(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008169
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】配線基板、振れ補正機能付き光学ユニットおよび振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20240112BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20240112BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20240112BHJP
【FI】
G03B5/00 J
H04N5/225 700
H04N5/225 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109802
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(72)【発明者】
【氏名】南澤 伸司
【テーマコード(参考)】
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2K005BA52
2K005CA04
2K005CA22
2K005CA34
2K005CA42
2K005CA53
5C122EA55
5C122GE05
5C122GE11
5C122GE19
(57)【要約】
【課題】振れ補正機能付き光学ユニットで使用される配線基板において、フレキシブルプリント基板によって構成される配線基板の帯状部に平板状かつ金属製の補強板が予め固定されていても、振れ補正機能付き光学ユニットの製造工程において帯状部と補強板とを折り曲げたときの帯状部の損傷を防止することが可能となる配線基板を提供する。
【解決手段】配線基板10は、フレキシブルプリント基板によって構成されるとともに帯状でかつ平らな帯状部10cと、帯状部10cに一部が固定される平板状かつ金属製の補強板30とを備えており、帯状部10cおよび補強板30は、振れ補正機能付き光学ユニットの製造時に所定位置で折り曲げられる。補強板30は、帯状部10cの折り曲げ位置の基準となる折曲げ線BL1を跨いで配置されているとともに、折曲げ線BL1の一方側においてのみ帯状部10cに固定されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラモジュールと、前記カメラモジュールを保持する固定体とを備える振れ補正機能付き光学ユニットで使用される配線基板であって、
フレキシブルプリント基板によって構成されるとともに帯状でかつ平らな帯状部と、前記帯状部に一部が固定される平板状かつ金属製の補強板とを備え、
前記帯状部および前記補強板は、前記振れ補正機能付き光学ユニットの製造時に所定位置で折り曲げられ、
前記補強板は、前記帯状部の折り曲げ位置の基準となる折曲げ線を跨いで配置されているとともに、前記折曲げ線の一方側においてのみ前記帯状部に固定されていることを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記カメラモジュールに取り付けられるモジュール側被取付部と、前記振れ補正機能付き光学ユニットの製造時に前記固定体に固定される固定側被固定部とを備え、
前記帯状部は、前記モジュール側被取付部に一端が繋がる第1帯状部と、前記第1帯状部の他端側に一端側が繋がる第2帯状部と、前記第2帯状部の他端に一端が繋がるとともに前記固定側被固定部に他端が繋がる第3帯状部とを備えるとともに、前記振れ補正機能付き光学ユニットの製造時に前記第1帯状部と前記第2帯状部との境界で折り曲げられ、
前記第1帯状部と前記第2帯状部との境界が前記折曲げ線となっており、
前記補強板は、前記第1帯状部または前記第2帯状部のみに接着されて固定されていることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
【請求項3】
請求項2記載の配線基板と、前記カメラモジュールと、前記固定体とを備えることを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項4】
前記カメラモジュールを有する可動体と、前記可動体を回動可能に保持する前記固定体と、前記カメラモジュールの光軸が任意の方向に傾くように前記固定体に対して前記可動体を回動させるための駆動機構とを備え、
前記モジュール側被取付部は、前記カメラモジュールに固定されていることを特徴とする請求項3記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項5】
前記カメラモジュールの光軸に直交する所定の平面上で前記固定体に対して移動可能な前記モジュール側被取付部を前記固定体に対して移動させるための駆動機構を備えることを特徴とする請求項3記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項6】
前記モジュール側被取付部の厚さ方向および前記第1帯状部の厚さ方向は、前記カメラモジュールの光軸の方向である光軸方向と一致しており、
帯状に形成される前記第2帯状部の幅方向および前記第3帯状部の幅方向は、前記カメラモジュールの前記光軸方向と一致しており、
前記帯状部および前記補強板は、前記第1帯状部と前記第2帯状部との境界で直角に折れ曲がっており、
前記補強板は、前記帯状部の外側に配置されていることを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項7】
請求項6に記載の振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法であって、
前記第1帯状部および前記第2帯状部のいずれか一方のみに接着されて固定される前記補強板と前記帯状部とを前記第1帯状部と前記第2帯状部との境界で直角に折り曲げる折曲げ工程と、前記折曲げ工程後に、前記第1帯状部および前記第2帯状部のいずれか他方に前記補強板を接着して固定する補強板接着工程とを備えることを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器等に搭載される振れ補正機能付き光学ユニットで使用される配線基板に関する。また、本発明は、かかる配線基板を備える振れ補正機能付き光学ユニット、および、かかる振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯機器等に搭載される振れ補正機能付きの光学ユニットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の光学ユニットは、カメラモジュールを有する可動体と、可動体を回動可能に保持する固定体と、カメラモジュールに取り付けられる配線基板とを備えている。配線基板は、カメラモジュールに固定される第1の配線基板と、第1の配線基板から引き出される第2の配線基板を備えている。第2の配線基板は、フレキシブルプリント基板によって構成されている。
【0003】
特許文献1に記載の光学ユニットでは、第2の配線基板は、帯状に形成される第1のサブ配線基板を備えている。帯状に形成される第1のサブ配線基板の幅方向は、カメラモジュールの光軸の方向である光軸方向と一致している。第1のサブ配線基板は、カメラモジュールの外周側を引き回されている。第1のサブ配線基板は、カメラモジュールの光軸方向から見たときの形状が正方形状をなす光学ユニットの四隅において直角に折り曲げられている。第1のサブ配線基板の、直角に折り曲げられた部分には、L形状をなす補強板が固定されている。補強板は、第1のサブ配線基板の外側に配置されている。特許文献1に記載の光学ユニットでは、補強板の作用によって、第1のサブ配線基板の、直角に折り曲げられた部分の曲げ形状を維持することが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第113132605号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、たとえば、ピッチング方向における振れ補正とヨーイング方向における振れ補正とを行う振れ補正機能付き光学ユニットを開発している。この振れ補正機能付き光学ユニットは、たとえば、カメラモジュールを有する可動体と、可動体を回動可能に保持する固定体と、カメラモジュールの光軸が任意の方向に傾くように固定体に対して可動体を回動させるための駆動機構とを備えている。また、この振れ補正機能付き光学ユニットは、カメラモジュールに繋がる配線基板を備えている。配線基板は、カメラモジュールに固定されるモジュール側被取付部と、固定体に固定される固定側被固定部と、モジュール側被取付部と固定側被固定部とを繋ぐ帯状の帯状部とを備えている。帯状部は、フレキシブルプリント基板によって構成されている。
【0006】
本願発明者は、開発中の振れ補正機能付き光学ユニットにおいて、特許文献1に記載の光学ユニットのように、帯状部を所定の位置で折り曲げることにした。また、帯状部の、折り曲げられた部分の曲げ形状を維持するために、特許文献1に記載の光学ユニットのように、帯状部の、折り曲げられた部分に金属製の補強板を固定することにした。帯状部への補強板の固定は、振れ補正機能付き光学ユニットの製造時の、帯状部を折り曲げた後に行うことも可能であるが、本願発明者は、振れ補正機能付き光学ユニットの製造工程を簡素化するために、配線基板の製造段階において、平板状の補強板を帯状部に予め固定するとともに、振れ補正機能付き光学ユニットの製造時に、帯状部と補強板とを折り曲げることにした。
【0007】
また、本願発明者は、配線基板の製造段階において平板状の補強板の全体を帯状部に固定することにした。しかしながら、配線基板の製造段階において平板状の補強板の全体を帯状部に固定すると、振れ補正機能付き光学ユニットの製造工程において帯状部と補強板とを折り曲げたときに、帯状部に損傷が生じるおそれがあることが本願発明者の検討によって明らかになった。
【0008】
具体的には、振れ補正機能付き光学ユニットの製造工程において、たとえば、接着剤100によって帯状部101に全体が固定されている平板状の補強板102と平らな帯状部101とを、
図10に示すように直角に折り曲げると、帯状部101の曲率半径と補強板102の曲率半径との相違等の影響で、直角に折り曲げられる帯状部101の角部において帯状部101が撓むとともに、帯状部101の、撓んだ部分101aの両側の部分101bが突っ張るため、帯状部101に損傷が生じるおそれがあることが本願発明者の検討によって明らかになった。
【0009】
そこで、本発明の課題は、振れ補正機能付き光学ユニットで使用される配線基板において、フレキシブルプリント基板によって構成される配線基板の帯状部に平板状かつ金属製の補強板が予め固定されていても、振れ補正機能付き光学ユニットの製造工程において帯状部と補強板とを折り曲げたときの帯状部の損傷を防止することが可能となる配線基板を提供することにある。また、本発明の課題は、かかる配線基板を備える振れ補正機能付き光学ユニットを提供することにある。さらに、本発明の課題は、かかる振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明の配線基板は、カメラモジュールと、カメラモジュールを保持する固定体とを備える振れ補正機能付き光学ユニットで使用される配線基板であって、フレキシブルプリント基板によって構成されるとともに帯状でかつ平らな帯状部と、帯状部に一部が固定される平板状かつ金属製の補強板とを備え、帯状部および補強板は、振れ補正機能付き光学ユニットの製造時に所定位置で折り曲げられ、補強板は、帯状部の折り曲げ位置の基準となる折曲げ線を跨いで配置されているとともに、折曲げ線の一方側においてのみ帯状部に固定されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の配線基板では、帯状部の折り曲げ位置の基準となる折曲げ線を跨いで配置される平板状の補強板は、折曲げ線の一方側においてのみ帯状部に固定されている。そのため、本発明では、振れ補正機能付き光学ユニットの製造工程において帯状部と補強板とを折り曲げても、帯状部に突っ張る部分が生じるのを防止することが可能になる。したがって、本発明では、配線基板の帯状部に平板状かつ金属製の補強板が予め固定されていても、振れ補正機能付き光学ユニットの製造工程において帯状部と補強板とを折り曲げたときの帯状部の損傷を防止することが可能になる。
【0012】
本発明において、配線基板は、たとえば、カメラモジュールに取り付けられるモジュール側被取付部と、振れ補正機能付き光学ユニットの製造時に固定体に固定される固定側被固定部とを備え、帯状部は、モジュール側被取付部に一端が繋がる第1帯状部と、第1帯状部の他端側に一端側が繋がる第2帯状部と、第2帯状部の他端に一端が繋がるとともに固定側被固定部に他端が繋がる第3帯状部とを備えるとともに、振れ補正機能付き光学ユニットの製造時に第1帯状部と第2帯状部との境界で折り曲げられ、第1帯状部と第2帯状部との境界が折曲げ線となっており、補強板は、第1帯状部または第2帯状部のみに接着されて固定されている。
【0013】
本発明の配線基板は、カメラモジュールと、固定体とを備える振れ補正機能付き光学ユニットに用いることができる。この振れ補正機能付き光学ユニットでは、配線基板の帯状部に補強板が予め固定されていても、振れ補正機能付き光学ユニットの製造工程において帯状部と補強板とを折り曲げたときの帯状部の損傷を防止することが可能になる。
【0014】
本発明において、振れ補正機能付き光学ユニットは、たとえば、カメラモジュールを有する可動体と、可動体を回動可能に保持する固定体と、カメラモジュールの光軸が任意の方向に傾くように固定体に対して可動体を回動させるための駆動機構とを備え、モジュール側被取付部は、カメラモジュールに固定されている。
【0015】
また、本発明において、振れ補正機能付き光学ユニットは、たとえば、カメラモジュールの光軸に直交する所定の平面上で固定体に対して移動可能なモジュール側被取付部を固定体に対して移動させるための駆動機構を備えていても良い。
【0016】
本発明において、たとえば、モジュール側被取付部の厚さ方向および第1帯状部の厚さ方向は、カメラモジュールの光軸の方向である光軸方向と一致しており、帯状に形成される第2帯状部の幅方向および第3帯状部の幅方向は、カメラモジュールの光軸方向と一致しており、帯状部および補強板は、第1帯状部と第2帯状部との境界で直角に折れ曲がっており、補強板は、帯状部の外側に配置されている。
【0017】
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットは、たとえば、第1帯状部および第2帯状部のいずれか一方のみに接着されて固定される補強板と帯状部とを第1帯状部と第2帯状部との境界で直角に折り曲げる折曲げ工程と、折曲げ工程後に、第1帯状部および第2帯状部のいずれか他方に補強板を接着して固定する補強板接着工程とを備える振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法によって製造される。
【0018】
この製造方法によって製造された振れ補正機能付き光学ユニットでは、第1帯状部および第2帯状部のいずれか一方に加えて、第1帯状部および第2帯状部のいずれか他方にも補強板が固定されているため、固定体に対して可動体が回動したときの、補強板に対する第1帯状部および第2帯状部の振動を防止することが可能になる。したがって、固定体に対して可動体が回動したときの、第1帯状部および第2帯状部の振動に起因する共振音の発生を防止することが可能になる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明では、フレキシブルプリント基板によって構成される配線基板の帯状部に平板状かつ金属製の補強板が予め固定されていても、振れ補正機能付き光学ユニットの製造工程において帯状部と補強板とを折り曲げたときの帯状部の損傷を防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施の形態にかかる振れ補正機能付き光学ユニットの斜視図である。
【
図2】
図1に示す振れ補正機能付き光学ユニットの分解斜視図である。
【
図3】
図1に示す振れ補正機能付き光学ユニットからカメラモジュール、配線基板およびカバー部材を取り外した状態の平面図である。
【
図4】
図2に示す配線基板を異なる方向から示す斜視図である。
【
図5】
図1に示す振れ補正機能付き光学ユニットを製造する前の配線基板を示す図であり、(A)は平面図、(B)は配線基板を反被写体側から示す斜視図である。
【
図6】(A)は、
図4(A)のE-E断面の断面図であり、(B)は、
図4(A)のF方向から配線基板の、第2折曲げ部の周辺部分を示す拡大図である。
【
図7】
図5(B)のG部の構成を説明するための斜視図である。
【
図9】本発明の他の実施の形態にかかる配線基板等の構成を説明するための平面図である。
【
図10】従来技術の問題点を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
(振れ補正機能付き光学ユニットの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる振れ補正機能付き光学ユニット1の斜視図である。
図2は、
図1に示す振れ補正機能付き光学ユニット1の分解斜視図である。
図3は、
図1に示す振れ補正機能付き光学ユニット1からカメラモジュール2、配線基板10、11およびカバー部材18、19を取り外した状態の平面図である。
【0023】
以下の説明では、
図1等に示すように、互いに直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とし、X方向を左右方向、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向とする。また、左右方向の一方側である
図1等のX1方向側を「右」側とし、その反対側である
図1等のX2方向側を「左」側とし、前後方向の一方側である
図1等のY1方向側を「前」側とし、その反対側である
図1等のY2方向側を「後ろ」側とし、上下方向の一方側である
図1等のZ1方向側を「上」側とし、その反対側である
図1等のZ2方向側を「下」側とする。
【0024】
本形態の振れ補正機能付き光学ユニット1(以下、「光学ユニット1」とする。)は、たとえば、スマートフォン等の携帯機器に搭載される小型かつ薄型のユニットであり、撮影用のレンズおよび撮像素子を有するカメラモジュール2を備えている。光学ユニット1は、撮影時に振れが発生した場合の撮像画像の乱れを回避するための振れ補正機能を備えている。具体的には、光学ユニット1は、ピッチング方向およびヨーイング方向の振れ補正機能を備えている。
【0025】
光学ユニット1は、全体として厚さの薄い扁平な直方体状に形成されている。本形態の光学ユニット1は、カメラモジュール2の光軸Lの方向である光軸方向から見たときの形状が正方形状となるように形成されている。光学ユニット1の4つの側面は、左右方向と上下方向とから構成されるZX平面または前後方向と上下方向とから構成されるYZ平面と平行になっている。
【0026】
光学ユニット1は、カメラモジュール2を有する可動体3(
図1参照)と、可動体3を回動可能に保持する中間部材4と、中間部材4を回動可能に保持する固定体5(
図1参照)とを備えている。可動体3は、カメラモジュール2の光軸Lに交差する第1交差方向(
図3のV方向)を回動の軸方向として中間部材4に対して回動可能となっている。すなわち、可動体3は、第1交差方向を軸線方向とする第1軸線L1(
図3参照)を回動中心にして中間部材4に対して回動可能となっている。本形態の第1交差方向は、光軸Lに直交している。
【0027】
中間部材4は、第1交差方向に交差するとともにカメラモジュール2の光軸Lに交差する第2交差方向(
図3のW方向)を回動の軸方向として固定体5に対して回動可能となっている。すなわち、中間部材4は、第2交差方向を軸線方向とする第2軸線L2(
図3参照)を回動中心にして固定体5に対して回動可能となっている。本形態では、第2交差方向は、第1交差方向に直交している。このように、可動体3と固定体5との間には、2軸のジンバル機構が構成されている。
【0028】
本形態では、後述の第1駆動用コイル25および第2駆動用コイル27に電流が供給されていないときに、可動体3および中間部材4が所定の基準位置に配置されており、カメラモジュール2の光軸Lが所定の基準位置に配置されている。可動体3および中間部材4が基準位置に配置されていてカメラモジュール2の光軸Lが基準位置にあるときには、カメラモジュール2の光軸方向は、上下方向と一致している。なお、ピッチング方向およびヨーイング方向の振れ補正が行われるときの、上下方向に対するカメラモジュール2の光軸Lの傾きはわずかである。そのため、カメラモジュール2の光軸方向は、上下方向とほぼ一致している。
【0029】
また、可動体3が所定の基準位置に配置されているときには、第2交差方向(W方向)は、光軸Lに直交している。すなわち、可動体3が所定の基準位置に配置されていて中間部材4に対して回動していないときには、第2交差方向は、光軸Lに直交している。一方、可動体3が中間部材4に対して回動しているときには、第2交差方向は、光軸Lに交差してはいるが、直角には交わっていない。第2交差方向(W方向)は、上側から見たときに、前後方向に対して
図3の時計回りの方向へ約45°ずれた方向となっている。
【0030】
光学ユニット1は、カメラモジュール2の光軸Lが任意の方向に傾くように固定体5に対して可動体3を回動させるための駆動機構8、9を備えている(
図3参照)。また、光学ユニット1は、カメラモジュール2に繋がる配線基板10と、駆動機構8の一部を構成する後述の第1駆動用コイル25および駆動機構9の一部を構成する後述の第2駆動用コイル27が実装される配線基板11とを備えている。第1交差方向における中間部材4の両端部には、中間部材4に対する可動体3の回動の支点となる第1支点部12が配置されている。第2交差方向における中間部材4の両端部には、固定体5に対する中間部材4の回動の支点となる第2支点部13が配置されている。
【0031】
可動体3は、全体として光軸方向の厚さが薄い扁平な略直方体状に形成されている。可動体3は、カメラモジュール2が固定されるホルダ16を備えている。ホルダ16は、樹脂材料で形成されている。ホルダ16は、正方形の枠状に形成されており、可動体3および中間部材4が基準位置に配置されている状態で上下方向から見たときのホルダ16の外形は、正方形状となっている。また、可動体3および中間部材4が基準位置に配置されているときには、外形が正方形状をなすホルダ16の外周面を構成する4辺のうちの2辺は、前後方向と平行になっており、残りの2辺は、左右方向と平行になっている。
【0032】
カメラモジュール2は、ホルダ16によってカメラモジュール2の外周側が覆われるように、ホルダ16の内周面に固定されている。上述のように、カメラモジュール2は、レンズおよび撮像素子を備えている。撮像素子は、カメラモジュール2の下端側に配置されており、カメラモジュール2の上側に配置される被写体がカメラモジュール2によって撮影される。
【0033】
上述のように、ピッチング方向およびヨーイング方向の振れ補正が行われるときの、上下方向に対するカメラモジュール2の光軸Lの傾きはわずかであり、カメラモジュール2の光軸方向は、上下方向とほぼ一致している。そのため、カメラモジュール2の光軸方向の一方側(具体的には、カメラモジュール2の光軸方向において被写体が配置される側)を被写体側とし、被写体側の反対側(具体的には、カメラモジュール2の光軸方向において撮像素子が配置される側)を反被写体側とすると、被写体側は、上側とほぼ一致し、反被写体側は、下側とほぼ一致している。
【0034】
中間部材4は、ステンレス鋼等の金属材料によって形成されている。また、中間部材4は、バネ性を有する金属板を所定形状に折り曲げることで形成された板バネである。中間部材4は、ホルダ16よりも上側に配置される基部4aと、基部4aから第1交差方向の両側に向かって伸びる2本の腕部4bと、基部4aから第2交差方向の両側に向かって伸びる2本の腕部4cとによって構成されている。基部4aは、略正方形の枠状に形成されている。基部4aの内周側には、カメラモジュール2の上端部が配置されている。
【0035】
腕部4b、4cの先端側は、下側に向かって折れ曲がっている。腕部4bは、ホルダ16の内周側に配置されている。腕部4cは、ホルダ16の外周側に配置されている。また、腕部4cは、固定体5の一部を構成する後述のケース体17の内周側に配置されている。腕部4bの先端部には、第1支点部12の一部を構成する球体の一部が配置される半球状の凹部が形成されている。腕部4cの先端部には、第2支点部13の一部を構成する球体の一部が配置される半球状の凹部が形成されている。
【0036】
固定体5は、中間部材4を介して可動体3を回動可能に保持している。また、固定体5は、中間部材4およびホルダ16を介してカメラモジュール2を保持しており、カメラモジュール2は、固定体5に対して回動可能となっている。固定体5は、可動体3および中間部材4の外側に配置される枠状のケース体17と、ケース体17の側面および下面を覆うカバー部材18と、ケース体17の上面を覆うカバー部材19とを備えている。ケース体17は、樹脂材料で形成されている。中間部材4は、ケース体17に回動可能に保持されている。
【0037】
ケース体17は、上下方向の両端が開口する扁平な四角筒状に形成されている。ケース体17の上面は、上下方向に直交する平面となっている。上下方向から見たときのケース体17の形状は、正方形の枠状となっている。上下方向から見たときに、外形が正方形状をなすケース体17の外周面を構成する4辺のうちの2辺は、前後方向と平行になっており、残りの2辺は、左右方向と平行になっている。ケース体17の前側面には、配線基板10の一部を構成する後述の固定側被固定部10bが固定される固定面17aが形成されている。固定面17aは、ケース体17の左右方向の中心より若干左側に配置されている。固定面17aは、前後方向に直交する平面となっている。
【0038】
カバー部材18は、正方形の平板状に形成される底部18aと、底部18aから上側に向かって立ち上がる四角筒状の筒部18bとを有する有底四角筒状に形成されている。上下方向から見たときのカバー部材18の外形は、正方形となっている。上下方向から見たときに、外形が正方形状をなすカバー部材18の外周面を構成する4辺のうちの2辺は、前後方向と平行になっており、残りの2辺は、左右方向と平行になっている。
【0039】
底部18aは、光学ユニット1の底面を構成している。筒部18bは、光学ユニット1の側面を構成している。筒部18bは、上下方向のほぼ全域においてケース体17の外周側を覆っている。カバー部材18の前面部には、配線基板10、11を光学ユニット1の外周側に引き出すための切欠き部18c、18dが形成されている。配線基板10は、切欠き部18cを通過するように引き出されている。配線基板11は、切欠き部18dを通過するように引き出されている。切欠き部18dは、切欠き部18cの左側に形成されている。
【0040】
カバー部材19は、主としてケース体17の上面を覆う平板状の覆部19aによって構成されている。カバー部材19は、ケース体17の上端部に固定されている。覆部19aは、正方形の枠状に形成されている。上下方向から見たときのカバー部材19の外形は、正方形となっている。上下方向から見たときに、外形が正方形状をなすカバー部材19の外周面を構成する4辺のうちの2辺は、前後方向と平行になっており、残りの2辺は、左右方向と平行になっている。覆部19aの内周側には、カメラモジュール2および中間部材4の一部が配置されている。
【0041】
第1支点部12は、ホルダ16に固定される支持部材20と、支持部材20に固定される球体とを備えている。支持部材20に固定される球体の一部は、腕部4bの先端部に形成される凹部の中に配置されている。球体は、腕部4bのバネ性によって、第1交差方向における外側から腕部4bの凹部の底面に所定の接触圧で接触している。第2支点部13は、ケース体17に固定される支持部材21と、支持部材21に固定される球体とを備えている。支持部材21に固定される球体の一部は、腕部4cの先端部に形成される凹部の中に配置されている。球体は、腕部4cのバネ性によって、第2交差方向における外側から腕部4cの凹部の底面に所定の接触圧で接触している。
【0042】
駆動機構8は、左右方向で対向配置される第1駆動用磁石24および第1駆動用コイル25を備えている。駆動機構9は、前後方向で対向配置される第2駆動用磁石26および第2駆動用コイル27を備えている。第1駆動用磁石24および第2駆動用磁石26は、長方形の平板状に形成されている。第1駆動用コイル25および第2駆動用コイル27は、たとえば、導線が空芯状に巻回されることで形成された空芯コイルである。
【0043】
第1駆動用磁石24は、ホルダ16の左側面に形成される凹部の中に配置されており、ホルダ16の左面側に固定されている。第1駆動用コイル25は、ケース体17の左面部に形成される貫通穴の中に配置されている。また、第1駆動用コイル25は、配線基板11に取り付けられている。駆動機構8は、カメラモジュール2の光軸Lに直交するとともに前後方向に平行な軸線を回動中心にして固定体5に対して可動体3を回動させる。
【0044】
第2駆動用磁石26は、ホルダ16の後側面に形成される凹部の中に配置されており、ホルダ16の後面側に固定されている。第2駆動用コイル27は、ケース体17の後面部に形成される貫通穴の中に配置されている。また、第2駆動用コイル27は、配線基板11に取り付けられている。駆動機構9は、カメラモジュール2の光軸Lに直交するとともに左右方向に平行な軸線を回動中心にして固定体5に対して可動体3を回動させる。
【0045】
配線基板11は、フレキシブルプリント基板である。配線基板11は、ケース体17の後面、左側面および前面に沿って引き回されている。また、配線基板11は、カバー部材18の前面の左端部から前側に向かって引き出されている。配線基板11は、ケース体17の外周面に固定されている。
【0046】
光学ユニット1では、可動体3の傾きの変化を検知するための所定の検知機構によって可動体3の傾きの変化が検知されると、この検知機構の検知結果に基づいて、第1駆動用コイル25および第2駆動用コイル27の少なくともいずれか一方に電流が供給されて、振れが補正される。駆動機構8、9は、第1軸線L1および第2軸線L2の少なくともいずれか一方を回動中心にして固定体5に対して可動体3を回動させる。
【0047】
(配線基板の構成)
図4は、
図2に示す配線基板10を異なる方向から示す斜視図である。
図5は、
図1に示す光学ユニット1を製造する前の配線基板10を示す図であり、(A)は平面図、(B)は配線基板10を反被写体側から示す斜視図である。
図6(A)は、
図4(A)のE-E断面の断面図であり、
図6(B)は、
図4(A)のF方向から配線基板10の、第2折曲げ部10kの周辺部分を示す拡大図である。
図7は、
図5(B)のG部の構成を説明するための斜視図である。
図8は、
図4(B)のH-H断面の断面図である。
【0048】
配線基板10は、フレキシブルプリント基板とリジッド基板とが一体化されたリジッドフレキシブル基板である。配線基板10は、光学ユニット1で使用される。配線基板10は、カメラモジュール2に取り付けられるモジュール側被取付部10aと、固定体5に固定される固定側被固定部10bと、モジュール側被取付部10aと固定側被固定部10bとを繋ぐ帯状の帯状部10cと、固定体5の外周側に引き出される引出部10dと、光学ユニット1が搭載される携帯機器に接続される被接続部10eとを備えている。また、配線基板10は、帯状部10cに固定される金属製の補強板30を備えている。
【0049】
本形態の配線基板10は、1枚のモジュール側被取付部10aと1枚の固定側被固定部10bと1枚の帯状部10cと1枚の引出部10dと1枚の被接続部10eと1枚の金属板30によって構成されている。モジュール側被取付部10a、固定側被固定部10bおよび被接続部10eは、フレキシブルプリント基板とリジッド基板とによって構成されている。モジュール側被取付部10a、固定側被固定部10bおよび被接続部10eでは、フレキシブルプリント基板とリジッド基板とが積層されている。引出部10dは、フレキシブルプリント基板によって構成されている。
【0050】
モジュール側被取付部10aは、カメラモジュール2に固定されている。具体的には、モジュール側被取付部10aは、カメラモジュール2の反被写体側の端面(すなわち、カメラモジュール2の下端面)に固定されている。モジュール側被取付部10aは、モジュール側被取付部10aの厚さ方向とカメラモジュール2の光軸方向とが一致するように配置されている。すなわち、モジュール側被取付部10aの厚さ方向は、カメラモジュール2の光軸方向と一致している。モジュール側被取付部10aの被写体側の面(上面)には、撮像素子が実装されている。
【0051】
固定側被固定部10bは、ケース体17の固定面17aに固定されている。固定側被固定部10bは、固定側被固定部10bの厚さ方向と前後方向とが一致するように配置されている。引出部10dは、固定側被固定部10bの下端から前側に向かって引き出されている。被接続部10eは、引出部10dの前端に繋がっている。被接続部10eは、光学ユニット1が搭載される携帯機器の内部に設けられたコネクタに接続される。
【0052】
帯状部10cは、可動体3および固定体5に固定されていない。帯状部10cは、主としてケース体17の外周側であって、かつ、カバー部材18の筒部18bの内周側を引き回されている。帯状部10cは、フレキシブルプリント基板によって構成されている。具体的には、帯状部10cは、複数枚のフレキシブルプリント基板によって構成されている。本形態の帯状部10cは、2枚のフレキシブルプリント基板によって構成されている。2枚のフレキシブルプリント基板は、フレキシブルプリント基板の厚さ方向において互いに所定の隙間をあけた状態で重なっている。なお、
図7、
図8では、2枚のフレキシブルプリント基板を1枚のフレキシブルプリント基板として図示している。
【0053】
以下の説明では、帯状部10cを構成する2枚のフレキシブルプリント基板のうちの一方のフレキシブルプリント基板を「第1フレキシブルプリント基板31」とし、他方のフレキシブルプリント基板を「第2フレキシブルプリント基板32」とする。第1フレキシブルプリント基板31は、両面側に配線パターンが形成される2層構造となっており、第2フレキシブルプリント基板32は、片面側に配線パターンが形成される1層構造となっている。
【0054】
第1フレキシブルプリント基板31の厚さは、第2フレキシブルプリント基板32の厚さよりも厚くなっている。たとえば、第1フレキシブルプリント基板31の厚さは、80μm程度となっており、第2フレキシブルプリント基板32の厚さは、40μm程度となっている。また、第1フレキシブルプリント基板31と第2フレキシブルプリント基板32との隙間は、たとえば、10μm程度となっている。
【0055】
帯状部10cは、モジュール側被取付部10aに一端が繋がる第1帯状部10fと、第1帯状部10fの他端側に一端側が繋がる第2帯状部10gと、第2帯状部10gの他端に一端が繋がるとともに固定側被固定部10bに他端が繋がる第3帯状部10hとを備えている。本形態の帯状部10cは、第1帯状部10fと第2帯状部10gと第3帯状部10hとによって構成されている。第1帯状部10fの厚さ方向は、カメラモジュール2の光軸方向と一致している。第1帯状部10fは、モジュール側被取付部10aから右側に向かってわずかに伸びた後に前側に向かって伸びている。
【0056】
帯状部10cは、第1帯状部10fと第2帯状部10gとの境界、および、第2帯状部10gと第3帯状部10hとの境界で折れ曲がっている。本形態の帯状部10cは、第1帯状部10fと第2帯状部10gとの境界および第2帯状部10gと第3帯状部10hとの境界で直角に折れ曲がっている。すなわち、帯状部10cは、第1帯状部10fと第2帯状部10gとの境界部分に形成される第1折曲げ部10j、および、第2帯状部10gと第3帯状部10hとの境界部分に形成される第2折曲げ部10kにおいて直角に折れ曲がっている。
【0057】
第1折曲げ部10jおよび第2折曲げ部10kは、湾曲した湾曲形状となっている。具体的には、第1折曲げ部10jおよび第2折曲げ部10kは、1/4円弧状に湾曲した湾曲形状となっている。すなわち、第1折曲げ部10jは、第1折曲げ部10jの曲率中心を中心とする中心角が90°をなす円弧状に湾曲した湾曲形状となっており、第2折曲げ部10kは、第2折曲げ部10kの曲率中心を中心とする中心角が90°をなす円弧状に湾曲した湾曲形状となっている。
【0058】
帯状部10cは、第1折曲げ部10jにおいて上側に向かって直角に折れ曲がっている。また、帯状部10cは、第1折曲げ部10jにおいて折り曲げ位置の基準となる折曲げ線BL1に沿って折れ曲がっている。第1帯状部10fと第2帯状部10gとの境界が折曲げ線BL1となっており、折曲げ線BL1は、前後方向に平行な直線となっている。第2帯状部10gは、第1帯状部10fの前端部から前側に向かって伸びている。帯状に形成される第2帯状部10gの幅方向は、カメラモジュール2の光軸方向と一致している。
【0059】
第2帯状部10gの後端は、第1帯状部10fの前端よりも後ろ側に配置されている。すなわち、第2帯状部10gの一端は、第1帯状部10fの他端よりも第1帯状部10fの一端側に配置されている。第1折曲げ部10jの前側には、第1折曲げ部10jにおいて帯状部10cを直角に折り曲げるための逃げ部10pが形成されている。逃げ部10pは、上側に向かって窪んでいる。
【0060】
また、帯状部10cは、第2折曲げ部10kにおいて左側に向かって直角に折れ曲がっている。また、帯状部10cは、第2折曲げ部10kにおいて折り曲げ位置の基準となる折曲げ線BL2に沿って折れ曲がっている。第2帯状部10gと第3帯状部10hとの境界が折曲げ線BL2となっており、折曲げ線BL2は、上下方向に平行な直線となっている。第3帯状部10hは、第2帯状部10gの前端から左側に向かって伸びている。帯状に形成される第3帯状部10hの幅方向は、カメラモジュール2の光軸方向と一致している。
【0061】
上述のように、第1帯状部10fの厚さ方向は、カメラモジュール2の光軸方向と一致している。また、帯状に形成される第2帯状部10gの幅方向および第3帯状部10hの幅方向は、カメラモジュール2の光軸方向と一致している。すなわち、第1帯状部10fの厚さ方向は、第2帯状部10gおよび第3帯状部10hの幅方向と一致している。また、第2帯状部10gの厚さ方向は、左右方向と一致しており、第3帯状部10hの厚さ方向は、前後方向と一致している。
【0062】
上述のように、帯状部10cは、第1フレキシブルプリント基板31(以下、「第1FPC31」とする。)と、第2フレキシブルプリント基板32(以下、「第2FPC32」とする。)との2枚のフレキシブルプリント基板によって構成されている。第1FPC31は、第1折曲げ部10jおよび第2折曲げ部10kにおいて、第2FPC32の内側に配置されている(
図6参照)。
【0063】
第1FPC31と第2FPC32とは、第1折曲げ部10jおよび第2折曲げ部10kにおいて互いに接着されて固定されている。すなわち、帯状部10cを構成する2枚のフレキシブルプリント基板は、第1折曲げ部10jおよび第2折曲げ部10kにおいて互いに接着されて固定されている。また、第1FPC31と第2FPC32とは、第1折曲げ部10jおよび第2折曲げ部10kにおいてシート状の接着剤34によって互いに接着されている(
図6参照)。
【0064】
第1FPC31と第2FPC32とは、湾曲形状をなす第1折曲げ部10jの全域において互いに接着されて固定されている。本形態では、第1FPC31と第2FPC32とは、前後方向における第2帯状部10gの後端と第1帯状部10fの前端との間の全域(すなわち、帯状部10cの長手方向における第2帯状部10gの一端と第1帯状部10fの他端との間の全域)において互いに接着されて固定されるとともに、帯状部10cの幅方向の全域において互いに接着されて固定されている。すなわち、第1FPC31と第2FPC32とは、
図5(A)の右上がりのハッチングで示す箇所の全域において互いに接着されて固定されており、第1折曲げ部10jの全体は、
図5(A)の右上がりのハッチングで示す箇所に含まれている。
【0065】
また、第1FPC31と第2FPC32とは、湾曲形状をなす第2折曲げ部10kの全域において互いに接着されて固定されている。本形態では、第1FPC31と第2FPC32とは、第2折曲げ部10kから後ろ側に向かう所定の範囲および第2折曲げ部10kから左側に向かう所定の範囲においても互いに接着されて固定されるとともに、帯状部10cの幅方向の全域において互いに接着されて固定されている。すなわち、第1FPC31と第2FPC32とは、
図5(A)の右下がりのハッチングで示す箇所の全域において互いに接着されて固定されており、第2折曲げ部10kの全体は、
図5(A)の右下がりのハッチングで示す箇所に含まれている。
【0066】
第1FPC31と第2FPC32とは、
図5(A)のハッチングで示す箇所以外では、接着されておらず、第1FPC31、第2FPC32の厚さ方向において互いに所定の隙間をあけた状態で重なっている。なお、第2折曲げ部10kの周辺部における第1FPC31と第2FPC32との、帯状部10cの長手方向の接着範囲は、帯状部10cの長手方向において第2折曲げ部10kの位置が若干ずれても、第1FPC31と第2FPC32とが第2折曲げ部10kの全域において互いに接着されて固定されるように設定されている。
【0067】
補強板30は、ステンレス鋼、銅合金またはアルミニウム合金等の非磁性の金属材料で形成されている。補強板30は、長方形状かつ平板状の金属板を直角に折り曲げることで形成されている。補強板30は、L形状に形成されている。補強板30の厚さは、たとえば、80μmとなっている。補強板30は、第1折曲げ部10jにおいて帯状部10cの曲げ形状を維持する機能を果たしている。なお、
図6(A)では、補強板30の図示を省略している。
【0068】
図4(B)に示すように、補強板30は、第1帯状部10fの前端部の下側に配置される平板状の下面部30aと、第2帯状部10gの後端部の右側に配置される平板状の右面部30bと、下面部30aと右面部30bとを繋ぐとともに第1折曲げ部10jの右下側に配置される曲板状の接続部30cとから構成されている。補強板30は、帯状部10cの外側に配置されている。また、補強板30は、折曲げ線BL1を跨いで配置されている。補強板30は、第1帯状部10fと第2帯状部10gとの境界で直角に折れ曲がっている。
【0069】
下面部30aは、下面部30aの厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。下面部30aは、第1帯状部10fの前端部の下面に接着されて固定されている。下面部30aは、シート状の接着剤36によって第1帯状部10fの前端部の下面に固定されている(
図8参照)。第1帯状部10fの前端部の下面には、下面部30aの全体が固定されている。
【0070】
右面部30bは、右面部30bの厚さ方向と左右方向とが一致するように配置されている。右面部30bは、第2帯状部10gの後端部に接着されて固定されている。右面部30bには、接着剤を塗布するための貫通穴30dが形成されている。右面部30bは、貫通穴30dに塗布される液体状の接着剤を硬化させることで第2帯状部10gの後端部の右面に固定されている。なお、
図8では、貫通穴30dに塗布される接着剤の図示を省略している。
【0071】
光学ユニット1では、ピッチング方向やヨーイング方向の振れ補正を行う際のカメラモジュール2の動作に伴って、第2帯状部10gは、比較的大きく動くが、第3帯状部10hは、第2帯状部10gほど大きく動かない。また、ピッチング方向やヨーイング方向の振れ補正を行う際のカメラモジュール2の動作に伴って、第2帯状部10gは、主として上下方向および左右方向に動き、第3帯状部10hは、主として上下方向に動く。
【0072】
光学ユニット1の製造が行われる前の配線基板10では、
図5に示すように、帯状部10cは、細長い帯状に形成されるとともに平らな形状となっている。すなわち、光学ユニット1の製造が行われる前の配線基板10は、帯状でかつ平らな帯状部10cを備えている。光学ユニット1の製造が行われる前の配線基板10では、第1FPC31と第2FPC32とは、
図5(A)のハッチングで示す箇所で接着されて固定されている。すなわち、配線基板10の製造工程において、第1FPC31と第2FPC32とが
図5(A)のハッチングで示す箇所で接着されて固定される。
【0073】
本形態では、配線基板10を製造するときに、
図5(A)の右上がりのハッチングで示す箇所よりも面積の大きなシート状の接着剤34を用いて、
図5(A)の右上がりのハッチングで示す箇所を接着固定した後、帯状部10cの外形に応じてシート状の接着剤34をカットして除去する。また、配線基板10を製造するときには、
図5(A)の右下がりのハッチングで示す箇所よりも面積の大きなシート状の接着剤34を用いて、
図5(A)の右下がりのハッチングで示す箇所を接着固定した後、帯状部10cの外形に応じてシート状の接着剤34をカットして除去する。
【0074】
また、光学ユニット1の製造が行われる前の配線基板10では、補強板30は、
図5(B)に示すように、平板状に形成されている。平板状の補強板30は、折曲げ線BL1を跨いで配置されている。光学ユニット1の製造が行われる前の配線基板10では、平板状に形成される補強板30の、下面部30aとなる部分の全体は、第1帯状部10fの前端部の下面となる部分に接着されて固定されているが、補強板30の、右面部30bとなる部分は、第2帯状部10gの後端部の右面となる部分に固定されていない(
図7参照)。
【0075】
すなわち、光学ユニット1の製造が行われる前の配線基板10では、補強板30の一部(具体的には、下面部30aとなる部分)が帯状部10cに予め固定されている。また、光学ユニット1の製造が行われる前の配線基板10では、補強板30は、第1帯状部10fのみに接着されて固定されており、折曲げ線BL1の一方側においてのみ帯状部10cに固定されている。すなわち、補強板30の、折曲げ線BL1を境にして分けられる2つの部分のうちの、一方側の部分のみが帯状部10cに固定されている。
【0076】
本形態では、光学ユニット1の製造前に予め、モジュール側被取付部10aがカメラモジュール2に固定されている。光学ユニット1の製造時には、第1帯状部10fのみに接着されて固定される補強板30と帯状部10cとを、第1帯状部10fと第2帯状部10gとの境界で直角に折り曲げる(折曲げ工程)。すなわち、帯状部10cと補強板30とは、光学ユニット1の製造時に所定位置で折り曲げられる。具体的には、帯状部10cと補強板30とは、光学ユニット1の製造時に、第1帯状部10fと第2帯状部10gとの境界で折曲げ線BL1に沿って直角に折り曲げられる。また、帯状部10cと補強板30とは、一緒に折り曲げられる。
【0077】
また、光学ユニット1の製造時には、折曲げ工程後に、第2帯状部10gに補強板30を接着して固定する(補強板接着工程)。補強板接着工程では、右面部30bの右側から貫通穴30dに接着剤を塗布して、第2帯状部10gに補強板30を固定する。また、光学ユニット1の製造時には、固定側被固定部10bがケース体17の固定面17aに固定される。
【0078】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、光学ユニット1の製造が行われる前の配線基板10において、折曲げ線BL1を跨いで配置される平板状の補強板30は、第1帯状部10fのみに接着されて固定されていて、第2帯状部10gには固定されていない。すなわち、折曲げ線BL1を跨いで配置される平板状の補強板30は、折曲げ線BL1の一方側においてのみ帯状部10cに固定されており、折曲げ線BL1の他方側において帯状部10cに固定されていない。
【0079】
そのため、本形態では、光学ユニット1を製造するときの折曲げ工程において、帯状部10cと補強板30とを折り曲げても、帯状部10cに突っ張る部分が生じるのを防止することが可能になる(
図8参照)。したがって、本形態では、帯状部10cに平板状かつ金属製の補強板30が予め固定されていても、光学ユニット1の製造工程において帯状部10cと補強板30とを折り曲げたときの帯状部10cの損傷を防止することが可能になる。
【0080】
本形態では、折曲げ工程後の補強板接着工程において、第2帯状部10gに補強板30を接着して固定している。そのため、本形態では、固定体5に対して可動体3が回動したときの、補強板30に対する第2帯状部10gの振動(具体的には、右面部30bに対する第2帯状部10gの振動)を防止することが可能になる。したがって、本形態では、固定体5に対して可動体3が回動したときの、第2帯状部10gの振動に起因する共振音の発生を防止することが可能になる。なお、本形態では、折曲げ工程後の帯状部10cは、補強板30に沿って無理なく折れ曲がった状態になっているため、補強板接着工程において、第2帯状部10gに補強板30を固定しても、帯状部10cに突っ張る部分は生じない。
【0081】
(振れ補正機能付き光学ユニットの変更例)
図9は、本発明の実施の形態にかかる配線基板10等の構成を説明するための平面図である。
【0082】
上述した形態では、カメラモジュール2を有する可動体3が固定体5に対して回動可能になっており、光学ユニット1は、カメラモジュール2の光軸Lが任意の方向に傾くように固定体5に対して可動体3を回動させるための駆動機構8、9を備えているが、カメラモジュール2の本体が、直接またはホルダ16を介して固定体5に固定されていて、固定体5に対して回動可能となっていなくても良い。この変更例であっても、カメラモジュール2は、固定体5に保持されている。この変更例では、カメラモジュール2の光軸方向は上下方向と一致している。また、この変更例では、中間部材4、駆動機構8、9、第1支点部12および第2支点部13が不要になる。
【0083】
この変更例では、配線基板10のモジュール側被取付部10aは、カメラモジュール2の光軸に直交する所定の平面上(所定のXY平面上)でカメラモジュール2の本体および固定体5に対して移動可能となっており、光学ユニット1は、モジュール側被取付部10aを固定体5に対して移動させるための駆動機構48を備えている。モジュール側被取付部10aは、たとえば、板バネ等のバネ部材を介してカメラモジュール2の反被写体側の端部に移動可能に取り付けられている。モジュール側被取付部10aの被写体側の面(上面)には、カメラモジュール2の撮像素子49が実装されている。撮像素子49は、カメラモジュール2の本体および固定体5に対してモジュール側被取付部10aと一緒に移動可能となっている。この変更例では、カメラモジュール2のレンズに対して撮像素子49が移動することで光学像の振れが補正される。
【0084】
駆動機構48は、たとえば、撮像素子49およびモジュール側被取付部10aを左右方向に移動させる駆動用磁石51および駆動用コイル52と、撮像素子49およびモジュール側被取付部10aを前後方向に移動させる駆動用磁石53および駆動用コイル54と、カメラモジュール2の光軸Lを中心にして撮像素子49およびモジュール側被取付部10aを回動させる駆動用磁石55および駆動用コイル56とを備えている。駆動用コイル52、54、56は、たとえば、モジュール側被取付部10aの反被写体側の面(下面)に取り付けられている。駆動用磁石51、53、55は、固定体5に固定されている。駆動用磁石51は、駆動用コイル52の下側に配置され、駆動用磁石53は、駆動用コイル54の下側に配置され、駆動用磁石55は、駆動用コイル56の下側に配置されている。
【0085】
この変更例では、カメラモジュール2の傾きの変化を検知するための所定の検知機構によってカメラモジュール2の傾きの変化が検知されると、この検知機構の検知結果に基づいて、駆動用コイル52、54、56の少なくともいずれか1個の電流が供給されて、振れが補正される。
【0086】
この変更例では、配線基板10は、たとえば、2枚の帯状部10cを備えている。2枚の帯状部10cのうちの一方の帯状部10cでは、第1帯状部10fは、モジュール側被取付部10aから右側に向かって伸びている。また、一方の帯状部10cでは、第2帯状部10gは、第1帯状部10fの右端から前側に向かって伸び、第3帯状部10hは、第2帯状部10gの前端から左側に向かって伸びている。第3帯状部10hの左端は、固定側被固定部10bに繋がっている。
【0087】
2枚の帯状部10cのうちの他方の帯状部10cでは、第1帯状部10fは、モジュール側被取付部10aから左側に向かって伸びている。また、他方の帯状部10cでは、第2帯状部10gは、第1帯状部10fの左端から前側に向かって伸び、第3帯状部10hは、第2帯状部10gの前端から右側に向かって伸びている。第3帯状部10hの右端は、固定側被固定部10bに繋がっている。固定側被固定部10bは、たとえば、ケース体17の前後方向の中心部に固定されている。
【0088】
なお、この変更例において、駆動機構48は、駆動用磁石55および駆動用コイル56を備えていなくても良い。また、この変更例において、駆動機構48は、駆動用磁石51、53および駆動用コイル52、54を備えていなくても良い。また、この変更例においても、第1帯状部10fと第2帯状部10gとの境界で直角に折れ曲がる補強板30が帯状部10cに固定されているが、
図9では、補強板30の図示を省略している。また、この変更例において、配線基板10は、上述した形態と同様に、1枚のみの帯状部10cを備えていても良い。
【0089】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0090】
上述した形態では、光学ユニット1の製造が行われる前の配線基板10において、折曲げ線BL1を跨いで配置される平板状の補強板30は、第1帯状部10fのみに接着されて固定されていて、第2帯状部10gに固定されていないが、平板状の補強板30が、第2帯状部10gのみに接着されて固定されていて、第1帯状部10fに固定されていなくても良い。すなわち、光学ユニット1の製造が行われる前の配線基板10において、補強板30の、右面部30bとなる部分が第2帯状部10gの後端部の右面となる部分に接着されて固定されるとともに、補強板30の、下面部30aとなる部分が第1帯状部10fの前端部の下面となる部分に固定されていなくても良い。
【0091】
この場合には、光学ユニット1を製造するときの折曲げ工程において、第2帯状部10gのみに接着されて固定される補強板30と帯状部10cとを、第1帯状部10fと第2帯状部10gとの境界で直角に折り曲げる。また、その後の補強板接着工程において、第1帯状部10fに補強板30を接着して固定する。この場合には、たとえば、下面部30aに、貫通穴30dに相当する貫通穴が形成されており、補強板接着工程では、下面部30aの下側からこの貫通穴に接着剤を塗布して、第1帯状部10fに補強板30を固定する。
【0092】
上述した形態において、補強板30の右面部30bは、第2帯状部10gに固定されていなくても良い。この場合には、補強板接着工程が不要になる。また、上述した形態において、帯状部10cは、第1折曲げ部10jにおいて鋭角に折り曲げられていても良いし、鈍角に折り曲げられていても良い。また、上述した形態において、帯状部10cは、第2折曲げ部10kにおいて鋭角に折り曲げられていても良いし、鈍角に折り曲げられていても良い。
【0093】
上述した形態において、配線基板10は、第2帯状部10gの前端部の右側に配置される平板状の右面部と、第3帯状部10hの右端部の前側に配置される平板状の前面部と、この右面部と前面部とを繋ぐとともに第2折曲げ部10kの右前側に配置される曲板状の接続部とによって構成される金属製の補強板を備えていても良い。この補強板は、第2帯状部10gと第3帯状部10hとの境界で直角に折れ曲がっており、折曲げ線BL2を跨いで配置されている。この補強板の右面部は、補強板30の下面部30aと同様に、シート状の接着剤によって第2帯状部10gの前端部の右面に固定されている。また、この補強板の前面部は、補強板30の右面部30bと同様に、液体状の接着剤によって第3帯状部10hの右端部の前面に固定されている。
【0094】
この場合には、光学ユニット1の製造が行われる前の配線基板10では、補強板は、平板状に形成されており、平板状に形成される補強板の、右面部となる部分は、第2帯状部10gの前端部の右面となる部分に接着されて固定されているが、補強板の、前面部となる部分は、第3帯状部10hの右端部の前面となる部分に固定されていない。また、この場合には、光学ユニット1の製造時に、第2帯状部10gのみに接着されて固定される補強板と帯状部10cとを、第2帯状部10gと第3帯状部10hとの境界で直角に折り曲げる(折曲げ工程)。折曲げ工程後には、第3帯状部10hに補強板を接着して固定する(補強板接着工程)。
【0095】
上述した形態において、帯状部10cは、1枚のフレキシブルプリント基板によって構成されていても良いし、3枚以上のフレキシブルプリント基板によって構成されていても良い。また、上述した形態では、配線基板10は、リジッドフレキシブル基板であるが、配線基板10は、フレキシブルプリント基板であっても良い。この場合には、たとえば、モジュール側被取付部10a、固定側被固定部10bおよび被接続部10eは、平板状の補強板に固定されている。この補強板は、たとえば、FR-4やガラスエポキシ等によって形成されているか、または、ステンレス鋼板等の金属板によって形成されている。
【0096】
上述した形態において、光学ユニット1は、カメラモジュール2の光軸Lを回動中心にして中間部材4に対してカメラモジュール2を回動させる回動機構を備えていても良い。この場合には、回動機構は、配線基板11に実装される駆動用コイルと、この駆動用コイルに対向配置される駆動用磁石とを備えている。また、この場合には、中間部材4は、第1中間部材と第2中間部材とを備えている。可動体3は、カメラモジュール2の光軸Lを回動中心にして第1中間部材に対して回動可能になっており、第1中間部材は、第1軸線L1を回動中心にして第2中間部材に対して回動可能となっている。
【0097】
また、カメラモジュール2の光軸Lを回動中心にしてカメラモジュール2を回動させる回動機構を光学ユニット1が備えている場合には、光学ユニット1は、駆動機構8、9を備えていなくても良い。この場合には、たとえば、可動体3は、カメラモジュール2の光軸Lを回動中心にして固定体5に対して回動可能になっている。また、この場合には、中間部材4、第1支点部12および第2支点部13が不要になる。
【0098】
上述した形態において、固定体5は、カメラモジュール2の光軸Lが任意の方向に傾くように板バネを介して可動体3を回動可能に保持していても良い。この場合には、板バネは、たとえば、ホルダ16に固定される可動側の被固定部と、ケース17に固定される固定側の被固定部と、可動側の被固定部と固定側の被固定部とを繋ぐ腕部とを備えている。また、この場合には、光学ユニット1は、中間部材4、第1支点部12および第2支点部13を備えていなくても良い。また、上述した形態において、光学ユニット1は、携帯機器以外の各種の機器に搭載されても良い。
【符号の説明】
【0099】
1 光学ユニット(振れ補正機能付き光学ユニット)
2 カメラモジュール
3 可動体
5 固定体
8、9 駆動機構
10 配線基板
10a モジュール側被取付部
10b 固定側被固定部
10c 帯状部
10f 第1帯状部
10g 第2帯状部
10h 第3帯状部
30 補強板
31 第1FPC(フレキシブルプリント基板)
32 第2FPC(フレキシブルプリント基板)
48 駆動機構
BL1 折曲げ線
L 光軸