(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081727
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】タバコ成分放出部材、該部材の製造方法および該部材を含む物品
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20240611BHJP
【FI】
A24F40/42
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024051494
(22)【出願日】2024-03-27
(62)【分割の表示】P 2021541118の分割
【原出願日】2020-01-16
(31)【優先権主張番号】1900627.9
(32)【優先日】2019-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】リンク、マティアス
(72)【発明者】
【氏名】イルマズ、ウグルハン
(72)【発明者】
【氏名】フランケ、ディートマー
(72)【発明者】
【氏名】プラックハーン、フランク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】タバコ成分放出部材を調製する方法、およびタバコ成分放出部材を含むタバコ産業製品を提供する。
【解決手段】タバコ粒子を含む前駆体組成物から形成された凝集構造体を含むタバコ成分放出部材であって、燃焼を伴わずに前記部材を加熱した際のタバコ成分の放出は、(i)前記部材の表面積対体積比および(ii)含まれる1種以上のエアロゾル形成剤の量のうちの少なくとも一方を調整することで制御される、タバコ成分放出部材。前記1種以上のエアロゾル形成剤は、前記部材の約3重量%~約30重量%の量、好ましくは前記部材の約15重量%~約30重量%の量で含まれることを特徴とするタバコ成分放出部材。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ粒子を含む前駆体組成物から形成された凝集構造体を含むタバコ成分放出部材であって、燃焼を伴わずに前記部材を加熱した際のタバコ成分の放出は、(i)前記部材の表面積対体積比および(ii)含まれる1種以上のエアロゾル形成剤の量のうちの少なくとも一方を調整することで制御される、タバコ成分放出部材。
【請求項2】
前記1種以上のエアロゾル形成剤は、前記部材の約3重量%~約30重量%の量、好ましくは前記部材の約15重量%~約30重量%の量で含まれることを特徴とする請求項1に記載のタバコ成分放出部材。
【請求項3】
タバコ粒子、および少なくとも1種のエアロゾル形成剤を少なくとも10重量%含む前駆体組成物から形成された凝集構造体を含み、前記部材内に1つ以上の凹凸表面および/または流路を有し、前記部材内のタバコは塩基性pHを示さない、タバコ成分放出部材。
【請求項4】
前記部材を通り抜ける1つ以上の内部流路を有することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載のタバコ成分放出部材。
【請求項5】
スポークホイールまたは星形断面形状を有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のタバコ成分放出部材。
【請求項6】
前記凝集構造体が押出成形により形成されることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載のタバコ成分放出部材。
【請求項7】
前記エアロゾル形成剤が、グリセリン、プロピレングリコールおよび三酢酸グリセリルからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載のタバコ成分放出部材。
【請求項8】
前記部材が1種以上のエアロゾル形成剤で含浸されており、および/またはタバコ粒子が1種以上のエアロゾル形成剤で含浸されていることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載のタバコ成分放出部材。
【請求項9】
少なくとも50重量%のタバコ粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載のタバコ成分放出部材。
【請求項10】
タバコ粒子とエアロゾル形成剤との組み合わせを少なくとも80重量%含むことを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載のタバコ成分放出部材。
【請求項11】
前記タバコ粒子が0.5mm以下の平均直径を有し、好ましくは、タバコ粒子が約0.1~約0.4mmの範囲内の平均粒子サイズを有することを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項記載のタバコ成分放出部材。
【請求項12】
ほぼロッド形状の外形を有することを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載のタバコ成分放出部材。
【請求項13】
約4mm~約10mm、好ましくは約5mm~約8mmの直径を有することを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項記載のタバコ成分放出部材。
【請求項14】
約5mm~約80mm、好ましくは約10mm~約25mmの長さを有することを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載のタバコ成分放出部材。
【請求項15】
前記部材が塩基性pHを示さない、および/または前記前駆体組成物が塩基性pHを示さないことを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項記載のタバコ成分放出部材。
【請求項16】
前記前駆体組成物が塩基性pH調整剤を含まないことを特徴とする請求項1乃至15いずれか1項記載のタバコ成分放出部材。
【請求項17】
1種以上の結合剤をさらに含み、好ましくはこの1種以上の結合剤は、デンプン、多糖、ペクチン、セルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、およびアルギン酸塩からなる群から選択されることを特徴とする請求項1乃至16いずれか1項記載のタバコ成分放出部材。
【請求項18】
前記部材が、タバコ粒子の凝集を補助する結合剤を含まないことを特徴とする請求項1乃至16いずれか1項記載のタバコ成分放出部材。
【請求項19】
1種以上の風味変性剤をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至18いずれか1項記載のタバコ成分放出部材。
【請求項20】
タバコ粒子を含む前駆体組成物から凝集構造体を形成することを含む、タバコ成分放出部材を調製する方法であって、(i)前記部材の表面積対体積比、および(ii)含まれる1種以上のエアロゾル形成剤の量の少なくとも一方を調節することで、燃焼を伴わずに前記部材を加熱すると、タバコに含まれる成分の所望の放出が提供される、タバコ成分放出部材を調製する方法。
【請求項21】
前記タバコ成分放出部材が、請求項1乃至19いずれか1項記載されたものであることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
タバコ粒子および少なくとも1種のエアロゾル形成剤を少なくとも10重量%含む前駆体組成物から凝集構造体を押出成形により形成することを含む、タバコ成分放出部材を調製する方法であって、押出成形後のタバコ成分放出部材は、前記部材内に1つ以上の凹凸表面および/または流路を有し、前記部材内のタバコのpHを塩基性pHの範囲内に調整することを含まない、タバコ成分放出部材を調製する方法。
【請求項23】
前記前駆体組成物は押し出されて前記凝集構造体を形成することを特徴とする請求項20乃至22いずれか1項記載の方法。
【請求項24】
前記前駆体組成物はダイから押し出されて、前記部材を通り抜ける1つ以上の内部流路を提供することを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記前駆体組成物はダイから押し出されて、前記部材にスポークホイールまたは星形断面形状を提供することを特徴とする請求項23または24記載の方法。
【請求項26】
前記前駆体組成物は約40℃~約120℃の温度に加熱されることを特徴とする請求項23乃至25いずれか1項記載の方法。
【請求項27】
前記前駆体組成物は、押出中または押出後に冷却され、好ましくは、前記前駆体組成物は、約5℃~約15℃の温度を有する表面へ晒すことにより冷却されることを特徴とする請求項23から26いずれか1項記載の方法。
【請求項28】
前記部材および/または前駆体組成物のpHが塩基性pHに調整されていないことを特徴とする請求項20乃至27いずれか1項記載の方法。
【請求項29】
前記前駆体組成物は塩基性pH調整剤を含まないことを特徴とする請求項20乃至28いずれか1項記載の方法。
【請求項30】
タバコ粒子および1種以上のエアロゾル形成剤を含む前駆体組成物から形成された凝集構造体を有するタバコ成分放出部材の調製において、(i)前記部材の表面積対体積比、および(ii)含まれる1種以上のエアロゾル形成剤の量の少なくとも一方を選択する工程の使用であって、燃焼を伴わずに前記部材を加熱すると、タバコに含まれる成分の所望の放出を伴うタバコ成分放出部材を提供する工程の使用。
【請求項31】
前記タバコ成分放出部材が、請求項1乃至19いずれか1項に記載されている通りであることを特徴とする請求項30記載の使用。
【請求項32】
前記凝集構造体を形成して、前記部材を通り抜ける1つ以上の内部流路を提供することで、部材の表面積対体積比が増加することを特徴とする請求項30または31に記載の使用。
【請求項33】
前記部材はスポークホイールまたは星形断面形状を有することを特徴とする請求項30乃至32いずれか1項記載の使用。
【請求項34】
前記部材および/または前駆体組成物のpHは塩基性pHに調整されていないことを特徴とする請求項30乃至33いずれか1項記載の使用。
【請求項35】
前記前駆体組成物は塩基性pH調整剤を含まないことを特徴とする請求項30乃至34いずれか1項記載の使用。
【請求項36】
フィルターと喫煙材ロッドとを含む喫煙品であって、フィルターは請求項1乃至19いずれか1項記載のタバコ成分放出部材を含む喫煙品。
【請求項37】
タバコ成分放出部材を含む燃焼性喫煙品用のフィルターまたはフィルターエレメントであって、前記タバコ成分放出部材は、タバコ粒子を含む前駆体組成物を押出成形で形成された凝集構造体を含み、前記タバコ成分放出部材は前記喫煙品の使用時に主流煙に風味を送出し、前記部材および/または前駆体組成物のpHは塩基性pHに調整されていない喫煙品用のフィルターまたはフィルターエレメント。
【請求項38】
請求項1乃至19いずれか1項記載のタバコ成分放出部材を含む燃焼性喫煙品用のフィルターまたはフィルターエレメント。
【請求項39】
請求項1乃至19いずれか1項記載の1つ以上のタバコ成分放出部材を含む喫煙材の少なくとも1種の成分を、燃焼を伴わずに加熱して揮発させる装置。
【請求項40】
蒸気を形成するのに加熱される液体をさらに含み、この液体はニコチンを含まなくてもよいことを特徴とする請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記喫煙材は前記蒸気により加熱されることを特徴とする請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記液体を加熱して蒸気を形成する手段を含むが、前記喫煙材を加熱する別個の手段を含まないことを特徴とする請求項40または41記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凝集構造体のタバコ粒子を含むタバコ成分放出部材に関する。また本発明は、このタバコ成分放出部材を含むタバコ産業製品、およびこのタバコ成分放出部材を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼を伴わずに加熱するとタバコ成分が放出されるタバコ成分の供給源を提供することが知られている。そのような供給源に関連する欠点に、例えば、タバコ成分の放出の制御が不十分なことや、製品の通常の使用中に比較的小さな割合の成分しか放出されないことがあげられる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様では、タバコ粒子を含む前駆体組成物から形成された凝集構造体を含むタバコ成分放出部材が提供され、燃焼を伴わずに部材を加熱した際のタバコ成分の放出は、(i)前記部材の表面積対体積比および(ii)含まれる1種以上のエアロゾル形成剤の量のうちの少なくとも一方を調節することで制御される。
【0004】
実施態様によっては、前記1種以上のエアロゾル形成剤は、前記部材の約3重量%~約30重量%の量、好ましくは、約15重量%~約30重量%の量で含まれる。
【0005】
本発明の第2の態様では、タバコ粒子、および少なくとも1種のエアロゾル形成剤を少なくとも10重量%含む前駆体組成物から形成された凝集構造体を含む、タバコ成分放出部材が提供される。このタバコ成分放出部材は部材内に1つ以上の凹凸表面および/または流路を有し、部材内のタバコは塩基性pHを示さない。
【0006】
実施態様によっては、前記タバコ成分放出部材は、部材を通る1つ以上の内部流路を有する。
【0007】
実施態様によっては、前記タバコ成分放出部材は、スポークホイールまたは星形断面形状を有する。
【0008】
実施態様によっては、前記凝集構造体は、押出成形により形成される。
【0009】
実施態様によっては、前記1種以上のエアロゾル形成剤は、グリセリン、プロピレングリコール、および三酢酸グリセリルからなる群から選択される1種以上である。
【0010】
実施態様によっては、前記タバコ成分放出部材は、1種以上のエアロゾル形成剤で含浸されており、および/またはタバコ粒子は1種以上のエアロゾル形成剤で含浸されている。
【0011】
実施態様によっては、前記タバコ成分放出部材は少なくとも50重量%のタバコ粒子を含む。
【0012】
実施態様によっては、前記タバコ成分放出部材はタバコ粒子とエアロゾル形成剤との組み合わせを少なくとも80重量%含む。
【0013】
実施態様によっては、前記タバコ粒子は、0.5mm以下の平均直径を有し、好ましくは、タバコ粒子は、約0.1~約0.4mmの範囲内の平均粒子サイズを有する。
【0014】
実施態様によっては、前記タバコ成分放出部材は、ほぼロッド状の外形を有する。
【0015】
実施態様によっては、前記タバコ成分放出部材は、約4mm~約10mm、好ましくは約5mm~約8mmの直径を有する。
【0016】
実施態様によっては、前記タバコ成分放出部材は、約5mm~約80mm、好ましくは約10mm~約25mmの長さを有する。
【0017】
実施態様によっては、前記タバコ成分放出部材は塩基性pHを示さず、および/または前記前駆体組成物は塩基性pHを示さない。
【0018】
実施態様によっては、前記前駆体組成物は塩基性pH調整剤を含まない。
【0019】
実施態様によっては、前記タバコ成分放出部材は1種以上の結合剤をさらに含み、好ましくは、1種以上の結合剤は、デンプン、多糖、ペクチン、セルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、およびアルギン酸塩からなる群から選択される。
【0020】
実施態様によっては、前記タバコ成分放出部材はタバコ粒子の凝集を補助するめの結合剤を含まない。
【0021】
実施態様によっては、前記タバコ成分放出部材は1種以上の風味変性剤をさらに含む。
【0022】
本発明の第3の態様では、タバコ粒子を含む前駆体組成物から凝集構造体を形成することを含む、タバコ成分放出部材を調製する方法が提供され、(i)部材の表面積対体積比、および(ii)含まれる1種以上のエアロゾル形成剤の量の少なくとも一方を調節することで、燃焼を伴わずに前記部材を加熱すると、タバコに含まれる成分の所望の放出が提供される。
【0023】
実施態様によっては、この方法は、第1の態様によるタバコ成分放出部材を調製するためのものである。
【0024】
本発明の第4の態様では、タバコ粒子および少なくとも1種のエアロゾル形成剤を少なくとも10重量%含む前駆体組成物から凝集構造体を押出成形により形成することを含む、タバコ成分放出部材を調製する方法が提供され、押出成形後のタバコ成分放出部材は部材内に1つ以上の凹凸表面および/または流路を有し、かつ、この方法は、部材内のタバコのpHを塩基性pHに調整することを含まない。
【0025】
この方法の実施態様によっては、前記前駆体組成物は押出し成形されて、凝集構造体を形成する。
【0026】
この方法の実施態様によっては、前記前駆体組成物はダイから押し出されて、部材を通り抜ける1つ以上の内部流路を提供する。
【0027】
この方法の実施態様によっては、前記前駆体組成物は、ダイから押し出されて、スポークホイールまたは星形断面形状有する部材を提供する。
【0028】
この方法の実施態様によっては、前記前駆体組成物は、約40℃~約120℃の温度に加熱される。
【0029】
この方法の実施態様によっては、前駆体組成物は、押出成形中または押出成形後に冷却され、好ましくは、前駆体組成物は、約5℃~約15℃の温度を有する表面への曝露により冷却される。
【0030】
この方法の実施態様によっては、部材および/または前駆体組成物のpHは、塩基性pHに調整されない。
【0031】
この方法の実施態様によっては、前駆体組成物は塩基性pH調整剤を含まない。
【0032】
本発明の第5の態様では、タバコ粒子および1種以上のエアロゾル形成剤を含む前駆体組成物から形成された凝集構造体を有するタバコ成分放出部材の調製において、(i)部材の表面積対体積比、および(ii)含まれる1種以上のエアロゾル形成剤の量の少なくとも一方を選択する工程の使用が提供され、燃焼を伴わずに前記部材を加熱すると、タバコに含まれる成分の所望の放出を伴うタバコ成分放出部材を提供する。
【0033】
実施態様によっては、その使用は、第1の態様によるタバコ成分放出部材を調製することである。
【0034】
使用の実施態様によっては、前記部材の表面積対体積比は、部材を通り抜ける1つ以上の内部流路を供するのに凝集構造体を形成することで増加する。
【0035】
使用の実施態様によっては、前記部材は、スポークホイールまたは星形断面形状を有する。
【0036】
使用の実施態様によっては、前記部材および/または前駆体組成物のpHは、塩基性pHに調整されない。
【0037】
使用の実施態様によっては、前記前駆体組成物は、塩基性pH調整剤を含まない。
【0038】
本発明の第6の態様では、フィルターおよび喫煙材ロッドを含む喫煙品が提供され、前記フィルターは、第1の態様によるタバコ成分放出部材を含む。
【0039】
本発明の第7の態様では、タバコ成分放出部材を含む燃焼性喫煙品用のフィルターまたはフィルターエレメントが提供され、前記タバコ成分放出部材は、タバコ粒子を含む前駆体組成物を押出成形で形成される凝集構造体を含み、このタバコ成分放出部材は、喫煙品の使用時に主流煙に風味を送出し、前記部材および/または前駆体組成物のpHは塩基性pHに調整されていない。
【0040】
実施態様によっては、前記燃焼性喫煙品用のフィルターまたはフィルターエレメントは、第1の態様によるタバコ成分放出部材を含む。
【0041】
本発明の第8の態様では、燃焼を伴わずに喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させる装置が提供され、この喫煙材は、第1の態様による1種以上のタバコ成分放出部材を含む。
【0042】
実施態様によっては、前記装置は、蒸気を形成するのに加熱される液体をさらに含み、この液体はニコチンを含まなくてもよい。
【0043】
この装置の実施態様によっては、前記喫煙材は蒸気により加熱される。
【0044】
この装置の実施態様によっては、前記液体を加熱して蒸気を形成する手段が含まれるが、喫煙材を加熱する別個の手段は含まれない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
以下に、本発明の実施態様を、添付の図面を参照して、例示目的でのみ説明する。
【0046】
【
図1】本発明の実施態様による方法の主要工程を示すフローチャートである。
【
図2a】内部流路を有する押出凝集体を形成するためのノズル設計の例を示す。
【
図2b】内部流路を有する押出凝集体を形成するためのノズル設計の例を示す。
【
図2c】内部流路を有する押出凝集体を形成するためのノズル設計の例を示す。
【
図2d】そのようなダイを用いて押出凝集体を成形する方法を示す。
【
図2e】そのようなダイを用いて押出凝集体を成形する方法を示す。
【
図3】異なる断面形状の内部流路を有する一連の押出凝集体を示す。
【
図4a】押出成形で顆粒を製造するのに使用されるダイの一例を示す。
【
図4b】そのようなダイを用いて押出凝集体を形成する方法を示す。
【
図6】喫煙材を加熱して、タバコ成分放出部材を含む喫煙材の少なくとも1化学成分を揮発させるタバコ加熱製品の概略断面図である。
【
図7】喫煙材を加熱して、タバコ成分放出部材を含む喫煙材の少なくとも1化学成分を揮発させるハイブリッド装置の概略図である。
【
図8】複数のタバコ成分放出部材を含むカートリッジの一例の概略断面図である。
【
図9】複数のタバコ成分放出部材を含むフィルターを含む燃焼性喫煙品の概略態様図である。
【
図10】単一のタバコ成分放出部材を含むフィルターを含む燃焼性喫煙品の概略態様図である。
【
図11】複数のセグメントからなるフィルターを含み、1つのフィルターセクションがタバコ成分放出部材である、燃焼性喫煙品の概略態様図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明は、タバコ粒子から形成されたタバコ成分放出部材に関する。これらの部材は、風味料やニコチンを含むタバコ成分を放出することができる。それらはまた、放出される他の材料の担体としても機能させてもよい。このタバコ成分放出部材は、さまざまなタバコ産業製品への組み込みに適している。
【0048】
放出された成分の少なくともいくつかは、前記部材を形成するのに使用されるタバコ粒子に直接由来する。実施態様によっては、さらなる材料を放出用部材に加えることができる。これらのさらなる材料は、例えば、タバコ粒子に直接由来するものを補足するのに添加されるタバコに含まれる成分も含んでもよい。その代わりにあるいはそれに加えて、放出用部材に添加されるさらなる材料は、タバコ由来のものでなくてもよい。例えば、この部材は、実施態様によっては、タバコに由来しないものを含む他の風味料をも担持かつ放出してもよい。
【0049】
タバコ産業製品に組み込まれる、タバコ成分放出部材は、使用中に前記製品により生成されるエアロゾルを変性することができる。必要に応じて加熱することで部材を通り抜ける空気またはエアロゾルの流れは、部材からの材料の放出を引き起こす。放出される材料は、実施態様によっては、風味料および香料などのタバコに含まれる成分、ならびにニコチンなどの他のタバコ由来材料を含んでもよく、放出される材料がタバコ成分放出部材に含まれる場合、タバコに由来しないかあるいはタバコ粒子に由来しない材料が部材に含まれる。
【0050】
放出された材料は、空気またはエアロゾルに取り込まれて、それを変性する。実施態様によっては、タバコ産業製品により生成されるエアロゾルの風味、香り、または味は、タバコ成分放出部材により変性される。実施態様によっては、エアロゾルは、天然タバコの風味料および香料で強化されている。それに加えてあるいはその代わりに、エアロゾルは、風味料または風味料源がタバコ成分放出部材に組み込まれる結果として、非タバコ風味料で変性される。さらなる実施態様において、エアロゾルは、ニコチンの添加により変性されてもよい。さらに別の実施態様では、エアロゾルの口当たりは、タバコ成分放出部材により放出されるエアロゾル形成剤などの材料により変性されてもよい。
【0051】
タバコ成分放出部材は、タバコ粒子を含む前駆体組成物から形成された凝集構造体である。これは、部材が、複数の粒子を互いに融合または接着することで形成された塊またはクラスターであることを意味する。構成粒子には、タバコ粒子が含まれる。実施態様によっては、他の材料の粒子も含まれていてもよい。
【0052】
本発明の重要な態様は、タバコ成分放出部材からの材料の放出が、それを組み込むタバコ産業製品の特定の要件に制御かつ適合され得ることである。特に、放出の速度と程度を制御することが望ましい。材料の放出は、タバコ産業製品の使用中に所望の風味特性ならびに所望の感覚的経験を提供するための鍵である。特に、製品の使用開始後の放出をいかに早くし、放出を長持ちさせ、かつ放出の一貫性を制御することが望ましい場合がある。タバコ成分放出部材に含まれる放出される材料のかなりの割合が、確実にタバコ産業製品の通常の使用中に実際に放出されるようにすることも重要である。
【0053】
タバコ粒子を含む前駆体組成物から形成された凝集構造体を含むタバコ成分放出部材が提供され、燃焼を伴わずに部材を加熱した際のタバコ成分の放出は、(i)部材の表面積対体積比および(ii)含まれる1種以上のエアロゾル形成剤の量の少なくとも一方を調整することで制御される。
【0054】
タバコ産業製品(部材は加熱されるが燃焼されない)で使用中に部材からタバコ成分および他の材料の放出を改善するために、部材は高表面積対体積比を有することが望ましい。タバコ成分放出部材の表面積が増加すると、タバコに含まれる成分および他の材料の放出が増加する。表面積対体積比の増加は、より多くのタバコに含まれる成分および他の材料が部材の表面により近くに配置されることを意味し、その結果、それらはより容易に加熱かつ放出され、より多くの割合が放出される。本明細書で使用される場合、増加した表面積または増加した表面積対体積比は、ほぼ球形か、円筒形の棒形状または同じ体積を有する固体構造の表面積との比較で示す。
【0055】
以下により詳細に説明するように、タバコ成分放出部材の形状は、例えば、凹凸表面を形成するか部材内に流路を形成して表面積対体積比を増加させるように選択してもよい。放出されるタバコ成分および他の材料の部材の表面からの距離を短くして、これらの材料の多くが、凝集構造体内に閉じ込められたままになるのではなく、タバコ産業製品の使用中に放出されるようにすることが望ましい。タバコに含まれる成分および他の材料がタバコ成分放出部材の表面に近接することで、部材が加熱されると、より容易に加熱されて揮発するので、材料が制御された方法で放出される。
【0056】
タバコ成分放出部材の表面積、従ってタバコに含まれる成分および他の材料の放出もまた、凝集構造体内の細孔の存在により増加させてもよい。そのような細孔は、凝集構造体の密度を低下させ、タバコ成分放出部材全体に亘る熱伝達を増強する。実施態様によっては、細孔は、前駆体組成物に多孔質材料を含めることで形成することができる。より大きな直径のタバコ粒子および/または狭い粒子サイズ分布を有するタバコ粒子を選択することはまた、凝集構造体内の小さな空隙または細孔の形成を増強することができる。これとは別にあるいはそれに加えて、例えば、構造に穴を開けて、または凝集構造体の1つ以上の部分を選択的に除去して、凝集構造体が前駆体組成物から作製された後、細孔が凝集構造体に形成されてもよい。
【0057】
従って、タバコ成分放出部材の形状および多孔性/密度の組み合わせを選択して、表面積対体積比を制御し、および/または(i)熱伝達速度、(ii)エアロゾル生成率、(iii)エアロゾルの生成量、(iv)タバコに含まれる成分およびその他の物質の放出の程度を制御することができる。
【0058】
本発明によるタバコ成分放出部材は、少なくとも1種のエアロゾル形成剤を含む。エアロゾルの口当たりをよくするためにエアロゾル形成剤を使用することが知られている。タバコ加熱製品に含まれるものなど、タバコ部材あるいは材料に含まれるエアロゾル形成剤の量は、エアロゾル形成剤は一般に液体形体で、添加された形成剤はタバコ材料の表面に存在するので制限される傾向がある。その結果、実際には、約10重量%を超えるエアロゾル形成剤を含有させると、材料の取り扱いおよび処理が困難になる。
【0059】
しかしながら、以下でより詳細に考察するように、本発明の実施態様では、より大量のエアロゾル形成剤を含有させることが可能である。これは、エアロゾル形成剤量の選択の自由度が高くなるので、タバコ成分の放出およびタバコ成分放出部材からの他の材料の放出を制御または調整するのに使用されてもよい。タバコ成分放出部材の加熱(燃焼ではなく)の結果としてエアロゾルの形体でエアロゾル形成剤が放出されると、部材が組み込まれたタバコ産業製品により生成されるエアロゾルの特性が改善されるだけでなく、また、部材からのタバコに含まれる成分やその他の材料の放出も促進される。これは特に、タバコおよび/または凝集構造体がエアロゾル形成剤で含浸されている場合である。
【0060】
エアロゾル形成剤の量は、エアロゾルが生成される速度にも影響を及ぼす。
【0061】
エアロゾル形成剤は、例えば、ポリオールエアロゾル発生剤または非ポリオールエアロゾル発生剤、好ましくは非ポリオールエアロゾル発生剤である。それは、室温で固体または液体であってもよいが、好ましくは、室温で液体である。適切なポリオールには、ソルビトール、グリセリン、およびプロピレングリコールまたはトリエチレングリコールのようなグリコールが含まれる。適切な非ポリオールには、一価アルコール、高沸点炭化水素、乳酸などの酸、およびジアセチン、トリアセチン、クエン酸トリエチルまたはミリスチン酸イソプロピルなどのエステルが含まれる。エアロゾル形成剤の組み合わせを、等しいまたは異なる比率で使用することができる。グリセリン、プロピレングリコールおよび三酢酸グリセリル(トリアセチンとしても知られている)が特に好ましい。
【0062】
本発明において、タバコに含まれる成分または他の材料の放出は、タバコおよび/または前駆体組成物またはタバコ成分放出部材のpHを調整することでは制御されない。このようなpH調整は、成分の性質を変える可能性があり、一部の法域では一部の製品の規制の観点から望ましくないか、受け入れられない場合がある。
【0063】
タバコ粒子
前駆体組成物中に存在するタバコ粒子は、複数のそのような粒子が凝集して、それらの意図された用途に基づいて所望の寸法を有するタバコ成分放出部材を確実に形成するのに十分小さいサイズを有する。タバコ粒子が小さくなると、表面積対体積比は大きくなり、より大きなサイズの粒子に比べて、タバコ成分の放出が増強される。
【0064】
さらにタバコ粒子(および前駆体組成物中の他の粒子)のサイズは、凝集構造体およびタバコ成分放出部材の多孔性と密度に影響を及ぼす。従って、タバコ粒子のサイズを、より多孔性の凝集構造体を生成するように選択することができ、この構造体はタバコ成分の放出に影響を及ぼす。従って、タバコ粒子のサイズは、タバコ成分の放出に影響を及ぼすべく調整できる別の要因である。
【0065】
凝集構造体を形成するのに使用される押出成形法は、押し出される組成物内の粒子のサイズに影響を与える可能性がある。従って、タバコ粒子を含む前駆体組成物中の粒子は、ふるい分け測定で、約0.5mm以下の平均粒子サイズを有するか、または約0.3mm以下の平均粒子サイズを有することが望ましい。実施態様によっては、前駆体組成物中のタバコ粒子は、ふるい分け測定で、約0.5mm以下の平均粒子サイズを有するか、または約0.3mm以下の平均粒子サイズを有することが望ましい。実施態様によっては、平均粒子サイズは、約0.1~約0.4mmの範囲内、または約0.2~約0.3mmの範囲内である。実施態様によっては、前駆体組成物の粒子の少なくとも約90%は、0.1~0.5mmの範囲内の粒子サイズを有する。実施態様によっては、前駆体組成物のタバコ粒子の少なくとも約90%は、0.1~0.5mmの範囲内の粒子サイズを有する。実施態様によっては、前駆体組成物中の粒子はどれも1mmを超える粒子サイズを有さない。
【0066】
タバコ成分放出部材に含まれるタバコ粒子は、タバコ材料を破砕、細断、切断、または粉砕して形成される。そのようなタバコ粒子を製するのに適切な機械には、例えば、シュレッダー、カッター、またはハンマーミル、ローラーミルまたは他のタイプの市販の粉砕機などのミルが含まれる。
【0067】
いかなる特定の理論に拘束されることを望まないが、タバコ粒子を形成するためのタバコを切り刻むと、揮発性風味料および芳香成分、ならびにニコチンを含むタバコ成分の放出を増強すると推測される。タバコ粒子の表面積の増加も揮発を助けると考えられている。タバコ粒子を細かくすると、他の成分と共形成された凝集構造体の均一性の改善に繋がる。
【0068】
タバコ粒子を形成するのに使用されるタバコ材料は、任意の種類のタバコおよびタバコ葉身、茎、柄、葉脈、小片および短い物、またはそれらの2つ以上の混合物を含む、タバコ植物の任意の部分であればよい。適切なタバコ材料には、バージニアまたは乾燥タバコ葉、バーリータバコ、オリエンタルタバコ、またはタバコ材料のブレンド(ここにリストされているものを任意に含む)などの種類が含まれる。タバコは、ドライアイス膨張タバコ(DIET)のように膨張させるか他の手段で処理することができる。実施態様によっては、タバコ材料は、再生タバコ材料でもよい。タバコは、前処理されていても処理されていなくてもよく、例えば、未加工の茎(solid stem: SS)、細断乾燥茎(shredded dried stem:SDS)、蒸気処理された茎(steam treated stem: STS)、またはそれらの任意の組み合わせでもよい。タバコ材料は、発酵、硬化、未硬化、トースト、または他の方法で前処理してもよい。
【0069】
前駆体組成物の追加成分
実施態様によっては、前駆体組成物は、希釈剤を含む。希釈剤は、固体または液体の形体のどちらでもよい。実施態様によっては、希釈剤は不活性または実質的に不活性である。
【0070】
実施態様によっては、前駆体組成物から形成された凝集構造体は、不活性充填剤材料の粒子を前駆体組成物に含めることで、その表面積が大きくなる。好適な不活性充填剤は、多孔性または非多孔性のいずれでもよい。
【0071】
実施態様によっては、前駆体組成物は、結合剤または結合添加剤を含まない。他の実施態様では、前駆体組成物は、結合剤または結合添加剤を含む。結合添加剤は、タバコ粒子が互いに、さらに組成物中の他の成分に付着するのを補助することで、凝集構造体の形成を補助するように選択することができる。適切な結合添加剤には、例えば、デンプン、多糖類、ペクチン、セルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、およびアルギン酸塩が含まれる。
【0072】
実施態様によっては、タバコ成分放出部材は、タバコ粒子により提供される香味を変性するか香味を加えるために、香味変性剤を含んでもよい。実施態様によっては、香味変性剤は、前駆体組成物に含まれていてもよい。その代わりにあるいはそれに加えて、香味変性剤を、凝集構造体に添加または施用することができる。香味改質剤には、例えば、ケーシング材料、ならびに地域の規制が許可する場合、成人消費者向けの製品に所望の味または芳香を作り出すために使用できる「風味料」および「風味」材料が含まれる。それらは抽出物(例えば、ユーカリ、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、クローブ、メントール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエキス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ピメント、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油など)、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サイクラミン酸塩、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールなど)や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物、息消臭剤などのその他の添加剤などが挙げられるそれらは、模倣物、合成または天然の成分またはそれらのブレンドであってもよい。それらは、任意の適切な形体、例えば、油、液体、ゲル、ワックスまたは粉末であってもよい。
【0073】
実施態様によっては、タバコ成分放出部材のタバコのpHは調整されない。特に、実施態様によっては、この部材は塩基性pHを示さず、および/または前駆体組成物は塩基性pHを示さない。それに加えてあるいはその代わりに、前駆体組成物は、好ましくは、塩基性pH調整剤を含まない。
【0074】
実施態様によっては、水を処理助剤として前駆体組成物に添加してもよい。例えば、水の存在は、前駆体組成物の成分の溶解を助ける可能性があり、および/または結合を助けるか凝集を改善する可能性がある。
【0075】
凝集構造体の形成
図1は、本発明の方法における重要な工程を示すフローチャートである。前処理または前加工してもよいタバコ出発材料は、所望の粒子サイズを有する粒子の形体で提供される。タバコ粒子、少なくとも1種のエアロゾル形成剤を含むタバコ前駆体組成物が形成され、実施態様によっては、さらなる追加の成分を含んでもよい。これらの追加の成分は、液体または固体であってもよい。追加の固形成分は、好ましくは粒子または粉末の形体である。他の実施態様では、追加の成分は、タバコ前駆体組成物とは異なる凝集構造体に導入されてもよい。
【0076】
実施態様によっては、水は、処理助剤として前駆体組成物に添加されてもよい。例えば、水の存在は、前駆体組成物の成分の溶解を助け、および/または結合を補助するか凝集を向上させる場合がある。
【0077】
最後に、前駆体組成物は、凝集構造体、すなわち、複数のタバコ粒子および前駆体組成物の他の成分から形成された一体型構造に形成される。実施態様によっては、凝集構造体は、造粒および/または押出成形、ならびに必要に応じて球形化からなる群から選択される1つ以上の工程を含む方法により、前駆体組成物から形成されてもよい。
【0078】
前駆体組成物の造粒は、前駆体組成物の粒子を一緒に結合または融合して、本明細書では凝集構造体と呼ばれる、より大きな複数粒子の実体を形成することを含む。造粒により形成された多粒子実体は顆粒と呼ばれ、それらは、例えば、球、円柱などの一般的な形体を含む、様々な幾何学的形状をしていてもよい。
【0079】
一実施態様では、使用される造粒工程は、湿式造粒である。湿式造粒では、造粒液を粉末床に加えることで顆粒が形成される。系内を攪拌すると、前駆体組成物内の成分の湿潤とともに、粒子が凝集し、湿潤顆粒が生成する。造粒液は、乾燥により少なくとも部分的に除去されて、乾燥顆粒を提供する。造粒液は、水系または溶媒系のいずれでもよい。適切な造粒液には、例えば、水、グリセリン、エタノール、および2-プロパノールが、単独でまたは組み合わせて含まれる。実施態様によっては、造粒液は、グリセリンまたは本明細書で言及される他の薬剤の1種などのエアロゾル形成剤、および/または結合剤を含む。実施態様によっては、造粒を助けるために前駆体組成物に水を加えない。
【0080】
別の実施態様では、使用される造粒工程は乾式造粒である。乾式造粒では、造粒液を使用せずに顆粒を形成する。この種の方法には、前駆体組成物を水分に暴露しないという利点があり、従って、顆粒に熱をかけて乾燥させる必要がない。乾式造粒による顆粒の形成は、通常高圧下で、前駆体組成物を圧密化および緻密化することを伴う。
【0081】
前駆体組成物の押出成形は、押出凝集物を生成するのに、オリフィスを通して前駆体組成物を供給することを含む。剪断力と組み合わされた前駆体組成物に圧力を加える方法から、凝集構造が得られる。
【0082】
押出成形は、スクリュー、ふるいおよびバスケット、ロール、およびラム押出機の主要な種類の押出機のうちの1つを用いて行うことができる。押出成形によるタバコ成分放出部材の形成は、前駆体組成物の混合、改質、均質化、および成形が一度にできるという利点を有する。
【0083】
実施態様によっては、押出成形中に、自由流動性の前駆体組成物は、高圧および高温に暴露され、成形ダイなどのオリフィスから押し出されて、押出凝集体を形成する。実施態様によっては、押出凝集物は長尺形状を有し、および/またはそれがオリフィスを出るときに所望の長さの断片に切断されてもよい。続いて、ロッド状の押出凝集物を所望の長さのセグメントに切断することができる。
【0084】
実施態様によっては、タバコ粒子を含む前駆体組成物は、押出機内で約40℃~約150℃、または約80℃~約130℃の温度に晒される。組成物は、使用されるダイの設計に応じて、約2バール~約100バール、または約5バール~約60バールの範囲の圧力に晒されてもよい。
【0085】
実施態様によっては、比較的高密度の押出凝集物とその中のタバコ粒子の比較的開いた表面により、押出凝集物から形成されたタバコ成分放出部材は、良好な熱伝達および物質移動を示し、これは、風味料やニコチンなどのタバコ成分の放出に好影響を及ぼす。
【0086】
実施態様によっては、押出成形は、通常の乾式方法でもよく、前駆体組成物は、タバコ粒子、さらに必要に応じて、他の粒状材料、例えば、塩基、希釈剤、固体風味料調整剤を含む実質的に乾燥した材料である。
【0087】
実施態様によっては、液体を、押出成形過程で前駆体組成物に添加してもよい。例えば、水を、例えば、組成物の成分の溶解または可溶化を助けるためのまたは結合または凝集を助けるための処理助剤として、前駆体組成物に添加してもよい。その代わりにあるいはそれに加えて、湿潤剤を前駆体組成物に添加してもよい。
【0088】
実施態様によっては、液体は、グリセリンまたは本明細書で述べる他のものなどのエアロゾル形成剤であってもよい。このように前駆体組成物に液体を加えると、液体は表面だけでなく、押出機の圧力と高剪断力による激しい混合の結果として、押出凝集物に液体が含浸される。液体がエアロゾル形成剤である場合、これは、凝集製品中でエアロゾル形成剤の利用可能性が高くなり、タバコ粒子および凝集構造体の他の成分からの風味料成分の蒸発を高め、結果として生じる押出タバコ成分放出部材からのタバコ成分の放出を高めることができる。
【0089】
実施態様によっては、エアロゾル形成剤による押出凝集物の含浸を考慮して、エアロゾル形成剤を単に前駆体組成物または押出凝集物のエアロゾル形成剤の表面に付着させた場合よりも、より大量のこの薬剤をタバコ成分放出部材に組み込むことができる。実施態様によっては、タバコ成分放出部材に組み込まれるエアロゾル形成剤の量は、少なくとも約3重量%、少なくとも約4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、または少なくとも約20重量%であってもよい。実施態様によっては、タバコ成分放出部材に組み込まれるエアロゾル形成剤の量は、最大で約15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29重量%、または30重量%であってもよい。
【0090】
実施態様によっては、1種以上のエアロゾル形成剤は、部材の約3重量%から約30重量%の量、好ましくは、部材の約15重量%から約30重量%の量で含まれる。
【0091】
押出凝集物は、それが押し込まれるオリフィスまたはダイにより成形される。実施態様によっては、押出凝集物は、所望の長さの断片に切断される。このようにして形成された断片は、タバコ成分放出部材として使用することができ、またはそれらはさらに処理されてもよい。
【0092】
実施態様によっては、オリフィスまたはダイは、押出凝集物の中実の撚り構造体を提供するように形成される。例えば、押出凝集物は、中実の円筒形の棒の形体を持ってもよい。あるいは、押出凝集物は、楕円形、多角形(三角形、正方形など)、および星形を含む、異形断面を有してもよい。
【0093】
実施態様によっては、押出組成物は、例えば、単位体積あたりの大きな表面積を有する形体を提供することで、風味料の放出を増強または促進するように選択される所望の形状に形成される。この大きな表面積は、例えば、大きな周囲を有する断面形状を選択することで、押出凝集体の外面に提供され得る。その代わりにあるいはそれに加えて、押出凝集物内に流路を作成することで、大きな表面積を提供することができる。
【0094】
実施態様によっては、オリフィスまたはダイは、押出凝集体に内部流路を提供するように形成されている。これらの内部流路は、さらなる表面積を提供し、タバコ成分の放出を高めることができる。
【0095】
いくつかのノズルまたはダイの設計の例は、
図2a、2bおよび2cに示されている。これらのノズルまたはダイは、押出組成物が、車輪のようなスポーク構造を備えた押出凝集体を生成するように強制されるオリフィス21を有する。これらのノズルまたはダイは、
図2dおよび2eに示すように、押出機で使用される。この場合、押し出される材料の流れの方向は矢印Aで示される。
【0096】
図3は、一連の押出凝集体の画像であり、内部流路を含む異なる断面形状を示している。これらの押出凝集体のいくつかは、
図2a、2b、および2cのノズル設計を用いて作成されている。
【0097】
そのような成形された押出成形凝集体片から形成されたタバコ成分放出部材は、有利な調整可能なストランド換気特性および改善された熱移動と物質移動をもたらす著しく拡大された内面を持つ内部流路構造を有する。結果として、そのような部材は、蒸発による風味料のより優れた、より均一な放出を示す。さらに、内部流路を備えた構造は、半径方向と軸方向の両方で大幅に改善された強度を示し、これは、例えば、それが断片に切断されるとき、押出凝集物のさらなる処理に有益である。
【0098】
実施態様によっては、タバコ成分放出部材の直径は、約4mm~約10mmであるか、または約5mm~約8mmであってもよい。
【0099】
実施態様によっては、タバコ成分放出部材は、円筒形のタバコセグメントである。実施態様によっては、円筒は、約5mm~約8mmの直径と約5mm~約80mm、約15mm~約50mm、または約20mm~約30mmの長さを有する。
【0100】
温度、圧力および剪断力を含む、押出機内の様々なノズル設計および/または異なる工程条件により、異なる熱伝達特性、通気抵抗、異なるエアロゾルの生成および/または押出凝集体から引き出されるエアロゾルの変性などの、異なる物理的特性を有する押出凝集体を製することができる。
【0101】
前駆体組成物の構成はまた、押出材料の物理的および機械的特性、および結果として、タバコ成分放出部材の決定に非常に重要な役割を果たすことができる。
【0102】
実施態様によっては、押出凝集物は、押出機からの排出時に成形される。実施態様によっては、押出凝集物は、初期長さ、例えば1メートルに切断され、その後、所望の長さの断片に切断されて、所望の寸法のタバコ成分放出部材を提供する前に冷却される。
【0103】
実施態様によっては、押出凝集物を、それが押出機を出る直前またはちょうど出る時に冷却してもよい。実施態様によっては、冷却は集中的であり、例えば約30℃~約100℃、または約40℃~約70℃の高温にある押出凝集物を、温度を約0℃~約25℃、または5℃~約15℃の範囲内に下げる冷却手段に晒すことを含む。押出凝集物のこの急速な冷却により、押出凝集物の内部および外部の安定性を高める可能性がある。実施態様によっては、ダイを冷却してこの効果を達成する。
【0104】
実施態様によっては、組成物をダイに供給する前を含めて、押出し中の前駆体組成物の温度を制御することが望ましい場合がある。これは、前駆体組成物が、グリセリンなどのエアロゾル形成剤などの温度感受性成分を含む場合に特に当てはまる。したがって、実施態様によっては、前駆体組成物の押出成形は、前駆体組成物がダイに到達する前にその温度を下げることを含む。前駆体組成物のそのような冷却は、有益な特性を有する押出凝集体を形成するか、または例えば、押出凝集体撚り構造体内に流路が形成される場合、撚り構造体の形成方法を改善する可能性がある。
【0105】
実施態様によっては、前駆体組成物は、押出成形の前に造粒されてもよい。前駆体組成物が複数の異なる種類の粒子を含む場合、この造粒工程は、押出凝集物内の均質化を強化することができる。造粒された前駆体組成物を、押出機に供給して、タバコ成分放出部材を形成してもよい。
【0106】
前駆体組成物の造粒は、前駆体組成物の粒子を一緒に結合または融合して、凝集構造体であるより大きな複数粒子の実体を形成することを含む。造粒により形成された多粒子実体は顆粒と呼ばれ、それらは、例えば、球、円柱などの一般的な形体を含む、様々な幾何学的形状を取り得る。
【0107】
一実施態様では、使用される造粒工程は、湿式造粒である。湿式造粒では、造粒液を粉末床に加えることで顆粒が形成される。システム内での攪拌は、前駆体組成物内の成分の湿潤とともに、粒子を凝集させ、湿潤顆粒を生成する。造粒液は、乾燥により少なくとも部分的に除去されて、乾燥顆粒を提供する。造粒液は、水系または溶媒系であってもよい。適切な造粒液には、例えば、水、エタノール、および2-プロパノールが、単独または組み合わせて含まれる。実施態様によっては、造粒液は、グリセリンなどのエアロゾル形成剤を含む。
【0108】
別の実施態様では、使用される造粒工程は乾式造粒である。乾式造粒では、造粒液を使用せずに顆粒を形成する。この種の方法には、前駆体組成物を水分に暴露しないという利点があり、従って、それらを乾燥させるために顆粒を熱に晒す必要がない。乾式造粒による顆粒の形成は、通常前駆体組成物を高圧で圧縮および緻密化することを伴う。
【0109】
実施態様によっては、球形化は、押出断片をさらに処理するのに使用される。これらの断片は通常、円筒形であり、押出成形後に均一な長さに切断または分割される。その後、球形化により徐々に球形に変化する。この成形は、塑性変形の結果として発生し、球形化は、多くの場合、ほぼ均一な直径の球状の凝集構造体になる可能性がある。
【0110】
製品への組み込み
タバコ産業製品は、タバコ業界で製造または販売されたあらゆる物品のことで、典型的には、a)紙巻きタバコ、シガリロ、シガー、パイプまたは手巻きタバコ用のタバコ(タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品をベースにしているか否かに関係なく)、b)タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品を組み込んだ嗅ぎタバコ、スヌース、ハードタバコなどの非喫煙製品および非燃焼加熱(HnB)製品およびc)吸入器、電子タバコなどのエアロゾル発生装置、トローチ剤およびガムなどのタバコのニコチン送出システムを意味する。このリストは排他的なものではなく、タバコ業界で製造および販売されているさまざまな製品を例示しているにすぎない。
【0111】
本明細書に開示される1つ以上のタバコ成分放出部材を、エアロゾル供給デバイスに組み込むことができる。本明細書で使用される場合、エアロゾル供給デバイスは、電子タバコなどの蒸気デバイス、タバコ加熱デバイスなどの喫煙材を加熱するためのデバイス、およびハイブリッドデバイスを含む。
【0112】
本明細書で使用される場合、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させる装置は、喫煙可能な素材を加熱するが燃焼しないことで化合物を放出する、いわゆる「非燃焼加熱」製品またはタバコ加熱装置または製品を含む。
【0113】
ハイブリッドデバイスは、ニコチン含有液体またはニコチン不含液体などの液体を加熱してエアロゾルを形成し、次にこのエアロゾルはタバコセグメントなどの喫煙材を介してタバコ風味を捕捉しながら引き込まれるまたは喫煙材を加熱することで別のエアロゾルが形成されるデバイスである。実施態様によっては、このデバイスは、液体を加熱してエアロゾルを形成することで形成されるエアロゾルによる喫煙材の加熱に加えて、またはその代替として、喫煙材を直接加熱するための手段を含む。
【0114】
タバコ成分放出部材は、放出されるタバコ成分が使用時に装置またはデバイスにより生成されるエアロゾルに同伴され、例えばタバコ風味を含むタバコ成分をそのエアロゾルに付与することでエアロゾルの特性を変性するように、装置またはデバイス内に配置してもよい。それに加えてあるいはその代わりに、タバコ成分放出部材は、それ自体が使用中にエアロゾルを生成する可能性があり、前記エアロゾルは、放出されたタバコに含まれる成分を含む。
【0115】
実施態様によっては、装置またはデバイスは、フィルターが設けられてもよく、これはその内部に配されたタバコ成分放出部材を有する。これは、他のタバコ成分放出部材を含む装置またはデバイスに追加するか、またはその代替物にすることができる。
【0116】
実施態様によっては、フィルターまたはフィルターエレメントは、ろ過効果を有するフィルター材を含んでもよい。好適なフィルター材は、例えば、酢酸セルロース、ポリ乳酸、および/または他の適切なポリマーを含むか、またはそれらからなるトウを含んでもよいか、またはフィルターまたはフィルターエレメントは、穴の開いたプラスチックなどの硬質材料を含んでもよい。
【0117】
複数のタバコ成分放出部材がフィルターに組み込まれる実施態様によっては、これは、タバコ成分放出部材が繊維状フィルタープラグ材全体に分散される「ダルメシアン」型のフィルターセクションであってもよい。これとは別にタバコ成分放出部材は、フィルター内のキャビティに配置されてもよい。キャビティは、例えば、2つ(またはそれ以上)の隣接するフィルタープラグの間に配置されたキャビティセクション、または、フィルタープラグ内に画定されたポケットであってもよい。そのような実施態様では、タバコ成分放出部材は、例えば顆粒の形体で、サイズが小さくてもよい。
【0118】
他の実施態様では、単一の大きなタバコ成分放出部材がフィルターに組み込まれる。例えば、単一のタバコ成分放出部材は、繊維状フィルタープラグ材料に埋め込まれてもよい。
【0119】
これとは別にタバコ成分放出部材を多片フィルターに組み込んでもよく、タバコ成分放出部材自体がフィルターセクションの1つを構成する。そのような実施態様では、タバコ成分放出部材は、任意の形状または大きさを有してもよいが、部材は円筒形で、フィルターセクションの寸法と類似または互換性のある寸法を持つと有利である。実施態様によっては、タバコ成分放出部材は、フィルターセクションを形成するのに、繊維状フィルタートウの層などのフィルター材で取り囲まれてもよい。他の実施態様では、タバコ成分放出部材は、フィルタープラグの寸法を持ち、1つ以上の隣接するフィルタープラグを備えたフィルターに組み込まれる。これとは別にタバコ成分放出部材は、2つ(またはそれ以上)の隣接するフィルタープラグの間に配置されたキャビティセクションに含まれていてもよい。
【0120】
実施態様によっては、タバコ成分放出部材自体は、エアロゾル供給装置内のフィルターエレメントであってもよく、エアロゾルがユーザーにより吸入される前に、エアロゾル中の凝縮物および他の粒子状物質をろ過することができる。
【0121】
いくつかの実施態様では、1つ以上のタバコ成分放出部材は、喫煙材のうちの少なくとも1種の成分を揮発させるために喫煙材を加熱するエアロゾル供給デバイスまたは装置に含まれ、タバコセグメントは加熱されるが、燃焼されない(即ち、タバコ加熱製品またはいわゆる非燃焼加熱製品)。これらの製品のいくつかでは、タバコセグメントが加熱されてエアロゾルが生成される。
【0122】
1つの選択肢として、1つ以上のタバコ成分放出部材をそのような製品のフィルターに組み込む。実施態様によっては、複数のタバコ成分放出部材が、タバコ加熱製品のフィルターに組み込まれている。他の実施態様では、単独のタバコ成分放出部材が、タバコ加熱製品のフィルターに組み込まれる。
【0123】
別の選択肢としては、そのような製品のタバコセグメントに1つ以上のタバコ成分放出部材を組み込む。実施態様によっては、1つ以上のタバコ成分放出部材をタバコ材料に組み込んで、タバコセグメントを形成することができる。例えば、1つ以上のタバコ成分放出部材を、刻みタバコまたは再生タバコなどのタバコ材料内に分散させて、タバコによって付与される風味を改善してもよい。他の実施態様では、タバコ加熱製品のタバコセグメントに含まれるタバコは、1つ以上のタバコ成分放出部材からなるか、または本質的にそれからなる。一実施態様では、タバコ加熱製品により加熱されるタバコセグメントは、1つ以上のタバコ成分放出部材からなるか、または本質的にそれからなる。タバコ成分放出部材は直接加熱することができる。タバコセグメントが複数のタバコ成分放出部材である場合、これらは容器またはカートリッジに保持されてもよい。容器またはカートリッジの少なくとも一部は空気透過性で、空気がタバコ成分放出部材の表面または中を流れるようにしてもよい。
【0124】
図6は、喫煙材を加熱するためのタバコ加熱製品の一例の断面図を示す。装置11は、使用中に加熱および揮発される喫煙材を含む加熱チェンバー14を有する。この実施態様では、喫煙材は、一体型タバコ成分放出部材13の形体である。ただし、喫煙材は、加熱チェンバーに保持されるか、または
図8に示されるようなカートリッジで提供される複数のタバコ成分放出部材であってもよい。
【0125】
図6の装置11は、例えば電気制御回路および/または電源(図示せず)を含む電子機器/電力チェンバー16をさらに有する。電気制御回路は、加熱エレメント(図示せず)を介して喫煙材の加熱を制御するように構成および配置されたマイクロプロセッサ構成などのコントローラを含んでもよい。電気制御回路は、使用中、例えば、ユーザーによる装置11への吸引の開始時に発生する圧力の変化または空気流の速度の変化に敏感な、例えばパフ始動センサから信号を受信することができる。次に、電気制御回路は、「オンデマンド」で喫煙材を加熱するように動作することができる。例えば、サーミスタ、電気機械装置、機械装置、光学装置、光機械装置、および微小電気機械システム(MEMS)系のセンサを含む、パフ始動センサの様々な構成が利用可能である。別の方法として、装置は、ユーザーがパフを開始するための手動で操作可能なスイッチを有してもよい。
【0126】
加熱チェンバー14は、ハウジング12内に含まれる。例えば、加熱チェンバー14とハウジング12との間に配置された支持手段および/または絶縁手段(図示せず)で、ハウジング12が熱くならないように、または少なくとも使用中に触れることができないほど熱くならないように、加熱チェンバー14からの断熱を強化してもよい。
【0127】
ハウジング12は、空気が装置に引き込まれる入り口15を含む。ハウジング12はまた、装置11のマウスピース18に出口17を含む。空気は、入り口15を通って装置11に引き込まれ、タバコ成分放出部材13により放出されたタバコ成分を捕捉しながら装置内を通過し、結果として装置11により生成されたエアロゾルは、出口17から装置11の外に出て、ユーザーにより吸入される。
【0128】
いくつかの実施態様では、1つ以上のタバコ成分放出部材は、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させる、いわゆるハイブリッド製品に含まれる。これらの製品のいくつかでは、熱源により加熱されてエアロゾルを形成するニコチン含有液体またはニコチンを含まない液体などの液体の加熱に加えて、タバコセグメントが加熱されてエアロゾルまたは蒸気を生成する。一部のハイブリッド製品では、液体から形成されたエアロゾルまたは蒸気はタバコセグメントの表面または中に引き込まれ、タバコ風味を捕捉する。他の実施態様では、液体から形成されたエアロゾルまたは蒸気は、タバコセグメントの表面またはその中に引き込まれない。
【0129】
フィルターを含むハイブリッド製品において、1つの選択肢として、タバコ加熱製品について記載されたものと同様の方法で、そのような製品のフィルターにタバコ成分放出部材を組み込む。実施態様によっては、複数のタバコ成分放出部材がハイブリッド製品のフィルターに組み込まれる。他の実施態様では、単独のタバコ成分放出部材がハイブリッド製品のフィルターに組み込まれる。
【0130】
喫煙品がいわゆるハイブリッド製品である場合、別の選択肢としてそのような製品のタバコセグメントにタバコ成分放出部材を組み込むことがある。実施態様によっては、1つ以上のタバコ成分放出部材をタバコ材料に組み込んで、タバコセグメントを形成することができる。例えば、1つ以上のタバコ成分放出部材が、刻みタバコまたは再生タバコなどのタバコ材料内に分散されて、タバコの風味を改善してもよい。他の実施態様では、ハイブリッド製品のタバコセグメントに含まれるタバコは、1つ以上のタバコ成分放出部材からなる。一実施態様では、ハイブリッド製品のタバコセグメントは、1つ以上のタバコ成分放出部材からなるか、または本質的にそれからなる。
【0131】
図7は、喫煙材および液体を加熱するためのハイブリッド製品の一例の断面図を示す。装置21は、使用中に加熱および揮発される喫煙材を含むチェンバー24を含むハウジング22を有する。この実施態様では、喫煙材は、一体型タバコ成分放出部材23の形体である。しかしながら、喫煙材は、チェンバー内に保持されるか、または
図8に示すようなカートリッジに提供される複数のタバコ成分放出部材であってもよい。ハウジング22はまた、蒸気を形成するのに加熱される液体26を含む液体貯蔵部25を含む。
【0132】
装置21は、例えば電気制御回路および/または電源(図示せず)を含んでもよい電子機器/電力室27をさらに有する。電気制御回路は、1つ以上の加熱エレメント(図示せず)を介して喫煙材と液体26の加熱を制御するように構成および配置されたマイクロプロセッサ装置などのコントローラを含んでもよい。電気制御回路は、「オンデマンド」で喫煙材の加熱を引き起こすように、装置21をパフ始動させる。別の方法として、装置21は、ユーザーがパフを開始するための手動で操作可能なスイッチを有してもよい。
【0133】
またハウジング22は、空気を装置に引き込む入り口28を含む。またハウジング22は、装置21のマウスピース30に出口29を含む。空気は、入り口28から装置21に引き込まれ、液体貯蔵部25内の液体26を加熱することで生成された蒸気を捕捉しながら装置内を移動する。タバコ成分放出部材23により放出されたタバコ成分、および装置21により生成された結果として生じるエアロゾルは、出口29から装置21を出て、ユーザーにより吸入される。
【0134】
図7に概略的に示されるハイブリッド装置21は、そのような装置の1つの可能な構成を表すに過ぎない。液体貯蔵部25と喫煙材チェンバー24の相対位置は、装置を通って流れる空気の経路と同様に変更することができる。
【0135】
一実施態様では、液体貯蔵部は、揮発する喫煙材の上流に配置される。これとは別に液体貯蔵部は、揮発させる喫煙材の下流に配置することができる。さらに別の構成では、装置内のエアロゾルの2つの供給源を並べて配置することができる。
【0136】
実施態様によっては、液体貯蔵部内の液体を加熱することで製せられる蒸気は、1つ以上のタバコ成分放出部材を含むか、またはそれからなる喫煙材の表面または中を流れる。実施態様によっては、蒸気の高温により、タバコ成分が放出される。これとは別にあるいはそれに加えて、喫煙材は、加熱手段により別個に加熱されてもよい。
【0137】
実施態様によっては、液体を加熱することで生成された蒸気が喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるために喫煙材を加熱するハイブリッド装置が提供される。実施態様によっては、液体はニコチンを含まない液体である。他の実施態様では、液体はニコチンを含む。喫煙材が蒸気により加熱されて喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させる場合、特定の実施態様では、装置は、喫煙材を加熱するための別個の手段を含まない。喫煙材は、少なくとも1つのタバコ成分放出部材を含むか、またはそれからなってもよい。
【0138】
他の実施態様では、液体貯蔵部内の液体を加熱して生成される蒸気は、1つ以上のタバコ成分放出部材を含むかそれからなる喫煙材の表面または中を流れない。むしろ、この蒸気と喫煙材を加熱することで生成されたエアロゾルは、両方が形成された後にのみ混ざり合う。
【0139】
本明細書に記載のタバコ加熱製品およびハイブリッド製品は、実施態様によっては、1つ以上のタバコ成分放出部材を含む容器またはカートリッジの形体のタバコセグメントを含んでもよい。これらの容器またはカートリッジは取り外し可能である。それらは、
図6および7を参照して説明した装置および代替の実施態様において、喫煙材を保持するチェンバーおよび喫煙材の両方を置き換えることができる。
【0140】
図8を参照すると、本発明による1つ以上のタバコ成分放出部材(図示せず)を保持するキャビティを画定するハウジング32を含むタバコセグメントのカートリッジ31が示されている。ハウジング32は、例えば、成形プラスチックなどから作製することができる。装置を通して引き出された空気がカートリッジ31を通過し、1つ以上のタバコ成分放出部材を通過し、次いでカートリッジ31から排出されるようにするために、換気穴33がカートリッジ31のハウジング32に設けられる。実施態様によっては、カートリッジ31は、その中に保持された1つ以上のタバコ成分放出部材を、加熱できる適切な加熱手段をさらに含んでもよい。
【0141】
実施態様によっては、1つ以上のタバコ成分放出部材は、燃焼性喫煙品に含まれるために、フィルターまたはフィルターエレメントに組み込まれる。
【0142】
本明細書で使用される場合、「燃焼性喫煙品」という用語は、タバコ、タバコ誘導体、膨張タバコ、再生タバコ、またはタバコ代替物に基づくかどうかにかかわらず、紙巻きタバコ、葉巻およびシガリロなどの喫煙可能な製品を含む。燃焼性喫煙品は、喫煙材のロッドと、少なくとも1つのフィルターエレメントを含むフィルターとを含む。
【0143】
本明細書で使用される場合、「燃焼性喫煙品」という用語は、非燃焼加熱式(HnB)製品、または電子タバコまたはハイブリッド製品を含むエアロゾル生成装置などの他のニコチン送出製品を含まない。
【0144】
タバコ成分放出部材を、フィルター内または燃焼性喫煙品のフィルターを構成するフィルターエレメント内に配置して、それにより放出されたタバコ成分が使用時に喫煙品により生成されるエアロゾルに同伴し、例えば、タバコ風味料を含むタバコ成分をそのエアロゾルに付与することでエアロゾルの特性を変えてもよい。
【0145】
燃焼性喫煙品に使用するためのフィルターおよびフィルターエレメントは、使用中に喫煙品を通して引き込まれる主流煙から特定の煙成分を除去するフィルター材を含む。フィルター材は一緒に集められてロッドを形成し、それは切断されて個々のフィルターセクションに形成される。喫煙品用のフィルターは、フィルターロッドの1つのセグメントでできている場合もあれば、複数のフィルターエレメントでできている場合もあり、それらの間にキャビティまたは空隙がある場合とない場合がある。広く使用されているフィルター材は、トリアセチンで可塑化されたフィラメント状の酢酸セルロースの連続トウである。他のフィルター材は、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、ポリ(1-4ブタンジオールスクシナート)(PBS)、ポリ(ブチレンアジパート-co-テレフタラート)(PBAT)、デンプン系の材料、紙、脂肪族ポリエステル材料、およびシートまたは繊維の形の多糖ポリマーを含む。
【0146】
フィルターは、円筒形であってもよく、一般に、それらが使用される燃焼性喫煙品の種類に適合する長さと全周を有する。タバコなどの喫煙品とそれらの規格は、しばしば、タバコの長さに従って次のように命名される。「標準」(通常は68~75mm、例えば約68mm~約72mmの範囲)、「ショート」または「ミニ」(68mm以下)、「キングサイズ」(通常は75~91mm、例えば約79mm~約88mmの範囲)、「ロング」または「スーパーキング」(通常は91~105mm、例えば約94mm~約101mmの範囲)、および「超ロング」(通常、約110mm~約121mmの範囲)。
【0147】
それらはまた、タバコの円周に従って次のように命名される。「標準」(約23~25mm)、「ワイド」(25mmを超える)、「スリム」(約22~23mm)、「デミスリム」(約19~22mm)、「スーパースリム」(約16~19mm)、「マイクロスリム」(約16mm未満)。したがって、キングサイズの超細型規格の紙巻きタバコは、例えば、長さが約83mm、円周が約17mmである。通常のキングサイズ規格の紙巻タバコは、円周が23~25mm、全長が75~91mmである。
【0148】
各型は、異なる長さのフィルターを用いて製造することができ、より小さなフィルターは、より短い長さおよび円周の規格で一般的に使用される。通常、フィルターの長さは、短い通常の規格に関連する15mmから、超長い超薄型規格に関連する30mmまでである。ラッパーの長さはフィルターより長く、例えば、3~10mm長くなる。
【0149】
燃焼性喫煙品のフィルター内に配置された、本発明のタバコ成分放出部材は、喫煙品の使用中に有意な温度上昇にさらされない。とはいえ、従来の紙巻きタバコのフィルター内の温度は、使用中に徐々に上昇する。紙巻きタバコなどの従来の燃焼性喫煙品では、ISO喫煙レジームなどの通常の喫煙条件下では、喫煙には8、9回のパフが含まれる場合があり、最初の5、6回のパフはわずかな温度上昇を伴うだけである。例えば、最初のパフには、1~5℃の範囲の一時的な温度上昇が伴い、温度は20~30℃、場合によっては23~26℃でとどまる。紙巻きタバコなどの従来の燃焼性喫煙品の最後の数回のパフの間、温度はパフ中にさらに上昇し始め、ピークは30℃を超え始め、最後から2番目と最後のパフでは60℃を超える。
【0150】
この温度変化を、喫煙品の使用中にタバコ成分放出部材からの物質の放出を誘発または促進するのに使用してもよい。例えば、温度の上昇は、最初の数回のパフ中に放出されなかった残りの成分を揮発させるのに役立つ場合がある。その代わりにあるいはそれに加えて、これらの高温で特に放出される、またはタバコ成分の放出を増強するのに、材料がタバコ成分放出部材に含まれていてもよい。
【0151】
いくつかの実施態様では、複数のタバコ成分放出部材が、燃焼性喫煙品のフィルターエレメントに組み込まれる。他の実施態様では、単一のタバコ成分放出部材がフィルターエレメントに組み込まれる。
【0152】
複数のタバコ成分放出部材がフィルターに組み込まれる場合、これは、タバコ成分放出部材が繊維状フィルタープラグ材料全体に分散される「ダルメシアン」型のフィルターセクションであってもよい。
【0153】
そのような配置を
図9に示す。
図9を参照すると、喫煙品21は、フィルター22と、喫煙材の一端がフィルター22の端部に隣接するようにフィルター22と整列したタバコなどの喫煙材の円筒ロッド23とを含む。フィルター22は、プラグラップ(図示せず)で包まれ、喫煙材ロッド23は、従来の方法でチッピング紙によってフィルター22に接合される。フィルター22は、実質的に円筒形で、全体に分散したタバコ成分放出部材25であるフィルター材24を含む。
【0154】
これとは別にタバコ成分放出部材をフィルター内のキャビティに配置してもよい。キャビティは、例えば、2つ(またはそれ以上)の隣接するフィルタープラグの間に配置されたキャビティセクションであってもよく、フィルタープラグ内に画定されたポケットであってもよい。そのような実施態様では、タバコ成分放出部材は、例えば顆粒の形体で、小さなサイズであってもよい。
【0155】
他の実施態様では、より大きなモノリシックのタバコ成分放出部材がフィルターに組み込まれる。例えば、単独のタバコ成分放出部材を、繊維状フィルタープラグ材料に埋め込んでもよい。
【0156】
そのような構成は、フィルター22および喫煙材からなる円筒状ロッド23を含む喫煙品21を示す
図10に示し、フィルター22は、フィルター材24により囲まれるタバコ成分放出部材26を含む。
【0157】
これとは別にタバコ成分放出部材を複数のセグメントからなるフィルターに組み込んでもよく、タバコ成分放出部材自体がフィルターセクションの1つを構成する。そのような実施態様では、タバコ成分放出部材は、任意の形状またはサイズを持ち得るが、部材が円筒形で、フィルターセクションの寸法と類似または互換性のある寸法を持つのが有利である。実施態様によっては、タバコ成分放出部材を、フィルターセクションを形成するのに、繊維状フィルタートウの層などのフィルター材により取り囲んでもよい。他の実施態様では、タバコ成分放出部材は、フィルタープラグの寸法を持ち、1つ以上の隣接するフィルタープラグを備えたフィルターに組み込まれてもよい。あるいは、タバコ成分放出部材は、2つ(またはそれ以上)の隣接するフィルタープラグの間に配置されたキャビティセクションに含まれていてもよい。
【0158】
図11を参照すると、喫煙品21は、フィルター22および喫煙材からなる円筒状ロッド23を含み、フィルター22は、複数のフィルターセクションから構成される。フィルターの吸い口端に配置されたフィルターセクション27と、フィルターのタバコロッド端部に配置されたフィルターセクション28とが存在する。タバコ成分放出部材26がフィルター材24を含むこれらのフィルターセクションの間に配置される。
【0159】
本発明のフィルターおよびフィルターエレメントは、実施態様によっては、添加剤をさらに含んでもよい。例えば、添加剤は、例えば、活性炭、CR20などのイオン交換樹脂、ゼオライト、シリカゲル、海泡石、酸化アルミニウム(活性化されているかどうかにかかわらず)、炭素質樹脂、セピオライト(Mg4Si6O15(OH)2・6H2O)を含むケイ酸マグネシウム、およびそれらの組み合わせを含む吸着材料の粒子でもよい。
【0160】
喫煙品フィルターが吸着剤を含む場合、実施態様によっては、タバコ成分放出部材は、吸着剤の下流に配置される。
【0161】
様々な問題に対処し、技術を進歩させるために、本開示の全体は、例示として、特許請求される発明が実施され、優れたタバコ成分放出部材およびこのタバコ成分放出部材を含むタバコ産業製品を提供し得る様々な実施態様を示す。本開示の利点および特徴は、実施態様の代表例に過ぎず、網羅的でも排他的でもない。それらは、クレームされている機能の理解と教示を支持するためのみで提示されている。当然だが、本開示の利点、実施態様、例、機能、特徴、構造、および/または他の態様は、特許請求の範囲に定義された開示に関する限定または特許請求の範囲の均等物に関する限定と見なされるべきではない。他の実施態様を利用することができ、本開示の範囲および/または精神から逸脱することなく改良を行うことができる。様々な実施態様は、開示された要素、成分、特徴、部材、工程、手段などの様々な組み合わせを適切に含む、からなる、または実質的にからなることができる。さらに、本開示は、現在クレームされていないが将来はクレームされ得る他の発明を含む。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ粒子を含む前駆体組成物から形成された凝集構造体を含むタバコ成分放出部材であって、燃焼を伴わずに前記部材を加熱した際のタバコ成分の放出は、(i)前記部材の表面積対体積比および(ii)含まれる1種以上のエアロゾル形成剤の量のうちの少なくとも一方を調整することで制御される、タバコ成分放出部材。
【外国語明細書】