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特開2024-8183封緘装置、及び、それに用いられる拡開治具
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  • 特開-封緘装置、及び、それに用いられる拡開治具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008183
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】封緘装置、及び、それに用いられる拡開治具
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/06 20060101AFI20240112BHJP
   B65B 7/20 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B65B51/06 C
B65B7/20 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109830
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】715011078
【氏名又は名称】アサヒグループ食品株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】菊地 晶
【テーマコード(参考)】
3E049
3E094
【Fターム(参考)】
3E049AA02
3E049AB06
3E049DA03
3E049DA04
3E049DB06
3E094AA03
3E094BA11
3E094CA33
3E094DA02
3E094FA04
3E094FA16
3E094HA08
3E094HA20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】A式ダンボールカートンの封緘装置において、カートンのフラップの折込不良を抑制するための新規な技術を提案する。
【解決手段】回動アーム12と、回動アーム12の下端側に設けられる第一押圧ローラ14と、回転軸の位置が固定される第二押圧ローラ16と、一対の折込バー18と、を有し、第二押圧ローラ16によって前フラップ21を折込み、第一押圧ローラ14によって後フラップ22を折込み、一対の折込バー18により側面フラップ23を折込むカートンの封緘装置1であって、回動アーム12には拡開治具3が設けられ、回動アーム12のコーナー部12aよりも先に前フラップ21に拡開治具3が接触することで前フラップ21がわずかに折込まれた後、拡開治具3によって側面フラップ23が内側から外側に向けて開く方向に押圧される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動アームと、
前記回動アームの下端側に設けられる第一押圧ローラと、
回転軸の位置が固定される第二押圧ローラと、
一対の折込バーと、を有し、
前記第二押圧ローラによって前フラップを折込み、
前記第一押圧ローラによって後フラップを折込み、
一対の前記折込バーにより側面フラップを折込むカートンの封緘装置であって、
前記回動アームには拡開治具が設けられ、先に前フラップに前記拡開治具が接触することで前フラップがわずかに折込まれた後、前記拡開治具によって側面フラップが内側から外側に向けて開く方向に押圧される、こととするカートンの封緘装置。
【請求項2】
前記拡開治具は前フラップに当接させるための円弧状の当接部と、
側面フラップの内側面に当接させるための押圧端部であって、円弧状の前記当接部の両端部に形成される押圧端部と、
を有する構成とし、
前記当接部の円弧形状は、対向する側面フラップの間の中間位置に位置づけられる先端部がカートンの搬送方向の上流側に向けて最も突出するように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のカートンの封緘装置。
【請求項3】
前記拡開治具は棒状部材を曲げ加工して構成される、
ことを特徴とする請求項2に記載のカートンの封緘装置。
【請求項4】
回動アームと、
前記回動アームの下端側に設けられる第一押圧ローラと、
回転軸の位置が固定される第二押圧ローラと、
一対の折込バーと、を有し、
前記第二押圧ローラによって前フラップを折込み、
前記第一押圧ローラによって後フラップを折込み、
一対の前記折込バーにより側面フラップを折込むカートンの封緘装置に用いられる拡開治具であって、
前記拡開治具は、前記回動アームに設けられ、
前記拡開治具は、先に前フラップに接触することで前フラップをわずかに折込んだ後、
側面フラップを内側から外側に向けて開く方向に押圧する、カートンの封緘装置に用いられる拡開治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンボールなどの厚紙からなるカートンの天板を閉じて封緘するための封緘装置に関するものであり、より詳しくは、折込まれるフラップ同士が干渉することを防止するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例えば特許文献1に開示されるように、ダンボール箱を搬送しながら自動的にフラップを閉じてテープ貼りをする封緘装置が知られている。
【0003】
特許文献1では、前フラップ折込み部材と、後フラップ折込み部材と、左右フラップ折込み部材を有するフラップ閉塞機構を開示している。カートンは、長手方向が搬送方向と平行となるようにコンベアに載せられており、先ず、前フラップ折込み部材が搬送方向側から視て開口の前辺に位置する前フラップを閉じる。次に、後フラップ折込み部材が搬送方向側から視て開口の後辺に位置する後フラップを閉じる。次に、左右フラップ折込み部材が搬送方向側から視て開口の左辺及び右辺に位置する左フラップ及び右フラップを閉じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-147583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で封緘されるカートンは、いわゆるA式ダンボールカートンであり、天面側の前フラップ、後フラップ、左右フラップが立ち上がった状態で搬送され、フラップ閉塞機構によって、前フラップと後フラップが折込まれた後、左右フラップが折込まれるものである。
【0006】
このような折込の過程において、左右フラップの開き角度が狭く傾いている場合には、先に折込まれる前フラップが左右フラップに干渉し、前フラップが左右フラップに押さえられて突っ張ってしまう折込不良が発生し、カートンの搬送が妨げられるおそれがある。
【0007】
以上に鑑み、本願発明は、A式ダンボールカートンの封緘装置において、カートンのフラップの折込不良を抑制するための新規な技術を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
本発明の一形態では、回動アームと、前記回動アームの下端側に設けられる第一押圧ローラと、回転軸の位置が固定される第二押圧ローラと、一対の折込バーと、を有し、前記第二押圧ローラによって前フラップを折込み、前記第一押圧ローラによって後フラップを折込み、一対の前記折込バーにより側面フラップを折込むカートンの封緘装置であって、前記回動アームには拡開治具が設けられ、先に前フラップに前記拡開治具が接触することで前フラップがわずかに折込まれた後、前記拡開治具によって側面フラップが内側から外側に向けて開く方向に押圧される、こととするカートンの封緘装置とする。
【0010】
また、本発明の一形態では、前記拡開治具は前フラップに当接させるための円弧状の当接部と、側面フラップの内側面に当接させるための押圧端部であって、円弧状の前記当接部の両端部に形成される押圧端部と、を有する構成とし、前記当接部の円弧形状は、対向する側面フラップの間の中間位置に位置づけられる先端部がカートンの搬送方向の上流側に向けて最も突出するように構成される、こととする。
【0011】
また、本発明の一形態では、前記拡開治具は棒状部材を曲げ加工して構成される、こととする。
【0012】
また、本発明の一形態では、回動アームと、前記回動アームの下端側に設けられる第一押圧ローラと、回転軸の位置が固定される第二押圧ローラと、一対の折込バーと、を有し、前記第二押圧ローラによって前フラップを折込み、前記第一押圧ローラによって後フラップを折込み、一対の前記折込バーにより側面フラップを折込むカートンの封緘装置に用いられる拡開治具であって、前記拡開治具は、前記回動アームに設けられ、前記拡開治具は、先に前フラップに接触することで前フラップをわずかに折込んだ後、側面フラップを内側から外側に向けて開く方向に押圧する、カートンの封緘装置に用いられる拡開治具とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、予め拡開治具によって側面フラップの開き角度が広げられるため、前フラップが側面フラップと干渉して折込まれずにそのまま突っ張ってしまう折込不良が抑制され、カートンの搬送が停止されるといった不具合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】封緘装置の概要について示す側面図である。
図2】封緘装置の概要について示す平面図である。
図3】(A)は、拡開治具により側面フラップが開かれる様子について説明する図。(B)は、拡開治具の構成について示す図。
図4】(A)は回動アームが待機位置にある状況について示す平面図。(B)は回動アームが待機位置にある状況について示す側面図。
図5】(A)は拡開治具が前フラップに当接した状態について示す平面図。(B)は拡開治具が前フラップに当接した状態について示す側面図。
図6】(A)は回動アームが後フラップを超えて上昇した状態について示す平面図。(B)はは回動アームが後フラップを超えて上昇した状態について示す側面図。
図7】(A)は第一押圧ローラと第二押圧ローラにて前後フラップの押圧が開始される状態について示す平面図。(B)は第一押圧ローラと第二押圧ローラにて前後フラップの押圧が開始される状態について示す側面図。
図8】(A)は第一押圧ローラと第二押圧ローラにて前後フラップを押圧する状態について示す平面図。(B)は第一押圧ローラと第二押圧ローラにて前後フラップを押圧する状態について示す側面図。
図9】(A)は折込バーにより側面フラップを折込む状況について示す平面図。(B)は折込バーにより側面フラップを折込む状況について示す側面図。
図10】(A)は全てのフラップが閉じられた状況について示す平面図。(B)は全てのフラップが閉じられた状況について示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1及び図2に示すように、封緘装置1は、コンベア2によって順次搬送されるカートン20の天板側を閉じるためのものである。
【0016】
封緘装置1は、図示せぬモーターなどの駆動装置によって回動される回動アーム12と、回動アーム12の下端側に設けられる第一押圧ローラ14と、回転軸の位置が固定される第二押圧ローラ16と、一対の折込バー18,19と、を有して構成される。下流には図示せぬテープ貼着装置が設けられ、封緘装置1で閉じられた各フラップを閉じるようにテープが貼着される。
【0017】
図3(A)に示すように、コンベア2によって順次搬送されるカートン20は、搬送方向において下流側に位置することになる前フラップ21と、搬送方向において上流側に位置することになる後フラップ22と、左右の側面フラップ23,24と、が開かれた状態で搬送される。カートン20の中には内容物が収容され、封緘装置1によって各フラップが閉じられる。カートン20は、前フラップ21と後フラップ22を先に折込み、その後、左右の側面フラップ23,24を折込んで封緘する、いわゆるA式ダンボールカートンである。
【0018】
以下詳細に説明すると、図1乃至図3(A)に示すように、回動アーム12は側面視において略L字状をなしており、そのコーナー部12aが搬送されてくるカートン20の前フラップ21に対向する位置で待機する。
【0019】
図1乃至図3(A)に示すように、回動アーム12には、搬送されてくるカートン20に対し、回動アーム12のコーナー部12aよりも先に前フラップ21に接触させ、側面フラップ23,24を外側に開く方向に押圧するための拡開治具3が設けられる。
【0020】
図3(A)(B)、拡開治具3は、本実施例では、棒部材を曲げ加工して構成するものであり、平面視において扇型をなすようにしている。拡開治具3は、コーナー部12aよりも水平方向に突出するように設けられ、カートン20の前フラップ21に対向する位置で待機する。また、拡開治具3はカートン20の搬送方向Xと水平面内において直交する横方向Yに幅を有して構成されるものであり、側面フラップ23,24の内側に接触して側面フラップ23,24を外側に開く方向に付勢するものである。
【0021】
また、図3(B)、及び、図4(A)に示すように、拡開治具3は前フラップ21に当接させるための円弧状の当接部31と、側面フラップ23,24の内側面に当接させるための押圧端部32,32と、回動アーム12に固定されるための固定部33,33と、を有する。両端の押圧端部32,32の距離、つまり、横方向Yにおける拡開治具3の幅Waは、直立させた状態の側面フラップ23,24の内側面の距離Wfよりも広く構成される。
【0022】
図1乃至図3(A)に示すように、回動アーム12においてコーナー部12aの水平方向の反対側となる位置には第一押圧ローラ14が自由回転可能に設けられている。第一押圧ローラ14は、後フラップ22を上から押して折込むためのものである。第一押圧ローラ14は、搬送方向Xにおける回動アーム12の端部において、回動アーム12の横方向Yの両側に配置される。
【0023】
図1乃至図3(A)に示すように、待機位置にある回動アーム12の第一押圧ローラ14よりも下流の位置には、第二押圧ローラ16が配置される。第二押圧ローラ16はブラケット51に自由回転可能に支持されている。第二押圧ローラ16は、前フラップ21を上から押して折込むためのものである。
【0024】
図1及び図2に示すように、カートン20の搬送方向において第二押圧ローラ16よりも下流側には、一対の折込バー18,19が設けられる。各折込バー18,19は、カートン20の搬送方向に伸びるように設けられており、上流から下流に向かうにつれて互いの距離が狭くなるように構成される。折込バー18,19は水平面内において互いに対向するように、ブラケット52に支持されている。折込バー18,19は、それぞれ側面フラップ23,24を外側から押圧して折込むためのものである。
【0025】
以上の構成における封緘について説明する。
図4(A)(B)は、回動アーム12が待機状態である状況を示しており、カートン20が搬送されてくる。
【0026】
図5(A)(B)に示すように、カートン20が近づくと同時に回動アーム12が上昇し、前フラップ21に拡開治具3の先端が接触して、前フラップ21が側面フラップ23,24の内側に若干折込まれる。次いでコーナー部12aが前フラップ21に接触しつつ、そのまま回動アーム12が上昇し、後フラップ22を超えて図6(A)(B)に示す状態となる。
【0027】
次いで、図7(A)(B)に示すように、一旦上昇させた回動アーム12を下降させ、移動するカートン20の前フラップ21が第二押圧ローラ16に当接するタイミングで、第一押圧ローラ14を後フラップ22に当接させる。そして、図8(A)(B)に示すように、第二押圧ローラ16による前フラップ21の折込と後フラップ22の折込を並行して行う。
【0028】
次いで、図9(A)(B)に示すように、カートン20がさらに移動すると、折込バー18,19の間に側面フラップ23,24が入り込み、図10(A)(B)に示すように、最終的に側面フラップ23,24が外側から折込バー18,19によって押圧されて折込まれる。
【0029】
以上のようにして、カートン20の天板側となる前フラップ21、後フラップ22、側面フラップ23,24が順次折り込まれ、封緘される。
【0030】
以上のように、本発明では、図1及び図2に示すように、図示せぬモーターなどの駆動装置によって回動される回動アーム12と、回動アーム12の下端側に設けられる第一押圧ローラ14と、回転軸の位置が固定される第二押圧ローラ16と、一対の折込バー18,19と、を有し、第二押圧ローラ16によって前フラップ21を折込み、第一押圧ローラ14によって後フラップ22を折込み、一対の折込バー18,19により側面フラップ23,24を折込むカートンの封緘装置1であって、図3(A)及び図5(A)に示すように、回動アーム12には拡開治具3が設けられ、回動アーム12のコーナー部12aよりも先に前フラップ21に拡開治具3が接触することで前フラップ21がわずかに折込まれた後、拡開治具3によって側面フラップ23,24が内側から外側に向けて開く方向に押圧される、こととするものである。
【0031】
これにより、回動アーム12が上昇してコーナー部12aによって前フラップ21がわずかに折込まれる際や、第二押圧ローラ16によって前フラップ21が折込まれる際には、前フラップ21が側面フラップ23,24と干渉して前フラップ21の折込み不良が生じることが防がれる。つまり、予め拡開治具3によって側面フラップ23,24の開き角度が広げられるため、前フラップ21が側面フラップ23,24と干渉して折込まれずにそのまま突っ張ってしまう折込不良の発生が防止され、カートン20の搬送が停止されるといった不具合を防止できる。
【0032】
また、図3(A)及び図4(A)に示すように、拡開治具3は前フラップ21に当接させるための円弧状の当接部31と、側面フラップ23,24の内側面に当接させるための押圧端部32,32であって、円弧状の当接部31の両端部に形成される押圧端部32,32と、を有する構成とし、当接部31の円弧形状は、対向する側面フラップ23,24の間の中間位置に位置づけられる先端部31aがカートン20の搬送方向の上流側に向けて最も突出するように構成される。
【0033】
これにより、拡開治具3は、最初に当接部31の先端部31aにおいて前フラップ21に当接した後、側面フラップ23,24の内側面に軽く当たりながら徐々に側面フラップ23,24を拡開することができ、カートン20の移動を妨げないようにすることができる。
【0034】
また、図4(A)(B)に示すように、拡開治具3は棒状部材を曲げ加工して構成される、こととするものである。
【0035】
これにより、簡易的な構成により拡開治具3を実施することができる。拡開治具3は、回動アーム12に設けられ、先に前フラップ21に接触することで前フラップ21をわずかに折込んだ後、側面フラップ23,24を内側から外側に向けて開く方向に押圧するものである。
【符号の説明】
【0036】
1 封緘装置
2 コンベア
3 拡開治具
12 回動アーム
12a コーナー部
14 第一押圧ローラ
16 第二押圧ローラ
18 折込バー
19 折込バー
20 カートン
21 前フラップ
22 後フラップ
23 側面フラップ
24 側面フラップ
31 当接部
31a 先端部
32 押圧端部
51 ブラケット
52 ブラケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10