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特開2024-81725分散コンピューティングを利用したアイテムの安全なトラッキング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081725
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】分散コンピューティングを利用したアイテムの安全なトラッキング
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240611BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024050878
(22)【出願日】2024-03-27
(62)【分割の表示】P 2020570064の分割
【原出願日】2019-06-24
(31)【優先権主張番号】62/688,544
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】520487680
【氏名又は名称】ヴォルト・セキュリティ・システムズ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】サラダー,アルマン
(72)【発明者】
【氏名】バイヤー,マルティン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】紛失した又は盗難に遭ったアイテムを、盗難が報告されているアイテムを発見するために一元化された探索可能なデータベースを用いてトラッキングでき、アイテムの発見者に対して、発見したアイテムを報告して報酬を受け取るように動機づけを行う安全な方法を提供する。
【解決手段】コンピュータ化された方法は、所有者、賃借人及び/又は先取特権保有者情報に関連するアイテム情報が入力されたデータベースを含むコンピュータシステムにロードされた命令を有するソフトウェアを含み、CPUは、第1のステップ13においてユーザを登録し、第2のステップ15においてアイテムを関連付け、第3のステップ17において、必要な許可を有するユーザが更新及び質問のために登録済みアイテム情報を利用できるようにするために、命令を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ化された方法であって、
前記方法は、前記方法を実行するための命令を有するソフトウェアを含み、
前記命令は、機能部品を有するコンピュータシステムにロードされ、前記機能部品は例
えば:CPU;所有者、賃借人及び/又は先取特権保有者情報に関連付けられたアイテム
情報が入力されるデータベースを含むメモリ;並びに前記機能部品を動作可能に相互接続
するための通信インタフェースであり、
前記CPUは、前記命令を実行し、
更に前記方法は:
a) ユーザを所有者、賃借人、及び/又は先取特権保有者として登録するステップで
あって、更に、一般人が、前記アイテム情報データベースへの制限されたアクセス権に関
連付けられて登録される、ステップ;
b) アイテムを登録済みユーザに関連付け、前記データベースに、少なくとも所有者
、賃借人、及び先取特権保有者からなる分類のグループのうちの1つに従って分類された
ユーザ等の登録済みユーザに関連付けられたアイテム情報を入力し、前記登録情報を、ブ
ロックチェーン等の分散型台帳に保存された情報を含むデータベースに保存するステップ
であって、前記アイテム情報は、少なくとも盗難ステータス、紛失・発見ステータスを、
いずれの報酬情報と共に含む、ステップ;並びに
c) 許可に基づいてユーザが前記登録済みアイテム情報を更新又は質問に利用できる
ようにするステップ
のための命令を含む、方法。
【請求項2】
前記方法が、ユーザの許可に応じてユーザが前記登録済みアイテム情報を更新及び問い
合わせ/質問に利用できるようにする際、前記方法は、関連するメニュー選択が行われた
ときに、アイテムの所有者及び賃借人が、アイテムを探索できる、又は前記アイテムを紛
失した若しくは盗難に遭ったものとして報告できるようにし、その一方で、他のユーザが
、基本的なアイテム情報、及び前記アイテムの紛失、盗難、又は先取特権ステータスを閲
覧する許可を有したままとすることができる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記登録済みアイテム所有者によって、アイテムが紛失した又は盗難に遭ったことが報
告されると、前記方法は更に、任意に前記報告をアップロードできるか、又は前記報告を
警察のレポート若しくは警察のファイル番号と関連付けることができる、請求項1に記載
の方法。
【請求項4】
識別情報、保証情報、所有権情報、所有権の証拠、リコールステータス、メンテナンス
履歴、使用期限情報、シリアルナンバー、製造情報、製品説明、アイテム位置、及び先取
特権情報からなる情報タイプのグループから選択される更なるアイテム情報を、関連する
許可を有するユーザが、前記アイテムに関連付けて保存してよい、請求項1に記載の方法
【請求項5】
前記方法により、ユーザのアクセス権又は前記ユーザの分類に基づいて、前記ユーザは
前記データベースに接続して問い合わせを行うことができ、前記ユーザが、上位の使用特
権を有しない一般人として分類される場合、前記ユーザにインタフェースを提供して、前
記ユーザがアイテムのステータスを限定的に質問することにより、前記ユーザがアイテム
の紛失、盗難、又は先取特権ステータスを少なくとも判断できるようにし、また前記ユー
ザが上位の許可を有する人物、例えば所有者、賃借人、又は先取特権保有者として分類さ
れる場合、前記ユーザが、アイテム情報にアクセスして、前記ユーザの許可に応じて、ア
イテムを、紛失したもの、発見されたもの、抵当に入れられたもの、又は盗難に遭ったも
のとして登録できるようにする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
アクセス権は、IDプロトコルによって、問い合わせ、規則、及び既知のアイテムステ
ータスに基づいて決定される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記IDプロトコルは前記ユーザのアカウントをチェックして、アイテムが前記ユーザ
によって所有されているものとして登録されているかどうかを確認し、登録されている場
合に、前記ユーザにアカウントマネージャーインタフェースへのアクセスを提供すること
により、前記ユーザが前記ユーザのアカウント内のアイテムを管理(即ち更新又は編集)
できるようにする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
必要な許可を有するユーザが、タイプ、ブランド、シリアルナンバー、QRコード等と
いった特定の探索パラメータを入力することによって、移動体デバイス又は他のいずれの
コンピュータシステムを用いてアイテムを探索及び識別して、アイテムステータスを「良
好(good)」、「紛失(lost)」、又は「盗難(stolen)」として実証で
きるようにする、更なるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
更に、必要な許可を有するユーザが、アイテムステータスを「修理/メンテナンス(r
epair/maintenance)」、「使用期限(end of life)」、
「欠陥(defect)」、又は「破壊(destroyed)」へと変更できるように
する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記アイテムは、腕時計、宝石、ハードウェア、芸術作品、楽器、自動車からなる物理
的なアイテムのグループから選択される物理的なアイテムである、請求項1に記載の方法
【請求項11】
前記データベースのデータはクラウドに保存される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記データベースのデータは少なくとも部分的にサイドチェーンに保存される、請求項
1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、制御サーバ、1つ以上の信頼できるパートナーのサーバ、及び1つ以上の
顧客ユーザデバイスを含むシステム上で実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記システムは複数の制御サーバを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記システムの部品は、ネットワーク、任意に、典型的にはTCP/IPを介して通信
を行うローカルエリアネットワークと広域ネットワークとのいずれの組み合わせを介して
、接続される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの制御サーバ及びいずれの前記信頼できるパートナーのサーバは、
安全なデータ保存のための分散型台帳ブロックチェーンを実現できるソフトウェアのイン
スタンスを実行する、請求項145に記載の方法。
【請求項17】
前記コンピュータシステムが、登録済み所有者又は賃借人から、無線制御式無効化デバ
イスが組み込まれたアイテムが紛失した又は盗難に遭ったことの通知を受信すると、前記
システムは、前記アイテムの無効化を開始する無線信号を送出する、請求項1~16のい
ずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記分散型台帳は、ETHEREUM(商標)ブロックチェーン、HYPERLEDG
ER(商標)ブロックチェーン、HYPERLEDGER FABRIC(商標)ブロッ
クチェーン、公開ブロックチェーン、プライベートブロックチェーン、連合型ブロックチ
ェーン、許可型ブロックチェーン、及び自由参加型ブロックチェーンからなるブロックチ
ェーンのリストから選択されるブロックチェーンである、請求項1~17のいずれか1項
に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年6月22日出願の仮特許出願第62/688,544号「SEC
URE TRACKING OF ITEMS UTILIZING DISTRIBU
TED COMPUTING」に対する優先権を主張するPCT出願であり、上記仮特許
出願の内容は参照により本出願に援用され、本出願は上記仮特許出願の内容に依拠する。
【0002】
本開示は一般に、分散コンピューティングを利用してアイテムをトラッキングするため
のシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
コンピュータを使用してアイテムをトラッキングするためのシステムが存在する。例え
ば動物の健康及び移動を監視するための、発育段階を通した動物のトラッキングは、通常
、該動物に無線トランスミッタを取り付けることを含み、上記無線トランスミッタの信号
を受信でき、三角測量法を適用して該動物の位置を特定できる。
【0004】
更に、ブロックチェーン技術を用いてアイデンティティを検証するためのシステムが存
在する。例えば特許文献1(その内容は参照により本出願に援用され、本出願はその内容
に依拠する)は、このような従来技術のシステムを記載している。しかしながら、このシ
ステムは、識別を目的として、エンティティに関する情報のみを扱う。特にこの従来技術
のシステムは、一体にネットワーク化された複数のコンピューティングデバイスで構成さ
れたコンピュータネットワーク内のエンティティのアイデンティティを管理し、各コンピ
ューティングデバイスは少なくとも1つのエンティティに関連付けられている。1つの電
子アペンド専用公開アイデンティティ台帳が、複数のコンピューティングデバイスのうち
の2つ以上において同時に維持され、上記電子アペンド専用パブリックアイデンティティ
台帳は、複数の暗号学的カプセル化アイデンティティオブジェクトで構成され、これらは
それぞれ、該コンピュータネットワーク内の1つのエンティティを一意に識別する。複数
の暗号カプセル化アイデンティティはそれぞれ:(1)各暗号カプセル化アイデンティテ
ィオブジェクトに関連付けられた第1のエンティティを一意に識別する、1つ以上の識別
用属性であって、上記1つ以上の識別用属性は、上記第1のエンティティの公開暗号鍵に
よって自己エンベロープ化される、1つ以上の識別用属性と;(2)別個の暗号カプセル
化アイデンティティオブジェクトに関連付けられた第2のエンティティによって生成され
る、1つ以上の検証用属性であって、上記1つ以上の検証用属性は、1つ以上の識別用属
性が上記第1のエンティティを正確に識別していることを検証するために使用される、1
つ以上の検証用属性とを有する。この方法では、各検証後に、複数の暗号カプセル化アイ
デンティティオブジェクトのそれぞれが、リンクされたリスト内で構造化され、第1のエ
ンティティに関連付けられた少なくとも1つの第1のコンピューティングデバイス及び第
2のエンティティに関連付けられた少なくとも1つの第2のコンピューティングデバイス
において同時に維持される。
【0005】
紛失した又は盗難に遭ったアイテムを、これらの紛失した又は盗難に遭ったアイテムに
取り付けられた高コストのGPS信号トランスミッタを用いてトラッキングするのは、基
本的に不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第9,635,000号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
紛失した又は盗難に遭ったアイテムを、盗難が報告されているアイテムを発見するため
に一元化された探索可能なデータベースを用いてトラッキングでき、その一方で、アイテ
ムの発見者に対して、発見したアイテムを報告して報酬を受け取るように動機づけを行う
、安全な方法が必要とされている。
【0008】
更に、アイテムデータを保存するためのシステムであって、ユーザは上記アイテムデー
タをプライベートに保持でき、またアイテムの盗難が該ユーザによって報告された後には
、公開探索を可能とするために、一元化された安全な方法で上記アイテムデータをリリー
スできる、システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
システム及び方法は、ブロックチェーンと、安全な登録アイテムデータベースとを利用
して、上記登録アイテムデータベース内の登録済みアイテム情報を用いて、アイテムを安
全に登録及びトラッキングし、このような登録済みアイテム情報は、識別情報、保証情報
、所有権情報、所有権の証拠、報酬情報を伴う紛失・発見ステータス、リコールステータ
ス、メンテナンス履歴、使用期限情報、シリアルナンバー、製造情報、製品説明、アイテ
ム位置、及び先取特権情報からなる情報のグループから選択される。本明細書中で使用さ
れる場合、アイテム又は資産は典型的には、物理的なアイテム(例えば腕時計、宝石、ハ
ードウェア、芸術作品、楽器等)である。
【0010】
本発明のコンピュータ化された方法は、所有者、賃借人、及び/又は先取特権保有者情
報に関連するアイテム情報が入力されたデータベースを含むコンピュータシステムにロー
ドされた命令を有するソフトウェアを含む。CPUは、第1のステップにおいてユーザを
登録し、第2のステップにおいてアイテムを関連付け、第3のステップにおいて、必要な
許可を有するユーザが更新及び質問のために登録済みアイテム情報を利用できるようにす
るために、上記命令を実行する。
【0011】
本発明の目的は、アイテムが紛失した又は盗難に遭った場合、及びその後発見された場
合に上記アイテムを識別できるように、上記アイテムを便利かつ安全な方法で登録できる
ようにするシステムを提供することである。
【0012】
本発明の目的は、アイテムが置き忘れられたのか盗難に遭ったのかを判定するために、
アイテムの迅速なスキャンを可能にするシステムを提供することである。
【0013】
本発明の目的は、登録済みアイテムを発見した人物に、上記アイテムをその正当な所有
者に返却する動機づけを提供することである。
【0014】
本発明の目的は、後の識別及びトラッキングを容易にするために、製品を便利にラベリ
ングするためのシステムを提供することである。
【0015】
本発明の目的は、詐欺を阻止することである。
【0016】
本発明の目的は、販売者がアイテムを販売する権利を有するという更なる確信が得られ
るように、所有権変更を記録するための便利な手段を提供することである。
【0017】
本発明の目的は、デバイスが紛失した又は盗難に遭ったことが報告されたときに、危険
なデバイスを制御することである。
【0018】
本発明の目的は、アイテムのトラッキングを可能にし、上記アイテムのステータスを、
上記アイテムの寿命を通して更新できるようにするシステムを提供することである。
【0019】
本発明の目的は、アイテムの購入者が、上記アイテムが偽物でないことの確信を得られ
るようにするシステムを提供することである。
【0020】
以下の「発明を実施するための形態」において、本開示について図面を参照して更に説
明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の方法のブロック図である。
図2図2は、ある例示的実施形態による、ブロックチェーンを用いてアイテムを登録及びトラッキングするための、Trust対応非一元型システムである。
図3図3は、資産を登録するプロセスを示す概略図である。
図4図4は、本発明を用いた資産の探索及び登録のブロック図である。
図5図5は、紛失した又は盗難に遭ったアイテムのワークフローの概略図である。
図6図6は、本発明の探索機能を示す概略図である。
図7図7は、ある例示的実施形態による、アイテムを登録及びトラッキングする動作フローを示す図である。
図8図8は、ある例示的実施形態による、アイテムの登録及び探索の動作フローを示す図である。
図9図9は、アイテムの所有権を変更するプロセスを示す概略図である。
図10図10は、本発明の別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで、図1、2を参照すると、本発明は、所有権情報を有するアイテムを安全に登録
及びトラッキングするために、ブロックチェーン22a~22n等の公開台帳メカニズム
を利用する、Trust対応非一元型資産トラッキングシステム11及び方法10を提供
する。ブロックチェーン22a~22nは公開台帳メカニズムであり、本明細書中で使用
される場合、これは、各登録済み資産に関する所有権の記録として機能する。ブロックチ
ェーンもまた分散型システムであり、暗号化方法を利用して、ブロックチェーン内に埋め
込まれた情報の安全性と、記録の不変性とを保証する。ある例示的実施形態では、本発明
のシステム11に従って使用されるブロックチェーン構成は、例えば所有権及び資産登録
情報を内包する暗号化済みデータブロックを有する、部分プライベート許可型ブロックチ
ェーンである。
【0023】
本発明のコンピュータ化された方法10は、上記方法を実行するための命令を有するソ
フトウェアを含む。上記命令は、機能部品を有するコンピュータシステムにロードされ、
上記機能部品は例えば:CPU;所有者、賃借人及び/又は先取特権保有者情報に関連付
けられたアイテム情報が入力されるデータベース21を含むメモリ;並びにこれらの機能
部品を動作可能に相互接続するための通信インタフェースである。CPUは、第1のステ
ップ13においてユーザを登録し、第2のステップ15においてアイテムを登録済みユー
ザと関連付け、第3のステップ17において、必要な許可を有するユーザが更新及び質問
のために登録済みアイテム情報を利用できるようにするために、上記命令を実行する。第
1のステップ13では、方法10は、ユーザを所有者、賃借人、及び/又は先取特権保有
者として登録し、また任意に、アイテム情報データベースへの制限されたアクセス権を有
する一般人を登録する。アイテムは好ましくは、腕時計、宝石、ハードウェア、芸術作品
、楽器、及び自動車等といった物理的なアイテムのグループから選択される物理的なアイ
テムである。第2のステップ15では、方法10は、アイテムを登録済みユーザに関連付
け、データベース21、典型的にはマルチテナント型データベースに、少なくとも所有者
、賃借人、及び先取特権保有者からなる分類のグループのうちの1つに従って分類された
ユーザ等の登録済みユーザに関連付けられたアイテム情報を入力し、このような登録情報
を、分散型台帳に保存された情報を含むデータベースに保存する。分散型台帳は、ETH
EREUM(商標)ブロックチェーン、HYPERLEDGER(商標)ブロックチェー
ン、HYPERLEDGER FABRIC(商標)ブロックチェーン、公開ブロックチ
ェーン、プライベートブロックチェーン、連合型ブロックチェーン、許可型ブロックチェ
ーン、及び自由参加型ブロックチェーンからなるブロックチェーンのリストから選択され
るブロックチェーン22a~22n(各インスタンスを表すものとして22a~22nを
指定する)である。
【0024】
このアイテム情報は少なくとも、盗難ステータス、紛失・発見ステータスを、何らかの
報酬情報と共に含む。第3のステップ13では、方法10は、許可に基づいてユーザが登
録済みアイテム情報を更新又は質問に利用できるようにする。識別情報、保証情報、所有
権情報、所有権の証拠、リコールステータス、メンテナンス履歴、使用期限情報、シリア
ルナンバー、製造情報、製品説明、アイテム位置、及び先取特権情報といった更なるアイ
テム情報を、関連する許可を有するユーザが、アイテムに関連付けて保存してよい。
【0025】
方法10によって、アイテムの所有者及び賃借人は、関連するメニュー選択が行われた
ときに、紛失した又は盗難に遭ったアイテムに関してデータベース21を探索して、上記
アイテムを、紛失した又は盗難に遭ったものとして報告でき、その一方で、他のユーザが
、アイテムの紛失、盗難、又は先取特権ステータス等といった基本的なアイテム情報を閲
覧して、発見したアイテムを報告する許可を有したままとすることができる。第4のステ
ップでは、発見されたアイテムが報告されたときに、方法10は、登録済み所有者に接触
して発見されたアイテムを通知し、回収時に何らかの報酬が提供されることを確認する。
第5のステップ23では、報酬が確認されると、ユーザは、アイテムの返却方法を通知さ
れ、また安全な返却後に報酬が提供されることを通知する。第6のステップ25では、方
法10は、ユーザに問い合わせを行い、アイテムの返却を確認する。アイテムの返却が確
認されない場合、方法10は、アイテムの発見を報告したユーザに、返却方法及び報酬の
回収方法を報告する。所有者がアイテムの返却を確認した場合にのみ、報告を行ったユー
ザに報酬が支払われる。
【0026】
登録済みアイテム所有者によって、アイテムが紛失した又は盗難に遭ったことが報告さ
れると、更なる任意のステップにおいて、方法10は、この報告をアップロードできるか
、又はこの報告を警察のレポート若しくは警察のファイル番号と関連付けることができる
【0027】
更に方法10により、ユーザのアクセス権又はユーザの分類に基づいて、ユーザはデー
タベース21に接続して問い合わせを行うことができる。ユーザが、上位の使用特権を有
しない一般人として分類される場合、方法10は、このユーザにインタフェースを提供し
て、このユーザがアイテムのステータスを限定的に質問することにより、このユーザがア
イテムの紛失、盗難、又は先取特権ステータスを少なくとも判断できるようにする。ユー
ザが上位の許可を有する人物、例えば所有者、賃借人、又は先取特権保有者として分類さ
れる場合、上記方法により、ユーザはアイテム情報にアクセスして、自身の許可に応じて
、アイテムを、紛失したもの、発見されたもの、抵当に入れられたもの、又は盗難に遭っ
たものとして登録できる。
【0028】
アクセス権は、IDプロトコルによって、問い合わせ、規則、及び既知のアイテムステ
ータスに基づいて決定される。IDプロトコルはユーザのアカウントをチェックして、ア
イテムがそのユーザによって所有されているものとして登録されているかどうかを確認し
、登録されている場合に、上記ユーザにアカウントマネージャーインタフェースへのアク
セスを提供することにより、上記ユーザが自身のアカウント内のアイテムを管理(即ち更
新又は編集)できるようにする。
【0029】
方法10は、必要な許可を有するユーザが、タイプ、ブランド、シリアルナンバー、Q
Rコード(登録商標)等といった特定の探索パラメータを入力することによって、移動体
デバイス又は他のいずれのコンピュータシステムを用いてアイテムを探索及び識別して、
アイテムステータスを「良好(good)」、「紛失(lost)」、又は「盗難(st
olen)」として実証できるようにする、更なるステップを含む。方法10は更に、必
要な許可を有するユーザが、アイテムステータスを「修理/メンテナンス(repair
/maintenance)」、「使用期限(end of life)」、「欠陥(d
efect)」、又は「破壊(destroyed)」へと変更できるようにする(この
特徴に関する更なる詳細は、以下において、関連する見出しの下で提供される)。
【0030】
データベース21内のデータは、任意にクラウドに保存される。データはサイドチェー
ンに保存することもできる。
【0031】
構造的には、本発明のシステム11は、少なくとも1つの制御サーバ12(複数の制御
サーバを含む場合もある)、1つ以上の信頼できるパートナーのサーバ14a~14n、
及び1つ以上の顧客ユーザデバイス16a~16nを含む。
【0032】
システム11の部品は、ネットワーク20、任意に、典型的にはTCP/IPを介して
通信を行うローカルエリアネットワークと広域ネットワークとのいずれの組み合わせを介
して、接続される。少なくとも1つの制御サーバ12及びいずれの信頼できるパートナー
のサーバ14a~14nは、安全なデータ保存のための分散型台帳ブロックチェーンを実
現できるソフトウェアのインスタンスを実行する。
【0033】
単一の制御サーバ12が図示されているが、これは例であり、複数の制御サーバ12が
存在する場合があることを理解されたい。これらの要素間の通信は、ネットワーク20を
介したものである。ネットワーク20は、典型的にはTCP/IPを介して通信を行うロ
ーカルエリアネットワークと広域ネットワークとのいずれの組み合わせであってよい。制
御サーバ12及び信頼できるパートナーのサーバ14a~14nは、ブロックチェーンコ
アソフトウェア22a~22nのインスタンスを実行する。ソフトウェアのインスタンス
とは、ソフトウェアオブジェクトを具体的に実体化したものである。オブジェクトは、多
数の方法で変更できる。このオブジェクトの実体化されたバリエーションそれぞれが、イ
ンスタンスである。本発明のソフトウェアを実行する度に、それがプログラムのインスタ
ンスとなる。ある例示的実施形態では、ブロックチェーンはETHEREUM(商標)ブ
ロックチェーンを利用するが、HYPERLEDGER(商標)ブロックチェーン、HY
PERLEDGER FABRIC(商標)ブロックチェーン、公開又はプライベートブ
ロックチェーン、連合型ブロックチェーン、許可型又は自由参加型ブロックチェーンとい
った他のブロックチェーンの実装形態も使用される場合がある。
【0034】
ブロックチェーンコアソフトウェア22a~22nのインスタンスにより、異なるエン
ティティが、データが保存されており資産登録情報を含むブロックチェーンに対するアク
セス及び制御を有することができる。
【0035】
ユーザ登録
ユーザは、電子メール及びパスワードによって、自身を本発明のシステム11に登録す
る。ID実証プロトコルがそれに続き、登録者のIDを実証する。
【0036】
アイテム又は資産登録
ここで図3を参照すると、ユーザ202は、一意識別子(即ちシリアルナンバー、写真
、請求書、所有者の他のいずれの所有権の証明)によって、新たなアイテムを登録する。
任意に、特に高級腕時計又は車といった高価な特定のアイテムに関して、本発明のシステ
ム11は、製造元が操作する実証サービスをホストするサーバに通信可能に接続し、製品
シリアルナンバーを実証サービスのサーバに送信し、(例えば製造元の側において、シリ
アルナンバー情報、質問が行われたIPアドレスを、上記IPアドレスから推定される質
問者のエリアの店舗に送信された製品のシリアルナンバーの位置と比較する)検証アルゴ
リズムを用いて実証サービスに質問することによって、製造元によるアイテムIDを再チ
ェックする。上述のように検証が行われた後、製造元の実証サービスモジュールは資産を
登録し、ユーザ202に、ネットワークを介して、暗号化されたプライベートキーP_K
ey204を送信し、ユーザは、このP.Key204を、ブロックチェーンへのアイテ
ムの登録のデジタル確認証としてローカルに保存することを勧められる。P_Key20
4は例えば、該資産に関する全ての関連情報を含むデジタル請求書である。ある意味では
P_Keyは、店舗でアイテムに対する支払いを行った後に受領する領収書に相当するが
、価格以外の極めて多数の情報を含む(例えば所有権情報を含み、場合によっては保証情
報等も含む)。本発明のシステム11を用いると、以前の所有者(ユーザA、702、図
9を参照)がネットワークを通じて通信可能に接続した後、この所有者にメニュータブ、
ハイパーリンク付きテキスト、又はポップアップ等が提供され、これらにより、このユー
ザは、何を実行したいかを選択できる。このユーザが「所有権の変更」を選択すると、シ
ステムはこのユーザに質問を行って、所有者の詳細、販売価格等の入力と該ユーザのP_
Keyとを提供するように要求し、該ユーザがこれらを本発明のサーバに送信できるよう
にすることにより、新たな所有者704への所有権の譲渡を記録する。以上が実行される
と、システムは「デジタル請求書」を無効とし、このデジタル請求書が再使用されないよ
うにフラグを付与する。続いてシステムは、前の所有者の詳細を上書きする新たな所有者
の詳細を含む新たなデジタル請求書を発行する。
【0037】
ここで図4を参照すると、本発明の論理フロー図200は、本発明の基本的なワークフ
ローを示す。ブロック201では、資産チェーンコード探索パラメータ(例えば、ID、
所有者識別データ、タイトル、カテゴリ、ブランド、グループID、シリアルコード、ス
テータス、及びアイデンティティ)が、資産を求めているユーザによって入力される。チ
ェーンコードは、Go又はJavaといったサポートされている言語のうちの1つで書か
れたコードである。これは、SDK又はCLIを通してHYPERLEDGER FAB
RICピアノードのネットワークにインストール及びインスタンス化され、そのネットワ
ークの共有台帳との対話を可能にする。ブロックチェーンAPI203(例えばHYPE
RLEDGER API、又は本出願中で列挙されているもののような、他のいずれの同
等のブロックチェーンのAPI)を用いて、HYPERLEDGER(又は他のブロック
チェーン)のソフトウェアコンポーネントが対話を行う方法を指定する。例えば、本発明
のソフトウェアを用いて資産(より正確には資産のインデックス)を探索する場合、HY
PERLEDGER API204は、本発明のソフトウェアが資産の探索を実行する方
法、及び同様に資産を登録する方法を定義する。このような資産登録ステップは、ID、
所有者識別データ、タイトル、カテゴリ、ブランド、グループID、シリアルコード(即
ちシリアルナンバー又はIDナンバー)、ステータス、及びアイデンティティ等のパラメ
ータを用いて、ブロック206で指定された、該資産を登録する所有者又は製造元といっ
た入力を登録するステップを含む。登録データは、公開タイプ又はその他のタイプのブロ
ックチェーンの指定されたノード208に保存できる。
【0038】
任意に、何らかの種類のデジタルキーが、例えば電子メールによって購入時に提供され
た場合、このデジタルキーを暗号化されたP_Kに変換して、製造元自体の登録システム
のアンロックのために使用できる(これは、データの暗号化されたプライベート仮想テー
ブルを有するマルチテナント型データベースを用いて保存できる)。一実施形態では、デ
ジタルキーは、アイテムのオンラインでの販売時に、販売元によって購入の一部として提
供される。購入者がキーを用いてアイテムを登録するまでは、このキーを用いて誰でも自
身の氏名でアイテムを登録できることに留意されたい。従って、デジタルキーと共に購入
されたアイテムは、購入時点又は第三者にアイテムを贈与した時点で提供されることが好
ましい。
【0039】
なお、デジタルキーを用いて、アイテムのステータス変化、例えばレンタカーの所有の
変更を記録できる。
【0040】
図2を再び参照すると、顧客ユーザデバイス16a~16nはブロックチェーンクライ
アントアプリケーション24a~24n(各インスタンスを表すものとして24a~24
nを指定する)を実行する。ブロックチェーンクライアントアプリケーション24a~2
4nにより、ユーザは、資産に関する情報をブロックチェーンにアップロードでき、この
資産情報は該ユーザしかアクセス及び読み取りできない。資産に関する入力可能な情報の
例は、カテゴリ、グループID、シリアルコード、ステータス、アイデンティティ、ブラ
ンド、シリアルナンバー、説明、所有権情報、位置、先取特権情報、所有権の証拠、及び
その他の望ましい情報とすることができる。ある例示的実施形態では、ブロックチェーン
クライアントアプリケーション24~24nは、移動体デバイス用にダウンロード可能な
アプリケーションとして入手可能なソフトウェアアプリケーションとして、又はある特定
のユーザに複数のアクセスポイントオプションを与えるためにアクセス可能なウェブサイ
トを介して、実行できる。データの一部にアクセスするための様々なレベルの許可を、デ
ータにアクセスするシステム11の部分に基づいて必要に応じて利用できる。
【0041】
アイテム修理又はメンテナンス
ユーザが、ステータスを「アイテム修理又はメンテナンス」へと変更する許可を有する
アイテムのステータスを変更することは、「ステータス変更(Status Chang
e)」に、アイテムの「修理」又は「メンテナンス」、最終的には他の関連する特徴を記
録するオプションを追加したものと同等である。P_Key又はこれに相当するデジタル
キーが常に必要となる。
【0042】
アイテムの「使用期限」又は「欠陥」又は「破壊」
本発明の方法10は、「使用期限」又は他の理由によってアイテムをシステムから削除
しなければならない場合の、別個の最終的なステータス変更として、このオプションを含
む。
【0043】
確認後、P_Keyは無効となり、それ以上使用できなくなる。アイテムは本発明のデ
ータベース内において登録を抹消される。これにより、使用期限を迎えたアイテムに置き
換わった偽物が循環することを防止する。
【0044】
本発明と共に使用されるブロックチェーン22a~22nは典型的には、ユーザによっ
て生成及び制御される複数のレイヤーの許可を有する。これらの許可レイヤーにより、プ
ライベート情報を、他の許可を得たエンティティのユーザがこの情報へのアクセスを求め
る、例えば上記ユーザが、特定の資産を盗難に遭った若しくは紛失したものとして報告す
ることを望む、又は登録済み情報の目録を得ることを望むまで、プライベートのままとす
ることができる。資産が紛失した又は盗難に遭ったものとして報告されると、制御サーバ
12は、探索エンジン26(図6、7、8に図示)を用いてキー資産情報を探索して公開
でき、これにより、システム11内でアイテムを探索してその位置を突き止めることがで
きる。
【0045】
紛失した又は盗難に遭ったアイテム
ここで図5を参照すると、アイテムの紛失した又は盗難に遭ったアイテムの報告は、本
発明のデータベースのカラムに記録されたステータスの変更によって達成される。
【0046】
ユーザ302は、そのクレデンシャルを用いてログインして、アイテムのステータスを
「OK」から「紛失/盗難」に変更しなければならず、ここでP_Key304が必要と
なる。確認後、上記アイテムは新たなステータスに設定され、より迅速なトラッキングの
ために適切なブロックチェーンデータベース(紛失又は盗難)へとファイリングされる。
アイテムのステータスを変更するためには、ユーザ302のステータスはアクティブ所有
者でなければならない。従ってシステムは変更の前に、ユーザのステータスをチェックし
て「現在の所有者」ステータスを確認する。
【0047】
アイテムの探索
ここで図6を参照すると、本発明は、アイテム固有識別子を入力するために移動体デバ
イスを含むネットワーク化されたいずれのコンピュータからアクセス可能な、任意のクラ
ウドベース探索エンジン402を含む。
【0048】
上記入力に基づいて、探索エンジン402は、潜在的な一致について、適切なデータベ
ース404、406を探索する。結果は以下のステータスを示すことができる:
1.アイテムが適切に所有及び登録されている
2.アイテムが紛失されている
3.アイテムが盗難に遭っている
4.アイテムが発見されていない
5.アイテムが偽物である
6.アイテムがリコールされている
7.アイテムがメンテナンス中である
8.アイテムがレンタルされ、人物Xが所有している
【0049】
本発明のシステム11は、本発明の登録システムの実用上の動作を可能とするキーツー
ルを含む。例えば登録は、好ましくは消去がある程度困難な形態でオブジェクト上に符号
化された情報に基づいて行われる。典型的には、これは、価値が最低ではないアイテムに
関しては、製造元自体が実施する。あるレベルにおいては、製造元は各製品を、任意にホ
ログラムや、この製造元による製品をユーザが登録する(これは典型的にはオンラインで
実施される)際に製造元自体のサーバ上の製品情報をアンロックするためのキーとして機
能するシリアルナンバーを用いて、単にマーキングする。公知のブランド名を有する多く
の電子ガジェットは既に、上記特定の製品を十分に識別する一意のシリアルナンバーでマ
ーキングされており、従ってここではシステム上の変更は全く必要ない。シリアルナンバ
ー及び製造元は、各所有者によって登録される。潜在的に高い価値を有する商品(例えば
LOUIS VUITTON(登録商標)のバッグ)に関しては、RFIDチップ、典型
的にはパッシブチップを、製品自体に埋め込んでよい。好適なRFIDリーダは、これら
のチップにエネルギ供給することでこれらのチップを起動し、そのIDナンバーを送信さ
せる。リーダはレシーバを有し、このレシーバは上記ナンバーを読み取って、上記ナンバ
ーを表示できるか、又はシリアルナンバー情報をユーザアプリに送信でき、上記ユーザア
プリは、ユーザの意図に従ってこの情報を処理できる。
【0050】
現代的なショッピングモール又はデパートに配置された本発明のID及び登録ステーシ
ョン(これは典型的にはセルフサービス方式のチェックアウトステーションと共に配置さ
れるか、又はこれに統合されている)は、光学式形状認識技術を用いて、一意のシリアル
ナンバーが、本発明のシステム11を用いて登録されたラベル位置情報を有する製品上の
どこにあるかを識別する。このステーションはまた、デバイスに埋め込まれたRFIDチ
ップに保存された識別情報を読み取るための、RFIDリーダを備えてよい。所有権登録
はこの登録ステーションによって実施できる。これはギフトとして意図されたアイテムに
関して特に有用である。というのは、購入者が、ギフトの意図した受取人を第1の所有者
として登録でき、これによって受取人が製品を手間なく返却できるためである。明らかな
ことであるが、所有権登録は、アイテムに対する支払いが行われた後にしか許可されない
。特に中古品のアイテムでさえあるアイテムを頻繁に購入する購入者のための、携帯型の
このようなステーションを、様々な場所に配置してよい。このようなデバイスにより、商
品の真偽、即ち商品ステータスがクリアである(即ち紛失した又は盗難に遭ったことが指
示されていない)かどうか等の実証が可能となる。
【0051】
例えば、アイテムの販売者は、第1の所有者によって初めに登録されたアイテムについ
て所有権を登録していない人物に、販売を行う場合がある。アイテムが(実際的に又は感
情的に)相当な価値を有する場合、販売者は、正当な支払いを受けた後であっても、その
アイテムを盗難に遭ったものとして報告して、アイテムの回収を求める場合がある。この
問題を回避するために、システム11は、登録時の利用又は使用規約によって、全てのユ
ーザに規則を課す。このような規則は、古くからの法の原則に立ち戻る。例えば「現実所
有は所有権決定の9割(possession is 9/10ths of the
law)」であり、アイテムを所有している人物が所有者であると見なされる、又はアイ
テムを十分に長期間所有している人物が、過去の所有者に対して不法所持の権利を得る。
一部の規則は、ユーザのクラス、並びに任意にユーザの評判、信用性、及び信頼性に依存
する。位置実施形態では、ユーザは、ユーザのクラス(評判、信用性、又は信頼性)に応
じて、1年あたりに報告される紛失の特定の回数に限定される場合がある。例えば「製造
元(manufacturer)」クラスのユーザに関しては、相当多くの盗難の苦情が
許可される場合がある。個人ユーザに関してはそれがはるかに少ない。各ユーザの信用の
レベルに応じて、ユーザは、年間の苦情をより多く許可される場合があり、又はユーザに
よる事件の説明により高い信頼性が与えられる場合がある。
【0052】
当然のことながら、本発明のシステム11を用いて盗難が報告された場合、システムは
、それ以降の全ての登録に関する情報を、盗難の発生を主張する人物にとって単純に利用
可能としてはならない。購入者による反撃は、この購入者が真の所有者であるとシステム
に想定させるために十分な期間だけ以前に、該購入者が本発明のシステムを用いて自身の
購入を登録したという事実であり得る。これは、盗難を主張する人物に対して、上述の規
則のうちの1つが、盗難が発生したと主張される日から5日以内に盗難を報告しなければ
ならないことであることと、現在所有者である人物が、盗難の主張日より前に登録済み所
有権を有しているはずがないこととを想定して、盗難を報告する負荷を課す。本発明のシ
ステム11は、報告の遅延が不合理である場合にアクション(例えば盗難の報告)を誘発
及び/又は防止するため、貴重な商品の迅速な登録をはっきりと動機づける。
【0053】
その購入のためにローンが取得されたアイテム(例えば自動車)に関して先取特権が記
録されている場合、本発明のシステム11は、要求された取引の通知を先取特権保有者に
少なくとも電子メールで行うことなしに、また先取特権が返済された場合、又は貸付側の
エンティティが、新たな所有者がローンの返済の責任を引き継ぐことを受諾する場合に、
先取特権保有者が行うこのような取引を承認する人物なしに、譲渡を許可しない。
【0054】
所有を自動的に登録するために、購入後の設定された日数以内に所有権の登録に失敗し
たユーザは、基本的に広域RFIDリーダ(WA RFIDリーダ)である本発明の目録
読み取りデバイスを使用してよい。住宅又はオフィスでの標準的なIoT設備の一部であ
り得るこのWA RFIDリーダは、ある室内のパッシブRFIDデバイスを含むアイテ
ムに周期的に質問を行い、検出された数値を自動的に記録して、ユーザによるこれらのア
イテムの所有権に関連付ける(これらの数値は少なくとも、このようなアイテムを該ユー
ザが所有することを示す)。当然のことながら、伝送される情報が有効なものであるため
には、該情報は、少なくともブランド及びシリアルナンバー(又は少なくともこれら2つ
の情報を埋め込んだ単一の数値)も含んでいなければならない。このようなシステムはま
た、盗難を迅速に識別するために、アイテムが特定の場所から失われた時点を所有者に通
知できる。本発明のシステム11を用いた登録後、各ユーザは使用及び利用規約に合意し
、この使用及び利用規約は、あるアイテムがユーザ自身の財産(不法所持)であると見な
され、以前の登録済み所有者への返却の対象とされなくなるために、該ユーザが該アイテ
ムを所有できる期間を定義する。不法所持によって所有されていると見なされるほど長期
間にわたって該アイテムが所有されていない間は、この一般向けの情報は登録済み所有者
による探索のために利用できるため、不法所持の法における「公然の(open and
notorious)」所有の要件を満たす。
【0055】
本発明のスキャナは、特に警察にとって、盗難に遭った財産の位置の特定において有用
となり得る。警察はスキャンすることしか必要とせず、またこのような情報は、登録済み
所有者による探索に利用可能である。
【0056】
本発明のスキャナはまた、税関当局によって、IDが製造元のデータベースに登録され
たIDに対応しない偽物のアイテムの識別にも使用できる。
【0057】
ある意味では、本発明の盗難制御機能は、RFIDタグを衣服及び他の製品に取り付け
る(そしてこのRFIDタグを、店舗を出る前に取り外さなければならない)ショッピン
グセンターのセキュリティシステムに対する大幅な改善である。このような従来技術のシ
ステムは、2014年10月1日に出願許可された欧州登録特許第2504823B1号
「ANTI‐THEFT RFID SYSTEM AND METHOD THERE
OF)に記載されており、上記登録特許の内容は参照により本出願に援用され、本出願は
上記登録特許の内容に依拠する。これは、本発明の盗難制御機能が、スキャン結果と、質
問にもはや応答しないアイテムといったアイデンティティの変化とを比較できるためであ
る。これは、アイテムが販売されたかどうかを識別するための、販売者の目録管理データ
ベースの質問を誘発する。図7を参照すると、動作28、30は、新たなユーザが顧客ユ
ーザデバイス16a~16nを通して自身のアカウントを最初に設定するときに実施され
、ここで該ユーザに固有のプライベートキーが生成される。動作32、34では、ブロッ
クチェーン22a~22nに追加されることになる新たな資産及び識別情報が、顧客ユー
ザデバイス16a~16nを通して入力される。動作34で入力された資産情報は続いて
上記プライベートキーと組み合わされ、これにより、動作36において取引データがブロ
ックチェーンの取引の一部として暗号化され、これは制御サーバ12によって記録される
。次に制御サーバ12は、上記取引をブロックチェーン22a~22n、38に公開する
。この時点において、ブロックチェーンの取引の暗号化された部分データ(より機密性の
高い取引詳細)は、ユーザがプライベートキーを使用することによってしか回復できない
。資産の所有権情報は、現在の、又は第1の所有者によって更新でき、追加の資産情報を
上記部分データに追加できる。ユーザが資産を盗難に遭った又は紛失したものとして報告
すると、プライベートキーはユーザと、制御サーバ12に対するブロックチェーンの特定
の取引とを識別する。制御サーバ12が紛失又は盗難の通知を受信すると、ブロックチェ
ーン取引がブロックチェーン38から引き出され、公開探索記録が探索エンジン26に公
開され、ここで、資産識別情報を、紛失した資産の所有者の識別の支援において他のユー
ザが使用できる。
【0058】
図8を参照すると、ある例示的実施形態では、資産情報34は、制御サーバ12を通し
て入力されると、任意にサイドチェーン40の一部として公開できる。サイドチェーンは
、ブロックチェーン38上のトラフィックを削減するため、並びに一次ブロックチェーン
38上のブロックチェーン42の更新のコストを最小限に維持しながら性能及び速度を向
上させるために、制御サーバ12によって管理される。サイドチェーンの使用により、ブ
ロックチェーン38上の非一元型台帳を維持したまま、暗号化された資産及びユーザのプ
ライベート情報のセキュリティを向上させることができる。資産の価値に応じて様々なサ
イドチェーンを使用してよいため、登録された資産の価値に見合ったレベルのセキュリテ
ィを提供できる。
【0059】
アイテムの発見
本発明により、製品コード又はID、製品のタイプ、ブランド、写真、発見場所等とい
った何らかの特性でアイテムを説明することによって、誰もが「アイテムの発見」を報告
できる。本発明の探索エンジンは、適切な記録から最も近い一致を探索して発見者に報告
し、所有者である可能性がある人物への通知を自動的に生成する。アイテムが紛失した又
は盗難に遭ったものとして報告されていない場合、本発明のシステムは、現在の登録済み
所有者に通知する。
【0060】
他のユーザにとっての、探索エンジン26を用いて盗難に遭った又は紛失した資産を報
告してその位置を特定することに対する動機づけとして、ユーザ28からの報酬を本発明
のシステムに入力して、スマートコントラクト又は他の望ましい方法を用いて設定できる
。例えば発見者への謝礼を資産情報34を探索エンジン26に公開する際に資産情報34
と共に投稿することにより、発見された資産を報告して、システム11によって現在の所
有者としてリストアップされているユーザ28の位置を特定することに対する動機づけを
提供する。このような発見者への謝礼は、所有者が事前に支払っておくことができ、これ
により、紛失したアイテムの返却時に、この報酬を支払いに利用できる。本発明により、
製品のタイプ、ブランド、写真、発見場所等といった何らかの特性でアイテムを説明する
ことによって、誰もが「アイテムの発見」を報告できる。本発明の探索エンジンは、適切
な記録から最も近い一致を探索して発見者に報告し、所有者である可能性がある1人以上
の人物への通知を自動的に生成する。
【0061】
なお、本発明のシステムを用いて、感情的な価値を有するアイテムの位置を、これらの
アイテムが登録済みユーザによって販売された数年後に特定することもできる。ここで特
に有用なのは、現在の所有者情報であり、現在の所有者が許可すれば、過去の所有者(又
は過去の所有者に接触した人物)が現在の所有者情報を使用して、アイテムの所在をトラ
ッキングし、アイテムの購入のオファーを行うことができる。これはコレクターにとって
特に有益となり得る。
【0062】
更に、本発明が、シリアルナンバーによってアイテムの位置の特定を容易にすることが
できることにより、製造元には、現在の所有者に接触して、更新された警告、リコール又
は修理、及び定期的なサービスの通知を行う方法が提供される。
【0063】
所有権の変更
ここで図9を参照すると、元の所有者(ユーザA)702から新たな所有者(ユーザB
)704への所有権譲渡の場合、ユーザAはシステムにログインしなければならない。所
有権の変更のためには、電子メールによって、又は例えばP_Keyがロードされたデー
タスティックを提供することによって、販売者が提供したP_Keyを、入力する必要が
ある。確認後、ユーザA702は、新たな所有権の証拠をアップロードすることによって
、所有権をユーザB704に譲渡できる。入力及び確認後、アクティブなP_Keyは無
効となり、新たなP_KeyNewが生成されて、新たな所有者であるユーザB704に
送信される。
【0064】
更に本発明は、製品の所有権の変更が行われると、過去の所有者702はそれをウェブ
サイト又はモバイルアプリを用いて一元型データベースに報告しなければならず、これに
よって該アイテムの新たな所有者704がブロックチェーンに記録される、という規則を
含む。これは、所有権譲渡に関する新たなプライベートキーを生成することによって行わ
れる。
【0065】
詐欺の報告
詐欺の報告は、「アイテムの発見」に類似しているが、疑わしい人物がアイテムを販売
することによる潜在的な犯罪の意図を報告する点が追加される。
【0066】
本発明の別の態様は、システム上で行われる詐欺を回避しようとする。更に、登録済み
所有者がアイテムを紛失した又は盗難に遭ったものとして報告した後、新たな所有者がこ
のアイテムの正しいP_Keyを入力した場合に、前の所有者がアイテムを販売したにも
関わらずこのアイテムを紛失した又は盗難に遭ったものとして回復しようとすることを想
定して、前の所有者によって行われる詐欺に関するフラグが生成される。しかしながら、
本発明のシステムは、(新たな所有者がアイテムの所有者として登録された後の)前の所
有者が該アイテムを紛失した又は盗難に遭ったものとして報告するのを、前の所有者がこ
の報告を行う権利を否定することによって、自動的に防止する規則を組み込んでいること
に留意されたい。しかしながら、新たな所有者は典型的には、前の所有者がデータベース
にこれらのステータスの入力を行う権利を否定するために、登録を行わなければならない
【0067】
本発明のシステムは、影響を受ける当事者に、詐欺的な請求に関して自動的に通知を行
い、また虚偽の陳述には、適用法の下での起訴のためにフラグが付与される。
【0068】
本発明のシステム11は、いずれの完成品の部品又は成分が本物であり、(航空機等の
)いずれの機械が修理のために真正の部品を使用しており、偽物又はマイナーな製造部品
を使用していないことを保証するのに役立つ。本発明のシステム11は、一元型データベ
ースに記録された全ての製品がオリジナルであるという証明機関として機能する。
【0069】
所有権の証拠、所有権の譲渡に関する情報を、何らかの形式、即ち印刷された請求書及
び/又は正当な所有権を示す所有権の証明書若しくは同等の文書の形式で含む、本発明の
一元型データベースに、アイテムが登録されると、これは一元型のブロックチェーンベー
スのシステムに自動的に転送され、本発明の探索エンジン機能によって利用可能となる。
正当な所有権の証拠となるスキャン可能な文書が利用できない場合、ユーザは、本発明の
ダイアログボックスを介して放棄声明書に署名し、本発明のウェブサイトを通じてこれを
提出するよう要求され、これにより、この声明書をこの事実の確認として利用できる。虚
偽陳述の場合、ユーザは、いずれかの適用法によって起訴される可能性があることを警告
される。
【0070】
識別を容易にする本発明のシステム11のアクセサリとして、上記システムは、本発明
の提供者のホログラム、アイテムに関する情報を見つけることができるバーコード又はリ
ンクを含む、スキャン可能なIDステッカーを印刷する。好ましくは除去が困難な永久接
着剤を用いて、このステッカーを、アイテムの利用可能な、好ましくは露出した表面に取
り付ける。本発明のアプリを用いてスキャンすると、アイテムに関する情報をスマートフ
ォン又は他のコンピュータ内で自動的に開く、2Dバーコードを任意に含んでよく、本発
明のシステムはメニュー選択を提供し、これによりユーザは、資産の登録、又は紛失した
若しくは盗難に遭った資産の報告といった、実施したい動作を選択できる。紛失した又は
盗難に遭ったものとして報告されているアイテムは、URLへのエイリアスを追加してよ
く、これにより、2Dバーコードをスキャンすると、ウェブサイトの開始ページを開く代
わりに、該アイテムが紛失した又は盗難に遭ったものとして報告されていることを警告す
るウェブページを開き、その後、紛失及び発見報告フォームが自動的に開かれるため、問
題のある商品の迅速な識別を可能にすることによって合法的な商品の購入が大幅に促進さ
れる。任意に、本発明のシステムは、2つ以上のステッカーを印刷し、そのうちの1つは
(情報のみを提供する)単なるラベルとして符号化され、従って所有権の登録を可能とす
るものではなく、ギフトの外装に取り付ける目的のものであり、これにより、本発明のス
キャナを用いて、包装を開封する必要なしにギフトの中身を識別できる。
【0071】
別の実施形態では、IDステッカーはプログラム可能なパッシブRFIDタグとするこ
とができ、任意にこれにもまた2Dバーコードラベルが取り付けられ、このタグは、書き
込み専用モードでプログラム可能である。このようなタグは、タグを有しない資産、又は
中古で購入された資産にも取り付けることができる。シリアルナンバーをIDステッカー
に統合している場合に、このシリアルナンバーをスキャンしたとき、又は本発明のデータ
ベースに対して、若しくは製造元のうちの1つに対して(若しくはこれら両方に対して)
該シリアルナンバーをチェックするフォームに入力したとき、該シリアルナンバーが競合
するデータを示さなければ、このIDステッカーをいずれの資産に誰もが追加して、この
資産のトラッキングのプロセスを開始できる。
【0072】
ここで図10を参照すると、別の実施形態では、本発明のシステム11を用いて、銃又
は自動車の所有権を登録しなければならない管轄区域における、このようなアイテムの所
有者の識別を容易にすることができる。図示されているような銃器若しくはイグニッショ
ンキー無効化デバイス又はステアリングロックデバイス900を、銃器又は自動車に追加
してよく、これにより本発明のシステムは、本発明のシステムが「紛失又は盗難」ステー
タスの指示を受信した場合に、上記アイテムを自動的に無効化でき、このようなステータ
スは、この目的のために確保された無料の無線チャネルで、電波901によって(任意に
は定期的にのみ)同報通信される。同報通信を定期的に、また短距離で行うと、このよう
な同報通信は例えば、銀行、ガソリンスタンド、及び銃による暴力又は盗難が行われる可
能性がある他のエリアといった、注意が必要な場所において有効である。システム11は
典型的には、銃器又は自動車上のデバイス900として具体化され、これは、登録済み所
有者がアイテムを紛失した又は盗難に遭ったものとして報告した場合に、電波を介してデ
バイス900を無効化する。この電波は、この実施形態では、直線運動生成器906を電
磁的に起動し、この直線運動生成器906はラック909に取り付けられたレバー907
を作動させ、ラック909が歯車911に係合する。歯車911が回転すると、球形磁石
908がタンブラー又はプランジャー902(この実施形態ではこれ自体が磁石である)
に対してその磁性を変化させ、このタンブラー又はプランジャー902は、球形磁石90
8によって反発されるか牽引されるかに応じて、トリガー904をロックし、銃器の発砲
を防止するか、又は自動車の再始動を防止する。この実施形態では、トリガー904は、
下側部分が図面の紙面に対して出たり入ったりするように枢動するように、ピン905に
蝶番で係留され、またプランジャー902が係合できるロック用凹部914を含む。自動
車のステアリングホイール又はイグニッションをロックするように適合された変形例では
、安全性が問題となる。本発明のシステム11は、自動車が運転されている間にこの自動
車を無効にすることはできないものでなければならない。従って一実施形態では、自動車
のイグニッション916がオンである限り、無線受信機912のスイッチは、直線運動生
成器906を起動するための電力を印加せず、これによってプランジャー902によるロ
ックを防止する。この例示的実施形態では、直線運動生成器906内の電磁石(具体的に
図示せず)を起動することにより、球形磁石908を回転させ、これは磁性プランジャー
又はタンブラー902に当接でき、これらの磁石の状態を牽引から反発に(及びその逆に
)変化させることで、プランジャー又はタンブラー902を容器910内で移動させ、こ
の容器910内では、プランジャー又はタンブラー902は摺動して、銃器若しくは自動
車をロックするか、又は銃器若しくは自動車のロックを解除する。同報通信、及び無線信
号によるデバイス900の起動により、本発明のシステムは、暴力の発生前にこれを防止
でき、又はユーザによる紛失したアイテムの回復を支援する。
【0073】
ある利点として、上記システムにより、アイテムの紛失又は盗難時及びその後の発見時
にアイテムを識別できるように、アイテムを便利かつ安全な方法で登録できる。
【0074】
別の利点として、上記システムにより、アイテムが置き忘れられたか盗難に遭ったかを
判断するために、アイテムを迅速にスキャンできる。
【0075】
別の利点として、上記システムは、登録済みアイテムを発見した人物に、該アイテムを
その正当な所有者に返却するための動機づけを提供する。
【0076】
別の利点として、本発明のシステムは、後の識別又はトラッキングを容易にするために
、製品に便利にラベリングする手段を提供する。
【0077】
別の利点として、詐欺が成功する可能性が最低限に抑えられる。
【0078】
別の利点として、所有権の変更が容易に記録されることにより、販売者がアイテムを販
売する権利を有することをより強く確信できる。
【0079】
別の利点として、危険なデバイスが紛失した又は盗難に遭ったことが報告された場合に
、このようなデバイスを無効化できる。
【0080】
別の利点として、上記システムにより、アイテムのトラッキングが可能になり、アイテ
ムのステータスを、その寿命にわたって更新できる。
【0081】
別の利点として、上記システムにより、アイテムの購入者は、該アイテムが偽物ではな
いことの確信を得ることができる。
【0082】
本発明について、多くの産業的用途を策定できる。当業者であれば、ネットワークが、
データ交換のためのいずれのシステム、例えばインターネット、イントラネット、エクス
トラネット、WAN、LAN、無線ネットワーク、衛星通信等を含むことができることを
理解するだろう。ネットワークは、他のタイプのネットワーク、例えば双方向テレビネッ
トワークとして実装できることに留意されたい。ユーザは、キーボード、マウス、キオス
ク、パーソナルデジタルアシスタント、ハンドヘルドコンピュータ、携帯電話等といった
いずれの入力デバイスを介して、システムと対話できる。更に上記システムは、本明細書
に記載の機能と類似の機能を有するいずれの商品、サービス、又は情報の、使用、販売、
及び/又は配布を企図したものである。
【0083】
当業者には理解されるように、本発明は、システム、デバイス、又は方法として具体化
できる。
【0084】
本発明は、本発明の様々な態様に従って、ブロック図、デバイス、部品、及びモジュー
ルを参照して説明されている。更に上記システムは、本明細書に記載の機能と類似の機能
を有するいずれの商品、サービス、又は情報の、使用、販売、及び/又は配布を企図した
ものである。
【0085】
本明細書及び図面は、限定的なものではなく例示的なものと見なされるものとし、また
本明細書に記載の全ての修正例は、請求対象の発明の範囲内に含まれることが意図されて
いる。従って本発明の範囲は、単に上述の例によってではなく、添付の(現在存在してい
る、若しくは後に補正若しくは追加される)請求項(及びその法的均等物)によって決定
されるものとする。いずれの方法又はプロセスクレームで列記されるステップは、特段の
明示的記載がない限り、いずれの順序で実行してもよく、いずれの請求項で提示されてい
る特定の順序に限定されない。更に、装置クレームで列記される要素及び/又は部品は、
本発明と略同一の結果を生み出すために、様々な順列で組み立てる、又は機能的に構成す
ることができる。従って、本発明は、請求項に記載の特定の構成に限定されるものとして
解釈してはならない。
【0086】
HYPERLEDGER SAWTOOTH又は他のブロックチェーンAPI(他の選
択肢のリストについては上を参照)を、HYPERLEDGER FABRICの完全な
アーキテクチャの説明に使用できる。
hyperledger‐fabric.readthedocs.io/en/rel
ease‐1.4/arch‐deep‐dive.htmlを参照のこと。
【0087】
本明細書に記載の便益、他の利点及び解決策は、いずれの又は全ての請求項の重要な、
必要な、又は必須の特徴又は構成要素として解釈してはならない。
【0088】
本明細書中で使用される場合、用語「…を備える(comprise、compris
ing、又はこれらの変形)」は、要素の非包括的な列挙を指すことを意図したものであ
り、従って、要素のリストを含む本発明のいずれの装置、プロセス、方法、物品、又は組
成物は、列記されている要素しか含まないわけではなく、本明細書に記載されている要素
等の他の要素も含む場合がある。特段の明示的記載がない限り、用語「…からなる(co
nsisting of)」又は「…から本質的になる(consisting ess
entially of)」の使用は、本発明の範囲を、これらの用語以降に名称が列挙
された要素に限定することを意図したものではない。本発明の実施において使用される上
述の要素、材料、又は構造の、他の組み合わせ及び/又は修正は、本発明の一般原理から
逸脱することなく、当業者によって変更でき、又は他の設計へと適合させることができる
【0089】
上で言及した特許及び文献は、特段の記載がない限り、本開示と矛盾しない範囲で、参
照により本出願に援用される。
【0090】
本発明の他の特徴及び実行モードは、添付の請求項に記載されている。
【0091】
更に本発明は、本明細書、添付の請求項、及び/又は図面に記載されている全ての特徴
の、新規であり、進歩性を有し、また産業上利用可能であると見なされ得るあらゆる可能
な組み合わせを含むものと見なされるものとする。
【0092】
本発明の更なる特徴及び機能は、本明細書に添付された請求項に記載されている。これ
らの請求項は、参照によりその全体が本明細書に援用され、提出された出願の一部と見な
されるものとする。
【0093】
本明細書に記載の本発明の実施形態において、複数の変形及び修正が可能である。本明
細書では本発明の特定の例示的実施形態について図示及び説明したが、以上の開示におい
て、広範囲の変更、修正、及び置換が考えられる。上の説明は多数の具体的詳細を包含す
るものであるが、これらは本発明の範囲に対する限定と見なされるべきではなく、むしろ
本発明のある好ましい実施形態又は別の好ましい実施形態を例示している。場合によって
は、本発明のいくつかの特徴を、これに対応して他の特徴を使用することなく、採用して
よい。従って、上述の説明は広く解釈され、また単なる例示として理解され、本発明の精
神及び範囲は本出願において最終的に公開される請求項によってのみ限定されることが適
切である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ化された方法であって、
前記方法は、前記方法を実行するための命令を有するソフトウェアを含み、
前記命令は、機能部品を有するコンピュータシステムにロードされ、前記機能部品は、CPU;所有者、賃借人及び/又は先取特権保有者情報に関連付けられたアイテム情報が入力されるデータベースを含むメモリ;並びに前記機能部品を動作可能に相互接続するための通信インタフェース、を含み、
前記CPUは、前記命令を実行し、
更に前記方法は:
a) ユーザを、情報が前記データベースに含まれるアイテムの所有者、賃借人、及び/又は先取特権保有者として登録し、
アイテムを登録済みユーザの夫々に関連付け、前記データベースに、少なくとも所有者、賃借人、及び先取特権保有者からなる分類のグループのうちの1つに従って分類されたユーザ等の登録済みユーザの夫々に関連付けられたアイテム情報を入力し、前記登録アイテム情報を、分散型台帳に保存された情報を含むデータベースに保存するステップであって、前記アイテム情報は、少なくとも盗難ステータス、紛失・発見ステータスを、いずれの報酬情報と共に含み、
許可に基づいてユーザが前記登録済みアイテム情報を更新又は質問に利用できるようにするステップであって、該ステップは、関連するメニュー選択が行われたときに、前記所有者及び賃借人及び先取特権保有者が、アイテムを探索できる、及び前記アイテムと関連するアイテムを紛失、発見、妨害、又は盗難として報告し、前記データベースに変更を生じさせることを含む;及び
b)前記データベースへの制限されたアクセス権に関連付けられて一般人を登録するステップであって、前記一般人は、情報が前記データベースに含まれるアイテムの所有者、賃借人、または先取特権保有者ではなく、前記一般人は、情報が前記データベースに含まれるアイテムの所有者、賃借人、及び先取特権保有者とは異なる方法で登録され、
許可に基づいてユーザが前記登録済みアイテム情報を更新又は質問に利用できるようにする前記ステップは、基本的なアイテム情報、及び前記アイテムの紛失、盗難、又は先取特権ステータスを閲覧することで前記データベースにおけるアイテムの前記紛失、盗難、又は先取特権ステータスを判断することを前記一般人に許可することをさらに含む、
のための命令を含む、方法。
【請求項2】
前記登録済みアイテム所有者によって、アイテムが紛失した又は盗難に遭ったことが報告されると、前記方法は更に、任意に前記報告をアップロードできるか、又は前記報告を警察のレポート若しくは警察のファイル番号と関連付けることができる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
識別情報、保証情報、所有権情報、所有権の証拠、リコールステータス、メンテナンス履歴、使用期限情報、シリアルナンバー、製造情報、製品説明、アイテム位置、及び先取特権情報からなる情報タイプのグループから選択される更なるアイテム情報を、関連する許可を有するユーザが、前記アイテムに関連付けて保存してよい、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法により、ユーザのアクセス権又は前記ユーザの分類に基づいて、前記ユーザは前記データベースに接続して問い合わせを行うことができ、前記ユーザが、上位の使用特権を有しない一般人として分類される場合、前記ユーザにインタフェースを提供して、前記ユーザがアイテムのステータスを限定的に質問することにより、前記ユーザがアイテムの紛失、盗難、又は先取特権ステータスを少なくとも判断できるようにし、また前記ユーザが上位の許可を有する人物、例えば所有者、賃借人、又は先取特権保有者として分類される場合、前記ユーザが、アイテム情報にアクセスして、前記ユーザの許可に応じて、アイテムを、紛失したもの、発見されたもの、抵当に入れられたもの、又は盗難に遭ったものとして登録できるようにする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
アクセス権は、IDプロトコルによって、問い合わせ、規則、及び既知のアイテムステータスに基づいて決定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記IDプロトコルは前記ユーザのアカウントをチェックして、アイテムが前記ユーザによって所有されているものとして登録されているかどうかを確認し、登録されている場合に、前記ユーザにアカウントマネージャーインタフェースへのアクセスを提供することにより、前記ユーザが前記ユーザのアカウント内のアイテムを管理(即ち更新又は編集)できるようにする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
必要な許可を有するユーザが、タイプ、ブランド、シリアルナンバー、QRコード等といった特定の探索パラメータを入力することによって、移動体デバイス又は他のいずれのコンピュータシステムを用いてアイテムを探索及び識別して、アイテムステータスを「良好(good)」、「紛失(lost)」、又は「盗難(stolen)」として実証できるようにする、更なるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
更に、必要な許可を有するユーザが、アイテムステータスを「修理/メンテナンス(repair/maintenance)」、「使用期限(end of life)」、「欠陥(defect)」、又は「破壊(destroyed)」へと変更できるようにする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記アイテムは、腕時計、宝石、ハードウェア、芸術作品、楽器、自動車からなる物理的なアイテムのグループから選択される物理的なアイテムである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記データベースのデータはクラウドに保存される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記データベースのデータは少なくとも部分的にサイドチェーンに保存される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、制御サーバ、1つ以上の信頼できるパートナーのサーバ、及び1つ以上の顧客ユーザデバイスを含むシステム上で実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記システムは複数の制御サーバを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記システムの部品は、ネットワーク、任意に、典型的にはTCP/IPを介して通信を行うローカルエリアネットワークと広域ネットワークとのいずれの組み合わせを介して、接続される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの制御サーバ及びいずれの前記信頼できるパートナーのサーバは、安全なデータ保存のための分散型台帳ブロックチェーンを実現できるソフトウェアのインスタンスを実行する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記コンピュータシステムが、登録済み所有者又は賃借人から、無線制御式無効化デバイスが組み込まれたアイテムが紛失した又は盗難に遭ったことの通知を受信すると、前記システムは、前記アイテムの無効化を開始する無線信号を送出する、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記分散型台帳は、公開ブロックチェーン、プライベートブロックチェーン、連合型ブロックチェーン、許可型ブロックチェーン、及び自由参加型ブロックチェーンからなるブロックチェーンのリストから選択されるブロックチェーンである、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【外国語明細書】