(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081815
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】電池管理システム、温度測定装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G01K 7/16 20060101AFI20240612BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240612BHJP
H01M 10/42 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
G01K7/16 Z
H01M10/48 301
H01M10/42 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069529
(22)【出願日】2021-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099933
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 敏
(74)【代理人】
【識別番号】100124028
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 公雄
(74)【代理人】
【識別番号】100078813
【弁理士】
【氏名又は名称】上代 哲司
(74)【代理人】
【識別番号】100094477
【弁理士】
【氏名又は名称】神野 直美
(72)【発明者】
【氏名】鄭 暁光
(72)【発明者】
【氏名】薗田 不二夫
(72)【発明者】
【氏名】小松 裕
【テーマコード(参考)】
5H030
【Fターム(参考)】
5H030AA06
5H030AS01
5H030AS08
5H030FF22
(57)【要約】
【課題】温度異常を検出するための配線数の増大を抑制し、温度異常の電池セルを検出できる電池管理システム、温度測定装置及び制御方法を提供する。
【解決手段】電池管理システムは、複数のセルを含む電池ユニットに設けられる線状部材と、線状部材を伝搬する反射波に基づいて線状部材のインピーダンス変化を検出し、検出されたインピーダンス変化に基づいて複数のセルの温度変化を検出する検出部と、検出部の検出結果に応じて複数のセルの異常の有無を判定する判定部とを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルを含む電池ユニットに設けられる線状部材と、
前記線状部材を伝搬する反射波に基づいて前記線状部材のインピーダンス変化を検出し、検出された前記インピーダンス変化に基づいて前記複数のセルの温度変化を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に応じて前記複数のセルの異常の有無を判定する判定部とを含む、電池管理システム。
【請求項2】
前記線状部材は、絶縁性の基材部と、
前記基材部を介して対向配置される一対の導体部とを含み、
前記一対の導体部の一方である第1導体部は、他方である第2導体部より幅が小さい、請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項3】
前記基材部は、ポリアミドにより形成される、請求項2に記載の電池管理システム。
【請求項4】
前記基材部の厚さは、100μm以上600μm以下であり、
前記基材部の幅は、5mm以上15mm以下であり、
前記第1導体部の幅は、0.3mm以上1.5mm以下であり、
前記第2導体部の幅は、前記基材部の幅に等しい、請求項3に記載の電池管理システム。
【請求項5】
前記第1導体部は、前記第2導体部よりも前記電池ユニットに近い位置に配置されている、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の電池管理システム。
【請求項6】
前記複数のセルの各々と前記線状部材との間に、相互に離隔して、前記線状部材の長手方向に沿って配置される2つの放熱シートをさらに含み、
前記2つの放熱シートが前記線状部材に接している部分の幅の合計は、前記線状部材の幅よりも小さい、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電池管理システム。
【請求項7】
前記電池ユニットをさらに含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電池管理システム。
【請求項8】
複数のセルを含む電池ユニットに設けられる線状部材と、
前記線状部材を伝搬する反射波に基づいて前記線状部材のインピーダンス変化を検出し、検出された前記インピーダンス変化に基づいて前記複数のセルの温度変化を検出する検出部とを含む、温度測定装置。
【請求項9】
複数のセルを含む電池ユニットに設けられた線状部材に交流信号を入力する入力ステップと、
前記交流信号の入力により前記線状部材を伝搬する反射波に基づいて前記線状部材のインピーダンス変化を測定する測定ステップと、
測定された前記インピーダンス変化に基づいて前記複数のセルの温度変化を検出する検出ステップと、
前記検出ステップによる検出結果に応じて前記複数のセルの異常の有無を判定する判定ステップとを含む、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電池管理システム、温度測定装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電システム若しくは燃料電池システム等により発電された電力、又は、商用電力を蓄える蓄電システムが知られている。そのような蓄電システムは、複数の電池セル(リチウムイオン電池等の二次電池)を含む。蓄電システムは、一旦蓄えた電力を、適宜外部負荷に供給する。また、プラグインハイブリッド車(以下、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)という)又は電気自動車(以下、EV(Electric Vehicle)という)にも二次電池が搭載されている。複数の電池セルは直列接続されて電池モジュールを構成し、モータ等の駆動機構及び照明等の電装装置への電力を供給する。
【0003】
下記特許文献1には、複数の電池モジュールの各々に2つの温度センサを配置し、各電池モジュールを構成する電池セルの加熱状況を監視するように構成された電池モジュールが開示されている。また、下記特許文献2には、単電池(電池セル)を複数直列接続した組電池(電池パック)において、複数の単電池の中の一部に温度センサを配置し、単電池の温度が異常に上昇したことを早期に検出する電池システムが開示されている。
【0004】
下記特許文献3には、複数の電池セルが接続された電池ブロックにおいて、各電池セルの温度を監視する電池温度監視システムが開示されている。この電池温度監視システムは、相互に直列接続されて電池ブロックを構成する複数の電池セルの各々の正極端子及び負極端子の各々にサーミスタを設けて、各電池セルの温度を検出し、短絡の有無を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-127324号公報
【特許文献2】特開2020-145060号公報
【特許文献3】特開2018-049726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び特許文献2のいずれにおいても、温度センサの総数は電池セルの総数よりも少ないため、個々の電池セルの温度を直接監視できない。したがって、センサが配置されていない電池セルの温度が上昇した場合に、それを検出するのに時間がかかる問題がある。
図1を参照して、具体的に説明する。温度センサが配置された電池セルから離隔した電池セルの温度が破線で示すように上昇し、時刻t1において、異常温度(通常の温度範囲を逸脱した高い温度)と判定するしきい値Tthを超えた場合を考える。この電池セルによる発熱は、その周囲の電池セルを介して温度センサに伝達される。温度センサにより検出される温度は、実線で示すように上昇する。時刻t1においては、温度センサの検出温度はしきい値Tthよりも低いので、発生した温度異常は検出されない。温度センサの検出温度が、時刻t2においてしきい値Tthを超えると、温度異常が検出される。
【0007】
このように、実際に電池セルにおいて温度異常が発生した時刻t1においては、温度センサまで熱が伝達されておらず、温度異常は検出できない。温度異常の発生時刻t1から温度センサによる検出時刻t2まで、遅延時間Δt(=t2-t1)がある。その間に、異常温度になった電池セルの温度は、しきい値Tthを超えた高温になる。
【0008】
各電池セルの温度を監視するためには、例えば
図2に示すように、電池セル900a~900nの各々に、サーミスタ、熱電対又は白金温度計等の温度センサ902a~902nを配置することが考えられる。しかし、温度センサ902a~902nの各々と、温度センサにより電池セルの温度を検出する検出部904とを個別に結ぶ配線が必要となり、配線の本数が非常に多くなり、配線群906のために大きい空間が必要となる問題がある。また、費用が高くなり、現実的な解決策にはならない。特許文献3においては、1つの電池セルに複数のサーミスタを設けるので、配線数はさらに多くなり、より一層問題となる。
【0009】
したがって、本開示は、温度異常を検出するための配線数の増大を抑制し、温度異常の電池セルを検出できる電池管理システム、温度測定装置及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示のある局面に係る電池管理システムは、複数のセルを含む電池ユニットに設けられる線状部材と、線状部材を伝搬する反射波に基づいて線状部材のインピーダンス変化を検出し、検出されたインピーダンス変化に基づいて複数のセルの温度変化を検出する検出部と、検出部の検出結果に応じて複数のセルの異常の有無を判定する判定部とを含む。
【0011】
本開示の別の局面に係る温度測定装置は、複数のセルを含む電池ユニットに設けられる線状部材と、線状部材を伝搬する反射波に基づいて線状部材のインピーダンス変化を検出し、検出されたインピーダンス変化に基づいて複数のセルの温度変化を検出する検出部とを含む。
【0012】
本開示のさらに別の局面に係る制御方法は、複数のセルを含む電池ユニットに設けられた線状部材に交流信号を入力する入力ステップと、交流信号の入力により線状部材を伝搬する反射波に基づいて線状部材のインピーダンス変化を測定する測定ステップと、測定されたインピーダンス変化に基づいて複数のセルの温度変化を検出する検出ステップと、検出ステップによる検出結果に応じて複数のセルの異常の有無を判定する判定ステップとを含む。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、温度異常を検出するための配線数の増大を抑制し、温度異常の電池セルを検出できる電池管理システム及び電池監視システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、従来の電池管理システムにおける温度異常が発生した電池セルの温度変化(破線)と温度センサの温度変化(実線)とを示すグラフである。
【
図2】
図2は、電池管理システムとして考えられる構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態に係る電池管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図3に示した電池管理システムの構成を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、
図4に示した線状部材の電池セルへの装着状態を示す断面図である。
【
図7】
図7は、
図3に示した検出部及び線状部材の構成を示す図である。
【
図8】
図8は、
図3に示した電池管理システムの動作を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、
図4に示した線状部材が
図6とは異なる形態で電池セルに装着された状態を示す断面図である。
【
図11】
図11は、
図3に示した電池管理システム及び電池ユニットを搭載した車両を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[本開示の実施形態の説明]
本開示の実施形態の内容を列記して説明する。以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組合せてもよい。
【0016】
(1)本開示の第1の局面に係る電池管理システムは、複数のセルを含む電池ユニットに設けられる線状部材と、線状部材を伝搬する反射波に基づいて線状部材のインピーダンス変化を検出し、検出されたインピーダンス変化に基づいて複数のセルの温度変化を検出する検出部と、検出部の検出結果に応じて複数のセルの異常の有無を判定する判定部とを含む。これにより、電池ユニットを構成する各セル(電池セル)における温度異常を検出するための配線数の増大を抑制し、温度異常の発生を速やかに検出できる。
【0017】
(2)好ましくは、線状部材は、絶縁性の基材部と、基材部を介して対向配置される一対の導体部とを含み、一対の導体部の一方である第1導体部は、他方である第2導体部より幅が小さい。これにより、線状部材を分布定数回路として扱うことができ、第1導体部の幅を調整することにより、線状部材の特性インピーダンスを所望の値に設定できる。
【0018】
(3)より好ましくは、基材部は、ポリアミドにより形成される。これにより、温度変化に敏感にインピーダンスが変化する線状部材を実現でき、各セルの温度異常を容易に検出できる。
【0019】
(4)さらに好ましくは、基材部の厚さは、100μm以上600μm以下であり、基材部の幅は、5mm以上15mm以下であり、第1導体部の幅は、0.3mm以上1.5mm以下であり、第2導体部の幅は、基材部の幅に等しい。これにより、第1導体部及び基材部の寸法を調整することにより、線状部材の特性インピーダンスを所望の値に設定することが容易になる。
【0020】
(5)好ましくは、第1導体部は、第2導体部よりも電池ユニットに近い位置に配置されている。これにより、外部からの電波は第2導体部により遮蔽されるので、第1導体部を伝搬する信号への影響を抑制でき、線状部材のインピーダンスの変化を精度よく測定できる。
【0021】
(6)より好ましくは、電池管理システムは、複数のセルの各々と線状部材との間に、相互に離隔して、線状部材の長手方向に沿って配置される2つの放熱シートをさらに含み、2つの放熱シートが線状部材に接している部分の幅の合計は、線状部材の幅よりも小さい。これにより、熱伝導性を維持したまま線状部材とセル間の電気容量結合を緩和できる。したがって、線状部材のインピーダンス変化を精度よく測定できる。
【0022】
(7)さらに好ましくは、電池管理システムは、電池ユニットをさらに含む。これにより、電池管理システムを車両等に搭載することが容易になる。
【0023】
(8)本開示の第2の局面に係る温度測定装置は、複数のセルを含む電池ユニットに設けられる線状部材と、線状部材を伝搬する反射波に基づいて線状部材のインピーダンス変化を検出し、検出されたインピーダンス変化に基づいて複数のセルの温度変化を検出する検出部とを含む。これにより、電池ユニットを構成する各セル(電池セル)における温度異常を検出するための配線数の増大を抑制し、温度異常の発生を速やかに検出できる。
【0024】
(9)本開示の第3の局面に係る制御方法は、複数のセルを含む電池ユニットに設けられた線状部材に交流信号を入力する入力ステップと、交流信号の入力により線状部材を伝搬する反射波に基づいて線状部材のインピーダンス変化を測定する測定ステップと、測定されたインピーダンス変化に基づいて複数のセルの温度変化を検出する検出ステップと、検出ステップによる検出結果に応じて複数のセルの異常の有無を判定する判定ステップとを含む。これにより、電池ユニットを構成する各セル(電池セル)における温度異常を検出するための配線数の増大を抑制し、温度異常の発生を速やかに検出できる。
【0025】
[本開示の実施形態の詳細]
以下の実施形態においては、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0026】
(実施形態)
(構成)
図3を参照して本開示の実施形態に係る電池管理システム100は、線状部材102と検出部104とを含む。線状部材102は、電池ユニット200を構成する電池セル200a~200nの各々に、直接又は所定の部材を介して装着されている。
図4を参照して、線状部材102は、例えば電池セル200a~200nの各々の側面に当接されている。したがって、電池セル200a~200nの各々による発熱は線状部材102に伝達される。
図4には、便宜上、線状部材102の延伸方向をZ軸とする直交軸を示している。なお、電池管理システム100は、その監視対象である電池ユニット200を含んで構成されてもよい。
【0027】
電池セル200a~200nは、例えば、蓄電システムを構成する二次電池、又は、PHEV若しくはEV等に車載される二次電池であり、例えば相互に直列接続される。a~nの文字は電池セルを区別するために便宜上付したものであり、電池セルの数を表すものではない。
【0028】
線状部材102は、検出部104に接続されている。検出部104は、線状部材102に交流信号sを供給し、線状部材102のインピーダンスを測定し、その変化を観測する。検出部104は、インピーダンス測定装置(LCRメータ、インピーダンスアナライザ等)として機能する。
【0029】
Z軸に垂直な線状部材102の断面図を
図5に示す。
図5を参照して、線状部材102は、第1絶縁層120と、第1導体部122と、第2絶縁層124と、第1接着層126と、基材部128と、第2接着層130と、第3絶縁層132と、第2導体部134と、第4絶縁層136とが積層されて構成されている。線状部材102は、例えば、FPC(Flexible Printed Circuits)の積層技術を用いて、平たいマイクロストリップ構造に形成されている。第1導体部122を除いて、積層された各層は、同じ幅W1(例えば約5mm~約15mm)に形成されている。
図5の左右の端部に、絶縁部材が配置されていてもよい。なお、
図5は各層の厚さに違いがあることを模式的に示しており、正確な寸法比率で作成されたものではない。
【0030】
第1絶縁層120及び第4絶縁層136は、それらにより挟まれた複数の層を機械的に保護し、電気的に絶縁(以下、単に絶縁という)するためのものであり、絶縁部材(誘電部材)により形成されている。第2絶縁層124及び第3絶縁層132は、耐熱性及び機械強度が比較的高い絶縁部材により形成されている。第2絶縁層124及び第3絶縁層132は、例えばFPCにおいて使用されるポリイミドにより、各々厚さD1が約5μm~約15μmに形成されている。
【0031】
第1導体部122は、導電性の金属の薄膜であり、第2絶縁層124と第1絶縁層120との間に配置されている。第1導体部122は、例えば銅箔により、幅W2が約0.3mm~約1.5mmに形成されている。後述するように、第1導体部122には交流信号が供給される。第2導体部134は導電性の金属の薄膜であり、第3絶縁層132と第4絶縁層136との間に配置され、グラウンドの役割を担う。第2導体部134は、例えば銅箔により形成されている。
【0032】
基材部128は、温度変化により誘電率が顕著に変化する部材であり、例えばポリアミドにより、厚さD2が約100μm~約600μmに形成されている。ポリアミドには、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン162等の種類があり、いずれであっても基材部128として使用できる。基材部128は、ポリアミド以外により形成されていてもよい。第1接着層126は、第2絶縁層124と基材部128とを接着するためのものであり、第2接着層130は、基材部128と第3絶縁層132とを接着するためのものである。第1接着層126及び第2接着層130は、できるだけ薄く形成されることが好ましい。
【0033】
後述するように、線状部材102の第1導体部122には交流信号を通電し、線状部材102のインピーダンスの変化に基づき、当接している各電池セルの温度状態を観測する。したがって、線状部材102が所定の特性インピーダンス(例えば、50Ω、75Ω等)を有するように、線状部材102を構成する各層の寸法(厚さ及び幅)を調整することが好ましい。
【0034】
図4において、電池セル200cを通るZ軸に垂直な面で切断した断面図を、
図6に示す。その他の電池セルに関しても、線状部材102は同様に装着されている。電池セル200cの内部構造は任意であり、
図6においては示していない。
図6を参照して、線状部材102は、その両面のうち、第1導体部122が配置された側が電池セル200cに当接される。即ち、第1導体部122が第2導体部134よりも電池セル200cに近く配置される。線状部材102の外部からの電波はグランドである第2導体部134により遮蔽されるので、第1導体部122を伝搬する信号への影響を抑制でき、線状部材102のインピーダンスの変化を精度よく測定できる。第2絶縁層124及び第1接着層126は、第1絶縁層120から伝達される電池セル200cの熱を基材部128に効率的に伝達するために薄いことが好ましい。
【0035】
図7を参照して、検出部104は、測定部110及び判定部112を含む。測定部110には、端子部142を介して、線状部材102の第1導体部122及び第2導体部134が接続されている。測定部110は、例えば発振回路、電流測定回路及び電圧測定回路を含む。測定部110は判定部112からの指示を受けて、例えば、一定周波数f(例えば1GHz)の正弦波のパルス信号sを線状部材102に入力し、線状部材102のインピーダンスを測定する。判定部112は、その時間変化を観測し、後述するように、電池セルに温度異常が発生すれば、その電池セルを特定し、判定結果として出力する。
【0036】
図7においては、測定部110の測定対象である線状部材102を、交流信号を伝送するための伝送線路として扱い、上記したように、所定の特性インピーダンスを有する分布定数回路として示している。線状部材102の長手方向に沿った微小線路dxは、電気的に抵抗Rdx、インダクタLdx、抵抗Gdx及びキャパシタCdxにより構成される4端子回路である回路140により表される。線状部材102は、回路140が連続的に接続(4端子回路の直列接続)されたものとして扱うことができる。
【0037】
測定部110は、線状部材102のインピーダンスの測定を繰返す。インピーダンスの測定は、例えば、TDR(Time Domain Reflectmetry)により測定できる。TDRにより、電送路の一端から交流信号を入力し、伝搬信号の反射及び透過波形を観測することにより、電送路のインピーダンス及びその変化を測定できることが知られている。
【0038】
電池ユニット200を構成する電池セルの一部に温度異常が発生すると、その電池セルの発熱が線状部材102に伝達され、線状部材102を構成する部材、特に基材部128の物性(誘電率及び非透磁率)が変化し、回路140のキャパシタCdx及びインダクタンスLdxが変化する。測定部110により測定される線状部材102のインピーダンスは、その影響を受けて変化する。即ち、基材部128の物性(特に誘電率)が変化した部分(温度異常が発生した電池セルに当接している部分)において信号の反射が起こり、その伝搬する反射波を含む伝搬信号からインピーダンスが測定部110により測定されるので、通常時に測定されるインピーダンスから変化する。したがって、判定部112は、インピーダンスの測定を繰返し実行し、測定信号の時間変化から、通常の値と変化した部分を検出し、その時間を、信号の伝送速度から位置に換算する。これにより、例えば、信号が入力される線状部材102の端子部142から誘電率が変化した部分までの距離を求めることができ、その位置に配置された電池セル(温度異常が発生した電池セル)を特定できる。
【0039】
具体的には、判定部112は、測定部110により時刻tに測定されたインピーダンスZ(t)(>0)の変化が、特性インピーダンスZ0から正のしきい値Zth(>0)以上変化した場合(|Z(t)-Z0|≧Zth)、温度異常と判定する。Z、Z(t)等は複素インピーダンスの絶対値を意味する。その場合、判定部112は、上記したように、温度異常が発生した時間(測定部110から線状部材102への信号入力時をt=0とする)を位置に換算して、温度異常が発生した電池セルを特定する。位置(距離)への換算は、温度異常が発生した時間と線状部材102の信号の伝搬速度との積により算出できる。判定部112は、温度異常の発生を表すデータ(例えば“1”)と、温度異常が発生した電池セルを特定するデータ(例えば、電池セルに一意に付した番号)を判定結果として出力する。
【0040】
一方、温度異常が発生していない状態においては、線状部材102のインピーダンスZ(t)は特性インピーダンスZ0から大きくは変化せず、その差はしきい値Zth(>0)未満であり(|Z(t)-Z0|<Zth)、判定部112は、正常状態(温度異常が発生していない状態)であることを表すデータ(例えば“0”)を判定結果として出力する。なお、正常状態を“0”で表す場合、各電池セルの番号を“1”以上にしておけば、判定部112は、異常発生を表すデータを出力せずに、温度異常が発生した電池セルの番号だけを判定結果として出力すればよい。
【0041】
しきい値Zthは、例えば、模擬的に電池ユニット200の任意の電池セルに温度異常が発生した状態を実現し、実測することにより決定できる。即ち、インピーダンス測定に用いる周波数fで線状部材102のインピーダンスを測定することを繰返し、特性インピーダンスからの変化量の代表値(例えば、平均値、中間値等)を求めて、その代表値未満の値をしきい値Zthとできる。
【0042】
判定部112から出力される判定結果は、電池ユニット200の状態を通知するために利用される。例えば、判定部112の判定結果は、液晶ディスプレイ等の表示装置に入力される。表示装置に温度異常の発生を表すデータが入力されると、表示装置は、温度異常と、該当する電池セルとを表す文字情報(メッセージ等)を提示する。判定部112の判定結果は、スピーカ等の音響装置に入力されてもよい。音響装置は、温度異常の発生を表すデータが入力されると、温度異常と、該当する電池セルとを表す音(音声アナウンス等)を提示する。表示装置及び音響装置は、電池管理システム100に含まれても、電池管理システム100の外部に配置されてもよい。
【0043】
(動作)
図8を参照して、電池ユニット200を構成する電池セル200a~200nの状態を管理する電池管理システム100の動作に関して説明する。
図8に示した処理は、
図7に示した判定部112により実行される。ここでは、判定部112がマイクロコンピュータにより実現されているとする。判定部112が
図8に示した処理を実行するための所定のプログラムは、判定部112の内部のメモリに予め記憶されているとする。外部から所定の操作(電池ユニット200に電力出力を開始させる指示)がなされたことを受けて、判定部112は、内部メモリからプログラムを読出して実行する。しきい値Zth、線状部材102の特性インピーダンスZ0、及び、電池セル200a~200nの位置情報(例えば、線状部材102の端子部142から各電池セルまでの距離)も、判定部112の内部メモリに予め記憶されているとする。
【0044】
ステップ300において、判定部112は、線状部材102のインピーダンスZ(t)を測定する。具体的には、判定部112は測定部110に、インピーダンスの測定を指示する。これを受けて、測定部110は、所定の周波数fの交流信号sを出力し、線状部材102のインピーダンスZ(t)を、所定の時間測定して判定部112に出力する。インピーダンスの測定は、上記したTDR法により測定する。測定結果は、
図9に示したような波形である。横軸は時刻を表し、例えば測定部110から線状部材102に交流信号sを出力した時刻をt=0としている。その後、制御はステップ302に移行する。
【0045】
ステップ302において、判定部112は、内部メモリから特性インピーダンスZ0を読出し、ステップ300により得られたインピーダンスZ(t)と特性インピーダンスZ0との差ΔZ(t)(=Z(t)-Z0)を算出する。その後、制御はステップ304に移行する。
【0046】
ステップ304において、判定部112は、内部メモリからしきい値Zthを読出し、ステップ302により算出されたΔZ(t)に、絶対値|ΔZ(t)|がしきい値Zth以上であるデータが含まれているか否かを判定する。|ΔZ(t)|がしきい値Zth以上であるデータが含まれていると判定された場合、判定部112は、|ΔZ(t)|≧Zthである時刻を特定し、制御はステップ310に移行する。そうでなければ、制御はステップ306に移行する。
【0047】
例えば、ステップ302により、
図9に示したようなデータが得られた場合、時刻t0において|ΔZ(t0)|=Zthとなり、その後しばらくの間、|ΔZ(t)|>Zthとなる。したがって、
図9に示したデータを対象としてステップ302及び304の処理が実行された場合、時刻t0が特定され、制御はステップ310に移行する。
【0048】
ステップ306において、判定部112は、終了するか否かを判定する。終了すると判定された場合、本プログラムは終了する。そうでなければ、制御はステップ308に移行する。例えば、電池ユニット200からの電力出力の停止を指示する操作がなされたことを受けて、判定部112は本プログラムを終了すると判定する。
【0049】
ステップ308において、判定部112は、インピーダンスの測定を実行するタイミングになったか否かを判定する。測定を実行するタイミングになったと判定された場合、制御はステップ300に戻る。そうでなければ、制御はステップ306に戻る。例えば、インピーダンスの測定は一定の周期で実行される。その場合、判定部112は、インピーダンスの測定を前回実行してからの経過を算出し、経過時間が周期以上になったか否かを判定することにより、測定のタイミングになったか否かを判定する。経過時間の算出には、判定部112の動作クロックを用いても、検出部104の外部(時計等)から取得した時刻情報を用いてもよい。
【0050】
ステップ304の判定結果がYES(|ΔZ(t)|≧Zth)の場合、ステップ310において、判定部112は、温度異常の電池セルを特定する情報を、検出部104の外部に出力する。具体的には、判定部112は、ステップ304で特定した時刻を位置(距離)に換算し、内部メモリに記憶された電池セルの位置情報を参照して、換算された位置に該当する電池セルを温度異常の電池セルとして特定する。判定部112は、特定された電池セルを特定する情報(例えば、電池セルの番号(1以上))を、検出部104の外部に出力する。その後、制御はステップ304に移行する。
【0051】
以上により、電池管理システム100は、所定のタイミングで、1本の線状部材102のインピーダンスの測定を繰返し、電池セル200a~200nのいずれかに温度異常が発生した場合に生じるインピーダンスの変化により、速やかに温度異常を検出でき、温度異常の電池セルを特定できる。したがって、温度異常が発生すれば、温度異常の電池セルを速やかに通知でき、温度異常に対処することが可能になる。例えば、蓄電システムにおいては、温度異常が発生した場合、速やかに蓄電システムからの電力供給を停止でき、安全である。また、車両が走行中に温度異常が発生した場合、車両を路肩に停止させ搭乗者が安全に退避する時間を確保できる。また、温度異常が発生した電池セルのみを交換すれば修理できるので、修理費用を低減できる。
【0052】
(効果)
上記したように、電池管理システム100は、複数の電池セル200a~200nを含む電池ユニット200に設けられる線状部材102と、線状部材102を伝搬する反射波に基づいて線状部材102のインピーダンス変化を検出し、検出されたインピーダンス変化に基づいて複数の電池セル200a~200nの温度変化を検出する測定部110と、測定部110の検出結果に応じて複数の電池セル200a~200nの異常の有無を判定する判定部112とを含む。これにより、電池ユニット200を構成する各電池セルにおける温度異常を検出するための配線数の増大を抑制し、温度異常の発生を速やかに検出できる。
【0053】
上記したように、線状部材102は、絶縁性の基材部128と、基材部128を介して対向配置される一対の導体部とを含み、一対の導体部の一方である第1導体部122は、他方である第2導体部134より幅が小さい。これにより、線状部材102を分布定数回路として扱うことができ、第1導体部122の幅を調整することにより、線状部材102の特性インピーダンスを所望の値に設定できる。
【0054】
上記したように、基材部128は、ポリアミドにより形成される。これにより、温度変化に敏感にインピーダンスが変化する線状部材102を実現でき、各電池セルの温度異常を容易に検出できる。
【0055】
上記したように、基材部128の厚さD2は、100μm以上600μm以下であり、基材部128の幅は、5mm以上15mm以下であり、第1導体部122の幅W2は、0.3mm以上1.5mm以下であり、第2導体部134の幅W1は、基材部128の幅に等しい。これにより、第1導体部122及び基材部128の寸法を調整することにより、線状部材102の特性インピーダンスを所望の値に設定することが容易になる。
【0056】
上記したように、第1導体部122は、第2導体部134よりも電池ユニットに近い位置に配置されている。これにより、外部からの電波は第2導体部134により遮蔽されるので、第1導体部122を伝搬する信号への影響を抑制でき、線状部材102のインピーダンスの変化を精度よく測定できる。
【0057】
上記したように、電池管理システム100は、電池ユニット200をさらに含む。これにより、電池管理システム100を車両等に搭載することが容易になる。
【0058】
上記では、温度異常が検出されたときにのみ、判定部112が判定結果を出力する場合を説明したが、インピーダンスを測定した結果、温度異常が検出されなかった場合にも、判定結果を出力してもよい。その場合、温度異常が検出されなかったときには、温度異常が検出されたときに出力される信号と異なる信号を出力すればよい。
【0059】
上記では、電池セルに温度異常が発生した場合、測定される線状部材102のインピーダンスが
図9に示したように減少する場合を説明したが、これに限定されない。線状部材102を構成する基材部128に用いる部材によっては、当接している電池セルに温度異常が発生した場合、線状部材102のインピーダンスは増大し得る。その場合にも、
図8に示した処理はそのまま適用可能である。
【0060】
上記では、端子部144が開放されている場合を説明したが、これに限定されない。端子部144は、線状部材102の特性インピーダンスと同じ抵抗値を有する終端抵抗(終端器)により終端されてもよい。端子部144を終端することにより、端子部144での反射を抑え、不要なノイズ(反射ノイズ)を抑制できる。
【0061】
インピーダンスの測定方法は、上記したTDR法に限定されない。伝搬させる交流信号の反射波の影響を受けたインピーダンスの時間変化を測定できればよく、測定方法は任意である。
【0062】
上記では、1つの電池セルに温度異常が発生したことを検出する場合を説明したが、同時に複数の電池セルにおいて温度異常が発生することもある。そのような場合には、1つの電池セルに温度異常が発生した場合よりも深刻な状態であると言える。したがって、温度異常が発生した電池セルの数に応じて、警告の内容を変更して提示できれば好ましい。即ち、温度異常が検出された電池セルの数が多くなるほど、警告のレベルを高くする。例えば、測定されたインピーダンス変化のグラフ(
図9参照)において、分離された複数の谷又は山が存在すれば、同じ数の電池ユニットに温度異常が発生していると判定できる。具体的には、判定部112は、例えば、
図8に示したステップ304において、測定されたインピーダンスのグラフ中に、|ΔZ(t)|≧Zthである複数の時間帯が存在するか否かを判定すればよい。
【0063】
上記では、
図6を参照して、線状部材102は、その両面のうち、第1導体部122が配置された側が電池セルに当接される場合を説明したが、これに限定されない。線状部材102は、その両面のうち、第2導体部134が配置された側が電池セルに当接されてもよい。即ち、第1導体部122が第2導体部134よりも電池セルから遠くに配置されてもよい。このように配置することにより、第1導体部122を伝搬する交流信号により発生する電磁場は、第2導体部134により遮蔽され、電池セル側に漏れることが抑制される。線状部材102のインピーダンスは、電磁場の漏れ及び周囲部品(電池セルの外装)との容量結合等の影響を受けて変化するが、インピーダンス分布の形及び比較の基準ラインが変るだけであり、上記したように温度異常を検出できる。この場合のしきい値Zthも、上記したように、模擬的に電池セルに温度異常を発生させた状態における実測値から決定すればよい。
【0064】
(変形例)
上記では、線状部材102が電池セル200a~200nに、
図6に示したように配置される場合を説明したが、これに限定されない。例えば、線状部材102は、
図10に示すように電池セル200a~200nに装着されてもよい。
図10を参照して、線状部材102は、放熱シート150及び152を介して電池セル200cの側壁に装着されている。放熱シート150及び152は、線状部材102の幅方向にはみ出していてもよいが、その場合にも、放熱シート150及び152が線状部材102と接している部分の幅の合計は、線状部材102の幅よりも小さい。線状部材102は、その他の電池セルに対しても同様に、放熱シート150及び152を介して装着されている。放熱シート150及び152は、放熱性の高い部材で形成されている。放熱シート150及び152は、複数の電池セル200a~200nの各々と線状部材102との間に、相互に離隔して、線状部材102の長手方向に沿って配置されている。放熱シート150及び152は、線状部材102の幅方向にはみ出していてもよいが、その場合にも、放熱シート150及び152が線状部材102と接している部分の幅の合計は、線状部材102の幅よりも小さい。これにより、線状部材102と放熱シート150及び152と電池セルとの間に空間154が形成され、熱伝導性を維持したまま第1導体部122及び電池セル間の電気容量結合を緩和できる。したがって、線状部材102のインピーダンスを精度よく測定できる。
【0065】
(車両への搭載)
図11を参照して、
図3に示した電池管理システム100は、PHEV又はEV等の車両210に搭載され得る。上記したように、電池管理システム100を構成する線状部材102は、電池ユニットを構成する各電池セルに当接して配置されている。電池管理システム100は、1つのハーネスとして配置され得る。電池セルは、二次電池であり、例えば、リチウムイオン電池又はニッケル水素電池等である。100~200個程度の電池セルが直列接続されることにより、電池ユニット200は高電圧(例えば、直流300V)の電力を出力する。
【0066】
電池ユニット200は、車両210に搭載された各部に電力を供給する。即ち、電池ユニット200の出力電力は、インバータ212により交流電力に変換されて、モータ214を駆動するために使用される。また、電池ユニット200の出力電力は、電力変換器216により低電圧(例えば、直流12V)に変換されて、補機系負荷218に供給される。補機系負荷218は、エンジン及びモータ等を稼動するのに必要な付属機器であり、主としてセルモータ、オルタネータ、ラジエータクーリングファン等を含む。補機系負荷218は、照明、ワイパー駆動部、ナビゲーション装置、エアコン、ヒータ等を含んでもよい。なお、補機系負荷218には、鉛蓄電池等の低圧の二次電池(図示せず)からも電力が供給される。低圧の二次電池は、電池ユニット200の出力電力から電力変換器216により生成された低電圧により充電されてもよい。
【0067】
以上、実施の形態を説明することにより本開示を説明したが、上記した実施の形態は例示であって、本開示は上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本開示の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0068】
100 電池管理システム
102 線状部材
104、904 検出部
110 測定部
112 判定部
120 第1絶縁層
122 第1導体部
124 第2絶縁層
126 第1接着層
128 基材部
130 第2接着層
132 第3絶縁層
134 第2導体部
136 第4絶縁層
140 回路
142、144 端子部
150、152 放熱シート
154 空間
200 電池ユニット
200a、200b、200c、200n、900a、900b、900c、900n 電池セル
210 車両
212 インバータ
214 モータ
216 電力変換器
218 補機系負荷
300、302、304、306、308、310 ステップ
902a、902b、902c、902n 温度センサ
906 配線群
Cdx キャパシタ
D1、D2 厚さ
Gdx、Rdx 抵抗
Ldx インダクタ
s 交流信号
t0、t1、t2 時刻
Z0 特性インピーダンス
Zth しきい値
Δt 遅延時間