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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081622
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】バスケットカテーテルのための電極
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023205220
(22)【出願日】2023-12-05
(31)【優先権主張番号】63/386,278
(32)【優先日】2022-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/500,375
(32)【優先日】2023-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ナサニエル・ジェンキンス
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・トーマス・キース
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・ジャスティン・ヘレラ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK02
4C160KK16
4C160MM33
(57)【要約】
【課題】医療用プローブのための電極を提供すること。
【解決手段】開示される技術は、電気エネルギーを生体組織に送達するように構成された電極本体と、電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルのスパインに取り付けられるように、バスケットカテーテルのスパインの周りで、又はバスケットカテーテルのスパイン内に少なくとも部分的に曲がるように構成された1つ又は2つ以上の脚部と、を含む、医療用プローブのための電極を含む。1つ又は2つ以上の脚部は、電極本体の縁部から延在し得、かつ電極がスパインに圧着されるように曲げられるように構成され得る。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用プローブのための電極であって、前記電極が、
電気エネルギーを生体組織に送達するように構成された電極本体と、
前記電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルのスパインに取り付けられるように、前記バスケットカテーテルの前記スパインの周りで、又は前記バスケットカテーテルの前記スパイン内に少なくとも部分的に曲がるように構成された1つ又は2つ以上の脚部と、を備える、電極。
【請求項2】
前記1つ又は2つ以上の脚部が、前記電極本体の縁部から延在しており、かつ前記電極が前記スパインに圧着されるように曲げられるように構成されている、請求項1に記載の電極。
【請求項3】
前記電極本体が、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端と、を更に備え、前記第2の厚さが、前記第1の厚さよりも大きい、請求項1に記載の電極。
【請求項4】
前記電極本体が、前記近位端と前記遠位端との間で前記第1の厚さから前記第2の厚さへと先細になっている、請求項3に記載の電極。
【請求項5】
前記第1の厚さ及び前記第2の厚さが各々、前記電極本体の高さ方向において測定されたものである、請求項4に記載の電極。
【請求項6】
前記第1の厚さ及び前記第2の厚さが各々、前記電極本体の幅方向において測定されたものである、請求項4に記載の電極。
【請求項7】
前記電極本体が、波状の外面を更に備える、請求項1に記載の電極。
【請求項8】
前記波状の外面が、前記電極本体が曲がることを可能にするように構成されている、請求項7に記載の電極。
【請求項9】
前記電極が、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成されている、請求項1に記載の電極。
【請求項10】
医療用プローブのための電極であって、前記電極が、
電気エネルギーを生体組織に送達するように構成された電極本体であって、前記電極本体が、
第1の厚さを有する近位端と、
第2の厚さを有する遠位端であって、前記第2の厚さが、前記第1の厚さよりも大きい、遠位端と、
前記電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルのスパインに取り付けられるように、前記バスケットカテーテルの前記スパインの周りで、又は前記バスケットカテーテルの前記スパイン内に少なくとも部分的に曲がるように構成された1つ又は2つ以上の脚部と、を備える、電極本体を備える、電極。
【請求項11】
前記電極本体が、前記近位端と前記遠位端との間で前記第1の厚さから前記第2の厚さへと先細になっている、請求項10に記載の電極。
【請求項12】
前記第1の厚さ及び前記第2の厚さが各々、前記電極本体の高さ方向において測定されたものである、請求項10に記載の電極。
【請求項13】
前記第1の厚さ及び前記第2の厚さが各々、前記電極本体の幅方向において測定されたものである、請求項10に記載の電極。
【請求項14】
前記電極本体が、波状の外面を更に備える、請求項10に記載の電極。
【請求項15】
前記波状の外面が、前記電極本体が曲がることを可能にするように構成されている、請求項14に記載の電極。
【請求項16】
前記1つ又は2つ以上の脚部が、前記電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルの前記スパインに取り付けられるように、前記バスケットカテーテルの前記スパインの周りで少なくとも部分的に曲がるように構成された2つ又はそれ以上の脚部を含む、請求項10に記載の電極。
【請求項17】
前記1つ又は2つ以上の脚部が、前記電極本体の縁部から延在しており、かつ前記電極が前記スパインに圧着されるように曲げられるように構成されている、請求項16に記載の電極。
【請求項18】
医療用プローブであって、
近位端及び遠位端を有する挿入チューブであって、前記挿入チューブが長手方向軸に沿って延在している、挿入チューブと、
前記挿入チューブの前記遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、前記拡張可能バスケットアセンブリが、
前記長手方向軸に沿って延在しており、かつ前記拡張可能バスケットアセンブリが圧潰形態から拡張形態に移行されるときに前記長手方向軸から半径方向外向きに撓むように構成された複数のスパイン、
複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極が、前記複数のスパインのうちのスパインに取り付けられており、かつ
電気エネルギーを送達するように構成された電極本体と、
前記電極本体に取り付けられ、かつ前記複数のスパインのうちの前記スパインの周りで少なくとも部分的に曲がって、前記電極本体を前記スパインに取り付けるように構成された1つ又は2つ以上の脚部と、を備える、複数の電極、を備える、医療用プローブ。
【請求項19】
前記電極本体が、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端と、を更に備え、前記第2の厚さが、前記第1の厚さよりも大きい、請求項18に記載の医療用プローブ。
【請求項20】
前記電極本体が、前記近位端と前記遠位端との間で前記第1の厚さから前記第2の厚さへと先細になっている、請求項19に記載の医療用プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年12月6日に出願された先願の米国仮特許出願第63/386,278号の米国特許法第119条に基づく優先権の利益を主張するものであり、当該仮特許出願の内容全体は、本明細書に完全に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、医療デバイス、特に電極を有する医療用プローブに関し、更に、心臓組織の不可逆エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)を誘導するための使用に好適な医療用プローブに関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0003】
心房細動(atrial fibrillation、AF)などの心臓不整脈は、心臓組織の領域が隣接組織に電気信号を異常に伝達するときに生じる。これは、正常な心周期を混乱させ、非同期的な律動を引き起こす。不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に破壊すること、及びそのような信号の伝導路を破壊することが含まれる、不整脈を治療するためのある特定の処置が存在する。カテーテルを介してエネルギーを印加して心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は変更することが時に可能である。
【0004】
当該技術分野における多くの現在のアブレーションアプローチは、高周波(radiofrequency、RF)電気エネルギーを利用して組織を加熱する。RFアブレーションは、組織の炭化、燃焼、スチームポップ、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻につながり得る、熱加熱に関連する特定のリスクを有することができる。
【0005】
冷凍アブレーションは、一般にRFアブレーションに関連する熱リスクを低減するRFアブレーションの代替アプローチである。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操作し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難であり、したがって、冷凍アブレーションは、電気アブレーションデバイスによって到達され得る特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0006】
いくつかのアブレーションアプローチは、非熱アブレーション法を使用して心臓組織をアブレーションするために不可逆エレクトロポレーション(IRE)を使用する。IREは、高電圧の短パルスを組織に送達し、細胞膜の回復不能な透過化を生じさせる。多電極プローブを使用する組織へのIREエネルギーの送達は、特許文献において以前に提案されている。IREアブレーションのために構成されたシステム及びデバイスの例は、米国特許出願公開第2021/0169550(A1)号、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0161592(A1)号、同第2021/0196372(A1)号、同第2021/0177503(A1)号、及び同第2021/0186604(A1)号に開示されており、その各々は、参照により本明細書に組み込まれ、優先権出願の米国特許出願第63/386,278号に含まれる付録に添付されている。
【0007】
心臓組織の領域は、異常な電気信号を識別するためにカテーテルによってマッピングすることができる。同じ又は異なる医療用プローブを使用してアブレーションを実行することができる。いくつかの例示的なプローブは、その上に電極が位置付けられた多数のスパインを含む。電極は、一般に、スパインに取り付けられ、はんだ付け、溶接、又は接着剤を使用することによって定位置に固定される。しかしながら、スパイン及び電極のサイズが小さいことに起因して、スパインに電極をはんだ付け、溶接、又は接着することは困難な作業であり得、製造時間及びコストを増加させ、不適切な結合、位置ずれ、又はスパイン上の歪みに起因して電極が機能しなくなる可能性を高める。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、はんだ付け、溶接、又は接着剤を使用することを必要とせずに、電極をバスケットアセンブリのスパインに取り付けるシステム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、医療用プローブのための電極であって、電気エネルギーを生体組織に送達するように構成された電極本体と、電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルのスパインに取り付けられるように、バスケットカテーテルのスパインの周りで、又はバスケットカテーテルのスパイン内に少なくとも部分的に曲がるように構成された1つ又は2つ以上の脚部と、を含む、医療用プローブのための電極が提供される。1つ又は2つ以上の脚部は、電極本体の縁部から延在し得、かつ電極がスパインに圧着されるように曲げられるように構成され得る。
【0010】
電極本体は、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端と、を更に含み得、第2の厚さは、第1の厚さよりも大きい。電極本体は、近位端と遠位端との間で第1の厚さから第2の厚さへと先細になり得る。第1の厚さ及び第2の厚さは各々、電極本体の高さ方向において測定されたものであり得る。第1の厚さ及び第2の厚さはまた各々、電極本体の幅方向において測定されたものでもあり得る。
【0011】
電極本体は、波状の外面を更に含み得る。波状の外面は、電極本体が曲がることを可能にするように構成され得る。
【0012】
電極は、少なくとも900ボルト(volt、V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成され得る。
【0013】
開示される技術は、医療用プローブのための電極を含み、電極は、電気エネルギーを生体組織に送達するように構成された電極本体を含む。一部の実施例では、電極本体は、バスケットカテーテルのスパイン及び/又は電気ワイヤを受容するように構成された、電極本体を通る内腔を画定することができる。電極本体は、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端と、を含み得、第2の厚さは、第1の厚さよりも大きい。開示される技術は、電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルのスパインに取り付けられるように、バスケットカテーテルのスパインの周りで少なくとも部分的に曲がるように構成された1つ又は2つ以上の脚部を含み得る。電極本体は、近位端と遠位端との間で第1の厚さから第2の厚さへと先細になり得る。第1の厚さ及び第2の厚さは各々、電極本体の高さ方向において測定されたものであり得る。第1の厚さ及び第2の厚さは各々、電極本体の幅方向において測定されたものであり得る。
【0014】
電極本体は、波状の外面を更に含み得る。波状の外面は、電極本体が曲がることを可能にするように構成され得る。1つ又は2つ以上の脚部は、電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルのスパインに取り付けられるように、バスケットカテーテルのスパインの周りで少なくとも部分的に曲がるように構成された2つ又はそれ以上の脚部を含み得る。1つ又は2つ以上の脚部は、電極本体の縁部から延在し得、かつ電極がスパインに圧着されるように曲げられるように構成され得る。電極は、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成され得る。
【0015】
開示される技術は、医療用プローブのための電極を含み得る。電極は、電気エネルギーを送達するように構成された電極本体を含み得、電極本体は、電極本体が曲がることを可能にするように構成された波状の外面を含む。電極本体は、螺旋状に巻かれたワイヤを含み得る。電極本体は、波状の外面の凹部を充填する可撓性材料で被覆され得る。電極は、電極本体を露出する可撓性材料に切り込まれた1つ又は2つ以上の窓を含み得る。
【0016】
電極は、電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルのスパインの周りで少なくとも部分的に曲がるように構成された1つ又は2つ以上の脚部を更に含み得、1つ又は2つ以上の脚部は、電極本体をスパインに取り付けるように構成され得る。1つ又は2つ以上の脚部は、電極本体の縁部から延在し得、かつ電極がスパインに圧着されるように曲げられるように構成され得る。
【0017】
電極本体は、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端と、を更に含み得、第2の厚さは、第1の厚さよりも大きい。電極本体は、近位端と遠位端との間で第1の厚さから第2の厚さへと先細になり得る。第1の厚さ及び第2の厚さは各々、電極本体の高さ方向において測定されたものであり得る。代替的に、第1の厚さ及び第2の厚さは各々、電極本体の幅方向において測定されたものであり得る。電極は、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成され得る。
【0018】
開示される技術は、医療用プローブを含み得る。医療用プローブは、近位端及び遠位端を有し、かつ長手方向軸に沿って延在している、挿入チューブと、挿入チューブの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を含み得る。拡張可能バスケットアセンブリは、長手方向軸に沿って延在し、拡張可能バスケットアセンブリが圧潰形態から拡張形態に移行されるときに長手方向軸から半径方向外向きに撓むように構成された、複数のスパインを含み得る。拡張可能バスケットアセンブリは、複数の電極を含み得る。複数の電極の各電極は、複数のスパインのうちのスパインに取り付けられ、かつ電気エネルギーを送達するように構成された電極本体を含み得る。各電極は、電極本体に取り付けられ、かつ複数のスパインのうちの1つのスパインの周りで少なくとも部分的に曲がって、電極本体をスパインに取り付けるように構成された1つ又は2つ以上の脚部を含み得る。1つ又は2つ以上の脚部は、電極本体の縁部から延在し得、かつ電極がスパインに圧着されるように曲げられるように構成され得る。
【0019】
医療用プローブにおいて、電極本体は、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端と、を更に含み得、第2の厚さは、第1の厚さよりも大きい。電極本体は、近位端と遠位端との間で第1の厚さから第2の厚さへと先細になり得る。第1の厚さ及び第2の厚さは各々、電極本体の高さ方向において測定されたものであり得る。第1の厚さ及び第2の厚さは各々、電極本体の幅方向において測定されたものであり得る。電極本体は、波状の外面を更に含む。波状の外面は、電極本体が曲がることを可能にするように構成され得る。電極は、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成され得る。
【0020】
複数のスパインのうちの各スパインは、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタンを含む群から選択される材料を含み得る。
【0021】
開示される技術は、近位端及び遠位端を有し、かつ長手方向軸に沿って延在している、挿入チューブと、挿入チューブの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を含む、医療用プローブを更に含み得る。拡張可能バスケットアセンブリは、長手方向軸に沿って延在し、拡張可能バスケットアセンブリが圧潰形態から拡張形態に移行されるときに長手方向軸から半径方向外向きに撓むように構成された、複数のスパインを含み得る。医療用プローブは、複数の電極を更に含むことができる。複数の電極の各電極は、複数のスパインのうちのスパインに取り付けられ、かつ電気エネルギーを送達するように構成された電極本体を含み得る。
【0022】
電極本体は、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端と、を含み得、第2の厚さは、第1の厚さよりも大きい。電極本体は、近位端と遠位端との間で第1の厚さから第2の厚さへと先細になり得る。第1の厚さ及び第2の厚さは各々、電極本体の高さ方向において測定されたものであり得る。第1の厚さ及び第2の厚さは各々、電極本体の幅方向において測定されたものであり得る。電極本体は、波状の外面を更に含み得る。波状の外面は、電極本体が曲がることを可能にするように構成され得る。電極本体は、電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルのスパインの周りで少なくとも部分的に曲がって、電極本体をスパインに取り付けるように構成された1つ又は2つ以上の脚部を更に含み得る。1つ又は2つ以上の脚部は、電極本体の縁部から延在し得、かつ電極がスパインに圧着されるように曲げられるように構成され得る。電極は、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成され得る。複数のスパインのうちの各スパインは、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタンを含む、群から選択される材料を含み得る。
【0023】
開示される技術は、近位端及び遠位端を有し、かつ長手方向軸に沿って延在している、挿入チューブと、挿入チューブの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を含む、医療用プローブを更に含み得る。拡張可能バスケットアセンブリは、長手方向軸に沿って延在し、拡張可能バスケットアセンブリが圧潰形態から拡張形態に移行されるときに長手方向軸から半径方向外向きに撓むように構成された、複数のスパインを含み得る。拡張可能バスケットアセンブリは、複数の電極を含み得る。複数の電極の各電極は、複数のスパインのうちのスパインに取り付けられ、かつ電気エネルギーを送達するように構成された電極本体を含み得る。電極本体は、電極本体が曲がることを可能にするように構成された波状の外面を含み得る。電極本体は、螺旋状に巻かれたワイヤを含み得る。本体は、波状の外面の凹部を充填する可撓性材料で被覆され得る。電極は、電極本体を露出する可撓性材料に切り込まれた1つ又は2つ以上の窓を更に含み得る。医療用プローブは、電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルのスパインの周りで少なくとも部分的に曲がるように構成された1つ又は2つ以上の脚部を更に含み得る。1つ又は2つ以上の脚部は、電極本体をスパインに取り付けるように構成され得る。1つ又は2つ以上の脚部は、電極本体の縁部から延在し得、かつ電極がスパインに圧着されるように曲げられるように構成され得る。
【0024】
電極本体は、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端と、を更に含み得、第2の厚さは、第1の厚さよりも大きい。電極本体は、近位端と遠位端との間で第1の厚さから第2の厚さへと先細になり得る。第1の厚さ及び第2の厚さは各々、電極本体の高さ方向において測定されたものであり得る。代替的に、第1の厚さ及び第2の厚さは各々、電極本体の幅方向において測定されたものであり得る。電極は、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成され得る。複数のスパインのうちの各スパインは、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタンを含む、群から選択される材料を含み得る。
【0025】
開示される技術は、バスケットカテーテルのスパインに電極を取り付ける方法を更に含み得る。方法は、電極本体に取り付けられた1つ又は2つ以上の脚部がスパインを越えて延在する状態で、電極本体をスパインに接して置くことと、1つ又は2つ以上の脚部をスパインの周囲に圧着して、電極をスパインに固定することと、を含み得る。1つ又は2つ以上の脚部は、電極本体の縁部から延在し得、かつ電極がスパインに圧着されるように曲げられるように構成され得る。
【0026】
電極本体は、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端と、を更に含み得、第2の厚さは、第1の厚さよりも大きい。電極本体は、近位端と遠位端との間で第1の厚さから第2の厚さへと先細になり得る。第1の厚さ及び第2の厚さは各々、電極本体の高さ方向において測定されたものであり得る。代替的に、第1の厚さ及び第2の厚さは各々、電極本体の幅方向において測定されたものであり得る。
【0027】
電極本体は、波状の外面を更に含み得る。波状の外面は、電極本体が曲がることを可能にするように構成され得る。電極は、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成され得る。スパインは、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタンを含む、群から選択される材料を含み得る。代替的に又は加えて、スパインは、ポリマーを含み得る。電極は、リング型電極、バルジング型電極、又は矩形電極を含み得る。電極は、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成され得、パルスは、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態による、電極を有する医療用プローブを含む、遠位端を有する医療用プローブを含む、医療用システムの概略描画図である。
図2A】本発明の一実施形態による、拡張形態の電極を有する医療用プローブの斜視図を示す概略描画図である。
図2B】本開示の技術による、圧潰形態の医療用プローブの側面図を示す概略描画図である。
図3A】開示される技術による、スパイン及びスパインに取り付けられた電極の上面図を示す概略描画図である。
図3B】本発明の実施形態による、スパイン及びスパインに取り付けられた電極の側面図を示す概略描画図である。
図3C】開示される技術による、脚部を有する電極の正面図を示す概略描画図である。
図3D】開示される技術による、脚部が医療用プローブのスパイン上に圧着された状態である、電極本体の正面図を示す概略描画図である。
図4A】開示される技術による、スパイン、並びに波状の外面、可撓性材料コーティング、及び窓を有する電極本体の上面図を示す概略描画図である。
図4B】開示される技術による、スパイン、並びに波状の外面、可撓性材料コーティング、及び窓を有する電極本体の側面図を示す概略描画図である。
図4C】開示される技術による、脚部を有する電極の正面図を示す概略描画図である。
図4D】開示される技術による、脚部が医療用プローブのスパイン上に圧着された状態である、電極本体の正面図を示す概略描画図である。
図5A】開示される技術による、スパイン、及び螺旋状に巻かれたワイヤを含む電極本体の上面図を示す概略描画図である。
図5B】開示される技術による、スパイン、及び螺旋状に巻かれたワイヤを含む電極本体の側面図を示す概略描画図である。
図5C】開示される技術による、スパイン、及び螺旋状に巻かれたワイヤを含む電極本体の正面図を示す概略描画図である。
図6A】開示される技術による、スパイン、及び近位端から遠位端に先細になる電極本体を有する電極の上面図を示す概略描画図である。
図6B】開示される技術による、スパイン、及び近位端から遠位端へと先細になっている電極本体を有する電極の側面図を示す概略描画図である。
図6C】開示される技術による、近位端から遠位端へと先細になっており、かつ脚部を含む、電極本体の正面図を示す概略描画図である。
図6D】開示される技術による、近位端から遠位端へと先細になっており、かつ医療用プローブのスパイン上に圧着された脚部を含む、電極本体の正面図を示す概略描画図である。
図7】本発明の一実施形態による、電極をスパインに取り付ける方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。本明細書は、当業者が本発明を作製及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形例、代替物及び使用を説明する。
【0030】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「ほぼ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に記載の意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「ほぼ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指してもよく、例えば、「約90%」は、71%~110%の値の範囲を指してもよい。加えて、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「対象」という用語は、任意のヒト又は動物対象を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。同様に、「近位」という用語は、作業者に近い方の場所を示す一方、「遠位」は、作業者又は医師から更に遠い場所を示す。
【0031】
本明細書で述べる「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「被験者」の血管系は、ヒト又は任意の動物の血管系であってよい。動物は、哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含むがこれらに限定されない、様々なあらゆる該当するタイプのものであり得ることを理解するべきである。一例として、動物は、ヒトに類似したある特定の性質を有するように特に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サルなど)であり得る。被験者は、例えば、あらゆる該当するヒト患者であり得ることを理解するべきである。
【0032】
本明細書で考察されるように、「作業者」は、医師、外科医、技術者、科学者、又は被験体への薬物難治性心房細動の治療のための多電極カテーテルの送達と関連する任意の他の個人若しくは送達器具を含むことができる。
【0033】
本明細書で考察されるように、用語「アブレーションする」又は「アブレーション」は、本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、本開示全体を通して、パルス電界(pulsed electric field、PEF)及びパルス場アブレーション(pulsed field ablation、PFA)と互換的に称される、不可逆エレクトロポレーション(IRE)などの非熱エネルギーを利用することによって、細胞内の不規則心臓信号の生成を低減又は防止するように構成される、構成要素及び構造的特徴を指す。本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、アブレーションすること又はアブレーションは、不整脈、心房粗動アブレーション、肺静脈隔離、上室頻脈アブレーション、及び心室性頻脈アブレーションを含むがこれらに限定されない特定の状態の心臓組織の非熱アブレーションを参照して、本開示全体を通して使用される。「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語はまた、当業者によって理解されるように、様々な形態の身体組織アブレーションを達成するための既知の方法、デバイス、及びシステムを含む。
【0034】
本明細書で考察されるように、「双極」及び「単極」という用語は、アブレーションスキームを指すために使用される場合、電流経路及び電界分布に関して異なるアブレーションスキームを説明する。「双極」とは、両方とも治療部位に配置された2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指す。電流密度及び電束密度は、典型的には、2つの電極の各々でほぼ等しい。「単極」とは、2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指し、ここで、高電流密度及び高電束密度を有する1つの電極が治療部位に位置付けられ、比較的低い電流密度及びより低い電束密度を有する第2の電極が、治療部位から遠隔に位置付けられる。
【0035】
本明細書で考察されるように、「二相性パルス」及び「単相性パルス」という用語は、それぞれの電気信号を指す。「二相性パルス」とは、正電圧相パルス(本明細書では「正相」と称される)及び負電圧相パルス(本明細書では「負相」と称される)を有する電気信号を指す。「単相性パルス」は、正相のみ又は負相のみを有する電気信号を指す。好ましくは、二相性パルスを提供するシステムは、直流電圧(direct current voltage、DC)の患者への適用を防止するように構成されている。例えば、二相性パルスの平均電圧は、地面又は他の共通基準電圧に対してゼロボルトであり得る。追加的又は代替的に、システムは、コンデンサ又は他の保護構成要素を含むことができる。二相性パルス及び/又は単相性パルスの電圧振幅が本明細書に記載されている場合、示される電圧振幅は、正電圧相及び/又は負電圧相の各々の近似ピーク振幅の絶対値であることが理解される。二相性パルス及び単相性パルスの各相は、好ましくは、相持続時間の大部分中に本質的に一定の電圧振幅を有する正方形形状を有する。二相性パルスの相は、相間遅延によって時間的に分離される。相間遅延持続時間は、好ましくは、二相性パルスの相の持続時間未満であるか、又はその持続時間にほぼ等しい。相間遅延持続時間は、より好ましくは、二相性パルスの相の持続時間の約25%である。
【0036】
本明細書で考察されるように、「チューブ状」及び「チューブ」という用語は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、若しくは断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、チューブ状構造は、概して、実質的な直円柱構造として例解される。しかしながら、チューブ状構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、先細状又は湾曲した外面を有してもよい。
【0037】
本明細書で使用される「温度定格」という用語は、構成要素が、構成要素の溶融又は熱劣化(例えば、炭化及び崩壊)などの熱損傷を引き起こすことなく、その寿命の間に耐えることができる最大連続温度として定義される。
【0038】
本開示は、心臓不整脈を治療するための心臓組織のIREアブレーションのためのシステム、方法、又は使用及びデバイスに関する。アブレーションエネルギーは、通常、アブレーションするべき組織に沿ってアブレーションエネルギーを送達することができるカテーテルの先端部分によって心臓組織に供給される。いくつかの例示的カテーテルは、先端部分に三次元構造を含み、三次元構造上に位置付けられた様々な電極からアブレーションエネルギーを管理するように構成される。このような例示的なカテーテルを組み込むアブレーション処置は、X線透視法を使用して可視化され得る。
【0039】
機能不全の心臓を改善するために、高周波(RF)エネルギー及び冷凍アブレーションなどの熱的技法を適用する心臓組織のアブレーションは、周知の処置である。典型的には、熱的技法を使用して首尾よくアブレーションするために、心筋の様々な位置で心電位を測定する必要がある。加えて、アブレーション中の温度測定により、アブレーションの有効性を可能にするデータを提供する。通常、熱的技法を使用したアブレーション処置では、実際のアブレーション前、アブレーション中、及びアブレーション後に、電極電位及び温度が測定される。RFアプローチは、組織の炭化、燃焼、スチームポップ、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻につながり得るリスクを有し得る。冷凍アブレーションは、RFアブレーションと関連するいくらかの熱リスクを低減することができるRFアブレーションへの代替アプローチである。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操作し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難である。したがって、冷凍アブレーションは、電気アブレーションデバイスによって到達され得る特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0040】
本開示は、RFアブレーション、冷凍アブレーション、及び/又は不可逆エレクトロポレーション(IRE)のために構成された電極を含み得る。IREは、本開示全体を通して、パルス電場(PEF)アブレーション及びパルス場アブレーション(PFA)と互換的に称され得る。本開示で考察されるIREは、心房性不整脈のアブレーションに使用することができる非熱的細胞死技術である。IRE/PEFを使用してアブレーションするために、二相性電圧パルスを印加して心筋の細胞構造を破壊する。二相性パルスは非正弦波形であり、細胞の電気生理学に基づいて標的細胞に調整することができる。対照的に、RFを使用してアブレーションするために、正弦波電圧波形が適用されて、治療エリアにおいて熱を生成し、治療エリア内の全ての細胞を無差別に加熱する。IREはしたがって、アブレーションモダリティ又は隔離モダリティで知られている起こり得る合併症の低減において有益であろう、隣接する感熱性構造又は組織を救う能力を有する。追加的又は代替的に、単相性パルスが利用され得る。
【0041】
エレクトロポレーションは、細胞膜内の細孔の可逆的な(reversable)(一時的な)又は不可逆的な(永久的な)生成を引き起こすために、生物学的細胞にパルス電界を印加することによって誘発され得る。細胞は、パルス電界の印加時に静止電位を超えて増加する膜貫通静電位を有する。膜貫通静電位は閾値電位未満のままであるが、エレクトロポレーションは可逆的であり、これは、印加されたパルス電界が除去されると細孔が閉じることができ、細胞は自己修復して生存することができることを意味する。膜貫通静電位が閾値電位を超えて増加する場合、エレクトロポレーションは不可逆的であり、細胞は永久的に透過性になる。結果として、細胞は、ホメオスタシスの喪失に起因して死滅し、典型的にはアポトーシスによって死亡する。一般に、異なるタイプの細胞は、異なる閾値電位を有する。例えば、心臓細胞はほぼ500V/cmの閾値電位を有するが、骨は3000V/cmの閾値電位を有する。閾値電位のこれらの差は、IREが閾値電位に基づいて組織を選択的に標的とすることを可能にする。
【0042】
本開示の解決策は、心筋組織の近傍に位置付けられたカテーテル電極から電気信号を印加して、心筋組織を切除するための生成切除エネルギーを生成するためのシステム及び方法を含む。一部の実施例では、システム及び方法は、不可逆エレクトロポレーションを誘発することによって標的組織をアブレーションするのに有効であり得る。いくつかの例では、本システム及び方法は、診断処置の一部として可逆エレクトロポレーションを誘発するのに有効であり得る。可逆的電気穿孔は、細胞が修復することを可能にする、電極で印加された電気が標的組織の電界閾値を下回るときに行われる。可逆エレクトロポレーションは細胞を死滅させないが、医師が、標的場所の近傍で電気活性化信号に対する可逆エレクトロポレーションの効果を見ることを可能にする。可逆エレクトロポレーションのための例示的なシステム及び方法は、米国特許出願公開第2021/0162210号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、優先権出願の米国特許出願第63/386,278号に含まれる付録に添付されている。
【0043】
パルス電界、並びに可逆エレクトロポレーション及び/又は不可逆エレクトロポレーションを誘発するパルス電界の有効性は、システムの物理パラメータ及び電気信号の二相性パルスパラメータによって影響を受け得る。物理パラメータは、電極接触面積、電極間隔、電極形状などを含むことができる。本明細書に提示される実施例は、概して、可逆及び/又は不可逆エレクトロポレーションを効果的に誘発するように適合された物理パラメータを含む。電気信号の二相性パルスパラメータは、電圧振幅、パルス持続時間、パルス相間遅延、パルス間遅延、総印加時間、送達エネルギーなどを含み得る。いくつかの例では、電気信号のパラメータは、同じ物理パラメータが与えられると、可逆エレクトロポレーション及び不可逆エレクトロポレーションの両方を誘発するように調整することができる。IREを含むアブレーションの様々なシステム及び方法の例は、米国特許出願公開第2021/0169550(A1)号、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0161592(A1)号、同第2021/0196372(A1)号、同第2021/0177503(A1)号、及び同第2021/0186604(A1)号に提示されており、これらの各々の全体は、参照により本明細書に組み込まれ、優先権出願の米国特許出願第63/386,278号に含まれる付録に添付されている。
【0044】
例示的なカテーテルベースの電気生理学マッピング及びアブレーションシステム10を示す図1を参照する。システム10は、患者23の血管系を通って、心臓12の腔又は血管構造内に医師24によって経皮的に挿入される複数のカテーテルを含む。典型的には、送達シースカテーテルは、心臓12の所望の場所の近くの左心房又は右心房内に挿入される。その後、複数のカテーテルを送達シースカテーテルに挿入して、所望の場所に到達させることができる。複数のカテーテルは、心内電位図(Intracardiac Electrogram、IEGM)信号の感知専用のカテーテル、アブレーション専用のカテーテル、及び/又は感知及びアブレーションの両方に専用のカテーテルを含んでもよい。IEGMを検知するように構成された例示的なカテーテル14が本明細書に示されている。医師24は、心臓12内の標的部位を検知するために、カテーテル14の遠位先端部(すなわち、この場合、バスケットカテーテル28)を心臓壁と接触させる。アブレーションのために、医師24は、同様に、アブレーションカテーテルの遠位端をアブレーションのための標的部位に運ぶ。
【0045】
カテーテル14は、バスケットカテーテル28において複数のスパイン22にわたって任意選択で分布し、IEGM信号を検知するように構成された1つ、好ましくは複数の電極26を含む例示的なカテーテルである。カテーテル14は、バスケットカテーテル28の位置及び向きを追跡するために、バスケットカテーテル28内又はその近くに埋め込まれた位置センサ29を更に含んでもよい。任意選択で、かつ好ましくは、位置センサ29は、三次元(three-dimensional、3D)位置及び配向を感知するための3つの磁気コイルを含む磁気ベースの位置センサである。
【0046】
磁気ベースの位置センサ29は、所定の作業体積内に磁場を生成するように構成された複数の磁気コイル32を含む場所パッド25とともに動作してもよい。カテーテル14のバスケットカテーテル28のリアルタイム位置は、場所パッド25によって生成され、磁気ベースの位置センサ29によって検知される磁場に基づいて追跡されてもよい。磁気ベースの位置感知技術の詳細は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,239,724号、同第6,332,089号、同第6,484,118号、同第6,618,612号、同第6,690,963号、同第6,788,967号、同第6,892,091号に記載されており、その各々が参照により本明細書に組み込まれ、優先権出願の米国特許出願第63/386,278号に含まれる付録に添付されている。
【0047】
システム10は、場所パッド25の場所基準及び電極26のインピーダンスベースの追跡を確立するために、患者23上の皮膚接触のために配置された1つ又は2つ以上の電極パッチ38を含む。インピーダンスベースの追跡のために、電流が電極26に向けられ、電極皮膚パッチ38において検知され、それにより、各電極の場所を電極パッチ38を介して三角測量することができる。インピーダンスベースの場所追跡技術の詳細は、米国特許第7,536,218号、同第7,756,576号、同第7,848,787号、同第7,869,865号、及び同第8,456,182号に記載されており、それらの開示全体が参照により本明細書に組み込まれ、かつ優先権出願の米国特許出願第63/386,278号に含まれる付録に添付されている。
【0048】
レコーダ11は、体表面ECG電極18で捕捉された電位図21と、カテーテル14の電極26で捕捉された心内電位図(IEGM)とを表示する。レコーダ11は、心臓の律動をペーシングするためのペーシング能力を含んでもよく、及び/又は独立型ペーサに電気的に接続されてもよい。
【0049】
システム10は、アブレーションするように構成されたカテーテルの遠位先端部にある1つ又は2つ以上の電極にアブレーションエネルギーを伝達するように適合されたアブレーションエネルギー発生器50を含んでもよい。アブレーションエネルギー発生器50によって生成されるエネルギーは、不可逆エレクトロポレーション(IRE)をもたらすために使用され得るような単極性又は双極性高電圧直流パルスを含む、高周波(RF)エネルギー又はパルス場アブレーション(PFA)エネルギー、あるいはそれらの組み合わせを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0050】
患者インターフェースユニット(PIU)30は、カテーテルと、電気生理学的機器と、電源と、システム10の動作を制御するワークステーション55との間の電気通信を確立するように構成されたインターフェースである。システム10の電気生理学的機器は、例えば、複数のカテーテル、場所パッド25、体表面ECG電極18、電極パッチ38、アブレーションエネルギー発生器50、及びレコーダ11を含んでもよい。任意選択で、かつ好ましくは、PIU30は、カテーテルの場所のリアルタイム計算を実装し、ECG計算を実行するための処理能力を更に含む。
【0051】
ワークステーション55は、メモリと、適切なオペレーティングソフトウェアがロードされたメモリ又は記憶装置を有するプロセッサユニットと、ユーザインターフェース機能と、を含む。ワークステーション55は、任意選択で、(1)心内膜解剖学的構造を三次元(3D)でモデルリングし、モデル又は解剖学的マップ20をディスプレイデバイス27上に表示するためにレンダリングすることと、(2)記録された電位図21からコンパイルされた活性化シーケンス(又は他のデータ)を、レンダリングされた解剖学的マップ20上に重ね合わされた代表的な視覚的指標又は画像でディスプレイデバイス27上に表示すること、(3)心腔内の複数のカテーテルのリアルタイム場所及び向きを表示すること、及び(5)アブレーションエネルギーが印加された場所などの関心部位をディスプレイデバイス27上に表示すること、を含む、複数の機能を提供してもよい。システム10の各要素を具現化する1つの市販製品は、Biosense Webster,Inc.31A Technology Drive,Irvine,CA,92618、から市販されている、CARTO(商標)3システムとして入手可能である。
【0052】
図2Aは、本発明の一実施形態による、チューブ31の遠位端36でチューブ状シャフト内腔80から前進させることなどによって拡張形態にある電極26を有する医療用プローブ39の斜視図を示す概略描画図である。
【0053】
図2Bは、チューブ31内に圧潰形態の電極26を有する医療用プローブ39を示す。拡張形態(図2A)では、スパイン22は、半径方向外向きに撓み、圧潰形態(図2B)では、スパイン22は、チューブ状シャフト84の長手方向軸86に概ね沿って配置される。
【0054】
図2Aに示されるように、医療用プローブ39は、チューブ状シャフト84の端部に形成され、両端部で接続された複数の可撓性スパイン22を含む。医療処置中、医療専門家34は、チューブ状シャフト84をチューブ31から延在させて、医療用プローブ39をチューブ31から出させ、拡張形態に移行させることによって、医療用プローブ39を展開することができる。スパイン22は、楕円形(例えば、円形)又は(平坦に見えることがある)長方形の断面を有してもよく、本明細書でより詳細に説明されるように、支柱を形成する可撓性弾性材料(例えば、ニチノールとしても知られるニッケル-チタンなどの形状記憶合金)を含んでもよい。
【0055】
本開示の利益を享受する当業者によって理解されるように、平面材料の単一シートから形成され、中央交差部で収束するスパイン22を有する、図2A図2Bに示されるバスケットアセンブリ28は、単に例示目的のために提供され、本開示の技術は、バスケットアセンブリ28の他の構成に適用可能であり得る。例えば、本開示の技術は、単一のスパイン22又は複数のスパイン22から形成され、各スパイン22が両端部に取り付けられたバスケットアセンブリ28に適用可能であり得る。他の実施例では、バスケットアセンブリ28は、バスケットアセンブリ28の遠位端94において複数のスパイン22を一緒に接続する中央ハブを含み得る。なおも他の実施例では、バスケットアセンブリ28は、螺旋を形成するように構成された単一のスパイン22、螺旋を形成するように構成された複数のスパイン22、1つ又は複数の三脚を形成するように構成された複数のスパイン22、又はバスケットアセンブリ28の任意の他の形状を含み得る。したがって、図2A図2Bは、バスケットアセンブリ28の特定の構成を示すが、本開示の技術は、そのように限定されると解釈されるべきではない。同様に、バスケットアセンブリ28は、円柱中空ストック材料をレーザ切断することによって形成され得、それによって、レーザは、切断中に円柱ストックの長手方向軸を中心に回転する(及びそれに対して平行移動する)ように取り付けられる。
【0056】
スパイン22は、平面材料の単一シートから形成されて、略星形を形成することができる。換言すれば、スパイン22は、スパイン22が中央交差部に向かって収束するように、平面材料の単一シートから形成することができる。交差部は、中実材料片とすることができ、又は1つ若しくは2つ以上のアパーチャを含み得る。
【0057】
理解されるように、スパイン22は、電極26からスパイン22へのアーク放電を防止するように、電極26から電気的に絶縁され得る。例えば、絶縁ジャケットをスパイン22と電極26との間に位置付けることができるが、当業者であれば、他の絶縁被覆も考えられることを理解するであろう。例えば、絶縁コーティングをスパイン22、電極26、又はその両方に適用することができる。絶縁ジャケットは、例えば、ポリアミド-ポリエーテル(polyamide-polyether、Pebax)コポリマー、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ウレタン、ポリイミド、パリレン、シリコーンなどの生体適合性電気絶縁材料から作製することができる。一部の実施例では、絶縁材料は、ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone、PEEK)、ポリグリコール酸(polyglycolic acid、PGA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)コポリマー(poly(lactic-co-glycolic acid)copolymer、PLGA)、ポリカプロラクトン(polycaprolactive、PCL)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(poly(3-hydroxybutyrate-co-3-hydroxyvalerate)、PHBV)、ポリ-L-ラクチド、ポリジオキサノン、ポリカーボネート、及びポリ無水物を含むがこれらに限定されない生体適合性ポリマーを含み得、特定のポリマーの比は、炎症反応の程度を制御するように選択される。絶縁ジャケットはまた、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化亜鉛などの1つ又は2つ以上の添加剤又は充填剤を含んでもよい。
【0058】
本明細書に記載の実施形態では、電極26は、アブレーションエネルギー(RF及び/又はIRE)を心臓12内の組織に送達するように構成され得る。電極26を使用してアブレーションエネルギーを送達することに加えて、電極を使用して、医療用プローブ39の場所を判定すること、及び/又は心臓12内の組織上のそれぞれの場所での局所表面電位などの生理学的特性を測定することもできる。電極26が医療用プローブ39に向かって内向きに送達する電気エネルギーよりも大きな電気エネルギーを医療用プローブ39から離れる方向に外向きに(すなわち、心臓12の組織に向かって)送達するように、電極26は電極26の大部分が医療用プローブ39から外向きに向くように付勢されてもよい。
【0059】
電極26を形成するのに理想的に適した材料の実施例には、金、白金、及びパラジウム(及びそれらのそれぞれの合金)を含む。これらの材料はまた、非常に高い熱伝導率も有し、これにより、組織上で生成された(すなわち、組織に送達されたアブレーションエネルギーによる)最小限の熱が、電極を通って電極の裏側(すなわち、スパインの内側にある電極の部分)に、次に心臓12内の血液プールに伝導されることが可能になる。
【0060】
図3Aは、電極326が取り付けられたスパイン22の上面図を示す概略描画図であり、図3Bは、電極326がスパイン22にどのように取り付けられ得るかを示すために、医療用プローブ39の電極本体340を有するスパイン22の側面図を示す概略描画図である。3Cは、脚部342を有する電極326の正面図を示す概略描画図であり、図3Dは、開示される技術による、脚部342が医療用プローブ39のスパイン22上に圧着された状態である電極本体340の正面図を示す概略描画図である。
【0061】
図3B図3Dに示すように、脚部342を電極本体340に取り付けることができる。脚部342は、電極326をスパイン22に固定するために、スパイン22の周りで少なくとも部分的に曲げられるか、又は別様に変形されるように構成され得る。
【0062】
一部の実施例では、脚部342は、スパイン22内に圧着されて、電極326をスパイン22に更に固定することができる。例えば、脚部342は、追加の安全性のために脚部342がスパイン22に食い込むことを可能にするように尖らせることができる。脚部342の各々は、電極本体340に取り付けられた端部から電極本体340の反対側の尖った端部へと先細になり得る。他の実施例では、第1の脚部342は、スパイン22の周りで第2の脚部342と重なり合って、第2の脚部342と係合することができる。第1の脚部342は、電極本体340上の第2の脚部342の反対側に位置付けられ得る。更に例示すると、脚部342は、一度係合されると脚部342が互いから係合解除されないようにする、さねはぎタイプの接合、又は任意の他の適切な接合タイプを含み得る。
【0063】
電極326は、わずか1本から最大12本までの脚部342を含み得る。電極326がたった1本の脚部342を含む場合、単一の脚部342は、スパイン22の周りに曲げられたときに電極本体340の第1の側部から第2の側部まで延在するように構成され得る。別の実施例として、脚部342の数は、4つの脚部342を含むことができ、脚部342は、電極本体340の両側に均等に分散させることができる。他の実施例では、脚部342の数は、スパイン22の周り又はスパイン22の中に圧着されたときに脚部342が重ならないように、電極本体340の両側で異なっていてもよい。一般的に、より少ない(例えば、2つ以下の)脚部342は、スパイン22がより低い程度だけ屈曲することを可能にするより多くの数の脚部342(例えば、4つ又はそれ以上)と比較して、スパイン22に固定されたときにスパイン22がより自由に屈曲することを可能にする。
【0064】
電極本体340は、一部の実施例では、組織又はデバイス上の抗力及び/又はスナッギングを低減するように、丸みを帯びることができる。これは、例えば、チューブ31内への医療用プローブ39のより容易な後退を促進することができる。
【0065】
図4A図4Dは、波状の外面446を有する電極426を示す。図4Aは、スパイン22と、波状の外面446を有する電極本体440を有する電極426との上面図であり、図4Bは、その側面図である。図4C及び図4Dは、電極426、及びスパイン22の周りで曲げられている電極426の脚部442の正面図を示す。本明細書で更に説明するように、電極426は、可撓性材料コーティング450と、可撓性材料コーティング450に形成された窓444とを更に含み得る。
【0066】
波状の外面446は、電極本体440が曲がることを可能にするように構成され得る。電極426は、アブレーション及び/又は身体部分の組織内の電気信号のマッピングのための電気エネルギーを伝導するように構成された電極本体440を含み得る。例えば、電極426は、心臓組織のアブレーション又はマッピングを行うように構成され得る。波状の外面446は、電極がより良好に曲がることができるように、外面に沿って複数の窪み及び隆起部を有することによって、電極本体440が曲がることを可能にすることができる。換言すれば、波状の外面446は、電極426の側面から見たときに正弦波状又は半正弦波状の輪郭を有することができる。電極426の単一の側面(バスケットアセンブリ28に組み立てられたときに外側に面する側面)のみが波状の外面446を有するものとして示されているが、当業者は、電極426の2つ又はそれ以上の側面が波状の外面446を有し得ることを理解するであろう。
【0067】
電極426は、電極本体440の波状の外面446に形成された窪み内で血液が凝固することを防止する役割を果たすことができる可撓性材料コーティング450を有することができる。可撓性材料コーティング450は、電極426が曲げられたときに電極426とともに曲がることができ、同時に体内への挿入のために生体適合性でもあるポリマー材料又は他の適切な材料とすることができる。可撓性材料コーティング450は、噴霧、浸漬、印刷、ラッピング、又は特定の用途に応じた任意の他の好適な製造方法によって、電極本体426に追加され得る。
【0068】
電極426が体内の組織間で電気エネルギーを伝導することができることを確実にするために、電極426は、可撓性材料コーティング450内に形成された1つ又は2つ以上の窓444を含み得る。窓444は、電極426と組織との間の十分な接触を可能にするようにサイズ決定され得る。窓444は、電極426に沿った選択された場所で可撓性材料コーティング450をレーザ切断、化学的エッチング、機械的切断、又は別様に除去することによって形成され得る。例えば、窓444は、波状の外面446に形成された凹部間の場所で可撓性材料コーティング450内に形成され得る。このようにして、可撓性材料コーティング450は、波状の外面446の凹部を充填して、それらの場所における血液凝固を防止することができる。
【0069】
電極326と同様に、電極426は、電極本体440に取り付けられ、かつバスケットカテーテル28のスパイン22の周りで少なくとも部分的に曲がって、電極本体340をスパイン22に取り付けるように構成された1つ又は2つ以上の脚部442を更に含み得る。1つ又は2つ以上の脚部442は、電極本体340の縁部から延在し得、かつ電極がスパイン22に圧着されるように曲げられるように構成され得る。波状の外面446のより厚い部分が存在する電極本体440に脚部442を取り付けることによって、電極本体340は、依然として、前述のように曲がることを可能され得る。換言すれば、脚部442は、波状の外面446の窪みではなく波状の外面446の隆起部と位置合わせされ得る。他の実施例では、脚部442は、電極426がより高い可撓性を有することを可能にするために、波状の外面446の窪みと位置合わせされ得る。
【0070】
図5A図5Cは、波状の外面546を有する電極526の別の実施例を示す。具体的には、図5Aは、スパイン22及び螺旋状に巻かれたワイヤ電極526の上面図を示し、図5Bは、それらの側面図を示し、図5Cは、それらの正面図を示す。螺旋状に巻かれたワイヤ電極526は、スパイン22の周りに巻かれることによって、又はスパイン22とは別個に巻かれることによってスパイン22に取り付けられ得、その後、組み立てられたときにスパイン22上を摺動させることができる。電極426と同様に、螺旋状に巻かれたワイヤ電極526は、螺旋状に巻かれたワイヤ電極526内の凹部を充填する可撓性材料550でコーティングされ得る。更に、電極426と同様に、螺旋状に巻かれたワイヤ電極526は、可撓性材料550に切り込まれて螺旋状に巻かれたワイヤ電極526を露出する1つ又は2つ以上の窓544を含み得る。可撓性材料550は、一部の実施例では、螺旋状に巻かれたワイヤ電極526をスパイン22に固定する役割を果たすことができる。更に、螺旋状に巻かれたワイヤ電極526の端部548は、スパイン22内に食い込むか、又は別様に機械的に係合するように構成され得る。例えば、螺旋状に巻かれたワイヤ電極526の端部548は、スパイン22に係合して、かつ螺旋状に巻かれたワイヤ電極526をスパイン22に固定するために、スパイン22の中へある角度で曲げられ得る。
【0071】
図5Cのものなどの一部の実施例では、螺旋状に巻かれたワイヤ526は、螺旋状に巻かれたワイヤ電極526が心臓12内の組織をマッピング及び/又はアブレーションすることを可能にするのに十分な大きさの螺旋状に巻かれたワイヤ電極526の面積を可能にするピッチを有する長円形の螺旋パターンで巻かれ得る。示されるように、間隙552は、螺旋状に巻かれたワイヤ電極526とスパイン22との間に存在することができ、間隙552を通して、電気ワイヤ、灌注管、又は他のアイテムが配設され得る。本開示は、当業者によって理解されるように、種々のタイプの最小侵襲性エネルギー適用の適用のために最適化された螺旋状に巻かれたワイヤ電極526の長円形の螺旋パターンを含むことが意図される。他の実施例では、螺旋状に巻かれたワイヤ電極526は、スパイン22の周りに一緒に巻かれた2つの電極ワイヤであり得る。例えば、2つの電極ワイヤは、互いにスパインの周りに巻かれ得、1つの電極は、組織のマッピングのために構成され得、一方で、組織のアブレーションのために構成され得る。更に他の実施例では、第1の電極ワイヤをスパイン22の周りに巻き付け、一方で、第2の電極ワイヤを第1の電極の外側の周りに巻き付けることができる。第1の電極ワイヤは、電気信号におけるノイズを低減するための基準電極として機能することができる。なおも別の実施例として、第1の電極は、単軸センサとして機能し、バスケットカテーテル28の位置及び配向を決定するために使用されるように構成され得る。
【0072】
図6Aは、開示される技術による、近位端648から遠位端650へと外向きに先細になっている電極626を有するスパイン22の上面図であり、図6Bは、その側面図である。例えば、電極626は、第1の厚さを有する近位端648と、第2の厚さを有する遠位端650とを含み得る。第2の厚さは、第1の厚さよりも大きくてもよい。電極626は、近位端648と遠位端650との間で第1の厚さから第2の厚さへと先細になり得る。第1の厚さ及び第2の厚さは各々、特定の構成に応じて、電極26の高さ方向及び/又は電極626の幅方向において測定されたものであり得る。
【0073】
一部の実施例では、電極626は、チューブ31内への医療用プローブ39のより容易な後退を促進するように、近位端648が遠位端650よりも小さくなるように配向され得る。電極626が近位端648から遠位端650へと先細になる角度は、電極626がチューブ31内に容易に後退することができる一方で、組織のマッピング及び/又はアブレーションのための十分な表面積も有することを確実にするように変化させることができる。
【0074】
図6C及び図6Dは、本明細書で更に説明する実施例による、スパイン22の周りで曲げることができる脚部642を有する電極626を示す。1つ又は2つ以上の脚部642は、電極26に取り付けられ、かつバスケットカテーテル28のスパイン22に取り付けられるように、バスケットカテーテル28のスパイン22の周りで少なくとも部分的に曲がるように構成された2つ又はそれ以上の脚部642を含み得る。1つ又は2つ以上の脚部642は、電極626の縁部から延在し得、かつ電極がスパイン22に圧着されるように曲げられるように構成され得る。
【0075】
示されていないが、電極626は、本明細書で前述したような波状の外面446を更に含み得ることが理解されよう。換言すれば、本明細書に記載される電極の様々な実施例は、特定の設計考慮事項を満たすために電極に組み込み得る特徴を含む。例えば、電極は、特定の用途に望まれるように、脚部642、及び/又は波状の外面446、及び/又は先細の本体(例えば、電極626)を有してもよい。
【0076】
図7は、本発明の一実施形態による、電極(例えば、電極26、326、426、526、及び/又は626)をスパイン(例えば、スパイン22)に取り付ける方法700を示すフローチャートである。方法700は、電極本体に取り付けられた1つ又は2つ以上の脚部(例えば、脚部342)がスパインを越えて延在する状態で、スパインに接して電極本体(例えば、電極本体340)を置くこと702を含み得る。方法700は、1つ又は2つ以上の脚部をスパインの周りに圧着して、電極をスパインに固定すること704を含み得る。1つ又は2つ以上の脚部は、本明細書に説明される技術に従って、電極本体の縁部から延在し得、かつ電極がスパインに圧着されるように曲げられるように構成され得る。更に、電極は、本明細書に記載される電極の特徴のうちのいずれかを含み得る。例えば、電極本体は、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端とを更に含み得る。第2の厚さは、第1の厚さよりも大きくすることができる。電極本体は、近位端と遠位端との間で第1の厚さから第2の厚さへと先細になり得る。第1の厚さ及び第2の厚さは各々、電極本体の高さ方向において測定されたものであり得る。代替的に、第1の厚さ及び第2の厚さは各々、電極本体の幅方向において測定されたものであり得る。別の実施例として、電極本体は、波状の外面を更に含み得る。波状の外面は、電極本体が曲がることを可能にするように構成され得る。方法700は、スパイン及び電極アセンブリをスパイン保持ハブに取り付けて、バスケットアセンブリ(例えば、バスケットアセンブリ28)を形成すること706を更に含み得る。
【0077】
方法700に関連して説明される電極は、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成され得る。スパインは、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタンを含む、群から選択される材料を含み得る。代替的に又は加えて、スパインは、ポリマーを含み得る。電極は、リング型電極、バルジング型電極、又は矩形電極を含み得る。電極は、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成され得、パルスは、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する。
【0078】
電極は、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成され得る。電極は、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成され得る。
【0079】
理解されるように、今説明した方法700は、本明細書に記載される様々な要素及び実装形態に従って変更され得る。すなわち、開示された技術による方法は、上述のステップの全部若しくは一部を含むことができ、及び/又は上記で明示的に開示されていない追加のステップを含むことができる。更に、開示された技術による方法は、上述の特定のステップの全てではなく一部を含むことができる。更にまた、本明細書に記載される様々な方法は、完全に又は部分的に組み合わせることができる。すなわち、開示される技術による方法は、第1の方法の少なくともいくつかの要素又はステップと、第2の方法の少なくともいくつかの要素又はステップとを含み得る。
【0080】
本明細書に記載の本開示の技術は、以下の条項に従って更に理解することができる。
条項1:医療用プローブのための電極であって、電極が、電気エネルギーを生体組織に送達するように構成された電極本体と、電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルのスパインに取り付けられるように、バスケットカテーテルのスパインの周りで、又はバスケットカテーテルのスパイン内に少なくとも部分的に曲がるように構成された1つ又は2つ以上の脚部と、を備える、電極。
【0081】
条項2:1つ又は2つ以上の脚部が、電極本体の縁部から延在しており、かつ電極がスパインに圧着されるように曲げられるように構成されている、条項1に記載の電極。
【0082】
条項3:電極本体が、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端と、を更に備え、第2の厚さが、第1の厚さよりも大きい、条項1又は2に記載の電極。
【0083】
条項4:電極本体が、近位端と遠位端との間で第1の厚さから第2の厚さへと先細になっている、条項3に記載の電極。
【0084】
条項5:第1の厚さ及び第2の厚さが各々、電極本体の高さ方向において測定されたものである、条項4に記載の電極。
【0085】
条項6:第1の厚さ及び第2の厚さが各々、電極本体の幅方向において測定されたものである、条項4又は5に記載の電極。
【0086】
条項7:電極本体が、波状の外面を更に備える、条項1~6のいずれか一項に記載の電極。
【0087】
条項8:波状の外面が、電極本体が曲がることを可能にするように構成されている、条項7に記載の電極。
【0088】
条項9:電極が、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成されている、条項1~8のいずれか一項に記載の電極。
【0089】
条項10:医療用プローブのための電極であって、電極が、電気エネルギーを生体組織に送達するように構成された電極本体であって、電極本体が、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端であって、第2の厚さが、第1の厚さよりも大きい、遠位端と、電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルのスパインに取り付けられるように、バスケットカテーテルのスパインの周りで、又はバスケットカテーテルのスパイン内に少なくとも部分的に曲がるように構成された1つ又は2つ以上の脚部と、を備える、電極本体を備える、電極。
【0090】
条項11:電極本体が、近位端と遠位端との間で第1の厚さから第2の厚さへと先細になっている、条項10に記載の電極。
【0091】
条項12:第1の厚さ及び第2の厚さが各々、電極本体の高さ方向において測定されたものである、条項10又は11に記載の電極。
【0092】
条項13:第1の厚さ及び第2の厚さが各々、電極本体の幅方向において測定されたものである、条項10又は11に記載の電極。
【0093】
条項14:電極本体が、波状の外面を更に備える、条項10~13のいずれか一項に記載の電極。
【0094】
条項15:波状の外面が、電極本体が曲がることを可能にするように構成されている、条項14に記載の電極。
【0095】
条項16:1つ又は2つ以上の脚部が、電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルのスパインに取り付けられるように、バスケットカテーテルのスパインの周りで少なくとも部分的に曲がるように構成された2つ又はそれ以上の脚部を含む、条項10~15のいずれか一項に記載の電極。
【0096】
条項17:1つ又は2つ以上の脚部が、電極本体の縁部から延在しており、かつ電極がスパインに圧着されるように曲げられるように構成されている、条項16に記載の電極。
【0097】
条項18:電極が、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成されている、条項10~17のいずれか一項に記載の電極。
【0098】
条項19:医療用プローブのための電極であって、電極が、電気エネルギーを送達するように構成された電極本体を備え、電極本体が、電極本体が曲がることを可能にするように構成された波状の外面を備える、電極。
【0099】
条項20:電極本体が、螺旋状に巻かれたワイヤを備える、条項19に記載の電極。
【0100】
条項21:電極本体が、波状の外面の凹部を充填する可撓性材料で被覆されている、条項19又は20に記載の電極。
【0101】
条項22:電極本体を露出する可撓性材料に切り込まれた1つ又は2つ以上の窓を更に備える、条項21に記載の電極。
【0102】
条項23:電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルのスパインの周りで少なくとも部分的に曲がるように構成された1つ又は2つ以上の脚部を更に備え、1つ又は2つ以上の脚部が、電極本体をスパインに取り付けるように構成されている、条項22に記載の電極。
【0103】
条項24:1つ又は2つ以上の脚部が、電極本体の縁部から延在しており、かつ電極がスパインに圧着されるように曲げられるように構成されている、条項23に記載の電極。
【0104】
条項25:電極本体が、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端と、を更に備え、第2の厚さが、第1の厚さよりも大きい、条項19及び21~24のいずれか一項に記載の電極。
【0105】
条項26:電極本体が、近位端と遠位端との間で第1の厚さから第2の厚さへと先細になっている、条項25に記載の電極。
【0106】
条項27:第1の厚さ及び第2の厚さが各々、電極本体の高さ方向において測定されたものである、条項25又は26に記載の電極。
【0107】
条項28:第1の厚さ及び第2の厚さが各々、電極本体の幅方向において測定されたものである、条項25又は26に記載の電極。
【0108】
条項29:電極が、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成されている、条項19又は21~28のいずれか一項に記載の電極。
【0109】
条項30:医療用プローブであって、近位端及び遠位端を有する挿入チューブであって、挿入チューブが長手方向軸に沿って延在している、挿入チューブと、挿入チューブの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、拡張可能バスケットアセンブリが、長手方向軸に沿って延在しており、かつ拡張可能バスケットアセンブリが圧潰形態から拡張形態に移行されるときに長手方向軸から半径方向外向きに撓むように構成された複数のスパインと、複数の電極であって、複数の電極のうちの各電極が、複数のスパインのうちのスパインに取り付けられており、かつ電気エネルギーを送達するように構成された電極本体と、電極本体に取り付けられ、かつ複数のスパインのうちの1つのスパインの周りで少なくとも部分的に曲がって、電極本体をスパインに取り付けるように構成された1つ又は2つ以上の脚部と、を備える、複数の電極と、を備える、医療用プローブ。
【0110】
条項31:1つ又は2つ以上の脚部が、電極本体の縁部から延在しており、かつ電極がスパインに圧着されるように曲げられるように構成されている、条項30に記載の医療用プローブ。
【0111】
条項32:電極本体が、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端と、を更に備え、第2の厚さが、第1の厚さよりも大きい、条項30又は31に記載の医療用プローブ。
【0112】
条項33:電極本体が、近位端と遠位端との間で第1の厚さから第2の厚さへと先細になっている、条項32に記載の医療用プローブ。
【0113】
条項34:第1の厚さ及び第2の厚さが各々、電極本体の高さ方向において測定されたものである、条項33に記載の医療用プローブ。
【0114】
条項35:第1の厚さ及び第2の厚さが各々、電極本体の幅方向において測定されたものである、条項33又は34に記載の医療用プローブ。
【0115】
条項36:電極本体が、波状の外面を更に備える、条項30~35のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0116】
条項37:波状の外面が、電極本体が曲がることを可能にするように構成されている、条項36に記載の医療用プローブ。
【0117】
条項38:電極が、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成されている、条項30~37のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0118】
条項39:複数のスパインのうちの各スパインが、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタンからなる群から選択される材料を含む、条項30~38のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0119】
条項40:医療用プローブであって、近位端及び遠位端を有する挿入チューブであって、挿入チューブが長手方向軸に沿って延在している、挿入チューブと、挿入チューブの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、拡張可能バスケットアセンブリが、長手方向軸に沿って延在しており、かつ拡張可能バスケットアセンブリが圧潰形態から拡張形態に移行されるときに長手方向軸から半径方向外向きに撓むように構成された複数のスパインと、複数の電極であって、複数の電極のうちの各電極が、複数のスパインのうちのスパインに取り付けられており、かつ電気エネルギーを送達するように構成された電極本体を備え、電極本体が、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端と、を備え、第2の厚さが、第1の厚さよりも大きい、複数の電極と、を備える、医療用プローブ。
【0120】
条項41:電極本体が、近位端と遠位端との間で第1の厚さから第2の厚さへと先細になっている、条項40に記載の医療用プローブ。
【0121】
条項42:第1の厚さ及び第2の厚さが各々、電極本体の高さ方向において測定されたものである、条項40又は41に記載の医療用プローブ。
【0122】
条項43:第1の厚さ及び第2の厚さが各々、電極本体の幅方向において測定されたものである、条項40~42のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0123】
条項44:電極本体が、波状の外面を更に備える、条項40~43のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0124】
条項45:波状の外面が、電極本体が曲がることを可能にするように構成されている、条項44に記載の医療用プローブ。
【0125】
条項46:電極本体が、電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルのスパインの周りで少なくとも部分的に曲がるように構成された1つ又は2つ以上の脚部を更に備え、1つ又は2つ以上の脚部が、電極本体をスパインに取り付けるように構成されている、条項40~45のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0126】
条項47:1つ又は2つ以上の脚部が、電極本体の縁部から延在しており、かつ電極がスパインに圧着されるように曲げられるように構成されている、条項46に記載の医療用プローブ。
【0127】
条項48:電極が、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成されている、条項40~47のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0128】
条項49:複数のスパインのうちの各スパインが、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタンからなる群から選択される材料を含む、条項40~48のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0129】
条項50:医療用プローブであって、近位端及び遠位端を有する挿入チューブであって、挿入チューブが長手方向軸に沿って延在している、挿入チューブと、挿入チューブの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、拡張可能バスケットアセンブリが、長手方向軸に沿って延在しており、かつ拡張可能バスケットアセンブリが圧潰形態から拡張形態に移行されるときに長手方向軸から半径方向外向きに撓むように構成された複数のスパインと、複数の電極であって、複数の電極のうちの各電極が、複数のスパインのうちのスパインに取り付けられており、かつ電気エネルギーを送達するように構成された電極本体を備え、電極本体が、電極本体が曲がることを可能にするように構成された波状の外面を備える、複数の電極と、を備える、医療用プローブ。
【0130】
条項51:電極本体が、螺旋状に巻かれたワイヤを備える、条項50に記載の医療用プローブ。
【0131】
条項52:電極本体が、波状の外面の凹部を充填する可撓性材料で被覆されている、条項50又は51に記載の電極。
【0132】
条項53:電極本体を露出する可撓性材料に切り込まれた1つ又は2つ以上の窓を更に備える、条項52に記載の電極。
【0133】
条項54:電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルのスパインの周りで少なくとも部分的に曲がるように構成された1つ又は2つ以上の脚部を更に備え、1つ又は2つ以上の脚部が、電極本体をスパインに取り付けるように構成されている、条項52に記載の医療用プローブ。
【0134】
条項55:1つ又は2つ以上の脚部が、電極本体の縁部から延在しており、かつ電極がスパインに圧着されるように曲げられるように構成されている、条項54に記載の医療用プローブ。
【0135】
条項56:電極本体が、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端と、を更に備え、第2の厚さが、第1の厚さよりも大きい、条項50~55のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0136】
条項57:電極本体が、近位端と遠位端との間で第1の厚さから第2の厚さへと先細になっている、条項56に記載の医療用プローブ。
【0137】
条項58:第1の厚さ及び第2の厚さが各々、電極本体の高さ方向において測定されたものである、条項56又は57に記載の医療用プローブ。
【0138】
条項59:第1の厚さ及び第2の厚さが各々、電極本体の幅方向において測定されたものである、条項56~58のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0139】
条項60:電極が、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成されている、条項50~59のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0140】
条項61:複数のスパインのうちの各スパインが、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタンからなる群から選択される材料を含む、条項50~60のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0141】
条項62:バスケットカテーテルのスパインに電極を取り付ける方法であって、電極本体に取り付けられた1つ又は2つ以上の脚部がスパインを越えて延在する状態で、電極本体をスパインに接して置くことと、1つ又は2つ以上の脚部をスパインの周囲に圧着して、電極をスパインに固定することと、を含む、方法。
【0142】
条項63:1つ又は2つ以上の脚部が、電極本体の縁部から延在しており、かつ電極がスパインに圧着されるように曲げられるように構成されている、条項62に記載の方法。
【0143】
条項64:電極本体が、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端と、を更に備え、第2の厚さが、第1の厚さよりも大きい、条項62又は63に記載の方法。
【0144】
条項65:電極本体が、近位端と遠位端との間で第1の厚さから第2の厚さへと先細になっている、条項64に記載の方法。
【0145】
条項66:第1の厚さ及び第2の厚さが各々、電極本体の高さ方向において測定されたものである、条項65に記載の方法。
【0146】
条項67:第1の厚さ及び第2の厚さが各々、電極本体の幅方向において測定されたものである、条項65又は66に記載の方法。
【0147】
条項68:電極本体が、波状の外面を更に備える、条項62~67のいずれか一項に記載の方法。
【0148】
条項69:波状の外面が、電極本体が曲がることを可能にするように構成されている、条項68に記載の方法。
【0149】
条項70:電極が、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成されている、条項62~69のいずれか一項に記載の方法。
【0150】
条項71:スパインが、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタンからなる群から選択される材料を含む、条項62~70のいずれか一項に記載の方法。
【0151】
これまで述べた実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、本明細書にこれまで具体的に図示し述べたものに限られるものではない。むしろ、本発明の範囲は、本明細書でこれまで述べた様々な特徴の組み合わせ及びその部分的組み合わせの両方、並びに上述の説明を読むことで当業者に想到されるであろう、従来技術において開示されていないそれらの変形例及び修正例を含むものである。
【0152】
〔実施の態様〕
(1) 医療用プローブのための電極であって、前記電極が、
電気エネルギーを生体組織に送達するように構成された電極本体と、
前記電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルのスパインに取り付けられるように、前記バスケットカテーテルの前記スパインの周りで、又は前記バスケットカテーテルの前記スパイン内に少なくとも部分的に曲がるように構成された1つ又は2つ以上の脚部と、を備える、電極。
(2) 前記1つ又は2つ以上の脚部が、前記電極本体の縁部から延在しており、かつ前記電極が前記スパインに圧着されるように曲げられるように構成されている、実施態様1に記載の電極。
(3) 前記電極本体が、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端と、を更に備え、前記第2の厚さが、前記第1の厚さよりも大きい、実施態様1に記載の電極。
(4) 前記電極本体が、前記近位端と前記遠位端との間で前記第1の厚さから前記第2の厚さへと先細になっている、実施態様3に記載の電極。
(5) 前記第1の厚さ及び前記第2の厚さが各々、前記電極本体の高さ方向において測定されたものである、実施態様4に記載の電極。
【0153】
(6) 前記第1の厚さ及び前記第2の厚さが各々、前記電極本体の幅方向において測定されたものである、実施態様4に記載の電極。
(7) 前記電極本体が、波状の外面を更に備える、実施態様1に記載の電極。
(8) 前記波状の外面が、前記電極本体が曲がることを可能にするように構成されている、実施態様7に記載の電極。
(9) 前記電極が、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成されている、実施態様1に記載の電極。
(10) 医療用プローブのための電極であって、前記電極が、
電気エネルギーを生体組織に送達するように構成された電極本体であって、前記電極本体が、
第1の厚さを有する近位端と、
第2の厚さを有する遠位端であって、前記第2の厚さが、前記第1の厚さよりも大きい、遠位端と、
前記電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルのスパインに取り付けられるように、前記バスケットカテーテルの前記スパインの周りで、又は前記バスケットカテーテルの前記スパイン内に少なくとも部分的に曲がるように構成された1つ又は2つ以上の脚部と、を備える、電極本体を備える、電極。
【0154】
(11) 前記電極本体が、前記近位端と前記遠位端との間で前記第1の厚さから前記第2の厚さへと先細になっている、実施態様10に記載の電極。
(12) 前記第1の厚さ及び前記第2の厚さが各々、前記電極本体の高さ方向において測定されたものである、実施態様10に記載の電極。
(13) 前記第1の厚さ及び前記第2の厚さが各々、前記電極本体の幅方向において測定されたものである、実施態様10に記載の電極。
(14) 前記電極本体が、波状の外面を更に備える、実施態様10に記載の電極。
(15) 前記波状の外面が、前記電極本体が曲がることを可能にするように構成されている、実施態様14に記載の電極。
【0155】
(16) 前記1つ又は2つ以上の脚部が、前記電極本体に取り付けられ、かつバスケットカテーテルの前記スパインに取り付けられるように、前記バスケットカテーテルの前記スパインの周りで少なくとも部分的に曲がるように構成された2つ又はそれ以上の脚部を含む、実施態様10に記載の電極。
(17) 前記1つ又は2つ以上の脚部が、前記電極本体の縁部から延在しており、かつ前記電極が前記スパインに圧着されるように曲げられるように構成されている、実施態様16に記載の電極。
(18) 医療用プローブであって、
近位端及び遠位端を有する挿入チューブであって、前記挿入チューブが長手方向軸に沿って延在している、挿入チューブと、
前記挿入チューブの前記遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリと、を備え、前記拡張可能バスケットアセンブリが、
前記長手方向軸に沿って延在しており、かつ前記拡張可能バスケットアセンブリが圧潰形態から拡張形態に移行されるときに前記長手方向軸から半径方向外向きに撓むように構成された複数のスパイン、
複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極が、前記複数のスパインのうちのスパインに取り付けられており、かつ
電気エネルギーを送達するように構成された電極本体と、
前記電極本体に取り付けられ、かつ前記複数のスパインのうちの前記スパインの周りで少なくとも部分的に曲がって、前記電極本体を前記スパインに取り付けるように構成された1つ又は2つ以上の脚部と、を備える、複数の電極、を備える、医療用プローブ。
(19) 前記電極本体が、第1の厚さを有する近位端と、第2の厚さを有する遠位端と、を更に備え、前記第2の厚さが、前記第1の厚さよりも大きい、実施態様18に記載の医療用プローブ。
(20) 前記電極本体が、前記近位端と前記遠位端との間で前記第1の厚さから前記第2の厚さへと先細になっている、実施態様19に記載の医療用プローブ。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
【外国語明細書】