(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081655
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】サセプタおよびエアロゾル前駆体材料を組み合わせたエアロゾル源部材
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20240611BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240611BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20240611BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/20
A24F40/42
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024033601
(22)【出願日】2024-03-06
(62)【分割の表示】P 2020571509の分割
【原出願日】2019-06-21
(31)【優先権主張番号】16/015,680
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘジャジ,バヒド
(57)【要約】 (修正有)
【課題】誘導加熱エアロゾル送達装置と共に使用するためのエアロゾル送達装置およびエアロゾル源部材が提供される。
【解決手段】エアロゾル送達装置100は、その一端に開口部が画定されたハウジングを有する制御本体102と、制御本体に配置された共振送信機と、共振送信機を駆動するように構成された制御構成要素と、その少なくとも一部が共振送信機の近傍に配置されるように構成されたエアロゾル源部材104と、を備える。エアロゾル源部材は、タバコ基材および多数の多孔質サセプタ粒子を含むことができ、サセプタ粒子には、エアロゾル前駆体組成物が注入されることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達装置であって、
その一端に開口部が画定されたハウジングを有する制御本体と、
制御本体内に配置された共振送信機と、
共振送信機を駆動するように構成された制御構成要素と、
その少なくとも一部が共振送信機の近傍に配置されるように構成されたエアロゾル源部材と、を備え、
エアロゾル源部材が、タバコ基材および多数の多孔質サセプタ粒子を含み、
多孔質サセプタ粒子には、エアロゾル前駆体組成物が注入される、エアロゾル送達装置。
【請求項2】
多数の多孔質サセプタ粒子の内の少なくとも1つの多孔質サセプタ粒子が、フレーク状形、球形、六角形、立方体形、および不規則形から選択される形状を有する、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項3】
多数の多孔質サセプタ粒子の内の少なくとも1つの多孔質サセプタ粒子が、コバルト材料、鉄材料、ニッケル材料、亜鉛材料、マンガン材料、ステンレス鋼材料、セラミック材料、炭化ケイ素材料、炭素材料、およびそれらの組み合わせから選択される材料を含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項4】
タバコ基材が、押出成形されたタバコ材料を含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項5】
タバコ基材が、再構成されたタバコシート材料を含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項6】
エアロゾル源部材が円筒形を有する、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項7】
タバコ基材が、タバコビーズおよびタバコ粉末の内の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項8】
エアロゾル源部材がカプセル構成を有する、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項9】
エアロゾル源部材が外側シェルを含み、外側シェルが、ゼラチン材料、セルロース材料、および糖類材料から選択される材料を含む、請求項8に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項10】
エアロゾル源部材がゲル体構造を有し、多数の多孔質サセプタ粒子がゲル体構造に埋め込まれている、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項11】
誘導加熱エアロゾル送達装置と共に使用するためのエアロゾル源部材であって、
タバコ基材と、
多数の多孔質サセプタ粒子と、を備え、
多数のサセプタ粒子には、エアロゾル前駆体組成物が注入されている、エアロゾル源部材。
【請求項12】
多数の多孔質サセプタ粒子の内の少なくとも1つの多孔質サセプタ粒子が、フレーク状形、球形、六角形、立方体形、および不規則形から選択される形状を有する、請求項11に記載のエアロゾル源部材。
【請求項13】
多数の多孔質サセプタ粒子の内の少なくとも1つの多孔質サセプタ粒子が、コバルト材料、鉄材料、ニッケル材料、亜鉛材料、マンガン材料、ステンレス鋼材料、セラミック材料、炭化ケイ素材料、炭素材料、およびそれらの組み合わせから選択される材料を含む、請求項11に記載のエアロゾル源部材。
【請求項14】
タバコ基材が、押出成形されたタバコ材料を含む、請求項11に記載のエアロゾル源部材。
【請求項15】
タバコ基材が、再構成されたタバコシート材料を含む、請求項11に記載のエアロゾル源部材。
【請求項16】
エアロゾル源部材が円筒形を有する、請求項11に記載のエアロゾル源部材。
【請求項17】
タバコ基材が、タバコビーズおよびタバコ粉末の内の少なくとも1つを含む、請求項11に記載のエアロゾル源部材。
【請求項18】
エアロゾル源部材がカプセル構成を有する、請求項11に記載のエアロゾル源部材。
【請求項19】
エアロゾル源部材が外側シェルを含み、外側シェルが、ゼラチン材料、セルロース材料、および糖類材料から選択される材料を含む、請求項18に記載のエアロゾル源部材。
【請求項20】
エアロゾル源部材がゲル体構造を有し、多数の多孔質サセプタ粒子がゲル体構造に埋め込まれている、請求項11に記載のエアロゾル源部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル源部材およびエアロゾル送達装置、ならびにタバコ成分または他の材料を吸入可能な形態で生成するための、それらの使用に関する。より具体的には、本開示は、人間が消費するエアロゾルの形態で吸入可能な物質を提供するために、好ましくは有意な燃焼無しに、電気的に生成された熱を利用してタバコまたはタバコ由来材料を加熱する喫煙品などのエアロゾル源部材およびエアロゾル送達装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの喫煙品が、タバコの燃焼に基づく喫煙製品の改良または代替として長年に亘って提案されている。例示的な代替品は、固体または液体燃料を燃焼させて熱をタバコに伝達するか、または化学反応がそのような熱源を提供するために使用される装置を含んでいる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Wormらによる米国特許第9,078,473号明細書に記載されている喫煙品を含む。
【0003】
喫煙品の改良または代替品の目的は、通常、かなりの量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することなく、タバコ、葉巻、またはパイプ喫煙に関連する感覚を提供することであった。この目的のために、電気エネルギを利用して揮発性物質を気化もしくは加熱するか、または大幅にタバコを燃焼させることなく紙巻きタバコ、葉巻またはパイプ喫煙の感覚を提供しようとする多くの喫煙製品、香味発生器、および薬用吸入器が提案されている。例えば、参照することにより本明細書に組み込まれるRobinsonらによる米国特許第7,726,320号明細書、およびGriffith Jr.らによる米国特許出願公開第2013/0255702号明細書、およびSearsらによる米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に記載された背景技術に記載されている様々な代替喫煙品、エアロゾル送達装置および熱源を参照されたい。例えば、参照することにより本明細書に組み込まれるBlessらによる米国特許出願公開第2015/0220232号明細書において商品名および商業的供給源によって参照される様々な種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電気式熱源もまた参照されたい。同様にその全体が参照することにより本明細書に組み込まれるDePianoらによる米国特許出願公開第2015/0245659号明細書においてリスト化された商品名および商業的供給源によって参照されるさらなる種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電気式熱源もまた参照されたい。記載され、場合によっては市販されている他の代表的な紙巻きタバコまたは喫煙品は、参照により本明細書に組み込まれる、Gerthらによる米国特許第4,735,217号明細書、Brooksらによる米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書、および米国特許第4,947,875号明細書、Countsらによる米国特許第5,060,671号明細書、Morganらによる米国特許第5,249,586号明細書、Countsらによる米国特許第5,388,594号明細書、Higginsらによる米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらによる米国特許第6,053,176号明細書、Whiteによる米国特許第6,164,287号明細書、Vogesによる米国特許第6,196,218号明細書、Felterらによる米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsによる米国特許第6,854,461号明細書、Honによる米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiによる米国特許第7,513,253号明細書、Robinsonらによる米国特許第7,726,320号明細書、Hamanoによる米国特許第7,896,006号明細書、Shayanによる米国特許第6,772,756号明細書、Honによる米国特許出願公開第2009/0095311号明細書、Honによる米国特許出願公開第2006/0196518号明細書、米国特許出願公開第2009/0126745号明細書、および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書、Thorensらによる米国特許出願公開第2009/0272379号明細書、Monseesらによる米国特許出願公開第2009/0260641号明細書および米国特許出願公開第2009/0260642号明細書、Oglesbyらによる米国特許出願公開第2008/0149118号明細書および米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangによる米国特許出願公開第2010/0307518号明細書、およびHonによる国際公開第2010/091593号に記載されているものを含む。
【0004】
従来のタイプの紙巻きタバコ、葉巻、またはパイプの属性の多くに類似する代表的な製品は、Philip Morris IncorporatedによるACCORD(R)、InnoVapor LLCによるALPHA(TM)、JOYE 510(TM)およびM4(TM)、White Cloud CigarettesによるCIRRUS(TM)およびFLING(TM)、Fontem Ventures B.V.によるBLU(TM)、EPUFFER(R)International Inc.によるCOHITA(TM)、COLIBRI(TM)、ELITE CLASSIC(TM)、MAGNUM(TM)、PHANTOM(TM)およびSENSE(TM)、Electronic Cigarettes,Inc.によるDUOPRO(TM)、STORM(TM)およびVAPORKING(R)、Egar AustraliaによるEGAR(TM)、JoyetechによるeGo-C(TM)およびeGo-T(TM)、Elusion UK LtdによるELUSION(TM)、Eonsmoke LLCによるEONSMOKE(R)、FIN Branding Group,LLCによるFIN(TM)、Green Smoke Inc.USAによるSMOKE(R)、Greenarette LLCによるGREENARETTE(TM)、SMOKE STIK(R)によるHALLIGAN(TM)、HENDU(TM)、JET(TM)、MAXXQ(TM)、PINK(TM)およびPITBULL(TM)、Philip Morris International,Inc.によるHEATBAR(TM)、Crown7からのHYDRO IMPERIAL(TM)およびLXE(TM)、LOGIC TechnologyによるLOGIC(TM)およびTHE CUBAN(TM)、Luciano Smokes Inc.によるLUCI(R)、Nicotek,LLCによるMETRO(R)、Sottera,Inc.によるNJOY(R)およびONEJOY(TM)、SS Choice LLCによるNO.7(TM)、PremiumEstore LLCによるPREMIUM ELECTRONIC CIGARETTE(TM)、Ruyan America,Inc.によるRAPP E-MYSTICK(TM)、Red Dragon Products,LLCによるRED DRAGON(TM)、Ruyan Group(Holdings)Ltd.によるRUYAN(R)、Smoker Friendly International,LLCによるSF(R)、The Smart Smoking Electronic Cigarette Company Ltd.によるGREEN SMART SMOKER(R)、Coastline Products LLCによるSMOKE ASSIST(R)、Smoking Everywhere,Inc.によるSMOKING EVERYWHERE(R)、VMR Products LLCによるV2CIGS(TM)、VaporNine LLCによるVAPOR NINE(TM)、Vapor 4 Life,Inc.によるVAPOR4LIFE(R)、E-CigaretteDirect,LLCによるVEPPO(TM)、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)、Mistic EcigsによるMistic Menthol製品、およびCN Creative Ltd.によるVype製品、Philip Morris InternationalによるIQOS(TM)、およびBritish American TobaccoによるGLO(TM)として販売されている。さらに他の電動エアロゾル送達装置、特にいわゆる電子タバコとして特徴付けられている装置は、COOLER VISIONS(TM)、DIRECT E-CIG(TM)、DRAGONFLY(TM)、EMIST(TM)、EVERSMOKE(TM)、GAMUCCI(R)、HYBRID FLAME(TM)、KNIGHT STICKS(TM)、ROYAL BLUES(TM)、SMOKETIP(R)、およびSOUTH BEACH SMOKE(TM)の商品名で販売されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第9,078,473号明細書
【特許文献2】米国特許第7,726,320号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2015/0220232号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2015/0245659号明細書
【特許文献7】米国特許第4,735,217号明細書
【特許文献8】米国特許第4,922,901号明細書
【特許文献9】米国特許第4,947,874号明細書
【特許文献10】米国特許第4,947,875号明細書
【特許文献11】米国特許第5,060,671号明細書
【特許文献12】米国特許第5,249,586号明細書
【特許文献13】米国特許第5,388,594号明細書
【特許文献14】米国特許第5,666,977号明細書
【特許文献15】米国特許第6,053,176号明細書
【特許文献16】米国特許第6,164,287号明細書
【特許文献17】米国特許第6,196,218号明細書
【特許文献18】米国特許第6,810,883号明細書
【特許文献19】米国特許第6,854,461号明細書
【特許文献20】米国特許第7,832,410号明細書
【特許文献21】米国特許第7,513,253号明細書
【特許文献22】米国特許第7,726,320号明細書
【特許文献23】米国特許第7,896,006号明細書
【特許文献24】米国特許第6,772,756号明細書
【特許文献25】米国特許出願公開第2009/0095311号明細書
【特許文献26】米国特許出願公開第2006/0196518号明細書
【特許文献27】米国特許出願公開第2009/0126745号明細書
【特許文献28】米国特許出願公開第2009/0188490号明細書
【特許文献29】米国特許出願公開第2009/0272379号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第2009/0260641号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2009/0260642号明細書
【特許文献32】米国特許出願公開第2008/0149118号明細書
【特許文献33】米国特許出願公開第2010/0024834号明細書
【特許文献34】米国特許出願公開第2010/0307518号明細書
【特許文献35】国際公開第2010/091593号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
タバコまたはタバコ由来の材料を電気的に加熱することによって喫煙の味と感覚を生み出す物品は、一貫性のない性能特性に悩まされてきた。したがって、実質的な燃焼無しに、紙巻きタバコ、葉巻、またはパイプ喫煙の感覚を提供することができ、有利な性能特性を備えた喫煙品を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、誘導加熱エアロゾル送達装置と共に使用するためのエアロゾル送達装置およびエアロゾル源部材を提供する。本開示は、限定ではなく、以下の例示的な実施形態を含む。
【0008】
実施例1:その一端に開口部が画定されたハウジングを有する制御本体と、制御本体に配置された共振送信機と、共振送信機を駆動するように構成された制御構成要素と、その少なくとも一部が共振送信機の近くに配置されるように構成されたエアロゾル源部材と、を備え、エアロゾル源部材が、タバコ基材および多数の多孔質サセプタ粒子を含み、多孔質サセプタ粒子には、エアロゾル前駆体組成物が注入される、エアロゾル送達装置。
【0009】
実施例2:多数の多孔質サセプタ粒子の内の少なくとも1つの多孔質サセプタ粒子が、フレーク状、球形、六角形、立方体形、および不規則形から選択される形状を有する、任意の先行する実施例のエアロゾル送達装置、または任意の先行する実施例の任意の組み合わせ。
【0010】
実施例3:多数の多孔質サセプタ粒子の内の少なくとも1つの多孔質サセプタ粒子が、コバルト材料、鉄材料、ニッケル材料、亜鉛材料、マンガン材料、ステンレス鋼材料、セラミック材料、炭化ケイ素材料、炭素材料、およびそれらの組み合わせから選択される材料を含む、任意の先行する実施例のエアロゾル送達装置、または任意の先行する実施例の任意の組み合わせ。
【0011】
実施例4:タバコ基材が押出成形されたタバコ材料を含む、任意の先行する実施例のエアロゾル送達装置、または任意の先行する実施例の任意の組み合わせ。
【0012】
実施例5:タバコ基材が再構成されたタバコシート材料を含む、任意の先行する実施例のエアロゾル送達装置、または任意の先行する実施例の任意の組み合わせ。
【0013】
実施例6:エアロゾル源部材が円筒形を有する、任意の先行する実施例のエアロゾル送達装置、または任意の先行する実施例の任意の組み合わせ。
【0014】
実施例7:タバコ基材がタバコビーズおよびタバコ粉末の内の少なくとも1つを含む、任意の先行する実施例のエアロゾル送達装置、または任意の先行する実施例の任意の組み合わせ。
【0015】
実施例8:エアロゾル源部材がカプセル構成を有する、任意の先行する実施例のエアロゾル送達装置、または任意の先行する実施例の任意の組み合わせ。
【0016】
実施例9:エアロゾル源部材が外側シェルを含み、外側シェルが、ゼラチン材料、セルロース材料、および糖類材料から選択される材料を含む、任意の先行する実施例のエアロゾル送達装置、または任意の先行する実施例の任意の組み合わせ。
【0017】
実施例10:エアロゾル源部材がゲル体構造を有し、多数の多孔質サセプタ粒子がゲル体構造に埋め込まれている、任意の先行する実施例のエアロゾル送達装置、または任意の先行する実施例の任意の組み合わせ。
【0018】
実施例11:誘導加熱エアロゾル送達装置と共に使用するためのエアロゾル源部材であって、タバコ基材と、多数の多孔質サセプタ粒子と、を備え、多数のサセプタ粒子にエアロゾル前駆体組成物が注入される、エアロゾル源部材。
【0019】
実施例12:多数の多孔質サセプタ粒子の内の少なくとも1つの多孔質サセプタ粒子が、フレーク状、球形、六角形、立方体形、および不規則形から選択される形状を有する、任意の先行する実施例のエアロゾル源部材、または任意の先行する実施例の任意の組み合わせ。
【0020】
実施例13:多数の多孔質サセプタ粒子の内の少なくとも1つの多孔質サセプタ粒子が、コバルト材料、鉄材料、ニッケル材料、亜鉛材料、マンガン材料、ステンレス鋼材料、セラミック材料、炭化ケイ素材料、炭素材料、およびそれらの組み合わせから選択される材料を含む、任意の先行する実施例のエアロゾル源部材、または任意の先行する実施例の任意の組み合わせ。
【0021】
実施例14:タバコ基材が押出成形されたタバコ材料を含む、任意の先行する実施例のエアロゾル源部材、または任意の先行する実施例の任意の組み合わせ。
【0022】
実施例15:タバコ基材が再構成されたタバコシート材料を含む、任意の先行する実施例のエアロゾル源部材、または任意の先行する実施例の任意の組み合わせ。
【0023】
実施例16:エアロゾル源部材が円筒形を有する、任意の先行する実施例のエアロゾル源部材、または任意の先行する実施例の任意の組み合わせ。
【0024】
実施例17:タバコ基材がタバコビーズおよびタバコ粉末の内の少なくとも1つを含む、任意の先行する実施例のエアロゾル源部材、または任意の先行する実施例の任意の組み合わせ。
【0025】
実施例18:エアロゾル源部材がカプセル構成を有する、任意の先行する実施例のエアロゾル源部材、または任意の先行する実施例の任意の組み合わせ。
【0026】
実施例19:エアロゾル源部材が外側シェルを含み、外側シェルが、ゼラチン材料、セルロース材料、および単糖類材料から選択される材料を含む、任意の先行する実施例のエアロゾル源部材、または任意の先行する実施例の任意の組み合わせ。
【0027】
実施例20:エアロゾル源部材がゲル体構造を有し、多数の多孔質サセプタ粒子がゲル体構造に埋め込まれている、任意の先行する実施例のエアロゾル源部材、または任意の先行する実施例の任意の組み合わせ。
【0028】
本開示のこれらのおよび他の特徴、態様、および利点は、以下に簡単に説明される添付の図面と共に以下の詳細な説明を読むことから明らかになろう。
【0029】
上記の一般用語で本開示をそのように説明してきたが、ここで、必ずしも縮尺どおりに描かれていない添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本開示の実施例に係る、エアロゾル源部材および制御本体が互いに結合されている、制御本体およびエアロゾル源部材を備えるエアロゾル送達装置の斜視図を示している。
【
図2】本開示の実施例に係る、エアロゾル源部材および制御本体が互いに分離されている、
図1のエアロゾル送達装置の斜視図を示している。
【
図3】本開示の実施例に係るエアロゾル送達装置の正面概略図を示している。
【
図4】本開示の実施例に係るエアロゾル源部材の基材部の概略図を示している。
【
図5】本開示の実施例に係るエアロゾル送達装置の正面概略部分断面図を示している。
【
図6】本開示の実施例に係るエアロゾル源部材の正面概略図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示は、その例示的な実施形態を参照して、以下においてより完全に説明される。これらの例示的な実施形態は、本開示が完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、「the」などは、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。また、本明細書では、量的尺度、値、幾何学的関係などに言及する場合があるが、特に明記しない限り、任意の1つ以上は、これらの全てではないにしても、技術公差などに起因するものなど、発生する可能性のある許容可能な変動を説明するために絶対的または近似的であることがある。
【0032】
以下に記載されるように、本開示の例示的な実施形態は、エアロゾル送達装置に関する。本開示に係るエアロゾル送達装置は、吸入可能物質を形成するために電気エネルギを使用して材料を加熱し(好ましくは材料を有意な程度まで燃焼させることなく)、、そのようなシステムの構成要素は、ハンドヘルド装置と見なすのに十分にコンパクトである最も好ましい物品の形態を有する。すなわち、好ましいエアロゾル送達装置の構成要素の使用は、エアロゾルがタバコの燃焼または熱分解の副産物から主に生じるという意味において煙の生成をもたらさないが、むしろ、それらの好ましいシステムの使用は、内部に組み込まれている特定の成分の揮発または気化から結果として生じる蒸気の生成をもたらす。いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達装置の構成要素は、電子タバコとして特徴付けることができ、それらの電子タバコは、最も好ましくは、タバコおよび/またはタバコに由来する成分を組み込み、したがって、エアロゾル形態のタバコ誘導成分を送達する。
【0033】
特定の好ましいエアロゾル送達装置のエアロゾル生成部品は、そのいずれかの成分のかなりの程度の燃焼を何ら伴わずにタバコを点火して燃焼させることによって(したがって、タバコの煙を吸い込むことによって)使用される紙巻きタバコ、葉巻、またはパイプ喫煙の多くの感覚(例えば、吸入および呼気動作、味または風味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用動作、視認可能なエアロゾルによって提供されるような視覚的手掛かりなど)を提供することができる。例えば、本開示のいくつかの実施例に係るエアロゾル送達装置のユーザは、喫煙者が伝統的な種類の喫煙品を使用するように、その部品を保持して使用し、その部品によって生成されるエアロゾルを吸入するためにその部品の一端を吸引し、選択された時間間隔でタバコを吸うまたはふかす等することができる。
【0034】
本明細書では、システムは、一般に、いわゆる「電子タバコ」または「タバコ加熱製品」などのエアロゾル送達装置に関連する実施形態に関して記載されるが、機構、構成要素、特徴、および方法は、多くの異なる形態で具現化され、様々な物品に関連付けられることができることを理解されたい。例えば、本明細書において提供される説明は、従来の喫煙品(例えば、紙巻きタバコ、葉巻、パイプなど)、非燃焼加熱タバコ、および本明細書に開示される製品のいずれかについての関連するパッケージの実施形態と組み合わせて採用されることができる。したがって、本明細書に開示される機構、構成要素、特徴、および方法の説明は、例としてのみエアロゾル送達装置に関連する実施形態に関して説明され、他の様々な製品および方法において具現化および使用されてもよいことを理解されたい。
【0035】
本開示のエアロゾル送達装置はまた、蒸気生成物品または薬剤送達物品であるとして特徴付けることができる。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で1つ以上の物質(例えば、香味料および/または医薬品または栄養補助食品有効成分)を提供するように構成されることができる。例えば、吸入可能物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点より低い温度で気相にある物質)とすることができる。あるいは、吸入可能物質は、エアロゾル(すなわち、気体中の微細な固体粒子または液滴の懸濁液)の形態とすることができる。簡潔にするために、本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、可視であるかどうか、および煙のように見なすことができる形態であるかどうかにかかわらず、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、ガス、およびエアロゾルを含むことを意味する。吸入可能物質の物理的形態は、本発明の装置の性質によって必ずしも限定されないが、それが蒸気状態またはエアロゾル状態で存在するかどうかに関して媒体および吸入可能物質自体の性質に依存することができる。いくつかの実施形態では、「蒸気」および「エアロゾル」という用語は交換可能とすることができる。したがって、簡単にするために、本開示の態様を説明するために使用される「蒸気」および「エアロゾル」という用語は、特に明記しない限り、交換可能であると理解される。
【0036】
使用中、本開示のエアロゾル送達装置は、従来のタイプの喫煙品(例えば、点火およびタバコの吸入によって使用される紙巻きタバコ、葉巻またはパイプ)を使用する際に個人によって使用される多くの物理的作用に曝されることができる。例えば、本開示のエアロゾル送達装置のユーザは、従来のタイプの喫煙品のようにその物品を保持し、その物品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその物品の一端を吸引し、選択された時間間隔でタバコを吸うなどすることができる。
【0037】
本開示のエアロゾル送達装置は、一般に、ハウジングと称され得る外側本体またはシェル内に設けられた多数の構成要素を含む。外側本体またはシェルの全体設計は、様々なものとすることができ、エアロゾル送達装置の全体サイズおよび形状を画定することができる外側本体の形式または構成は、様々なものとすることができる。通常、タバコまたは葉巻の形状に似た細長の本体は、単一の単一性ハウジングから形成されることができ、または細長ハウジングは、2つ以上の分離可能な本体から形成されることができる。例えば、エアロゾル送達装置は、略管状の形状とすることができ、そのため、従来のタバコまたは葉巻の形状に類似している細長シェルまたは本体を備えることができる。別の例では、エアロゾル送達装置は、実質的に矩形とすることができるか、または実質的に矩形の直方体形状を有することができる(例えば、USBフラッシュドライブと同様)。一例では、エアロゾル送達装置の全ての構成要素は、1つのハウジング内に収容されている。あるいは、エアロゾル送達装置は、接合かつ分離可能な2つ以上のハウジングを備えることができる。例えば、エアロゾル送達装置は、一端に、1つ以上の再利用可能な構成要素(例えば、充電式電池および/または充電式スーパーキャパシタなどのアキュムレータ、ならびにその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を収容するハウジングを備える制御本体を有すると共に、他端に、且つ取り外し可能に連結可能に、使い捨て部分を含む外側本体またはシェル(例えば、エアロゾル前駆体材料、香味料などを含む使い捨て香味料含有カートリッジ)を有することができる。単一のハウジングタイプのユニット内またはマルチピースの分離可能なハウジングタイプのユニット内の構成要素のより具体的な形式、構成および配置は、本明細書において提供される、さらなる開示に照らして明らかであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮すると、様々なエアロゾル送達装置の設計および構成要素の配置を理解することができる。
【0038】
以下でより詳細に記載されるように、本開示のエアロゾル送達装置は、電源(例えば、電力源)と、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、-例えば、マイクロプロセッサ、個別にまたはマイクロコントローラの一部として-電源から物品の他の構成要素への電流の流れを制御することによるなど、発熱のために電力を作動、制御、調整、および停止するための手段)と、ヒータまたは発熱部材(例えば、電気抵抗発熱素子または他の構成要素および/または誘導コイルまたは他の関連する構成要素および/または1つ以上の放射加熱素子)と、十分な熱の印加時にエアロゾルを生成することができる基材部を含むまたは具備するエアロゾル源部材とのいくつかの組み合わせを備える。いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材は、エアロゾル吸入のためにエアロゾル送達装置を吸引できるように構成された口端または先端(例えば、生成されたエアロゾルが、吸引時にそこから引き出されることができるように物品を通る画定された気流経路)を含むことができる。他の実施形態では、制御本体は、エアロゾル吸入のために吸引することを可能にするように構成されたマウスピースを含むことができる。
【0039】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素の整列は変化することができる。特定の実施形態では、エアロゾル源部材またはエアロゾル源部材の基材部は、ユーザへのエアロゾル送達を最大化するように、加熱部材の近くに配置されることができる。しかしながら、他の構成は除外されない。一般に、加熱部材は、加熱部材からの熱がエアロゾル源部材またはエアロゾル源部材の基材部(ならびに、いくつかの実施形態では、同様にユーザへの送達のために提供されることができる1つ以上の香味料、薬剤など)を揮発させ、ユーザへの送達のためのエアロゾルを形成することができるように、エアロゾル源部材またはエアロゾル源部材の基材部の十分近くに配置されることができる。加熱部材がエアロゾル源部材またはエアロゾル源部材の基材部を加熱すると、エアロゾルは、消費者による吸入に適した物理的形態で形成、放出、または生成される。放出(release)、放出(releasing)、放出(releases)、または放出(released)という言及は、形成または生成(form or generate)、形成または生成(forming or generating)、形成または生成(forms or generates)、および形成または生成(formed or generated)を含むように、前述の用語は互換可能であることを意味することに留意されたい。具体的には、吸入可能物質は、蒸気またはエアロゾルまたはそれらの混合物の形態で放出され、そのような用語はまた、特に明記しない限り、本明細書では互換的に使用される。
【0040】
上記のように、様々な実施形態のエアロゾル送達装置は、電源(例えば、電池または他の電力源)を組み込んで、加熱部材への電力供給、誘導コイルへの電力供給、制御システムへの電力供給、インジケータへの電力供給など、エアロゾル送達装置に様々な機能を提供するのに十分な電流を供給することができる。電源は、様々な実施形態をとることができる。好ましくは、電源は、エアロゾル形成を提供するために加熱素子を急速に活性化し、所望の持続時間の使用を通じてエアロゾル送達装置に電力を供給するために十分な電力を送達することができる。電源は、好ましくは、エアロゾル送達装置が容易に取り扱いできるように、エアロゾル送達装置内に都合よく適合するサイズである。さらに、好ましい電源は、望ましい喫煙体験を損なわないように十分に軽量である。
【0041】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素のより具体的な形式、構成および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮すると、様々なエアロゾル送達装置構成要素の選択を理解することができる。さらに、エアロゾル送達装置内の構成要素の配置はまた、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮すると理解されることができる。
【0042】
前述のように、エアロゾル送達装置は、エアロゾル源部材またはエアロゾル源部材の基材部を加熱してエアロゾルを生成するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置は、固体または液体(例えば、ビーズ、細片、ラップ、繊維状シートまたは紙)などの形態の押出成形構造および/または基材、エアロゾル前駆体組成物に関連する基材材料、タバコおよび/またはタバコ由来材料(すなわち、タバコから直接単離された、または合成的に調製されたタバコに天然に見出される材料)を加熱するように構成された加熱式タバコ装置を備えることができる。そのようなエアロゾル送達装置は、いわゆる電子タバコを含むことができる。
【0043】
加熱される基材材料のタイプに関係なく、いくつかのエアロゾル送達装置は、エアロゾル源部材またはエアロゾル源部材の基材部を加熱するように構成された加熱部材を含むことができる。いくつかの装置では、加熱部材は、抵抗加熱部材を備えることができる。抵抗加熱部材は、電流がそこを流れるときに熱を生成するように構成されることができる。そのような加熱部材は、多くの場合、金属材料を含み、そこに電流を流すことに関連する電気抵抗の結果として熱を生成するように構成される。そのような抵抗加熱部材は、エアロゾル源部材またはエアロゾル源部材の基材部の近傍に配置されることができる。あるいは、加熱部材は、固体または半固体のエアロゾル前駆体組成物と接触して配置されてもよい。そのような構成は、エアロゾル源部材またはエアロゾル源部材の基材部を加熱してエアロゾルを生成することができる。固体および半固体のエアロゾル前駆体組成物および製剤の代表的なタイプは、その全てが参照によって本明細書に組み込まれる、Thomasらによる米国特許第8,424,538号明細書、Sebastianらによる米国特許第8,464,726号明細書、Connerらによる米国特許出願公開第2015/0083150号明細書、Ademeらによる米国特許出願公開第2015/0157052号明細書、および2015年6月30日に出願されたNordskogらによる米国特許出願第14/755,205号に開示されている。
【0044】
図示の実施形態では、誘導加熱装置が使用されている。様々な実施において、誘導加熱装置は、共振送信機および共振受信機(例えば、1つ以上のサセプタ)を備えることができる。そのような方法では、エアロゾル送達装置の動作は、共振受信機に渦電流を誘導するために、振動磁場を生成するように共振送信機に交流電流を導くことを必要とすることができる。様々な実施形態において、共振受信機は、エアロゾル源部材またはエアロゾル源部材の基材部の一部とすることができ、および/またはエアロゾル源部材またはエアロゾル源部材の基材部の近傍に配置されることができる。この交流電流は、共振受信機に熱を発生させ、それによってエアロゾル源部材からエアロゾルを生成させる。様々な誘導加熱方法および構成の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「Induction Heated Aerosol Delivery Device」という名称の2017年10月31日に出願された米国特許出願第15/799,365号に記載されている。様々な誘導ベースの制御構成要素および関連する回路のさらなる例は、それぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「Induction-Based Aerosol Delivery Device」という名称の2016年11月15日に出願された米国特許出願第15/352,153号、およびSurらによる米国特許出願公開第2017/0202266号明細書に記載されている。図示の実施形態は単一の共振送信機を記載しているが、他の実施形態では、例えば、セグメント化された誘導加熱装置を有する実施形態など、複数の独立した共振送信機が存在してもよいことに留意されたい。
【0045】
いくつかの実施形態では、制御本体の制御構成要素は、電源によって供給される直流電流を、共振送信機に供給される交流電流に変換するように構成されたインバータまたはインバータ回路を含むことができる。したがって、いくつかの実施形態では、共振送信機(例えば、コイル部材など)およびエアロゾル源部材は、誘導加熱によってエアロゾル源部材またはその一部(例えば、基材部)を加熱するために互いに近接して配置されることができる。以下により詳細に記載されるように、誘導加熱装置の一部は、制御本体に配置されることができ、誘導加熱装置の一部は、エアロゾル源部材に配置されることができる。
【0046】
図1は、本開示の実施例に係るエアロゾル送達装置100を示している。エアロゾル送達装置100は、制御本体102およびエアロゾル源部材104を含むことができる。様々な実施形態において、エアロゾル源部材104および制御本体102は、機能関係において恒久的または取り外し可能に位置合わせさせることができる。これに関して、
図1は、結合した構成のエアロゾル送達装置100を示している一方で、
図2は、分離した構成のエアロゾル送達装置100を示している。様々な機構がエアロゾル源部材104を制御本体102に接続し、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、滑り嵌め、磁気係合などをもたらすことができる。様々な実施形態において、エアロゾル送達装置100の制御本体102は、実質的に棒状、実質的に管状、実質的に矩形または矩形の立方体形状(例えば、USBフラッシュドライブと同様)、または実質的に円筒形とすることができる。他の実施形態では、制御本体は、小さな箱形状、様々なポッドモッド(例えば、オールインワン)形状、またはフォブ形状などの別の手持ち形状を取ることができる。
【0047】
特定の実施形態では、制御本体102およびエアロゾル源部材104の一方または双方は、使い捨てであるか、または再利用可能であると呼ばれることができる。例えば、制御本体102は、交換式電池または充電式電池、固体電池、薄膜固体電池、充電式スーパーキャパシタなどを有することができ、したがって、壁充電器への接続、自動車充電器(すなわち、シガーライターのレセプタクル)への接続、およびユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルまたはコネクタ(例えば、USB 2.0、3.0、3.1、USBタイプC)などを介したコンピュータへの接続、光電池(太陽電池と呼ばれることもある)または太陽電池のソーラーパネルへの接続、誘導無線充電を使用する充電器(例えば、ワイヤレスパワーコンソーシアム(WPC)からのQi無線充電規格に準拠した無線充電を含む)、または無線周波数(RF)ベースの充電器などの無線充電器を含む、任意のタイプの充電技術と組み合わせられることができる。誘導無線充電システムの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Surらによる米国特許出願公開第2017/0112196号明細書に記載されている。さらに、いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材104は、使い捨て装置を含むことができる。制御本体と共に使用するための使い捨て構成要素は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Changらによる米国特許第8,910,639号に開示されている。いくつかの実施形態では、制御本体102は、装置100の充電式電池を充電するために、別個の充電ステーションに挿入および/または結合されることができる。いくつかの実施形態では、充電ステーション自体は、装置100の充電式電池を再充電する充電式電源を含むことができる。
【0048】
エアロゾル源部材104および制御本体102が互いに分離されている、
図1のエアロゾル送達装置100の斜視図を示す
図2を参照すると、いくつかの実施形態のエアロゾル源部材104は、制御本体102に挿入されるように構成された加熱端106と、ユーザがエアロゾルを生成するために吸引する口端108とを備えることができる。様々な実施形態において、加熱端106の少なくとも一部は、基材部110を含むことができる。他の実施形態では、エアロゾル源部材104は、加熱端および/または口端を含む必要がないことに留意されたい。
【0049】
いくつかの実施形態では、基材部110は、タバコ含有ビーズ、タバコ粉末、タバコ片、タバコ細片、再構成タバコ材料、キャストタバコシート、またはそれらの組み合わせ、および/または細かく粉砕されたタバコ、タバコ抽出物、噴霧乾燥タバコ抽出物の混合物、または任意の無機材料(炭酸カルシウムなど)、米粉、トウモロコシ粉、カルボキシメチルセルロース(CMC)、グアーガム、アルギン酸塩、任意の香味料、およびエアロゾル形成材料と混合されて実質的に固体または成形可能な(例えば、押し出し可能な)基材を形成する他のタバコ形態を含むことができる。様々な実施形態では、エアロゾル源部材104またはその一部は、エアロゾル源部材104に追加の構造および/または支持を提供するのに有用な任意の材料から形成されることができるオーバーラップ材料112で包まれることができる。様々な実施において、オーバーラップ材料は、熱伝達に抵抗する材料を含むことができ、これは、紙またはセルロース材料などの他の繊維材料を含むことができる。オーバーラップ材料はまた、繊維材料内に埋め込まれた、または分散された少なくとも1つの充填材料を含むことができる。様々な実施において、充填材料は、水不溶性粒子の形態を有することができる。さらに、充填材料は、無機成分を組み込むことができる。様々な実施形態では、オーバーラップは、下にあるバルク層などの層と、紙巻きタバコの典型的な包装紙などの上にある層とから複数の層に形成されることができる。そのような材料は、例えば、亜麻、麻、サイザル麻、稲わら、および/またはエスパルトなどの軽量の「ぼろきれ繊維」を含むことができる。
【0050】
エアロゾル送達装置100の正面概略図を示す
図3を参照すると、いくつかの実施形態のエアロゾル源部材104の口端108は、例えば、酢酸セルロースまたはポリプロピレン素材から作製されることができるフィルタ114を含むことができる。様々な実施形態において、フィルタ114は、エアロゾル源部材100の口端108の構造的完全性を増加させ、および/または必要に応じて濾過能力を提供し、および/または吸引に対する抵抗を提供することができる。例えば、本発明に係る物品は、17.5cc/秒の空気流で約50から約250mm水圧降下の圧力降下を示すことができる。さらなる実施形態において、圧力降下は、約60mm~約180mm、または約70mm~約150mmとすることができる。圧力降下値は、Filtrona Instruments and Automation Ltdから入手可能なFiltrona Filter Test Station(CTSシリーズ)またはCerulean Division of Molins,PLCから入手可能なQuality Test Module(QTM)を使用して測定されることができる。エアロゾル源部材の口端の長さに沿ったフィルタの厚さは、-例えば、約2mm~約20mm、約5mm~約20mm、または約10mm~約15mmなど、変化することができる。いくつかの実施形態では、フィルタは、オーバーラップから分離されていてもよく、フィルタは、オーバーラップによって所定の位置に保持されていてもよい。いくつかの実施形態では、フィルタは、個別のセグメントを具備することができる。例えば、いくつかの実施形態は、濾過を提供するセグメント、吸引抵抗を提供するセグメント、エアロゾルが冷却するための空間を提供する中空セグメント、構造的完全性の向上を提供するセグメント、他のフィルタセグメント、または上記のいずれか1つまたは任意の組み合わせを含むことができる。
【0051】
本開示においてオーバーラップに使用されることができるオーバーラッピング材料、包装材料成分、および処理された包装材料の例示的なタイプは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Whiteらによる米国特許第5,105,838号明細書、Arzonicoらによる米国特許第5,271,419号明細書、Gentryによる米国特許第5,220,930号明細書、Woodheadらによる米国特許第6,908,874号明細書、Ashcraftらによる米国特許第6,929,013号明細書、Hancockらによる米国特許第7,195,019号明細書、Holmesによる米国特許第7,276,120号明細書、Hancockらによる米国特許第7,275,548号明細書、Fournierらによる国際公開第01/08514号、およびHajaligolらによる国際公開第03/043450号に記載されている。代表的な包装材料は、R.J.Reynolds Tobacco Companyのグレード119、170、419、453、454、456、465、466、490、525、535、557、652、664、672、676および680として、Schweitzer-Maudit Internationalから市販されている。包装材料の気孔率は、変動することができ、頻繁には約5CORESTAユニット~約30,000CORESTAユニットの間であり、大抵の場合には約10CORESTAユニット~約90CORESTAユニットの間であり、頻繁には約8CORESTAユニット~約80CORESTAユニットの間である。
【0052】
オーバーラップを介した放射状(すなわち、外側)の空気浸透によって希釈されることができるエアロゾルおよび香味料の送達を最大化するために、非多孔性タバコ紙の1つ以上の層を使用して、エアロゾル源部材104(オーバーラップの有無にかかわらず)を包むことができる。適切な非多孔性タバコ紙の例は、Kimberly-Clark CorpからKC-63-5、P878-5、P878-16-2および780-63-5として市販されている。好ましくは、オーバーラップは、本発明の物品の使用中に形成された蒸気に対して実質的に不浸透性である材料である。必要に応じて、オーバーラップは、弾力性のある板紙材料、箔で裏打ちされた板紙、金属、ポリマー材料などを含むことができ、この材料は、紙巻きタバコの紙巻きで囲むことができる。オーバーラップは、構成要素に外接するトリッピング紙を含むことができ、必要に応じて、本明細書に別段の記載があるように、エアロゾル源部材にフィルタ材料を取り付けるために使用されることができる。
【0053】
様々な実施形態では、他の構成要素が、基材部110とエアロゾル源部材104の口端108との間に存在することができ、口端108は、フィルタ114を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、以下の1つまたは任意の組み合わせが、基材部と口端との間に配置されることができる:空隙;冷却空気用の相変化材料;香味料放出媒体;選択的化学吸着が可能なイオン交換繊維;濾材としてのエアロゲル粒子;およびその他の適切な材料。
【0054】
上記のように、本開示の様々な実施形態は、エアロゾル源部材またはエアロゾル源部材の基材部を加熱するために誘導加熱装置を使用する。誘導加熱装置は、少なくとも1つの共振送信機および少なくとも1つの共振受信機(以下、サセプタまたは多数のサセプタ粒子とも呼ばれる)を備えることができる。様々な実施形態において、共振送信機および共振受信機の一方または双方は、制御本体および/またはエアロゾル源部材に配置されることができる。以下でより詳細に記載されるように、いくつかの実施形態の基材部は、共振受信機を含むことができる。追加の可能な構成要素の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年10月31日に出願された米国特許出願第15/799,365号に記載されている。
【0055】
図3に戻ると、図示の実施形態の制御本体102は、その係合端に画定された開口部119を含むハウジング118と、フローセンサ120(例えば、パフセンサまたは圧力スイッチ)と、制御構成要素122(例えば、マイクロプロセッサ、個別にまたはマイクロコントローラの一部として、マイクロプロセッサおよび/またはマイクロコントローラなどを含むプリント回路基板(PCB))と、電源124(例えば、再充電可能とすることができる電池、および/または再充電可能なスーパーキャパシタ)と、インジケータ126(例えば、発光ダイオード(LED))を含むことができるエンドキャップと、を備えることができる。
【0056】
可能な電源の例は、Peckerarらによる米国特許第9,484,155号明細書、および2015年10月21日に出願されたSurらによる米国特許出願公開第2017/0112191号明細書に記載されており、その開示は、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。フローセンサ120に関して、代表的な電流調整構成要素、およびエアロゾル送達装置用の様々なマイクロコントローラ、センサ、およびスイッチを含む他の電流制御構成要素は、Gerthらによる米国特許第4,735,217号明細書、全てBrooksらによる米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書、および米国特許第4,947,875号明細書、McCaffertyらによる米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらによる米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらによる米国特許第7,040,314号明細書、およびPanによる米国特許第8,205,622号明細書に記載されており、これらは全て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。また、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Ampoliniらによる米国特許第9,423,152号明細書に記載されている制御スキームも参照されたい。一実施形態では、インジケータ126は、1つ以上の発光ダイオード、量子ドットベースの発光ダイオードなどを具備することができる。インジケータ126は、制御構成要素122と通信することができ、例えば、フローセンサ120によって検出されるように、制御本体102に結合されたときに、ユーザがエアロゾル源部材104を吸引するときに点灯されることができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、入力要素がエアロゾル送達装置に含まれることができる(そして、空気流または圧力センサを置き換えるか、または補足することができる)。ユーザが装置の機能を制御することを可能にするため、および/またはユーザへの情報の出力のために入力を含めることができる。装置の機能を制御するための入力として、任意の構成要素または構成要素の組み合わせを利用することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれるWormらによる米国特許出願公開第2015/0245658号明細書に記載されているように、1つ以上の押しボタンを使用することができる。同様に、タッチスクリーンは、参照により本明細書に組み込まれる、Searsらによる2015年3月10日に出願された米国特許出願第14/643,626号に記載されたように使用されることができる。さらなる例として、エアロゾル送達装置の指定された動きに基づくジェスチャ認識に適合した構成要素を入力として使用してもよい。参照により本明細書に組み込まれる、Henryらによる米国特許出願公開第2016/0158782号明細書を参照されたい。さらに別の例として、静電容量センサがエアロゾル送達装置に実装されて、静電容量センサが実装されている装置の表面に触れることなどによって、ユーザが入力を提供することができるようにすることができる。
【0058】
本開示のエアロゾル送達装置では、さらなる構成要素を利用することができる。例えば、Sprinkelらによる米国特許第5,154,192号明細書は、喫煙品のインジケータを開示しており、Sprinkel,Jr.による米国特許第5,261,424号明細書は、吸引取得に関連するユーザの唇の活動を検出した後に加熱装置の加熱をトリガーするために装置の口端に関連付けることができる圧電センサを開示しており、McCaffertyらによる米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを通じた圧力降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギの流れを制御するためのパフセンサを開示しており、Harrisらによる米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過率の不均一性を検出する識別子と、構成要素がレセプタクルに挿入されるときに検出ルーチンを実行するコントローラとを含む喫煙装置内のレセプタクルを開示しており、Fleischhauerらによる米国特許第6,040,560号明細書は、複数の差動位相を有する定義済みの実行可能パワーサイクルについて記載しており、Watkinsらによる米国特許第5,934,289号明細書は、フォトニック-オプトロニック構成要素を開示しており、Countsらによる米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙装置を介して吸引抵抗を変更するための手段を開示しており、Blakeらによる米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙装置で使用するための特定の電池構成を開示しており、Griffenらによる米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙装置で使用するための様々な充電システムを開示しており、Fernandoらによる米国特許第8,402,976号明細書は、充電を容易にして装置のコンピュータ制御を可能にするための喫煙装置用のコンピュータインターフェース手段を開示しており、Fernandoらによる米国特許第8,689,804号明細書は、喫煙装置の識別システムを開示しており、Flickによる国際公開第2010/003480号は、エアロゾル生成システムのパフを示す流体フロー検知システムを開示しており、前述の開示の全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0059】
他の適切な電流作動/非作動機構は、温度作動オン/オフスイッチまたはリップ圧力作動スイッチ、またはユーザ(例えば、ユーザの口または指)とエアロゾル送達装置の1つ以上の表面との間の接触を感知するように構成されたタッチセンサ(例えば、静電容量式タッチセンサ)を含むことができる。そのようなパフ作動機能を提供できる機構の例は、イリノイ州フリーポートのHoneywell,Inc.のマイクロスイッチ部門によって製造されたモデル163PC01D36シリコンセンサを含む。そのようなセンサを使用すると、消費者が装置を吸引するときの圧力の変化によって、加熱部材が急速に作動することができる。さらに、熱線風速計の原理を使用するものなどの流れ感知装置を使用して、空気流の変化を感知した後、加熱アセンブリに十分に迅速にエネルギを与えることができる。使用できるさらなるパフ作動スイッチは、フロリダ州フォートローダーデールのMicro Pneumatic Logic,Inc.からのモデル番号MPL-502-V、範囲Aなどの圧力差スイッチである。別の適切なパフ作動機構は、所定の閾値圧力を検出するためのコンパレータと結合された高感度圧力変換器(例えば、増幅器または利得段を備えるもの)である。さらに別の適切なパフ作動機構は、空気流によって偏向されるベーンであり、そのベーンの動きは、動き感知手段によって検出される。さらに別の適切な作動機構は、圧電スイッチである。また、イリノイ州フリーポートのHoneywell,Inc.のマイクロスイッチ部門からの、適切に接続されたHoneywell MicroSwitch Microbridge空気流センサ、部品番号AWM 2100Vも有用である。本開示に係る加熱回路で使用されることができるデマンド操作電気スイッチのさらなる例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Gerthらによる米国特許第4,735,217号明細書に記載されている。他の適切な差動スイッチ、アナログ圧力センサ、流量センサなどは、本開示の知識を有する当業者にとって明らかであろう。いくつかの実施形態では、吸引中の圧力変化がスイッチによって容易に識別されるように、パフ作動スイッチとエアロゾル源部材との間の流体接続を提供する圧力感知管または他の通路がハウジングに含まれることができる。本開示にしたがって有用とすることができる他の例示的なパフ作動装置は、全てBrooksらによる米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書、および米国特許第4,947,874号明細書、McCaffertyらによる米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらによる米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらによる米国特許第7,040,314号明細書、およびPanによる米国特許第8,205,622号明細書に開示されており、これらは全て参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0060】
電子エアロゾル送達物品に関連する構成要素および本物品で使用することができる開示材料または構成要素のさらなる例は、Gerthらによる米国特許第4,735,217号明細書、Morganらによる米国特許第5,249,586号明細書、Higginsらによる米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらによる米国特許第6,053,176号明細書、Whiteによる米国特許第6,164,287号明細書、Vogesによる米国特許第6,196,218号明細書、Felterらによる米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsによる米国特許第6,854,461号明細書、Honによる米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiによる米国特許第7,513,253号明細書、Hamanoによる米国特許第7,896,006号明細書、Shayanによる米国特許第6,772,756号明細書、Honによる米国特許第8,156,944号明細書および米国特許第8,375,957号明細書、Thorensらによる米国特許第8,794,231号明細書、Oglesbyらによる米国特許第8,851,083号明細書、Monseesらによる米国特許第8,915,254号明細書および米国特許第8,925,555号明細書、DePianoらによる米国特許第9,220,302号明細書、Honによる米国特許出願公開第2006/0196518号明細書および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書、Oglesbyらによる米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangによる米国特許出願公開第2010/0307518号明細書、Honによる国際公開第2010/091593号、およびFooによる国際公開第2013/089551号パンフレットを含み、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、米国特許出願公開第2017/0099877号明細書は、エアロゾル送達装置およびエアロゾル送達装置用のフォブ形状構成に含まれることができるカプセルを開示しており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。前述の文献によって開示された様々な材料は、様々な実施形態において本装置に組み込まれることができ、前述の開示の全ては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0061】
上記のように、図示された実施形態の加熱部材は、誘導加熱装置を備える。したがって、一般に、
図3に示される実施形態の制御本体102は、共振送信機を含み、エアロゾル源部材104は、これと一体となってエアロゾル源部材104(例えば、基材部110)の少なくとも一部の加熱を容易にする共振受信機(例えば、1つ以上のサセプタ)を含む。様々な実施形態において、共振送信機および/または共振受信機は、様々な形態を取ることができるが、
図3に示される特定の実施形態において、共振送信機は、いくつかの実施において、支持シリンダ129を取り囲むことができるらせんコイル128を備え、他の実施形態では、支持シリンダは必要ない。様々な実施形態において、共振送信機は、例えば、銀、金、アルミニウム、真鍮、亜鉛、鉄、ニッケル、およびそれらの合金、導電性セラミック、例えば、イトリウムドープジルコニア、酸化インジウムスズ、イットリウムドープチタン酸塩など、および上記の任意の組み合わせを含む1つ以上の導電性材料から作製されることができる。図示の実施形態では、らせんコイル128は、銅などの導電性金属材料から作製される。さらなる実施形態において、らせんコイルは、非導電性の絶縁カバー/ラップ材料を含むことができる。そのような材料は、例えば、低温用途に役立ちうるエポキシ、シリコンゴムなどの1つ以上のポリマー材料、または高温用途に役立ち得るガラス繊維、セラミック、耐火材料などを含むことができる。
【0062】
図示のように、共振送信機128は、ハウジング118の係合端の近くまで延在することができ、基材部110を含むエアロゾル源部材104の加熱端106の部分を実質的に取り囲むように構成されることができる。そのような方法で、図示された実施形態のらせんコイル128は、一般に管状構成を画定することができる。いくつかの実施形態では、支持シリンダ129はまた、管状構成を画定することができ、らせんコイル128が基材部110と接触しないように、らせんコイル128を支持するように構成されることができる。したがって、支持シリンダ129は、らせんコイル128によって生成される振動磁場に対して実質的に透過的とすることができる非導電性材料を含むことができる。様々な実施形態では、らせんコイル128は、支持シリンダ129に埋め込まれるか、そうでなければ結合されることができる。図示の実施形態では、らせんコイル128は、支持シリンダ129の外面と係合しているが、他の実施形態では、コイルは、支持シリンダの内面に配置されるか、支持シリンダに完全に埋め込まれるか、または他の何らかの構成を有することができる。
【0063】
図4は、本開示の実施形態例に係る、エアロゾル源部材104の基材部110の概略図を示している。図示の実施形態では、基材部110は、タバコ基材130と、誘導加熱装置の共振受信機を構成する多数の多孔質サセプタ粒子132とを含む。図示の実施形態では、タバコ基材130は、押出成形されたタバコ構造を含む。例えば、いくつかの実施形態では、押出成形された構造は、タバコ、タバコ関連材料、グリセリン、水、結合剤材料、および/または、例えば、炭酸カルシウム、米粉、トウモロコシ粉などの充填剤および固化剤の1つ以上を含むことができるか、または本質的にそれらから構成されることができる。様々な実施において、適切な結合剤材料は、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸カリウム、およびアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩を含むことができる。アルギン酸塩、特に高粘度アルギン酸塩は、制御されたレベルの遊離カルシウムイオンと組み合わせて使用することができる。他の適切な結合剤材料は、Aqualon Co.からのKlucel Hなどのヒドロキシプロピルセルロース、The Dow Chemical Co.からのMethocel K4MSなどのヒドロキシプロピルメチルセルロース、Aqualon Co.からのNatrosol 250 MRCSなどのヒドロキシエチルセルロース、FMCからのAvicelなどの微結晶性セルロース、The Dow Chemical Co.からのMethocel A4Mなどのメチルセルロース、およびHercules Inc.からのCMC 7HFおよびCMC 7H4Fなどのナトリウムカルボキシメチルセルロースを含む。さらに他の可能な結合剤材料は、デンプン(例えば、トウモロコシ粉)、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、ペクチンおよびキサンタンガムを含む。いくつかの実施形態では、2つ以上の結合剤材料の組み合わせまたはブレンドを使用することができる。結合剤材料の他の例は、例えば、Jakobらによる米国特許第5,101,839号明細書、およびRakerらによる米国特許第4,924,887号明細書に記載されており、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、結合剤材料(例えば、プロピレングリコールアルギネート)の一部として提供されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、結合剤材料は、タバコまたは他のバイオマスに由来するナノセルロースを含むことができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、タバコ基材は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Stoneらによる米国特許出願公開第2012/0042885号明細書に記載されているように、押出成形された材料を含むことができる。さらに別の実施形態では、タバコ基材は、マルマライズされたおよび/またはマルマライズされていないタバコから形成された押出成形構造および/または基材を含むことができる。マルマライズされたタバコは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Banerjeeらによる米国特許第5,105,831号明細書から知られている。マルマライズされたタバコは、粉末形態の約20~約50パーセント(重量で)のタバコブレンドと、グリセロール(約20~約30パーセントの重量で)、炭酸カルシウム(一般に約10~約60重量パーセントで、大抵の場合に約40~約60重量パーセントで)を、本明細書に記載の結合剤および/または香味料と共に含む。様々な実施形態において、押出成形された材料は、1つ以上の長手方向の開口部135を有することができる。他の実施形態では、押出成形された材料は、2つ以上のセクター、例えば、ワゴンホイールのような断面を有する押出成形物を有することができる。
【0065】
追加的にまたは代替的に、タバコ基材は、押出成形構造および/またはタバコ、グリセリン、水、および/または結合剤材料を含むか、または本質的にそれらから構成される基材を含むことができ、さらに、エアロゾル生成プロセス全体に亘ってその構造を実質的に維持するように構成される。すなわち、タバコ基材は、エアロゾル生成プロセス全体を通してその形状を実質的に維持するように構成されることができる(例えば、基材材料は、加えられた剪断応力下で継続的に変形しない)。そのような例示的なタバコ基材は、液体および/またはいくらかの水分含有量を含むことができるが、タバコ基材は、エアロゾル生成プロセスを通して実質的に固体のままとすることができ、エアロゾル生成プロセスを通して構造的完全性を実質的に維持することができる。実質的に固体のタバコ基材に適している可能性のあるタバコおよび/またはタバコ関連材料の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Ademeらによる米国特許出願公開第2015/0157052号明細書、Searsらによる米国特許出願公開第2015/0335070号明細書、Whiteによる米国特許第6,204,287号明細書、およびHearnらによる米国特許第5,060,676号明細書に記載されている。
【0066】
他の実施形態では、タバコ基材は、カットフィラー形態の風味豊かな芳香族タバコのブレンドを含むことができる。別の実施形態では、タバコ基材は、Pryorらによる米国特許第4,807,809号明細書、Pryorらによる米国特許第4,889,143号明細書、およびRakerによる米国特許第5,025,814号明細書に記載されているような再構成されたタバコ材料を含むことができ、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、再構成されたタバコ材料は、Chemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988年)に記載されている種類の紙巻きタバコ用の再構成されたタバコ紙を含むことができ、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、再構成されたタバコ材料は、タバコおよび/またはタバコ関連材料を含むシート状材料を含むことができる。したがって、いくつかの実施形態では、タバコ基材は、再構成されたタバコ材料の巻かれたロールから形成されることができる。別の実施形態では、タバコ基材は、再構成されたタバコ材料の細片、ストリップなどから形成されることができる。別の実施形態では、タバコシートは、再構成されたタバコ材料の圧着シートを含むことができる。いくつかの実施形態では、タバコ基材は、熱伝導成分を含む場合も含まない場合もある、重なり合う層(例えば、集積ウェブ)を含むことができる。繊維状充填材、エアロゾル形成材料、および複数の熱伝導性構成要素によって形成された初期基材シートの一連の重なり合う層(例えば、集積ウェブ)を含むタバコ基材の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「Heat Conducting Substrate For Electrically Heated Aerosol Delivery Device」という名称の、2018年2月26日に出願された米国特許出願第15/905,320号に記載されている。
【0067】
いくつかの実施形態では、タバコ基材は、タバコ関連材料を有する多数のマイクロカプセル、ビーズ、顆粒などを含むことができる。例えば、代表的なマイクロカプセルは、形状が一般に球形とすることができ、タバコ由来の抽出物および/または同様のものの液体中心領域を含む外側カバーまたはシェルを有することができる。いくつかの実施形態では、タバコ基材は、それぞれが中空の円筒形に形成された多数のマイクロカプセルを含むことができる。いくつかの実施形態では、タバコ基材は、中空円筒形に形成された多数のマイクロカプセルの構造的形状および/または完全性を維持するように構成された結合剤材料を含むことができる。
【0068】
1つ以上のタバコ基材に使用されるタバコは、煙道硬化タバコ、バレー種タバコ、オリエンタルタバコ、メリーランドタバコ、ダークタバコ、ダークファイアタバコおよびルスティカタバコなどのタバコ、ならびに他の希少または特殊なタバコ、またはそれらのブレンドを含むことができるか、またはそれらに由来することができる。様々な代表的なタバコの種類、加工された種類のタバコ、およびタバコのブレンドの種類は、Lawsonらによる米国特許第4,836,224号明細書、Perfettiらによる米国特許第4,924,888号明細書、Brownらによる米国特許第5,056,537号明細書、Brinkleyらによる米国特許第5,159,942号明細書、Gentryによる米国特許第5,220,930号明細書、Blakleyらによる米国特許第5,360,023号明細書、Shaferらによる米国特許第6,701,936号明細書、Dominguezらによる米国特許第6,730,832号明細書、Liらによる米国特許第7,011,096号明細書、Liらによる米国特許第7,017,585号明細書、Lawsonらによる米国特許第7,025,066号明細書、Perfettiらによる米国特許出願公開第2004/0255965号明細書、Beremanによる国際公開第02/37990号パンフレット、およびBombickら,Fund.Appl.Toxicol.,39,p.11-17(1997年)に記載されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
様々な実施形態において、タバコ基材は、そこで利用される様々な量の材料に基づいて、様々な構造をとることができる。例えば、サンプルのタバコ基材は、最大約98重量%、最大約95重量%、または最大約90重量%のタバコおよび/またはタバコ関連材料を含むことができる。サンプルタバコ基材はまた、最大約25重量%、約20重量%、または約15重量%の水、特に約2重量%から約25重量%、約5重量%から約20重量%、または約7重量%から約15重量%の水を含むことができる。香味料など(例えば、ニコチンなどの薬剤を含む)は、エアロゾル送達成分の最大約10重量%、最大約8重量%、または最大約5重量%を構成することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、難燃性/燃焼抑制材料および他の添加剤がタバコ基材内に含まれることができ、有機リン化合物、ホウ砂、水和アルミナ、グラファイト、トリポリリン酸カリウム、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、およびポリオールを含むことができる。窒素含有ホスホン酸塩、リン酸モノアンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸エタノールアンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、ハロゲン化有機化合物、チオ尿素、および酸化アンチモンなどの他のものも適しているが、好ましい薬剤ではない。タバコ基材および/または他の構成要素(単独で、または互いにおよび/または他の材料と組み合わせて)で使用される難燃性、燃焼遅延性、および/またはスコーチ遅延性材料の各態様において、望ましい特性は、最も好ましくは、望ましくないガス放出または溶融タイプの動作無しで提供される。他の例は、リン酸二アンモニウムおよび/または発火、熱分解、燃焼、および/または熱源による基材材料の焦げ付きを防止するのを助けるように構成された別の塩を含む。タバコを喫煙品、特にそれらの喫煙品内の実質的に全てのタバコを意図的に燃焼させないように設計された喫煙品に組み込むための様々な方法および方法は、Brooksらによる米国特許第4,947,874号明細書、Cantrellらによる米国特許第7,647,932号明細書、Robinsonらによる米国特許第8,079,371号明細書、Banerjeeらによる米国特許第7,290,549号明細書、およびCrooksらによる米国特許出願公開第2007/0215167号明細書に記載されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
本開示の他の実施形態によれば、タバコ基材はまた、タバコ製品の製造に伝統的に使用されているタイプのタバコ添加物を組み込んでもよい。それらの添加剤は、葉巻、紙巻きタバコ、パイプなどの製造に使用されるタバコの風味および芳香を増強するために使用される種類の材料を含むことができる。例えば、それらの添加剤は、様々な紙巻きタバコケーシングおよび/またはトップドレッシング成分を含むことができる。例えば、Wochnowskiによる米国特許第3,419,015号明細書、Berndtらによる米国特許第4,054,145号明細書、Burcham,Jr.らによる米国特許第4,887,619号明細書、Watsonによる米国特許第5,022,416号明細書、Strangらによる米国特許第5,103,842号明細書、およびMartinによる米国特許第5,711,320号明細書を参照されたい。それらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。好ましいケーシング材料は、水、糖およびシロップ(例えば、スクロース、グルコースおよび高フルクトースコーンシロップ)、保湿剤(例えば、グリセリンまたはプロピレングリコール)、および香味料(例えば、ココアおよび甘草)を含むことができる。それらの追加された成分はまた、トップドレッシング材料(例えば、メントールなどの香味材料)を含むことができる。例えば、Maysらによる米国特許第4,449,541号明細書を参照されたい。その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。追加される可能性のあるさらなる材料は、Lawsonらによる米国特許第4,830,028号明細書およびMarshallらによる米国特許第8,186,360号明細書に開示されているものを含み、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0072】
喫煙品の主流エアロゾルの感覚的または官能的特性または性質を変える多種多様なタイプの香味料または材料が、使用されるのに適している場合がある。いくつかの実施形態では、そのような香味料は、タバコ以外の供給源から提供されてもよく、天然または本来は人工物であってもよい。例えば、いくつかの香味料は、タバコ基材および/またはエアロゾルが生成される喫煙品のそれらの領域に適用されるか、またはそれらの中に組み込まれることができる。いくつかの実施形態では、そのような薬剤は、熱源に最も近い加熱キャビティまたは領域に直接供給されてもよく、または基材材料と共に提供されてもよい。香味料の例は、例えば、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、果物(例えば、リンゴ、チェリー、イチゴ、桃、およびライムとレモンを含む柑橘類の香味料)、メープル、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、ジンジャー、ハチミツ、アニス、セージ、シナモン、ビャクダン、ジャスミン、カスカリーラ、ココア、甘草、ならびに紙巻きタバコ、葉巻、およびパイプタバコの香味料に伝統的に使用されているタイプおよび特性の香味料および香味料パッケージを含むことができる。高果糖コーンシロップなどのシロップも使用するのに適している場合がある。
【0073】
香味料はまた、酸性または塩基性の特性(例えば、レブリン酸、コハク酸、ピルビン酸、および安息香酸などの有機酸)を含むことができる。いくつかの実施形態では、香味料は、必要に応じて、タバコ基材の要素と組み合わせ可能とすることができる。適切とすることができる例示的な植物由来の組成物は、双方ともDubeらによる米国特許第9,107,453号明細書および米国特許出願公開第2012/0152265号明細書に開示されており、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるような官能特性を含む、タバコ材料と組み合わせてその感覚特性に影響を与えるのに有用とすることができる香料、ケーシングなどの任意の材料は、タバコ基材と組み合わせることができる。有機酸は、特に、タバコ基材に組み込むことができ、タバコ基材と組み合わせることができる可能性があるニコチンなどの薬剤の風味、感覚、または官能特性に影響を与えることができる可能性がある。例えば、レブリン酸、乳酸、およびピルビン酸などの有機酸は、ニコチンと等モル(総有機酸含有量に基づく)までの量でニコチンを含む基材材料に含まれてもよい。有機酸の任意の組み合わせが適切とすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、タバコ基材は、存在する有機酸の総量が基材材料に存在するニコチンの総量と等モルである濃度まで、ニコチン1モルあたり約0.1~約0.5モルのレブリン酸、ニコチン1モルあたり約0.1~約0.5モルのピルビン酸、ニコチン1モルあたり約0.1~約0.5モルの乳酸、またはそれらの組み合わせを含むことができる。タバコ基材を製造するために使用することができる有機酸の様々な追加の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Dullらによる米国特許出願公開第2015/0344456号明細書に記載されている。
【0074】
そのようなさらなる構成要素の選択は、喫煙品に望まれる感覚特性などの要因に基づいて可変であり、本開示は、タバコおよびタバコ関連またはタバコ由来の製品の当業者にとって容易に明らかである、そのようなさらなる構成要素を包含することを意図する。例えば、Gutcho、Tobacco Flavoring Substances and Methods、Noyes Data Corp.(1972年)およびLeffingwellら、Tobacco Flavoring for Smoking Products(1972年)を参照されたい。これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0075】
いくつかの実施形態では、タバコ基材は、様々な固有の特徴または特性を有する他の材料を含むことができる。例えば、タバコ基材は、レーヨンの形態の可塑化材料または再生セルロースを含むことができる。別の例として、シリカを組み込んだ再生セルロース製品であるビスコース(VISIL(R)として市販されている)が適している場合がある。一部の炭素繊維は、少なくとも95%以上の炭素を含むことがある。同様に、綿などの天然セルロース繊維が適していることがあり、難燃性を高め、オフガス、風味への悪影響を有するであろう特に望ましくないオフガス成分の発生を最小限に抑える(特にいかなる有毒なオフガス製品の可能性も最小限に抑える)ために、シリカ、カーボン、または金属粒子が注入またはその他の方法で処理されることができる。綿は、例えばホウ酸または様々な有機リン酸塩化合物で処理可能であり、浸漬、噴霧、または当該技術分野において知られている他の技術によって望ましい難燃特性を提供することができる。これらの繊維はまた、望ましくないオフガスや溶融タイプの動作無しに、難燃性の望ましい特性を付与するために、有機または金属ナノ粒子によって処理可能(コーティング、注入、またはその双方など)とすることができる。
【0076】
図4に戻ると、上記のように、図示の実施形態のエアロゾル源部材104の基材部110は、共振受信機を構成する多数の多孔質サセプタ粒子132を含む。様々な実施形態において、多数の多孔質サセプタ粒子132は、様々な形状、サイズ、および材料を有することができ、これらは、いくつかの実施形態において、同じ基材部内で組み合わされることができる。例えば、いくつかの実施形態では、多数の多孔質サセプタ粒子132の内の1つ以上は、フレーク状の形状、略球形、略六角形形状、略立方体形状、不規則形状(例えば、異なる寸法の1つ以上の(例えば、複数の)側面を有する形状など)、またはそれらの任意の組み合わせを有することができる。さらに、基材部110内のサセプタ粒子132のパーセンテージは、基材部ごとに変化することができる。図示の実施形態では、基材部110の総体積の関数としてのサセプタ粒子132のパーセンテージは、約5%~約35%の包括的範囲内とすることができる。しかしながら、他の実施形態では、サセプタ粒子のパーセンテージは、この範囲よりも低くてもよく、さらに他の実施形態では、サセプタ粒子のパーセンテージは、この範囲よりも高くてもよい。
【0077】
様々な実施形態において、多数の多孔質サセプタ粒子132は、コバルト、鉄、ニッケル、亜鉛、マンガン、およびそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない強磁性材料を含むことができる。さらなる実施形態では、多数の多孔質サセプタ粒子132は、例えば、アルミニウムまたはステンレス鋼などの他の多孔質金属材料、ならびに炭化ケイ素、炭素材料などのセラミック材料、および上述した材料のいずれかの任意の組み合わせを含む他の材料を含むことができる。さらに他の実施形態では、多数の多孔質サセプタ粒子は、銅などの金属、導電性材料の合金、または1つ以上の導電性材料が埋め込まれた他の材料を含む他の導電性材料を含むことができる。様々な実施形態において、多孔質サセプタ粒子のサイズは変動することができるが、いくつかの実施形態において、多数の多孔質サセプタ粒子の内の1つ以上は、約100ミクロン(0.1mm)~約2mmの包括的範囲の直径を有することができる。
【0078】
図示の実施形態では、制御構成要素122によって(例えば、ドライバ回路を介して)電源124から導かれたらせんコイル128(すなわち、共振送信機)の電流の変化は、多数の多孔質サセプタ粒子132(すなわち、共振受信機)を貫通し、それにより、多数のサセプタ粒子132内に渦電流を生成する交番電磁場を生成することができる。交番電磁場は、交流をらせんコイル128に導くことによって生成されることができる。上記のように、いくつかの実施形態では、制御構成要素122は、電源によって供給される直流を共振送信機に供給される交流に変換するように構成されたインバータまたはインバータ回路を含むことができる。
【0079】
多数の多孔質サセプタ粒子132を流れる渦電流は、ジュール効果によって熱を発生させることができ、生成される熱の量は、電流の二乗に多数の多孔質サセプタ粒子132の材料の電気抵抗を掛けたものに比例する。多数の多孔質サセプタ粒子132が強磁性材料を含む実施の場合、熱はまた、磁気ヒステリシス損失によって生成され得る。これらに限定されるものではないが、らせんコイル128に対する近接性、磁場の分布、多数の多孔質サセプタ粒子132の材料の電気抵抗率、飽和磁束密度、表皮効果または深さ、ヒステリシス損失、磁化率、透磁率、および材料の双極子モーメントを含む、いくつかの要因が多数の多孔質サセプタ粒子132の温度上昇に寄与する。
【0080】
これに関して、および上記のように、多数の多孔質サセプタ粒子132およびらせんコイル128の双方は、導電性材料を含むことができる。例として、らせんコイル128および/または多数のサセプタ粒子132は、銅およびアルミニウムなどの金属、導電性材料の合金(例えば、反磁性、常磁性、または強磁性材料)または1つ以上の導電性材料が埋め込まれたセラミックもしくはガラスなどの他の材料などの様々な導電性材料を含むことができる。別の実施形態では、共振受信機は、導電性粒子を含むことができる。いくつかの実施形態では、共振受信機は、熱伝導性パッシベーション層(例えば、ガラスの薄層)でコーティングされるか、そうでなければそれを含むことができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材104に含まれる多数の多孔質サセプタ粒子132は、追加の/代替の共振受信機で補足されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、装置100の制御本体102は、例えば、エアロゾル源部材104の加熱端のほぼ半径方向の中心に配置されることができる受信機プロングなどの別個の共振受信機を含むことができる。適切な構成要素の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年10月31日に出願された米国特許出願第15/799,365号に記載されている。
【0082】
図示の実施形態では、多数の多孔質サセプタ粒子132は、エアロゾル前駆体組成物が多数の多孔質サセプタ粒子132の細孔の少なくとも一部を占めるように、エアロゾル前駆体組成物が注入される(例えば、充填、飽和、浸透、ドープ、充填など)。様々な実施形態において、多数の多孔質サセプタ粒子132は、例えば、浸漬および/または真空浸透を含む、様々な異なる方法で注入されることができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、例えば、プロピレングリコール、グリセリンなどの1つ以上の保湿剤を含むことができる。様々な実施形態において、エアロゾル送達装置内で使用されるエアロゾル前駆体組成物の量は、エアロゾル送達装置が許容可能な感覚的および官能的特性、ならびに望ましい性能特性を示すようなものとすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、エアロゾル前駆体組成物(例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコールなど)は、多くの点でタバコの煙の外観に似ている、目に見える主流エアロゾルの生成を提供するために、多数のサセプタ粒子132内で使用されることができる。例えば、喫煙品の基材材料に組み込まれるエアロゾル前駆体組成物の量は、約4.5グラム以下、3.5グラム以下、約3グラム以下、約2.5グラム以下、約2グラム以下、約1.5グラム以下、約1グラム以下、または約0.5グラム以下の範囲とすることができる。しかしながら、他の実施形態では、これらの範囲外の値が可能であることに留意されたい。
【0083】
さらなるエアロゾル前駆体組成物の代表的なタイプは、Sensabaugh,Jrらによる米国特許第4,793,365号明細書、Jakobらによる米国特許第5,101,839号明細書、Biggsらによる国際公開第98/57556号、およびChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988年)に記載されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの態様において、エアロゾル源部材は、それに十分な熱を加えると(そして必要に応じて空気で冷却すると)目に見えるエアロゾルを生成することができ、エアロゾル源部材は、「煙のような」エアロゾルを生成することができる。他の態様では、エアロゾル源部材は、実質的に見えないが、香味料またはテクスチャなどの他の特性によって存在すると認識されるエアロゾルを生成することができる。したがって、生成されるエアロゾルの性質は、エアロゾル送達構成要素の特定の構成要素に応じて変動することができる。様々な実施形態において、エアロゾル源部材は、タバコを燃焼させることによって生成される煙の化学的性質に比べて化学的に単純とすることができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、蒸気前駆体組成物または「e-リキッド」とも呼ばれるエアロゾル前駆体組成物は、例として、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、またはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物、および/または香味料を含む様々な成分を含んでもよい。いくつかの可能なタイプのエアロゾル前駆体成分および製剤は、これらの開示が参照により本明細書に組み込まれる、Robinsonらによる米国特許第7,217,320号明細書およびZhengらによる米国特許出願公開第2013/0008457号明細書;Chongらによる米国特許出願公開第2013/0213417号明細書;Collettらによる米国特許出願公開第2014/0060554号明細書;Lipowiczらによる米国特許出願公開第2015/0020823号明細書;およびKollerによる米国特許出願公開第2015/0020830号明細書、ならびにBowenらによる国際公開第2014/182736号パンフレットに記載されて特徴付けられる。使用できる他のエアロゾル前駆体は、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)製品、Fontem Ventures B.V.によるBLU(TM)製品、Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOL製品、Nu Mark LLCによるMARK TEN製品、Juul Labs,Inc.によるJUUL製品、およびCN Creative LtdによるVYPE製品に組み込まれたエアロゾル前駆体を含む。また、Johnson Creek Enterprises LLC.から入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も可能である。可能なエアロゾル前駆体組成物のさらに別の例は、BLACK NOTE、COSMIC FOG、THE MILKMAN E-LIQUID、FIVE PAWNS、THE VAPOR CHEF、VAPE WILD、BOOSTED、THE STEAM FACTORY、MECH SAUCE、CASEY JONES MAINLINE RESERVE、MITTEN VAPORS、DR.CRIMMY’S V-LIQUID、SMILEY E LIQUID、BEANTOWN VAPOR、CUTTWOOD、CYCLOPS VAPOR、SICBOY、GOOD LIFE VAPOR、TELEOS、PINUP VAPORS、SPACE JAM、MT.BAKER VAPOR、およびJIMMY THE JUICE MANのブランド名で販売されている。
【0085】
エアロゾル源部材内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品が許容可能な感覚特性および望ましい性能特性を提供するようなものである。例えば、タバコの煙の外観に多くの点で似ている、目に見える主流エアロゾルの生成を提供するために、十分な量のエアロゾル形成材料が使用されることが望ましい。エアロゾル生成システム内のエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品ごとに望ましいパフの数などの要因に依存する場合がある。1つ以上の実施形態では、約0.5ml以上、約1ml以上、約2ml以上、約5ml以上、または約10ml以上のエアロゾル前駆体組成物が含まれることができる。
【0086】
したがって、図示の実施形態の多数の多孔質サセプタ粒子132は、らせんコイル128によって加熱されることができる。多数の多孔質サセプタ粒子132によって生成された熱は、エアロゾルを放出し、基材部110(例えば基材部110のタバコ基材130)を加熱し、これはまた、エアロゾルを放出することができる。様々な実施形態において、エアロゾル源部材104の口端108は、ユーザによって口端に加えられた吸引に応答して、それを通して生成されたエアロゾルの組み合わせを受け取るように構成される。前述のように、いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材104の口端108は、エアロゾル源部材104の口端108に加えられた吸引に応答してエアロゾルを、それを通して受け取るように構成されたフィルタ114を含むことができる。好ましくは、基材材料110の要素は、有意な程度までの熱分解(例えば、炭化、焦げ、または燃焼)を経験せず、エアロゾル化された成分は、フィルタ(存在する場合)を含むエアロゾル送達装置100を通して引き込まれる空気中に、およびユーザの口に同伴される。
【0087】
図5は、本開示の別の実施例に係るエアロゾル送達装置200の正面概略部分断面図を示している。様々な実施形態において、エアロゾル送達装置200は、制御本体202およびエアロゾル源部材204を含むことができる。
図6は、
図5のエアロゾル源部材204の正面概略図を示している。以下により詳細に記載されるように、図示の実施形態のエアロゾル源部材204は、エアロゾル源部材204および制御本体202が機能関係で配置されることができる外側シェルを有するカプセル構成を備える。これに関して、
図5は、エアロゾル源部材204が制御本体202の端部の内側に挿入されている、結合構成のエアロゾル送達装置200を示している。
図1~
図4に示されるエアロゾル源部材104は、加熱端106および口端108を含み、加熱端106は、制御本体102に挿入されるが、
図5および
図6の実施形態では、エアロゾル源部材204の全てまたは実質的に全ては、エアロゾル送達装置200の制御本体202に挿入されるように構成される。したがって、図示の実施形態のエアロゾル送達装置200は、エアロゾル源部材204が挿入される空洞208を画定する。様々な実施形態において、取り外し可能なマウスピース(図示せず)は、ユーザがエアロゾルを生成するために吸引することができる空洞208の下流の制御本体202に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、マウスピースは、ユーザに送達されたエアロゾルを濾過するためのフィルタをさらに含むことができる。様々な実施形態において、マウスピースは、例えば、ねじ接続、磁気接続、圧入接続などを介することを含む、様々な方法で制御本体202と係合することができる。
【0088】
図6を参照すると、様々な実施形態において、エアロゾル源部材カプセル204は、シングルピースまたはツーピース構成を具備することができる。例えば、いくつかの実施形態では、カプセルの外側シェル230は、ゼラチン材料、ゲル化剤、セルロース材料、糖質、および/または他の材料を含むことができる。様々な実施形態において、外側シェル230は、硬くても柔らかくてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材204の外側シェル230は、加熱中に外側シェル230が分解および/または蒸発するように、熱分解可能とすることができる。図示の実施形態のエアロゾル源部材204の構成により、エアロゾル源部材204および/または複数のエアロゾル源部材204は、カプセル状構造に使用されるパッケージに設けられることができる。そのようなパッケージは、例えば、成形可能な熱可塑性材料から作製された個々のまたは複数の予備成形されたパッケージを含むことができる。そのようなパッケージの例は、例えば、単一および/または複数ユニットのブリスターパックを含み、これは、例えば、単一または二重のバリア構成を具備することができる。ブリスターパックおよび関連するパッケージの例は、以下のとおりである:Seeleyによる米国特許第3,610,410号明細書、Hellstromによる米国特許第3,689,458号明細書、Geldmacherらによる米国特許第3,732,663号明細書、Mahaffyらによる米国特許第3,792,181号明細書、Zahuranecらによる米国特許第3,812,963号明細書、Hellstromによる米国特許第3,948,394号明細書、Driscollらによる米国特許第3,967,730号明細書、Kotyukによる米国特許第4,120,400号明細書、Woodによる米国特許第4,169,531号明細書、Lordahlらによる米国特許第4,383,607号明細書、Artusiによる米国特許第4,535,890号明細書、Hsiaoによる米国特許第5,009,894号明細書、Wyserによる米国特許第5,033,616号明細書、Hartmanによる米国特許第5,147,035号明細書、Gouldによる米国特許第5,154,293号明細書、Parkerらによる米国特許第5,878,887号明細書、およびFuchsらによる米国特許第6,520,329号明細書。これらはそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれる。他の実施形態では、エアロゾル源部材204は、例えば、医薬ピルボトルに類似したボトルなどのポリマーカプセルボトルで提供されることができる。
【0089】
特定の実施形態では、制御本体202およびエアロゾル源部材204の一方または双方は、使い捨てであるかまたは再利用可能であると呼ばれることができる。例えば、制御本体202は、交換式電池または充電式電池、固体電池、薄膜固体電池、充電式スーパーキャパシタなどを有することができ、したがって、壁充電器への接続、自動車充電器(すなわち、シガーライターのレセプタクル)への接続、およびユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルまたはコネクタ(例えば、USB 2.0、3.0、3.1、USBタイプC)などを介したコンピュータへの接続、光電池(太陽電池と呼ばれることもある)または太陽電池のソーラーパネルへの接続、誘導無線充電を使用する充電器(例えば、ワイヤレスパワーコンソーシアム(WPC)からのQi無線充電規格に準拠した無線充電を含む)、または無線周波数(RF)ベースの充電器などの無線充電器を含む、任意のタイプの充電技術と組み合わせられることができる。誘導無線充電システムの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Surらによる米国特許出願公開第2017/0112196号明細書に記載されている。さらに、図示の実施形態において、エアロゾル源部材204は、使い捨て装置を備えることができる。制御本体と共に使用するための使い捨て構成要素は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Changらによる米国特許第8,910,639号に開示されている。いくつかの実施形態では、制御本体202は、装置200の充電式電池を充電するために、別個の充電ステーションに挿入および/または結合されることができる。いくつかの実施形態では、充電ステーション自体は、装置200の充電式電池を再充電する充電式電源を含むことができる。
【0090】
図5に戻ると、図示の実施形態の制御本体202は、その係合端に画定された空洞208につながる開口部219を含み、エアロゾル源部材204がその中に挿入されることができるハウジング218を備えることができる。上記のように、いくつかの実施形態は、さらに、フローセンサ(例えば、パフセンサまたは圧力スイッチ)と、制御構成要素(例えば、マイクロプロセッサ、個別にまたはマイクロコントローラの一部として、マイクロプロセッサおよび/またはマイクロコントローラなどを含むプリント回路基板(PCB))と、電源(例えば、再充電可能とすることができる電池、および/または再充電可能なスーパーキャパシタ)と、1つ以上のインジケータ(例えば、発光ダイオード(LED))とを含むことができる。ここで説明する様々な実施形態に適用できるこれらの構成要素およびその他全ての構成要素に関連する上記の説明を参照されたい。
【0091】
図1~
図4の実施形態と同様に、図示の実施形態の様々な態様は、エアロゾル源部材204を加熱するために誘導加熱装置を採用している。誘導加熱装置は、共振送信機および共振受信機(以下、サセプタまたは多数のサセプタ粒子とも呼ばれる)を備える。様々な実施形態において、共振送信機および共振受信機の一方または双方は、制御本体および/またはエアロゾル源部材に配置されることができる。以下により詳細に記載されるように、いくつかの実施形態の基材部は、共振受信機を含むことができる。追加の可能な構成要素の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年10月31日に出願された米国特許出願第15/799,365号に記載されている。
【0092】
特に、
図5に示される実施形態の制御本体202は共振送信機を含み、エアロゾル源部材204は、一体で基材材料の加熱を容易にする共振受信機(例えば1つ以上のサセプタ)を含む。上記のように、共振送信機および/または共振受信機は、様々な形態をとることができるが、
図5に示される特定の実施形態では、共振送信機は、らせんコイル228を備える。様々な実施形態において、共振送信機は、1つ以上の導電性材料から構成されることができる。図示の実施形態では、らせんコイル228は、銅などの導電性金属材料から構成されている。さらなる実施形態において、らせんコイルは、非導電性の絶縁カバー/ラップ材料を含むことができる。そのような材料は、例えば、低温用途に役立つ可能性があるエポキシ、シリコンゴムなどの1つ以上のポリマー材料、または高温用途に役立つ可能性があるガラス繊維、セラミック、耐火材料などを含むことができる。
【0093】
図示のように、共振送信機228は、ハウジング218の係合端の近傍まで延在することができ、エアロゾル源部材204の全て、または実質的に全てを取り囲むように構成されることができる。そのような方法で、図示の実施形態のらせんコイル228は、管状構成を画定することができる。いくつかの実施形態では、らせんコイル228は、支持シリンダを取り囲むことができるが、他の実施形態では、支持シリンダが存在する必要はない。他の実施形態では、らせんコイル228は、上記と同様に、ハウジング218に埋め込まれるか、そうでなければ結合されることができる。
【0094】
図6を参照すると、図示の実施形態のエアロゾル源部材204は、多数の多孔質サセプタ粒子232およびタバコ基材を含む。図示の実施形態では、タバコ基材は、多数のタバコビーズ234を備え、それらは双方とも、カプセル構成の外側シェル230内に含まれている。他の実施形態では、多数のサセプタ粒子232を別のタバコ材料と混合することができる。例えば、いくつかの実施形態では、多数のサセプタ粒子232は、他のタバコ材料と混合されることができ、これは、いくつかの実施形態では、タバコ粉末、タバコ片、タバコ細片、再構成タバコ材料、またはそれらの組み合わせ、および/または細かく粉砕されたタバコ、タバコ抽出物、噴霧乾燥タバコ抽出物の混合物、または任意の無機材料(炭酸カルシウムなど)、任意の香味料、および固体または成形可能な(例えば、押出成形可能な)一部を形成するためのエアロゾル形成材料と混合される、他のタバコ形態を含むことができる。いくつかの実施形態では、タバコ基材は、例えば、グリセリン、水、および/または結合剤材料などの他の成分を含むことができるが、特定の配合物は、結合剤材料を除外することができる。様々な実施形態において、適切な結合剤材料は、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸カリウム、およびアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩を含むことができる。アルギン酸塩、特に高粘度アルギン酸塩は、制御されたレベルの遊離カルシウムイオンと組み合わせて使用することができる。他の適切な結合剤材料は、Aqualon Co.からのKlucel Hなどのヒドロキシプロピルセルロース、The Dow Chemical Co.からのMethocel K4MSなどのヒドロキシプロピルメチルセルロース、Aqualon Co.からのNatrosol 250 MRCSなどのヒドロキシエチルセルロース、FMCからのAvicelなどの微結晶セルロース、The Dow Chemical Co.からのMethocel A4Mなどのメチルセルロース、およびHercules Inc.からのCMC 7HFおよびCMC 7H4Fなどのナトリウムカルボキシメチルセルロースを含む。さらに他の可能な結合剤材料は、デンプン(例えば、トウモロコシ粉)、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、ペクチンおよびキサンタンガムを含む。いくつかの実施形態では、2つ以上の結合剤材料の組み合わせまたはブレンドを使用することができる。結合剤材料の他の例は、例えば、Jakobらによる米国特許第5,101,839号明細書、およびRakerらによる米国特許第4,924,887号明細書に記載されており、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、結合剤材料(例えば、プロピレングリコールアルギネート)の一部として提供されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、結合剤材料は、タバコまたは他のバイオマスに由来するナノセルロースを含むことができる。ここで議論される様々な実施形態に適用可能とすることができる可能なタバコ基材についての上記の議論が参照される。
【0095】
本開示の他の実施形態によれば、タバコ基材はまた、タバコ製品の製造に伝統的に使用されているタイプのタバコ添加物を組み込んでもよい。それらの添加剤は、葉巻、紙巻きタバコ、パイプなどの製造に使用されるタバコの風味および芳香を増強するために使用される種類の材料を含むことができる。例えば、それらの添加剤は、様々な紙巻きタバコケーシングおよび/またはトップドレッシング成分を含むことができる。例えば、Wochnowskiによる米国特許第3,419,015号明細書、Berndtらによる米国特許第4,054,145号明細書、Burcham,Jr.らによる米国特許第4,887,619号明細書、Watsonによる米国特許第5,022,416号明細書、Strangらによる米国特許第5,103,842号明細書、およびMartinによる米国特許第5,711,320号明細書を参照されたい。それらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。好ましいケーシング材料は、水、糖およびシロップ(例えば、スクロース、グルコースおよび高フルクトースコーンシロップ)、保湿剤(例えば、グリセリンまたはプロピレングリコール)、および香味料(例えば、ココアおよび甘草)を含むことができる。それらの追加された成分はまた、トップドレッシング材料(例えば、メントールなどの香味材料)を含むことができる。例えば、Maysらによる米国特許第4,449,541号明細書を参照されたい。その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。追加される可能性のあるさらなる材料は、Lawsonらによる米国特許第4,830,028号明細書およびMarshallらによる米国特許第8,186,360号明細書に開示されているものを含み、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0096】
喫煙品の主流エアロゾルの感覚的または官能的特性または性質を変える多種多様なタイプの香味料または材料が、使用されるのに適している場合がある。いくつかの実施形態では、そのような香味料は、タバコ以外の供給源から提供されてもよく、天然または本来の人工物であってもよい。例えば、いくつかの香味料は、タバコ基材および/またはエアロゾルが生成される喫煙品のそれらの領域に適用されるか、またはそれらの中に組み込まれることができる。いくつかの実施形態では、そのような薬剤は、熱源に最も近い加熱キャビティまたは領域に直接供給されてもよく、または基材材料と共に提供されてもよい。香味料の例は、例えば、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、果物(例えば、リンゴ、チェリー、イチゴ、桃、ライムとレモンを含む柑橘類の香味料)、メープル、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、ジンジャー、ハチミツ、アニス、セージ、シナモン、ビャクダン、ジャスミン、カスカリーラ、ココア、甘草、ならびに紙巻きタバコ、葉巻、およびパイプタバコの香味料に伝統的に使用されているタイプおよび特性の香味料および香味料パッケージを含むことができる。高果糖コーンシロップなどのシロップも使用するのに適している場合がある。
【0097】
香味料はまた、酸性または塩基性の特性(例えば、レブリン酸、コハク酸、ピルビン酸、および安息香酸などの有機酸)を含むことができる。いくつかの実施形態では、香味料は、必要に応じて、タバコ基材の要素と組み合わせ可能とすることができる。適切とすることができる例示的な植物由来の組成物は、双方ともDubeらによる米国特許第9,107,453号明細書および米国特許出願公開第2012/0152265号明細書に開示されており、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるような官能特性を含む、タバコ材料と組み合わせてその感覚特性に影響を与えるのに有用とすることができる香料、ケーシングなどの任意の材料は、タバコ基材と組み合わせることができる。有機酸は、特に、タバコ基材に組み込むことができ、タバコ基材と組み合わせることができる可能性があるニコチンなどの薬剤の風味、感覚、または官能特性に影響を与えることができる可能性がある。例えば、レブリン酸、乳酸、およびピルビン酸などの有機酸は、ニコチンと等モル(総有機酸含有量に基づく)までの量でニコチンを含む基材材料に含まれてもよい。有機酸の任意の組み合わせが適切とすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、タバコ基材は、存在する有機酸の総量が基材材料に存在するニコチンの総量と等モルである濃度まで、ニコチン1モルあたり約0.1から約0.5モルのレブリン酸、ニコチン1モルあたり約0.1~約0.5モルのピルビン酸、ニコチン1モルあたり約0.1~約0.5モルの乳酸、またはそれらの組み合わせを含むことができる。タバコ基材を製造するために使用することができる有機酸の様々な追加の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Dullらによる米国特許出願公開第2015/0344456号明細書に記載されている。
【0098】
そのようなさらなる構成要素の選択は、喫煙品に望まれる感覚特性などの要因に基づいて可変であり、本開示は、タバコおよびタバコ関連またはタバコ由来の製品の当業者にとって容易に明らかであるそのようなさらなる構成要素を包含することを意図する。例えば、Gutcho、Tobacco Flavoring Substances and Methods、Noyes Data Corp.(1972年)およびLeffingwellら、Tobacco Flavoring for Smoking Products(1972年)を参照されたい。これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0099】
他の実施形態では、タバコ基材は、様々な固有の特徴または特性を有する他の材料を含むことができる。例えば、タバコ基材は、レーヨンの形態の可塑化材料または再生セルロースを含むことができる。別の例として、シリカを組み込んだ再生セルロース製品であるビスコース(VISIL(R)として市販されている)が適している場合がある。一部の炭素繊維は、少なくとも95%以上の炭素を含むことがある。同様に、綿などの天然セルロース繊維が適していることがあり、難燃性を高め、オフガス、風味への悪影響を有するであろう特に望ましくないオフガス成分の発生を最小限に抑える(特に、いかなる有毒なオフガス製品の可能性も最小限に抑える)ために、シリカ、カーボン、または金属粒子が注入またはその他の方法で処理されることができる。綿は、例えばホウ酸または様々な有機リン酸塩化合物で処理可能であり、浸漬、噴霧、または当該技術分野において知られている他の技術によって望ましい難燃特性を提供することができる。これらの繊維はまた、望ましくないオフガスや溶融タイプの動作無しに、難燃性の望ましい特性を付与するために、有機または金属ナノ粒子によって処理可能(コーティング、注入、またはその双方など)とすることができる。
【0100】
図5および
図6に戻ると、上記のように、図示の実施形態のエアロゾル源部材204は、多数の多孔質サセプタ粒子232を含む。様々な実施形態において、多数の多孔質サセプタ粒子232は、様々な形状、サイズ、および材料を有することができ、これらは、いくつかの実施形態において、同じ基材部内で組み合わされることができる。例えば、いくつかの実施形態では、多数の多孔質サセプタ粒子232の内の1つ以上は、フレーク状の形状、略球形、略六角形形状、略立方体形状、不規則な形状(例えば、異なる寸法の1つ以上の(例えば、複数の)側面を有する形状など)、またはそれらの任意の組み合わせを有することができる。さらに、エアロゾル源部材204内のサセプタ粒子232のパーセンテージは、エアロゾル源部材ごとに変動することができる。図示の実施形態では、エアロゾル源部材204の総体積の関数としてのサセプタ粒子232のパーセンテージは、約5%~約35%の包括的範囲内とすることができる。しかしながら、他の実施形態では、サセプタ粒子のパーセンテージは、この範囲よりも低くてもよく、さらに他の実施形態では、サセプタ粒子のパーセンテージは、この範囲よりも高くてもよい。
【0101】
様々な実施形態において、多数の多孔質サセプタ粒子232は、コバルト、鉄、ニッケル、亜鉛、マンガン、およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない強磁性材料から構築されることができる。さらなる実施形態では、多数の多孔質サセプタ粒子232は、例えば、アルミニウムまたはステンレス鋼などの他の多孔質金属材料、ならびに炭化ケイ素、炭素材料などのセラミック材料、および上述した材料のいずれかの任意の組み合わせを含む他の材料から構築されることができる。さらに他の実施形態では、多数の多孔質サセプタ粒子は、銅などの金属、導電性材料の合金、または1つ以上の導電性材料が埋め込まれた他の材料を含む他の導電性材料から構築されることができる。様々な実施形態において、多孔質サセプタ粒子のサイズは変動することができるが、いくつかの実施形態において、多数の多孔質サセプタ粒子の内の1つ以上は、約100ミクロン(0.1mm)~2mmの包括的範囲の直径を有することができる。
【0102】
図示の実施形態では、制御構成要素(例えば、ドライバ回路)によって電源からそれに導かれたらせんコイル228(すなわち、共振送信機)の電流の変化は、多数の多孔質サセプタ粒子232(すなわち、共振受信機)を貫通し、それにより、多数のサセプタ粒子232内に渦電流を生成する交番電磁場を生成することができる。交番電磁場は、交流をらせんコイル228に導くことによって生成されることができる。上記のように、いくつかの実施形態では、制御構成要素は、電源によって供給される直流を共振送信機に供給される交流に変換するように構成されたインバータまたはインバータ回路を含むことができる。
【0103】
多数の多孔質サセプタ粒子232を流れる渦電流は、ジュール効果によって熱を発生させることができ、生成される熱の量は、電流の二乗に多数の多孔質サセプタ粒子232の材料の電気抵抗を掛けたものに比例する。多数の多孔質サセプタ粒子232が強磁性材料を含む実施の場合、熱はまた、磁気ヒステリシス損失によって生成されることができる。これらに限定されるものではないが、らせんコイル228に対する近接性、磁場の分布、多数の多孔質サセプタ粒子232の材料の電気抵抗率、飽和磁束密度、表皮効果または深さ、ヒステリシス損失、磁化率、透磁率、および材料の双極子モーメントを含む、いくつかの要因が多数の多孔質サセプタ粒子232の温度上昇に寄与する。
【0104】
これに関して、および上記のように、多数の多孔質サセプタ粒子232およびらせんコイル228の双方は、導電性材料を含むことができる。例として、らせんコイル228および/または多数のサセプタ粒子232は、銅およびアルミニウムなどの金属、導電性材料の合金(例えば、反磁性、常磁性、または強磁性材料)または1つ以上の導電性材料が埋め込まれたセラミックもしくはガラスなどの他の材料などの様々な導電性材料を含むことができる。別の実施形態では、共振受信機は、導電性粒子を含むことができる。いくつかの実施形態では、共振受信機は、熱伝導性パッシベーション層(例えば、ガラスの薄層)でコーティングされるか、さもなければこの層を含むことができる。
【0105】
図示の実施形態では、多数の多孔質サセプタ粒子232は、エアロゾル前駆体組成物が多数の多孔質サセプタ粒子232の細孔の少なくとも一部を占めるように、エアロゾル前駆体組成物が注入される(例えば、含有、飽和、浸透、ドープ、充填など)。様々な実施形態において、多数の多孔質サセプタ粒子232は、例えば、浸漬および/または真空浸透を含む、様々な異なる方法で注入されることができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、例えば、プロピレングリコール、グリセリンおよび/またはその類似物などの1つ以上の保湿剤を含むことができる。様々な実施形態において、エアロゾル送達装置内で使用されるエアロゾル前駆体組成物の量は、エアロゾル送達装置が許容可能な感覚的および官能的特性、ならびに望ましい性能特性を示すようなものとすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、エアロゾル前駆体組成物(例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコールなど)は、多くの点でタバコの煙の外観に似ている、目に見える主流エアロゾルの生成を提供するために、多数のサセプタ粒子232内で使用されることができる。例えば、喫煙品の基材材料に組み込まれるエアロゾル前駆体組成物の量は、約4.5グラム以下、3.5グラム以下、約3グラム以下、約2.5グラム以下、約2グラム以下、約1.5グラム以下、約1グラム以下、または約0.5グラム以下の範囲とすることができる。しかしながら、他の実施形態では、これらの範囲外の値が可能であることに留意されたい。
【0106】
さらなるエアロゾル前駆体組成物の代表的なタイプは、Sensabaugh,Jrらによる米国特許第4,793,365号明細書、Jakobらによる米国特許第5,101,839号明細書、Biggsらによる国際公開第98/57556号、およびChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988年)に記載されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの態様において、基材部は、それに十分な熱を加えると(そして必要に応じて空気で冷却すると)目に見えるエアロゾルを生成することができ、基材部は、「煙のような」エアロゾルを生成することができる。他の態様では、基材部は、実質的に見えないが、香味料またはテクスチャなどの他の特性によって存在すると認識されるエアロゾルを生成することができる。したがって、生成されるエアロゾルの性質は、エアロゾル送達構成要素の特定の構成要素に応じて変動し得る。様々な実施形態において、基材部は、タバコを燃焼させることによって生成される煙の化学的性質に比べて化学的に単純とすることができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、蒸気前駆体組成物または「e-リキッド」とも呼ばれるエアロゾル前駆体組成物は、例として、多価アルコール(例えばグリセリン、プロピレングリコール、またはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物、および/または香味料を含む様々な成分を含んでもよい。いくつかの可能なタイプのエアロゾル前駆体成分および製剤は、これらの開示が参照により本明細書に組み込まれる、Robinsonらによる米国特許第7,217,320号明細書およびZhengらによる米国特許出願公開第2013/0008457号明細書;Chongらによる米国特許出願公開第2013/0213417号明細書;Collettらによる米国特許出願公開第2014/0060554号明細書;Lipowiczらによる米国特許出願公開第2015/0020823号明細書;およびKollerによる米国特許出願公開第2015/0020830号明細書、ならびにBowenらによる国際公開第2014/182736号に記載されて特徴付けられる。使用できる他のエアロゾル前駆体は、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)製品、Fontem Ventures B.V.によるBLU(TM)製品、Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOL製品、Nu Mark LLCによるMARK TEN製品、Juul Labs,Inc.によるJUUL製品、およびCN Creative LtdによるVYPE製品に組み込まれたエアロゾル前駆体を含む。また、Johnson Creek Enterprises LLC.から入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も可能である。可能なエアロゾル前駆体組成物のさらに別の例は、BLACK NOTE、COSMIC FOG、THE MILKMAN E-LIQUID、FIVE PAWNS、THE VAPOR CHEF、VAPE WILD、BOOSTED、THE STEAM FACTORY、MECH SAUCE、CASEY JONES MAINLINE RESERVE、MITTEN VAPORS、DR.CRIMMY’S V-LIQUID、SMILEY E LIQUID、BEANTOWN VAPOR、CUTTWOOD、CYCLOPS VAPOR、SICBOY、GOOD LIFE VAPOR、TELEOS、PINUP VAPORS、SPACE JAM、MT.BAKER VAPOR、およびJIMMY THE JUICE MANのブランド名で販売されている。
【0108】
エアロゾル源部材内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品が許容可能な感覚特性および望ましい性能特性を提供するようなものである。例えば、タバコの煙の外観に多くの点で似ている目に見える主流エアロゾルの生成を提供するために、十分な量のエアロゾル形成材料が使用されることが望ましい。エアロゾル生成システム内のエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品ごとに望ましいパフ数などの要因に依存する場合がある。1つ以上の実施形態では、約0.5ml以上、約1ml以上、約2ml以上、約5ml以上、または約10ml以上のエアロゾル前駆体組成物が含まれることができる。
【0109】
したがって、図示の実施形態の多数の多孔質サセプタ粒子232は、らせんコイル228によって加熱されることができる。多数の多孔質サセプタ粒子232によって生成された熱は、エアロゾルを放出し、エアロゾル源部材204(例えば、タバコ基材)を加熱し、これはまた、エアロゾルを放出することができる。様々な実施形態では、エアロゾル送達装置200の口端208は、ユーザによって口端に加えられた吸引に応答して、それを通して生成されたエアロゾルを受け取るように構成される。
【0110】
別の実施形態では、多数の多孔質サセプタ粒子232は、
図5および
図6に示されるカプセル構成と同様のカプセル構成を含むことができるゲル体構造に埋め込まれることができる。いくつかの実施形態では、ゲル体構造は、上述したようなタバコ基材、ならびに他のエアロゾル前駆体組成物などの他のエアロゾル生成構成要素を含む他の構成要素、および/または、例えばゼラチン材料、ゲル化剤、セルロース材料、糖類、および/または他の材料を含む他のカプセル材料を含むことができる。タバコ基材、他のエアロゾル生成構成要素、およびエアロゾル生成製品で使用される他の材料が参照され、これらは、ここで説明される実施形態に適用可能とすることができる。
【0111】
本開示のエアロゾル源部材および制御本体は、一般に、完全な喫煙品または医薬品送達物品として一体に提供されることができるが、構成要素はまた、個別に提供されることができることに留意されたい。例えば、本開示はまた、再利用可能な喫煙品または再利用可能な医薬品送達物品と共に使用するための使い捨てユニットを包含する。特定の実施形態において、そのような使い捨てユニット(添付の図に示されるようなエアロゾル源部材とすることができる)は、再利用可能な喫煙品または医薬品送達物品と係合するように構成される加熱端と、消費者への吸入可能な物質の通過を可能にするように構成された反対側の口端と、内部空間を画定する外面および内面を備えた壁とを有する実質的に管状の本体を備えることができる。エアロゾル源部材(またはカートリッジ)の様々な実施形態は、参照により本明細書に組み込まれる、Wormらによる米国特許第9,078,473号明細書に記載されている。
【0112】
使い捨てユニットに加えて、本開示は、再利用可能な喫煙品または再利用可能な医薬品送達物品で使用するための別個の制御本体を提供することとして、さらに特徴付けられることができる。特定の実施形態では、制御本体は、一般に、別個に設けられたエアロゾル源部材の加熱端を受け入れるための受容端(開放端を有する受容チャンバを含むことができる)を有するハウジングとすることができる。制御本体は、制御本体の構成要素とすることができるか、または制御ユニットと共に使用されるエアロゾル源部材に含まれることができる電気加熱部材に電力を提供する電気エネルギ源をさらに含むことができる。様々な実施形態において、制御本体はまた、電源(電池など)、加熱部材への電流フローを作動させるための構成要素、およびそのような電流フローを調整して所望の時間だけ所望の温度に維持するための、および/または所望の温度に到達したときまたは加熱部材が所望の時間長だけ加熱されたときに、電流フローを循環させるかまたは電流フローを停止するための構成要素を含む、さらなる構成要素も含むことができる。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、加熱部材への電流フローを作動させるための構成要素の一方または双方に関連する1つ以上の押しボタン、およびそのような電流フローを調整するための構成要素をさらに備えることができる。制御本体はまた、ヒータが加熱していることを示すライトおよび/または制御本体と共に使用されるエアロゾル源部材に残っているパフの回数を示すライトなどの1つ以上のインジケータを含むことができる。
【0113】
本明細書で説明される様々な図は、動作関係にある制御本体およびエアロゾル源部材を示しているが、制御本体およびエアロゾル源部材は、個別の装置として存在してもよいことが理解される。したがって、組み合わせた構成要素に関して本明細書で他に提供されたいかなる議論もまた、個別且つ別個の構成要素として制御本体およびエアロゾル源部材に適用されるものとして理解されるべきである。
【0114】
別の態様では、本開示は、本明細書で説明されるような様々な構成要素を提供するキットを対象とすることができる。例えば、キットは、1つ以上のエアロゾル源部材を有する制御本体を備えることができる。キットは、1つ以上の充電構成要素を有する制御本体をさらに備えることができる。キットは、さらに、1つ以上の電池を備えた制御本体を備えることができる。キットは、さらに、1つ以上のエアロゾル源部材および1つ以上の充電構成要素および/または1つ以上の電池を備えた制御本体を備えることができる。さらなる実施形態において、キットは、複数のエアロゾル源部材を備えることができる。キットは、複数のエアロゾル源部材および1つ以上の電池および/または1つ以上の充電構成要素をさらに備えることができる。上記の実施形態において、エアロゾル源部材または制御本体は、それらを含む加熱部材を備えていてもよい。本発明のキットは、さらなるキット構成要素の1つ以上を収容するケース(または他のパッケージング、運搬、または保管構成要素)をさらに含むことができる。ケースは、再利用可能な固いまたは柔らかい容器とすることができる。さらに、ケースは単なる箱または他のパッケージ構造とすることができる。
【0115】
本開示の多くの変更および他の実施形態が、前述の説明および関連する図面に示された教示の利益を有することを本開示が関する当業者が思い付くであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは、一般的且つ説明的な意味でのみ使用され、限定のためではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達装置であって、
その一端に開口部が画定されたハウジングを有する制御本体と、
制御本体内に配置された共振送信機と、
共振送信機を駆動するように構成された制御構成要素と、
その少なくとも一部が共振送信機の近傍に配置されるように構成されたエアロゾル源部材と、を備え、
エアロゾル源部材が、タバコ基材および多数の多孔質サセプタ粒子を含み、
多孔質サセプタ粒子には、エアロゾル前駆体組成物が注入される、エアロゾル送達装置。
【外国語明細書】