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特開2024-81753耐クリープ性が向上したエチレン酸コポリマーのアイオノマー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081753
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】耐クリープ性が向上したエチレン酸コポリマーのアイオノマー
(51)【国際特許分類】
   C08L 23/08 20060101AFI20240611BHJP
   C08K 5/09 20060101ALI20240611BHJP
   C08F 210/02 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
C08L23/08
C08K5/09
C08F210/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024056998
(22)【出願日】2024-03-29
(62)【分割の表示】P 2021503563の分割
【原出願日】2019-07-29
(31)【優先権主張番号】62/712,591
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 司
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、リチャード、ティエンファ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光学的透明度および靭性などのアイオノマーの物理的および化学的特性を維持しながら、耐クリープ性が改善された代替的なアイオノマーを提供する。
【解決手段】一実施形態によれば、アイオノマーは、エチレン酸コポリマーと脂肪族単官能性有機酸との中和されたブレンドを含む。ブレンドは、ブレンドの総重量%に基づいて60~95重量%、およびブレンドの総重量%に基づいて5~40重量%の脂肪族単官能性有機酸を含む。エチレン酸コポリマーは、エチレンと、アクリル酸アルキルと、任意選択でモノカルボン酸モノマーと、不飽和ジカルボン酸モノマーとの重合反応生成物である。ブレンドの総酸単位の少なくとも30モルパーセントは、マグネシウム中和塩のマグネシウムカチオンで中和される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン酸コポリマーと脂肪族単官能性有機酸との中和されたブレンドを含むアイオ
ノマーであって、前記ブレンドが、
前記ブレンドの総重量%に基づいて、60~95重量%の前記エチレン酸コポリマー
であって、
エチレンと、
前記エチレン酸コポリマー中に存在する前記モノマーの総重量%に基づいて、1~
40重量%のアクリル酸アルキルと、
前記エチレン酸コポリマー中に存在する前記モノマーの総重量%に基づいて、0~
20重量%のモノカルボン酸モノマーと、
前記エチレン酸コポリマー中に存在する前記モノマーの総重量%に基づいて、2~
15重量%の不飽和ジカルボン酸モノマーと、の重合反応生成物であるエチレン酸コポリ
マーと、
前記ブレンドの総重量%に基づいて、5~40重量%の脂肪族単官能性有機酸であ
って、前記脂肪族単官能性有機酸が、36個未満の炭素原子を有する、脂肪族単官能性有
機酸と、を含み、
前記ブレンドの総酸単位の少なくとも30モルパーセントが、マグネシウム中和塩の
マグネシウムカチオンで中和されている、アイオノマー。
【請求項2】
前記エチレン酸コポリマーが、1~20重量%のアクリル酸アルキルを含む、請求項
1に記載のアイオノマー。
【請求項3】
第1のエチレン酸コポリマーと、第2のエチレン酸コポリマーと、脂肪族単官能性有
機酸との中和されたブレンドを含むアイオノマーであって、前記ブレンドが、
前記第1のエチレン酸コポリマーが、
エチレンと;
前記第1のエチレン酸コポリマー中に存在するモノマーの総重量%に基づいて、2
~20重量%のモノカルボン酸モノマーと、
前記第1のエチレン酸コポリマー中に存在するモノマーの総重量%に基づいて、0
~40重量%のアクリル酸アルキルと、の重合反応生成物であることと、
前記第2のエチレン酸コポリマーが、
エチレンと;
前記第2のエチレン酸コポリマー中に存在する前記モノマーの総重量%に基づいて
、1~40重量%のアクリル酸アルキルと、
前記第2のエチレン酸コポリマー中に存在する前記モノマーの総重量%に基づいて
、0~20重量%のモノカルボン酸モノマーと、
前記第2のエチレン酸コポリマー中に存在する前記モノマーの総重量%に基づいて
、2~15重量%の不飽和ジカルボン酸モノマーと、の重合反応生成物であり、
前記第1のエチレン酸コポリマーと前記第2のエチレン酸コポリマーとの比率が、9
0/10重量%~10/90重量%であることと、
前記ブレンドの総重量%に基づいて、5~40重量%の脂肪族単官能性有機酸であっ
て、前記脂肪族単官能性有機酸が、36個未満の炭素原子を有する、脂肪族単官能性有機
酸と、を含み、
前記ブレンドの総酸単位の少なくとも30モルパーセントが、マグネシウム中和塩の
マグネシウムカチオンで中和されている、アイオノマー。
【請求項4】
前記ブレンドの総酸単位の少なくとも70モルパーセントが、前記マグネシウム塩の
マグネシウムカチオンで中和されている、請求項1または請求項3に記載のアイオノマー
【請求項5】
前記ブレンドが、中和塩の少なくとも1つの追加のカチオン、亜鉛塩、リチウム塩、
およびナトリウム塩から選択される中和塩でさらに中和されている、請求項1または請求
項3に記載のアイオノマー。
【請求項6】
前記ブレンドの総酸単位が、80~100モルパーセントの範囲で中和され、前記ブ
レンドの総酸単位の30~80モルパーセントが、前記マグネシウム塩の前記マグネシウ
ムカチオンで中和されている、請求項3に記載のアイオノマー。
【請求項7】
前記第2のエチレン酸コポリマーが、20~30重量%のアクリル酸アルキルを含む
、請求項1に記載のアイオノマー。
【請求項8】
前記不飽和モノカルボン酸モノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、またはそれらの
組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のアイオノマー
【請求項9】
前記ブレンドの総酸単位の80~100%が、マグネシウムカチオンで中和されてい
る、請求項1~3のいずれか一項に記載のアイオノマー。
【請求項10】
前記不飽和ジカルボン酸モノマーが、無水マレイン酸、無水マレイン酸モノメチルエ
ステル、無水マレイン酸モノエチルエステル、無水マレイン酸モノプロピルエステル、無
水マレイン酸モノブチルエステル、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1~9のい
ずれか一項に記載のアイオノマー。
【請求項11】
前記アクリル酸アルキルが、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-
ブチルもしくはアクリル酸イソブチル、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1~1
0のいずれか一項に記載のアイオノマー。
【請求項12】
前記脂肪族単官能性有機酸が、4~36個の炭素原子を有する脂肪酸であり、任意選
択で、C~Cアルキル基からなる群から独立して選択される1~3個の置換基で置換
されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のアイオノマー。
【請求項13】
前記脂肪酸が、ベヘン酸、ステリン酸、オレイン酸、エルカ酸、12-ヒドロキシス
テアリン酸、およびイソステアリン酸のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載
のアイオノマー。
【請求項14】
前記第1のエチレン酸コポリマーと前記第2のエチレン酸コポリマーとの比率が、9
0/10重量%~60/40重量%である、請求項3~15のいずれか一項に記載のアイ
オノマー。
【請求項15】
請求項1~14のいずれかの一項に記載のアイオノマーを含む成形品または発泡体。
【請求項16】
前記成形品が、少なくとも80℃の改善された耐クリープ性を示し、前記成形品が、
80℃で30分間、20psiの応力下で25%未満の寸法変化を示す、請求項15に記
載の成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月31日に出願された米国仮特許出願第62/712,59
1号の優先権を主張するものであり、その全開示は、参照により本明細書に組み込まれる
【0002】
本開示の実施形態は、一般に、アイオノマー樹脂に関し、具体的には、エチレン、モ
ノカルボン酸モノマー、不飽和ジカルボン酸モノマー、アクリル酸アルキルモノマー、脂
肪族単官能性有機酸、およびそれらの組み合わせの重合反応生成物を含むアイオノマーに
関し、これらは、マグネシウムカチオンで少なくとも部分的に中和される。
【背景技術】
【0003】
アイオノマーは、前駆体の酸コポリマーよりも高い引張強度、優れた透明度、良好な
耐摩耗性、および高い剛性を有するため、様々な用途で一般的に使用される材料である。
例えば、エチレン酸コポリマーのアイオノマーは、食品包装、発泡部品、射出成型部品(
例えば、化粧品容器)、およびゴルフボールの構成成分などの多くの用途で有用性を見出
した。
【0004】
アイオノマーは、多くの用途に利用され得るが、アイオノマーは、使用温度が限られ
ているため、60℃を超える温度で耐クリープ性が要求される用途ではアイオノマーの使
用が制限される。例えば、アイオノマーは、60℃を超える温度の応力下で変形する場合
がある。動的機械熱分析により、約60℃でのアイオノマーの機械的強度における大幅な
低下が明らかになり、これは、イオン凝集体の解離の開始と相関している。
【発明の概要】
【0005】
したがって、光学的透明度および靭性などのアイオノマーの物理的および化学的特性
を維持しながら、耐クリープ性が改善された代替的なアイオノマーを開発することが有益
であり得る。
【0006】
実施形態では、本開示のアイオノマーは、エチレン酸コポリマーと脂肪族単官能性有
機酸との中和されたブレンドを含む。ブレンドは、ブレンドの総重量%に基づいて60~
95重量%のエチレン酸コポリマーと、ブレンドの総重量%に基づいて5~40重量%の
脂肪族単官能性有機酸と、を含み、脂肪族単官能性有機酸は、36個未満の炭素原子を有
する。ブレンドの総酸単位の少なくとも30モルパーセントは、マグネシウム中和塩のマ
グネシウムカチオンで中和される。ブレンド中のエチレン酸コポリマーは、エチレンと、
エチレン酸コポリマー中に存在するモノマーの総重量%に基づいて、1~40重量%のア
クリル酸アルキルと、エチレン酸コポリマー中に存在するモノマーの総重量%に基づいて
、2~15重量%の不飽和ジカルボン酸モノマーと、任意選択でエチレン酸コポリマー中
に存在するモノマーの総重量%に基づいて0~20重量%のモノカルボン酸モノマーとの
重合反応生成物を含む。
【0007】
1つ以上の実施形態では、本開示のアイオノマーは、第1のエチレン酸コポリマー、
第2のエチレン酸コポリマー、および脂肪族単官能性有機酸の中和されたブレンドを含み
、脂肪族単官能性有機酸は、36個未満の炭素原子を有する。ブレンド中の第1のエチレ
ン酸コポリマーと第2のエチレン酸コポリマーとの比率は、90/10重量%~10/9
0重量%であり、ブレンドの総重量%に基づいて、5~40重量%の脂肪族単官能性有機
酸、およびブレンドの総酸単位の少なくとも30モルパーセントが、マグネシウム中和塩
のマグネシウムカチオンで中和される。
【0008】
ブレンドの1つ以上の実施形態では、ブレンドの第1のエチレン酸コポリマーは、エ
チレンと、第1のエチレン酸コポリマー中に存在するモノマーの総重量%に基づいて、2
~20重量%のモノカルボン酸モノマーと、第1のエチレン酸コポリマー中に存在するモ
ノマーの総重量%に基づいて、0~40重量%のアクリル酸アルキルとの重合反応生成物
である。
【0009】
ブレンドの様々な実施形態では、第2のエチレン酸コポリマーは、エチレンと、第2
のエチレン酸コポリマー中に存在するモノマーの総重量%に基づいて、1~40重量%の
アクリル酸アルキルと、第2のエチレン酸コポリマー中に存在するモノマーの総重量%に
基づいて0~20重量%のモノカルボン酸モノマーと、エチレン酸コポリマー中に存在す
るモノマーの総重量%に基づいて、2~15重量%の不飽和ジカルボン酸モノマーとの重
合反応生成物である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、
本開示が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合
、定義を含む本明細書が優先される。
【0011】
本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料を、様々な実施形態の実施
または試験に使用することができるが、好適な方法および材料が本明細書に記載されてい
る。
【0012】
特に明記しない限り、すべての割合、部分、比率などは、重量による。量、濃度、ま
たは他の値もしくはパラメータが、範囲、好ましい範囲、またはより低い好ましい値およ
びより高い好ましい値のリストのいずれかとして与えられる場合、範囲が別個に開示され
ているかどうかに関係なく、これは、任意のより低い範囲の制限または好ましい値と、任
意のより高い範囲の制限または好ましい値との任意の対から形成されるすべての範囲を具
体的に開示するものと理解されるべきである。本明細書で数値の範囲が列挙されている場
合、特に指示しない限り、範囲は、その端点、ならびに範囲内のすべての整数および分数
を含むことを意図している。本発明の範囲は、範囲を定義するときに列挙された特定の値
に限定されることを意図するものではない。
【0013】
用語「約」が、範囲の値または端点を記述する際に使用される場合、本開示は、言及
される特定の値または端点を含むと理解されるべきである。
【0014】
本明細書で使用される用語「含む(comprises)」、「含む(compri
sing)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「含
有する」、「を特徴とする」、「有する(has)」、「有する(having)」、ま
たは他の任意の変形は、非排他的包含を網羅することを目的としている。例えば、要素の
リストを含むプロセス、方法、物品、もしくは装置は、必ずしもそれらの要素に限定され
ず、明示的にリストされていないか、またはそのようなプロセス、方法、物品、もしくは
装置に固有の他の要素を含んでもよい。さらに、明示的に別途記載がない限り、「または
」は、包括的なまたはを指し、排他的なまたはではない。
【0015】
移行句「から本質的になる」は、特許請求の範囲を特定の材料またはステップ、およ
び本開示の基本的で新規の特性(複数可)に実質的に影響しないものに限定する。出願人
が、「含む」などの開放型用語で実施形態またはその一部を定義した場合、特に明記しな
い限り、説明は、用語「から本質的になる」を使用して、そのような実施形態も説明する
と解釈されるべきである。
【0016】
「a」または「an」の使用は、様々な実施形態の要素および構成要素を説明するた
めに用いられる。これは、単に便宜上のものであり、様々な実施形態の一般的な意味を与
えるものである。この説明は、1つまたは少なくとも1つを含むように読まれるべきであ
り、単数形が他を意味することが明らかでない限り、それには複数形も含まれる。
【0017】
「ポリマー」という用語は、同一または異なる種類のモノマーに関わらず、モノマー
を重合することによって調製されたポリマー化合物を指す。したがって、一般的な用語の
ポリマーは、用語「ホモポリマー」および「コポリマー」を包含する。用語「ホモポリマ
ー」は、1つの種類のモノマーのみから調製されたポリマーを指し、用語「コポリマー」
は、2つ以上の異なるモノマーから調製されたポリマーを指し、本開示の目的のために、
「ターポリマー」および「インターポリマー」を含み得る。
【0018】
用語「モノカルボン酸モノマー」は、ビニルまたはビニレンなどの反応性部分を有す
る分子を意味し、これは他のモノマーと結合して、ポリマーおよび反応性部分に含まれな
いカルボン酸(-C(O)OH)部分を形成し得る。例えば、(メタ)アクリル酸は、ビ
ニレンが反応性部分であり、カルボン酸が存在するモノカルボン酸モノマーである。用語
「(メタ)アクリル酸」は、メタクリル酸および/またはアクリル酸を含み、「(メタ)
アクリレート」は、メタクリレート、アクリレート、またはメタクリレートとアクリレー
トとの組み合わせを含む。
【0019】
本開示において使用される用語「不飽和ジカルボン酸モノマー」は、ビニルまたはビ
ニレンなどの反応性部分を有する分子を意味し、これは他のモノマーと結合して、ポリマ
ーおよび反応性部分に含まれない2つのカルボン酸(-C(O)OH)部分を形成し得る
。さらに、「不飽和ジカルボン酸モノマー」には、不飽和ジカルボン酸誘導体モノマー(
ハーフエステルおよび無水物)が含まれる。
【0020】
様々な実施形態は、エチレン酸コポリマーと脂肪族単官能性有機酸との中和されたブ
レンドを含むアイオノマーを対象とする。1つ以上の実施形態では、中和されたブレンド
は、ブレンドの総重量パーセント(重量%)に基づいて、60~95重量%の量のエチレ
ン酸コポリマーと、ブレンドの総重量%に基づいて、5~40重量%の脂肪族単官能性有
機酸と、を含み得る。いくつかの実施形態では、アイオノマーは、エチレン酸コポリマー
と脂肪族単官能性有機酸との中和されたブレンドを含み、エチレン酸コポリマーの量は、
65~80重量%、70~85重量%、または70~80重量%である。いくつかの実施
形態では、脂肪族単官能性有機酸は、10~40重量%、15~40重量%、または20
~40重量%である。
【0021】
いくつかの実施形態では、ブレンドの総酸単位の少なくとも30モルパーセント(モ
ル%)は、マグネシウム中和塩のマグネシウムカチオンで中和される。いくつかの実施形
態では、ブレンドの総酸単位の35~50モル%、45~70モル%、60~80モル%
、または80~100モル%は、マグネシウム中和塩のマグネシウムカチオンで中和され
る。
【0022】
いくつかの実施形態では、アイオノマーは、ブレンド中のマグネシウムカチオンに加
えて、マグネシウムカチオン以外のカチオンを含み得る。ブレンドは、中和塩の少なくと
も1つの追加の金属カチオンによって中和され得る。少なくとも1つの追加の金属カチオ
ンの中和塩は、亜鉛塩、リチウム塩、およびナトリウム塩の群から選択され得る。いくつ
かの実施形態では、アイオノマーは、ブレンドの総酸単位の0%~10%、1%~10%
、5%~20%、5%~30%、または10%~50%が、中和塩のナトリウムカチオン
、中和塩のリチウムカチオン、中和塩の亜鉛カチオン、またはそれらの組み合わせで中和
されることを含み得る。1つ以上の実施形態では、ブレンドの総酸単位の少なくとも70
モルパーセントは、中和塩の金属カチオンによって中和され、ブレンドの総酸単位の少な
くとも70モルパーセントうちの少なくとも30モルパーセントは、マグネシウム塩のマ
グネシウムカチオンによって中和される。
【0023】
1つ以上の実施形態では、エチレン酸コポリマーは、エチレンと、アクリル酸アルキ
ルと、モノカルボン酸モノマーと、不飽和ジカルボン酸モノマーとの重合生成物である。
ブレンドのエチレン酸コポリマーのいくつかの実施形態では、アクリル酸アルキルは、エ
チレン酸コポリマー中に存在するモノマーの総重量%に基づいて、1~40重量%の量で
存在し得る。「1重量%~40重量%」に包含されるすべての個々の値および部分範囲は
、別個の実施形態として開示される。エチレン酸コポリマーは、例えば、エチレン酸コポ
リマー中に存在するモノマーの総重量%に基づいて、1重量%~20重量%、2重量%~
10重量%、または10重量%~30重量%のアクリル酸アルキルを含み得る。
【0024】
エチレン酸コポリマーの様々な実施形態では、モノカルボン酸モノマーは、任意選択
であり、0~20重量%の量で存在し得る。「0重量%~20重量%」に包含されるすべ
ての個々の値および部分範囲は、別個の実施形態として開示される。例えば、モノカルボ
ン酸モノマーは、エチレン酸コポリマー中に存在するモノマーの総重量に基づいて、0重
量%超~10重量%、5重量%~10重量%、10重量%~20重量%、もしくは15重
量%~20重量%の量で不存在または存在し得る。
【0025】
エチレン酸コポリマーの1つ以上の実施形態では、不飽和ジカルボン酸モノマーは、
エチレン酸コポリマー中に存在するモノマーの総重量%に基づいて、2~15重量%の量
で存在し得る。「2重量%~15重量%」に包含されるすべての個々の値および部分範囲
は、別個の実施形態として開示される。例えば、不飽和ジカルボン酸モノマーは、エチレ
ン酸コポリマー中に存在するモノマーの総重量に基づいて、5重量%~15重量%、3重
量%~10重量%、または4重量%~10重量%の量で存在し得る。
【0026】
本開示のアイオノマーの実施形態では、アイオノマーは、2つのエチレン酸コポリマ
ー樹脂と、第1のエチレン酸コポリマーポリマーと、第2のエチレン酸コポリマーとのブ
レンドを含み得る。第1のエチレン酸コポリマーまたはエチレン酸コポリマーポリマーの
うちの1つは、不飽和ジカルボン酸モノマーを含有する。
【0027】
様々な実施形態では、本開示のアイオノマーは、第1のエチレン酸コポリマーと、第
2のエチレン酸コポリマーと、脂肪族単官能性有機酸との中和されたブレンドを含み得る
。第1のエチレン酸コポリマーは、エチレンと、モノカルボン酸モノマーと、任意選択で
アクリル酸アルキルとの重合反応生成物である。第2のエチレン酸コポリマーは、エチレ
ンと、アクリル酸アルキルと、不飽和ジカルボン酸モノマーと、任意選択でモノカルボン
酸モノマーとの重合反応生成物である。いくつかの実施形態では、ブレンドの総酸単位の
少なくとも30モルパーセント(モル%)は、マグネシウム中和塩のマグネシウムカチオ
ンで中和される。1つ以上の実施形態では、ブレンドの総酸単位の35~50モル%、4
5~70モル%、60~80モル%、または80~100モル%は、マグネシウム中和塩
のマグネシウムカチオンで中和される。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1のエチレン酸コポリマーと、第2のエチレン酸コポリ
マーと、脂肪族単官能性有機酸との中和されたブレンドを含む本開示のアイオノマーは、
ブレンド中のマグネシウムカチオンに加えて、マグネシウムカチオン以外のカチオンを含
み得る。ブレンドは、中和塩の少なくとも1つの追加の金属カチオンによって中和され得
る。少なくとも1つの追加の金属カチオンの中和塩は、亜鉛塩、リチウム塩、およびナト
リウム塩の群から選択され得る。いくつかの実施形態では、アイオノマーは、ブレンドの
総酸単位の0%~10%、1%~10%、5%~20%、5%~30%、または10%~
50%が、中和塩のナトリウムカチオン、中和塩のリチウムカチオン、中和塩の亜鉛カチ
オン、またはそれらの組み合わせで中和されることを含み得る。1つ以上の実施形態では
、ブレンドの総酸単位の少なくとも70モルパーセントは、中和塩の金属カチオンによっ
て中和され、ブレンドの総酸単位の少なくとも70モルパーセントうちの少なくとも30
モルパーセントは、マグネシウム塩のマグネシウムカチオンによって中和される。
【0029】
1つ以上の実施形態では、ブレンド中の第1のエチレン酸コポリマーと第2のエチレ
ン酸コポリマーとの比率は、90/10重量%~10/90重量%であり、ブレンド中の
脂肪族単官能性有機酸は、ブレンドの総重量%に基づいて、5~40重量%の量である。
いくつかの実施形態では、ブレンド中の第1のエチレン酸コポリマーと第2のエチレン酸
コポリマーとの比率は、50/50重量%~80/20重量%、または90/10重量%
~60/40重量%である。
【0030】
様々な実施形態では、本開示のアイオノマーは、第1のエチレン酸コポリマーと、第
2のエチレン酸コポリマーと、脂肪族単官能性有機酸との中和されたブレンドを含み得る
。1つ以上の実施形態では、第1のエチレン酸コポリマーは、エチレンと、第1のエチレ
ン酸コポリマー中に存在するモノマーの総重量%に基づいて、2~20重量%または5重
量%~10重量%のモノカルボン酸と、第1のエチレン酸コポリマー中に存在するモノマ
ーの総重量%に基づいて、0~40重量%、1重量%~20重量%、または5重量%~1
5重量%のアクリル酸アルキルとの重合反応生成物である。
【0031】
1つ以上の実施形態では、第2のエチレン酸コポリマーは、エチレンと、アクリル酸
アルキルと、任意選択でモノカルボン酸モノマーと、不飽和ジカルボン酸モノマーとの重
合生成物である。アクリル酸アルキルは、第2のエチレン酸コポリマー中に存在するモノ
マーの総重量%に基づいて、1重量%~40重量%、5重量%~30重量%、10重量%
~20重量%、または20重量%~30重量%の量で存在し得る。モノカルボン酸モノマ
ーは、第2のエチレン酸コポリマー中に存在するモノマーの総重量%に基づいて、0重量
%~20重量%、1重量%~20重量%、5重量%~15重量%の量で存在し得る。不飽
和ジカルボン酸モノマーは、第2のエチレン酸コポリマー中に存在するモノマーの総重量
%に基づいて、2~15重量%、または5重量%~10重量%の量で第2のエチレン酸コ
ポリマー中に存在し得る。
【0032】
エチレン酸コポリマー、第1のエチレン酸コポリマー、または第2のエチレン酸コポ
リマーのいくつかの実施形態では、アクリル酸アルキルは、例として、限定されないが、
アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、またはそれらの組み
合わせであり得る。様々な実施形態では、アクリル酸アルキルは、1~8個の炭素を有す
るアルキル基を有する。これは、C~C-アクリル酸アルキルと呼ばれる。特定の実
施形態では、アクリル酸アルキルは、アクリル酸n-ブチルである。
【0033】
エチレン酸コポリマー、第1のエチレン酸コポリマー、または第2のエチレン酸コポ
リマーの1つ以上の実施形態では、モノカルボン酸モノマーは、例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含み得る。
【0034】
エチレン酸コポリマーまたは第2のエチレン酸コポリマーの1つ以上の実施形態では
、不飽和ジカルボン酸モノマーは、不飽和ジカルボン酸または不飽和ジカルボン酸の誘導
体である前駆体酸コポリマー中の反応生成物を含む。不飽和ジカルボン酸モノマーには、
マレイン酸モノエチルエステル(MAME)、無水マレイン酸モノプロピルエステル、無
水マレイン酸モノエチルエステル、無水マレイン酸モノブチルエステル、またはそれらの
組み合わせ、およびこれらの酸のC~C-アルキルハーフエステル、ならびに無水マ
レイン酸、無水マレイン酸モノメチルエステル、無水マレイン酸モノエチルエステル、お
よび無水イタコン酸を含むこれらの酸の無水物が含まれ得る。これらのモノマーのカルボ
ン酸または無水物単位は、全く同様にモノカルボン酸カルボン酸単位が示されているよう
に、金属イオンで中和することができるが、不飽和ジカルボン酸モノマーの中和は、その
性質および溶融挙動を含むポリマー特性への影響が異なる場合がある。不飽和ジカルボン
酸を脱水して、ポリマー内に(すなわち、鎖間無水物単位を架橋するのではなく、鎖内に
)鎖内無水物単位を形成することができる。
【0035】
本開示で説明する様々な実施形態では、アイオノマーは、脂肪酸改質アイオノマー(
FAMI)である。特に、様々な実施形態によれば、エチレン酸コポリマーは、脂肪族単
官能性有機酸とブレンドされる。1つ以上の実施形態では、脂肪族単官能性有機酸は、3
6個未満の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、脂肪族単官能性有機酸は、4~
36個の炭素原子を有する脂肪酸を含み、任意選択でC~Cアルキル基からなる群か
ら独立して選択される1~3個の置換基で置換される。例えば、脂肪族単官能性有機酸は
、C34、C4~26、C6~22、またはC12~22などのC~C36未満、また
はそれらの塩を含み得る。脂肪酸は、ベヘン酸、ステリン酸(steric acid)
、オレイン酸、エルカ酸、12-ヒドロキシステアリン酸、およびイソステアリン酸のう
ちの少なくとも1つを含む。80%超~最大100%のような高中和では、公称中和(例
えば、コポリマー中のすべての酸部分およびブレンドの脂肪族単官能性有機酸が公称中和
されるように十分な金属化合物が添加される)、揮発性は問題ではなく、炭素含有量が少
ない脂肪族単官能性有機酸が使用され得る。いくつかの実施形態では、脂肪族単官能性有
機酸(または塩)は、非揮発性(薬剤と酸コポリマーとの溶融ブレンドの温度で揮発しな
い)および非移動性(平常の保管条件(周囲温度)下のポリマーの表面にブルームしない
)である。
【0036】
本開示のアイオノマーは、エチレン酸コポリマーと脂肪族単官能性有機酸との中和さ
れたブレンド、または第1のエチレン酸コポリマーと、第2のエチレン酸コポリマーと、
脂肪族単官能性有機酸との中和されたブレンドを含む。用語「中和されたブレンド」は、
完全にまたは部分的に中和されたエチレン酸コポリマーを含む。エチレン酸コポリマーは
、中和されたおよび非中和のモノカルボン酸単位、中和された、モノ中和された、および
非中和の不飽和ジカルボン酸単位、ならびに鎖内無水物単位を含有し得る。
【0037】
中和された総酸単位を参照すると、モノカルボン酸は、1つの酸単位を提供し、ジカ
ルボン酸は、2つの酸単位を提供し、無水マレイン酸などの無水物は、2つの酸単位を提
供すると見なされ、ハーフエステルは、1つの酸単位を提供すると見なされる。中和率の
計算は、上記のように存在すると見なされる酸単位の数、および追加された金属当量の数
に基づく。実際、無水物単位は、酸単位に変化させるのではなく、無水物単位のままであ
り得る。中和を受けると、無水物モノマー単位は、二金属塩、一金属塩を形成するか、非
中和のジカルボン酸モノマーを形成するか、または無水物単位を無水物単位として変更せ
ずに、酸官能基がないかのように機能する。ジカルボン酸モノマーのハーフエステルは、
酸を1つしか有さないものとして数えられるが、実際には、上記の中和に関連する様々な
可能性で、ジカルボン酸モノマーまたは無水物に変換され得る。しかしながら、前述のよ
うに、実際に存在する酸基(遊離または中和された)の数に関係なく、計算された中和率
は、モノカルボン酸およびジカルボン酸コモノマーの既知のモル量に基づく酸単位の数に
基づく。したがって、可能性のあるジカルボン酸モノマーおよび塩の様々な変異を考慮し
て、実際の中和されたおよび非中和の遊離酸基の合計のパーセントとしての中和された酸
基の実際のパーセントは、計算された中和率とは異なる場合があり、これはアイオノマー
中のモノカルボン酸モノマーまたはジカルボン酸モノマーの量に基づく。差は、酸単位で
はなく、2つの酸単位として数えられる無水物単位によるものである。
【0038】
エチレン酸コポリマーは、高圧を使用し、連続的に操作する標準的なフリーラジカル
共重合法によって調製され得る。モノマーは、モノマーの活性、および組み込まれること
が望まれる量に関連する割合で反応混合物に供給される。このようにして、鎖に沿ったモ
ノマー単位の均一でほぼランダムな分布が実現される。未反応のモノマーは、リサイクル
され得る。軟化モノマーを含むエチレン酸コポリマーの調製に関する追加情報は、米国特
許第3,264,272号および米国特許第4,766,174号に見出すことができ、
これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0039】
ブレンドは、当業者に既知の任意の手段によって生成することができる。それは、実
質的に溶融加工可能であり、1つ以上のエチレン酸コポリマーまたはエチレン酸コポリマ
ーのアイオノマー、1つ以上の脂肪酸またはその塩、塩基性金属化合物、および三価金属
カチオンを含む中和組成物を組み合わせて、混合物を製造し、組成物を製造するのに十分
な条件下で混合物を加熱することによって製造することができる。加熱は、80℃~35
0℃、120℃~300℃、または160℃~260℃の範囲の温度下で、温度に対応す
る圧力下で30秒~2または3時間行うことができる。ブレンドは、エチレン酸コポリマ
ーおよび/またはそのアイオノマーを1つ以上の脂肪酸またはその塩と溶融ブレンドし、
同時にまたはその後、十分な量の塩基性金属化合物と三価金属カチオンとを組み合わせる
ことによって製造することができる。構成成分の塩ブレンドを作製するか、または構成成
分を押出機で溶融ブレンドすることができる。例えば、Werner&Pfleider
erの二軸スクリュー押出機を使用して、エチレン酸コポリマーおよび脂肪族単官能性有
機酸(または塩)を金属化合物と同時に混合および処理することができる。
【0040】
ブレンドは、可塑剤を含む少量の添加剤、粘度安定剤、加水分解安定剤を含む安定剤
、一次および二次抗酸化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、染料、顔料もしくは他の着色剤
、無機充填剤、難燃剤、潤滑剤、ガラス繊維およびフレークなどの強化剤、合成(例えば
、アラミド)繊維もしくはパルプ、発泡剤もしくはブロー剤、加工助剤、スリップ添加剤
、シリカもしくはタルクなどのブロック防止剤、放出剤、粘着付与樹脂、またはそれらの
2つ以上の組み合わせをさらに含むことができる。炭酸カルシウムなどのような無機充填
剤もブレンドに組み込むことができる。
【0041】
これらの添加剤は、0.01重量%~40重量%、0.01~25重量%、0.01
~15重量%、0.01~10重量%、または0.01~5重量%の範囲の量でブレンド
中に存在し得る。添加剤の組み込みは、例えば、乾式ブレンド、様々な成分の混合物の押
出し、従来のマスターバッチ技術などのような任意の既知のプロセスによって行うことが
できる。
【0042】
1つ以上の実施形態では、本開示のアイオノマーは、ASTM D1238(210
℃、2.16kg)に従って決定されるとき、0.1~10.0g/10分のメルトイン
デックスを有する。他の実施形態では、アイオノマーは、ASTM D1238(210
℃、2.16kg)に従って決定されるとき、1.0~10.0g/10分のメルトイン
デックスを有する。さらに、本開示のいくつかの実施形態では、アイオノマーは、AST
M D792に従って測定されたとき、0.920~0.980g/ccの密度を有する
【0043】
いくつかの実施形態では、本開示によるアイオノマーは、示差走査熱量測定(DSC
)によって測定された際に、アイオノマーの溶融温度を超える温度で耐荷重能力を示す。
【0044】
様々な実施形態によれば、アイオノマーを使用して、発泡体または成型品を形成し得
る。例えば、実施形態では、アイオノマーは、発泡体の特性を制御するために使用される
添加剤と組み合わせて、様々な形状の発泡体を形成することができる。いくつかの実施形
態では、発泡体は、当業者に既知であるように、二軸スクリュー押出機などから押出され
得る。
【0045】
発泡体の製造に使用される発泡剤(ブロー剤とも呼ばれる)は、物理的発泡剤または
化学的発泡剤であり得る。本明細書で使用される場合、「物理的発泡剤」は、硬化条件下
で揮発して発泡ガスを形成する低沸点液体である。例示的な物理的発泡剤には、炭化水素
、フルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、ヒドロフルオロオレフィン、ヒドロクロ
ロフルオロオレフィン、および他のハロゲン化化合物が含まれる。他の好適な化学発泡剤
には、例えば、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、アゾジカルボンアミド、ジニト
ロソペンタメチレンジアミン、およびスルホニルヒドラジドが含まれ得る。気体もしくは
液体として添加される、または水とポリイソシアネートとの反応によってその場で生成さ
れる、水または二酸化炭素などの発泡剤も使用され得る。発泡剤は、2つ以上の混合物で
使用することができ、化学的および物理的発泡剤を一緒に使用して、膨張分解温度および
発泡プロセスを調整することができる。
【0046】
発泡体組成物は、フリーラジカル開始剤または架橋剤、共硬化剤、活性剤、ならびに
顔料、接着促進剤、充填剤、核剤、ゴム、安定剤、および加工助剤を含むがこれらに限定
されない類似の組成物で通常使用される任意の他のタイプの添加剤をさらに含むことがで
きる。
【0047】
フリーラジカル開始剤または架橋剤は、例として、限定されないが、ジアルキル有機
過酸化物などの有機過酸化物を含むことができる。使用に適した有機過酸化物の例には、
1,1-ジ-t-ブチルペルオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ブチ
ル-クミルペルオキシド、ジクミル-ペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(三
級-ブチル-ペルオキシル)ヘキサン、1,3-ビス(三級-ブチル-ペルオキシル-イ
ソプロピル)ベンゼン、またはそれらの2つ以上の組み合わせが含まれる。
【0048】
共硬化剤には、トリメチロールプロパントリアクリレート(および類似の化合物)、
N,N-m-フェニレンジマレイミド、トリアリルシアヌレート、またはそれらの2つ以
上の組み合わせが含まれる。
【0049】
活性剤は、ブロー剤用の活性剤を含むことができ、1つ以上の金属酸化物、金属塩、
または有機金属錯体を含むことができる。例には、ZnO、ステアリン酸Zn、MgO、
またはそれらの2つ以上の組み合わせが含まれる。
【0050】
発泡体は、圧縮成型、射出成型、および押出と成型との組み合わせなどの多くの方法
によって製造され得る。このプロセスは、発泡体組成物の構成成分を熱下で混合して、溶
融物を形成することを含むことができる。構成成分は、Banbury、インテンシブミ
キサー、2ロールミル、および押出機を含む、当技術分野で既知であり、使用されている
任意の技術を使用して混合およびブレンドされ得る。時間、温度、およびせん断速度を調
節して、早期の架橋または発泡なしに分散を確保することができる。
【0051】
混合後に、成形を行うことができる。シーティングロールまたはカレンダーロールは
、発泡のために適切な寸法のシートを作製するために使用することができる。押出機は、
組成物をペレットに成形するために使用され得る。
【0052】
発泡は、過酸化物およびブロー剤の分解を完了させるための温度および時間で圧縮成
型で行うことができる。圧力、成型温度、および加熱時間を制御することができる。発泡
は、発泡組成物から作製されたペレットを使用することにより、射出成型装置を使用して
行うことができる。得られる発泡体は、熱成型および圧縮成型を含む当技術分野で既知の
任意の手段によって、最終製品の寸法にさらに成形することができる。
【0053】
様々な実施形態では、得られるポリマー発泡体組成物は、実質的に独立気泡であり得
、種々の物品、例えば、ミッドソールまたはインソールを含む履物用途に有用であり得る
【0054】
実施形態では、成型品は、少なくとも80℃の改善された耐クリープ性を示し、成形
品は、80℃で30分間、20psiの応力下で、25%未満、20%未満、18%未満
、または15%未満の寸法変化を示す。
【0055】
本発明のアイオノマーは、米国特許第3,264,272号(Rees)に開示され
ているように、標準的な中和技術によって調製され得、これは参照により本明細書に組み
込まれる。得られたアイオノマーである本発明の組成物は、ASTM D1238(19
0℃、2.16kg)に従って決定されるとき、0.01~100グラム/10分、好ま
しくは0.1~30グラム/10分のMIを有し得る。上記のパラグラフで定義されてい
るように、総パーセント中和は、約5~90パーセント、好ましくは10~70パーセン
ト、最も好ましくは25~60パーセントである。中和レベルが低い場合はアイオノマー
の特性が低下するが、レベルが高い場合はアイオノマーの流れが減少する。
【実施例0056】
試験手順
メルトインデックス(MI)を、2160グラムの重量を使用するASTM D-1
238を使用して測定する。
【0057】
融点(Tm)を、示差走査熱量測定(DSC)を使用して測定した。示差走査熱量測
定(DSC)を、RCS冷却付属品およびオートサンプラーを装備したTA Instr
uments Q1000 DSCで測定する。試料の融点(Tm)を、ASTM D3
418に従って測定する。
【0058】
アイオノマーの組成を、パーキンエルマーフーリエ変換赤外分光法(FTIR)を使
用して決定した。FTIR分析には、厚さ5ミルの圧縮成型フィルムを使用した。
【0059】
以下の実施例は、様々な実施形態を例示するために提供されるが、特許請求の範囲を
制限することを意図するものではない。すべての部およびパーセンテージは、特に指示が
ない限り重量による。様々な実施例、比較例、ならびに実施例および比較例で使用される
材料に関して、おおよその特性、特性、パラメータなどを以下に提供する。さらに、実施
例で使用した原料の説明は、以下の通りである。
【0060】
比較C1は、65重量パーセントのエチレン酸コポリマーと35重量パーセントのオ
レイン酸とのブレンドのマグネシウムアイオノマーである。エチレン酸コポリマーは、エ
チレン、6.2重量パーセントのアクリル酸、およびASTM D1238(190℃、
2.16kg)に従って決定するとき、60~300g/10分のMIを有する28.0
重量パーセントのアクリル酸n-ブチルを含み、エチレンコポリマーとオレイン酸との中
和されたブレンドの総酸単位の公称で100%を、Mgカチオンで中和する。Mg(OH
は、すべてのカルボン酸部分の145%中和の量で、Mgカチオン源として中和に使
用した。
【0061】
比較C2は、65重量%のエチレンコポリマーと22.5重量%のエルカ酸とのブレ
ンドに由来するMgアイオノマーであり、酸コポリマーは、6.2重量%のアクリル酸お
よび28.0重量%のアクリル酸n-ブチルを有し、ASTM D1238(190℃、
2.16kg)に従って測定したとき、85g/10分のMIを有するエチレン/アクリ
ル酸/アクリル酸n-ブチルターポリマーであり、エチレンコポリマーおよびオレイン酸
の両方の利用可能なカルボン酸部分の公称で100%を、Mgカチオンで中和する。Mg
(OH)は、すべてのカルボン酸部分の120%中和の量で、Mgカチオン源として中
和に使用した。
【0062】
比較C3は、ASTM D792に従って測定した0.950g/cmの密度およ
びASTM D1238(190℃、2.16kg)に従って測定したとき、0.7g/
10分のメルトインデックスIを有する亜鉛イオンで部分的に中和した85重量%のエ
チレンおよび15重量%のメタクリレート(MAA)を含むエチレン酸コポリマーのアイ
オノマーである。
【0063】
比較C4は、ASTM D792に従って測定した0.950g/cmの密度、お
よびASTM D1238(190℃、2.16kg)に従って測定したとき、0.9g
/10分のメルトインデックスIを有するナトリウムイオンで部分的に中和した85重
量%のエチレンおよび15重量%のメタクリレート(MAA)を含むエチレン酸コポリマ
ーのアイオノマーである。
【0064】
耐クリープ性データを表1、2、および3に示す。クリープ試験は、加熱されたオー
ブン内の死荷重に取り付けられたプレス成形フィルムの寸法変化(垂直)を測定すること
によって実施した。耐クリープ性は時間、温度、および荷重(応力)の関数であるため、
試験にはこれらの変数が含まれる。
【0065】
耐クリープ性は、時間、温度、および荷重重量(応力)の関数である。簡単な試験を
採用して、MAMEがある場合とない場合の様々な金属カチオンで中和された不飽和ジカ
ルボン酸コモノマーMAMEがある場合とない場合のアイオノマーの耐クリープ性を区別
した。クリープ試験は、試験片ホルダーを保持するためのシェルフラックを備えたクロス
フローエアオーブンで、死荷重に取り付けられたフィルム試験片の寸法変化(垂直)を測
定することによって実施した。クリープ試験は、厚さ10ミルの圧縮成型フィルムから切
り出した厚さ10ミル、幅1インチ、および長さ3インチのプレス成型フィルムストリッ
プで実行した。フィルムは、200グラムの死荷重でおよび最初に温度設定されたオーブ
ンで試験片ホルダーから吊るした。
【0066】
実施例1-ジカルボン酸モノマーを含有するエチレン酸コポリマーの耐クリープ性
【0067】
表1にまとめているように、結果には、本発明の実施例1および比較C1から得られ
たデータが含まれており、これらの組成物は前述している。
【0068】
実施例1のコポリマー組成物は、第1のエチレン酸コポリマーと、第2のエチレン酸
コポリマーと、脂肪族単官能性有機酸とのブレンドである。実施例1は、80重量%の第
1のエチレン酸コポリマーと、(b)20重量%の第2のエチレン酸コポリマーとのブレ
ンドである。第1のエチレン酸コポリマー、比較例C1。第2のエチレン酸コポリマーで
あるE/iBA/MAMEターポリマーには、10重量パーセントのアクリル酸イソブチ
ルおよび12重量パーセントのMAMEが含まれる。E/iBA/MAMEターポリマー
は、2160グラムを使用して190℃で測定されるASTM D1238に従って、9
5g/10分のメルトインデックス(MI)を有する。
【0069】
実施例1は、150rpmで、約210℃の温度で5分間、Haake Rheoc
ord90溶融ミキサー内で調製した。実施例1のメルトフローインデックスは、216
0グラムを使用して210℃で測定されるASTM D1238に従って測定したとき、
1.0g/10分である。
【0070】
表1にまとめているように、クリープ試験の結果は、試験片ホルダーを保持するため
のシェルフラックを備えたクロスフローエアオーブン内で、死荷重に取り付けられたフィ
ルム試験片の寸法変化(垂直)を測定することによって生成した。クリープ試験は、厚さ
10ミルの圧縮成型フィルムから切り出した厚さ10ミル、幅1インチ、および長さ3イ
ンチのプレス成型フィルムストリップで実行した。フィルムは、200グラムの死荷重で
および最初に温度設定されたオーブンで試験片ホルダーから吊るした。表1に示すオーブ
ン内で指定された時間および温度の後のフィルム試験片の変形を測定した。
【表1】
【0071】
2つのポリマー試料の耐クリープ性を表1にまとめている。耐クリープ性は、室温(
約22.0℃)、40℃、50℃、60℃、70℃、および80℃の各種温度で24時間
にわたって測定した。比較例C1では、不飽和ジカルボン酸モノマーを含有しないアイオ
ノマーは、40℃~50℃で変形した。比較すると、実施例1では、不飽和ジカルボン酸
MAMEを含有するアイオノマーは、80℃の温度でより少ない変形を示した。比較する
と、実施例1では、不飽和ジカルボン酸MAMEを含有するアイオノマーは、40℃~5
0℃でかなり少ない変形を示した。
【0072】
実施例2-脂肪族単官能性有機酸を含有するエチレン酸コポリマーの耐クリープ性
表2にまとめているように、結果には、本発明の実施例2から得られたデータが含ま
れている。実施例2は、第1のエチレン酸コポリマーと第2のエチレン酸コポリマーとの
ブレンドである。実施例2は、70重量%の第1のエチレン酸コポリマー、比較例C1、
および(b)30重量%の第2のエチレン酸コポリマー、10重量%のiBAおよび12
重量%のMAMEを含み、190℃で測定したときに95g/10分のMIを有するE/
iBA/MAMEターポリマーを含む。
【0073】
実施例2は、150rpmで、約210℃の温度で6分間、Haake Rheoc
ord90溶融ミキサー内で調製した。実施例2のメルトフローインデックスは、216
0グラムを使用して210℃で測定されるASTM D1238に従って測定したとき、
0.9g/10分である。
【表2】
【0074】
3つの実施例の耐クリープ性を表2にまとめている。クリープ試験は、厚さ10ミル
の圧縮成型フィルムから切り出した厚さ10ミル、幅1インチ、および長さ3インチのプ
レス成型フィルムストリップで実行した。フィルムは、50℃に初期設定されたオーブン
で110グラムの死荷重で吊るした。オーブン中で30分後にフィルム試験片の変形を測
定し、次いでオーブン温度を10℃上昇させた。温度は、50℃、60℃、70℃、80
℃、90℃、100℃、および120℃で測定した。比較例C1~C2、不飽和ジカルボ
ン酸モノマーまたは脂肪族単官能性有機酸(「脂肪酸」)を含有しないアイオノマーは、
90℃および100℃で失敗した。比較例C4は、脂肪酸塩を含有し、不飽和ジカルボン
酸を含有しないアイオノマーである。比較例C4は、クリープ試験に失敗しなかったが、
750.0%変形した。比較すると、実施例2では、ジカルボン酸MAMEおよび脂肪酸
を含有するアイオノマーは、比較試料よりも80C~100℃の温度範囲でより少ない変
形を示した。
【0075】
実施例3-2つのポリマー樹脂および脂肪族単官能性有機酸を含有するエチレン酸コポ
リマーの耐クリープ性
表3にまとめているように、結果には、本発明の実施例3~7から得られたデータが
含まれている。実施例3~7のコポリマー組成物を表3に記録している。実施例3、実施
例4、実施例5、実施例6、および実施例7は、220℃~250℃の溶融温度を使用し
て、混合スクリューを備えた26mm二軸スクリュー押出機内で調製した。
【0076】
実施例3は、80重量%の比較例C1と、20重量%のエチレン/アクリル酸イソブ
チル/マレイン酸モノエチルエステル(E/iBA/MAME)ターポリマーとのブレン
ドであり、このターポリマー中には10重量パーセントのiBAおよび12重量パーセン
トのMAMEが存在し、2160グラムを使用して190℃で測定したASTM D12
38従って、95g/10分のMIを有する。
【0077】
実施例4、実施例5、および実施例6は、下記の表3に概説されるように、比較例C
1とE/iBA/MAMEターポリマーとのブレンドを含む。E/iBA/MAMEター
ポリマーは、15重量パーセントのiBAおよび12重量パーセントのMAMEを有し、
2160グラムを使用するASTM D1238に従って190℃で測定したとき、17
3g/10分のMIを有する。比較例C1の重量パーセントおよびターポリマーのパーセ
ントは、各実施例について表3に記録している。
【0078】
実施例7は、80重量%の比較例C2と、15重量パーセントのiBAおよび12重
量パーセントのMAMEを有するE/nBA/MAMEターポリマーとのブレンドであり
、190℃で2160グラムを使用するASTM D1238に従って測定したとき、1
73g/10分のMIを有する。
【0079】
比較C1は、上述と同じ組成物である。
【0080】
比較C2は、上述と同じ組成物である。
【表3】
【0081】
表3では、試料が寸法において25%の変化を示した時点で、各試料についてのクリ
ープ温度を測定した。不飽和ジカルボン酸モノマー(MAME)を含有する各ポリマー樹
脂(実施例3~7)は、比較例C1を超える約30~40℃の耐クリープ性を示した。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン酸コポリマーと脂肪族単官能性有機酸との中和されたブレンドを含むアイオノマーであって、前記ブレンドが、
前記ブレンドの総重量%に基づいて、60~95重量%の前記エチレン酸コポリマーであって、
エチレンと、
前記エチレン酸コポリマー中に存在する前記モノマーの総重量%に基づいて、1~40重量%のアクリル酸アルキルと、
前記エチレン酸コポリマー中に存在する前記モノマーの総重量%に基づいて、0~20重量%のモノカルボン酸モノマーと、
前記エチレン酸コポリマー中に存在する前記モノマーの総重量%に基づいて、2~15重量%の不飽和ジカルボン酸モノマーと、の重合反応生成物であるエチレン酸コポリマーと、
前記ブレンドの総重量%に基づいて、5~40重量%の脂肪族単官能性有機酸であって、前記脂肪族単官能性有機酸が、36個未満の炭素原子を有する、脂肪族単官能性有機酸と、を含み、
前記ブレンドの総酸単位の少なくとも30モルパーセントが、マグネシウム中和塩のマグネシウムカチオンで中和されている、アイオノマー。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
表3では、試料が寸法において25%の変化を示した時点で、各試料についてのクリープ温度を測定した。不飽和ジカルボン酸モノマー(MAME)を含有する各ポリマー樹脂(実施例3~7)は、比較例C1を超える約30~40℃の耐クリープ性を示した。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
エチレン酸コポリマーと脂肪族単官能性有機酸との中和されたブレンドを含むアイオノマーであって、前記ブレンドが、
前記ブレンドの総重量%に基づいて、60~95重量%の前記エチレン酸コポリマーであって、
エチレンと、
前記エチレン酸コポリマー中に存在する前記モノマーの総重量%に基づいて、1~40重量%のアクリル酸アルキルと、
前記エチレン酸コポリマー中に存在する前記モノマーの総重量%に基づいて、0~20重量%のモノカルボン酸モノマーと、
前記エチレン酸コポリマー中に存在する前記モノマーの総重量%に基づいて、2~15重量%の不飽和ジカルボン酸モノマーと、の重合反応生成物であるエチレン酸コポリマーと、
前記ブレンドの総重量%に基づいて、5~40重量%の脂肪族単官能性有機酸であって、前記脂肪族単官能性有機酸が、36個未満の炭素原子を有する、脂肪族単官能性有機酸と、を含み、
前記ブレンドの総酸単位の少なくとも30モルパーセントが、マグネシウム中和塩のマグネシウムカチオンで中和されている、アイオノマー。
項2.
前記エチレン酸コポリマーが、1~20重量%のアクリル酸アルキルを含む、項1に記載のアイオノマー。
項3.
第1のエチレン酸コポリマーと、第2のエチレン酸コポリマーと、脂肪族単官能性有機酸との中和されたブレンドを含むアイオノマーであって、前記ブレンドが、
前記第1のエチレン酸コポリマーが、
エチレンと;
前記第1のエチレン酸コポリマー中に存在するモノマーの総重量%に基づいて、2~20重量%のモノカルボン酸モノマーと、
前記第1のエチレン酸コポリマー中に存在するモノマーの総重量%に基づいて、0~40重量%のアクリル酸アルキルと、の重合反応生成物であることと、
前記第2のエチレン酸コポリマーが、
エチレンと;
前記第2のエチレン酸コポリマー中に存在する前記モノマーの総重量%に基づいて、1~40重量%のアクリル酸アルキルと、
前記第2のエチレン酸コポリマー中に存在する前記モノマーの総重量%に基づいて、0~20重量%のモノカルボン酸モノマーと、
前記第2のエチレン酸コポリマー中に存在する前記モノマーの総重量%に基づいて、2~15重量%の不飽和ジカルボン酸モノマーと、の重合反応生成物であり、
前記第1のエチレン酸コポリマーと前記第2のエチレン酸コポリマーとの比率が、90/10重量%~10/90重量%であることと、
前記ブレンドの総重量%に基づいて、5~40重量%の脂肪族単官能性有機酸であって、前記脂肪族単官能性有機酸が、36個未満の炭素原子を有する、脂肪族単官能性有機酸と、を含み、
前記ブレンドの総酸単位の少なくとも30モルパーセントが、マグネシウム中和塩のマグネシウムカチオンで中和されている、アイオノマー。
項4.
前記ブレンドの総酸単位の少なくとも70モルパーセントが、前記マグネシウム塩のマグネシウムカチオンで中和されている、項1または項3に記載のアイオノマー。
項5.
前記ブレンドが、中和塩の少なくとも1つの追加のカチオン、亜鉛塩、リチウム塩、およびナトリウム塩から選択される中和塩でさらに中和されている、項1または項3に記載のアイオノマー。
項6.
前記ブレンドの総酸単位が、80~100モルパーセントの範囲で中和され、前記ブレンドの総酸単位の30~80モルパーセントが、前記マグネシウム塩の前記マグネシウムカチオンで中和されている、項3に記載のアイオノマー。
項7.
前記第2のエチレン酸コポリマーが、20~30重量%のアクリル酸アルキルを含む、項1に記載のアイオノマー。
項8.
前記不飽和モノカルボン酸モノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、項1~7のいずれか一項に記載のアイオノマー。
項9.
前記ブレンドの総酸単位の80~100%が、マグネシウムカチオンで中和されている、項1~3のいずれか一項に記載のアイオノマー。
項10.
前記不飽和ジカルボン酸モノマーが、無水マレイン酸、無水マレイン酸モノメチルエステル、無水マレイン酸モノエチルエステル、無水マレイン酸モノプロピルエステル、無水マレイン酸モノブチルエステル、またはそれらの組み合わせを含む、項1~9のいずれか一項に記載のアイオノマー。
項11.
前記アクリル酸アルキルが、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチルもしくはアクリル酸イソブチル、またはそれらの組み合わせを含む、項1~10のいずれか一項に記載のアイオノマー。
項12.
前記脂肪族単官能性有機酸が、4~36個の炭素原子を有する脂肪酸であり、任意選択で、C~Cアルキル基からなる群から独立して選択される1~3個の置換基で置換されている、項1~11のいずれか一項に記載のアイオノマー。
項13.
前記脂肪酸が、ベヘン酸、ステリン酸、オレイン酸、エルカ酸、12-ヒドロキシステアリン酸、およびイソステアリン酸のうちの少なくとも1つを含む、項12に記載のアイオノマー。
項14.
前記第1のエチレン酸コポリマーと前記第2のエチレン酸コポリマーとの比率が、90/10重量%~60/40重量%である、項3~15のいずれか一項に記載のアイオノマー。
項15.
項1~14のいずれかの一項に記載のアイオノマーを含む成形品または発泡体。
項16.
前記成形品が、少なくとも80℃の改善された耐クリープ性を示し、前記成形品が、80℃で30分間、20psiの応力下で25%未満の寸法変化を示す、項15に記載の成形品。
【外国語明細書】