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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081887
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】電源回路
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/34 20060101AFI20240612BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20240612BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
H02J7/34 F
H02H7/18
H02J7/00 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195420
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100175134
【弁理士】
【氏名又は名称】北 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100207859
【弁理士】
【氏名又は名称】塩谷 尚人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 雅彦
【テーマコード(参考)】
5G053
5G503
【Fターム(参考)】
5G053AA01
5G053AA02
5G053BA01
5G053BA04
5G053CA03
5G053EC03
5G053EC05
5G053FA05
5G503BA03
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB04
5G503CB11
5G503FA16
5G503FA17
5G503GA01
5G503GA15
5G503GA19
5G503HA00
(57)【要約】
【課題】電流経路に経路抵抗を備える電源回路において、入力源の電池の電圧が低い場合や経路抵抗の抵抗値が高い場合であっても、短絡時に電池からの放電電流を遮断する。
【解決手段】電源回路(40)は、電池(11)を電力の入力源とし、電池の状態を監視する電池監視部(31)に電力を供給する。電池から電池監視部までの電流経路(L1,L2)には、所定電流を超える電流が流れた場合に電流を遮断するヒューズ機能部(F1,F2)が設けられている。電源回路は、電流経路においてヒューズ機能部よりも電池監視部側に経路抵抗(R1)を備え、経路抵抗を通る経路で短絡が生じた場合に、経路抵抗を通さずにヒューズ機能部に所定電流を超える電流を流す迂回経路を形成する形成回路(D1,B1,D2,B2)を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池(11)を電力の入力源とし、前記電池の状態を監視する電池監視部(31)に電力を供給する電源回路(40,140,240,340,440,540)であって、
前記電池から前記電池監視部までの電流経路(L1,L2)には、所定電流を超える電流が流れた場合に電流を遮断するヒューズ機能部(F1,F2)が設けられており、
前記電流経路において前記ヒューズ機能部よりも前記電池監視部側に経路抵抗(R1,R0)を備え、
前記経路抵抗を通る経路で短絡が生じた場合に、前記経路抵抗を通さずに前記ヒューズ機能部に前記所定電流を超える電流を流す迂回経路を形成する形成回路(D1,B1,D2,B2,D0,B0,S1,S2,B3,Cp1,Rs,R1,L3,L4,D3)を備える、電源回路。
【請求項2】
前記形成回路は、
前記経路抵抗と並列に前記電流経路に接続され、第1所定電圧を超える電圧が印加されたことを条件として通電して前記ヒューズ機能部に前記所定電流を超える電流を流す第1通電素子(D1,D0)を備える、請求項1に記載の電源回路。
【請求項3】
前記電流経路において前記経路抵抗及び前記第1通電素子よりも前記電池監視部側に、前記電池監視部により開閉状態が制御されるスイッチング素子(T1)が直列に接続されており、
前記形成回路は、
前記電流経路の前記スイッチング素子よりも前記電池監視部側に前記電池監視部と並列に接続され、前記第1所定電圧よりも低い第2所定電圧を超える電圧が印加されたことを条件として通電する第2通電素子(D2)を備える、請求項2に記載の電源回路。
【請求項4】
前記電池監視部は、開閉状態が制御されるスイッチング素子(T1)を備え、
前記スイッチング素子は、前記電流経路(L1)に直列に接続されている、請求項2に記載の電源回路。
【請求項5】
前記電流経路(L1,L0)を複数備え、
複数の前記電流経路には前記経路抵抗(R1,R0)がそれぞれ設けられており、
前記形成回路は、複数の前記電流経路に対してそれぞれ前記第1通電素子(D1,D0)を備える、請求項2~4のいずれか1項に記載の電源回路。
【請求項6】
前記形成回路は、前記第1通電素子に印加されるノイズを低減し且つ前記経路抵抗よりも抵抗値が低いノイズ低減素子(Rf)を備える、請求項2~4のいずれか1項に記載の電源回路。
【請求項7】
前記形成回路は、
前記電流経路の前記ヒューズ機能部と前記経路抵抗との間に前記電池と並列に接続されたスイッチ(S1,S2)と、
前記経路抵抗に前記所定電流よりも小さい第1電流を超える電流が流れたことを条件として前記スイッチを閉じるスイッチ駆動部(Cp1,Rs,R1,L3,L4,D3)と、
を備える、請求項1に記載の電源回路。
【請求項8】
前記電流経路において前記経路抵抗よりも前記電池監視部側に、前記電池監視部により開閉状態が制御されるスイッチング素子(T1)が直列に接続されており、
前記形成回路は、
前記電流経路の前記スイッチング素子よりも前記電池監視部側に前記電池監視部と並列に接続され、第2所定電圧を超える電圧が印加されたことを条件として通電する第2通電素子(D2)を備える、請求項7に記載の電源回路。
【請求項9】
前記電流経路(L1,L0)を複数備え、
複数の前記電流経路には前記経路抵抗(R1,R0)がそれぞれ設けられており、
前記形成回路は、複数の前記電流経路に対してそれぞれ前記スイッチ駆動部(L3,L4,D3)を備える、請求項7又は8に記載の電源回路。
【請求項10】
電池(11)を電力の入力源とし、前記電池の状態を監視する電池監視部(31)に電力を供給する電源回路(640,740)であって、
前記電池から前記電池監視部までの電流経路(L1,L2)には、所定電流を超える電流が流れた場合に電流を遮断するヒューズ機能部(F1,F2)が設けられており、
前記電流経路において前記ヒューズ機能部よりも前記電池監視部側に経路抵抗(R1)を備え、
前記経路抵抗を通る経路で短絡が生じた場合に、前記経路抵抗に流れる電流を遮断する遮断回路(S3,Cp1,Rs,R1,F3,F4)を備える、電源回路。
【請求項11】
前記遮断回路は、
前記電流経路において前記ヒューズ機能部及び前記経路抵抗に直列に接続されたスイッチ(S3)と、
前記経路抵抗に前記所定電流よりも小さい第1電流を超える電流が流れたことを条件として前記スイッチを開くスイッチ駆動部(Cp1,Rs,R1)と、
を備える、請求項10に記載の電源回路。
【請求項12】
前記ヒューズ機能部は、第1ヒューズ機能部(F1,F2)であり、
前記遮断回路は、
前記電流経路に並列に接続された所定素子(C1,D2)に直列に接続され、前記所定素子で短絡が生じていない場合に前記所定電流よりも小さい第1電流を超える電流が流れず、前記第1電流を超える電流が流れたことを条件として電流を遮断する第2ヒューズ機能部(F3,F4)を備える、請求項10又は11に記載の電源回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池監視装置に適用される電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電池を電力の入力源とする電源回路と、電源回路から供給される電力により動作して電池の状態を監視する電池監視ICと、を備える電池監視装置がある(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Texas Instruments BQ79616-Q1データシートRev. D
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的に電池から電池監視ICまでの電流経路にヒューズが設けられ、電源回路で短絡が生じた場合にヒューズが溶断して電流を遮断する。しかし、電池の電圧が低い場合や、電流経路に設けられた抵抗である経路抵抗の抵抗値が高い場合は、短絡が生じてもヒューズが溶断しないおそれがある。この場合、短絡が生じた状態で電池からの放電が継続し、電池が過放電になったり、電池が過熱したりするおそれがある。なお、過電流により溶断する金属製ヒューズに限らず、過電流により抵抗値が増大するリセッタブルヒューズや、過電流を検出してMOSFETにより電流を遮断するeヒューズ(電子ヒューズ)等を含めたヒューズ機能部を備える場合も、同様の問題が生じ得る。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、電流経路に経路抵抗を備える電源回路において、入力源の電池の電圧が低い場合や経路抵抗の抵抗値が高い場合であっても、短絡時に電池からの放電電流を遮断することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の手段は、
電池(11)を電力の入力源とし、前記電池の状態を監視する電池監視部(31)に電力を供給する電源回路(40,140,240,340,440,540)であって、
前記電池から前記電池監視部までの電流経路(L1,L2)には、所定電流を超える電流が流れた場合に電流を遮断するヒューズ機能部(F1,F2)が設けられており、
前記電流経路において前記ヒューズ機能部よりも前記電池監視部側に経路抵抗(R1,R0)を備え、
前記経路抵抗を通る経路で短絡が生じた場合に、前記経路抵抗を通さずに前記ヒューズ機能部に前記所定電流を超える電流を流す迂回経路を形成する形成回路(D1,B1,D2,B2,D0,B0,S1,S2,B3,Cp1,Rs,R1,L3,L4,D3)を備える。
【0007】
上記構成によれば、電源回路は、電池を電力の入力源とし、前記電池の状態を監視する電池監視部に電力を供給する。前記電池から前記電池監視部までの電流経路には、所定電流を超える電流が流れた場合に電流を遮断するヒューズ機能部が設けられている。このため、電源回路で短絡が生じて、ヒューズ機能部に所定電流を超える電流が流れた場合は、ヒューズ機能部により電流を遮断することができる。なお、ヒューズ機能部は、過電流により溶断する金属製ヒューズ、過電流により抵抗値が増大するリセッタブルヒューズ、及び過電流を検出してMOSFETにより電流を遮断するeヒューズ(電子ヒューズ)等を含む。
【0008】
ここで、電源回路は、前記電流経路において前記ヒューズ機能部よりも前記電池監視部側に経路抵抗を備えている。このため、電池の電圧が低い場合や、経路抵抗の抵抗値が高い場合は、短絡が生じても、ヒューズ機能部に流れる電流が所定電流を超えず、ヒューズ機能部が働かないおそれがある。この点、形成回路は、前記経路抵抗を通る経路で短絡が生じた場合に、前記経路抵抗を通さずに前記ヒューズ機能部に前記所定電流を超える電流を流す迂回経路を形成する。このため、短絡時に、経路抵抗を通ってヒューズ機能部に流れる電流が所定電流を超えない場合であっても、迂回経路を通ってヒューズ機能部に流れる電流が所定電流を超えるようにすることができる。したがって、入力源の電池の電圧が低い場合や経路抵抗の抵抗値が高い場合であっても、短絡時にヒューズ機能部を働かせることができ、電池からの放電電流を遮断することができる。
【0009】
第2の手段では、前記形成回路は、前記経路抵抗と並列に前記電流経路に接続され、第1所定電圧を超える電圧が印加されたことを条件として通電して前記ヒューズ機能部に前記所定電流を超える電流を流す第1通電素子(D1,D0)を備える。こうした構成によれば、電源回路で短絡が生じて第1通電素子に第1所定電圧を超える電圧が印加された場合に、経路抵抗と並列に前記電流経路に接続された第1通電素子が通電して迂回経路が形成され、前記ヒューズ機能部に前記所定電流を超える電流を流すことができる。したがって、簡潔な構成の形成回路により、短絡時に電池からの放電電流を遮断することができる。なお、第1所定電圧(所定電圧)を超える電圧が印加されたことを条件として通電する第1通電素子(通電素子)は、ツェナーダイオード、TVSダイオード、バリスタ等を含む。
【0010】
第3の手段では、前記電流経路において前記経路抵抗及び前記第1通電素子よりも前記電池監視部側に、前記電池監視部により開閉状態が制御されるスイッチング素子(T1)が直列に接続されており、前記形成回路は、前記電流経路の前記スイッチング素子よりも前記電池監視部側に前記電池監視部と並列に接続され、前記第1所定電圧よりも低い第2所定電圧を超える電圧が印加されたことを条件として通電する第2通電素子(D2)を備える。
【0011】
上記構成によれば、スイッチング素子は、前記電流経路において前記経路抵抗及び前記第1通電素子よりも前記電池監視部側に直列に接続され、前記電池監視部により開閉状態が制御される。このため、スイッチング素子が正常である場合は、電池監視部に流れる電流や電池監視部に印加される電圧が適切に調整される。一方、スイッチング素子が短絡した場合は、電池監視部に流れる電流を遮断することができなくなる。そして、電池の電圧が低い場合や経路抵抗の抵抗値が高い場合にヒューズ機能部が働かなければ、短絡が生じた状態で電池からの放電が継続するおそれがある。
【0012】
この点、第2通電素子は、前記電流経路の前記スイッチング素子よりも前記電池監視部側に前記電池監視部と並列に接続され、前記第1所定電圧よりも低い第2所定電圧を超える電圧が印加されたことを条件として通電する。このため、スイッチング素子が短絡して第2通電素子に第2所定電圧を超える電圧が印加された場合に、前記電池監視部と並列に接続された第2通電素子が通電する。これにより、第1通電素子に第1所定電圧を超える電圧が印加されて第1通電素子が通電し、第1通電素子及び第2通電素子を通る迂回経路が形成される。したがって、前記ヒューズ機能部に前記所定電流を超える電流を流すことができ、スイッチング素子の短絡時に電池からの放電電流を遮断することができる。なお、電流経路に並列に接続された第2通電素子が、電源回路ではなく電池監視部に設けられている場合も、同様の作用効果を奏することができる。
【0013】
電池から電池監視部までの電流経路に直列に接続されたスイッチング素子を電池監視部が備えている場合は、スイッチング素子が短絡した場合に備えて、一般的に電池監視部は第3の手段の第2通電素子と同様の保護素子を備えている。したがって、第4の手段のように、前記電池監視部は、開閉状態が制御されるスイッチング素子を備え、前記スイッチング素子は、前記電流経路に直列に接続されている、といった構成を備える場合も、第3の手段と同様の作用効果を奏することができる。
【0014】
第5の手段では、前記電流経路(L1,L0)を複数備え、複数の前記電流経路には前記経路抵抗(R1,R0)がそれぞれ設けられており、前記形成回路は、複数の前記電流経路に対してそれぞれ前記第1通電素子(D1,D0)を備える。こうした構成によれば、複数の電流経路のいずれで短絡が生じた場合であっても、第2の手段と同様に、短絡時に電池からの放電電流を遮断することができる。
【0015】
第6の手段では、前記形成回路は、前記第1通電素子に印加されるノイズを低減し且つ前記経路抵抗よりも抵抗値が低いノイズ低減素子(Rf)を備える。こうした構成によれば、第1通電素子がノイズにより誤作動したり故障したりすることを抑制しつつ、ヒューズ機能部に流れる電流がノイズ低減素子により減少することを抑制することができる。
【0016】
第7の手段では、前記形成回路は、前記電流経路の前記ヒューズ機能部と前記経路抵抗との間に前記電池と並列に接続されたスイッチ(S1,S2)と、前記経路抵抗に前記所定電流よりも小さい第1電流を超える電流が流れたことを条件として前記スイッチを閉じるスイッチ駆動部(Cp1,Rs,R1,L3,L4,D3)と、を備える。こうした構成によれば、電源回路で短絡が生じて経路抵抗に第1電流を超える電流が流れた場合に、前記電流経路の前記ヒューズ機能部と前記経路抵抗との間に前記電池と並列に接続されたスイッチが閉じて迂回経路が形成され、前記ヒューズ機能部に前記所定電流を超える電流を流すことができる。したがって、短絡時に電池からの放電電流を遮断することができる。
【0017】
第8の手段では、第7の手段を前提として、前記電流経路において前記経路抵抗よりも前記電池監視部側に、前記電池監視部により開閉状態が制御されるスイッチング素子(T1)が直列に接続されており、前記形成回路は、前記電流経路の前記スイッチング素子よりも前記電池監視部側に前記電池監視部と並列に接続され、第2所定電圧を超える電圧が印加されたことを条件として通電する第2通電素子(D2)を備える。
【0018】
上記構成では、上述したように、スイッチング素子が短絡した場合は、電池監視部に流れる電流を遮断することができなくなる。そして、電池の電圧が低い場合や経路抵抗の抵抗値が高い場合にヒューズ機能部が働かなければ、短絡が生じた状態で電池からの放電が継続するおそれがある。
【0019】
この点、第2通電素子は、前記電流経路の前記スイッチング素子よりも前記電池監視部側に前記電池監視部と並列に接続され、第2所定電圧を超える電圧が印加されたことを条件として通電する。このため、スイッチング素子が短絡して第2通電素子に第2所定電圧を超える電圧が印加された場合に、前記電池監視部と並列に接続された第2通電素子が通電する。これにより、経路抵抗に第1電流を超える電流が流れてスイッチが閉じ、ヒューズ機能部及びスイッチを通る迂回経路が形成される。したがって、前記ヒューズ機能部に前記所定電流を超える電流を流すことができ、スイッチング素子の短絡時に電池からの放電電流を遮断することができる。
【0020】
第9の手段では、前記電流経路(L1,L0)を複数備え、複数の前記電流経路には前記経路抵抗(R1,R0)がそれぞれ設けられており、前記形成回路は、複数の前記電流経路に対してそれぞれ前記スイッチ駆動部(L3,L4,D3)を備える。こうした構成によれば、複数の電流経路のいずれで短絡が生じた場合であっても、第7の手段と同様に、電池からの放電電流を遮断することができる。
【0021】
第10の手段は、
電池(11)を電力の入力源とし、前記電池の状態を監視する電池監視部(31)に電力を供給する電源回路(640,740)であって、
前記電池から前記電池監視部までの電流経路(L1,L2)には、所定電流を超える電流が流れた場合に電流を遮断するヒューズ機能部(F1,F2)が設けられており、
前記電流経路において前記ヒューズ機能部よりも前記電池監視部側に経路抵抗(R1)を備え、
前記経路抵抗を通る経路で短絡が生じた場合に、前記経路抵抗に流れる電流を遮断する遮断回路(S3,Cp1,Rs,R1,F3,F4)を備える。
【0022】
上記構成によれば、電源回路は、電池を電力の入力源とし、前記電池の状態を監視する電池監視部に電力を供給する。前記電池から前記電池監視部までの電流経路には、所定電流を超える電流が流れた場合に電流を遮断するヒューズ機能部が設けられている。このため、電源回路で短絡が生じて、ヒューズ機能部に所定電流を超える電流が流れた場合は、ヒューズ機能部により電流を遮断することができる。
【0023】
ここで、電源回路は、前記電流経路において前記ヒューズ機能部よりも前記電池監視部側に経路抵抗を備えている。このため、電池の電圧が低い場合や、経路抵抗の抵抗値が高い場合は、短絡が生じても、ヒューズ機能部に流れる電流が所定電流を超えず、ヒューズ機能部が働かないおそれがある。この点、遮断回路は、前記経路抵抗を通る経路で短絡が生じた場合に、前記経路抵抗に流れる電流を遮断する。このため、短絡時に、経路抵抗を通ってヒューズ機能部に流れる電流が所定電流を超えない場合であっても、経路抵抗に流れる電流を遮断することができる。したがって、入力源の電池の電圧が低い場合や経路抵抗の抵抗値が高い場合であっても、短絡時に電池からの放電電流を遮断することができる。
【0024】
第11の手段では、前記遮断回路は、前記電流経路において前記ヒューズ機能部及び前記経路抵抗に直列に接続されたスイッチ(S3)と、前記経路抵抗に前記所定電流よりも小さい第1電流を超える電流が流れたことを条件として前記スイッチを開くスイッチ駆動部(Cp1,Rs,R1)と、を備える。こうした構成によれば、電源回路で短絡が生じて経路抵抗に第1電流を超える電流が流れた場合に、前記電流経路において前記ヒューズ機能部及び前記経路抵抗に直列に接続されたスイッチが開く。したがって、入力源の電池の電圧が低い場合や経路抵抗の抵抗値が高い場合であっても、短絡時に電池からの放電電流を遮断することができる。
【0025】
第12の手段では、前記ヒューズ機能部は、第1ヒューズ機能部(F1,F2)であり、前記遮断回路は、前記電流経路に並列に接続された所定素子(C1,D2)に直列に接続され、前記所定素子で短絡が生じていない場合に前記所定電流よりも小さい第1電流を超える電流が流れず、前記第1電流を超える電流が流れたことを条件として電流を遮断する第2ヒューズ機能部(F3,F4)を備える。
【0026】
上記構成によれば、前記ヒューズ機能部は、第1ヒューズ機能部として働く。第2ヒューズ機能部は、前記電流経路に並列に接続された所定素子に直列に接続され、前記所定素子で短絡が生じていない場合に前記所定電流よりも小さい第1電流を超える電流が流れず、前記第1電流を超える電流が流れたことを条件として電流を遮断する。このため、前記所定素子で短絡が生じていない場合は、第2ヒューズ機能部は電流を遮断せず、所定素子に電流を流すことができる。一方、第2ヒューズ機能部は、前記第1電流を超える電流が流れた場合に電流を遮断する。このため、前記所定素子で短絡が生じた場合に、第1ヒューズ機能部に流れる電流が所定電流を超えずに第1ヒューズ機能部が働かなくても、所定電流よりも小さい第1電流を超える電流が第2ヒューズ機能部に流れれば、第2ヒューズ機能部により電流を遮断することができる。したがって、入力源の電池の電圧が低い場合や経路抵抗の抵抗値が高い場合であっても、所定素子の短絡時に電池からの放電電流を遮断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】電池監視装置のブロック図。
図2】第1実施形態の電源回路及び電池監視ICを示す回路図。
図3】第1実施形態の電源回路及び電池監視ICを示す回路図。
図4】第2実施形態の電源回路及び電池監視ICを示す回路図。
図5】第3実施形態の電源回路及び電池監視ICを示す回路図。
図6】第4実施形態の電源回路及び電池監視ICを示す回路図。
図7】第4実施形態の電源回路及び電池監視ICの変更例を示す回路図。
図8】第5実施形態の電源回路及び電池監視ICを示す回路図。
図9】第5実施形態の電源回路及び電池監視ICの変更例を示す回路図。
図10】第6実施形態の電源回路及び電池監視ICを示す回路図。
図11】第7実施形態の電源回路及び電池監視ICを示す回路図。
図12】第8実施形態の電源回路及び電池監視ICを示す回路図。
図13】第8実施形態の電源回路及び電池監視ICの変更例を示す回路図。
図14】第9実施形態の電源回路及び電池監視ICを示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1実施形態)
以下、車両等に搭載される電池監視装置に適用される電源回路に具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1に示すように、電池監視装置10は、親機20及び子機30を備えている。
【0029】
親機20は、電源回路21、通信インターフェース(I/F)22、温度検出インターフェース(I/F)23、リレー駆動部24、マイコン25、通信IC26等を備えている。親機20は、子機30と通信を行い、子機30により電池11の各セル12及び電池11の状態を監視させる。電池11は、例えば複数のセル12を直列に接続して構成されたり、複数のセル12を直列に接続した電池モジュールを直列に複数接続して構成されたりしている。
【0030】
子機30は、電池監視IC31、検出回路32、電源回路40等を備えている。電源回路40は、電池11を電力の入力源として、電池監視ICに電力を供給する。電池監視IC(電池監視部)は、電源回路40から供給される電力により動作し、検出回路32により各セル12及び電池11の状態を検出させる。検出回路32は、電池監視ICにより制御され、セル12の電圧検出、セル12の温度検出、セル12の電圧の均等化等を行う。なお、検出回路32は、セル12(電池11)に流れる電流の検出、セル12の内圧検出、セル12(電池11)からのガス漏れ検出等を行ってもよい。
【0031】
図2は、電源回路40及び電池監視IC31を示す回路図である。電池11の正極端子から電池監視IC31の電源入力端子(Power)までの配線L1(電流経路)には、順にヒューズF1、抵抗R1、トランジスタT1が直列に接続されている。電池監視ICのGND端子から電池11の負極端子までの配線L2(電流経路)には、ヒューズF2が直列に接続されている。
【0032】
ヒューズF1,F2(ヒューズ機能部)は、例えば0.5~1.0[A](所定電流If)を超える電流が流れた場合に溶断して電流を遮断する金属製ヒューズである。なお、金属製ヒューズは、融点の低い金属をワイヤ状にしたヒューズエレメントを備えるものに限らず、配線のパターン幅を他の部分よりも細らせて過電流により溶断させるパターンヒューズであってもよい。
【0033】
配線L1において抵抗R1とトランジスタT1との間には、コンデンサC1が電池11及び電池監視IC31と並列に接続されている。抵抗R1及びコンデンサC1により、トランジスタT1に印加されるノイズを低減するRCフィルタ(ローパスフィルタ)が構成されている。抵抗R1(経路抵抗)の抵抗値は、想定するノイズの周波数に応じて設定され、例えば100~数k[Ω]である。なお、抵抗R1は、複数の抵抗により構成されていてもよい。
【0034】
配線L1においてトランジスタT1と電池監視ICの電力入力端子との間には、コンデンサC3が電池11及び電池監視IC31と並列に接続されている。トランジスタT1(スイッチング素子)のベースには、抵抗R2及びコンデンサC2により構成されたRCフィルタ(ローパスフィルタ)を介して、電池監視ICの駆動端子(Drive)が接続されている。なお、トランジスタT1は、バイポーラ型に限らず、MOSFET等のユニポーラ型であってもよい。
【0035】
電池監視IC31は、駆動端子からの出力に基づいて、トランジスタT1の開閉期間あるいは開度、すなわち開閉状態を制御する。電池監視IC31は、トランジスタT1の開閉状態を制御することにより、コンデンサC3に蓄電される電荷、ひいては電池監視ICの電源入力端子に入力される電圧を目標電圧に制御する。
【0036】
ここで、抵抗R1に並列に配線L1にツェナーダイオードD1が接続されておらず且つコンデンサC1が短絡した場合を想定する。この場合、抵抗R1の抵抗値によっては、順にヒューズF1、抵抗R1、コンデンサC1、ヒューズF2に流れる電流が、数十~数百[mA]に減少することがある。この場合、ヒューズF1,F2に流れる電流が所定電流Ifを超えず、ヒューズF1,F2が溶断しないおそれがある。その結果、短絡が生じた状態で電池11からの放電が継続し、電池11が過放電になったり、電池11が過熱したりするおそれがある。
【0037】
そこで、本実施形態では、抵抗R1に並列に配線L1にツェナーダイオードD1(第1通電素子)を接続している。配線B1により、ツェナーダイオードD1のアノードが抵抗R1に対してトランジスタT1側に接続され、ツェナーダイオードD1のカソードが抵抗R1に対してヒューズF1側に接続されている。ツェナーダイオードD1は、電池11の電圧の使用範囲(変動範囲)における最低電圧よりも低い第1所定電圧V1を超える電圧が印加された場合に降伏して、ツェナー電圧(一定電圧)を形成する。コンデンサC1が短絡していない場合は、ツェナーダイオードD1に印加される電圧は第1所定電圧V1よりも低くなる。降伏した状態のツェナーダイオードD1の抵抗値は、例えば数[Ω]である。なお、ツェナーダイオードD1、及びツェナーダイオードD1を配線L1に接続する配線B1により、形成回路が構成されている。
【0038】
そして、コンデンサC1が短絡した場合、ツェナーダイオードD1に印加される電圧が第1所定電圧V1を超えて、ツェナーダイオードD1が降伏(通電)する。これにより、電流は、抵抗R1を迂回して、順にヒューズF1、ツェナーダイオードD1、コンデンサC1、ヒューズF2へと流れる。このとき、降伏した状態のツェナーダイオードD1の抵抗値は抵抗R1の抵抗値よりも十分低いため、電池11の電圧が使用範囲における最低電圧であったとしても、ヒューズF1,F2に所定電流Ifを超える電流が流れる。すなわち、ツェナーダイオードD1は、第1所定電圧V1を超える電圧が印加されたことを条件として通電してヒューズF1,F2に所定電流Ifを超える電流を流す。その結果、ヒューズF1,F2の少なくとも一方が溶断して電流が遮断される。
【0039】
また、図3において、配線L1においてトランジスタT1よりも電池監視IC31側に電池監視ICと並列にツェナーダイオードD2が接続されておらず且つトランジスタT1が短絡した場合を想定する。この場合、電池監視IC31の電源入力端子に流れる電流を遮断することができなくなる。そして、電池11の電圧が低い場合や抵抗R1の抵抗値が高い場合にヒューズF1,F2がいずれも働かなければ、短絡が生じた状態で電池11からの放電が継続するおそれがある。
【0040】
そこで、本実施形態では、配線L1においてトランジスタT1よりも電池監視IC31側に、電池監視ICと並列にツェナーダイオードD2を接続している。配線B2により、ツェナーダイオードD2のアノードが配線L2に接続され、ツェナーダイオードD1のカソードが配線L1に接続されている。ツェナーダイオードD2は、上記第1所定電圧V1よりも低い第2所定電圧V2を超える電圧が印加された場合に降伏して、ツェナー電圧(一定電圧)を形成する。トランジスタT1が短絡しておらず、トランジスタT1の開閉状態が制御されている場合は、ツェナーダイオードD2に印加される電圧は第2所定電圧V2よりも低くなる。降伏した状態のツェナーダイオードD2の抵抗値は、例えば数[Ω]である。なお、ツェナーダイオードD1、ツェナーダイオードD1を配線L1に接続する配線B1、ツェナーダイオードD2、及びツェナーダイオードD2を配線L1,L2に接続する配線B2により、形成回路が構成されている。
【0041】
そして、トランジスタT1が短絡した場合、ツェナーダイオードD2に印加される電圧が第2所定電圧V2を超えて、ツェナーダイオードD2が降伏(通電)する。続いて、ツェナーダイオードD1に印加される電圧が第1所定電圧V1を超えて、ツェナーダイオードD1が降伏(通電)する。これにより、電流は、抵抗R1を迂回して、順にヒューズF1、ツェナーダイオードD1、トランジスタT1、ツェナーダイオードD2、ヒューズF2へと流れる。このとき、降伏した状態のツェナーダイオードD1,D2の抵抗値は抵抗R1の抵抗値よりも十分低いため、電池11の電圧が使用範囲における最低電圧であったとしても、ヒューズF1,F2に所定電流Ifを超える電流が流れる。その結果、ヒューズF1,F2の少なくとも一方が溶断して電流が遮断される。
【0042】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
【0043】
・ツェナーダイオードD1及びその配線B1は、抵抗R1を通る経路で短絡が生じた場合に、抵抗R1を通さずにヒューズF1,F2に所定電流Ifを超える電流を流す迂回経路を形成する。このため、短絡時に、抵抗R1を通ってヒューズF1,F2に流れる電流が所定電流Ifを超えない場合であっても、迂回経路を通ってヒューズF1,F2に流れる電流が所定電流Ifを超えるようにすることができる。したがって、入力源の電池11の電圧が低い場合や抵抗R1の抵抗値が高い場合であっても、短絡時にヒューズF1,F2を働かせることができ、電池11からの放電電流を遮断することができる。
【0044】
・電源回路40で短絡が生じてツェナーダイオードD1に第1所定電圧V1を超える電圧が印加された場合に、抵抗R1と並列に配線L1に接続されたツェナーダイオードD1が通電して迂回経路が形成され、ヒューズF1,F2に所定電流Ifを超える電流を流すことができる。したがって、簡潔な構成の形成回路により、短絡時に電池11からの放電電流を遮断することができる。
【0045】
・ツェナーダイオードD2は、配線L1のトランジスタT1よりも電池監視IC31側に電池監視IC31と並列に接続され、第1所定電圧V1よりも低い第2所定電圧V2を超える電圧が印加されたことを条件として通電する。このため、トランジスタT1が短絡してツェナーダイオードD2に第2所定電圧V2を超える電圧が印加された場合に、電池監視IC31と並列に接続されたツェナーダイオードD2が通電する。これにより、ツェナーダイオードD1に第1所定電圧V1を超える電圧が印加されてツェナーダイオードD1が通電し、ツェナーダイオードD1及びツェナーダイオードD2を通る迂回経路が形成される。したがって、ヒューズF1,F2に所定電流Ifを超える電流を流すことができ、トランジスタT1の短絡時に電池11からの放電電流を遮断することができる。
【0046】
なお、コンデンサC1が短絡した場合に限らず、配線L1における抵抗R1とトランジスタT1との間部分と配線L2とが直接短絡した場合も、同様の作用効果を奏することができる。
【0047】
また、配線L1に並列に接続されたツェナーダイオードD2が、電源回路40ではなく電池監視IC31に内蔵され(設けられ)ている場合も、同様の作用効果を奏することができる。
【0048】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0049】
図4に示すように、電池監視IC131は、開閉状態が制御されるトランジスタT1、抵抗R2、及びコンデンサC2,C3を内蔵して(備えて)いる。トランジスタT1は、配線L1に直列に接続されている。電源回路140は、ツェナーダイオードD1を備え、トランジスタT1、抵抗R2、及びコンデンサC2,C3を備えていない。
【0050】
ここで、電池11から電池監視IC131までの配線L1に直列に接続されたトランジスタT1を電池監視IC31が内蔵している場合は、トランジスタT1が短絡した場合に備えて、一般的に電池監視IC131は上記ツェナーダイオードD2と同様の保護素子(図示略)を備えている。したがって、本実施形態によっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0051】
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0052】
図5に示すように、電源回路240は、電池11の正極端子から電池監視IC31の主電源入力端子(Power(main))までの配線L1(電流経路)と、電池11の正極端子から電池監視IC31の副電源入力端子(Power(sub))までの配線L0(電流経路)とを備えている。
【0053】
配線L2には抵抗R0(経路抵抗)が設けられている。配線L0において抵抗R0と電池監視ICの副電源入力端子との間には、コンデンサC0が電池11及び電池監視IC31と並列に接続されている。抵抗R0に並列に配線L0にツェナーダイオードD1と同様のツェナーダイオードD0(第1通電素子)が接続されている。配線B0により、ツェナーダイオードD0のアノードが抵抗R1に対して電池監視IC31側に接続され、ツェナーダイオードD0のカソードが抵抗R1に対してヒューズF1側に接続されている。すなわち、本実施形態では、形成回路として、配線L1,L0(複数の配線)に対してそれぞれツェナーダイオードD1,D0、配線B1,B0を備えている。
【0054】
上記構成によれば、配線L1,L0のいずれで短絡が生じた場合であっても、第1実施形態と同様に、短絡時に電池11からの放電電流を遮断することができる。例えば、コンデンサC0(配線L0)が短絡した場合、ツェナーダイオードD0に印加される電圧が第1所定電圧V1を超えて、ツェナーダイオードD0が降伏(通電)する。これにより、電流は、抵抗R0を迂回して、順にヒューズF1、ツェナーダイオードD0、コンデンサC0、ヒューズF2へと流れる。その結果、ヒューズF1,F2の少なくとも一方が溶断して電流が遮断される。
【0055】
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0056】
図6に示すように、電源回路40は、ツェナーダイオードD1に印加されるノイズを低減し且つ抵抗R1よりも抵抗値が低い抵抗Rfと、コンデンサCfとを備えている。配線L1において抵抗Rfと抵抗R1との間に、コンデンサCfが電池11及び電池監視IC31と並列に接続されている。抵抗Rf及びコンデンサCfにより、ツェナーダイオードD1に印加されるノイズを低減するRCフィルタ(ローパスフィルタ)が構成されている。抵抗Rfの抵抗値は、抵抗R1の抵抗値よりも低く、例えば数[Ω]であり、コンデンサC1の短絡時にヒューズF1,F2が溶断する抵抗値に設定されている。なお、抵抗Rfは、複数の抵抗により構成されていてもよい。
【0057】
上記構成によれば、ツェナーダイオードD1がノイズにより誤作動したり故障したりすることを抑制しつつ、ヒューズF1,F2に流れる電流が抵抗Rfにより減少することを抑制することができる。このため、入力源の電池11の電圧が低い場合や抵抗R1の抵抗値が高い場合であっても、短絡時にヒューズF1,F2を働かせることができ、電池11からの放電電流を遮断することができる。
【0058】
なお、図7に示すように、図6の抵抗Rf及びコンデンサCfに代えて、電源回路40は、配線B1においてツェナーダイオードD1に直列に接続された抵抗Rfを備えていてもよい。抵抗Rfは、ツェナーダイオードD1に印加されるノイズを低減し且つ抵抗R1よりも抵抗値が低い。抵抗Rfの抵抗値は、抵抗R1の抵抗値よりも低く、例えば数[Ω]であり、コンデンサC1の短絡時にヒューズF1,F2が溶断する抵抗値に設定されている。なお、抵抗Rfは、複数の抵抗により構成されていてもよい。
【0059】
こうした構成によっても、ツェナーダイオードD1がノイズにより誤作動したり故障したりすることを抑制しつつ、ヒューズF1,F2に流れる電流が抵抗Rfにより減少することを抑制することができる。このため、入力源の電池11の電圧が低い場合や抵抗R1の抵抗値が高い場合であっても、短絡時にヒューズF1,F2を働かせることができ、電池11からの放電電流を遮断することができる。
【0060】
(第5実施形態)
以下、第5実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0061】
図8に示すように、電源回路40は、配線L1のヒューズF1と抵抗R1との間に配線B3により電池11と並列に接続されたスイッチS1と、スイッチS1を駆動するコンパレータCp1とを備えている。スイッチS1は、例えばNチャネルMOSFETである。配線L2においてコンデンサC1との接続点よりも電池11側には、シャント抵抗Rsが直列に接続されている。スイッチS1のゲートがコンパレータCp1の出力に接続され、ドレインがヒューズF1と抵抗R1との接続点に接続され、ソースがヒューズF2とシャント抵抗Rsとの接続点に接続されている。コンパレータCp1は、シャント抵抗Rsの両端の電圧が閾値を超えたことを条件としてスイッチS1をオンにする(閉じる)。閾値は、コンデンサC1が短絡して、ヒューズF1が溶断する所定電流Ifがシャント抵抗Rsに流れた場合にシャント抵抗Rsに印加される電圧よりも低い電圧に設定されている。すなわち、コンパレータCp1は、抵抗R1に所定電流Ifよりも小さい第1電流I1を超える電流が流れたことを条件としてスイッチS1を閉じる。第1電流I1は、電池11の電圧が使用範囲(変動範囲)における最低電圧である場合や抵抗R1の抵抗値が高い場合に、コンデンサC1の短絡時に抵抗R1に流れる電流よりも小さい電流である。コンデンサC1が短絡していない場合は、抵抗R1に流れる電流は第1電流I1よりも小さくなる。なお、コンパレータCp1及びシャント抵抗Rsによりスイッチ駆動部が構成されている。スイッチS1、配線B3、コンパレータCp1、シャント抵抗Rsにより形成回路が構成されている。また、コンパレータCp1に代えてオペアンプを採用することもできる。
【0062】
上記構成によれば、コンデンサC1が短絡して抵抗R1に第1電流I1を超える電流が流れた場合に、配線L1のヒューズF1と抵抗R1との間に電池11と並列に接続されたスイッチS1が閉じて迂回経路が形成され、ヒューズF1,F2に所定電流Ifを超える電流を流すことができる。したがって、短絡時に電池11からの放電電流を遮断することができる。
【0063】
また、ツェナーダイオードD2(第2通電素子)は、配線L1のトランジスタT1よりも電池監視IC31側に電池監視IC31と並列に接続され、第2所定電圧V2を超える電圧が印加されたことを条件として通電する。このため、トランジスタT1が短絡してツェナーダイオードD2に第2所定電圧V2を超える電圧が印加された場合に、電池監視IC31と並列に接続されたツェナーダイオードD2が通電する。これにより、抵抗R1に第1電流I1を超える電流が流れてスイッチS1が閉じ、順にヒューズF1、スイッチS1、及びヒューズF2を通る迂回経路が形成される。したがって、ヒューズF1,F2に所定電流Ifを超える電流を流すことができ、トランジスタT1の短絡時に電池11からの放電電流を遮断することができる。
【0064】
なお、図9に示すように、コンパレータCp1は、抵抗R1の両端の電圧が閾値を超えたことを条件としてスイッチS1をオンにして(閉じて)もよい。閾値は、コンデンサC1が短絡して、ヒューズF1が溶断する所定電流Ifが抵抗R1に流れた時に、抵抗R1に印加される電圧よりも低い電圧に設定されている。すなわち、コンパレータCp1は、抵抗R1に所定電流Ifよりも小さい第1電流I1を超える電流が流れたことを条件としてスイッチS1を閉じる。コンデンサC1が短絡していない場合は、抵抗R1に流れる電流は第1電流I1よりも小さくなる。なお、コンパレータCp1及び抵抗R1によりスイッチ駆動部が構成されている。スイッチS1、配線B3、コンパレータCp1、抵抗R1により形成回路が構成されている。また、コンパレータCp1に代えてオペアンプを採用することもできる。
【0065】
(第6実施形態)
以下、第6実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0066】
図10に示すように、電源回路40は、配線L1のヒューズF1と抵抗R1との間に電池11と並列に接続されたスイッチS2を備えている。スイッチS2は、例えばPチャネルMOSFETである。スイッチS2のゲートが配線L3により抵抗R1とトランジスタT1及びコンデンサC1との接続点に接続され、ソースがヒューズF1と抵抗R1との接続点に接続され、ドレインがヒューズF2とコンデンサC1及び電池監視ICのGND端子との接続点に接続されている。スイッチS2は、配線L1と配線L3との接続点の電圧が閾値を下回ったことを条件としてオンにされる(閉じられる)。閾値は、コンデンサC1が短絡して、ヒューズF1が溶断する所定電流Ifが抵抗R1に流れた時に、配線L1と配線L3との接続点に印加される電圧よりも高い電圧に設定されている。すなわち、スイッチS2は、抵抗R1に所定電流Ifよりも小さい第1電流I1を超える電流が流れたことを条件として閉じられる。第1電流I1は、電池11の電圧が使用範囲(変動範囲)における最低電圧である場合や抵抗R1の抵抗値が高い場合に、コンデンサC1の短絡時に抵抗R1に流れる電流よりも小さい電流である。コンデンサC1が短絡していない場合は、抵抗R1に流れる電流は第1電流I1よりも小さくなる。なお、配線L3によりスイッチ駆動部が構成されている。スイッチS2、配線B3、及び配線L3により形成回路が構成されている。
【0067】
上記構成によれば、コンデンサC1が短絡して抵抗R1に第1電流I1を超える電流が流れた場合に、配線L1のヒューズF1と抵抗R1との間に電池11と並列に接続されたスイッチS2が閉じて迂回経路が形成され、ヒューズF1,F2に所定電流Ifを超える電流を流すことができる。したがって、短絡時に電池11からの放電電流を遮断することができる。
【0068】
また、トランジスタT1が短絡した場合は、ツェナーダイオードD2(第2通電素子)が通電する。これにより、抵抗R1に第1電流I1を超える電流が流れてスイッチS2が閉じ、順にヒューズF1、スイッチS2、及びヒューズF2を通る迂回経路が形成される。したがって、ヒューズF1,F2に所定電流Ifを超える電流を流すことができ、トランジスタT1の短絡時に電池11からの放電電流を遮断することができる。
【0069】
(第7実施形態)
以下、第7実施形態について、第6実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。なお、第6実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0070】
図11に示すように、電源回路540は、電池11の正極端子から電池監視IC31の主電源入力端子(Power(main))までの配線L1(電流経路)と、電池11の正極端子から電池監視IC31の副電源入力端子(Power(sub))までの配線L0(電流経路)とを備えている。
【0071】
配線L0には抵抗R0(経路抵抗)が設けられている。配線L0において抵抗R0と電池監視ICの副電源入力端子との間には、コンデンサC0が電池11及び電池監視IC31と並列に接続されている。スイッチS2のゲートが配線L3によりダイオードD3を介して、抵抗R1とトランジスタT1及びコンデンサC1との接続点に接続されている。ダイオードD3のアノードがスイッチS2のゲートに接続され、カソードが抵抗R1とトランジスタT1及びコンデンサC1との接続点に接続されている。スイッチS2のゲートが配線L4によりダイオードD3を介して、抵抗R0とコンデンサC0及び電池監視ICの副電源入力端子(Power(sub))との接続点に接続されている。ダイオードD3のアノードがスイッチS2のゲートに接続され、カソードが抵抗R0とコンデンサC0及び電池監視ICの副電源入力端子(Power(sub))との接続点に接続されている。すなわち、本実施形態では、形成回路として、配線L1,L0(複数の配線)に対してそれぞれ配線L3,L4及びダイオードD3(スイッチ駆動部)を備えている。
【0072】
上記構成によれば、配線L1,L0のいずれで短絡が生じた場合であっても、第6実施形態と同様に、短絡時に電池11からの放電電流を遮断することができる。例えば、コンデンサC0が短絡した場合、スイッチS2が閉じる。これにより、電流は、抵抗R1,R0を迂回して、順にヒューズF1、スイッチS2、ヒューズF2へと流れる。その結果、ヒューズF1,F2の少なくとも一方が溶断して電流が遮断される。
【0073】
(第8実施形態)
以下、第8実施形態について、第5実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。なお、第5実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0074】
図12に示すように、電源回路640は、配線L1において抵抗R1(経路抵抗)とコンデンサC1及びトランジスタT1との接続点よりも電池11側に、ヒューズF1及び抵抗R1に直列に接続されたスイッチS3と、スイッチS3を駆動するコンパレータCp1とを備えている。スイッチS3は、常閉式のスイッチであり、コンパレータCp1からの出力がオフである場合に閉じ、オンである場合に開く。コンパレータCp1は、シャント抵抗Rsの両端の電圧が閾値を超えたことを条件としてスイッチS3を開く。閾値は、コンデンサC1が短絡して、ヒューズF1が溶断する所定電流Ifがシャント抵抗Rsに流れた場合にシャント抵抗Rsに印加される電圧よりも低い電圧に設定されている。コンパレータCp1は、抵抗R1に所定電流Ifよりも小さい第1電流I1を超える電流が流れたことを条件としてスイッチS3を開く。第1電流I1は、電池11の電圧が使用範囲(変動範囲)における最低電圧である場合や抵抗R1の抵抗値が高い場合に、コンデンサC1の短絡時に抵抗R1に流れる電流よりも小さい電流である。コンデンサC1が短絡していない場合は、抵抗R1に流れる電流は第1電流I1よりも小さくなる。すなわち、コンパレータCp1は、抵抗R1を通る経路で短絡が生じた場合に、スイッチS3を開いて抵抗R1に流れる電流を遮断する。なお、コンパレータCp1及びシャント抵抗Rsによりスイッチ駆動部が構成され、スイッチS3、コンパレータCp1、及びシャント抵抗Rsにより遮断回路が構成されている。また、コンパレータCp1に代えてオペアンプを採用することもできる。
【0075】
上記構成によれば、コンデンサC1の短絡時に、抵抗R1を通ってヒューズF1,F2に流れる電流が所定電流Ifを超えない場合であっても、抵抗R1に流れる電流を遮断することができる。具体的には、コンデンサC1が短絡して抵抗R1に第1電流I1を超える電流が流れた場合に、配線L1においてヒューズF1及び抵抗R1に直列に接続されたスイッチS3が開く。したがって、入力源の電池11の電圧が低い場合や抵抗R1の抵抗値が高い場合であっても、短絡時に電池11からの放電電流を遮断することができる。
【0076】
なお、図13に示すように、コンパレータCp1は、抵抗R1の両端の電圧が閾値を超えたことを条件としてスイッチS1を開いてもよい。閾値は、コンデンサC1が短絡して、ヒューズF1が溶断する所定電流Ifが抵抗R1に流れた場合に抵抗R1に印加される電圧よりも低い電圧に設定されている。すなわち、コンパレータCp1は、抵抗R1を通る経路で短絡が生じた場合に、スイッチS3を開いて抵抗R1に流れる電流を遮断する。なお、コンパレータCp1及び抵抗R1によりスイッチ駆動部が構成され、スイッチS3、コンパレータCp1、及び抵抗R1により遮断回路が構成されている。また、コンパレータCp1に代えてオペアンプを採用することもできる。
【0077】
(第9実施形態)
以下、第9実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0078】
図14に示すように、電源回路40は、配線L1及び配線L2にコンデンサC1(所定素子)を接続する配線L5にヒューズF3を備えている。すなわち、ヒューズF3(第2ヒューズ機能部、遮断回路)は、配線L1に並列に接続されたコンデンサC1に直列に接続されている。ヒューズF3は、短絡が想定されるコンデンサC1に直列に接続されている。ヒューズF3は、ヒューズF1,F2(第1ヒューズ機能部)が溶断する所定電流Ifよりも小さい第1電流I1を超える電流が流れたことを条件として、溶断して電流を遮断する。詳しくは、第1電流I1は、電池11の電圧が使用範囲(変動範囲)における最低電圧である場合や抵抗R1の抵抗値が高い場合に、コンデンサC1の短絡時に抵抗R1に流れる電流よりも小さい電流である。ヒューズF3には、コンデンサC1で短絡が生じていない場合(コンデンサC1の正常時)に、所定電流Ifよりも小さい第1電流I1を超える電流は流れない。
【0079】
上記構成によれば、コンデンサC1で短絡が生じていない場合は、ヒューズF3は電流を遮断せず、コンデンサC1に電流を流すことができる。一方、ヒューズF3は、第1電流I1を超える電流が流れた場合に電流を遮断する。このため、コンデンサC1で短絡が生じた場合に、ヒューズF1,F2に流れる電流が所定電流Ifを超えずにヒューズF1,F2が働かなくても、所定電流Ifよりも小さい第1電流I1を超える電流がヒューズF3に流れて、ヒューズF3により電流を遮断することができる。したがって、入力源の電池11の電圧が低い場合や抵抗R1の抵抗値が高い場合であっても、コンデンサC1の短絡時に電池11からの放電電流を遮断することができる。
【0080】
また、電源回路40は、配線L1及び配線L2にツェナーダイオードD2(所定素子)を接続する配線L6に、ヒューズF3と同様のヒューズF4を備えている。すなわち、ヒューズF4(第2ヒューズ機能部、遮断回路)は、配線L1に並列に接続されたツェナーダイオードD2に直列に接続されている。ヒューズF3は、短絡が想定されるツェナーダイオードD2に直列に接続されている。ヒューズF4は、ヒューズF1,F2(第1ヒューズ機能部)が溶断する所定電流Ifよりも小さい第1電流I1を超える電流が流れたことを条件として、溶断して電流を遮断する。ヒューズF4には、ツェナーダイオードD2で短絡が生じていない場合(ツェナーダイオードD2の正常時)に、所定電流Ifよりも小さい第1電流I1を超える電流は流れない。こうした構成によれば、ツェナーダイオードD2で短絡が生じた場合に、ヒューズF1,F2に流れる電流が所定電流Ifを超えずにヒューズF1,F2が働かなくても、所定電流Ifよりも小さい第1電流I1を超える電流がヒューズF4に流れて、ヒューズF4により電流を遮断することができる。
【0081】
なお、図14において、図12のスイッチS3、コンパレータCp1、及びシャント抵抗Rs、又は図13のスイッチS3、及びコンパレータCp1を備えていてもよい。
【0082】
また、第1~第9実施形態及びその変更例を、以下のように変更して実施することもできる。
【0083】
・第1所定電圧V1,第2所定電圧V2(所定電圧)を超える電圧が印加されたことを条件として通電するツェナーダイオードD1,D2(通電素子)は、ツェナーダイオードに限らず、TVSダイオード、バリスタ等であってもよい。
【0084】
・ヒューズF1,F2は、電源回路内に限らず、電源回路外のFPC(基板)や電池11等に設けられていてもよい。
【0085】
・ヒューズF1,F2(第1ヒューズ機能部)、及びヒューズF3,F4(第2ヒューズ機能部)として、過電流により抵抗値が増大するリセッタブルヒューズ、過電流を検出してMOSFETにより電流を遮断するeヒューズ(電子ヒューズ)等を採用することもできる。これらの場合も、ヒューズF1~F4は、所定電流Ifを超える電流が流れた場合に電流を遮断(実質的に遮断)することができる。
【0086】
・電池監視装置10は、親機20と子機30とが別体の構成に限らず、親機20及び子機30の機能を備える一体の構成であってもよい。
【0087】
・電池監視装置10は、ドローンや電動飛行機等の電動飛行体に搭載されてもよく、据え置き型の蓄電池に取り付けられていてもよい。
【0088】
なお、上記各実施形態及びその変更例を、組み合わせ可能な範囲で組み合わせて実施することもできる。
【0089】
以下、上述した各実施形態及び変更例から抽出される特徴的な構成を記載する。
[構成1]
電池(11)を電力の入力源とし、前記電池の状態を監視する電池監視部(31)に電力を供給する電源回路(40,140,240,340,440,540)であって、
前記電池から前記電池監視部までの電流経路(L1,L2)には、所定電流を超える電流が流れた場合に電流を遮断するヒューズ機能部(F1,F2)が設けられており、
前記電流経路において前記ヒューズ機能部よりも前記電池監視部側に経路抵抗(R1,R0)を備え、
前記経路抵抗を通る経路で短絡が生じた場合に、前記経路抵抗を通さずに前記ヒューズ機能部に前記所定電流を超える電流を流す迂回経路を形成する形成回路(D1,B1,D2,B2,D0,B0,S1,S2,B3,Cp1,Rs,R1,L3,L4,D3)を備える、電源回路。
[構成2]
前記形成回路は、
前記経路抵抗と並列に前記電流経路に接続され、第1所定電圧を超える電圧が印加されたことを条件として通電して前記ヒューズ機能部に前記所定電流を超える電流を流す第1通電素子(D1,D0)を備える、構成1に記載の電源回路。
[構成3]
前記電流経路において前記経路抵抗及び前記第1通電素子よりも前記電池監視部側に、前記電池監視部により開閉状態が制御されるスイッチング素子(T1)が直列に接続されており、
前記形成回路は、
前記電流経路の前記スイッチング素子よりも前記電池監視部側に前記電池監視部と並列に接続され、前記第1所定電圧よりも低い第2所定電圧を超える電圧が印加されたことを条件として通電する第2通電素子(D2)を備える、構成2に記載の電源回路。
[構成4]
前記電池監視部は、開閉状態が制御されるスイッチング素子(T1)を備え、
前記スイッチング素子は、前記電流経路(L1)に直列に接続されている、構成2に記載の電源回路。
[構成5]
前記電流経路(L1,L0)を複数備え、
複数の前記電流経路には前記経路抵抗(R1,R0)がそれぞれ設けられており、
前記形成回路は、複数の前記電流経路に対してそれぞれ前記第1通電素子(D1,D0)を備える、構成2~4のいずれか1つに記載の電源回路。
[構成6]
前記形成回路は、前記第1通電素子に印加されるノイズを低減し且つ前記経路抵抗よりも抵抗値が低いノイズ低減素子(Rf)を備える、構成2~5のいずれか1つに記載の電源回路。
【符号の説明】
【0090】
11…電池、21…電源回路、31…電池監視IC、40…電源回路、131…電池監視IC、140…電源回路、240…電源回路、540…電源回路、B1…配線、B2…配線、B3…配線、Cp1…コンパレータ、D0…ツェナーダイオード、D1…ツェナーダイオード、D2…ツェナーダイオード、D3…ダイオード、F1…ヒューズ、F2…ヒューズ、L1…配線、L2…配線、L3…配線、L4…配線、R0…抵抗、R1…抵抗、Rs…シャント抵抗、S1…スイッチ、S2…スイッチ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14