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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081920
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】突出部材及び建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/10 20060101AFI20240612BHJP
   E06B 7/06 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
E06B7/10
E06B7/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195508
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】姫野 賢
(72)【発明者】
【氏名】相馬 剛
【テーマコード(参考)】
2E036
【Fターム(参考)】
2E036JA06
2E036JB01
2E036JC03
2E036KA01
2E036KB01
2E036LA01
(57)【要約】
【課題】屋内により空気を取り込むことが可能な突出部材及び建具を提供する。
【解決手段】屋内外を連通する開口の周縁部に、前記開口よりも屋外側に突出させて設けられ、前記開口の連通方向と交差する方向において前記開口の外側と内側とを仕切る仕切り壁部を有し、前記仕切り壁部に、貫通孔が設けられていることを特徴とする突出部材。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内外を連通する開口の周縁部に、前記開口よりも屋外側に突出させて設けられ、
前記開口の連通方向と交差する方向において前記開口の外側と内側とを仕切る仕切り壁部を有し、
前記仕切り壁部に、貫通孔が設けられていることを特徴とする突出部材。
【請求項2】
請求項1に記載の突出部材であって、
前記仕切り壁部は、屋外側が屋内側よりも前記内側に位置する傾斜壁部を備え、
前記貫通孔は、前記傾斜壁部に設けられていることを特徴とする突出部材。
【請求項3】
請求項2に記載の突出部材であって、
前記傾斜壁部と繋がり屋外側に延出された屋外壁部を有していることを特徴とする突出部材。
【請求項4】
請求項3に記載の突出部材であって、
前記屋外壁部の屋外側に前記外側に向かって延出された見付け壁部を有することを特徴とする突出部材。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の突出部材であって、
前記貫通孔は、スリット状をなしていることを特徴とする突出部材。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の突出部材であって、
前記開口の前記外側に設けられる外壁材の端面と対向する見切り部を備えていることを特徴とする突出部材。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の突出部材と、
前記開口を形成する枠体と、
前記枠体に支持されて前記開口を閉止可能な障子と、
を有することを特徴とする建具。
【請求項8】
請求項7に記載の建具であって、
前記障子は、前記枠体に案内されてスライドする、または、前記枠体に回動自在に支持されて屋内側に移動して開くことを特徴とする建具。
【請求項9】
屋内外を連通する開口を形成する枠体と、
前記枠体に支持されて前記開口を閉止可能な障子と、
を有し、
前記枠体は、前記開口よりも屋外側に突出させて設けられ、
前記開口の連通方向と交差する方向において前記開口の外側と内側とを仕切る仕切り壁部を有し、
前記仕切り壁部に、貫通孔が設けられていることを特徴とする建具。
【請求項10】
請求項9に記載の建具であって、
前記仕切り壁部は、屋外側が屋内側よりも前記内側に位置する傾斜壁部を備え、
前記貫通孔は、前記傾斜壁部に設けられていることを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内外を連通する開口の周縁部に、屋外側に突出させて設ける突出部材及び屋外側に突出する突出部を備える建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物に取り付けられて、屋内外を連通する開口を形成する窓枠と、窓枠で囲まれた内周側に開閉可能に設けられた障子とを備える建具は知られている(例えば、特許文献1参照)。この建具は、障子により開口が閉止可能であり、障子を開くことにより、屋内外が連通される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-15103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような建具は、障子を開くことにより開口の屋内外が連通されるが、開口の連通方向と交差する方向に流れる風、すなわち開口が設けられている壁面に沿って流れる空気等は、屋内側に取り込み難いという課題があった。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、屋内により空気を取り込むことが可能な突出部材及び建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するための主たる発明は、屋内外を連通する開口の周縁部に、前記開口よりも屋外側に突出させて設けられ、前記開口の連通方向と交差する方向において前記開口の外側と内側とを仕切る仕切り壁部を有し、前記仕切り壁部に、貫通孔が設けられていることを特徴とする突出部材である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、屋内に効率よく空気を取り込むことが可能な突出部材及び建具を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る建具の縦断面図である。
図2】本実施形態に係る建具の横断面図である。
図3図2におけるA部の拡大図である。
図4】本実施形態に係る突出部材の斜視図である。
図5】躯体に固定された突出部材を示す図である。
図6】仕切り壁部を備えた縦枠を示す図である。
図7】突出部材の第1変形例を示す図である。
図8】突出部材の第2変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る突出部材及び突出部材を備えた建具について図面を参照して説明する。
【0010】
本実施形態においては、突出部材1が設けられる建具2の一例として、図1図2に示すように、躯体3に取り付けられて、屋内側を連通する開口20aを形成する枠体20と、枠体20に回動自在に支持されて開口20aを閉止可能な障子25と、を備えた内開き窓用の建具2を例に挙げて説明する。
【0011】
以下の説明においては、建物等に取り付けられた状態の建具2を、屋内側から見たときに、上下となる方向を上下方向、左右となる方向を左右方向、屋内外方向である奥行き方向を見込み方向として示す。また、建具2の各部位であっても、また、建具2を構成する各部材については単体の状態であっても、上下方向、左右方向、見込み方向となる方向にて方向を特定して説明する。また、建具2が取り付けられて形成される開口20aにおいて、枠体20が取り付けられる躯体3側を外周側(開口の連通方向と交差する方向において開口の外側)とし、開口20aの内側を内周側(開口の連通方向と交差する方向において開口の内側)として説明する。
【0012】
枠体20は、上枠21、下枠22及び左右の縦枠23が矩形状に枠組みされて躯体3に取り付けられて、屋内外に連通する開口20aを形成している。
障子25は、枠体20の左側にて上下方向に沿う軸に回動自在に支持されている。そして、図2に示すように、戸先側となる障子25の右端側が屋内側に移動するように回動することにより開口20aが開放されるように構成されている。
【0013】
枠体20の屋外側には、上張り出し部材26、下張り出し部材27及び突出部材1が設けられている。上張り出し部材26、下張り出し部材27及び突出部材1は、いずれも長手方向を押し出し方向とする押し出し形材である。
【0014】
上張り出し部材26は、枠体20よりも屋外側に張り出して、上枠21の屋外側の見付け面に固定されている。また、下張り出し部材27は、枠体20よりも屋外側に張り出して設けられ、下枠22の外周面をなす下面に当接した状態で躯体3に固定され、水切りをなしている。
【0015】
突出部材1は、左右の縦枠23に各々、屋外側に突出させて設けられており、各縦枠23の屋外側の見付け面に固定されている。左右の突出部材1は、同一の部材であり、左右が反転した状態で取り付けられている。
【0016】
上張り出し部材26、下張り出し部材27及び突出部材1は、取り付けられた状態で、開口20aの屋外側に、枠体20と共に屋内外を連通する開口20aを形成し矩形状をなしている。すなわち、上張り出し部材26、下張り出し部材27及び突出部材1は、開口20aの周縁部に、開口20aよりも屋外側に突出させて設けられている。
【0017】
上張り出し部材26、下張り出し部材27及び突出部材1の外周側には、外壁材4の端面4aが、対向して近接するように配置されており、上張り出し部材26、下張り出し部材27及び突出部材1と外壁材4の端面4aとの間には、シーリング材5が充填されている。
【0018】
以下の説明では、右側の突出部材1を例に挙げて説明するが、左側の突出部材1も同じである。
突出部材1は、図3に示すように、縦枠23の屋外側の見付け面23aに固定される平板状の固定部10と、固定部10の内周側の端から屋外側に突出する仕切り壁部11と、を有している。
【0019】
仕切り壁部11は、固定部10と略直角をなして外壁材4の端面4aと対向する屋外延出壁部11aと、屋外延出壁部11aの見込み方向における略中央から内周側に延出された内周延出壁部11bと、を有している。
【0020】
屋外延出壁部11aは、外壁材4の外面4bよりも屋外側に突出しており、先端は外周側に屈曲している。屋外延出壁部11aは、外壁材4の端面4aと対向するとともに、当該端面4aとの間にシーリング材5が充填され、外壁材4の端面を綺麗に納める見切り部をなしている。
【0021】
内周延出壁部11bは、屋外延出壁部11aと繋がって屋外側が屋内側より内周側に位置するように傾斜した傾斜壁部11cと、傾斜壁部11cの屋外側の端から屋外側に延出された屋外壁部11dと、屋外壁部11dの屋外側の端から外周側に向かって延出され、見付け面を形成する見付け壁部11eと、を有している。
【0022】
本実施形態においては、傾斜壁部11cは、屋外延出壁部11aに対して45度の傾斜を有しており、屋外壁部11dは、屋外延出壁部11aとほぼ平行に形成されている。なお、傾斜壁部11cの傾斜は、必ずしも45度でなくとも構わず、屋外壁部11dは、屋外延出壁部11aと必ずしも平行でなくとも構わない。
【0023】
突出部材1が縦枠23に固定された状態では、屋外側に突出する仕切り壁部11が、開口20aの連通方向と交差する左右方向において開口20aの外側と内側とを仕切るように配置される。
【0024】
傾斜壁部11cには、図4に示すように、複数の貫通孔11fが設けられている。各貫通孔11fは、上下方向の幅が、水平方向の幅よりも狭いスリット状をなしており、複数の貫通孔11fは、上下方向に適宜間隔を空けて設けられている。
【0025】
縦枠23に固定された突出部材1の屋外延出壁部11aは、外壁材4の外面4bと略直角をなし見込み方向に沿って屋外側に延出され、屋外延出壁部11aにおいて内周側の面から傾斜壁部11cが延出され、傾斜壁部の先端は、屋外延出壁部11aの先端よりも屋外側に位置している。
【0026】
傾斜壁部11cは、屋外延出壁部11aに対して45度の傾斜を有しており、屋内側の端が屋外側の端よりも外周側に位置しているので、傾斜壁部11cは、開口20aに向かって面している。傾斜壁部11cの屋外側の端から延出している屋外壁部11dは、屋外延出壁部11aと同様に、外壁材4の外面4bと略直角をなしており、屋外壁部11dの屋外側の端から延出している見付け壁部11eは、屋外壁部11dと略直角をなしている。すなわち、見付け壁部11eは、外壁材4の外面4bと同一の方向に延出されて、傾斜壁部11cと見込み方向において対向している。このため、傾斜壁部11c、屋外壁部11d及び見付け壁部11eにより内周側に窪む凹部11gが形成されている。
【0027】
突出部材1が取り付けられた状態で、左右方向において開口20aの外側から内側に向かい、例えば、外壁材4の外面4bに沿う風のように空気が流れると、屋外延出壁部11aの屋外側を通過する空気は、傾斜壁部11c及び屋外壁部11dにより流れが規制され、凹部11gに滞留する。このとき、屋外側では、見付け壁部11eにより屋外側に向かう流れが規制されるので、屋内側に向かう流れが生じる。そして、枠体20の外周側から内周側に向かう空気は、凹部11gに滞留しつつ傾斜壁部11cに設けられた貫通孔11fから開口20a側に向かって流出する。
【0028】
本実施形態の突出部材1によれば、屋内外を連通する開口20aの周縁部に、開口20aよりも屋外側に突出させて設けられ、開口20aの連通方向と交差する方向において開口20aの外側と内側とを仕切る仕切り壁部11が備える傾斜壁部11cに貫通孔11fが設けられているので、連通方向と交差する方向を、開口20aの外側から内側に向かって流れる空気は、仕切り壁部11の内周延出壁部11bにより滞留され、傾斜壁部11cに設けられた貫通孔11fを通って開口20aの内側に向かって流出する。このとき、貫通孔11fが設けられている傾斜壁部11cは、屋外側が屋内側よりも、連通方向と交差する方向において開口20aの内側に位置し、開口20aの屋内側に面するように傾斜しているので、貫通孔11fを通った空気は開口20aから屋内側に流れるように誘導される。このため、屋内に効率よく空気を取り込むことが可能となる。
【0029】
また、傾斜壁部11cの屋外側に、見込み方向に沿う屋外壁部11dを有しているので、連通方向と交差する方向、すなわち外壁材4の外面4bに沿う方向を、開口20aの外側から内側に向かって流れる空気を、傾斜壁部11cだけでなく屋外壁部11dによっても滞留させることが可能となる。このため、より多くの量の空気を滞留させて傾斜壁部11cに設けられた貫通孔11fから開口20aの内側に取り込むことが可能となる。
【0030】
また、屋外壁部11dの屋外側に、連通方向と交差する方向において開口20aの外側に向かって延出されて見付け面を形成する見付け壁部11eを有しているので、凹部11gにより滞留される空気は、見付け壁部11eにより屋外側への移動が規制される。このため、さらに多くの量の空気を滞留させることができるとともに、滞留する空気を傾斜壁部11c側へ誘導する流れを生じさせることが可能となる。このため、より効率よく空気を取り込むことが可能となる。
【0031】
また、貫通孔11fがスリット状をなしているので、貫通孔11fの開口面積を広げつつも傾斜壁部11cの強度を確保することが可能となる。
【0032】
また、外壁材4の端面4aと対向する見切り部をなす屋外延出壁部11aを備えているので、突出部材1の他に見切り部材を設ける必要がない。このため、部品点数及び取付工数を削減し、コストを抑えることが可能である。また、突出部材1が見切り部材としての機能を有するので、複数の部材を取り付けるより、納まりが綺麗であり意匠性に優れている。
【0033】
上記実施形態においては、傾斜壁部11cに設けられている貫通孔11fを水平方向に長いスリット状としたが、スリットが形成されている方向は、鉛直方向、斜め方向などいずれの方向でであっても構わず、また、スリット状でなく、丸穴、角穴等、突出部材の強度が確保可能であれば、貫通孔の形状、数、配置等は、いずれであっても構わない。
【0034】
上記実施形態においては、突出部材1が縦枠23に設けられている例について説明したが、上張り出し部材及び下張り出し部材に、貫通孔を備えた傾斜壁部が設けられていても構わない。
【0035】
また、上記実施形態においては、突出部材1が縦枠23に固定されている例について説明したが、開口20aの周縁部に配置可能であれば、例えば、図5に示すように躯体3に固定されていても構わない。
【0036】
上記実施形態においては、突出部材1が、枠体20と別体で構成されている例について説明したが、これに限らず、例えば、図6に示すように、縦枠24の屋外側の見付け面24aに、上記突出部材1の壁部11に相当する部位が一体に設けられている構成であっても構わない。この場合には、貫通孔が設けられた傾斜壁部11cを備えた縦枠24が上枠21及び下枠22と枠組みされた枠体20を取り付けるだけで、屋内に効率よく空気を取り込むことが可能となる。
【0037】
また、上記実施形態においては、突出部材1が、見切り部をなす屋外延出壁部11aを備えている例について説明したが、例えば、図7に示すように、外壁材40の端面が露出しない構造であれば、突出部材1は、見切り部をなす部位を備えていなくとも構わない。
【0038】
また、上記実施形態においては、枠体20に回動自在に支持されて開口20aを閉止可能な障子25と、を備えた内開き窓用の建具2を例に挙げて説明したがこれに限るものではない。例えば、引き戸障子、引き違い障子を備えた建具や障子が上下方向にスライドする上げ下げ窓、内倒し窓用の建具であっても構わない。また、すべり出し窓や外倒し窓用の建具であっても構わない。
【0039】
上記実施形態においては、上張り出し部材26、下張り出し部材27及び突出部材1が押し出し形材により形成されている例について説明したが、これに限らず、上張り出し部材、下張り出し部材及び突出部材は、例えば、鋼板に曲げ加工などを施して形成しても構わない。
【0040】
また、上記実施形態においては、突出部材1が傾斜壁部11cを備えている例について説明したが、傾斜壁部11cは、必ずしも備えていなくとも構わない。例えば、図8に示す突出部材12のように、仕切り壁部13が、屋外延出壁部13aと、内周延出壁部13bと、を有しており、内周延出壁部13b、屋外延出壁部13aと繋がって内周側に延出され、見付け面を形成する屋内側見付け壁部13cと、屋内側見付け壁部13cの内周側の端から屋外側に延出された屋外壁部13dと、屋外壁部13dの屋外側の端から外周側に向かって延出され、見付け面を形成する屋外側見付け壁部13eと、を有している構成であっても構わない。
【0041】
この場合には、例えば、屋内側見付け壁部13c及び屋外壁部13dの少なくともいずれか一方、または、屋内側見付け壁部13cと屋外壁部13dとに亘るように繋がった貫通孔を設けておく。これにより、開口20aの外側から内側に向かって流れる空気は、仕切り壁部13に遮られて滞留し、当該仕切り壁部13の屋外壁部13dに沿う方向にも流れが生じる。このため、屋内側見付け壁部13c、屋外壁部13d、屋外側見付け壁部13eにより形成される凹部13fに滞留した空気が貫通孔を通過する際には、開口20aから屋内側に向かう空気の流れが生じるので、屋内に効率よく空気を取り込むことが可能となる。
【0042】
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【0043】
本実施形態には、少なくとも以下の発明が含まれる。
態様1:屋内外を連通する開口の周縁部に、前記開口よりも屋外側に突出させて設けられ、前記開口の連通方向と交差する方向において前記開口の外側と内側とを仕切る仕切り壁部を有し、前記仕切り壁部に、貫通孔が設けられていることを特徴とする突出部材である。
【0044】
態様1の突出部材によれば、屋内外を連通する開口の周縁部に、開口よりも屋外側に突出させて設けられている突出部材は、開口の連通方向と交差する方向において開口の外側と内側とを仕切る仕切り壁部に貫通孔が設けられているので、連通方向と交差する方向を、開口の外側から内側に向かって流れる空気は、仕切り壁部により滞留されて貫通孔を通って開口の内側に流れる。このとき、連通方向と交差する方向を、開口の外側から内側に向かって流れる空気は、仕切り壁部に遮られて滞留し、当該仕切り壁部に沿う方向にも流れが生じる。このため、滞留した空気が、連通方向と交差する方向において開口の外側と内側とを連通する貫通孔を通過する際には、開口から屋内側に向かう空気の流れが生じるので、屋内に効率よく空気を取り込むことが可能となる。
【0045】
態様2:態様1に記載の突出部材であって、前記仕切り壁部は、屋外側が屋内側よりも前記内側に位置する傾斜壁部を備え、前記貫通孔は、前記傾斜壁部に設けられていることを特徴とする。
【0046】
態様2の突出部材によれば、貫通孔が、開口の連通方向と交差する方向において開口の外側と内側とを仕切る仕切り壁部が備える傾斜壁部に設けられているので、連通方向と交差する方向を、開口の外側から内側に向かって流れる空気は、仕切り壁部により滞留され、傾斜壁部に設けられた貫通孔を通って開口の内側に流れる。このとき、貫通孔が設けられている傾斜壁部は、屋外側が屋内側よりも、連通方向と交差する方向において開口の内側に位置し、開口の屋内側に面するように傾斜しているので、貫通孔を通った空気は開口から屋内側に流れるように誘導される。このため、屋内に効率よく空気を取り込むことが可能となる。
【0047】
態様3:態様2に記載の突出部材であって、前記傾斜壁部と繋がり屋外側に延出された屋外壁部を有していることを特徴とする。
【0048】
態様3の突出部材によれば、傾斜壁部の屋外側に、傾斜壁部と繋がり屋外側に延出された屋外壁部を有しているので、連通方向と交差する方向を、開口の外側から内側に向かって流れる空気を、傾斜壁部だけでなく屋外壁部によっても滞留させることが可能となる。このため、より多くの空気を滞留させて傾斜壁部に設けられた貫通孔から開口の内側に取り込むことが可能となる。
【0049】
態様4:態様3に記載の突出部材であって、前記屋外壁部の屋外側に前記外側に向かって延出された見付け壁部を有することを特徴とする。
態様4の突出部材によれば、屋外壁部の屋外側に、連通方向と交差する方向において開口の外側に向かって延出された見付け壁部を有しているので、仕切り壁部により滞留される空気は、見付け壁部により屋外側への移動が規制される。このため、さらに多くの空気を滞留させることができるとともに、滞留する空気を傾斜壁部側へ誘導する流れを生じさせることが可能となる。このため、より効率よく空気を取り込むことが可能となる。
【0050】
態様5:態様1乃至態様4のいずれかに記載の突出部材であって、前記貫通孔は、スリット状をなしていることを特徴とする。
態様5の突出部材によれば、貫通孔がスリット状をなしているので、開口面積を広げつつも傾斜壁部の強度を確保することが可能となる。
【0051】
態様6:態様1乃至態様5のいずれかに記載の突出部材であって、前記開口の前記外側に設けられる外壁材の端面と対向する見切り部を備えていることを特徴とする。
態様6の突出部材によれば、外壁材の端面と対向する見切り部を備えているので、突出部材の他に見切り部材を設ける必要がない。このため、部品点数及び取付工数を削減し、コストを抑えることが可能である。また、突出部材が見切り部材としての機能を有するので、複数の部材を取り付けるより、納まりが綺麗で意匠性に優れている。
【0052】
態様7:態様1乃至態様6のいずれかに記載の突出部材と、前記開口を形成する枠体と、前記枠体に支持されて前記開口を閉止可能な障子と、を有することを特徴とする建具である。
態様7の建具によれば、屋内に効率よく空気を取り込むことが可能な建具を提供することが可能である。
【0053】
態様8:態様7に記載の建具であって、前記障子は、前記枠体に案内されてスライドする、または、前記枠体に回動自在に支持されて屋内側に移動して開くことを特徴とする。
態様8の建具によれば、障子が、枠体に案内されてスライドする、または、枠体に回動自在に支持されて屋内側に移動して開く形態であっても、屋内に効率よく空気を取り込むことが可能となる。
【0054】
態様9:屋内外を連通する開口を形成する枠体と、前記枠体に支持されて前記開口を閉止可能な障子と、を有し、前記枠体は、前記開口よりも屋外側に突出させて設けられ、前記開口の連通方向と交差する方向において前記開口の外側と内側とを仕切る仕切り壁部を有し、前記仕切り壁部に、貫通孔が設けられていることを特徴とする建具である。
【0055】
態様9の建具によれば、開口を形成する枠体に、開口よりも屋外側に突出させて設けられて、開口の連通方向と交差する方向において開口の外側と内側とを仕切る仕切り壁部の傾斜壁部に貫通孔が設けられているので、連通方向と交差する方向を、開口の外側から内側に向かって流れる空気は、仕切り壁部により滞留されて貫通孔を通って開口の内側に流れる。このとき、連通方向と交差する方向を、開口の外側から内側に向かって流れる空気は、仕切り壁部に遮られて滞留し、当該仕切り壁部に沿う方向にも流れが生じる。このため、滞留した空気が貫通孔を通過する際には、開口から屋内側に向かう空気の流れが生じるので、屋内に効率よく空気を取り込むことが可能となる。また、傾斜壁部を有する仕切り壁部は、枠体に設けられているので、枠体を取り付けるだけで、屋内に効率よく空気を取り込むことが可能となる。
【0056】
態様10:態様9に記載の建具であって、前記仕切り壁部は、屋外側が屋内側よりも前記内側に位置する傾斜壁部を備え、前記貫通孔は、前記傾斜壁部に設けられていることを特徴とする。
【0057】
態様10の建具によれば、貫通孔が、開口の連通方向と交差する方向において開口の外側と内側とを仕切る仕切り壁部が備える傾斜壁部に設けられているので、連通方向と交差する方向を、開口の外側から内側に向かって流れる空気は、仕切り壁部により滞留され、傾斜壁部に設けられた貫通孔を通って開口の内側に流れる。このとき、貫通孔が設けられている傾斜壁部は、屋外側が屋内側よりも、連通方向と交差する方向において開口の内側に位置し、開口の屋内側に面するように傾斜しているので、貫通孔を通った空気は開口から屋内側に流れるように誘導される。このため、屋内に効率よく空気を取り込むことが可能となる。
【符号の説明】
【0058】
1 突出部材、2 建具、4 外壁材、4a 外壁材の端面、
11 仕切り壁部、11a 屋外延出壁部、11b 内周延出壁部、
11c 傾斜壁部、11d 屋外壁部、11e 見付け壁部、
11f 貫通孔、20 枠体、20a 開口、23 縦枠、24 縦枠、
25 障子、40 外壁材、
図1
図2
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図5
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図8