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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081768
(43)【公開日】2024-06-18
(54)【発明の名称】ペーパーケース
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20240611BHJP
   A47K 10/20 20060101ALI20240611BHJP
   A47K 10/42 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
B65D83/08 G
A47K10/20 B
A47K10/42 A
A47K10/42 C
B65D83/08 B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024059866
(22)【出願日】2024-04-03
(62)【分割の表示】P 2020156124の分割
【原出願日】2020-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】391043310
【氏名又は名称】株式会社伊勢藤
(74)【代理人】
【識別番号】100194467
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 健文
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 剛
(57)【要約】
【課題】一のペーパーケースで設置場所に適した形態に組み替えることができるペーパーケースを提供する。
【解決手段】ペーパーケース1は、ペーパー束P1が収納される収納部20が内側に形成された周壁部21と、収納部20の下方において周壁部21に設けられ、上下方向に貫通した開口を有する底部23と、底部23によって取外し可能に支持され、収納部20に収納されたペーパー束P1から一のペーパーP11が上方から下方に向かって通される取出し口31を有する取出口部材3と、を備える。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペーパー束が収納される収納部が内側に形成された周壁部と、
前記収納部の下方において前記周壁部に設けられ、上下方向に貫通した開口を有する底部と、
前記底部によって取外し可能に支持され、前記収納部に収納された前記ペーパー束から一のペーパーが上方から下方に向かって通される取出し口を有する取出口部材と、
を備える、
ペーパーケース。
【請求項2】
前記底部は、前記取出口部材が取り外された状態で前記ペーパー束を支持可能に構成されており、
前記取出口部材は、前記周壁部の内側において前記周壁部に対して上下方向に移動可能に構成されており、
前記取出口部材と前記底部との間に前記ペーパー束を収納すると、前記取出し口に対し、前記ペーパー束から一のペーパーが下方から上方に向かって通されるように構成されている、
請求項1記載のペーパーケース。
【請求項3】
前記取出口部材は、
前記ペーパー束を押さえる平板部と、
前記平板部を上下方向に貫通する前記取出し口と、
を有する、
請求項1又は請求項2記載のペーパーケース。
【請求項4】
前記取出し口は、
前記平板部から突き出る筒状部によって形成されている、
請求項3記載のペーパーケース。
【請求項5】
前記筒状部は、前記底部によって前記取出口部材が支持された状態で、前記底部よりも下方に突き出ている、
請求項4記載のペーパーケース。
【請求項6】
前記平板部の端面は、前記周壁部の内周面に対向している、
請求項3~5のいずれか一項に記載のペーパーケース。
【請求項7】
前記周壁部は上面に上開口を有し、
前記ペーパーケースは、前記上開口を覆うように前記周壁部の上端に対して取外し可能に取り付けられた蓋を更に備える、
請求項1~6のいずれか一項に記載のペーパーケース。
【請求項8】
前記蓋は、前記周壁部の下端に対して、着脱可能に構成されている、
請求項7記載のペーパーケース。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペーパーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来のペーパーケース(特許文献1ではペーパータオルケース)が記載されている。特許文献1記載のペーパータオルケースは、有底箱状の容器本体と、取出し口を有する蓋と、を備える。容器本体の底板と蓋との間には、ペーパータオルの束(以下、「ペーパータオル束」という)が収納される。取出し口には、ペーパータオルの束の最上面のペーパーが、下から上に向かって通される。
【0003】
蓋は、容器本体内において上下方向に移動可能に構成されており、ペーパータオル束の上に載る。したがって、蓋は、容器本体に対し、ペーパータオルの残量に応じて、下方にスライド移動することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3221407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ペーパータオルケースを使用する場所が、テーブルの上及び/又は洗面台の上の場合、上記特許文献1記載のペーパータオルケースを適切に使用することができる。しかし、ユーザの目線以上の高さに設置しようとする場合、上記特許文献1記載のペーパータオルケースでは、取出し口が見づらく、使用しにくい。要するに、特許文献1記載のペーパータオルケースでは、テーブルの上及び/又は洗面台の上等のユーザの目線よりも低い位置にしか設置することができず、設置場所によっては使用しづらいという問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、一のペーパーケースで設置場所に適した形態に組み立てることができるペーパーケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る一態様のペーパーケースは、ペーパー束が収納される収納部が内側に形成された周壁部と、前記収納部の下方において前記周壁部に設けられ、上下方向に貫通した開口を有する底部と、前記底部によって取外し可能に支持され、前記収納部に収納された前記ペーパー束から一のペーパーが上方から下方に向かって通される取出し口を有する取出口部材と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る上記態様のペーパーケースは、一のペーパーケースで設置場所に適した形態に組み替えることができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るペーパーケースを載置面に置いた第一形態の斜視図である。
図2図2は、同上のペーパーケースの分解斜視図である。
図3図3は、同上のペーパーケースを設置面に設置した第二形態の斜視図である。
図4図4Aは、同上の第一形態のペーパーケースにおいて長壁に直交する断面での断面図である。図4Bは、第二形態のペーパーケースにおいて長壁に直交する断面での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
【0011】
以下、本実施形態に係るペーパーケース1について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
(1)全体
【0013】
本実施形態に係るペーパーケース1は、内部にペーパー束P1を収納し、取出し口31からペーパーP11を一枚ずつ取り出すことができるケースである。ペーパーケース1は、内部からペーパーP11を上方向に向かって引き出す形態(第一形態;図1参照)と、下方向に向かって引き出す形態(第二形態;図3参照)とに組み替えて、選択的に使用することができる。これによって、ユーザは、一のペーパーケース1で、設置場所に適した形態をとることができる。
【0014】
ここで、本明細書でいう「ペーパー束P1」は、束になった複数枚のペーパーP11を意味する。ペーパーP11は、手拭き等に使用される使い捨ての紙製のシート材のことである。ペーパーP11としては、例えば、ペーパータオル、キッチンペーパー、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ウェットティッシュ等が挙げられる。本実施形態に係るペーパー束P1は、各ペーパーP11が外三つ折りで折り畳まれており、上下方向に重なるペーパーP11の一部が互いに折り重なっている。したがって、一のペーパーP11がペーパーケース1から引き出されると、隣接するペーパーP11の一部が引き出され、取出し口31から飛び出した待機状態となる。
【0015】
本実施形態に係るペーパーケース1は、図2に示すように、筐体2と、取出し口31を有する取出口部材3と、蓋4と、を備える。
【0016】
ここで、説明の便宜上、筐体2を載置面G1上に置いた状態を基準として説明する。すなわち、図1に示すように、載置面G1に平行でかつ取出し口31の長手方向に平行な2方向を「左右方向」として定義し、載置面G1に平行でかつ左右方向に直交する2方向を「前後方向」として定義する。また、載置面G1に対して直交する2方向を「上下方向」として定義する。ここでは、載置面G1を、水平面であるとして説明するが、載置面G1は水平面である必要はなく、水平面に対して傾斜した傾斜面であってもよい。ただし、これらの方向の定義は、ペーパーケース1の使用態様を限定する趣旨ではない。
【0017】
(2)筐体
【0018】
筐体2は、内部にペーパー束P1を収納する収納部20(図2)が形成された箱であり、ペーパーケース1の外殻を構成する。筐体2は、図2に示すように、略直方体状に形成されており、上面に開口面(この開口面を「上開口22」という場合がある)を有する。本実施形態では、上開口22は、筐体2の上面の全面にわたって形成されている。ペーパー束P1は、上開口22に対して上方から通し、収納部20に向かって移動させることで、収納部20に収納される。筐体2は、周壁部21と、底部23と、を備える。周壁部21と底部23とは、一体に形成されている。
【0019】
筐体2の素材としては、特に制限はないが、例えば、合成樹脂、合板、ガラス、金属、カーボン、繊維強化プラスチック、厚紙、セラミック、陶磁器等が挙げられる。
【0020】
周壁部21は、収納部20が内側に形成された筐体2の側壁をなす部分である。周壁部21は、空間を仕切ることで収納部20を画定する。周壁部21は、上方から見ると(以下、平面視)、ペーパー束P1を囲むように形成されており、本実施形態では、左右方向に長手方向を有する長方形状に形成されている。ただし、本発明では、周壁部21は、平面視矩形状に限らず、例えば、平面視略五角形状、平面視略六角形状等の多角形状のほか、平面視円形状、平面視長円形状(楕円形状)等であってもよい。
【0021】
周壁部21は、一対の長壁211と、一対の短壁212と、で構成されている。一対の長壁211同士は互いに平行であり、一対の短壁212同士は互いに平行である。長壁211は、短壁212に対して垂直である。収納部20にペーパー束P1が収納されると、長壁211及び短壁212の内面は、ペーパー束P1の端面に対向する。
【0022】
底部23は、図3に示すように、ペーパーケース1を第二形態にした状態で、取出口部材3を支える部分である。また、底部23は、図4Aに示すように、ペーパーケース1を第一形態にした状態で、ペーパー束P1を支持することができる。底部23は平板状に形成されており、長壁211及び短壁212に対して垂直である。底部23は、収納部20の下面を画定しており、言い換えると、収納部20の下方において周壁部21に設けられている。
【0023】
底部23には上下方向に貫通する開口(これを「下開口24」という場合がある)が形成されている。下開口24は、底部23の長手方向(左右方向)の全長にわたって形成されており、対向する短壁212の間の全長にわたって形成されている。下開口24は、底部23の前後方向の中央部に形成されている。
【0024】
下開口24の幅寸法(前後方向の寸法)は、図4Bに示すように、取出口部材3の筒状部33の前後方向の寸法以上に形成されており、言い換えると取出し口31の前後方向の寸法以上に形成されている。
【0025】
(3)取出口部材
【0026】
取出口部材3は、一のペーパーP11を引き出す取出し口31を有する部材である。ペーパーケース1を第一形態にした状態では、図4Aに示すように、ペーパー束P1の上に取出口部材3が載り、取出し口31に対し、一のペーパーP11が下方から上方に向かって通される。一方、第二形態にした状態では、図4Bに示すように、取出口部材3の上にペーパー束P1が載り、取出し口31に対し、一のペーパーP11が上方から下方に向かって通される。取出口部材3は、図2に示すように、平板部32と、取出し口31を有する筒状部33と、を備える。
【0027】
平板部32は、ペーパー束P1の最前面を押さえる部分である。ここでいう「ペーパー束P1の最前面」とは、ペーパー束P1の主面のうちの次に取り出されるペーパーP11によって構成された面を意味する。平板部32は、ペーパー束P1の最前面を押さえることで、取出し口31から一のペーパーP11のみを取り出しやすくすることができる。
【0028】
平板部32は、取出口部材3において、平板状をなす部分である。平板部32の端面(外周端面)は、図4Aに示すように、周壁部21の内周面に近接対向している。ここでいう「近接対向」とは、周壁部21の内周面に対し、一定のあそびをもって対向していることを意味する。「近接対向」とは、平板部32の端面と周壁部21の内周面との間の寸法が、例えば、5mm以下である。ただし、本発明では、平板部32の端面と周壁部21の内周面とは向き合って対向していればよく、必ずしも「近接対向」していなくてもよい。
【0029】
したがって、平板部32の端面は、周壁部21に対して、一部が接触していてもよく、必ずしも全周にわたって隙間が介在していなくてもよい。これによって、取出口部材3は、周壁部21に対して、上下方向に移動可能に構成されると共に、周壁部21によって移動がガイドされる。
【0030】
図4Aに示すように、ペーパーケース1を第一形態にした場合、平板部32は、ペーパー束P1に対向する面(以下、「対向面」という)が下を向いた状態でペーパー束P1に載る。したがって、取出口部材3がペーパー束P1に載るため、取出口部材3の自重によって、平板部32がペーパー束P1の最前面を押さえることができる。
【0031】
一方、ペーパーケース1を第二形態にした場合、図4Bに示すように、対向面が上を向いた状態で、平板部32が底部23に載り、底部23によって取外し可能に支持される。対向面にはペーパー束P1が載り、平板部32は、ペーパー束P1の自重によって、ペーパー束P1の最前面に押しつけられるため、ペーパー束P1の最前面を押さえることができる。
【0032】
筒状部33は、平板部32の対向面とは反対側の面から突き出ている。筒状部33は、図2に示すように、角筒状に形成されており、取出し口31を形成する。取出し口31は、筒状部33の突出先端面と平板部32の対向面とを貫通しており、すなわち、取出口部材3を上下方向に貫通する。
【0033】
筒状部33の基端部34は、図4Aに示すように、上下方向の中央から基端にかけて、基端側に行くに従って幅寸法(前後方向の寸法)が大きくなるように、平板部32に対して傾斜している。したがって、取出し口31は、対向面に近付くに従って徐々に幅寸法が拡がっている。本実施形態では、対向面と取出し口31の内面とは滑らかに連続している。ここでいう「滑らかに連続している」とは、対向面と取出し口31の内面とでなすコーナー部分が、曲面又は複数の鈍角でつながっていることを意味する。
【0034】
筒状部33は、ペーパーケース1を第二形態にした場合、図4Bに示すように、底部23よりも下方に突き出ている。本実施形態では、筒状部33が底部23よりも下方に突き出ているが、本発明では、筒状部33の下端面と、底部23の下面とが面一となるような寸法関係に設定されてもよい。
【0035】
(4)蓋
【0036】
蓋4は、筐体2の上端又は下端に対して取外し可能に取り付けられる。蓋4は、平面視略矩形状に形成されている。蓋4は、ペーパーケース1を第一形態にした場合、図4Aに示すように、筐体2の下端に取り付けられる。一方、ペーパーケース1を第二形態にした場合、図4Bに示すように、上開口22を覆うようにして、筐体2の上端に取り付けられる。
【0037】
蓋4は、図2に示すように、蓋本体部41と、筐体2の周壁部21に取外し可能に取り付けられる係止部42と、を備える。蓋本体部41は、筐体2の上面又は下面に沿う板状の部分である。係止部42は、蓋本体部41から突き出しており、筐体2の周壁部21の内側に入り込む。係止部42は、蓋本体部41の外周の全周にわたって設けられている。筐体2に対する係止部42の取付けは、例えば、スナップフィット構造、ねじ止め、嵌め込み、ピン留め等により実現される。係止部42において、筐体2に対して取り付けられる部分(例えば、爪)は、全周のうちの一部に形成されてもよいし、全長にわたって形成されてもよい。
【0038】
蓋本体部41と筐体の端面との間には、パッキンが配置されることが好ましい。パッキンとしては、例えば、ゴム、エラストマー、軟質樹脂、シリコーン、ウレタン発泡樹脂等が挙げられる。
【0039】
(5)使用方法
【0040】
次に、本実施形態に係るペーパーケース1の使用方法について説明する。ペーパーケース1は、上述したように、筐体2の内部に収納したペーパー束P1から一のペーパーP11を上方向に取り出す第一形態と、一のペーパーP11を下方向に取り出す第二形態と、に組み替えることができる。以下、第一形態の使用方法を説明した後に、第二形態の使用方法について説明する。
【0041】
第一形態では、ペーパーケース1は、図1に示すように、載置面G1に置いて使用される。第一形態に係るペーパーケース1では、図4Aに示すように、筐体2の底部23と、取出口部材3と、の間にペーパー束P1が収納される。ペーパー束P1の上面から、取出し口31を介して、一のペーパーP11が飛び出している。筐体2の下端に蓋4が取り付けられる。当該ペーパーP11を上方向に引き出すと、一のペーパーP11が取り出され、引き続き次のペーパーP11の一部が飛び出した待機状態となる。
【0042】
取出口部材3は、周壁部21の内側において、周壁部21に対して上下方向に移動可能であるため、ペーパー束P1の厚さに応じて、自重にて下方向にスライド移動(平行移動)する。ペーパー束P1には、常時、同じ重さが加わり、ペーパーP11には常に同じ摩擦力が加わるため、ペーパー束P1の残量が少なくなっても、一度に複数枚のペーパーP11が取り出されるのが防止される。また、取出し口31の内周面が対向面と滑らかに連続しているため、ペーパーP11が取出口部材3に引っ掛かるのが防止される。
【0043】
第二形態では、ペーパーケース1は、図3に示すように、例えば、鉛直面に沿う設置面X1に取り付けられる。設置面X1は、例えば、内壁面、扉面、冷蔵庫の前扉、黒板、ホワイトボード等が挙げられる。第二形態に係るペーパーケース1は、ユーザの目線よりも上方に設置されることが好ましい。設置面X1に対するペーパーケース1の取付けは、例えば、筐体2の長壁211にマグネット板を貼り付け、金属製の設置面X1に磁着してもよいし、ネジなどの固着具によって設置面X1に取り付けてもよい。
【0044】
第二形態に係るペーパーケース1では、筐体2の底部23に支持された取出口部材3にペーパー束P1が載り、筐体2の上端に蓋4が取り付けられる。ペーパー束P1の下面から、取出し口31を介して、一のペーパーP11が飛び出している。
【0045】
このように、本実施形態に係るペーパーケース1では、第一形態と第二形態とのいずれかに組み替えることができるため、一のペーパーケース1で、設置場所に適した形態のペーパーケース1とすることができる。
【0046】
<変形例>
【0047】
上記実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0048】
上記実施形態では、取出口部材3は筒状部33によって取出し口31が形成されたが、本発明では筒状部33はなくてもよい。取出し口31は、平板部32を貫通するスリット又はスロット孔で構成されてもよい。なお、取出口部材3に筒状部33が無い場合、下開口24の幅寸法は、取出し口31の幅寸法以上であればよい。
【0049】
上記実施形態では、底部23は、上下方向に直交する平面に対して平行であったが、本発明では、底部23は、上下方向に直交する平面に対して傾斜していてもよい。例えば、底部23は、長壁211からの突出端に近づくに従って下方に位置するように、上記平面に対して傾斜してもよい。
【0050】
また、底部23は、上記実施形態では板状に形成されたが、本発明では、底部23は短壁212同士を繋ぐ複数の棒状又は梁状に形成されてもよい。下開口24は、底部23の前後方向の中央部において左右方向の全長にわたって形成されたが、左右方向に部分的に(例えば、中央部に)形成されてもよい。
【0051】
上記実施形態では、蓋4は、蓋本体部41と係止部42とで構成されたが、係止部42はなくてもよく、例えば、筐体2に対して左右方向にスライドして差し込むことで取外し可能に取り付けられてもよいし、けんどん方式で取り付けられてもよい。また、係止部42は、周壁部21の外側に位置してもよい。
【0052】
本明細書にて、「略平行」、又は「略直交」のように「略」を伴った表現が、用いられる場合がある。例えば、「略平行」とは、実質的に「平行」であることを意味し、厳密に「平行」な状態だけでなく、数度程度の誤差を含む意味である。他の「略」を伴った表現についても同様である。
【0053】
また、本明細書において「前端部」及び「前端」などのように、「…部」の有無で区別した表現が用いられている。例えば、「前端部」とは、「前端」を含む一定の範囲を持つ部分を意味する。他の「…部」を伴った表現についても同様である。
【0054】
<まとめ>
【0055】
以上説明したように、第1の態様に係るペーパーケース1は、ペーパー束P1が収納される収納部20が内側に形成された周壁部21と、収納部20の下方において周壁部21に設けられ、上下方向に貫通した開口を有する底部23と、底部23によって取外し可能に支持され、収納部20に収納されたペーパー束P1から一のペーパーP11が上方から下方に向かって通される取出し口31を有する取出口部材3と、を備える。
【0056】
この態様によれば、取出し口31部材が底部23に支持された状態でペーパー束P1が収納されると、ペーパーP11を取出し口31から下方に取り出すことができる(第二形態)。また、この取出口部材3を取り外して、ペーパー束P1に載せることで、ペーパーP11を取出し口31から上方に取り出すことができる(第一形態)。これによって、一のペーパーケース1で、設置場所に適した形態のペーパーケース1に組み替えることができる。
【0057】
第2の態様に係るペーパーケース1では、第1の態様において、底部23は、取出口部材3が取り外された状態でペーパー束P1を支持可能に構成されている。取出口部材3は、周壁部21の内側において周壁部21に対して上下方向に移動可能に構成されている。取出口部材3と底部23との間にペーパー束P1を収納すると、取出し口31に対し、ペーパー束P1から一のペーパーP11が下方から上方に向かって通されるように構成されている。
【0058】
この態様によれば、取出し口31から上方にペーパーP11を取り出す形態(第一形態)と、取出し口31から下方にペーパーP11を取り出す形態(第二形態)とで組み替えることができ、一のペーパーケース1で、設置場所に適した態様のペーパーケース1とすることができる。
【0059】
第3の態様に係るペーパーケース1では、第1又は第2の態様において、取出口部材3は、ペーパー束P1を押さえる平板部32と、平板部32を上下方向に貫通する取出し口31と、を有する。
【0060】
この態様によれば、第一形態にしたペーパーケース1と、第二形態にしたペーパーケース1とのいずれの場合であっても、ペーパー束P1を平板部32で押さえることができるため、取出し口31から一枚のペーパーP11を取り出しやすい。
【0061】
第4の態様に係るペーパーケース1では、第3の態様において、取出し口31は、平板部32から突き出る筒状部33によって形成されている。
【0062】
この態様によれば、筒状部33の中心軸方向に沿ってペーパーP11をガイドすることができ、ユーザは、一のペーパーP11を取り出しやすい。
【0063】
第5の態様に係るペーパーケース1では、第4の態様において、筒状部33は、底部23によって取出口部材3が支持された状態で、底部23よりも下方に突き出ている。
【0064】
この態様によれば、取出し口31から下方にペーパーP11を取り出す形態(第二形態)において、取出し口31の位置を見やすくすることができる。
【0065】
第6の態様に係るペーパーケース1では、第3~5のいずれか1つの態様において、平板部32の端面は、周壁部21の内周面に対向している。
【0066】
この態様によれば、取出口部材3から上方にペーパーP11を取り出す形態(第一形態)において、取出口部材3によってペーパー束P1を覆うことができ、ペーパー束P1を埃及び/又は水しぶきから保護することができる。また、この場合において、周壁部21の内周面を取出口部材3の移動のガイドとすることができ、周壁部21に対して、取出口部材3を平行移動させやすい。
【0067】
第7の態様に係るペーパーケース1では、第1~6のいずれか1つの態様において、周壁部21は上面に上開口22を有する。ペーパーケース1は、上開口22を覆うように周壁部21の上端に対して取外し可能に取り付けられた蓋4を更に備える。
【0068】
この態様によれば、取出し口31から下方にペーパーP11を取り出す形態(第二形態)において、収納されたペーパー束P1を蓋4によって覆うことができる。
【0069】
第8の態様に係るペーパーケース1では、第7の態様において、蓋4は、周壁部21の下端に対して、着脱可能に構成されている。
【0070】
この態様によれば、取出し口31から上方にペーパーP11を取り出す形態(第一形態)において、蓋4を周壁部21の下端に取り付けることで、底部23の開口を通してペーパー束P1が汚れるのを防ぐことができる上に、蓋4が紛失してしまうのを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0071】
1 ペーパーケース
20 収納部
21 周壁部
22 上開口
23 底部
24 下開口(開口)
3 取出口部材
31 取出し口
32 平板部
33 筒状部
4 蓋
P1 ペーパー束
P11 ペーパー

図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-05-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載された発明。