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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081834
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】保持部材
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20240612BHJP
【FI】
A61M25/09
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195297
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】弁理士法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 里佳
(72)【発明者】
【氏名】戸松 佑史
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA28
4C267AA34
4C267BB53
4C267CC07
4C267FF03
4C267HH22
(57)【要約】
【課題】長尺体を保持部材に対して円滑に挿抜する。
【解決手段】保持部材は、管状部材に収納されている医療用の長尺体を巻回した状態で保持する。保持部材は、管状部材を保持する第1の保持部と、管状部材から突出している長尺体を保持する第2の保持部と、を備える。長尺体の軸方向において、第2の保持部の長さは、第1の保持部の長さよりも短い。このため、例えば第2の保持部の長さが第1の保持部の長さと同じである構成に比べて、長尺体を第2の保持部から挿抜する際の接触抵抗が小さい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状部材に収納されている医療用の長尺体を巻回した状態で保持する保持部材であって、
前記管状部材を保持する第1の保持部と、
前記管状部材から突出している前記長尺体を保持する第2の保持部と、を備え、
前記第2の保持部の長さは、前記第1の保持部の長さよりも短い、
保持部材。
【請求項2】
請求項1に記載の保持部材であって、
前記保持部材は、さらに、支持面を有し、
前記第2の保持部は、前記支持面から突出するとともに前記長尺体を保持する凹部が形成された突出部であり、
前記支持面は、前記突出部に対して前記凹部に沿った方向の少なくとも一方側に位置している、
保持部材。
【請求項3】
請求項2に記載の保持部材であって、
前記第2の保持部の前記凹部の幅は、0.05mm以上、0.25mm以下である、
保持部材。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の保持部材であって、
前記第1の保持部が形成された面を構成する部分と、前記第2の保持部が形成された面を構成する部分との少なくとも一方は、全周にわたって面取りされている、
保持部材。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の保持部材であって、
前記保持部材の材料は、エチレン酢酸ビニルである、
保持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、管状部材に収納されている医療用の長尺体を巻回した状態で保持するための保持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、管状部材に収納されているガイドワイヤを巻回した状態で保持する保持部材が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。この保持部材は、巻回した状態の管状部材を保持する第1の凹部と、管状部材から突出したガイドワイヤを保持する第2の凹部とを有する。第2の凹部の長さは、第1の凹部の長さと同じである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第11033711号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の保持部材では、ガイドワイヤを第2の凹部から挿抜する際の抵抗が大きいため、ガイドワイヤを保持部材に対して円滑に挿抜することができない、という問題がある。
【0005】
なお、このような課題は、ガイドワイヤに限らず、カテーテルなどの長尺体を巻回した状態で保持する保持部材に共通の課題である。
【0006】
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0008】
(1)本明細書に開示される保持部材は、管状部材に収納されている医療用の長尺体を巻回した状態で保持する保持部材であって、前記管状部材を保持する第1の保持部と、前記管状部材から突出している前記長尺体を保持する第2の保持部と、を備え、前記第2の保持部の長さは、前記第1の保持部の長さよりも短い。
【0009】
本保持部材では、第2の保持部の長さが、第1の保持部の長さよりも短い。このため、例えば第2の保持部の長さが第1の保持部の長さと同じである構成に比べて、長尺体を第2の保持部から挿抜する際の接触抵抗が小さい。これにより、本保持部材によれば、長尺体を保持部材に対して円滑に挿抜することができる。
【0010】
(2)上記保持部材において、前記保持部材は、さらに、支持面を有し、前記第2の保持部は、前記支持面から突出するとともに前記長尺体を保持する凹部が形成された突出部であり、前記支持面は、前記突出部に対して前記凹部に沿った方向の少なくとも一方側に位置している構成としてもよい。本保持部材では、長尺体のうち、凹部からはみ出るはみ出し部分が支持面によって支持される。このため、本保持部材によれば、例えば支持面を有しない構成に比べて、長尺体のはみ出し部分が凹部の端部を起点として屈曲することを抑制することができる。
【0011】
(3)上記保持部材において、前記第2の保持部の前記凹部の幅は、0.05mm以上、0.25mm以下である構成としてもよい。本保持部材によれば、凹部の幅が0.05mm未満である構成に比べて、長尺体が凹部から外れることが抑制され、凹部の幅が0.25mmよりも太い構成に比べて、長尺体を凹部から円滑に挿抜することができる。
【0012】
(4)上記保持部材において、前記第1の保持部が形成された面を構成する部分と、前記第2の保持部が形成された面を構成する部分との少なくとも一方は、全周にわたって面取りされている構成としてもよい。本保持部材によれば、例えば第1の保持部が形成された面を構成する部分や第2の保持部が形成された面を構成する部分の少なくとも一部が面取りされていない構成に比べて、保持部材を収容する収容袋に損傷を与えることを抑制することができる。
【0013】
(5)上記保持部材において、前記保持部材の材料は、エチレン酢酸ビニルである構成としてもよい。本保持部材では、保持部材は、エチレン酢酸ビニルによって形成されているため、柔軟性を有する。このため、本保持部材によれば、保持部材に対して長尺体を、より円滑に挿抜することができる。また、保持部材を収容する収容袋に損傷を与えることを、より効果的に抑制することができる。
【0014】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば保持部材、長尺体が収納される管状部材と保持部材とを備える医療用機器セット等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】ガイドワイヤ12およびホルダーチューブ14と複数のクリップ100,200とを示す説明図
図2】第1のクリップ100の全体構成示す斜視図
図3】第1のクリップ100の上面構成を示す説明図
図4図1のIV―IVの位置における第1のクリップ100の断面構成を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0016】
A.実施形態:
図1は、ガイドワイヤ12およびホルダーチューブ14と複数のクリップ100,200とを示す説明図である。図1では、ガイドワイヤ12およびホルダーチューブ14は、巻回した状態とされている。複数のクリップ100,200は、ガイドワイヤ12およびホルダーチューブ14を巻回した状態に保持するためにガイドワイヤ12およびホルダーチューブ14の各部位に取り付けられている。また、図1には、第1のクリップ100に保持されたタグ20が示されている。
【0017】
A-1.ガイドワイヤ12およびホルダーチューブ14の構成:
図1には、ガイドワイヤ12およびホルダーチューブ14に加えて先端用チューブ16が示されている。なお、ガイドワイヤ12は、特許請求の範囲における長尺体の一例であり、ホルダーチューブ14および先端用チューブ16は、特許請求の範囲における管状部材の一例である。
【0018】
ガイドワイヤ12は、血管等における病変部(狭窄部や閉塞部)にカテーテルを案内するために、血管等に挿入される長尺状の医療用デバイスである。ガイドワイヤ12の全長は、例えば1500mm以上、3000mm以下程度であり、ガイドワイヤ12の外径は、例えば0.15mm以上、0.5mm以下程度である。
【0019】
ホルダーチューブ14と先端用チューブ16とは、いずれも、ガイドワイヤ12が収納される管状の部材である。ホルダーチューブ14と先端用チューブ16とは、例えば樹脂等の可撓性材料により形成されている。ホルダーチューブ14は、ガイドワイヤ12のうち、一端側部分以外の大部分を覆っている。先端用チューブ16の長さは、ホルダーチューブ14の長さよりも短い。先端用チューブ16は、ガイドワイヤ12の上記一端側部分の先端部を覆っている。
【0020】
ホルダーチューブ14と先端用チューブ16とは、巻回した状態のガイドワイヤ12の軸方向(以下、単に「チューブ軸方向」ということがある)において互いに離間するように配置されている。このため、ガイドワイヤ12がホルダーチューブ14および先端用チューブ16に覆われた非露出部分と、ガイドワイヤ12が露出した露出部分とが存在している。チューブ軸方向は、特許請求の範囲における凹部に沿った方向の一例である。
【0021】
A-2.第1のクリップ100の構成:
図2は、第1のクリップ100の全体構成示す斜視図であり、図3は、第1のクリップ100の上面(後述する保持面101)構成を示す説明図であり、図4は、図1のIV―IVの位置における第1のクリップ100の断面構成を示す説明図である。第1のクリップ100は、特許請求の範囲における保持部材の一例である。
【0022】
図2および図3に示すように、第1のクリップ100は、全体として一の方向(図2から図4の紙面左右方向)に長い略箱状の部材である。第1のクリップ100は、エチレン酢酸ビニルにより形成されている。第1のクリップ100は、チューブ保持部110と、ワイヤ保持部120とを備えている。チューブ保持部110は、特許請求の範囲における第1の保持部の一例である。
【0023】
(チューブ保持部110):
チューブ保持部110は、2つのチューブ用溝114を有している。チューブ用溝114は、ホルダーチューブ14を保持可能なサイズに形成されている。各チューブ用溝114は、第1のクリップ100の短手方向(図3の紙面上下方向)に沿って直線状に延びている。チューブ用溝114は、チューブ用溝114の全長にわたって連続的に延びている溝であり、チューブ用溝114(特に後述する挿入空間114B)を構成する内壁面は、全長にわたってホルダーチューブ14に接触して保持する。このため、チューブ用溝114の長さL1(図3参照)は、特許請求の範囲における第1の長さの一例である。なお、本実施形態では、各チューブ用溝114は、第1のクリップ100の短手方向において、第1のクリップ100の全長(図3のL1参照)にわたって延びている。
【0024】
各チューブ用溝114は、収容空間114Aと挿入空間114Bとを有している(図4参照)。収容空間114Aは、ガイドワイヤ12を収容する空間である。なお、収容空間114Aのチューブ軸方向の断面形状は、略円状である。挿入空間114Bは、収容空間114Aと、第1のクリップ100におけるチューブ用溝114が開口した面(以下、「保持面101」という)との間に位置している。第1のクリップ100のうち、保持面101とは反対側に位置する面をベース面102という(図2および図4参照)。
【0025】
収容空間114Aの開口幅D1は、ホルダーチューブ14の太さD2(外径)よりも広く、挿入空間114Bの開口幅D3は、ホルダーチューブ14の太さD2よりも狭い。このため、収容空間114Aに収容されたホルダーチューブ14がチューブ用溝114から抜けることが抑制されている。なお、本明細書において「凹部が長尺体を保持する」とは、凹部が常に長尺体を挟持することに限らず、凹部が、長尺体を、クリアランスをもって収容し、かつ、抜け止め状態とすること(図4参照)も含まれる。
【0026】
2つのチューブ用溝114は、互いに平行であり、かつ、第1のクリップ100の長手方向に並ぶように配置されている(図3参照)。このため、チューブ保持部110は、巻回した状態のホルダーチューブ14の径方向に並ぶ複数の線状部分をそれぞれ保持することができる。
【0027】
(ワイヤ保持部120):
ワイヤ保持部120は、チューブ保持部110に対して、第1のクリップ100の短手方向(図3の紙面上下方向)の一方側に配置されている。ワイヤ保持部120は、1つのワイヤ用溝124を有している。ワイヤ用溝124は、ガイドワイヤ12を保持可能なサイズに形成されている。すなわち、ワイヤ用溝124の横幅は、チューブ用溝114の横幅よりも狭い(図4参照)。ワイヤ用溝124は、特許請求の範囲における凹部の一例である。なお、ワイヤ用溝124は、チューブ用溝114と同様、保持面101に開口するように形成されている。
【0028】
ワイヤ用溝124は、第1のクリップ100の短手方向(図3の紙面上下方向)に沿って直線状に延びている。ワイヤ用溝124は、ワイヤ用溝124の全長にわたって連続的に延びている溝であり、ワイヤ用溝124を構成する内壁面は、全長にわたってガイドワイヤ12に接触して保持する。このため、ワイヤ用溝124の長さL2は、特許請求の範囲における第2の長さの一例である。
【0029】
ワイヤ保持部120は、一対の支持面121と、突出部122とを有している。各支持面121は、保持面101に対してベース面102側に位置している(図2参照)。突出部122は、チューブ軸方向において、一対の支持面121の間に配置されている。突出部122は、各支持面121に対して保持面101側に突出するように形成されている。チューブ軸方向において、突出部122の長さ(ワイヤ用溝124の長さL2と同じ)は、チューブ保持部110の長さL1よりも短い。突出部122は、特許請求の範囲における第2の保持部の一例である。
【0030】
ワイヤ用溝124は、突出部122に形成されており、支持面121には形成されていない。このため、チューブ軸方向において、ワイヤ用溝124の長さL2は、チューブ用溝114の長さL1よりも短い。チューブ用溝114の長さL1に対するワイヤ用溝124の長さL2の割合は、例えば2/3以下であり、1/2以上である。具体的には、ワイヤ用溝124の長さL2は、例えば3.5mm以上、4.5mm以下である。
【0031】
なお、ワイヤ用溝124の底面は、支持面121と面一になっていることが好ましい。このような構成であれば、例えばワイヤ用溝124の底面と支持面121との間に段差が存在する構成とは異なり、ワイヤ用溝124に保持されたガイドワイヤ12に対して、該段差を起点する応力が集中することを抑制することができる。
【0032】
チューブ保持部110のうち、チューブ用溝114が形成された面(保持面101)を構成する部分は、全周にわたって面取りされている。具体的には、図2に示すように、2つのチューブ用溝114の間に位置する面を構成する部分が全周にわたって面取りされて第1のテーパ面C1とされている。2つのチューブ用溝114の両側に位置する面を構成する部分が全周にわたって面取りされて第2のテーパ面C2とされている。
【0033】
ワイヤ保持部120のうち、ワイヤ用溝124が形成された面(突出部122の上面)を構成する部分は、全周にわたって面取りされている。具体的には、突出部122の上面部分が全周にわたって面取りされて第3のテーパ面C3とされている。さらに、支持面121を構成する部分が全周にわたって面取りされて第4のテーパ面C4とされている。さらに、突出部122の上面とワイヤ用溝124との間の角部が面取りされて第5のテーパ面C5とされている。なお、本実施形態では、第1のクリップ100のうち、ベース面102を構成する部分が全周にわたって面取りされて第6のテーパ面C6とされている。
【0034】
第1のクリップ100は、タグ20を保持することができる。タグ20は、例えばガイドワイヤ12の識別情報等が表示された識別タグである。タグ20は、長方形状の板状であり、一端部24側に挿入孔22が形成されている(図4参照)。チューブ用溝114に、タグ20の一端部24を挿入し、その一端部24の上からホルダーチューブ14を挿入する。その結果、タグ20の一端部24が、第1のクリップ100のうちのチューブ用溝114を構成する内壁面とホルダーチューブ14との間に挟み込まれることになる。これにより、例えばガイドワイヤ12の搬送中においてタグ20が外れることを効果的に抑制することができる。
【0035】
A-3.第2のクリップ200の構成:
第2のクリップ200は、第1のクリップ100と同様、全体として一の方向に長い略箱状の部材である。第2のクリップ200は、第1のクリップ100に対して、ワイヤ保持部120を有しておらず、チューブ用溝114を3つ備える点が異なる。すなわち、第2のクリップ200は、ホルダーチューブ14や先端用チューブ16を保持するために使用される。
【0036】
A-4.第1実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の第1のクリップ100では、チューブ軸方向において、ワイヤ用溝124の長さL2は、チューブ用溝114の長さL1よりも短い(図3参照)。このため、例えばワイヤ用溝124の長さL2がチューブ用溝114の長さL1と同じである構成に比べて、ガイドワイヤ12をワイヤ保持部120から挿抜する際の接触抵抗が小さい。これにより、本実施形態によれば、ガイドワイヤ12を第1のクリップ100に対して円滑に挿抜することができる。
【0037】
本実施形態では、ワイヤ保持部120は、チューブ軸方向に沿った支持面121と、支持面121から突出し、ワイヤ用溝124が形成された突出部122とを有している(図2参照)。このため、ガイドワイヤ12のうち、ワイヤ用溝124(突出部122)からはみ出るはみ出し部分が支持面121によって支持される。このため、本実施形態によれば、例えば支持面121を有しない構成に比べて、ガイドワイヤ12のはみ出し部分がワイヤ用溝124の端部を起点として屈曲することを抑制することができる。
【0038】
本実施形態では、ワイヤ用溝124の幅(図4の開口幅D3)は、例えば0.05mm以上、0.25mm以下である。本実施形態によれば、ワイヤ用溝124の幅が0.05mm未満である構成に比べて、ガイドワイヤ12がワイヤ用溝124から外れることが抑制される。また、ワイヤ用溝124の幅が0.25mmよりも太い構成に比べて、ガイドワイヤ12をワイヤ用溝124から円滑に挿抜することができる。
【0039】
本実施形態では、チューブ保持部110のうち、チューブ用溝114が形成された面(保持面101)を構成する部分は、全周にわたって面取りされている。また、ワイヤ保持部120のうち、ワイヤ用溝124が形成された面(突出部122の上面)を構成する部分は、全周にわたって面取りされている(図2参照)。本実施形態によれば、例えば保持面101を構成する部分や突出部122の上面を構成する部分の少なくとも一部が面取りされていない構成に比べて、第1のクリップ100の角部によって、第1のクリップ100を収容する収容袋(図示せず)に損傷を与えることを抑制することができる。なお、本実施形態では、第1のクリップ100の外形を構成する他の面(ベース面102等)も全周にわたって面取りされているため、収容袋に損傷を与えることを、より効果的に抑制することができる。
【0040】
第1のクリップ100は、エチレン酢酸ビニルにより形成されている。このため、本実施形態によれば、第1のクリップ100は、柔軟性を有するため、ガイドワイヤ12やホルダーチューブ14等を、より円滑に挿抜することができる。また、収容袋に損傷を与えることを、より効果的に抑制することができる。
【0041】
B.変形例:
上記実施形態におけるカテーテルセットの構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態における各部材の形態は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態において、チューブ保持部110が有するチューブ用溝114の数は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。ワイヤ保持部120が有するワイヤ用溝124の数は、2つ以上でもよい。
【0042】
上記実施形態では、第1の保持部として、直線状に連続的に延びているチューブ用溝114を例示したが、第1の保持部は、複数の単位凹部が、チューブ軸方向に離間しつつ並んだ形態でもよい。この形態では、特許請求の範囲における「第1の保持部の長さ」は、複数の単位凹部の長さの合計である。また、上記実施形態では、第2の保持部として、直線状に連続的に延びているワイヤ用溝124を例示したが、第2の保持部は、複数の単位凹部が、チューブ軸方向に離間しつつ並んだ形態でもよい。この形態では、特許請求の範囲における「第2の保持部の長さ」は、複数の単位凹部の長さの合計である。
【0043】
上記実施形態では、ワイヤ保持部120(ワイヤ用溝124)は、第1のクリップ100のうち、チューブ保持部110(チューブ用溝114)と同じ保持面101に形成されていたが、保持面101以外に面(例えばベース面102や、保持面101とベース面102とを繋ぐ側面)に形成されていてもよい。また、上記実施形態において、第1のクリップ100は、一対の支持面121の少なくとも一方を有しない構成でもよい。
【0044】
上記実施形態において、ワイヤ用溝124の長さL2は、0.05mm未満でもよいし、0.25mmより長くてもよい。また、第1のクリップ100は、第1のテーパ面C1から第6のテーパ面C6の少なくとも一部を有しない構成でもよい。
【0045】
上記実施形態において、第1のクリップ100の保持対象である長尺体は、ガイドワイヤ12に限らず、例えばカテーテルなどでもよい。また、上記実施形態において、先端用チューブ16を備えない構成でもよい。
【0046】
上記実施形態における各部材の材料は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、第1のクリップ100の材料は、エチレン酢酸ビニルであったが、これに限らず、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、アクリル樹脂等の各種樹脂材料等でもよい。
【符号の説明】
【0047】
12:ガイドワイヤ 14:ホルダーチューブ 16:先端用チューブ 20:タグ 22:挿入孔 24:一端部 100:第1のクリップ 101:保持面 102:ベース面 110:チューブ保持部 114:チューブ用溝 114A:収容空間 114B:挿入空間 120:ワイヤ保持部 121:支持面 122:突出部 124:ワイヤ用溝 200:第2のクリップ C1:第1のテーパ面 C2:第2のテーパ面 C3:第3のテーパ面 C4:第4のテーパ面 C5:第5のテーパ面 C6:第6のテーパ面
図1
図2
図3
図4