(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081636
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】循環システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61D 1/02 20060101AFI20240611BHJP
A61M 5/20 20060101ALI20240611BHJP
A61M 5/30 20060101ALI20240611BHJP
A61M 39/22 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
A61D1/02 B
A61M5/20 520
A61M5/30
A61M39/22 100
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024027513
(22)【出願日】2024-02-27
(62)【分割の表示】P 2021503543の分割
【原出願日】2019-07-25
(31)【優先権主張番号】62/703,247
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523346456
【氏名又は名称】ターガン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフ、 ステファン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】確実に全ての動物が効果的に処理されるようにすることができる循環システム及び方法を提供する。
【解決手段】システム10は、ある量の流体14を保持するためのリザーバー12、送達出口50、再循環ループ、及びリザーバーと送達出口との間を流体連通するバルブ40を含み、バルブは、リザーバーから流体を受け取るための入口38、送達出口と流体連通する第1の出口、及びリザーバーへの戻り導管45と流体連通する第2の出口42を有する。システムは、第1及び第2のバルブ出口を開閉するための制御手段、並びに、流体をリザーバーからバルブに、及び、リザーバー戻り導管を通してリザーバーに注入するためのポンプ32をさらに含む。制御手段が第1の出口を開くと、流体はリザーバーから送達出口に流れる。制御手段が第2のバルブ出口を開くと、流体は戻り導管を通ってリザーバーに流れる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある量の流体を有するリザーバー;
送達出口;
前記リザーバーと前記送達出口との間を流体連通するバルブであって、前記リザーバー
から流体を受け取るための入口、前記送達出口と流体連通する第1の出口、及びリザーバ
ー戻り導管によって前記リザーバーと流体連通する第2の出口を有するバルブ;
前記第1及び第2のバルブ出口を開閉するための制御手段;及び
流体を前記リザーバーから前記バルブに、かつ、前記バルブから前記リザーバー戻り導
管を通して前記リザーバーに、連続的に注入するためのポンプ
を含み、
これにより、前記制御手段が前記第1のバルブ出口を開き、前記第2のバルブ出口を閉
じると、流体が前記リザーバーから前記送達出口に流れ、前記制御手段が前記第1のバル
ブ出口を閉じ、前記第2のバルブ出口を開くと、流体が前記リザーバー戻り導管を通って
前記リザーバーに流れる、
動物に流体を送達するためのシステム。
【請求項2】
前記送達出口が、ノズルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ノズルが、空気霧状噴霧ノズル又は液圧噴霧ノズルのいずれかである、請求項2に
記載のシステム。
【請求項4】
前記送達出口が、インジェクターである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記インジェクターが、無針である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御手段が、前記バルブと連絡するコンピュータ制御システムを含む、請求項1に
記載のシステム。
【請求項7】
前記リザーバー戻り導管内の流速が、毎分約60ミリリットルである、請求項1に記載
のシステム。
【請求項8】
前記流体リザーバー及び前記ポンプと連通する圧力源をさらに含む、請求項1に記載の
システム。
【請求項9】
前記圧力源が、約15psiである、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記流体が、ワクチン、生物製剤、医薬品、又はサプリメントである、請求項1に記載
のシステム。
【請求項11】
前記動物がニワトリである、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
ある量の流体を有するリザーバー;
送達出口;
前記リザーバーと流体連通する入口と、前記送達出口と流体連通する第1の出口及びリザーバー戻り導管と流体連通する第2の出口である、2つの出口とを有する三方バルブであって、
前記第1の出口が開かれ、前記第2の出口が閉じられて、前記リザーバーから前記送達出
口への流体の流れが可能になる第1の位置と、前記第2の出口が開かれ、前記第1の出口
が閉じられて、前記リザーバー戻り導管を通して流体の流れが可能になる第2の位置と、
前記第1の出口及び前記第2の出口が閉じられている第3の位置とを有するバルブ;
前記バルブの位置を制御する制御手段;及び
流体を、前記リザーバーから前記リザーバー戻り導管を通して前記バルブへ、かつ、前
記リザーバーへ戻して、連続的に注入するポンプ
を含む、物質を動物に送達するためのシステム。
【請求項13】
前記送達出口が、ノズルである、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ノズルが、噴霧ノズル又は液圧ノズルのいずれかである、請求項13
に記載のシステム。
【請求項15】
前記送達出口が、インジェクターである、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記インジェクターが、無針である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記流体リザーバー及び前記再循環ポンプと連通する圧力源をさらに含む、請求項12
に記載のシステム。
【請求項18】
前記圧力源が、約15psiである、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記流体が、ワクチン、生物製剤、医薬品、又はサプリメントである、請求項12に記
載のシステム。
【請求項20】
ある量の流体を有するリザーバーを提供すること;
送達出口を提供すること;
前記リザーバーと前記送達出口との間を流体連通するバルブであって、前記リザーバー
から流体を受け取るための入口、前記送達出口と流体連通する第1の出口、及びリザーバ
ー戻り導管と流体連通する第2の出口を有し、前記リザーバー戻り導管が前記リザーバー
と流体連通する、バルブを提供すること;及び
流体を前記リザーバーから前記バルブに連続的に注入すること
を含み、
それにより、前記第1のバルブ出口が開くと、前記第2のバルブ出口が閉じ、流体が前
記リザーバーから前記第1のバルブ出口を通って前記送達出口に流れ、かつ、前記第1の
バルブ出口が閉じると、前記第2のバルブ出口が開き、流体が前記リザーバーから前記リ
ザーバー戻り導管を通って前記リザーバーに戻って流れる、
動物に流体を送達する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
この出願は、2018年7月25日に出願された米国仮特許出願シリアル番号第62/
703247号からの優先権を主張する。その内容は、その全体が本明細書に組み込まれ
る。
この出願は、2019年7月10日に出願され、オーシスト溶液を準備及び送達するシ
ステム及び方法(SYSTEMS AND METHODS OF PREPARING
AND DEIVERING OOCYST SOLUTIONS)と題される、PC
T国際出願番号PCT/US19/41178を参照する。
【背景技術】
【0002】
細菌、ウイルス及び真菌の感染症並びに他の疾患は、しばしば、ワクチン接種又は対象
への薬物の送達によって予防又は処理される。全ての動物、特に、哺乳類又は魚などの脊
椎動物、及び、甲殻類などの無脊椎動物において、ワクチン、生物製剤、及び他の医薬品
の送達は、疾患、死亡を予防するため、又は、全体的に良好な健康を維持するために、し
ばしば利用される。多くの家畜及び魚類のオペレーションでは、確実に全ての動物が効果
的に処理されるようにすることが課題である。
【0003】
いくつかのワクチン、生物製剤及び他の医薬品は、溶液中に微粒子を有する。特に、い
くつかのワクチンは、溶液中に生きた培養物を有する。溶液中の粒子のサイズの変化は、
送達中の均一性の欠如につながる粒子の沈降又は詰まりのために、送達に影響を及ぼし得
る。粒子が溶液中に均一に懸濁されていない場合には、いくつかの対象は、より多くの又
はより少ない粒子を受け取る可能性がある。
【0004】
家禽産業に目を向けると、受精卵又はニワトリを医薬品で処理するいくつかの現在の方
法がある。これらは以下を含む。
1)18又はl9日目にin ovo(卵内)で行われる孵化場における自動ワクチン
接種;
2)孵化後に行われる孵化場における手動ワクチン接種;
3)飼育場の飼料又は水に添加されたワクチン接種/医薬品;及び
4)手動又は大量噴霧器のいずれかによって雛に噴霧されたワクチン接種/医薬品。
【0005】
さらに、ワクチン及び他の物質を動物に送達するための新しいシステム及び方法が開発
されている。システム及び方法は、動物に物質を自動的に送達するためのシステムを部分
的に開示するPCT/US2016/061548に開示されており、その内容は、その
全体が本明細書に組み込まれる。システムは、それぞれの動物、特に1日齢の雛を分離す
るための一連のコンベヤーベルト及び他の移動プラットフォームなどを含む。雛が一列の
状態(single file formations)に分離されると、システムは、
ワクチン、医薬品、生物製剤、サプリメント、又は他の物質の1以上の用量を個々の動物
に送達することができる。システムは、眼、鼻腔、又は口(雛のくちばしが開いていれば
)などの雛の顔の粘膜領域に物質を送達するためのノズルを含む。ノズルは、空気噴霧又
は液圧式であってよい。
【0006】
ワクチン、医薬品、生物製剤、又はサプリメントなどの物質は、しばしば溶液で送達さ
れる。ワクチン、医薬品、生物製剤、又はサプリメントの有効成分は、通常、より容易か
つ効果的な送達のために、水、生理食塩水などの溶液中に希釈される。ワクチンの場合、
オーシストを含む生きた培養物は、効果的な送達のために溶液中に懸濁される。そのよう
なタイプのオーシストワクチンの1つは、「オーシスト溶液を調製及び送達するシステム
及び方法(Systems and Methods of Preparing an
d Deivering Oocyst Solutions)」と題されたPCT/U
S19/41178に詳細に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込ま
れる。
【0007】
いくつかの状況では、有効成分を効果的に均一に送達するために、有効成分を溶液中に
懸濁させておく必要があることから、溶液の送達にノズルを使用することに困難が生じる
可能性がある。生きた培養物は、不均一な送達につながるために、リザーバー(rese
rvoirs)、タンク、ワクチンバッグ、ワクチンライン、ノズル又は他の容器の底に
沈降させておくことができない。不均一なワクチン接種は、一部の動物が高い用量の有効
成分を摂取する一方で、他の動物が接種しない場合に起こる。
【0008】
過去において、ノズル又は噴霧ヘッド(spray heads)は、不均一な送達を
防止するためにプライミング(primed)されてきた。しかしながら、この方法は、
物質を無駄にするか、又は、システムオペレーターが噴霧ヘッドをプライミングすること
を忘れた場合には、しばしば効果がない。これが起こると、多くの動物は有効ワクチン粒
子を受け取らない。これは、これらの鳥が成長している間に病原体に曝露された時に、低
いパフォーマンス及びアウトブレイクを引き起こす。さらに、ノズルのプライミングによ
って無駄にされるワクチンの量に、孵化場は毎年かなりの金額が必要となる。
【0009】
本明細書に記載された実施形態は、プロセスの中断があるたびに噴霧ヘッドがプライミ
ングを必要とするわけではない、動物に物質を送達するためのシステム及び方法を提供す
る。このシステムは、システムが作動又は休止している間、物質を溶液中に懸濁したまま
にすることができる。
【発明の概要】
【0010】
概要
本明細書に記載された実施形態は、動物に流体を送達するためのシステム及び方法に関
する。システムには、ある量の流体を保持するためのリザーバー、送達出口、及び再循環
ループ(recirculating loop)を有する。システムは、リザーバーと
送達出口との間を流体連通するバルブも含み、バルブは、リザーバーから流体を受け取る
ための入口、送達出口と流体連通する第1の出口、及び再循環ループ内で流体連通する第
2の出口を有する。システムは、バルブ出口の位置を制御するための制御手段と、リザー
バーからバルブへ流体を注入するためのリザーバーポンプと、再循環ループ内に流体を注
入するための再循環ポンプとをさらに含む。制御手段がバルブ出口を第1の出口に向けて
開けると、流体はリザーバーから送達出口に流れ、制御手段が第1の出口を閉じ、バルブ
出口を第2の出口に向けて開けると、流体は再循環ループ内を流れる。
【0011】
図面の説明
このように本開示の様々な実施形態を一般的な用語で説明したので、次に、添付の図面
を参照する。図面は、縮尺とおりに描かれておらず、システムの全ての構成要素を含むわ
けではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、第1の実施形態のシステムの概略図である。
【
図2A】
図2Aは、送達モードにおける第1の実施形態のノズル及びバルブの一部の断面図である。
【
図2B】
図2Bは、再循環モードにおける第1の実施形態のノズル及びバルブの断面図である。
【
図3】
図3は、第2の実施形態のシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
本開示は、動物に流体を送達するためのシステム及び方法に関する。本開示の様々な側
面は、開示の全てではないが、いくつかの側面が示される添付の図面を参照して、以下に
より十分に説明される。実際、この開示は、多くの異なる形態で具現化することができ、
本明細書に記載された側面に限定されると解釈されるべきではない。
【0014】
一実施形態は、殻から分離された後、孵化場から出発する前における、ニワトリの孵化
したての幼鳥への物質の送達に関する。さらに、雛に関する本開示の側面による方法及び
システムは、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、ウズラ、キジ、ダチョウ、
外来の鳥などを含むが、これらに限定されない任意のタイプの家禽に使用することができ
る。
【0015】
本実施形態のシステム及び方法は、動物への流体の送達に関連して使用される。本実施
形態では、システムは、1日齢の雛の粘膜(目、鼻腔、又は口)に流体を噴霧するために
使用される。これは、雛を単独で分離し、噴霧ヘッドの前に配置することによって達成さ
れ、以下で説明する第1の実施形態の一部である。流体は噴霧ヘッドを通して、1日齢の
雛の顔の粘膜に送達される。
【0016】
図1は、第1の実施形態10のシステム全体の簡略化された概略図を示す。システムは
、流体14で満たされたリザーバー12を含む。流体14は、溶液に希釈されたワクチン
、医薬品、生物製剤、又はサプリメントであってよい。希釈剤は、水、生理食塩水などで
あってよい。
【0017】
リザーバー12は、使用前に流体14が注がれる流体入口又は開口部16を含む。流体
入口は、使用中にリザーバー12にしっかりと固定されるキャップ又はカバー18を有す
る。リザーバー12は、加圧空気入口60も有する。加圧空気入口60は、第1の加圧空
気導管22によって加圧空気供給部20に接続されている。第1の圧力レギュレーター2
4は、第1の加圧空気導管22沿いに配置され、第1の加圧導管の途中で圧力を制御する
。
【0018】
リザーバー12は、流体出口26をさらに含む。流体出口26は、第1の流体導管28
に接続されている。第1の流体導管28は、再循環ポンプ32上の再循環ポンプ入口30
に接続している。再循環ポンプ32は、ポンプ流体出口34を有する。ポンプ流体出口3
4は、第2の流体導管36に接続されている。第2の流体導管36は、バルブ流体入口3
8に接続している。バルブ流体入口38は、三方バルブ40に取り付けられている。バル
ブ40は、
図2A及び
図2Bに示されるように、流体入口56、及び2つの出口、つまり
、バイパスポート46及び出口ポート44を有する。バイパスポート46は、以下でより
詳細に説明されるバイパス機能が作動したときに、バルブ40から流体を受け取るバイパ
ス出口42と流体連通している。バルブ40の出口の位置は、図示されていないPLC(
プログラマブルロジックコントローラー(programmable logic co
ntroller))によって電子的に制御される。
【0019】
バイパス出口42は、
図1に示すように、バイパス導管45と流体連通している。バイ
パス導管45は、バイパス入口47と流体連通している。バイパス入口47は、バイパス
導管45のための流体開口部をリザーバー12に提供する。
【0020】
バルブ40は、2つの位置のうちの1つ、つまり、
図2Aに示されるような噴霧位置、
又は、
図2Bに示されるような再循環位置のいずれかにあり得ることに留意すべきである
。噴霧位置は、出口ポート44が開かれ、バイパスポート46が閉じられた場合である。
再循環位置は、バイパスポート46が開かれ、出口ポート44が閉じられた場合である。
【0021】
バルブの出口ポート44は、
図1に示されるように、送達ノズル噴霧ヘッド54を有す
る送達ノズル50に接続するノズル出口導管48に接続されている。空気噴霧ノズルの構
成では、ノズル噴霧ヘッド54は、加圧空気源52にも接続されている。加圧空気源から
の加圧空気は、噴霧ヘッド54を出る流体と混ざり、動物に送達するための霧状噴霧プロ
ファイルを作成する。これについては、以下でより詳細に説明する。
【0022】
使用において、加圧空気供給部20は、加圧空気入口60を経由してリザーバー12に
導入される。希釈剤に懸濁されたワクチン、医薬品、生物製剤又はサプリメントの溶液で
あり、流体14は、リザーバー12に保持される。加圧空気供給部20が作動すると、流
体14は、流体出口26によって、第1の流体導管28に沿ってリザーバーから再循環ポ
ンプ入口30内に出る。再循環ポンプ32は、ポンプから流体14を、ポンプ流体出口3
4を経由して、第2の流体導管36を通して、バルブ流体入口38内に移動させる。
【0023】
動物への流体の送達のための使用中、動物はノズル噴霧ヘッド50に近接して配置され
る。そのとき、バルブコントローラー46は出口ポート44を開き、この動作は同時にバ
イパスポート42を閉じさせる。これにより、
図2Aに示すように、流体14が、出口ポ
ート44を通って、ノズル出口導管48を通って、ノズル噴霧ヘッド50内に流れ込む。
ノズル噴霧ヘッド50において、流体14は、加圧空気源52からの加圧空気と混合され
る。これにより、流体14が霧状にされ、霧状にされた流体14が近くの1日齢の雛の粘
膜に噴霧される。
【0024】
第1の実施形態10が、動物に流体を送達するために使用されていない場合、バルブコ
ントローラー46は出口ポート44を閉じ、それは同時にバイパスポート42を開かせる
。これは、出口ポート56、バイパスポート42、バイパス導管45、及びバイパス入口
47を経由して、バルブ40からリザーバー12に戻る流体14の流れをもたらす。した
がって、再循環は、流体14を均一な懸濁液として維持し、ワクチン成分の沈降を防ぐ。
流体14は、動物に送達される必要があるまで、この様式で再循環し続ける。その時、バ
ルブ40は、上述したように方向を変えられて、流体14をノズル噴霧ヘッド54を介し
て動物に送達する。
【0025】
粘膜への噴霧適用によって雛に与えられるワクチン又は他の物質の種類には、これらに
限定されないが、ニューカッスル病及び感染性気管支炎ウイルスなどのウイルス、大腸菌
、サルモネラ及びカンピロバクターなどの細菌、並びにコクシジウムなどの寄生虫に対す
るワクチンを含むことが予想される。
【0026】
第2の実施形態60を
図3に示す。第2の実施形態60は、いくつかの点で、リザーバ
ー12及びその中に懸濁された粒子を含む流体14を有する第1の実施形態10と類似し
ている。リザーバー12は、流体出口26及び第1の導管28を介してポンプ32と流体
連通している。ポンプ流体出口34は、バイパス導管45及びバイパス入口47に接続し
ている。さらに、ポンプ出口34は、送達ノズル噴霧ヘッド54を有する送達ノズル50
と流体連通しているバルブ62に接続している。送達ノズルは、第1の実施形態10に関
して上述したように動作及び制御される。
【0027】
使用において、リザーバー12内の流体14は、ポンプ32を介してポンプ出口34を
通して移動させられ、バイパス導管45を介してバイパス入口47を通してリザーバーに
戻される。バルブ62が作動すると、流体14は、同時にバルブを通してノズル50の中
及びノズル噴霧ヘッド54の外に移動させられる。流体14は、加圧空気源52と混ざり
、霧状になり、動物の顔の粘膜領域に向けられる噴霧プロファイルを作成する。
【0028】
再循環ポンプがワクチン溶液の懸濁液中に粒子を維持するかどうかを確認するために試
験を行った。溶液中のワクチンは、少なくとも3種のオーシストを有するEimeria
ワクチンであった。これらにはE.maxima、E.tenella及びE.acer
vulinaが含まれた。ノズルを10分間静止させた後、溶液を所定の表面に噴霧した
。ワクチン数の変化は、ノズルによって送達された3つの異なる種のオーシストを経時的
に計数することによって検出した。B1はノズル1を示し、B2はノズル2を示す。それ
ぞれの噴霧を計数し、各サンプルについてそれぞれの種の数を計算した。10分間の中断
の前後の計数では、計数の偏差は15%未満であった。結果を以下の表1に示す。これは
少ないサンプル数での計数の標準誤差に近く、ノズルへの再循環ループが沈降の問題を解
決することを示した。以前、再循環の機能がない送達の研究では、10分の中断後にオー
シスト数の大きな減少が検出された。
【0029】
【0030】
本明細書における実施形態は、ヒトを含む他の動物及び哺乳動物の粘膜への物質の自動
送達に適用され得ることも予想される。特に、乳児又は小児、あるいは障害者の顔面粘膜
への物質の自動送達に適したある特定の用途があり得る。さらに、本明細書に記載された
自動送達システムは、家畜、コンパニオンアニマル、げっ歯類、及び商業的に飼育されて
いる他の動物などの他の動物に適用できる。
【0031】
本明細書に記載された本開示の多くの修正及び他の側面は、前述の説明及び関連する図
面に提示される教示の利益を有する、本開示が関係する当業者に想起されることが期待さ
れる。したがって、本開示は、開示された特定の側面に限定されることを意図しておらず
、修正及び他の側面は、添付の特許請求の範囲に含まれることを意図していることが理解
されるべきである。本明細書では特定の用語を使用するが、それらは一般的かつ記述的な
意味でのみ使用され、限定の目的では使用されない。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある量の流体を有するリザーバー;
送達出口;
前記リザーバーと前記送達出口との間を流体連通するバルブであって、前記リザーバーから流体を受け取るための入口、前記送達出口と流体連通し開位置と閉位置とを有する第1の出口、及びリザーバー戻り導管によって前記リザーバーと流体連通し開位置と閉位置とを有する第2の出口を有し、前記第2の出口が閉位置にあるときには前記第1の出口が開位置にあり、前記第1の出口が閉位置にあるときには前記第2の出口が開位置にある、バルブ;
前記第1及び第2のバルブ出口を開閉するためのコントローラー;及び
流体を前記リザーバーから前記バルブに、かつ、前記バルブから前記リザーバー戻り導管を通して前記リザーバーに、連続的に注入するためのポンプ
を含み、
これにより、前記コントローラーが前記第1のバルブ出口を開くと同時に前記第2のバルブ出口を閉じると、流体が前記リザーバーから前記送達出口に流れ、前記コントローラーが前記第1のバルブ出口を閉じると同時に前記第2のバルブ出口を開くと、流体が前記リザーバー戻り導管を通って前記リザーバーに流れる、
動物に流体を送達するためのシステム。
【請求項2】
前記送達出口が、ノズルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ノズルが、空気霧状噴霧ノズル又は液圧噴霧ノズルのいずれかである、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記送達出口が、インジェクターである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記インジェクターが、無針である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラーが、前記バルブと連絡するコンピュータ制御システムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記リザーバー戻り導管内の流速が、毎分約60ミリリットルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記流体リザーバー及び前記ポンプと連通する圧力源をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記圧力源が、約15psiである、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記流体が、ワクチン、生物製剤、医薬品、又はサプリメントである、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記動物がニワトリである、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
ある量の流体を有するリザーバー;
送達出口;
前記リザーバーと流体連通する入口と、前記送達出口と流体連通する第1の出口及びリザーバー戻り導管と流体連通する第2の出口である、2つの出口とを有するバルブであって、前記第1の出口が開かれると同時に前記第2の出口が閉じられて、前記リザーバーから前記送達出口への流体の流れが可能になる第1の位置と、前記第2の出口が開かれると同時に前記第1の出口が閉じられて、前記リザーバー戻り導管を通して流体の流れが可能になる第2の位置とを有するバルブ;
前記バルブの位置を制御するコントローラー;及び
流体を、前記リザーバーから前記リザーバー戻り導管を通して前記バルブへ、かつ、前記リザーバーへ戻して、連続的に注入するポンプ
を含む、物質を動物に送達するためのシステム。
【請求項13】
前記送達出口が、ノズルである、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ノズルが、噴霧ノズル又は液圧ノズルのいずれかである、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記送達出口が、インジェクターである、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記インジェクターが、無針である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記流体リザーバー及び前記再循環ポンプと連通する圧力源をさらに含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記圧力源が、約15psiである、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記流体が、ワクチン、生物製剤、医薬品、又はサプリメントである、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
ある量の流体を有するリザーバーを提供すること;
前記ある量の流体を注入するためのポンプを提供すること;
送達出口を提供すること;
前記リザーバーと前記ポンプと前記送達出口との間を流体連通するバルブであって、前記リザーバーから流体を受け取るための入口、前記送達出口と流体連通する第1の出口、及びリザーバー戻り導管と流体連通する第2の出口を有し、前記リザーバー戻り導管が前記リザーバーと流体連通する、バルブを提供すること;
バルブコントローラーを提供すること;及び
流体を前記リザーバーから前記バルブに連続的に注入すること
を含み、
それにより、前記第1のバルブ出口が開かれると同時に前記第2のバルブ出口が閉じ、流体が前記リザーバーから前記第1のバルブ出口を通って前記送達出口に流れ、かつ、前記第1のバルブ出口が閉じられると同時に前記第2のバルブ出口が開き、流体が前記リザーバーから前記リザーバー戻り導管を通って前記リザーバーに戻って流れる、
動物に流体を送達する方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
本開示は以下の実施形態を含む。
実施形態1
ある量の流体を有するリザーバー;
送達出口;
前記リザーバーと前記送達出口との間を流体連通するバルブであって、前記リザーバーから流体を受け取るための入口、前記送達出口と流体連通する第1の出口、及びリザーバー戻り導管によって前記リザーバーと流体連通する第2の出口を有するバルブ;
前記第1及び第2のバルブ出口を開閉するための制御手段;及び
流体を前記リザーバーから前記バルブに、かつ、前記バルブから前記リザーバー戻り導管を通して前記リザーバーに、連続的に注入するためのポンプ
を含み、
これにより、前記制御手段が前記第1のバルブ出口を開き、前記第2のバルブ出口を閉じると、流体が前記リザーバーから前記送達出口に流れ、前記制御手段が前記第1のバルブ出口を閉じ、前記第2のバルブ出口を開くと、流体が前記リザーバー戻り導管を通って前記リザーバーに流れる、
動物に流体を送達するためのシステム。
実施形態2
前記送達出口が、ノズルである、実施形態1に記載のシステム。
実施形態3
前記ノズルが、空気霧状噴霧ノズル又は液圧噴霧ノズルのいずれかである、実施形態2に記載のシステム。
実施形態4
前記送達出口が、インジェクターである、実施形態1に記載のシステム。
実施形態5
前記インジェクターが、無針である、実施形態4に記載のシステム。
実施形態6
前記制御手段が、前記バルブと連絡するコンピュータ制御システムを含む、実施形態1に記載のシステム。
実施形態7
前記リザーバー戻り導管内の流速が、毎分約60ミリリットルである、実施形態1に記載のシステム。
実施形態8
前記流体リザーバー及び前記ポンプと連通する圧力源をさらに含む、実施形態1に記載のシステム。
実施形態9
前記圧力源が、約15psiである、実施形態8に記載のシステム。
実施形態10
前記流体が、ワクチン、生物製剤、医薬品、又はサプリメントである、実施形態1に記載のシステム。
実施形態11
前記動物がニワトリである、実施形態1に記載のシステム。
実施形態12
ある量の流体を有するリザーバー;
送達出口;
前記リザーバーと流体連通する入口と、前記送達出口と流体連通する第1の出口及びリザーバー戻り導管と流体連通する第2の出口である、2つの出口とを有する三方バルブであって、前記第1の出口が開かれ、前記第2の出口が閉じられて、前記リザーバーから前記送達出口への流体の流れが可能になる第1の位置と、前記第2の出口が開かれ、前記第1の出口が閉じられて、前記リザーバー戻り導管を通して流体の流れが可能になる第2の位置と、前記第1の出口及び前記第2の出口が閉じられている第3の位置とを有するバルブ;
前記バルブの位置を制御する制御手段;及び
流体を、前記リザーバーから前記リザーバー戻り導管を通して前記バルブへ、かつ、前記リザーバーへ戻して、連続的に注入するポンプ
を含む、物質を動物に送達するためのシステム。
実施形態13
前記送達出口が、ノズルである、実施形態12に記載のシステム。
実施形態14
前記ノズルが、噴霧ノズル又は液圧ノズルのいずれかである、実施形態13に記載のシステム。
実施形態15
前記送達出口が、インジェクターである、実施形態12に記載のシステム。
実施形態16
前記インジェクターが、無針である、実施形態15に記載のシステム。
実施形態17
前記流体リザーバー及び前記再循環ポンプと連通する圧力源をさらに含む、実施形態12に記載のシステム。
実施形態18
前記圧力源が、約15psiである、実施形態17に記載のシステム。
実施形態19
前記流体が、ワクチン、生物製剤、医薬品、又はサプリメントである、実施形態12に記載のシステム。
実施形態20
ある量の流体を有するリザーバーを提供すること;
送達出口を提供すること;
前記リザーバーと前記送達出口との間を流体連通するバルブであって、前記リザーバーから流体を受け取るための入口、前記送達出口と流体連通する第1の出口、及びリザーバー戻り導管と流体連通する第2の出口を有し、前記リザーバー戻り導管が前記リザーバーと流体連通する、バルブを提供すること;及び
流体を前記リザーバーから前記バルブに連続的に注入すること
を含み、
それにより、前記第1のバルブ出口が開くと、前記第2のバルブ出口が閉じ、流体が前記リザーバーから前記第1のバルブ出口を通って前記送達出口に流れ、かつ、前記第1のバルブ出口が閉じると、前記第2のバルブ出口が開き、流体が前記リザーバーから前記リザーバー戻り導管を通って前記リザーバーに戻って流れる、
動物に流体を送達する方法。
本明細書に記載された本開示の多くの修正及び他の側面は、前述の説明及び関連する図面に提示される教示の利益を有する、本開示が関係する当業者に想起されることが期待される。したがって、本開示は、開示された特定の側面に限定されることを意図しておらず、修正及び他の側面は、添付の特許請求の範囲に含まれることを意図していることが理解されるべきである。本明細書では特定の用語を使用するが、それらは一般的かつ記述的な意味でのみ使用され、限定の目的では使用されない。
【外国語明細書】