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特開2024-81619メロン栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081619
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】メロン栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675
(51)【国際特許分類】
   A01H 5/10 20180101AFI20240611BHJP
   A01H 6/34 20180101ALI20240611BHJP
   A01H 1/00 20060101ALI20240611BHJP
   A01H 3/00 20060101ALI20240611BHJP
   A01H 4/00 20060101ALI20240611BHJP
   A01H 5/00 20180101ALI20240611BHJP
   A01H 5/04 20180101ALI20240611BHJP
   A01H 5/06 20180101ALI20240611BHJP
   A01H 5/08 20180101ALI20240611BHJP
   A01H 5/12 20180101ALI20240611BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALI20240611BHJP
   C12N 15/29 20060101ALN20240611BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20240611BHJP
【FI】
A01H5/10
A01H6/34
A01H1/00 A
A01H3/00
A01H4/00
A01H5/00 A
A01H5/04
A01H5/06
A01H5/08
A01H5/12
C12Q1/6869 Z
C12N15/29
C12N15/09 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】40
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023205055
(22)【出願日】2023-12-05
(31)【優先権主張番号】18/062,253
(32)【優先日】2022-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520222106
【氏名又は名称】シンジェンタ クロップ プロテクション アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100196405
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 邦光
(72)【発明者】
【氏名】ラケシュ クマール
【テーマコード(参考)】
2B030
4B063
【Fターム(参考)】
2B030AA02
2B030AB02
2B030AD04
2B030AD06
2B030AD07
2B030AD08
2B030AD14
2B030AD15
2B030AD16
2B030CA01
2B030CA08
2B030CA14
2B030CA28
2B030CB02
2B030CB03
4B063QA01
4B063QA12
4B063QA17
4B063QQ09
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR08
4B063QR62
4B063QS34
4B063QX01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、新規なメロン植物並びにその植物部位、種子、果実及び組織培養物を提供する。本発明は、本発明のメロン植物をそれ自体又は別のメロン植物と交配することにより、メロン植物を作出する方法も提供する。本発明は、そのような交配から作出された植物並びにその植物部位、種子、果実及び組織培養物も提供する。
【解決手段】カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675から選択される植物の種子、前記種子から成長した植物、並びに植物の部位(果実、果実の果肉、継ぎ穂、根茎、新芽、葯、花粉、胚珠、根、葉又は細胞を含む)を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675から選択される植物の種子であって、種子の代表サンプルは、それぞれNCMA受入番号202311003、202311004、202311005、202311006、202311007、202311008、202311009及び202311010で寄託されている、種子。
【請求項2】
請求項1に記載の種子から成長されるカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の植物。
【請求項3】
請求項2に記載の植物の植物部位。
【請求項4】
果実、果実の果肉、継ぎ穂、根茎、新芽、葯、花粉、胚珠、根、葉又は細胞である、請求項3に記載の植物部位。
【請求項5】
請求項2に記載の植物の全ての生理学的及び形態学的特徴を有するカンタロープ植物。
【請求項6】
請求項5に記載の植物を作出する種子。
【請求項7】
請求項2に記載の植物のF1メロン種子であって、請求項2に記載の植物は、カンタロープ栽培品種ME594である、F1メロン種子。
【請求項8】
請求項7に記載の種子によって作出されるF1メロン植物。
【請求項9】
請求項8に記載の植物の植物部位。
【請求項10】
果実、果実の果肉、継ぎ穂、根茎、新芽、葯、花粉、胚珠、根、葉又は細胞である、請求項9に記載の植物部位。
【請求項11】
請求項2に記載の植物の再生可能な細胞の組織培養物。
【請求項12】
請求項11に記載の再生可能な細胞の組織培養物から再生される植物であって、それぞれカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の生理学的及び形態学的特徴の全てを備えている、植物。
【請求項13】
請求項2に記載の植物の単一遺伝子座変換であるメロン植物であって、前記単一遺伝子座変換を含み、且つ他の点ではそれぞれカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の生理学的及び形態学的特徴の全てを備えている、メロン植物。
【請求項14】
請求項13に記載の植物を作出する種子。
【請求項15】
メロン種子を作出する方法であって、カンタロープ栽培品種ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675である請求項2に記載の植物を、それ自体又は第2のメロン植物と交配する工程と、結果としてもたらされる種子を収穫する工程とを含む、方法。
【請求項16】
メロン種子を作出する方法であって、カンタロープ栽培品種ME300又はME535である請求項2に記載の植物を、それ自体と交配する工程と、結果としてもたらされる種子を収穫する工程とを含む、方法。
【請求項17】
植物育種材料の供給源としてメロン植物又はその部位を利用することを含む、植物育種技術を使用してメロン植物育種プログラムにおいてメロン系統を開発する方法であって、
(a)育種材料の供給源として、請求項2に記載のカンタロープ植物又はその部位を取得する工程と、
(b)植物育種技術を適用する工程と
を含む、方法。
【請求項18】
請求項2に記載の植物に由来するメロン植物の種子を作出する方法であって、
(a)カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675のメロン植物を第2のメロン植物と交配する工程と、
(b)種子を形成させる工程と、
(c)工程(b)の前記種子から植物を成長させて、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来する植物を作出する工程と、
(d)工程(c)の前記植物を自殖させるか、又はそれを第2のメロン植物に交配して、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来する追加のメロン種子を形成する工程と、
(e)任意に、工程(c)及び(d)を1回又は複数回繰り返して、メロン栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675からさらに由来するメロン種子を生成する工程であって、工程(c)では、工程(b)の前記種子から植物を育てる代わりに、工程(d)の前記追加のメロン種子から植物を育てる、工程と
を含む、方法。
【請求項19】
カンタロープ果実を作出する方法であって、
(a)請求項2に記載の植物を育てて、カンタロープ果実を作出する工程と、
(b)前記植物から前記カンタロープ果実を収穫する工程と
を含む、方法。
【請求項20】
請求項2に記載の植物を栄養繁殖させる方法であって、
(a)それぞれカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の植物から繁殖され得る組織を採取する工程と、
(b)前記組織を培養して、増殖した新芽を取得する工程と、
(c)増殖した新芽を発根させて、発根した小植物を取得する工程と
を含む、方法。
【請求項21】
前記発根した小植物から植物を育てる工程をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法によって得られる植物であって、それぞれカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の生理学的及び形態学的特徴の全てを備えている、植物。
【請求項23】
カンタロープ栽培品種ME300、ME535又はME594に所望の追加形質を導入する方法であって、
(a)ME300、ME535又はME594である請求項2に記載の植物を、所望の追加形質を備えているメロン植物と交配して、F1子孫を作出する工程と、
(b)前記所望の追加形質を備えているF1子孫を選択する工程と、
(c)前記選択されたF1子孫を、工程(a)と同じカンタロープ栽培品種と戻し交配して、戻し交配子孫を作出する工程と、
(d)前記所望の追加形質を備えている戻し交配子孫を選択する工程と、
(e)工程(c)及び(d)を1回又は複数回繰り返して、所望の追加形質を備え、他の点ではカンタロープ栽培品種ME300、ME535又はME594の生理学的及び形態学的特徴の全てを備えている、カンタロープ栽培品種ME300、ME535又はME594に由来する植物を作出する工程であって、工程(d)において作出された前記選択された戻し交配子孫が、工程(c)における前記選択されたF1子孫の代わりに使用される工程と
を含む、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法によって作出されるメロン植物であって、前記所望の追加形質を有し、且つ他の点ではカンタロープ栽培品種ME300、ME535又はME594の全ての前記生理学的及び形態学的特徴を有する、メロン植物。
【請求項25】
請求項24に記載の植物の種子であって、前記所望の追加形質を有する植物を作出する、種子。
【請求項26】
請求項24に記載の植物を作出する種子。
【請求項27】
所望の追加形質を備える、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の植物を作出する方法であって、請求項2に記載の植物に、前記所望の形質を付与する導入遺伝子を導入する工程を含む、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法によって作出されるメロン植物であって、前記所望の追加形質を有し、他の点ではそれぞれカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の生理学的及び形態学的特徴の全てを有する、メロン植物。
【請求項29】
請求項28に記載の植物を作出する種子。
【請求項30】
メロン種子を作出する方法であって、カンタロープ栽培品種ME597、ME598、ME670、ME671又はME675のメロン植物を1つ又は複数の世代にわたって自殖させる工程と、種子を形成させる工程とを含む、方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法によって作出される種子であって、近交カンタロープ植物を作出する、種子。
【請求項32】
カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の遺伝子型を決定する方法であって、
(a)請求項2に記載の植物から核酸のサンプルを取得する工程と、
(b)分子生物学技術を使用して、前記核酸サンプルにおいて多型を検出する工程と
を含む、方法。
【請求項33】
カンタロープ栽培品種ME300の植物又は植物部位。
【請求項34】
カンタロープ栽培品種ME535の植物又は植物部位。
【請求項35】
カンタロープ栽培品種ME594の植物、植物部位又はF1種子。
【請求項36】
カンタロープ栽培品種ME597の植物若しくは植物部位、又はカンタロープ栽培品種ME597を作出する種子。
【請求項37】
カンタロープ栽培品種ME598の植物若しくは植物部位、又はカンタロープ栽培品種ME598を作出する種子。
【請求項38】
カンタロープ栽培品種ME670の植物若しくは植物部位、又はカンタロープ栽培品種ME670を作出する種子。
【請求項39】
カンタロープ栽培品種ME671の植物若しくは植物部位、又はカンタロープ栽培品種ME671を作出する種子。
【請求項40】
カンタロープ栽培品種ME675の植物若しくは植物部位、又はカンタロープ栽培品種ME675を作出する種子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メロン植物の分野におけるものであり、具体的には、本発明は、新規なメロン植物に関する。
【背景技術】
【0002】
メロンは、約90種の属を含むウリ(Cucurbitaceae)科内で見出される。果実として消費されるメロンの大部分は、ククミス(Cucumis)属内であり、大部分は、ククミス・メロL(Cucumis melo L)種に属する。カンタロープは、ククミス・メロ(Cucumis melo)変種カンタルペンシスと呼ばれ、様々な慣用名(例えば、マッシュメロン、マスクメロン、ロックメロン、スイートメロン及びペルシャメロン)で呼ばれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2022/090188号
【特許文献2】米国特許第5,959,185号明細書
【特許文献3】米国特許第5,973,234号明細書
【特許文献4】米国特許第5,977,445号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】In re Herz,537 F.2d 549,551-52,190 U.S.P.Q.461,463(CCPA 1976)
【非特許文献2】MPEP § 2111.03
【非特許文献3】Gaj et al.,ZFN,TALEN,and CRISPR/Cas-based methods for genome engineering.Trends in Biotechnology,31:397-405(2013)
【非特許文献4】Teng,et al.,HortScience,27:9,1030-1032(1992)
【非特許文献5】Teng,et al.,HortScience,28:6,669-1671(1993)
【非特許文献6】Zhang,et al.,Journal of Genetics and Breeding,46:3,287-290(1992)
【非特許文献7】Webb,et al.,Plant Cell Tissue and Organ Culture,38:1,77-79(1994)
【非特許文献8】Curtis,et al.,Journal of Experimental Botany,45:279,1441-1449(1994)
【非特許文献9】Nagata,et al.,Journal for the American Society for Horticultural Science,125:6,669-672(2000)
【非特許文献10】Ibrahim,et al.,Plant Cell Tissue and Organ Culture,28(2),139-145(1992)
【非特許文献11】Fehr and Walt,Principles of Cultivar Development,pp.261-286(1987)
【非特許文献12】Becker,et al.,Plant Mol.Biol.,20:49(1992)
【非特許文献13】Close,P.S.,Master’s Thesis,Iowa State University(1993)
【非特許文献14】Knox,C.,et al.,“Structure and Organization of Two Divergent Alpha-Amylase Genes from Barley,”Plant Mol.Biol.,9:3-17(1987)
【非特許文献15】Lerner,et al.,Plant Physiol.,91:124-129(1989)
【非特許文献16】Fontes,et al.,Plant Cell,3:483-496(1991)
【非特許文献17】Matsuoka,et al.,PNAS,88:834(1991)
【非特許文献18】Gould,et al.,J.Cell.Biol.,108:1657(1989)
【非特許文献19】Creissen,et al.,Plant J,2:129(1991)
【非特許文献20】Kalderon,et al.,A short amino acid sequence able to specify nuclear location,Cell,39:499-509(1984)
【非特許文献21】Steifel,et al.,Expression of a maize cell wall hydroxyproline-rich glycoprotein gene in early leaf and root vascular differentiation,Plant Cell,2:785-793(1990)
【非特許文献22】Heney and Orr,Anal.Biochem.,114:92-6(1981)
【非特許文献23】Miki,et al.,“Procedures for Introducing Foreign DNA into Plants”in Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology,Glick and Thompson Eds.,CRC Press,Inc.,Boca Raton,pp.67-88(1993)
【非特許文献24】Gruber,et al.,“Vectors for Plant Transformation”in Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology,Glick and Thompson Eds.,CRC Press,Inc.,Boca Raton,pp.89-119(1993)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
メロンは、重要で貴重な作物である。そのため、農学的特性及び/又は消費者特性が増強された、改善されたメロン変種が継続的に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、成熟指標形質を含む新規なカンタロープ雑種ME597、ME598、ME670、ME671及びME675並びにそのような雑種の雌親系統(すなわちME300、ME535及びME594)を提供する。特に、本発明の新規なカンタロープ雑種は、外皮が未成熟なときの緑色から、完熟に達したときの黄色に変化する、(特許文献1)に記載される外皮変化表現型を含む。カンタロープ雑種ME597、ME598、ME670、ME671及びME675は、LSL10対立遺伝子によって付与される長期貯蔵寿命表現型(これも(特許文献1)に記載されている)をさらに含む。
【0007】
本発明によれば、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675と呼ばれる新規なカンタロープ雑種並びに親カンタロープ系統ME300、ME535及びME594が提供される。そのため、本発明は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675の種子、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675の植物、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675の部位(果実、配偶子、継ぎ穂、根茎、新芽を含む)、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675から種子を作出する方法並びに栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675のカンタロープをそれ自体又は別のメロン植物と交配することにより、メロン植物を作出する方法、1つ又は複数の導入遺伝子をその遺伝物質中に含むメロン植物を作出する方法及びその方法によって作出されるトランスジェニックメロン植物も包含する。本発明は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675のいずれかに由来する他のメロン植物を作出する方法及びそれらの方法の使用によって得られるメロン植物にも関する。本発明は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675のいずれかを別のメロン植物と交配することによって作出される雑種メロン種子並びに植物(及び果実を含むその部位)にさらに関する。概して、本発明の植物及びその部位は、2倍体の植物及び植物部位である。
【0008】
別の態様では、本発明は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675の組織培養における使用のための再生可能な細胞を提供する。代表的な実施形態では、この組織培養物は、上述のカンタロープ植物の生理学的及び形態学的特徴の本質的に全てを有する植物を再生し得、且つ上述のカンタロープの栽培品種と実質的に同一の遺伝子型を有する植物を再生し得る。そのような組織培養物中の再生可能な細胞の非限定的な例として、分裂組織細胞、子葉、胚軸、葉、花粉、胚、根、根端、葯、雌ずい、胚珠、新芽、茎、葉柄、髄、花、さく果、根茎、継ぎ穂及び/又は種子並びに上記の内のいずれかに由来するカルス及び/又はプロトプラストが挙げられる。さらに、本発明は、本発明の組織培養物から再生された植物を提供する。
【0009】
さらなる態様として、本発明は、メロン種子を作出する方法であって、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の植物をそれ自体又は第2のメロン植物と交配することを含む方法を提供する。ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675は、雌親及び/又は雄親であり得る。任意に、方法は、種子を収穫/採取することをさらに含む。
【0010】
本発明は、子孫メロン植物を作出する方法であって、任意にF1雑種であり得る少なくとも第1の子孫植物を作出するために、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の植物をそれ自体又は第2のメロン植物と交配することを含む方法をさらに提供する。ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675は、雌親及び/又は雄親であり得る。
【0011】
本発明の別の態様は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675に由来する雑種及び他のメロン植物を作出する方法を提供する。それらの方法の使用によって得られるメロン植物も、そのような雑種又は得られるメロン植物からの植物部位(例えば、配偶子、果実、継ぎ穂、根茎)、種子及び組織培養物と同様に本発明の一部である。
【0012】
代表的な実施形態では、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来するメロン植物は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来する少なくとも1組の染色体を含む細胞を含む。
【0013】
実施形態では、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来するメロン植物又はメロン植物の集団は、平均して、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675からのその対立遺伝子の少なくとも約6.25%、12.5%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%(すなわち理論的な対立遺伝子量;TAC)、例えばカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の遺伝的相補体の少なくとも約6.25%、12.5%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%を含み、任意に、1回又は2回の育種交配並びに自殖、戻し交配及び/又は倍加半数体技術の1つ又は複数を任意の組み合わせ及び任意の順序で含む育種プロセスの結果であり得る。実施形態では、育種プロセスは、育種交配を含まず、自殖、戻し交配及び/又は倍加半数体技術を含む。実施形態では、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来するメロン植物は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675から取り出された1回、2回、3回、4回、5回又はそれを超える育種交配種である。
【0014】
実施形態では、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675からの雑種又は得られる植物は、所望の追加形質を含む。代表的な実施形態では、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来するメロン植物は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の形態学的及び生理学的特徴のいくつか又は全て(例えば、本明細書において、特に表1~3に記載される)を含む。実施形態では、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来するメロン植物は、所望の追加形質が追加された、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の形態学的及び生理学的特徴の本質的に全て(例えば、本明細書において、特に表1~3に記載される)を含む。
【0015】
本発明は、1つ又は複数の導入遺伝子を遺伝物質中に含むメロン植物を作出する方法並びにこの方法によって作出されたトランスジェニックメロン植物にも関する。同様に提供されるのは、そのようなトランスジェニックメロン植物由来の植物部位、種子、果実及び組織培養物であり、任意にこの植物部位、種子、果実又は組織培養物における1つ又は複数の細胞は導入遺伝子を含む。この導入遺伝子は、植物形質転換及び/又は育種技術によって導入され得る。
【0016】
別の態様では、本発明は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675の単一遺伝子座が変換された植物を提供する。そのような単一遺伝子座が変換された植物からの植物部位、種子、果実及び組織培養物も本発明によって企図される。例示的な実施形態では、単一の導入された遺伝子座は、限定を伴うことなく、雄性不稔、雄性稔性、除草剤抵抗性、有害生物(例えば、昆虫及び/若しくは線虫)抵抗性、脂肪酸代謝の改変、炭水化物代謝の改変、(例えば、細菌性疾患、真菌性疾患及び/若しくはウイルス性疾患に関する)耐病性、雄性稔性、栄養価の増強、甘味の増加、風味の増加、熟成コントロールの改善、耐塩性の改善、外観(例えば、果実の色)の改善、工業的利用又はこれらの任意の組み合わせを含む、そのような追加形質を付与する。単一遺伝子座は、天然に存在するメロン遺伝子座(培養された若しくは野生の供給源からの)、遺伝子編集された遺伝子座、変異遺伝子座(例えば、化学的に若しくは放射線によって誘導された)又は遺伝子操作技術(植物若しくはその祖先の)によってメロンに導入された導入遺伝子であり得る。
【0017】
本発明は、限定を伴うことなく、循環選抜、戻し交配、系統育種、変異育種、倍加半数体技術、制限断片長多型増強選択、遺伝子マーカー増強選択、ゲノム編集及び/又は形質転換を含む、植物育種技術を使用してメロン植物育種プログラムにおいてメロン植物を開発する方法をさらに提供する。そのような育種方法によって作出された種子、メロン植物及びその部位(果実を含む)も本発明の一部である。実施形態では、本発明は、植物育種材料の供給源としてメロン植物又はその部位を利用することを含む、植物育種技術を使用してメロン植物育種プログラムにおいてメロン品種(例えば、2倍体メロン品種)を開発する方法であって、(a)育種材料の供給源としてカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675のメロン植物又はその部位を得ることと、(b)植物育種技術を適用することとを含む方法を提供する。
【0018】
本発明は、本発明のメロン植物の繁殖又は繁殖の方法も提供し、この方法は、当技術分野で既知の任意の方法を使用して、例えば栄養増殖及び/又は種子によって達成され得る。
【0019】
本発明は、食品又は飼料を生産する方法であって、(a)本発明のメロン植物であり、成熟まで栽培されている植物を得ることと、(b)この植物からメロン果実を採取することとを含む方法をさらに提供する。
【0020】
本発明の追加の態様は、本発明のメロン植物からの収穫物及び加工品を含む。本明細書で説明されているように、収穫物は植物全体又は任意の植物部位であり得る。そのため、いくつかの実施形態では、収穫物の非限定的な例として、種子又は果実(又はその部位、例えば果肉及び/又は外皮)、根茎、接ぎ穂、新芽、葉、茎(stem)などが挙げられる。
【0021】
代表的な実施形態では、加工品として下記が挙げられるが、これらに限定されない:本発明のメロン植物のカットされた、スライスされた、粉砕された、裏ごしされた、乾燥した、瓶詰めされた、包装された、冷凍された且つ/若しくは加熱された果実(果肉及び/若しくは外皮を含む)並びに/若しくは種子又はこれらの任意の他の部分。実施形態では、加工品として下記が挙げられる:本発明の植物又はその部位(例えば、果実)を含む粉末、ミール、ソース、サラダ又はピューレ。実施形態では、この加工品として、本発明の洗浄されてスライスされた果実(又はその部位、例えば外皮を伴うか又は伴わない果肉)が挙げられる。
【0022】
本発明の種子は、任意に、単一の植物又は品種の種子の本質的に同種の集団として提供され得る。種子の本質的に同種の集団は、一般に、実質的な数の他の種子を含まない(例えば、少なくとも約90%、95%、96%、97%、98%又は99%純粋である)。
【0023】
代表的な実施形態では、本発明は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675から選択されるカンタロープの種子を提供する。
【0024】
さらなる態様として、本発明は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の植物を提供する。
【0025】
追加の態様として、本発明は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の植物の生理学的及び形態学的特徴を全て有するカンタロープ植物又はその部位を提供する。
【0026】
別の態様として、本発明は、本発明のメロン植物の果実及び/又は種子並びに果実からの加工品(例えば、外皮を有する又は有しない果肉)を提供する。
【0027】
さらに別の態様として、本発明は、カンタロープの種子を作出する方法であって、本発明のメロン植物をそれ自体又は第2のメロン植物と交配することを含む方法を提供する。本発明は、この方法によって作出される種子並びに種子を成長させることによって作出される植物及び果実を含むその部位も提供する。
【0028】
本発明は、この方法によって作出される種子及びこの種子を成長させることによって作出される植物も提供する。
【0029】
さらなる態様として、本発明は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来するメロン植物の種子を作出する方法であって、(a)カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675のメロン植物を第2のメロン植物と交配することと、(b)カンタロープME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来するメロン植物の種子を形成させることとを含む方法を提供する。実施形態では、方法は、(c)カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来する植物を作出するために、ステップ(b)の種子から植物を成長させることと、(d)カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来する追加のメロン種子を形成するように、ステップ(c)の植物を自殖させるか、又はそれを第2のメロン植物に交配することと、(e)任意に、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675からのさらに得られるメロン種子を生成するために、ステップ(c)及び(d)を1回又は複数回(例えば、1、2、1~3、1~5、1~6、1~7、1~10、3~5、3~6、3~7、3~8又は3~10回)繰り返すこととをさらに含み、ステップ(c)では、ステップ(b)の種子から植物を成長させる代わりに、植物は、ステップ(d)の追加のメロン種子から成長される。実施形態では、方法は、さらに得られるメロン種子を生成するために、(e)ステップ(c)及び(d)を1回又は複数回(例えば、1~3、1~5、1~6、1~7、1~10、3~5、3~6、3~7、3~8又は3~10回)繰り返すことを含む。別の選択肢として、実施形態では、方法は、メロン種子を採取することを含む。本発明は、これらの方法によって作出される種子及び種子を成長させることによって作出されるカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来する植物も提供する。
【0030】
別の態様として、本発明は、カンタロープの果実を作出する方法であって、(a)カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675を成長させることと、(b)植物から果実を採取することとを含む方法を提供する。本発明は、この方法によって作出される果実も提供する。
【0031】
さらに、別の態様として、本発明は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の植物を栄養繁殖させる方法であって、(a)カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の植物から繁殖され得る組織を採取することと、(b)増殖した新芽を得るために、組織を培養することと、(c)発根した小植物を得るために、増殖した新芽を発根させることとを含む方法を提供する。任意に、本発明は、発根した小植物から植物を成長させることをさらに含む。本発明は、これらの方法によって作出される小植物及び植物も包含する。
【0032】
本発明は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535又はME594に所望の追加形質を導入する方法であって、カンタロープ栽培品種ME300、ME535又はME594に、所望の追加形質を発現する単一遺伝子座変換を導入することを含む方法をさらに提供する。
【0033】
追加の態様として、本発明は、カンタロープ栽培品種ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に所望の追加形質を導入する方法であって、カンタロープ栽培品種ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の親系統(雄及び/又は雌)などの祖先に、所望の追加形質を発現する単一遺伝子座変換を導入することを含む方法を提供する。所望の追加形質が劣性である実施形態では、両方の親系統(又はその祖先)が変換される。
【0034】
追加の態様として、本発明は、所望の追加形質を含むカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来する植物を作出する方法であって、(a)F1子孫を作出するために、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の第1の植物を、所望の形質を含む第2のメロン植物と交配することと、(b)所望の形質を含むF1子孫を選択することと、(c)戻し交配子孫を作出するために、選択されたF1子孫をカンタロープME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の第1の植物と交配することと、(d)所望の形質を含むカンタロープME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来する植物を作出するために、所望の形質を含む戻し交配子孫を選択することとを含む方法を提供する。
【0035】
実施形態では、選択された子孫は、外皮変化形質及び/又は長期貯蔵寿命を有する。実施形態では、選択された子孫は、所望の追加形質と、他の点ではカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の形態学的及び生理学的特徴の全てとを含む。任意に、方法は、(e)所望の形質を含むカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来する植物を作出するために、1回又は複数回、連続して(例えば、1~5、1~6、1~7、1~10、3~5、3~6、3~7、3~8又は3~10回)ステップ(c)及び(d)を繰り返することをさらに含む。
【0036】
代表的な実施形態では、本発明は、所望の追加形質を含むカンタロープ栽培品種ME300、ME535又はME594の植物を作出する方法であって、カンタロープME300、ME535又はME594の植物に、所望の形質を付与する導入遺伝子を導入することを含む方法も提供する。本発明は、所望の追加形質を含むカンタロープ栽培品種ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の植物を作出する方法であって、カンタロープ栽培品種ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の親系統(雌及び/又は雄親)などの祖先に、所望の形質を付与する導入遺伝子を導入することを含む方法をさらに提供する。導入遺伝子は、形質転換方法(例えば、遺伝子操作)又は育種技術によって導入することができる。これらの方法によって作出される植物及びその子孫も提供される。実施形態では、導入遺伝子によって付与される所望の追加形質を含む植物は、他の点ではカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の形態学的及び生理学的特徴の全てを含む。
【0037】
本発明は、本発明の方法によって作出されるメロン植物又はその自殖子孫も提供し、メロン植物は、所望の追加形質並びにそのようなメロン植物からの種子及び果実を有する。本発明は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来し、且つ所望の追加形質を含む植物を作出する種子も提供する。
【0038】
上述の方法によれば、この所望の追加形質は、下記が挙げられるが、これらに限定されない、当技術分野で既知の任意の適切な形質であり得る:例えば、雄性不稔、雄性稔性、除草剤抵抗性、有害生物(例えば、昆虫及び/若しくは線虫)抵抗性、脂肪酸代謝の改変、炭水化物代謝の改変、(例えば、細菌性疾患、真菌性疾患及び/若しくはウイルス性疾患に対する)耐病性、栄養価の増強、甘味の増加、風味の増加、熟成コントロールの改善、耐塩性の改善、外観(例えば、果実の色)の改善、工業的利用又はこれらの任意の組み合わせ。
【0039】
代表的な実施形態では、除草剤抵抗性を付与する導入遺伝子は、グリホサート、スルホニル尿素、イミダゾリノン、ジカンバ、グルホシネート、フェノキシプロピオン酸、L-ホスフィノトリシン、シクロヘキソン、シクロヘキサンジオン、トリアジン、ベンゾニトリル又はこれらの任意の組み合わせに対する抵抗性を付与する。
【0040】
代表的な実施形態では、有害生物抵抗性(例えば、昆虫及び/若しくは線虫)、を付与する導入遺伝子は、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)内毒素をコードする。
【0041】
さらなる実施形態として、本発明は、カンタロープ栽培品種ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来するメロン植物の種子を作出する方法であって、カンタロープ栽培品種ME597、ME598、ME670、ME671又はME675のメロン植物を1つ又は複数の世代にわたって自殖させることと、種子を形成させることとを含む方法を提供する。任意に、カンタロープ栽培品種ME597、ME598、ME670、ME671又はME675は、1世代以上、2世代以上、3世代以上、4世代以上、5世代以上、6世代以上、7世代以上又は8世代以上にわたって自殖させる。実施形態では、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675は、実質的にホモ接合性の近交系を作出するために十分な数の世代にわたって自殖させる。本発明の方法によって作出されるカンタロープ種子も提供され、任意に、カンタロープ種子は、近交カンタロープ植物に成長する。
【0042】
代表的な実施形態では、限定を伴うことなく、本発明のカンタロープ栽培品種に由来するトランスジェニック植物、形質転換された植物、遺伝子編集された植物、単一遺伝子座が変換された植物、雑種植物及びメロン植物を含む本発明の植物は、例えば、外皮変化表現型及び/又は長期貯蔵寿命を有する果実を作出することによって特徴付けられる。代表的な実施形態では、限定を伴うことなく、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来するトランスジェニック植物、形質転換された植物、遺伝子編集された植物、単一遺伝子座が変換された植物、雑種植物及びメロン植物を含む本発明の植物は、それぞれカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671若しくはME675の形態学的及び生理学的特徴の少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10若しくはそれを超える(例えば、表1~3に記載される)又はさらにそれぞれカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671若しくはME675の全ての形態学的及び生理学的特徴を有し、前記植物は、同じ環境条件で成長させた場合の5%の有意水準で決定されるように、それぞれカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675と前記形質について有意差がなく、任意に1つ又は複数の所望の追加の形質が存在する(例えば、雄性不稔、耐病性、有害生物又は昆虫抵抗性、除草剤抵抗性及び他の同種のもの)。
【0043】
一実施形態では、本発明は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の種子を作出する方法であって、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の植物を成長させることと、例えば、隔離された小区画又は圃場において前記植物を受粉させること、例えば前記植物を放任受粉させることと、前記植物から種子を収穫することとを含む方法を開示する。一実施形態では、方法は、前記種子を洗浄し、乾燥させることをさらに含む。
【0044】
本発明は、本発明のメロン植物由来の植物部位、植物材料、花粉、胚珠、果実及び種子も包含する。本発明は、本発明のメロン植物を生じる種子も提供する。同様に提供されるのは、本発明のメロン植物由来の再生可能な細胞の組織培養物であって、任意に、この再生可能な細胞は、(a)胚、分裂組織、葉、花粉、子葉、胚軸、根、根端、葯、花、雌ずい、胚珠、種子、新芽、茎(stem)、茎(stalk)、葉柄、髄及び/若しくはさく果、又は(b)(a)の細胞に由来するカルス若しくはプロトプラストである。さらに提供されるは、本発明の組織培養物から再生されたメロン植物である。
【0045】
さらに別の態様では、本発明は、分子遺伝学的技術を使用してカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671若しくはME675又はその子孫の遺伝的特徴を決定する方法、例えばカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671若しくはME675又はその子孫の遺伝子型を決定する方法を提供する。実施形態では、方法は、ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671若しくはME675植物又はその子孫植物のゲノムにおいて、少なくとも第1の多型を検出することを含み、例えば核酸の増幅及び/又は核酸の配列決定を含む。例証するために、実施形態では、この方法は、植物から核酸のサンプルを得ることと、この核酸サンプルにおいて少なくとも第1の多型を検出することとを含む。任意に、この方法は、植物のゲノム中における複数の多型(例えば、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、6種以上、8種以上又は10種以上の多型等)を検出することを含み得る。代表的な実施形態では、この方法は、多型を検出するステップの結果をコンピュータ読み取り可能媒体に保存することをさらに含む。本発明は、そのような方法によって製造されたコンピュータ読み取り可能媒体をさらに提供する。
【0046】
本発明のこれらの態様及び他の態様を以下の本発明の詳細な説明に記載する。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明は、外皮変化表現型及び長期貯蔵寿命を含む望ましい特徴を有する新規なメロン雑種並びにその雌親系統の開発に部分的に基づく。
【0048】
本発明を様々な形態で具体化し得、且つ本明細書に記載されている実施形態に限定されると解釈すべきではないことを理解すべきである。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的であり且つ完全であり、当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように提供される。
【0049】
別途定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において本発明の説明で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することは意図されていない。
【0050】
文脈が別途示さない限り、本明細書で説明されている本発明の様々な特徴及び実施形態は任意の組み合わせで使用され得ることが具体的に意図されている。
【0051】
さらに、本発明は、本発明のいくつかの実施形態において、本明細書に記載されている任意の特徴又は特徴の組み合わせが除外され得るか又は省略され得ることも企図する。例証するために、組成物が成分A、B及びCを含むと本明細書が述べる場合、A、B若しくはCのいずれか又はそれらの組み合わせは、単独で又は任意の組み合わせで省略されて放棄され得ることが具体的に企図される。
【0052】
別途定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において本発明の説明で使用される用語法は、特定の実施形態を説明することをのみを目的としており、本発明を限定することは意図されていない。
【0053】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。
【0054】
I.定義
下記の説明及び表では、多くの用語が使用される。そのような用語に与えられる範囲等の本明細書及び特許請求の範囲の明確な且つ一貫した理解を提供するために、下記の定義を提供する。
【0055】
本発明の説明及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、別途文脈が明確に示さない限り、複数形も含むことが意図されている。
【0056】
本明細書で使用される場合、「及び/又は」は、関連する列挙された項目の内の1つ又は複数のありとあらゆる可能な組み合わせと、選択肢(「又は」)で解釈される場合には組み合わせの欠如とを指し、且つ包含する。
【0057】
用語「約」は、本明細書で使用される場合、投与量又は期間及び同類のもの等の測定可能な値を指す際に、指定された量の±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%又はさらに±0.1%の変動を包含することを意味する。
【0058】
用語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」及び「含んでいる」は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、整数、ステップ、操作、要素及び/又は構成成分の存在を明示するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成成分及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除しない。
【0059】
本明細書で使用される場合、移行句「から本質的になる」は、請求項の範囲が、この請求項で列挙されている特定の物質及びステップと、特許請求された本発明の「基本的で新規な特徴に実質的に影響を及ぼさないもの」とを包含すると解釈されるべきであることを意味する。(非特許文献1)(原文での強調)を参照し、(非特許文献2)も参照されたい。そのため、用語「から本質的になる」は、請求項又は本発明の説明で使用される場合、「含む」と均等であると解釈されることが意図されていない。
【0060】
「追加形質」:本明細書で使用されるように、所望の「追加形質」又は「追加の形質」は、所望の特徴を植物に付与し、当技術分野で知られている任意の方法、例えば従来の育種(例えば、戻し交配)、遺伝子編集、突然変異誘発又は遺伝子形質転換技術によって導入され得る任意の形質であり得る。追加形質の例は、限定を伴うことなく、以下を含む:雄性不稔、雄性稔性、除草剤抵抗性、有害生物(例えば、昆虫及び/若しくは線虫)抵抗性、脂肪酸代謝の改変、炭水化物代謝の改変、(例えば、細菌性疾患、真菌性疾患及び/若しくはウイルス性疾患に対する)耐病性、非生物的ストレス耐性、栄養価の増強(例えば、果実のフラボノイド含有量の増加)、外観の改善(例えば、外面の果実色及び/若しくは果実の果肉色)、果実の甘味の増加、果実の風味の増加、果実の熟成の改善、食感若しくは味の改善、果実の収穫量の改善、種子の収穫量の改善、実生の生長力の改善、種子発芽の改善、工業的利用、遺伝子編集機構又はその任意の組み合わせ。形質は、DNA配列によってコードすることができる(例えば、天然のメロン配列、誘導されるか若しくは天然に存在する変異、編集された天然配列若しくは導入遺伝子)又は機能する非翻訳RNAの発現の結果として起こり得る(例えば、RNA干渉)。
【0061】
「対立遺伝子」。対立遺伝子は、遺伝子の1つ又は複数の代替形態のいずれかであり、この代替形態の全ては形質又は特徴に関する。2倍体の細胞又は生物では、所与の遺伝子の2種の対立遺伝子は、一対の相同染色体上の対応する遺伝子座を占有する。
【0062】
「戻し交配」。戻し交配とは、育種家が雑種子孫を繰り返し交配して両親の内の一方(例えば、F1雑種の親遺伝子型の内の一方を有する第一世代雑種F1)に戻すプロセスのことである。
【0063】
「子葉」。種子植物の胚の最初の葉の内の1つであり、典型的には、単子葉植物では1つ又は複数であり、双子葉植物では2つであり、裸子植物では2つ以上である。
【0064】
「二重半数体系統」。例えば葯培養物由来の半数体系統の染色体を2倍にすることによって達成される安定した近交系。例えば、特定の条件下で培養されたいくつかの花粉粒子(半数体)は、1n個の染色体を含む小植物を発生させる。次いで、この小植物中の染色体を(例えば、化学的手段を使用して)「二重」に誘導し、2n個の染色体を含む細胞が得られる。この小植物の子孫は「二重半数体」と称され、本質的には分離しない(例えば、安定である)。用語「二重半数体」は、本明細書では「二ゲノム性半数体」と互換的に使用される。
【0065】
「生理学的及び形態学的特徴の本質的に全て」。「生理学的及び形態学的特徴の本質的に全て」を有する植物(並びに同様の表現)は、両方の植物を同一の環境条件下で成長させた場合、本発明のカンタロープの栽培品種に例えば戻し交配によって導入される変換遺伝子座(例えば、単一変換遺伝子座)、遺伝子編集技術によって生じる改変遺伝子、導入された導入遺伝子(すなわち遺伝子形質転換技術又は変異(例えば、化学的に又は放射線によって誘導されている)によって導入されている)に由来する特徴を除いて、本発明の親植物の所望の生理学的及び形態学的特徴の全てを有する植物を意味する。実施形態では、「生理学的及び形態学的特徴の本質的に全て」を有する植物は、5個以下の形質、4個以下の形質、3個以下の形質、2個以下の形質又は1個の形質を除いて、参照植物の特徴の全てを有する植物を意味する。実施形態では、「本発明のカンタロープ栽培品種の生理学的及び形態学的特徴の本質的に全て」を含む植物は、外皮変化形質及び長期貯蔵寿命を有する果実を作出する。実施形態では、本発明のカンタロープ栽培品種の「生理学的及び形態学的特徴の本質的に全て」を有する植物は、表1~3の形質を含む。
【0066】
「遺伝子」。本明細書において使用されるように、「遺伝子」は、オープンリーディングフレームを含む核酸のセグメントを指す。遺伝子は、異なる種からのものか同じ種からのものかどうかにかかわらず、形質転換又は様々な育種方法を使用して、種のゲノムに導入することができる。
【0067】
「遺伝子編集」:「遺伝子編集」(ときに「ゲノム編集」とも言われる)は、例えばメガヌクレアーゼ、Znフィンガーヌクレアーゼ、TALEN及びCRISPR/Cas9系を利用する技術を使用する、ゲノムDNAへの標的改変の導入を指す。例えば(非特許文献3)を参照されたい。
【0068】
「近交系」:本明細書で使用される場合、語句「近交系」は、遺伝的にホモ接合性であるか又はほぼホモ接合性である集団を指す。近交系を、例えば、同胞交配及び/若しくは自殖の数回のサイクルを通して且つ/又は二重半数体の作出によって得ることができる。いくつかの実施形態では、近交系は、目的の1つ又は複数の形質に関して純種を繁殖する。「近交系植物」又は「近交系子孫」とは、近交系からサンプリングされた個体のことである。
【0069】
「植物」。本明細書で使用される場合、用語「植物」には、植物細胞、植物プロトプラスト、植物が再生され得る植物細胞組織培養物、植物カルス、植物凝集塊、植物又は植物の部位(例えば、葉、花粉、胚、子葉、胚軸、根、根端、葯、雌ずい、花、胚珠、果実、茎、根茎、接ぎ穂及び同類のもの)において無傷である植物細胞が含まれる。
【0070】
「植物材料」。用語「植物材料」及び「植物から得られる材料」は、本明細書では互換的に使用され、植物から得られるあらゆる植物材料(例えば、限定されないが、葉、茎、根、花若しくは花の一部、果実、花粉、卵細胞、接合体、種子、切穂、細胞培養物若しくは組織培養物、根茎、接ぎ穂又は植物のあらゆる他の部位若しくは産物)を指す。
【0071】
「植物部位」。本明細書で使用される場合、「植物部位」には、植物のあらゆる部位、器官、組織又は細胞(例えば、限定されないが、胚、分裂組織、葉、花粉、子葉、胚軸、根、根端、葯、花、花蕾、雌ずい、胚珠、新芽、茎(stem)、茎(stalk)、葉柄、髄、さく果、接ぎ穂、根茎及び/又は上記のいずれかに由来するカルス及びプロトプラストを含む果実)が含まれる。代表的な実施形態では、植物部位は、繁殖しない植物部位であり、例えば種子ではない。
【0072】
「量的形質遺伝子座」。量的形質遺伝子座(QTL)は、ある程度の数値的に表現可能な形質まで制御される遺伝学的遺伝子座を指し、この形質は、通常は連続的に分布している。
【0073】
「再生」。再生は組織培養物からの植物の成長を指す。
【0074】
「抵抗性」。本明細書で使用される場合、用語「抵抗性」及び「耐性」(並びにこれらの文法的変形)は、特定の生物(例えば、有害生物、病原体若しくは疾患)又は非生物(例えば、外因性若しくは環境、例えば除草剤)の因子又はストレス要因に対する症状の減少を示すか又はこれらに対する症状を特に示さない植物を説明するために互換的に使用される。いくつかの実施形態では、「抵抗性」又は「耐性」植物はいくつかの症状を示すが、許容可能な収穫量で市場性のある生成物を依然として生じ得、例えば、生物の及び/若しくは非生物の因子又はストレス要因の非存在下での収穫量又は成長と比較して、この収穫量は、依然として減少している場合があり、及び/又は植物は、発育が妨げられている場合がある。抵抗性又は耐性の程度が植物の複数のフィールド又はフィールド全体に関して評価され得ることを当業者は理解するであろう。メロン植物は、特定の個々の植物が生物の又は非生物の因子又はストレス要因の影響を受けやすい場合でも、複数の植物にわたって(例えば、平均して)抵抗性/耐性が観察される場合に「抵抗性」又は「耐性」と見なされ得る。
【0075】
「RHS」。RHSは、定義されたナンバリングシステムに従って色を定量的に識別する公式の植物のカラーチャートを刊行する英国王立園芸協会を指す。このチャートを、Royal Horticulture Society Enterprise Ltd.,RHS Garden;Wisley,Woking;Surrey GU236QB,UKから購入し得る。
【0076】
「単一遺伝子座の変換」。単一遺伝子座が変換された植物又は単一遺伝子座変換植物は、植物育種技術(例えば、戻し交配)、遺伝子編集技術、遺伝子形質転換技術及び/又は変異技術(例えば、化学的に又は放射線によって誘導されている)によって開発されている植物であって、植物育種、ゲノム編集、遺伝子形質転換又は変異技術によって系統に導入された単一遺伝子座に加えて、系統の所望の形態学的特徴及び生理学的特徴の本質的に全てが回復されている、植物を指す。実施形態では、単一遺伝子座が変換された植物は、単一遺伝子座変換によって付与される追加形質と、他の点では親(最初の)植物の生理学的及び形態学的特徴の全てとを含む。
【0077】
「実質的に均等な特徴」。比較した場合に平均から統計的に有意な差(例えば、p=0.05)を示さない特徴。
【0078】
「導入遺伝子」。遺伝子操作技術(例えば、形質転換)又は育種によって植物のゲノムに導入され得る目的の核酸。導入遺伝子は、同一の種又は異なる種に由来し得る。同一の種に由来する場合、導入遺伝子は、天然のコード配列の追加のコピーであり得るか、又は天然状態で見出されるフォーム若しくは状況(例えば、異なるゲノム配置及び/若しくはプロモータ等の外因性調節エレメントとの作動可能な結合)で天然配列を提示し得る。導入遺伝子は、ポリペプチド又は機能する非翻訳RNA(例えば、RNAi)をコードし得る。
【0079】
本発明の新規なメロン植物の植物学的説明。
本発明の雑種メロン植物は、外皮変化形質及び長期貯蔵寿命を有する果実を作出することによって特徴付けられる。
【0080】
当業者は、カンタロープ植物を他のメロン、例えば、限定を伴うことなく、ハネデュー、タスカン、ピールドサポ、イエローカナリー、ジャパニーズ、シャレンタイス、ガリア、アマレロ、キルカガク、ハミー、アナナス、オリエンタル及び他の同種のものを含む別のC.メロ(C.melo)メロンと容易に交配させることができることを認識する。そのため、本発明のメロン植物は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675と別のメロン植物(カンタロープ又は他のメロン)との間の交配から生じる雑種メロン植物並びにカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675のいずれか及び別のメロン植物(カンタロープ又は他のメロンの種類)を含む系譜を有するカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来するメロン植物を包含する。
【0081】
カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675の植物学的説明を、下記に提供する。
【0082】
系統ME300、ME535及びME594。
育種方法。メロン系統ME300、ME535及びME594は、系統育種法によって開発した。最終世代の多数の植物における観察に基づいて、ME300、ME535及びME594は、それぞれ独特であり、遺伝的に安定しており、且つ表現型的に均一である。ME300、ME535及びME594の集団においてバリアントが観察されなかったため、これらの系統において、遺伝的バリアントは、予想されない。
【0083】
雑種の作出。試験交配を、雌親としてME300、ME535及びME594を用いて行い、多数の有望な雑種が同定された(例えば、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675、全て本明細書において開示される)。
【0084】
ME300、ME535及びME594のさらなる説明を表1に提供する。
【0085】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0086】
雑種ME597、ME598、ME670、ME671及びME675。
雑種ME597(「ColorFlavor」とも呼ばれる)は、雌としての系統ME594(本明細書において開示される)を、雄親としての専売近交カンタロープ系統と交配することによって開発した。
【0087】
雑種ME598(「ColorSweet」とも呼ばれる)は、雌としての系統ME594(本明細書において開示される)を、雄親としての専売近交カンタロープ系統と交配することによって開発した。
【0088】
雑種ME670は、雌としての系統ME300(本明細書において開示される)を、雄親としての専売近交カンタロープ系統と交配することによって開発した。
【0089】
雑種ME671は、雌としての系統ME535(本明細書において開示される)を、雄親としての専売近交カンタロープ系統と交配することによって開発した。
【0090】
雑種ME675は、雌としての系統ME535(本明細書において開示される)を、雄親としての専売近交カンタロープ系統と交配することによって開発した。
【0091】
F1雑種ME597、ME598、ME670、ME671及びME675は、環境の影響の範囲内で、果実の大きさ及び形状、均一性、果肉硬度並びに総可溶性固形分などのほとんどの表現型の形質について安定している。
【0092】
雑種ME597、ME598、ME670、ME671及びME675のさらなる説明を表2及び表3において提供する。
【0093】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0094】
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【0095】
組織培養物。
実施形態では、組織培養及び再生によってメロン植物を増殖させ得る。様々なメロン組織の組織培養物及びこの組織培養物からの植物の再生は公知であり、広く公開されている。例えば、(非特許文献4)、(非特許文献5)、(非特許文献6)、(非特許文献7)、(非特許文献8)、(非特許文献9)及び(非特許文献10)を参照し得る。文献から明らかなように、これらの植物を得る方法が日常的に使用されており且つ非常に高い成功率を有するような従来技術が存在する。そのため、本発明の別の態様は、成長及び分化時にカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675の所望の特徴、例えば外皮変化表現型及び/又は長期貯蔵寿命を有するメロン植物を作出する細胞を提供することである。任意に、メロン植物は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の全ての生理学的及び形態学的特徴を含む本発明の組織培養物から再生することができる。
【0096】
本明細書で使用される場合、用語「組織培養物」は、同一の若しくは異なるタイプの単離細胞を含む組成物又は植物の部位に組織化されるそのような細胞の収集物を示す。組織培養物の例示的なタイプは、プロトプラスト、カルス、分裂組織細胞並びに植物又は植物の部位(例えば、葉、花粉、胚、根、根端、葯、雌ずい、花、種子、葉柄、吸枝及び同類のもの)において無傷である組織培養物を生成し得る植物細胞である。植物組織培養物を調製して維持するための手段は、当技術分野で公知である。例として、器官を含む組織培養物を使用して再生植物が生じ得る。(特許文献2)、(特許文献3)及び(特許文献4)では、特定の技術が説明されている。
【0097】
さらなる育種方法。
本発明は、第1の親メロン植物を第2の親メロン植物と交配することにより、メロン植物を作出する方法であって、第1又は第2の親メロン植物は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の植物である方法にも関する。さらに、第1及び第2の親メロン植物の両方は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の植物であり得る。そのため、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675を使用する以下の例証的な方法のいずれも、本発明の一部である:自殖、戻し交配、倍加半数体技術、雑種作出、集団への交配及び他の同種のもの。少なくとも1つの親としてカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675を使用して作出される全ての植物は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来するメロン植物から開発されるものを含め、本発明の範囲内にある。有利には、カンタロープ栽培品種ME300、ME535及びME594は、望ましい特徴を有する第1世代(F1)メロン雑種種子及び植物を作出するために、他の異なるメロン植物との交配において使用することができる。本発明の栽培品種は、外因性導入遺伝子が導入されて、本発明の栽培品種によって発現される形質転換に使用することもできる。当業者に知られている多くのプロトコルのいずれかによる本発明の栽培品種又はその祖先(例えば、親系統)の従来の育種方法、遺伝子編集、突然変異誘発又は形質転換によって作製される遺伝的バリアントは、本発明の範囲内にあることが意図される。
【0098】
当業者は、カンタロープメロンを他のメロン、例えば、限定を伴うことなく、ハネデュー、タスカン、ピールドサポ、イエローカナリー、ジャパニーズ、シャレンタイス、ガリア、アマレロ、キルカガク、ハミー、アナナス、オリエンタル及び他の同種のものを含む別のC.メロ(C.melo)メロンと容易に交配させることができることを認識する。そのため、本発明の方法は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675並びにその子孫及び誘導体とカンタロープメロン又は任意の他のメロンのタイプを含む他のメロンとの間の交配を包含する。
【0099】
以下は、さらなるメロン植物の開発においてカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675と共に使用され得る例証的な育種方法を記載する。そのような一実施形態は、メロン植物育種プログラムにおいてカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675子孫メロン植物を開発する方法であって、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の植物又はその部位を得ること、前記植物又は植物の部位を育種材料の供給源として利用すること並びにカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671若しくはME675と共通する分子マーカーを有する並びに/又は本明細書に記載される形態学的及び/若しくは生理学的特徴を有する(例えば、外皮変化形質及び/若しくは長期貯蔵寿命を有する果実)カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675子孫植物を選択することを含む方法である。代表的な実施形態では、子孫植物は、それぞれカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671若しくはME675の形態学的及び生理学的特徴の少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10若しくはそれを超える(例えば、表1~3に記載される)又はさらにそれぞれカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671若しくはME675の全ての形態学的及び生理学的特徴を有し、前記子孫メロン植物は、同じ環境条件で成長させた場合の5%の有意水準で決定されるように、それぞれカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675と前記形質について有意差がなく、任意に1つ又は複数の所望の追加の形質が存在する(例えば、雄性不稔、耐病性、有害生物又は昆虫抵抗性、除草剤抵抗性及び他の同種のもの)。育種プログラムで使用され得る育種ステップは、系統育種、戻し交配、変異育種及び循環選抜を含む。これらのステップと共に、RFLP増強選抜、遺伝子マーカー増強選抜(例えば、SNPマーカー又はSSRマーカー)及び倍加半数体の作製などの技術が利用され得る。
【0100】
別の代表的な方法は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675子孫メロン植物の集団を作出する方法であって、本発明のカンタロープ栽培品種を別のメロン植物と交配し、それにより平均してそれぞれカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675からそれらの対立遺伝子の50%を得るメロン植物の集団を作出することを含む方法に関する。この集団の植物は、選択され、繰り返し自殖され得るか、又はこれらの連続する子の世代から結果としてもたらされるメロン植物と同胞交配され得るか、又はカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671若しくはME675に戻し交配され得る。別のアプローチは、ホモ接合性を達成するために倍加半数体植物を作製することである。本発明の一実施形態は、これらの方法によって作出され、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675からその対立遺伝子の少なくとも50%を得ているメロン植物である。実施形態では、本発明の方法は、平均して、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675からその対立遺伝子の少なくとも6.25%、12.5%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%(すなわちTAC)、例えばカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の遺伝的相補体の少なくとも約6.25%、12.5%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%を得るメロン植物の集団を作出する。本発明の代表的な一実施形態は、この方法によって作出され、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675からその対立遺伝子の少なくとも6.25%、12.5%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%(すなわちTAC)を得ているメロン植物であり、任意に、1回又は2回の育種交配並びに自殖、同胞交配、戻し交配及び/又は倍加半数体技術の1つ又は複数を任意の組み合わせ及び任意の順序で含む育種プロセスの結果であり得る。実施形態では、育種プロセスは、育種交配を含まず、自殖、同胞交配、戻し交配及び/又は倍加半数体技術を含む。
【0101】
さらなる実施形態として、本発明は、カンタロープ栽培品種ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来するメロン植物の種子を作出する方法であって、カンタロープ栽培品種ME597、ME598、ME670、ME671又はME675のメロン植物を1つ又は複数の世代にわたって自殖させることと、種子を形成させることとを含む方法を提供する。任意に、カンタロープ栽培品種ME597、ME598、ME670、ME671又はME675は、1世代以上、2世代以上、3世代以上、4世代以上、5世代以上、6世代以上、7世代以上又は8世代以上にわたって自殖させる。実施形態では、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675は、実質的にホモ接合性の近交系を作出するために十分な数の世代にわたって自殖させる。本発明の方法によって作出されるカンタロープ種子も提供され、任意に、カンタロープ種子は、近交カンタロープ植物に成長する。
【0102】
植物育種の当業者は、2つの植物品種の形質を、それらの品種によって発現される2つの形質間に有意差がないかどうかを決定するために評価する方法を知っているであろう。例えば、(非特許文献11)を参照されたい。そのため、実施形態では、本発明は、外皮変化形質及び/又は長期貯蔵寿命を有する果実を作出することによって特徴付けられる本発明のカンタロープ栽培品種の子孫メロン植物を含む。実施形態では、本発明は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675について本明細書に記載される少なくとも2、3、4、5又は6つの特徴の組み合わせを有する子孫植物を包含し、前記子孫メロン植物は、同じ環境条件で成長させた場合の5%の有意水準で決定されるように、それぞれカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675と前記形質について有意差がない。本明細書に記載される技術及び当技術分野において知られている技術を使用して、分子マーカーは、前記子孫植物をカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675の子孫として同定するために使用され得る。平均形質値は、形質の差異が有意であるかどうかを決定するために使用され得、任意で、形質は、同じ環境条件下で成長させた植物で測定される。
【0103】
カンタロープの栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675の子孫は、それぞれカンタロープの栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675との子としての関係により、例えばカンタロープの栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675の特定の数の育種交配内にあるとしても特徴付けられ得る。育種交配は、新規な遺伝的性質を子孫に導入するために行なわれる交配であり、既存の遺伝的対立遺伝子を選択するために行なわれる自殖交配又は同胞交配などの交配と区別される。系統中の育種交配の数が少ないほど、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675とその子孫との関係は近くなる。例えば、本明細書に記載される方法によって作出される子孫は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の1、2、3、4、5回又はそれを超える育種交配内のものであり得る。
【0104】
代表的な実施形態では、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来するメロン植物は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来する少なくとも1組の染色体を含む細胞を含む。
【0105】
実施形態では、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来するメロン植物又はメロン植物の集団は、平均して、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675からのその対立遺伝子の少なくとも6.25%、12.5%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%(すなわちTAC)、例えばカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の遺伝的相補体の少なくとも6.25%、12.5%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%を含み、任意に、任意の組み合わせ及び任意の順序での自殖、同胞交配、戻し交配及び/又は倍加半数体技術の1つ又は複数の結果であり得る。実施形態では、育種プロセスは、育種交配を含まず、自殖、戻し交配及び/又は倍加半数体技術を含む。
【0106】
実施形態では、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来するメロン植物は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675から取り出された1回、2回、3回、4回、5回又はそれを超える育種交配種である。実施形態では、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来するメロン植物は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675から取り出された2回以下、3回以下、4回以下又は5回以下の育種交配種である。
【0107】
代表的な実施形態では、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来する植物は、倍加半数体植物、雑種植物又は近交植物である。
【0108】
実施形態では、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675からの雑種又は得られる植物は、所望の追加形質を含む。代表的な実施形態では、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来するメロン植物は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の形態学的及び生理学的特徴の全て(例えば、本明細書において、特に表1~3に記載される)を含む。実施形態では、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に由来するメロン植物は、所望の追加形質が追加された、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の形態学的及び生理学的特徴の全て又は本質的に全て(例えば、本明細書において、特に表1~3に記載される)を含む。
【0109】
当業者は、形質を、当技術分野において知られている任意の方法、例えば植物形質転換法、従来の育種、遺伝子編集及び/又は自然の若しくは誘導される変異により、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に導入することができ、形質を、植物又はその祖先(例えば、F1雑種の親系統)に導入することができることを理解するであろう。
【0110】
遺伝子形質転換。
特定のタンパク質産物をコードする遺伝子の単離及びキャラクタリゼーションを可能にしている分子生物学的技術の出現により、植物生物学の分野の科学者は、特定の方法で植物の形質を改変するために、(任意に非天然のプロモータによって駆動される)天然の(内因性の)核酸のさらなる又は改変されたバージョン等の外来性の核酸を含み且つ発現するための植物のゲノムの操作に強い関心を持った。異なる種に由来するか、同一の種に由来するか、又は人工配列に由来するかに関わらず、形質転換又は様々な育種方法を使用してゲノムに導入されるあらゆる核酸配列は、本明細書では総称して「導入遺伝子」と称される。過去15~20年にわたり、トランスジェニック植物を作出するいくつかの方法が開発されており、特定の実施形態では、本発明は、本明細書で開示されているメロン植物の形質転換バージョンにも関する。
【0111】
遺伝子操作技術は、1つ又は複数の所望の追加形質を、植物、例えばカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671若しくはME675又はそれに由来する子孫若しくはメロン植物に導入するために使用することができる(単独で又は育種方法と組み合わせて)。一旦、導入遺伝子が遺伝子形質転換によって植物に導入されると、導入遺伝子は、従来の育種を介して他の植物に導入することができる。実施形態では、所望の追加形質は、親系統(例えば、雑種ME597、ME598、ME670、ME671又はME675の雌及び/又は雄親系統)などの前駆的植物の遺伝子操作により、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671又はME675に導入することができる。
【0112】
植物形質転換は、一般に、植物細胞中で機能するであろう発現ベクターの作成を伴う。任意に、そのようなベクターは、調節エレメント(例えば、プロモータ)の制御下での又はこの調節エレメントに作動可能に連結された、ポリペプチド又は非翻訳の機能するRNAのコード配列を含む1つ又は複数の核酸を含む。代表的な実施形態では、このベクターはプラスミドの形態であり得、且つこのベクターを単独で又は他のプラスミドと組み合わせて使用し、メロン植物の遺伝子材料に導入遺伝子を組み込むために本明細書で説明されているような形質転換方法を使用して形質転換メロン植物を生じさせ得る。
【0113】
さらなる方法として、直接核酸導入方法(例えば、(例えば、遺伝子銃デバイスによる)マイクロプロジェクタイル媒介送達、DNA注入、アグロバクテリウム媒介形質転換、エレクトロポレーション及び同類のもの)を使用して植物組織に導入される発現ベクターが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の植物(並びにその部位及び組織培養物)から得られた形質転換植物は、本発明の範囲内であることが意図されている。
【0114】
植物形質転換用の発現ベクター-選択マーカー。
発現ベクターは概して、調節エレメント(例えば、プロモータ)に作動可能に連結された、選択マーカーを含むか又はコードする少なくとも1つの核酸を含み、この調節エレメントは、このマーカーを含む形質転換細胞が、負の選択(例えば、この選択マーカーを含まない細胞の増殖を阻害すること)又は正の選択(例えば、この選択マーカーによってコードされる産生物に関するスクリーニング)によって回収されることを可能にする。植物形質転換のために一般に使用される多くの選択マーカーが形質転換分野で公知であり、例えば、抗生物質若しくは除草剤であり得る選択的化学物質を代謝的に解毒する酵素をコードする核酸又は阻害剤に対して非感受性である改変標的をコードする核酸が挙げられる。正の選択方法も当技術分野で既知である。
【0115】
植物で一般に使用される選択マーカーとして、下記が挙げられるが、これらに限定されない:カナマイシンに対する抵抗性を付与するネオマイシンホスホトランスフェラーゼII(nptII)、抗生物質ハイグロマイシンに対する抵抗性を付与するハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ、抗生物質に対する抵抗性を付与する細菌選択マーカー(例えば、ゲンタマイシンアセチルトランスフェラーゼ、ストレプトマイシンホスホトランスフェラーゼ及びアミノグリコシド-3’-アデニルトランスフェラーゼ)、除草剤に対する抵抗性を付与する選択マーカー(例えば、グリホサート、グルホシネート又はブロモキシニル)。形質転換植物細胞の選択は、抗生物質等の毒性物質に対する抵抗性に関する形質転換細胞の直接的な遺伝的選択ではなく、推定的に形質転換された植物細胞のスクリーニングにも基づき得、そのようなマーカーとして、アルファ-グルクロニダーゼ(GUS)、アルファ-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ並びに緑色蛍光タンパク質(GFP)及び変異GFPが挙げられるが、これらに限定されない。
【0116】
植物形質転換用の発現ベクター-プロモータ。
発現ベクターに含まれる導入遺伝子は一般に、調節エレメント(例えば、プロモータ)を含むヌクレオチド配列によって駆動される。単独で又はプロモータと組み合わせて使用され得る他の調節エレメントと同様に、形質転換分野では多数のタイプのプロモータが公知である。
【0117】
本明細書で使用される場合、「プロモータ」は、転写の開始から上流であり且つ転写を開始するためにRNAポリメラーゼ及び他のタンパク質の認識及び結合に関与するDNAの領域への言及を含む。「植物プロモータ」とは、植物細胞中で転写を開始し得るプロモータのことである。
【0118】
発生制御下のプロモータの例として、特定の組織(例えば、葉、根、種子、繊維、木部導管、仮導管又は厚壁組織)中で転写を優先的に開始するプロモータが挙げられる。そのようなプロモータは「組織優先型」と称される。特定の組織中でのみ転写を開始するプロモータは「組織特異的」と称される。「細胞タイプ」特異的プロモータは、1つ又は複数の器官(例えば、根又は葉の維管束細胞)中において、特定の細胞タイプで発現を優先的に駆動する。「誘発性」プロモータとは、環境制御下であるプロモータのことである。誘発性プロモータによる転写に影響を及ぼし得る環境条件の例として、嫌気性条件又は光の存在が挙げられる。組織特異的プロモータ、組織優先型プロモータ、細胞タイプ特異的プロモータ及び誘発性プロモータは、「非構成的」プロモータのクラスを構成する。「構成的」プロモータとは、ほとんどの環境条件下で活性であるプロモータのことである。
【0119】
多くの適切なプロモータが当技術分野で既知であり、且つ所望の結果を達成するために選択されて使用され得る。
【0120】
細胞内区画へのタンパク質のターゲティング用のシグナル配列。
導入遺伝子によって生成されたポリペプチドの細胞内区画(例えば、葉緑体、液胞、ペルオキシソーム、グリオキシソーム、細胞壁若しくはミトコンドリア)への輸送又はアポプラストへの分泌のための輸送は一般に、シグナル配列をコードするヌクレオチド配列を、目的のポリペプチドをコードする核酸の5’領域及び/又は3’領域に作動可能に連結することによって達成される。このコード配列の5’末端及び/又は3’末端でのシグナル配列は、このポリペプチドを特定の細胞内区画の標的に定める。
【0121】
シグナル配列の存在により、細胞内小器官若しくは細胞内区画のいずれか又はアポプラストへの分泌にポリペプチドを誘導し得る。多くのシグナル配列が当技術分野では既知である。例えば、(非特許文献12)、(非特許文献13)、(非特許文献14)、(非特許文献15)、(非特許文献16)、(非特許文献17)、(非特許文献18)、(非特許文献19)、(非特許文献20)及び(非特許文献21)を参照されたい。
【0122】
外来性ポリペプチド導入遺伝子及び農学的導入遺伝子。
本発明に係るトランスジェニック植物により、外来性タンパク質を商業的な量で製造し得る。そのため、当技術分野で十分に理解されている、形質転換植物の選択及び繁殖のための技術により、従来の方法で収穫される複数のトランスジェニック植物が得られ、次いで目的の組織又は全バイオマスから外来性ポリペプチドを抽出し得る。植物バイオマスからのタンパク質抽出を、例えば(非特許文献22)によって考察されている既知の方法によって達成し得る。代表的な実施形態によれば、外来性タンパク質の商業的製造のために用意されるトランスジェニック植物は、本発明のメロン植物である。別の実施形態では、目的のバイオマスは種子及び/又は果実である。
【0123】
同様に、本発明により、農学的導入遺伝子及び他の所望の追加形質を形質転換植物(及び例えば育種方法によって作出されたこの形質転換植物の子孫)で発現させ得る。より具体的には、植物を、農学的に関心のある様々な表現型又は他の所望の追加形質を発現するように遺伝子操作し得る。所望の追加形質を付与するというこの観点で関心のある例示的な核酸として、下記が挙げられるが、これらに限定されない:植物有害生物(例えば、線虫若しくは昆虫)又は疾患(例えば、真菌性、細菌性若しくはウイルス性)に対する抵抗性を付与するために抵抗性を付与する導入遺伝子、除草剤耐性を付与する導入遺伝子、雄性不稔を付与する導入遺伝子並びに栄養素含有量(例えば、鉄、硝酸塩)の増加、(例えば、モネリンをコードする導入遺伝子の導入による)甘味の増加、(例えば、ステアリル-ACPデサチュラーゼに対するアンチセンス配列を植物に導入して、この植物のステアリン酸含有量を増加させることによる)脂肪酸代謝の改変、(例えば、デンプンの分枝パターンを変更する酵素をコードする導入遺伝子を植物に導入することによる)炭水化物組成の改変、果実色の改変(例えば、外面の果実色及び/若しくは果肉)又は果実の風味プロファイルの改変等の付加価値形質を付与するか又はこの付加価値形質に寄与する導入遺伝子。
【0124】
実施形態では、導入遺伝子は、遺伝子発現の標的化阻害を生じ、それにより植物に所望の形質を付与するように発現される非翻訳RNA(例えば、RNAi)をコードする。
【0125】
実施形態では、導入遺伝子は、ゲノム編集技術で使用される機構をコードする。
【0126】
上記で例示したもの等の任意の導入遺伝子を、様々な手段(例えば、限定されないが、形質転換(例えば、遺伝子操作技術)、従来の育種及び他の遺伝的背景に導入遺伝子を導入するための遺伝子移入方法)によって本発明のメロン植物に導入し得る。
【0127】
植物形質転換の方法。
生物学的植物形質転換プロトコル及び物理的植物形質転換プロトコル等の、様々な植物形質転換の方法が開発されている。例えば(非特許文献23)を参照されたい。加えて、植物細胞又は組織の形質転換及び植物再生のための発現ベクター及びインビトロでの培養方法が利用可能である。例えば(非特許文献24)を参照されたい。一般に使用される植物形質転換方法として、アグロバクテリウム媒介形質転換並びに直接導入遺伝子導入方法(例えば、マイクロプロジェクタイル媒介形質転換、超音波処理、リポソーム融合又はスフェロプラスト融合及びプロトプラスト又は全細胞のエレクトロポレーション)が挙げられる。
【0128】
植物標的組織の形質転換の後、(例えば、上記で説明されているような)選択マーカー導入遺伝子の発現により、現在、当技術分野で公知の再生方法及び選択方法を使用して、形質転換された細胞、組織及び/又は植物の優先的選択が可能になる。
【0129】
上述の形質転換方法を概して使用して、トランスジェニックメロン系列を作出する。次いで、このトランスジェニックメロン系列を別の(非トランスジェニック又はトランスジェニック)系列と交配して、新規なトランスジェニックメロン系列を作出し得る。代わりに、形質転換技術を使用して特定の植物に操作されている導入遺伝子を、植物育種分野で公知である従来の育種(例えば、戻し交配)技術を使用して別の植物又は系列に導入し得る。例えば、戻し交配アプローチを使用して、操作された導入遺伝子を、公共の非エリート近交系からエリート近交系に移動させ得るか、又はゲノム中に外来性導入遺伝子を含む近交系からこの導入遺伝子を含まない近交系に移動させ得る。本明細書で使用される場合、「交配」は、状況に応じて、単純なX×Y交配又は戻し交配のプロセスを指し得る。
【0130】
遺伝子座変換。
用語「植物」が本発明に関連して使用される場合、この用語は、この植物又は変種の任意の遺伝子座変換も含む。用語「遺伝子座変換植物」は、本明細書で使用される場合、例えば戻し交配、ゲノム編集、遺伝子形質転換及び/又は変異によって開発された植物を指し、変種の所望の形態学的特徴及び生理学的特徴の本質的に全て(例えば、外皮変化形質及び/又は長期貯蔵寿命)は、この変種に導入される1つ又は複数の遺伝子に加えて回復される。実施形態では、単一遺伝子座が変換された植物は、単一遺伝子座変換によって付与される所望の追加形質と、他の点では親(最初の)植物の生理学的及び形態学的特徴の全てとを含む。
【0131】
例証するために、戻し交配方法を本発明と共に使用して、特徴を改善し得るか又は変種に導入し得る。用語「戻し交配」は、本明細書で使用される場合、雑種子孫を反復親に戻して繰り返し交配する(例えば、反復親への1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回又はより多くの回数戻し交配する)ことを指す。所望の特徴のための遺伝子/遺伝子座をもたらす親植物は、「非反復」又は「ドナー親」と称される。この用語法は、非反復親が一般に育種(例えば、戻し交配)プロトコルで1回使用され、従って反復しないという事実を指す。導入される遺伝子/遺伝子座は、天然遺伝子/遺伝子座、変異した天然遺伝子/遺伝子座又は遺伝子操作技術によって植物(若しくはその祖先)に導入された導入遺伝子であり得る。非反復親から遺伝子座が導入された親植物は、戻し交配プロトコルにおいて複数のラウンドに使用されていることから「反復」親として知られている。Poehlman&Sleper(1994)及びFehr(1993)。典型的な戻し交配プロトコルでは、目的の元々の変種(反復親)を、導入される目的の遺伝子座を保有する変種(非反復親)と交配する。次いで、この交配から得られた子孫を反復親と再び交配し、このプロセスを、非反復親から形質転換された遺伝子座及び関連する形質に加えて、変換された植物中でこの反復親の所望の形態学的特徴及び生理学的特徴の本質的に全てが回復する植物が得られるまで繰り返す。
【0132】
カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675の遺伝子解析。
本発明は、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675又はその子孫の遺伝的特徴を決定する方法、例えばカンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675又はその子孫の遺伝子型を決定する方法をさらに提供する。実施形態では、方法は、例えば、核酸の増幅及び/又は核酸の配列決定を含む方法によって核酸マーカーを検出することにより、ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671若しくはME675植物又はその子孫植物のゲノムにおいて、少なくとも第1の多型を検出することを含む。例証するために、実施形態では、この方法は、この植物から核酸のサンプルを得ることと、この核酸サンプルにおいて少なくとも第1の多型を検出することとを含む。任意に、この方法は、この植物のゲノム中で複数の多型(例えば、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、6種以上、8種以上又は10種以上の多型等)を検出することを含み得る。代表的な実施形態では、この方法は、多型を検出するステップの結果をコンピュータ読み取り可能な媒体に保存することをさらに含む。本発明は、そのような方法によって製造されたコンピュータ読み取り可能媒体をさらに提供する。
【0133】
寄託
本出願人らは、カンタロープ栽培品種ME300、ME535、ME594、ME597、ME598、ME670、ME671及びME675の少なくとも625個の種子の寄託を、それぞれ2023年11月17日付けのNCMA寄託番号202311003、202311004、202311005、202311006、202311007、202311008、202311009及び202311010において、Provasoli-Guillard National Center for Marine Algae and Microbiota(NCMA)at Bigelow Laboratory for Ocean Sciences,60 Bigelow Drive,East Boothbay,ME,04544 U.S.A.で行った。これらの寄託は、30年の期間にわたる又は最新の請求から5年にわたる又は特許の有効期間にわたるいずれか長い方の期間にわたり、公的な寄託機関であるNCMA寄託機関において維持され、寄託された種子のいずれかがこの期間中に生存不能になれば交換される。加えて、本出願人らは、サンプルの生存能力の指標の提示等の37 C.F.R.§§1.801~1.809の全て要件を満たしている。本出願の係属中、寄託物質へのアクセスは、請求に応じて長官に付与される。公衆へのNCMAからの寄託物質の利用可能性への全ての制限は、特許付与時に取消不能に取り除かれる。本出願人らは、NCMAからの寄託物質の利用可能性に制限を課さないが、本出願人らは、生物物質の譲渡又はこの生物物質の商業目的での輸送に関する法律によって課されたあらゆる制限を放棄する権限を有しない。本出願人らは、この特許下で又は植物品種保護法(7USC§2321以下)下で付与される権利のいかなる侵害も放棄しない。
【0134】
これらの寄託へのアクセスは、37C.F.R.§1.14及び35U.S.C.§122下で権利を与えると特許商標庁長官によって決定された者に対して本出願の係属中に利用可能である。変種を対象とする本出願での任意の請求項の許可時、この変種の公衆への利用可能性への全て制限は、同一変種の寄託へのアクセスを提供することによって取消不能に取り除かれる。
【0135】
上述の本発明は、明確さ及び理解の目的のために例証及び例として詳細に説明されている。しかしながら、特定の変化形態及び改変形態(例えば、単一遺伝子座の改変及び変異、体細胞バリアント、本近交の植物の大きい集団から選択された変異バリアント並びに同類のもの)が本発明の範囲内で実行され得ることが明らかであろう。そのため、上述の本発明は、本明細書においてある程度詳細に説明されているが、本発明の範囲内で変更形態及び改変形態が実行され得ることが自明であろう。
【外国語明細書】