【優先日】2022-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】ユ ジュンスク
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ユホ
(72)【発明者】
【氏名】ホン スンキ
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC21
3K107CC45
3K107DD17
3K107DD39
3K107DD44Z
3K107DD89
3K107DD90
3K107DD96
3K107EE04
3K107HH05
5C094AA15
5C094AA38
5C094AA43
5C094BA27
5C094BA43
5C094DA06
5C094DA15
5C094DA20
5C094DB01
5C094EA07
5C094EA10
5C094EC04
5C094FA01
5C094FB01
(57)【要約】
【課題】生産性を向上させながらGIP配線部の腐食不良を改善する表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置は、光学領域と一般領域とに区分される表示領域及びベンディング領域と非ベンディング領域とに区分される非表示領域を含む基板と、前記基板上に配置される第1絶縁膜と、前記非ベンディング領域の前記第1絶縁膜上に配置される配線と、前記配線上に配置される第2絶縁膜と、前記非ベンディング領域の前記第2絶縁膜上に配置され、前記配線と連結される第1コンタクト領域を有する連結配線と、前記連結配線上に配置される第1平坦化層と、前記第1平坦化層上に配置されて前記ベンディング領域に延び、前記連結配線と連結される第2コンタクト領域を有するリンク配線とを含むことを特徴とする。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学領域と一般領域とに区分される表示領域及びベンディング領域と非ベンディング領域とに区分される非表示領域を含む基板と、
前記基板上に配置される第1絶縁膜と、
前記非ベンディング領域の前記第1絶縁膜上に配置される配線と、
前記配線上に配置される第2絶縁膜と、
前記非ベンディング領域の前記第2絶縁膜上に配置され、前記配線と連結される第1コンタクト領域を有する連結配線と、
前記連結配線上に配置される第1平坦化層と、
前記第1平坦化層上に配置されて前記ベンディング領域に延び、前記連結配線と連結される第2コンタクト領域を有するリンク配線と、
前記リンク配線上に配置され、一部の領域が除去されて前記リンク配線の第2コンタクト領域を露出させるオープン領域を含む第2平坦化層と、
前記第2平坦化層上に配置され、前記オープン領域を満たす第3絶縁膜とを含む、フレキシブル表示装置。
【請求項2】
前記第1絶縁膜は、マルチバッファ層、アクティブバッファ層及びゲート絶縁膜を含む、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項3】
前記配線は、GIP(Gate-In-Panel)配線を含む、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項4】
前記GIP配線は、駆動ICに延びて信号の印加を受けるか、前記表示領域内の画素に延びて信号を伝達する、請求項3に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項5】
前記GIP配線は、前記表示領域内のトランジスタのゲート電極と同じ層に同じ金属物質で構成される、請求項3に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項6】
前記第2絶縁膜は、第1層間絶縁膜及び第2層間絶縁膜を含む、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項7】
前記連結配線は、少なくとも一つの第1コンタクトホールを通して前記リンク配線の第2コンタクト領域と電気的に連結され、少なくとも一つの第2コンタクトホールを通して前記配線と電気的に連結される、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項8】
前記連結配線は、前記表示領域内のトランジスタのソース電極及びドレイン電極と同じ層に同じ金属物質で構成される、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項9】
前記第1平坦化層は、ポリイミド(PI:polyimide)系列の材料で構成される、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項10】
前記リンク配線は、前記駆動ICに連結されたGIP配線及び前記表示領域の画素に連結されたGIP配線の間を連結する、請求項4に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項11】
前記リンク配線は、前記表示領域内の連結電極と同じ層に同じ金属物質で構成される、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項12】
前記第2平坦化層は、フォトアクリル(PAC)系列の材料で構成される、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項13】
前記第3絶縁膜は、バンクを含む、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項14】
前記バンクは、PI系列の材料で構成される、請求項13に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項15】
前記基板の下部に位置し、前記光学領域と重畳されて配置される光学電子装置をさらに含む、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項16】
前記光学領域は、非透過領域と透過領域を含み、
前記透過領域は、カソード電極を含む不透明電極が除去され、
前記光学電子装置は、前記透過領域に位置する、請求項15に記載のフレキシブル表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、フレキシブル表示装置に関し、より詳細には、ベゼル幅を縮小できるフレキシブル表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化時代に入るに伴い、電気的情報信号を視覚的に表示する表示装置分野が急速に発展しており、様々な表示装置に対して、薄型化、軽量化及び低消費電力化等の性能を開発させるための研究が続いている。
【0003】
代表的な表示装置としては、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)、電界放出表示装置(FED:Field Emission Display)、電気湿潤表示装置(EWD:Electro-Wetting Display)及び有機発光表示装置(OLED:Organic Light Emitting Display)等が挙げられる。
【0004】
有機発光表示装置に代表される電界発光表示装置は、セルフ発光表示装置であって、液晶表示装置とは異なり別途の光源が不要であり、軽量薄型に製造が可能である。また、電界発光表示装置は、低電圧駆動により消費電力の側面で有利であるだけではなく、色相構成、応答速度、視野角、明暗対比比(CR:Contrast Rati)にも優れており、多様な分野で活用が期待されている。
【0005】
電界発光表示装置は、アノード電極とカソード電極の二つの電極の間に発光層を配置して発光素子を構成することとなる。即ち、アノード電極での正孔を発光層に注入させ、カソード電極の電子を発光層に注入させると、注入された電子と正孔が互いに再結合しながら発光層で励起子(exciton)を形成して発光できる。
【0006】
一方、表示装置の同一面積で有効表示画面の大きさを増加させるために表示領域の外郭部であるベゼル(bezel)領域を縮小させようとする努力が続いている。
【0007】
ただし、非表示領域に該当するベゼル領域には、画面を駆動するための配線及び駆動回路が配置されるため、ベゼル領域を縮小するには限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、プラスチックのような延性材料のフレキシブル基板を適用して反っても表示性能を維持できるフレキシブル電界発光表示装置と関連して、配線及び駆動回路のための面積を確保しながらもベゼル領域を縮小させるためにフレキシブル基板の非表示領域をベンディング(bending)してベゼル領域を縮小させようとする努力がある。以下、便宜上、このような表示装置をベゼルベンディング表示装置と称する。
【0009】
一方、ベゼル幅を縮小させるためにベゼルベンディング表示装置を適用しながら二つの層の配線層と二つの層の平坦化層を適用する構造で、生産性を向上させるために平坦化層としてフォトアクリル(PAC)を適用するようになる。この場合に、ベンディング領域に隣接したコンタクトホールの近くのGIP(Gate-In-Panel)配線部に腐食不良が発生し得る。
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、生産性を向上させながらもGIP配線部の腐食不良を改善したフレキシブル発光表示装置を提供することである。
【0011】
本発明の課題は、以上において言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述したような課題を解決するために、本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置は、光学領域と一般領域とに区分される表示領域及びベンディング領域と非ベンディング領域とに区分される非表示領域を含む基板、前記基板上に配置される第1絶縁膜、前記非ベンディング領域の第1絶縁膜上に配置される配線、前記配線上に配置される第2絶縁膜、前記非ベンディング領域の第2絶縁膜上に配置され、前記配線と連結される第1コンタクト領域を有する連結配線、前記連結配線上に配置される第1平坦化層、前記第1平坦化層上に配置されて前記ベンディング領域に延び、前記連結配線と連結される第2コンタクト領域を有するリンク配線、前記リンク配線上に配置され、一部の領域が除去されて前記リンク配線の第2コンタクト領域を露出させるオープン領域を含む第2平坦化層、及び前記第2平坦化層上に配置され、前記オープン領域を満たす第3絶縁膜を含むことができる。
【0013】
その他の実施例の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、平坦化層としてフォトアクリル(PAC)系列の材料を適用しながら、GIP配線部のコンタクトホールの上部の平坦化層を一部除去し、ポリイミド(polyimide;PI)系列の材料のバンクで満たすことで、生産性を向上させながらGIP配線部の腐食不良を改善できるようになる。
【0015】
本発明に係る効果は、以上において例示された内容により制限されず、さらに多様な効果が本発明内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1a】本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置を概略的に示す平面図である。
【
図1b】本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置を概略的に示す平面図である。
【
図1c】本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置を概略的に示す平面図である。
【
図1d】本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置を概略的に示す平面図である。
【
図2a】
図1のフレキシブル表示装置の第1光学領域を例に挙げて示す図である。
【
図2b】
図1のフレキシブル表示装置の第1光学領域を例に挙げて示す図である。
【
図3】本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置のサブ画素の等価回路である。
【
図4】本発明の一実施例に係る表示パネルにおいて、表示領域のサブ画素の配置を示す図である。
【
図5a】本発明の一実施例に係る表示パネルにおいて、第1光学領域及び一般領域それぞれでの信号ラインの配置を例に挙げて示す図である。
【
図5b】本発明の一実施例に係る表示パネルにおいて、第2光学領域及び一般領域それぞれでの信号ラインの配置を例に挙げて示す図である。
【
図6】本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置において、第1光学領域内の非透過領域と透過領域の断面構造及び一般領域の断面構造を示す図である。
【
図7】本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置の断面の一部を示す図である。
【
図8】本発明の他の実施例に係るフレキシブル表示装置の断面の一部を示す図である。
【
図9】本発明の一実施例のGIP配線部を示す平面図である。
【
図10】
図9のC-C’線に沿った断面を示す図である。
【
図11】本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置の第1光学領域を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると、明確になるだろう。しかし、本発明は、以下において開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に構成され、単に、本実施例は、本発明の開示が完全なものとなるようにし、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求の範囲により定義されるだけである。
【0018】
本発明の実施例を説明するための図面に開示された形状、大きさ、比率、角度、個数等は、例示的なものであるので、本発明は、図示された事項に限定されるものではない。また、本発明を説明するにあたって、関連した公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。また、本明細書上において言及された「含む」、「有する」、「なされる」等が使用される場合、「~だけ」が使用されない以上、他の部分が加えられ得る。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0019】
構成要素を解釈するにあたって、別途の明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0020】
位置関係についての説明である場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~隣に」等と二部分の位置関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されない以上、二部分の間に一つ以上の他の部分が位置してもよい。
【0021】
素子または層が他の素子または層の上(on)と称されるものは、他の素子のすぐ上または中間に他の層または他の素子を介在した場合をいずれも含む。
【0022】
第1、第2等が多様な構成要素を述べるために使用されるが、これらの構成要素は、これらの用語により制限されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。従って、以下において言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であってもよい。
【0023】
明細書全体にわたって、同じ参照符号は、同じ構成要素を指す。
【0024】
図面で示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために示されたものであり、本発明は、示された構成の大きさ及び厚さに必ずしも限定されるものではない。
【0025】
本発明の様々な実施例のそれぞれの特徴は、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、当業者が十分に理解できるように技術的に多様な連動及び駆動が可能であり、各実施例が互いに対して独立して実施可能であってもよく、関連関係で共に実施可能であってもよい。
【0026】
以下においては、添付の図面を参照して、本発明の多様な実施例を詳細に説明する。
【0027】
図1a乃至
図1dは、本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置を概略的に示す平面図である。
【0028】
図1a乃至
図1dを参照すると、本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置100は、映像を表示する表示パネルDP及び一つ以上の光学電子装置150、150a、150bを含むことができる。光学電子装置150、150a、150bは、光を受信する受光装置を含むことができる。
【0029】
表示パネルDPは、ユーザに映像を表示するためのパネルである。
【0030】
表示パネルDPは、映像を表示するための表示素子、表示素子を駆動するための駆動素子、及び表示素子及び駆動素子に各種の信号を伝達する配線等を備えることができる。表示素子は、表示パネルDPの種類によって異なるように定義され得、例えば、表示パネルDPが有機発光表示パネルである場合、表示素子は、アノード電極、有機層及びカソード電極を含む有機発光素子であってよい。例えば、表示パネルDPが液晶表示パネルである場合、表示素子は、液晶表示素子であってよい。
【0031】
以下においては、表示パネルDPが有機発光表示パネルであるものと仮定するが、表示パネルDPが有機発光表示パネルに制限されるものではない。
【0032】
一方、表示パネルDPは、基板、及び基板上の多数の絶縁膜、トランジスタ層及び発光素子層等を含んで構成され得る。表示パネルDPは、映像表示のために、多数のサブ画素及び多数のサブ画素を駆動するための各種の信号ラインを含むことができる。信号ラインは、多数のデータライン、多数のゲートライン、多数の電源ライン等を含むことができる。このとき、多数のサブ画素それぞれは、トランジスタ層に位置するトランジスタ及び発光素子層に位置する発光素子を含むことができる。
【0033】
表示パネルDPは、表示領域DA及び非表示領域NDAを含むことができる。
【0034】
表示領域DAは、表示パネルDPで映像が表示される領域である。
【0035】
表示領域DAには、多数の画素を構成する多数のサブ画素及び多数のサブ画素を駆動するための回路が配置され得る。多数のサブ画素は、表示領域DAを構成する最小単位であり、多数のサブ画素それぞれに表示素子が配置され得、多数のサブ画素は、画素を構成できる。例えば、多数のサブ画素それぞれにアノード電極、有機層及びカソード電極を含む有機発光素子が配置され得るが、これに制限されない。また、多数のサブ画素を駆動するための回路には、駆動素子及び配線等が含まれ得る。例えば、回路は、薄膜トランジスタ、ストレージキャパシタ、ゲートライン、データライン等からなり得るが、これに制限されない。
【0036】
非表示領域NDAは、映像が表示されない領域である。
【0037】
非表示領域NDAは、ベンディングされて前面で見えないか、ケース(図示しない)により隠され得、ベゼル領域ともいう。
【0038】
図1a乃至
図1dにおいて、非表示領域NDAが四角形状の表示領域DAを囲んでいるものと示したが、表示領域DAと非表示領域NDAの形態及び配置は、
図1a乃至
図1dに示された例に限定されない。即ち、表示領域DA及び非表示領域NDAは、フレキシブル表示装置100を搭載した電子装置のデザインに適した形態であってよい。例えば、表示領域DAの例示的な形態は、五角形、六角形、円形、楕円形等であってもよい。
【0039】
非表示領域NDAには、表示領域DAの有機発光素子を駆動するための多様な配線及び回路等が配置され得る。例えば、非表示領域NDAには、表示領域DAの多数のサブ画素及び回路に信号を伝達するためのリンク配線、GIP(Gate-In-Panel)配線、またはゲートドライバIC、データドライバICのような駆動IC等が配置され得るが、これに制限されない。
【0040】
フレキシブル表示装置100は、多様な信号を生成するか表示領域DA内の画素を駆動するための、多様な付加要素をさらに含むことができる。画素を駆動するための付加要素は、インバータ回路、マルチプレクサ、静電気放電(ESD:Electro Static Discharge)回路等を含むことができる。フレキシブル表示装置100は、画素の駆動以外の機能と関連した付加要素も含むことができる。例えば、フレキシブル表示装置100は、タッチ感知機能、ユーザ認証機能(例えば、指紋認識)、マルチレベル圧力感知機能、触覚フィードバック(tactile feedback)機能等を提供する付加要素をさらに含むことができる。前記言及された付加要素は、非表示領域NDAおよび/または連結インターフェースと連結された外部回路に位置し得る。
【0041】
図1a乃至
図1dを参照すると、表示領域DAは、第1光学領域DA1と第2光学領域DA2を含むことができるが、これに制限されない。
【0042】
図1a乃至
図1dにおいて、一つ以上の光学電子装置150、150a、150bは、表示パネルDPの下(視聴面の反対側)に位置する電子部品である。
【0043】
光は、表示パネルDPの前面(視聴面)に入射し、表示パネルDPを透過して表示パネルDPの下(視聴面の反対側)に位置する一つ以上の光学電子装置150、150a、150bに伝達され得る。
【0044】
一つ以上の光学電子装置150、150a、150bは、表示パネルDPを透過した光を受信して、受信された光によって定められた機能を果たす装置であってよい。例えば、電子装置150、150a、150bは、カメラ(イメージセンサ)等の撮影装置、照度センサ、感知センサ及び近接センサ等のうち一つ以上を含むことができる。
【0045】
前述したように、電子装置150、150a、150bは、光受信が必要な装置であるが、表示パネルDPの裏(下部)に位置し得る。即ち、電子装置150、150a、150bは、表示パネルDPの視聴面の反対側に位置し得る。電子装置150、150a、150bは、フレキシブル表示装置100の前面に露出されない。従って、ユーザがフレキシブル表示装置100の前面を見たとき、電子装置150、150a、150bが見えない。
【0046】
一例として、表示パネルDPの裏(下部)に位置するカメラは、前面を撮影する前面カメラであり、カメラレンズと見なすこともできる。
【0047】
電子装置150、150a、150bは、表示パネルDPの表示領域DAと重畳されるように配置され得る。即ち、電子装置150、150a、150bは、表示領域DA内に位置し得る。
【0048】
図1a乃至
図1dを参照すると、表示領域DAは、一般領域NAと一つ以上の光学領域DA1、DA2を含むことができる。
【0049】
一つ以上の光学領域DA1、DA2は、一つ以上の光学電子装置150、150a、150bと重畳される領域であってよい。
【0050】
図1aの例示によれば、表示領域DAは、一般領域NA及び第1光学領域DA1を含むことができる。ここで、第1光学領域DA1の少なくとも一部は、第1光学電子装置150と重畳され得る。
【0051】
図1aに第1光学領域DA1が円形である構造を示したが、本発明の実施例に係る第1光学領域DA1の形状は、これに限定されるものではない。
【0052】
例えば、
図1bに示されたように、第1光学領域DA1の形状は、八角形になされ得、この他にも多様な多角形状になされ得る。
【0053】
図1cの例示によれば、表示領域DAは、一般領域NA、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を含むことができる。
図1cの例示において、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2の間には、一般領域NAが存在し得る。ここで、第1光学領域DA1の少なくとも一部は、第1光学電子装置150aと重畳され得、第2光学領域DA2の少なくとも一部は、第2光学電子装置150bと重畳され得る。
【0054】
図1dの例示によれば、表示領域DAは、一般領域NA、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を含むことができる。
図1dの例示において、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2の間には、一般領域NAが存在しない。即ち、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2は、互いに接し得る。ここで、第1光学領域DA1の少なくとも一部は、第1光学電子装置150aと重畳され得、第2光学領域DA2の少なくとも一部は、第2光学電子装置150bと重畳され得る。
【0055】
一つ以上の光学領域DA1、DA2は、映像表示構造及び光透過構造が全て形成されていなければならない。即ち、一つ以上の光学領域DA1、DA2は、表示領域DAの一部の領域であるので、一つ以上の光学領域DA1、DA2には、映像表示のためのサブ画素が配置されなければならない。一つ以上の光学領域DA1、DA2には、一つ以上の光学電子装置150、150a、150bに光を透過させるための光透過構造が形成されなければならない。
【0056】
一つ以上の光学電子装置150、150a、150bは、光受信が必要な装置であるが、表示パネルDPの裏(下、視聴面の反対側)に位置して、表示パネルDPを透過した光を受信するようになる。
【0057】
一つ以上の光学電子装置150、150a、150bは、表示パネルDPの前面(視聴面)に露出されない。従って、ユーザがフレキシブル表示装置100の前面を見たとき、光学電子装置150、150a、150bがユーザに見えない。
【0058】
例えば、第1光学電子装置150、150aは、カメラであってよく、第2光学電子装置150bは、近接センサ、照度センサ等の感知センサであってよい。例えば、感知センサは、赤外線を感知する赤外線センサであってよい。
【0059】
これと逆に、第1光学電子装置150、150aが感知センサであり、第2光学電子装置150bがカメラであってよい。
【0060】
以下においては、説明の便宜のために、第1光学電子装置150、150aがカメラであり、第2光学電子装置150bが感知センサであるものと例を挙げる。ここで、カメラは、カメラレンズまたはイメージセンサであってよい。
【0061】
第1光学電子装置150、150aがカメラである場合、このカメラは、表示パネルDPの裏(下)に位置するが、表示パネルDPの前面方向を撮影する前面カメラであってよい。従って、ユーザは、表示パネルDPの視聴面を見ながら、視聴面に見えないカメラを通して撮影をすることができる。
【0062】
表示領域DAに含まれた一般領域NA及び一つ以上の光学領域DA1、DA2は、映像表示が可能な領域であるが、一般領域NAは、光透過構造が形成される必要がない領域であり、一つ以上の光学領域DA1、DA2は、光透過構造が形成されなければならない領域である。
【0063】
従って、一つ以上の光学領域DA1、DA2は、一定水準以上の透過率を有しなければならず、一般領域NAは、光透過性を有しないか一定水準未満の低い透過率を有し得る。
【0064】
例えば、一つ以上の光学領域DA1、DA2と一般領域NAは、解像度、サブ画素配置構造、単位面積当たりのサブ画素個数、電極構造、ライン構造、電極配置構造、またはライン配置構造等が互いに異なり得る。
【0065】
例えば、一つ以上の光学領域DA1、DA2での単位面積当たりのサブ画素個数は、一般領域NAでの単位面積当たりのサブ画素個数より小さくてよい。即ち、一つ以上の光学領域DA1、DA2の解像度は、一般領域NAの解像度より低くてよい。このとき、単位面積当たりのサブ画素個数は、解像度を測定する単位であり、1インチ(inch)内の画素個数を意味するPPI(Pixels Per Inch)ともいえる。
【0066】
例えば、第1光学領域DA1内の単位面積当たりのサブ画素個数は、一般領域NA内の単位面積当たりのサブ画素個数より小さくてよい。第2光学領域DA2内の単位面積当たりのサブ画素個数は、第1光学領域DA1内の単位面積当たりのサブ画素個数以上であってよい。
【0067】
第1光学領域DA1は、円形、楕円形、四角形、六角形、または八角形等、多様な模様を有し得る。第2光学領域DA2は、円形、楕円形、四角形、六角形、または八角形等、多様な模様を有し得る。第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2は、同じ模様を有してもよく、異なる模様を有してもよい。
【0068】
図1cを参照すると、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2が接している場合、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を含む全体光学領域もまた円形、楕円形、四角形、六角形、または八角形等、多様な模様を有し得る。
【0069】
以下においては、説明の便宜のために、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2それぞれは、円形であるものを例に挙げる。
【0070】
本発明の実施例に係るフレキシブル表示装置100において、外部に露出されずに表示パネルDPの下部に隠されている第1光学電子装置150、150aがカメラである場合、本発明の実施例に係るフレキシブル表示装置100は、UDC(Under Display Camera)技術が適用されたディスプレイといえる。
【0071】
これによれば、本発明の実施例に係るフレキシブル表示装置100の場合、表示パネルDPにカメラの露出のためのノッチ(Notch)またはカメラホールが形成されなくてもよいため、表示領域DAの面積減少が発生しない。
【0072】
これによって、表示パネルDPにカメラの露出のためのノッチ(Notch)またはカメラホールが形成されなくてもよいため、ベゼル領域の大きさが減ることができ、デザインの制約事項がなくなり、デザイン設計の自由度が高くなり得る。
【0073】
本発明の実施例に係るフレキシブル表示装置100に、一つ以上の光学電子装置150、150a、150bが表示パネルDPの裏に隠されて位置するにもかかわらず、一つ以上の光学電子装置150、150a、150bは、正常に光を受信して定められた機能を正常に遂行できなければならない。
【0074】
また、本発明の実施例に係るフレキシブル表示装置100において、一つ以上の光学電子装置150、150a、150bが表示パネルDPの裏に隠されて位置し、表示領域DAと重畳されて位置するにもかかわらず、表示領域DAで一つ以上の光学電子装置150、150a、150bと重畳される一つ以上の光学領域DA1、DA2で正常な映像表示が可能でなければならない。
【0075】
そこで、本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置100は、電子装置150、150a、150bと重畳される第1、第2光学領域DA1、DA2の透過率を向上させることができる構造を有し得る。
【0076】
図2a及び
図2bは、
図1のフレキシブル表示装置の第1光学領域を例に挙げて示す図である。
【0077】
図2bは、
図2aと比べて、配線SLとサブ画素の発光領域EA1、EA2、EA3、EA4がさらに示されている。
【0078】
図2a及び
図2bを参照すると、第1光学領域DA1は、光学電子装置と重畳され得る。第1光学領域DA1は、非透過領域NTAと透過領域TAを含むことができる。
【0079】
透過領域TAは、第1光学領域DA1に含まれる一部の領域であり、カソード電極のような不透明な構成が除去されることで外部光が光学電子装置まで透過され得る。例えば、透過領域TAは、円形または楕円形状を有し得、ホール領域ともいえる。
【0080】
また、非透過領域NTAは、第1光学領域DA1に含まれる一部の領域であり、トランジスタ層のトランジスタと発光素子層の発光素子が位置し得る。
【0081】
非透過領域NTAは、多数のサブ画素の発光領域EA1、EA2、EA3、EA4が存在する画素領域PAと信号ラインSLが配置される配線領域WAを含むことができる。
【0082】
透過領域TAが非透過領域NTAにより囲まれている場合、第1光学領域DA1は、互いに分離された形態の多数の透過領域TAを含むことができるが、これに制限されない。
【0083】
図3は、本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置のサブ画素の等価回路である。
【0084】
図3を参照すると、本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置において、表示パネルに配置された多数のサブ画素SPそれぞれは、発光素子120、駆動トランジスタTd、スキャントランジスタTs及びストレージキャパシタCst等を含むことができる。
【0085】
このとき、発光素子120は、画素電極と共通電極及び画素電極と共通電極との間に位置する発光層を含むことができる。画素電極は、各サブ画素SPに配置され、共通電極は、多数のサブ画素SPに共通して配置され得る。例えば、画素電極はアノード電極であり、共通電極はカソード電極であってよい。他の例を挙げて、画素電極はカソード電極であり、共通電極はアノード電極であってよい。例えば、発光素子120は、有機発光ダイオード(OLED)、マイクロLED(Micro Light Emitting Diode)または量子ドット(QD:Quantum Dot)発光素子等であってよい。
【0086】
駆動トランジスタTdは、発光素子120を駆動するためのトランジスタであって、第1ノードN1、第2ノードN2及び第3ノードN3等を含むことができる。
【0087】
駆動トランジスタTdの第1ノードN1は、駆動トランジスタTdのゲートノードであってよく、スキャントランジスタTsのソースノードまたはドレインノードと電気的に連結され得る。また、駆動トランジスタTdの第2ノードN2は、駆動トランジスタTdのソースノードまたはドレインノードであってよく、発光素子120の画素電極とも電気的に連結され得る。駆動トランジスタTdの第3ノードN3は、駆動電圧EVDDを供給する駆動電圧ラインDVLと電気的に連結され得る。
【0088】
また、スキャントランジスタTsは、スキャン信号SCANにより制御され、駆動トランジスタTdの第1ノードN1とデータラインDLとの間に連結され得る。スキャントランジスタTsは、ゲートラインGLで供給されるスキャン信号SCANによってターン-オンまたはターン-オフされ、データラインDLと駆動トランジスタTdの第1ノードN1間の連結を制御できる。
【0089】
スキャントランジスタTsは、ターン-オンレベル電圧を有するスキャン信号SCANによりターン-オンされ、データラインDLから供給されたデータ電圧Vdataを駆動トランジスタTdの第1ノードN1に伝達できる。
【0090】
スキャントランジスタTsをターン-オンさせることができるスキャン信号SCANのターン-オンレベル電圧は、ハイレベル電圧またはローレベル電圧であってよい。スキャントランジスタTsをターン-オフさせることができるスキャン信号SCANのターン-オフレベル電圧は、ローレベル電圧またはハイレベル電圧であってよい。例えば、スキャントランジスタTsがnタイプのトランジスタである場合、ターン-オンレベル電圧はハイレベル電圧であり、ターン-オフレベル電圧はローレベル電圧であってよい。他の例を挙げて、スキャントランジスタTsがpタイプのトランジスタである場合、ターン-オンレベル電圧はローレベル電圧であり、ターン-オフレベル電圧はハイレベル電圧であってよい。
【0091】
駆動トランジスタTd及びスキャントランジスタTsそれぞれは、nタイプのトランジスタまたはpタイプのトランジスタであってよい。
【0092】
ストレージキャパシタCstは、駆動トランジスタTdの第1ノードN1と第2ノードN2との間に連結され得る。ストレージキャパシタCstは、両端の電圧差に該当する電荷量が充電され、定められたフレーム時間の間に、両端の電圧差を維持する役割を果たす。これによって、定められたフレーム時間の間に、該当サブ画素SPが発光できる。
【0093】
ストレージキャパシタCstは、駆動トランジスタTdのゲートノードとソースノード(または、ドレインノード)との間に存在する内部キャパシタである寄生キャパシタでない、駆動トランジスタTdの外部に意図的に設計した外部キャパシタであってよい。
【0094】
本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置のサブ画素SPは、一つ以上のトランジスタをさらに含むか、一つ以上のキャパシタをさらに含んでもよい。
【0095】
図4は、本発明の一実施例に係る表示パネルにおいて、表示領域のサブ画素の配置を示す図である。
【0096】
即ち、
図4は、本発明の実施例に係る表示パネルの表示領域に含まれた三つの領域NA、DA1、DA2でのサブ画素SPの配置を示している。
【0097】
図4を参照すると、表示領域に含まれた一般領域NA、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2それぞれには、複数のサブ画素SPが配置され得る。
【0098】
一例として、複数のサブ画素SPは、赤色光を発光する赤色サブ画素Red SP、緑色光を発光する緑色サブ画素Green SP及び青色光を発光する青色サブ画素Blue SPを含むことができる。
【0099】
これによって、一般領域NA、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2それぞれは、赤色サブ画素Red SPの発光領域EA、緑色サブ画素Green SPの発光領域EA及び青色サブ画素Blue SPの発光領域EAを含むことができる。
【0100】
図4を参照すると、一般領域NAは、光透過構造を含まず、発光領域EAを含むことができる。
【0101】
しかし、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2は、発光領域EAを含むだけではなく、光透過構造も含んでいなければならない。
【0102】
従って、第1光学領域DA1は、発光領域EAと第1透過領域TA1を含むことができ、第2光学領域DA2は、発光領域EAと第2透過領域TA2を含むことができる。
【0103】
発光領域EAと透過領域TA1、TA2は、光透過が可能か否かによって区別され得る。即ち、発光領域EAは、光透過が不可能な領域であり得、透過領域TA1、TA2は、光透過が可能な領域であり得る。
【0104】
また、発光領域EAと透過領域TA1、TA2は、特定のメタル層の形成の有無によって区別され得る。例えば、発光領域EAには、カソード電極が形成されており、透過領域TA1、TA2には、カソード電極が形成されないことがある。また、発光領域EAには、遮光層が形成されているが、透過領域TA1、TA2には、遮光層が形成されないことがある。
【0105】
このとき、第1光学領域DA1は第1透過領域TA1を含み、第2光学領域DA2は第2透過領域TA2を含むため、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2はいずれも光が透過できる領域である。
【0106】
このとき、第1光学領域DA1の透過率(透過程度)と第2光学領域DA2の透過率(透過程度)は同一であり得る。
【0107】
この場合、第1光学領域DA1の第1透過領域TA1と第2光学領域DA2の第2透過領域TA2は、模様または大きさが同一であり得る。または、第1光学領域DA1の第1透過領域TA1と第2光学領域DA2の第2透過領域TA2は、模様や大きさが異なっても、第1光学領域DA1内の第1透過領域TA1の比率と第2光学領域DA2内の第2透過領域TA2の比率が同一であり得る。
【0108】
これとは異なり、第1光学領域DA1の透過率(透過程度)と第2光学領域DA2の透過率(透過程度)は、互いに異なり得る。
【0109】
この場合、第1光学領域DA1の第1透過領域TA1と第2光学領域DA2の第2透過領域TA2は、模様または大きさが異なり得る。または、第1光学領域DA1の第1透過領域TA1と第2光学領域DA2の第2透過領域TA2は、模様や大きさが同一であっても、第1光学領域DA1内の第1透過領域TA1の比率と第2光学領域DA2内の第2透過領域TA2の比率が互いに異なり得る。
【0110】
例えば、第1光学領域DA1が重畳される第1光学電子装置がカメラであり、第2光学領域DA2が重畳される第2光学電子装置が感知センサである場合、カメラは、感知センサよりさらに大きな光量を必要とし得る。
【0111】
従って、第1光学領域DA1の透過率(透過程度)は、第2光学領域DA2の透過率(透過程度)より高くなり得る。
【0112】
この場合、第1光学領域DA1の第1透過領域TA1は、第2光学領域DA2の第2透過領域TA2よりさらに大きな大きさを有し得る。または、第1光学領域DA1の第1透過領域TA1と第2光学領域DA2の第2透過領域TA2は大きさが同一であっても、第1光学領域DA1内の第1透過領域TA1の比率が第2光学領域DA2内の第2透過領域TA2の比率より大きくなり得る。
【0113】
以下においては、説明の便宜のために、第1光学領域DA1の透過率(透過程度)が第2光学領域DA2の透過率(透過程度)より大きな場合を例に挙げて説明する。
【0114】
また、
図4に示されたように、本発明の実施例においては、透過領域TA1、TA2は透明領域ともいえ、透過率は透明度ともいえる。
【0115】
また、
図4に示されたように、本発明の実施例においては、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2が表示パネルの表示領域の上端に位置し、左右に並んで配置される場合を仮定する。
【0116】
図4を参照すると、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2が配置される横表示領域を第1横表示領域HA1といい、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2が配置されない横表示領域を第2横表示領域HA2という。
【0117】
図4を参照すると、第1横表示領域HA1は、一般領域NA、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を含むことができる。これに対して、第2横表示領域HA2は、一般領域NAだけを含むことができる。
【0118】
図5aは、本発明の一実施例に係る表示パネルにおいて、第1光学領域及び一般領域それぞれでの信号ラインの配置を例に挙げて示す図である。
【0119】
図5bは、本発明の一実施例に係る表示パネルにおいて、第2光学領域及び一般領域それぞれでの信号ラインの配置を例に挙げて示す図である。
【0120】
即ち、
図5aは、本発明の実施例に係る表示パネルにおいて、第1光学領域DA1及び一般領域それぞれでの信号ラインの配置を示しており、
図5bは、本発明の実施例に係る表示パネルにおいて、第2光学領域DA2及び一般領域それぞれでの信号ラインの配置を示している。
【0121】
図5a及び
図5bに示された第1横表示領域HA1は、表示パネルでの第1横表示領域HA1の一部であり、第2横表示領域HA2は、表示パネルでの第2横表示領域HA2の一部である。
【0122】
図5aに示された第1光学領域DA1は、表示パネルでの第1光学領域DA1の一部であり、
図5bに示された第2光学領域DA2は、表示パネルでの第2光学領域DA2の一部である。
【0123】
図5a及び
図5bを参照すると、第1横表示領域HA1は、一般領域、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を含むことができる。第2横表示領域HA2は、一般領域を含むことができる。
【0124】
表示パネルには、多様な種類の横ラインHL1、HL2が配置され、多様な種類の縦ラインVLn、VL1、VL2が配置され得る。
【0125】
本発明の実施例において、横方向と縦方向は、交差する二つの方向を意味するものであって、横方向と縦方向は、見る方向によって異なり得る。一例として、本発明の実施例において、横方向は、一つのゲートラインが延びて配置される方向を意味し、縦方向は、一つのデータラインが延びて配置される方向を意味し得る。このように、横と縦を例に挙げる。
【0126】
図5a及び
図5bを参照すると、表示パネルに配置される横ラインは、第1横表示領域HA1に配置される第1横ラインHL1及び第2横表示領域HA2に配置される第2横ラインHL2を含むことができる。
【0127】
表示パネルに配置される横ラインは、ゲートラインであってよい。即ち、第1横ラインHL1と第2横ラインHL2は、ゲートラインであってよい。ゲートラインは、サブ画素の構造によって多様な種類のゲートラインを含むことができる。
【0128】
図5a及び
図5bを参照すると、表示パネルに配置される縦ラインは、一般領域にのみ配置される一般縦ラインVLn、第1光学領域DA1と一般領域を全て通る第1縦ラインVL1及び第2光学領域DA2と一般領域を全て通る第2縦ラインVL2を含むことができる。
【0129】
表示パネルに配置される縦ラインは、データライン、駆動電圧ライン等を含むことができ、それだけではなく、基準電圧ライン、初期化電圧ライン等をさらに含むことができる。即ち、一般縦ラインVLn、第1縦ラインVL1及び第2縦ラインVL2は、データライン、駆動電圧ライン等を含むことができ、それだけではなく、基準電圧ライン、初期化電圧ライン等をさらに含むことができる。
【0130】
本発明の実施例において、第2横ラインHL2で「横」という用語は、信号が左側(または右側)から右側(または左側)に伝達されるという意味であるだけで、第2横ラインHL2が正確な横方向にのみ直線形態に延びるという意味ではなくてよい。即ち、
図5a及び
図5bにおいて、第2横ラインHL2は、一直線形態に示されているが、これとは異なり、第2横ラインHL2は、折れたか曲げられた部分を含むことができる。同様に、第1横ラインHL1もまた折れたか曲げられた部分を含むことができる。
【0131】
本発明の実施例において、一般縦ラインVLnで「縦」という用語は、信号が上側(または下側)から下側(または上側)に伝達されるという意味であるだけで、一般縦ラインVLnが正確な縦方向にのみ直線形態に延びるという意味ではない。即ち、
図5a及び
図5bにおいて、一般縦ラインVLnは、一直線形態に示されているが、これとは異なり、一般縦ラインVLnは、折れたか曲げられた部分を含むことができる。同様に、第1縦ラインVL1及び第2縦ラインVL2もまた折れたか曲げられた部分を含むことができる。
【0132】
図5aを参照すると、第1横領域HA1に含まれる第1光学領域DA1は、発光領域と第1透過領域を含むことができる。第1光学領域DA1内で、第1透過領域の外領域が発光領域を含むことができる。
【0133】
図5aを参照すると、第1光学領域DA1の透過率の改善のために、第1光学領域DA1を通る第1横ラインHL1は、第1光学領域DA1内の第1透過領域を回避して通ることができる。
【0134】
従って、第1光学領域DA1を通る第1横ラインHL1それぞれは、各第1透過領域の外郭の枠の外を迂回する曲線区間またはベンディング区間等を含むことができる。
【0135】
これによって、第1横領域HA1に配置される第1横ラインHL1と第2横領域HA2に配置される第2横ラインHL2は、模様または長さ等が互いに異なり得る。即ち、第1光学領域DA1を通る第1横ラインHL1と第1光学領域DA1を通らない第2横ラインHL2は、模様または長さ等が互いに異なり得る。
【0136】
また、第1光学領域DA1の透過率の改善のために、第1光学領域DA1を通る第1縦ラインVL1は、第1光学領域DA1内の第1透過領域を回避して通ることができる。
【0137】
従って、第1光学領域DA1を通る第1縦ラインVL1それぞれは、各第1透過領域の外郭の枠の外を迂回する曲線区間またはベンディング区間等を含むことができる。
【0138】
これによって、第1光学領域DA1を通る第1縦ラインVL1と第1光学領域DA1を通ることなく一般領域に配置される一般縦ラインVLnは、模様または長さ等が互いに異なり得る。
【0139】
図5aを参照すると、第1横領域HA1内の第1光学領域DA1に含まれた第1透過領域は、斜線方向に配列され得る。
【0140】
図5aを参照すると、第1横領域HA1内の第1光学領域DA1で、左右に隣接した二つの第1透過領域の間には発光領域が配置され得る。第1横領域HA1内の第1光学領域DA1で、上下に隣接した二つの第1透過領域の間には発光領域が配置され得る。
【0141】
図5aを参照すると、第1横領域HA1に配置される第1横ラインHL1、即ち、第1光学領域DA1を通る第1横ラインHL1は、全て第1透過領域の外郭の枠の外を迂回する曲線区間またはベンディング区間を少なくとも一つは含むことができる。
【0142】
図5bを参照すると、第1横領域HA1に含まれる第2光学領域DA2は、発光領域と第2透過領域TA2を含むことができる。第2光学領域DA2内で、第2透過領域TA2の外領域が発光領域を含むことができる。
【0143】
第2光学領域DA2内の発光領域及び第2透過領域TA2の位置及び配列状態は、
図5aでの第1光学領域DA1内の発光領域及び第2透過領域の位置及び配列状態と同一であってもよい。
【0144】
これとは異なり、
図5bに示されたように、第2光学領域DA2内の発光領域及び第2透過領域TA2の位置及び配列状態は、
図5aでの第1光学領域DA1内の発光領域及び第2透過領域の位置及び配列状態と異なり得る。
【0145】
例えば、
図5bを参照すると、第2光学領域DA2内で、第2透過領域TA2は、横方向(左右方向)に配列され得る。横方向(左右方向)に隣接した二つの第2透過領域TA2の間には、発光領域が配置されなくてよい。また、第2光学領域DA2内の発光領域は、縦方向(上下方向)に隣接した第2透過領域TA2の間に配置され得る。即ち、二つの第2透過領域TA2の行の間に発光領域が配置され得る。
【0146】
第1横ラインHL1は、第1横領域HA1内の第2光学領域DA2とその周辺の一般領域を通るとき、
図5aと同じ形態に通ることができる。
【0147】
これとは異なり、
図5bに示されたように、第1横ラインHL1は、第1横領域HA1内の第2光学領域DA2とその周辺の一般領域を通るとき、
図5aと異なる形態に通ることができる。
【0148】
即ち、
図5bの第2光学領域DA2内の発光領域及び第2透過領域TA2の位置及び配列状態と、
図5aでの第1光学領域DA1内の発光領域及び第2透過領域の位置及び配列状態と異なるためである。
【0149】
図5bを参照すると、第1横ラインHL1は、第1横領域HA1内の第2光学領域DA2とその周辺の一般領域を通るとき、曲線区間やベンディング区間なしに、上下に隣接した第2透過領域TA2の間を直線形態に通ることができる。
【0150】
言い換えれば、一つの第1横ラインHL1は、第1光学領域DA1内で曲線区間またはベンディング区間を有するが、第2光学領域DA2内では曲線区間またはベンディング区間を有しなくてよい。
【0151】
第2光学領域DA2の透過率の改善のために、第2光学領域DA2を通る第2縦ラインVL2は、第2光学領域DA2内の第2透過領域TA2を回避して通ることができる。
【0152】
従って、第2光学領域DA2を通る第2縦ラインVL2それぞれは、各第2透過領域TA2の外郭の枠の外を迂回する曲線区間またはベンディング区間等を含むことができる。
【0153】
これによって、第2光学領域DA2を通る第2縦ラインVL2と第2光学領域DA2を通ることなく一般領域に配置される一般縦ラインVLnは、模様または長さ等が互いに異なり得る。
【0154】
図5aに示されたように、第1光学領域DA1を通過する第1横ラインHL1は、第1透過領域の外郭の枠の外を迂回する曲線区間またはベンディング区間を有することができる。
【0155】
従って、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過する第1横ラインHL1の長さは、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過せず一般領域にのみ配置される第2横ラインHL2の長さより少しはさらに長くなり得る。
【0156】
これによって、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過する第1横ラインHL1の抵抗(以下、第1抵抗ともいう)は、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過せず一般領域にのみ配置される第2横ラインHL2の抵抗(以下、第2抵抗ともいう)より若干大きくなり得る。
【0157】
図5a及び
図5bを参照すると、光透過構造によって、第1光学電子装置と少なくとも一部が重畳される第1光学領域DA1は複数の第1透過領域を含み、第2光学電子装置と少なくとも一部が重畳される第2光学領域DA2は複数の第2透過領域TA2を含むため、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2は、一般領域に比して単位面積当たりのサブ画素個数が少なくなり得る。
【0158】
第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過する第1横ラインHL1が連結されるサブ画素の個数と、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過せず一般領域にのみ配置される第2横ラインHL2が連結されるサブ画素の個数は、互いに異なり得る。
【0159】
第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過する第1横ラインHL1が連結されるサブ画素の個数(第1個数)は、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過せず一般領域にのみ配置される第2横ラインHL2が連結されるサブ画素の個数(第2個数)より少なくなり得る。
【0160】
第1個数と第2個数間の差は、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2それぞれの解像度と一般領域の解像度の差によって変わり得る。例えば、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2それぞれの解像度と一般領域の解像度の差が大きくなるほど、第1個数と第2個数間の差は大きくなり得る。
【0161】
前述したように、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過する第1横ラインHL1が連結されるサブ画素の個数(第1個数)が第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過せず一般領域にのみ配置される第2横ラインHL2が連結されるサブ画素の個数(第2個数)より少ないため、第1横ラインHL1が周辺の他の電極やラインと重畳される面積が第2横ラインHL2が周辺の他の電極やラインと重畳される面積より小さくなり得る。
【0162】
従って、第1横ラインHL1が周辺の他の電極やラインと形成する寄生キャパシタンス(以下、第1キャパシタンスという)は、第2横ラインHL2が周辺の他の電極やラインと形成する寄生キャパシタンス(以下、第2キャパシタンス)より非常に小さくなり得る。
【0163】
第1抵抗及び第2抵抗間の大小関係(第2抵抗は第1抵抗以上)及び第1キャパシタンス及び第2キャパシタンス間の大小関係(第1キャパシタンス<<第2キャパシタンス)を考慮するとき、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過する第1横ラインHL1のRC(Resistance-Capacitance)値(以下、第1RC値ともいう)は、第1光学領域DA1及び第2光学領域DA2を通過せず一般領域にのみ配置される第2横ラインHL2のRC値(以下、第2RC値ともいう)より遥かに小さくなり得る(第1RC値<<第2RC値)。
【0164】
第1横ラインHL1の第1RC値と第2横ラインHL2の第2RC値間の差(以下において、RCロード(RC Load)偏差という)によって、第1横ラインHL1を通した信号伝達特性と第2横ラインHL2を通した信号伝達特性が変わり得る。
【0165】
図6は、本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置において、第1光学領域内の非透過領域と透過領域の断面構造及び一般領域の断面構造を示す図である。
【0166】
図6を参照すると、表示パネルDPの第1光学領域DA1は、透過領域TAと非透過領域NTAを含むことができる。表示パネルDPの一般領域NAは、非透過領域NTAと見なすことができる。
【0167】
以下、第1光学領域DA1内の非透過領域NTAの積層構造と透過領域TAの積層構造及び一般領域NAの積層構造を検討する。
【0168】
まず、一般領域NAの積層構造は、次のとおりである。
【0169】
一般領域NAで、基板SUBの上部にトランジスタ層TRLが配置され、トランジスタ層TRLの上部に平坦化層PLNが配置され得る。また、平坦化層PLNの上部に発光素子層EDLが配置され、発光素子層EDLの上部に封止層ENCAPが配置され、封止層ENCAPの上部にタッチセンサ層TSLが配置され、タッチセンサ層TSLの上部に保護層PACが配置され得る。
【0170】
一般領域NAで、トランジスタ層TRLには、各サブ画素に対する駆動トランジスタ及びスキャントランジスタ等の多数のトランジスタが配置され得、またトランジスタを形成するための各種の絶縁膜が配置され得る。各種の絶縁膜は、有機膜及び無機膜を含むことができる。
【0171】
一般領域NAで、トランジスタ層TRLには、データライン、ゲートライン、駆動電圧ライン等の各種の配線が配置され得る。
【0172】
一般領域NAで、発光素子層EDLには、各サブ画素の発光素子120が配置され得る。即ち、一般領域NAで、発光素子層EDLには、発光素子120を構成する画素電極、発光層及び共通電極が配置され得る。
【0173】
一般領域NAで、タッチセンサ層TSLには、タッチセンサが配置され得、タッチセンサを形成するのに必要なタッチバッファ膜及びタッチ絶縁膜等がさらに配置されてもよい。
【0174】
次に、第1光学領域DA1の非透過領域NTAの積層構造は、一般領域NAの積層構造と同一である。
【0175】
図6を参照すると、第1光学領域DA1の非透過領域NTAで、基板SUBの上部にトランジスタ層TRLが配置され、トランジスタ層TRLの上部に平坦化層PLNが配置され得る。また、平坦化層PLNの上部に発光素子層EDLが配置され、発光素子層EDLの上部に封止層ENCAPが配置され得る。封止層ENCAPの上部にタッチセンサ層TSLが配置され、タッチセンサ層TSLの上部に保護層PACが配置され得る。
【0176】
発光素子120は、水分や酸素に脆弱である。封止層ENCAPは、水分や酸素の浸透を防止して、発光素子120が水分や酸素に露出されることを防ぐことができる。封止層ENCAPは、一つの層からなっていてもよいが、多数の層からなっていてもよい。
【0177】
第1光学領域DA1の非透過領域NTAで、トランジスタ層TRLには、各サブ画素の駆動トランジスタ及びスキャントランジスタ等の多数のトランジスタが配置され得、またトランジスタを形成するための各種の絶縁膜が配置され得る。ここで、各種の絶縁膜は、有機膜及び無機膜を含むことができる。
【0178】
また、第1光学領域DA1の非透過領域NTAで、トランジスタ層TRLには、データライン、ゲートライン、駆動電圧ライン等の各種の配線が配置され得る。
【0179】
第1光学領域DA1の非透過領域NTAで、発光素子層EDLには、各サブ画素の発光素子120が配置され得る。即ち、第1光学領域DA1の非透過領域NTAで、発光素子層EDLには、発光素子120を構成する画素電極、発光層及び共通電極が配置され得る。
【0180】
また、第1光学領域DA1の非透過領域NTAで、タッチセンサ層TSLには、タッチセンサTSが配置され得、タッチセンサTSを形成するのに必要なタッチバッファ膜及びタッチ絶縁膜等がさらに配置されてもよい。
【0181】
そして、第1光学領域DA1の透過領域TAの積層構造は、次のとおりである。
【0182】
図6を参照すると、第1光学領域DA1の透過領域TAで、基板SUBの上部にトランジスタ層TRLが配置され、トランジスタ層TRLの上部に平坦化層PLNが配置され得る。また、平坦化層PLNの上部に発光素子層EDLが配置され、発光素子層EDLの上部に封止層ENCAPが配置され得る。封止層ENCAPの上部にタッチセンサ層TSLが配置され、タッチセンサ層TSLの上部に保護層PACが配置され得る。
【0183】
第1光学領域DA1の透過領域TAで、トランジスタ層TRLには、各サブ画素の駆動トランジスタ及びスキャントランジスタ等の多数のトランジスタ及び各種の配線が配置され得、発光素子層EDLには、各サブ画素の発光素子120が配置され得る。第1光学領域DA1の透過領域TAで、タッチセンサ層TSLには、タッチセンサTSが配置され得る。
【0184】
このとき、第1光学領域DA1の透過領域TAで、トランジスタ層TRLには、トランジスタ及び配線が配置されない。しかし、第1光学領域DA1の透過領域TAで、トランジスタ層TRLには、トランジスタの形成に必要な各種の絶縁膜が配置され得る。ここで、各種の絶縁膜は、有機膜及び無機膜を含むことができる。
【0185】
また、第1光学領域DA1の透過領域TAで、発光素子層EDLには、各サブ画素の発光素子120が配置されない。即ち、第1光学領域DA1の透過領域TAで、発光素子層EDLには、画素電極、発光層及び共通電極が配置されない。ただし、本発明は、これに制限されず、第1光学領域DA1の透過領域TAで、発光素子層EDLには、画素電極、発光層及び共通電極のうち一部のみ配置されることはあり得る。例えば、第1光学領域DA1の透過領域TAで、発光素子層EDLに発光層のみ配置されることはあり得る。
【0186】
第1光学領域DA1の透過領域TAで、タッチセンサ層TSLには、タッチセンサが配置されない。第1光学領域DA1の透過領域TAで、タッチセンサ層TSLには、タッチバッファ膜及びタッチ絶縁膜等は配置されてもよい。
【0187】
図6を参照すると、第1光学領域DA1及び一般領域NAの非透過領域NTAに配置される金属物質層と絶縁物質層の中で金属物質層は、第1光学領域DA1の透過領域TAに配置されない。ただし、第1光学領域DA1及び一般領域NAの非透過領域NTAに配置される金属物質層と絶縁物質層の中で絶縁物質層は、第1光学領域DA1の透過領域TAまで拡張されて配置され得る。
【0188】
言い換えると、金属物質層は、第1光学領域DA1の非透過領域NTA及び一般領域NAの非透過領域NTAに配置され、第1光学領域DA1の透過領域TAには配置されない。絶縁物質層は、第1光学領域DA1の非透過領域NTA、一般領域NAの非透過領域NTA及び第1光学領域DA1の透過領域TAに共通して配置され得る。ただし、本発明は、これに制限されない。
【0189】
また、第1光学領域DA1の透過領域TAは、第1光学電子装置150と重畳され得、外部光が第1光学領域DA1の透過領域TAを通して第1光学電子装置150まで伝達され得る。従って、第1光学電子装置150の正常な動作のために、第1光学領域DA1の透過領域TAの透過率は高くなければならない。
【0190】
一方、第1光学領域DA1及び一般領域NAの平坦化層PLNは、第1平坦化層と第2平坦化層の二つの層で構成でき、生産性を向上させるためにフォトアクリル(PAC)を適用できる。即ち、本発明は、ベゼル幅を縮小させるためにベゼルベンディング表示装置を適用し、二つの層の配線層と二つの層の平坦化層を適用する一方、生産性を向上させるためにPACを適用するようになる。この場合、表示パネルの上部からの透湿によりソース/ドレイン配線に腐食不良が発生し得る。特に、ベンディング領域に隣接したコンタクトホールの近くのGIP配線部には、互いに異なる層の配線が互いに連結されることで異種接触腐食、即ち、ガルバニック腐食(Galvanic corrosion)が発生し得る。ガルバニック腐食は、二つの材料が互いに接触した状態で腐食環境に露出される場合に互いの電位差によって金属間電子の移動が起こるようになり、相対的に電位の高い貴電位(noble potential)を有する金属は腐食速度が減少し、相対的に低い電位の活性電位(active potential)を有する金属の腐食速度は増加する腐食である。そこで、既存には、平坦化層PLNとしてPACの代わりにPIを適用した。ただし、UDCモデルまたはUDIRモデルの場合には、透過領域TAの透過率を確保するためにカソードを除去するにつれUV信頼性が脆弱になると同時に、平坦化層PLNとしてPACの代わりにPIを適用する場合には、アウトガス(outgas)による画素縮小(shrinkage)不良に脆弱であり得る。一例として、PACを適用する場合に投入数量に対する画素縮小発生率は0%であるのに対し、PIを適用する場合、投入数量に対する画素縮小発生率は100%に至る。
【0191】
そこで、本発明は、平坦化層PLNとしてPAC系列の材料を適用しながらも、GIP配線部のコンタクトホールの上部の平坦化層PLNを一部除去し、PI系列の材料のバンクで満たすか、GIP配線部のコンタクトホールの上部の配線の一部をアノード電極やタッチ電極の金属層で覆い、透湿を防止することで生産性を向上させると同時にGIP配線部の腐食不良を改善することを特徴とする。これに関する詳細な説明は、
図7乃至
図11を参照して後述する。
【0192】
図7は、本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置の断面の一部を示す図である。
【0193】
図8は、本発明の他の実施例に係るフレキシブル表示装置の断面の一部を示す図である。
【0194】
図7及び
図8は、第1光学領域の非透過領域NTA及び透過領域TAの断面の一部を示している。
【0195】
図7は、透過領域TA内にバンク116が配置されているのに対し、
図8は、透過領域TA内にバンク116が一部除去されている。即ち、
図7及び
図8は、透過領域TA内のバンク116の形態のみが異なるだけで、他の構成は実質的に同一であるので、重複した説明は省略する。
【0196】
図7及び
図8を参照すると、第1光学領域の非透過領域NTA及び透過領域TAはいずれも、基本的に、基板SUB、トランジスタ層TRL、平坦化層PLN、発光素子層EDL、封止層ENCAP、タッチセンサ層TSL及び保護層PACを含むことができる。
【0197】
まず、第1光学領域に含まれた非透過領域NTAの積層構造を説明する。
【0198】
基板SUBは、第1基板110aと第2基板110b及び層間絶縁膜110cを含むことができる。層間絶縁膜110cは、第1基板110aと第2基板110bとの間に配置され得る。このように基板SUBを第1基板110aと第2基板110b及び層間絶縁膜110cで構成することで、水分浸透を防止できる。例えば、第1基板110a及び第2基板110bは、ポリイミド(PI:polyimide)基板であってよい。
【0199】
トランジスタ層TRLには、駆動トランジスタTd等のトランジスタを形成するための各種のパターン131、132、133、134、各種の絶縁膜111a、111b、112、113a、113b、114及び各種の金属パターンTM、GM、135が配置され得る。
【0200】
以下、トランジスタ層TRLの積層構造についてさらに詳細に説明する。
【0201】
マルチバッファ層(multi-buffer layer)111aが第2基板110b上に配置され、アクティブバッファ層111bがマルチバッファ層111a上に配置され得る。
【0202】
マルチバッファ層111a上に金属層135が配置され得る。
【0203】
ここで、金属層135は、ライトシールド(light shield)の役割を果たすことができ、遮光層とも称され得る。
【0204】
金属層135上にアクティブバッファ層111bが配置され得る。
【0205】
アクティブバッファ層111b上に駆動トランジスタTdのアクティブ層134が配置され得る。
【0206】
アクティブ層134上にゲート絶縁膜112が配置され得る。
【0207】
また、ゲート絶縁膜112上に駆動トランジスタTdのゲート電極131が配置され得る。このとき、駆動トランジスタTdの形成位置と異なる位置で、ゲート絶縁膜112上にゲート物質層GMが配置され得る。
【0208】
ゲート電極131及びゲート物質層GM上に第1層間絶縁膜113aが配置され得る。第1層間絶縁膜113a上に金属パターンTMが配置され得る。第1層間絶縁膜113a上に金属パターンTMを覆いながら第2層間絶縁膜113bが配置され得る。
【0209】
第2層間絶縁膜113b上には、駆動トランジスタTdのソース電極132及びドレイン電極133が配置され得る。
【0210】
ソース電極132及びドレイン電極133は、第2層間絶縁膜113b、第1層間絶縁膜113a及びゲート絶縁膜112に備えられたコンタクトホールを通して、アクティブ層134の一側と他側にそれぞれ連結され得る。
【0211】
アクティブ層134でゲート電極131と重畳される部分は、チャネル領域である。ソース電極132及びドレイン電極133のうちの一つは、アクティブ層134でチャネル領域の一側と連結され、残りの一つは、アクティブ層134でチャネル領域の他側と連結される。
【0212】
ソース電極132及びドレイン電極133上にパッシベーション層114が配置され得る。
【0213】
トランジスタ層TRLの上部に平坦化層PLNが位置し得る。
【0214】
平坦化層PLNは、第1平坦化層115a及び第2平坦化層115bを含むことができる。第1平坦化層115aは、PI系列の材料からなり、第2平坦化層115bは、PAC系列の材料からなり得る。即ち、UDCモデルまたはUDIRモデルでの画素縮小イシューは、第1平坦化層115aより第2平坦化層115bのアウトガスが主な(main)原因であり、第2平坦化層115bだけPAC系列の材料で構成できる。
【0215】
第1平坦化層115aは、パッシベーション層114上に配置され得る。
【0216】
第1平坦化層115a上に連結電極125が配置され得る。
【0217】
連結電極125は、第1平坦化層115aに備えられたコンタクトホールを通してソース電極132及びドレイン電極133のうちの一つと連結され得る。
【0218】
連結電極125上に第2平坦化層115bが配置され得る。
【0219】
第2平坦化層115bの上部に発光素子層EDLが位置し得る。
【0220】
以下、発光素子層EDLの積層構造を詳細に検討する。
【0221】
第2平坦化層115b上に画素電極121が配置され得る。このとき、画素電極121は、第2平坦化層115bに備えられたコンタクトホールを通して連結電極125と電気的に連結され得る。例えば、画素電極121は、アノード電極であってよい。
【0222】
バンク116が画素電極121を覆いながら配置され得る。バンク116は、サブ画素の発光領域に対応する部分がオープン(open)され得る。バンク116がオープンされた部分(以下、オープン領域という)に画素電極121の一部が露出され得る。このとき、バンク116は、PI系列の材料からなり得る。
【0223】
発光層122がバンク116のオープン領域とその周辺に配置され得る。これによって、発光層122は、バンク116のオープン領域を通して露出された画素電極121上に配置され得る。
【0224】
発光層122上に共通電極123が配置され得る。例えば、共通電極123は、カソード電極であってよい。
【0225】
画素電極121、発光層122及び共通電極123により発光素子120が形成され得る。発光層122は、多数の有機膜を含むことができる。
【0226】
上述した発光素子層EDLの上部に封止層ENCAPが位置し得る。
【0227】
封止層ENCAPは、単一層構造または多層構造を有し得る。例えば、封止層ENCAPは、第1封止層117a、第2封止層117b及び第3封止層117cを含むことができる。
【0228】
このとき、第1封止層117a及び第3封止層117cは無機膜で構成され、第2封止層117bは有機膜で構成され得る。第1封止層117a、第2封止層117b及び第3封止層117cの中で第2封止層117bが最も厚く、平坦化層の役割を果たすことができる。
【0229】
第1封止層117aは共通電極123上に配置され、発光素子120と最も隣接するように配置され得る。第1封止層117aは、低温蒸着が可能な無機絶縁材質で形成され得る。例えば、第1封止層117aは、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiON)または酸化アルミニウム(Al2O3)等で構成され得る。第1封止層117aが低温雰囲気で蒸着されるため、蒸着工程時、高温雰囲気に脆弱な有機物を含む発光層122が損傷されることを防止できる。
【0230】
第2封止層117bは、第1封止層117aより小さな面積に形成され得る。この場合、第2封止層117bは、第1封止層117aの両末端を露出させるように形成され得る。第2封止層117bは、フレキシブル表示装置の反りによる各層間の応力を緩和させる緩衝の役割及び平坦化性能を強化する役割を果たすことができる。
【0231】
例えば、第2封止層117bは、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、またはシリコンオキシカーボン(SiOC)等の有機絶縁材質で構成され得る。例えば、第2封止層117bは、インクジェット方式を通して形成されてもよいが、これに制限されない。
【0232】
図示していないが、封止層ENCAPが崩れることを防止するために、封止層ENCAPの傾斜面の端地点またはその近傍に一つ以上のダムが配置され得る。一つ以上のダムは、表示領域と非表示領域の境界地点や境界地点の近傍に配置され得る。
【0233】
有機物を含む第2封止層117bは、最も奥側にある1次ダムの内側面にのみ位置し得る。即ち、第2封止層117bは、全てのダムの上部に存在しなくてよい。これとは異なり、有機物を含む第2封止層117bは、1次ダム及び2次ダムのうち少なくとも1次ダムの上部に位置し得る。即ち、第2封止層117bは、1次ダムの上部まで拡張されるように位置し得る。または、第2封止層117bは、1次ダムの上部を通って2次ダムの上部まで拡張されるように位置し得る。
【0234】
第3封止層117cは、第2封止層117bが形成された基板SUBの上部に第2封止層117b及び第1封止層117aそれぞれの上部面及び側面を覆うように形成され得る。このとき、第3封止層117cは、外部の水分や酸素が第1封止層117a及び第2封止層117bに浸透することを最小化または遮断することができる。例えば、第3封止層117cは、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiON)、または酸化アルミニウム(Al2O3)等のような無機絶縁材質で構成され得る。
【0235】
上述した封止層ENCAPの上部にタッチセンサ層TSLが配置され得る。
【0236】
以下、タッチセンサ層TSLの積層構造を詳細に説明する。
【0237】
封止層ENCAPの上部にタッチバッファ膜118aが配置され、タッチバッファ膜118a上にタッチセンサ140が配置され得る。
【0238】
タッチセンサ140は、互いに異なる層に位置するタッチセンサメタル141とブリッジメタル142を含むことができる。タッチセンサメタル141とブリッジメタル142との間には、タッチ層間絶縁膜118bが配置され得る。
【0239】
例えば、タッチセンサメタル141は、互いに隣接するように配置される第1タッチセンサメタル、第2タッチセンサメタル及び第3タッチセンサメタルを含むことができる。第1タッチセンサメタル及び第2タッチセンサメタルは、互いに電気的に連結されるが、第1タッチセンサメタル及び第2タッチセンサメタルの間に第3タッチセンサメタルがある場合、第1タッチセンサメタル及び第2タッチセンサメタルは、他の層にあるブリッジメタル142を通して電気的に連結され得る。ブリッジメタル142は、タッチ層間絶縁膜118bにより第3タッチセンサメタルと絶縁され得る。
【0240】
タッチセンサ層TSLの形成時に、工程に利用される薬液(現像液または食刻液等)または外部からの水分等が発生し得る。タッチバッファ膜118aを配置し、その上にタッチセンサ層TSLを配置することで、タッチセンサ層TSLの製造時の薬液や水分等が有機物を含む発光層122に浸透することを防止できる。これによって、タッチバッファ膜118aは、薬液または水分に脆弱な発光層122の損傷を防止できる。
【0241】
タッチバッファ膜118aは、高温に脆弱な有機物を含む発光層122の損傷を防止するために、一定の温度(例えば、100℃以下の低温)で形成可能で1-3の低い誘電率を有する有機絶縁材質で形成され得る。例えば、タッチバッファ膜118aは、アクリル系列、エポキシ系列またはシロキサン(siloxane)系列の材質で形成され得る。フレキシブル表示装置の反りによって、封止層ENCAPが損傷され得、タッチバッファ膜118aの上部に位置するタッチセンサメタル141が割れ得る。フレキシブル表示装置が反っても、有機絶縁材質で構成されて平坦化性能を有するタッチバッファ膜118aは、封止層ENCAPの損傷及びタッチセンサ140を構成するメタル141、142の割れ現象を防止できる。
【0242】
保護層PACがタッチセンサ140を覆うように配置され得る。保護層PACは、有機絶縁膜で構成され得る。
【0243】
以下、第1光学領域に含まれた透過領域TAの積層構造を説明する。
【0244】
図7及び
図8を参照すると、第1光学領域の非透過領域NTAに配置された基板SUBと各種の絶縁膜111a、111b、112、113a、113b、114、115a、115b、117a、117b、117c、PACは、第1光学領域の透過領域TAにも同一に配置され得る。
【0245】
ただし、第1光学領域の非透過領域NTAで絶縁物質以外に、電気的な特性や不透明な特性を有する物質層(例えば、金属物質層、半導体層等)は、第1光学領域の透過領域TAに配置されなくてよい。
【0246】
例えば、トランジスタと関連した金属物質層135、131、GM、TM、132、133、125と半導体層134は、透過領域TAに配置されない。また、発光素子120に含まれた画素電極121及び共通電極123は、透過領域TAに配置されなくてよい。発光層122は、透過領域TAに配置されてもよく、配置されなくてもよい。また、タッチセンサ140に含まれたタッチセンサメタル141及びブリッジメタル142は、透過領域TAに配置されない。ただし、本発明は、これに制限されない。
【0247】
即ち、第1光学領域の透過領域TAは、第1光学電子装置150と重畳されるため、第1光学電子装置150の正常な動作のために、透過領域TAの透過率は高くなければならない。
【0248】
以下、GIP配線部の腐食不良を改善した本発明の構成について、
図9及び
図10を参照して詳細に説明する。
【0249】
図9は、本発明の一実施例のGIP配線部を示す平面図である。
【0250】
図10は、
図9のC-C’線に沿った断面を示す図である。
【0251】
図9及び
図10は、ベンディング領域BAと非ベンディング領域NBAを含む非表示領域の一部、即ち、GIP配線部の一部を示している。
【0252】
このとき、
図9に示された四角形以外の領域は、第2平坦化層215bが配置された領域を示す。
【0253】
図9及び
図10を参照すると、GIP配線部の非表示領域は、基板SUB、GIP配線GM1、SDM1、SDM2、平坦化層115a、215b、バンク216、タッチバッファ膜118a、タッチ層間絶縁膜118b及び保護層PACを含むことができる。
【0254】
説明の便宜上、図示していないが、基板SUBは、第1基板と第2基板及び層間絶縁膜を含むことができる。層間絶縁膜は、第1基板と第2基板との間に配置され得る。
【0255】
GIP配線部の基板SUBの上部には、トランジスタ層の各種の絶縁膜、即ち、マルチバッファ層111a、アクティブバッファ層111b、ゲート絶縁膜112が配置され得る。ただし、本発明は、これに制限されず、一部の絶縁膜は配置されなくてもよい。
【0256】
ゲート絶縁膜112上にGIP配線GM1が配置され得る。
【0257】
GIP配線GM1は、駆動ICに延びて信号の印加を受けるか、表示領域内の画素に延びて信号を伝達できる。
【0258】
GIP配線GM1は、表示領域内のトランジスタのゲート電極と同じ層に同じ金属物質からなり得るが、これに制限されない。
【0259】
GIP配線GM1上に第1層間絶縁膜113a及び第2層間絶縁膜113bが配置され得る。
【0260】
第2層間絶縁膜113b上に連結配線SDM1が配置され得る。
【0261】
即ち、連結配線SDM1は、非ベンディング領域NBAの第2層間絶縁膜113b上に配置され、GIP配線GM1と連結される第1コンタクト領域を含むことができる。
【0262】
連結配線SDM1は、リンク配線SDM2とGIP配線GM1との間を連結できる。
【0263】
連結配線SDM1は、多数の第1コンタクトホール140aを通してリンク配線SDM2、即ち、第2コンタクト領域と電気的に連結されると同時に、多数の第2コンタクトホール140bを通してGIP配線GM1と電気的に連結され得る。
【0264】
連結配線SDM1は、表示領域内のトランジスタのソース電極及びドレイン電極と同じ層に同じ金属物質からなり得るが、これに制限されない。
【0265】
連結配線SDM1上に第1平坦化層115aが配置され得る。
【0266】
このとき、第1平坦化層115aは、PI系列の材料からなり得る。
【0267】
第1平坦化層115a上にリンク配線SDM2が配置され得る。
【0268】
リンク配線SDM2は、駆動ICに連結されたGIP配線及び表示領域の画素に連結されたGIP配線GM1の間を連結する配線であってよい。
【0269】
リンク配線SDM2は、第1平坦化層115a上に配置されてベンディング領域BAに延び、連結配線SDM1と連結される第2コンタクト領域を含むことができる。
【0270】
リンク配線SDM2は、表示領域内の連結電極と同じ層に同じ金属物質からなり得るが、これに制限されない。
【0271】
リンク配線SDM2上に第2平坦化層215bが配置され得る。
【0272】
第2平坦化層215bは、PAC系列の材料からなり得る。
【0273】
一方、本発明の一実施例は、GIP配線部のコンタクト領域、即ち、第1コンタクトホール140a及び第2コンタクトホール140bが配置されたコンタクト領域上部の第2平坦化層215bが一部除去されてオープン領域OPを形成することを特徴とする。オープン領域OPによりリンク配線SDM2の一部、即ち、第2コンタクト領域が露出され得る。
【0274】
このとき、図示していないが、オープン領域OPにより露出されたリンク配線SDM2の末端、即ち、第2コンタクト領域を覆い、GIP配線GM1の末端、即ち、連結配線SDM1の第1コンタクト領域を遮るように遮断層をさらに形成してもよい。
【0275】
ここで、遮断層は、連結配線SDM1とリンク配線SDM2が連結される第1コンタクトホール140aの周辺及び連結配線SDM1とGIP配線GM1が連結される第2コンタクトホール140bの周辺、即ち、コンタクト領域を遮るようにリンク配線SDM2上に配置され得る。
【0276】
遮断層は、ITO、IZO、IGZO等の透明導電性物質からなり得るが、これに制限されない。
【0277】
第2平坦化層215b上にバンク216が配置され得るが、これに制限されず、場合によってバンク216が配置されなくてもよい。
【0278】
バンク216は、PI系列の材料からなり得る。PI系列の材料は、リンク配線SDM2のTiと接着力(adhesion)がよく、PACに比して相対的に透湿防止に優れている。
【0279】
バンク216は、第2平坦化層215bのオープン領域OPを満たすように配置され得るが、本発明は、これに制限されず、バンク216以外のPI系列の材料からなる絶縁膜を利用できる。
【0280】
バンク216上には、タッチバッファ膜118a及びタッチ層間絶縁膜118bが配置され得る。
【0281】
タッチ層間絶縁膜118b上に保護層PACが配置され得る。
【0282】
このように、本発明の一実施例は、GIP配線部のコンタクト領域上部の第2平坦化層215bを一部除去し、露出されたオープン領域OPをバンク216やタッチバッファ膜118aの絶縁膜でカバーすることでGIP配線部の腐食不良を改善する一方、追加透湿を防止できるようになる。腐食不良は、異種金属間の電位差が0.4V以上と大きい領域で主に発生し、そこで、オープン領域OPは、GIP配線部全体にわたって形成してもよいが、異種金属間の電位差が大きい一部の領域にのみ形成してもよい。また、コンタクト領域上部に封止層及びタッチセンサ層の絶縁膜の有無による腐食有意差に対しても自由になり得、GIP配線部のコンタクト領域上部に封止層及びタッチセンサ層の設計の自由度を高めることができるようになる。
【0283】
図11は、本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置の第1光学領域を示す平面図である。
【0284】
【0285】
まず、
図11を参照すると、第1光学領域DA1は、中心領域910と中心領域910の外郭に位置するベゼル領域920を含むことができる。
【0286】
第1光学領域DA1は、複数個の横ラインHLを含むことができる。複数の横ラインHLによってベゼル領域920に位置するトランジスタと中心領域910に位置する発光素子が連結され得る。
【0287】
実施例に係るフレキシブル表示装置100は、ルーティング構造940を含むことができる。ルーティング構造940を含むことで、中心領域910が所定領域aだけ拡張され得る。ルーティング構造940により所定領域aに位置する画素がベゼル領域920に位置するトランジスタと連結され得るためである。
【0288】
ルーティング構造940を含む第1光学領域DA1の構造を具体的に検討すると、次のとおりである。
【0289】
図10を参照すると、第1光学領域は、中心領域910とベゼル領域920に位置する複数の発光素子EDを含むことができる。第1光学領域が複数の発光素子EDを含むことで、第1光学領域が画面を表示することができる。
【0290】
第1光学領域は、ベゼル領域920に位置する複数のトランジスタ1050を含むことができる。中心領域910は、トランジスタ1050が位置しなくてよい。中心領域910にトランジスタが位置しないことで、中心領域910がより高い透過率を有することができる。
【0291】
第1光学領域は、複数の行を含み、第1行R1及び第2行R2を含むことができる。第1光学領域に含まれる複数の行は、第1光学領域を横方向に横切る任意の領域であって、トランジスタ1050のパターンによって規定され得る。
【0292】
フレキシブル表示装置は、中心領域910に位置して第1行R1に位置する発光素子ED及びベゼル領域920に位置して第2行R2に位置するトランジスタ1050を含むことができる。
【0293】
フレキシブル表示装置は、第1行R1に位置する発光素子EDと第2行R2に位置するトランジスタ1050を電気的に連結するルーティング構造940を含むことができる。
【0294】
ルーティング構造940によって、互いに異なる行に位置するトランジスタ1050と発光素子EDが連結され得るので、発光素子EDより多くの数のトランジスタ1050が配置された行に位置したトランジスタ1050と、それより多くの数の発光素子EDが配置された行に位置した発光素子EDを互いに連結できる。
【0295】
中心領域910が第1行R1で含む発光素子EDの数は、中心領域910が第2行R2で含む発光素子EDの数よりさらに大きくなり得る。従って、第1行R1に含まれる発光素子EDを駆動するためにはさらに多くの数のトランジスタ1050が必要であり、第2行R2に含まれる発光素子EDを駆動するためにはさらに少ない数のトランジスタ1050が必要である。従って、ベゼル領域920の第2行R2に位置するトランジスタ1050のうち第2行R2に位置する発光素子EDと電気的に連結されていない余剰トランジスタ1050がルーティング構造940により第1行R1に位置する発光素子EDと電気的に連結され得る。
【0296】
中心領域910は、中心領域910全体で単位面積当たりの画素の数字が実質的に同一であり得る。単位面積当たりの画素の数字が実質的に同一であるとは、例えば、一つの画素パターンが中心領域910全体で実質的に均一であることを意味し得る。従って、中心領域910と重畳される面積が第2行R2より大きな第1行R1には、より多くの数の発光素子EDが位置し得る。
【0297】
例えば、ベゼル領域920が第1行R1で含むトランジスタ1050の数は、ベゼル領域920が第2行R2で含むトランジスタ1050の数と実質的に同一であり得る。前記例示において、中心領域910が第1行R1で含む発光素子EDの数がさらに多く、中心領域910が第2行R2で含む発光素子EDの数がさらに少なければ、第2行R2に含まれるトランジスタ1050の一部は、第2行R2に位置する発光素子EDと電気的に連結されず、第1行R1に位置する発光素子EDと電気的に連結され得る。
【0298】
そして、ベゼル領域920は、ベゼル領域920全体で単位面積当たりのトランジスタ1050の数字が実質的に同一であり得る。単位面積当たりのトランジスタのパターンが実質的に同一であるとは、ベゼル領域920全体で一つのトランジスタパターンが実質的に均一であることを意味し得る。
【0299】
ベゼル領域920が第1行R1と重畳される領域d1の面積は、ベゼル領域920が第2行R2と重畳される領域d2の面積と実質的に同一であり得る。このような例示において、ベゼル領域920の第1行R1に位置するトランジスタ1050の数は、ベゼル領域の第2行R2に位置するトランジスタ1050の数と実質的に同一であり得る。
【0300】
ベゼル領域920がこのような場合、ベゼル領域920の行に位置するトランジスタ1050の数字が一定に維持され得、ルーティング構造940により特定の行の余剰トランジスタが他の行の余剰発光素子と電気的に連結され得るので、実施例に係るフレキシブル表示装置が比較例のフレキシブル表示装置よりさらに広い中心領域910を有することができる。
【0301】
本発明の実施例に係るフレキシブル表示装置は、下記のように説明され得る。
【0302】
本発明の一実施例に係るフレキシブル表示装置は、光学領域と一般領域とに区分される表示領域及びベンディング領域と非ベンディング領域とに区分される非表示領域を含む基板、前記基板上に配置される第1絶縁膜、前記非ベンディング領域の前記第1絶縁膜上に配置される配線、前記配線上に配置される第2絶縁膜、前記非ベンディング領域の前記第2絶縁膜上に配置され、前記配線と連結される第1コンタクト領域を有する連結配線、前記連結配線上に配置される第1平坦化層、前記第1平坦化層上に配置されて前記ベンディング領域に延び、前記連結配線と連結される第2コンタクト領域を有するリンク配線、前記リンク配線上に配置され、一部の領域が除去されて前記リンク配線の第2コンタクト領域を露出させるオープン領域を含む第2平坦化層、及び前記第2平坦化層上に配置され、前記オープン領域を満たす第3絶縁膜を含むことができる。
【0303】
本発明の他の特徴によれば、前記第1絶縁膜は、マルチバッファ層、アクティブバッファ層及びゲート絶縁膜を含むことができる。
【0304】
本発明のまた他の特徴によれば、前記配線は、GIP(Gate-In-Panel)配線を含むことができる。
【0305】
本発明のまた他の特徴によれば、前記GIP配線は、駆動ICに延びて信号の印加を受けるか、前記表示領域内の画素に延びて信号を伝達できる。
【0306】
本発明のまた他の特徴によれば、前記GIP配線は、前記表示領域内のトランジスタのゲート電極と同じ層に同じ金属物質で構成され得る。
【0307】
本発明のまた他の特徴によれば、前記第2絶縁膜は、第1層間絶縁膜及び第2層間絶縁膜を含むことができる。
【0308】
本発明のまた他の特徴によれば、前記連結配線は、少なくとも一つの第1コンタクトホールを通して前記リンク配線の第2コンタクト領域と電気的に連結され、少なくとも一つの第2コンタクトホールを通して前記配線と電気的に連結され得る。
【0309】
本発明のまた他の特徴によれば、前記連結配線は、前記表示領域内のトランジスタのソース電極及びドレイン電極と同じ層に同じ金属物質で構成され得る。
【0310】
本発明のまた他の特徴によれば、前記第1平坦化層は、ポリイミド(PI:polyimide)系列の材料で構成され得る。
【0311】
本発明のまた他の特徴によれば、前記リンク配線は、前記駆動ICに連結されたGIP配線及び前記表示領域の画素に連結されたGIP配線の間を連結できる。
【0312】
本発明のまた他の特徴によれば、前記リンク配線は、前記表示領域内の連結電極と同じ層に同じ金属物質で構成され得る。
【0313】
本発明のまた他の特徴によれば、前記第2平坦化層は、フォトアクリル(PAC)系列の材料で構成され得る。
【0314】
本発明のまた他の特徴によれば、前記第3絶縁膜は、バンクを含むことができる。
【0315】
本発明のまた他の特徴によれば、前記バンクは、PI系列の材料で構成され得る。
【0316】
本発明のまた他の特徴によれば、フレキシブル表示装置は、前記基板の下部に位置し、前記光学領域と重畳されて配置される光学電子装置をさらに含むことができる。
【0317】
本発明のまた他の特徴によれば、前記光学領域は、非透過領域と透過領域を含み、前記透過領域は、カソード電極を含む不透明電極が除去され、前記光学電子装置は、前記透過領域に位置し得る。
【0318】
以上、添付の図面を参照して、本発明の実施例をさらに詳細に説明したが、本発明は、必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を外れない範囲内で多様に変形実施され得る。従って、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を制限するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が制限されるものではない。それゆえ、以上において記述した実施例は、全ての面で例示的なものであり、制限的ではないものと理解すべきである。本発明の保護範囲は、下記の請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0319】
100 フレキシブル表示装置
150 電子装置
150a 第1光学電子装置
150b 第2光学電子装置
DA 表示領域
DA1 第1光学領域
DA2 第2光学領域
NA 一般領域
DP 表示パネル
NDA 非表示領域