(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081700
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/02 20060101AFI20240611BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20240611BHJP
A24D 3/04 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
A24D1/02
A24D1/20
A24D3/04
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024044793
(22)【出願日】2024-03-21
(62)【分割の表示】P 2022538091の分割
【原出願日】2020-12-21
(31)【優先権主張番号】1919104.8
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2009164.1
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ホルフォード、スティーヴン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流部分とを含む非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品を提供する。
【解決手段】下流部分は、壁4bを含む管4aによって囲まれたキャビティを含み、管4aは紙の管であり、少なくとも325ミクロンの壁厚、および/または少なくとも100コレスタの通気度を有する。また管4aが少なくとも12mmの軸方向長さで、エアロゾル発生材3に隣接して位置し、少なくとも325ミクロンの壁厚、および/または少なくとも100コレスタ単位の通気度を有する物品1に関する。また、エアロゾル発生材3と、エアロゾル発生材3の下流部分と、シート材を含む第1のラッパー9と、少なくとも一部と当接する部材とを含み、第1のラッパー9は、1つ以上の隙間が部材との間に設けられる複数の形成体を含む非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品。または、非燃焼系エアロゾル供給システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分とを含み、下流部分は、壁を含む管によって囲まれたキャビティを含み、前記管は、紙の管であり、少なくとも325ミクロンの壁厚を有するおよび/または壁は少なくとも100コレスタ単位の通気度を有する非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品。
【請求項2】
エアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分とを含み、下流部分は、壁を含む管によって囲まれたキャビティを含み、前記管は、少なくとも15mmの軸方向長さを有し、前記管は、少なくとも325ミクロンの壁厚を有するおよび/または壁は少なくとも100コレスタ単位の通気度を有する非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品。
【請求項3】
管はエアロゾル発生材に隣接していることを特徴とする請求項1または2記載の物品。
【請求項4】
エアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分とを含み、下流部分は、壁を含む管によって囲まれたキャビティを含み、前記管は少なくとも12mmの軸方向長さを有し、エアロゾル発生材に隣接して位置し、前記管は少なくとも325ミクロンの壁厚を有するおよび/または壁は少なくとも100コレスタ単位の通気度を有する非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品。
【請求項5】
管は少なくとも500ミクロンの壁厚を有し、好ましくは少なくとも700ミクロンの厚さを有することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の物品。
【請求項6】
管は少なくとも2000ミクロン未満の壁厚を有し、好ましくは1500ミクロン未満の厚さを有することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の物品。
【請求項7】
管の壁は、少なくとも500コレスタ単位の通気度を有することを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の物品。
【請求項8】
管の壁は、少なくとも1000コレスタ単位、好ましくは少なくとも2000コレスタ単位の通気度を有することを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載の物品。
【請求項9】
約25%、約20%、約12%、約10%、約5%または約0%の換気レベルを含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の物品。
【請求項10】
物品は、上流端部および下流端部を有し、前記換気レベルは、1つ以上の開口部によって設けられ、これら開口部は、物品の上流端部から約28mm以下、物品の上流端部から20mm~28mmまたは物品の上流端部から約25mmの位置に設けられていることを特徴とする請求項9記載の物品。
【請求項11】
管は1つ以上の換気口を含み、好ましくは換気口は、管の厚みを貫通するレーザーによる切れ目によって形成されることを特徴とする請求項9または10記載の物品。
【請求項12】
カプセル含有セクションをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載の物品。
【請求項13】
前記換気は、カプセル含有セクション内に設けられ、選択的に換気は、カプセルの直ぐ上流に設けられていることを特徴とする請求項9乃至11いずれか1項に従属した場合の請求項12記載の物品。
【請求項14】
カプセルは、3.25mm未満の直径を有することを特徴とする請求項12または13記載の物品。
【請求項15】
カプセルは、エアロゾル発生材の遠位端から約28mm~約38mmの位置に配置されていることを特徴とする請求項12乃至14いずれか1項記載の物品。
【請求項16】
管は、少なくとも12mm、好ましくは少なくとも15mmまたは少なくとも20mmの軸方向長さを有することを特徴とする請求項1乃至15いずれか1項記載の物品。
【請求項17】
管は35mm未満、好ましくは30mm未満の軸方向長さを有することを特徴とする請求項1乃至16いずれか1項記載の物品。
【請求項18】
キャビティは、少なくとも450mm3、好ましくは少なくとも600mm3の容積を有することを特徴とする請求項1乃至17いずれか1項記載の物品。
【請求項19】
下流部分は、管の下流に部材をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至18いずれか1項記載の物品。
【請求項20】
前記部材は、材料体を含むことを特徴とする請求項19記載の物品。
【請求項21】
前記材料体は繊維材を含み、好ましくは繊維材は、フィラメント状のトウを含み、これはフィラメント状のトウの場合に発生したトウ容量曲線の最小と最大の重量間の範囲の約10%~約30%の間である材料体の1mm当たりの重量を含むことを特徴とする請求項20記載の物品。
【請求項22】
管を囲むラッパーをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至21いずれか1項記載の物品。
【請求項23】
管は紙を含むことを特徴とする請求項2乃至22いずれか1項記載の物品。
【請求項24】
管は繊維材を含むことを特徴とする請求項2乃至22いずれか1項記載の物品。
【請求項25】
繊維材は繊維性トウを含むことを特徴とする請求項24記載の物品。
【請求項26】
管は材料からなる連続した管であることを特徴とする請求項1乃至25いずれか1項記載の物品。
【請求項27】
管は少なくとも115mm3の容積を有することを特徴とする請求項1乃至26いずれか1項記載の物品。
【請求項28】
管は少なくとも125mm3の容積を有する内部キャビティを画定することを特徴とする請求項1乃至27いずれか1項記載の物品。
【請求項29】
管は最大で400mm3の容積を有する内部キャビティを画定することを特徴とする請求項1乃至28いずれか1項記載の物品。
【請求項30】
管の少なくとも一部は、物品の上流端部から24mmの位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至29いずれか1項記載の物品。
【請求項31】
管は流路を含むことを特徴とする請求項1乃至30いずれか1項記載の物品。
【請求項32】
流路は、約1mm~約4mmの内径を有することを特徴とする請求項31記載の物品。
【請求項33】
管の断面積の最大で32%は、流路を含むことを特徴とする請求項31または32記載の物品。
【請求項34】
流路は、約2.5mm~約3.9mm、約2.7mm~約3.5mmまたは約2.9mm
~約3.1mmの内径を有することを特徴とする請求項31乃至33いずれか1項記載の
物品。
【請求項35】
エアロゾル発生材は、複数のエアロゾル発生材のストランドおよび/または条片を含むエアロゾル発生セクションを含むことを特徴とする請求項1乃至34いずれか1項記載の物品。
【請求項36】
エアロゾル発生材の実質的に全ては、折り曲げられるおよび/または長手方向に切れ目が入れられ、エアロゾル発生セクションを形成するシート材から形成されることを特徴とする請求項35記載の物品。
【請求項37】
エアロゾル発生セクションは、約11mm超の長さを有することを特徴とする請求項35または36記載の物品。
【請求項38】
エアロゾル発生セクションは、長手方向の寸法を有し、エアロゾル発生材のストランドまたは条片は、長手方向に位置合わせされ、選択的にエアロゾル発生材のストランドまたは条片は、長手方向のエアロゾル発生セクションのほぼ全長に沿って延びていることを特徴とする請求項35乃至37いずれか1項記載の物品。
【請求項39】
エアロゾル発生材のストランドおよび/または条片のうちの少なくとも1つは、少なくとも約9mmまたは少なくとも約10mmまたは少なくとも約11mmの長さを有することを特徴とする請求項35乃至38いずれか1項記載の物品。
【請求項40】
エアロゾル発生セクションは、ストランドおよびまたは条片が約400mg/cm3~約900mg/cm3の充填密度を含むことを特徴とする請求項35乃至39いずれか1項記載の物品。
【請求項41】
エアロゾル発生材は、再生タバコ材を含むことを特徴とする請求項1乃至40いずれか1項記載の物品。
【請求項42】
タバコ材は、重量で約10%~約25%のグリセロールを含むことを特徴とする請求項41記載の物品。
【請求項43】
エアロゾル発生材を囲む水分非透過性ラッパーをさらに含み、好ましくは水分非透過性ラッパーは、金属層を含むおよび/または約40gsm超、または約45gsm超、または約50gsm超の坪量を有することを特徴とする請求項1乃至42いずれか1項記載の物品。
【請求項44】
エアロゾル発生材/消耗品内に挿入するためのエアロゾル発生器を含む非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するためのものであることを特徴とする請求項1乃至43いずれか1項記載の物品。
【請求項45】
エアロゾル発生器の少なくとも一部を収容するように構成されていることを特徴とする請求項44記載の物品。
【請求項46】
使用時、エアロゾル発生器が物品に収容されると、エアロゾル発生器はエアロゾル発生材の少なくとも一部と直に接触することを特徴とする請求項45記載の物品。
【請求項47】
使用時に物品内へのエアロゾル発生器の挿入によってエアロゾル発生材の充填密度が高まるように構成されていることを特徴とする請求項44乃至46いずれか1項記載の物品。
【請求項48】
エアロゾル発生材は、長さが20mm未満、15mm未満または13mm未満であることを特徴とする請求項1乃至47いずれか1項記載の物品。
【請求項49】
エアロゾル発生材と、
エアロゾル発生材の下流の下流部分と、
シート材を含む第1のラッパーと、
第1のラッパーの少なくとも一部と当接する部材とを含み、
第1のラッパーは、1つ以上の隙間が第1のラッパーと部材との間に設けられるように構成された複数の形成体を含む非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品。
【請求項50】
前記部材は少なくとも部分的に第1のラッパーを囲むことを特徴とする請求項49記載の物品。
【請求項51】
前記部材は、第1のラッパーの少なくとも一部に重なる第2のラッパーを含み、前記1つ以上の隙間が第1および第2のラッパーの間に設けられていることを特徴とする請求項50記載の物品。
【請求項52】
第2のラッパーは外方ラッパーであることを特徴とする請求項51記載の物品。
【請求項53】
第1のラッパーは、少なくとも部分的に前記部材を囲むことを特徴とする請求項49記載の物品。
【請求項54】
前記部材は、プラグの部材であり、好ましくは部材は、プラグ材を囲むプラグラッパーであることを特徴とする請求項53記載の物品。
【請求項55】
シート材は、少なくとも50gsm、好ましくは少なくとも60、70、80、90または100gsmの坪量を有することを特徴とする請求項49乃至54いずれか1項記載の物品。
【請求項56】
第1のラッパーのシート材は、紙であることを特徴とする請求項49乃至55いずれか1項記載の物品。
【請求項57】
第1のラッパーのシート材は、箔を含み、好ましくは金属箔を含むことを特徴とする請求項49乃至55いずれか1項記載の物品。
【請求項58】
下流部分は、プラグを含み、第1のラッパーはプラグを囲むことを特徴とする請求項49乃至57いずれか1項記載の物品。
【請求項59】
下流部分は管を含み、第1のラッパーは管を囲むことを特徴とする請求項49乃至58いずれか1項記載の物品。
【請求項60】
複数の形成体は、ラッパーの少なくとも一部の湾曲部が不均一に結果としてなることを特徴とする請求項49乃至59いずれか1項記載の物品。
【請求項61】
形成体は、エンボスされていることを特徴とする請求項49乃至60いずれか1項記載の物品。
【請求項62】
形成体は、隆起であることを特徴とする請求項49乃至61いずれか1項記載の物品。
【請求項63】
隆起は突起を含み、好ましくは突起はシート材の主要面から延びていることを特徴とする請求項62記載の物品。
【請求項64】
隆起はくぼみを含み、好ましくはくぼみはシート材の主要面内に延びていることを特徴とする請求項62または63記載の物品。
【請求項65】
隆起は、不連続で、互いに間隔が空けられていることを特徴とする請求項62乃至64いずれか1項記載の物品。
【請求項66】
隆起は、規則的な列に配置されていることを特徴とする請求項62乃至65いずれか1項記載の物品。
【請求項67】
形成体は、強度が不連続の線を含むことを特徴とする請求項49乃至66いずれか1項記載の物品。
【請求項68】
強度が不連続の複数の線は、脆弱線を含むことを特徴とする請求項67記載の物品。
【請求項69】
脆弱線は、第1のラッパーのシート材の厚みを貫通しない切れ込みを含み、好ましくは貫通しない切れ込みは、内側に向いたシート材の側にあることを特徴とする請求項68記載の物品。
【請求項70】
貫通しない切れ込みは、レーザーカッティングによって形成されたものであることを特徴とする請求項69記載の物品。
【請求項71】
脆弱線はピンエンボスによって形成されたものであることを特徴とする請求項68記載の物品。
【請求項72】
形成体を供する第1のラッパーのシート材にコーティングを含み、好ましくはコーティングはワニスを含むことを特徴とする請求項49乃至67いずれか1項記載の物品。
【請求項73】
形成体は、第1のラッパー上に複数のファセットを画定することを特徴とする請求項49乃至72いずれか1項記載の物品。
【請求項74】
ファセットはほぼ平面であることを特徴とする請求項73記載の物品。
【請求項75】
形成体は、閉じた形状を有するファセットを画定するために交わるまたは統合することを特徴とする請求項73または74記載の物品。
【請求項76】
複数のファセットは、同じ形状であり、および/または列に配置されていることを特徴とする請求項73乃至75いずれか1項記載の物品。
【請求項77】
物品は、湾曲面を含み、その周囲にシート材が設けられ、第1のラッパーは、その湾曲面とは異なる曲率を有することを特徴とする請求項49乃至76いずれか1項記載の物品。
【請求項78】
1つ以上の隙間は換気空気が流れるように構成されていることを特徴とする請求項49乃至77いずれか1項記載の物品。
【請求項79】
形成体は、1つ以上の流路を形成するように構成され、好ましくは流路は、換気空気が流れるように構成されていることを特徴とする請求項49乃至78いずれか1項記載の物品。
【請求項80】
該または各流路は、第1のラッパーと前記部材の間に形成され、好ましくは第1のラッパーに溝を含むことを特徴とする請求項79記載の物品。
【請求項81】
該または各流路は、換気空気が流路に入り、吸い口端の方へと流れるように物品の吸い口端の方へと延び、好ましくは該または各流路は、物品の吸い口端へと延びていることを特徴とする請求項79または80記載の物品。
【請求項82】
該または各流路は、物品の中央軸に実質的に平行に延びていることを特徴とする請求項79乃至81いずれか1項記載の物品。
【請求項83】
1つ以上の流路の少なくとも一部に重なる換気領域を含むことを特徴とする請求項79乃至81いずれか1項記載の物品。
【請求項84】
エアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分と、ラッパーとを含み、ラッパーは、ラッパーに対して本明細書に記載の単独のラッパー用の温度差試験方法を行った場合に温度差比が少なくとも0.2になるように構成されている非燃焼系エアロゾル供給システム用の物品。
【請求項85】
ラッパーは紙を含むことを特徴とする請求項84記載の物品。
【請求項86】
ラッパーは、少なくとも20gsmの坪量を有し、好ましくは少なくとも25、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、150または170gsmの坪量を有することを特徴とする請求項84または85記載の物品。
【請求項87】
ラッパーは、最大で180gsmの坪量を有し、好ましくは最大で170、160、150、120、110、100、90、80、70、60、50、40、30または25gsmの坪量を有することを特徴とする請求項84乃至86いずれか1項記載の物品。
【請求項88】
ラッパーは、少なくとも20ミクロンの厚さを有し、好ましくは少なくとも30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600ミクロンの厚さを有することを特徴とする請求項84乃至87いずれか1項記載の物品。
【請求項89】
ラッパーは、最大で650ミクロンの厚さを有し、好ましくは最大で600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50、40または30ミクロンの厚さを有することを特徴とする請求項84乃至88いずれか1項記載の物品。
【請求項90】
ラッパーは実質的に非孔性であることを特徴とする請求項84乃至89いずれか1項記載の物品。
【請求項91】
ラッパーは多孔性であることを特徴とする請求項84乃至89いずれか1項記載の物品。
【請求項92】
ラッパーは、少なくとも100コレスタ単位の通気度を有し、好ましくは少なくとも500、1000、2000、5000、10000、12000、15000、17000、20000、22000または25000コレスタ単位の通気度を有することを特徴とする請求項91記載の物品。
【請求項93】
ラッパーは、ラッパーに対して本明細書に記載の単独のラッパー用の温度差試験方法を行った場合に温度差比が少なくとも0.22、好ましくは少なくとも0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5または0.55になるように構成されていることを特徴とする請求項84乃至92いずれか1項記載の物品。
【請求項94】
ラッパーはプラグラッパーであることを特徴とする請求項84乃至93いずれか1項記載の物品。
【請求項95】
ラッパーは、下流部分をエアロゾル発生材に取り付けるチッピングラッパーであることを特徴とする請求項84乃至93いずれか1項記載の物品。
【請求項96】
エアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分と、配列された群のラッパーを形成する複数のラッパーとを含み、配列された群のラッパーは、配列された群のラッパーに対して本明細書に記載の配列された群のラッパー用の温度差試験方法を行った場合に温度差比が少なくとも0.3になるように構成されている非燃焼系エアロゾル供給システム用の物品。
【請求項97】
配列された群のラッパーは、配列された群のラッパーに対して本明細書に記載の配列された群のラッパー用の温度差試験方法を行った場合に温度差比が少なくとも0.32、好ましくは少なくとも0.35、0.4、0.45、0.5、0.55または0.6になるように構成されていることを特徴とする請求項96記載の物品。
【請求項98】
配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは紙を含むことを特徴とする請求項96または97記載の物品。
【請求項99】
配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、少なくとも20gsmの坪量を有し、好ましくは少なくとも25、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、150または170gsmの坪量を有することを特徴とする請求項96乃至98いずれか1項記載の物品。
【請求項100】
配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、最大で180gsmの坪量を有し、好ましくは最大で170、160、150、120、110、100、90、80、70、60、50、40、30または25gsmの坪量を有することを特徴とする請求項96乃至99いずれか1項記載の物品。
【請求項101】
配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、少なくとも20ミクロンの厚さを有し、好ましくは少なくとも30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600ミクロンの厚さを有することを特徴とする請求項96乃至100いずれか1項記載の物品。
【請求項102】
配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、最大で650ミクロンの厚さを有し、好ましくは最大で600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50、40または30ミクロンの厚さを有することを特徴とする請求項96乃至101いずれか1項記載の物品。
【請求項103】
配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、実質的に非孔性であることを特徴とする請求項96乃至102いずれか1項記載の物品。
【請求項104】
配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、多孔性であることを特徴とする請求項96乃至103いずれか1項記載の物品。
【請求項105】
配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、少なくとも100コレスタ単位の通気度を有し、好ましくは少なくとも500、1000、2000、5000、10000、12000、15000、17000、20000、22000または25000コレスタ単位の通気度を有することを特徴とする請求項104記載の物品。
【請求項106】
配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、配列された群のラッパーに対して本明細書に記載の単独のラッパー用の温度差試験方法を行った場合に温度差比が少なくとも0.2、好ましくは少なくとも0.22、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5または0.55になるように構成されていることを特徴とする請求項96乃至105いずれか1項記載の物品。
【請求項107】
配列された群のラッパーは、第1のラッパーを含み、好ましくは第1のラッパーは、請求項84乃至95いずれか1項記載のラッパーの特徴を有することを特徴とする請求項96乃至106いずれか1項記載の物品。
【請求項108】
第1のラッパーは、物品の部材を囲み、好ましくは部材は、物品の材料からなる管またはプラグであることを特徴とする請求項107記載の物品。
【請求項109】
第1のラッパーは、物品の部材と接触することを特徴とする請求項108記載の物品。
【請求項110】
配列された群のラッパーは、第2のラッパーを含み、好ましくは第2のラッパーは、請求項84乃至95いずれか1項記載のラッパーの特徴を有することを特徴とする請求項96乃至109いずれか1項記載の物品。
【請求項111】
第2のラッパーは、下流部分をエアロゾル発生材に接続することを特徴とする請求項110記載の物品。
【請求項112】
第2のラッパーは、物品の最も外側のラッパーであることを特徴とする請求項110または111記載の物品。
【請求項113】
配列された群のラッパーは、第3のラッパーを含み、好ましくは第3のラッパーは、請求項84乃至95いずれか1項記載のラッパーの特徴を有することを特徴とする請求項96乃至112いずれか1項記載の物品。
【請求項114】
第3のラッパーは、物品の第1および第2の部材を接続するように構成されていることを特徴とする請求項113記載の物品。
【請求項115】
第3のラッパーは、第1および第2のラッパーの間に位置することを特徴とする請求項107および110に従属する場合の請求項113または114記載の物品。
【請求項116】
請求項49乃至115いずれか1項記載の物品の特徴を含む請求項1乃至48いずれか1項記載の物品または請求項1乃至48または84乃至115いずれか1項記載の物品の特徴を含む請求項49乃至83いずれか1項記載の物品または請求項1乃至83いずれか1項記載の物品の特徴を含む請求項84乃至115いずれか1項記載の物品。
【請求項117】
エアロゾル発生材は、第1のエアロゾル発生材を含み、物品は、第1のエアロゾル発生材の下流に部材をさらに含み、部材は管状部分を含み、管状部分は、第2のエアロゾル発生材を含む壁を含むことを特徴とする請求項1乃至116いずれか1項記載の物品。
【請求項118】
エアロゾル発生材は、約2000コレスタ単位超の通気度を有するラッパーによって包まれ、物品は、少なくとも1つの換気領域を含むエアロゾル発生材の下流の下流部分を含むことを特徴とする請求項1乃至117いずれか1項記載の物品。
【請求項119】
物品は、物品が非燃焼系エアロゾル供給システムに挿入された際に非燃焼系エアロゾル供給デバイスのヒーターと物品の管状セクションとの最小距離が少なくとも約3mmになるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至118いずれか1項記載の物品。
【請求項120】
前記1つ以上の換気口によって供される換気のレベルは、部材を通過するエアロゾルの量の45%~65%、部材を通過するエアロゾルの量の40%~60%の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至119いずれか1項記載の物品。
【請求項121】
物品の吸い口端から延びた中空の管状構成部品を含み、この中空の管状構成部品は、約10mm超または約12mm超の長さを含むことを特徴とする請求項1乃至120いずれか1項記載の物品。
【請求項122】
請求項1乃至121いずれか1項記載の物品を含む非燃焼系エアロゾル供給システム。
【請求項123】
エアロゾル変性部材と、エアロゾル発生材がエアロゾルを供するようにエアロゾル発生材を加熱するように使用時作動可能なヒーターとを含み、エアロゾル変性部材は、エアロゾル発生材の下流の下流部分であり、エアロゾルを発生させるためにヒーターを作動させている間に第1の温度に加熱されるエアロゾル変性部材の第1の部分にある第1カプセルと、この第1の部分の下流に位置するエアロゾル変性部材の第2の部分にある第2カプセルとを含み、第2の部分は、エアロゾルを発生させるためにヒーターを作動させている間に第2の温度に加熱され、第2の温度は、第1の温度より少なくとも4℃低いことを特徴とする請求項122記載の非燃焼系エアロゾル供給システム。
【請求項124】
非燃焼系エアロゾル供給システムは、エアロゾル発生材加熱システムであり、好ましくはタバコ加熱システムであることを特徴とする請求項122または123記載の非燃焼系エアロゾル供給システム。
【請求項125】
請求項1乃至121いずれか1項記載の物品と、非燃焼系エアロゾル供給デバイスとを含み、非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル発生材/消耗品に挿入するためのエアロゾル発生器を含む非燃焼系エアロゾル供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品に関する。
【背景技術】
【0002】
特定のタバコ産業製品は、使用時にユーザーによって吸入されるエアロゾルを発生させる。例えば、タバコ加熱デバイスは、タバコなどのエアロゾル発生基材を加熱し、基材を燃やさずに加熱することによってエアロゾルを形成する。そのようなタバコ産業製品は、共通してエアロゾルがユーザーの口に到達するように通過するマウスピースを含む。
【発明の概要】
【0003】
非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品が提供され、この物品は、エアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分とを含み、下流部分は、壁を含む紙の管によって囲まれたキャビティを含み、前記紙の管は少なくとも325ミクロンの壁厚を有する。
【0004】
非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品が提供され、この物品は、エアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分とを含み、下流部分は、壁を含む紙の管によって囲まれたキャビティを含み、および前記壁は少なくとも100コレスタ単位の通気度を有する。
【0005】
非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品が提供され、この物品は、エアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分とを含み、下流部分は、壁を含む紙の管によって囲まれたキャビティを含み、および前記紙の管は少なくとも325ミクロンの壁厚を有するおよび/または壁は少なくとも100コレスタ単位の通気度を有する。
【0006】
本明細書で説明する一部の実施態様ではエアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分とを含み、下流部分は、壁を含む管によって囲まれたキャビティを含み、前記管は少なくとも15mmの軸方向長さを有し、前記管は少なくとも325ミクロンの壁厚を有する非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品も提供される。
【0007】
本明細書で説明する一部の実施態様ではエアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分とを含み、下流部分は、壁を含む管によって囲まれたキャビティを含み、前記管は少なくとも15mmの軸方向長さを有し、壁は少なくとも100コレスタ単位の通気度を有する非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品も提供される。
【0008】
本明細書で説明する一部の実施態様ではエアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分とを含み、下流部分は、壁を含む管によって囲まれたキャビティを含み、前記管は、少なくとも15mmの軸方向長さを有し、前記管は、少なくとも325ミクロンの壁厚を有するおよび/または壁は少なくとも100コレスタ単位の通気度を有する非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品も提供される。
【0009】
一部の実施態様では管はエアロゾル発生材に隣接している。
【0010】
本明細書で説明する一部の実施態様ではエアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分とを含み、下流部分は、壁を含む管によって囲まれたキャビティを含み、前記管は少なくとも12mmの軸方向長さを有し、エアロゾル発生材に隣接して位置し、および前記管は少なくとも325ミクロンの壁厚を有する非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品も提供される。
【0011】
本明細書で説明する一部の実施態様ではエアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分とを含み、下流部分は、壁を含む管によって囲まれたキャビティを含み、前記管は少なくとも12mmの軸方向長さを有し、エアロゾル発生材に隣接して位置し、壁は少なくとも100コレスタ単位の通気度を有する非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品も提供される。
【0012】
本明細書で説明する一部の実施態様ではエアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分とを含み、下流部分は、壁を含む管によって囲まれたキャビティを含み、前記管は少なくとも12mmの軸方向長さを有し、エアロゾル発生材に隣接して位置し、前記管は少なくとも325ミクロンの壁厚を有するおよび/または壁は少なくとも100コレスタ単位の通気度を有する非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品も提供される。
【0013】
一部の実施態様では管は少なくとも500ミクロンの壁厚を有し、好ましくは少なくとも700ミクロンの厚さを有する。
【0014】
一部の実施態様では管は少なくとも2000ミクロン未満の壁厚を有し、好ましくは1500ミクロン未満の厚さを有する。
【0015】
一部の実施態様では管の壁は、少なくとも500コレスタ単位の通気度を有する。
【0016】
一部の実施態様では管の壁は、少なくとも1000コレスタ単位、好ましくは少なくとも2000コレスタ単位の通気度を有する。
【0017】
一部の実施態様では本発明の物品は、約25%、約20%、約12%、約10%、約5%または約0%の換気レベルを含む。
【0018】
一部の実施態様では本発明の物品は、上流端部および下流端部を有し、前記換気レベルは、1つ以上の開口部によって設けられ、これら開口部は、物品の上流端部から約28mm以下、物品の上流端部から20mm~28mmまたは物品の上流端部から約25mmの位置に設けられている。
【0019】
一部の実施態様では管は1つ以上の換気口を含み、好ましくは、換気口は、管の厚みを貫通するレーザーによる切れ目によって形成される。
【0020】
一部の実施態様では本発明の物品はカプセル含有セクションを含む。
【0021】
一部の実施態様では前記換気は、カプセル含有セクション内に設けられ、選択的に換気は、カプセルの直ぐ上流に設けられている。
【0022】
一部の実施態様ではカプセルは、3.25mm未満の直径を有する。
【0023】
一部の実施態様ではカプセルは、エアロゾル発生材の遠位端から約28mm~約38mmの位置に配置されている。
【0024】
一部の実施態様では管は、少なくとも12mm、好ましくは15mmまたは少なくとも20mmの軸方向長さを有する。
【0025】
一部の実施態様では管は35mm未満、好ましくは30mm未満の軸方向長さを有する。
【0026】
一部の実施態様ではキャビティは、少なくとも450mm3、好ましくは少なくとも600mm3の容積を有する。
【0027】
一部の実施態様では下流部分は、管の下流に部材をさらに含む。
【0028】
一部の実施態様ではこの部材は、材料体を含む。
【0029】
一部の実施態様では材料体は繊維材を含み、好ましくは、繊維材は、フィラメント状のトウを含み、これはフィラメント状のトウの場合に発生したトウ容量曲線の最小と最大の重量間の範囲の約10%~約30%の間である材料体の1mm当たりの重量を含む。
【0030】
一部の実施態様では物品は、管を囲むラッパーをさらに含む。
【0031】
一部の実施態様では管は紙を含む。
【0032】
一部の実施態様では管は繊維材を含む。
【0033】
一部の実施態様では繊維材は繊維性トウを含む。
【0034】
一部の実施態様では管は材料からなる連続した管である。
【0035】
一部の実施態様では管は少なくとも115mm3の容積を有する。
【0036】
一部の実施態様では管は少なくとも125mm3の容積を有する内部キャビティを画定する。
【0037】
一部の実施態様では管は最大で400mm3の容積を有する内部キャビティを画定する。
【0038】
一部の実施態様では管の少なくとも一部は、物品の上流端部から24mmの位置に配置されている。
【0039】
一部の実施態様では管は流路を含む。
【0040】
一部の実施態様では流路は、約1mm~約4mmの内径を有する。
【0041】
一部の実施態様では管の断面積の最大で32%は、流路を含む。
【0042】
一部の実施態様では流路は、約2.5mm~約3.9mm、約2.7mm~約3.5mmまたは約2.9mm~約3.1mmの内径を有する。
【0043】
一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、複数のエアロゾル発生材のストランドおよび/または条片を含むエアロゾル発生セクションを含む。
【0044】
一部の実施態様ではエアロゾル発生材の実質的に全ては、折り曲げられるおよび/または長手方向に切れ目が入れられ、エアロゾル発生セクションを形成するシート材から形成される。
【0045】
一部の実施態様ではエアロゾル発生セクションは、約11mm超の長さを有する。
【0046】
一部の実施態様ではエアロゾル発生セクションは、長手方向の寸法を有し、エアロゾル発生材のストランドまたは条片は、長手方向に位置合わせされ、選択的にエアロゾル発生材のストランドまたは条片は、長手方向のエアロゾル発生セクションのほぼ全長に沿って延びている。
【0047】
一部の実施態様ではエアロゾル発生材のストランドおよび/または条片のうちの少なくとも1つは、少なくとも約9mmまたは少なくとも約10mmまたは少なくとも約11mmの長さを有する。
【0048】
一部の実施態様ではエアロゾル発生セクションは、ストランドおよびまたは条片が約400mg/cm3~約900mg/cm3の充填密度を含む。
【0049】
一部の実施態様ではエアロゾル発生材は再生タバコ材を含む。
【0050】
一部の実施態様ではタバコ材は、重量で約10%~約25%のグリセロールを含む。
【0051】
一部の実施態様では物品は、エアロゾル発生材を囲む水分非透過性のラッパーをさらに含み、好ましくは水分非透過性のラッパーは、金属層を含むおよび/または約40gsm超または約45gsm超または約50gsm超の坪量を有する。
【0052】
一部の実施態様では本発明の物品は、エアロゾル発生材/消耗品内に挿入するためのエアロゾル発生器を含む非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するためのものである。
【0053】
一部の実施態様では本発明の物品は、エアロゾル発生器の少なくとも一部を収容するように構成されている。
【0054】
一部の実施態様では本発明の物品は、使用時にエアロゾル発生器が物品によって収容された際、エアロゾル発生器は、エアロゾル発生材の少なくとも一部と直に接触する。
【0055】
一部の実施態様では本発明の物品は、使用時に物品内へのエアロゾル発生器の挿入によってエアロゾル発生材の充填密度が高まるように構成されている。
【0056】
一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、長さが20mm未満、15mm未満または13mm未満である。
【0057】
本明細書で説明する一部の実施態様ではエアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分と、シート材を含む第1のラッパーと、第1のラッパーの少なくとも一部と当接する部材とを含み、第1のラッパーは、1つ以上の隙間が第1のラッパーと部材との間に設けられるように構成された複数の形成体を含む。一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、ロッド形状である。
【0058】
一部の実施態様では部材は少なくとも部分的に第1のラッパーを囲む。
【0059】
一部の実施態様では部材は、第1のラッパーの少なくとも一部に重なる第2のラッパーを含み、前記1つ以上の隙間が第1および第2のラッパーの間に設けられている。
【0060】
一部の実施態様では第2のラッパーは外方ラッパーである。
【0061】
一部の実施態様では第1のラッパーは、少なくとも部分的に部材を囲む。
【0062】
一部の実施態様では部材は、プラグの部材であり、好ましくは、部材は、プラグ材を囲むプラグラッパーである。
【0063】
一部の実施態様ではシート材は、少なくとも50gsm、好ましくは少なくとも60、70、80、90または100gsmの坪量を有する。
【0064】
一部の実施態様では第1のラッパーのシート材は、紙である。
【0065】
一部の実施態様では第1のラッパーのシート材は、箔を含み、好ましくは金属箔を含む。
【0066】
一部の実施態様では下流部分は、プラグを含み、第1のラッパーはプラグを囲む。
【0067】
一部の実施態様では下流部分は管を含み、第1のラッパーは管を囲む。
【0068】
一部の実施態様では複数の形成体は、結果としてラッパーの少なくとも一部の湾曲部が不均一になる。
【0069】
一部の実施態様では形成体は、エンボスされている。
【0070】
一部の実施態様では形成体は、隆起である。
【0071】
一部の実施態様では隆起は突起を含み、好ましくは、突起はシート材の主要面から延びている。
【0072】
一部の実施態様では隆起はくぼみを含み、好ましくは、くぼみはシート材の主要面内に延びている。
【0073】
一部の実施態様では隆起は、不連続で、互いに間隔が空けられている。
【0074】
一部の実施態様では隆起は、規則的な列に配置されている。
【0075】
一部の実施態様では形成体は、強度が不連続の線を含む。
【0076】
一部の実施態様では強度が不連続の複数の線は、脆弱線を含む。
【0077】
一部の実施態様では脆弱線は、第1のラッパーのシート材の厚みを貫通しない切れ込みを含み、好ましくは貫通しない切れ込みは、内側に向いたシート材の側にある。
【0078】
一部の実施態様では貫通しない切れ込みは、レーザーカッティングによって形成されたものである。
【0079】
一部の実施態様では脆弱線はピンエンボスによって形成されたものである。
【0080】
一部の実施態様では本発明の物品は、形成体を供する第1のラッパーのシート材にコーティングを含み、好ましくは、コーティングは、ワニスを含む。
【0081】
一部の実施態様では形成体は、第1のラッパー上に複数のファセットを画定する。
【0082】
一部の実施態様ではファセットはほぼ平面である。
【0083】
一部の実施態様では形成体は、閉じた形状を有するファセットを画定するために交わるまたは統合する。
【0084】
一部の実施態様では複数のファセットは、同じ形状であり、および/または列に配置されている。
【0085】
一部の実施態様では物品は、湾曲面を含み、その周囲にシート材が設けられ、第1のラッパーは、その湾曲面とは異なる曲率を有する。
【0086】
一部の実施態様では1つ以上の隙間は換気空気が流れるように構成されている。換気空気が流れることによって物品の外部の温度を下げることに役立つ。
【0087】
一部の実施態様では形成体は、1つ以上の流路(図示せず)を形成するように構成されている。隙間は流路を形成してもよい。あるいは隙間は、流路に加えて設けられてもよい(例えばラッパーの反対側に)。該または各流路は、換気空気が流れるように構成されてもよい。換気空気が流れることによって物品の外部の温度を下げることに役立つ。
【0088】
該または各流路は第1のラッパーと部材の間に形成されてもよく、好ましくは第1のラッパーに溝を含む。例えば、1つ以上の流路が第1および第2のラッパー9、5の間に形成されてもよい。
【0089】
一部の実施態様では該または各流路は、換気空気が流路に入り、吸い口端の方へと流れるように物品の吸い口端の方へと延びている。したがって、換気流は、1つ以上の流路内に入ることができ、物品の吸い口端の方へと流れることができる。一部の実施態様では該または各流路は物品の吸い口端に延びている。したがって、換気流は1つ以上の流路に入ることができ、物品の吸い口端の方へと流れ、吸い口端から出る。
【0090】
一部の実施態様では該または各流路は、物品の中央軸に実質的に平行に延びている。
【0091】
一部の実施態様では本発明の物品は、1つ以上の流路の少なくとも一部に重なる換気領域を含む。例えば、換気領域は第2のラッパー5に設けられてもよい。
【0092】
一部の実施態様では換気領域は、ラッパーの外層にミシン目を含み、換気空気がミシン目を通って流れ、隙間に、例えば流路に入るようになっている。これとは別にまたは加えて換気領域は、通気性ラッパーまたはラッパーの通気性領域を含んでもよい。
【0093】
本明細書で説明する一部の実施態様ではロッド形状のエアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分と、第1のラッパーであって、強度が不連続の複数の線を有し、その結果ラッパーの少なくとも一部の湾曲部の不均一性となるシート材を含む第1のラッパーと、第2のラッパーであって、複数の隙間が第1および第2のラッパーの間に設けられるように第1のラッパーの少なくとも一部に重なる第2のラッパーとを含む非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品も提供される。
【0094】
本明細書で説明する一部の実施態様ではエアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分と、ラッパーとを含み、ラッパーは、ラッパーに対して本明細書に記載の単独のラッパー用の温度差試験方法を行った場合に温度差比が少なくとも0.2になるように構成されている非燃焼系エアロゾル供給システム用の物品も提供される。
【0095】
一部の実施態様ではラッパーは紙を含む。
【0096】
一部の実施態様ではラッパーは、少なくとも20gsm、好ましくは少なくとも25、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、150または170gsmの坪量を有する。
【0097】
一部の実施態様ではラッパーは、最大で180gsm、好ましくは最大で170、160、150、120、110、100、90、80、70、60、50、40、30または25gsmの坪量を有する。
【0098】
一部の実施態様ではラッパーは、少なくとも20ミクロンの厚さを有し、好ましくは少なくとも30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600ミクロンの厚さを有する。
【0099】
一部の実施態様ではラッパーは、最大で650ミクロンの厚さを有し、好ましくは最大で600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50、40または30ミクロンの厚さを有する。
【0100】
一部の実施態様ではラッパーは実質的に非孔性である。
【0101】
一部の実施態様ではラッパーは多孔性である。
【0102】
一部の実施態様ではラッパーは、少なくとも100コレスタ単位、好ましくは少なくとも500、1000、2000、5000、10000、12000、15000、17000、20000、22000または25000コレスタ単位の通気度を有する。
【0103】
一部の実施態様ではラッパーは、ラッパーに対して本明細書に記載の単独のラッパー用の温度差試験方法を行った場合に温度差比が少なくとも0.22、好ましくは少なくとも0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5または0.55になるように構成されている。
【0104】
一部の実施態様ではラッパーはプラグラッパーである。
【0105】
一部の実施態様ではラッパーは、下流部分をエアロゾル発生材に取り付けるチッピングラッパーである。
【0106】
本明細書で説明する一部の実施態様ではエアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分と、配列された群のラッパーを形成する複数のラッパーとを含み、配列された群のラッパーは、配列された群のラッパーに対して本明細書に記載の配列された群のラッパー用の温度差試験方法を行った場合に温度差比が少なくとも0.3になるように構成されている非燃焼系エアロゾル供給システム用の物品も提供される。
【0107】
一部の実施態様では配列された群のラッパーは、配列された群のラッパーに対して本明細書に記載の配列された群のラッパー用の温度差試験方法を行った場合に温度差比が少なくとも0.32、好ましくは少なくとも0.35、0.4、0.45、0.5、0.55または0.6になるように構成されている。
【0108】
一部の実施態様では配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは紙を含む。
【0109】
一部の実施態様では配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、少なくとも20gsm、好ましくは少なくとも25、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、150または170gsmの坪量を有する。一部の実施態様では配列された群のラッパーの第1、第2のおよび/または第3のラッパーは、このような坪量を有する。
【0110】
一部の実施態様では配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、最大で180gsm、好ましくは最大で170、160、150、120、110、100、90、80、70、60、50、40、30または25gsmの坪量を有する。一部の実施態様では配列された群のラッパーの第1、第2のおよび/または第3のラッパーは、このような坪量を有する。
【0111】
一部の実施態様では配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、少なくとも20ミクロンの厚さを有し、好ましくは少なくとも30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600ミクロンの厚さを有する。一部の実施態様では配列された群のラッパーの第1、第2のおよび/または第3のラッパーは、このような厚さを有する。
【0112】
一部の実施態様では配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、最大で650ミクロンの厚さ、好ましくは最大で600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50、40または30ミクロンの厚さを有する。一部の実施態様では配列された群のラッパーの第1、第2のおよび/または第3のラッパーは、このような厚さを有する。
【0113】
一部の実施態様では配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、実質的に非孔性である。
【0114】
一部の実施態様では配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、多孔性である。
【0115】
一部の実施態様では配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、少なくとも100コレスタ単位、好ましくは少なくとも500、1000、2000、5000、10000、12000、15000、17000、20000、22000または25000コレスタ単位通気度を有する。
【0116】
一部の実施態様では配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、配列された群のラッパーに対して本明細書に記載の配列された群のラッパー用の温度差試験方法を行った場合に温度差比が少なくとも0.2、好ましくは少なくとも0.22、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5または0.55になるように構成されている。
【0117】
一部の実施態様では配列された群のラッパーは、第1のラッパーを含む。
【0118】
一部の実施態様では第1のラッパーは、物品の部材を囲み、好ましくは、部材は、材料からなる物品の管またはプラグである。
【0119】
一部の実施態様では第1のラッパーは、物品の部材と接触する。
【0120】
一部の実施態様では配列された群のラッパーは、第2のラッパーを含む。
【0121】
一部の実施態様では第2のラッパーは、下流部分をエアロゾル発生材に接続する。
【0122】
一部の実施態様では第2のラッパーは、物品の最も外側のラッパーである。
【0123】
一部の実施態様では配列された群のラッパーは、第3のラッパーを含む。
【0124】
一部の実施態様では第3のラッパーは、物品の第1および第2の部材を接続するように構成されている。
【0125】
一部の実施態様では第3のラッパーは、第1および第2のラッパーの間に位置する。
【0126】
一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、第1のエアロゾル発生材を含み、物品は、第1のエアロゾル発生材の下流に部材をさらに含み、部材は管状部分を含み、および管状部分は、第2のエアロゾル発生材を含む壁を含む。
【0127】
一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、約2000コレスタ単位超の通気レベルを有するラッパーによって包まれ、および物品は、少なくとも1つの換気領域を含むエアロゾル発生材の下流の下流部分を含む。
【0128】
一部の実施態様では物品は、物品が非燃焼系エアロゾル供給システムに挿入された際に非燃焼系エアロゾル供給デバイスのヒーターと物品の管状セクションとの最小距離が少なくとも約3mmになるように構成されている。
【0129】
一部の実施態様では前記1つ以上の換気口によって供される換気のレベルは、部材を通過するエアロゾルの量の45%~65%、部材を通過するエアロゾルの量の40%~60%の範囲内である。
【0130】
一部の実施態様では本発明の物品は、物品の吸い口端から延びた中空の管状構成部品を含み、この中空の管状構成部品は、約10mm超または約12mm超の長さを含む。
【0131】
本明細書で説明する一部の実施態様では本明細書に記載の物品を含む非燃焼系エアロゾル供給システムも提供される。
【0132】
一部の実施態様では本発明の物品は、エアロゾル変性部材と、エアロゾル発生材がエアロゾルを供するようにエアロゾル発生材を加熱するように使用時作動可能なヒーターとを含み、エアロゾル変性部材は、エアロゾル発生材の下流の下流部分であり、およびエアロゾルを発生させるためにヒーターを作動させている間に第1の温度に加熱されるエアロゾル変性部材の第1の部分にある第1カプセルと、この第1の部分の下流に位置するエアロゾル変性部材の第2の部分にある第2カプセルとを含み、第2の部分は、エアロゾルを発生させるためにヒーターを作動させている間に第2の温度に加熱され、および第2の温度は、第1の温度より少なくとも4℃低い。
【0133】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、エアロゾル発生材加熱システムであり、好ましくはタバコ加熱システムである。
【0134】
本明細書で説明する一部の実施態様では本明細書に記載の物品と、非燃焼系エアロゾル供給デバイスとを含む非燃焼系エアロゾル供給システムが提供され、非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル発生材/消耗品に挿入するためのエアロゾル発生器を含む。
【図面の簡単な説明】
【0135】
いくつかの実施態様を、添付図面を参照し、あくまで非限定的な例によってここで説明する。
【
図1】非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための物品の実施態様の側部断面図であり、物品はマウスピースを含み、マウスピースは管状部分を含む。
【
図2】非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための物品の別の実施態様の側部断面図であり、物品はマウスピースを含み、マウスピースは管状部分を含む。
【
図3】巻かれていない状態の第1のラッパーのシート材の上面図である。
【
図5】マウスピースに巻かれた
図3の第1のラッパーの側面図である。
【
図6】
図5の第1のラッパーと材料体の端部断面図である。
【
図7A】第1のラッパーの実施態様の上面図である。
【
図7B】第1のラッパーの実施態様の上面図である。
【
図7C】第1のラッパーの実施態様の上面図である。
【
図7D】第1のラッパーの実施態様の上面図である。
【
図7E】第1のラッパーの実施態様の上面図である。
【
図8A】第1のラッパーの実施態様の上面図である。
【
図8B】第1のラッパーの実施態様の上面図である。
【
図8C】第1のラッパーの実施態様の上面図である。
【
図8D】第1のラッパーの実施態様の上面図である。
【
図8E】第1のラッパーの実施態様の上面図である。
【
図9A】第1のラッパーの実施態様の上面図である。
【
図9B】第1のラッパーの実施態様の上面図である。
【
図9C】第1のラッパーの実施態様の上面図である。
【
図9D】第1のラッパーの実施態様の上面図である。
【
図9E】第1のラッパーの実施態様の上面図である。
【
図11】別の実施態様の第1のラッパーと材料体の端部断面図である。
【
図12】マウスピースに巻かれた
図11の第1のラッパーの側面図である。
【
図14】
図11の第1のラッパーを含む物品の端部断面図である。
【
図15】別の実施態様の第1のラッパーの平面図である。
【
図17】
図11の実施態様の第1のラッパーと材料体の端部断面図である。
【
図18】別の実施態様の第1のラッパーの平面図である。
【
図19】
図1および2の物品のエアロゾル発生材からエアロゾルを発生させるための非燃焼系エアロゾル供給デバイスの斜視図である。
【
図20】外方カバーが取り除かれ、物品が存在しない
図19のデバイスを示している。
【
図21】一部を断面にて示した
図20のデバイスの側面図である。
【
図22】外方カバーが省略された
図20のデバイスの分解図である。
【
図24】非燃焼系エアロゾル供給デバイスの断面図である。
【
図25】
図24に示したエアロゾル供給デバイスのハウジング内の部品の簡略図である。
【
図26】
図1に示した構造の物品がデバイスに挿入されている
図24に示した非燃焼系エアロゾル供給デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0136】
本開示では「燃焼系」エアロゾル供給システムは、ユーザーへの送出を容易にするために、エアロゾル供給システム(またはその構成要素)の構成エアロゾル化可能な材料を燃焼するシステムである。
【0137】
本開示では「非燃焼系」エアロゾル供給システムは、ユーザーへの少なくとも1つの物質の送出を容易にするために、エアロゾル供給システム(またはその構成要素)の構成エアロゾル発生材を燃焼させないまたは燃やさないシステムである。
【0138】
一部の実施態様では送出システムは、非燃焼系エアロゾル供給システム、例えば電動非燃焼系エアロゾル供給システムである。
【0139】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、ベイピング装置または電子ニコチン送出システム(END)としても知られる電子タバコであるが、エアロゾル発生材中のニコチンの存在は要件ではないことに留意されたい。
【0140】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、エアロゾル発生材加熱システムであり、非燃焼加熱システムとしても知られている。このようなシステムの一例は、タバコ加熱システムである。
【0141】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、エアロゾル発生材の組み合わせを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムであり、その1種以上の材料を加熱することができる。エアロゾル発生材のそれぞれは、例えば、固体、液体、またはゲルの形体であり、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。一部の実施態様ではハイブリッドシステムは、液体またはゲルのエアロゾル発生材および固体のエアロゾル発生材を含む。固体エアロゾル発生材は、例えばタバコまたは非タバコ製品を含んでもよい。
【0142】
通常は、非燃焼系エアロゾル供給システムは、非燃焼系エアロゾル供給デバイスと、非燃焼系エアロゾル供給デバイスと使用するための消耗品とを含んでもよい。
【0143】
一部の実施態様では本開示は、エアロゾル発生材を含み、非燃焼系エアロゾル発生デバイスに使用するように構成された消耗品に関する。これらの消耗品は、時には本開示を通して物品と言う。
【0144】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システム、例えばその非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、動力源と、コントローラとを含んでもよい。動力源は、例えば電源または発熱動力源であってもよい。一部の実施態様では発熱動力源は、炭素基材を含み、これは動力を熱の形体で発熱動力源に近接したエアロゾル発生材または熱伝導材に分配するように励起される。
【0145】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、消耗品を収容するための領域と、エアロゾル発生器と、エアロゾル発生領域、ハウジング、マウスピース、フィルターおよび/またはエアロゾル変性剤とを含んでもよい。
【0146】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための消耗品は、エアロゾル発生材と、エアロゾル発生材貯蔵領域と、エアロゾル発生材移送部品と、エアロゾル発生器と、エアロゾル発生領域と、ハウジングと、ラッパーと、フィルターと、マウスピースおよび/またはエアロゾル変性剤とを含んでもよい。
【0147】
一部の実施態様では供給される物質は、エアロゾル発生材またはエアロゾル化されることを意図していない材料であってもよい。必要に応じて、いずれかの材料は、1つ以上の活性成分、1つ以上の風味料、1つ以上のエアロゾル形成材および/または1つ以上の他の機能性材を含んでもよい。
【0148】
一部の実施態様では供給される物質は、活性物質を含む。
【0149】
本発明で使用する活性物質は生理反応を達成するまたは高めることを意図した材料である生理的に活性な材料である。活性物質は、例えば栄養補助食品、向知性薬、向精神薬から選択されてもよい。活性物質は自然に発生したものまたは合成で得られたものであってもよい。活性物質は、例えばニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6またはB12またはCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、またはこれらの成分、派生物または混合物を含んでもよい。活性物質はタバコ、大麻または他の植物の成分、派生物または抽出物の1つ以上を含んでもよい。
【0150】
一部の実施態様では活性物質はニコチンを含む。一部の実施態様では活性物質はカフェイン、メラトニンまたはビタミンB12を含む。
【0151】
本明細書で説明するように活性物質は植物またはその成分、派生物または抽出物を含むまたはそれらから派生したものであってもよい。ここで言う「植物」なる用語は抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種、花、果実、花粉、殻、さやなどの植物から派生したあらゆる材料を含むがこれらに限定されない。これとは別に材料は植物に天然に存在するまたは合成して得られる活性化合物を含んでもよい。材料は、液体、気体、固体、粉体、塵、粉砕された粒子、粒、ペレット、小片、ストリップ、シートなどの形体であってもよい。植物の例としてはタバコ、ユーカリ、トウシミキ、オオアサ、ココア、大麻、ウイキョウ、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カミツレ、亜麻、ショウガ、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、リコリス(甘草)、抹茶、マテ茶、オレンジの皮、パパイヤ、バラ、セージ、緑茶または紅茶などの茶、タイム、チョウジ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、月桂樹の葉、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモン果皮、ミント、ビャクシン、ニワトコの花、バニラ、ヒメコウジ、シオガマギク、クルクマ、ターメリック、サンダルウッド、シラントロ、ベルガモット、橙花、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン、ハナハッカ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ウイキョウ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、桑、朝鮮人参、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブまたはこれらのあらゆる組み合わせがある。ミントは次のミント種から選択されてもよい、ハッカ、モロッコミント、エジプトミント、ペパーミント、オーデコロンミント、キャンディミント、カーリーミント、ケンタッキーカーネルミント、ホースミント、パイナップルミント、ペニーロイヤルミント、イングリッシュスペアミントおよびマルバハッカ。
【0152】
一部の実施態様では活性物質は、植物またはその成分、派生物または抽出物の1つ以上を含むまたはそれらから派生したものであってもよく、植物はタバコである。
【0153】
一部の実施態様では活性物質は、植物またはその成分、派生物または抽出物の1つ以上を含むまたはそれらから派生したものであってもよく、植物はユーカリ、トウシミキ、ココアおよびオオアサから選択される。
【0154】
一部の実施態様では植物またはその成分、派生物または抽出物の1つ以上を含むまたはそれらから派生したものであってもよく、植物はルイボスおよびウイキョウから選択される。
【0155】
一部の実施態様では物質は、風味料を含む。
【0156】
本明細書中で使用する「風味料」および「風味剤」なる用語は、各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味、匂いまたは他の体性感覚刺激を生じさせるために使用される。それらは自然発生の風味材料、植物、植物の抽出物、合成によって得られた材料またはそれを組み合わせたもの(例えば、タバコ、大麻、リコリス(甘草)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、チョウジ、メイプル、抹茶、メンソール、ニホンハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インドスパイス、アジアスパイス、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ダイオウ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、桑、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワール、キンマ、シーシャ、マツ、ハチミツエキス、バラ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、橙花、サクランボ花、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ワサビ、ピメント、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、オオアサ、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油、ユーカリ、トウシミキ、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、マテ茶、オレンジの皮、バラ、緑茶または紅茶などの茶、タイム、ビャクシン、ニワトコの花、バジル、ローリエの葉、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモン果皮、ミント、シオガマギク、クルクマ、シラントロ、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン、ハナハッカ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ウイキョウ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サイクラミン酸塩、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールなど)や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物または息消臭剤などのその他の添加剤を含む。それらは、模倣物、合成または天然の成分またはそれらのブレンドであってもよい。それらは、例えば油などの液体、粉などの固体または気体などのあらゆる好適な形体であってもよい。
【0157】
一部の実施態様では風味料はメンソール、スペアミントおよび/またはペパーミントを含む。一部の実施態様では風味料はキュウリ、ブルーベリー、柑橘類および/またはレッドベリーの風味成分を含む。一部の実施態様では風味料はオイゲノールを含む。一部の実施態様では風味料はタバコから抽出された風味成分を含む。一部の実施態様では風味料は大麻から抽出された風味成分を含む。
【0158】
一部の実施態様では風味料は、感覚惹起剤を含んでもよく、これはアロマまたは味覚神経に加えてまたは代わりに通常第5脳神経(三叉神経)の刺激によって化学的に誘発そして認識され、それらは加熱、冷却、ヒリヒリ感、しびれ感を与える薬剤を含んでもよい。好適な熱作用剤は、バニリルエチルエーテルであるが、これに限定されず、好適な冷却剤はオイカリプトール、WS-3であるが、これらに限定されない。
【0159】
エアロゾル発生材は、例えば加熱、照射または何らかの他の方法で励起された際にエアロゾルを発生することができる材料である。エアロゾル発生材は、例えば活性物質および/または風味剤を含んでも含まなくてもよい固体、液体またはゲルの形体であってもよい。エアロゾル発生材はエアロゾル発生システムに使用するための物品内に組み込まれてもよい。一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、「非晶質固体」を含んでもよく、これはこれとは別に「モノリシック固体」(即ち、非繊維性)とも言われる。一部の実施態様では非晶質固体は乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、その内部に液体などの流体を保持する固体材料である。一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、約50wt%、60wt%または70wt%の非晶質固体から約90wt%、95wt%または100wt%の非晶質固体を含む。
【0160】
エアロゾル発生材は、1つ以上の活性物質および/または風味料、1つ以上のエアロゾル形成材および必要であれば1つ以上の他の機能材を含んでもよい。
【0161】
エアロゾル形成材は、エアロゾルを形成できる1つ以上の成分を含んでもよい。一部の実施態様ではエアロゾル形成材は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、酢酸ベンジルフェニル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、および炭酸プロピレンのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0162】
1つ以上の機能材は、pHレギュレーター、着色剤、保存料、バインダー、充填材、安定剤および/または酸化防止剤のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0163】
形成材は、基材を形成するために支持体上または内にあってもよい。支持体は、例えば紙、ボール紙、板紙、厚紙、再生材、プラスチック材、セラミック材、複合材料、ガラス、金属または金属合金であってもあるいは含んでもよい。一部の実施態様では支持体はサセプタを含む。一部の実施態様ではサセプタは、上記材料に埋め込まれている。一部の別の実施態様ではサセプタは材料の一方または両側にある。
【0164】
消耗品は、一部またはすべてが使用中にユーザーによって消費されることを意図したエアロゾル発生材を含むまたはそのような発生材からなる物品である。消耗品は、エアロゾル発生材貯蔵領域、エアロゾル発生材移送構成部品、エアロゾル発生領域、ハウジング、ラッパー、マウスピース、フィルターおよび/またはエアロゾル変性剤などの1つ以上の他の構成部品を含んでもよい。また消耗品は、使用時にエアロゾル発生材がエアロゾルを発生するように熱を放射するヒーターなどのエアロゾル発生器を含んでもよい。ヒーターは、例えば燃焼系材、電気伝導によって加熱可能な材料またはサセプタを含んでもよい。
【0165】
サセプタは、交番磁界などの変動磁場の侵入によって加熱可能な材料である。サセプタは、導電性材料であってもよく、変動磁場の侵入によって加熱材の誘導加熱を生じさせるようにしてもよい。加熱材は、導電性材料であってもよく、変動磁場の侵入によって加熱材の磁気ヒステリシス加熱を生じさせるようにしてもよい。サセプタは、導電性および磁力の両方によるものであってもよく、これにより加熱材は両方の加熱機構で加熱可能になる。変動磁場を発生させるように構成されている装置を本明細書では磁場発生器と言う。
【0166】
エアロゾル変性剤は、典型的にはエアロゾル発生領域の下流に位置し、発生したエアロゾルを例えばエアロゾルの味、風味、酸度または別の特徴を変えることによって変性するように構成された物質である。エアロゾル変性剤は、エアロゾル変性剤を選択的に放出するように動作可能なエアロゾル変性剤放出構成部品内に設けてもよい。
【0167】
エアロゾル変性剤は、例えば添加剤または吸着剤であってもよい。エアロゾル変性剤は、例えば風味剤、着色剤、水および炭素吸着剤のうちの1つ以上を含んでもよい。エアロゾル変性剤は、例えば固体、液体またはゲルであってもよい。エアロゾル変性剤は、粉、糸または粒体であってもよい。エアロゾル変性剤はろ過材を含まなくてもよい。
【0168】
エアロゾル発生器は、アロゾル発生材からエアロゾルを発生させるように構成された装置である。一部の実施態様ではエアロゾル発生器は、エアロゾル発生材を熱エネルギーに晒し、エアロゾルを形成するためにエアロゾル発生材から1つ以上の揮発性物質を放出するように構成されたヒーターである。一部の実施態様ではエアロゾル発生器は、熱することなくエアロゾル発生材からエアロゾルを発生させるように構成されている。例えば、エアロゾル発生器は、振動、高圧力または静電エネルギーのうちの1つ以上にエアロゾル発生材を晒すように構成してもよい。
【0169】
例えばロッド状の物品などの物品は、しばしば、製品の長さに従って次のように命名される。「標準」(通常は68~75mm、例えば約68mm~約72mmの範囲)、「ショート」または「ミニ」(68mm以下)、「キングサイズ」(通常は75~91mm、例えば約79mm~約88mmの範囲)、「ロング」または「スーパーキング」(通常は91~105mm、例えば約94mm~約101mmの範囲)、および「超ロング」(通常、約110mm~約121mmの範囲)。
【0170】
それらはまた、タバコの円周に従って次のように命名される。「標準」(約23~25mm)、「ワイド」(25mmを超える)、「スリム」(約22~23mm)、「デミスリム」(約19~22mm)、「スーパースリム」(約16~19mm)、「マイクロスリム」(約16mm未満)。
【0171】
従って、キングサイズの超細型規格の紙巻きタバコは、例えば、長さが約83mm、円周が約17mmである。
【0172】
各フォーマットは異なる長さのマウスピースが設けられてもよい。マウスピースの長さは約30mm~50mmになる。チッピング紙はマウスピースをエアロゾル発生材に接続し、通常は例えば3~10mmの長さでマウスピースより長く、これによりチッピング紙がマウスピースを覆い、例えば基材からなるロッドの形体のエアロゾル発生材に重なり、マウスピースをロッドに接続する。
【0173】
本明細書に記載の物品、エアロゾル発生材およびマウスピースは上記フォーマットのいずれかで作製できるがこれらに限定されない。
【0174】
本明細書で使用する「上流」および「下流」なる用語は、使用の際物品またはデバイスを介して引き込まれる主流煙エアロゾル発生材の方向に対して定義される相対的な用語である。
【0175】
本明細書で説明するフィラメント状のトウ材料はセルロースアセテート繊維トウを含んでもよい。フィラメント状のトウ材料は、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(1,4-ブタンジオールスクシナート)(PBS)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、スターチ系材料、紙、脂肪族ポリエステル材および多糖ポリマーまたはこれらを組み合わせたものなどの繊維を形成するために使用される他の材料を使用して形成してもよい。フィラメント状のトウ材料は、フィルター材がセルロースアセテートトウである場合、トリアセチンなどのフィルター材に適した可塑剤で可塑化してもよく、または可塑化されなくてもよい。トウは、「Y」字状または「X」字状などの他の断面、2.5~15の単糸繊度、例えば8.0~11.0の単糸繊度の繊維のデニール値および5,000~50,000、例えば10,000~40,000の総繊度値を有する繊維のようにあらゆる好適な仕様を使用することができる。
【0176】
本明細書中では「タバコ材」なる用語は、タバコまたはその派生物または代替品を含むあらゆる材料を意味する。「タバコ材」なる用語はタバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品の内の1つ以上を含んでもよい。タバコ材は粉タバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押し出しされたタバコ、タバコ葉柄、再生タバコおよび/またはタバコ抽出物の内の1つ以上を含んでもよい。
【0177】
本明細書で図面において同等の特徴、物品または部材を示す場合には同じ参照番号が使用されている。
【0178】
図1は非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品1の側部断面図である。
【0179】
物品1は、マウスピース2と、マウスピース2に接続されているエアロゾル発生材3、この場合タバコ材とを含む。エアロゾル発生材は、エアロゾル発生セクションの形体、本例では円柱ロッドであってもよい。エアロゾル発生材3は、例えばシステムを形成する例えばコイルを含む非燃焼系エアロゾル供給デバイスなどの本明細書で説明したような非燃焼系エアロゾル供給デバイス内で加熱された際にエアロゾルを供する。他の実施態様では物品1は、別個のエアロゾル供給デバイスを必要とせずにエアロゾル供給システムを形成し、該システムで使用される独自の熱源を含んでもよい。
【0180】
本例ではエアロゾル発生セクションは、エアロゾル発生材3からなる円筒状ロッドの形体のエアロゾル発生材源を含む。他の例では、エアロゾル発生セクションは、エアロゾル発生材源を収容するキャビティを含んでもよい。一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、エアロゾル発生材からなる複数のストランドまたは条片を含む。例えば、エアロゾル発生材は、以下に説明するようなエアロゾル化可能な材料からなる複数のストランドまたは条片および/または非晶質固体からなる複数のストランドまたは条片を含む。一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、エアロゾル化可能な材料からなる複数のストランドまたは条片からなる。
【0181】
1つの実施態様ではエアロゾル発生材3は、エアロゾル発生材からなる複数のストランドまたは条片を含み、ラッパー10に囲まれている。本例ではラッパー10は水分非透過性のラッパーである。
【0182】
エアロゾル発生材からなる複数のストランドまたは条片は、それらの長手方向の寸法がマウスピース2および物品1の長手方向の軸X-X’と平行に位置合わせされるようにエアロゾル発生セクション内で位置合わせされている。これとは別にストランドまたは条片は、それらの位置合わせされた長手方向の寸法が物品の長手方向軸を横断するように配置されてもよい。
【0183】
複数のストランドまたは条片の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%は、それらの長手方向の寸法が物品の長手方向軸と平行に位置合わせされるように配置されてもよい。ストランドまたは条片の大半は、その長手方向の寸法が物品の長手方向軸と平行に位置合わせされるように配置されてもよい。一部の実施態様では複数のストランドまたは条片の約95%~約100%がその長手方向の寸法が物品の長手方向軸と平行に位置合わせされるように配置されている。一部の実施態様ではストランドまたは条片の実質的に全てがその長手方向の寸法が物品の長手方向軸と平行に位置合わせされるようにエアロゾル発生セクションに配置されている。
【0184】
本発明者は、ストランドまたは条片の大半がその長手方向の寸法が物品の長手方向軸と平行に位置合わせされるようにエアロゾル発生セクションに配置されている場合、エアロゾル発生材にエアロゾル発生器を挿入するために必要とされる力を比較的小さくすることができるということを発見した。これは結果として使いやすい物品になる。
【0185】
一部の実施態様エアロゾル発生材3の全てはエアロゾル発生セクションを形成するために折り曲げられたおよび/または長手方向に切れ目が入れられたシート材から形成されている。
【0186】
一部の実施態様ではエアロゾル発生セクションは、約11mm超の長さを有する。
【0187】
一部の実施態様ではエアロゾル発生セクション3は、長手方向の寸法を有し、エアロゾル発生材3のストランドまたは条片は、長手方向に位置合わせされ、選択的にエアロゾル発生材3のストランドまたは条片は、長手方向においてエアロゾル発生セクションの実質的に全長に沿って延びている。
【0188】
一部の実施態様ではエアロゾル発生材3のストランドおよび/または条片のうちの少なくとも1つは、少なくとも約9mmまたは少なくとも約10mmまたは少なくとも約11mmの長さを有する。
【0189】
一部の実施態様ではエアロゾル発生セクション3のストランドおよびまたは条片の充填密度は、約400mg/cm3および約900mg/cm3である。
【0190】
一部の実施態様ではエアロゾル発生材3は、再生タバコ材を含む。一部の実施態様ではタバコ材は、約10重量%~約25重量%のグリセロールを含む。
【0191】
一部の実施態様では水分非透過性ラッパーがエアロゾル発生材3を囲んでいる。水分非透過性ラッパーは金属層、例えばアウミニウムを含む。水分非透過性ラッパーは、約40gsm超または約45gsm超または約50gsm超の坪量を有してもよい。
【0192】
一部の実施態様では物品1は、エアロゾル発生セクション内に挿入するためのエアロゾル発生器を含む非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するために構成されている。本例ではエアロゾル発生器は、ヒーターから形成され、本発明の物品は、エアロゾル発生材のロッド内にエアロゾル発生器を収容するように構成されている。
【0193】
本明細書ではエアロゾル発生基材3とも言うエアロゾル発生材3は、少なくとも1つのエアロゾル形成材を含む。本例ではエアロゾル形成材はグリセロールである。これとは別の例ではエアロゾル形成材は、ここで説明する別の材料またはその組み合わせであってもよい。エアロゾル形成材は、エアロゾル発生材から消費者への風味化合物などの化合物を移動させやすくすることによって物品の知覚性能を向上させることがわかっている。しかしながら、非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品内のエアロゾル発生材にそのようなエアロゾル形成材を加えることで、エアロゾル形成材が加熱によってエアロゾル化される際に、物品によって送出されるエアロゾルの質量をエアロゾル化されたエアロゾル形成材が増加させ、この増加した質量が、それがマウスピースを通過する際により高い温度を維持するとういう問題がある。エアロゾル化したエアロゾル形成材がマウスピースを通過する際、エアロゾルが熱をマウスピース内に伝え、これが使用時に消費者の唇を接触する領域を含むマウスピースの外面を熱する。このマウスピースの温度は、消費者が例えば従来の紙巻きタバコの喫煙時に慣れている温度よりかなり高くなり、これはこのようなエアロゾル形成材に使用によって生じる望ましくない効果である。
【0194】
本例ではマウスピースは、本例では中空の管よって形成され、また冷却部材または冷却セクションとも言われる管状部分4aを含む。マウスピース2は、本例では管状部分4aの下流、この例では管状部分4aに隣接し、当接関係にある材料体6を含む。材料体6および管状部分4aは、それぞれ実質的に円筒状の全体外形を画定し、共通の長手方向軸を共有する。
【0195】
管状部分4aは、中空の流路を含み、約1mm~約4mm、例えば約2mm~約4mmの内径を有する。本例では中空の流路は、約3mmの内径を有する。中空の流路は、管状部分4aの全長に沿って延びている。本例では管状部分4aは、単独の中空の流路を含む。別の実施態様では管状部分4aは、複数の流路、例えば、2、3または4つの流路を含む。本例では単独の中空の流路は、実質的に円筒状であるが、別の実施態様では他の流路形状/断面も使用してもよい。中空の流路は、空間を供し、その中で管状部分4a内に引き込まれたエアロゾルが膨張し、冷える。すべての実施態様において管状部分4aは、1つ以上の中空の流路の断面積を制限し、使用の際、冷却セクション内へのタバコの移動を制限するように構成されている。
【0196】
エアロゾル発生材のロッドと本例では管状部分4aである冷却セクションは、それぞれ物品1の長手方向軸に垂直に測定された断面積を有する。冷却セクションは、冷却セクションの断面積の最大パーセンテージが1つ以上の中空の流路によって例えば断面積の約45%未満、断面積の約32%未満または断面積の約25%未満占められるように構成されている。本例では冷却セクションの断面積の約18%が中空の流路によって占められている。さらにまたはこれとは別に冷却セクションの断面積の少なくとも約4%が中空の内方流路によって占められ、少なくとも約6%または少なくとも約8%の割合で占められる。一部の例では冷却セクションの断面積の4%~32%が中空の内方流路によって占められている。表1は、一連の冷却セクションの場合の3または3.9mmいずれかの内径の中空の冷却セクションによって占められる冷却セクション断面積の例示的割合を示している。計算のために冷却セクションの断面積は、適用されるチッピング紙無しの冷却セクションの直径に基づいて計算され、測定は、エアロゾル発生セクションに直に当接する冷却セクションの寸法に基づいている。
【0197】
【0198】
材料体6は第1のプラグラッパー7に包まれている。本例では管状部分4aと材料体6は、これら両方のセクションに巻かれる第2のプラグラッパー9を使用して組み合わされる。チッピング紙5がマウスピース2の全長およびエアロゾル発生材のロッド3の一部に亘って巻かれ、その内面に接着剤を有し、マウスピース2とロッド3を接続する。
【0199】
本例では管状部分4aは、中空の管を形成するために接合した継ぎ目を有して平行に巻かれた紙の複数の層から形成される。本例では第1および第2の紙の層は二重の管に供されるが、他の例では3、4またはそれ以上の層を使用して3重、4重またはそれ以上重ねた管を形成してもよい。他の構造、例えば螺旋状に巻かれた紙の層、ボール紙管、混凝紙型工程を使用して形成された管、成型または押し出しされたプラスチック管または類似するものも使用できる。
【0200】
管状部材4aは、壁4bを有し、その厚さは少なくとも約325μmそして約2mm以下、好ましくは500μm~1.5mm、より好ましくは750μm~1mmである。本例では管状部分4aは、約1mmの壁厚を有する。管状部分4aの「壁厚」は、管状部分4aの半径方向の壁の厚さに対応する。これは、例えばノギスを使用して測定される。
【0201】
一部の実施態様では管状部分4aの壁4bの厚さは、少なくとも325ミクロン、好ましくは少なくとも400、500、600、700、800、900または1000ミクロンである。一部の実施態様では管状部分4aの壁4bの厚さは、少なくとも1250または1500ミクロンである。
【0202】
一部の実施態様では管状部分4aの壁4bの厚さは、2500ミクロン未満、好ましくは2000ミクロン未満、好ましくは1500ミクロン未満である。
【0203】
管状部分4aの壁4bの厚さを厚くすることは、それがより大きな熱質量を持つことを意味し、これは管状部分4aを通過するエアロゾルの温度を下げることに役立ち、管状部分4aの下流の位置でマウスピース2の表面温度を下げることに役立つことがわかっている。これは管状部分4aのより大きな熱質量により管状部分4aが薄い壁厚の管状部分と比較してより多くの熱を吸収できるようにするからであると考えられている。管状部材4aの厚みを厚くすることでエアロゾルから少ない熱が材料体6などのマウスピース2、2’の外方部分へ移行するようにマウスピース2、2’内の中央にエアロゾルを向かわせる。
【0204】
管状部分4aは、製造時または物品1の使用時の軸方向の圧縮力および曲げモーメントに耐えるために充分な剛性を有するように製造されている。
【0205】
管状部分4aの壁材は、エアロゾル発生材3によって発せられたエアロゾルの少なくとも90%が管状部分4aの壁材ではなく、1つ以上の中空の流路を長手方向に通過するように比較的非孔性にしてもよい。例えば、エアロゾル発生材3によって発せられたエアロゾルの少なくとも92%または少なくとも95%が1つ以上の中空の流路を通過できる。
【0206】
一部の実施態様では管状部分4aは、冷却セクション8を形成するために接合した継ぎ目を有する平行に巻かれた複数の紙の層またはらせん状に巻かれた紙の層、ボール紙管、混凝紙型処理の成型または押し出しされたプラスチック管などを使用して形成された管を含む。
【0207】
一部の別の実施態様では管状部分4aはフィラメント状のトウから形成される。管状部分4aを形成するフィラメント状のトウは、好ましくは、45,000未満、より好ましくは42,000未満の総繊度を有する。この総繊度によって高密度過ぎない管状部分4aを形成することができることが分かっている。好ましくは、総繊度は、少なくとも20,000、より好ましくは少なくとも25,000である。好ましい実施態様では管状部分4aを形成するフィラメント状のトウは、25,000~45,000、より好ましくは35,000~45,000の総繊度を有する。好ましくは、フィラメント状のトウの断面形状は、「Y」字形状であるが、他の実施態様では「X」字形状フィラメントなどの他の形状も使用可能である。管状部分4aを形成するフィラメント状のトウは、単糸繊度が好ましくは3超である。この単糸繊度によって高密度過ぎない管状部分4aを形成することができることが分かっている。好ましくは、単糸繊度は少なくとも4、より好ましくは少なくとも5である。好ましい実施態様では管状部分4aを形成するフィラメント状のトウは、単糸繊度が4~10、より好ましくは4~9である。1つの例では管状部分4aを形成するフィラメント状のトウは、セルロースアセテートから形成され、例えばトリアセチンなどの18%可塑剤を含む8Y40,000トウを有する。
【0208】
好ましくは管状部分4aを形成する材料の密度は、1立方センチメートル当たり少なくとも約0.20グラム(g/cc)、より好ましくは少なくとも約0.25g/ccである。好ましくは管状部分4aを形成する材料の密度は、1立方センチメートル当たり約0.80グラム未満(g/cc)、より好ましくは0.6g/ccである。一部の実施態様では管状部分4aを形成する材料の密度は、0.20~0.8g/cc、より好ましくは0.3~0.6g/ccまたは0.4g/cc~0.6g/ccまたは約0.5g/ccである。これらの密度は、高密度な材料によって生じた良好な堅さと物品の全体重量の最小化とが良好に両立されることが分かっている。本開示の目的のために管状部分4aを形成する材料のの「密度」は、組み込まれているなんらかの可塑剤を含む部材を形成するフィラメント状のトウの密度を意味する。密度は、管状部分4aを形成する材料の総重量を中空の管状構成部品4の総容積で割ることによって定められ、総容積は、例えばノギスを使用して管状部分4aの適当な測定を使用して算出することができる。必要であれば顕微鏡を使用して、適当な寸法を測定してもよい。
【0209】
物品1は物品を介して引き込まれるエアロゾルの約75%の換気レベルを有する。別の実施態様では物品は物品を介して引き込まれるエアロゾルの50%~80%、例えば65%~75%の換気レベルを有してもよい。これらのレベルの換気は、マウスピース2を介して引き込まれるエアロゾルの流れの減速を補助し、これによりエアロゾルをそれがマウスピース2の下流端部2bの到達する前に冷ますことができる。換気は、物品1のマウスピース2内に直接設けられる。本例では換気は管状部分4a内に設けられ、これはエアロゾル発生工程を補助するという点で特に有益であることがわかっている。換気は、マウスピース2の下流吸い口端部2bからそれぞれ17.925mmおよび18.625mmの位置で、この場合レーザーによる穿孔として形成された第1および第2の平行な列の換気孔12を介して設けられる。これらの換気孔は、チッピング紙5、第2のプラグラッパー9および管状部分4aを通る。別の実施態様では換気は他の位置でマウスピース内に設けることができる。例えば、換気を材料体6に設けてもよい。
【0210】
これとは別に換気を管状部分4aが位置する物品の部分内に例えばレーザーによるミシン目などの換気孔の単独の列を介して設けてもよい。これにより結果としてエアロゾルが良好に形成され、これは所定の換気レベルの場合に複数の換気孔の列より換気孔を介した空気流がより均一になることによると考えられる。
【0211】
エアロゾル温度は、一般に換気レベルが降下するほど高くなることがわかっている。しかしながら、エアロゾル温度と換気レベルの関係は、直線的ではなく、例えば製造公差による換気の違いを伴い、低い目標換気レベルでは影響がない。例えば、75%の目標換気レベルの場合の±15%の換気公差ではエアロゾル温度は、低い換気リミット(60%換気)では約6℃上昇し得る。しかしながら、60%の目標換気レベルの場合、エアロゾル温度は、低い換気リミット(45%換気)で約3.5℃しか上昇しない。本発明の物品の目標換気レベルは、したがって40%~70%、例えば45%~65%の範囲内である。これは少なくとも20の物品の平均換気レベルが40%~70%、例えば45%~70%または51%~59%になり得る。
【0212】
一部の実施態様では管状部分4aの壁4bの通気度は、少なくとも100コレスタ単位、好ましくは少なくとも500コレスタ単位である。一部の実施態様では通気度は少なくとも1000または2000コレスタ単位である。管状部分4aの壁4bの通気度は、シガレットペーパー、フィルタープラグラッパーおよびフィルター接合ペーパーとして使用される材料の空気透過度の測定に関するISO 2965:2009に従って測定することができる。
【0213】
管状部分4aの比較的高い通気度はエアロゾルから管状部分4aへ移行する熱の量を増大させ、したがってエアロゾルの温度を下げることがわかっている。また管状部分4aの通気度は、エアロゾルから管状部分4aへ移行する水分量を増加させることがわかっており、これはユーザーの口でのエアロゾルの感覚を向上させることがわかっている。管状部分4aの高い通気度は、レーザーを使用して換気孔12を切りやすくし、レーザーのパワーを小さくして使用できる。
【0214】
他の実施態様では本発明の物品は、物品を介して引き込まれるエアロゾルの約10%の換気レベルを有する。別の実施態様では本発明の物品は、物品を介して引き込まれるエアロゾルの1%~20%、例えば1%~12%の換気レベルを有する。これらのレベルの換気は、吸い口端2bでユーザーによって吸入されるエアロゾルの均一性を増加させることに役立ち、エアロゾル冷却工程を補助する。換気は、物品1のマウスピース2内に直接設けられる。本例では換気は管状部分4a内に設けられ、これはエアロゾル発生工程を補助するという点で特に有益であることがわかっている。換気は、穿孔によって、本例ではマウスピース2の下流の吸い口端2bから13mmの所に位置するレーザーによるミシン目の単独の列として供される。別の実施態様では2またはそれ以上の列の換気ミシン目を設けてもよい。これらのミシン目は、チッピング紙5、第2のプラグラッパー9および管状部分4aを貫通している。別の実施態様では換気は、例えば材料体6または中空の管状構成部品7、9などの他の位置でマウスピースに設けることもできる。好ましくは本発明の物品は、ミシン目が物品1の上流端部から約28mm以下、好ましくは物品1の上流端部から20mm~28mmの所に設けられる。本例では開口部は、物品の上流端部から約25mmの所に設けられている。
【0215】
一部の例では本明細書で説明するエアロゾル発生材3は、第1のエアロゾル発生材であり、管状部分4aは、第2のエアロゾル発生材を含んでもよい。1つの例では管状部分4aの壁4bは、第2のエアロゾル発生材を含む。例えば、第2のエアロゾル発生材は、管状部分4aの内面に配置することができる。
【0216】
第2のエアロゾル発生材は、少なくとも1つのエアロゾル形成材を含み、また少なくとも1つのエアロゾル変性剤または他の知覚材料を含む。エアロゾル形成材および/またはエアロゾル変性剤は、本明細書で説明するエアロゾル形成材またはエアロゾル形成材のいずれかまたはその組み合わせであってもよい。
【0217】
本明細書では第1のエアロゾルとも言われるエアロゾル発生材3から発せられたエアロゾルは、マウスピースの管状部分4aを介して引き込まれると、第1のエアロゾルからの熱が第2のエアロゾル発生材のエアロゾル形成材をエアロゾル化して第2のエアロゾルを発生させる。第2のエアロゾル発生材は、第1のエアロゾル発生材の風味に加えてまたはこれを補うために風味料を含んでもよい。
【0218】
管状部分4aに第2のエアロゾル発生材を設けることで第1のエアロゾルの風味または見た目を良くし、補うことになる。
【0219】
本例では物品1は約21mmの外周を有する(即ち、物品はデミ-スリムフォーマットである)。好ましくは、物品1は、19mm超の円周を有するエアロゾル発生材のロッドを有する。これは消費者に好まれる通常のエアロゾル発生期間に亘って良好且つ持続したエアロゾルを発生させることに充分な円周を供することがわかっている。物品は熱せられると、熱がエアロゾル発生材のロッド3を通って移動し、ロッドの化合物を揮発させ、19mm超の円周は、このようにエアロゾルを発生させることに特に効果的であるということがわかっている。物品はエアロゾルを放出するために加熱されるので、良好な加熱効率は、23mm未満の円周を有する物品によって達成される。好適な製品長さを維持しつつ、加熱による良好なエアロゾルを得るために19mm超~23mm未満のロッド円周が好ましい。一部の例ではロッド円周は、20mm~22mmであってもよく、これは効果的なエアロゾルの送出と効率的な加熱を良好に両立する。他の例では、物品は、例えば20mm~26mmの外周を有する本明細書で説明するフォーマットで提供されてもよい。
【0220】
マウスピース2の外周は実質的にエアロゾル発生材のロッド3の外周と同じであり、これによりこれらの部材間が円滑になる。本例ではマウスピース2の外周は約20.8mmである。
【0221】
本例ではチッピング紙5は、エアロゾル発生材ロッド3上を5mmに亘って延びるが、これとは別にロッド上を3mm~10mm、より好ましくは4mm~6mmに亘って延び、マウスピース2とロッド3を確実に取り付けられるようにしてもよい。チッピング紙は、20gsm超、例えば25gsm超または好ましくは30gsm超、例えば37gsmの坪量を有してもよい。これらの範囲の坪量は、許容できる引張強度を有しつつ、物品1を包むのに充分に可撓性であり、紙の長手方向の抑え継ぎ目に沿ってそれ自体に接着するチッピング紙が結果として得られることが分かっている。チッピング紙5のマウスピース2に巻かれた後の外周は、約23mmである。
【0222】
一部の実施態様ではチッピング紙5は、物品1に使用されるプラグラッパーの坪量より大きい坪量を有してもよく、例えば40gsm~80gsm、より好ましくは50gsm~70gsm、本例では58gsmの坪量を有してもよい。これらの範囲の坪量は、許容できる引張強度を有しつつ、物品1を包むのに充分に可撓性であり、紙の長手方向の抑え継ぎ目に沿ってそれ自体に接着するチッピング紙が結果として得られることが分かっている。チッピング紙5の外周は、マウスピース2に巻かれると約21mmになる。
【0223】
一部の例ではチッピング紙は、クエン酸ナトリウムまたはクエン酸カリウムなどのクエン酸塩を含む。そのような例ではチッピング紙5のクエン酸塩の含有量は、2重量%以下または1重量%以下であってもよい。チッピング紙5のクエン酸塩の含有量を減らすことは、使用時に起こる焦がし効果を減少させることを補助すると考えられている。
【0224】
一部の実施態様では第1のプラグラッパー7は、50gsm未満、より好ましくは約20gsm~40gsmの坪量を有する。好ましくは、第1プラグラッパー7は、30μm~60μm、より好ましくは35μm~45μmの厚さを有する。好ましくは、第1プラグラッパー7は、例えば100コレスタ単位未満、例えば50コレスタ単位未満の通気性を有する非孔性プラグラッパーである。しかしながら、他の実施態様では第1プラグラッパー7は、例えば200コレスタ単位超の通気性を有する多孔性プラグラッパーであってもよい。好ましくは、材料体の長さは、約20mmである。本例では材料体6の長さは16mmである。
【0225】
好ましくは材料体6の長さは、約15mm未満である。より好ましくは材料体5の長さは、約12mmである。さらにまたは別例として材料体6の長さは、少なくとも約5mmである。好ましくは材料体6の長さは、少なくとも約8mmである。一部の好ましい実施態様では材料体6の長さは、約5mm~約15mm、より好ましくは約6mm~約12mm、さらにより好ましくは約6mm~約10mm、最も好ましくは約6mm、7mm、8mm、9mmまたは10mmである。本例では材料体6の長さは10mmである。
【0226】
本例では材料体6はフィラメント状のトウから形成される。本例では材料体6に使用されるトウは、8.4の単糸繊度(d.p.f.)および21,000の総繊度を有する。これとは別にトウは、例えば9.5の単糸繊度(d.p.f.)と12,000の総繊度を有してもよい。これとは別に材料体6は、単糸繊度(d.p.f)が5で、総繊度が25,000であっ
てもよい。本例ではトウは可塑化されたセルロースアセテートトウを含む。トウに使用される可塑剤は約7重量%のトウを含む。これとは別にトウに使用する可塑剤は、トウの約9重量%含まれる。本例では可塑剤はトリアセチンである。他の例では、材料体6を形成するために異なる材料を使用することができる。例えば、トウではなく、材料体6は、例えば紙巻きタバコに使用するための従来の紙フィルターと同じように紙から形成することも可能である。これとは別に材料体6は、セルロースアセテート以外のトウ、例えばポリ乳酸(PLA)、フィラメント状のトウについて本明細書で説明した他の材料または類似の材料から形成することも可能である。トウはセルロースアセテートから形成されるのが好ましい。セルロースアセテートまたは他の材料から形成されるに関係無くトウは、好ましくは少なくとも5、より好ましくは少なくとも6およびさらにより好ましくは少なくとも7のd.p.f.を有する。単糸繊度のこれらの値は、比較的粗く、厚く、これより小さいd.p.f.値を有するトウよりマウスピース2の圧力降下を小さくする狭い表面積の繊維を有するトウを供する。好ましくは充分に均一な材料体6を得るためにトウは12d.p.f.以下、好ましくは11d.p.f.以下そしてさらに好ましくは10d.p.f.以下の単糸繊度を有する。他の例では、材料体6を形成するために異なる材料を使用することができる。例えば、トウではなく、材料体6は、例えば紙巻きタバコに使用するための従来の紙フィルターと同じように紙から形成することも可能である。紙または他のセルロース系材料を材料体6を形成するために折り曲げられるおよび/または縮れさせるシート材の1つ以上の部分として供してもよい。シート材は、15gsm~60gsm、例えば20~50gsmの坪量を有してもよい。シート材は、例えば15~25gsm、25~30gsm、30~40gsm、40~45gsmおよび45~50gsmの範囲のいずれかの坪量を有してもよい。さらにまたはこれとは別にシート材は、50mm~200mm、例えば60mm~150mmまたは80mm~150mmの幅を有してもよい。例えば、シート材は、20~50gsmの坪量および80mm~150mmの幅を有してもよい。これにより例えばセルロース系の材料体が本明細書で説明するような寸法を有する物品のための適した圧力降下にすることを可能にする。
【0227】
トウはセルロースアセテートから形成されるのが好ましい。セルロースアセテートまたは他の材料から形成されているかにかかわらずトウは、好ましくはd.p.f.が少なくとも5である。好ましくは充分に均一な材料体6を得るためにトウは12d.p.f.以下、好ましくは11d.p.f.以下そしてさらに好ましくは10d.p.f.以下の単糸繊度を有する。
【0228】
材料体6を形成するトウの総繊度は、好ましくは最大で30,000、より好ましくは最大で28,000およびさらにより好ましくは最大で25,000である。総繊度のこれらの値によってマウスピース2の断面積の占める割合が少ないトウが供され、結果としてこれより高い総繊度値を有するトウよりマウスピース2の圧力降下が低くなる。材料体6の適した硬度のためにトウは、好ましくは少なくとも8,000、より好ましくは少なくとも10,000の総繊度を有する。好ましくは単糸繊度は、5~12であり、総繊度は、10,000~25,000である。より好ましくは単糸繊度は、6~10であり、総繊度は、11,000~22,000である。好ましくはトウのフィラメントの断面形状は、「Y」字形状であるが、他の実施態様では本明細書で供されるd.p.f.と総繊度値と同じ値の「X」字形状フィラメントなどの他の形状も使用可能である。
【0229】
トウのフィラメントの断面の等周定理比L2/Aは、25以下、20以下または15以下であり、ここでLは断面の外周の長さであり、Aは断面積である。トウのこのようなフィラメントは、単糸繊度が一定の値の場合、比較的小さい表面積を有し、これにより消費者へ良好にエアロゾルが送出される。
【0230】
所定のトウの仕様(8.4Y21000)の場合、トウを使用して形成されたロッドの長さを介した圧力降下を表すトウ容量曲線を重量の範囲のそれぞれの場合に発生させることが知られている。ロッド長さおよび円周、ラッパーの厚さおよびトウの可塑化材の量などのパラメータが特定され、これらはトウ容量曲線を得るためにトウの仕様と組み合わされ、この曲線は、標準的なロッド形成機械を使用して達成される最大および最小重量の間の異なるトウ重量によって供されるであろう圧力降下の指標を与える。このようなトウ容量曲線は、例えばトウの供給元から入手可能なソフトウェアを使用して計算することができる。フィラメント状のトウの場合に発生したトウ容量曲線の最大および最小重量間の範囲の約10%~約30%である材料体の長さ1mm当たりの重量を有するフィラメント状のトウを含む材料体6を使用することは特に有利であることがわかっている。これは、本明細書に記載の大きさのカプセルの場合にカプセルをトウ内に配置しやすくしつつ、材料体6が形成された後の収縮を避けるために充分なトウ重量を供し、許容できる圧力降下を供することを許与できるバランスで供することができる。
【0231】
一部の実施態様では材料体6を形成するために使用される材料に関係無く、材料体6の圧力降下は、例えば材料体6の長さ1mm当たり0.3~5mmWG、例えば材料体6の長さ1mm当たり0.5mmWG~2mmWGであってもよい。圧力降下は、例えば長さ1mm当たり0.5~1mmWG、長さ1mm当たり1~1.5mmWGまたは長さ1mm当たり1.5~2mmWGであってもよい。材料体6の総圧力降下は、例えば3mmWG~8mmWGまたは4mmWG~7mmWGであってもよい。材料体6の総圧力降下は、約5、6または7mmWGであってもよい。
【0232】
好ましくは管状部分4aの長さは、約50mm未満である。より好ましくは管状部分4aの長さは約40mm未満である。さらにより好ましくは管状部分4aの長さは約30mm未満である。さらにまたは別例として管状部分4aの長さは、好ましくは少なくとも約10mmである。好ましくは管状部分4aの長さは、少なくとも約12mmまたは少なくとも約15mmである。一部の好ましい実施態様では管状部分4aの長さは、約15mm~約35mm、より好ましくは約20mm~約30mm、さらにより好ましくは約22~約28mmまたは23~27mmまたは24乃至26mmそして最も好ましくは約25mmである。本例では管状部分4aの長さは25mmである。一部の実施態様では管状部分4aの長さは、約12mm~約20mm、より好ましくは約15mm~19mmまたは約16mm~約19mmである。
【0233】
好ましくは第2のプラグラッパー9は、50gsm未満、より好ましくは約20gsm~45gsmの坪量を有する。好ましくは第2のプラグラッパー9は、30μm~60μm、より好ましくは35μm~45μmの厚さを有する。第2のプラグラッパー9は、好ましくは100コレスタ単位未満、例えば50コレスタ単位未満の通気性を有する非孔性プラグラッパーである。しかしながら、別の実施態様では第2のプラグラッパー9は、例えば200コレスタ単位超の通気性を有する多孔性プラグラッパーであってもよい。
【0234】
管状部分4aは、マウスピース2の周囲に位置し、マウスピース内に空隙を画定し、これは冷却セグメントとして作用する。空隙は、エアロゾル発生材3によって発生させた加熱された揮発成分が流れるチェンバーを供する。管状部分4aは、エアロゾルの堆積のためのチェンバーを供するために中空であり、それでも製造中そして物品1が使用されている間に生じるかもしれない軸方向の圧縮力および曲げ運動に充分耐える堅さを有する。管状部分4aは、エアロゾル発生材3と材料体6の間を物理的に移動する。管状部分4aによる物理的移動は、管状部分4aの長さに亘って温度勾配を供する。
【0235】
好ましくはマウスピース2は、110mm3超、好ましくは少なくとも115mm3の内部容積を有するキャビティを含む。少なくともこの容積のキャビティを設けることで良好なエアロゾルを形成できることが分かっている。より好ましくはマウスピース2は、例えば管状部分4a(例えば流路)内に形成され、内部容積が110mm3超、少なくとも115mm3、さらにより好ましくは130mm3超であって、さらにエアロゾルを向上させるキャビティを含む。一部の例では内部キャビティは、約130mm3~約230mm3、例えば約134mm3または227mm3の容積を含む。一部の実施態様ではキャビティの容積は、少なくとも125mm3である。
【0236】
一部の実施態様ではマウスピース2は、450mm3超の内部容積を有するキャビティを含む。少なくともこの容積のキャビティを設けることで良好なエアロゾルを形成できることが分かっており、加熱された揮発成分は温かくなりすぎたエアロゾルになってしまうので、このようなキャビティの大きさによってその揮発成分を冷やせる充分な空間をマウスピース2内に設けることができ、従ってもしそうでなければそれより高い温度にエアロゾル発生材3が晒されることになる。本例ではキャビティは管状部分4aによって形成されるが、別の構成ではマウスピース2の異なる部分内に形成することも可能である。より好ましくはマウスピース2は、例えば500mm3超、さらにより好ましくは550mm3超の内部容積を有する管状部分4a内に形成されたキャビティを含み、さらにエアロゾルを改善する。一部の例では内部キャビティは、約550mm3~約750mm3、例えば約600mm3または700mm3の容積を含む。
【0237】
管状部分4aは、管状部分4aの第1の上流端部に入る加熱されて揮発した成分と管状部分4aの第2の下流端部を出る加熱されて揮発した成分との間で少なくとも40℃の温度差を設けるように構成することができる。管状部分4aは、好ましくは管状部分4aの第1の上流端部に入る加熱されて揮発した成分と管状部分4aの第2の下流端部を出る加熱されて揮発した成分との間で少なくとも60℃、好ましくは少なくとも80℃およびより好ましくは少なくとも100℃の温度差を供するように構成される。管状部分4aの長さに亘るこの温度差は、加熱された際のエアロゾル発生材3の高温から温度感受性の材料体6を保護する。
【0238】
別の実施態様では管状部分4aは、別の冷却構成部品、例えばエアロゾルを長手方向に通過させ、エアロゾルの冷却機能も行う材料体から形成された構成部品に置き換えることもできる。
【0239】
物品1のマウスピース2は、エアロゾル発生材3に隣接する上流端部3aと、エアロゾル発生材から遠位にある下流端部2bとを含む。
【0240】
マウスピース、例えばエアロゾル発生材3の下流の物品1の部分の圧力降下または圧力差(吸引抵抗とも言われる)は、好ましくは約40mmH2O未満である。このような圧力降下は、風味化合物などのを含む充分なエアロゾルがマウスピース2を介して消費者に移動できるようにすることが分かっている。より好ましくはマウスピース2の圧力降下は、約32mmH2O未満である。一部の実施態様では31mmH2O未満、例えば約29mmH2O、約28mmH2Oまたは約27.5mmH2Oの圧力降下を有するマウスピース2を使用することで特にエアロゾルが改善された。これとは別にまたはこれに加えてマウスピース圧力降下は、少なくとも10mmH2O、好ましくは少なくとも15mmH2Oそしてより好ましくは少なくとも20mmH2Oである。一部の実施態様ではマウスピース圧力降下は、約15mmH2O~40mmH2Oであってもよい。これらの値によりマウスピース2がエアロゾルがマウスピース2を通過する際にエアロゾルを減速させ、これによりエアロゾルの温度がマウスピース2の下流端部2bに到達する前に低下する時間がある。
【0241】
一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、エアロゾル発生セクション内で約400mg/cm3~約800mg/cm3の充填密度を有する。これより充填密度が高くなると、エアロゾル供給デバイスのエアロゾル発生器をエアロゾル発生材内に挿入しにくくなり、また圧力降下を大きくする。400mg/cm3より低い充填密度は、物品の剛性を低下させる。さらに充填密度が低すぎると、エアロゾル発生材はエアロゾル供給デバイスのエアロゾル発生器を効果的に把持しない場合がある。
【0242】
一部の実施態様ではエアロゾル発生セクションの容積の少なくとも70%は、エアロゾル発生材で満たされる。一部の実施態様ではキャビティの容積の約75%~約85%はエアロゾル発生材で満たされる。
【0243】
本例ではエアロゾル発生材3はラッパー10に包まれている。ラッパー10は、例えば紙または紙に支持された箔のラッパーであってもよい。ラッパー10は、水分非透過性ラッパーであってもよい。
【0244】
本例ではラッパー10は実質的に空気を通さない。別の実施態様ではラッパー10は、好ましくは100コレスタ単位未満、より好ましくは60コレスタ単位未満の通気度を有する。低通気性、例えば100コレスタ単位未満、より好ましくは60コレスタ単位未満の通気性のラッパーは、結果としてエアロゾル発生材3でのエアロゾルの形成を向上させることになることが分かっている。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、これはラッパー10を介したエアロゾル化合物の損失が少なくなることによると推定される。ラッパー10の通気性は、シガレットペーパー、フィルタープラグラッパーおよびフィルター接合ペーパーとして使用される材料の空気透過度の測定に関するISO 2965:2009に従って測定することができる。
【0245】
本実施態様ではラッパー10はアルミニウム箔を含む。他の実施態様ではラッパー10は、任意にラッパーの材料を実質的に水分非透過性にするバリアコーティングを含む紙のラッパーを含む。アルミニウム箔は、エアロゾル発生材3内でエアロゾルの形成を高める上で特に効果的であることが分かっている。本例ではアルミニウム箔は厚さが約6μmの金属層を有する。本例ではアルミニウム箔は台紙を有する。しかしながら、別の構成ではアルミニウム箔は、他の厚さ、例えば4μm~16μmの厚さであってもよい。またアルミニウム箔は、台紙を必要としないが、例えば箔に適度な引っ張り強度を供するのに役立つ他の材料から形成された裏当て材を有することも可能であり、あるいは裏当て材を持たなくてもよい。アルミニウム以外の金属層または箔も使用可能である。ラッパーの厚さの合計は、好ましくは20μm~60μmの間、より好ましくは30μm~50μmで、適した構造的完全性および伝熱特性を有するラッパーを供することができる厚さである。ラッパーが破れるまでのラッパーに加えることができる張力は、3,000グラム重量超、例えば3,000~10,000グラム重量または3,000~4,500グラム重量である。
【0246】
ラッパー10が紙または紙の台紙、即ちセルロース系材料を含む場合、ラッパーは約30gsm超の坪量を有してもよい。例えば、ラッパーは約40gsm~約70gsmの範囲の坪量を有してもよい。本発明者はこのような坪量はエアロゾル発生材ロッドの剛性を向上させるという有利な発見をした。この範囲の坪量を有するラッパーによって供される向上した剛性は、物品が使用時に例えば物品がデバイスに挿入されるおよび/または熱発生器が物品に挿入される際に物品が受ける力による揉み潰しまたはたの変形に対してエアロゾル発生材ロッド3が抵抗できるようにする。剛性が増したエアロゾル発生材のロッドを供することは、エアロゾル発生材3からなる複数のストランドまたは条片がそれらの長手方向の寸法が長手方向軸に平行に位置合わせされるようにエアロゾル発生セクション内で位置合わせされる場合に都合がよい。なぜなら長手方向に位置合わせされたエアロゾル発生材からなるストランドまたは条片は、ストランドまたは条片が位置合わせされていない場合よりエアロゾル発生材のロッドに供する剛性が小さいからである。エアロゾル発生材のロッドの剛性の向上は、物品が使用時に受ける大きな力に物品が耐えられるようにする。
【0247】
一部の実施態様では水分非透過性ラッパーは、実質的に空気に対しても非透過性であってもよい。別の実施態様ではラッパー10は、好ましくは100コレスタ単位未満、より好ましくは60コレスタ単位未満の通気度を有する。低通気性、例えば100コレスタ単位未満、より好ましくは60コレスタ単位未満の通気性のラッパーは、結果としてエアロゾル発生材3でのエアロゾルの形成を向上させることになることが分かっている。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、これはラッパー10を介したエアロゾル化合物の損失が少なくなることによると推定される。ラッパー10の通気性は、シガレットペーパー、フィルタープラグラッパーおよびフィルター接合ペーパーとして使用される材料の空気透過度の測定に関するISO 2965:2009に従って測定することができる。
【0248】
他の実施態様ではエアロゾル発生材3を囲むラッパー10は高いレベルの通気度、例えば約1000コレスタ単位超または約1500コレスタ単位超または約2000コレスタ単位超の通気度を有する。ラッパー10の通気性は、シガレットペーパー、フィルタープラグラッパーおよびフィルター接合ペーパーとして使用される材料の空気透過度の測定に関するISO 2965:2009に従って測定することができる。
【0249】
ラッパー10は、固有の高いレベルの通気度を有する材料、本質的に多孔性の材料から形成されてもよく、あるいは通気度の最終的なレベルが通気性の区間または領域を有するラッパー10を供することによって得られる場合、あらゆるレベルの固有の通気度を有する材料から形成してもよい。通気性ラッパー10を設けることで空気が物品に入る経路が得られる。ラッパー10にはエアロゾル発生材のロッドを介して入る空気の量がマウスピースの換気孔12を介して物品に入る空気の量より相対的に多くなるように通気性を付与してもよい。この構成の物品はより風味に満ちたエアロゾルを発生させ、ユーザーの満足度が高くなる。
【0250】
一部の実施態様ではラッパー10は水分非透過性ラッパー10であり、エアロゾル発生材との摩擦が小さく、これは結果としてエアロゾル発生器がエアロゾル発生材のロッドに挿入された際にストランドおよび/または条片が冷却セクション内で長手方向により容易に移動しやすくなる。本発明者は、エアロゾル発生材3源に直に隣接して管状部分4aを設け、この範囲の直径を有する内部流路を含むことはエアロゾル発生器をエアロゾル発生材のロッドに挿入した際にエアロゾル発生材のストランドおよび/または条片の長手方向の移動を少なくして有利であるということを発見した。また本発明者は、使用時のエアロゾル発生材のずれを少なくすることはロッドの長さに沿ったおよび/またはキャビティ内のエアロゾル発生材の充填密度をより一定にする結果となり、これによりエアロゾルがより一定かつ良好に発生する結果となる。
【0251】
本例ではエアロゾル発生基材3に加えられるエアロゾル形成材は、14重量%のエアロゾル発生基材3を含む。好ましくはエアロゾル形成材は、少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10%のエアロゾル発生基材を含む。好ましくはエアロゾル形成材は、重量で25%未満のエアロゾル発生基材、より好ましくは20%未満、例えば10%~20%、12%~18%または13%~16%のエアロゾル発生基材を含む。
【0252】
好ましくはエアロゾル発生材3はエアロゾル発生材からなる円筒状ロッドとして提供される。エアロゾル発生材の形に関係無く、エアロゾル発生材は約10mm~100mmの長さを有する。一部の実施態様ではエアロゾル発生材の長さは、好ましくは約25mm~50mmの範囲内、より好ましくは約30mm~45mmの範囲内およびさらにより好ましくは約30mmから40mmである。
【0253】
一部の例では物品1は、非燃焼系エアロゾル供給デバイス100のヒーターと管状部分4aの間が離れる(即ち、最小距離)ように構成してもよい。これによりヒーターの熱が管状部分4aを形成する材料を損傷することを防ぐ。
【0254】
非燃焼系エアロゾル供給デバイス100の非燃焼系エアロゾル供給デバイスと管状部分4a間の最小距離は、3mm以上であってもよい。一部の例では非燃焼系エアロゾル供給デバイス100のヒーターと管状部分4a間の最小距離は、3mm~10mmの範囲内であってもよく、例えば3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mmまたは10mmであってもよい。
【0255】
非燃焼系エアロゾル供給デバイス100のヒーターと管状部分4aの間は、例えばエアロゾル発生材3のロッドの長さを調節して離してもよい。
【0256】
設けられるエアロゾル発生材3の容積は、約200mm3~約4300mm3、好ましくは約500mm3~1500mm3、より好ましくは約1000mm3~約1300mm3で異なってもよい。例えば約1000mm3~約1300mm3といったエアロゾル発生材のこれらの容積を設けることは、その範囲の下方端部から選択された容積で達成される視認性および知覚性能より良好な視認性および知覚性能を有する優れたエアロゾルを達成することが有利に示されている。
【0257】
設けられるエアロゾル発生材3の質量は、200mg超、例えば約200mg~400mg、好ましくは約230mg~360mg、より好ましくは約250mg~360mgであってもよい。より質量の大きいエアロゾル発生材を供することは、結果として質量の小さいタバコ材から発生するエアロゾルと比較して良好な知覚性能が得られるという有利なことが分かっている。
【0258】
好ましくはエアロゾル発生材または基材は、タバコ成分を含む本明細書に記載したタバコ材から形成される。
【0259】
本明細書に記載したタバコ材においてタバコ成分は紙再生タバコを含む。タバコ成分は、葉タバコ、押し出しされたタバコおよび/またはバンドキャストされたタバコを含む。
【0260】
エアロゾル発生材3は、1立方センチメートル当たり約700ミリグラム(mg/cc)未満の密度を有する再生タバコ材を含んでもよい。そのようなタバコ材は、高密な材料と比較してエアロゾルを放出するために速く加熱することができるエアロゾル発生材を供するという点で特に有効であることが分かっている。例えば、本発明者は、バンドキャストされた再生タバコ材および紙再生タバコ材などの種々のエアロゾル発生材の加熱した際の特性を試験した。各所与のエアロゾル発生材の場合、熱を材料に加えている間、特定のゼロ熱流温度が存在し、それ以下では正味熱流が吸熱性になり、言い換えれば材料から出るより、より多くの熱が材料に入り、それ以上では正味熱量が発熱性になり、言い換えれば材料に入るより材料から出る熱が多くなる。700mg/cc未満の密度の材料は低いゼロ熱流温度であった。材料から出る熱流のかなりの部分がエアロゾルの形成を介しているので、低いゼロ熱流温度を有することはエアロゾル発生材から最初にエアロゾルを放出するためにかかる時間に亘って有益な効果を有する。例えば、700mg/cc未満の密度を有するエアロゾル発生材は、700mg/ccを超える密度を有し、ゼロ熱流温度が164℃超だった材料と比較して、ゼロ熱流温度が164℃未満であることを発見した。
【0261】
エアロゾル発生材の密度は、材料を伝わる熱の速度にも影響を与え、低い密度、例えば700mg/cc未満の密度では材料を伝わる熱の速度が遅くなり、従ってより持続性のあるエアロゾルの放出を可能にする。
【0262】
好ましくはエアロゾル発生材3は約700mg/cc未満の密度を有する再生タバコ材、例えば紙再生タバコ材を含む。より好ましくはエアロゾル発生材3は、約600mg/cc未満の密度を有する再生タバコ材を含む。これとは別にまたは加えてエアロゾル発生材3は、好ましくは材料を介した充分な量の熱伝導を可能にすると考えられている少なくとも350mg/ccの密度を有する再生タバコ材料を含む。
【0263】
タバコ材は刻みくずタバコの形体で供されてもよい。刻みくずタバコは1インチ当たり少なくとも15切断片の切断幅(1センチ当たり5.9切断部、約1.7mmの切断幅に等しい)に有する。好ましくは刻みくずタバコは、1インチ当たり少なくとも18切断片の切断幅(1センチ当たり約7.1切断片、約1.4mmの切断幅に等しい)、より好ましくは1インチ当たり少なくとも20切断片(1センチ当たり7.9切断片、約1.27mmの切断幅に等しい)の切断幅を有する。1つの例では刻みくずタバコは、1インチ当たり22切断片の切断幅(1センチ当たり8.7切断片、約1.15mmの切断幅に等しい)を有する。好ましくは刻みくずタバコは、1インチ当たり少なくとも40切断片以下の切断幅(1センチ当たり約15.7切断片、約0.64mmの切断幅に等しい)を有する。0.5mm~2.0mm、例えば0.6mm~1.5mmまたは0.6mm~1.7mmの切断幅は、特に加熱された際の表面積対体積比および発生材3の総合密度および圧力降下の点で好ましいタバコ材が結果として得られることが判明している。刻みくずタバコはタバコ材の形の混合物、例えば紙再生タバコ、葉タバコ、押し出しタバコおよびバンドキャストされたタバコのうちの1つ以上との混合物から形成することができる。好ましくはタバコ材は、紙再生タバコまたは紙再生タバコと葉タバコの混合物を含む。
【0264】
本明細書に記載したタバコ材においてタバコ材は充填材成分を含んでもよい。充填材成分は、一般に非タバコ成分、即ちタバコ由来の成分を含まない成分である。充填材成分は、木繊維またはパルプまたは小麦繊維などの非タバコ繊維であってもよい。充填材成分は、チョーク、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイドシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウムなどの無機材料であってもよい。充填材成分は、非タバコキャスト材または非タバコ押し出し材であってもよい。充填材成分は、タバコ材の重量で0~20%または組成物の重量で1~10%の量で存在してもよい。一部の実施態様では充填材成分は含まれない。
【0265】
本明細書に記載したタバコ材においてタバコ材は、エアロゾル形成材を含む。本文脈において「エアロゾル形成材」は、エアロゾルの発生を促進させる化学物質である。エアロゾル形成材は、気体の初期の気化および/または吸入可能な固体および/または液体エアロゾルへの凝集を促進することによってエアロゾルの発生を促してもよい。一部の実施態様ではエアロゾル形成材は、エアロゾル発生材からの風味の供給を向上させてもよい。一般にあらゆる好適なエアロゾル形成材または形成剤を本明細書で説明したものを含む本開示のエアロゾル発生材に含有させてもよい。他の好適なエアロゾル形成材としては、ソルビトール、グリセロールおよびプロピレングリコールまたはトリエチレングリコールのようなグリコール類などのポリオール、一価アルコールなどの非ポリオール、高沸点炭化水素、乳酸などの酸類、グリセロール誘導体、ジアセチン、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチルまたはミリスチン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルを含むミリスチン酸エステルなどのエステル類およびステアリン酸メチル、ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施態様ではエアロゾル形成材は、グリセロール、プロピレングリコールまたはグリセロールとプロピレングリコールの混合物であってもよい。グリセロールは、タバコ材の重量で10~20%、例えば組成物の重量で13~16%、または組成物の重量で約14%または15%の量で存在してもよい。プロピレングリコールは、もし含まれるのであれば、組成物の重量で0.1~0.3%の量で存在してもよい。
【0266】
エアロゾル形成材は、あらゆる部材、例えばタバコ材からなるあらゆる部材および/またはもしあれば充填材成分に含有されてもよい。これとは別にまたは加えてエアロゾル形成材はタバコ材に別個に加えられてもよい。いずれの場合においてタバコ材中のエアロゾル形成材の総量は本明細書に記載のものであってもよい。
【0267】
タバコ材は、10~90重量%のタバコ葉を含んでもよく、エアロゾル形成材は葉タバコの約10重量%の量で供される。タバコ材の重量で10%~20%のエアロゾル形成材の総量を達成するためにこれを再生タバコ材などのタバコ材別の成分に高い重量パーセンテージに加えると有利であることが分かっている。
【0268】
本明細書に記載のタバコ材はニコチンを含む。ニコチン含有量は、タバコ材の重量で0.5~1.75%であり、例えば、タバコ材の重量で0.8~1.5%であってもよい。さらにまたはこれとは別にタバコ材は、タバコ葉の重量の1.5%超のニコチン含有量を有するタバコ葉を10~90重量%含む。ニコチン含有量が1.5%超のタバコ葉を紙再生タバコなどの低ニコチンベース材料と組み合わせて使用することで適当な量のニコチンを含むが、紙再生タバコ単独で使用するより良好な知覚性能を有するタバコ材を得られるという有利なことが分かっている。タバコ葉、例えば刻みくずタバコは、例えばタバコ葉の重量で1.5%~5%のニコチン含有量を有してもよい。
【0269】
本明細書に記載のタバコ材は本明細書に記載のような風味料のいずれかのようなエアロゾル変性剤を含んでもよい。1つの実施態様ではタバコ材は、メンソール化された物品を形成するメンソールを含む。タバコ材は、3mg~20mgのメンソール、好ましくは5mg~18mg、そしてより好ましくは8mg~16mgのメンソールを含んでもよい。本例ではタバコ材は16mgのメンソールを含む。タバコ材は、2重量%~8重量%のメンソール、好ましくは3重量%~7重量%のメンソール、そしてより好ましくは4重量%~5.5重量%のメンソールを含んでもよい。1つの実施態様ではタバコ材は4.7重量%のメンソールを含む。メンソールのこのような高い充填量は、例えば重量で50%超のタバコ材などの高いパーセンテージの再生タバコ材を使用することで達成される。これとは別にまたはこれに加えて高い容量のエアロゾル発生材、例えばタバコ材を使用することで例えば約500mm3超、または好適には1000mm3超のタバコ材などのエアロゾル発生材が使用される場合に達成されるメンソール充填量を増加させることができる。
【0270】
本明細書に記載の組成において、量を重量%で示した場合、誤解を避けるためにこれは、特段の記載がない限り乾燥重量基準を意味する。従って、タバコ材またはそのあらゆる成分中に存在するすべての水は、重量%の測定の目的のために完全に無視する。本明細書で説明するタバコ材の水分量は異なってもよく、例えば5~15重量%であってもよい。本明細書で説明するタバコ材の水分量は、例えばその組成物が維持される温度、圧力および湿度条件に応じて異なってもよい。水分量は、当業者に知られているようなKarl-Fisher分析によって測定してもよい。一方、誤解を避けるためにエアロゾル形成材がグリセロールまたはプロピレングルコールなどの液相にある成分の場合であっても水以外のあらゆる成分はタバコ材の重量に含まれる。しかしながら、エアロゾル形成材がタバコ材に別個に加えられる代わりにまたは加えることに加えて、タバコ材のタバコ成分またはタバコ材の充填部材(ある場合)に供される場合、エアロゾル形成材はタバコ組成物または充填部材の重量に含まれず、本明細書で規定する重量%で「エアロゾル形成材」の重量に含まれる。タバコ組成物に存在する全ての他の成分は、非タバコ由来であっても(例えば紙再生タバコの場合の非タバコ繊維)タバコ成分の重量に含まれる。
【0271】
ある実施態様ではタバコ材は、本明細書で規定するようなタバコ成分と本明細書で規定するようなエアロゾル形成材とを含む。ある実施態様ではタバコ材は、本明細書で規定するようなタバコ成分と本明細書で規定するようなエアロゾル形成材とから実質的になる。ある実施態様ではタバコ材は本明細書で規定するようなタバコ成分と本明細書で規定するようなエアロゾル形成材とからなる。
【0272】
紙再生タバコは、タバコ成分の重量で10%~100%の量で本明細書に記載したタバコ材のタバコ成分中に存在する。いくつかの実施態様では紙再生タバコはタバコ成分の重量で10%~80%または20%~70%の量で存在する。別の実施態様ではタバコ成分は紙再生タバコから実質的になるまたは紙再生タバコからなる。好ましい実施態様では葉タバコは、タバコ成分の重量で少なくとも約10%の量でタバコ材のタバコ成分中に存在する。例えば、葉タバコはタバコ成分の重量で少なくとも10%の量で存在してもよく、タバコ成分の残りは、紙再生タバコ、バンドキャストされたタバコまたはバンドキャストされた再生タバコおよびタバコ粒などの別の形体のタバコの組み合わせを含む。
【0273】
紙再生タバコとは、タバコ原料が可溶分の抽出物と繊維材を含む残渣となるように溶媒で抽出され、次に抽出物(通常濃縮した後、そして任意にさらなる処理をした後)を残渣からの繊維材(通常、繊維材から不純物の除いた後、そして任意に非タバコ繊維を僅かに加えて)と抽出物を繊維材に堆積させることによって再結合する工程によって形成されるタバコ材を意味する。再結合工程は製紙工程に似ている。
【0274】
紙再生タバコは、当業界で知られているあらゆる種類の紙再生タバコであってもよい。特定の実施態様では紙再生タバコは、タバコ条片、タバコ葉柄、および全葉タバコのうちの1つ以上を含む原料から製造される。別の実施態様では紙再生タバコはタバコ条片および/または全葉タバコおよびタバコ葉柄からなる原料から製造される。しかしながら、他の実施態様ではくず、微粉およびもみ殻をこれとは別にまたは加えて原料に採用してもよい。
【0275】
本明細書に記載のタバコ材に使用するための紙再生タバコは、紙再生タバコの調製のための当業者に知られている方法で調製してもよい。
【0276】
図2は、中空の管状構成部品8を含むマウスピース2’を含む別の物品1’の側部断面図である。マウスピース2’は、下流端部2bでマウスピース2’がフィラメント状のトウから形成された中空の管状構成部品8を有すること以外は上述のマウスピース2と実質的に同じである。本例では管状部分4a、材料体6および中空の管状構成部品8は、これら3つのセクション全てに巻かれる第2のプラグラッパー9を使用して1つにまとめられる。
【0277】
一部の実施態様では約10mm、例えば約10mm~約30mmまたは約12mm~約25mmの長さを有する中空の管状構成部品8を使用することは特に有利である。場合によっては消費者の唇は、物品1からエアロゾルを吸引する際、物品1の吸い口端から約12mmの所まで延びる傾向があり、したがって少なくとも10mmまたは少なくとも12mmの長さを有する中空の管状構成部品8は、消費者の唇の殆どがこの部材8を囲むことがわかっている。
【0278】
好ましくは材料体6の長さは、約15mm未満である。より好ましくは材料体6の長さは約10mm未満である。さらにまたは別例として材料体6の長さは、少なくとも約5mmである。好ましくは材料体6の長さは、少なくとも約6mmである。一部の好ましい実施態様では材料体6の長さは、約5mm~約15mm、より好ましくは約6mm~約12mm、さらにより好ましくは約6mm~約12mm、最も好ましくは約6mm、7mm、8mm、9mmまたは10mmである。本例では材料体6の長さは10mmである。
【0279】
消費者の唇に接触するマウスピースの部分は、通常は中空またはフィルター材からなる円筒状の本体を囲む紙の管を有している。中空の管状構成部品8を設けることは、物品1の使用時に消費者の口と接触するマウスピースの下流端部2bでマウスピース2’の外面の温度を著しく下げるという有利な発見があった。さらに管状部分4aの使用も管状部分4aの上流端であってもマウスピース2’の外面の温度を著しく下げるという有利な発見があった。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、これはマウスピース2’の中央に近いところでエアロゾルを向かわせ、従ってエアロゾルからの熱のマウスピース2’の外面への移行を低減する管状部分4aによると推定される。
【0280】
加えて、管状部分4aの壁4bの厚みが増すことはそれが大きな熱質量を持つことを意味し、これはエアロゾルから少ない熱が材料体6の外方部分などのマウスピース2,2’の外方部分へ移行するようにマウスピース2,2’内の中央にエアロゾルを向かわせる厚みが増した管状部分4aによって管状部分4aを通過するエアロゾルの温度を下げ、管状部分4aの下流の位置でマウスピース2の表面温度を下げることに効果的であることがわかっている。一部の実施態様では管状部分4aの壁の厚さは、少なくとも325ミクロンであり、好ましくは少なくとも400、500、600、700、800、900、1000、1250または1500ミクロンである。
【0281】
さらに管状部分4aの比較的高い通気度はエアロゾルから管状部分4aへ移行する熱の量を増大させ、したがってエアロゾルの温度を下げることがわかっている。また管状部分4aの通気度は、エアロゾルから管状部分4aへ移行する水分量を増加させることがわかっており、これはユーザーの口でのエアロゾルの感覚を向上させることがわかっている。管状部分4aの高い通気度は、結果としてレーザーを使用して換気孔12を切りやすくし、レーザーのパワーを小さくして使用できる。一部の実施態様では管状部分4aの通気度は、少なくとも100コレスタ単位であり、好ましくは少なくとも500コレスタ単位、少なくとも1000コレスタ単位または少なくとも2000コレスタ単位である。
【0282】
本例では中空の管状構成部品8はフィラメント状のトウから形成される。これとは別の実施態様では中空の管状構成部品は、管状部分4aについて本明細書で説明したようなあらゆる構造を使用して形成してもよい。
【0283】
中空の管状構成部品8の「壁厚」は、半径方向の管8の壁の厚さに対応する。これは管状部分の壁の厚さを同じように測定されてもよい。壁厚は0.9mm超、より好ましくは1.0mm以上であると有利である。好ましくは壁厚は、中空の管状構成部品8の壁の周囲で実質的に一定である。しかしながら、壁厚が実質的に一定でない場合、壁厚は、中空の管状構成部品8の周囲の任意の箇所で好ましくは0.9mm超、より好ましくは1.0mm以上である。
【0284】
好ましくは中空の管状構成部品8の長さは、約20mm未満である。より好ましくは中空の管状構成部品8の長さは、約15mm未満である。さらにより好ましくは中空の管状構成部品8の長さは、約10mm未満である。さらにまたは別例として中空の管状構成部品8の長さは、少なくとも約5mmである。好ましくは中空の管状構成部品8の長さは、少なくとも約6mmである。一部の好ましい実施態様では中空の管状構成部品8の長さは、約5mm~約20mm、より好ましくは約6mm~約10mm、さらにより好ましくは約6mm~約8mm、最も好ましくは約6mm、7mmまたは約8mmである。本例では中空の管状構成部品8の長さは6mmである。
【0285】
好ましくは中空の管状構成部品9の密度は、1立方センチメートル当たり少なくとも約0.25グラム(g/cc)、より好ましくは少なくとも約0.3g/ccである。好ましくは中空の管状構成部品8の密度は、1立方センチメートル当たり約0.75グラム未
満(g/cc)、より好ましくは0.6g/cc未満である。一部の実施態様では中空の管状構成部品8の密度は、0.25~0.75g/cc、より好ましくは0.3~0.6g/cc、より好ましくは0.4g/cc~0.6g/ccまたは約0.5g/ccである。これらの密度は高密度な材料によって生じた良好な堅さと低密度材料の低い熱伝導性とが良好に両立されることが分かっている。本例の目的のために中空管状部材8の「密度」は、組み込まれているなんらかの可塑剤を含む部材を形成するフィラメント状のトウの密度を意味する。密度は、中空管状部材8を形成する材料の総重量を中空管状部材8の総容積で割ることによって定められ、総容積は、例えばノギスを使用して中空管状部材8の適当な測定を使用して算出することができる。必要であれば適当な寸法を顕微鏡を使用して測定してもよい。
【0286】
中空管状部材8を形成するフィラメント状のトウは、好ましくは、45,000未満、より好ましくは42,000未満の総繊度を有する。この総繊度によって高密度過ぎない中空管状部材8を形成することができることが分かっている。好ましくは総繊度は、少なくとも20,000、より好ましくは少なくとも25,000である。好ましい実施態様では中空の管状構成部品8を形成するフィラメント状のトウは、25,000~45,000、より好ましくは35,000~45,000の総繊度を有する。好ましくはフィラメント状のトウの断面形状は、「Y」字形状であるが、他の実施態様では「X」字形状フィラメントなどの他の形状も使用可能である。
【0287】
中空の管状構成部品8を形成するフィラメント状のトウは、単糸繊度が好ましくは3超である。この単糸繊度によって高密度過ぎない中空の管状構成部品8を形成することができることが分かっている。好ましくは単糸繊度は少なくとも4、より好ましくは少なくとも5である。好ましい実施態様では中空の管状構成部品8を形成するフィラメント状のトウは、単糸繊度が4~10、より好ましくは4~9である。一例では中空の管状構成部品8を形成するフィラメント状のトウは、セルロースアセテートから形成され、例えばトリアセチンなどの18%可塑剤を含む8Y40,000トウを有する。別の例では中空の管状部材4を形成するフィラメント状のトウは、セルロースアセテートから形成された7.3Y36,000トウを有し、18%の可塑剤、例えばトリアセチンを含む。
【0288】
中空の管状構成部品8は、内径が好ましくは3.0mm超である。これより小さい内径はマウスピース2’を通って消費者の口へと移動するエアロゾルの速度が望ましい速度より速くなり、これによりエアロゾルが温かくなりすぎ、例えば40℃超または45℃の温度に達してしまう。より好ましくは中空の管状構成部品8は、3.1mm超、より好ましくは3.5mmまたは3.6mm超の内径を有する。1つの実施態様では中空の管状構成部品8の内径は、約3.9mmである。
【0289】
中空の管状構成部品8は、好ましくは15%~22重量%の可塑剤を含む。セルロースアセテートトウの場合、可塑剤は、好ましくはトリアセチンであるが、ポリエチレングリコール(PEG)などの他の可塑剤も使用可能である。より好ましくは中空の管状構成部品8は、16重量%~20重量%の可塑剤、例えば約17重量%、約18重量%または約19重量%の可塑剤を含む。
【0290】
本例では管状部分4aは、第1の管状構成部品であり、中空の管状構成部品8は、第2の中空の管状構成部品である。
【0291】
本例では換気が
図1を参照して説明されているように管状部分4a内に設けられている。別の実施態様では換気をマウスピースの他の場所、例えば材料体6または中空の管状構成部品8内に設けることも可能である。
【0292】
上記の例ではマウスピース2、2’は、それぞれ単独の材料体6を含む。他の例ではマウスピース2,2’は、複数の材料体を含んでもよい。マウスピース2、2’は、材料体の間にキャビティを含んでもよい。
【0293】
物品1、1’は、第1および第2のラッパー9、5を含む。本例では第1のラッパーは、第2のプラグラッパー9であり、第2のラッパーは、チッピング紙5である。
【0294】
第1のラッパー9は複数の形成体を有するシート材を含み、これら形成体は、本例では強度が不連続な線であり、これにより第1のラッパーの少なくとも一部の曲率が結果として不均一になる。第2のラッパーは、第1のラッパー9の少なくとも一部に重なる。形成体は連続しても不連続であってもよい。
【0295】
一部の実施態様では第1のラッパー9は、紙を含む。しかしながら、第1のラッパー9は、これとは別に異なる材料、例えばプラスチックまたはアルミニウム箔などの金属箔を含む箔を含んでもよいということを認識すべきである。
【0296】
ここで
図3を参照すると一例の複数の形成体201を有するシート材200が示されている。形成体201は、強度が不連続な線201である。
図1の物品1ではシート材200は、管状部分4aおよび材料体6を囲み、第1のラッパー9を形成する。
図2の物品1’ではシート材200は、管状部分4a、材料体6および管状構成部品8を囲み、第1のラッパー9を形成する。他の実施態様ではシート材は、管状部分4a、材料体6および管状構成部品8のうちの1つだけまたはいくつかだけを囲んでもよい。
【0297】
本例では強度が不連続の線201は、脆弱線201である。脆弱線201は、第1のラッパー9の内方に向いた面を形成しているシート材201の面に形成される。しかしながら、別の実施態様では脆弱線201は、代わりに第1のラッパー9の半径方向外方に向いた面を形成しているシート材201の面に形成される。
【0298】
図4に示すように脆弱線201は、第1のラッパー9を形成しているシート材200に部分的に切れ目を入れることによって形成してもよい。切れ目はシート材200の面上を往復する1つ以上のレーザーカッターによるレーザーカッティングで入れてもよい。切れ目の深さは、通常ではシート材200の厚みの50%であるが、当業者はこれ以外の深さも使用可能であることを理解するはずである。好ましくは切れ目の深さは、シート材200の厚みの10~90%を含む。当然のことながら切れ目はナイフブレードを使用して入れることができ、脆弱線201は、シート材200に折り目をつけるまたはシート材200を両側から挟むことによって形成することができる。
【0299】
一部の実施態様では第1のラッパー9は、箔を含み、強度が不連続な線は、箔内のレーザーによる切れ目である。しかしながら、強度が不連続な線は、他の手段、例えば異なる切断装置によってまたはピンエンボスによって箔に形成してもよい。
【0300】
図5および6に示すように強度が不連続な線201は第1のラッパー9が不均一な第1のラッパー9の曲率を有するようにする。本例では強度が不連続な線201は、第1のラッパー9がファセット202の列を呈し、これにより第1のラッパー9が第1のラッパー9の不均一な曲率を有する。本例ではファセット202は、ほぼ平面である、または少なくともその下にある材料体6および/または管状部分4aおよび/または管状構成部品8の曲率半径とは異なる曲率半径を有する。
【0301】
シート材200は、部材、例えば材料体6および/または管状部分4aおよび/または管状構成部品8の周囲で丸められ、第1のラッパー9を形成する。第1のラッパー9の周縁部9a、9bは、重なった接合部で互いにのり付けされる。
【0302】
図6に示すように、シート材200が、材料体6および/または管状部分4aおよび/または管状構成部品8の円筒状の表面に巻かれると、この巻き工程により結果としてスリット201が閉じ、第1のラッパー9の内面203が同じ直径を有する材料体6および/または管状部分4aおよび/または管状構成部品8の曲率と合致するようになり、第1ラッパー9の外面は、ほぼ平面または少なくとも内面の曲率半径と異なる曲率半径を有するファセット202を含む。これがファセット202の列を生じさせる。
【0303】
当然のことながらファセット202の形状は脆弱線201のパターンに応じて選択できる。
図3および5に示した例ではパターンは、ファセット202がほぼ楕円形状を有するように魚網にほぼ類似している。しかしながら、
図7、8および9に示すような多くの異なるパターンも想定できる。
【0304】
一部の実施態様では第1のラッパーのシート材は、20~200ミクロンの範囲内、好ましくは50~115ミクロンの範囲内の厚さを有する。一部の実施態様では第1のラッパーのシート材は、40超、45、50、55、60、70、80および90gsmの坪量を有する。しかしながら、当業者はシート材の他の厚みおよび坪量も可能であることを認識するはずである。上述したようにシート材は、紙および/または箔またはプラスチックのシートなどの別の材料を含んでもよい。
【0305】
第1のラッパー9のシート材の坪量を大きくすることは第1のラッパー9の熱移動を減少させ、したがって物品1,1’の外面、特にマウスピース2、2’の外面の温度を下げることを促進するということがわかっている。一部の実施態様では第1のラッパー9のシート材は、少なくとも50gsm、好ましくは少なくとも60、70、80、90、100、110または120gsmの坪量を有する。
【0306】
一部の実施態様では第1のラッパー9は、プラグラッパーであり、70~120gsm、好ましくは80~110gsmの範囲内の坪量を有する。
【0307】
一部の実施態様では第1のラッパー9は、チッピング紙であり、40~80gsmの範囲内、好ましくは50~70gsmの範囲内の坪量を有する。
【0308】
図7A~Eを参照すると、特定のブランクのファセット202は、シート材200の全面に亘って配列された同一形状のものである。これとは別に
図8に示すようにファセット202の第1の列204は、シート材200の大部分に亘って延び、第1の列204のファセットとは異なる形状のファセット202を含む第2の列205は、シート材200の吸い口端に亘って延びるように構成してもよい。
【0309】
ファセット202は、湾曲するまたは多角形状になる閉じた外周を有してもよく、あるいはファセットは、間隔が空けられた平行な脆弱線の間を延びる、例えば
図8の第2の列205で示すように延びた、あるいは螺旋パターン(図示せず)に延びた開口形状を有してもよい。
【0310】
また
図9に示すようにファセット202のマウスピース端部列205は省略してもよい。
【0311】
図10は強度が不連続な線201を有するシート材200を含む第1のラッパー9を含むマウスピース2の端部を示している。強度が不連続な線201によって生じた第1のラッパー9の曲率の不均一性は、第1のラッパー9に重なる第2のラッパー5が第1のラッパー9の曲率と対応しない曲率を有することを意味する。したがって、隙間206が第1および第2のラッパー9、5の間に形成される。本例では隙間206は、第1のラッパー9のファセット202と第2のラッパー5の内面207の間に形成される。
【0312】
隙間206は、エアロゾルの発生時に第2のラッパー5の温度を下げるために第2のラッパー5を第1のラッパー9から断熱することに役立つ。加熱されたエアロゾルがマウスピース2、2’を通過する際、エアロゾルは熱をマウスピースに伝え、これが使用時に消費者の唇を接触する領域、本例では第2のラッパー5、選択的にチッピング紙であるマウスピースの外面を温める。マウスピース2,2’の温度は、消費者が例えば従来の紙巻きタバコを喫煙する際に慣れている温度より高くなる場合があり、これは望ましくない影響になり得る。したがって、隙間205は、第2のラッパー5の温度を下げることによってこの影響を軽減することに役立つ。
【0313】
一部の実施態様ではシート材は、管状構造で配置される。
【0314】
一部の実施態様ではシート材の長手方向の側部縁部は、突合せ接合に配置される。
【0315】
一部の実施態様では第1の形状のファセットの第1の列がシート材の第1の部分の第1の列に配置され、第1のファセットとは異なる第2の形状のファセットの第2の列がシート材の第2の部分の第2の列に配置される。一部の実施態様ではラッパーの対向縁部は、互いに当接するように巻かれた際にシートの対向縁部が互いに突合せ接合を形成し、列が突合せ接合を横断して延びるようにファセットの縁部によって画定された形状を有する。
【0316】
1つの別の実施態様(図示せず)では第2のラッパー5は、別のラッパー(図示せず)によって覆われることを留意すべきである。この別のラッパーは、第2のラッパー5の代わりにチッピング紙であってもよい。隙間205による第2のラッパー5の低下した温度は、結果として別のラッパーの温度を下げることになる。
【0317】
図10では第1のラッパー9は、
図1の物品1のマウスピース2に適用される。しかしながら、他の実施態様では第1のラッパー9は
図2の物品1’のマウスピース2’または物品の異なる構造体に適用してもよいことを認識すべきである。
【0318】
製造の一例ではシート材200は、強度が不連続な線が形成されるステーション(図示せず)を介した供給ローラー(図示せず)によって連続したウェブとして供給される。ステーション1は、ウェブを横断して脆弱線を製する1つ以上のレーザーを含んでもよい。これとは別にステーションは、線201を形成するために紙ウェブの片面または両面に切れ目を入れるブレードまたは脆弱線201を形成するために紙のウェブに折り目をつける構成を含んでもよい。ステーションを出た後のウェブは、引き取りロール(図示せず)に供給され、次に非燃焼系エアロゾル供給システム用の物品に組み込むための物品製造機に引き取られる。したがって、紙は準備工程において物品製造機からオフラインで調製される。これとは別にウェブとステーションは、ウェブが製造機に供給される前に脆弱線を形成するための物品製造機でオンラインで提供されてもよい。
【0319】
マウスピース2の別の例を
図11~14に示す。この例ではマウスピース2は、
図3~10に示した例と同じようにファセット302を形成する強度が不連続な線の形体の複数の形成体301を有するシート材300を含む。シート材300は材料体6および/または管状部分4aおよび/または管状部材8の周囲で丸められ、第1のラッパー9を形成する。
図11では第1のラッパー9は、
図1の物品1のマウスピース2に適用される。しかしながら、他の実施態様では第1のラッパー9は
図2の物品1’のマウスピース2’または物品の異なる構造体に適用してもよいことを認識すべきである。
【0320】
マウスピースは、選択的に基礎となる支持層303を含み、これに第1のラッパー9がのり付けまたは当業者に自明の他の好適な手段によて貼り付けられてもよい。支持層303は、材料体6および/または管状部分4aおよび/または管状構成部品8にのり付けされる紙の支持層21などの矩形の丸められたシート材のブランクを含んでもよい。
【0321】
図11~14に示す例では第1のラッパー9は、
図3に示したものと類似のパターンの魚網に似た不規則な六角形を含む規則的なパターンのファセット302で形成されている。しかしながら、
図3とは異なり、
図11~14に示す第1のラッパー9は、長手方向の側部縁部304を有し、そのうちの1つが
図13により明確に示されており、これはファセット302の縁部を辿り、それらが
図11および12に示す突き合わせ接合305に配置され、ファセット302のパターンが手の指に感じられるまたはユーザーに見える不連続性の無くスリーブの外面の周囲に連続的に延びることができるという利点を有する。
【0322】
図13に示す例では脆弱線301がピンエンボスによって形成され、これはファセット302の外周の周囲でピンによる刺し傷線を製する。ピンの刺し傷301は、周囲にピンのパターンを有するローラーを使用して形成され、シート材300と係合するローラーの回転時に
図13に示すピンの刺し傷のパターンが製せられる。
【0323】
強度が不連続な線301によって生じる第1のラッパー9の曲率の不均一性は、第1のラッパー9に重なる第2のラッパー5が第1のラッパー9の曲率に対応しない曲率を有することを意味する。したがって、隙間306が第1および第2のラッパー9、5の間に形成される。本例では隙間306は、第1のラッパー9のファセット302と第2のラッパー5の内面307の間に形成されている。
【0324】
隙間306は、エアロゾルの発生時に第2のラッパー5の温度を下げるために第2のラッパー5を第1のラッパー9から断熱することに役立つ。
【0325】
一部の実施態様では強度が不連続な線は連続している。他の実施態様では強度が不連続な線は連続していない。
【0326】
別の実施態様(図示せず)では形成体201、301、例えば強度が不連続な線201、301は、ファセット202、302を得るために第1のラッパーの外面に形成することができる。強度が不連続な線201、301の製造は、シート材200、300を燃やすことを伴う。
【0327】
一部の実施態様では1つ以上の隙間は換気空気が流れるように構成されている。換気空気が流れることによって物品の外部の温度を下げることに役立つ。
【0328】
一部の実施態様では形成体は、1つ以上の流路(図示せず)を形成するように構成されている。隙間は流路を形成してもよい。あるいは隙間は、流路に加えて設けられてもよい(例えばラッパーの反対側に)。該または各流路は、換気空気が流れるように構成されてもよい。換気空気が流れることによって物品の外部の温度を下げることに役立つ。
【0329】
該または各流路は第1のラッパーと部材の間に形成されてもよく、好ましくは第1のラッパーに溝を含む。例えば、1つ以上の流路が第1および第2のラッパー9、5の間に形成されてもよい。
【0330】
一部の実施態様では該または各流路は、換気空気が流路に入り、吸い口端の方へと流れるように物品の吸い口端の方へと延びている。したがって、換気流は、1つ以上の流路内に入ることができ、物品の吸い口端の方へと流れることができる。一部の実施態様では該または各流路は物品の吸い口端に延びている。したがって、換気流は1つ以上の流路に入ることができ、物品の吸い口端の方へと流れ、吸い口端から出る。
【0331】
一部の実施態様では該または各流路は、物品の中央軸と実質的に平行に延びている。
【0332】
一部の実施態様では本発明の物品は、1つ以上の流路の少なくとも一部に重なる換気領域を含む。例えば、換気領域は第2のラッパー5に設けられてもよい。
【0333】
一部の実施態様では換気領域は、ラッパーの外層にミシン目を含み、換気空気がミシン目を通って流れ、隙間に、例えば流路に入るようになっている。これとは別にまたは加えて換気領域は、通気性ラッパーまたはラッパーの通気性領域を含んでもよい。シート材200、300として使用する際の軽量、即ち20gsm~40gsmの紙の場合、ワニスなどの構造的なコーティングを例えば紙に印刷することによって設けて紙に剛性を付与し、これによりファセットを画定できる。これは第1のラッパー9の内側または外側に印刷することも可能である。これとは別にワニスをファセットの周囲に境界を形成するために線状に印刷できる。
【0334】
また強度が不連続な線は、脆弱線である必要は無く、例えば局所的に硬化させるためにシート材200、300上にスターチまたはワニスなどの構造的なコーティングのパターンを印刷することによって形成された強度線であってもよい。
【0335】
マウスピース2の別の例を
図15~17に示す。この例ではマウスピース2は、
図3~14に示した例と同様に複数の形成体401を有するシート材400を含む。しかしながら、形成体401は、シート材400の面から外に延びた突出部401である隆起401の形状である。
【0336】
シート材400は、材料体6および/または管状部分4aおよび/または管状構成部品8の周囲で丸められ第1のラッパー9を形成する。本例では第1のラッパー9は、
図1の物品1のマウスピース2に適用される。しかしながら、他の実施態様では第1のラッパー9は
図2の物品1’のマウスピース2’または物品の異なる構造体に適用してもよいことを認識すべきである。
【0337】
マウスピースは、選択的に基礎となる支持層403を含み、これに第1のラッパー9がのり付けまたは当業者に自明の他の好適な手段によって貼り付けられてもよい。支持層403は、材料体6および/または管状部分4aおよび/または管状構成部品8にのり付けされる紙の支持層21などの矩形の丸められたシート材のブランクを含んでもよい。
【0338】
隆起401は、シート材の一方の面または両面に形成してもよい。
【0339】
一部の実施態様では隆起401は、規則的な繰り返しパターンに配置されている。
【0340】
図15~17に示す例では第1のラッパーは、個別の互いに間隔が空けられた規則的なパターンの突出部401で形成されている。形成体401は、規則的に配列されている。形成体401は、規則的な行と列に配置してもよい。本例では形成体401は、シート材をエンボス加工することによって形成される。しかしながら、他の実施態様では形成体401は、例えばシート材に接着させるあるいはシート材へのコーティングとして適用してもよいことを認識すべきである。
【0341】
本例では形成体401は、ほぼ平面なファセット402を形成する。しかしながら、これとは別の実施態様(図示せず)では形成体401は、例えばほぼ凸形または凹形である異なる構造を有することを認識すべきである。
【0342】
本例では形成体401は、ほぼ方形である。しかしながら、別の実施態様(図示せず)では形成体401は、異なる形状、例えば矩形、円形、楕円形、三角形または六角形であってもよい。形成体401は、全て同じ形状であってもよく、あるいは形成体401の少なくとも1つが残りの形成体401とは異なる形状であってもよい。
【0343】
本例では形成体401は、全て同じ大きさである。しかしながら、これとは別の実施態様(図示せず)では形成体401の少なくとも1つは残りの形成体401と異なる大きさである。
【0344】
本例では形成体401は、突出部401が第2のラッパー5と当接するように第1のラッパー9のシート材の外方面から外方に突出している。突出部401は、1つ以上の隙間406が突出部401の間の空間に形成され、第1のラッパーの一部が第2のラッパーから間隔が空けられるように第1のラッパー9の曲率に不均一性を与える。本例では隙間406は、各対の隣接する突出部401の間に形成されている。
【0345】
該または各隙間406は、エアロゾルの発生時に第2のラッパー5の温度を下げるために第2のラッパー5を第1のラッパー9から断熱することに役立つ。
【0346】
別の実施態様(図示せず)では突出部401は、突出部401が第1のラッパー9が囲む部材と当接するようにシート材の内面に形成される。例えば、突出部401は、材料体6を囲む第1のプラグラッパー7と当接してもよい、あるいは材料体6と直に当接してもよい(この場合、第1のラッパー9は材料体6の第1のプラグラッパー7であってもよい)および/または管状部分4aと当接してもよい。内方に向けられた突出部401は、1つ以上の隙間が突出部401の間の空間に形成され、第1のラッパーの一部が突出部401が当接する部材から間隔が空けられるように第1のラッパー9の内面の曲率に不均一性を与える。上記と同じように該または各隙間406は、エアロゾルの発生時に第2のラッパー5の温度を下げるために第2のラッパー5を第1のラッパー9から断熱することに役立つ。
【0347】
1つの実施態様(図示せず)では形成体401は、第1のラッパー9のシート材400の両面に設けられる。
【0348】
別の実施態様(図示せず)では形成体401または形成体401の少なくともいくつかは、シート材400の面に形成された凹みの形状である。窪みはシート材400に形成された窪みであってもよい。突出部/凹みは、エンボス工具を使用して形成してもよい。
【0349】
ここで
図18を参照すると、長手方向の隆起501の形体の複数の形成体501を含む別のシート材500が示されている。本例では本例では隆起501は、リブ501を形成するために長手方向に延びた突出部501を含む。隙間502が隣接する突出部501の間に形成され、物品1、1’の外面への熱の移動を減少させることに役立つ。別の実施態様(図示せず)では隆起501は、代わりに溝を形成するために長手方向に延びたシート材の凹み(図示せず)である。隙間は各溝に形成され、物品1、1’の外面への熱の移動を減少させることに役立つ。
【0350】
エンボスによる形成体401、501は、
図7(a)~7(e)、
図8(a)~8(e)または
図9(a)~9(e)のいずれかに示す脆弱線の形状を有してもよい。例えば、形成体401、501は、
図7(c)に示すハニカム形状になるようにエンボス加工されてもよい。
【0351】
一部の実施態様では第1および第2のラッパー9、5は、本開示の他の箇所で説明しているような、例えば少なくとも325ミクロンまたは少なくとも400、500、600、700、800、900、1000、1250または1500ミクロンの厚みTを有する紙の管4aの形体の管状部分4aを有する物品1、1’に適用される。しかしながら、この他の実施態様では紙の管4aは省略されるか例えば325ミクロン未満の異なる厚みTを有する。
【0352】
一部の実施態様では第1および第2のラッパー9、5は、本開示の他の箇所で説明しているような、例えば少なくとも100コレスタ単位の通気度を有する紙の管4aの形体の管状部分4aを有する物品1、1’に適用される。しかしながら、この他の実施態様では紙の管4aは省略されるか例えば100コレスタ単位未満の異なる通気度を有する。
【0353】
一部の実施態様(図示せず)では第1および/または第2のラッパー9、5が省略される。一部の実施態様では第1のラッパー9は、強度が不連続の線を含まない。
【0354】
ここで下記表2~19を参照すると、物品1’の異なる構造の10個のサンプルの3つの測定ポイントでの表面温度の実験データが示されている。各物品1’は、上記
図2に示すような同じ構造のものである。各物品1’は、軸方向長さ6mmの中空の管状構成部品8と、軸方向長さ10mmの材料体6と、軸方向長さ25mmの管状部分4aと、軸方向長さ34mmのエアロゾル発生材のロッド3とを含む。
【0355】
中空の管状構成部品8は吸い口端に設けられ、材料体6は中空の管状構成部品8の上流に設けられ、管状部分4aは材料体6の上流に設けられ、エアロゾル発生材のロッド3は管状部分4aの上流に設けられている。管状部分4a、材料体6および中空の管状構成部品8は、これら3つのセクション全てに巻かれる第2のプラグラッパー9によって1つにまとめられる。第2のプラグラッパー9は、異なる構造を有し、第2のプラグラッパーのパラメータを変えることの物品1の外面温度の影響を測定した。より具体的には第1の温度センサが喫煙機械を使用した物品1’の使用時の物品1’の吸い口端(下流端部)から3mmの第1の位置での物品1’の外面の温度を測定する、第2の温度センサが物品1’の吸い口端から8mmの第2の位置での物品1’の外面の温度を測定し、第3の温度センサが物品1’の吸い口端から14mmの第3の位置での物品1’の外面の温度を測定する。したがって、第1、第2および第3の温度センサは、チッピング紙5の外面の対応する軸方向位置での温度を測定する。
【0356】
物品1’の種々の構造は次の通りである。
【0357】
表2~4は、60%の換気を有し、空隙を発生させるための形成体を含まない27gsmの第2のプラグラッパーを含む物品の温度測定に関する。表2は吸い口端から3mmの所で測定された外面温度を示し、表3は吸い口端から8mmの所で測定された外面温度を示し、表4は、吸い口端から14mmの所で測定された外面温度を示す。
【0358】
表5~7は、75%の換気を有し、空隙を発生させるための形成体を含まない27gsmの第2のプラグラッパーを含む物品の温度測定に関する。表5は吸い口端から3mmの所で測定された外面温度を示し、表6は吸い口端から8mmの所で測定された外面温度を示し、および表7は、吸い口端から14mmの所で測定された外面温度を示す。
【0359】
表8~10は、60%の換気を有し、空隙を発生させるための形成体を含む70gsmの第2のプラグラッパーを含む物品の温度測定に関する。形成体は、
図3に示したようなハニカムパターンに配置されたエンボス加工による突出部である。表8は吸い口端から3mmの所で測定された外面温度を示し、表9は吸い口端から8mmの所で測定された外面温度を示し、表10は、吸い口端から14mmの所で測定された外面温度を示す。
【0360】
表11~13は、75%の換気を有し、空隙を発生させるための形成体を含む70gsmの第2のプラグラッパーを含む物品の温度測定に関する。形成体は、
図3に示したようなハニカムパターンに配置されたエンボス加工による突出部である。表11は吸い口端から3mmの所で測定された外面温度を示し、表12は吸い口端から8mmの所で測定された外面温度を示し、表13は吸い口端から14mmの所で測定された外面温度を示す。
【0361】
表14~16は、60%の換気を有し、空隙を発生させるための形成体を含む100gsmの第2のプラグラッパーを含む物品の温度測定に関する。形成体は、
図3に示したようなハニカムパターンに配置されたエンボス加工による突出部である。表14は吸い口端から3mmの所で測定された外面温度を示し、表15は吸い口端から8mmの所で測定された外面温度を示し、表16は吸い口端から14mmの所で測定された外面温度を示す。
【0362】
表17~19は、75%の換気を有し、空隙を発生させるための形成体を含む100gsmの第2のプラグラッパーを含む物品の温度測定に関する。形成体は、
図3に示したようなハニカムパターンに配置されたエンボス加工による突出部である。表17は吸い口端から3mmの所で測定された外面温度を示し、表18は吸い口端から8mmの所で測定された外面温度を示し、表19は吸い口端から14mmの所で測定された外面温度を示す。
【0363】
表2~19のそれぞれにおいて温度測定は10個の異なるサンプルについて行う。各測定箇所での温度を各サンプルの9回のパフ、即ち喫煙機械を使用した物品1’の9回の吸引で記録する。
【0364】
【0365】
【0366】
【0367】
【0368】
【0369】
【0370】
【0371】
【0372】
【0373】
【0374】
【0375】
【0376】
【0377】
【0378】
【0379】
【0380】
【0381】
【0382】
上記データから見ると、第1のラッパー9にエンボスを設けることは3つの測定箇所、即ち物品1、1’の吸い口端から3mm、8mmそして14mmで測定した表面温度を下げることに役立っている。これは60%と75%の換気サンプル両方の場合である。さらに厚みのある100gsmシート材は、薄い70gsmシート材そしてさらに薄い27gsmシート材と比較してそれぞれの測定箇所において平面温度を下げやすくすることがわかる。
【0383】
一部の例ではエアロゾル発生材3の下流のマウスピース2、2’は、ラッパー、例えば第1または第2のプラグラッパー7、9またはチッピング紙5を含んでもよく、これは本明細書で説明したエアロゾル変性剤または他の知覚材料を含む。エアロゾル変性剤は、マウスピースラッパーの内方または外方に向いた面に配置してもよい。例えば、エアロゾル変性剤または他の知覚材料は、使用時に消費者の唇と接触するチッピング紙の外方に向いた面などのラッパーの領域に設けてもよい。マウスピースラッパーの外方に面した表面にエアロゾル変性剤または他の知覚材料を配置することによってエアロゾル変性剤または他の知覚材料を使用時に消費者の唇に移行させてもよい。エアロゾル変性剤または他の知覚材料を物品の使用時に消費者の唇に移行させることでエアロゾル発生基材によって発せられるエアロゾルの感覚刺激特性(例えば味)を変性させてもよく、またそうでなければ消費者に別の知覚経験を提供するようにしてもよい。例えば、エアロゾル変性剤または他の知覚材料は、エアロゾル発生基材3によって発せられるエアロゾルに風味を付与してもよい。エアロゾル変性剤または他の知覚材料は、それが消費者の唾液を介してユーザーに移行するように少なくとも部分的に水に可溶であってもよい。エアロゾル変性剤または他の知覚材料は、エアロゾル供給システムによって発せられる熱によって揮発するものであってもよい。これによりエアロゾル発生基材3によって発せられたエアロゾルにエアロゾル変性剤が移行しやすくなる。好適な知覚材料は、本明細書で説明した風味剤、スクラロースまたはメンソールまたはそれに類するものなどの冷却剤であってもよい。他の実施態様(図示せず)ではマウスピース2、2’は、さらにまたはこれとは別にエアロゾル変性剤を含むカプセル(図示せず)を含む。カプセルは材料体6に配置してもよい。
【0384】
一部の実施態様ではエアロゾル変性部材および使用時、エアロゾル発生材3がエアロゾルを供するようにエアロゾル発生材3を加熱するように動作可能なヒーターを含む非燃焼系エアロゾル供給システムが提供される。エアロゾル変性部品は、1つ以上のエアロゾル変性剤を含んでもよい。エアロゾル変性剤は、本例ではカプセルの形で材料体6内に設けられる。選択的に耐油性の第1のプラグラッパーが材料体6を囲む。他の例では、エアロゾル変性剤は、材料体6内に注入された材料などの他の形体で設けられてもよく、あるいはより糸、例えば風味剤または他のエアロゾル変性剤を担持したより糸に設けられてもよく、これも材料体6内に配置されてもよい。
【0385】
エアロゾル変性部品は、1つ以上のカプセルを含んでもよい。該または各カプセルは、破壊可能なカプセル、例えば液体ペイロードを囲む硬質な壊れやすいシェルを有するカプセルを含んでもよい。一部の実施態様では単独のカプセルが使用される。他の実施態様では複数のカプセルが使用される。
【0386】
該または各カプセルは、材料体5内に完全に埋め込まれる。言い換えればカプセルは、材料体6を形成する材料によって完全に囲まれる。他の例では、複数の壊れやすいカプセル、例えば2、3またはそれ以上の壊れやすいカプセルを材料体6内に配置してもよい。材料体6の長さは必要とされる数のカプセルを収容するように長くしてもよい。複数のカプセルが使用される例では個々のカプセルは互いに同じであってもよく、あるいは大きさおよび/またはカプセルペイロードが異なってもよい。他の例では、それぞれが1つ以上のカプセルを含む複数の材料体6を設けてもよい。
【0387】
該または各カプセルは、コア-シェル構造を有してもよい。各カプセルは、液剤、例えば本明細書で説明した風味剤またはエアロゾル変性剤のいずれかであってもよい風味剤または他の物質をカプセル化するシェルを含んでもよい。カプセルのシェルは風味剤または他の助剤を材料体6内に放出するためにユーザーが破裂させることができる。第1のプラグラッパーは、プラグラッパーの材料をカプセルの液体ペイロードに対して実質的に非透過性にするバリアコーティングを含んでもよい。これとは別にまたは加えて第2のプラグラッパー9および/またはチッピング紙5は、そのプラグラッパーおよび/またはチッピング紙の材料をカプセルの液体ペイロードに対して実質的に非透過性にするバリアコーティングを含んでもよい。
【0388】
一部の実施態様では該または各カプセルは球体であり、約3mmの直径を有する。他の例では、他の形状および大きさのものも使用可能である。例えば、カプセルの直径は、4mm未満または3.5mm未満または3.25mm未満であってもよい。別の実施態様では該または各カプセルの直径は、約3.25mm超、例えば3.5mm超または4mmであってもよい。各カプセルの総重量は、約10mg~約50mgの範囲内であってもよい。
【0389】
一部の実施態様ではカプセルは、材料体6内に長手方向中央の位置に配置される。即ち、カプセル11は、その中心が材料体6の両端から5mm離れるように位置決めされる。本例ではカプセルの中心は、物品1の上流端部から36mmの所に位置決めされる。好ましくはカプセルは、物品1の上流端部から28mm~38mmの間、より好ましくは物品1の上流端から34mm~38mmの間に位置決めされる。本例ではカプセルは、マウスピース2bの下流端部から12mmに位置決めされる。カプセルをこの位置に設けることで使用時に加熱される物品エアロゾル発生セクションにカプセルが近接しつつ、かつ、使用時にエアロゾル供給システムに挿入されて、ユーザーがカプセルに触れやすくし、ユーザーの指でカプセルを潰すことができるようにするエアロゾル発生セクションから充分に遠くすることによってカプセルの内容物が結果として良好に揮発化することになる。
【0390】
他の例では単独のカプセルは材料体6の長手方向の中心位置以外の位置、即ち上流端部より材料体6の下流端部に近いまたは下流端部より材料体6の上流端部に近い所に配置してもよい。好ましくはマウスピース2、2’は、カプセルと換気孔がマウスピース2、2’内で互いに長手方向にオフセットするように構成されている。例えば、換気孔は、カプセル位置の直ぐ上流、例えばカプセル位置の上流約1mm~約10mmに位置してもよい。
【0391】
一部の実施態様ではエアロゾル変性部品は、第1および第2のカプセルを含む。第1のカプセルは、エアロゾル変性部品の第1の部分に配され、第2のカプセルは、第1の部分の下流のエアロゾル変性部品の第2の部分に配される。
【0392】
エアロゾル変性部品の第1の位置は、エアロゾルを発生させるためにヒーターの作動中に第1の温度に加熱され、第2の部分は、エアロゾルを発生させるためにヒーターの作動中に第2の温度に加熱され、第2の温度は、第1の温度より少なくとも4℃低い。好ましくは第2の温度は、第1の温度より少なくとも5、6、7、8、9または10℃低い。
【0393】
エアロゾル変性部品は、物品1の1つ以上の部品を含んでもよい。一部の実施態様ではエアロゾル変性部品は、材料体6を含み、第1および第2のカプセルは、材料体6内に配される。材料体6はセルロースアセテートを含んでもよい。別の実施態様ではエアロゾル変性部品は2つの材料体(図示せず)を含み、第1および第2のカプセルは、それぞれ第1および第2の材料体内に配置される。一部の実施態様ではエアロゾル変性部品は、これとは別にまたは加えてこのまたはこれら材料体の上流および/または下流に1つ以上の管状部材を含む。エアロゾル発生部品は、マウスピース2、2’を含んでもよい。
【0394】
一部の実施態様では第2のカプセルは、第1および第2のカプセル間の距離として測定して、少なくとも7mm、第1のカプセルから離れている。好ましくは第2のカプセルは、少なくとも8、9または10mm、第1のカプセルから離れている。第1と第2のカプセル間の距離を長くすることで第1および第2の温度間の差を大きくするということがわかっている。
【0395】
第1のカプセルは、エアロゾル変性剤を含む。第2のカプセルは、第1のカプセルのエアロゾル変性剤と同じまたは異なるエアロゾル変性剤を含む。一部の実施態様ではユーザーは、各カプセルからエアロゾル変性剤を放出するためにエアロゾル変性部品に外力を加えることによって第1および第2のカプセルを選択的に破裂させてもよい。
【0396】
第2のカプセルのエアロゾル変性剤は、第1および第2の温度の差により第1のカプセルのエアロゾル変性剤より低い温度に加熱される。
【0397】
第1および第2のカプセルのエアロゾル変性剤は、この温度差に基づいて選択できる。例えば、第1のカプセルは、第2のカプセルのエアロゾル変性剤より低い蒸気圧を有する第1のエアロゾル変性剤を含む。カプセルが両方とも同じ温度に加熱されると、第2のエアロゾル変性剤のより高い蒸気圧は、より多くの第2のエアロゾル変性剤が第1のカプセルのエアロゾル変性剤に対して揮発することを意味する。しかしながら、第2のカプセルは、低い温度に加熱されるので、この影響は、より均一の量の第1および第2のカプセルのエアロゾル変性剤が第1および第2のカプセルをそれぞれ壊した際に揮発するように目立たなくなる。
【0398】
一部の実施態様では第1および第2のカプセルは、同じエアロゾル変性特性を有し、これは両方のカプセルが同じ種類のエアロゾル変性剤を同じ量で含み、両方のカプセルが同じ温度に加熱され、壊されたならば、両方のカプセルがエアロゾルを同じように変性することを意味する。しかしながら、第1のカプセルが第2のカプセルより高い温度に加熱されるので、第2のカプセルの変性剤と比較して第1のカプセルのエアロゾル変性剤がより多く揮発し、第2のカプセルより、より顕著にエアロゾルを変性することになる。したがって、エアロゾル変性部品をより簡単におよび/またはより安価に製造できるようにする両方のカプセルが同じであるということにもかかわらず、ユーザーはより顕著にエアロゾルを変性する第1のカプセルを壊すか、あまりエアロゾルを変性しない第2のカプセルを壊すか、あるいはエアロゾルをより顕著に変性するために両方のカプセルを壊すかを決定できる。
【0399】
一部の実施態様では第1および第2のカプセルは、両方とも第1および第2のエアロゾル変性剤を含む。第1の変性剤は、第2のエアロゾル変性剤より低い蒸気圧を有する。したがって、第2のカプセルが壊されると、エアロゾルを発生させるためにシステムを使用している際により熱い第1のカプセルが壊された場合と比較して第1のエアロゾル変性剤に対してより多くの割合の第2のエアロゾル変性剤が蒸発する。したがって、同じカプセルを使用するとエアロゾル変性部品の第1または第2の部分のカプセルの位置に基づいて変性の異なるエアロゾルを発生させる。
【0400】
非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、本明細書に記載の物品1、1’のエアロゾル発生材3を加熱するために使用される。非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、好ましくはコイルを含み、これは他の構成と比較して物品1、1’への熱伝導を向上させることが分かっている。
【0401】
一部の例ではコイルは、使用時、少なくとも1つの導電性加熱素子を加熱するように構成され、これにより熱エネルギーがその少なくとも1つの導電性加熱素子からエアロゾル発生材へと伝導可能になり、これによりエアロゾル発生材の加熱を引き起こす。
【0402】
一部の例ではコイルは、使用時少なくとも1つの加熱素子の中を通るための変動磁場を発生させるように構成されており、これにより少なくとも1つの加熱素子の誘導加熱および/または磁気ヒステリシス加熱を引き起こす。このような構成では該または各加熱素子は、本明細書で定義されるように「サセプタ」と言ってもよい。使用時に1つの導電性加熱素子の中を通るための変動磁場を発生させ、これにより少なくとも1つの導電性加熱素子の誘導加熱を引き起こすように構成されているコイルは、「誘導コイル」または「インダクタコイル」と言ってもよい。
【0403】
本デバイスは、例えば1つ以上の導電性加熱素子などの1つ以上の加熱素子を含み、これら1つ以上の加熱素子はこれら1つ以上の加熱素子の加熱ができるように好適にはコイルに対して配置するまたは配置可能であってもよい。1つ以上の加熱素子はコイルに対して固定されてもよい。これとは別に少なくとも1つの加熱素子、例えば少なくとも1つの導電性加熱素子は、デバイスの加熱領域への挿入のために物品1、1’に含まれてもよく、物品1,1’は、エアロゾル発生材3を含み、使用後加熱領域から取り除かれる。これとは別にデバイスとそのような物品1、1’は少なくとも1つのそれぞれ用の加熱素子、例えば少なくとも1つの導電性加熱素子を含んでもよく、コイルは、物品が加熱領域にあるとき、デバイスと物品それぞれの1つ以上の加熱素子の加熱を引き起こす。
【0404】
一部の例ではコイルは螺旋形である。一部の例ではコイルは、エアロゾル発生材を収容するように構成されたデバイスの加熱領域の少なくとも一部を囲む。一部の例ではコイルは加熱領域の少なくとも一部を囲む螺旋コイルである。
【0405】
一部の例ではデバイスは、加熱領域を少なくとも部分的に囲む導電性加熱素子を含み、コイルは、導電性加熱素子の少なくとも一部を囲む。一部の例では導電性加熱素子は管状である。一部の例ではコイルはインダクタコイルである。
【0406】
一部の例ではコイルを使用することによって非燃焼系エアロゾル供給デバイスを非コイルエアロゾル供給デバイス装置より速く作動温度に到達させることができる。例えば、上述のようにコイルを含む非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、最初にパフがデバイス加熱プログラムの起動から30秒未満、好ましくは25秒未満で提供できるように作動温度に到達することができる。一部の例ではデバイスは、デバイス加熱プログラムの起動から約20秒で作動温度に到達することができる。
【0407】
エアロゾル発生材の加熱を引き起こすためにデバイスに本明細書に記載したようなコイルを使用することは生成されるエアロゾルを向上させることが分かっている。例えば、消費者は本明細書に記載したもののようなコイルを含むデバイスによって発せられたエアロゾルは、他の非燃焼系エアロゾル供給システムによって製せられたエアロゾルより工場製紙巻きタバコ(factory made cigarettes、FMC)に感覚的に近いと報告している。い
かなる理論にも束縛されることを望まないが、これはコイルを使用した際に必要とされる加熱温度に到達する時間の短縮、コイルを使用した際に達成される高い加熱温度および/またはコイルによってそのようなシステムが比較的多量のエアロゾル発生材を同時に加熱することを可能にし、結果としてFMCのエアロゾル温度に似た温度のエアロゾルが得られると推定される。FMC製品では、燃えている燃えさしがエアロゾルがロッドを通して引き込まれる際にその燃えさしの後のタバコロッドのタバコを加熱する熱いエアロゾルを発生させる。この熱いエアロゾルが燃えている燃えさしの後のロッドのタバコから風味化合物を放出させていると理解されている。本明細書に記載したようなコイルを含むデバイスは、本明細書に記載したようなタバコ材などのエアロゾル発生材を加熱して、風味化合物を放出させることもでき、結果としてFMCエアロゾルにより類似していると報告されたエアロゾルが得られると考えられている。円周が19mm超、例えば約19mm~23mmのエアロゾル発生材ロッドを含む物品を加熱するコイルを含むデバイスを使用することによってエアロゾルの特定の改善が達成される。
【0408】
本明細書に記載したようなコイル、例えばエアロゾル発生材の少なくとも一部を少なくとも200℃、より好ましくは少なくとも220℃に加熱する誘導コイルを含むエアロゾル供給システムを使用することでFMC製品のエアロゾルにより類似すると考えられている特定の特性を有するエアロゾルをエアロゾル発生材から発生させることができる。例えば、ニコチンを含むエアロゾル発生材を2秒間少なくとも250℃に誘導ヒーターを使用して加熱した場合、次の特徴のうちの1つ以上が観察された、
少なくとも10μgのニコチンがエアロゾル発生材からエアロゾル化される、
発生させたエアロゾルのニコチンに対するエアロゾル形成材の重量比は少なくとも約2.5:1、好適には少なくとも8.5:1である、
エアロゾル形成材の少なくとも100μgをエアロゾル発生材からエアロゾル化できる、
発生したエアロゾル中の平均粒径または滴径は約1000nm未満である、
エアロゾル密度は少なくとも0.1μg/ccである。
【0409】
場合によっては少なくとも10μgのニコチン、好適には少なくとも30μgまたは40μgのニコチンが、その2秒間の間少なくとも1.50L/mの空気流の下で前記エアロゾル発生材からエアロゾル化される。場合によっては約200μg未満、好適には約150μg未満または約125μg未満のニコチンがその2秒間の間少なくとも1.50L/mの空気流の下で前記エアロゾル発生材からエアロゾル化される。
【0410】
場合によっては少なくとも100μgのエアロゾル形成材、好適には少なくとも200μg、500μgまたは1mgのエアロゾル形成材がその2秒間の間少なくとも1.50L/mの空気流の下で前記エアロゾル発生材からエアロゾル化される。好適にはエアロゾル形成材は、グリセロールを含むまたはグリセロールからなる。
【0411】
本明細書で定義される「平均粒径または滴径」なる用語は、エアロゾルの固体または液体成分(即ち、気体中に懸濁している成分)の大きさの平均を意味する。エアロゾルが懸濁した液滴および懸濁した固体粒子を含む場合、その用語はすべての成分を合わせた大きさの平均を意味する。
【0412】
場合によっては発生したエアロゾルの平均粒径または滴径は、900nm、800nm、700nm、600nm、500nm、450nmまたは400nm未満であってもよい。場合によっては平均粒径または滴径は約25nm、50nmまたは100nm超であってもよい。
【0413】
場合によっては上記期間の間に発生するエアロゾルの密度は、少なくとも0.1μg/ccであってもよい。場合によってはエアロゾル密度は少なくとも0.2μg/cc、0.3μg/ccまたは0.4μg/ccである。場合によってはエアロゾル密度は約2.5μg/cc、2.0μg/cc、1.5μg/ccまたは1.0μg/cc未満である。
【0414】
非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、物品1、1’のエアロゾル発生材3を好ましくは少なくとも160℃の最大温度に加熱するように構成されている。好ましくは非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、非燃焼系エアロゾル供給デバイスによる加熱工程中に少なくとも一度、物品1、1’のエアロゾル形成材3を少なくとも約200℃、または少なくとも約220℃または少なくとも約240℃、より好ましくは少なくとも約270℃の最大温度に加熱するように構成されている。
【0415】
本明細書中で説明したようなコイル、例えば少なくともエアロゾル発生材の一部を少なくとも200℃、より好ましくは少なくとも220℃に加熱する誘導コイルを含むエアロゾル供給システムを使用することで、エアロゾルがマウスピース2、2’の吸い口端部を出る際にFMC製品により近いと考えられているエアロゾルの発生に貢献する以前の装置より本明細書に記載した物品1、1’のエアロゾル発生材からより高い温度のエアロゾルを発生させることができる。例えば、物品1、1’の吸い口端部で測定される最大エアロゾル温度は、好ましくは50℃超、より好ましくは55℃超、さらにより好ましくは56℃または57℃超である。さらにまたはこれとは別に物品1、1’の吸い口端部で測定される最大エアロゾル温度は、62℃未満、より好ましくは60℃未満、より好ましくは59℃未満である。一部の実施態様では物品1、1’の吸い口端部で測定される最大エアロゾル温度は、好ましくは50℃~62℃、より好ましくは56℃~60℃である。
【0416】
上述の実施態様では管状部分4aはマウスピース2、2’に設けられている。しかしながら、別の実施態様では管状部分4aがマウスピース2、2’の上流の別の部品でかつエアロゾル形成材3の下流である物品の一部に設けられてもよい。
【0417】
一部の実施態様ではエアロゾル発生材3は、エアロゾル化可能な材料のシートまたは刻まれたシートを含む。エアロゾル化可能な材料は、加熱されるとエアロゾルを発生させるために配置される。
【0418】
シートまたは刻まれたシートは、第1の面とそれの反対の第2の面とを含む。第1および第2の面の寸法は、大まかに合致している。シートまたは刻まれたシートの第1および第2の面は、あらゆる形状であってもよい。例えば、第1および第2の面は、方形、矩形、楕円または円形であってもよい。不規則な形状も想定される。
【0419】
シートまたは刻まれたシートの第1および/または第2の面は、比較的均一(例えば、比較的滑らか)であってもよく、あるいは不均一または不規則であってもよい。例えば、シートの第1および/または第2の面は、比較的粗い面を画定するためにざらつかせるまたはパターン化されてもよい。一部の実施態様では第1および/または第2の面は、比較的粗い。
【0420】
第1および第2の面の滑らかさは、それらの面密度およびエアロゾル化可能な材料を構成する成分の性質などの多くの要因に影響される。
【0421】
第1および第2の面の面積は、それぞれ第1の寸法(例えば、幅)と第2の寸法(例えば、長さ)によって画定される。本明細書中では「アスペクト比」なる用語は、第1または第2の面の第1の寸法の測定値の第1または第2の面の第2の寸法の測定値に対する比である。第1および第2の面の測定値は、1:1または1:1超の比を有し、したがって、シートまたは刻まれたシートは、1:1または1:1超の「アスペクト比」を有する。「1:1のアスペクト比」は、第1の寸法(例えば、幅)の測定値と第2の寸法(例えば、長さ)の測定値が一致することを意味する。「1:1超のアスペクト比」は、第1の寸法(例えば、幅)の測定値と第2の寸法(例えば、長さ)の測定値が異なることを意味する。一部の実施態様ではシートまたは刻まれたシートの第1および第2の面は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7またはそれ以上などの1:1超のアスペクト比を有する。
【0422】
刻まれたシートは、エアロゾル化可能な材料からなる1つ以上のストランドまたは条片を含んでもよい。一部の実施態様では刻まれたシートは、エアロゾル化可能な材料からなる複数の(例えば、2つ以上の)ストランドまたは条片を含む。エアロゾル化可能な材料からなるストランドまたは条片のアスペクト比は、少なくとも1:1である。ある実施態様ではエアロゾル化可能な材料からなるストランドまたは条片のアスペクト比は、1:1超である。一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料からなるストランドまたは条片のアスペクト比は、約1:5~約1:16または約1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11または1:12である。
【0423】
刻まれたシートが材料からなる複数のストランドまたは条片を含む場合、各ストランドまたは条片の寸法は同一であるか、類似であるかまたは異なる。例えば、刻まれたシートは、第1群のストランドまたは条片と、第2群のストランドまたは条片とを含んでもよく、第1群のストランドまたは条片の寸法は、第2群のストランドまたは条片の寸法とは異なる。例えば、複数のストランドまたは条片は、第1群の第1のアスペクト比を有するストランドまたは条片と、第2群の第1のアスペクト比と異なる第2のアスペクト比を有するストランドまたは条片とを含んでもよい。
【0424】
好ましくはエアロゾル化可能な材料からなるストランドまたは条片の第1の寸法または切断幅は、0.75mm~2mm、例えば1mm~1.5mmである。0.75mmの切断幅を有するエアロゾル化可能な材料からなるストランドまたは条片が非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品に挿入される場合、物品の圧力降下が増加すると考えられている。逆に言うと、ストランドまたは条片が2mm以上(例えば、2mm超)の切断幅を有する場合、物品の製造時にエアロゾル化可能な材料からなるストランドまたは条片を物品に挿入しにくくする場合がある。
【0425】
細断によって形成されるストランドまたは条片は、切断幅に加えてエアロゾル化可能な材料からなるストランドまたは条片のために長さを画定するために例えば横引型細断工程で横方向に切断されてもよい。刻まれたエアロゾル化可能な材料の切断長さは、好ましくは少なくとも5mm、例えば、少なくとも10mmまたは少なくとも20mmである。刻まれたエアロゾル化可能な材料の切断長さは、60mm未満、50mm未満または40mm未満であってもよい。
【0426】
一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料からなる複数のストランドまたは条片が供され、エアロゾル化可能な材料からなる複数のストランドまたは条片のうちの少なくとも1つは、約10mm超の長さを有する。エアロゾル化可能な材料からなる複数のストランドまたは条片のうちの少なくとも1つは、これとは別にまたは加えて約10mm~約60mmまたは約20mm~約50mmの長さを有してもよい。エアロゾル化可能な材料からなる複数のストランドまたは条片のそれぞれは、約10mm~約60mmまたは約20mm~約50mmの長さを有してもよい。
【0427】
シートまたは刻まれたシートは、比較的薄い材料である。シートまたは刻まれたシートの厚さは、第1および第2の面の間で変わってもよい。エアロゾル化可能な材料からなるシートまたは刻まれたシートの厚さは、少なくとも約100μmである。シートまたは刻まれたシートの厚さは、少なくとも約120μm、140μm、160μm、180μmまたは200μmであってもよい。一部の実施態様ではシートまたは刻まれたシートの厚さは、約150μm~約300μm、約151μm~約299μm、約152μm~約298μm、約153μm~約297μm、約154μm~約296μm、約155μm~約295μm、約156μm~約294μm、約157μm~約293μm、約158μm~約292μm、約159μm~約291μmまたは約160μm~約290μmである。一部の実施態様ではシートまたは刻まれたシートの厚さは、約170μm~約280μm、約180~約270μm、約190~約260μm、約200μm~約250μmまたは約210μm~約240μmである。
【0428】
一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料からなる個々の条片または片は、約100μmのその領域に亘る最小厚さを有する。場合によってはエアロゾル発生材からなる個々の条片または片は、約0.05mmまたは約0.1mmに亘る最小厚さを有する。場合によってはエアロゾル発生材からなる個々の条片または片は、約1.0mmのその領域に亘る最大厚さを有する。場合によってはエアロゾル発生材からなる個々の条片または片は、約0.5mmまたは約0.3mmのその領域に亘る最大厚さを有する。
【0429】
シートの厚さは、「GB/T 451.3 Paper and board-Determination ofthickness」に概
要が記載されているGuobiao標準試験を使用して測定できる。
【0430】
本発明者は、エアロゾル化可能な材料からなるシートまたは刻まれたシートが厚すぎると、加熱効率が損なわれることを確認している。これは使用時の電力消費、例えばエアロゾル発生材から風味を発生させるための電力消費に悪影響を与える。逆に言うとエアロゾル化可能な材料が薄すぎると、製造および取り扱いが困難になり、非常に薄い材料は、キャストするのが困難になり、脆く、使用の際のエアロゾルの形成が損なわれる。
【0431】
少なくとも約100μmの厚みを有し、かつ、約100g/m2~約250g/m2の面密度を有するシートまたは刻まれたシートは、その製造時に破れにくく、裂けにくくまたは変形しにくいということが観察されている。少なくとも約100μmの厚みは、シートまたは刻まれたシートの全体的な構造的完全性および強度に好ましい影響を与える。
【0432】
シートまたは刻まれたシートの厚みは、その面密度に影響を与えるとも考えられている。即ち、シートまたは刻まれたシートを厚くすると、シートまたは刻まれたシートの面密度を小さくする。逆に言うと、シートまたは刻まれたシートの厚みはシートまたは刻まれたシートの面密度を増加させる。誤解を避けるために本明細書で面密度と言った場合、これは所定のエアロゾル化可能な材料からなるストリップ、ストランド、片またはシートで計算された平均面密度を意味し、面密度は、所定のエアロゾル化可能な材料からなるストリップ、ストランド、片またはシートの表面積および重量を測定することによって計算される。
【0433】
エアロゾル発生材からなるシートまたは刻まれたシートは、約100g/m2~約250g/m2の面密度を有する。シートまたは刻まれたシートは、約110g/m2~約240g/m2、約120g/m2~約230g/m2、約130g/m2~約220g/m2または約140g/m2~約210g/m2の面密度を有してもよい。一部の実施態様ではシートまたは刻まれたシートは、約130g/m2~約290g/m2、約140g/m2~約180g/m2、約150g/m2~約170g/m2の面密度を有する。
【0434】
約100g/m2~約250g/m2の面密度は、シートまたは刻まれたシートの強度および可撓性の付与に貢献すると考えられている。
【0435】
シートまたは刻まれたシートの可撓性は、シートまたは刻まれたシートの厚みおよび面密度に依存すると考えられている。厚みのあるシートまたは刻まれたシートは、薄いシートまたは刻まれたシートより撓みにくい。またシートの面密度が大きくなるにしたがって、シートまたは刻まれたシートは、撓みにくくなる。本明細書に記載のエアロゾル化可能な材料の厚さと面密度の組み合わせは、比較的可撓性のあるシートまたは刻まれたシートを供すると考えられている。エアロゾル化可能な材料が非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するための物品内に組み込まれる際、この可撓性は種々の利点を生じさせる。例えば、ストランドまたは条片は、エアロゾル発生器をエアロゾル発生材内に挿入すると、容易に変形し、撓み、したがって、エアロゾル発生器の材料内への挿入の容易さを向上させる。
【0436】
本発明者は、エアロゾル発生材からなるシートまたは刻まれたシートの面密度はということを発見したシートまたは刻まれたシートの第1および第2の面の粗さに影響を与えるということを発見した。面密度を変えることによって、第1および/または第2の面の粗さを調整できる。面密度を大きくすることで第1および第2の面の粗さを少なくし、面密度を小さくすることは第1および第2の面の粗さを増やすことになる。
【0437】
エアロゾル発生材からなるシートまたは刻まれたシートの平均体積密度は、シートの厚さとシート面密度から計算してもよい。平均体積密度は、約0.2g/cm3超、約0.3g/cm3または約0.4g/cm3であってもよい。一部の実施態様では平均体積密度は、約0.2g/cm3~約1g/cm3、約0.3g/cm3~約0.9g/cm3、約0.4g/cm3~約0.8g/cm3、約0.5g/cm3~約0.8g/cm3または約0.6g/cm3~約0.8g/cm3である。
【0438】
本開示の1つの態様ではタバコ材と、エアロゾル形成材と、バインダーとを含むエアロゾル化可能な材料からなるシートまたは刻まれたシートを含むエアロゾル発生材が提供され、シートまたは刻まれたシートの密度は、約0.4g/cm3超である。一部の実施態様では密度は、約0.4g/cm3~約2.9g/cm3、約0.4g/cm3~約1g
/cm3、約0.6g/cm3~約1.6g/cm3または約1.6g/cm3~約2.9
g/cm3である。
【0439】
シートまたは刻まれたシートの引張強度は、少なくとも4N/15mmである。
【0440】
本発明者は、シートまたは刻まれたシートの引張強度が4N/15mm未満の場合、シ
ートまたは刻まれたシートは、その製造時におよび/またはその後の非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品内への挿入時に裂けやすい、破れやすいまたは変形しすいということを発見した。
【0441】
タバコ材は、微粒子状または粒状の材料であってもよい。一部の実施態様ではタバコ材は粉である。これとは別にまたは加えてタバコ材は、タバコの条片、ストランドまたは繊維を含んでもよい。例えば、タバコ材は、タバコの微粒子、粒子、繊維,、条片および/
またはストランドを含んでもよい。一部の実施態様ではタバコ材は、タバコ材の微粒子または粒からなる。
【0442】
タバコ材の密度は、熱がタバコ材に伝わる速度に影響を与え、低密度、例えば700mg/ccの密度では熱は材料内にゆっくりと伝わり、したがって、エアロゾルをより持続的に放出できる。
【0443】
タバコ材は、約700mg/cc未満の密度を有する再生タバコ材料、例えば紙再生タバコ材料を含んでもよい。例えば、エアロゾル発生材3は、約600mg/cc未満の密度を有する再生タバコ材料を含む。これとは別にまたは加えてエアロゾル発生材3は、少なくとも350mg/ccの密度を有する再生タバコ材料を含んでもよい。
【0444】
タバコ材は刻みくずタバコの形体で供されてもよい。刻みくずタバコは1インチ当たり少なくとも15切断片の切断幅(1センチ当たり5.9切断部、約1.7mmの切断幅に等しい)に有する。好ましくは刻みくずタバコは、1インチ当たり少なくとも18切断片の切断幅(1センチ当たり約7.1切断片、約1.4mmの切断幅に等しい)、より好ましくは1インチ当たり少なくとも20切断片(1センチ当たり7.9切断片、約1.27mmの切断幅に等しい)の切断幅を有する。1つの例では刻みくずタバコは、1インチ当たり22切断片の切断幅(1センチ当たり8.7切断片、約1.15mmの切断幅に等しい)を有する。好ましくは刻みくずタバコは、1インチ当たり少なくとも40切断片以下の切断幅(1センチ当たり約15.7切断片、約0.64mmの切断幅に等しい)を有する。0.5mm~2.0mm、例えば0.6mm~1.7mmまたは0.6mm~1.5mmの切断幅は、特に加熱された際の表面積対体積比および発生材3の総合密度および圧力降下の点で好ましいタバコ材が結果として得られることが判明している。刻みくずタバコはタバコ材の形の混合物、例えば紙再生タバコ、葉タバコ、押し出しタバコおよびバンドキャストされたタバコのうちの1つ以上との混合物から形成することができる。好ましくはタバコ材は、紙再生タバコまたは紙再生タバコと葉タバコの混合物を含む。
【0445】
タバコ材は、あらゆる好適な厚さを有してもよい。タバコ材は、少なくとも約0.145mm、例えば少なくとも約0.15mmまたは少なくとも約0.16mmの厚さを有してもよい。タバコ材は、約0.25mの最大厚さを有してもよく、例えばタバコ材の厚さは、約0.22mm未満または約0.2mm未満であってもよい。一部の実施態様ではタバコ材は、0.175mm~0.195mmの範囲内の平均厚さを有してもよい。このような厚さは、タバコ材が再生タバコ材料である場合に特に好適である。
【0446】
一部の実施態様ではタバコは、微粒子状タバコ材である。粒状タバコ材の各粒子は、最大寸法を有してもよい。本明細書中では「最大寸法」なる用語は、タバコの粒子の表面または粒子表面の任意の点から同じタバコの粒子または粒子表面の任意の他の点までの最も長い直線を距離意味する。微粒子タバコの粒の最大寸法は、走査電子顕微鏡法(SEM)を使用して測定してもよい。
【0447】
タバコ材の各粒の最大寸法は、約200μm以下であってもよい。一部の実施態様ではタバコ材の各粒の最大寸法は、約150μm以下である。
【0448】
一群のタバコ材の粒子は、少なくとも約100μmの粒径分布(D90)を有してもよい。一部の実施態様では一群のタバコ材の粒子は、約110μm、少なくとも約120μm、少なくとも約130μm、少なくとも約140μmの粒径分布(D90)を有する。ある実施態様では一群のタバコ材の粒子は、約150μmの粒径分布(D90)を有する。ふるい分析がタバコ材の粒子の粒径分布を決定するために使用できる。
【0449】
少なくとも約100μmの粒径分布(D90)は、エアロゾル化可能な材料からなるシートまたは刻まれたシートの引張強度に貢献すると考えられている。
【0450】
本発明者は、100μm未満の粒径分布(D90)は、良好な引張強度を有するエアロゾル化可能な材料からなるシートまたは刻まれたシートを供するということを発見した。しかしながら、このように細かいタバコ材の粒子をシートまたは刻まれたシートに含有させることはその密度を大きくする。シートまたは刻まれたシートが非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品内に組み込まれる際、この高い密度は、タバコ材の充填値を減少させる。本発明者は、充分な引張強度と好適な密度の両立は、粒径分布(D90)が少なくとも100μmの場合に達成される。
【0451】
また微粒子状タバコ材の粒径は、エアロゾル発生材からなるシートまたは刻まれたシートの粗さにも影響を与える。比較的大きなタバコ材の粒子を組み込むことでエアロゾル発生材からなるシートまたは刻まれたシートを形成することは、エアロゾル発生材からなるシートまたは刻まれたシートの密度を小さくする。
【0452】
タバコ材は、タバコ植物のあらゆる部分から得られるタバコを含んでもよい。一部の実施態様ではタバコ材は、タバコ葉を含む。
【0453】
シートまたは刻まれたシートは、5%~約90重量%のタバコ葉を含んでもよい。
【0454】
タバコ材は、葉身タバコおよび/または主脈葉柄などのタバコ葉柄を含んでもよい。葉身タバコは、シートまたは刻まれたシートの重量で0%~約100%、約20%~約100%、約40%~約100%、約40%~約95%、約45%~約90%、約50%~約85%または約55%~約80%の量で存在することができる。一部の実施態様ではタバコ材は、葉身タバコ材からなるまたは葉身タバコ材から実質的になる。
【0455】
タバコ材は、シートまたは刻まれたシートの重量で0%~約100%、約0%~約50%、約0~約25%、約0~約20%、約5~約15重量%の量でタバコ葉柄を含んでもよい。本発明者は、葉柄を入れることでエアロゾル化可能な材料の粘着性を少なくするということを発見した。
【0456】
一部の実施態様ではタバコ材は、葉身およびタバコ葉柄を組み合わせたものを含む。一部の実施態様ではタバコ材は、エアロゾル化可能な材料からなるシートまたは刻まれたシートの重量で葉身を約40%~約95%の量でそして約5%~約60%の量で葉柄を、または約60%~約95%の量で葉身をそして約5%~約40%の量で葉柄を、または約80%~約95%の量で葉身を約5%~約20重量%の量で葉柄を含んでもよい。
【0457】
エアロゾル化可能な材料からなるシートまたは刻まれたシートは、少なくとも約75g、少なくとも約100gまたは少なくとも約200gの破裂強度を有してもよい。
【0458】
破裂強度が小さすぎると、シートまたは刻まれたシートは、比較的脆くなる。その結果、シートまたは刻まれたシートは、エアロゾル化可能な材料の製造工程中に破れる場合がある。例えば、シートが切断工程によって細断されて刻まれたシートを形成する際、シートは、切断時に小片またはかけらに粉砕または破砕される。
【0459】
本発明者は、エアロゾル化可能な材料内に葉柄タバコを含むタバコ材を組み込むことでその破裂強度が大きくなるという驚異的な発見をした。
【0460】
本明細書に記載のタバコ材はニコチンを含む。ニコチン含有量は、タバコ材の0.1~3重量%であり、例えばタバコ材の0.5~2.5重量%であってもよい。さらにまたはこれとは別にタバコ材は、タバコ葉の重量の1.5%超のニコチン含有量を有するタバコ葉を10~90重量%含む。ニコチン含有量が1.5%超のタバコ葉を紙再生タバコなどの低ニコチンベース材料と組み合わせて使用することで適当な量のニコチンを含むが、紙再生タバコ単独で使用するより良好な知覚性能を有するタバコ材を得られるという有利なことが分かっている。タバコ葉、例えば刻みくずタバコは、例えばタバコ葉の重量で1.5%~5%のニコチン含有量を有してもよい。
【0461】
紙再生タバコは、本明細書で説明したエアロゾル発生材に存在してもよい。紙再生タバコとは、タバコ原料が可溶分の抽出物と繊維材を含む残渣となるように溶媒で抽出され、次に抽出物(通常濃縮した後、そして任意にさらなる処理をした後)を残渣からの繊維材(通常、繊維材から不純物の除いた後、そして任意に非タバコ繊維を僅かに加えて)と抽出物を繊維材に堆積させることによって再結合する工程によって形成されるタバコ材を意味する。再結合工程は製紙工程に似ている。
【0462】
紙再生タバコは、当業界で知られているあらゆる種類の紙再生タバコであってもよい。特定の実施態様では紙再生タバコは、タバコ条片、タバコ葉柄、および全葉タバコのうちの1つ以上を含む原料から製造される。別の実施態様では紙再生タバコはタバコ条片および/または全葉タバコおよびタバコ葉柄からなる原料から製造される。しかしながら、他の実施態様ではくず、微粉およびもみ殻をこれとは別にまたは加えて原料に採用してもよい。
【0463】
本明細書に記載のタバコ材に使用するための紙再生タバコは、紙再生タバコの調製のための当業者に知られている方法で調製してもよい。
【0464】
いくつかの実施態様では紙再生タバコは、エアロゾル発生材の5%~90重量%、10%~80重量%または20%~70重量%量で含まれる。
【0465】
エアロゾル形成材は、エアロゾルを形成できる1つ以上の成分を含む。エアロゾル形成材は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、酢酸ベンジルフェニル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、および炭酸プロピレンのうちの1つ以上を含む。
【0466】
エアロゾル化可能な材料からなるシートまたは刻まれたシートは、エアロゾル形成材を含む。エアロゾル形成材は、シートまたは刻まれたシートの重量で乾式重量基準で約50%以下の量で供される。エアロゾル形成材は、シートまたは刻まれたシートの重量で乾式重量基準で約5%~約40%、シートまたは刻まれたシートの重量で乾式重量基準で約10%~約30%またはシートまたは刻まれたシートの重量で乾式重量基準で約10%~約20%の量で供される。
【0467】
シートまたは刻まれたシートは水も含んでもよい。エアロゾル化可能な材料からなるシートまたは刻まれたシートは、エアロゾル化可能な材料の重量で約15%未満、約10%未満または約5%未満の量で水を含んでもよい。一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料は、エアロゾル化可能な材料の重量で約0%~約15%または約5%~約15%の量で水を含む。
【0468】
エアロゾル化可能な材料からなるシートまたは刻まれたシートは、水とグリセロールをエアロゾル化可能な材料からなるシートまたは刻まれたシートの約30重量%未満またはエアロゾル化可能な材料からなるシートまたは刻まれたシートの約25重量%未満の合計量で含んでもよい。エアロゾル化可能な材料からなるシートまたは刻まれたシートの約30重量%未満の量の少ない水およびグリセロールをエアロゾル化可能な材料からなるシートまたは刻まれたシートに組み込むことでシートの粘着性を有利に減少させると考えられている。これはエアロゾル化可能な材料の特に加工中の取り扱いやすさを改善する。例えば、エアロゾル化可能な材料のシートを丸めて材料のボビンを形成することがより簡単になる。厚みを薄くすることも刻まれた材料のストランドまたは条片が互いに凝集したり粘着したりする傾向を抑え、さらに加工効率および最終製品の品質を向上させる。
【0469】
シートまたは刻まれたシートは、バインダーを含む。バインダーは、エアロゾル発生材の成分を結合させてシートまたは刻まれたシートを形成するようになっている。バインダーは、タバコ材の表面を少なくとも部分的にコーティングしてもよい。タバコ材が微粒子状である場合、バインダーは少なくともタバコの粒の表面を少なくとも部分的にコーティングし、粒子同士を結合させてもよい。
【0470】
エアロゾル発生材は、充填材を含んでもよい。一部の実施態様ではシートまたは刻まれたシートは、充填材を含む。充填材は、一般に非タバコ成分、即ちタバコ由来の成分を含まない成分である。充填材は、炭酸カルシウム、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイドシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウムおよびモレキュラーシーブなどの好適な無機吸着剤の内の1つ以上を含んでもよい。充填材は、木繊維またはパルプまたは小麦繊維などの非タバコ繊維であってもよい。セルロースを含む材料またはセルロースの派生物を含む材料であってもよい。充填材成分は、非タバコキャスト材または非タバコ押し出し材であってもよい。
【0471】
充填材を含む特定の実施態様では充填材は繊維性である。例えば、充填材は、木材、ウッドパルプ、麻繊維、セルロースまたはセルロース派生物などの繊維性有機充填材料であってもよい。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、非晶質固体に繊維性充填材を含有させることは材料の引張強度を増加させることが確認されている。
【0472】
充填材は、エアロゾル発生材からなるシートまたは刻まれたシートの質感にも貢献する。例えば、木材またはウッドパルプなどの繊維性充填材は、比較的粗い第1および第2の面を有するエアロゾル発生材のシートまたは刻まれたシートを供する。逆に言うと粉末のチョークなどの非繊維性の粒状充填材は、比較的滑らかな第1および第2の面を有するエアロゾル発生材からなるシートまたは刻まれたシートを供する。一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、異なる充填材料の組み合わせを含む。
【0473】
充填成分はシートまたは刻まれたシートの0~20重量%の量または1~10重量%の量で存在してもよい。一部の実施態様では充填材は含まれない。
【0474】
充填材は、引張強度および破裂強度などのエアロゾル化可能な材料の一般的な構造的特性の改善に役立つ。
【0475】
本明細書に記載の組成において、量を重量%で示した場合、誤解を避けるためにこれは、特段の記載がない限り乾燥重量基準を意味する。従って、タバコ材またはそのあらゆる成分中に存在するすべての水は、重量%の測定の目的のために完全に無視する。本明細書で説明するタバコ材の水分量は異なってもよく、例えば5~15重量%であってもよい。本明細書で説明するタバコ材の水分量は、例えばその組成物が維持される温度、圧力および湿度条件に応じて異なってもよい。水分量は、当業者に知られているようなKarl-Fisher分析によって測定してもよい。
【0476】
本明細書のエアロゾル発生材は、本明細書に記載の風味料のいずれかのようなエアロゾル変性剤を含んでもよい。1つの実施態様ではエアロゾル発生材はメンソールを含む。そのエアロゾル発生材がエアロゾル供給システムに使用するための物品内に組み込まれる場合、その物品はメンソール化された物品と言う場合もある。エアロゾル発生材は、3mg~20mgのメンソール、好ましくは5mg~18mg、より好ましくは8mg~16mgのメンソールを含んでもよい。本例ではエアロゾル発生材は、16mgのメンソールを含む。エアロゾル発生材は、重量で2~8%のメンソール、好ましくは重量で3%~7%のメンソール、より好ましくは重量で4%~5.5%のメンソールを含んでもよい。1つの実施態様ではエアロゾル発生材は、4.7重量%のメンソールを含む。メンソールのこのような高い充填量は、例えば重量で50%超のタバコ材などの高いパーセンテージの再生タバコ材を使用することで達成される。これとは別にまたはこれに加えて大量の例えばタバコ材を使用することで例えば約500mm3超または好適には約1000mm3より多いエアロゾル発生材を使用した場合に達成されるメンソールの装填レベルを増加させることができる。
【0477】
一部の実施態様では組成物は、エアロゾル形成「非晶質固体」を含んでもよく、これはこれとは別に「モノリシック固体」(即ち、非繊維性)とも言われる。一部の実施態様では非晶質固体は乾燥ゲルを含んでもよい。非晶質固体は、その内部に液体などの流体を保持する固体材料である。
【0478】
非晶質固体は、1~60wt%のゲル化剤、0.1~50wt%のエアロゾル形成剤および0.1~80wt%の風味剤を含み、これらの重量は乾式重量基準で計算される。
【0479】
非晶質固体は、1~50wt%のゲル化剤、0.1~50wt%のエアロゾル形成剤および30~60wt%の風味剤を含み、これらの重量は乾式重量基準で計算される。
【0480】
非晶質固体材料は、シートの形体で供されてもよい。
【0481】
好適には非晶質固体は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%または25wt%~約60wt%、50wt%、45wt%、40wt%または35wt%のゲル化剤(全て乾式重量基準で計算して)を含んでもよい。例えば、非晶質固体は、1~50wt%、5~45wt%、10~40wt%または20~35wt%のゲル化剤を含んでもよい。一部の実施態様ではゲル化剤はアルギン酸塩類、ペクチン類、スターチ(および派生物)、セルロース類(および派生物)、ゴム、シリカまたはシリコーン化合物、クレー、ポリビニルアルコールおよびこれらの組み合わせから選択される1つ以上の化合物を含む。例えば一部の実施態様ではゲル化剤はアルギン酸塩類、ペクチン類、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、プルラン、キサンタンガム、グァーガム、カラギーナン、アガロース、アカシアゴム、ヒュームドシリカ、PDMS、ケイ酸ナトリウム、カオリンおよびポリビニルアルコールの内の1つ以上を含む。場合によってはゲル化剤はアルギン酸塩および/またはペクチンを含み、非晶質固体の形成の際に硬化剤(カルシウム源などの)と混ぜてもよい。場合によっては非晶質固体はカルシウムで架橋したアルギン酸塩および/またはカルシウムで架橋したペクチンを含んでもよい。
【0482】
一部の実施態様ではゲル化剤は、アルギン酸塩を含み、アルギン酸塩は、非晶質固体のの10~30wt%の量(乾式重量基準で計算して)で非晶質固体に含まれる。一部の実施態様ではアルギン酸塩は非晶質固体に含まれる唯一のゲル化剤である。他の実施態様ではゲル化剤はアルギン酸塩と、少なくとも1つのペクチンなどのさらなるゲル化剤を含む。
【0483】
一部の実施態様では非晶質固体はカラギーナンを含むゲル化剤を含んでもよい。
【0484】
好適には非晶質固体は、約0.1wt%、0.5wt%、1wt%、3wt%、5wt%、7wt%または10wt%~約50wt%、45wt%、40wt%、35wt%、30wt%または25wt%のエアロゾル形成材(全て乾式重量基準で計算して)を含んでもよい。エアロゾル形成材は、可塑剤として機能してもよい。例えば、非晶質固体は、0.5~40wt%、3~35wt%または10~25wt%のエアロゾル形成材を含んでもよい。場合によってはエアロゾル形成材は、エリトリトール、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、ソルビトールおよびキシリトールから選択される1つ以上の化合物を含む。場合によってはエアロゾル形成材は、グリセロールを含む、から実質的になるまたは、からなる。
【0485】
非晶質固体は風味料を含む。好適には非晶質固体は、約80wt%、70wt%、60wt%、55wt%、50wt%または45wt%以下の風味料を含んでもよい。
【0486】
場合によっては非晶質固体は、少なくとも約0.1wt%、1wt%、10wt%、20wt%、30wt%、35wt%または40wt%の風味剤(全て乾式重量基準で計算して)を含んでもよい。
【0487】
例えば、非晶質固体は、1~80wt%、10~80wt%、20~70wt%、30~60wt%、35~55wt%または30~45wt%の風味剤を含んでもよい。場合によっては風味料は、メンソールを含む、メンソールから実質的になる、またはメンソールからなる。
【0488】
場合によっては非晶質固体は、製造中、溶融した風味料を乳化させた乳化剤を追加で含んでもよい。例えば、非晶質固体は、約5wt%~約15wt%、好適には約10wt%(乾式重量基準で計算して)の乳化剤を含んでもよい。乳化剤は、アカシアゴムを含んでもよい。
【0489】
一部の実施態様では非晶質固体は、ヒドロゲルであり、湿式重量基準で計算して約20wt%未満の水を含む。場合によってはヒドロゲルは、湿式重量基準で計算して約15wt%、12wt%または10wt%未満の水を含んでもよい。場合によってはヒドロゲルは、少なくとも約1wt%、2wt%または少なくとも約5wt%の水(WWB)を含んでもよい。
【0490】
一部の実施態様では非晶質固体は追加で活性物質を含む。例えば、場合によっては非晶質固体は追加でタバコ材および/またはニコチンを含む。場合によっては非晶質固体は、5~60wt%(乾式重量基準で計算して)のタバコ材および/またはニコチンを含んでもよい。場合によっては非晶質固体は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%または25wt%~約70wt%、60wt%、50wt%、45wt%、40wt%、35wt%または30wt%(乾式重量基準で計算して)の活性物質を含んでもよい。場合によっては非晶質固体は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%または25wt%~約70wt%、60wt%、50wt%、45wt%、40wt%、35wt%または30wt%(乾式重量基準で計算して)のタバコ材を含んでもよい。例えば、非晶質固体は、10~50wt%、15~40wt%または20~35wt%のタバコ材を含んでもよい。場合によっては非晶質固体は、約1wt%、2wt%、3wt%または4wt%~約20wt%、18wt%、15wt%または12wt%(乾式重量基準で計算して)のニコチンを含んでもよい。例えば、非晶質固体は、1~20wt%、2~18wt%または3~12wt%のニコチンを含んでもよい。
【0491】
場合によっては非晶質固体はタバコ抽出物などの活性物質を含む。場合によっては非晶質固体は、5~60wt%(乾式重量基準で計算して)のタバコ抽出物を含んでもよい。場合によっては非晶質固体は、約5wt%、10wt%、15wt%、20wt%または25wt%~約60wt%、50wt%、45wt%、40wt%、35wt%または30wt%(乾式重量基準で計算して)のタバコ抽出物を含んでもよい。例えば、非晶質固体は、10~50wt%、15~40wt%または20~35wt%のタバコ抽出物を含んでもよい。タバコ抽出物は非晶質固体が1wt%、1.5wt%、2wt%または2.5wt%~約6wt%、5wt%、4.5wt%または4wt%(乾式重量基準で計算して)のニコチンを含む濃度でニコチンを含んでもよい。
【0492】
場合によってはタバコ抽出物から得られるもの以外の非晶質固体のニコチンは存在しない。
【0493】
一部の実施態様では非晶質固体はタバコ材を含まないが、ニコチンを含む。そのような一部の場合において、非晶質固体は、約1wt%、2wt%、3wt%または4wt%~約20wt%、18wt%、15wt%または12wt%(乾式重量基準で計算して)のニコチンを含んでもよい。例えば、非晶質固体は、1~20wt%、2~18wt%または3~12wt%のニコチンを含んでもよい。
【0494】
場合によっては活性物質および/または風味料の合計含有量は少なくとも約0.1wt%、1wt%、5wt%、10wt%、20wt%、25wt%または30wt%であってもよい。場合によっては活性物質および/または風味料の合計含有量は、約90wt%、80wt%、70wt%、60wt%、50wt%または40wt%(全て乾式重量基準で計算して)未満であってもよい。
【0495】
場合によってはタバコ材、ニコチンおよび風味料の合計含有量は、少なくとも約0.1wt%、1wt%、5wt%、10wt%、20wt%、25wt%または30wt%であってもよい。場合によっては活性物質および/または風味料の合計含有量は、約90wt%、80wt%、70wt%、60wt%、50wt%または40wt%(全て乾式重量基準で計算して)未満であってもよい。
【0496】
非晶質固体はゲルから作製されてもよく、ゲルは追加で0.1~50wt%で含有される溶媒を含んでもよい。しかしながら、本発明者は、風味料が可溶な溶媒を含有させることでゲルの安定性が減少し、風味料がゲルから結晶化して出てしまうということを確認している。従って、場合によってはゲルは風味料が溶ける溶媒を含まない。
【0497】
一部の実施態様では非晶質固体は、60wt%未満、例えば1wt%~60wt%または5wt%~50wt%または5wt%~30wt%または10wt%~20wt%の充填材を含む。
【0498】
他の実施態様では非晶質固体は20wt%未満、好適には10wt%未満または5wt%未満の充填材を含む。場合によっては非晶質固体は1wt%未満の充填材を含み、場合によっては充填材を含まない。
【0499】
充填材は含まれるのであれば炭酸カルシウム、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイドシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウムおよびモレキュラーシーブなどの好適な無機吸着剤の内の1つ以上を含んでもよい。充填材はウッドパルプ、セルロースおよびセルロース派生物などの1つ以上の有機充填材を含んでもよい。特定の場合には非晶質固体はチョークなどの炭酸カルシウムを含まない。
【0500】
充填材を含む特定の実施態様では充填材は繊維性である。例えば、充填材はウッドパルプ、麻繊維、セルロースまたはセルロース派生物などの繊維性充填材であってもよい。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、非晶質固体に繊維性充填材を含有させることは材料の引張強度を増加させることが確認されている。
【0501】
一部の実施態様では非晶質固体はタバコ繊維を含まない。
【0502】
一部の例ではシート状の非晶質固体は、約200N/m~約900N/mの引張強度を有してもよい。非晶質固体が充填材を含まないなどの一部の例では、非晶質固体は200N/m~400N/mまたは200N/m~300N/mまたは約250N/mの引張強度を有してもよい。そのような引張強度は、非晶質固体材料がシートとして形成され、エアロゾル発生物品に組み込まれる実施態様にとって特に好適である。
【0503】
一部の例では非晶質固体が充填材を含むなどの一部の例では、非晶質固体は600N/m~900N/mまたは700N/m~900N/mまたは約800N/mの引張強度を有してもよい。そのような引張強度は、非晶質固体材料が丸められたシート、好適には管の形でエアロゾル発生物品に含有される実施態様にとって特に好適である。
【0504】
場合によっては非晶質固体は、ゲル化剤、水、エアロゾル形成材および選択的に活性物質から実質的になるまたは、からなる。
【0505】
場合によっては非晶質固体は、ゲル化剤、水、エアロゾル形成材、風味料および選択的にタバコ材および/またはニコチン源から実質的になるまたは、からなる。
【0506】
非晶質固体は、1つ以上の活性物質および/または風味料、1つ以上のエアロゾル形成材および必要であれば1つ以上の他の機能材を含んでもよい。
【0507】
エアロゾル発生材は、紙再生タバコ材料を含んでもよい。組成物は、これとは別にまたは加えて本明細書で説明したいずれかの形体のタバコを含んでもよい。エアロゾル発生材は、10~90重量%のタバコ葉を含むタバコ材を含むシートまたは刻まれたシートを含んでもよく、エアロゾル形成材は、シートまたは刻まれたシートの約20重量%の量で供され、タバコ材の残りは紙再生タバコを含む。
【0508】
エアロゾル発生材が非晶質固体材料を含む場合、非晶質固体材料は、メンソールを含む乾燥ゲルであってもよい。別の実施態様では非晶質固体は、本明細書中で説明するあらゆる組成を有してもよい。
【0509】
本発明者は、エアロゾル化可能な材料からなるシートまたは刻まれたシートを含む第1の部材と、非晶質固体を含む第2の部材を含むエアロゾル発生材を含み、材料特性(例えば、密度)および仕様(例えば、厚さ、長さおよび切断幅)が本明細書で説明した範囲内にある改良された物品が製せられるという有利な発見をした。
【0510】
場合によっては非晶質固体は、約0.015mm~約1.0mmの厚さを有する。好適には厚さは、約0.05mm、0.1mmまたは0.15mm~約0.5mmまたは0.3mmの範囲であってもよい。本発明者は、約0.09mmの厚さの材料が使用できるということを発見した。非晶質固体は2つ以上の層を含んでもよく、本明細書に記載の厚さはこれらの層の合計の厚さを意味する。
【0511】
非晶質固体材料の厚さは、当業者に知られているノギスまたは走査電子顕微鏡(SEM)などの顕微鏡または当業者に知られている他の好適な技術を使用して測定してもよい。
【0512】
本発明者は、非晶質固体が厚すぎると、加熱効率が損なわれることを確認している。これは使用時の電力消費、例えば非晶質固体から風味を発生させるための電力消費に悪影響を与える。逆に言うと非晶質固体が薄すぎると、製造および取り扱いが困難になり、非常に薄い材料は、キャストするのが困難になり、脆く、使用の際のエアロゾルの形成が損なわれる。場合によっては非晶質固体からなる個々の条片または片は、約0.015のその領域に亘る最小厚さを有する。場合によっては非晶質固体からなる個々の条片または片は、約0.05mmまたは約0.1mmに亘る最小厚さを有する。場合によっては非晶質固体からなる個々の条片または片は、約1.0mmのその領域に亘る最大厚さを有する。場合によっては非晶質固体からなる個々の条片または片は、約0.5mmまたは約0.3mmのその領域に亘る最大厚さを有する。
【0513】
場合によっては非晶質固体の厚さは、その領域に亘って25%、20%、15%、10%、5%または1%以下で変化してもよい。
【0514】
本発明者は、所定のパーセンテージ未満で互いに異なる面密度値を有する非晶質固体材料とエアロゾル化可能な材料からなるシートまたは刻まれたシートを供することは、結果としてこれらの材料の混合物において分離が少なくなること発見した。一部の例では非晶質固体材料の面密度は、エアロゾル化可能な材料の面密度の50%~150%であってもよい。例えば、非晶質固体材料の面密度は、エアロゾル化可能な材料の密度の60%~140%、エアロゾル化可能な材料の面密度の70%~110%またはエアロゾル化可能な材料の面密度の80%~120%であってもよい。
【0515】
本明細書に記載の実施態様において非晶質固体材料は、シートの形体で物品に組み込まれてもよい。シート状の非晶質固体材料は、細断され、好適にはエアロゾル化可能な材料からなるシートまたは刻まれたシートなどのエアロゾル化可能な材料に混ぜられて物品に組み込まれる。
【0516】
別の実施態様では非晶質固体シートは、さらに平面のシートとして、ギャザーまたは隆起させたシートとして、縮れさせたシートとしてまたは丸められたシート(即ち、管状)として組み込まれてもよい。そのような一部の場合において、これらの実施態様の非晶質固体は、エアロゾル化可能な材料を含むロッドを囲むシートなどのシートエアロゾル発生品に含有されてもよい。例えば、非晶質固体シートは、タバコなどのエアロゾル化可能な材料を囲む包装紙に形成されてもよい。
【0517】
シート状の非晶質固体は、約30g/m2~約150g/m2などのあらゆる好適な面密度を有してもよい。場合によってはシートは、約55g/m2~約135g/m2または約80~約120g/m2または約70~約110g/m2または特に約90~約110g/m2または好適には約100g/m2の単位面積当たりの質量を有する。これらの範囲は、切りくずタバコの密度と類似の密度を供することができ、結果として容易に分離しないこれら物質の混合物が供される。そのような面密度は、非晶質固体材料がエアロゾル発生品に刻まれたシート(さらに以下に説明する)として含有される場合に特に好適である。場合によってはシートは、約30~70g/m2、40~60g/m2または25~60g/m2の単位面積当たりの質量を有してもよく、本明細書に記載のエアロゾル化可能な材料などのエアロゾル化可能な材料を包むために使用してもよい。
【0518】
エアロゾル発生材は、本明細書に記載のエアロゾル化可能な材料と非晶質固体材料とのブレンドを含んでもよい。このようなエアロゾル発生材は、追加の風味を非晶質固体材料に含有させることによってエアロゾル発生材に導入されるので、使用時に望ましい風味特性を有するエアロゾルを供することができる。非晶質固体材料に供される風味料は、タバコ材に直に加えられる風味料に較べて非晶質固体材料中に安定して保持され、結果として本開示によって製造される物品間での風味特性が一定したものになる。
【0519】
上述のように少なくとも350mg/ccで約700mg/cc未満の密度を有するタバコ材は、結果的により持続的にエアロゾルを放出するという有利な発見があった。一貫した風味特性を有するエアロゾルを供するためにエアロゾル発生材の非晶質固体材料成分はロッドに均一に配分されるべきである。本発明者は、これは本明細書に記載したような厚みを有して、非晶質固体材料がタバコ材の面密度に類似する面密度を有する非晶質固体材料を供するために非晶質固体材料をキャストすることによって達成できるという有利な発見をした。
【0520】
上記のように任意にエアロゾル発生材は、非晶質固体材料からなる複数の条片を含む。エアロゾル発生セクションがエアロゾル化可能な材料からなる複数のストランドおよび/または条片と、非晶質固体材料からなる複数の条片とを含む場合、これら少なくとも2つの部材の材料特性および/または寸法は、確実にこれら部材の相対的に均一な混合を可能にし、エアロゾル発生材のロッドの製造時または製造後のこれら部材の分離または未混合を少なくするために他の方法で好適に選択される。
【0521】
複数のストランドまたは条片の長手方向の寸法は、エアロゾル発生セクションの長さと実質的に同じであってもよい。複数のストランドまたは条片のうちの多くは、マウスピースに最も近いエアロゾル発生セクションの第1端部とマウスピースから最も遠いエアロゾル発生セクションの第2端部の間を延びてもよい。複数のストランドおよび/または条片は、少なくとも約5mmの長さを有してもよい。
【0522】
単独のラッパーの場合の温度差試験手順
単独のラッパーの場合の温度差試験手順の概要を以下に示す。
【0523】
最初に試験するラッパーを物品から外す。例えば、試験されるサンプルが第1のプラグラッパー7の場合、第1のプラグラッパー7は物品から注意して切り離され、平らにして置く。
【0524】
サンプルを24時間、周囲条件で保存する。周囲条件は、22℃、標準気圧(1気圧)そして60%相対湿度である。試験手順は、これら同じ周囲条件で行われる。
【0525】
サンプルが周囲条件で保存された後、試験装置を用意する。即ち、Stuart (TM) US152ホットプレート装置を装置の上部プレートが52.5℃に加熱されるように作動させ、「Stir」セッティングを「off」に設定した。またTHERM-X (TM)XTMX3125温覚計を準備し、温覚計のプローブを32℃に加熱する。
【0526】
サンプルをホットプレート装置の上部プレートに平らに置き、温覚計のプローブをサンプルに対して20Nの力で正面からプレスする。したがって、サンプルの第1の面は上部プレート上に位置し、上部プレートによって加熱され、サンプルの反対側の第2の面の温度が温覚計のプローブによって測定される。温覚計によって測定された温度は、サンプルが上部プレート上に置かれてから4秒後に記録される。サンプルの第1の面は、通常は物品1の内方に面するラッパーの面であり、サンプルの第2の面は、通常は物品1の外方に面するラッパーの面である。
【0527】
【0528】
式1において、「Tdiff ratio」は、温度差比であり、「Tplate」は、上部プレートの
温度であり(即ち、上記試験手順における52.5℃)、「Tprobe」は、サンプルを加熱されたプレート上に置いてから4秒後にプローブによって測定されるサンプルの第2の面の温度であり、「Tambient」は、周囲空気温度(即ち、上記試験手順における22℃)である。
【0529】
温度差比が高いということは、サンプルが物品の使用時にサンプルの外側温度が低くなるように断熱効果を供することを示すので有利である。したがって、温度差比が高いということは、そのサンプルを含む物品の部分が、触れた際に温度が低いことを表す。
【0530】
11の異なる実施態様の物品から11のサンプルについて上記温度差試験手順を実施し、温度差比を計算した。各サンプルの特徴を以下に要約し、結果を表20に記録する。
【0531】
サンプル1
サンプル1は、坪量が36gsm、厚みが29ミクロンで、実質的に非孔性のチッピング紙5である。4秒後に測定されたTrobe値は、45.7℃であった。
【0532】
サンプル2
サンプル2は、坪量が36gsm、厚みが32ミクロンで、実質的に非孔性のチッピング紙5である。4秒後に測定されたTrobe値は、45.1℃であった。
【0533】
サンプル3
サンプル3は、坪量が27gsm、厚みが38ミクロンで、実質的に非孔性の紙の第1のプラグラッパー7である。4秒後に測定されたTrobe値は、44.2℃であった。
【0534】
サンプル4
サンプル4は、坪量が31gsm、厚みが35ミクロンで、実質的に非孔性の紙の第1のプラグラッパー7である。4秒後に測定されたTrobe値は、45.4℃であった。
【0535】
サンプル5
サンプル5は、坪量が35gsm、厚みが49ミクロンで、実質的に非孔性の紙の第1のプラグラッパー7である。4秒後に測定されたTrobe値は、43.9℃であった。
【0536】
サンプル6
サンプル6は、坪量が70gsm、厚みが90ミクロンで、実質的に非孔性の紙の第1のプラグラッパー7である。4秒後に測定されたTrobe値は、43.2℃であった。
【0537】
サンプル7
サンプル7は、坪量が100gsm、厚みが121ミクロンで、実質的に非孔性の紙の第1のプラグラッパー7である。4秒後に測定されたTrobe値は、42.1℃であった。
【0538】
サンプル8
サンプル8は、坪量が21gsm、厚みが55ミクロンで、通気度24000コレスタ単位の多孔性の紙の第1のプラグラッパー7である。4秒後に測定されたTrobe値は、4
3.5℃であった。
【0539】
サンプル9
サンプル9は、坪量が25gsm、厚みが65ミクロンで、通気度12000コレスタ単位の多孔性の紙の第1のプラグラッパー7である。4秒後に測定されたTrobe値は、4
2.7℃であった。
【0540】
サンプル10
サンプル10は、エンボス加工された紙の第1のプラグラッパー7である。サンプル10は、物品の中央軸に平行な方向に延びた複数の溝を含む波形に形成された紙である。波形にする前のサンプル10のシート材の厚みは13ミクロンで坪量が176gsmである。エンボス加工の後、サンプル10は50ミクロンの最大厚さを有する。サンプル10は、実質的に非孔性である。4秒後に測定されたTrobe値は、35.6℃であった。
【0541】
サンプル11
サンプル11は、エンボス加工された紙の第1のプラグラッパー7である。サンプル11は、
図7aに示すようなハニカムパターンを有するようにエンボス加工されている。エンボス加工する前のサンプル11のシート材の厚みは180ミクロンで坪量が100gsmである。エンボス加工の後、サンプル11は180ミクロンの最大厚さを有する。サンプル11は、実質的に非孔性である。4秒後に測定されたTrobe値は、40.7℃であった。
【0542】
【0543】
表20の結果から見ると、4秒後に測定されたTprobeは、サンプルの坪量が増加するにつれて減少し、これにより温度差比を下げる。サンプルの厚みを増すことによってもTprobe値を減少させ、Tprobe値に対する厚みの影響は、Tprobe値に対する坪量の影響より顕著であることが観測された。サンプルをエンボス加工することもサンプル10および11からTprobe値を減少させることが観測された。これはエンボス加工によって生じた空隙の断熱効果による。
【0544】
非孔性であるサンプルは通気度が100コレスタ単位未満のサンプルを意味することを留意すべきである。
【0545】
またサンプル1および2は、チッピング紙5として示され、サンプル3~11は第1のプラグラッパー7として示されているが、上記サンプルのいずれかの仕様を有するラッパーもチッピング紙5、第1のプラグラッパー7または第2のプラグラッパー9または物品の別のラッパーとして使用可能であることを留意すべきである。
【0546】
一部の実施態様ではエアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分と、ラッパーとを含み、ラッパーは、ラッパーに上述のラッパー単独のための温度差試験手順を行った場合に温度差比が少なくとも0.2になるように構成されている非燃焼系エアロゾル供給システム用の物品が提供される。
【0547】
一部の実施態様ではラッパーは紙を含む。
【0548】
一部の実施態様ではラッパーは、少なくとも20gsm、好ましくは少なくとも25、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、150または170gsmの坪量を有する。
【0549】
一部の実施態様ではラッパーは、最大で180gsm、好ましくは最大で170、160、150、120、110、100、90、80、70、60、50、40、30または25gsmの坪量を有する。
【0550】
一部の実施態様ではラッパーは、少なくとも20ミクロンの厚さを有し、好ましくは少なくとも30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600ミクロンの厚さを有する。
【0551】
一部の実施態様ではラッパーは、最大で650ミクロンの厚さを有し、好ましくは最大で600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50、40または30ミクロンの厚さを有する。
【0552】
一部の実施態様ではラッパーは実質的に非孔性である。
【0553】
一部の実施態様ではラッパーは多孔性である。
【0554】
一部の実施態様ではラッパーは、少なくとも100コレスタ単位、好ましくは少なくとも500、1000、2000、5000、10000、12000、15000、17000、20000、22000または25000コレスタ単位の通気度を有する。
【0555】
一部の実施態様ではラッパーは、ラッパーに対して本明細書に記載の単独のラッパー用の温度差試験方法を行った場合に温度差比が少なくとも0.22、好ましくは少なくとも0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5または0.55になるように構成されている。
【0556】
一部の実施態様ではラッパーはプラグラッパーである。
【0557】
一部の実施態様ではラッパーは、下流部分をエアロゾル発生材に取り付けるチッピングラッパーである。
【0558】
一部の実施態様ではラッパーは、本明細書に記載の物品1、1’のうちの一方の第1のプラグラッパー7、第2のプラグラッパー9またはチッピング紙5である。
【0559】
配列された群のラッパーのための温度差試験手順
一部の実施態様では物品は、配列された群のラッパーを含む。例えば
図1に示す実施態様では物品1は、第1のプラグラッパー7と、第1のプラグラッパー7に重ねられた第2のプラグラッパー9と、第2のプラグラッパー9に重ねられたチッピング紙5とを含む。しかしながら、他の実施態様では物品は2つのラッパー(例えば、プラグラッパーとチッピング紙)または4またはそれ以上のラッパーを含むことを認識すべきである。同じ試験手順を配列された群のラッパーのラッパーの数に関係無く使用する。
【0560】
配列された群のラッパーの温度差試験手順は、次の通りである。
【0561】
最初に試験される配列された群のラッパーを物品から取り外す。例えば、物品が、第1のプラグラッパー7と、第1のプラグラッパー7に重なる第2のプラグラッパー9と、第2のプラグラッパー9に重なるチッピング紙5とを含む場合、ラッパー5、7、9のそれぞれは、慎重に物品から切り離され、ラッパー5、7、9が物品上で重なっていたのと同じ順番でこれらラッパーが互いに重なるように平らに置かれる。したがって、例えば
図1の物品1の場合、第2のプラグラッパー9のサンプルは、第1のプラグラッパー7とチッピング紙5のサンプルの間に位置する。
【0562】
配列された群のラッパーが異なる数のラッパーを含んでも原則は同じである。例えば、配列された群が4つのラッパーを含む場合、これら4つのラッパーは、物品から取り外され、ラッパーが物品上に位置していた際と同じ順番でラッパーが重ねられ、平らに置かれる。
【0563】
次に配列された群のラッパーサンプルは24時間、周囲条件で保存する。周囲条件は、22℃、標準気圧そして60%相対湿度である。試験手順は、これら同じ周囲条件で行われる。
【0564】
配列された群のサンプルが周囲条件で保存された後、試験装置を用意する。即ち、Stuart (TM) US152ホットプレート装置を装置の上部プレートが52.5℃に加熱されるように作動させ、「Stir」セッティングを「off」に設定した。またTHERM-X (TM)XTMX3125温覚計を準備し、温覚計のプローブを32℃に加熱する。
【0565】
配列された群のサンプルをホットプレート装置の上部プレートに平らに置き、温覚計のプローブをサンプルに対して20Nの力で正面からプレスする。配列された群のサンプルは、ラッパーが物品上で配置された際と同じ順番で上部プレート上に配置される。物品に配置された際のラッパーの最も内側の層を通常形成する配列された群の面を上部プレート上に配置される。配列された群のサンプルの対向する第2の面の温度が温覚計のプローブによって測定される。温覚計によって測定された温度は、サンプルが上部プレート上に置かれてから4秒後に記録される。
【0566】
例えば、
図1の物品の配列された群のラッパー5、7、9を試験する際に第1のプラグラッパー7の第1の面(物品1の配置された際に材料体6と当接する)はホットプレート装置の上部プレート上に配置される。第1のプラグラッパー7の反対の第2の面は、第2のプラグラッパー9の第1の面と当接する。第2のプラグラッパー9の反対の第2の面は、チッピング紙5の第1の面と当接する。チッピング紙5の反対の第2の面の温度が温覚計のプローブによって測定される。
【0567】
プローブの読み取りは物品上で重なる配列された群のサンプルの全ての層を上部プレートとプローブの間に配置された位置で行われることに留意すべきである。例えば、配列された群のラッパーが物品上に配置される際に重なる3つのラッパーを含む場合、これら3つのラッパー全ては互いに重ねられ、プローブと加熱された上部プレートの間に置かれる。
【0568】
「Tdiff ratio」は、温度差比であり、「Tplate」は、上部プレートの温度であり(即
ち、上記試験手順における52.5℃)、「Tprobe」は、サンプルを加熱されたプレート上に置いてから4秒後にプローブによって測定されるサンプルの第2の面の温度であり、「Tambient」は、周囲空気温度(即ち、上記試験手順における22℃)である上記式1に従って温度差を計算できる。
【0569】
温度差比が高いということは、配列された群のサンプルが物品の使用時に配列された群のサンプルの外側温度が低くなるように断熱効果を供することを示すので有利である。
【0570】
8の異なる実施態様の物品から8の配列された群のサンプルについて上記温度差試験手順を実施し、温度差比を計算した。各配列された群のサンプルの特徴を以下に要約し、結果を表21に記録する。配列された群のそれぞれは、内方の第1のプラグラッパー7と、中間の第2プラグラッパー9と、外方のチッピング紙5とを含む
図1に示したようなラッパーの構造を有する物品から得られたものである。配列された群のサンプルのそれぞれは上記表20に要約されているサンプル1~11のうちの1つ以上の組み合わせを含む。
【0571】
配列された群1
配列された群は、上記サンプル3による第1のプラグラッパー7と、上記サンプル3による第2のプラグラッパー9と、上記サンプル1によるチッピング紙5とを含む。したがって、配列された群は、坪量が27gsmで、厚みが38ミクロンで、実質的に非孔性である紙の第1のプラグラッパー7(即ち、サンプル3)を含む。さらに配列された群1は、坪量が27gsmで、厚みが38ミクロンで、実質的に非孔性である紙の第2のプラグラッパー9(即ち、サンプル3)を含む。さらに配列された群1は、坪量が36gsmで、厚みが29ミクロンで、実質的に非孔性であるチッピング紙5(即ち、サンプル1)を含む。4秒後に測定されたTprobe値は、42.8℃であった。
【0572】
配列された群2
配列された群2は、上記サンプル5による第1のプラグラッパー7と、上記サンプル5による第2のプラグラッパー9と、上記サンプル1によるチッピング紙5とを含む。4秒後に測定されたTprobe値は、42℃であった。
【0573】
配列された群3
配列された群3は、上記サンプル6による第1のプラグラッパー7と、上記サンプル6による第2のプラグラッパー9と、上記サンプル1によるチッピング紙5とを含む。4秒後に測定されたTprobe値は、40.2℃であった。
【0574】
配列された群4
配列された群4は、上記サンプル8による第1のプラグラッパー7と、上記サンプル8による第2のプラグラッパー9と、上記サンプル1によるチッピング紙5とを含む。4秒後に測定されたTprobe値は、40.3℃であった。
【0575】
配列された群5
配列された群5は、上記サンプル9による第1のプラグラッパー7と、上記サンプル9による第2のプラグラッパー9と、上記サンプル1によるチッピング紙5とを含む。4秒後に測定されたTprobe値は、39.8℃であった。
【0576】
配列された群6
配列された群6は、上記サンプル3による第1のプラグラッパー7と、上記サンプル8による第2のプラグラッパー9と、上記サンプル1によるチッピング紙5とを含む。4秒後に測定されたTprobe値は、41.3℃であった。
【0577】
配列された群7
配列された群7は、上記サンプル8による第1のプラグラッパー7と、上記サンプル3による第2のプラグラッパー9と、上記サンプル1によるチッピング紙5とを含む。4秒後に測定されたTprobe値は、41.2℃であった。
【0578】
配列された群8
配列された群8は、上記サンプル10による第1のプラグラッパー7と、上記サンプル9による第2のプラグラッパー9と、上記サンプル1によるチッピング紙5とを含む。4秒後に測定されたTprobe値は、35.4℃であった。
【0579】
【0580】
一部の実施態様ではエアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分と、配列された群のラッパーを形成する複数のラッパーとを含み、配列された群のラッパーは、配列された群のラッパーに対して本明細書に記載の配列された群のラッパー用の温度差試験方法を行った場合に温度差比が少なくとも0.3になるように構成されている物品が提供される。
【0581】
一部の実施態様では配列された群のラッパーは、配列された群のラッパーに対して本明細書に記載の配列された群のラッパー用の温度差試験方法を行った場合に温度差比が少なくとも0.32、好ましくは少なくとも0.35、0.4、0.45、0.5、0.55または0.6になるように構成されている。
【0582】
一部の実施態様では配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは紙を含む。
【0583】
一部の実施態様では配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、少なくとも20gsm、好ましくは少なくとも25、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、150または170gsmの坪量を有する。
【0584】
一部の実施態様では配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、最大で180gsm、好ましくは最大で170、160、150、120、110、100、90、80、70、60、50、40、30または25gsmの坪量を有する。
【0585】
一部の実施態様では配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、少なくとも20ミクロンの厚さを有し、好ましくは少なくとも30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600ミクロンの厚さを有する。
【0586】
一部の実施態様では配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、最大で650ミクロンの厚さ、好ましくは最大で600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50、40または30ミクロンの厚さを有する。
【0587】
一部の実施態様では配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、実質的に非孔性である。
【0588】
一部の実施態様では配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、多孔性である。
【0589】
一部の実施態様では配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、少なくとも100コレスタ単位、好ましくは少なくとも500、1000、2000、5000、10000、12000、15000、17000、20000、22000または25000コレスタ単位通気度を有する。
【0590】
一部の実施態様では配列された群のラッパーの少なくとも1つのラッパーは、配列された群のラッパーに対して本明細書に記載の単独のラッパー用の温度差試験方法を行った場合に温度差比が少なくとも0.2、好ましくは少なくとも0.22、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5または0.55になるように構成されている。
【0591】
一部の実施態様では配列された群のラッパーは、第1のラッパーを含み、好ましくはこの第1のラッパーは上述のラッパーの特徴を有する。
【0592】
一部の実施態様では第1のラッパーは、物品の部材を囲み、好ましくは部材は、物品の材料からなる管またはプラグである。
【0593】
一部の実施態様では第1のラッパーは、物品の部材と接触する。
【0594】
一部の実施態様では配列された群のラッパーは、第2のラッパーを含み、好ましくはこの第2のラッパーは上述のラッパーの特徴を有する。
【0595】
一部の実施態様では第2のラッパーは、下流部分をエアロゾル発生材に接続する。
【0596】
一部の実施態様では第2のラッパーは、物品の最も外側のラッパーである。
【0597】
一部の実施態様では配列された群のラッパーは、第3のラッパーを含み、好ましくはこの第3のラッパーは上述のラッパーの特徴を有する。
【0598】
一部の実施態様では第3のラッパーは、物品の第1および第2の部材を接続するように構成されている。
【0599】
一部の実施態様では第3のラッパーは、第1および第2のラッパーの間に位置する。
【0600】
一部の実施態様では上述の物品1、1’の一方による第1のラッパーが第1のプラグラッパー7であり、第2のラッパーがチッピング紙5であり、第3のラッパーが第2のプラグラッパー9である。
【0601】
図19は、本明細書で説明した物品1、1’のエアロゾル発生材などのエアロゾル発生媒体/材からエアロゾルを発生させるための非燃焼系エアロゾル供給デバイス100の一例を示している。大筋においてデバイス100は、デバイス100のユーザーによって吸入されるエアロゾルまたは他の吸入可能な媒体を発生させるためにエアロゾル発生媒体を含む交換可能な物品110、例えば本明細書に記載の物品1、1’を加熱するために使用してもよい。デバイス100と交換可能な物品110は共にシステムを形成する。
【0602】
デバイス100は、デバイス100の種々の部品を囲み、収容するハウジング102(外方カバーの形体)を含む。デバイス100は、一端部に開口部104を有し、それを介して物品110が加熱集合体による加熱のために挿入される。使用時、物品110は、加熱集合体に完全にまたは部分的に挿入され、そこで加熱集合体の1つ以上の部品によって加熱される。
【0603】
物品110がデバイス100に挿入された際、ヒーター装置の1つ以上の部品と物品110の管状部分4aとの間の最小距離は、3mm~10mmの範囲内、例えば3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mmまたは10mmであってもよい。
【0604】
この例のデバイス100は、第1端部部材106を含み、これは蓋108を含み、この蓋は、物品110が所定の位置に無いときに開口部104を閉じるために第1端部部材106に対して可動である。
図20において蓋108は、開いた形態で示されているが、蓋108は閉じた形態に移動することができる。例えば、ユーザーは矢印「B」の方向に蓋108をスライドさせてもよい。
【0605】
デバイス100は、押されるとデバイス100を作動させるボタンまたはスイッチなどのユーザーが操作できる調整部材112を含んでもよい。例えば、ユーザーはスイッチ112を操作してデバイス100の電源を入れてもよい。
【0606】
またデバイス100は、ソケット/ポート114などの電機部品を含み、これらはデバイス100のバッテリーを充電するためのケーブルを収容してもよい。ソケット114はUSB充電ポートなどの充電ポートであってもよい。
【0607】
図20は、
図19のデバイス100を外方カバー102が外され、物品110が存在しない状態を示している。デバイス100は長手方向軸134を画定する。
【0608】
図20に示すように第1端部部材106は、デバイス100の一端に配され、第2端部部材116は、デバイス100の反対の端部に配置されている。第1および第2の端部部材106、116は、共にデバイス100の端部面を少なくとも部分的に画定している。例えば、第2端部部材116の底部面は、少なくとも部分的にデバイス100の底部面を画定している。外方カバー102の縁部も端部面の一部を画定している。この例では蓋108もデバイス100の上面の一部を画定している。
【0609】
開口部104に近い方のデバイスの端部は、使用時にユーザーの口に近くなるのでデバイス100の近位端(または吸い口端部)としても知られている。使用時、ユーザーは、開口部104に物品110を挿入し、ユーザー制御部を操作してエアロゾル発生材の加熱を開始し、デバイスに発生したエアロゾルを吸い込む。これによりデバイス100の近位端に向かう流路に沿ってデバイス100内にエアロゾルが流れるようにする。
【0610】
開口部104から離れている装置の他端部は、使用時にユーザーの口から離れる方の端部となるので、デバイス100の遠位端としても知られている。ユーザーがデバイスに発生したエアロゾルを吸い込むと、エアロゾルはデバイス100の遠位端から離れるように流れる。
【0611】
デバイス100は動力源118をさらに含む。動力源118は、例えば充電可能なバッテリーまたは充電不可のバッテリーなどのバッテリーであってもよい。好適なバッテリーの例としては、リチウムバッテリー(リチウムイオンバッテリーなどの)、ニッケルバッテリー(ニッケル-カドミウムバッテリーなどの)およびアルカリバッテリーなどが挙げられる。バッテリーは加熱集合体に電気的に接続され、エアロゾル発生材を加熱するために必要に応じてそしてコントローラ(図示せず)の制御の下電力を供給する。この例ではバッテリーはバッテリー118を所定の位置に保持する中央支持部120に接続される。
【0612】
デバイスは少なくとも1つの電子モジュール122をさらに含む。電子モジュール122は、例えば印刷回路板(PCB)を含んでもよい。PCB122は、少なくとも1つのプロセッサーおよびメモリーなどのコントローラを支持してもよい。またPCB122は、デバイス100の種々の電子部品を共に電気的に接続する1つ以上の電気トラックを含んでもよい。例えば、バッテリー端子がPCB122に電気的に接続され、電力をデバイス100全体に配分することができるようになっている。またソケット114は電気トラックを介してバッテリーに電気的に結合されてもよい。
【0613】
デバイス100の例では加熱集合体は、誘導加熱集合体であり、誘導加熱工程を介して物品110のエアロゾル発生材を加熱するための種々の部材を含む。誘導加熱は、電磁誘導によって導電性の物体(サセプタなどの)を加熱する工程である。誘導加熱集合体は、誘導部材、例えば1つ以上のインダクタコイルと、交流電流などの変動電流を誘導部材に通すためのデバイスとを含んでもよい。誘導部材内の変動電流は変動磁場を発生させる。変動磁場は、好適には誘導部材に対して位置決めされたサセプタに侵入し、サセプタの内側に渦電流を発生させる。サセプタは渦電流に対して電気抵抗を有し、従って、この抵抗に対する渦電流の流れによってサセプタがジュール加熱によって加熱されるようにする。サセプタが鉄、ニッケルまたはコバルトなどの強磁性材を含む場合、熱がサセプタ内の磁気ヒステリシス損失によって、即ち変動磁場と合致することの結果として磁性材の磁気双極子の向きの変化によって発せられてもい。誘導加熱では例えば伝導による加熱に比べて熱がサセプタの内側に発せられ、素早い加熱を可能にする。さらに誘電ヒーターとサセプタとの間になんら物理的な接触の必要が無く、構造および用途の自由度を高めることができる。
【0614】
デバイス100の例の誘導加熱集合体は、サセプタ構造体132(以下、「サセプタ」とする)、第1のインダクタコイル124と、第2のインダクタコイル126とを含む。第1および第2インダクタコイル124、126は、導電性材料から作製される。この例では第1および第2インダクタコイル124、126は、リッツ線/ケーブルから作製され、これは螺旋状に巻かれ、ヘリカルインダクタコイル124、126を供する。リッツ線は、複数の個別の線を含み、これらは個別に絶縁され、一緒にねじられて1本の線を形成する。リッツ線は、導体中の表皮効果損失を減らすように設計されている。デバイス100の例では第1および第2インダクタコイル124、126は、矩形断面の銅リッツ線から作製される。他の例ではリッツ線は円形などの他の形状の断面を有してもよい。
【0615】
第1インダクタコイル124は、サセプタ132の第1セクションを加熱するための第1の変動磁場を発生させるように構成され、第2インダクタコイル126は、サセプタ132の第2セクションを加熱するための第2の変動磁場を発生させるように構成されている。この例では第1インダクタコイル124は、デバイス100の長手方向軸134に沿った方向に第2インダクタコイル126と隣接する(即ち、第1および第2インダクタコイル124、126は、重ならない)。サセプタ構造体132は、単独のサセプタまたは2つ以上のサセプタを含んでもよい。第1および第2インダクタコイル124、126の端部130はPCB122に接続される。
【0616】
当然のことながら一部の例では第1および第2インダクタコイル124、126は、少なくとも1つの互いに異なる特徴を有してもよい。例えば、第1インダクタコイル124は、第2インダクタコイル126とは少なくとも1つの異なる特徴を有してもよい。例えば1つの例では第1インダクタコイル124は、第2インダクタコイル126とは異なるインダクタンスの値を有してもよい。
図20では第1および第2インダクタコイル124、126は、第1インダクタコイル124が第2インダクタコイル126よりサセプタ132の小さいセクションに巻かれるように長さが異なる。従って、第1インダクタコイル124は、第2インダクタコイル126とは巻き数が異なってもよい(個々の巻き間の間隔は実質的に同じだと仮定して)。さらに別の例では第1インダクタコイル124は、第2インダクタコイル126とは異なる材料から作製されてもよい。一部の例では第1および第2インダクタコイル124、126は、実質的に同じであってもよい。
【0617】
この例では第1および第2インダクタコイル124、126は、反対方向に巻かれて示されている。これはインダクタコイルが異なる時間にアクティブである時に役に立つ。例えば、最初に第1インダクタコイル124が物品110の第1セクション/部分を加熱するために作動させて、その後に第2インダクタコイル126は物品110の第2セクション/部分を加熱するために作動させてもよい。異なる方向にコイルを巻くことは、特定の種類の制御回路と使用する場合にインダクタコイルに誘導される電流の減少の補助をする。
図20では第1インダクタコイル124が右巻き螺旋で、第2インダクタコイル126は左巻き螺旋である。しかしながら、別の実施態様ではインダクタコイル124、126は同じ方向に巻かれてもよく、あるいは第1インダクタコイル124は、左巻き螺旋で、第2インダクタコイル126は、右巻き螺旋であってもよい。
【0618】
この例のサセプタ132は中空であり、従って中にエアロゾル発生材が収容される受け部を画定する。例えば、物品110はサセプタ132内に挿入される。この例ではサセプタ132は管状で円形の断面を有する。
【0619】
サセプタ132は1つ以上の材料から作製されてもよい。好ましくはサセプタ132はニッケルまたはコバルトのコーティングを有する炭素鋼を含む。
【0620】
一部の例ではサセプタ132は、少なくとも2つの材料を含んでもよく、これはその少なくとも2つの材料の選択的なエアロゾル化のための2つの異なる周波数で加熱することが可能である。例えば、サセプタ132の第1セクション(第1インダクタコイル124によって加熱される)は、第1の材料を含んでもよく、第2インダクタコイル126によって加熱されるサセプタ132の第2セクションは、異なる第2の材料を含んでもよい。別の例では第1セクションは第1および第2の材料を含んでもよく、第1および第2の材料は第1インダクタコイル124の作動に基づいて別に加熱されてもよい。第1および第2の材料はサセプタ132によって画定された軸に沿って隣接してもよく、あるいはサセプタ132内に異なる層を形成してもよい。同様に第2セクションは第3および第4の材料を含んでもよく、これら第3および第4の材料は第2インダクタコイル126の作動に基づいて別に加熱されてもよい。第3および第4の材料はサセプタ132によって画定された軸に沿って隣接してもよく、あるいはサセプタ132内に異なる層を形成してもよい。例えば、第3の材料は第1の材料と同じでもよく、第4の材料は第2の材料と同じであってもよい。これとは別にこれら材料のそれぞれは異なってもよい。サセプタは、例えば炭素鋼またはアルミニウムを含んでもよい。
【0621】
図20のデバイス100は、一般に管状であり、少なくとも部分的にサセプタ132を囲む絶縁部材128をさらに含む。絶縁部材128は、例えばプラスチックなどの任意の絶縁材から構成されてもよい。この特定の例では絶縁部材はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から構成される。絶縁部材128は、デバイス100の種々の部品をサセプタ132内に発せられる熱から絶縁するのに役立つ。
【0622】
また絶縁部材128は、完全にまたは部分的に第1および第2インダクタコイル124、126を支持してもよい。例えば、
図21に示すように第1および第2インダクタコイル124、126は、絶縁部材128の周囲で位置決めされ、絶縁部材128の半径方向外方の面と接触する。一部の例では絶縁部材128は第1および第2インダクタコイル124、126と当接しない。例えば、小さい隙間が絶縁部材128の外面と第1および第2インダクタコイル124、126の内面の間に存在してもよい。
【0623】
具体的な例ではサセプタ132、絶縁部材128および第1および第2インダクタコイル124、126は、サセプタ132の中央長手方向軸を中心に同軸である。
【0624】
図22はデバイス100の側面を一部断面にて示している。外方カバー102がこの例では示されている。第1および第2インダクタコイル124、126の矩形の断面形状がより明らかに視認できる。
【0625】
デバイス100は、サセプタ132を所定の位置に保持するためにサセプタ132の一端と係合する支持体136をさらに含む。支持体136は第2端部部材116に接続されている。
【0626】
またデバイスは調整部材112に関連付けられた第2プリント基板138を含む。
【0627】
デバイス100は、デバイス100の遠位端の方に配置された第2の蓋/キャップ140およびバネ142をさらに含む。バネ142は第2の蓋140を開けて、サセプタ132に触れられるようにする。ユーザーは第2の蓋140を開けてサセプタ132および/または支持体136を掃除してもよい。
【0628】
デバイス100は、サセプタ132の近位端から離れてデバイスの開口部104の方に延びた膨張チェンバー144をさらに含む。少なくとも部分的に膨張チェンバー144内に配置されているのは、デバイス100内に収容された際に物品110と当接し、保持する保持クリップ146である。膨張チェンバー144は端部部材106に接続されている。
【0629】
図22は外方カバー102が省略されている
図21のデバイス100の分解図である。
【0630】
図23Aは、
図21のデバイス100の一部の断面を示している。
図23Bは、
図23Aのある領域を拡大して示している。
図23Aおよび23Bは、サセプタ132内に収容された物品110を示し、物品110は、その外面がサセプタ132の内面と当接するような寸法になっている。これにより加熱が最も効率的になる。この例の物品110はエアロゾル発生材110aを含む。エアロゾル発生材110aはサセプタ132内に位置決めされる。また物品110は、フィルター包装材および/または冷却構造体などの他の部材を含んでもよい。
【0631】
図23Bは、サセプタ132の外面がサセプタ132の長手方向軸158に垂直な方向に測定して距離150の分だけインダクタコイル124、126の内面から離れていることを示している。1つの特定の例では距離150は約3mm~4mm、約3~3.5mmまたは約3.25mmである。
【0632】
図23Bは、絶縁部材128の外面がサセプタ132の長手方向軸158に垂直な方向に測定して距離152の分だけインダクタコイル124、126の内面から離れていることをさらに示している。1つの特定の例では距離152は約0.05mmである。別の例ではその距離152は、インダクタコイル124、126が絶縁部材128と当接し、触れるように実質的には0mmである。
【0633】
1つの例ではサセプタ132の壁厚154は約0.025mm~1mm、または約0.05mmである。
【0634】
1つの例ではサセプタ132の長さは、約40mm~60mm、約40mm~45mmまたは約44.5mmである。
【0635】
1つの例では絶縁部材128の壁厚156は、約0.25mm~2mm、0.25mm~1mmまたは約0.5mmである。
【0636】
使用時、本明細書に記載の物品1、1’は、
図19~23Bを参照して説明したデバイス100などの非燃焼系エアロゾル供給デバイス内に挿入される。物品1、1’のマウスピース2、2’の少なくとも一部は、非燃焼系エアロゾル供給デバイス100から突出し、ユーザーの口の中に入れられる。エアロゾルがデバイス100を使用してエアロゾル発生材3を加熱することによって生成される。エアロゾル発生材3によって生成されたエアロゾルは、マウスピース2を通ってユーザーの口へと移動する。
【0637】
本明細書に記載の物品1、1’は、例えば
図19~23Bを参照して説明したデバイス100などの非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用した場合に特に有利である。特に第1の管状構成部品4aは、物品1、1’のマウスピース2、2’の外面の温度に多大な影響を与えるという驚異的な発見があった。既に述べたように厚さおよび多孔度およびラッパーは、温度を下げることに役立つ。
【0638】
マウスピース2’の中空の管状構成部品は、物品1’のマウスピース2’の外面の温度に多大な影響を与えるということがわかっている、例えば、フィラメント状のトウから形成された中空の管状構成部品8が外方ラッパー、例えばチッピング紙5に包まれると、中空の管状構成部品8の位置に対応する長手方向位置で外方ラッパーの温度は、使用時に42℃未満、好適には40℃未満、より好適には38℃未満または36℃未満の最大温度に到達することがわかっている。
【0639】
ここで
図24~26を参照すると、非燃焼系エアロゾル供給デバイス200の別の実施態様の部品を簡略化して示している。特に非燃焼系エアロゾル供給デバイス200の要素は
図24~26に縮尺通りに描かれていない。本実施態様の理解に関係しない要素は、
図24~26を簡略化するために省略されている。
【0640】
図24に示すように非燃焼系エアロゾル供給デバイス200は物品1を収容するための領域202を含むハウジング201を有する非燃焼系エアロゾル供給デバイスを含む。物品1は、本明細書で説明した物品1の実施態様のいずれかと同じ特徴を有するまたは別の構造を有してもよい。
【0641】
領域202は、物品1を収容するために配置されている。物品1が領域202に収容されると、エアロゾル発生材の少なくとも一部がヒーター203と熱的に近接する。物品1が領域202に完全に収容されると、エアロゾル発生材の少なくとも一部がヒーター203と直に接触する。エアロゾル発生基材が異なる温度で一連の揮発成分を放出する。電気的に加熱されたエアロゾル発生システム200の最大作動温度を制御することによって望ましくない成分の選択的な放出が選択された揮発成分の放出を妨げることによって制御される。
【0642】
図25に示すようにハウジング201内に電気エネルギー供給部204、例えば充電可能なリチウムイオンがある。コントローラ205がヒーター203、に接続され、電気エネルギー供給部204およびユーザーインターフェース206、例えばボタンまたはディスプレイに接続されている。コントローラ205は、ヒーター203に供給される電力を制御してヒーターの温度を規制する。通常はエアロゾル形成基材が250~450℃の温度に加熱される。
【0643】
図26は、ヒーター203が物品1のエアロゾル発生材3内に挿入されている
図24に示した種類の非燃焼系エアロゾル供給デバイスの略式断面図である。非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、ユーザーによるエアロゾル発生物品1の消費のためにエアロゾル発生物品1と係合して示されている。
【0644】
非燃焼系エアロゾル供給デバイスのハウジング201は、キャビティ形状の領域202を画定し、消費のためにエアロゾル発生物品1を収容するために近位端(または吸い口端)で開口している。キャビティの遠位端は、ヒーター203を含む加熱装置によって橋渡しされている。ヒーター203は、ヒーターの活性加熱領域がキャビティ内に位置するようにヒーター取り付け具によって保持されている。ヒーター203の活性加熱領域は、エアロゾル発生物品1がキャビティ内に完全に収容された際にエアロゾル発生物品1のエアロゾル発生セクション内に位置する。
【0645】
ヒーター203は、あるポイントで終結するブレード形の形状を有する。即ち、ヒーターは、厚みの寸法より大きい幅寸法より大きい長さ寸法を有する。ヒーターの第1および第2の面は、ヒーターの幅および長さによって画定される。
【0646】
物品1がキャビティ内に押し込まれると、ヒーターのテーパーした箇所がエアロゾル発生材3と係合する。ブレードは、エアロゾル発生材3に挿入そしてそこから取り除きやすい形状である。物品1に力を加えることによってヒーターがエアロゾル発生材3内に刺さる。物品1が非燃焼系エアロゾル供給デバイスと適切に係合すると、ヒーター203がエアロゾル発生材3内に挿入される。ヒーターを作動させると、エアロゾル発生材3が温められ、揮発性の物質が発生するまたは放出される。ユーザーがマウスピース2で吸い込むと、空気が物品1内に引き込まれ、揮発性成分が縮合し、吸入可能なエアロゾルを形成する。このエアロゾルは物品1のマウスピース2を通過し、ユーザーの口内に移動する。
【0647】
本発明者はエアロゾル発生器が本明細書で説明したエアロゾル発生材を含む消耗品に挿入されると、エアロゾル発生器はエアロゾル発生材によって良好に保持されることを発見した。
【0648】
本明細書に記載の種々の実施態様は、特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。これらの実施態様は単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
【0649】
以下の項は、本開示の一部を形成する。
【0650】
1.ロッド形状のエアロゾル発生材と、
エアロゾル発生材の下流の下流部分と、
第1のラッパーであって、強度が不連続の複数の線を有し、その結果ラッパーの少なくとも一部の湾曲部の不均一性となるシート材を含む第1のラッパーと、
第2のラッパーであって、複数の隙間が第1および第2のラッパーの間に設けられるように第1のラッパーの少なくとも一部に重なる第2のラッパーとを含む非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品。
【0651】
2.第2のラッパーは外方ラッパーである項1に記載の物品。
【0652】
3.第1のラッパーのシート材は紙である項1または項2記載の物品。
【0653】
4.下流部分は、プラグを含み、第1のラッパーはプラグを囲む項1乃至項3いずれか1項記載の物品。
【0654】
5.下流部分は管を含み、第1のラッパーは管を囲む項1乃至項4いずれか1項記載の物品。
【0655】
6.強度が不連続の複数の線は、脆弱線を含む項1乃至項5いずれか1項記載の物品。
【0656】
7.脆弱線は、第1のラッパーのシート材の厚みを貫通しない切れ込みを含み、好ましくは貫通しない切れ込みは、内側に向いたシート材の側にある項6記載の物品。
【0657】
8.貫通しない切れ込みは、レーザーカッティングによって形成されたものである項7記載の物品。
【0658】
9.脆弱線はピンエンボスによって形成されたものである項6記載の物品。
【0659】
10.強度が不連続な線を供する第1のラッパーのシート材上にコーティングを含み、好ましくはコーティングはワニスを含む項1乃至項5いずれか1項記載の物品。
【0660】
11.強度が不連続な線は、第1のラッパーに亘って複数のファセットを画定する項1乃至項10いずれか1項記載の物品。
【0661】
12.ファセットはほぼ平面である項11記載の物品。
【0662】
13.強度が不連続な線は閉じた形状を有するファセットを画定するために交わるまたは統合する項1乃至項12いずれか1項記載の物品。
【0663】
14.複数のファセットは、同じ形状であり、および/または列に配置されている項1乃至項13いずれか1項記載の物品。
【0664】
15.物品は、湾曲面を含み、その周囲にシート材が設けられ、第1のラッパーは、その湾曲面とは異なる曲率を有する項1乃至項14いずれか1項記載の物品。
【0665】
16.項1乃至項15いずれか1項記載の物品の特徴を含む物品。
【0666】
17.エアロゾル発生材は、第1のエアロゾル発生材を含み、物品は、第1のエアロゾル発生材の下流に部材をさらに含み、部材は管状部分を含み、管状部分は、第2のエアロゾル発生材を含む壁を含む項1乃至項16いずれか1項記載の物品。
【0667】
18.エアロゾル発生材は、約2000コレスタ単位超の通気度を有するラッパーによって包まれ、物品は、少なくとも1つの換気領域を含むエアロゾル発生材の下流の下流部分を含む項1乃至項17いずれか1項記載の物品。
【0668】
19.物品は、物品が非燃焼系エアロゾル供給システムに挿入された際に非燃焼系エアロゾル供給デバイスのヒーターと物品の管状セクションとの最小距離が少なくとも約3mmになるように構成されている項1乃至項18いずれか1項記載の物品。
【0669】
20.前記1つ以上の換気口によって供される換気のレベルは、部材を通過するエアロゾルの量の45%~65%、部材を通過するエアロゾルの量の40%~60%の範囲内である項1乃至項19いずれか1項記載の物品。
【0670】
21.物品の吸い口端から延びた中空の管状部材を含み、中空の管状部材は、約10mm超または約12mm超の長さを含む項1乃至項20いずれか1項記載の物品。
【0671】
22.項1乃至項21いずれか1項記載の物品を含む非燃焼系エアロゾル供給システム。
【0672】
23.エアロゾル変性部品と、エアロゾル発生材がエアロゾルを供するようにエアロゾル発生材を加熱するように使用時作動可能なヒーターとを含み、エアロゾル変性部材は、エアロゾル発生材の下流であり、およびエアロゾルを発生させるためにヒーターを作動させている間に第1の温度に加熱されるエアロゾル変性部材の第1の部分にある第1カプセルと、この第1の部分の下流に位置するエアロゾル変性部材の第2の部分にある第2カプセルとを含み、第2の部分は、エアロゾルを発生させるためにヒーターを作動させている間に第2の温度に加熱され、および第2の温度は、第1の温度より少なくとも4℃低い項22記載の非燃焼系エアロゾル供給システム。
【0673】
24.非燃焼系エアロゾル供給システムは、エアロゾル発生材加熱システムであり、好ましくはタバコ加熱システムである項22または項23記載の非燃焼系エアロゾル供給システム。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生材と、エアロゾル発生材の下流の下流部分とを含み、下流部分は、壁を含む管によって囲まれたキャビティを含み、前記管は、紙の管であり、少なくとも325ミクロンの壁厚を有するおよび/または壁は少なくとも100コレスタ単位の通気度を有する非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための物品。
【外国語明細書】