(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081720
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】プログラム、チャレンジ支援システム、チャレンジ支援方法、端末
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/06 20120101AFI20240611BHJP
G06Q 20/38 20120101ALI20240611BHJP
【FI】
G06Q20/06
G06Q20/38 310
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024050320
(22)【出願日】2024-03-26
(62)【分割の表示】P 2020150023の分割
【原出願日】2020-01-21
(31)【優先権主張番号】P 2019147695
(32)【優先日】2019-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】516002521
【氏名又は名称】谷本 広志
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】谷本 広志
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザがチャレンジを達成する可能性を高めるチャレンジ支援システムを実現可能なプログラムを提供する。
【解決手段】チャレンジ支援システム1において、インターネット50に接続される端末に、第1のユーザが達成すべきチャレンジに関する契約条件が満たされたか否かを判定し、契約条件の判定結果に基づいて、第1のトークンを配分する第1のスマートコントラクトと、第2のユーザの第2のトークンの残高に基づいて、第1のトークンを第2のユーザに配分するトランザクションを生成する第2のスマートコントラクトと、を有するブロックチェーンネットワーク55は、判定用データを取得する処理、判定用データをブロックチェーンネットワーク55へ送信する処理、第2のトークンの配分に用いられるトランザクションを生成する処理及び第2のトークンの配分に用いられるトランザクションをブロックチェーンネットワーク55へ送信する処理を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムであって、
インターネットに接続される端末に、
第1のユーザが達成すべきチャレンジを達成するための条件及び前記チャレンジを達成
する期限を含む前記チャレンジに関する契約条件が満たされたか否かを判定し、前記契約
条件の判定結果に基づいて、第1のトークンを配分するトランザクションを生成する第1
のスマートコントラクトと、
前記第1のスマートコントラクトから前記第1のトークンが配分され、前記第1のユー
ザから第2のユーザに対して配分可能な第2のトークンの残高を管理し、前記第2のユー
ザの前記第2のトークンの残高に基づいて、前記第1のトークンを前記第2のユーザに配
分するトランザクションを生成する第2のスマートコントラクトと、を有し、前記インタ
ーネットに接続されるブロックチェーンネットワークにおいて、
前記契約条件の判定に用いる判定用データを取得する処理と、
前記判定用データを前記第1のスマートコントラクトへ送信する処理と、
前記第2のスマートコントラクトによる前記第1のユーザから前記第2のユーザに対す
る前記第2のトークンの配分に用いられるトランザクションを生成する処理と、
前記第1のユーザから前記第2のユーザに対する前記第2のトークンの配分に用いられ
るトランザクションを前記第2のスマートコントラクトへ送信する処理と、を実行させる
、プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記端末に、
前記第2のトークンを発行するために用いるトークン発行情報を生成する処理と、
前記トークン発行情報を前記ブロックチェーンネットワークに送信する処理と、を実行
させる、プログラム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプログラムであって、
前記端末に、
前記第2のユーザから第3のユーザに対する前記第2のトークンの配分に用いられるト
ランザクションを生成する処理と、
前記第2のユーザから第3のユーザに対する前記第2のトークンの配分に用いられるト
ランザクションを前記第2のスマートコントラクトへ送信する処理と、を実行させる、プ
ログラム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記端末に、
第3のトークンの残高を管理する第3のスマートコントラクト、をさらに有する前記ブ
ロックチェーンネットワークにおいて、
前記第3のスマートコントラクトによる前記第2のトークンの残高に基づく前記第3の
トークンの配分に用いられるトランザクションを生成する処理と、
前記第2のトークンの残高に基づく前記第3のトークンの配分に用いられるトランザク
ションを前記第3のスマートコントラクトへ送信する処理、を実行させる、プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のプログラムであって、
前記端末に、
前記第3のスマートコントラクトによる、前記第2のトークンの残高及び前記チャレン
ジの難易度に基づく前記第3のトークンの配分に用いられるトランザクションを生成する
処理と、
前記第2のトークンの残高及び前記チャレンジの難易度に基づく前記第3のトークンの
配分に用いられるトランザクションを前記第3のスマートコントラクトへ送信する処理と
、を実行させる、プログラム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記端末に、
前記チャレンジの中断を示す情報を生成する処理と、
前記第1のスマートコントラクトに、前記チャレンジが中断された場合の前記第1のト
ークンの配分設定に従った前記第1のトークンの配分に用いられるトランザクションを生
成させるために、前記チャレンジの中断を示す情報を前記第1のスマートコントラクトへ
送信する処理と、を実行させる、プログラム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記端末に、
前記第1のユーザの前記チャレンジに関する情報を送信するための送信先を取得する処
理と、
前記ブロックチェーンネットワークの所定のユーザから、前記第1のユーザに対する前
記ブロックチェーンネットワークにおける所定のトークンの配分に用いられるトランザク
ションを生成させるために、前記第1のユーザの前記チャレンジに関する情報を前記送信
先に対して送信する処理と、を実行させる、プログラム。
【請求項8】
プログラムであって、
インターネットに接続される端末に、
第1のユーザが達成すべきチャレンジを達成するための条件及び前記チャレンジを達成
する期限を含む前記チャレンジに関する契約条件、前記チャレンジのために預ける第1の
トークンの量、前記チャレンジの成功時における前記第1のトークンの配分設定、及び前
記チャレンジの失敗時における前記第1のトークンの配分設定を含むコントラクト情報を
生成する処理と、
前記契約条件が満たされたか否かを、前記契約条件及び前記契約条件の判定に用いる判
定用データに基づいて判定し、前記契約条件の判定結果に基づいて、前記第1のトークン
を配分するトランザクションを生成する第1のスマートコントラクトを、前記インターネ
ットに接続されるブロックチェーンネットワークに生成するために、前記コントラクト情
報に基づくコントラクト生成トランザクションを、前記ブロックチェーンネットワークへ
送信する処理と、を実行させる、プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムであって、
前記端末に、
前記チャレンジの中断を示す情報を生成する処理と、
前記第1のスマートコントラクトに、前記チャレンジが中断された場合の前記第1のト
ークンの配分設定に従って前記第1のトークンを配分するトランザクションを生成させる
ために、前記チャレンジの中断を示す情報を前記第1のスマートコントラクトへ送信する
処理と、を実行させる、プログラム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記第1のスマートコントラクトは、前記契約条件及び前記判定用データに基づいて前
記チャレンジの達成度を算出し、算出した前記達成度に基づいて、前記第1のトークンを
配分するトランザクションを生成する、プログラム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記判定用データは、
前記チャレンジの終了を判定する終了判定データ、を含む、プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムであって、
前記終了判定データは日時に関するデータを含む、プログラム。
【請求項13】
プログラムであって、
インターネットに接続される端末に、
第1のユーザが達成すべきチャレンジを達成するための条件及び前記チャレンジを達成
する期限を含む前記チャレンジに関する契約条件が満たされたか否かを判定し、前記契約
条件の判定結果に基づいて、第1のトークンを配分するトランザクションを生成し、
前記第1のユーザから第2のユーザに対して配分可能であり、前記判定がなされた後に
有効となる第2のトークンの残高を管理し、前記契約条件の判定結果に基づいて、前記第
2のトークンを前記第2のユーザに配分するトランザクションを生成する、スマートコン
トラクトをブロックチェーンネットワークに生成するために、コントラクト生成トランザ
クションをブロックチェーンネットワークへ送信する処理を実行させる、プログラム。
【請求項14】
プログラムであって、
インターネットに接続される端末に、
所定のユーザが達成すべきチャレンジを達成するための条件と前記チャレンジを達成す
る期限と、を含む前記チャレンジに関する契約条件が満たされたか否かを、前記契約条件
及び前記契約条件の判定に用いる判定用データに基づいて判定する第1のスマートコント
ラクトと、
前記インターネットに接続されるブロックチェーンネットワークからトークンが集積さ
れ、前記第1のスマートコントラクトから送信された判定結果に基づいて、前記集積され
たトークンを配分する第2のスマートコントラクトと、を有する前記ブロックチェーンネ
ットワークにおいて、
前記トークンを前記判定結果の予想に対して賭けるトランザクションを生成する処理と
、
前記トークンを前記判定結果の予想に対して賭けるトランザクションを前記第2のスマ
ートコントラクトへ送信する処理と、を実行させる、プログラム。
【請求項15】
チャレンジ支援システムであって、
インターネットに接続される第1の端末と第2の端末を備え、
前記第1の端末は、
ユーザが達成すべきチャレンジを達成するための条件及び前記チャレンジを達成する期
限を含む前記チャレンジに関する契約条件、前記チャレンジのために預ける第1のトーク
ンの量、前記チャレンジの成功時における前記第1のトークンの配分設定、及び前記チャ
レンジの失敗時における前記第1のトークンの配分設定を含むコントラクト情報を生成す
るコントラクト情報生成部と、
前記契約条件が満たされたか否かを、前記契約条件及び前記契約条件の判定に用いる判
定用データに基づいて判定し、前記契約条件の判定結果に基づいて、前記第1のトークン
を配分するトランザクションを生成するスマートコントラクトを、前記インターネットに
接続されるブロックチェーンネットワークに生成するために、前記コントラクト情報に基
づくコントラクト生成トランザクションを、前記ブロックチェーンネットワークへ送信す
る第1のトランザクション生成部と、を備え、
前記第2の端末は、
前記判定用データを取得する判定用データ取得部と、
前記判定用データを前記スマートコントラクトへ送信する第2のトランザクション生成
部と、を備える、チャレンジ支援システム。
【請求項16】
請求項15に記載のチャレンジ支援システムであって、
前記ユーザは第1のユーザであり、
前記スマートコントラクトは第1のスマートコントラクトであり、
前記ブロックチェーンネットワークは、
前記第1のスマートコントラクトから前記第1のトークンが配分され、前記第1のユー
ザから第2のユーザに対して配分可能な第2のトークンの残高を管理し、前記第2のユー
ザの前記第2のトークンの残高に基づいて、前記第1のトークンを前記第2のユーザに配
分するトランザクションを生成する第2のスマートコントラクト、を有し、
前記第2のトランザクション生成部は、
前記第2のスマートコントラクトによる前記第1のユーザから前記第2のユーザに対す
る前記第2のトークンの配分に用いられるトランザクションを生成し、
前記第1のユーザから前記第2のユーザに対する前記第2のトークンの配分に用いられ
るトランザクションを前記第2のスマートコントラクトへ送信する、チャレンジ支援シス
テム。
【請求項17】
チャレンジ支援方法であって、
インターネットに接続される第1の端末が、
ユーザが達成すべきチャレンジを達成するための条件及び前記チャレンジを達成する期
限を含む前記チャレンジに関する契約条件、前記チャレンジのために預ける第1のトーク
ンの量、前記チャレンジの成功時における前記第1のトークンの配分設定、及び前記チャ
レンジの失敗時における前記第1のトークンの配分設定を含むコントラクト情報を生成す
るステップと、
前記第1の端末が、前記契約条件が満たされたか否かを、前記契約条件及び前記契約条
件の判定に用いる判定用データに基づいて判定し、前記契約条件の判定結果に基づいて、
前記第1のトークンを配分するトランザクションを生成するスマートコントラクトを、前
記インターネットに接続されるブロックチェーンネットワークに生成するために、前記コ
ントラクト情報に基づくコントラクト生成トランザクションを前記ブロックチェーンネッ
トワークへ送信するステップと、
前記インターネットに接続される第2の端末が、
前記判定用データを取得するステップと、
前記第2の端末が、前記判定用データを前記スマートコントラクトへ送信するステップ
と、を含むチャレンジ支援方法。
【請求項18】
請求項17に記載のチャレンジ支援方法であって、
前記ユーザは第1のユーザであり、
前記スマートコントラクトは第1のスマートコントラクトであり、
前記ブロックチェーンネットワークは、
前記第1のスマートコントラクトから前記第1のトークンが配分され、前記第1のユー
ザから第2のユーザに対して配分可能な第2のトークンの残高を管理し、前記第2のユー
ザの前記第2のトークンの残高に基づいて、前記第1のトークンを前記第2のユーザに配
分するトランザクションを生成する第2のスマートコントラクト、を有し、
前記第1の端末が、前記第2のスマートコントラクトによる前記第1のユーザから前記
第2のユーザに対する前記第2のトークンの配分に用いられるトランザクションを生成す
るステップと、
前記第1の端末が、前記第1のユーザから前記第2のユーザに対する前記第2のトーク
ンの配分に用いられるトランザクションを前記第2のスマートコントラクトへ送信するス
テップを、さらに含むチャレンジ支援方法。
【請求項19】
端末であって、
ユーザが達成すべきチャレンジを達成するための条件及び前記チャレンジを達成する期
限を含む前記チャレンジに関する契約条件の判定に用いる判定用データを取得する判定用
データ取得部と、
ブロックチェーンネットワークに設けられ、前記契約条件が満たされたか否かを判定し
、前記契約条件の判定結果に基づいて第1のトークンを配分するトランザクションを生成
するスマートコントラクトへ、前記判定用データを送信するトランザクション生成部と、
を備える、端末。
【請求項20】
請求項19に記載の端末であって、
前記ユーザは第1のユーザであり、
前記スマートコントラクトは第1のスマートコントラクトであり、
前記ブロックチェーンネットワークは、
前記第1のスマートコントラクトから前記第1のトークンが配分され、前記第1のユー
ザから第2のユーザに対して配分可能な第2のトークンの残高を管理し、前記第2のユー
ザの前記第2のトークンの残高に基づいて、前記第1のトークンを前記第2のユーザに配
分するトランザクションを生成する第2のスマートコントラクト、を有し、
前記トランザクション生成部は、
前記第2のスマートコントラクトによる前記第1のユーザから前記第2のユーザに対す
る前記第2のトークンの配分に用いられるトランザクションを生成し、
前記第1のユーザから前記第2のユーザに対する前記第2のトークンの配分に用いられ
るトランザクションを前記第2のスマートコントラクトへ送信する、端末。
【請求項21】
端末であって、
第1のユーザが達成すべきチャレンジを達成するための条件及び前記チャレンジを達成
する期限を含む前記チャレンジに関する契約条件、前記チャレンジのために預ける第1の
トークンの量、前記チャレンジの成功時における前記第1のトークンの配分設定、及び前
記チャレンジの失敗時における前記第1のトークンの配分設定を含むコントラクト情報を
生成するコントラクト情報生成部と、
前記契約条件が満たされたか否かを、前記契約条件及び前記契約条件の判定に用いる判
定用データに基づいて判定し、前記契約条件の判定結果に基づいて、前記第1のトークン
を配分するトランザクションを生成するスマートコントラクトを、ブロックチェーンネッ
トワークに生成するために、前記コントラクト情報に基づくコントラクト生成トランザク
ションを、前記ブロックチェーンネットワークへ送信するトランザクション生成部と、を
備える、端末。
【請求項22】
プログラムであって、
インターネットに接続される端末に、
ユーザが達成すべきチャレンジを達成するための条件及び前記チャレンジを達成する期
限を含む前記チャレンジに関する契約条件が満たされたか否かを、前記契約条件及び前記
契約条件の判定に用いる判定用データに基づいて判定し、前記契約条件の判定結果に基づ
いて、第1のトークンを配分するトランザクションを生成するスマートコントラクトをブ
ロックチェーンネットワークに生成するために、コントラクト情報をブロックチェーンネ
ットワークへ送信する処理を実行させる、プログラム。
【請求項23】
プログラムであって、
インターネットに接続される端末に、
第1のトークンが配分され、第1のユーザから第2のユーザに対して配分可能な第2の
トークンの残高を管理し、前記第2のユーザの前記第2のトークンの残高に基づいて、前
記第1のトークンを前記第2のユーザに配分するトランザクションを生成するスマートコ
ントラクトをブロックチェーンネットワークに生成するために、コントラクト情報をブロ
ックチェーンネットワークへ送信する処理を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、チャレンジ支援システム、チャレンジ支援方法、及び端末に関
する。
【背景技術】
【0002】
人々は、達成したいと思いながらなかなか実現できないチャレンジを持っていることが
ある。チャレンジには、例えば、健康維持・増進のためにウォーキングをすること、健康
診断に行くこと、禁煙すること、英会話の勉強をすること等が含まれる。
【0003】
この種のチャレンジの場合、チャレンジを行う本人以外の人が、本人の健康のためや技
能習得のために、本人がチャレンジを達成することを期待していることも多い。例えば、
不健康な生活を送っている人の父親は、何とかしてその人にウォーキング等の健康的な活
動をさせたいと願い、また、その人の妻や子は、その人が長く健康であることを願い、そ
の人の健康的な活動への取り組みを応援したいと思っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のチャレンジを行う本人は自分自身に、チャレンジの実行に対するモチベーショ
ンを適切に与える必要がある。また、チャレンジが達成されないことは、本人のみならず
、本人がチャレンジを達成することに期待する他の人々にとっても、望ましいことではな
い。本人がチャレンジを達成することに期待する他の人々は、本人に対してチャレンジの
実行についてモチベーションを与えることができる。
【0005】
しかし、本人がチャレンジを達成することに期待する他の人々も、本人がチャレンジを
達成するというメリットに加えて、すぐに顕在化する他の人々自身にとっての何らかのメ
リットがない状況で本人を積極的に応援し続けることは難しい。
【0006】
本人自身によるモチベーション維持・増進あるいは他の人々の応援による本人のモチベ
ーション維持・増進が不十分な場合、本人がチャレンジの達成に対して消極的となり、チ
ャレンジが達成されない可能性が高くなる。
【0007】
そこで、本発明は、ユーザがチャレンジを達成する可能性を高めるチャレンジ支援シス
テムを実現可能なプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、インターネットに接続される端末に、第1のユー
ザが達成すべきチャレンジを達成するための条件及びチャレンジを達成する期限を含むチ
ャレンジに関する契約条件が満たされたか否かを判定し、契約条件の判定結果に基づいて
、第1のトークンを配分するトランザクションを生成する第1のスマートコントラクトと
、第1のスマートコントラクトから第1のトークンが配分され、第1のユーザから第2の
ユーザに対して配分可能な第2のトークンの残高を管理し、第2のユーザの第2のトーク
ンの残高に基づいて、第1のトークンを第2のユーザに配分するトランザクションを生成
する第2のスマートコントラクトと、を有し、前記インターネットに接続されるブロック
チェーンネットワークにおいて、契約条件の判定に用いる判定用データを取得する処理と
、判定用データを第1のスマートコントラクトへ送信する処理と、第2のスマートコント
ラクトによる第1のユーザから第2のユーザに対する第2のトークンの配分に用いられる
トランザクションを生成する処理と、第1のユーザから第2のユーザに対する第2のトー
クンの配分に用いられるトランザクションを第2のスマートコントラクトへ送信する処理
と、を実行させる。
【0009】
この態様によれば、チャレンジが達成された場合に第1のスマートコントラクトが配分
する第1のトークンを、第1のユーザが配分する第2のトークンの残高に基づいて、第2
のユーザへ配分することが可能となる。第1のユーザは、チャレンジ開始前、チャレンジ
の達成過程又はチャレンジ達成の前後において、第2のトークンを第2のユーザに対して
配分することが可能となる。
【0010】
第2のユーザは、第2のトークンを保有することにより、第1のトークンの配分を得る
ことができる。よって、第2のユーザに、第1のトークンを獲得するために第1のユーザ
のチャレンジに対して積極的な応援を行い、第1のユーザから応援の対価である第2のト
ークンを得ようという動機が与えられる。第1のユーザは第2のユーザから応援されるこ
とによって、チャレンジの実行についてモチベーションを獲得する。第1のユーザ単独で
はなく、第2のユーザを巻き込んでチャレンジの達成に挑む状況が作られることによって
、第1のユーザがチャレンジを達成する可能性が高まる。
【0011】
上記態様において、プログラムは、端末に、第2のトークンを発行するために用いるト
ークン発行情報を生成する処理と、トークン発行情報をブロックチェーンネットワークに
送信する処理と、を実行させてもよい。
【0012】
この態様によれば、第1のユーザが端末を操作することによって、第2のトークンの発
行が可能となる。第1のユーザが第2のトークンを自由に発行できるようにすることで、
第2のユーザへの配分の割合を適切に調整することができる。より第1のユーザを応援し
てくれた貢献度の高いユーザが第2のトークンの配分をより多く受けるような割合に調整
される。よって、第1のユーザは、第2のユーザ及び他のユーザに対して、自身を応援す
るように働きかけやすくなる。よって、より多くの応援を獲得し、第1のユーザがチャレ
ンジを達成する可能性が高まる。
【0013】
上記態様において、プログラムは、端末に、第2のユーザから第3のユーザに対する第
2のトークンの配分に用いられるトランザクションを生成する処理と、第2のユーザから
第3のユーザに対する第2のトークンの配分に用いられるトランザクションを第2のスマ
ートコントラクトに送信する処理と、を実行させてもよい。
【0014】
この態様によれば、第2のユーザは第2のトークンを第3のユーザに対して送付するこ
とができる。第2のトークンは転々流通可能となる。第1のユーザが選択したユーザとは
異なるユーザに対しても第2のトークンが配分されるようになる。よって、より多くのユ
ーザから応援を受けることが可能となり、第1のユーザがチャレンジを達成する可能性が
高まる。
【0015】
上記態様において、プログラムは、端末に、第3のトークンの残高を管理する第3のス
マートコントラクト、をさらに有するブロックチェーンネットワークにおいて、第3のス
マートコントラクトによる第2のトークンの残高に基づく第3のトークンの配分に用いら
れるトランザクションを生成する処理と、第2のトークンの残高に基づく第3のトークン
の配分に用いられるトランザクションを第3のスマートコントラクトへ送信する処理、を
実行させてもよい。
【0016】
この態様によれば、第3のトークンの残高は、第2のトークンの残高に基づいて管理さ
れることとなる。第2のトークンを、第1のユーザのチャレンジ毎の応援に対する一時的
なトークンとし、第3のトークンを、第1のユーザの複数のチャレンジに対する長期的な
トークンとすることで、第1のユーザは長期的な応援を獲得することが可能となる。長期
的な応援を獲得しているという安心感を持つ第1のユーザは、チャレンジに対する安定し
たモチベーションを獲得する。よって、第1のユーザがチャレンジを達成する可能性が高
まる。
【0017】
上記態様において、プログラムは、端末に、第3のスマートコントラクトによる、第2
のトークンの残高及びチャレンジの難易度に基づく第3のトークンの配分に用いられるト
ランザクションを生成する処理と、第2のトークンの残高及びチャレンジの難易度に基づ
く第3のトークンの配分に用いられるトランザクションを第3のスマートコントラクトへ
送信する処理と、を実行させてもよい。
【0018】
チャレンジの難易度に基づいて、第3のトークンを配分するようにすることで、各チャ
レンジにおいて、一律に第2のトークンの残高から第3のトークンを配分するのではなく
、第3のチャレンジの難易度に応じて、適切に第3のトークンを配分することが可能とな
る。
【0019】
上記態様において、プログラムは、端末に、チャレンジの中断を示す情報を生成する処
理と、第1のスマートコントラクトに、チャレンジが中断された場合の第1のトークンの
配分設定に従った第1のトークンの配分に用いられるトランザクションを生成させるため
に、チャレンジの中断を示す情報を第1のスマートコントラクトへ送信する処理と、を実
行させてもよい。
【0020】
この態様によれば、チャレンジを中断することが可能となり、システムとしての利便性
が向上する。
【0021】
上記態様において、プログラムは、端末に、第1のユーザのチャレンジに関する情報を
送信するための送信先を取得する処理と、ブロックチェーンネットワークの所定のユーザ
から、第1のユーザに対するブロックチェーンネットワークにおける所定のトークンの配
分に用いられるトランザクションを生成させるために、第1のユーザのチャレンジに関す
る情報を送信先に対して送信する処理と、を実行させてもよい。
【0022】
この態様によれば、ブロックチェーンネットワークの所定のユーザは、第1のユーザに
対して所定のトークンを配分することが可能となる。第1のユーザが自身のチャレンジに
関する情報に基づいて、所定のユーザからトークンを受け取るようにして、第1のユーザ
は所定のユーザから応援されることができる。よって、第1のユーザがチャレンジを達成
する可能性が高まる。
【0023】
本発明の他の態様に係るプログラムは、インターネットに接続される端末に、第1のユ
ーザが達成すべきチャレンジを達成するための条件及びチャレンジを達成する期限を含む
チャレンジに関する契約条件、チャレンジのために預ける第1のトークンの量、チャレン
ジの成功時における第1のトークンの配分設定、及びチャレンジの失敗時における第1の
トークンの配分設定を含むコントラクト情報を生成する処理と、契約条件が満たされたか
否かを、契約条件及び契約条件の判定に用いる判定用データに基づいて判定し、契約条件
の判定結果に基づいて、第1のトークンを配分するトランザクションを生成する第1のス
マートコントラクトを、インターネットに接続されるブロックチェーンネットワークに生
成するために、コントラクト情報に基づくコントラクト生成トランザクションをブロック
チェーンネットワークへ送信する処理と、を実行させる。
【0024】
この態様によれば、インターネットに接続される端末から、チャレンジ達成のための第
1スマートコントラクトを生成することができる。インターネットに接続される端末であ
れば、自由にチャレンジに関する第1のスマートコントラクトを生成することができるの
で、ユーザ毎の目的に沿ったチャレンジの達成が可能となる。ユーザの目的に沿うチャレ
ンジとすることで、ユーザのチャレンジに対するモチベーションを増し、ユーザがチャレ
ンジを達成する可能性が高まる。
【0025】
上記態様において、プログラムは、端末に、チャレンジの中断を示す情報を生成する処
理と、第1のスマートコントラクトに、チャレンジが中断された場合の第1のトークンの
配分設定に従って第1のトークンを配分するトランザクションを生成させるために、チャ
レンジの中断を示す情報を第1のスマートコントラクトへ送信する処理と、を実行させて
もよい。
【0026】
チャレンジに関する第1のスマートコントラクトの作成者が、チャレンジを中断するこ
とが可能となり、システムとしての利便性が向上する。
【0027】
上記態様において、第1のスマートコントラクトは、契約条件及び判定用データに基づ
いてチャレンジの達成度を算出し、算出した達成度に基づいて、第1のトークンを配分す
るトランザクションを生成してもよい。
【0028】
この態様によれば、チャレンジが中断あるいは失敗したような場合であっても、達成度
に基づいて、第1のトークンが配分される。チャレンジの難易度を高く設定した場合に、
チャレンジが中断あるいは失敗する可能性が高くなることがある。この場合にチャレンジ
が中断したとしても、第1のトークンが配分されるので、ユーザのチャレンジに対するモ
チベーションを保ち、チャレンジの達成を促進することができる。
【0029】
上記態様において、判定用データは、チャレンジの終了を判定する終了判定データ、を
含んでもよい。
【0030】
この態様によれば、第1のスマートコントラクトが外部から、チャレンジの終了を判断
するための情報(オラクル)を取得することが可能となり、確実にチャレンジを終了させ
ることができる。
【0031】
上記態様において、終了判定データは日時に関するデータを含んでもよい。
【0032】
この態様によれば、第1のスマートコントラクトがインターネットやブロックチェーン
ネットワークから自動的に日時に関する情報を取得できない場合に、第1のスマートコン
トラクトに対して日時に関する情報を送信することができる。よって、チャレンジの期限
が過ぎた場合に、確実にチャレンジを終了させることができる。
【0033】
本発明の他の態様に係るプログラムは、インターネットに接続される端末に、第1のユ
ーザが達成すべきチャレンジを達成するための条件及びチャレンジを達成する期限を含む
チャレンジに関する契約条件が満たされたか否かを判定し、契約条件の判定結果に基づい
て、第1のトークンを配分するトランザクションを生成し、第1のユーザから第2のユー
ザに対して配分可能であり、判定がなされた後に有効となる第2のトークンの残高を管理
し、契約条件の判定結果に基づいて、第2のトークンを第2のユーザに配分するトランザ
クションを生成する、スマートコントラクトをブロックチェーンネットワークに生成する
ために、コントラクト生成トランザクションをブロックチェーンネットワークへ送信する
処理を実行させる。
【0034】
この態様によれば、チャレンジに関する契約条件が満たされたか否かが判定された後に
有効となる第2のトークンを第1のユーザが第2のユーザに対して配分することが可能と
なる。よって、第2のユーザに、第2のトークンを有効にするために、第1のユーザのチ
ャレンジに対して応援を行う動機が与えられる。第1のユーザは第2のユーザから応援さ
れることによって、チャレンジの実行についてモチベーションを獲得する。第1のユーザ
単独ではなく、第2のユーザを巻き込んでチャレンジの達成に挑む状況が作られることに
よって、第1のユーザがチャレンジを達成する可能性が高まる。
【0035】
本発明の他の態様に係るプログラムは、インターネットに接続される端末に、所定のユ
ーザが達成すべきチャレンジを達成するための条件とチャレンジを達成する期限と、を含
むチャレンジに関する契約条件が満たされたか否かを、契約条件及び契約条件の判定に用
いる判定用データに基づいて判定する第1のスマートコントラクトと、第1のスマートコ
ントラクトから送信された判定結果に基づいて、インターネットに接続されるブロックチ
ェーンネットワークにおけるトークンの残高を管理する第2のスマートコントラクトと、
を有するブロックチェーンネットワークからトークンが集積され、第1のスマートコント
ラクトから送信された判定結果に基づいて、集積されたトークンを配分する第2のスマー
トコントラクトと、を有するブロックチェーンネットワークにおいて、トークンを判定結
果の予想に対して賭けるトランザクションを生成する処理と、トークンを判定結果の予想
に対して賭けるトランザクションを第2のスマートコントラクトへ送信する処理と、を実
行させる。
【0036】
この態様によれば、第2のスマートコントラクトは、第1のユーザのチャレンジの判定
結果について、トークンを賭けさせ、判定結果に基づいてトークンの残高を管理すること
で、トークンを配分する。よって、より多くのユーザが、自身のトークンを増やそうとす
るために、第1のチャレンジに対して関心を有する。第1のユーザは、自身のチャレンジ
が多くの関心を集めていると、その関心に応えるべくチャレンジの達成に挑む。よって、
第1のユーザがチャレンジを達成する可能性が高まる。
【0037】
本発明の他の態様に係るチャレンジ支援システムは、インターネットに接続される第1
の端末と第2の端末を備え、第1の端末は、第1のユーザが達成すべきチャレンジを達成
するための条件及びチャレンジを達成する期限を含むチャレンジに関する契約条件、チャ
レンジのために預ける第1のトークンの量、チャレンジの成功時における第1のトークン
の配分設定、及びチャレンジの失敗時における第1のトークンの配分設定を含むコントラ
クト情報を生成するコントラクト情報生成部と、契約条件が満たされたか否かを、契約条
件及び契約条件の判定に用いる判定用データに基づいて判定し、契約条件の判定結果に基
づいて、第1のトークンを配分するトランザクションを生成するスマートコントラクトを
、インターネットに接続されるブロックチェーンネットワークに生成するために、コント
ラクト情報に基づくコントラクト生成トランザクションを、ブロックチェーンネットワー
クへ送信する第1のトランザクション生成部と、を備え、第2の端末は、契約条件の判定
に用いる判定用データを取得する判定用データ取得部と、判定用データをスマートコント
ラクトへ送信する第2のトランザクション生成部と、を備える。
【0038】
この態様によれば、第1の端末によって生成されるコントラクト情報によってブロック
チェーンネットワーク上にスマートコントラクトが生成される。スマートコントラクトに
は、第1のトークンが預けられる。ユーザは、チャレンジに関する契約条件が満たされる
か否かに応じて配分される第1のトークンを得るために、チャレンジの実行についてモチ
ベーションを獲得する。契約条件の判定に用いる判定用データは、第2の端末によって。
スマートコントラクトに送信される。スマートコントラクトは、判定用データに従って契
約条件が満たされたか否かを判定する。
【0039】
スマートコントラクトを介したチャレンジの判定を行うことにより、チャレンジの結果
に応じた第1のトークンの配分が管理者不在で確実に履行される。よって、ユーザは、ス
マートコントラクトをブロックチェーンネットワークに生成することによって、チャレン
ジ結果に対する報酬が配分されることが約束されているチャレンジを作成することができ
る。チャレンジ支援システムは、チャレンジの結果に対する報酬の獲得についての信頼性
を高くすることによって、ユーザにチャレンジの実行についてモチベーションを与え、ユ
ーザがチャレンジを達成する可能性を高める。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、ユーザがチャレンジを達成する可能性を高めるチャレンジ支援システ
ムを実現可能なプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】第1実施形態に係るチャレンジ支援システムの構成を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る資金提供者端末のブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る挑戦者端末のブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係る応援者端末のブロック図である。
【
図5】第1実施形態に係る運営者端末のブロック図である。
【
図6】第1実施形態に係る運営者端末に記憶されるデータ構造である。
【
図7】第1実施形態に係るブロックチェーンネットワークにおけるスマートコントラクトを示す図である。
【
図8】第1実施形態に係る判定用データ送信端末のブロック図である。
【
図9】第1実施形態に係るチャレンジ支援システムのシーケンス図である。
【
図10】第1実施形態に係るチャレンジ支援システムのシーケンス図である。
【
図11】第1実施形態に係るチアリングトークンコントラクトを説明する図である。
【
図12】第1実施形態に係るチアリングトークンコントラクトを説明する図である。
【
図13】第1実施形態に係るサンクストークンコントラクトを説明する図である。
【
図14】第1実施形態に係る資金提供者端末に記憶されるデータ構造の図である。
【
図15】第1実施形態に係る資金提供者端末により作成されるコントラクト情報の一例である。
【
図16】第1実施形態に係るチャレンジコントラクトを説明する図である。
【
図17】第1実施形態に係る運営者端末に記憶されるデータ構造である。
【
図18】第1実施形態に係る運営者端末に記憶されるデータ構造である。
【
図19】第1実施形態に係る判定用データのデータ構造である。
【
図20】第1実施形態に係るチャレンジコントラクトに記録される判定用データのデータ構造である。
【
図21】第1実施形態に係る挑戦者端末に記憶されるデータ構造である。
【
図22】第1実施形態に係るサンクストークンコントラクトを説明する図である。
【
図23】第1実施形態に係る他のチャレンジの一例である。
【
図24】第1実施形態に係る他のチャレンジの一例である。
【
図25】第1実施形態に係る他のチャレンジの一例である。
【
図26】第1実施形態に係る他のチャレンジの一例である。
【
図27】第1実施形態に係るチャレンジアプリにより表示される画面である。
【
図28】第1実施形態に係るチャレンジアプリにより表示される画面である。
【
図29】第1実施形態に係るチャレンジアプリにより表示される画面である。
【
図30】第1実施形態に係るチャレンジアプリにより表示される画面である。
【
図31】第1実施形態に係るチャレンジアプリにより表示される画面である。
【
図32】第1実施形態に係るチャレンジアプリにより表示される画面である。
【
図33】第1実施形態に係るチャレンジアプリにより表示される画面である。
【
図34】第2実施形態に係るチャレンジ支援システムの構成を示す図である。
【
図35】第3実施形態に係るブロックチェーンネットワークにおけるスマートコントラクトを示す図である。
【
図36】第3実施形態に係るサンクストークンコントラクトを説明する図である。
【
図37】第3実施形態に係るサンクストークンコントラクトを説明する図である。
【
図38】第3実施形態に係るサンクストークンコントラクトを説明する図である。
【
図39】第3実施形態に係るサンクストークンコントラクトを説明する図である。
【
図40】第4実施形態に係るブロックチェーンネットワークにおけるスマートコントラクトを示す図である。
【
図41】第4実施形態に係るブロックチェーンネットワークにおけるトークンの管理を説明する図である。
【
図42】第4実施形態に係るブロックチェーンネットワークにおけるトークンの管理を説明する図である。
【
図43】第4実施形態に係るブロックチェーンネットワークにおけるトークンの管理の他の一例を説明する図である。
【
図44】第5実施形態に係るブロックチェーンネットワークにおけるスマートコントラクトを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において
、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0043】
第1実施形態について説明する。
図1に第1実施形態に係るチャレンジ支援システムを
示す。チャレンジ支援システム1は、資金提供者端末10、挑戦者端末20、応援者端末
30,30A、運営者端末40、インターネット50、ブロックチェーンネットワーク5
5及び判定用データ送信端末60を備える。
【0044】
資金提供者端末10、挑戦者端末20、応援者端末30,30A、運営者端末40、及
び判定用データ送信端末60がネットワークNを介して接続されるようにして、インター
ネット50が構成される。ブロックチェーンネットワーク55はインターネット50に繋
がっている。
【0045】
ブロックチェーンネットワーク55は、トランザクションが記録された台帳を複数の端
末が共有して管理するシステムである。ブロックチェーンは、時系列にそって複数のブロ
ックがチェーン状に繋がったデータであり、各ブロックは、一定期間におけるトランザク
ションのデータを含む。ブロックチェーンの技術では、複数のブロックが過去の情報を保
持した状態で追加されるので、履歴の改ざんが困難であるという特徴がある。
【0046】
本実施形態では、ブロックチェーンネットワーク55として、スマートコントラクトを
実現することが可能なイーサリアム(Ethereum)を用いるものとする。スマート
コントラクトを実現できる他のブロックチェーンネットワークを用いてもよい。
【0047】
図2に、資金提供者端末10のブロック図を示す。資金提供者端末10は、ネットワー
クNを介して運営者端末40、インターネット50及びブロックチェーンネットワーク5
5と通信を行う機能を備えた情報処理端末である。例えば、スマートフォン、PC、タブ
レット等が挙げられるが、これらに限られない。
【0048】
資金提供者端末10は、入力部111、表示部112、通信部113、制御部114、
記憶部115、及び撮像部116を備える。
【0049】
入力部111は、ユーザからの操作を受け付ける。表示部112は、ユーザに対して情
報を表示する。入力部111及び表示部112は、タッチパネル等のように一体となって
いてもよい。通信部113は、ネットワークNを介して外部の端末と通信を行う。記憶部
115にはチャレンジアプリ80が記憶される。撮像部116は、画像の取得などに用い
られる。
【0050】
入力部111を通じて入力された情報に基づいて、チャレンジアプリ80のユーザアカ
ウント及びパスワードが記憶部115に保存される。資金提供者端末10は、保存された
ユーザアカウントに関するユーザ識別情報を運営者端末40へと送信する。
【0051】
ユーザ識別情報は、例えばチャレンジアプリ80のインストール時や起動時にユーザに
入力させることで取得した会員情報の一部又は全部を使用して生成した情報である。ユー
ザ識別情報には、氏名、性別、生年月日、アカウント名、ユーザが使用する判定用データ
送信端末の公開アドレス等が含まれる。
【0052】
制御部114は、CPU及びメモリを含む。制御部114は、記憶部115に記憶され
ているチャレンジアプリ80(プログラム)がRAMに読み出され、CPUによって実行
されることで、鍵生成部121、アドレス生成部122、アドレス取得部123、ウォレ
ット部124、トランザクション生成部125、チャレンジ設定部126、及びコントラ
クト情報生成部127として機能する。
【0053】
鍵生成部121は、資金提供者端末10のユーザ毎に一意な秘密鍵と公開鍵のペアを生
成する。生成された秘密鍵は、記憶部115に保存される。秘密鍵はトランザクションを
ブロックチェーンネットワーク55に送信する際の電子署名に用いられる。秘密鍵は、オ
フライン時に生成され、通常はオフラインで保存され、必要に応じて接続可能とされるこ
とが望ましい。
【0054】
アドレス生成部122は、鍵生成部121により生成された公開鍵に基づいて、ブロッ
クチェーンネットワーク55における公開アドレスを生成する。生成された資金提供者の
公開アドレスは記憶部115に保存される。公開アドレスは、ブロックチェーンネットワ
ーク55のユーザを識別するために用いられる。ブロックチェーンネットワーク55にお
いて、イーサリアムにおける仮想通貨であるイーサ及び他のトークンのトランザクション
による送付先は公開アドレスとなる。以降、イーサをETHERと表記する。ETHER
の略称はETHである。
【0055】
アドレス生成部122は、生成された公開アドレスをユーザ識別情報と対応付けて、後
述する運営者端末40へと送信する。公開アドレスとユーザ識別情報とを対応付けること
によって、ブロックチェーンネットワーク55における、ある公開アドレスが、チャレン
ジ支援システム1の利用者であることを確認できる。
【0056】
アドレス取得部123は、ブロックチェーンネットワーク55における他の公開アドレ
スを、運営者端末40又は他の端末から取得する。運営者端末40から他の公開アドレス
を取得する場合、アドレス取得部123は、ネットワークNを介して運営者端末40と通
信を行い、運営者端末40に記憶された他の公開アドレスを取得する。
【0057】
他の端末から他の公開アドレスを取得する場合は、例えば、公開アドレスを示す二次元
バーコード等の画像を撮像部116により読み取ることで取得する。あるいは、他の端末
が生成した画像やテキストによって表された公開アドレスを、ネットワークNを介して取
得することによって、他の公開アドレスを取得する。アドレス取得部123により取得さ
れた公開アドレスは記憶部115に保存される。
【0058】
アドレス取得部123は、運営者端末40又は他の端末から取得した公開アドレスに、
他の端末に記憶されたチャレンジアプリ80と同種のアプリによって生成されたユーザ識
別情報がある場合は、ユーザ識別情報も取得可能である。取得されたユーザ識別情報は記
憶部115に保存される。
【0059】
アドレス取得部123は、ブロックチェーンネットワーク55におけるチャレンジに関
連するスマートコントラクトのコントラクトアドレスを、運営者端末40又は他の端末か
ら取得可能である。
【0060】
ウォレット部124は、仮想通貨の残高を管理する機能を有する。第1実施形態におけ
る仮想通貨は、ETHERや、ブロックチェーンネットワーク55にて独自に発行される
トークンである。ウォレット部124は、仮想通貨の残高を、ブロックチェーンネットワ
ーク55に記録されるトランザクションの履歴から取得する。取得された残高は表示部1
12に表示されることでユーザが確認可能である。
【0061】
ウォレット部124は、送金先の公開アドレス又は送金先の公開アドレスに対応するア
カウント名と、送金額と、を含む資金支払データを生成する。例えば、ウォレット部12
4は、入力部111を介してユーザから指定されたアカウントと送金額とを含む資金支払
データを生成する。なお、送金及び資金という言葉は、仮想通貨の移動に関する意味で用
いており、移動する対象は、ETHERに限られず、他のトークンも含まれる。
【0062】
トランザクション生成部125は、記憶部115に保存された秘密鍵により署名したト
ランザクションを生成し、ブロックチェーンネットワーク55に送信する。例えば、トラ
ンザクション生成部125はウォレット部124によって生成された資金支払データに基
づいて、記憶部115に保存された秘密鍵で署名したトランザクションを生成し、ブロッ
クチェーンネットワーク55に送信する。トランザクションがブロックチェーンネットワ
ーク55において承認されると、そのトランザクションに基づいた資金の移動がブロック
チェーンネットワーク55に保存される。
【0063】
ウォレット部124は、運営者端末40から、後述するチャレンジコントラクトの一覧
を取得して、ユーザに選択可能な形式で表示してもよい。また、チャレンジコントラクト
の一覧を取得する際、ウォレット部124が記憶部115の公開アドレスを送信すること
で、当該ユーザが資金提供者として運営者端末40に登録されているチャレンジコントラ
クトのコントラクトアドレスの一覧を取得できるようにしてもよい。
【0064】
チャレンジ設定部126は、資金提供者が作成するチャレンジに関する設定をユーザか
ら取得し、設定データを生成する。設定データには、資金提供者の公開アドレス、チャレ
ンジに挑戦する挑戦者の公開アドレス、運営者の公開アドレス、資金額、チャレンジ開始
期限、チャレンジ期間等の情報が含まれる。また、チャレンジを達成するためのチャレン
ジの具体的な内容、チャレンジの達成条件、チャレンジ成功時の資金の配分設定、及びチ
ャレンジ失敗時の資金の配分設定等の契約条件が含まれる。
【0065】
コントラクト情報生成部127は、チャレンジ設定部126が生成した設定データに基
づいて、Solidity言語で記述された、コントラクト・コードをsolcによりコ
ンパイルし、コンパイル済コントラクト・コードを生成する。
【0066】
トランザクション生成部125が、コントラクト情報生成部127によって生成された
コンパイル済コントラクト・コードを、ブロックチェーンネットワーク55にトランザク
ションとして送信する。トランザクションがブロックチェーンネットワーク55において
承認されると、
図7に示すように、スマートコントラクトであるチャレンジコントラクト
501がブロックチェーンネットワーク55に生成される。チャレンジコントラクト50
1については後述する。なお、資金提供者端末10が用いる言語はSolidity言語
に限定されず、スマートコントラクトをブロックチェーンネットワーク55に生成可能な
他の言語を用いることができる。
【0067】
ブロックチェーンネットワーク55に生成されたチャレンジコントラクト501は、ブ
ロックチェーンネットワーク55におけるコントラクトアドレスを有する。チャレンジコ
ントラクト501のコントラクトアドレスに資金提供者が供託する資金が送付され保持さ
れる。チャレンジコントラクト501のコントラクトアドレスは、チャレンジコントラク
ト501が生成された際に、ブロックチェーンネットワーク55から資金提供者端末10
へと送信され取得するか、資金提供者端末10がブロックチェーンネットワーク55から
取得する。取得されたチャレンジコントラクト501のコントラクトアドレスは、チャレ
ンジ設定部126が生成した設定データと共に、資金提供者端末10から運営者端末40
へと送信される。
【0068】
図3に挑戦者端末20のブロック図を示す。挑戦者端末20は、ネットワークNを介し
て運営者サーバ及びブロックチェーンネットワーク55と通信を行う機能を備えた情報処
理端末である。例えば、スマートフォン、PC、タブレット等が挙げられるが、これらに
限られない。
【0069】
挑戦者端末20は、入力部211、表示部212、通信部213、制御部214、記憶
部215、及び撮像部216を備える。
【0070】
入力部211、表示部212、通信部213、及び撮像部216に関しては、入力部1
11、表示部112、通信部113、及び撮像部116と同様である。挑戦者端末20は
、自身のユーザ識別情報を運営者端末40へと送信する。記憶部215には、チャレンジ
アプリ80が記憶される。
【0071】
制御部214は、CPU及びメモリを含む。制御部214は、記憶部215に記憶され
ているチャレンジアプリ80(プログラム)がRAMに読み出され、CPUによって実行
されることで、鍵生成部221、アドレス生成部222、アドレス取得部223、ウォレ
ット部224、トランザクション生成部225、判定用データ取得部226、及びトーク
ン発行情報生成部227として機能する。
【0072】
鍵生成部221、アドレス生成部222、アドレス取得部223、ウォレット部224
、及びトランザクション生成部225は、鍵生成部121、アドレス生成部122、アド
レス取得部123、ウォレット部124、及びトランザクション生成部125と同様の機
能を有する。
【0073】
鍵生成部221によって生成される秘密鍵は、記憶部215に保存される。アドレス生
成部222によって生成される挑戦者の公開アドレスは、記憶部215に保存される。
【0074】
判定用データ取得部226は、契約条件が満たされたか否かを判定するために用いる判
定用データを、入力部211にて入力された情報あるいは挑戦者端末20にて記憶部21
5に記録される情報から取得する。記憶部215に記録される情報には、例えば、スマー
トフォンの歩数計機能によって集計され、記憶部215に記録された歩数等の運動情報が
ある。あるいは、通信部213を介して外部の歩数を計測可能な端末から記憶部215に
記録される歩数等の運動情報がある。
【0075】
判定用データには、チャレンジを達成するための活動のエビデンスとなるデータや、チ
ャレンジの「成功」又は「失敗」のいずれかを含むデータ等、任意のデータを用いること
ができる。
【0076】
判定用データは、チャレンジの「中断」を示すデータを含むことができる。チャレンジ
の「中断」を示すデータが、ブロックチェーンネットワーク55に送信された場合には、
チャレンジコントラクト501が所定の処理を行うように設定することができる。
【0077】
判定用データは、チャレンジの成功、失敗を決定づける終了判定データを含む。終了判
定データとは、例えば、複数日にまたがるチャレンジにおいて、最終日の結果である。ま
た、終了判定データとは、チャレンジの期限を徒過したかを判定するための日時に関する
情報でもよい。
【0078】
トランザクション生成部225は、判定用データをスマートコントラクトに送信するた
めに、記憶部215に保存された秘密鍵で署名されたトランザクションを生成する。トラ
ンザクション生成部225は、判定用データに関するトランザクションをスマートコント
ラクトに送信する。トランザクションがブロックチェーンネットワーク55において承認
されると、トランザクションの宛先であるスマートコントラクトのデータが更新される。
宛先は、例えば、チャレンジコントラクト501のコントラクトアドレスである。
【0079】
判定用データ取得部226によって取得した判定用データが、スマートコントラクトへ
と送信される場合、トランザクション生成部225は、運営者端末40からスマートコン
トラクトのコントラクトアドレスを取得し、トランザクションの宛先として、ユーザに選
択可能な形式で表示してもよい。
【0080】
また、スマートコントラクトのコントラクトアドレスを取得する際、アドレス取得部2
23が、挑戦者の公開アドレスを送信することで、当該ユーザが挑戦者として運営者端末
40に登録されているスマートコントラクトのコントラクトアドレスの一覧を取得できる
ようにしてもよい。
【0081】
なお、判定用データを裏付ける画像等のコンテンツについては、判定用データ取得部2
26は、コンテンツを一意に識別するハッシュ値を生成し、当該生成したハッシュ値だけ
をトランザクションとしてブロックチェーンネットワーク55に送信する。実際のコンテ
ンツについては、ハッシュ値と共に運営者端末40に送信する。画像には、例えば、挑戦
者が撮影した食事画像、挑戦者が撮影した身体測定結果画像等が含まれる。ハッシュ値を
用いることで、ブロックチェーンネットワーク55に直接サイズが大きく、コスト(GA
S代)が多く発生するようなコンテンツを記録する必要がなくなる。
【0082】
トークン発行情報生成部227は、ブロックチェーンネットワーク55におけるトーク
ンを発行するためのトークン発行情報を生成する。
【0083】
トークン発行情報には、トークンの総発行数、トークンの名称、トークンの単位表記等
が含まれる。トークン発行情報生成部227は入力部211からのユーザの入力に基づい
て、これらの情報を取得しトークン発行情報を生成する。
【0084】
トランザクション生成部225がトークン発行情報に基づいて、ブロックチェーンネッ
トワーク55へトランザクションを送信する。トランザクションがブロックチェーンネッ
トワーク55において承認されると、ブロックチェーンネットワーク55に、トークンコ
ントラクトが生成される。トークンの残高を管理するためのスマートコントラクトである
トークンコントラクトが生成されるということが、トークンが発行されるということであ
る。
【0085】
トークンコントラクトは、ブロックチェーンネットワーク55におけるコントラクトア
ドレスを有する。トークンコントラクトは、発行されたトークンを所有する公開アドレス
とその公開アドレスに対するトークンの残高の状態を記録することによって、ブロックチ
ェーンネットワーク55におけるトークンの残高を管理する。
【0086】
第1実施形態では、
図7に示されるように、トークンコントラクトとしてサンクストー
クンコントラクト502が生成される。サンクストークンコントラクト502については
後述する。
【0087】
挑戦者端末20におけるチャレンジアプリ80は、資金提供者端末10におけるチャレ
ンジ設定部126及びコントラクト情報生成部127を実現可能であってもよい。資金提
供者端末10におけるチャレンジアプリ80は挑戦者端末20における判定用データ取得
部226及びトークン発行情報生成部227を実現可能であってもよい。すなわち、資金
提供者端末10と挑戦者端末20は資金提供者という立場と挑戦者という立場によって区
別されているが、両者の区別は任意に入れ替えることが可能である。また、資金提供者と
挑戦者が同一人物であってもよい。
【0088】
図4に応援者端末30のブロック図を示す。応援者端末30は、ネットワークNを介し
て運営者サーバ及びブロックチェーンネットワーク55と通信を行う機能を備えた情報処
理端末である。例えば、スマートフォン、PC、タブレット等が挙げられるが、これらに
限られない。
【0089】
応援者端末30は、入力部311、表示部312、通信部313、制御部314、記憶
部315、撮像部316を備える。
【0090】
入力部311、表示部312、通信部313、及び撮像部316に関しては、入力部1
11、表示部112、通信部113、及び撮像部116と同様である。応援者端末30は
、自身のユーザ識別情報を運営者端末40へと送信する。記憶部315には、チャレンジ
アプリ80が記憶される。
【0091】
制御部314は、CPU及びメモリを含む。制御部314は、記憶部315に記憶され
ているチャレンジアプリ80(プログラム)がRAMに読み出され、CPUによって実行
されることで、鍵生成部321、アドレス生成部322、アドレス取得部323、ウォレ
ット部324、トランザクション生成部325として機能する。
【0092】
鍵生成部321、アドレス生成部322、アドレス取得部323、ウォレット部324
、及びトランザクション生成部325は、鍵生成部121、アドレス生成部122、アド
レス取得部123、ウォレット部124、及びトランザクション生成部125と同様の機
能を有する。
【0093】
アドレス生成部322によって生成される応援者の公開アドレスは、記憶部315に保
存される。応援者端末30は、ブロックチェーンネットワーク55において、仮想通貨の
送受信が可能な端末として機能する。応援者端末30Aについては、応援者端末30と同
様である。
【0094】
応援者端末30におけるチャレンジアプリ80は、資金提供者端末10におけるチャレ
ンジ設定部126及びコントラクト情報生成部127又は、挑戦者端末20における判定
用データ取得部226及びトークン発行情報生成部227を実現可能であってもよい。す
なわち、資金提供者端末10、挑戦者端末20、及び応援者端末30は、チャレンジに応
じて互いの区別を任意に入れ替えることが可能である。
【0095】
運営者端末40は、入力部411、通信部413、制御部414、及び記憶部415を
備える。例えば、運営者端末40はサーバ装置である。入力部411及び通信部413に
関しては、入力部111及び通信部113と同様である。
【0096】
記憶部415には、データベース(DB)としてチャレンジDB4151、会員DB4
152、コンテンツDB4153が保存される。
【0097】
制御部414は、CPU及びメモリを含む。制御部414は、記憶部415に記憶され
ているプログラムがRAMに読み出され、CPUによって実行されることで、鍵生成部4
21、アドレス生成部422、アドレス取得部423、ウォレット部424、トランザク
ション生成部425、チャレンジ設定部426、コントラクト情報生成部427、トーク
ン発行情報生成部428、サイト提供部431、会員登録部432、及びコンテンツ受信
部433として機能する。
【0098】
チャレンジDB4151には、チャレンジに関する情報が保存されている。第1実施形
態では、チャレンジDB4151には、チャレンジ支援システム1のユーザが挑戦するチ
ャレンジに関する情報が各チャレンジ毎に保存される。チャレンジに関する情報には、チ
ャレンジを規定するチャレンジコントラクト501のコントラクトアドレス、契約条件等
が含まれる。
【0099】
会員DB4152には、チャレンジ支援システム1の会員に関する情報が保存されてい
る。第1実施形態では、
図6に示されるように、会員DB4152には、氏名、性別、生
年月日、アカウント名等のユーザ識別情報、各ユーザの公開アドレス、会員が関連する関
連チャレンジ情報等が登録されていることが望ましい。なお、
図6に示す各公開アドレス
は、説明のための架空のアドレスであり、イーサリアムで使用される実際のアドレスとは
アドレスの桁数が異なっている。他の図においても同様である。
【0100】
ユーザがブロックチェーンネットワーク55にサンクストークンコントラクト502を
有している場合は、サンクストークンコントラクト502のコントラクトアドレスが登録
されていてもよい。
【0101】
関連チャレンジ情報には、ユーザが関連付けられているチャレンジを規定するスマート
コントラクトのコントラクトアドレスと、キャンペーンへの参加属性とが保存される。参
加属性には、例えば、チャレンジの作成者であることを示す「資金提供者」、チャレンジ
の挑戦者であることを示す「挑戦者」等が設定される。なお、関連チャレンジ情報には、
ユーザが関連付けられている任意のチャレンジに関する情報を保存することができる。
【0102】
コンテンツDB4153には、チャレンジ支援システム1のチャレンジを達成するため
の活動のエビデンスとなる画像や音声等のコンテンツに関する情報が保存されている。第
1実施形態では、コンテンツDB4153にはコンテンツ、コンテンツから生成したハッ
シュ値が保存されていることが望ましい。ハッシュ値は、コンテンツを一意に識別する情
報である。ハッシュ値を用いることで、ブロックチェーンネットワーク55に画像ファイ
ル等を記録する必要がなくなる。よって、コンテンツそのものはブロックチェーンネット
ワーク55によって公開されることなく、秘匿される。なおブロックチェーンネットワー
ク55に記録されるデータからコンテンツを一意に識別可能であれば、ハッシュ値とは異
なるデータを用いてもよい。
【0103】
鍵生成部421、アドレス生成部422、アドレス取得部423、ウォレット部424
及びトランザクション生成部425は、鍵生成部121、アドレス生成部122、アドレ
ス取得部123、ウォレット部124、及びトランザクション生成部125と同様の機能
を有する。
【0104】
鍵生成部421によって生成される秘密鍵は、記憶部415に保存される。アドレス生
成部422によって生成される運営者の公開アドレスは、記憶部415に保存される。運
営者の公開アドレスは、資金提供者端末10のアドレス取得部123によって、資金提供
者端末10が取得可能である。
【0105】
チャレンジ設定部426及びコントラクト情報生成部427は、チャレンジ設定部12
6及びコントラクト情報生成部127と同様である。チャレンジ設定部426及びコント
ラクト情報生成部427は、運営者によるチャレンジの作成を可能とする。なお、チャレ
ンジの作成にあたって、運営者端末40が、外部で生成されたコントラクト情報を受信し
、コントラクト生成トランザクションをブロックチェーンネットワーク55に送信するこ
とで、チャレンジを作成してもよい。
【0106】
トークン発行情報生成部428は、トークン発行情報生成部227と同様に、運営者に
よるブロックチェーンネットワーク55におけるトークンの発行を可能とする。なお、ト
ークンの発行にあたって、運営者端末40が、外部で生成されたトークン発行情報を受信
し、ブロックチェーンネットワーク55に送信することで、トークンを発行してもよい。
【0107】
サイト提供部431は、チャレンジ支援システム1を利用するためのウェブサイトをネ
ットワークN上で提供する。当該サイトにおいて、資金提供者や挑戦者、資金の還付先と
なる還付者が会員登録をしたりすることができる。このためにサイト提供部431は、H
TML(HyperText Markup Language)等で記述されたウェブ
ページを、ユーザの使用する端末へ送信すると共に、ユーザによる入力結果等を、端末か
ら受信する。
【0108】
会員登録部432は、ユーザの端末からユーザ識別情報を受信して、会員DB4152
に登録する。第1実施形態では、サイト提供部431が提供する会員登録画面でのユーザ
の操作に応じて端末から会員情報が送信されると、会員登録部432は、受信したユーザ
識別情報に基づいて会員DB4152にデータを登録する。
【0109】
会員登録部432は、チャレンジアプリ80をダウンロードした端末から公開アドレス
をユーザ識別情報と共に受信すると、ユーザ識別情報によって特定された会員DB415
2に公開アドレスを保存する。
【0110】
コンテンツ受信部433は、挑戦者端末20又は後述する判定用データ送信端末60か
ら、画像データや音声データ等のコンテンツを受信してコンテンツDB4153に保存す
る。コンテンツ受信部433は、コンテンツを一意に識別するハッシュ値をコンテンツと
共に受信して、受信したハッシュ値及びコンテンツをコンテンツDB4153に保存する
。
【0111】
ブロックチェーンネットワーク55には、チャレンジコントラクト501、サンクスト
ークンコントラクト502、及びチアリングトークンコントラクト503が設けられる。
【0112】
チャレンジコントラクト501は、資金提供者端末10のコントラクト情報生成部12
7又は運営者端末40のコントラクト情報生成部427が生成したコントラクト情報に基
づいて生成されるスマートコントラクトである。
【0113】
サンクストークンコントラクト502は、挑戦者端末20のトークン発行情報生成部2
27が生成したトークン発行情報に基づいて生成されるスマートコントラクトである。
【0114】
チアリングトークンコントラクト503は、運営者端末40のトークン発行情報生成部
428が生成したトークン発行情報に基づいて生成されるスマートコントラクトである。
【0115】
ブロックチェーンネットワーク55上に設けられるチャレンジコントラクト501、サ
ンクストークンコントラクト502、及びチアリングトークンコントラクト503によっ
て、あるチャレンジをユーザに達成させる可能性を高めるという機能を持つdapp(D
ecentralized application)が構成される。ユーザは、資金提
供者端末10、挑戦者端末20等のクライアント端末を経由し、所定の使用料を支払うこ
とで、dappを利用する。イーサリアムにおける使用料はGASである。
【0116】
判定用データ送信端末60は、入力部611、表示部612、通信部613、制御部6
14、記憶部615、及び撮像部616を備える。
【0117】
入力部611、表示部612、通信部613、及び撮像部616に関しては、入力部1
11、表示部112、通信部113、及び撮像部116と同様である。判定用データ送信
端末60は、保存されたユーザ識別情報を運営者端末40へと送信する。記憶部615に
は、チャレンジアプリ81が記憶される。
【0118】
制御部614は。CPU及びメモリを含む。制御部614は、記憶部615に記憶され
ているチャレンジアプリ81(プログラム)がRAMに読み出され、CPUによって実行
されることで、鍵生成部621、アドレス生成部622、アドレス取得部623、ウォレ
ット部624、トランザクション生成部625、判定用データ取得部626、及び鍵秘匿
部627として機能する。
【0119】
鍵生成部621、アドレス生成部622、アドレス取得部623、及びトランザクショ
ン生成部625は、鍵生成部121、アドレス生成部122、アドレス取得部123、及
びトランザクション生成部125と同様の機能を有する。判定用データ取得部626は、
判定用データ取得部226と同様の機能を有する。
【0120】
鍵秘匿部627は、判定用データ送信端末60のユーザが鍵生成部621によって生成
される秘密鍵を、他の端末に移転できないようにする機能を有する。仮想通貨の一般的な
ウォレットは、秘密鍵の移転やバックアップのために必要な情報をユーザに対して表示す
る機能を有する。例えば、ウォレットは秘密鍵を画像として表示したり、ニーモニック(
Mnemonic)を表示する。鍵秘匿部627は、秘密鍵の移転や、秘密鍵のバックア
ップのために必要な情報をユーザに対して表示する機能を制限することによって、秘密鍵
の移転を制限する。
【0121】
秘密鍵の移転を制限する理由について説明する。ブロックチェーンネットワーク55に
おいて送信者が本当に送ったトランザクションであるかどうかの識別は、トランザクショ
ンが送信者の秘密鍵により署名されているかどうかをブロックチェーンネットワーク55
の各ノードが検証されることにより行われる。送信者の秘密鍵によってトランザクション
に署名を行うということが、そのトランザクションの送信が所有者本人によってなされた
ということを示すことになる。
【0122】
秘密鍵を移転すれば、判定用データを、他の端末やソフトウェアを使ってチャレンジコ
ントラクト501に送ることができる。他の端末やソフトウェアを使って、自身の秘密鍵
で署名をした判定用データを送れば、チャレンジコントラクト501において、判定用デ
ータは、ユーザが保有する端末からのデータなのか、他の端末やソフトウェアからのデー
タなのかという区別がつかない。
【0123】
判定用データ送信端末60では、鍵秘匿部627によって秘密鍵の移転を制限すること
によって、判定用データが判定用データ送信端末60以外の端末から送信されるような事
態を避けることが可能となる。よって、判定用データ送信端末60の秘密鍵を用いて署名
された判定用データは、判定用データ送信端末60から送られることをスマートコントラ
クトが確認できる。
【0124】
図9及び
図10のシーケンス図と
図11から
図21を参照しつつ、チャレンジ支援シス
テム1の動作について説明する。
【0125】
ステップS101において、運営者端末40がブロックチェーンネットワーク55へ、
チアリングトークンコントラクト503を生成するトランザクションを送信する。
【0126】
ステップS102にて、ブロックチェーンネットワーク55によってトランザクション
が承認され、ブロックチェーンネットワーク55にチアリングトークンコントラクト50
3が生成される。
【0127】
ステップS103において、ブロックチェーンネットワーク55は、チアリングトーク
ンコントラクト503のコントラクトアドレスCA3を運営者端末40へと送信する。
【0128】
ブロックチェーンネットワーク55に生成されたチアリングトークンコントラクト50
3の初期の例を
図11に示す。チアリングトークンの通貨単位は「CT」とする。「0x
69d…」の公開アドレスはチアリングトークンコントラクト503のコントラクトアド
レスCA3である。「0xe33…」の公開アドレスは運営者端末40に保存される秘密
鍵に対応する運営者の公開アドレスである。
【0129】
チアリングトークンコントラクト503は、他のユーザに対して、ETHERと交換す
るようにして、チアリングトークンを配分する。チアリングトークンの配分が行われた場
合、チアリングトークンコントラクト503は
図12に示すように、チアリングトークン
の保有者の公開アドレスを追加し、その公開アドレスについてチアリングトークンの残高
を管理する。
【0130】
ステップS104において、挑戦者端末20が、ブロックチェーンネットワーク55へ
、サンクストークンコントラクト502を生成するトランザクションを送信する。
【0131】
ステップS105において、ブロックチェーンネットワーク55によりトランザクショ
ンが承認され、ブロックチェーンネットワーク55にサンクストークンコントラクト50
2が生成される。
【0132】
ブロックチェーンネットワーク55に生成されたサンクストークンコントラクト502
の初期の例を
図13に示す。チアリングトークンの通貨単位は「TT」とする。「0x2
02…」の公開アドレスはサンクストークンコントラクト502のコントラクトアドレス
CA2である。「0xb2f…」の公開アドレスは、挑戦者端末20に保存される秘密鍵
に対応する挑戦者の公開アドレスA2である。ここでは、「0xb2f…」の公開アドレ
スを有するユーザをユーザAとする。
【0133】
ステップS106において、ブロックチェーンネットワーク55は、サンクストークン
コントラクト502のコントラクトアドレスCA2を挑戦者端末20へと送信する。
【0134】
ステップS107において、挑戦者端末20は、コントラクトアドレスCA2、挑戦者
のユーザ識別情報、及び挑戦者の公開アドレスA2を運営者端末40へ送信する。
【0135】
ステップS108において、運営者端末40は、コントラクトアドレスCA2、挑戦者
のユーザ識別情報及び公開アドレスA2を、資金提供者端末10へ送信する。この処理に
より、資金提供者端末10が、サンクストークンコントラクト502のコントラクトアド
レスCA2と挑戦者の公開アドレスA2を対応付けて記憶することができる。資金提供者
端末10には、
図14に示すようにアカウント名と公開アドレスが対応付けて記憶される
。
図14では、公開アドレスに対応するサンクストークンコントラクトがない場合は、サ
ンクストークンコントラクトの公開アドレスは空欄となっている。
【0136】
ステップS109において、資金提供者端末10は、コントラクトアドレスCA2、挑
戦者のユーザ識別情報、公開アドレスA2、契約条件等に基づいて、コントラクト情報を
生成する。この時生成されるコントラクト情報の一例を
図15に示す。
【0137】
図15に示されるコントラクト情報は、ユーザAが、自身で一日に一定以上の歩数を歩
くチャレンジであるチャレンジAを作成した場合のコントラクト情報である。コントラク
ト情報の内容は以下の通りである。
【0138】
挑戦者は、2019年7月1日から2019年7月31日までの期間にチャレンジを行
うことができる。目標歩数は、一日あたり8000歩である。挑戦者は、期間の中から任
意の20日間を選ぶ。挑戦者が、そのうち連続でも断続的でもよい10日以上の日数にお
いて一日当たり8000歩を歩くことでチャレンジが達成される。供託金額は1ETHで
ある。
【0139】
チャレンジの成功、失敗の判定には、歩数データが用いられる。歩数データは、スマー
トコントラクトに保存される。
【0140】
コントラクト情報には、「判定用データ送信端末公開アドレス」の項目が設けられる。
この項目に対応する公開アドレスは、判定用データ送信端末60の公開アドレスに対応す
る。判定用データ送信端末60の公開アドレスは、挑戦者のユーザ識別情報に含まれてい
る場合や、資金提供者のユーザ識別情報に含まれる場合等がある。判定用データ送信端末
60を用いない場合は、特段の設定は行われない。
【0141】
チャレンジ情報には、「チャレンジ開始日」及び「チャレンジ終了期限」の項目が設け
られる。チャレンジ開始日とは、挑戦者がチャレンジにとりかかった日である。チャレン
ジ開始日は、例えば、判定用データの最初の送信が行われた日などとすることができる。
【0142】
チャレンジ終了期限は、チャレンジを終了しなければならない期限である。
図15では
、チャレンジ開始日から20日でチャレンジを達成しなければならない。仮に2019年
7月5日がチャレンジ開始日である場合、チャレンジ終了期限は、2019年7月24日
となる。
【0143】
コントラクト情報には、「チャレンジ達成度」の項目が設けられる。この項目は、チャ
レンジコントラクト501が、チャレンジ過程において、歩数データ及び目標歩数からチ
ャレンジの達成度を算出し、記憶するために設けられる。達成度は、例えば、チャレンジ
において達成すべき目標歩数に対する現在の歩数の割合として算出することができる。
【0144】
チャレンジが成功した場合、失敗した場合のそれぞれに対して決められた配分先に、供
託金が配分設定に基づいて配分される。配分先や配分量は自由に設定できる。配分量は供
託金額に対するパーセンテージで設定してもよい。配分量は配分するETHERの量を直
接設定してもよい。運営者の手数料は、例えば供託金の2パーセントのようにして、差し
引かれる。
【0145】
配分先を指定する際は、配分先の公開アドレスを直接指定することができる。例えば、
資金提供者端末10の撮像部116によって読み取った画像から公開アドレスを取得し、
配分先とすることができる。
図14に示されるように資金提供者端末10の記憶部115
に記憶される公開アドレスを用いることも可能である。
【0146】
資金の配分状態にはそれぞれ、還付、寄付及び没収が含まれ、資金提供者端末10から
は、還付、寄付及び没収で指定した金額の合計が資金額と一致するように指定された配分
設定が送られる。還付には、イーサリアムの公開アドレスを保持している任意の還付先及
び任意の金額を指定することができる。寄付には、イーサリアムの公開アドレスを保持し
ている任意の寄付先及び任意の金額を指定することができる。チャレンジ成功時・失敗時
・中断時に運営者には運営者手数料が支払われるようにしてもよい。
【0147】
記憶部115に記憶される公開アドレスは、運営者端末40に記憶されるユーザ識別情
報と同期可能であり、他のユーザのアドレスが変わった場合には、自動的にその新しいア
ドレスを取得することができる。
【0148】
チャレンジ作成時に、チャレンジの中断を示す情報に基づいてチャレンジを中断するこ
とが可能か否かを決めることができる。
【0149】
チャレンジの中断には、ギブアップによる中断と自己解体による中断がある。ギブアッ
プによる中断は、資金提供者や挑戦者がチャレンジの達成を諦め、チャレンジの中断を示
す情報をトランザクションとしてスマートコントラクトに送信することによる中断である
。
【0150】
自己解体による中断は、何らかの事情でチャレンジコントラクト501から資金が出な
い等のトラブルが発生し、運営者が利用者からのリクエストによりチャレンジコントラク
ト501を自己解体させる場合や、警察、法令、裁判所又は政府機関の命令、要求又は要
請があった場合、又は運営者が独自に必要と判断した場合がある。自己解体による中断の
場合、運営者はチャレンジコントラクト501を自己解体させるトランザクションをチャ
レンジコントラクト501に送信する。
【0151】
ギブアップした場合において、供託金の配分は、運営者の手数料を差し引いた残りが事
前に決められた配分先に供託金が配分されるギブアップパターンAや、ギブアップするま
でのチャレンジの達成度を考慮し、チャレンジ成功時と同じ配分先に供託金が配分され、
運営者の手数料を差し引いた残りが資金提供者に戻されるギブアップパターンB等がある
。
【0152】
チャレンジコントラクト501を自己解体させる場合において、供託金の配分は、資金
提供者に資金を一部返還する自己解体モードAや、運営者に全額送金される自己解体モー
ドB等がある。
【0153】
ステップS110において、資金提供者端末10は、ブロックチェーンネットワーク5
5へ、コントラクト情報に基づいて、チャレンジコントラクト501を生成するためのコ
ントラクト生成トランザクションを送信する。
【0154】
ステップS111において、ブロックチェーンネットワーク55によってコントラクト
生成トランザクションが承認され、ブロックチェーンネットワーク55にチャレンジコン
トラクト501が生成される。生成されたチャレンジコントラクト501は、
図15で説
明したコントラクト情報に加えて、
図16において「0x202…」で示されるチャレン
ジコントラクト501のコントラクトアドレスCA1及びチャレンジ結果のデータを含む
。チャレンジ結果は、成功、失敗、ギブアップパターンA、ギブアップパターンB、自己
解体モードA、又は自己解体モードBのいずれの結果に従って供託金の配分が行われるか
を示す情報である。
【0155】
ステップS112―1において、ブロックチェーンネットワーク55はチャレンジコン
トラクト501のコントラクトアドレスCA1を資金提供者端末10へ送信する。ステッ
プS112-2において、資金提供者端末10は、コントラクトアドレスCA1を宛先と
して、チャレンジコントラクト501に供託金額を送金する。チャレンジコントラクト5
01は、供託金額をコントラクトアドレスCA1に紐づいた残高として保持する。
【0156】
ステップS113において、資金提供者端末10は運営者端末40へコントラクト情報
及びコントラクトアドレスCA1を送信する。運営者端末40は、
図17に示されるよう
に、各チャレンジについての情報をチャレンジDB4151へと記録する。なお、「配分
金受取者」の項目に記憶される情報には、チャレンジコントラクト501等のスマートコ
ントラクトが含まれていてもよい。また、「配分金受取者公開アドレス」の項目に記憶さ
れる情報には、スマートコントラクトのコントラクトアドレスが含まれていてもよい。ま
た、運営者端末40は、
図18に示されるように、ユーザ毎に、ユーザのユーザ識別情報
及びユーザが関連するチャレンジを、会員DB4152へと記録する。
【0157】
ステップS114において、運営者端末40は挑戦者端末20へ、コントラクト情報及
びコントラクトアドレスCA1を含むチャレンジ情報を送信する。これにより、挑戦者は
、チャレンジの内容や、どのコントラクトアドレスへと判定用データを送信すべきかにつ
いての情報を得ることができる。
【0158】
図10に示されるステップS121にて、挑戦者はチャレンジ期間中に、挑戦者端末2
0からチャレンジコントラクトへと判定用データを送信する。判定用データの送信には、
必ずしも挑戦者端末20を用いなくともよい。ステップS122のように、判定用データ
送信端末60を用いて判定用データをチャレンジコントラクトへ送信してもよい。
【0159】
挑戦者端末20からチャレンジコントラクトに送信される判定用データの一例は
図19
に示される。
図20には、挑戦者端末20からチャレンジコントラクトに送信される判定
用データ、送信されたトランザクションにより、チャレンジコントラクト501に保存さ
れるデータ構造が示されている。データの投稿日時として、トランザクションが格納され
るブロックチェーンネットワーク55のブロックの生成日時が、
図19のデータに加えら
れている。また、チャレンジコントラクト501によって達成日数の数が記録されている
。
【0160】
ステップS123において、挑戦者は、自身のチャレンジに対する応援を行う応援者に
対して、サンクストークンを配分するトランザクションをサンクストークンコントラクト
へ送信する。
【0161】
挑戦者は、
図21に示されるように、応援者端末30にチャレンジアプリ81をインス
トールしているチャレンジ支援システム1の利用者のアドレスを運営者端末40から取得
し、記憶している。挑戦者は、各アドレスに対してサンクストークンを配分することがで
きる。
【0162】
ステップS124において、ブロックチェーンネットワーク55によってトランザクシ
ョンが承認されることで、サンクストークンコントラクト502の残高が更新される。サ
ンクストークンコントラクト502の残高の更新によってサンクストークンの応援者への
配分が行われる。
【0163】
挑戦者からサンクストークンを配分された応援者は、他の応援者に対して、サンクスト
ークンを再配分することができる。サンクストークンを再配分する場合は、再配分を行う
元の応援者のみが再配分送付先の公開アドレスを知っていればよい。つまり、サンクスト
ークンは転々流通することが可能である。
【0164】
サンクストークンの配分並びに再配分が行われた後のサンクストークンコントラクト5
02の残高の一例を示す。挑戦者であるユーザAの残高は0となっている。
図22に示さ
れるように、挑戦者端末20はユーザD、ユーザE、ユーザFについて、それぞれの公開
アドレスを取得しており、それぞれに対してサンクストークンを配分した。ユーザAはユ
ーザDに20TT、ユーザEに50TT、ユーザFに30TTの配分を行った。その結果
、サンクストークンの残高は、
図22にてサンクストークン残高(1)で示されるように
なる。その後、ユーザAが当初は把握していない応援者端末30Aを有するユーザGに、
ユーザFから10TTが再配分された結果が
図22のサンクストークン残高(2)である
。
【0165】
ステップS125において、挑戦者端末20はチャレンジコントラクト501へ終了判
定データを送信する。終了判定データは、ステップS126のように判定用データ送信端
末60から送信されてもよい。また、ステップS127のように運営者端末40から送信
されてもよい。
【0166】
終了判定データはチャレンジコントラクト501がチャレンジの成功、失敗を判断する
ために用いられる。例えば、
図15のコントラクト情報に従って、7月5日から7月24
日までの20日間のうち10日間、一日当たり8000歩以上歩くというチャレンジがあ
るとする。この時7月5日から7月13日までの9日間は8000歩以上歩いているとす
る。この場合、7月14日の歩数データとして10000歩を送ったときにチャレンジ成
功が終了判定となる。
【0167】
7月14日の10000歩のデータが、「終了判定歩数データ」となる。終了判定歩数
データを送信するトランザクションがブロックチェーンネットワーク55に承認された時
点でチャレンジ成功が確定する。
【0168】
また、上記と同じ条件のチャレンジにおいて、7月5日から7月13日までの9日間は
8000歩以上歩いているとする。その後、7月14日から7月23日までは8000歩
未満しか歩いていない場合、挑戦者が7月24日の歩数として5000歩を送ると、この
5000歩が、「終了判定歩数データ」となり、チャレンジ失敗が終了判定となる。
【0169】
挑戦者が、7月24日の5000歩のデータを送ることをためらったり、忘れたりする
場合、チャレンジコントラクト501はチャレンジの成功、失敗を判断できない。
【0170】
スマートコントラクトが、ブロックチェーンネットワーク55におけるブロックをマイ
ニングしたマイナーが記録するブロックタイムによる日付情報を取り込んでもよい。その
他のブロックチェーンネットワークが有する機能を用いて日付情報を取り込んでもよい。
第1実施形態におけるスマートコントラクトは、外部からの何らかの日付に関する情報を
必要とする。そのため、チャレンジコントラクト501において、7月24日を過ぎても
歩数データが送られてこない場合はチャレンジ失敗とみなすという設定は行えないからで
ある。資金提供者や運営者等の関係者がスマートコントラクトに対して日付に関する情報
をトランザクションとして送ってもよい。
【0171】
前述の例で、7月24日の5000歩のデータが送られない場合、7月25日や26日
に運営者が資金提供者や挑戦者等に対して、歩数データが送られていないことをメールや
アプリ上のお知らせ等によって知らせてもよい。運営者は、チャレンジコントラクト50
1におけるデータの状態をアプリからの情報又はチャレンジコントラクト501を直接参
照することによって知ることができる。挑戦者は、本来チャレンジ期間中の歩数を適切な
タイミングで全部送信することが求められるが、それを履行しない場合は、チャレンジ期
間終了後一定の猶予期間を経た後、後述のようにその未送信の歩数はゼロであるとチャレ
ンジコントラクト501に取り扱いされることになる。前述のお知らせメールを受け取っ
た資金提供者が、チャレンジコントラクト501に対して「本日は7月26日」という日
付データをトランザクションとして送ると、チャレンジコントラクト501は挑戦者から
の未送信の7月24日の歩数をゼロとして取り扱うので、チャレンジコントラクト501
は、チャレンジ失敗と判定する。この場合、資金提供者からの日付に関する情報が、「終
了判定日付データ」となっている。
【0172】
上記のように誰かが「終了判定データ」を送信し、「終了判定データ」がブロックチェ
ーンネットワーク55に取り込まれると、自動的にチャレンジコントラクト501が事前
に決められた通りに動き始める。
【0173】
終了判定データがチャレンジコントラクト501へ送られることでチャレンジ達成判定
が可能となる。ステップS128において、ブロックチェーンネットワーク55のチャレ
ンジコントラクト501がチャレンジ達成判定処理を行う。
【0174】
ステップS129において、判定結果に基づいて、チャレンジコントラクト501がE
THERの配分処理を行う。
【0175】
チャレンジコントラクト501によるETHERの配分処理は、イーサリアムでは、イ
ンターナルトランザクションをチャレンジコントラクト501が生成することによって行
われる。イーサリアムにおけるインターナルトランザクションは、挑戦者等から受け取っ
たトランザクションをトリガーにしてスマートコントラクトが生成するトランザクション
である。
【0176】
ステップS130において、チャレンジコントラクト501からETHERが配分され
たサンクストークンコントラクト502によって、サンクストークンの残高に基づいた、
応援者へのETHERの配分処理が行われる。
【0177】
サンクストークンの残高に基づいたETHERの配分について、
図22のサンクストー
クン残高(2)に基づく場合を例に説明する。チャレンジコントラクト501が供託金を
1ETH保有するとする。1ETHの供託金のうち、0.8ETHがサンクストークンコ
ントラクト502へと配分されるとする。この場合、ユーザD、ユーザE、ユーザF、ユ
ーザGそれぞれのサンクストークンの持分に従って0.8ETHが配分される。ユーザD
に対しては、0.16ETH、ユーザEに対しては0.4ETH、ユーザFに対しては0
.16ETH、ユーザGに対しては0.08ETHが配分される。
【0178】
サンクストークンコントラクト502は、ETHERだけでなく、各種トークンがサン
クストークンコントラクト502に送られてきたときも同様に配分してよい。
【0179】
資金提供者がチャレンジコントラクト501へと供託する仮想通貨ベースの供託金額の
価格変動リスクヘッジのため、チャレンジコントラクト501の作成に当たり、常に同じ
レートで法定通貨に交換できる、価値が変動しない仮想通貨を用いて今回のチャレンジ支
援システム1を作ってもよい。
【0180】
チャレンジコントラクト501が規定するチャレンジは、歩数に関するチャレンジとは
異なる他の種類のチャレンジとしてもよい。
図23から
図26を参照して、チャレンジの
バリエーションについて説明する。
【0181】
図23には、安全運転チャレンジについての、スマートコントラクトの内容が示される
。判定用データは、自動車や、運転者が保有するスマートフォンから、自動車の速度、シ
ートベルト着用の有無、急ブレーキ、急発進の情報である。判定用データの取得及び送信
に、ウォレット機能を持ったIoTデバイスを使ってもよい。IoTデバイスからスマー
トフォン等に情報を転送し、スマートフォンに内蔵するアプリのウォレットの秘密鍵で署
名したトランザクションをブロックチェーンネットワークに送ってもよい。運送会社が、
トラックドライバーに対して、1日の運転で判定条件が満たされたらETHERやトーク
ンを自動的に送るチャレンジに関するスマートコントラクトを作ってもよい。
【0182】
図24には、血糖値スパイク予防チャレンジについての、スマートコントラクトの内容
が示される。血糖値が急激に上昇する血糖値スパイクが問題となっている。例えば朝食を
抜いて、昼食に大量の糖質を摂取すると血糖値スパイクが起こる。野菜や海藻などを食事
の最初に食べる、長時間空腹が続くようにしない等の工夫を行うことで血糖値スパイクを
予防することができる。腕に取り付けることで継続的に血糖値を測定することができる機
器からの血糖値データを、スマートフォン等に転送し、スマートフォンに内蔵するアプリ
のウォレットの秘密鍵で署名したトランザクションをブロックチェーンネットワークに送
ってもよい。保険会社が保険加入者に対して、血糖値を急激に上昇させないライフスタイ
ルを勉強してもらうために
図24のようなスマートコントラクトを作ってもよい。加入者
は短期的に経済的な見返りがないと真剣にやらない。まず、血糖値スパイクを起こさない
方法のレクチャーを行いチャレンジを開始するとよい。
【0183】
図25には、子供勉強チャレンジについての、スマートコントラクトの内容が示される
。子供がIoTデバイスを取り付けたえんぴつを使用して勉強をすると、IoTデバイス
からスマートコントラクトに対して一定時間勉強した情報が送信され、IoTデバイスの
ウォレット又は、子供専用のウォレットにご褒美としてETHERやオンラインゲームで
使用できるトークン等が送られる。IoTデバイスにETHERが送られた場合、貯まっ
たETHERに応じてIoTデバイスの色が変化し、子供はその色の変化を見て勉強を沢
山するとお小遣いが増えることを意識し、勉強に対するモチベーションが高まる。親の経
済レベルに合わせて、ご褒美の金額は調整するとよい。成功時に兄弟にも一部ETHER
を送ることで、勉強の邪魔をしなくなる。
【0184】
図26には、禁煙チャレンジについての、スマートコントラクトの内容が示される。保
険適用の治療ではなく、自費治療を想定する。禁煙を希望する患者に対して、医師が60
万円の禁煙チャレンジを院内処方する。患者は、病院に対して60万円を支払う。病院は
、利益と経費5万円を差し引いた、55万円分のETHERを使って禁煙チャレンジスマ
ートコントラクトを作る。患者の禁煙が達成されたかどうかは、呼気中のCOを測定する
機器を使って医師が判定してもよい。CO測定のIoTデバイスで呼気中のCOを測定し
、そのデータをIoTデバイスに内蔵したウォレットからスマートコントラクトに送って
スマートコントラクトが禁煙チャレンジの成功・失敗を判定してもよい。より高額の禁煙
チャレンジを処方してもよい。
【0185】
チャレンジ支援システム1が稼働するにあたって、ブロックチェーンネットワーク55
における、チャレンジコントラクト501等の各種スマートコントラクトの生成及び各種
トランザクションの送信、供託金の供託には、仮想通貨が必要となる。資金提供者等は仮
想通貨取引所等から仮想通貨を購入する。仮想通貨の購入方法の他の例について説明する
。
【0186】
資金提供者、挑戦者、応援者等は仮想通貨やトークンを、コンビニ等で購入してもよい
。購入者は、仮想通貨やトークンの情報を持つギフト券を購入する。そのギフト券の一部
を削ると、二次元バーコードが出てくる。二次元バーコードは、ギフト券ウォレットの秘
密鍵である。ギフト券の発行者は、あらかじめこのギフト券ウォレットの公開アドレスに
ギフト券に記載されたものと同額の仮想通貨やトークンを送付しておく。ギフト券の発行
者はギフト券の秘密鍵情報は一切保管せず、ギフト券の公開アドレスのみを保管して管理
するものとする。
【0187】
購入者は自身のアプリで二次元バーコードを読み取り、アプリ内にギフト券ウォレット
を取り込む。ユーザはギフト券ウォレットの秘密鍵の情報を取得することとなるので、ギ
フト券ウォレットを自由に使うことができる。
【0188】
又は、購入者がコンビニのATM画面でギフト券を選択し、入金すると、上記と同じ秘
密鍵である二次元バーコードが発行される。その場でアプリを使用し、二次元バーコード
を読み取ることで、アプリ内にギフト券ウォレットを取り込んでもよい。
【0189】
この場合、ギフト券発行者は、ATMからリクエストされたときだけ秘密鍵を作成し、
それに対応する公開アドレスに送金すればよい。紙等のギフト券の場合は、事前にギフト
券ウォレットに送金しておかなければならない。二次元バーコードには、秘密鍵情報が入
っており実質的に金券と同じような価値があるので取り扱いに注意が必要である。
【0190】
ギフト券ウォレットの秘密鍵を読み取った時点で、購入者のアプリ内には、元々所有し
ていたウォレットと、ギフト券ウォレットの2つが存在することになる。言い換えると、
仮想通貨を管理する秘密鍵を2つ所有するということである。購入者は、ギフト券ウォレ
ットの残高を全て元々所有していたウォレットに送信し、ギフト券ウォレットを削除する
。
【0191】
又は、購入者がコンビニのレジに行き、仮想通貨、トークンが欲しいと店員に伝える。
現金を支払うと、店員は購入者のアプリの中に元々あったウォレットの二次元バーコード
を読み取る。これは、購入者の公開アドレスである。コンビニが自身の仮想通貨、トーク
ンをその公開アドレスに直接送るようにしてもよい。
【0192】
又は、ギフト券発行者が作成したスマートコントラクトに対して、コンビニ端末から仮
想通貨と購入者の公開アドレスをトランザクションとして送ると、スマートコントラクト
から直接購入者のウォレットに仮想通貨やトークンが送信されるようにしてもよい。
【0193】
チャレンジアプリ80によるチャレンジコントラクトの生成における、チャレンジアプ
リ80がインストールされる端末に表示される画面の遷移について、
図27から
図33を
参照しつつ説明する。
【0194】
図27の画面801には、チャレンジ欄8011、資金提供者欄8012、挑戦者欄8
013、供託金額欄8014が設けられる。チャレンジ欄8011には、チャレンジ名が
入力される。資金提供者欄8012、挑戦者欄8013には、資金提供者のアカウント名
が表示される。資金提供者欄8012、挑戦者欄8013がそれぞれ有するボタンBT1
又はBT2が選択されると、
図28に示される画面802が表示される。
【0195】
画面802には、端末に記憶されるアカウント名と公開アドレスが対応付けられて表示
される。ユーザは、各行を選択することによって、資金提供者及び挑戦者を選択すること
ができる。ユーザは
図28のボタンBT4を選択することによって、アカウント名及びア
ドレスの組を追加可能である。
【0196】
図27の供託金額欄8014には、資金提供者が供託する供託金額が入力される。ユー
ザが画面801のボタンBT3を選択することで、
図29の画面803が表示される。
【0197】
画面803には、期限欄8031及び条件欄8032が設けられる。期限欄8031に
はチャレンジの開始可能期間及び終了可能期間が入力される。条件欄8032には、チャ
レンジの種類、チャレンジ実行日数、歩数、達成すべき日数が入力される。
【0198】
ユーザが画面803のボタンBT5を選択することによって、
図30の画面804が表
示される。
【0199】
画面804には成功時配分欄8041、失敗時配分欄8042、GAS手数料欄804
3が設けられる。
【0200】
成功時配分欄8041には、成功時に資金を受け取るユーザのアカウント名及び、受け
取る額が入力される。また、供託金額の2パーセントの資金が運営者手数料として配分さ
れる。運営者手数料は自由に設定してよい。失敗時配分欄8042についても同様である
。挑戦者宛GAS手数料欄には、挑戦者が歩数情報をスマートコントラクトに送信すると
きに必要なGAS手数料を補助する金額が入力される。
【0201】
ユーザが画面804のボタンBT6を選択すると、
図31の画面805が表示される。
画面805は、ギブアップ選択欄8051及びギブアップパターン選択欄8052を有す
る。ユーザは、ギブアップ選択欄8051の項目を選択することで、ギブアップを可能と
するかを選択できる。ユーザは、ギブアップパターン選択欄8052の項目を選択するこ
とで、ギブアップ時の供託金の配分方法を選択できる。
【0202】
ユーザが画面805のボタンBT6を選択すると、
図32の画面806が表示される。
画面806には、ここまでに設定した条件が一覧として表示される。
【0203】
ユーザは画面805のボタンBT7を選択することによって、当該チャレンジを管理す
るチャレンジコントラクトをブロックチェーンネットワーク55に生成するトランザクシ
ョンがブロックチェーンネットワーク55へと送信される。
【0204】
また、画面805のボタンBT8を選択することによって、
図33に示されるような、
作成するチャレンジの情報を他の端末で読み取折り可能とするための画面806を生成す
ることができる。生成された画像を他の端末が読み取ることによって、チャレンジに関す
る情報を他の端末が取得可能となる。
【0205】
第1実施形態において説明してきたプログラムは、記憶媒体に格納することができる。
当該プログラムを格納した記憶媒体は、非一時的な記憶媒体(Non―transito
ry computer readable medium)であってもよい。非一時的な
記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体で
あってもよい。
【0206】
第1実施形態では、資金提供者端末10は、チャレンジコントラクト501を生成する
としたが、チャレンジ支援にあたって作成されるスマートコントラクトは複数であっても
よい。複数のスマートコントラクトが連携した処理を行うようにスマートコントラクトを
構築し、より複雑な条件が設定されたチャレンジを作成することができる。
【0207】
第2実施形態について説明する。第2実施形態以降の実施形態では第1実施形態と共通
の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0208】
第2実施形態に係るチャレンジ支援システム1Aは、
図34に示されるように協賛企業
端末70をさらに備える。協賛企業端末は、ブロックチェーンネットワーク55Aにおけ
るアカウント及び公開アドレスを有する。
【0209】
協賛企業は例えば、飲料メーカーであるとする。挑戦者は、協賛企業の飲料メーカーの
飲料を購入する。飲料にはウェブサイトのアドレスを示す画像が添付される。飲料に添付
された画像を読み取り、運営者又は協賛企業のウェブサイトにアクセスが可能となる。ウ
ェブサイトにおいて、挑戦者に関する情報として、氏名、年齢、居住地、自身の公開アド
レス、チャレンジコントラクトのコントラクトアドレス、サンクストークンコントラクト
のコントラクトアドレス等を入力する。
【0210】
協賛企業は、チャレンジコントラクトに対して、ETHERや、協賛企業がブロックチ
ェーンネットワーク55Aにおいて発行する製品交換トークン、チアリングトークン等を
送付する。チャレンジコントラクトに送られた製品交換トークン等は、チャレンジの達成
度に応じて段階的に有効化されてもよい。
【0211】
製品交換トークンは、協賛企業の飲料と交換できる。製品交換トークンの価値は、製品
交換トークンと交換可能な本数、有効期限、利用可能地域を自由に設計できる。例えば、
交換は1対1でなくても良く、1つの製品交換トークンに対して5本の飲料と交換しても
よい。
【0212】
製品交換トークンの実際の使われ方について一例を説明する。製品交換トークンはユー
ザのウォレットで管理される。ユーザはコンビニに行き、レジ横に置かれたコンビニが保
有するトークン受け取り用公開アドレスをアプリで読み取る等して取得する。ユーザは、
そのアドレス宛に製品交換トークンを送付する。コンビニは、コンビニが保有するトーク
ン受け取り用公開アドレスで受けとった製品交換トークンが有効かどうかを確認する。
【0213】
コンビニは受け取った製品交換トークンの対価として飲料をユーザに渡す。コンビニは
後日製品交換トークンを運営者又は協賛企業との間で清算する。ユーザに手間をかけさせ
ないために、コンビニは、自身の端末によって、コンビニがユーザの製品交換トークンの
ウォレットの公開アドレスを取得し、ユーザからコンビニへ製品交換トークンを送付する
トランザクションを生成する。生成されたトランザクションの確認画面をユーザのアプリ
内に表示させ、ユーザがその内容を承認し、トランザクションとして送信するとユーザの
製品交換トークンはコンビニに渡される。
【0214】
第2実施形態のように、チャレンジコントラクト501、サンクストークンコントラク
ト502、及びチアリングトークンコントラクト503によるトークンの配分に加えて、
製品交換トークンを組み合わせることによって構成されるdappによって、家族や友人
だけでなく、企業の支援を受けながらユーザがチャレンジを達成する可能性をより高める
ことができる。
【0215】
第3実施形態について説明する。第3実施形態に係るチャレンジ支援システム1Bでは
、
図35に示されるように、ブロックチェーンネットワーク55Bに、サンクストークン
コントラクト502A、サンクストークンコントラクト502B、及びサンクストークン
コントラクト502Cが設けられる点が異なる。
【0216】
サンクストークンコントラクト502A及びサンクストークンコントラクト502Cは
、第1実施形態におけるサンクストークンコントラクト502と同様にチャレンジ毎に挑
戦者が応援者の応援に対して配分するトークンの残高を管理するスマートコントラクトで
ある。
【0217】
また、サンクストークンコントラクト502Cは、サンクストークンコントラクト50
2Aが関係するチャレンジとは別のチャレンジに関係する。
【0218】
サンクストークンコントラクト502Bは、挑戦者に対する継続的な応援の貢献を表す
ものである。サンクストークンコントラクト502Bは、サンクストークンコントラクト
502Aに基づいて残高が更新される。サンクストークンコントラクト502Bはサンク
ストークンコントラクト502Aとは異なるトークンの残高を管理する。トークンの通貨
単位は、サンクストークンコントラクト502AはTTA、サンクストークンコントラク
ト502BはTTB、サンクストークンコントラクト502CはTTCとする。
【0219】
図36に示されるように、TTBの初期の残高はユーザAからユーザDまで0であると
する。あるチャレンジに対する、サンクストークンコントラクト502Aによるトークン
の配分が
図37に示されるようになったとする。サンクストークンコントラクト502B
の残高の加算量は、サンクストークンコントラクト502Aのトークンの残高に基づいて
決定される。
【0220】
サンクストークンコントラクト502Bにおける加算量は、サンクストークンコントラ
クト502Aの各ユーザについて、発行済みトークンに対する割合に難易度係数をかけ合
わせた量である。サンクストークンコントラクト502Aが関係するチャレンジの難易度
は難易度係数が0.8である。
【0221】
あるチャレンジに対する、サンクストークンコントラクト502Cによるトークンの配
分が、
図38に示されるようになったとする。サンクストークンコントラクト502Aに
おける場合と同様に、サンクストークンコントラクト502Bの残高の加算量は、サンク
ストークンコントラクト502Cの残高に基づいて決定される。
【0222】
サンクストークンコントラクト502Bにおける加算量は、サンクストークンコントラ
クト502Cの各ユーザについて、発行済みトークンに対する割合に難易度係数をかけ合
わせた量である。サンクストークンコントラクト502Cが関係するチャレンジの難易度
は難易度係数が0.2である。
【0223】
サンクストークンコントラクト502A及びサンクストークンコントラクト502Cに
よるトークンの配分に基づいて決定された加算量によって、サンクストークンコントラク
ト502Bの残高が
図39のように更新される。
【0224】
あるチャレンジだけの応援者の貢献度を管理するサンクストークンコントラクト502
A又はサンクストークンコントラクト502Cによるトークンの管理に基づいて、サンク
ストークンコントラクト502Bのように挑戦者の一生ものの応援者の貢献度を管理する
ことで、長期的な応援が可能となる。
【0225】
健康保険組合や保険会社等が、一時的な応援者に対するサンクストークンコントラクト
502Aではなく、サンクストークンコントラクト502Bに対して、インセンティブを
支払う方が、組合員・加入者に対する継続的な応援が行われる可能性がある。また、サン
クストークンコントラクト502Bが管理するトークンは他の人に譲渡できないようにト
ークン設計をしてもよい。
【0226】
第4実施形態について説明する。第4実施形態では、
図40に示されるように、ブロッ
クチェーンネットワーク55Cが、チャレンジアンドサンクストークンコントラクト50
4を有する点が第1実施形態とは異なる。
【0227】
チャレンジアンドサンクストークンコントラクト504は、第1実施形態におけるチャ
レンジコントラクト501とサンクストークンコントラクト502を兼ねるものである。
チャレンジアンドサンクストークンコントラクト504は、
図41に示されるトークン残
高5041のように、それぞれのチャレンジ結果に対応した3種類のトークンをチャレン
ジ開始時に各関係者に配分する。
【0228】
各トークンは、チャレンジ結果が成功、失敗又はギブアップのいずれか一つに決定した
後に結果に対応するトークンが有効になるものとする。
【0229】
挑戦者は
図42に示されるように、自身の成功に期待して、自己のトークンを下請けに
対して送付できる。チャレンジ成功時の配分金受取者も同様に、下請けに対してトークン
を配分できる。
【0230】
チャレンジが成功すれば、成功時のトークンが有効になるので、トークンを配分された
下請けは挑戦者をより積極的に応援する。
【0231】
チャレンジが失敗した場合は、成功時トークンは無効となり、失敗時のトークンが有効
となる。ギブアップ時も同様である。
【0232】
チャレンジアンドサンクストークンコントラクト504は、
図43に示されるトークン
残高5041Aのように、1種類のトークンについて管理するものであってもよい。
【0233】
1種類のトークンについて管理する場合、チャレンジ開始時に初期配分として各関係者
にトークンが配布される。トークンを受け取った人は、それを下請けに出して協力を得る
ことができる。例えば、挑戦者が下請けに0.2トークン渡したとする。チャレンジが成
功した場合、下請けは、成功時配分に従うと、挑戦者のトークンが60倍されるため、0
.2トークンの60倍の12トークンを保有することになる。
【0234】
第4実施形態では、チャレンジ中に挑戦者や配分金受取者等の手元にトークンを与え、
チャレンジ結果に応じて、トークンに価値が生じる。これによって、サンクストークンが
分配用の媒介物として機能するのではなく、トークンそれ自体に価値を与えつつ、チャレ
ンジが行われるようにすることができる。
【0235】
第5実施形態について説明する。第5実施形態では、
図44に示されるように、ブロッ
クチェーンネットワーク55Dが、予想コントラクト505を有する点が、第1実施形態
と異なる。予想コントラクト505は挑戦者によるチャレンジの過程、成功、失敗に対し
て、予想を行い、チアリングトークンで賭金を支払う。
【0236】
予想コントラクト505は、応援者等からのチアリングトークンを受け取り次第、自動
的に予想コントラクトの作成者に一定の手数料を支払う。また、チャレンジコントラクト
501に対してもチアリングトークンを送付する。チャレンジコントラクト501に集積
され、保持されたチアリングトークンは、例えば、チャレンジが成功したときに、チャレ
ンジ成功の配分と同じ条件で関係者に配分される。チャレンジコントラクト501に送ら
れるこのチアリングトークンは、自分や人のお金を供託してまでリスクを取って自身の歩
行等のチャレンジに挑戦することに対するインセンティブとなる。
【0237】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定
して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件
、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができ
る。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可
能である。
【符号の説明】
【0238】
1,1A,1B…チャレンジ支援システム、10…資金提供者端末、20…挑戦者端末
、30,30A…応援者端末、40…運営者端末、55,55A,55B,55C,55
D…ブロックチェーンネットワーク、60…判定用データ送信端末、70…協賛企業端末
、80…チャレンジアプリ、501…チャレンジコントラクト、502,502A,50
2B,502C…サンクストークンコントラクト、503…チアリングトークンコントラ
クト
【手続補正書】
【提出日】2024-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムであって、
インターネットに接続される端末に、
第1のユーザが達成すべきチャレンジを達成するための条件を含む前記チャレンジに関する契約条件が満たされたか否かを判定し、前記契約条件の判定結果に基づいて、第1のトークンを配分するトランザクションを生成する第1のスマートコントラクトを有し、前記インターネットに接続されるブロックチェーンネットワークにおいて、
前記契約条件の判定に用いる判定用データを前記第1のスマートコントラクトへ送信する処理を実行させる、プログラム。