(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081692
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】落下防止安全装置と連動される空中リフト
(51)【国際特許分類】
B66F 9/24 20060101AFI20240611BHJP
A62B 35/00 20060101ALI20240611BHJP
B66F 9/06 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
B66F9/24 S
A62B35/00 Z
B66F9/06 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024044327
(22)【出願日】2024-03-21
(62)【分割の表示】P 2023577302の分割
【原出願日】2022-06-22
(31)【優先権主張番号】63/217,806
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/232,388
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/306,548
(32)【優先日】2022-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
2.BLUETOOTH
3.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】レップ,ジョナサン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ライネケ,クリストファー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】マイクス,クリスティン エム.
(72)【発明者】
【氏名】メデイロス,ドナルド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ケアシェール,ジェフェリー ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ヒンクル,アライン
(72)【発明者】
【氏名】ヒギンズ,クリストファー エム.
(72)【発明者】
【氏名】ロペス-ヒダルゴ,ハイジ エー.
(72)【発明者】
【氏名】ヘン,タイラー ビー.
(72)【発明者】
【氏名】カールソン,ローレン ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイス,マイケル ティー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本明細書では、落下防止安全装置と連動され、少なくとも1つの追加の安全装置と更に連動され得る空中リフトが開示される。
【解決手段】落下防止安全装置50と連動し、少なくとも1つの追加の安全装置と更に連動され得る空中リフトを提供する。空中リフトは、落下防止装置50の安全ラインのコネクタが空中リフトのユーザの安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかを検出するように構成された監視システムを備える。監視システムが接続されているように見えるという肯定信号を出力すると、空中リフトは使用可能になる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空中リフトであって、
前記空中リフト上に設置され、前記空中リフトのユーザによって着用される安全ハーネスに接続されるように構成されたコネクタを備える遠位端を有する安全ラインを備える落下防止安全装置と、前記安全ラインの前記コネクタが前記ユーザの前記安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかを判定するように構成された落下防止監視システムと、前記落下防止安全装置に加えて少なくとも1つの追加の安全装置と、を備え、
前記空中リフトは、前記落下防止安全装置及び前記空中リフトの前記少なくとも1つの追加の安全装置と連動され、それにより、少なくとも前記空中リフトの垂直運動機能を有効にするために、前記空中リフトの制御回路は、前記安全ラインの前記コネクタが前記ユーザの前記安全ハーネスに接続されているように見えることを少なくとも示す少なくとも1つの第1の肯定信号を前記落下防止監視システムから受信しなければならず、前記空中リフトの前記制御回路は、前記空中リフトの前記少なくとも1つの追加の安全装置が準備完了状態にあることを示す少なくとも1つの追加の肯定信号を前記空中リフトの前記少なくとも1つの追加の安全装置から受信しなければならない、空中リフト。
【請求項2】
前記空中リフトの前記少なくとも1つの追加の安全装置は、オペレータ存在制御(OPC)スイッチを備え、前記OPCスイッチは、前記OPCスイッチが前記リフトの前記ユーザによる前記空中リフトのアクティブ制御を示す状態にあるとき、前記OPCスイッチが前記OPCスイッチが準備完了状態にあることを示す一次の追加の肯定信号を送信するように構成されている、請求項1に記載の空中リフト。
【請求項3】
前記空中リフトの前記少なくとも1つの追加の安全装置は、収納位置と保護位置との間で移動されるように構成された第1の安全ゲートを少なくとも備える安全ゲート装置を更に備え、
前記第1の安全ゲートが前記保護位置にあるとき、前記第1の安全ゲートは、前記オペレータ支持プラットフォームの第1の側縁部の概ね上方に配置され、
前記安全ゲート装置は、少なくとも前記第1の安全ゲートが前記保護位置にあるとき、前記安全ゲート装置が準備完了状態にあるという二次の追加の肯定信号を送信するように構成され、
少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能を有効にするために、前記少なくとも1つの第1の肯定信号が、前記落下防止監視システムから受信されなければならず、前記一次の追加の肯定信号が、前記OPCスイッチから受信されなければならず、前記二次の追加の肯定信号が、前記安全ゲート装置から受信されなければならない、
請求項2に記載の空中リフト。
【請求項4】
前記空中リフトの前記少なくとも1つの追加の安全装置は、オペレータ許可安全装置を更に備え、少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能を有効にするために、前記少なくとも1つの第1の肯定信号が、前記落下防止監視システムから受信されなければならず、前記一次の追加の肯定信号が、前記OPCスイッチから受信されなければならず、三次の追加の肯定信号が、前記オペレータ許可安全装置から受信されなければならない、請求項2に記載の空中リフト。
【請求項5】
前記落下防止安全装置は、ハウジングを備える自己格納式命綱(SRL)を備え、前記落下防止安全装置の前記安全ラインの近位端は、前記SRLの前記ハウジング内にあるドラムに接続され、前記SRLの前記ハウジングに回転可能に接続され、前記安全ラインは、前記ハウジングから伸長可能かつ前記ハウジング内に格納可能であり、前記SRLの前記ハウジングは、前記空中リフトのオーバーヘッドガードに取り付けられ、前記空中リフトの前記オーバーヘッドガードは、前記空中リフトのオペレータ支持プラットフォームの概ね垂直上方に配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の空中リフト。
【請求項6】
前記落下防止監視システムは、ベースユニットと、前記コネクタに取り付けられ、前記コネクタが前記安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかを感知し、前記コネクタが前記安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかを示すコネクタステータス情報を前記ベースユニットに送信するように構成された少なくとも1つのセンサモジュールとを備え、
前記ベースユニットは、前記少なくとも1つのセンサモジュールから前記コネクタステータス情報を受信し、前記少なくとも1つのセンサモジュールから受信した前記コネクタステータス情報が、前記コネクタが前記ハーネスに接続されているように見えることを示す場合、前記少なくとも1つの第1の肯定信号を前記空中リフトの前記制御回路に送信し、前記少なくとも1つのセンサモジュールから受信した前記コネクタステータス情報が、前記コネクタが前記ハーネスに接続されているように見えないことを示す場合、いかなる第1の肯定信号も前記空中リフトの前記制御回路に送信しないように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の空中リフト。
【請求項7】
前記落下防止監視システムは、前記落下防止監視システムの少なくとも1つの構成要素の少なくとも1回のセルフチェックを実行するように構成され、前記ベースユニットは、前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素が準備完了状態にあるように見えることを前記セルフチェックが示す場合、前記ベースユニットが少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を送信するように構成され、前記空中リフトの前記制御回路は、少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能を有効にするために、前記落下防止監視システムから前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を受信しなければならないように構成されている、請求項6に記載の空中リフト。
【請求項8】
前記落下防止監視システムは、前記落下防止監視システムの第1、第2、及び第3の構成要素のセルフチェックを実行するように構成され、前記ベースユニットは、前記落下防止監視システムの前記第1、第2、及び第3の構成要素が全て準備完了状態にあるように見えることを前記セルフチェックが示す場合、3つの補足の第1の肯定信号を前記ベースユニットが送信するように構成され、前記空中リフトの前記制御回路は、少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能を有効にするために、前記落下防止監視システムから3つの補足の第1の肯定信号全てを受信しなければならないように構成され、
前記落下防止監視システムの前記第1のセルフチェックされる構成要素は、前記センサモジュールであり、前記落下防止監視システムの前記第2のセルフチェックされる構成要素は、前記ベースユニットであり、前記落下防止監視システムの前記第3のセルフチェックされる構成要素は、少なくとも前記センサモジュールに電力供給する少なくとも1つの内部バッテリである、請求項7に記載の空中リフト。
【請求項9】
前記落下防止監視システムの前記第1のセルフチェックされる構成要素は、前記センサモジュールであり、前記落下防止監視システムの前記第2のセルフチェックされる構成要素は、前記ベースユニットであり、前記落下防止監視システムの前記第3のセルフチェックされる構成要素は、少なくとも前記センサモジュールに電力供給する前記少なくとも1つの内部バッテリである、請求項8に記載の落下防止監視システム。
【請求項10】
前記落下防止監視システムは、前記落下防止監視システムの前記ベースユニットが、前記コネクタが前記ハーネスに接続されているように見えることを示すコネクタステータス情報を前記少なくとも1つのセンサモジュールから受信する場合、前記落下防止監視システムが、前記少なくとも1つの第1の肯定信号を前記空中リフトの前記制御回路に送信することに加えて、前記コネクタが前記ハーネスに接続されているように見えることを示す少なくとも1つの準備完了通知をブロードキャストするように構成されている、請求項6~9のいずれか一項に記載の空中リフト。
【請求項11】
前記空中リフトの前記制御回路は、前記落下防止監視システムの前記ベースユニットから前記ベースユニットとの有線接続を介して前記少なくとも1つの第1の肯定信号を受信するように構成され、前記有線接続は、前記落下防止監視システムの前記ベースユニットが前記空中リフトの前記制御回路からガルバニック絶縁されるように構成されている、請求項6~10のいずれか一項に記載の空中リフト。
【請求項12】
前記空中リフトは、前記落下防止監視システムからの前記少なくとも1つの第1の肯定信号及び前記少なくとも1つの追加の安全装置からの前記少なくとも1つの追加の肯定信号が存在しない場合、前記空中リフトが第1の下降位置から上昇することができないが、上昇位置から下降することができるように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の空中リフト。
【請求項13】
前記空中リフトは、前記落下防止監視システムからの前記少なくとも1つの第1の肯定信号及び前記空中リフトの前記少なくとも1つの追加の安全装置からの前記少なくとも1つの追加の肯定信号が存在しない場合、前記空中リフトが第1の下降位置から、前記第1の下降位置の上方の4.0フィート以下である所定の高さを超えて上昇することができないように構成され、前記空中リフトは、前記落下防止監視システムからの前記少なくとも1つの第1の肯定信号及び前記少なくとも1つの追加の安全装置からの前記少なくとも1つの追加の肯定信号を受信すると、前記空中リフトが前記第1の下降位置の上方の前記所定の高さを超えて上昇することができるように更に構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の空中リフト。
【請求項14】
前記空中リフトは、オーダーピッカーである、請求項1~13のいずれか一項に記載の空中リフト。
【請求項15】
落下防止安全装置及び落下防止監視システムと組み合わせて使用される空中リフトの動作を制御する方法であって、
前記落下防止安全装置の安全ラインのコネクタが前記ユーザの落下防止安全ハーネスに接続されているように見えることを少なくとも示す少なくとも1つの第1の肯定信号を前記落下防止監視システムから受信し、前記空中リフトの少なくとも1つの追加の安全装置から少なくとも1つの追加の肯定信号を受信すると、少なくとも前記空中リフトの垂直運動機能を有効にすることと、
前記少なくとも1つの第1の肯定信号及び/又は前記少なくとも1つの追加の肯定信号が受信されない、又は前記少なくとも1つの第1の肯定信号及び/又は前記少なくとも1つの追加の肯定信号の受信を停止すると、少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能を無効にすることと、を含む、方法。
【請求項16】
落下防止安全ハーネスに接続されるように構成されたコネクタを有する安全ラインを備える落下防止安全装置を監視するための落下防止監視システムであって、
前記落下防止安全装置の前記安全ラインの前記コネクタが前記落下防止安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかを判定し、前記落下防止安全装置の前記安全ラインの前記コネクタが前記落下防止安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかに基づいて、コネクタステータス情報を送信するように構成されたセンサモジュールと、
前記センサモジュールから前記コネクタステータス情報を受信し、前記コネクタステータス情報が、前記落下防止安全装置の前記安全ラインの前記コネクタが前記落下防止安全ハーネスに接続されているように見えることを示す場合、第1の肯定信号を送信するように構成されたベースユニットと、を備え、
前記落下防止監視システムは、前記落下防止監視システムの少なくとも1つの構成要素の少なくとも1つのセルフチェックを実行するように構成され、前記ベースユニットは、前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素が準備完了状態にあるように見えることを前記セルフチェックが示す場合、前記ベースユニットが少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を送信するように構成されている、落下防止監視システム。
【請求項17】
前記落下防止監視システムは、前記落下防止監視システムの第1、第2、及び第3の構成要素のセルフチェックを実行するように構成され、前記ベースユニットは、前記落下防止監視システムの前記第1、第2、及び第3の構成要素が全て準備完了状態にあるように見えることを前記セルフチェックが示す場合、少なくとも3つの補足の第1の肯定信号を前記ベースユニットが送信するように構成されている、請求項16に記載の落下防止監視システム。
【請求項18】
前記落下防止監視システムの前記第1のセルフチェックされる構成要素は、前記センサモジュールであり、前記落下防止監視システムの前記第2のセルフチェックされる構成要素は、前記ベースユニットであり、前記落下防止監視システムの前記第3のセルフチェックされる構成要素は、少なくとも前記センサモジュールに電力供給する少なくとも1つの内部バッテリである、請求項17に記載の落下防止監視システム。
【請求項19】
前記センサモジュールは、前記落下防止安全装置の前記コネクタ上に配置され、前記ベースユニットは、前記落下防止安全装置が共に使用されるように構成された空中リフト上に設置されるように構成され、前記センサモジュールは、前記コネクタステータス情報を前記ベースユニットに無線送信するように構成され、更に、前記ベースユニットは、有線であるが前記ベースユニットと前記空中リフトの前記制御回路との間にガルバニック絶縁を提供する接続を介して、前記第1の肯定信号及び前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を前記空中リフトの制御回路に送信することができるように構成されたガルバニック絶縁インターフェースを備える、請求項16~18のいずれか一項に記載の落下防止監視システム。
【請求項20】
前記センサモジュールは、前記落下防止安全装置の前記コネクタ上に配置され、前記ベースユニットは、前記落下防止安全装置の前記コネクタ上の前記センサモジュールと同じ場所に配置され、前記センサモジュールは、有線接続を介して前記コネクタステータス情報を前記ベースユニットに送信し、前記ベースユニットは、前記落下防止安全装置が共に使用されるように構成されている空中リフトの制御回路に前記第1の肯定信号及び前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を無線送信するように構成されている、請求項16~18のいずれか一項に記載の落下防止監視システム。
【請求項21】
前記センサモジュール及び前記ベースユニットは、前記落下防止安全装置の前記コネクタ上で互いに一体化され、前記ベースユニットは、前記第1の肯定信号及び前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を、前記落下防止安全装置が共に使用されるように構成されている前記空中リフトの前記制御回路に送信するように構成された短距離無線通信機を備える、請求項20に記載の落下防止監視システム。
【請求項22】
前記センサモジュールは、ユーザの落下防止安全ハーネスのDリング上に配置されたRFIDタグの存在を検出するように構成されたRFIDリーダであるセンサを備え、前記落下防止監視システムは、前記センサによる前記RFIDタグの検出が、前記落下防止安全装置の前記安全ラインの前記コネクタが前記落下防止安全ハーネスに接続されているように見えるという表示を提供するように構成されている、請求項16~21のいずれか一項に記載の落下防止監視システム。
【請求項23】
前記ベースユニットは、前記第1の肯定信号及び前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を、前記落下防止安全装置が共に使用されるように構成されている空中リフトの制御回路に前記信号を転送するように構成された遠隔測定ネットワークに無線送信するように構成されている、請求項20に記載の落下防止監視システム。
【請求項24】
落下防止安全装置及び落下防止監視システムと組み合わせて使用される空中リフトの動作を制御する方法であって、
前記落下防止監視システムの少なくとも1つの構成要素のセルフチェックを実行することと、
前記落下防止安全装置の安全ラインのコネクタが前記ユーザの落下防止安全ハーネスに接続されているように見えるあることを少なくとも示す、少なくとも1つの第1の肯定信号を前記落下防止監視システムから受信し、前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素の前記セルフチェックが、前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素が準備完了状態にあることを示す、少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を受信すると、少なくとも前記空中リフトの垂直運動機能を有効にすることと、
前記少なくとも1つの第1の肯定信号及び/又は前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号が受信されない、又は前記少なくとも1つの第1の肯定信号及び/又は前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号の受信を停止すると、少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能を無効にすることと、を含む方法。
【請求項25】
少なくとも、センサモジュールである前記落下防止監視システムの第1の構成要素、ベースユニットである前記落下防止監視システムの第2の構成要素、及び少なくとも前記センサモジュールに電力供給する少なくとも1つの内部バッテリである前記落下防止監視システムの第3の構成要素に対してセルフチェックが実行され、それにより、少なくとも3つの補足の第1の肯定信号が、少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能を有効にするために受信されなければならず、前記3つの補足の第1の肯定信号のいずれかが受信されない又は前記3つの補足の第1の肯定信号のいずれかの受信を停止した場合、少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能が無効にされる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記空中リフトは、前記落下防止安全装置に加えて少なくとも1つの追加の安全装置を備え、少なくとも前記空中リフトの垂直運動機能を有効にするために、前記空中リフトの制御回路は、前記安全ラインの前記コネクタが前記ユーザの前記安全ハーネスに接続されているように見えることを少なくとも示す少なくとも1つの第1の肯定信号を前記落下防止監視システムから受信し、前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素の前記セルフチェックが前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素が準備状態にあることを示す少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を前記落下防止監視システムから受信し、前記少なくとも1つの追加の安全装置が準備状態にあることを示す少なくとも1つの追加の肯定信号を前記空中リフトの前記少なくとも1つの追加の安全装置から受信しなければならない、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
空中リフトのユーザによって着用される落下防止安全ハーネスに接続される第1の近位端と、前記空中リフトの固定具に接続されるように構成されたコネクタを有する第2の遠位端と、を有する安全ラインを備える落下防止安全装置を監視するための落下防止監視システムであって、
前記落下防止安全装置の前記安全ラインの前記第2の遠位端にある前記コネクタが前記空中リフトの前記固定具に接続されているように見えるかどうかを判定し、前記落下防止安全装置の前記安全ラインの前記第2の遠位端にある前記コネクタが前記落下防止安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかに基づいて、コネクタステータス情報を送信するように構成されたセンサモジュールと、
前記コネクタステータス情報を前記センサモジュールから受信し、前記コネクタステータス情報が、前記落下防止安全装置の前記安全ラインの前記第2の遠位端にある前記コネクタが前記空中リフトの前記固定具に接続されているように見えることを示す場合、第1の肯定信号を送信するように構成されたベースユニットと、を備え、
前記落下防止監視システムは、前記落下防止監視システムの少なくとも1つの構成要素の少なくとも1つのセルフチェックを実行するように構成され、前記ベースユニットは、前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素が準備完了状態にあるように見えることを前記セルフチェックが示す場合、前記ベースユニットが少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を送信するように構成されている、落下防止監視システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
空中リフト(aerial lifts)は、様々な用途に広く使用されている。特に、いわゆるオーダーピッカーは、垂直スタック、様々な高さの棚などから物品をピッキングするマテリアルハンドリングに広く使用されているモータ駆動式空中リフトである。
【発明の概要】
【0002】
概して、本明細書では、落下防止安全装置と連動され、少なくとも1つの追加の安全装置と更に連動され得る空中リフトが開示される。空中リフトは、落下防止安全装置の安全ラインのコネクタが空中リフトのユーザの安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかを検出するように構成された監視システムを装備している。これらの態様及び他の態様が、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。しかしながら、この広範な要約は、いかなる場合にも、特許請求可能な主題を限定するものと解釈されるべきではなく、このことは、そのような主題が、最初に申請される際の本出願の特許請求の範囲において提示されているか、又は、出願経過中に補正若しくはそうでなければ提示される特許請求の範囲において提示されるかに関わらない。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】例示的な一般的表現における空中リフトの側面斜視図であり、空中リフトは、同じく例示的な一般的表現で示示される、監視される落下防止安全装置を装備したオーダーピッカーである。
【
図2】垂直上昇構成で示される別の例示的なオーダーピッカーの側面斜視図である。
【
図3】空中リフトの落下防止システムでの使用に好適な例示的な落下防止安全装置の正面図である。
【
図4】空中リフトの落下防止システムでの使用に好適な例示的な落下防止安全装置の斜視図である。
【
図5】空中リフトの落下防止システムでの使用に好適な落下防止ハーネスの背面図である。
【0004】
様々な図における同様の参照番号は、同様の要素を示す。いくつかの要素は、同一又は等価の複数で存在する場合があり、そのような場合、1つ以上の代表的な要素のみが、参照番号によって示される場合もあるが、そのような参照番号は、そのような同一の要素の全てに適用される点が理解されるであろう。本文書における全ての図及び図面は、縮尺どおりではなく、本発明の代表的な実施形態を総称的例示する総称的に的で選択されている。特に、様々な構成要素の寸法は、例示的な値としてのみ示されており、様々な構成要素の寸法間の関係は、そのような指示のない限り、図面から推測されるべきではない。「第1」、「第2」、「追加の」、「一次」、「二次」、「三次」などの用語を本開示に使用する場合があるが、特に断らない限り、これらの用語はそれらの相対的な意味においてのみ使用されると理解される。具体的には、本明細書で説明される様々な信号を説明するためのそのような用語の使用に関して、そのような用語又はそのような用語の組み合わせは、特に言及されない限り、いかなる時間的順序も生じさせないことを強調しておく。垂直、上向き及び下向き、上方及び下方などの用語は、地球の重力に対するそれらの通常の意味を有する。水平方向は同様に、垂直方向に垂直な任意の方向としてのその通常の意味を有する。
【0005】
本明細書で特性又は属性の修飾子として使用する場合、「概ね(generally)」という
用語は、特に定めのない限り、当業者にとっては、性質又は属性を、高度の近似(例えば、定量化可能な特性の場合、+/-20%以内)を要求することなく容易に認識可能であることを意味する。用語「~ように構成されている(configured to)」及び同様の用語
は、少なくとも、用語「~ように適合されている(adapted to)」と同程度に制限的なものであり、指定されている機能を実行する、単なる物理的な能力ではなく、そのような機能を実行するための、実際の設計意図を要求するものである。数値パラメータ(寸法、比率など)に対する本明細書の全ての参照は、(特に断らない限り)パラメータの複数の測定値から導き出される平均値を用いて計算可能であると理解される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書には、落下防止安全装置50と、本明細書で後に詳細に説明するように、落下防止安全装置の様々な態様を監視することができる落下防止監視システムとが開示される。このような装置及びシステムは、例えばいわゆるオーダーピッカーにより例示されるような空中リフトと共に使用することができ、
図1には、オーダーピッカー1が例示的な一般的表現で示されている。オーダーピッカーは、垂直スタック、様々な高さの棚などから物品をピッキングするために広く使用されているマテリアルハンドリング用乗物である。
図1の例示的な実施形態に示されるように、オーダーピッカーは、オーダーピッカーの人間のユーザ(オペレータ)を支持し、
図2の例示的な実施形態に示されるようにかなりの高さまで上昇可能である概ね水平なプラットフォーム2を有するモータ駆動式の乗物である(
図2に示されるオーダーピッカーは、
図1に示されるオーダーピッカーとは様々な態様において異なることに留意されたい)。オペレータは、典型的には、オペレータ支持プラットフォーム2上に立つが、いくつかの実施形態では、プラットフォーム2は、座席、スツールなどを備えてもよい。いくつかの実施形態では、オーダーピッカーは、オペレータがオーダーピッカーを動作させること、例えばオーダーピッカーを操縦すること、オーダーピッカーを場所から場所へ手動で駆動すること、オペレータ支持プラットフォームを上昇及び下降させることなどを可能にする手動入力デバイス(制御部)4を含む。そのような手動入力デバイスは、例えば、ステアリングホイール又はジョイスティック、前進-後退制御及び速度制御、上昇/下降制御、オーダーピッカーの低速移動又はその位置の微調整のための「インチング」ボタン又は「ジョギング」ボタンなどを含んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも空中リフトのいくつかの機能(例えば、水平移動)は、本明細書で後述するように、オペレータによって手動で制御されるのではなく、自動的に制御(例えば、遠隔制御又は自律制御)されてもよい。
【0007】
図2の例示的実施形態に示すように、オーダーピッカーは、しばしば、伸縮式マストアセンブリ5を備える。伸縮式マストアセンブリ5は、プラットフォーム2をかなりの垂直高さ(例えば、1、2、4、6、8又は10メートル又はこれ以上)まで上昇させることを可能にする複数の伸縮式セクション(例えば、2つ、3つ又は3つ以上)を備える。オーダーピッカーは、オペレータが1つ以上の物品を手で掴み、それらを高い場所から、例えば棚又はスタックから取り除くことができるように、オペレータ支持プラットフォーム2上のオペレータが位置決めされることを可能にする。いくつかの事例では、オペレータは、
図2に示される一般的なタイプのトレイ14上にそのような物品を配置してもよい。いくつかの実施形態では、オーダーピッカーは、より大きな物品を高い場所から取り除くことを可能にするフォーク6のセットを備える。したがって、オーダーピッカー(一般には空中リフト)は、オペレータ支持プラットフォーム2を備え、オペレータ支持プラットフォームは、オーダーピッカーがその上に常駐している地面又は床にプラットフォームが近接する(この状態において、オーダーピッカーは水平に移動、例えば駆動され得る)第1の「下降」位置と、第2の「上昇(elevated)」(上昇(raised))位置との間で垂直に移動可能である。任意の所与の時間における第2の上昇位置は、例えば、特定の物品に到達するために必要に応じてオペレータによって選択される、複数の上昇高さ位置のうちのいずれかであり得る。定義によれば、第2の上昇(raised)又は上昇(elevated)位置は、第1の下降位置の少なくとも4インチ上方である。
【0008】
多くの実施形態では、オーダーピッカーは、オペレータの使用のために上述の制御部4を呈し得るコンソール7を備える。しばしば、例えば制御回路17などのオーダーピッカーを動作させるのに必要な様々な電子構成要素は、一般にコンソール7内に配置されてもよい。多くの場合、オーダーピッカーは、コンソールの上方に立ち上がり、概ね水平のオーバーヘッドガード(ルーフ)9を支持する概ね垂直の壁又はパネル8を備えてもよい。壁、パネル、ルーフなどの記述的な用語は、そのような実体を純粋に連続的な(例えば、途切れのない又は中断のない)構造体に限定することを意図するものではない。任意のそのような実体は、例えば、(
図2の例示的な設計におけるように)例えば1つ、2つ、又はそれ以上の梁、柱などの形態をとってもよく、例えばユーザが必要に応じてトレイ14にアクセスすることができるように、少なくともいくらかの空きスペースが提供される。典型的には、コンソール7、パネル8、及びオーバーヘッドガード9は、オペレータ支持プラットフォーム2に対して固定された関係にあるため、これらの構成要素は、プラットフォーム2と一致して垂直に移動する。多くの実施形態では、パネル8及び/又はガード9の少なくとも一部分は、オペレータの水平周囲及び垂直周囲の視認性を高めるために透明であってもよい。例えば、多くの実施形態では、パネル8の少なくとも一部分は、
図1の例示的実施形態に示すように、広い間隔のワイヤの格子又は網目を備えてもよい。
【0009】
追加の肯定信号
上述したように、空中リフト、例えばオーダーピッカーは、落下防止安全装置50と、落下防止安全装置を監視する落下防止監視システムとを備える。落下防止監視システムは、本明細書で後に詳細に説明するように、制御回路がオーダーピッカーの特定の機能を有効にするために、少なくとも1つの第1の肯定信号を空中リフトの制御回路に直接又は間接的に送信するように構成される。落下防止監視システムの様々な構成要素は、落下防止安全装置の1つ以上の構成要素の上又はその中に設置されてもよく、かつ/又は、本明細書において後で詳細に説明するように、空中リフト自体の上に設置されてもよく、若しくは空中リフトに一体化されてもよい。
【0010】
空中リフトは、落下防止安全装置に加えて少なくとも1つの安全装置を備える。任意のそのような安全装置は、「追加の」安全装置と呼ばれ、「追加の」肯定信号が空中リフトの制御回路に送信され得るように監視される。典型的には、任意のそのような追加の安全装置の構成要素、及び任意のそのような追加の安全装置のステータスを監視するためのシステムは、オーダーピッカー自体の構造の中又は上に設置され、典型的には、別個の電源に依拠するのではなくオーダーピッカーによって電力供給される。
【0011】
存在し得る1つのそのような追加の安全装置は、
図1及び
図2の例示的な実施形態に示されるようなオペレータ存在制御(Operator Presence Control、OPC)スイッチ15
である。OPCスイッチは、少なくともオーダーピッカーのいくつかの機能を有効にするために係合されなければならず、オーダーピッカーのこれらの機能を有効なままにするために係合状態に維持されなければならないスイッチである。いくつかの実施形態では、オーダーピッカーは、OPCが係合されない限り、垂直には移動しない(しかし、依然として水平に移動することは可能であってもよい)。いくつかの実施形態では、オーダーピッカーは、(OPCスイッチが「準備完了」位置にあるように)OPCスイッチが係合されない限り、水平にも垂直にも移動しない。オーダーピッカーの様々な機能のこの有効化及び無効化は、OPCスイッチから受信した信号に基づいて、オーダーピッカーの制御回路17によって制御される。
【0012】
OPCスイッチ(デッドマンスイッチ、警戒制御スイッチ、又はドライバ存在センサと呼ばれることもある)は、オーダーピッカーのオペレータが存在しており(例えば、プラットフォーム2上に立っており)、例えば無力化しているのではなくオーダーピッカーのアクティブ制御中であることを保証する目的を果たす。OPCスイッチが、リフトのユーザ(オペレータ)による空中リフトのアクティブ制御を示す準備完了位置にあるとき、OPCスイッチは、追加の肯定(準備完了)信号をオーダーピッカーの制御回路に送信し、この追加の肯定信号に基づいて、オーダーピッカーの制御回路はオーダーピッカーの特定の機能を有効に維持する。そのような追加の肯定信号が存在しない場合、制御回路は少なくともオーダーピッカーのいくつかの機能を無効にする。OPCスイッチからの追加の肯定信号は、以下で説明する他の追加の肯定信号と区別するために、一次の追加の肯定信号と称する。いくつかの実施形態では、OPCスイッチは、そのような信号を無線で送信してもよいが、いくつかの実施形態では、そのような目的のために、OPCスイッチが制御回路17への有線接続を有することが好都合であり得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、OPCスイッチ15は、例えば、ペダルを上向きの非係合位置から下向きの係合位置に移動させるために、オペレータの足により接触することができる1つ以上のペダルの形態をとってもよい。ペダルは、上向きの非係合位置に向かって付勢されており、この位置は、人間のオペレータによるオーダーピッカーのアクティブ制御が行われていないことを示す。下向きの位置は、アクティブ制御が存在することを示し、OPCスイッチが人間のユーザによるアクティブ制御を示す準備完了状態にあることを示す一次の追加の肯定信号をオーダーピッカーの制御回路に送信させる。「ペダル」という用語は、一般に、オペレータの足により好適に接触可能な、例えば押圧可能な任意の物品を示すために使用される。そのような物品は、例えば、(
図1及び
図2のように)プラットフォーム2の床に直接取り付けられた「ボタン」であってもよく、又は、例えば、ピアノペダルの一般的な様式でコンソール7の最下部から後方に延びていてもよい。あるいは、そのような物品は、コンソール7の最下部の凹部内に配置されてもよく、その結果、オペレータは、OPCスイッチに到達するように凹部内に足をわずかに挿入する。いくつかの実施形態では、OPCスイッチは、比較的大きくてもよく(又は、2つのOPCペダル又はボタンが提供されてもよく)、それにより、オペレータは、オペレータの快適さを高めるために、それらの位置をシフトすることができる、及び/又は、物品を押すために使用する足を交互にすることができる。(例えば、空中リフトのオペレータが時々異なる方向に向く必要があり得る)いくつかの実施形態では、複数(例えば、2つ又は3つ)のペダルが、例えば、オペレータの位置の周りに円弧状に離間して提供されてもよく、一次の追加の肯定信号を発行するために、少なくとも1つ(いくつかの設計では、2つ)のペダルに、オペレータの足により接触する必要がある。
【0014】
他の実施形態では、OPCスイッチは、例えば、係合位置に置くためにユーザの手によって掴めなければならない又は握り締めなければならない部材の形態をとってもよい。したがって、OPCスイッチは、任意の好適な物理的形態をとってもよく、任意の適切な場所にあってもよいことが理解されよう。形態がどうであれ、多くの実施形態では、任意のそのようなOPCスイッチは、非係合位置であるデフォルト位置を有し(しばしば、そのデフォルト位置に向かって付勢され)、したがって、OPCスイッチを係合位置に能動的に係合するようにオペレータに要求する。
【0015】
いくつかの実施形態では、OPCスイッチは、例えば、オペレータの足が特定の場所に置かれたことを確認する1つ以上のセンサの形態をとってもよく、オペレータが足で圧力を加える必要なしに、オペレータが存在し、かつオーダーピッカーをアクティブ制御中であることを確認する。したがって、OPC「スイッチ」は、必ずしも物理的スイッチの形態をとる必要はないことに留意されたい。実際、いくつかの実施形態では、1つ以上のカメラ及び関連する画像処理回路は、本明細書で後に詳細に説明するように、OPC「スイッチ」として機能するように構成されてもよい。したがって、要約すると、OPC「スイッチ」は、オペレータがオーダーピッカーをアクティブ制御中であることを個々に又は集合的に検証する、任意の単一の物品又は物品のセット、機能システムなどの形態をとることができる。
【0016】
存在し得るオーダーピッカーの別の追加の安全装置は、安全ゲート装置である。
図1及び
図2の例示的な実施形態に示すように、そのような安全ゲート装置は、少なくとも1つの安全ゲートを備えてもよい。多くの実施形態では、安全ゲート装置は、
図1及び
図2の例示的な実施形態に示されるように、(例えば、
図1の視点から見て左及び右の)第1のゲート11及び第2のゲート12を備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのそのようなゲートが移動可能であり、しばしば、両方のゲートが収納位置と保護(準備完了)位置との間で移動可能である(そのようなゲートは、しばしば、格納式サイドゲートと呼ばれる)。保護位置では、ゲートは、オペレータ支持プラットフォーム2の側方の(左又は右の)縁部の概ね上方に配置され、
図2から明らかなように、2つのゲートが結合して、プラットフォーム2の側方に隣接し、例えば部分的に囲む。収納位置では、ゲートは、非保護位置にあり(例えば、
図1のゲート11と同様に上向きに枢動的に移動され)、例えば、オーダーピッカーがその第1の下降位置にある間にオペレータがプラットフォーム2に乗ることを可能にする。
【0017】
「ゲート」という用語は、上述のように機能することができる任意の部材、梁、レール、又はそのような部材のセットを一般に包含するために使用される。いくつかの実施形態では、そのようなゲートの一方又は両方は、オペレータがプラットフォーム2に乗ることを可能にする収納位置へとゲートを開放する(例えば上昇させる)ことができ、次いで、保護位置へと閉鎖する(例えば下降させる)ことができるように、例えば、オーダーピッカー1に対する枢動接続部を中心に枢動可能であってもよい。いくつかの実施形態では、ゲートは、(例えば
図1の例示的実施形態と同様に)他方が保護位置にある間に一方が収納位置にあり得るように、独立して動作可能であってもよく、他の実施形態では、ゲートは一体となって動作してもよい。いくつかの実施形態では、一方又は両方のゲートは、例えばオーダーピッカーのコンソール7上に配置された制御部によって手動で開閉可能であってもよく、いくつかの実施形態では、一方又は両方のゲートは、特定の条件下で自動的に開閉するように構成されてもよい。
【0018】
上述の構成は例示的なものであり、そのようなゲートの多くの構成が可能である。例えば、いくつかのそのようなゲート又はその少なくとも一部分は、保護(閉)位置へと、下向きではなく上向きに枢動的に移動してもよい。いくつかのゲートは、枢動的にではなく摺動可能に移動する1つ以上の部分を有してもよい。いくつかの実施形態では、ゲートは、(例えば、
図2の例示的な構成と同様に)1つ以上の垂直部材、柱、又はパネルを備えてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の垂直部材は、ゲートが閉位置に移動する際に、例えば、(例えばプラットフォーム2に接触するように)ゲートの上側レールから下向きにスイングしてもよい、又はそのような部材は、ゲートに対して固定された関係にあってもよい。閉鎖されたゲートの任意のそのような構成は、オペレータ支持プラットフォーム2の側面を境界付け得る、例えば、少なくとも部分的に囲み得る。いくつかの実施形態では、追加のゲートが、プラットフォーム2の後部(例えば、コンソール7に概ね対向する場所)に又はその近傍に提供されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、プラットフォーム2のこの端部は、オペレータが高い場所から取り除かれることになる物品に容易に到達して掴むことができるように、比較的開放されたままであってもよい。
【0019】
安全ゲート装置は、移動可能な各ゲートが格納位置にあるか又は保護位置にあるかをオーダーピッカーの制御回路17に知らせる感知システムを有して構成されてもよい。特に、全てのそのような可動ゲートが保護(準備完了)位置にあるとき、安全ゲート装置の感知システムは、安全ゲート装置が保護状態にあることを示す少なくとも1つの追加の肯定(準備完了)信号を発行する。この追加の肯定信号(又は複数の信号)は、「一次」の追加の肯定信号と呼ばれるOPCスイッチからの追加の肯定信号と区別するために「二次」の追加の肯定信号と呼ばれる(ここでも、そのような用語は、信号が任意の特定の時間的順序で送信又は受信される必要があることを暗示するものではないことに留意されたい)。
【0020】
したがって、いくつかの実施形態では、オーダーピッカーの制御回路17がオーダーピッカーの特定の機能を有効にし、それらを有効に維持するために、制御回路は、例えば、上述したようにOPCスイッチから一次の追加の肯定信号を受信することに加えて、安全ゲート装置から二次の追加の肯定信号を受信する必要がある。そのような二次的な追加の肯定信号が存在しない場合、制御回路は、少なくともオーダーピッカーのいくつかの機能を無効にしてもよい。いくつかの実施形態では、安全ゲート装置の感知システムは、そのような信号を制御回路に無線で送信してもよいが、いくつかの実施形態では、安全ゲート装置の感知システムは、そのような目的のためにオーダーピッカーの制御回路への有線接続を有してもよい。
【0021】
したがって、いくつかの実施形態では、オーダーピッカーは、本明細書で説明される落下防止安全装置に加えて、2つの安全装置(例えば、OPCスイッチ及び安全ゲート装置)を有してもよい。そのような実施形態では、オーダーピッカーの制御回路は、オーダーピッカーの特定の機能を有効にするために、少なくとも3つの肯定信号(すなわち、落下防止監視システムからの少なくとも1つの第1の肯定信号、OPCスイッチからの一次の追加の肯定信号、及び安全ゲート感知システムからの二次の追加の肯定信号)を受信する必要があってもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、オーダーピッカーは、その上に設置された1つ以上の追加の安全装置を有してもよく、したがって、オーダーピッカーの機能を有効にするために、追加の安全装置からの1つ以上の追加の肯定信号を要求してもよい。例えば、1つのそのような追加の安全デバイスは、(例えば、人物のバッジのRFIDタグ、バーコード、NFCコード、又はQRコードをスキャンすることによって)その人物がオーダーピッカーを動作させるように訓練及び許可されていることを確認し得るオペレータ認証デバイス16であってもよい。他の実施形態では、そのようなオペレータ認証デバイスは、顔認識システム、虹彩認識システム、音声認識システム、又は人が特殊コード若しくはパスワードを入力する必要があり得るキーパッド若しくは他のインターフェースの形態をとってもよい。しかしながら、適切な認証が達成されると、三次の追加の肯定信号がオーダーピッカーの制御回路に送信される結果となり得る。オーダーピッカーが追加の安全装置を装備している場合、1つ以上の追加の肯定信号、例えば四次の追加の肯定信号が同様に制御回路に送信されてもよい。
【0023】
様々な実施形態では、落下防止監視システムによって送信され、本明細書で後に詳細に説明される少なくとも1つの「第1の」肯定信号に加えて、一次、二次、三次、及び四次の追加の肯定信号のうちのいずれか又は全てが、空中リフトの制御回路に送信されてもよい。任意の個々の更なる肯定信号は、任意の他の追加の肯定信号の非存在下で使用されてもよく、更に、追加の肯定信号の任意のサブセット又は組み合わせが使用されてもよい。一次、二次、三次などの用語は、説明の便宜上使用されるにすぎず、必ずしも何らかの特定の階層又は時間順序を暗示するものではないことを再び強調しておく。例えば、いくつかの実施形態では、オーダーピッカー連動システムは、連動システムが安全ゲート感知システムからの二次の追加の肯定信号にも依拠するかどうかにかかわらず、オペレータ認証デバイスからの三次の追加の肯定信号に依拠してもよい。ここでの説明は主にオーダーピッカーの垂直運動機能の連動に関するものであるが、オーダーピッカーは、様々な追加の肯定信号又はそれらの組み合わせが異なる機能を連動させるように構成されてもよいことが理解されるであろう。例えば、1つの追加の肯定信号に応答して、オーダーピッカーの水平運動機能が無効にされてもよく、異なる追加の肯定信号に応答して、オーダーピッカーの最大水平速度が課せられてもよく、異なる追加の肯定信号に応答して、オーダーピッカーが完全に移動不能にされてもよい、などである。
【0024】
上述したように、これらの追加の肯定信号のうちのいずれかを、無線で、又は1つ以上の有線接続を介して、オーダーピッカーの制御回路に送信してもよい。これらの信号の多くは、オーダーピッカー自体の設置された構成要素又はサブシステム(例えば、OPCスイッチ、安全ゲートの感知システムなど)である実体から発せられるため、いくつかの実施形態では、信号は有線接続を介してオーダーピッカーの制御回路に送信されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、任意のそのような1つ又は複数の信号は、無線で送信されてもよい。いくつかの事例では、これらの信号のうちのいずれか又は全てが連続的に送信されてもよい。しかしながら、これは必ずしもそうである必要はなく、いくつかの事例では、安全装置の状態の変化が制御回路に十分迅速に通信されるように送信頻度が十分高い限り、一次、二次、三次信号などが断続的又は周期的に送信されてもよい。
【0025】
落下防止装置
図3及び
図4の例示的な実施形態に示すように、空中リフト、例えばオーダーピッカー1は、監視される落下防止安全装置50を備える。そのような落下防止装置50は、空中リフトの人間のオペレータによって着用されるように構成された(
図5の例示的な実施形態に示されるような)落下防止安全ハーネス40を含む落下防止システムの一部として使用されてもよい。落下防止安全装置50は、安全ライン52(例えば、金属ケーブル、DYNEEMAウェビングなどの形態をとってもよい)を備え、安全ラインの遠位端は、ハーネス40に接続されるように構成されたコネクタ30を装備している。(当業者によって十分に理解されるように、他の構成要素も存在してもよい)。
【0026】
コネクタ30は、一般的な用語である「フック」又は「ゲートフック」と本明細書で呼ばれる場合があるが、そのようなコネクタは、しばしば、カラビナと呼ばれ、これら2つを明確に分ける線は必ずしも存在しないことは理解されるであろう。(
図3及び
図4の例示的な実施形態に更に詳細に示されるような)多くのそのようなフック及びカラビナは、本体31及び可動ゲート32を備え、したがってゲートフックと称される。少なくともいくつかの実施形態では、任意のそのようなコネクタは、ANSI規格Z359.12-2019に準拠することになる。いくつかの実施形態では、コネクタは、ダブルアクションコネクタ(すなわち、開くためには少なくとも2つの連続する異なるアクションを要求するゲートを有する)であってもよい。ダブルアクションコネクタの1つのカテゴリーは、KJ5108 HOOK CONNECTORの商品名で3M Fall Protectionから入手可能な製品及びSAFLOKの商品名で3M Fall Protectionから入手可能な様々なコネクタによって例示される一般的なタイプのいわゆるツイストロックフック及びカラビナである。そのようなコネクタでは、ゲートをロック解除し、次いで、ゲートを開放することができるようにするために、コネクタ30のゲート32のロック機構33を(例えば、ゲートの長軸と位置合わせされた回転軸を中心に少なくとも4分の1回転)ひねらなければならない。様々な実施形態では、ロック機構33は、例えば、(
図4の例示的な構成のように)ゲートの一部分に取り付けられたカラーであってもよい、又はゲートの全体をひねることが可能であってもよい。いくつかのコネクタ(例えば、製品番号2000300及び2000301で3M Fall Protectionから入手可能な製品)は、ゲートを回転させてゲートを開放することを可能にすることに加えて、カラー及び/又はゲートをその長軸に沿ってわずかに移動させなければならないトリプルアクションコネクタであってもよい。ダブルアクションコネクタの別のカテゴリーは、ロック機構を移動させた(例えば、内側に押した又は握り締めた)後でなければフックのゲートを開放することができない、いわゆるスナップフック(又はロックスナップフック)である。このようなコネクタとしては、製品番号2007153及び9510057で3M Fall Protectionから入手可能なものが挙げられる。そのような物品は全て、本明細書に定義されるコネクタであると見なされ、総称的にゲートフックと呼ばれる場合がある。
【0027】
多くの実施形態では、安全ライン52のコネクタ30は、ハーネスに取り外し不能に取り付けられたDリングに取り付けられることによって落下防止安全ハーネス40に接続されるように構成されてもよい。特定の実施形態では、コネクタは、
図5に示される一般的なタイプの背面Dリング41に取り付けられてもよい。「Dリング」という用語は、落下防止ハーネスに取り付けられ、安全ラインのコネクタが取り付けられるように意図的に構成された任意の物品を総称的に包含することを強調しておく。そのような物品は、必ずしも何らかの特定の形状を示す必要はなく、特に、そのような物品は厳密にD字形である必要はない。いくつかの実施形態では、安全ラインのコネクタ(及びハーネスの関連付けられる「Dリング」)は、互いに嵌合可能な若しくはそうでなければ係合可能であるが、他のタイプのコネクタには嵌合可能でないように特別に構成されている、コネクタの一致する対(例えば、1つが安全ライン上にある、1つがハーネス上にある、又は第1及び第2のストラップ、ラインなどの両端にある)であってもよい。いくつかの実施形態では、このようなコネクタとしては、例えばEZ-STOP MODULAR LANYARDなどのモジュール式ランヤードの構成要素として供給される、3M DBI-Sala Fall Protection Full-Line Catalog2017に記載されている一般的なタイプのモジュール式コネクタが挙げられる。そのようなコネクタは、例えば、もう一方の雄コネクタの概ねT字形のバーを受け入れるように構成された概ねT字形のスロットを備える雌コネクタを含んでもよい。多くの実施形態では、このようなコネクタは、係合されると、これらを互いに係脱することができるロック解除状態にする以前の意図的な操作なしにはこれらが互いに係脱することができないようにロック可能であってもよい。いくつかの実施形態では、このようなコネクタとしては、例えば3M DBI-SALA NANO-LOK自己巻き取り式命綱の構成要素として供給される一般的なタイプのいわゆるクイックコネクタ、例えば3M DBI-SALA EXOFIT STRATAハーネスの構成要素として供給される一般的なタイプのクイックコネクトバックルなどが挙げられる。
【0028】
多くの実施形態では、本明細書に説明されるような監視される落下防止安全装置50は、
図3及び
図4の例示的な実施形態に示されるようないわゆる自己格納式命綱(「SRL」)であってもよい。当業者であれば、自己格納式命綱が、例えば、空中リフトのオーバーヘッドガード又は「ルーフ」9上に配置された固定具13に固定され得るハウジング51から巻き出され得る耐荷重安全ライン(「命綱」)52を備えることを理解するであろう。安全ライン52の遠位端は、例えば、コネクタ(例えば、ゲートフック)30を介してハーネス40のDリング41に接続可能である。いくつかの実施形態では、コネクタ30は、回転可能な接続部(例えば、スイベル)によって安全ライン52の遠位端に接続されてもよく、それにより、コネクタ30は、安全ライン52をひねらせることなく、オペレータの移動によって必要に応じて回転され得る。
【0029】
SRLハウジング51は、ハウジング51に回転可能に接続されたリール(ドラム)53(
図3に総称的に示されている)を備え、安全ライン52の近位端がリール53に取り付けられている。安全ライン52は、使用者が動き回る際に使用者に追従するようにリール53から巻き出され、したがって、ハウジング51から延ばされ得、リール53は、使用者がハウジング51に向かって移動する際にリールが安全ライン52をハウジング51内に戻して格納し、安全ライン52をリール53上に巻き戻すように付勢されている。いくつかの実施形態では、SRLのハウジング51の少なくとも下側部分は、軟質カバーによって覆われてもよく、例えば、いくつかの実施形態では、ハウジング51の実質的に全体が、例えば、安全ライン52が通過することを可能にする下側開口部と、ハウジングが固定具に固定されることを可能にする上側開口部とを備えるパッド入りキャンバスカバー内に収容されてもよい。空中リフトに適用される固定具という用語は、落下防止安全ラインのコネクタを取り付けることができるように空中リフトに(直接又は間接的に)取り付けられる任意の物品、並びにそれ自体が安全ラインのコネクタを取り付けるのに好適な空中リフトの任意の構成要素(例えば、金属製のストラット又は梁)を意味する。
【0030】
SRL(例えば、ハウジング51及びそのリール53)は、典型的には、例えばラチェットリングと協働して作用する遠心作動爪を備えるブレーキを含む。そのようなブレーキは、ユーザが落下した場合に(例えば、リール53から安全ライン52が急速に巻き戻されると)作動して、ユーザを安全に停止させる。いくつかの実施形態では、ラチェットリングは、定位置に固定されてもよい(例えば、ハウジング51に固定されてもよい)。他の実施形態では、SRLは、遠心作動爪がラチェットリングの歯と接触する場合に少なくともいくらか回転することができるラチェットリングを備えてもよく、そのような場合、ブレーキは、ラチェットリングの回転を徐々に停止させる摩擦材料の1つ以上のパッドを含むことが多い。
【0031】
いくつかの実施形態では、SRLは、
図4の例示的な実施形態に示すように、エネルギー吸収装置35を装備した安全ライン52を備えてもよい。いくつかの実施形態では、エネルギー吸収装置35は、いわゆるショックパック又は開封ストリップの形態をとってもよい。そのようなエネルギー吸収装置は、しばしば、(例えば、縫合によって)互いに締結されたライン、例えばウェビングの2つ以上のセグメントに依拠する。そのようなセグメントは、アコーディオン型の(z折りされた)構成に折り畳まれてもよく、セグメント及び締結具は、締結具が(例えば、落下の場合に)十分な力に応答して外れるように構成され、それにより、セグメントはエネルギーを吸収するように互いに分離して(例えば、「ジッパーを開いて」及び/又は展開して)、エネルギー吸収装置が存在しない場合に生じるよりもユーザを安全に徐々に停止させる。そのようなエネルギー吸収装置は、固定ラチェットリングを有し、上述した摩擦材料のパッドを含まないSRLで使用されることが多いが、エネルギー吸収装置は、任意の設計のSRLで使用されてもよい。
【0032】
自己格納式命綱などの落下防止安全装置並びにそれらの構成要素及び機能は、米国特許第7843349号、同第8256574号、同第8430206号、同第8430207号、及び同第9488235号に様々な態様で記載されている。いくつかの実施形態では、SRLは、上述した様式とはわずかに異なる様式で使用されるいわゆる「パーソナル」SRLであってもよい。それにもかかわらず、本明細書で開示される構成は、本明細書で後に詳細に説明するように、そのようなSRLと共に使用することができる。いくつかの実施形態では、自己格納式命綱は、ANSI Z359.14-2014の要件を満たす。任意のそのような落下防止装置は、空中リフトのオペレータ支持プラットフォームが上昇した状態にある間に、空中リフト(例えばオーダーピッカー)のオペレータが必要に応じてアクションを実行することを可能にするように構成されてもよい。例えば、オペレータは、リフトの上昇したプラットフォームに近い高い棚上の物品に手を延ばし、それを取るなどのために、空中リフトの制御部を動作させることができる。SRLの形態の落下防止装置は更に、オペレータが、安全ラインに接続されたままで、必要に応じて短距離にわたって動き回ることができる(例えば、空中リフトがその「下降」位置にあるとき、空中リフトのプラットフォームから瞬間的に降りることができる)ことを、空中リフトが使用される作業施設によって任意のそのようなアクションが許可される範囲で提供してもよい。
【0033】
落下防止監視システム
本明細書に開示されるような空中リフトは、落下防止安全装置50の1つ以上の態様を監視するように構成された落下防止監視システムを備える。そのような監視システムは、落下防止安全装置の安全ライン52のコネクタ30が、落下防止安全装置50が、それと共に使用される空中リフト1のユーザによって着用される落下防止安全ハーネス40(例えば、安全ハーネスのDリング41)に接続されているように見えるかどうかを少なくとも判定するように構成される。したがって、落下防止安全装置50及び落下防止安全ハーネス40は、落下防止システムを形成するように結合してもよい。しかしながら、これらの物品は、常に空中リフトに一緒に留まる必要はなく、例えば、SRLなどの落下防止装置は、空中リフト上に常駐して空中リフトと共に留まり得るが、安全ハーネスは、オペレータがSRLから切り離されて空中リフトから離れている間であっても、オペレータによって着用され得る。
【0034】
連動及び第1の肯定信号
落下防止安全装置用の落下防止監視システムは、いくつかの実施形態では、本明細書で後に詳細に説明するように、少なくとも1つのセンサモジュール及び少なくとも1つのベースユニットを備えてもよい。任意のそのような落下防止監視システムは、コネクタが安全ハーネスに接続されているように見えると監視システムが判定した場合、落下防止監視システムは、空中リフトの制御回路が直接又は間接的に受信することができる少なくとも1つの肯定信号を発行するように構成される。コネクタが安全ハーネスに接続されているように見える(したがって、少なくともこの特定の態様では、落下防止装置が準備完了状態にあるように見える)ことを示す、落下防止装置の落下防止監視システムによって発行される肯定信号は、前述の「追加の」肯定信号(例えば、空中リフトのOPCスイッチによって発行される一次の追加の肯定信号、空中リフトの安全ゲート装置によって発行された二次の追加の肯定信号、空中リフトの許可安全装置によって発行された三次の追加の肯定信号など)と区別するために「第1の」肯定信号と称される。
【0035】
本明細書に開示されるように、空中リフト1は、落下防止安全装置50及び空中リフトの少なくとも1つの追加の安全装置と連動する。これは、少なくとも空中リフトの垂直運動機能を有効にするために、空中リフトの制御回路が、安全ラインのコネクタがユーザの安全ハーネスに接続されているように見える(すなわち、落下防止装置が準備完了状態にある)ことを少なくとも示す少なくとも1つの第1の肯定信号を落下防止監視システムから受信しなければならず、空中リフトの制御回路が、少なくとも1つの追加の安全装置が準備完了状態にあることを示す少なくとも1つの追加の肯定信号を空中リフトの少なくとも1つの追加の安全装置からを受信しなければならないことを意味する。制御回路は、少なくとも空中リフトの垂直運動機能を有効にしたままにするために、少なくとも1つの第1の肯定信号及び少なくとも1つの追加の肯定信号を受信し続けなければならない。
【0036】
いくつかの実施形態では、少なくとも空中リフトの垂直運動機能を有効にするために制御回路が受信する必要がある唯一の追加の肯定信号は、OPCスイッチからの信号である。他の実施形態では、制御回路は、少なくとも垂直運動機能を有効にするために、OPCスイッチから一次の追加の肯定信号を受信し、安全ゲート装置から二次の追加の肯定信号を受信する必要があってもよい。更に他の実施形態では、制御回路は、少なくとも垂直運動機能を有効にするために、オペレータ認証デバイスからの三次の追加の肯定信号と共に、これらの追加の肯定信号のいずれか又は両方を受信する必要があってもよい。落下防止安全装置を監視する監視システムからの少なくとも1つの第1の肯定信号が、必要とされるあらゆる追加の肯定信号と共に常に要求されることに注意して、これらの追加の肯定信号の任意の組み合わせ(合計で1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の追加の肯定信号)が使用されてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、落下防止監視システムは、例えば、装置のコネクタがオペレータのハーネスに接続されていないと検出された場合、空中リフトを上昇させることができる状態に落下防止装置がないことを示す否定信号を発行するように構成されてもよい。そのような否定信号は、オーダーピッカーの制御回路によって受信されると、制御回路に少なくともオーダーピッカーの垂直運動機能を無効にさせる。しかしながら、多くの実施形態では、本明細書に開示される連動構成は、任意の明示的に否定信号の送信ではなく、1つ以上の第1の肯定信号の有無のみに基づいて動作してもよい。すなわち、いくつかの実施形態では、空中リフトの制御回路は、単に第1の肯定信号が存在しないことに基づいてアクションをとってもよい(又は、厳密に言えば、上昇などのアクションがとられるのを防止してもよい)。換言すれば、落下防止装置のコネクタがもはや空中リフトのユーザのハーネスに接続されていないように見える場合に否定信号を発行するのではなく、落下防止監視システムは、本明細書の後の開示が明らかにするように、1つ又は複数の第1の肯定信号の発行を単に停止してもよい。
【0038】
本明細書に開示されるように、落下防止監視システムは、空中リフトの垂直運動機能を有効にするために、少なくとも1つの第1の肯定信号を空中リフトに送信する必要がある。垂直運動機能が有効になった後、落下防止監視システムは、少なくとも1つの第1の肯定信号を(十分に高い頻度で断続的に又は連続的に)送信し続ける必要があり、垂直運動機能を有効に維持するために、空中リフトは、少なくとも1つの第1の肯定信号を受信し続ける必要がある。したがって、本明細書で説明した落下防止監視システムとの空中リフトの連動は、単に空中リフトの始動及び初期移動並びに使用に当てはまるだけでなく、これが継続し得る限り、空中リフトのその後の動作にも当てはまる。
【0039】
いくつかの実施形態では、空中リフトは、空中リフトの垂直運動機能が、実質的に絶対的な様式で、上述の肯定信号(単数又は複数)が存在しない場合には有効にされないように構成されてもよい。これは、落下防止監視システムからの第1の肯定信号が存在しない場合、オペレータ支持プラットフォームリフトが、第1の下降位置(典型的には、プラットフォームを下降させることができる最も低い位置であり、オペレータがプラットフォームに乗ることを可能にする位置である)から、前述の第2の上昇位置まで上昇させることができないことを意味する。換言すれば、そのような空中リフトは、オペレータが落下防止装置に接続されているように見えることを落下防止監視システムが報告しない限り、いかなる有意な量も実質的に上昇させることができない。
【0040】
しかしながら、いくつかの実施形態では、所定の制限された量の垂直上昇が、前述の肯定信号(単数又は複数)の非存在下で許容可能であるモードで動作することは、空中リフトにとって許容可能であるか、又は更に有利であり得る。換言すれば、いくつかの実施形態では、落下防止監視システムが、オペレータが落下防止装置に接続されているように見えることを報告していない場合であっても、オペレータ支持プラットフォームを、第1の下降位置に対して、例えば、1.0、1.5、2.0、3.0、3.5、又は3.9フィート(例えば、4.0フィート以下)の最大高さまで上昇させることが可能であってもよい。そのようなモードは、オペレータが落下防止装置に接続されることなく、空中リフトの少なくともいくらか限定された使用を可能にし得る。いくつかの実施形態では、そのような最大高さは、所与のオーダーピッカーに対して事前設定され、変更不能であってもよく、他の実施形態では、そのような最大高さは、オーダーピッカーが使用される施設内の許可された人物によって設定されてもよい。
【0041】
したがって、本明細書で開示されるように、少なくとも1つの第1の肯定信号を受信したときに空中リフトの垂直運動機能を有効にするという概念は、第1の肯定信号(単数又は複数)が存在しない場合に垂直上昇が実質的に不可能である場合のみを包含しないことを強調しておく。むしろ、そのような用語は、垂直運動機能を有効にすることにより、肯定信号が存在しない場合であっても許容される所定の制限された高さ(例えば、1~4フィート)を超えるオペレータ支持プラットフォームの垂直上昇が可能になる場合も包含する。しかしながら、オーダーピッカーが使用される施設及び管轄区域において適用可能な全ての法律、規則、条例、規格などによって許容される場合、オーダーピッカー(一般には任意の空中リフト)は、このようにしてのみ使用されてもよく、任意のそのような最大高さが設定されてもよいことを強調しておく。
【0042】
いくつかの実施形態では、空中リフトの垂直運動機能が有効にされていないという状態は、空中リフトが上向きに上昇することも下向きに下降することもできないことを意味する。しかしながら、いくつかの実施形態では、空中リフトの垂直運動機能が有効にされていないという状態は、リフトが上向きに上昇できないことのみを意味する。そのような実施形態では、空中リフトは、上昇を有効にするために要求される第1の肯定信号(単数又は複数)が存在しない場合であっても下降することができる。少なくともいくつかの実施形態では、この動作モード(例えば、落下防止監視システムから信号が受信されたか又は受信されないかにかかわらず、降下が常に許可される)が好ましい場合がある。これを考慮して、本明細書における垂直運動、垂直運動機能、及び類似の用語への言及は、少なくとも上向きの上昇、及び任意選択で、必ずしもではないが下向きの下降を指すことが規定される。
【0043】
いくつかの実施形態では、空中リフトの垂直運動機能のみが、空中リフトの制御回路が落下防止監視システムから第1の肯定信号(単数又は複数)を受信すること又は受信しないことに従って有効及び無効にされてもよい。すなわち、いくつかの実施形態では、空中リフトは、落下防止監視システムによって(及び/又は少なくとも1つの追加の安全装置によって)発行された信号にかかわらず、依然として水平に移動することが可能であり得る。他の実施形態では、空中リフトの垂直運動機能及び水平運動機能の両方が、上述の様式で有効及び無効にされてもよい。そのような実施形態では、空中リフトは、第1の肯定信号(単数又は複数)が空中リフトの制御回路によって受信されない限り、いかなる方向にも全く移動することができなくてもよい。多くの実施形態では、上述の追加の安全装置のうちの1つ以上のステータスは、いくつかの状況において、落下防止監視システムによって発行された信号とは関係なく、空中リフトの機能に影響を及ぼす場合がある。したがって、例えば、落下防止監視システムからの第1の肯定信号が存在しない場合に空中リフトが水平に移動することができる場合であっても、空中リフトが水平に移動するためには、空中リフトは、例えば、人が空中リフトの許可されたユーザであることを確認する三次の肯定信号を受信する必要があり得る。
【0044】
本明細書で前述したように、空中リフト(例えば、オーダーピッカー)は、典型的には、空中リフトのユーザによって接触され(例えば、掴まれ)、空中リフトの動作(例えば、垂直及び水平移動)を手動で制御するように操作される様々な入力デバイス4を担持するコンソール7を備える。そのような手動制御入力デバイスは、例えば、1つ以上のホイール、レバー、ジョイスティック、ヨーク、ノブ、ボタンなどの形態をとってもよく、例えば、押す、引く、回転させる、ひねる、傾ける、触れるなどによって操作されてもよい。上述したように、空中リフトの垂直運動機能が無効にされると、リフトに垂直運動を実行させるために通常操作される1つ又は複数の特定の手動制御入力デバイスは、移動のためのコマンドを入力しようとしているユーザによって操作されたときに応答しないように遮断される。垂直運動機能が有効にされると、1つ又は複数のデバイスは、ユーザによって試みられた入力に応答する。同様に、垂直運動機能の無効化に加えて、空中リフトの水平運動機能が無効にされるように空中リフトが構成されている場合、リフトに水平運動を実行させるために通常操作される1つ又は複数の手動制御入力デバイスは、応答しないように遮断される。水平運動機能が有効にされると、1つ又は複数のデバイスが応答する。
【0045】
その移動及び機能の少なくともいくつかが自動的及び/又は遠隔で制御される空中リフト(例えば、オーダーピッカー)の場合、本明細書で開示される連動は、本明細書で後に詳細に説明するように、自動制御下にあるときに空中リフトによって行われるアクション、又は行われることが許可されないアクションに適用されてもよい。そのような場合、連動はまた、ユーザが自動制御を克服するように手動制御を操作することを防止するための手段を含んでもよい。換言すれば、連動された自動制御式空中リフトが例えば上昇を防止される場合、連動構成は、手動制御の無効化を含むことができ、その結果、空中リフトのオペレータは、手動制御の適用によって空中リフトを上昇させることに対する禁止にオーバーライドすることができない。
【0046】
様々な実施形態では、落下防止監視システム(例えば、そのベースユニット)と空中リフトの制御回路との間の通信は、一方向又は双方向であってもよい(そのような通信は、直接的又は間接的であってもよく、有線手段又は無線手段によるものであってもよく、全て本明細書において後で詳細に説明する)。通信が一方向である場合、通信は監視システムから空中リフトに流れる。すなわち、そのような実施形態では、空中リフトの制御回路は、落下防止監視システムのベースユニットから情報を受信し、受信した上方に基づいて動作するように構成されるが、監視システムのベースユニットは、リフトの制御回路から情報を受信し、受信した情報に作用するように構成されない。通信が双方向である場合、制御回路は上記の機能を有し、ベースユニットは制御回路から情報を受信し、受信した情報に基づいて動作するように構成される。いくつかの実施形態では、ベースユニットは、制御回路から(例えば、定電圧の形態で)信号を受信し、次いで信号を制御回路に戻すガルバニック絶縁インターフェースを有して構成されてもよく、両方とも、本明細書で後に詳細に説明されるように、制御回路とベースユニットとの間のガルバニック絶縁を維持しながら実行される。そのような構成は、それ自体、上述したような双方向通信を必ずしも含むとは見なされない。
【0047】
いくつかの実施形態では、双方向通信は、空中リフトの制御回路が、空中リフトのオペレータ支持プラットフォームの垂直上昇に関する落下防止監視システム情報を送信し得ることを提供することができる。換言すれば、制御回路は、プラットフォームが上昇した高さを追跡することができ、この情報を落下防止監視システムに渡すことができ、これは、いくつかの状況において有用であり得る。例えば、落下防止監視システムは、オペレータ支持プラットフォームが垂直に上昇した状態にある間に安全ラインのコネクタがユーザの安全ハーネスから切り離されたように見えると落下防止監視システムが判定した場合、落下防止監視システムが上昇中フック解除警告通知をブロードキャストし得るように構成することができる。(落下防止監視システム及び/又は空中リフトの制御回路によってブロードキャストされ得る通知の一般的なトピックについては、本明細書において後で詳細に説明する)。そのような警告通知は、任意の好適な形態をとってもよく、他の通知と区別する特定の形態を有してもよい。例えば、いくつかの他の通知と比較して、より大きな又はより強い可聴信号、より明るい、より速く点滅する、及び/又は異なる色の視覚信号、特に顕著な触覚感覚などを含んでもよい。警告通知が文言を含む場合、警告通知は、任意の好適な形態をとってもよい(必ずしも正確な句「上昇中フック解除」の形態をとる必要はない)。
【0048】
そのような警告通知をトリガするために必要なプラットフォーム上昇高さは、任意の好適な値、例えば、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、又は6.0フィート以上であってもよい(本明細書に開示されるこれら及び他の高さは、プラットフォームの第1の下降位置に対するものであることに留意されたい)。そのような高さは、空中リフト及び/又は落下防止装置の製造時に事前設定されてもよい(したがって、変更不能であってもよい)。あるいは、いくつかの実施形態では、空中リフトが使用される施設で許可された人物によってプログラム可能又はカスタマイズ可能であってもよい。
【0049】
本明細書に開示されるように、空中リフトは、落下防止監視システムからの少なくとも1つの第1の肯定信号の非存在又は停止が、少なくとも空中リフトの垂直運動機能(かつ場合によっては水平運動機能も)を無効にさせるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、権限動作モードを可能にすることが有用な場合があり、例えば、水平運動に対する制限にオーバーライドすることができるが、垂直運動に対する制限を維持することができる。そのようなモードは、(例えば、空中リフトがフォークリフトによって持ち上げられて運ばれる必要がないように)空中リフトがそれ自体の動力の下で水平にそれ自体を推進する能力が有利であり得るが、空中リフトを上昇させることが必要とされない又は望まれない状況において有用であり得る。そのような状況は、例えば、空中リフトが最初に生産ラインから離れているとき、配送トラックから荷降ろしされた後に最終使用施設に自己搬送されているとき、メンテナンスを受けているときなどに発生し得る。(したがって、そのような動作モードの必要性は時折生じるだけであると想定される)
【0050】
そのような不測の事態に備えるために、いくつかの実施形態では、空中リフトの制御回路は、1つ以上の所定の条件が満たされるように構成することができ、制御回路は権限動作モードを可能にする。そのようなモードに入ると、空中リフトの水平運動を制御する少なくとも1つ以上の手動制御入力デバイスは、落下防止システムによって第1の肯定信号が発行されたかどうかにかかわらず、制御入力に応答する状態にアクティブ化される。典型的には、空中リフトの追加の安全装置によって適用される制限は有効なままであり、例えば、OPCスイッチが係合され、安全ゲート装置が準備完了状態にない限り、空中リフトは水平方向に移動することができない。
【0051】
そのような動作モードを可能にするために満たさなければならない所定の条件は、特定の空中リフトの特定のユーザが権限モードで空中リフトを動作させるように許可されていることを確認する任意の条件であり得る。そのような所定の条件は、例えば、ユーザが特別なパスワード又はコードを空中リフト又は落下防止監視システムのベースユニットのキーパッドに入力する形態をとってもよく、例えば、空中リフト又はベースユニットによって読み取られると権限モードを許可する特別なバッジをユーザが有する形態をとってもよい。この一般的なタイプの任意の構成が使用されてもよい。いくつかのそのような実施形態では、任意のそのような権限モード中に、空中リフトが現在権限モードで動作していることを示す1つ以上の通知が(例えば、特別な可聴又は視覚信号の形態で)ブロードキャストされてもよい。
【0052】
この構成の特別な場合、いくつかの実施形態では、空中リフトは、特定の条件下で、落下防止システムによって任意の第1の肯定信号が発行されるかどうかにかかわらず、オーダーピッカーの水平移動及び垂直上向き移動の両方が許可される特別権限モードで動作され得るように構成されてもよい。そのようなモードでの動作は、非常に特定の状況下でのみ許可される可能性が高く、例えば、強化されたオペレータ識別手順及び/又はオペレータ許可手順に従うことが想定される。
【0053】
多くの空中リフト(例えば、オーダーピッカー)の通常使用時、存在している、例えば、オペレータ支持プラットフォーム上に立っているユーザ/オペレータは1人のみである。しかしながら、いくつかの実施形態では、複数(例えば、2人以上)の人物が存在してもよい。これは、例えば、人が空中リフトを動作させるように訓練されているとき、又は空中リフトが2人以上の人物が関与する手順のために使用されている場合に起こり得る。そのような不測の事態を許容するために、いくつかの実施形態では、空中リフトは、制御回路が(少なくとも)2つの第1の肯定信号を受信することを要求される「マルチユーザ」動作モードを備えてもよく、一方は、コネクタが第1のユーザ(例えば、「訓練者」)のハーネスに接続されていることを確認し、他方は、第2の別個のコネクタが第2のユーザ(例えば、「被訓練者」)のハーネスに接続されていることを確認して、空中リフトの垂直運動機能を有効にする。
【0054】
いくつかの実施形態では、選択された空中リフトは、例えば「訓練者」リフトとして機能するために、空中リフト上に恒久的に常駐する2つの落下防止安全装置を装備してもよい。いくつかの実施形態では、「移動式」落下防止安全装置は、「常駐式」落下防止装置を既に有する空中リフト上に所望の時間にわたって設置することができるように構成されてもよい。様々な実施形態では、落下防止監視システムは、そのような落下防止装置の両方を監視することができるように構成されてもよく、又は2つの別個の監視システムが使用されてもよい。どのような構成であっても、空中リフトは、空中リフトが「マルチユーザ」モードにあるときに、空中リフトの制御回路は、第1の落下防止装置のコネクタが第1のユーザのハーネスに接続されているように見えることを示す少なくとも第1の肯定信号を受信しなければならず、第2の落下防止装置のコネクタが第2のユーザのハーネスに接続されているように見えることを示す別の第1の肯定信号も受信しなければならないように構成される。両方の第1の肯定信号を(本明細書で前述したタイプの任意の他の追加の肯定信号と共に)受信したときのみ、空中リフトの垂直運動機能が有効になる。
【0055】
いくつかの事例では、空中リフトは、2人(又はそれ以上)の人物が空中リフトのオペレータ支持プラットフォーム上に存在することを(例えば、後述するようなカメラベースの感知システムを介して)検出し、この情報を空中リフトの動作回路に提供して、空中リフトがそれに応じて「マルチユーザ」モードに入るようにすることができる。空中リフトはまた、ユーザが、空中リフトがマルチユーザモードに入るためのコマンドを入力することができるように構成され得る。
【0056】
自動/遠隔制御及び遠隔測定
これまでの説明は、主に空中リフト(例えばオーダーピッカー)の手動制御に焦点を当ててきたが、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される構成は、人間のユーザの手動入力によってではなく、その移動が少なくとも部分的に、自動的に及び/又は遠隔で適用される制御によって案内される空中リフトと共に使用されてもよい。そのような空中リフトは、例えば、倉庫内の指定経路を辿ってもよく、空中リフトの水平移動は、多くのそのような空中リフトの水平移動を計画し、方向付ける中央ステーションによって指示される。リフトのそのような案内された水平移動は、例えば、倉庫の床に提供された追跡標識(例えば、RFIDタグ)、倉庫の床に埋め込まれたガイドワイヤ、空中リフト上のガイドローラが辿るフロア搭載型物理的レール、コンピュータビジョンソフトウェアと連携して動作するカメラ、レーダ/ライダセンサ、全地球測位システム(GPS)追跡、施設内の複数のジオフェンスゾーンを定義するジオフェンシング、空中リフトの制御回路内の論理回路などの任意の好適な組み合わせを、例えば、中央監視/誘導ステーションから発行された命令と組み合わせて含む自動制御システムによって容易にされ得る。
【0057】
目的地に到着する又は到着間近になると、ユーザは、必要に応じて空中リフトを手動で上昇させてもよく、又は、いくつかの実施形態では、自動制御システムは、落下防止監視システムによって課される制約に従って、リフトの上昇を開始及び制御してもよい。本明細書に開示される構成は、例えば、制御回路が落下防止監視システムから少なくとも1つの第1の肯定信号を受信しない限り、手動入力に応答して、又は自動制御システムから受信される入力に応答して上昇させることができないように、空中リフトの垂直上昇機能が無効にされるように、空中リフトの制御回路を構成することによって、そのような状況において使用され得る。いくつかのそのような実施形態では、無効化は、少なくとも部分的に、空中リフトを制御するために人間のオペレータによって使用される手動入力デバイスの任意の実際の無効化によってではなく、空中リフトの制御回路内の論理回路によって行われる決定(例えば、空中リフトを上昇させないという決定)を装って行われてもよい。(しかしながら、前述したように、そのような場合には、手動入力デバイスもまた、更なる保護手段として無効にされてもよい)。いくつかのシナリオでは、そのような決定は、中央誘導ステーションに配置された論理回路によって行われてもよく、決定は空中リフトに送信されるが、多くの事例では、そのような決定が空中リフト自体のオンボードで行われることが好都合であり得る)。全てのそのようなシナリオは、本明細書に開示される構成内に包含される。
【0058】
遠隔の場所から、例えば中央誘導ステーションから少なくとも部分的に制御される空中リフトの上記説明は、1つ以上の空中リフトが遠隔測定を介して監視される一般的な構成の1つの場合である。すなわち、いくつかの実施形態では、空中リフトは、遠隔測定システム19の被監視ユニットであってもよい。(多くの事例では、所与の施設内の空中リフトのほとんど又は全ては、一団として遠隔測定的に監視されてもよい)。様々な構成において、空中リフトは、空中リフトが部分的に若しくは完全に遠隔制御されるか、又は純粋に手動で制御されるかにかかわらず、遠隔測定的に監視されてもよい。換言すれば、空中リフトが手動で制御される場合であっても、例えば、場所、目的地、水平速度、垂直高さ、バッテリステータス、リフトによって現在輸送されている物品、リフトを現在動作させている人物の識別情報などのパラメータ及び状態を追跡するように依然として遠隔測定的に監視されてもよい。いくつかの実施形態では、そのような監視のために必要な機器は、製造時に空中リフト上に設置されてもよく、例えば一体化されてもよい。いくつかの実施形態では、いくつかの又は全てのそのような機器が(例えば、ユーザの選好に応じて、任意選択のアドオンとして)追加されてもよい。いくつかの実施形態では、そのようなシステムは、例えば、ステータス情報が空中リフトから中央監視ステーションへ唯一に流れるように空中リフトの監視のみを実行してもよい。他の実施形態では、情報は、例えば、空中リフトのオペレータが、現在の目的地及び/又は目的地で取得される物品などの情報を受信することができるように、両方向に流れてもよい。いくつかの実施形態では、そのような情報は、オペレータのためにスクリーン上に表示されてもよい(スクリーンが、例えば、空中リフトのコンソールに内蔵されているか、又は、例えば空中リフトのオーバーヘッドガードから懸架されているアドオンスクリーンであるかは問わない)。いくつかの実施形態では、空中リフトは、いわゆるモバイルデータ端末18又はモバイルデジタルコンピュータを備えてもよく、これらはオペレータのために情報を表示してもよく、また、オペレータが中央監視ステーションに送信するために情報を入力することを可能にするインターフェース(例えば、タッチスクリーン又はキーボード)を備えてもよい。いくつかの実施形態では、このタイプの遠隔測定システムを通って流れる情報の少なくとも一部(1つ以上の空中リフトからの情報、及び/又は1つ以上の空中リフトに送信される情報を含む)は、例えば許可された人物が所持する携帯物品(例えば、汎用スマートフォン上に常駐するアプリ、又はこの目的のためだけに使用される専用の電子送受信機)に送信されてもよい。(これは、情報を中央監視ステーションに送信することに加えて、又はその代わりに行われてもよい)
【0059】
したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される構成は、例えば、中央制御される一団の落下防止された空中リフトが使用されるタスクの多くの又は全ての態様を管理するいわゆる倉庫管理システムを利用する配送センターなどの高度自動化施設において使用され得る。そのようなシステムは、個々の空中リフトのうちのいくつか又は全ての水平移動経路を選択して最適化してもよく、適切なワークフロー戦略(例えば、ピースピッキング、バッチピッキング、又はゾーンピッキング)を確立してもよく、空中リフトを特定のワークフロー及び移動最適化(ゾーニング機能及び位置決め機能と呼ばれることもある)に供してもよい。そのような環境では、落下防止監視システムから受信される落下防止装置のステータスに関する情報は、各空中リフトの制御回路が考慮する、並びに/あるいはは施設の中央監視及び/又は誘導ステーションが各空中リフトについて考慮するもう1つのパラメータであり、空中リフトの部分的又は完全な自動制御に必要な他の全てのパラメータと組み合わせて使用される。
【0060】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるような落下防止監視システムは、純粋に1つ以上の落下防止監視システムのステータスの追跡専用であり、落下防止監視システムがそれと共に使用される空中リフトの他の態様を追跡し得る任意の遠隔測定システムとは関係なく機能する実体又はシステム(例えば、ポータル、ウェブサイト、又は中央監視ステーション)に、データ(例えば、落下防止監視システム自体に関するステータス情報)を送信してもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、そのような専用のシステムに送信される落下防止監視システムステータス情報のうちの少なくとも一部はまた、別の実体、例えば、遠隔測定システム、ポータル、ウェブサイト、許可された人物のスマートフォン上に常駐するアプリなどに通信又はエコーされてもよい。
【0061】
遠隔測定を介した監視の選択肢は、本明細書に開示される落下防止監視システムが、本明細書に開示される様々な信号を空中リフトに通信して、空中リフトと落下防止監視システムとの所望の連動を達成し得る別の手段を提供する。すなわち、そのような信号が、監視システムから空中リフトに、例えば有線接続又は狭域無線機構(両方とも本明細書で後に詳細に説明する)によって直接送信されるのではなく、いくつかの実施形態では、落下防止監視システムは遠隔測定監視システム19に関与する。例えば、監視システムのベースユニットは、遠隔測定ネットワーク19と(例えば無線で)インターフェースするように構成された通信モジュールを備えてもよい。そのような構成は、落下防止監視システムが信号(例えば、第1の肯定信号)を遠隔測定ネットワーク19に送信することを有効にすることができ、次いで、遠隔測定ネットワーク19は、信号を適切な空中リフトに転送することができる。(様々な実施形態では、そのような信号は、遠隔測定ネットワークに入り、そこから、中央監視ステーションを必ずしも通過してもしなくても、空中リフトに入ることができる)
【0062】
通知
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるような落下防止監視システムは、単に、制御回路に、少なくとも1つの第1の肯定信号を送信するように、又は任意のそのような第1の肯定信号を送信しないように(場合によっては、いくつかの実施形態では、否定信号を送信するように)、上述された様式で機能してもよい。これにより、空中リフトの制御回路が適切なアクションを行うことが可能になる(例えば、空中リフトが上向きに上昇させることができないように制御を無効にする)。いくつかの実施形態では、落下防止監視システムは、様々な通知をブロードキャストするように更に機能してもよい。いくつかの実施形態では、そのような通知は、コネクタがユーザのハーネスに接続されているように見えないと検出された場合、「準備未完了」警告である。いくつかの実施形態では、監視システムは、コネクタがユーザのハーネスに接続されているように見えるとして検出される場合、「準備完了」確認をブロードキャストするように更に構成されてもよい。
【0063】
通知とは、情報を提供する目的で、空中リフトのユーザ、局所環境内の1人以上の人物に、例えば監視ステーションにいる1人以上の指定された人物に、及び/又は自動監視又は遠隔測定システムにブロードキャストされる信号を意味する。定義上、任意のそのような通知は、本明細書に開示されるように、空中リフトを落下防止システムと連動させる目的で空中リフトの制御回路に送信される、本明細書で説明される第1の肯定信号とは区別される。そのような通知は、例えば、可聴通知及び/又は視覚通知及び/又は触覚通知であってもよい。そのような通知は、(例えば、落下防止監視システムに光又はブザーを提供することによって)局所的にブロードキャストされてもよく、及び/又は例えばスマートフォン又は遠隔監視ステーションにブロードキャストされてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される落下防止監視システムは、製造された監視システムが本明細書で説明される様式で少なくとも1つの第1の肯定信号を送信することが可能であっても、そのような信号が送信されないように監視システムを修正することができるように柔軟に構成されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、落下防止監視システムは、通知のみを送信し、空中リフトのいかなる連動も実行しないように(例えば、特定の最終使用施設又は一団の要望に応じて)構成されてもよい。これに関して監視システムに柔軟性を与えることによって、監視システムは、システムが連動機能(通知あり又はなし)を有することを望む顧客のために構成され得る、又は、監視システムは、通知機能のみを望む異なる顧客のために構成され得る。いくつかの事例では、異なる顧客に供給される落下防止監視システムは、例えば、連動機能が非アクティブ化されるように、特定のファームウェア設定又はソフトウェア設定のみが異なっていてもよい(又は、いくつかの事例では、通知専用システムは、特定の構成要素を省略してもよい)。いずれにしても、そのような構成は、連動(及び任意選択で通知)を提供するためのものと通知のみを提供するためのものとで、全く異なる落下防止監視システムを製造しなければならないことよりも有利である。
【0065】
いくつかの実施形態では、空中リフトは、落下防止監視システムからオーダーピッカー制御回路に送信される情報に基づいて、落下防止装置の準備度(例えば、フック接続)ステータスに関する通知をブロードキャストするように構成されてもよい。(空中リフトは、空中リフト自体の様々な安全装置、例えば、OPCスイッチ、安全ゲートなどの状態に関する通知をブロードキャストすることも可能であり得る)。任意のそのような通知は、警告通知を含んでもよく、準備完了通知、情報メッセージなどを更に含んでもよい。落下防止監視システムから受信した情報の結果として空中リフトによってブロードキャストされるような通知は、例えば、可聴、視覚、及び/又は触覚/触知通知の形態をとってもよく、(例えば、空中リフト自体の光又はブザー音によって)局所的にブロードキャストされてもよく、及び/又は例えばスマートフォン又は監視ステーションにブロードキャストされてもよい。したがって、特定の例として、オーダーピッカーのコンソール7は、落下防止監視システムによってオーダーピッカーの制御回路に送信された信号に基づいて落下防止装置のステータスの通知を表示する少なくとも1つの通知ユニットを備えてもよい。そのような通知ユニットは、例えば、落下防止装置が「準備完了」状態にあることを監視システムが示すときに点灯する緑色光、落下防止装置が準備完了状態にないことを監視システムが示すときに点灯する赤色光、赤色光と緑色光のセット、準備完了表示又は準備未完了表示を示すディスプレイスクリーンなど、任意の好適な形態をとってもよい。実際の文言を含む任意の否定通知は(落下防止監視システム自体によって提示されるか、又は、落下防止監視システムから受信された情報に基づいてオーダーピッカーによって提示されるかは問わない)、任意の好適な形態、例えば、「準備未完了」、「フック解除」、「フック完了をチェック」などをとってもよい。同様に、任意のそのような肯定通知は、任意の好適な文言、例えば、「準備完了」、「フック完了」などを使用してもよい。通知を提供するように構成される落下防止監視システムは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる「Fall-Protection System with Monitoring System」と題する米国特許出願第17/435,661号で詳細に説明され、議論されている。いくつかの実施形態では、例えば、空中リフトが遠隔測定的に監視され、本明細書で前述したようなディスプレイスクリーン又はモバイルデータ端末18を装備している場合、遠隔測定ネットワークのそのようなディスプレイスクリーン又はポータブルデータ端末を介して任意の通知を提示してもよい。
【0066】
本明細書で後に詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、落下防止監視システムは、落下防止監視システム自体のステータスに関する情報をオーダーピッカーに送信してもよい。そのような場合、オーダーピッカーは、いくつかのそのような情報(例えば、「バッテリ交換が必要」)をオーダーピッカーの通知ユニット上に提示するように構成されてもよい。特定の実施形態では、オーダーピッカーは、オーダーピッカーの垂直運動機能が無効にされた場合、オーダーピッカーが、理由の通知を(例えば、無効化が、オペレータの安全ハーネスへのゲートフックの適切な接続が検出されなかったからではなく、センサモジュールバッテリを交換する必要があることに起因することを)ブロードキャストすることができるように、落下防止システムから情報を受信するように構成されてもよい。任意のそのような情報は、例えば、オーダーピッカーのディスプレイスクリーン上に提示されてもよく、及び/又は中央監視ステーションに送信されてもよい。
【0067】
ベースユニット及びセンサモジュール
いくつかの実施形態では、落下防止安全装置(例えば、SRL)の落下防止監視システムは、ベースユニット60と、少なくとも1つのセンサモジュール34とを備えてもよく、センサモジュールは、コネクタが安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかを感知し、コネクタステータス情報をベースユニットに送信するように構成される。したがって、そのようなセンサモジュールは、コネクタの状態を感知する少なくとも1つのセンサと、この情報をベースユニットに送信する通信モジュール(無線によるか有線若しくは光ファイバケーブルによるかは問わない)とを備えてもよい。ベースユニットは、1つ以上のセンサモジュールからコネクタステータス情報を受信することができる受信モジュールと、センサモジュール(単数又は複数)から受信された情報に基づいて、空中リフトの制御回路によって受信される上述の第1の肯定信号を送信することができる通信モジュールとを備えることができる。いくつかの実施形態では、ベースユニットはまた、上述のように通知を発する、又はそうでなければブロードキャストするための通知モジュールを備えてもよい。ベースユニットは、上述のモジュールを動作させるために必要とされる任意の処理回路を備えることができ、ベースユニット及びそのモジュールの動作のために必要とされる任意の他の構成要素を備えてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、ベースユニットは、センサモジュールの1つ以上のセンサから未加工(又は部分的に加工された)データを受信してもよく、コネクタの状態を確かめるために必要な任意の又は全ての実際の処理を実行してもよい。他の実施形態では、未加工データは、センサモジュール自体の内部に常駐する回路によって少なくとも部分的に処理されてもよい。少なくともいくつかのそのような場合では、ベースユニットは、コネクタが接続されているように見えるか否かを示す、はい/いいえ情報をセンサモジュールから受信するだけでよく、次いで、情報に応じて、ベースユニットは、少なくとも1つの第1の肯定信号を空中リフトの制御回路に送信してもしなくてもよい。したがって、センサモジュールが、コネクタが安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかを感知し、コネクタステータス情報をベースユニットに送信するように構成される上述の構成は、センサモジュールが全てのセンサデータを処理し、コネクタステータスの最終(接続/非接続)判定をベースユニットに送信することから、センサモジュールがセンサから未加工データを単に送信し、ベースユニットがこのデータを処理してコネクタステータスの最終判定に到達する場合までの全域を実行することができることが理解されよう。全てのそのような構成は、コネクタが安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかを感知し、コネクタステータス情報をベースユニットに送信するセンサモジュールの一般的な前提に含まれる。更に、いくつかの実施形態では、ベースユニット及びセンサモジュールの構成要素及び機能は、本明細書で後に詳細に説明するように、互いに完全に統合されてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、落下防止監視システムのセンサモジュール34は、落下防止安全装置の安全ライン52の遠位端にあるコネクタ(例えば、ゲートフック)30に設置されてもよい。そのような用語は、センサモジュールが、コネクタの状態を成功裏に監視すること、例えば、コネクタがDリングに取り付けられているように見えるかどうかを評価することを可能にするのに十分にコネクタの近くにある限り、センサモジュールがコネクタ上に配置された又はコネクタに近接して配置された(例えば、安全ライン52上又は安全ライン52上に配置された保護用被覆部上に取り付けられる)構成(全般的に
図3及び4に示される)を包含する。いくつかの実施形態では、センサモジュール34は、
図4に示されるように、コネクタ30の本体31の少なくとも一部分を覆って取り付けられたハウジング(例えば、成形プラスチック被覆部)36内に設置されてもよい。いくつかの実施形態では、センサモジュールは(かつ、センサモジュール及びベースユニットが後述するように一体化される場合にはベースユニットもまた)、コネクタ30自体の材料に少なくとも部分的に埋め込まれてもよく、それにより、コネクタ30は、センサモジュール及び/又はベースユニットのための保護ハウジングとして少なくとも部分的に機能することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、センサモジュールは、コネクタ30が取り付けられるハーネス40上に設置されてもよい。例えば、センサモジュールは、ハーネス40に取り外し不可能に取り付けられたDリング(例えば背面Dリング41)に設置されてもよい。そのような用語は、センサモジュールのセンサが、コネクタがDリングに取り付けられているように見えるかどうかを評価することを可能にするのに十分に、センサモジュールがDリングの近くに近接して配置される限り、センサモジュールがDリング上に配置された又は(例えば、ハーネス40の背面プレート上で)Dリングに近接して配置された構成を包含する。したがって、本明細書に開示される構成は、例えば、コネクタがDリングに取り付けられているように見えるかどうかに関する表示についてコネクタが監視される構成、並びにコネクタがDリングに取り付けられているように見えるかどうかに関する表示についてDリングが監視される構成を包含する。
【0071】
別の構成も可能である。いくつかの実施形態では、センサモジュールは、コネクタ30がユーザのハーネスに接続されていないときにコネクタ30を受け入れるように構成されたドッキングステーションに配置されてもよい(そのようなドッキングステーションは、本明細書において後で更に詳細に説明される)。例えば、落下防止装置が自己格納式命綱(SRL)50である実施形態では、SRLは、SRLのハウジング51に対するコネクタ30の位置を監視するように構成されたセンサモジュールを備えてもよい。そのようなセンサモジュールは、例えば、ハウジング上にあり、コネクタ30がハウジングに極めて近接しているかどうかを確かめるように構成されたセンサを備えてもよい。あるいは、そのようなセンサモジュールは、安全ライン52がハウジング51から繰り出された距離を判定するように構成されたセンサを備えてもよい(そのようなセンサは、例えば、安全ライン52の近位端が取り付けられているリール53の回転を追跡するロータリエンコーダであってもよい)。したがって、このようなセンサモジュールは、例えば、コネクタ30がSRLのハウジングにきつく密着しているかハウジングに近接している(0.2メートル以内を意味する)かどうか、又はコネクタ30がハウジングからかなりの距離(例えば0.2メートル超)繰り出されているかどうかの表示を提供するように構成されてもよい。このような情報は、必要であれば、コネクタの状態の表示として使用され得る。例えば、コネクタがSRLのハウジングにきつく密着していると報告された場合、これは、コネクタがオペレータのハーネスに取り付けられているように見えないという表示であると推測され得る。
【0072】
上記の説明により、センサモジュールが、例えば、コネクタ(例えば、ゲートフック)に、コネクタが取り付けられるハーネスDリングに、未使用時にコネクタをドッキングすることができるドッキングステーションに、又はコネクタを担持する安全ラインをそこから延びることができるSRLハウジングに設置され得ることが明らかになる。任意のそのような構成、及びそのような構成の任意の所望の組み合わせは、本明細書の開示内に包含される(例えば、センサモジュールがハーネスDリングに設置される構成では、ベースユニット(以下で説明される)は、ベースユニットが複数のハーネスの複数の可能なセンサモジュールのうちのいずれかから信号を受信することができるように構成され得ることに留意されたい)。
【0073】
コネクタの状態を示すセンサモジュール(単数又は複数)からの情報を受信する、落下防止監視システムのベースユニット60は、任意の好適な場所に配置され得る。いくつかの実施形態では、ベースユニット60は、空中リフト上に設置されてもよい。例えば、ベースユニット60は、
図2に示すように、空中リフトのコンソール7上又はコンソール7内に設置されてもよい。他の実施形態では、ベースユニットは、
図1に示すように、例えば、空中リフトのオーバーヘッドガード9上に設置されてもよい。いくつかの実施形態では、落下防止監視システムのベースユニットは、空中リフト自体の回路に少なくとも部分的に一体化されてもよく、したがって、空中リフトの回路の他の物品から物理的に分離されたハウジング内に必ずしも常駐しなくてもよい。例えばセンサモジュールと同じ場所に配置されていない、空中リフト上に配置されたベースユニットは、任意の好適な様式で、例えばBluetooth、Bluetooth LE、LoRa、Zigbee、又はWi-Fiなどの短距離無線方法を介して、並びに/あるいは有線接続によって、及び/又はセルラーネットワークなどの長距離無線ネットワークを介して、センサモジュールと通信し得る。
【0074】
ベースユニット及びセンサモジュールは、必ずしも上記の構成のいずれかに限定されず、特に、ベースユニットは、空中リフト自体に設置されることに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、ベースユニットは、安全ラインのコネクタに又はその上に設置されてもよい。いくつかのそのような実施形態では、ベースユニットは、落下防止装置の安全ラインのコネクタ(例えば、ゲートフック)に、又はその上にあるセンサモジュールと同じ場所に配置されてもよい。いくつかのそのような同じ位置に配置される実施形態では、ベースユニット及びセンサモジュールは、例えば、単一の物理的ハウジング又はユニット内に少なくとも部分的に常駐するように互いに一体化されてもよい。例えば、ベースユニットを構成する電子構成要素、及びセンサモジュールを構成する電子構成要素は全て、単一のプリント回路基板又はフレックス回路上に配置されてもよい。(そのような場合、ベースユニット及びセンサモジュールを同じ電源から動作させることが好都合であり得る)。そのような同じ場所に配置された、例えば一体化された設計では、ベースユニットを構成する構成要素とセンサモジュールを構成する構成要素とは別々にグループ化される必要はない。むしろ、任意のそのような構成要素は合体されてもよい。
【0075】
上記の説明に基づいて、ベースユニットがその構成要素の全てを単一の場所に有する必要がないことは明らかである。むしろ、ベースユニットは、例えば、センサモジュールと同じ場所に、例えばコネクタ上に配置された(例えばコネクタ上に配置されたバッテリによって電力供給される)1つ以上の構成要素と、別個の場所にある、例えば空中リフト上のどこかに取り付けられた別個のハウジング内にある1つ以上の他の構成要素とで構成されてもよい。したがって、ベースユニット及びセンサモジュールに特定の制限はないことを強調しておく。例えば、ベースユニット及びセンサモジュールが互いに一体化されるいくつかの実施形態では、ベースユニットは、例えば短距離無線通信機及びその通信機を動作させる回路の形態の通信モジュールに本質的に縮小されてもよい。同様に、センサモジュールは、本質的に1つ(又は複数)のセンサを動作させる回路に縮小されてもよい。一体化されたベースユニット/センサモジュールに電力供給するために、共通の電源(例えば、バッテリ)が使用されてもよい。そのようなシナリオでは、「ベースユニット」及び「センサモジュール」は互いに非常に近い可能性が高いため、配線接続が、センサモジュールがベースユニットの通信モジュールにコネクタステータス情報を通信することを可能にするのに好都合であり得る(したがって、配線接続は、センサモジュールの通信モジュールとして、及びベースユニットの受信モジュールとして機能する)。センサからの情報を分析する任意の処理回路は、そのような実施形態では、ベースユニット及びセンサモジュールが、互いに完全に一体化され得るため、ベースユニットの一部及び/又はセンサモジュールの一部であると見なされ得る。
【0076】
「ベースユニット」という用語は、本明細書では、便宜上、本明細書に開示された連動構成に含まれる特定の機能を単独で又は組み合わせて実行する実体又は実体の集合を説明する際に使用される。注意として、そのような機能は、少なくとも、センサモジュールからコネクタステータス情報を受信することと、第1の肯定信号を直接又は間接的に空中リフトに送信することとを含む。したがって、ベースユニットという用語は、特定の物理的な構造又は場所を意味するものではない。特に、ベースユニットは、必ずしも、空中リフト上に取り付けられ、それと協働するセンサモジュールからある距離だけ離間される、比較的大型の物品である必要はない。むしろ、いくつかの事例では、ベースユニットは非常に小さくてもよく、例えばコネクタ上でセンサモジュールと共に一体化されてもよい。
【0077】
したがって、例えば、コネクタステータスを検出する少なくとも1つのセンサと、センサからコネクタステータス情報を受信し、(コネクタステータス情報に基づいて)第1の肯定信号を空中リフトの動作回路に無線で送信する無線送信機/受信機(例えば、Bluetooth LE無線機)とを含む、フック搭載型の物品の集合は、センサ及び送信機/受信機に電力供給して動作させるために必要なあらゆる物品と共に、本明細書の開示内に包含されるセンサモジュール及びベースユニットを備えると見なされる。
【0078】
様々な他の実施形態では、ベースユニットは、ハーネス上に、例えばハーネスDリングに設置されてもよい。このような実施形態では、ベースユニットは、Dリングに設置されたセンサモジュールと同じ場所にあってもよく、センサモジュールから信号を受信してもよい、又はベースユニットは、ハーネス上に設置されてもよいが、Dリングではなくコネクタに設置されたセンサモジュールから信号を受信してもよい。いくつかの実施形態では、ベースユニットは、自己格納式命綱のハウジングに(例えば、その上に又はその中に)設置されてもよい。
【0079】
これらのいずれも可能である。いくつかの好都合な実施形態では、ベースユニット60は、上述したように、中空リフトのコンソール7の近くに、その上に、又はその中に設置されてもよい。これにより、有利なことに、ベースユニットを空中リフトの制御回路17の近くに配置することができる、及び/又はベースユニットがそれ自体の電源を有する必要がなく空中リフトから電力を引き出すことが好都合になり得る。また、ベースユニットが、無線ではなく有線接続を介して任意の第1の肯定信号を空中リフトの制御回路により容易に送信することができるが、これらのいずれも許容可能であり得る。(この文脈において、「有線」接続は、導電性ワイヤ、光ファイバなどを使用する任意の物理的接続を広く包含する)。いくつかの実施形態では、ベースユニットは、空中リフトのオペレータの概して上方に、例えば、空中リフトのオーバーヘッドガード9上に取り付けられてもよい。そのような場所は、例えば、本明細書の他の箇所で説明するように、例えば、1つ以上の近接センサを使用することによって、オペレータの存在を検出するための機構を提供することが所望される場合に有利であり得る。
【0080】
センサモジュールという用語は、一般に、コネクタステータス情報を取得するように感知を実行する少なくとも1つのセンサと、センサによって収集されたコネクタステータス情報をベースユニットに送信する通信モジュール(例えば、無線送信機又は単純な有線接続の形態をとってもよい)と、センサ(単数又は複数)を動作させ、必要に応じて情報を処理し、通信モジュールを動作させるためなどの任意の必要なハードウェア、ソフトウェアなど(場合によっては、電源を含む)とを含む、物品又は物品の集合を説明するために使用される。センサモジュールは、例えば、ハウジング、例えば成形プラスチックハウジング内に部分的に又は完全に包含されてもよく、ハウジングは、例えば、コネクタもしくはDリングに取り付けられてもよい又はそうでなければコネクタもしくはDリング上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、センサモジュールは、センサモジュールのセンサがその所望の機能を実行することを可能にする場所に配置されている限り、例えば、安全ライン若しくは安全ライン上の被覆部に、又はハーネスの構成要素(例えば、ストラップ又は背面プレート)に取り付けられてもよい。
【0081】
センサモジュールという用語は、本明細書で開示される連動構成に含まれる特定の機能を説明する際に便宜上使用され、いかなる特定の物理的構造も暗示するものではない。例えば、センサモジュール及びベースユニットが高度に一体化された実施形態が上述され、特に、1つ以上のセンサと、第1の肯定信号を空中リフトの動作回路に通信する無線送信機/受信機(例えば、Bluetooth LE無線機)と、センサ及び送信機/受信機を動作させるために必要とされる様々な物品とを備える構成について説明した。そのような事例では、そのような一体化されたベースユニット/センサモジュールのセンサモジュールは、センサ(単数又は複数)と、センサ(単数又は複数)によって収集された情報を無線送信機/受信機に(換言すれば、一体化されたベースユニット/センサモジュールの「ベースユニット」に)送信する通信モジュールと同程度に小さくてもよい。センサモジュールの「通信モジュール」は、センサ(単数又は複数)を無線送信機/受信機に接続する、1つ以上のワイヤ、光ファイバ、又は回路基板若しくはフレックス回路上の導電性トレースと同程度に小さくてもよい。
【0082】
上記の説明に基づいて、いくつかの実施形態では、落下防止監視システムの安全ラインのコネクタ上に存在する短距離無線通信機は、例えば、無線通信機がコネクタステータス情報を別個に配置されたベースユニットに送信し、次いでベースユニットが第1の肯定信号を空中リフトの制御回路に送信する構成において、センサモジュールの通信モジュールとして機能し得ることが理解されよう。他の実施形態では、落下防止監視システムの安全ラインのコネクタ上に存在する無線通信機は、例えば、無線通信機がセンサモジュールから(例えば、有線接続によって)コネクタステータス情報を受信し、フック搭載型の無線通信機自体が第1の肯定信号を空中リフトの制御回路に送信する一体化されたベースユニット/センサモジュールの場合、ベースユニットの通信モジュールとして機能してもよい。いずれのシナリオ及びその様々な修正も、本明細書の開示内に包含される。
【0083】
いくつかの実施形態では、センサモジュールの第1のセンサは、1つ以上の金属を検出するように構成されてもよい。これは、落下防止装置のコネクタ(フック/カラビナ)、及びそのようなコネクタが接続される物品(Dリングなど)が、典型的には鋼などの金属から作製されるため、有用であり得る。したがって、Dリング又はドッキングステーションに配置されるセンサは、金属コネクタの存在を検出することが可能であり得、これとは逆に、コネクタに配置されるセンサは、金属Dリングの存在を検出することが可能であり得る。特定の実施形態では、任意のこのようなセンサは、センサが設置された実体によって画定される開口部内に又はその近くに配置される金属物品又はその一部分を特に検出するように構成されてもよい。例えば、コネクタ(例えば、ゲートフック)はセンサモジュールを装備してもよく、センサモジュールの1つ以上のセンサは、フックによって画定される開口部内にある又はその近くにある金属物品(例えばDリング)の一部分を検出するように構成される。任意のこのようなセンサは、自身も金属製である実体上に又はその近くに設置される場合、このような金属を補うように構成されてもよい(すなわち、センサは、既にそこにある金属の他に、追加の金属物品の存在を検出するように構成されてもよい)。
【0084】
いくつかの実施形態では、そのようなセンサは、電磁検知に依拠してもよい。いくつかの実施形態では、このようなセンサは、誘導検知に依拠してもよい。このタイプのいくつかの実施形態では、そのようなセンサは、誘導センサの電子回路の共振周波数の変化を問い合わせ、監視してもよい(この変化は、例えば、金属物品が誘導場にもたらされたときに生成される渦電流現象から生じ得る)。一般には誘導感知、具体的には渦電流現象の利用については、米国仮特許出願第62/628720号、及び国際公開第2019/157007号として公開された結果としてのPCT出願に詳細に記載されており、これらは両方とも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。これらの文書に開示されている原理、構成、及び方法の多くは、本願の目的に有用であり得ることは理解されるであろう。
【0085】
上記の説明は、主に、例えば、誘導感知による、金属物品の感知に関するものであったが、任意の感知機構に依拠する任意のセンサは、ゲートフックなどのコネクタの開口内に物品が存在するかどうかを感知するために使用されてもよいことを理解されたい(より一般的に言えば、そのようなセンサ(単数又は複数)は、コネクタが物品、例えば安全ハーネスのDリングに接続されているかどうかを、任意の好適な様式で検出し得る)。様々な実施形態においては、このようなセンサは、任意の種類の電気機械センサ、例えば、フックに荷重がかかっているかどうかを検出することができるロードセルであってもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、そのようなセンサは、フックが接続される物品(例えば、Dリング、ドッキングステーションなど)上に又はその中に存在するRFID又はNFCタグを検出するように構成されたRFIDリーダ又はNFCリーダであってもよい。例えば、センサモジュールのセンサは、SRLの安全ラインの端部のコネクタ(例えば、ゲートフック)に取り付けられたRFIDリーダを備えてもよく、RFIDリーダは、ユーザの落下防止安全ハーネスのDリングに又はその上に配置されたRFIDタグを読み取るように構成される。RFIDリーダがRFIDタグを読み取ることができる有効範囲は、RFIDリーダによるRFIDタグの肯定認識が、Dリングにコネクタが接続されているという表示であると見なすことができるように設定され得る。これらの構成の任意の適切な変形例を使用することができ、例えば、本明細書で後述するパーソナルSRLの場合、RFIDタグは、安全ハーネスのDリング上ではなく固定具上に配置されてもよい。又は、いくつかの事例では、RFIDリーダは、ハーネスDリング又は固定具上に配置されてもよく、SRLのコネクタ(例えば、ゲートフック)上に配置されたRFIDタグを読み取るように構成されてもよい。本明細書の他の箇所で説明するように、空中リフトが複数人乗りリフトである実施形態では、複数の固定点が存在してもよく、各固定点がRFIDタグ(又はRFIDリーダ)を有する。様々な実施形態では、全てのそのようなRFIDタグは総称的であってもよく、又はRFIDリーダによって読み取られたときに一意に識別可能であってもよい。いくつかの実施形態では、RFIDリーダ及びRFIDタグに基づく検出スキームは、以下で説明する一般的なタイプのゲートセンサと組み合わせて使用されてもよい。
【0087】
他の実施形態では、例えば、1つ以上の光学センサ、1つ以上の機械的スイッチ、1つ以上の超音波センサ(又は任意の好適なタイプの近接センサ及び動作機構)などに依拠する他の感知機構が使用されてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、任意の感知機構によって動作し、任意の特定の場所に提供される、及び/又は一般に、コネクタ30若しくは落下防止装置の使用における任意の特定の工程若しくは動作に適用される少なくとも1つの他のセンサが使用されてもよい。そのような第2のセンサは、フックによって画定される開口部内に物品が存在するかどうかを検出する何らかの他の機構によって動作してもよい。いくつかの実施形態では、そのようなセンサは、上記の構成の代わりに使用されてもよいが、多くの有利な実施形態では、そのようなセンサは、上記の構成と組み合わせて使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、フックは、コネクタのゲートのステータスを監視することができるゲートセンサを備えてもよい。このようなセンサは、例えば、本明細書に記載される他のセンサのいずれかと組み合わせて使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、金属物品(例えば金属Dリング)がコネクタの開口部内に存在するかどうかを決定するように構成された誘導センサである1つ以上の第1のセンサが使用されてもよく、コネクタのゲートのステータスを監視するために1つ以上の第2の、ゲートセンサが使用されてもよい。
【0089】
ゲートセンサによって提供される任意のそのようなデータ又は表示は、ゲートが「しっかりと閉じられている(secured)」か、又は「しっかりと閉じられていない(unsecured)」か、を報告するという一般カテゴリーに分類される。いくつかの実施形態では、「しっかりと閉じられていない」として報告されるためには、フックのゲートが実際に開位置になければならないわけではない。むしろ、ゲートは、例えばロック解除されている又は完全にはしっかりと閉じられていないだけでよい。例えば、コネクタは、前述の一般的なタイプのダブルアクションコネクタ、例えば、ゲートをロック解除し、次いで、ゲートを開放することができるようにするためにフックのゲートのロック機構(例えば、カラー)をわずかに回転させなければならない「ツイストロック」フックであってもよい。ゲートセンサは、ゲート自体が実際には開いていない場合であっても、例えば、ロックカラーが完全ロック位置まで回転されたように見えないと検出された場合、ゲートがしっかりと閉じられていないと報告するように構成されてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、例えばゲートセンサなどの第2のセンサは、第1のセンサと異なる機構によって動作してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ゲートセンサは、いわゆるホール効果センサであってもよい。いくつかの実施形態では、このようなセンサは、ゲート内に意図的に設置された磁気ビーコンの存在又は非存在(所定の距離内の)を検出するように構成されてもよい。例えば、そのような磁気ビーコン(例えば、任意の好適に磁性の材料片)は、例えば、ゲートのひねることが可能な部分(例えばロックカラー)に提供された空洞内に設置されてもよい。ゲートセンサは、磁気ビーコンを検出し、ビーコンがセンサに極めて近接しているとき(例えば、ゲートが閉鎖され、ロックカラーがそのロック位置にあるとき)、その存在を報告してもよい。センサは、ロックカラーがそのロック位置から離れるように回転する(したがって、ビーコンがセンサから離れるように移動する)と、磁気ビーコンの非存在を報告し、ゲートを開放することを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、代替的に、任意のこのようなゲートセンサは、ゲートがしっかりと閉じられていないときにビーコンを検出するように構成されてもよく(例えば、センサ及び磁気ビーコンが配置されてもよい)、ゲートがしっかりと閉じられているときにビーコンの非存在を検出するように構成されてもよい。
【0091】
前述したように、多くの実施形態では、本明細書に開示される落下防止監視システムの出力は、少なくとも1つのセンサ又は複数のセンサから受信される表示に基づいて、少なくとも1つの第1の肯定信号を含む。第1のセンサ及び第2のセンサが使用されるいくつかの実施形態では、第1のセンサからの表示だけ又は第2のセンサからの表示だけでは第1の肯定信号を生成するのに十分ではない場合がある。すなわち、いくつかの実施形態では、適切な表示が第1のセンサ及び第2のセンサの両方から受信されなければならない。したがって、例えば、落下防止装置のコネクタが空中リフトのユーザのハーネスに接続されているように見えることを示す第1の肯定信号を発行するためには、ゲートフックのための監視システムは、金属物品(例えば金属Dリング)がフックの開口部内にある又は開口部内で検出されたことを示すデータが第1のセンサから受信されなければならないように、かつフックのゲートが安全であることを示すデータが第2のセンサから受信されなければならないように構成され得る。この一般的な様式で第1及び第2のセンサからの情報を組み合わせて使用することは、例えば、米国仮特許出願第62/978024号及び国際公開第2020/194121号として公開された結果としてのPCT出願に更に詳細に記載されており、これらは両方とも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0092】
電力管理
いくつかの実施形態では、センサモジュール34は、内部電源、例えばバッテリ37によって電力供給されてもよい。内部とは、電源/バッテリが、センサモジュールが配置されているのと同じ全体的なハウジング(例えば、
図4に示されるハウジング36)内に配置されることを意味する。バッテリは、センサモジュール自体内にある必要はないが、いくつかの事例ではそうであってもよい。センサモジュールが、例えば、コネクタ30上に提供されたハウジング36内に配置されている場合、(ハウジング及びコネクタのサイズに応じて)バッテリのために利用可能な空間が限られる場合がある。いくつかのそのような場合、バッテリは、利用可能な空間内に収まるように、1つ以上の小型低容量バッテリ(例えば、AAAバッテリ、「コイン」バッテリ、又は「ボタン」バッテリ)の形態をとる必要があり得る。(他の電源、例えば、1つ以上の再充電可能なバッテリ又は再充電可能なスーパーキャパシタなどが想定され得るが、依然として、利用可能な空間内に収まる必要がある)。したがって、いくつかの実施形態では、センサモジュールの第1のセンサ及び第2のセンサを、センサモジュールの性能を損なうことなくバッテリ寿命を最大化するように構成及び動作させることが有利であり得る。
【0093】
例えば、第1のセンサが、Dリングなどの金属物品がフックの開口部内に存在するかどうかを検出する誘導センサであり、第2のセンサが、コネクタのゲートが閉鎖されしっかりと閉じられているかどうかを検出するホール効果センサであるゲートセンサである実施形態では、第1の誘導センサは、第2のホール効果センサの電力消費の10倍、100倍、又は更には1000倍超の電力消費を示し得る。したがって、いくつかの実施形態では、第1及び第2のセンサを動作させる回路は、第2のホール効果センサがゲートのステータスの変化を検出するまで、例えば、ゲートがしっかりと閉じられなくなったことを検出するまで第1の誘導センサをアクティブ化しないように構成されてもよい。次いで、第1のセンサは、ゲートが特定の状態(例えばしっかりと閉じられていない)のままである限り、かつ場合によっては、ゲートが別の状態に戻った(例えばしっかりと閉じられた)後の追加の選択された所定時間にわたって、アクティブ動作のままであってもよい。この後、第1のセンサは、ほとんど又は全く電力を消費しない非アクティブ状態に戻ることができる。ゲートのステータスの変化が再度検出されると、第1のセンサは再度アクティブ化されてもよい。そうでない場合、第1の(誘導)センサはシャットダウンされたままであってもよく、したがって、センサモジュールは全体として、無期限に低電力消費状態のままであってもよい。
【0094】
したがって、第1及び第2のセンサは、よりエネルギー効率の良いセンサから好適な信号が受信されると、よりエネルギーを消費するセンサがアクティブになるようにトリガされるだけでよいという一般原理の下で、効率的に電力管理するように構成することができる。上記で提供された特定の例では、第2の低エネルギー消費ホール効果センサは、(例えば、1秒に数回まで、又は更には連続的にゲートステータスを問い合わせるために)少なくとも準連続的に動作されてもよく、一方、第1の高エネルギー消費誘導センサは、第2のゲートセンサによって示されるゲートステータスの変化に応答してアクティブになるようにトリガされるまで、非アクティブのままであってもよい。そのような構成により、落下防止監視システムのベースユニットは、第2のゲートセンサによればゲートフックのゲートが閉鎖されロックされたままであることを示す情報をベースユニットがセンサモジュールから受信し続ける限り、少なくとも1つの第1の肯定信号を空中リフトの制御回路に送信し続けることができる(したがって、空中リフトの垂直運動機能を有効にし続けることができる)。第1の誘導センサは、センサモジュールが全体として低電力使用状態のままであるように、この時間中に非アクティブのままであってもよい。
【0095】
上記の構成は、バッテリ電力の効率的な使用のために、少なくとも1つの第1の高エネルギー消費センサと、少なくとも1つの第2の低エネルギー消費センサとを備えるセンサモジュールをどのように構成することができるかの一例にすぎない。他のシナリオも可能である。例えば、上記のシナリオでは、センサモジュールは、フックゲートが閉鎖され安全なままであるという情報をベースユニットに送信し続ける。この情報は、短距離無線通信機によって(例えば、センサモジュールが装備しているBluetooth無線通信機又はBluetooth Low-Energy無線通信機によって)送信されてもよい。いくつかの条件下では、短距離無線通信機自体をシャットダウンすることができ、それによって、追加のエネルギー節減を提供する。したがって、特定の例では、落下防止監視システムのベースユニットへの電力が遮断されるように、オーダーピッカーがシャットダウンされた場合(例えば、オペレータの昼休みの場合)、センサモジュールの短距離無線通信機は、ベースユニットへのその継続信号に対する応答を受信しない。センサモジュールは、センサモジュールが所定の時間量(例えば、1、2、5、10、30、又は60分)にわたってベースユニットから応答を受信しない場合、センサモジュール(及び/又は必要とされない任意の他の構成要素)の短距離無線通信機がシャットダウンされるように構成されてもよい。この時点で、センサモジュールは超低電力使用状態にある。
【0096】
そのような超低電力使用状態では、センサモジュールは、例えば、上述のホール効果センサなどの超低電力消費センサを動作させるため、センサを動作させるのに必要なあらゆるプロセッサ機能を継続するため、センサからの適切な信号を検出したときにセンサモジュールが完全アクティブ動作状態に戻ることを可能にするのに必要なプロセッサ機能を継続するためになどにのみ電力を使用してもよい。そのような状態は、例えばオーダーピッカーが動作していない時間中に、バッテリの消耗を非常に低い値に最小化することができる。いくつかの実施形態では、センサモジュールの動作回路の他の低電力使用機能又は低電力使用状態が維持されてもよい。例えば、内部クロックが動作し続けてもよく、ベースユニットからの任意の信号をリッスンするために短距離無線通信機を周期的にアウェイクしてもよい。
【0097】
例えば、コネクタ上で互いに一体化されたベースユニット及び感知モジュールの場合に特に有用であり得るこの変形例では、一体化されたベースユニット/感知モジュールは、所定の期間にわたって(例えば、一体化されたベースユニット/感知モジュールの短距離無線通信機によって)空中リフトから信号が受信されない場合、超低電力使用状態になるように構成されてもよい。この超低電力使用状態にあるとき、一体化されたユニット/モジュールは、空中リフトから信号を受信できるようにするために、短距離無線通信機をアウェイク状態に保つのに必要な電力量のみを使用してもよい。そのような信号が受信されると、一体化されたユニット/モジュールは、完全動作に復元され得る。
【0098】
ホール効果センサなどの超低エネルギー消費センサが監視されて、この低エネルギー消費センサによってトリガされたときにセンサモジュールを通常動作状態に戻すことができる上述のシナリオは、追加の有利な効果を有し得る。具体的には、これは、センサモジュールが物理的オン/オフスイッチを有する必要がないことを提供し得る。むしろ、上記の例を再び参照すると、オペレータが昼休みから戻ったとき、オペレータは、単にフックゲート32を操作して(例えば、磁気ビーコンが埋め込まれているゲートのカラー33をひねって)、センサモジュール34を非常に超電力使用状態から再アクティブ化することができる。したがって、この場合、フックゲートは事実上の「オンオフ」スイッチとして機能することができ、別個に提供されるオンオフスイッチは不要である。フックをオペレータのハーネスのDリングに再び取り付けるために必要とされるフックゲートの操作は、センサモジュールを再アクティブ化するために他のいかなるアクションも要求されずに、センサモジュールを再アクティブ化する(したがって、監視システムを「オン」に戻す)ように機能するため、フックゲートをこのように機能させることは非常に有利である。
【0099】
厳密に言えば、そのようなゲートの操作は、センサモジュールを完全に電力が供給されていない状態からオンにするのではなく、上述したような超低電力使用状態(この状態では、ゲートセンサ、及びセンサモジュールの動作回路の選択された機能が依然としてアクティブである)からセンサモジュールをアクティブ化にする。しかしながら、この状態におけるエネルギーの消耗は非常に小さい(例えば、数マイクロワットの範囲内である)ことが分かっているため、ほとんどの場合、センサモジュールを完全に「オフ」にする手段を提供する必要はない。そのような構成は、有利なことに、センサモジュールが完全アクティブ状態に極めて迅速に戻ることを可能にすることができ、作業活動中のオンオフスイッチとの偶発的な接触に起因してセンサモジュールを不注意にオフにする可能性を最小化し得る。
【0100】
ベースユニット及びセンサモジュールが例えばコネクタ上の同じ場所に配置される実施形態では、特に、これらの実体が本明細書で先に説明した一般的な様式で互いに一体化される構成において、電力を節約し、様々な構成要素及び機能への電力を最小化(又は完全に切断)する必要性に関する上記説明は、センサモジュールと一体化されるベースユニットの構成要素に同様に適用されることが理解されるであろう。一方、例えば空中リフトの回路に結合されたベースユニットは、空中リフト自体の電源によって電力供給されてもよく、そのような電力消費低減構成を必要としなくてもよい。
【0101】
センサモジュール(及び/又は、例えばベースユニットがセンサモジュールと一体化されている場合にはベースユニット)を低エネルギー消費状態から、例えばディープスリープから再アクティブ化するために低電力消費感知方法が使用され得る、この一般的なタイプの他の構成が想定され得る。例えば、監視される落下防止装置のコネクタなどに設置されるセンサモジュールは、1つ以上の加速度計を備えてもよい。そのような加速度計は、例えば、人物によって操作されているコネクタを示す運動、コネクタが取り付けられている空中リフトの動作を示す運動などを検出するように構成されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、センサモジュールは、空中リフトの動作が開始していることを判定し、落下防止監視システムの1つ以上の構成要素(例えば、センサモジュール)を完全動作準備度に適切にするために、加速度計を備えてもよい。低電力消費状態にあるとき、システムは、加速度計を動作させるために必要とされる程度までのみ電力を引き出してもよく、加速度計による運動の検出は、次いで、構成要素(例えば、センサモジュール)をトリガして、完全に動作可能になり得る、又は任意の指定された程度まで動作可能になり得る。同じことが、ベースユニットがセンサモジュールと同じ場所に配置される、例えばセンサモジュールと一体化される場合、ベースユニットにも当てはまることができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、落下防止監視システムは、オペレータ、例えばオーダーピッカータイプの空中リフトのオペレータ支持プラットフォーム上に立っている人物の存在を検出する能力を装備してもよい。(わずかな修正では、製造時に空中リフト自体にそのような機能を装備することができ、例えば、空中リフトはこの情報を落下防止監視システムに提供するように構成される)。そのような構成は、オペレータ検出モジュール、例えば、任意の好適な機構によって動作する1つ以上の近接センサを備える近接感知モジュールを利用してもよい。いくつかの特定の実施形態では、これは、1つ以上の測距近接センサ、例えば、飛行時間型レーザ近接センサに依拠してもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、落下防止監視システムは、落下防止監視システムの1つ以上の構成要素(例えば、センサモジュール)を適切に完全動作準備度にするために、オペレータ検出モジュールからの情報に依拠してもよい。低電力消費状態にあるとき、システムは、例えば、オペレータ検出モジュールを動作させるために必要な程度までのみ電力を引き出してもよく、オペレータの存在の検出は、次いで、監視システムの1つ以上の他の構成要素(例えば、センサモジュール)をトリガして、完全に動作可能になり得る、又は任意の指定された程度まで動作可能になり得る。
【0104】
任意のそのようなオペレータ検出モジュールは、その取得情報を任意の好適な方法で落下防止監視システムに提供するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の近接センサは、ベースユニットに配線接続されてもよい(例えば、ベースユニット及び1つ以上の近接センサは、空中リフトのオーバーヘッドガードに取り付けられる)。そのような構成では、ベースユニットは、近接センサに電力供給してもよく、近接センサは、有線接続によってその情報をベースユニットに送信してもよい。オペレータ検出が、センサモジュールを低電力消費状態からアクティブ化するための基礎として使用される場合、オペレータ検出モジュールは、任意の好適な方法で、例えば、短距離無線によって、情報をセンサモジュールに通信してもよい。例えば、(例えば、ゲートフック上の)一体化されたベースユニット及びセンサモジュールは、オペレータ検出モジュールから情報を受信することができるように、低電力消費状態にあるときに動作し続ける短距離無線通信機を含んでもよい。したがって、様々な実施形態では、オペレータ検出モジュールは、センサモジュール及び/又はベースユニットをより電力消費が低い状態からアクティブ化するために、又は一般に、ベースユニット及び/又はセンサモジュールの任意の選択された1つ以上の機能をよりアクティブな状態にするために使用されてもよい。オペレータ検出の更なる詳細は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる「Fall-Protection System with Monitoring System」と題する米国特許出願第17/435,661号で説明され、議論されている。
【0105】
いくつかの実施形態では、落下防止監視システムの少なくともいくつかの構成要素の始動及び/又は動作は、空中リフトのオペレータ認証デバイスと協働して動作するように構成されてもよい。例えば、ベースユニットは、空中リフトの補助電力回路によって電力供給されてもよく、空中リフトは、例えば上述した一般的なタイプのオペレータ認証デバイスによってオペレータが認証されるまで補助電力回路がアクティブ化されないように構成される。そのような場合、ベースユニットは、オペレータが例えばバッジを付けるまで動作を開始しなくてもよい(換言すれば、落下防止監視システム自体がオペレータ認証デバイスと連動してもよい)。
【0106】
様々な実施形態では、例えば、ベースユニット、センサモジュール、及び/又は一体化されたベースユニット/センサモジュールが、開示された構成のうちの2つ以上のうちのいずれかによってトリガされるように、2つ以上の可能な方法で完全動作(及び電力消費)に復元され得るように、上述の構成のうちのいずれかの任意の組み合わせが使用されてもよい。したがって、例えば、一体化されたベースユニット/センサモジュールは、超低電力使用状態にあるときに、短距離無線通信機が動作し続け、低エネルギー消費センサ(例えば、ホール効果ゲートセンサ)が動作し続けるように構成されてもよく、それにより、無線通信機が空中リフトから信号を受信すること、又は低エネルギー消費センサが例えばゲートステータスの変化を検出することのいずれかによって、始動がトリガされてもよい。同様の構成が、短距離無線通信機と加速度計との組み合わせと共に使用され得る。
【0107】
上述の構成は、自身の電源に依拠する物品、特に、バッテリのための空間が限られている場所にある物品(例えば、フック搭載型のセンサモジュール又はフック搭載型の一体化されたベースユニット/センサモジュールなど)の場合に最も有利に使用され得る。一方、空中リフトの回路に配線接続されたベースユニットなどの物品は、空中リフトから直接電力を引き出すことができる場合があり、それにより、空中リフト及び落下防止監視システムが実際に使用されていない期間中にそのような物品の電力消費を低減するための構成を設定する必要がほとんどなくてもよい、又は全くなくてもよい。当然ながら、空中リフトから電力を受け取る任意の物品は、空中リフト自体の電源を切るときに電源を切ってもよい。実際、空中リフトから電力を受け取らない物品は、その物品が共に使用されている空中リフトがシャットダウンされていることを示す信号を受信する場合、その物品をシャットダウンする(又は少なくとも低電力消費モード又はディープスリープにカットバックする)ことができる。
【0108】
補足の第1の肯定信号及びセルフチェック
落下防止監視システム並びにその例示的な構成要素及び特徴を説明してきたが、少なくともオーダーピッカーの垂直運動機能を有効にするために落下防止監視システムからオーダーピッカーの制御回路に送信される第1の肯定信号(単数又は複数)の主題について、より詳細に説明することができる。これまでの説明は、安全ラインのコネクタがユーザの安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかを示す単一の第1の肯定信号を送信する落下防止監視システムに焦点を当ててきた。いくつかの実施形態では、これは、オーダーピッカーの制御回路が少なくともオーダーピッカーの垂直運動機能を有効にするのに十分であり得る。しかしながら、様々な実施形態では、任意の数の第1の肯定信号が落下防止監視システムによって送信され得る。2つ以上の任意のそのような第1の肯定信号は、前述の「補足の」肯定信号と区別するために、「追加の」第1の肯定信号と称する。したがって、注意として、落下防止監視システムによってオーダーピッカーに送信される任意の肯定信号は「第1の」肯定信号であり、この指定は、任意の「補足の」第1の肯定信号を含む。落下防止監視システムによってではなく、オーダーピッカー自体の安全装置(例えば、OPCスイッチ、安全ゲートなど)によってオーダーピッカーに送信される任意の肯定信号は、「追加の」肯定信号と称する。
【0109】
複数の第1の肯定信号を含む構成では、オーダーピッカーの制御回路は、少なくともオーダーピッカーの垂直運動機能を有効にするために要求される全ての第1の肯定信号を成功裏に受信しなければならないように構成されてもよい。いくつかのそのような実施形態では、冗長性を追加するために、1つ以上の補足の第1の肯定信号が存在してもよい。したがって、例えば、第1の肯定信号は、安全ラインのコネクタがユーザの安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかを示してもよく、補足の第1の肯定信号は、同様に、安全ラインのコネクタがユーザの安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかを示してもよい。そのような構成では、オーダーピッカーは、オーダーピッカーの所望の機能(単数又は複数)を有効にするために、両方の信号を受信する必要がある場合がある。
【0110】
いくつかの実施形態では、オーダーピッカーの所望の機能(単数又は複数)を有効にするかどうかを判定するときに、落下防止監視システム自体の状態を考慮することができるように、1つ以上の補足の第1の肯定信号を使用してもよい。例えば、落下防止監視システムは、例えば、落下防止監視システムのセンサモジュール及び/又はベースユニットの電子構成要素、ファームウェア、通信システムなどのうちのいずれか又は全ての機能及び準備度のセルフチェックを実行するように構成されてもよい。そのような実施形態では、様々な補足の第1の肯定信号は、セルフチェックにおいて評価されるベースユニット及びセンサモジュールの準備度に応じて発行されてもよく、又は発行されなくてもよい。
【0111】
そのような構成は、例えば、落下防止監視システムがファームウェア更新の最中であること、センサモジュールのBluetooth無線通信機とベースユニットのBluetooth無線通信機とが互いに無線ペアリングの最中であること、又はベースユニットとセンサモジュールとの間に瞬間的な通信ドロップアウトが存在することを準備度セルフチェックが明らかにした場合に、少なくともオーダーピッカーの垂直運動機能が有効にされなくてもよいことを提供し得る。(これらは例示的な条件であり、様々な他の条件が同様の効果を有し得ることが理解されるであろう)。すなわち、これら(又はその他の潜在的に問題のある状態)のうちのいずれかが落下防止監視システムの準備度のセルフチェックにおいて発見された場合、対応する1つ又は複数の補足の第1の肯定信号はオーダーピッカーの制御回路に送信されない。
【0112】
別の例では、オーダーピッカーの所望の機能(単数又は複数)を有効にするかどうかを判定するときに、センサモジュールのバッテリの状態を考慮することができるように、1つ以上の補足の第1の肯定信号を使用してもよい。したがって、例えば、落下防止監視システムは、センサモジュールバッテリの残存寿命を評価するように構成されてもよい。このバッテリ残存寿命が予め選択された閾値を上回る場合、補足の第1の肯定信号がオーダーピッカーに送信される。バッテリ残存寿命がこの閾値以下である場合、補足の第1の肯定信号は送信されない。いくつかの実施形態では、バッテリ寿命の評価、及びそれに基づいて行われるアクションは、多段階であってもよい。したがって、例えば、評価されたバッテリ寿命がいくらか低いが、上述の閾値を下回らない場合、落下防止監視システムは、バッテリが近い将来に交換されるべきであるという通知を単に発行してもよい。評価されたバッテリ寿命が閾値以下である場合、補足の第1の肯定信号は発行されない。また、バッテリの交換後でなければ、オーダーピッカーの使用を再開することができないという通知が発行されてもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、落下防止監視システムの準備度のセルフチェックは、落下防止装置自体の少なくともいくつかの構成要素又は態様のチェックまで拡張し得る。したがって、例えば、1つ以上の補足の第1の肯定信号は、エネルギー吸収装置(この特定の落下防止装置にエネルギー吸収装置が存在する場合)の準備度を報告することに充てられてもよく、オーダーピッカーの所望の機能(単数又は複数)を有効にするかどうかを判定するときに考慮され得る。本明細書で前述したように、多くのエネルギー吸収装置は、例えばアコーディオン状に一緒に折り畳まれ、例えば縫合によって互いに取り付けられたウェビングのセグメントを備え、落下した場合に互いから分離してエネルギーを吸収し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサが、そのようなエネルギー吸収装置上に設置されてもよく、エネルギー吸収装置が準備完了状態にあるように見えるかどうか、又は、例えばいくつかのセグメントが互いからいくらか分離されたか、若しくはそうでなければ構成されたように見えるかどうかを報告し得る。この後者の状態(又はエネルギー吸収装置の準備度を疑う状態)が存在する可能性があるとして検出された場合、落下防止システムは、対応する補足の第1の肯定信号を発行することを控え得る。(いくつかの実施形態では、システムはまた、落下防止装置、特にエネルギー吸収装置を点検する必要があり得るという通知を発行してもよい)。しかしながら、エネルギー吸収装置の監視に基づく任意のそのような連動構成及び/又は通知構成は、例えば、全ての適用可能な法律、規則、条例、規格などに従うエネルギー吸収装置の検査の必要性を否定しないことが規定される。(例えば、アコーディオン状に折り畳まれた/縫合されたウェビングのセグメントに基づかない)他の設計のエネルギー吸収装置は、そのタイプのエネルギー吸収装置に適切な1つ以上のセンサによって同様に監視されてもよい。
【0114】
様々な実施形態では、上記で開示された補足の第1の肯定信号のいずれかを、単独で、又は任意の他の第1の肯定信号(単数又は複数)と組み合わせて使用してもよい。したがって、様々な実施形態では、本明細書で説明されるような連動アプローチは、少なくともオーダーピッカーの垂直運動機能を有効するために、落下防止監視システムによって送信され、オーダーピッカーの制御回路によって受信されなければならない複数の第1の肯定信号(例えば、2~5、10、又はそれ以上)に依拠し得る。そのような複数の第1の肯定信号が落下防止監視システムからオーダーピッカーに送信され得る例示的な構成は、本明細書で後に提示される。
【0115】
したがって、上記の説明は、落下防止監視システムの複数の(例えば、第1、第2、及び第3の)構成要素のセルフチェックを実行するように落下防止監視システムが構成される実施形態では、ベースユニットは、複数の(例えば、最大3つの)補足の第1の肯定信号を送信するように構成されてもよく、少なくとも垂直運動機能を有効にするためには、それらの信号の全てが空中リフトの動作回路によって受信される必要があることを明らかにする。したがって、例えば、落下防止監視システムの第1のセルフチェックされる構成要素は、センサモジュールであってもよく、落下防止監視システムの第2のセルフチェックされる構成要素は、ベースユニットであってもよく、落下防止監視システムの第3のセルフチェックされる構成要素は、少なくともセンサモジュールに電力供給する内部バッテリであってもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、任意のそのようなセルフチェックの結果は、より少ない数の信号へと組み合わせられ得る。例えば、監視システムの全ての構成要素(例えば、上記の例では3つ全ての構成要素)が各々、セルフチェックに合格した場合、単一の補足の第1の肯定信号を送信してもよく、構成要素のうちのいずれかがセルフチェックに合格しない場合、単一の補足の第1の肯定信号は送信されない。実際、いくつかの実施形態では、1つ以上のセルフチェックの所見は、前述の第1の肯定信号へと組み合わされてもよく、それにより、第1の肯定信号の有無は、コネクタが接続されているか否かだけでなく、監視システムの1つ以上のセルフチェックによって評価されるような監視システム自体の1つ以上の構成要素又は態様の動作準備度にも基づく。しかしながら、いくつかの実施形態では、接続ステータス情報及び様々なセルフチェック情報は、異なる第1の肯定信号の対象であることが好ましくてもよく、例えば、空中リフトが上昇することを防止される場合、これが、適切な接続の明白な失敗の結果であるか、又は落下防止監視システム自体の何らかの特定の構成要素に関する問題の結果であるかをより迅速に判定することができる。そのような構成の多くの変形例が可能であることは理解されるであろう。例えば、互いに一体化されたセンサモジュール及びベースユニットの場合、単一のセルフチェックは、単一の動作においてこれらの両方を評価し得る。
【0116】
通信
1つ又は複数のベースユニット、1つ又は複数のセンサモジュール、空中リフトの制御回路などは、任意の所望の様式で通信し得る。(例えば、ベースユニットが空中リフトに取り付けられ、センサモジュールが落下防止装置のコネクタ上にある)いくつかの実施形態では、ベースユニットとセンサモジュールとの間の通信は無線であってもよい。これは、例えば、Bluetooth、Bluetooth Low Energy、LoRa、wi-fi、又は任意の他の好適な方法若しくはプロトコルなどの短距離離無線方法によって行われてもよい。あるいは、セルラーネットワークを介して行われてもよい。
【0117】
(例えば、ベースユニットがセンサモジュールと同じ場所に配置される、例えば一体化される)他の実施形態では、有線接続が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、そのような有線接続は、物理的ワイヤ又は光ファイバであってもよい。例えば落下防止安全装置のコネクタに取り付けられたプラスチック被覆部又はハウジング内に配置された共通のプリント回路基板又はフレックス回路上に常駐するように、例えばベースユニット及びセンサモジュールが互いに一体化されているいくつかの実施形態では、有線接続は、例えばそのような回路基板又はフレックス回路上の1つ以上の導電性トレースの形態をとってもよい。
【0118】
様々な実施形態では、ベースユニットとセンサモジュールとの間の通信は、所望に応じて、双方向又は一方向であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、センサモジュールは、ベースユニットに無線送信してもよいが、逆の場合は異なる。そのような実施形態では、センサモジュールは、例えば、センサ読み取り値を例えば所定のスケジュールで取得し、結果をベースユニットに送信してもよい。しかしながら、多くの実施形態では、例えば、ベースユニットがソフトウェア又はファームウェアの更新をセンサモジュールに送信することができるように、ベースユニットがアクティブであり、機能していることを確認するために、センサモジュールに応答することができるようになど、双方向通信を有することが好ましい場合がある。
【0119】
いくつかの実施形態では、ベースユニットは、所定のスケジュールか、又はイベントに応答してかを問わず、命令をセンサモジュールに送信し、センサ読み取り値を取得し、結果をベースユニットに返してもよい。センサモジュール及びベースユニットは、例えば、(特に、複数の空中リフトが相当に極めて近接して動作する場合)ベースユニットが適切なセンサモジュールと通信し、逆の場合も同様であることを保証するために、電子ハンドシェイクなどを実施するような通常の手法で構成されてもよい。本明細書で前述したように、いくつかの実施形態では、センサモジュールは、センサモジュールが所定の時間間隔にわたってベースユニットから応答/確認を受信しなくなるような時間まで、断続信号、準連続信号、又は連続信号を(例えば、Bluetooth Low Energyによって)ベースユニットに送信するように構成されてもよく、その時点で、センサモジュールは、本明細書で前述した一般的な様式で再アクティブ化されるまで信号の送信を停止してもよい。
【0120】
ベースユニットと空中リフトの制御回路との間の通信は、任意の好適な形態、例えば、有線又は無線(例えば、上に列挙した方法のいずれかを使用する)をとることができ、任意のそのような通信は、一方向(ベースユニットから制御回路)であってもよく、又は双方向であってもよい。更に、任意のそのような通信は、直接的であってもよく(例えば、ベースユニットは、有線接続を介して、又は例えばBluetooth LEなどの短距離無線方法を介して、空中リフトと通信してもよい)、あるいは間接的であってもよい(例えば、ベースユニットは、落下防止監視システム及び空中リフトがメンバーである遠隔測定ネットワークを介して、空中リフトと通信してもよい)。いくつかの実施形態では、無線通信は、セルラーネットワークを介して実行されてもよい。
【0121】
様々な実施形態では、任意のそのような通信(例えば、ベースユニットとセンサモジュールとの間か、ベースユニットと空中リフトとの間か、又は一体化されたベースユニット/センサモジュールと空中リフトとの間かは問わない)は、アナログであってもよく、又はデジタルであってもよい。例えば、少なくとも1つの第1の肯定信号は、デジタル形式に変換され、次いで(例えばBluetooth Low Energyを介して無線であるか、導電性ワイヤ又は光ファイバケーブルによって提供されるような有線接続であるかは問わずに)オーダーピッカーの制御回路に送信されてもよい。任意の必要なアナログ-デジタル変換は、任意の好適な変換器によって、データフローの経路に沿った任意の好適な時点で実行され得る(そのような変換器がセンサモジュールの一部であると見なされるか、又はベースユニットの一部であると見なされるかにかかわらず、いくつかの実施形態では、そのような実体が共に一体化されてもよいことに更に留意されたい)。
【0122】
上述したように、いくつかの実施形態では、ベースユニット及び空中リフトの動作回路、並びに/あるいは一体化されたベースユニット/センサモジュールのベースユニット及び空中リフトの動作回路、並びに/あるいはベースユニット及びセンサモジュールは、Bluetooth Low Energyなどの短期無線方法によって通信してもよい。いくつかの事例では、物品が互いとの接触を再確立することが必要な場合がある。これは、他の可能性の中でも特に、例えば、センサモジュール及び/又は一体化されたベースユニット/センサモジュールのバッテリ交換後、ベースユニットとの通信を維持することを担う空中リフト動作回路のシャットダウン後(例えば、空中リフト全体の電力供給が切断された場合)、あるいはベースユニット及び/又はセンサモジュールが設置されているSRLが空中リフトの短距離無線機の範囲外に一時的に取り出された後に起こり得る。
【0123】
そのような中断又は不測の事態を許容するために、物品(例えば、それぞれのBluetooth LE 無線機)が、互いとの接触を再確立するように構成され得る。いくつかの事例では(例えば、電力損失を伴わない短い通信中断の後)、これは(例えば、以前のペアリング情報が無傷のままである場合)自動的に実行され得る。他の事例では、物品を互いに再ペアリングする必要がある場合があり、場合によっては、これは自動的に行われてもよく、他の場合には、データ入力又は何らかの他の登録手順を実行する必要がある場合がある。
【0124】
したがって、いくつかの事例では、センサモジュールは、ベースユニットと接触していなくてもよく、及び/又は一体化されたセンサモジュール/ベースユニットは、例えば、短い時間期間、空中リフトの動作回路と接触していなくてもよいことに留意されたい。これが起こり得る別のシナリオは、ベースユニットが空中リフトの補助電力回路によって電力供給され、補助電力回路が、例えばバッジリーダによってオペレータが認証されるまでアクティブ化されない場合である。そのような事例では、センサモジュール(例えば、前述の様式で落下防止安全装置のゲートフックをオペレータが操作すると終了することができる、低電力消費状態又はディープスリープ状態にあってもよい)は、完全動作を回復してもよく、ゲートフックのオペレータのハーネスへの適切な接続が確立されたことを感知した後でベースユニットが完全動作を回復してもよい。同様の状況は、特定の原因にかかわらず、ベースユニットが完全に電源をオンにされる前に、又は空中リフトが完全に電源をオンにされる前に、センサモジュールがデータを取得し始める(例えば、接続が確立されたことを検出する)任意の事例において発生し得る。
【0125】
通信の喪失又は非存在の場合に落下防止監視システムの最も効率的な機能を可能にするために、いくつかの実施形態では、センサモジュール及び/又はベースユニットは、(例えば未加工データ、部分的に処理されたデータ、完全に処理されたデータ、1つ以上の第1の肯定信号、センサモジュール及び/又はベースユニット自体の構成要素又はサブシステムに関するステータス情報などを含む任意のタイプの)データをセンサモジュール及び/又はベースユニットにオンボードで記憶するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、このデータは、通信が確立又は再確立されるまでオンボードで記憶されてもよく、通信が確立又は再確立された時点で、記憶されたデータを送信し得る。(同様の構成は、遠隔測定ネットワークを介した通信及びその通信中断の場合に提供され得る)。
【0126】
ガルバニック絶縁接続
いくつかの実施形態では、例えば、Bluetooth Low Energyなどの無線/デジタル接続を使用するのではなく、ベースユニットとオーダーピッカーの制御回路との間の有線接続を使用して、少なくとも1つの第1の肯定信号を(例えば、アナログ形式で)ベースユニットからオーダーピッカー制御回路に送信することが有利であり得る。このタイプのいくつかの実施形態では、これは、ベースユニットの回路をオーダーピッカーの制御回路からガルバニック絶縁する方法で行われてもよい。ガルバニック絶縁とは、ベースユニットの回路とオーダーピッカーの回路との間に直流電流が流れないことを意味する。
【0127】
有線であるがガルバニック絶縁された接続は、ベースユニット60にガルバニック絶縁インターフェース61(
図1に一般的表現で示されている)を装備することによって達成することができ、このガルバニック絶縁インターフェースを介して、ベースユニットは、ガルバニック絶縁された様式でベースユニットの外部のソースから信号を受信し得る(いくつかの実施形態では、ベースユニットの外部の宛先に信号を送信し得る)。1つの例示的な構成では、ガルバニック絶縁インターフェースは、オーダーピッカー制御回路からの入力ライン(本明細書ではライン1と呼ぶ)及びベースユニットからオーダーピッカー制御回路に戻る出力ライン(本明細書ではライン2と呼ぶ)と協調して動作するソリッドステートリレーを備え得る。オーダーピッカー制御回路は、(任意の所望の値、例えば、1、2、4、8、16、32、又は60ボルトの)定電圧Vを入力ライン1に沿ってソリッドステートリレーに送るように構成することができる。入力ライン1は、オーダーピッカー制御回路によってこの定電圧Vに維持される。ソリッドステートリレーは、出力ライン2上で定電圧信号Vをオーダーピッカーに戻すことを可能にする「閉」構成を仮定する特定の状況下では、ベースユニットからオーダーピッカーへの第1の肯定信号の送信がソリッドステートリレーによって行われるように構成することができる。したがって、ソリッドステートリレーは、本明細書で前述した様式でコネクタがユーザのハーネスに適切に接続されているように見えることを示すコネクタステータス情報をベースユニットがセンサモジュールから受信しない限り、開いたままである(したがって、入力ライン1上の入来電圧Vを出力ライン2上のオーダーピッカーに戻すことができない)、いわゆる「常開」スイッチを備えてもよい。コネクタが適切に接続されているように見えるという表示を受信すると、ソリッドステートリレー(スイッチ)は、「閉」構成に遷移し、入来電圧Vをオーダーピッカーに戻すことを可能にする。この電圧Vは、出力ライン2上でオーダーピッカーに戻されるとき、オーダーピッカー回路によって、(例えば、他の肯定信号と共に)オーダーピッカー回路に少なくともオーダーピッカーの垂直運動機能を有効にさせる第1の肯定信号であると解釈される。
【0128】
いくつかの好都合な実施形態では、上述のようなソリッドステートリレーは、光源(例えば、LED)及び光検出器(例えば、フォトダイオード又はフォトトランジスタ)を備える、いわゆる光アイソレータに依拠してもよい。簡単に説明すると、適切な入来信号(例えば、センサモジュールからの「接続された」信号)が光源に光を放射させる。光検出器は光を検出し、入来信号と出力ライン2との間に直接的な電気接続がなくても電圧Vが出力ライン2に沿って戻ることができる構成へとリレーを移行させる。
【0129】
ベースユニットにガルバニック絶縁インターフェースを装備することは、有利なことに、落下防止監視システムが、オーダーピッカー制御回路が利用し得る電圧にかかわらず、任意のオーダーピッカー(又は一般には空中リフト)と互換性があることを可能にすることができる。すなわち、本明細書に記載のソリッドステートリレーは、入力ライン1に沿った任意の入来電圧Vを受け入れ、電圧が好適な全範囲、例えば0~60ボルトである限り、電圧の実際の値にかかわらず、出力ライン2に沿って電圧Vを戻すことができる。
【0130】
上述した例示的な構成の多くの変形例が可能である。例えば、ソリッドステートリレーは、上述したような常閉タイプのものではなく、このリレーは常開型のリレーであってもよい。そのような構成では、リレーは、コネクタがユーザのハーネスに適切に接続されているように見えることを示すコネクタステータス情報をベースユニットがセンサモジュールから受信しない限り、入力ライン1上で入来電圧Vを受信し、それを出力ライン2上でオーダーピッカーの制御回路に戻す閉構成のままである。そのような表示が受信された場合、リレーは、電圧Vがオーダーピッカーの制御回路にもはや戻されないように、開構成に移行する。そのような場合、オーダーピッカー制御回路が前述の第1の肯定信号として解釈するのは、予め存在している戻り電圧(復帰電圧:return voltage)Vの停止である。(したがって、そのような信号は、依然として、本明細書で定義されるような「肯定」信号であると見なされる)。
【0131】
いくつかの実施形態では、ソリッドステートリレーは、出力ラインに沿って電圧V(例えば、7ボルト)を戻すこととゼロ電圧信号を「戻すこと」との間で選択するのではなく、リレーが、一般には、高電圧信号を戻すことと低電圧信号を戻すこととの間で選択し得るように設定されてもよい。換言すれば、低電圧は必ずしも正確に0ボルトである必要はない。任意のそのようなシステムは、高電圧が第1の肯定信号に対応するように、又は低電圧が第1の肯定信号に対応するように構成されてもよい。このタイプの様々な構成が可能であり、必要とされるのは、どの戻り電圧(復帰電圧)が本明細書で定義されるような肯定信号に対応するか、及びどの電圧が肯定信号の非存在に対応するかを認識するようにオーダーピッカーの制御回路が構成されることだけである。
【0132】
いくつかの実施形態では、ベースユニットは、複数のソリッドステートリレーを備えてもよく、各ソリッドステートリレーは、例えば入力ライン1に沿って入来電圧Vを受け取り、それを出力ラインに沿ってオーダーピッカーに戻す(又は戻さない)。したがって、上記の例に続いて、いくつかの実施形態では、ベースユニットは、第1の肯定信号として出力ライン2に沿って電圧Vを戻す常開ソリッドステートリレーを備えてもよい。ベースユニットは、出力ライン3に沿って電圧Vを戻すのを停止することによってオーダーピッカーに補足の第1の肯定信号を提供する別の常閉ソリッドステートリレーを備えてもよい。様々な実施形態では、オーダーピッカー制御回路は、オーダーピッカーの所望の機能を有効にするために、ライン1上の第1の肯定信号、ライン2上の第1の肯定信号、又はその両方を受信しなければならないように構成されてもよい。オーダーピッカーの所望の機能(単数又は複数)を有効にするために第1の肯定信号がそれにそって送信されなければならない2つ(又はそれ以上)のそのような相補的経路を有することは、連動システムに冗長性及び堅牢性を提供し得る。
【0133】
様々な実施形態では、任意の所望の目的のために追加の出力ラインが提供されてもよい。したがって、いくつかの事例では、ベースユニットは、この目的のために、マルチピンコネクタ、例えば、2ピンコネクタ、4ピンコネクタ、8ピンコネクタ、又は10ピンコネクタを装備してもよい。(そのようなマルチピンコネクタは電気コネクタであり、機械的コネクタ(すなわち、フック/カラビナ)であるコネクタ30と混同されるべきではない)。ベースユニットのそのようなマルチピンコネクタは、オーダーピッカー制御回路に電気的に接続された好適な電気ケーブルに接続することができ、それにより、ケーブル及びコネクタの少なくとも1本のラインが、定電圧Vの形態でオーダーピッカーからの入力を受け取る入力ラインとして機能することができ、少なくとも1本のラインが、定電圧Vをオーダーピッカーに戻すことができる出力ラインとして機能することができる。様々な実施形態では、1つ以上の追加の出力ラインは、本明細書で前述されたシステム準備度パラメータのうちのいずれかに専用であってもよい。
【0134】
例示的な構成では、マルチピンコネクタ及び互換性のある電気ケーブルを使用して、複数の第1の肯定信号を処理することができ、コネクタ及びケーブルラインに対応する以下のように割り当てられる。
ライン1:オーダーピッカー制御回路から定電圧Vを受け取る入力ライン。
ライン2:コネクタ30がハーネスに接続されているように見えることをセンサモジュールが示す場合、定電圧Vをオーダーピッカー制御回路に戻すための常開スイッチを有する出力ライン。
ライン3:コネクタ30がハーネスに接続されているように見えることをセンサモジュールが示す場合、定電圧Vをオーダーピッカー制御回路に戻すのを停止するための常閉スイッチを有する出力ライン。(ライン2及び3は、上述した相補的な冗長出力ラインのタイプであり、2つの出力ラインの順序は、必要に応じて逆にすることができることに留意されたい)。
ライン4:センサモジュールの準備度チェックの結果に応じて、定電圧Vをオーダーピッカーに戻す(又は戻さない)出力ライン。
ライン5:ベースユニットの準備度チェックの結果に応じて、定電圧Vをオーダーピッカーに戻す(又は戻さない)出力ライン。
ライン6:センサモジュールに電力供給する内部バッテリの評価された残存寿命に応じて、定電圧Vをオーダーピッカーに戻す(又は戻さない)出力ライン。
ライン7:落下防止装置のエネルギー吸収装置の準備度チェックの結果に応じて、定電圧Vをオーダーピッカーに戻す(又は戻さない)出力ライン。
【0135】
更に他のラインは、利用可能であれば、所望に応じて任意の用途に専用であってもよい。様々な実施形態では、他のラインは、追加の入力ラインであってもよく、追加の出力ラインであってもよく、又は両方の目的を果たしてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のラインは、所望に応じて任意の目的のために使用されるGPIO(general-purpose input/output、汎用入力/出力)ラインであってもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のラインは、例えば、本明細書で前述した目的のために、プラットフォームが現在上昇されている高さに関する情報をオーダーピッカーから受信するように構成されてもよい。1つ以上の入力ライン及び/又は出力ラインは、落下防止監視システムが現場遠隔測定、中央監視ステーションなどと相互作用することを可能にするように構成されてもよく、必ずしもオーダーピッカーの動作回路を介して相互作用する必要はない。これは、例えば、落下防止装置及び監視システムの準備度及び状態に関する情報を中央監視ステーションに提供するために使用されてもよい。
【0136】
ライン3以上で送信される信号は、本明細書で前述したように、様々な補足の第1の肯定信号に対応する。例えば、落下防止監視システムによって監視される任意の他のパラメータの関数としてオーダーピッカーの垂直運動機能を連動させるために、他の補足の第1の肯定信号が使用されてもよい。上記の例では特定されていないが、ライン4以上は、必要に応じて、常開又は常閉であるスイッチを備えるソリッドステートリレーと共に使用されてもよい。常開構成又は常閉構成が、様々な事例において所望され得る。特定のパラメータ(例えば、バッテリ残存寿命)に関連付けられる、補足の第1の肯定信号を含む任意の第1の肯定信号は、相補的なライン対を使用する構成で送信されてもよく、例えば、(上に列挙された例示的なライン2及び3を用いた場合のように)一方のラインが常開スイッチを介して動作し、他方のラインが常閉スイッチを介して動作する。これは、この信号対が関連付けられる特定のパラメータに関する監視及び報告における冗長性を提供し得る。
【0137】
上記の例示的な構成では、全ての出力ライン(すなわち、ライン2~ライン7、及び存在する場合は任意の追加の線)は、単一の共通入力ライン1から動作する。すなわち、単一の入力ライン1を介して到着する入来電圧Vは、様々な出力ライン上で戻される、又は戻されない。しかしながら、いくつかの実施形態では、1つ以上の出力ラインは各々、その出力ラインとのみ動作することに専用である別個の入力ラインから動作してもよい。いくつかの実施形態では(例えば、ベースユニット及びセンサモジュールが互いに一体化される場合)、両方の実体の組み合わされたセルフチェックが実行され、組み合わされた結果が報告されてもよく、したがって、そのような目的のために1つの出力ラインのみが必要とされ得ることにも留意されたい。更に、(少なくとも出力ラインに対する)ライン番号の指定は、実際の物理的回線の順序及び場所に関して任意の指定であってもよいことに留意されたい。
【0138】
上記の説明が明らかにするように、いくつかの実施形態では、落下防止監視システムは、複数の第1の肯定信号をオーダーピッカーの制御回路に送信する(又は送信しない)ように構成されてもよい。様々な実施形態では、第1の肯定信号の総数は、1から最大4、6、8、10、又はそれ以上の範囲であってもよい。本明細書で前述したように、オーダーピッカーは、オーダーピッカー自体の安全装置から少なくとも1つの追加の肯定信号も受信する。しばしば、オーダーピッカーは、(例えば、OPCスイッチ、安全ゲート、オペレータ認証デバイスなどから)例えば2つ、3つ、4つ、又はそれ以上のそのような追加の肯定信号を受信してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、オーダーピッカーの制御回路は、例えば、最大5、10、15、又はそれ以上の数の肯定信号を受信するように構成されなければならないことが理解されよう。多くの実施形態では、落下防止監視システムから発する、本明細書に記載の第1の肯定信号は、オーダーピッカー自体の安全装置から発する追加の肯定信号と同様に、オーダーピッカーの制御回路に入力されてもよい。例えば、全てのそのような肯定信号は、指定されたマルチピンコネクタを介して、又は電気リード線などの任意の好適な構成によって、制御回路に入力されてもよい。
【0139】
上記に提示された詳細な例は、マルチチャネル有線接続に関するものであったが、他の実施形態では、ベースユニットと空中リフトとの間の無線通信(例えば、短距離無線によって、遠隔測定ネットワークを介して、又はセルラーネットワークを介して実行されるかどうかは問わない)は、複数の、例えば、独立した信号が送信、受信、及び処理されることを可能にする複数のチャネルを同様に伴い得ることが理解されるであろう。更に、上記の説明は、ベースユニット、センサモジュール、及び空中リフトのいずれか又は全ての間の通信が、有線によるか、例えばBluetooth又はBluetooth LEなどの短距離無線構成によるか、遠隔測定ネットワークによるか、及び/又はセルラーネットワークによるかは問わず、任意の好適な方法によって行われ得ることを明らかにする。いくつかの実施形態では、1つのそのような方法は、一次通信方法であり得、別の方法はバックアップ方法である。(例えば、ベースユニットと空中リフトとの間の通信の一次モードは、短距離無線を介してもよく、ベースユニット及び空中リフトの両方が属する遠隔測定ネットワークを介した通信、及び/又はバックアップとして機能するセルラー電話ネットワークを介した通信であってもよく、例えば、システムは、一次通信方法に問題がある場合にバックアップ通信方法に自動的に切り替わるように構成される)。
【0140】
オーダーピッカーの制御回路は、セットと見なされる第1の肯定信号(補足の第1の肯定信号を含む)及び追加の肯定信号に基づいて、オーダーピッカーの様々な機能を有効又は無効にするように構成されてもよい。1つの単純な例示的な構成では、制御回路は、予想される第1の肯定信号及び追加の肯定信号の全てが受信されない限り、オーダーピッカーの垂直運動機能を有効にすることができない。例えば、制御回路が5つの第1の肯定信号及び3つの追加の肯定信号を(潜在的に)受信するように設定されている場合、これらの肯定信号の8つ全てが受信されない限り、オーダーピッカーの垂直運動機能は有効にされなくてもよい。
【0141】
しかしながら、いくつかの実施形態では、オーダーピッカーの制御回路は、オーダーピッカーの様々な機能を有効にするかどうかを判定するときに、肯定信号のより複雑な組み合わせ及び肯定信号の非存在を考慮することを可能にする論理回路を含み得る。例えば、オーダーピッカーが3つの特定の第1の肯定信号を受信し(かつ他の2つの第1の肯定信号の受信に失敗し)、同様に2つの追加の肯定信号を受信した(かつ第3の追加の肯定信号の受信に失敗した)場合、オーダーピッカーの1つ以上の機能を有効にし、1つ以上の他の機能を無効にしてもよい。
【0142】
そのような論理回路は、任意の好適な方法で、例えば、所望のブール論理を符号化するルックアップテーブルの形態で(例えば、真理値表の形態で)、適切な論理ゲート及びそれらの組み合わせ、決定木などによって設定され得る。いくつかの実施形態では、これらの設定及び構成は、オーダーピッカーに予めインストールされ、変更不能であってもよい。他の実施形態では、少なくともいくつかのそのような設定(例えば、受信された肯定信号及び受信されていない肯定信号の特定の組み合わせに応答して、有効にされた機能及び有効にされていない機能に関して行われるアクションを記述する)は、ユーザ選択可能であってもよく、及び/又は、例えばオーダーピッカー制御回路へのファームウェア更新によって更新されてもよい。
【0143】
空中リフトの制御回路、例えばその論理回路は、より複雑なシナリオを処理するように設定されてもよい。そのようなシナリオは、様々な状況、例えば、空中リフトが例えば2人のオペレータに対応するように2つのSRLを有して構成されている訓練状況において生じ得る。他の複雑なシナリオは、2つのハーネス搭載型パーソナルSRL(例えば、本明細書において後で更に詳細に説明されるツインレッグパーソナルSRL構成)をオペレータが使用する場合に生じる可能性があり、ハーネスのうち1つのみが、任意の所与の時間に空中リフトの固定具に接続されているものとして検出される必要があり得る。場合によっては、非常に複雑なシナリオが存在してもよく、例えば、最大6人以上の人物に対応することができる(かつ相応の数の固定具を備え得る)複数人乗りの空中リフト(例えば、大容量の移動式昇降作業プラットフォーム、例えば、大容量シザーリフト)の場合である。例えば、落下防止監視システムが、本明細書で先に説明した一般的なタイプのオペレータ認証デバイス(例えば、バッジリーダ)と協働して動作するように構成される場合、いずれのシナリオもより複雑になり得る。そのような場合、空中リフトの制御回路(及び/又は、1つ以上の第1の肯定信号を送信するかどうかを判定する落下防止監視システム内の回路)は、少なくとも空中リフトの垂直運動機能を有効にするために、空中リフト上に存在するものとしてオペレータ認証デバイスによって識別された人物の数に相応の数の(例えば、空中リフトの固定具への)接続を検出しなければならないように構成されてもよい。これらの及び他のタイプの多数の様々な複雑なシナリオが想定され得ることが理解されよう。そのようなシナリオに対応するために、制御回路は、上述のような1つ以上の真理値表を装備した論理回路、及び/又は1つ以上の複雑な決定木、ブール論理演算子のセット(例えば、ANDゲート、ORゲート、NOTゲート、NANDゲート、NORゲート、XORゲート、並びにそれらの変形及び組み合わせ)などを有して構成された論理回路を含んでもよい。
【0144】
いくつかの実施形態では、第1の肯定信号(補足の第1の肯定信号を含む)、追加の肯定信号などに基づいて、空中リフトの様々な機能を有効又は無効にする決定を行う処理回路は、遠隔の場所、例えば、中央監視ステーションに常駐してもよい。次に、遠隔配置された処理回路の所見に従って、命令がこの遠隔の場所から空中リフトに送信されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、例えば、空中リフトと中央監視ステーションとの間の一時的な通信ドロップアウトが空中リフトの機能に影響を及ぼさないように、そのような決定を空中リフト自体に対して局所的に行うことが好ましい場合がある。いくつかの実施形態では、中央監視ステーションにおける処理回路は、例えば、中央監視ステーションがバックアップとして機能することができるように、又はバックアップ回路が一次回路の機能に関する、又は一般には、空中リフト及びその関連する落下防止監視システムの任意の態様に関する潜在的な問題を検出した場合に通知を発行し得るように、空中リフト上の処理回路と並列に設定されてもよい。
【0145】
落下防止安全装置がエネルギー吸収装置を備える場合、いくつかの実施形態では、エネルギー吸収装置は、エネルギー吸収装置の準備度の評価を提供するために、例えばエネルギー吸収装置の任意のセグメントが少なくとも部分的に互いから分離されたかどうかを検出するための1つ以上のセンサを装備してもよいことを、本明細書で先に述べた。いくつかの実施形態では、この一般的なタイプの構成は、(そのような構成が準備度評価のためにも使用されるか否かを問わず)異なる目的のために使用されてもよい。具体的には、いくつかの実施形態では、エネルギー吸収装置は、ユーザの落下が発生した可能性があるという表示を提供するために、1つ以上のセンサを装備してもよい。例えば、ショックパックタイプのエネルギー吸収装置のセグメントの十分に大規模な分離が生じたことを暗示するセンサ読み取り値は、ユーザが落下した可能性を示すものと解釈され得る。そのような表示は、前述した一般的な様式で少なくともオーダーピッカーの垂直上昇機能(及び/又は任意の他の機能)を連動させるために使用することができる。そのような表示はまた、起こり得るユーザの落下が発生した可能性があるという通知を(局所的にブロードキャストされるか、及び/又は中央監視ステーションにブロードキャストされるかを問わず)発行させ得る。
【0146】
落下検出が所望される場合、他のセンサ及び感知構成が、適宜、落下防止装置の様々な構成要素上に提供されてもよい。例えば、1つ以上のセンサは、安全ライン52が巻き付けられる前述のリール53の回転速度及び/又は加速度を監視するように構成されてもよい。十分に高い速度及び/又は加速度が観察されたことは、ユーザの落下が生じた可能性があるという表示として解釈されてもよい。あるいは、ロードセル又は同様のセンサを使用して、安全ライン52上の荷重を監視してもよい。十分に高い荷重が観察されたことは、ユーザの落下が発生した可能性があるという表示として解釈されてもよい。本明細書に記載のセンサのいずれかが、単独で又は任意の組み合わせで、そのような目的のために使用されてもよい。いくつかの事例では、ユーザの落下が発生した可能性があるという発見は、落下防止装置の少なくともいくつかの構成要素がもはや使用準備完了状態にないという表示として解釈されてもよい。したがって、起こり得るユーザの落下を検出する目的で感知を実行することは、落下防止装置及び落下防止監視システムの準備度の状態を検出するために感知を実行することといくらかの重複を有し得る。)
【0147】
いくつかの実施形態では、落下防止監視システムのセンサモジュールは、単なる物品もしくはその一部分の存在又は非存在以上のものを検出することができる1つ以上のセンサを有して構成されてもよい。特定の説明として、コネクタ上に存在するこのようなセンサは、コネクタが検出可能な(例えば金属)Dリングに取り付けられているように見えるか否かについての、はい/いいえの表示を単に報告する以上のことを行うことができてもよい。むしろ、センサは、コネクタがDリングに取り付けられているように見えるか、又は何らかの他の検出可能な物品(例えば、ドッキングステーションの金属構成要素など)に取り付けられているように見えるかについての表示を提供することができてもよい。更に、このようなセンサは、これらの両方を、コネクタが任意の検出可能な物品に取り付けられているように見えない状況と区別することができてもよい。
【0148】
いくつかの実施形態では、このような構成は、1つ以上の指定の物品に、物品の誘導シグネチャを所定の手法で変更するように意図的に構成されたアドオン実体が備えられることにより強化され得る。特に誘導感知に関しては、金属物品の誘導シグネチャを変換する目的で、特定の材料(例えばフェライト)が特に好適な場合がある。このような材料は、例えば、誘導シグネチャを変更することが望まれる金属物品上もしくはその付近に取り付けられ得る又はそうでなければ配置され得るアドオン実体を形成するために、例えば、被覆部、ラップ部、成形物品などに配置されてもよい。マルチモーダル感知及びそれによって可能になる構成は、米国仮特許出願第62/872545号及び国際公開第2021/005467号として公開された結果としてのPCT特許出願において詳細に論じられており、これらは両方とも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0149】
これまでの説明は、主に、フックの開口部における物品(例えば、Dリング)の存在/非存在を感知することと、フックのゲートのしっかりと閉じられている/しっかりと閉じられていないステータスを感知することとの組み合わせによって、コネクタが空中リフトのオペレータのハーネスに接続されているように見えるかどうかを判定することに焦点を当ててきた。しかしながら、落下防止監視システムによって空中リフトが落下防止装置と連動される、本明細書に開示される一般的な構成は、任意の感知方法又はその組み合わせと共に使用されてもよい。例えば、画像処理回路と共に1つ以上のカメラに基づく感知システムは、落下防止装置のコネクタが、例えば、SRLハウジングから自由に吊り下げられている、又はドッキングステーションにドッキングされていることに対して、空中リフトのオペレータのハーネスのDリングに接続されているように見えるかどうかを判定することが可能であってもよい。「カメラ」とは、任意の適切な画像取得デバイスを意味し、そのようなデバイスは、必ずしも可視波長光を取得することに限定されず、例えば、赤外放射を捕捉するように構成され得る。任意の好適な数のカメラを使用してもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのそのようなカメラは、ユーザが空中リフトのオペレータ支持プラットフォーム上に立つ位置の概して後方に配置されてもよく、それにより、カメラは、オペレータのハーネスの背面Dリングの遮られないビューを得て、コネクタが背面Dリングに接続されているように見えるかどうかを判定し得る。したがって、例えば、カメラは、空中リフトのオーバーヘッドガード9の後端に配置されてもよく、空中リフトの通常の使用中に背面Dリングが発見されることが予想される一般的な場所に向かって概して前方かつ下向きに向けられてもよい。
【0150】
いくつかの実施形態では、そのようなカメラベースの感知システムは、落下防止装置のコネクタ及びユーザのハーネスのDリングの一方又は両方に提供されるマーカ(例えば、再帰反射性標識などの受動マーカ、又はLEDの形態の能動マーカ)に依拠してもよい。他の実施形態では、マーカレスシステムを使用してもよい。任意のそのような感知システムは、コネクタを識別し、Dリングを識別し、コネクタがDリングに接続されているように見えるかどうかを確かめるように構成された画像処理回路を備える。ここで及び他の箇所で、「Dリングに接続される」などの用語は、落下防止装置のコネクタがDリングに直接接続される状況を包含し、コネクタが、それ自体がDリングに接続される物品(例えば延長部)に接続される状況も包含する(更に、本明細書で先に強調したように、「Dリング」という用語は、落下防止装置のコネクタがユーザのハーネスに接続され得るようにユーザのハーネスに取り付けられる任意の好適な物品を総称的に包含することに留意されたい)。
【0151】
いくつかの実施形態では、そのようなカメラベースの感知システムは、本明細書で前述された(コネクタ自体に配置された1つ以上のセンサを備える)一般的なタイプのセンサモジュールの付属物として、又はその置換物として使用されてもよい。したがって、落下防止装置のコネクタが空中リフトのユーザのハーネスに接続されているように見えるかどうかを監視するための本明細書で開示される一般的な構成は、必ずしもいずれか1つの感知方法又は感知方法の組み合わせに限定されないことを強調しておく。また、(例えば、カメラベースの感知システムを備える)本明細書に開示されるような落下防止監視システムは、監視システムが監視のために使用される落下防止装置に取り付けられる又は直接接続される任意の構成要素を必ずしも有する必要はないことと理解することができる。むしろ、いくつかの実施形態では、監視システムの構成要素(例えば、カメラと関連する画像処理ハードウェアとのセット)のうちのいくつか又は全ては、落下防止装置自体の中又は上に設置されるのではなく、空中リフト上に常駐してもよい。
【0152】
いくつかの実施形態では、カメラベースの感知システムは、本明細書で上述した一般的なタイプのオペレータ存在制御(OPC)スイッチとして機能するように構成されてもよい。(これは、落下防止装置のコネクタがユーザのハーネスに接続されているように見えるかどうかを監視する上述の機能をカメラベースの感知システムが実行するかどうか否かにかかわらず当てはまり得る)。すなわち、1つ以上のカメラ及び関連する処理回路は、人間のユーザ/オペレータが空中リフトのオペレータ支持プラットフォーム上に存在するかどうか、オペレータが垂直に立っているように見えるかどうか、前方を向いているように見えるかどうかなどを確かめるように構成されてもよい。換言すれば、感知システムは、オペレータが、空中リフトを動作させるための適切な状態にオペレータがあることを示す注意深い姿勢にあるように見えるかどうかを示す表示を提供してもよい。更に、感知システムは、概してオペレータの顔に向かって面し、関連する回路と連携して、オペレータが両目を開いているかどうかを監視する役割を果たす少なくとも1つのカメラを含んでもよい。
【0153】
これに加えて、いくつかの実施形態では、そのような感知システムは、オペレータが発熱しているように見えるかどうかの表示を提供し得る少なくとも1つの熱撮像カメラ(又は、一般的には赤外線センサ)を備えてもよい。いくつかの実施形態では、そのような感知システムは、モーションキャプチャ機能を備えてもよく、オペレータに障害がある、医学的状態を患っているなどの可能性があることを示すようにして、オペレータが移動しているか(又は移動していないか)の表示を提供するように構成されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、そのような感知システムは、オペレータ認証デバイスとして機能するために顔認識を実行するように構成された少なくとも1つのカメラ及び関連する回路を備えてもよい。そのような認証デバイスは、オペレータ支持プラットフォーム上に立っている人物を識別し、特に、その人物が空中リフトを動作させるように訓練及び許可されていることを確認するように構成することができる。したがって、感知システムは、三次の肯定信号をオーダーピッカーの制御回路に送信させてもよく、これにより、空中リフトを動作させることが可能になる。また、いくつかの実施形態では、そのような感知システムは、2人(又はそれ以上)の人物が空中リフトのオペレータ支持プラットフォーム上に存在することを検出し、この情報を空中リフトの制御回路に提供して、空中リフトがそれに応じて「マルチユーザ」モードに入るようにするように構成されてもよい。
【0154】
同様に、カメラベースの感知システム(又は、一般には、任意の好適な機構を介して動作する任意の感知システム)は、任意の人物(例えば、1人のオペレータ)がオペレータ支持プラットフォーム2上に存在するかどうかを確かめるように構成されてもよい。(任意のそのようなシステムは、本明細書で前述したようなオペレータ検出モジュールに対応し得る)。そのような実施形態では、上述の機能のうちのいくつかは、オペレータが存在すると検出しない場合には待機状態にされてもよいか、又はそうでなければ実行されなくてもよい。オペレータ検出モジュールが存在する場合、それは、様々な目的のために他のシステムと組み合わせて使用されてもよい。例えば、空中リフトがその垂直上昇を監視するために装備されている場合、及びリフトが上昇される時点ではユーザがオペレータ支持プラットフォーム上にいるとしてもはや検出されないことをオペレータ検出モジュールが報告する場合、空中リフト(及び/又は落下防止監視システム)は、起こり得る落下事象の通知を発行してもよい。様々な実施形態では、オペレータ検出モジュールは、カメラベースの感知システムの代わりに、又はその付属物として、例えば、1つ以上の赤外線センサ、超音波センサ、LIDARセンサなどに依拠してもよい。
【0155】
多くの実施形態では、そのようなシステムのカメラのうちのいくつか又は全てが、典型的には、落下防止装置上ではなく空中リフト上に常駐するであろうことに留意して、様々な実施形態では、前述の構成又はそれらの組み合わせのうちのいずれかが採用されてもよい。したがって、様々な実施形態では、空中リフトは、カメラベースの感知システムが落下防止監視システムとしても機能するかどうかにかかわらず、OPCスイッチ、オペレータ認証デバイスなどの機能のうちのいずれか又は全てを実行する1つ以上のカメラベースの感知システムを備えてもよい。
【0156】
いくつかの実施形態では、落下防止監視システムの少なくとも1つのセンサモジュールは、加速度計、例えば多軸加速度計の形態である少なくとも1つのセンサを備えてもよい。本明細書で前述した他の可能な用途に加えて、加速度計は、例えば、コネクタが常駐する角度、コネクタが受けている運動などに関する更なる情報を用いて、前述したセンサ取得情報を増強してもよい。いくつかの状況では、そのような追加の情報は、例えば、コネクタが、例えば空中リフトの人間のユーザが現在着用しているハーネスのDリングに取り付けられているという追加の確認を提供することができる。換言すれば、コネクタが常駐する姿勢及び/又はコネクタが受ける運動は、オペレータ支持プラットフォーム上に立っている人物が装着しているハーネスのDリングにコネクタが接続されているときに予想されるものの特徴となるようにコネクタが常駐していること及び/又は移動していることを確認するのに有用であり得る。そのような追加の情報は、ほとんどの状況において必要とされないことがあり、このように加速度計が存在し使用されることは、任意選択の特徴と見なされるべきであることに留意されたい。
【0157】
前述したように、いくつかの実施形態では、落下防止監視システムは、1つ以上の通知をブロードキャストする追加の機能を実行してもよい。いくつかの実施形態では、これは、ベースユニットと同じ場所に配置された通知ユニットによって実行されてもよい。他の実施形態では、ベースユニットと別個のものであり、例えば空中リフトの垂直壁上に(又はそれ以外の容易に見える場所に)配置され、可視通知及び/又は及び可聴通知をブロードキャストするようにベースユニットによって命令され得る通知ユニットが提供され得る。すなわち、いくつかの実施形態では、通知ユニットは、ベースユニットから分離されてもよく、任意の他の機能を備えるのではなく単に通知をブロードキャストするために存在していてもよい。任意のそのような通知ユニットは、容易に見ることができるが、オーダーピッカーのオペレータの視界と干渉しないことを保証するように構成され得る(例えば、成形され、配置され得る)。(例えば、LEDライトのストリングを備える)任意のそのような通知ユニットは、ベースユニットに直接配線されてもよく、又はベースユニットが通知ユニットを無線で動作させてもよい。可聴信号が可視信号と同じ場所からブロードキャストされる必要は厳密にはないため、必要であれば、監視システムは、例えば、1つが可聴信号用で、1つが可視信号用の、2つの物理的に別個の通知システムを備えてもよい。
【0158】
任意のそのような通知は、例えば、安全装置のコネクタがユーザのハーネスに接続されているように見えないという通知を意味する準備未完了警告通知であってもよい。あるいは、それは、コネクタがユーザのハーネスに接続されているように見えるという通知を意味する準備完了通知であってもよい。任意のそのような通知は、例えば「準備未完了」などの特定の語を使用する必要はなく、通知は、その意味が空中リフト及び落下防止システムの訓練されたユーザに容易に明らかになる任意の好適な形態をとってもよい。
【0159】
いくつかの実施形態では、ベースユニットは、局所通知(例えば、可視信号及び/又は可聴信号)のみをブロードキャストするように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ベースユニットは、遠隔ユニット、例えばスマートフォンに、あるいは多くの落下防止システム及び/又は空中リフトの状態を監視することができる中央ステーション又はハブに通知を提供するように構成されてもよい。そのような構成は、後述するもののいずれかを含む任意の所望の通信方法、プロトコルなどを使用してもよい。当然ながら、様々な実施形態においては、本明細書に開示されるシステムによって監視される状態のいずれも、追跡目的などのために例えば中央ハブ又は監視ステーションに、例えば、記録され、報告されてもよい。特に、落下防止監視システムは、例えば、セルフチェックに応答して、監視システム(又は落下防止装置)の何らかの態様又は構成要素が、検査、保守、又は点検される必要があるという通知を送信してもよい。
【0160】
任意の通知構成が、本明細書に説明されるような任意の連動構成と組み合わせて使用されてもよい。例えば、オーダーピッカーは、ユーザのDリングが落下防止装置のコネクタに接続されているように見えることを示す第1の肯定信号が存在しない場合にオーダーピッカーを例えば1メートルまで上昇させ得るが、システムは、オーダーピッカーが例えば0.5メートルの高さに到達したときに通知を発行するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、システムは、上昇高さが増加するにつれて、特に、高さ限界に近づくにつれて、ますます強くなる警告(例えば、より明るく、異なる色で、及び/又はより高速に点滅する光、音量が増加する可聴信号など)を発行してもよい。本明細書で詳細に前述したように、オーダーピッカーが所定の高さ限界に到達すると、連動システムは、適切な第1の肯定信号(単数又は複数)及び追加の肯定信号(単数又は複数)が受信されるまで、オーダーピッカーがそれ以上上昇することを防止する。
【0161】
いくつかの実施形態では、落下防止システムは、任意選択で、空中リフトのユーザのハーネスに接続されていないときにコネクタ30をドッキングさせる(すなわち、接続する)ことができるドッキングステーションを含み得る。いくつかの実施形態では、ドッキングステーションは、ベースユニット60とは別個の実体であり得る。他の実施形態では、ドッキングステーションは、ベースユニット60に一体化され得る。いくつかの実施形態では、ドッキングステーションは、能動的又は受動的のいずれかにおいて落下防止監視システムに関与しない純粋に機械的な装置であってもよい。他の実施形態では、ドッキングステーションは、落下防止監視システムに関与するように構成されてもよい(例えばセンサモジュールを装備してもよい)。すなわち、コネクタ30がドッキングされるドッキングステーションの存在(ベースユニット60と一体化されるか空中リフト上の別個の場所に別個の物品として提供されるかは問わない)は、コネクタの状態を監視することができる別の手法を提供する。
【0162】
ここまでの説明は、主に、オーバーヘッド固定具に取り付けられたハウジングを備えるSRLであって、ハウジングが、ハウジングから伸長可能な安全ラインを備え、安全ラインの遠位端が、空中リフトのユーザによって着用されるハーネスのDリングに接続することがえきるコネクタを備える、SRLに関するものであった。しかしながら、本明細書に開示される構成は、いわゆるパーソナルSRL(上述のものではなく、オーバーヘッド搭載型SRLと呼ばれ得る)と共に使用され得る。これは、ユーザのハーネスに取り付けられたハウジングを備えるSRLであって、ハウジングがハウジングから伸長可能な安全ラインを備え、安全ラインの遠位端が、空中リフトの固定具に取り付けることができるコネクタを担持する、SRLを意味する。(パーソナルSRLでは、例えば、SRLのハウジング内のドラム又はリールに接続される安全ラインの近位端は、ハーネスに接続されると見なされる)。そのような場合、監視システムが、パーソナルSRLの安全ラインのコネクタがユーザのハーネスではなく固定具に接続されているように見えるかどうかを判定するように構成されることを除いて、本明細書の説明が依然として当てはまる。本明細書における全ての説明及び説明は、それに応じて調整され得る。いくつかの実施形態では、ユーザのハーネスは、2つのパーソナルSRL(ツインレッグ又は100%タイオフ構成と呼ばれることもある)を装備することができ、それにより、例えば、空中リフトから上昇した作業プラットフォームに移行する間、人物を固定したままにすることができる。そのような場合、両方のSRLのコネクタは、センサモジュール及び/又はベースユニットを装備してもよい。
【0163】
パーソナルSRLと共に使用するように構成された空中リフトの固定具は、そのような固定具が空中リフトに堅固に固定されている(又は空中リフト自体の構成要素である)か、又は例えば空中リフトに取り付けられたテザーの端部でDリングの形態をとっているかは問わず、任意の好適な形態をとり得る。いくつかの実施形態では、そのような固定具は、例えば、空中リフトのオーバーヘッドガードに取り付けられるテザーの形態で、頭上に取り付けられてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では(例えば、特定の空中リフトのタイプ及び設計、空中リフトによって提供される固定場所などに応じて)、任意のそのような固定具及びSRLが、全ての適用される法律、規則、条例、規格などに準拠して配置、構成、及び使用されなければならないことに留意して、そのような固定具は、例えば、膝高さ、又は場合によってはより低く配置されてもよい。本明細書に開示されるような監視システムをパーソナルSRLに適用する際に、監視システムのセンサモジュール及びベースユニット(別個のユニットであるか一体化されているかには問わず)は、固定具上又はその近傍であろうと、SRLの安全ラインの端部におけるコネクタ上であろうと、任意の好適な場所に配置されてもよい。
【0164】
本明細書におけるほとんどの説明は、これまで、SRLの安全ラインの端部におけるコネクタ(例えば、ゲートフック)が、コネクタによって捕捉される物品(例えば、落下防止安全ハーネスに取り付けられるDリング、又は固定具)の存在を検出するように構成されるセンサモジュール(いくつかの実施形態では、一体化センサモジュール及びベースユニット)を装備する構成に関するものであった。様々な実施形態では、そのような構成は、オーバーヘッド搭載型SRL、又はパーソナルSRLと共に使用することができる。いくつかの実施形態では、これらの構成は逆であってもよく、すなわち、センサモジュールは、例えばDリング又は固定具上に配置されてもよく、コネクタ(例えば、SRLの安全ラインの端部にあるゲートフック)は、Dリング又は固定具がコネクタによって捕捉されるときにセンサモジュールによって検出される物品である。そのような構成では、本明細書の説明及び特徴付けは依然として当てはまり、コネクタ及び接続された物品は、単に交換される。
【0165】
本明細書における説明は、主に、自己格納式命綱(SRL)に関するものであったが、本明細書に開示される構成及び方法は、空中リフト、例えばオーダーピッカーと共に使用するのに好適な任意の落下防止安全装置に適用可能であり得ることは理解されるであろう。そのような落下防止装置は、例えば、SRLの様式でハウジングから必ずしも伸長可能でなくかつハウジングに格納可能でないランヤードの形態の安全ラインの形態をとってもよい。いくつかのそのようなランヤードは、落下阻止ではなく落下抑制を提供する製品(しばしば、位置決めランヤードと呼ばれる)を含んでもよい。したがって、本明細書に開示される構成及び方法は、例えば、落下阻止を提供するような落下防止装置のみに限定されるのではなく、落下抑制を提供する落下防止装置を包含することを強調しておく。いくつかの実施形態では、ランヤードは、落下の場合にエネルギーを逃がすように構成された少なくとも1つのエネルギー吸収装置(例えば開封ストリップなど)を含んでもよく、そのようなランヤードは、しばしば、エネルギー吸収ランヤードと呼ばれる。したがって、本明細書に開示される構成及び方法は、様々な実施形態において、一般に、任意のそのようなランヤード及び全てのそのような落下防止装置に適用可能であると理解される。
【0166】
空中リフト
本明細書における説明は、主に、オーダーピッカーを空中リフトの特定の例に関するものであったが、本明細書に開示される構成及び方法は、任意の空中リフトに適用可能であることを強調しておく(特定のタイプの空中リフトには当てはまらない特徴又は動作モードの特徴を除く)。実際に、空中リフト及びオーダーピッカーという用語は、本明細書ではいくらか互換的に使用される。したがって、本明細書の説明及び特徴は、一般に空中リフトに当てはまる、特にオーダーピッカーに当てはまることが理解される(この場合も、特定のタイプの空中リフトに適用されない特徴又はモードを除く)。
【0167】
本明細書に開示されるように、空中リフトという用語は、少なくとも概ね垂直方向に移動させることができるオペレータ支持プラットフォーム(片側開放か、部分的片側開放か、又は片側閉鎖かは問わない)を備える任意の動力式(例えば、電力によるか、内燃機関によるか、燃料電池によるかなどは問わずに、モータ駆動式)装置を包含する。いくつかの実施形態では(例えば、空中リフトがチェリーピッカー又はバケットトラックである場合)、プラットフォームは、純粋に垂直方向の移動に限定されるのではなく、水平方向及び/又は角度方向に可動であってもよい。多くの実施形態では、空中リフト全体が水平に移動することができてもよく、例えば、空中リフトは、垂直に上昇可能なプラットフォームを支持することに加えて、モータ駆動式であり、水平方向に操縦可能な本体(例えば乗物)を備えてもよい。
【0168】
様々な実施形態では、本明細書に開示される落下防止装置及び落下防止監視システムがそれと共に使用され得る空中リフトとしては、既に挙げた特定の装置及びカテゴリーに加えて、いわゆる空中作業プラットフォーム、シザーリフト、リーチトラック(移動キャリッジであるか、又は移動マストであるかは問わない)、スイングリーチトラック、ターレットトラック、モータ駆動式幅狭通路用トラック(例えば、OSHAクラスII動力式産業用トラック)などが挙げられる。特に、本明細書に開示された構成がそれと共に使用され得る空中リフトは、1人乗りの空中リフト(例えば、1人のオペレータを保持するように構成されたオーダーピッカー)又は2人乗りの空中リフトにさえ限定されず、むしろ、例えば、空中作業プラットフォーム及び移動式昇降作業プラットフォームと呼ばれる一般的なタイプの複数人乗りの空中リフトと共に使用され得ることに留意されたい。従来利用可能ないくつかのそのようなリフトは、オーバーヘッド搭載型SRLハウジング用の固定具を提供することができる好適な位置(例えば、オーバーヘッドガード)を必ずしも備えていない場合がある。そのような場合、他の構成(例えば、好適な固定具と組み合わせたパーソナルSRL)又は修正が使用されてもよい。
【0169】
本明細書に開示される落下防止監視システムは、任意の好適な方法で、空中リフトと共に使用するために供給及び構成されてもよい。これは、監視システムの1つ以上の構成要素(例えば、ベースユニット)の任意の好適な組み合わせが、空中リフト上に「恒久的に」設置される(例えば、空中リフトのコンソールに物理的に取り付けられ、配線接続される)ことを伴い得る一方、1つ以上の他の構成要素(例えば、センサモジュール搭載型SRL)は、例えば、キャブマウント又はカラビナによって、空中リフトのオーバーヘッドガードから「恒久的に」又は取り外し可能に懸架されてもよく、SRLは、特定の状況下では、空中リフトから取り外し可能である。
【0170】
そのような構成要素は、空中リフトの製造及び輸送の任意の段階で、又は空中リフトの最終使用場所で行われる使用のために空中リフトを準備する段階で、空中リフト上に設置されてもよい。更に、全ての構成要素が、必ずしも同時に又は同じ場所で空中リフト上に設置される必要はない。例えば、ベースユニットは、空中リフトが製造される工場で空中リフトに設置されてもよい。又は(特に、特別な技術者によって保守及び点検される大きな一団でしばしば使用されるオーダーピッカーの場合)、ベースユニットは、最終使用場所で互換性のある空中リフトに設置され得る。
【0171】
本明細書に開示されるようなセンサモジュールを装備したコネクタを備える落下防止安全装置(例えば、SRL)を製造することができ、いくつかの実施形態では、そのような落下防止安全装置を、特定の落下防止安全装置を特定のベースユニット搭載型空中リフトに専用化し、これらを組み合わせて最終使用場所に出荷する空中リフト製造業者に供給することができる。又は、他の実施形態では、そのような安全装置(例えば、SRL)は、最終使用場所に直接出荷され、次いで、最終使用場所において、特定のベースユニット搭載型空中リフト上に設置され得る。ベースユニット及びセンサモジュール搭載型落下防止安全装置が、1つのベースユニットと1つの安全装置との対で出荷される実施形態では、各ベースユニットとセンサモジュールとの各対は、(空中リフト製造業者にか、又は最終使用場所にかを問わず)出荷される前に、(例えば、Bluetooth Low Energyを介して)無線で事前にペアリングされてもよい。又は、いくつかの実施形態では、ベースユニット及びセンサモジュールは、空中リフト製造業者において、又は最終使用場所において、互いに無線でペアリングされてもよい(当然ながら、物品は、本明細書で前述したように、例えば、センサモジュールバッテリ交換後に、最終使用場所において、時々、互いに無線で再ペアリングされる必要があり得る)。
【0172】
いくつかの実施形態では、ベースユニット及びセンサモジュール搭載型落下防止安全装置(例えば、SRL)は、必ずしも、上述のように指定された対として出荷されなくてもよい。むしろ、いくつかの実施形態では、ベースユニット及びセンサモジュール搭載型落下防止安全装置は、別々に出荷されてもよい。ベースユニット及びセンサモジュール搭載型落下防止安全装置が別々に出荷され、例えば、それらが最終使用場所に来るまで、(同じ空中リフトに指定されているという意味で、又は無線ペアリングに関して)互いにペアリングされていない場合であっても、本明細書で開示される様式で協働するように構成される任意のそのようなベースユニット及びセンサモジュールは、それらが特定の空中リフト上でまだ一緒にされているか否かにかかわらず、本明細書で特許請求される落下防止監視システムを形成すると見なされることを強調しておく。
【0173】
上記の説明は、本明細書に開示される落下防止監視システムが複数の異なる方法で構成され得ることを明らかにした。いくつかの構成(例えば、落下防止装置のコネクタは、ユーザのハーネスのDリングを検出するように構成されたセンサを装備している)は、コネクタがDリングに取り付けられているように見えるという「直接」表示を提供することによって、空中リフトのオペレータのハーネスが落下防止装置の安全ラインに接続されているように見えるという直接表示を提供してもよい。他の構成は、コネクタの他の何らかのステータスの直接表示を提供してもよく(例えば、SRLハウジングは、コネクタがSRLハウジングにきつく密着しているように見えるという直接表示を提供することができるセンサを装備してもよい)、したがって、コネクタがオペレータのハーネスに接続されているように見えないという「間接」表示を提供してもよい。したがって、本明細書に開示される構成及び方法は、様々な手法及び実装形態で使用されてもよく、それらのいずれも組み合わせて使用されてもよいと理解されるであろう。
【0174】
本明細書に開示される落下防止装置の任意の監視システムの機能にかかわらず、空中リフトのユーザ/オペレータは、任意の適切なステップ(例えば、適用可能な法律、規則、条例、規格、及び/又は指示によって要求される)を実行する任務を負うことになることを強調しておく。例えば、落下防止装置のコネクタが適切に装着された落下防止安全ハーネスに確実に取り付けられていることを検証するために使用される。いかなる状況下においても、本明細書に開示される任意の構成の存在により、空中リフトのオペレータが全ての適切な法律;規則;条例;適切な機関(例えばANSI)によって公布された規格;空中リフトの製造業者によって提供される指示;落下防止システムの製造業者によって提供される指示;空中リフトが使用される施設を監督する実体によって提供される指示などに従う義務を免除するものではない。
【0175】
本明細書に開示される特定の例示的な要素、構造、特徴、詳細、構成などは、多数の実施形態において修正及び/又は組み合わせ可能であることは、当業者には明らかであろう。かかる全ての変形例及び組み合わせは、単に例示的な説明としての役割を果たすように選択された代表的な設計ではなく、着想された発明の範囲内にあると発明者によって思料される。それゆえ、本発明の範囲は、本明細書で説明されている特定の例示的構造に限定されるべきではなく、むしろ、少なくとも特許請求の範囲の文言によって説明されている構造、及びそれらの構造の等価物に及ぶものである。本明細書において代替物として明確に列挙されている要素のいずれもが、所望に応じた任意の組み合わせで、特許請求の範囲に明示的に含めることも、又は特許請求の範囲から排除することもできる。本明細書においてオープンエンドの言語(例えば、「を含む」及びその派生語)で列挙されている要素又は要素の組み合わせのいずれも、クローズドエンドの言語(例えば、「からなる」及びその派生語)及び部分的にクローズドエンドの言語(例えば、「から本質的になる」及びその派生語)で、更に列挙されるものと見なされる。本明細書の記載と、参照によって本明細書に組み込んだいずれかの文書の開示との間に何らかの矛盾又は不一致が存在するが、それに対する優先性が主張されていない場合、本明細書の記載が優先するものとする。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0175
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0175】
本明細書に開示される特定の例示的な要素、構造、特徴、詳細、構成などは、多数の実施形態において修正及び/又は組み合わせ可能であることは、当業者には明らかであろう。かかる全ての変形例及び組み合わせは、単に例示的な説明としての役割を果たすように選択された代表的な設計ではなく、着想された発明の範囲内にあると発明者によって思料される。それゆえ、本発明の範囲は、本明細書で説明されている特定の例示的構造に限定されるべきではなく、むしろ、少なくとも特許請求の範囲の文言によって説明されている構造、及びそれらの構造の等価物に及ぶものである。本明細書において代替物として明確に列挙されている要素のいずれもが、所望に応じた任意の組み合わせで、特許請求の範囲に明示的に含めることも、又は特許請求の範囲から排除することもできる。本明細書においてオープンエンドの言語(例えば、「を含む」及びその派生語)で列挙されている要素又は要素の組み合わせのいずれも、クローズドエンドの言語(例えば、「からなる」及びその派生語)及び部分的にクローズドエンドの言語(例えば、「から本質的になる」及びその派生語)で、更に列挙されるものと見なされる。本明細書の記載と、参照によって本明細書に組み込んだいずれかの文書の開示との間に何らかの矛盾又は不一致が存在するが、それに対する優先性が主張されていない場合、本明細書の記載が優先するものとする。以下、例示的実施形態を示す。
[項目1]
空中リフトであって、
前記空中リフト上に設置され、前記空中リフトのユーザによって着用される安全ハーネスに接続されるように構成されたコネクタを備える遠位端を有する安全ラインを備える落下防止安全装置と、前記安全ラインの前記コネクタが前記ユーザの前記安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかを判定するように構成された落下防止監視システムと、前記落下防止安全装置に加えて少なくとも1つの追加の安全装置と、を備え、
前記空中リフトは、前記落下防止安全装置及び前記空中リフトの前記少なくとも1つの追加の安全装置と連動され、それにより、少なくとも前記空中リフトの垂直運動機能を有効にするために、前記空中リフトの制御回路は、前記安全ラインの前記コネクタが前記ユーザの前記安全ハーネスに接続されているように見えることを少なくとも示す少なくとも1つの第1の肯定信号を前記落下防止監視システムから受信しなければならず、前記空中リフトの前記制御回路は、前記空中リフトの前記少なくとも1つの追加の安全装置が準備完了状態にあることを示す少なくとも1つの追加の肯定信号を前記空中リフトの前記少なくとも1つの追加の安全装置から受信しなければならない、空中リフト。
[項目2]
前記空中リフトの前記少なくとも1つの追加の安全装置は、オペレータ存在制御(OPC)スイッチを備え、前記OPCスイッチは、前記OPCスイッチが前記リフトの前記ユーザによる前記空中リフトのアクティブ制御を示す状態にあるとき、前記OPCスイッチが前記OPCスイッチが準備完了状態にあることを示す一次の追加の肯定信号を送信するように構成されている、項目1に記載の空中リフト。
[項目3]
前記空中リフトの前記少なくとも1つの追加の安全装置は、収納位置と保護位置との間で移動されるように構成された第1の安全ゲートを少なくとも備える安全ゲート装置を更に備え、
前記第1の安全ゲートが前記保護位置にあるとき、前記第1の安全ゲートは、前記オペレータ支持プラットフォームの第1の側縁部の概ね上方に配置され、
前記安全ゲート装置は、少なくとも前記第1の安全ゲートが前記保護位置にあるとき、前記安全ゲート装置が準備完了状態にあるという二次の追加の肯定信号を送信するように構成され、
少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能を有効にするために、前記少なくとも1つの第1の肯定信号が、前記落下防止監視システムから受信されなければならず、前記一次の追加の肯定信号が、前記OPCスイッチから受信されなければならず、前記二次の追加の肯定信号が、前記安全ゲート装置から受信されなければならない、
項目2に記載の空中リフト。
[項目4]
前記空中リフトの前記少なくとも1つの追加の安全装置は、オペレータ許可安全装置を更に備え、少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能を有効にするために、前記少なくとも1つの第1の肯定信号が、前記落下防止監視システムから受信されなければならず、前記一次の追加の肯定信号が、前記OPCスイッチから受信されなければならず、三次の追加の肯定信号が、前記オペレータ許可安全装置から受信されなければならない、項目2に記載の空中リフト。
[項目5]
前記落下防止安全装置は、ハウジングを備える自己格納式命綱(SRL)を備え、前記落下防止安全装置の前記安全ラインの近位端は、前記SRLの前記ハウジング内にあるドラムに接続され、前記SRLの前記ハウジングに回転可能に接続され、前記安全ラインは、前記ハウジングから伸長可能かつ前記ハウジング内に格納可能であり、前記SRLの前記ハウジングは、前記空中リフトのオーバーヘッドガードに取り付けられ、前記空中リフトの前記オーバーヘッドガードは、前記空中リフトのオペレータ支持プラットフォームの概ね垂直上方に配置されている、項目1~4のいずれか一項に記載の空中リフト。
[項目6]
前記落下防止監視システムは、ベースユニットと、前記コネクタに取り付けられ、前記コネクタが前記安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかを感知し、前記コネクタが前記安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかを示すコネクタステータス情報を前記ベースユニットに送信するように構成された少なくとも1つのセンサモジュールとを備え、
前記ベースユニットは、前記少なくとも1つのセンサモジュールから前記コネクタステータス情報を受信し、前記少なくとも1つのセンサモジュールから受信した前記コネクタステータス情報が、前記コネクタが前記ハーネスに接続されているように見えることを示す場合、前記少なくとも1つの第1の肯定信号を前記空中リフトの前記制御回路に送信し、前記少なくとも1つのセンサモジュールから受信した前記コネクタステータス情報が、前記コネクタが前記ハーネスに接続されているように見えないことを示す場合、いかなる第1の肯定信号も前記空中リフトの前記制御回路に送信しないように構成されている、項目1~5のいずれか一項に記載の空中リフト。
[項目7]
前記落下防止監視システムは、前記落下防止監視システムの少なくとも1つの構成要素の少なくとも1回のセルフチェックを実行するように構成され、前記ベースユニットは、前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素が準備完了状態にあるように見えることを前記セルフチェックが示す場合、前記ベースユニットが少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を送信するように構成され、前記空中リフトの前記制御回路は、少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能を有効にするために、前記落下防止監視システムから前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を受信しなければならないように構成されている、項目6に記載の空中リフト。
[項目8]
前記落下防止監視システムは、前記落下防止監視システムの第1、第2、及び第3の構成要素のセルフチェックを実行するように構成され、前記ベースユニットは、前記落下防止監視システムの前記第1、第2、及び第3の構成要素が全て準備完了状態にあるように見えることを前記セルフチェックが示す場合、3つの補足の第1の肯定信号を前記ベースユニットが送信するように構成され、前記空中リフトの前記制御回路は、少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能を有効にするために、前記落下防止監視システムから3つの補足の第1の肯定信号全てを受信しなければならないように構成され、
前記落下防止監視システムの前記第1のセルフチェックされる構成要素は、前記センサモジュールであり、前記落下防止監視システムの前記第2のセルフチェックされる構成要素は、前記ベースユニットであり、前記落下防止監視システムの前記第3のセルフチェックされる構成要素は、少なくとも前記センサモジュールに電力供給する少なくとも1つの内部バッテリである、項目7に記載の空中リフト。
[項目9]
前記落下防止監視システムの前記第1のセルフチェックされる構成要素は、前記センサモジュールであり、前記落下防止監視システムの前記第2のセルフチェックされる構成要素は、前記ベースユニットであり、前記落下防止監視システムの前記第3のセルフチェックされる構成要素は、少なくとも前記センサモジュールに電力供給する前記少なくとも1つの内部バッテリである、項目8に記載の落下防止監視システム。
[項目10]
前記落下防止監視システムは、前記落下防止監視システムの前記ベースユニットが、前記コネクタが前記ハーネスに接続されているように見えることを示すコネクタステータス情報を前記少なくとも1つのセンサモジュールから受信する場合、前記落下防止監視システムが、前記少なくとも1つの第1の肯定信号を前記空中リフトの前記制御回路に送信することに加えて、前記コネクタが前記ハーネスに接続されているように見えることを示す少なくとも1つの準備完了通知をブロードキャストするように構成されている、項目6~9のいずれか一項に記載の空中リフト。
[項目11]
前記空中リフトの前記制御回路は、前記落下防止監視システムの前記ベースユニットから前記ベースユニットとの有線接続を介して前記少なくとも1つの第1の肯定信号を受信するように構成され、前記有線接続は、前記落下防止監視システムの前記ベースユニットが前記空中リフトの前記制御回路からガルバニック絶縁されるように構成されている、項目6~10のいずれか一項に記載の空中リフト。
[項目12]
前記空中リフトは、前記落下防止監視システムからの前記少なくとも1つの第1の肯定信号及び前記少なくとも1つの追加の安全装置からの前記少なくとも1つの追加の肯定信号が存在しない場合、前記空中リフトが第1の下降位置から上昇することができないが、上昇位置から下降することができるように構成されている、項目1~11のいずれか一項に記載の空中リフト。
[項目13]
前記空中リフトは、前記落下防止監視システムからの前記少なくとも1つの第1の肯定信号及び前記空中リフトの前記少なくとも1つの追加の安全装置からの前記少なくとも1つの追加の肯定信号が存在しない場合、前記空中リフトが第1の下降位置から、前記第1の下降位置の上方の4.0フィート以下である所定の高さを超えて上昇することができないように構成され、前記空中リフトは、前記落下防止監視システムからの前記少なくとも1つの第1の肯定信号及び前記少なくとも1つの追加の安全装置からの前記少なくとも1つの追加の肯定信号を受信すると、前記空中リフトが前記第1の下降位置の上方の前記所定の高さを超えて上昇することができるように更に構成されている、項目1~12のいずれか一項に記載の空中リフト。
[項目14]
前記空中リフトは、オーダーピッカーである、項目1~13のいずれか一項に記載の空中リフト。
[項目15]
落下防止安全装置及び落下防止監視システムと組み合わせて使用される空中リフトの動作を制御する方法であって、
前記落下防止安全装置の安全ラインのコネクタが前記ユーザの落下防止安全ハーネスに接続されているように見えることを少なくとも示す少なくとも1つの第1の肯定信号を前記落下防止監視システムから受信し、前記空中リフトの少なくとも1つの追加の安全装置から少なくとも1つの追加の肯定信号を受信すると、少なくとも前記空中リフトの垂直運動機能を有効にすることと、
前記少なくとも1つの第1の肯定信号及び/又は前記少なくとも1つの追加の肯定信号が受信されない、又は前記少なくとも1つの第1の肯定信号及び/又は前記少なくとも1つの追加の肯定信号の受信を停止すると、少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能を無効にすることと、を含む、方法。
[項目16]
落下防止安全ハーネスに接続されるように構成されたコネクタを有する安全ラインを備える落下防止安全装置を監視するための落下防止監視システムであって、
前記落下防止安全装置の前記安全ラインの前記コネクタが前記落下防止安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかを判定し、前記落下防止安全装置の前記安全ラインの前記コネクタが前記落下防止安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかに基づいて、コネクタステータス情報を送信するように構成されたセンサモジュールと、
前記センサモジュールから前記コネクタステータス情報を受信し、前記コネクタステータス情報が、前記落下防止安全装置の前記安全ラインの前記コネクタが前記落下防止安全ハーネスに接続されているように見えることを示す場合、第1の肯定信号を送信するように構成されたベースユニットと、を備え、
前記落下防止監視システムは、前記落下防止監視システムの少なくとも1つの構成要素の少なくとも1つのセルフチェックを実行するように構成され、前記ベースユニットは、前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素が準備完了状態にあるように見えることを前記セルフチェックが示す場合、前記ベースユニットが少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を送信するように構成されている、落下防止監視システム。
[項目17]
前記落下防止監視システムは、前記落下防止監視システムの第1、第2、及び第3の構成要素のセルフチェックを実行するように構成され、前記ベースユニットは、前記落下防止監視システムの前記第1、第2、及び第3の構成要素が全て準備完了状態にあるように見えることを前記セルフチェックが示す場合、少なくとも3つの補足の第1の肯定信号を前記ベースユニットが送信するように構成されている、項目16に記載の落下防止監視システム。
[項目18]
前記落下防止監視システムの前記第1のセルフチェックされる構成要素は、前記センサモジュールであり、前記落下防止監視システムの前記第2のセルフチェックされる構成要素は、前記ベースユニットであり、前記落下防止監視システムの前記第3のセルフチェックされる構成要素は、少なくとも前記センサモジュールに電力供給する少なくとも1つの内部バッテリである、項目17に記載の落下防止監視システム。
[項目19]
前記センサモジュールは、前記落下防止安全装置の前記コネクタ上に配置され、前記ベースユニットは、前記落下防止安全装置が共に使用されるように構成された空中リフト上に設置されるように構成され、前記センサモジュールは、前記コネクタステータス情報を前記ベースユニットに無線送信するように構成され、更に、前記ベースユニットは、有線であるが前記ベースユニットと前記空中リフトの前記制御回路との間にガルバニック絶縁を提供する接続を介して、前記第1の肯定信号及び前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を前記空中リフトの制御回路に送信することができるように構成されたガルバニック絶縁インターフェースを備える、項目16~18のいずれか一項に記載の落下防止監視システム。
[項目20]
前記センサモジュールは、前記落下防止安全装置の前記コネクタ上に配置され、前記ベースユニットは、前記落下防止安全装置の前記コネクタ上の前記センサモジュールと同じ場所に配置され、前記センサモジュールは、有線接続を介して前記コネクタステータス情報を前記ベースユニットに送信し、前記ベースユニットは、前記落下防止安全装置が共に使用されるように構成されている空中リフトの制御回路に前記第1の肯定信号及び前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を無線送信するように構成されている、項目16~18のいずれか一項に記載の落下防止監視システム。
[項目21]
前記センサモジュール及び前記ベースユニットは、前記落下防止安全装置の前記コネクタ上で互いに一体化され、前記ベースユニットは、前記第1の肯定信号及び前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を、前記落下防止安全装置が共に使用されるように構成されている前記空中リフトの前記制御回路に送信するように構成された短距離無線通信機を備える、項目20に記載の落下防止監視システム。
[項目22]
前記センサモジュールは、ユーザの落下防止安全ハーネスのDリング上に配置されたRFIDタグの存在を検出するように構成されたRFIDリーダであるセンサを備え、前記落下防止監視システムは、前記センサによる前記RFIDタグの検出が、前記落下防止安全装置の前記安全ラインの前記コネクタが前記落下防止安全ハーネスに接続されているように見えるという表示を提供するように構成されている、項目16~21のいずれか一項に記載の落下防止監視システム。
[項目23]
前記ベースユニットは、前記第1の肯定信号及び前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を、前記落下防止安全装置が共に使用されるように構成されている空中リフトの制御回路に前記信号を転送するように構成された遠隔測定ネットワークに無線送信するように構成されている、項目20に記載の落下防止監視システム。
[項目24]
落下防止安全装置及び落下防止監視システムと組み合わせて使用される空中リフトの動作を制御する方法であって、
前記落下防止監視システムの少なくとも1つの構成要素のセルフチェックを実行することと、
前記落下防止安全装置の安全ラインのコネクタが前記ユーザの落下防止安全ハーネスに接続されているように見えるあることを少なくとも示す、少なくとも1つの第1の肯定信号を前記落下防止監視システムから受信し、前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素の前記セルフチェックが、前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素が準備完了状態にあることを示す、少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を受信すると、少なくとも前記空中リフトの垂直運動機能を有効にすることと、
前記少なくとも1つの第1の肯定信号及び/又は前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号が受信されない、又は前記少なくとも1つの第1の肯定信号及び/又は前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号の受信を停止すると、少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能を無効にすることと、を含む方法。
[項目25]
少なくとも、センサモジュールである前記落下防止監視システムの第1の構成要素、ベースユニットである前記落下防止監視システムの第2の構成要素、及び少なくとも前記センサモジュールに電力供給する少なくとも1つの内部バッテリである前記落下防止監視システムの第3の構成要素に対してセルフチェックが実行され、それにより、少なくとも3つの補足の第1の肯定信号が、少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能を有効にするために受信されなければならず、前記3つの補足の第1の肯定信号のいずれかが受信されない又は前記3つの補足の第1の肯定信号のいずれかの受信を停止した場合、少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能が無効にされる、項目24に記載の方法。
[項目26]
前記空中リフトは、前記落下防止安全装置に加えて少なくとも1つの追加の安全装置を備え、少なくとも前記空中リフトの垂直運動機能を有効にするために、前記空中リフトの制御回路は、前記安全ラインの前記コネクタが前記ユーザの前記安全ハーネスに接続されているように見えることを少なくとも示す少なくとも1つの第1の肯定信号を前記落下防止監視システムから受信し、前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素の前記セルフチェックが前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素が準備状態にあることを示す少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を前記落下防止監視システムから受信し、前記少なくとも1つの追加の安全装置が準備状態にあることを示す少なくとも1つの追加の肯定信号を前記空中リフトの前記少なくとも1つの追加の安全装置から受信しなければならない、項目24に記載の方法。
[項目27]
空中リフトのユーザによって着用される落下防止安全ハーネスに接続される第1の近位端と、前記空中リフトの固定具に接続されるように構成されたコネクタを有する第2の遠位端と、を有する安全ラインを備える落下防止安全装置を監視するための落下防止監視システムであって、
前記落下防止安全装置の前記安全ラインの前記第2の遠位端にある前記コネクタが前記空中リフトの前記固定具に接続されているように見えるかどうかを判定し、前記落下防止安全装置の前記安全ラインの前記第2の遠位端にある前記コネクタが前記落下防止安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかに基づいて、コネクタステータス情報を送信するように構成されたセンサモジュールと、
前記コネクタステータス情報を前記センサモジュールから受信し、前記コネクタステータス情報が、前記落下防止安全装置の前記安全ラインの前記第2の遠位端にある前記コネクタが前記空中リフトの前記固定具に接続されているように見えることを示す場合、第1の肯定信号を送信するように構成されたベースユニットと、を備え、
前記落下防止監視システムは、前記落下防止監視システムの少なくとも1つの構成要素の少なくとも1つのセルフチェックを実行するように構成され、前記ベースユニットは、前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素が準備完了状態にあるように見えることを前記セルフチェックが示す場合、前記ベースユニットが少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を送信するように構成されている、落下防止監視システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
落下防止安全ハーネスに接続されるように構成されたコネクタを有する安全ラインを備える落下防止安全装置を監視するための落下防止監視システムであって、
前記落下防止安全装置の前記安全ラインの前記コネクタが前記落下防止安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかを判定し、前記落下防止安全装置の前記安全ラインの前記コネクタが前記落下防止安全ハーネスに接続されているように見えるかどうかに基づいて、コネクタステータス情報を送信するように構成されたセンサモジュールと、
前記センサモジュールから前記コネクタステータス情報を受信し、前記コネクタステータス情報が、前記落下防止安全装置の前記安全ラインの前記コネクタが前記落下防止安全ハーネスに接続されているように見えることを示す場合、第1の肯定信号を送信するように構成されたベースユニットと、を備え、
前記落下防止監視システムは、前記落下防止監視システムの少なくとも1つの構成要素の少なくとも1つのセルフチェックを実行するように構成され、前記ベースユニットは、前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素が準備完了状態にあるように見えることを前記セルフチェックが示す場合、前記ベースユニットが少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を送信するように構成されている、落下防止監視システム。
【請求項2】
前記落下防止監視システムは、前記落下防止監視システムの第1、第2、及び第3の構成要素のセルフチェックを実行するように構成され、前記ベースユニットは、前記落下防止監視システムの前記第1、第2、及び第3の構成要素が全て準備完了状態にあるように見えることを前記セルフチェックが示す場合、少なくとも3つの補足の第1の肯定信号を前記ベースユニットが送信するように構成されている、請求項1に記載の落下防止監視システム。
【請求項3】
前記落下防止監視システムの前記第1のセルフチェックされる構成要素は、前記センサモジュールであり、前記落下防止監視システムの前記第2のセルフチェックされる構成要素は、前記ベースユニットであり、前記落下防止監視システムの前記第3のセルフチェックされる構成要素は、少なくとも前記センサモジュールに電力供給する少なくとも1つの内部バッテリである、請求項2に記載の落下防止監視システム。
【請求項4】
前記センサモジュールは、前記落下防止安全装置の前記コネクタ上に配置され、前記ベースユニットは、前記落下防止安全装置が共に使用されるように構成された空中リフト上に設置されるように構成され、前記センサモジュールは、前記コネクタステータス情報を前記ベースユニットに無線送信するように構成され、更に、前記ベースユニットは、有線であるが前記ベースユニットと前記空中リフトの前記制御回路との間にガルバニック絶縁を提供する接続を介して、前記ベースユニットが前記第1の肯定信号及び前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を前記空中リフトの制御回路に送信することができるように構成されたガルバニック絶縁インターフェースを備える、請求項1に記載の落下防止監視システム。
【請求項5】
前記センサモジュールは、前記落下防止安全装置の前記コネクタ上に配置され、前記ベースユニットは、前記落下防止安全装置の前記コネクタ上の前記センサモジュールと同じ場所に配置され、前記センサモジュールは、有線接続を介して前記コネクタステータス情報を前記ベースユニットに送信し、前記ベースユニットは、前記落下防止安全装置が共に使用されるように構成されている空中リフトの制御回路に前記第1の肯定信号及び前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を無線送信するように構成されている、請求項1に記載の落下防止監視システム。
【請求項6】
前記センサモジュール及び前記ベースユニットは、前記落下防止安全装置の前記コネクタ上で互いに一体化され、前記ベースユニットは、前記第1の肯定信号及び前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を、前記落下防止安全装置が共に使用されるように構成されている前記空中リフトの前記制御回路に送信するように構成された短距離無線通信機を備える、請求項5に記載の落下防止監視システム。
【請求項7】
前記センサモジュールは、ユーザの落下防止安全ハーネスのDリング上に配置されたRFIDタグの存在を検出するように構成されたRFIDリーダであるセンサを備え、前記落下防止監視システムは、前記センサによる前記RFIDタグの検出が、前記落下防止安全装置の前記安全ラインの前記コネクタが前記落下防止安全ハーネスに接続されているように見えるという表示を提供するように構成されている、請求項1に記載の落下防止監視システム。
【請求項8】
前記ベースユニットは、前記第1の肯定信号及び前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を、前記落下防止安全装置が共に使用されるように構成されている空中リフトの制御回路に前記信号を転送するように構成された遠隔測定ネットワークに無線送信するように構成されている、請求項5に記載の落下防止監視システム。
【請求項9】
落下防止安全装置及び落下防止監視システムと組み合わせて使用される空中リフトの動作を制御する方法であって、
前記落下防止監視システムの少なくとも1つの構成要素のセルフチェックを実行することと、
前記落下防止安全装置の安全ラインのコネクタが前記ユーザの落下防止安全ハーネスに接続されているように見えるあることを少なくとも示す、少なくとも1つの第1の肯定信号を前記落下防止監視システムから受信し、前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素の前記セルフチェックが、前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素が準備完了状態にあることを示す、少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を受信すると、少なくとも前記空中リフトの垂直運動機能を有効にすることと、
前記少なくとも1つの第1の肯定信号及び/又は前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号が受信されない、又は前記少なくとも1つの第1の肯定信号及び/又は前記少なくとも1つの補足の第1の肯定信号の受信を停止すると、少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能を無効にすることと、を含む方法。
【請求項10】
少なくとも、センサモジュールである前記落下防止監視システムの第1の構成要素、ベースユニットである前記落下防止監視システムの第2の構成要素、及び少なくとも前記センサモジュールに電力供給する少なくとも1つの内部バッテリである前記落下防止監視システムの第3の構成要素に対してセルフチェックが実行され、それにより、少なくとも3つの補足の第1の肯定信号が、少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能を有効にするために受信されなければならず、前記3つの補足の第1の肯定信号のいずれかが受信されない又は前記3つの補足の第1の肯定信号のいずれかの受信を停止した場合、少なくとも前記空中リフトの前記垂直運動機能が無効にされる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記空中リフトは、前記落下防止安全装置に加えて少なくとも1つの追加の安全装置を備え、少なくとも前記空中リフトの垂直運動機能を有効にするために、前記空中リフトの制御回路は、前記安全ラインの前記コネクタが前記ユーザの前記安全ハーネスに接続されているように見えることを少なくとも示す少なくとも1つの第1の肯定信号を前記落下防止監視システムから受信し、前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素の前記セルフチェックが前記落下防止監視システムの前記少なくとも1つの構成要素が準備状態にあることを示す少なくとも1つの補足の第1の肯定信号を前記落下防止監視システムから受信し、前記少なくとも1つの追加の安全装置が準備状態にあることを示す少なくとも1つの追加の肯定信号を前記空中リフトの前記少なくとも1つの追加の安全装置から受信しなければならない、請求項9に記載の方法。
【外国語明細書】