(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081830
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13357 20060101AFI20240612BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20240612BHJP
G02F 1/1334 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
G02F1/13357
G02F1/1335
G02F1/1334
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195287
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮尾 諒
【テーマコード(参考)】
2H189
2H291
2H391
【Fターム(参考)】
2H189AA04
2H189HA16
2H189JA04
2H189LA02
2H189LA20
2H189LA22
2H189MA15
2H189NA09
2H291FA14Y
2H291FA38X
2H291FA41X
2H291FA71X
2H291FA85X
2H291GA02
2H291GA05
2H291GA19
2H291HA05
2H291JA02
2H291LA21
2H291MA20
2H291NA61
2H391AA23
2H391AA25
2H391AB05
2H391AD05
2H391AD13
2H391CB03
2H391EA11
2H391EA26
2H391FA01
2H391FA02
(57)【要約】
【課題】表示装置の性能を向上させる。
【解決手段】表示パネル20は、光源部22と、導光部26と、液晶層32と、区画部42と、表示部28と、拡散部52と、を備える。光源部22は、光LR、光LG、光LBを出射可能である。導光部26は、光源部22から出射された光源光LTが入射する。液晶層32は、導光部26を通った光LR、光LG、光LBが入射する。区画部42は、液晶層32を複数の画素領域PSに区画する。表示部28では、複数の画素領域PSから放出された光LR、光LG、光LBによって形成される画像が表示される。拡散部52は、導光部26に設けられ、導光部26に入射した光LR、光LG、光LBを導光部26内に拡散させる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
色の異なる複数の光を出射可能な光源部と、
前記光源部から出射された光が入射する導光部と、
前記導光部を通った光が入射する液晶層と、
前記液晶層を複数の画素領域に区画する区画部と、
前記複数の画素領域から放出された光によって形成される画像が表示される表示部と、
前記導光部に設けられ、前記導光部に入射した光を当該導光部内に拡散させる拡散部と、
を備える、表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記拡散部は、前記導光部に接触し且つ光を拡散させる樹脂層を有する、表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示装置において、
前記拡散部は、光を前記導光部に向けて反射する反射部材をさらに有し、
前記樹脂層は、前記反射部材を前記導光部に固定する接着層である、表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の表示装置において、
前記拡散部は、前記導光部に形成された窪み部である、表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の表示装置において、
前記窪み部は、光を拡散させる曲面を有する、表示装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記導光部及び前記表示部は、一体に形成されている、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶層を用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶層を用いた表示装置として、液晶層を挟む基板のうち一方の基板が低屈折領域を有する表示装置がある(特許文献1参照)。また、第1透明基材と第2透明基材との間に反射層を備えた装置がある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-160322号公報
【特許文献2】特開2019-211666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、観察者が表示画像と背景とを重ね合わせて認識することが可能な透明の表示装置の開発を行っている。透明の表示装置の表示部に画像を表示させる場合、光源部から導光部へ色の異なる複数の光が入射される。
本願発明者の検討によれば、光源部から導光部へ色の異なる複数の光を入射させた場合、表示領域のうち光源部に近い部分で色ムラが現れることが判った。
【0005】
本発明の目的は、表示装置の性能を向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様である表示装置は、色の異なる複数の光を出射可能な光源部と、前記光源部から出射された光が入射する導光部と、前記導光部を通った光が入射する液晶層と、前記液晶層を複数の画素領域に区画する区画部と、前記複数の画素領域から放出された光によって形成される画像が表示される表示部と、前記導光部に設けられ、前記導光部に入射した光を当該導光部内に拡散させる拡散部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態の表示ユニットの表示パネルを介して視認される背景及び画像の一例を示す説明図である。
【
図3】
図2に示す表示パネルの一例を示す斜視図である。
【
図5】
図4の領域SAの内側の部位を拡大した断面図である。
【
図6】
図2の表示パネルが備える回路の一例を示す回路ブロック図である。
【
図8】
図2の表示パネルの光源部から出射された光の経路を模式的に示す説明図である。
【
図9】第2実施形態の表示ユニットの断面図である。
【
図11】
図8の表示パネルの光源部から出射された光の経路を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一又は関連する符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
〔第1実施形態の構成〕
図1に示すように、第1実施形態の表示ユニット10は、カバー部12と、表示パネル20とを含む。カバー部12は、表示パネル20のうち表示部28(
図4)以外の部位を覆っている。なお、表示ユニット10及び表示パネル20は、それぞれ、表示装置の一例である。
【0010】
<表示パネル>
表示パネル20は、液晶分子による可視光の散乱を利用して画像を表示させる。
図1では、画像の一例として、複数の四角形で構成された画像Gが示されている。なお、以降の説明では、表示パネル20の厚さ方向に沿った方向をZ方向とする。さらに、Z方向と直交するX-Y面において、表示パネル20の一辺の延在方向をX方向とし、X方向及びZ方向と直交する方向をY方向として説明する。表示パネル20のY方向の長さは、一例として、X方向の長さよりも長い。表示パネル20を厚さ方向の一方側から他方側に見た場合、背景2が表示パネル20を透過して視認される。
【0011】
表示パネル20を厚さ方向の一方側から他方側に見た場合、画像Gを表示可能な領域を表示領域DAとする。また、表示領域DAよりも外側の領域を周辺領域PFAとする。表示領域DAと周辺領域PFAとは、仮想線で示された境界Kによって区分されている。境界Kは、基本的に、表示パネル20の使用状態に関わらず視認されない。
【0012】
表示領域DAでは、一例として、外部から供給される入力信号に応じて画像Gが形成される。画像Gは、具体的には、後述する複数の画素領域PS(
図2)から放出された光LR、LG、LB(
図8)によって形成される。ここで、表示領域DA及び周辺領域PFAが共に光を透過させる場合、背景2の全体を違和感なく視認することができる。なお、表示領域DAの一部であり、且つ後述する光源部22(
図2)に最も近い位置にある領域を入光領域DBとする。
【0013】
周辺領域PFAが光を透過させない遮光性を有している場合、表示パネル20を介して視認される背景2の一部分が、周辺領域PFAにより遮られることとなる。このため、観察者に違和感を与える場合がある。このように、透明表示パネルである表示パネル20の場合、表示領域DAおよび周辺領域PFAのそれぞれが可視光透過性を備えていることが好ましい。また、背景2を違和感なく視認する観点からは、表示領域DA及び周辺領域PFAのそれぞれの可視光透過特性が同程度であることが特に好ましい。
【0014】
図2には、表示パネル20の平面図が示されている。境界Kは、一例として、後述する複数のブラックマトリクスBM(
図4)のうち、最も外側に位置するものに合わせて設定されている。境界Kのうち、後述する光源部22に最も近く且つX方向に沿ったものを境界K1とする。また、境界Kのうち、光源部22から最も遠く且つX方向に沿ったものを境界K2とする。なお、
図2では、表示パネル20が備える回路のうち、液晶を駆動するための信号を伝送する複数の信号配線の一部(走査線GL及び信号線SL)が、それぞれ一点鎖線で示されている。複数の走査線GLは、駆動信号を伝送する。複数の信号線SLは、画素信号を伝送する。
【0015】
図3に示すように、表示パネル20は、一例として、光源部22と、ガラス板24と、液晶層32と、アレイ基板34及び対向基板36と、区画部42(
図4)と、カバーガラス48と、拡散部52と、駆動回路56と、を備える。表示ユニット10を表示装置として構成する場合、表示パネル20が備える各部分の他に、例えば制御回路、あるいは表示パネル20に接続されるフレキシブル基板、あるいは筐体などが含まれる場合がある。
図3では、カバー部12を除いて、表示パネル20以外の部分は図示を省略している。
【0016】
表示領域DAの形状は、一例として、厚さ方向から見て四角形状とされているが、多角形状や円形状など、四角形以外の形状であってもよい。液晶層32、アレイ基板34、対向基板36及びカバーガラス48のそれぞれは、平面視においてガラス板24の表示領域DAと重なる。光源部22及び駆動回路56は、一例として、アレイ基板34に搭載されている。変形例として、光源部22及び駆動回路56が、アレイ基板34とは異なる基板の周辺領域PFAに取り付けられてもよい。
【0017】
(光源部)
図6に示すように、光源部22は、LED(Light Emitting Diode)を含む複数の発光部23を有する。発光部23は、第1色(例えば、赤色)の発光体23Rと、第2色(例えば、緑色)の発光体23Gと、第3色(例えば、青色)の発光体23Bと、を備えている。つまり、光源部22は、色の異なる複数の光を出射可能である。光源制御部64は、光源制御信号LCSAに基づいて、第1色の発光体23R、第2色の発光体23G及び第3色の発光体23Bのそれぞれを時分割で(時間をずらして)発光するように制御する。このように、第1色の発光体23R、第2色の発光体23G及び第3色の発光体23Bは、フィールドシーケンシャル方式で駆動される。なお、光源部22は、後述する入射面24C(
図4)と対向配置されている。
【0018】
人間の眼には、時間的な分解能の制限があり、残像が発生する。このため、第1色の発光体23R、第2色の発光体23G及び第3色の発光体23Bが、フィールドシーケンシャル方式で駆動された場合、1フレームの期間に3色の合成された画像が認識される。なお、フィールドシーケンシャル方式では、カラーフィルタを不要とすることができ、カラーフィルタでの光の吸収ロスが低減するので、高い透過率を実現できる。
【0019】
図7に示すように、光源部22から出射された光であり且つ時分割で発光するものをまとめて光源光LTとする。また、光源光LTを具体的に区別する場合、第1色のものを光LR、第2色のものを光LG、第3色のものを光LBとする。
【0020】
(ガラス板)
図4に示すように、ガラス板24は、後述する対向基板36の前面36Bに接着されている。ガラス板24は、後述する導光部26及び表示部28を備える光学部材の一例である。換言すると、導光部26及び表示部28は、一体に形成されている。ガラス板24は、Z方向を厚さ方向としてX-Y面に沿って広がっている。X-Y面の面積で比較した場合、ガラス板24は、アレイ基板34の面積よりも小さく且つ対向基板36の面積よりも大きい。ガラス板24は、対向基板36に対して液晶層32とは厚さ方向の反対側に位置しており、対向基板36を保護している。また、ガラス板24は、光源部22に向けて、対向基板36よりもY方向に延びている。
【0021】
具体的には、ガラス板24は、背面24Aと、前面24Bと、入射面24Cと、端面24Dと、を有する。背面24Aは、後述する前面36Bと厚さ方向に対向する。前面24Bは、厚さ方向で背面24Aとは反対側(観察者H側)に位置する。つまり、前面24Bは、ガラス板24の対向基板36とは反対側に位置する。入射面24Cは、光源部22とY方向に対向する面であり、且つ光源部22からの光源光LT(
図7)が入射する面である。また、入射面24Cは、一例として、X-Z面に沿った平面である。端面24Dは、Y方向で入射面24Cとは反対側に位置する面である。ガラス板24は、厚さ方向から見て、導光部26及び表示部28を備える。
【0022】
((導光部))
導光部26は、ガラス板24のうち、光源部22に向けて対向基板36よりもY方向の外側へ延びた部位である。具体的には、導光部26は、入射面24Cから境界K1までの部位である。また、導光部26は、光源部22から出射された光源光LT(
図7)が入射する部位である。さらに、導光部26は、光源光LTを導光部26の内部で反射させることで、光源光LTをY方向の奥側へ進行させると共に、対向基板36及び液晶層32に導く。
【0023】
((表示部))
表示部28は、画像G(
図1)が表示される部位である。また、表示部28は、一例として、ガラス板24のうち、境界K1から端面24Dまでの部位である。具体的には、表示部28は、表示面29を有する。表示面29は、前面24Bのうち、表示部28に含まれる面である。表示面29では、一例として、画像Gが表示される。なお、表示面29は、カバー部12よりも外側に露出されているため、観察者Hによる視認が可能である。
【0024】
ガラス板24を厚さ方向から見て、前面24Bのうち、表示面29よりもY方向の外側に位置する面を非表示面31とする。非表示面31は、カバー部12によって覆われているため、観察者Hによる視認が困難な面である。
【0025】
(アレイ基板)
アレイ基板34は、光を透過する透明基板である。アレイ基板34は、液晶層32と厚さ方向で対向する前面34Aと、厚さ方向で前面34Aとは反対側の背面34Bと、を含む。アレイ基板34は、スイッチング素子(能動素子)Tr(
図6)としての複数のトランジスタ(トランジスタ素子)がアレイ状に配置された基板である。X-Y面の面積で比較した場合、アレイ基板34は、対向基板36よりも大きい。具体的には、アレイ基板34は、対向基板36よりも光源部22側へ延びた延出部34Cを有する。延出部34Cは、境界K1よりもY方向の外側の部位である。
【0026】
(対向基板)
対向基板36は、光を透過する透明基板である。対向基板36は、液晶層32と対向する背面36Aと、厚さ方向で背面36Aとは反対側の前面36Bと、を含む。つまり、対向基板36は、液晶層32に対して、アレイ基板34とは反対側に位置している。アレイ基板34及び対向基板36は、液晶層32を厚さ方向に挟んでいる。
【0027】
(液晶層)
液晶LQを含む液晶層32は、前面34Aと背面36Aとの間に位置する。液晶層32には、導光部26を通った光LR、光LG、光LB(
図7)が入射可能となっている。なお、「導光部26を通った光」とは、導光部26のみを通った光に限らず、導光部26から対向基板36等の他の部材を通った光も含む。
【0028】
液晶層32は、光学変調素子である。換言すると、表示パネル20は、既述のスイッチング素子を介して液晶層32の周辺に形成される電界の状態を制御することにより、液晶層32を通過する光を変調する機能を備えている。本実施形態において、液晶層32での光の変調とは、透明状態と散乱状態とを切り替えることを意味する。透明状態及び散乱状態については、後述する。なお、アレイ基板34及び対向基板36のそれぞれの表示領域DAは、厚さ方向から見て液晶層32と重なっている。
【0029】
液晶LQは、高分子分散型液晶LC(
図6)であり、液晶性ポリマーと液晶分子を含んでいる。液晶性ポリマーは、筋状に形成され、液晶分子は、液晶性ポリマーの隙間に分散される。液晶性ポリマー及び液晶分子の各々は、光学異方性あるいは屈折率異方性を有している。液晶性ポリマーの電界に対する応答性は、液晶分子の電界に対する応答性よりも低い。液晶性ポリマーの配向方向は、電界の有無に関わらずほとんど変化しない。
【0030】
液晶分子の配向方向は、液晶LQに閾値以上の高い電圧が印加された状態では、電界に応じて変化する。液晶LQに電圧が印加されていない状態では、液晶性ポリマー及び液晶分子のそれぞれの光軸は、互いに平行である。このため、液晶層32に入射した光源光LT(
図7)は、液晶層32内でほとんど散乱されることなく、液晶層32を透過する(透明状態)。
【0031】
一方、液晶LQに電圧が印加された状態では、液晶性ポリマー及び液晶分子のそれぞれの光軸は互いに交差する。このため、液晶LQに入射した光源光LTは、液晶層32内で散乱される(散乱状態)。
【0032】
表示パネル20では、光源光LT(
図7)の伝搬経路における液晶LQの配向が制御されることにより、透明状態と散乱状態とが制御される。散乱状態において、光源光LTは、液晶LQにより、前面24Bから表示パネル20の外部に出射される(画像光となる)。さらに、背面36A側から対向基板36に入射した背景光は、ガラス板24の前面24Bから外部に出射される。つまり、前面24B側にいる観察者Hは、画像光と背景光とを組み合わせて認識することができる。このように、観察者Hが、画像G及び背景2(
図1)を重ね合わせて認識することが可能な表示パネルを、透明表示パネルと呼ぶ。
【0033】
アレイ基板34と対向基板36とは、シール部(シール材)SLMを介して接着されている。シール部SLMは、表示領域DAの周囲を囲むように、周辺領域PFAに配置されている。シール部SLMの内側には、液晶層32が位置している。つまり、シール部SLMは、アレイ基板34と対向基板36との間に液晶LQを封入するシールとしての役割を果たす。また、シール部SLMは、アレイ基板34と対向基板36とを接着する、接着材としての役割を果たす。
【0034】
(区画部)
区画部42は、一例として、アレイ基板34と液晶層32との間、及び対向基板36と液晶層32との間に設けられている。また、区画部42は、厚さ方向から見て、液晶層32を複数の画素領域PSに区画する。画素領域PSは、画像信号に対して個別の制御が可能な最小単位の領域である。複数の画素領域PSは、X方向及びY方向に沿って、マトリクス状に配置されている。後述する駆動回路56が、外部から入力された制御信号に基づいて動作することで、複数の画素領域PSでの画像の表示が制御される。
【0035】
図5には、液晶層32及び区画部42を含む層構造30の一例が示されている。なお、
図5に示されている層構造30は、
図4の領域SAの内側の構造を拡大したものである。層構造30は、アレイ基板34から対向基板36までの各層及び各部材を含む。層構造30は、走査線GL、第1絶縁層33A、第2絶縁層33B、第3絶縁層33C、金属層TM、保持容量電極IO、第4絶縁層33D、画素電極PE、第1配向膜AL1、液晶層32、第2配向膜AL2、共通電極CE及びブラックマトリクスBMを有する。区画部42は、一例として、ブラックマトリクスBM及び走査線GLを含んでいる。
【0036】
走査線GLは、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)等の金属、これらの積層体又はこれらの合金を含む配線である。走査線GLは、X方向に沿って延びている。複数の走査線GLは、Y方向に等間隔で並んでいる(
図4)。走査線GLは、駆動信号を伝送する。第1絶縁層33A、第2絶縁層33B及び第4絶縁層33Dは、一例として、窒化シリコンなどの透明な無機絶縁材料によって形成されている。第3絶縁層33Cは、一例として、アクリル樹脂などの透光性を有する有機絶縁材料により形成されている。
【0037】
金属層TMは、例えば、モリブデン、アルミニウム等の配線である。保持容量電極IOは、一例として、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性導電材料によって形成されている。第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2は、垂直配向膜であり、液晶分子の配向を制御するために用いられる。画素電極PE及び共通電極CEは、画素PX(
図2)毎の光の散乱状態を制御するために用いられる。例えば、信号線SL(
図2)に各画素PXの出力階調値に応じた階調信号が供給された場合、当該階調信号に応じて、画素電極PEへの印加電圧が変わる。画素電極PEへの印加電圧が変わった場合、画素電極PEと共通電極CEとの間の電圧が変化することで、画素PX毎の液晶層32の状態が変化する(透明状態、散乱状態)。
【0038】
ブラックマトリクスBMは、厚さ方向から見た場合、X方向、Y方向に沿った格子状に形成されている。ブラックマトリクスBMは、光の透過を制限する遮光層であり、導電性の金属材料で形成されている。ブラックマトリクスBMに含まれる金属材料の例として、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タングステン(W)等が挙げられる。複数のブラックマトリクスBMの側面のうち、X方向から見て、光源部22に最も近い位置にある側面を端面BML(
図4)とする。端面BMLは、Z方向に沿って延びている。また、端面BMLのY方向の位置は、境界K1の位置となっている。
【0039】
(駆動回路)
図6に示すように、駆動回路56は、一例として、信号処理回路57、画素制御回路58、ゲート駆動回路59、ソース駆動回路61及び共通電位駆動回路62を備えている。駆動回路56は、延出部34C(
図4)に設けられている。
【0040】
信号処理回路57には、一例として、表示パネル20に対する外部の制御部9から、第1入力信号(RGB信号等)VSが入力される。信号処理回路57は、入力信号解析部57Aと、記憶部57Bと、信号調整部57Cと、を備える。入力信号解析部57Aは、入力された第1入力信号VSに基づいて、第2入力信号VCSを生成する。第2入力信号VCSは、第1入力信号VSに基づいて、表示パネル20の各画素PX(
図2)にどのような階調値を与えるかを定める信号である。換言すると、第2入力信号VCSは、各画素PXの階調値に関する階調情報を含む信号である。
【0041】
信号調整部57Cは、第2入力信号VCSから第3入力信号VCSAを生成する。信号調整部57Cは、第3入力信号VCSAを画素制御回路58へ送出し、光源制御信号LCSAを光源制御部64へ送出する。光源制御信号LCSAは、例えば、画素PXへの入力階調値に応じて設定される発光部23の光量の情報を含む信号である。発光部23は、光源部22に含まれている。
【0042】
画素制御回路58は、第3入力信号VCSAに基づいて水平駆動信号HDSと垂直駆動信号VDSとを生成する。本実施形態では、フィールドシーケンシャル方式の駆動が行われる。このため、水平駆動信号HDSと垂直駆動信号VDSとは、発光部23が発光可能な色毎に生成される。
【0043】
ゲート駆動回路59は、水平駆動信号HDSに基づいて、垂直走査期間内に表示パネル20の走査線GLを順次選択する。走査線GLの選択の順番は任意である。ソース駆動回路61は、垂直駆動信号VDSに基づいて、水平走査期間内に表示パネル20の各信号線SLに、各画素PXの出力階調値に応じた階調信号を供給する。
【0044】
表示パネル20は、アクティブマトリクス型パネルである。表示パネル20は、平面視でY方向に延在する信号(ソース)線SL及びX方向に延在する走査(ゲート)線GLを有する。信号線SLと走査線GLとの交差部には、スイッチング素子Trが設けられている。スイッチング素子Trとして、薄膜トランジスタが用いられている。
【0045】
スイッチング素子Trのソース電極及びドレイン電極のうち一方は、信号線SLに接続され、ゲート電極は、走査線GLに接続され、ソース電極及びドレイン電極のうち他方は、高分子分散型液晶LCの容量の一端に接続されている。高分子分散型液晶LCは、一端がスイッチング素子Trに画素電極PEを介して接続され、他端が共通電極CEを介してコモン電位配線COMLに接続されている。また、画素電極PEと、コモン電位配線COMLに電気的に接続されている保持容量電極IOとの間には、保持容量HCが生じる。なお、コモン電位配線COMLには、共通電位駆動回路62から電力が供給される。
【0046】
(カバーガラス)
図4に示すように、カバーガラス48は、アレイ基板34の背面34Bに接着されている。カバーガラス48は、アレイ基板34を保護するガラスである。なお、カバーガラス48は、アクリル等の樹脂製の透明部材であってもよい。
【0047】
(拡散部)
図7に示すように、拡散部52は、導光部26に設けられている。具体的には、拡散部52は、前面24Bの非表示面31に接着されている。拡散部52は、光源部22から導光部26に入射した光源光LT(光LR、LG、LB)を導光部26内に拡散させる。拡散部52は、一例として、反射部材54と接着層55と、を有する。なお、
図7では、カバー部12(
図4)の図示を省略している。
【0048】
((反射部材))
反射部材54は、一例として、PET(ポリエチレンテレフタレート)を材料として含むシート部材である。なお、反射部材54の他の例として、アクリルシートを用いてもよい。反射部材54は、X方向の長さL1(
図2)がY方向の長さL2よりも長い矩形状に形成されている。長さL1は、ガラス板24のX方向の長さとほぼ等しい。長さL2は、入射面24Cから対向基板36の光源部22側の端面37までの長さL3よりも短い。反射部材54は、光源光LTの一部で且つ導光部26から外側へ出射された光を、導光部26に向けて反射する。
【0049】
((接着層))
接着層55は、樹脂層の一例であり、導光部26の非表示面31に接触している。また、接着層55は、反射部材54を導光部26に固定している。接着層55は、一例として、複数の微粒子Pを、当該微粒子Pとは屈折率が異なる樹脂材Rに分散させた層として形成されている。また、接着層55は、複数の微粒子Pを含むことで、光源光LTを拡散(一次回折)させる機能を有する。なお、接着層55の他の例として、両面テープを用いてもよい。
【0050】
[第1実施形態の作用]
図8を参照して、表示パネル20について、光源部22から出射された光源光LTの光路について説明する。
図8では、各構成及び光を判り易く示すため、一部の部材のハッチングを消している。なお、光源光LTは太い実線の矢印、光LRは細い実線の矢印、光LGは破線の矢印、光LBは一点鎖線の矢印で区別されている。なお、光LR、光LG、光LBは、表示部28において区別されている。
【0051】
光源部22から出射された光源光LTは、入射面24Cから導光部26(ガラス板24)に入射する。ガラス板24に入射した光源光LTは、背面24A及び前面24Bで反射されながら、入射面24Cから遠ざかる方向に伝搬する。具体的には、背面24A及び前面24Bは、屈折率の大きな媒質(ガラス)と、屈折率の小さな媒質(空気)との界面である。このため、光源光LTが背面24A及び前面24Bに入射するときの入射角が、臨界角よりも大きい場合、光源光LTは、背面24A及び前面24Bで全反射する。なお、光源光LTの一部は、対向基板36を通って液晶層32に入射する。
【0052】
ここで、非表示面31には、拡散部52が設けられている。このため、拡散部52の接着層55に入射した光源光LTは、既述の通り、接着層55で拡散される。換言すると、接着層55では、光源光LTが一次回折(反射型の一次回折)される。一次回折された光源光LTは、ガラス板24から対向基板36を通って液晶層32に入射する。なお、非表示面31と厚さ方向に対向する位置では、カバー部12が存在するため、観察者Hが光源光LTを視認することはない。
【0053】
図1、
図2、
図5、
図8に示すように、液晶層32の画素PXでは、信号に応じて画素電極PEへの印加電圧が変わる。画素電極PEへの印加電圧が変わる場合、画素電極PEと共通電極CEとの間の電圧が変化する。そして、画素電極PEへの印加電圧に応じて、画素PX毎の液晶層32の散乱状態が制御される。つまり、画素PX内の光の散乱割合が変化する。画像Gに対応する画素PXでは、光LR、光LG、光LBが散乱される。これにより、表示部28では、画像Gの表示が行われる。観察者Hは、表示された画像Gを背景2と共に視認可能となる。
【0054】
図8に示すように、区画部42(複数の走査線GL及び複数のブラックマトリクスBM)は、光LR、光LG、光LBを回折させる回折格子となる可能性がある。つまり、表示面29から出射された光LR、光LG、光LBは、回折光を含む可能性がある。ここで、既述の通り、接着層55では光源光LTの一次回折が既に行われている。このため、表示面29から出射された光LR、光LG、光LBは、二次以上のN次回折光となっている。
【0055】
観察者Hに視認される二次以上のN次回折光は、既述の一次回折光と比べて、混色の可能性が高くなる。このため、観察者Hが一次回折光を視認した場合の色ムラ(赤色、緑色、青色の各光線がそれぞれ単独で目立つ、グラデーション状の虹ムラ)が、視認されにくくなる。特に、回折の次数が小さい光が出射される入光領域DB(
図1)の内側では、観察者Hが色ムラを視認する可能性が低くなる。このように、表示パネル20の性能を向上させることができる。
【0056】
表示パネル20では、樹脂層の一例である接着層55によって光の拡散が行われる。ここで、接着層55(拡散部52)は、導光部26(非表示面31)に樹脂材料を塗布し、あるいは樹脂材料を密着させることで形成できる。つまり、表示パネル20によれば、導光部26に拡散部52を簡単に設けることができる。
【0057】
表示パネル20では、反射部材54が接着層55によって導光部26に固定されている。そして、反射部材54は、光源光LTをガラス板24に向けて反射する機能を有する。これにより、光源光LTが導光部26から外部に向けて進行することを規制すると共に、接着層55で光源光LTを一次回折させることができる。
【0058】
表示パネル20では、導光部26と表示部28がガラス板24として一体に形成されている。このため、液晶層32及び対向基板36に対して、導光部26の位置決めと表示部28の位置決めとを別々に行わずに済むので、導光部26と表示部28が別体となっている構成と比べて、表示パネル20を簡単に組み立てることができる。
【0059】
〔第2実施形態の構成〕
図9には、第2実施形態の表示ユニット70が示されている。なお、以降は、第1実施形態で説明した構成要素について、当該構成要素の符号と同じ符号を付すことで、説明を省略する場合がある。
【0060】
表示ユニット70は、カバー部12と、表示パネル80とを含む。カバー部12は、表示パネル80のうち表示部28以外の部位を覆っている。なお、表示ユニット70及び表示パネル80は、それぞれ、表示装置の一例である。表示パネル80は、表示パネル20の拡散部52(
図4)が、拡散部82に置き換えられた部分が異なる。拡散部82以外の構成は、表示パネル20と同様であるため、説明を省略する。
【0061】
(拡散部)
図10に示すように、拡散部82は、導光部26に設けられている。具体的には、拡散部82は、導光部26の前面24B(非表示面31)に形成された複数の窪み部84である。拡散部82(窪み部84)は、光源部22から導光部26に入射した光源光LTを導光部26の内部で拡散させる。なお、非表示面31のうち複数の窪み部84の周縁部には、反射部材54が接着されている。換言すると、反射部材54は、複数の窪み部84を厚さ方向の一方側から覆っている。
【0062】
複数の窪み部84は、一例として、それぞれ同じ形状を有しており、それぞれ同程度の大きさに形成されている。また、複数の窪み部84は、Y方向に間隔をあけて位置している。
図10では、一例として、複数の窪み部84の間隔がほぼ等間隔となっているが、複数の窪み部84の間隔は、異なっていてもよい。なお、窪み部84のZ-Y面での形状は、X方向に沿って同じ形状、異なった形状のいずれであってもよい。
【0063】
窪み部84は、X方向から見て、非表示面31から背面24Aに向けて半円形状に窪んでいる。換言すると、窪み部84は、X方向から見て、円弧状の曲面85を有する。曲面85は、曲面85に向けて進行する光源光LTを他の方向へ拡散させる機能を有する。
【0064】
[第2実施形態の作用]
図11を参照して、表示パネル80について、光源部22から出射された光源光LTの光路について説明する。
図11では、各構成及び光を判り易く示すため、一部の部材のハッチングを消している。なお、第1実施形態と同様の構成及び同様の作用については、説明を省略する。
【0065】
光源部22から出射された光源光LTは、ガラス板24(導光部26)に入射する。ここで、非表示面31には、拡散部82が設けられている。このため、光源光LTは、拡散部82の複数の曲面85で拡散(拡散反射)される。換言すると、拡散部82では、光源光LTが一次回折(反射型の一次回折)される。一次回折された光源光LTは、ガラス板24から対向基板36を通って液晶層32に入射する。
【0066】
液晶層32では、既述の通り、表示対象の画素PX(
図2)で光源光LTが散乱される。これにより、観察者Hは、背景2と共に画像G(
図1)を視認可能となる。ここで、拡散部82では、既に、光源光LTの一次回折が行われている。これにより、表示面29から出射された光LR、光LG、光LBは、二次以上のN次回折光となる可能性が高い。このため、観察者Hが色ムラを視認しにくくなる。このように、表示パネル80の性能を向上させることができる。
【0067】
表示パネル80では、ガラス板24に複数の窪み部84が形成されている。つまり、複数の窪み部84の形状は、それぞれ予め決められた形状となっている。これにより、光源光LTを予め設定した方向に反射(回折)させ易くなっているので、不定形の部材で光の拡散を行う場合と比べて、拡散部82での光源光LTの拡散状態を安定させることができる。
【0068】
拡散部82は、断面形状が半円形状の曲面85を有する。ここで、製造時等にガラス板24に対して外力が作用した場合、Z-Y面の断面形状が多角形状のものと比べて、曲面85の一部に応力が集中することを抑制できる。これにより、特に導光部26の変形を抑制できる。
【0069】
〔変形例〕
本実施の形態は、上記の第1、第2実施形態に限定されない。以下、変形例について説明する。
【0070】
表示パネル20では、拡散部52の接着層55に換えて、接着力がほとんど無い樹脂層を設けてもよい。例えば、当該樹脂層及び反射部材54を、枠部材を用いてガラス板24に押し付けると共に、当該枠部材をガラス板24あるいは他の部材に接着又は締結することで、当該樹脂層及び反射部材54を固定してもよい。また、接着層55を透過する光源光LTが少ない場合は、反射部材54を用いない構成とすることも可能である。拡散部52をガラス板24の背面24Aに設けてもよい。
【0071】
表示パネル80では、複数の窪み部84を背面24Aに形成してもよい。また、窪み部84は、X方向に延びる1つの窪み部で構成されてもよい。窪み部84を構成する面は、曲面85に限らず、X方向から見て多角形状の面であってもよい。
【0072】
以上、各実施形態及び変形例について説明したが、上記した技術は、例示した変形例以外の種々の変形例に適用可能である。
【0073】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、表示装置や表示装置が組み込まれた電子機器に利用可能である。
【符号の説明】
【0075】
2 背景、9 制御部、10 表示ユニット、12 カバー部、20 表示パネル、
22 光源部、23 発光部、23B 第3色の発光体、23G 第2色の発光体、
23R 第1色の発光体、24 ガラス板、24A 背面、24B 前面、
24C 入射面、24D 端面、26 導光部、28 表示部、29 表示面、
30 層構造、31 非表示面、32 液晶層、33A 第1絶縁層、
33B 第2絶縁層、33C 第3絶縁層、33D 第4絶縁層、34 アレイ基板、
34A 前面、34B 背面、34C 延出部、36 対向基板、36A 背面、
36B 前面、37 端面、42 区画部、48 カバーガラス、52 拡散部、
54 反射部材、55 接着層、56 駆動回路、57 信号処理回路、
57A 入力信号解析部、57B 記憶部、57C 信号調整部、
58 画素制御回路、59 ゲート駆動回路、61 ソース駆動回路、
62 共通電位駆動回路、64 光源制御部、70 表示ユニット、
80 表示パネル、82 拡散部、84 窪み部、85 曲面、AL1 第1配向膜、
AL2 第2配向膜、BM ブラックマトリクス、BML 端面、CE 共通電極、
COML コモン電位配線、DA 表示領域、DB 入光領域、G 画像、
GL 走査線、H 観察者、HC 保持容量、HDS 水平駆動信号、
IO 保持容量電極、K 境界、K1 境界、K2 境界、L1 長さ、L2 長さ、
L3 長さ、LB 光、LC 高分子分散型液晶、LCSA 光源制御信号、
LG 光、LQ 液晶、LR 光、LT 光源光、P 微粒子、PE 画素電極、
PFA 周辺領域、PS 画素領域、PX 画素、R 樹脂材、SA 領域、
SL 信号線、SLM シール部、TM 金属層、Tr スイッチング素子、
VCS 第2入力信号、VCSA 第3入力信号、VDS 垂直駆動信号、
VS 第1入力信号