(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081928
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】機能性成分担持粒子の製造方法
(51)【国際特許分類】
A61K 9/14 20060101AFI20240612BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240612BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240612BHJP
A61K 31/167 20060101ALI20240612BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
A61K9/14
A61K47/36
A61K45/00
A61K31/167
A61P29/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195519
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】591040753
【氏名又は名称】東和薬品株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100178847
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 映美
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】奥嶋 智明
(72)【発明者】
【氏名】奥田 豊
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076AA95
4C076EE30A
4C076FF31
4C076FF68
4C076GG09
4C076GG18
4C084AA17
4C084MA41
4C084NA05
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4C084ZA07
4C084ZA08
4C084ZB11
4C206AA01
4C206AA02
4C206GA02
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4C206KA01
4C206MA02
4C206MA05
4C206MA61
4C206NA05
4C206NA12
4C206ZA07
4C206ZA08
4C206ZB11
(57)【要約】
【課題】機能性成分をキャリア粒子の内部まで均一に含浸させることができる機能性成分担持粒子の製造方法の提供。
【解決手段】キャリア粒子と機能性成分混合液とを振動を加えながら混合する混合工程を有し、前記振動の周波数は、30~90Hzである、機能性成分担持粒子の製造方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア粒子と機能性成分混合液とを振動を加えながら混合する混合工程を有し、
前記振動の周波数は、30~90Hzである、機能性成分担持粒子の製造方法。
【請求項2】
前記混合工程は、30~90Hzの振動を加えながら、前記キャリア粒子に、前記機能性成分混合液を滴下して、キャリア粒子と機能性成分混合液とを混合する、請求項1に記載の機能性成分担持粒子の製造方法。
【請求項3】
前記振動の加速度は1~100Gである、請求項1又は2に記載の機能性成分担持粒子の製造方法。
【請求項4】
前記機能性成分混合液中の機能性成分の添加量は、前記キャリア粒子100質量部に対して、200質量部以下である、請求項1又は2に記載の機能性成分担持粒子の製造方法。
【請求項5】
前記混合工程の前に、前記キャリア粒子を製造するキャリア粒子製造工程を有し、
前記キャリア粒子製造工程は、グルコースを単位とする螺旋構造を有する水溶性高分子と水とを混合して水溶性高分子水溶液を得る水溶液製造工程と、
前記水溶性高分子水溶液を噴霧乾燥して、前駆体粒子を得る前駆体粒子製造工程と、
前記前駆体粒子と有機溶媒とを混合して混合物を得た後、前記混合物から液体を除去してキャリア粒子を得るキャリア粒子製造工程とを有する、請求項1又は2に記載の機能性成分担持粒子の製造方法。
【請求項6】
キャリア粒子を含有する粉体原料を密閉容器に充填する粉体充填工程と、
前記密閉容器を30~90Hzの周波数で振動させる粉体振動工程と、
振動している前記密閉容器に、機能性成分混合液を滴下する機能性成分混合液滴下工程と、
前記密閉容器に30~90Hzの振動を加えた状態を維持しながら、前記粉体原料と、前記機能性成分混合液とを混合する混合工程とを有する、機能性成分担持粒子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性成分担持粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品薬効成分等の機能性成分を体内に投与する方法としては、局所投与、経腸投与、及び非経口投与がある。投与された機能性成分は、体内に導入された場所からその機能が発現する目的の部位へと輸送される必要がある。
経腸投与の一つである経口投与の場合、機能性成分は口と胃を通過して、小腸で吸収される。このため、機能性成分は小腸まで輸送される必要がある。
【0003】
体内の目的の部位に機能性成分を輸送するため、キャリア粒子と呼ばれる担体に機能性成分を含有する機能性成分混合液を含侵させた機能性成分担持粒子が有用である。
該機能性成分担持粒子の製造方法としては、例えば、特許文献1には、流動層造粒法によって医薬品有効成分(API:active pharmaceutical ingredient)を多孔質粒子に含浸させる方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/236511号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されているような流動層造粒法では、機能性成分がキャリア粒子の内部まで均一に含浸しない場合がある。また、機能性成分の含有量を高めるために機能性成分混合液の添加量を多くした場合、造粒により粒子が成長し過ぎてしまい、機能性成分担持粒子の粒子径が意図せず大きくなってしまう場合がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、機能性成分をキャリア粒子の内部まで均一に含浸させることができる機能性成分担持粒子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の態様を有する。
[1]キャリア粒子と機能性成分混合液とを振動を加えながら混合する混合工程を有し、前記振動の周波数は、30~90Hzである、機能性成分担持粒子の製造方法。
[2]前記混合工程は、30~90Hzの振動を加えながら、前記キャリア粒子に、前記機能性成分混合液を滴下して、キャリア粒子と機能性成分混合液とを混合する、[1]に記載の機能性成分担持粒子の製造方法。
[3]前記振動の加速度は1~100Gである、[1]又は[2]に記載の機能性成分担持粒子の製造方法。
[4]前記機能性成分混合液中の機能性成分の添加量は、前記キャリア粒子100質量部に対して、3質量部以上200質量部以下である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の機能性成分担持粒子の製造方法。
[5]前記混合工程の前に、前記キャリア粒子を製造するキャリア粒子製造工程を有し、
前記キャリア粒子製造工程は、グルコースを単位とする螺旋構造を有する水溶性高分子と水とを混合して水溶性高分子水溶液を得る水溶液製造工程と、
前記水溶性高分子水溶液を噴霧乾燥して、前駆体粒子を得る前駆体粒子製造工程と、
前記前駆体粒子と有機溶媒とを混合して混合物を得た後、前記混合物から液体を除去してキャリア粒子を得るキャリア粒子製造工程とを有する、[1]~[4]のいずれか一項に記載の機能性成分担持粒子の製造方法。
【0008】
[6]キャリア粒子を含有する粉体原料を密閉容器に充填する粉体充填工程と、前記密閉容器を30~90Hzの周波数で振動させる粉体振動工程と、振動している前記密閉容器に、機能性成分混合液を滴下する機能性成分混合液滴下工程と、前記密閉容器に30~90Hzの振動を加えた状態を維持しながら、前記粉体原料と、前記機能性成分混合液とを混合する混合工程とを有する、機能性成分担持粒子の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、機能性成分をキャリア粒子の内部まで均一に含浸させることができる機能性成分担持粒子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1の機能性成分担持粒子のラマンイメージング画像である。
【
図2】実施例2の機能性成分担持粒子のラマンイメージング画像である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(機能性成分担持粒子の製造方法)
本実施形態の機能性成分担持粒子の製造方法は、キャリア粒子と機能性成分混合液とを振動を加えながら混合する混合工程を有する。
【0012】
<混合工程>
本実施形態の機能性成分担持粒子の製造方法における混合工程では、キャリア粒子と機能性成分混合液とを振動を加えながら混合する。
【0013】
[振動の周波数]
該振動の周波数は、30~90Hzであり、好ましくは40~80Hzであり、より好ましくは50~70Hzであり、さらに好ましくは55~65Hzである。
該振動の周波数が、上記の好ましい範囲内であれば、機能性成分混合液をキャリア粒子により均一に含浸させることができる。
【0014】
[振動の加速度]
該振動の加速度は、好ましくは1~100Gであり、より好ましくは30~100Gであり、さらに好ましくは50~100Gであり、特に好ましくは50~90Gである。
該振動の加速度が、上記の好ましい範囲内であれば、機能性成分混合液をキャリア粒子により均一に含浸させることができる。
【0015】
混合工程は、大気圧下で混合してもよいが、減圧下で混合してもよい。
その中でも、混合工程は、減圧下で混合することが好ましく、低真空下、中真空下、高真空下、超高真空下、又は、極高真空下で混合することがより好ましい。
なお、減圧下で混合を行う場合の圧力は、例えば、1~800hPaであってもよく、1~500hPaであってもよく、1~450hPaであってもよい。
また、混合工程において、減圧下で混合する場合、キャリア粒子のみを減圧し、その減圧状態を維持しながら、キャリア粒子と機能性成分混合液とを振動を加えながら混合してもよい。
【0016】
≪キャリア粒子≫
本明細書において、キャリア粒子とは、機能性成分混合液を含侵させることができる粒子を意味する。キャリア粒子として、具体的には、BET比表面積が1m2/g以上の多孔質粒子が好ましい。
【0017】
[多孔質粒子]
≪BET比表面積≫
本実施形態の機能性成分担持粒子の製造方法における多孔質粒子は、BET比表面積が1m2/g以上であり、40m2/g以上が好ましく、50m2/g以上がより好ましく、100m2/g以上がさらに好ましく、150m2/g以上が特に好ましい。
多孔質粒子のBET比表面積の上限値は、例えば1000m2/g以下、900m2/g以下、800m2/g以下である。
多孔質粒子のBET比表面積の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。組み合わせの例としては、1m2/g以上1000m2/g以下、40m2/g以上1000m2/g以下、50m2/g以上1000m2/g以下、100m2/g以上900m2/g以下、150m2/g以上800m2/g以下が挙げられる。
【0018】
[BET比表面積の測定方法]
多孔質粒子のBET比表面積は、比表面積測定装置を用い、窒素吸着BET(Brunauer,Emmett,Teller)法により測定する。比表面積測定装置としては、例えば、マウンテック社製の比表面積測定装置(装置名;Macsorb)が使用できる。
【0019】
≪形状≫
多孔質粒子の形状は特に限定されないが、球状であることが好ましい。
粒子形状は、静的画像解析により確認できる。
静的画像解析は、静的自動画像分析装置により行うことができる。静的自動画像分析装置としては例えば、マルバーン・パナリティカル社製のモフォロギ4が使用できる。
【0020】
≪粒子径≫
多孔質粒子の平均粒子径(D50)は、例えば、5μm以上1000μm以下、10μm以上800μm以下、20μm以上600μm以下、30μm以上500μm以下、40μm以上400μm以下、50μm以上300μm以下の範囲の多孔質粒子を用いることができる。
【0021】
[平均粒子径の測定方法]
多孔質粒子の平均粒子径は、レーザー回折、レーザー散乱によって測定できる。
【0022】
多孔質粒子として、具体的には、無機多孔質粒子、有機多孔質粒子が挙げられる。
【0023】
{無機多孔質粒子}
無機多孔質粒子として、具体的には、金属酸化物粒子、金属水酸化物粒子、金属硫酸塩粒子、金属窒化物粒子、金属リン酸塩粒子、金属ケイ酸塩粒子、鉱物質粒子、金属炭酸塩粒子、炭素粒子等が挙げられる。
【0024】
金属酸化物粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、二酸化チタン等が挙げられる。
金属水酸化物粒子としては、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
金属硫酸塩粒子としては、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。
金属窒化物粒子としては、窒化ケイ素、窒化ホウ素等が挙げられる。
金属リン酸塩粒子としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等が挙げられる。
金属ケイ酸塩粒子としては、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等が挙げられる。
鉱物粒子としては、ゼオライト、珪藻土、焼成珪成土、タルク、カオリン、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト、クレー等が挙げられる。
金属炭酸塩粒子としては、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。
炭素粒子としては、活性炭、カーボン等が挙げられる。
【0025】
無機多孔質粒子としては、上記の中でも、金属酸化物粒子が好ましく、シリカがより好ましい。
【0026】
{有機多孔質粒子}
有機多孔質粒子として、具体的には、多孔質水溶性高分子粒子、多孔質熱可塑性樹脂粒子、多孔質熱硬化性樹脂粒子等が挙げられる。
【0027】
・多孔質水溶性高分子粒子
多孔質水溶性高分子粒子としては、グルコースを単位とする螺旋構造を有する多孔質水溶性高分子粒子であることが好ましい。
多孔質水溶性高分子粒子がグルコースを単位とする螺旋構造を有する水溶性高分子を含むか否かは、以下の方法により確認できる。
【0028】
第十八改正日本薬局方、1150頁に記載のデキストリンの確認方法に従い、0.1gの多孔質水溶性高分子粒子に水100mLを加え、ヨウ素試液1滴を加える。ヨウ素試液を加えた後、液が淡赤褐色又は淡赤紫色を呈した場合には、多孔質水溶性高分子粒子がグルコースを単位とする螺旋構造を有する多孔質水溶性高分子粒子を含むと判断する。
【0029】
本実施形態の機能性成分担持粒子における多孔質水溶性高分子粒子は、医薬品用途で使用する場合に安全に服用する観点から、天然高分子が好ましい。
天然高分子として、具体的には水溶性多糖が挙げられる。
【0030】
本実施形態の機能性成分担持粒子における水溶性多糖は、グルコースが鎖状に重合し、螺旋構造を有する水溶性の高分子であることが好ましい。水溶性多糖は、多岐に分岐した3次元網目構造を有することが好ましい。
【0031】
3次元網目構造を有する水溶性多糖は、デキストリン、デキストラン、アガロース、及びプルランからなる群より選択される1種以上が好ましく、なかでもデキストリンがより好ましい。
【0032】
また、多孔質水溶性高分子粒子は安全に服用する観点から金属元素を含まないことが好ましい。
【0033】
多孔質水溶性高分子粒子の製造方法の詳細は後述するが、水溶性高分子を含む溶液を噴霧乾燥して、前駆体粒子を得た後、この前駆体粒子を有機溶媒と混合し、混合物を得る。得られた混合物から液体を除去することで多孔質水溶性高分子粒子が得られる。
【0034】
多孔質水溶性高分子粒子が3次元網目構造を有すると、その3次元網目構造(前駆体粒子)中に含まれるグルコース鎖の一部(例えば、マルトース、マルトトリオース等)が有機溶媒で抽出除去され、被抽出物が存在した箇所が微細孔となり、多孔質水溶性高分子粒子が形成される。
【0035】
多孔質水溶性高分子粒子は、後述する有機酸を含まないことが好ましいが、わずかに含んでいてもよい。
「多孔質水溶性高分子粒子が有機酸を含まない」とは、多孔質水溶性高分子粒子に含まれる有機酸の量を測定した際に、測定される有機酸の量が検出限界以下であることを意味する。
【0036】
有機酸は多孔質水溶性高分子粒子の製造工程において、適宜、使用可能であるが、使用した場合は最終的には除去される。除去方法によっては、有機酸が多孔質水溶性高分子粒子内にわずかに残留する場合がある。この場合には、下記の方法により測定される、多孔質水溶性高分子粒子中の有機酸の量が、1%以下であることが好ましい。
【0037】
[多孔質水溶性高分子粒子中の有機酸の測定方法]
有機酸は、多孔質水溶性高分子粒子をリン酸水溶液に溶解させた後、高速液体クロマトグラフ(HPLC)で分析することにより検出できる。
【0038】
・多孔質熱可塑性樹脂粒子
多孔質熱可塑性樹脂粒子としては、多孔質オレフィン系樹脂粒子、多孔質スチレン系樹脂粒子、多孔質ポリアミド系樹脂粒子、多孔質アクリル系樹脂粒子等が挙げられる。
【0039】
・多孔質熱硬化性樹脂粒子
多孔質熱硬化性樹脂粒子としては、多孔質シリコーン系樹脂粒子、多孔質ポリウレタン系樹脂粒子等が挙げられる。
【0040】
本実施形態の機能性成分担持粒子の製造方法におけるキャリア粒子としては、上記の中でも、無機多孔質粒子又は有機多孔質粒子であることが好ましく、金属酸化物粒子又は多孔質水溶性高分子粒子であることがより好ましく、グルコースを単位とする螺旋構造を有する多孔質水溶性高分子粒子であることがさらに好ましい。
キャリア粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
【0041】
≪機能性成分混合液≫
本実施形態の機能性成分担持粒子の製造方法における機能性成分混合液は、機能性成分と溶媒とを含有する。
機能性成分混合液として、具体的には、溶媒中に機能性成分が分散したエマルション(乳濁液)、サスペンション(懸濁液)等が挙げられる。
【0042】
{機能性成分}
本実施形態の機能性成分担持粒子の製造方法における機能性成分としては、医薬品薬効成分、機能性食品成分、色素、香料等が挙げられる。
機能性成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
【0043】
・医薬品薬効成分
医薬品薬効成分としては、例えば、解熱鎮痛消炎薬、向精神薬、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠鎮静薬、鎮痙薬、中枢神経作用薬、脳代謝改善薬、脳循環改善薬、抗てんかん薬、交感神経興奮薬、胃腸薬、制酸剤、抗潰瘍剤、鎮咳去痰剤、制吐剤、呼吸促進剤、気管支拡張剤、アレルギー用薬、歯科口腔用薬、抗ヒスタミン剤、強心剤、不整脈用剤、利尿薬、血圧降下剤、血管収縮薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、高脂血症用剤、利胆剤、抗生物質、化学療法剤、糖尿病用剤、骨粗しょう用剤、抗リウマチ薬、鎮けい剤、ホルモン剤、アルカロイド系麻薬、サルファ剤、痛風治療剤、血液凝固阻止剤、抗悪性腫瘍剤、滋養強壮保健薬等から選ばれた1種又は2種以上の成分が挙げられる。
【0044】
・機能性食品成分
機能性食品成分としては、例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE等のビタミン類、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、肝油等の高級不飽和脂肪酸類が挙げられる。
【0045】
・色素
色素としては、有機顔料、無機顔料、染料が挙げられる。
有機顔料としては、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、キナクリドン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、ジオキサジン顔料、アントラキノン顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等が挙げられる。
有機顔料として、より具体的には、レーキ化されていてもよい赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等が挙げられる。
【0046】
無機顔料としては、酸化鉄(三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄)、二酸化チタン、鉛白、カーボンブラック、カドミウム赤、黄鉛、群青、コバルト青、コバルト紫等が挙げられる。
【0047】
染料としては、タール系色素、ウコン抽出液、カラメル、カロチン液、β-カロテン、銅クロロフィル、リボフラビン等が挙げられる。
【0048】
香料としては、メントール、ペパーミントミクロン、レモン、レモンライム、オレンジ、ハッカ油、各種フレーバー等が挙げられる。
【0049】
{溶媒}
溶媒としては、例えば、「医薬品の残留溶媒ガイドライン」に記載されるクラス2の溶媒、クラス3の溶媒、水、及び、それらの混合液等が挙げられる。
溶媒として、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、アセトン、1-プロパノール、1-ペンタノール、アセトニトリル、n-ブタノール、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸メチル、2-メチルテトラヒドロフラン、酢酸イソプロピル(IPAc)、n-ヘキサン、酢酸エチル(EtOAc)、n-ヘプタン、水、及び、それらの混合液等が挙げられる。
溶媒としては、上記の中でも、エタノール又はエタノール水溶液が好ましい。
【0050】
本実施形態の機能性成分担持粒子の製造方法において、機能性成分混合液中の機能性成分の添加量は、キャリア粒子100質量部に対して、3質量部以上200質量部以下であってもよく、4質量部以上100質量部以下であってもよく、5質量部以上50質量部以下であってもよく、5質量部以上10質量部以下であってもよい。
【0051】
本実施形態の機能性成分担持粒子の製造方法において、上述したキャリア粒子及び機能性成分混合液以外の薬学的に許容される任意成分を含有してもよい。薬学的に許容される任意成分としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、保湿剤、界面活性剤、増粘剤、噴射剤、酸化防止剤、還元剤、酸化剤、キレート剤、酸、アルカリ、無機塩、金属含有化合物、高分子添加剤、分散剤、緩衝剤、嬌味剤、香料、被膜剤等が挙げられる。
【0052】
本実施形態の機能性成分担持粒子の製造方法における混合工程においては、混合装置にキャリア粒子と機能性成分混合液と同時に加えて振動を加えながら混合してもよいし、キャリア粒子と機能性成分混合液とを異なるタイミングで加えて振動を加えながら混合してもよい。その中でも、該混合工程においては、混合装置にキャリア粒子を加えて、振動を加えながら混合し、振動を加えた状態を維持しながら、キャリア粒子に機能性成分混合液を滴下して、キャリア粒子と機能性成分混合液とを混合することが好ましい。なお、該混合工程において、混合装置にキャリア粒子及び機能性成分混合液以外の他の成分を添加してもよい。
【0053】
該混合工程は、キャリア粒子に上記周波数の振動を加えながら、機能性成分混合液を滴下して、キャリア粒子と機能性成分混合液とを混合する工程であることが好ましい。
【0054】
[混合装置]
本実施形態の機能性成分担持粒子の製造方法の混合工程で用いる混合装置としては、Resodyn社製の低周波共振音響ミキサー等が挙げられる。この装置は、スピーカーのウーハー部分に、混合材料を含む容器を載せ、1秒間に60回(60Hz)の上下運動サイクルを繰り返すことで、混合材料を混合する装置である。この装置は、振動の周波数は60Hzに固定されており、振動の加速度のみが変更可能である。振動の加速度を増加させると、上下運動(振幅)が増え、混合時の衝撃が増加する。
【0055】
該混合工程は、同一の混合条件又は異なる混合条件で、複数回繰り返してよい。
【0056】
<任意工程:キャリア粒子製造工程>
本実施形態の機能性成分担持粒子の製造方法において、キャリア粒子として、多孔質水溶性高分子粒子を用いる場合、前記混合工程の前に、前記キャリア粒子(多孔質水溶性高分子粒子)を製造するキャリア粒子製造工程を有してもよい。
前記キャリア粒子製造工程は、グルコースを単位とする螺旋構造を有する水溶性高分子と水とを混合して水溶性高分子水溶液を得る水溶液製造工程と、前記水溶性高分子水溶液を噴霧乾燥して、前駆体粒子を得る前駆体粒子製造工程と、前記前駆体粒子と有機溶媒とを混合して混合物を得た後、前記混合物から液体を除去してキャリア粒子を得るキャリア粒子製造工程とを有する。
該キャリア粒子製造工程として、より具体的には、下記のキャリア粒子製造工程1及びキャリア粒子製造工程2が挙げられる。
【0057】
[キャリア粒子製造工程1]
キャリア粒子製造工程1は、グルコースを単位とする螺旋構造を有する水溶性高分子と水とを混合して水溶性高分子水溶液を得る水溶液製造工程と、前記水溶性高分子水溶液を噴霧乾燥して、前駆体粒子を得る前駆体粒子製造工程と、前記前駆体粒子と有機溶媒とを混合して混合物を得た後、前記混合物から液体を除去してキャリア粒子を得るキャリア粒子製造工程とを有する。
キャリア粒子製造工程1は、水溶性高分子として、マルトースやマルトトリオースの含有量が高いデキストリンを用いる場合に有用な方法である。マルトースやマルトトリオースの除去痕が細孔となり、BET比表面積が高いキャリア粒子が得られやすくなる。
【0058】
≪水溶液製造工程≫
水溶液製造工程は、グルコースを単位とする螺旋構造を有する水溶性高分子と水とを混合して水溶性高分子水溶液を得る工程である。
該水溶性高分子水溶液の水溶性高分子の濃度は、水溶性高分子水溶液100質量%に対して、30%以上80%以下が好ましく、40%以上60%以下がより好ましい。
【0059】
該水溶性高分子水溶液の水溶性高分子の濃度が、上記の好ましい下限値以上であれば、より多くの細孔を有するキャリア粒子が得られやすくなる。
該水溶性高分子水溶液の水溶性高分子の濃度が、上記の好ましい上限値以下であれば、後の工程でより乾燥しやすくなり、より球状のキャリア粒子が得られやすくなる。
【0060】
{水溶性高分子}
水溶性高分子としては、例えばデキストリンが挙げられる。
該デキストリンのデンプンの糖化率は、特に限定されず、DE値が10以下のデキストリンであってもよく、DE値が10を超え20以下のマルトデキストリンであってもよく、DE値が20を超えるデキストリンであってもよい。
【0061】
≪前駆体粒子製造工程≫
前駆体粒子製造工程は、上記水溶性高分子水溶液を噴霧乾燥して、前駆体粒子を得る工程である。
噴霧乾燥条件の一例は、入口温度を120~160℃とし、出口温度を80~120℃とし、水溶液の供給速度を5kg/時間~25kg/時間とする条件である。
【0062】
≪キャリア粒子製造工程≫
キャリア粒子製造工程は、上記前駆体粒子と有機溶媒とを混合して混合物を得た後、前記混合物から液体を除去してキャリア粒子を得る工程である。
【0063】
{有機溶媒}
有機溶媒としては、エタノール、メタノール等の親水性の有機溶媒が好ましい。
【0064】
上記前駆体粒子と有機溶媒との混合について、具体的には、加熱した有機溶媒に前駆体粒子を懸濁し、所定時間以上、保持することにより前駆体粒子と有機溶媒とを混合できる。加熱温度及びその時間は、使用する有機溶媒に合わせて、適宜、調整可能だが、例えば、0~70℃で、10分間以上120分間以下で保持する。
【0065】
前記混合物から液体を除去する方法として、具体的には、濾過法、デカンテーション法を適用可能である。また、液体を除去して得られた粒子に、再度、有機溶媒を混合し、混合物から液体を除去することを繰り返すことで、得られるキャリア粒子の比表面積を高めることが可能である。
【0066】
[キャリア粒子製造工程2]
キャリア粒子製造工程2は、上述したキャリア粒子製造工程1と同様に、水溶液製造工程と、前駆体粒子製造工程と、キャリア粒子製造工程とを有する。
キャリア粒子製造工程2の上述したキャリア粒子製造工程1との相違点は、水溶液製造工程において、水溶液にテンプレート(型剤)を添加する点である。テンプレートとしては、有機酸、糖又は糖アルコールが使用できる。
キャリア粒子製造工程2は、水溶性高分子として、マルトースやマルトトリオースの含有量の低いデキストリンを用いる場合に有用な方法である。キャリア粒子製造工程2では、デキストリン中のマルトースやマルトトリオースの代わりに、添加したテンプレートの除去痕が細孔となり、BET比表面積が高いキャリア粒子が得られやすくなる。
【0067】
{有機酸}
有機酸としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、アジピン酸が好ましく、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸がより好ましい。
【0068】
{糖}
糖としては、単糖又は二糖が挙げられ、単糖としては、グルコース、フルクトース、ガラクトースが好ましい。二糖としては、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、セロビオースが好ましい。その中でも二糖としては、マルトース又はトレハロースが好ましく、トレハロースが特に好ましい。
【0069】
{糖アルコール}
糖アルコールとしては、マンニトール、エリスリトール、又はキシリトールが挙げられる。
【0070】
<任意工程:乾燥工程>
本実施形態の機能性成分担持粒子の製造方法は、上述した混合工程により得られた機能性成分担持粒子を公知の乾燥機で乾燥する乾燥工程を有していてもよい。
例えば、上述した混合工程により得られた機能性成分担持粒子を20℃以上60℃以下の温度で、必要に応じて減圧しながら乾燥する。
【0071】
<任意工程:第2の混合工程>
本実施形態の機能性成分担持粒子の製造方法は、上述した混合工程により得られた機能性成分担持粒子をさらに混合する第2の混合工程を有していてもよい。
第2の混合工程は、例えば、上述した混合工程により得られた機能性成分担持粒子と、溶媒とを振動を加えながら混合する。
本実施形態の機能性成分担持粒子の製造方法は、第2の混合工程を有することにより、キャリア粒子の表面付近に存在する機能性成分をよりキャリア粒子内部に押し込ませることができる。
【0072】
本実施形態の機能性成分担持粒子の製造方法の好適な具体例を以下に示す。
なお、以下の具体例においては、上述した「混合工程」を、便宜上、粉体充填工程、粉体振動工程、機能性成分混合液滴下工程、及び、混合工程と分けて示している。
「1」キャリア粒子を含有する粉体原料を密閉容器に充填する粉体充填工程と、
前記密閉容器を30~90Hzの周波数で振動させる粉体振動工程と、
振動している前記密閉容器に、機能性成分混合液を滴下する機能性成分混合液滴下工程と、
前記密閉容器に30~90Hzの振動を加えた状態を維持しながら、前記粉体原料と、前記機能性成分混合液とを混合する混合工程とを有する、機能性成分担持粒子の製造方法。
「2」前記粉体振動工程、及び、前記混合工程における振動の周波数は、好ましくは40~80Hzであり、より好ましくは50~70Hzであり、さらに好ましくは55~65Hzである、「1」に記載の機能性成分担持粒子の製造方法。
「3」前記振動の加速度は好ましくは1~100Gであり、より好ましくは30~100Gであり、さらに好ましくは50~100Gであり、特に好ましくは50~90Gである、「1」又は「2」に記載の機能性成分担持粒子の製造方法。
「4」前記混合工程の後に、前記混合工程で得られた機能性成分担持粒子と、溶媒とを混合する第2の混合工程を有する、「1」~「3」のいずれか一項に記載の機能性成分担持粒子の製造方法。
「5」前記粉体振動工程を減圧下、好ましくは低真空下、中真空下、高真空下、超高真空下、又は、極高真空下で行う、「1」~「4」のいずれか一項に記載の機能性成分担持粒子の製造方法。
「6」前記混合工程を減圧下、好ましくは低真空下、中真空下、高真空下、超高真空下、又は、極高真空下で行う、「1」~「5」のいずれか一項に記載の機能性成分担持粒子の製造方法。
「7」グルコースを単位とする螺旋構造を有する水溶性高分子と水とを混合して水溶性高分子水溶液を得る水溶液製造工程と、
前記水溶性高分子水溶液を噴霧乾燥して、前駆体粒子を得る前駆体粒子製造工程と、
前記前駆体粒子と有機溶媒とを混合して混合物を得た後、前記混合物から液体を除去してキャリア粒子を得るキャリア粒子製造工程と、
前記キャリア粒子を含有する粉体原料を密閉容器に充填する粉体充填工程と、
前記密閉容器を30~90Hzの周波数で振動させる粉体振動工程と、
振動している前記密閉容器に、機能性成分混合液を滴下する機能性成分混合液滴下工程と、
前記密閉容器に30~90Hzの振動を加えた状態を維持しながら、前記粉体原料と、前記機能性成分混合液とを混合する混合工程とを有する、機能性成分担持粒子の製造方法。
「8」前記粉体振動工程、及び、前記混合工程における振動の周波数は、好ましくは40~80Hzであり、より好ましくは50~70Hzであり、さらに好ましくは55~65Hzである、「7」に記載の機能性成分担持粒子の製造方法。
「9」前記振動の加速度は好ましくは1~100Gであり、より好ましくは30~100Gであり、さらに好ましくは50~100Gであり、特に好ましくは50~90Gである、「7」又は「8」に記載の機能性成分担持粒子の製造方法。
「10」前記混合工程の後に、前記混合工程で得られた機能性成分担持粒子と、溶媒とを混合する第2の混合工程を有する、「7」~「9」のいずれか一項に記載の機能性成分担持粒子の製造方法。
「11」前記粉体振動工程を減圧下、好ましくは低真空下、中真空下、高真空下、超高真空下、又は、極高真空下で行う、「7」~「10」のいずれか一項に記載の機能性成分担持粒子の製造方法。
「12」前記混合工程を減圧下、好ましくは低真空下、中真空下、高真空下、超高真空下、又は、極高真空下で行う、「7」~「11」のいずれか一項に記載の機能性成分担持粒子の製造方法。
【0073】
(機能性成分担持粒子)
上述した実施形態の機能性成分担持粒子の製造方法で得られる機能性成分担持粒子は、機能性成分をキャリア粒子の内部まで均一に含浸しているという特徴を有する。また、機能性成分を多く含有していても、製造工程で造粒により粒子が成長し過ぎてしまうことがないため、従来の製造方法で製造された機能性成分担持粒子よりも、比較的粒子径が小さく、粒度分布がシャープであるという特徴を有する。
【実施例0074】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0075】
<機能性成分担持粒子の製造方法>
(実施例1)
[前駆体粒子を得る工程]
70℃に加温した8.0kgの水にデキストリン(GLUCIDEX IT47)8.0kgを溶解させ、水溶性高分子水溶液1を得た。なお、使用したデキストリンのDE値は47であった。
下記条件で水溶性高分子水溶液1をスプレードライヤーで噴霧し、前駆体粒子1を得た。
(噴霧条件)
入口温度:140℃
出口温度:96~100℃
ディスク回転数:5000 rpm
水溶液の供給速度:液速7.5kg/h
【0076】
[キャリア粒子を得る工程]
前駆体粒子3kgをロッキングミキサーに投入し、無水エタノール18Lを加え、内部温度を約53℃に保ち、10rpmで10分間混合した。混合終了後、無水エタノールを減圧ろ過し除去した。ここに、再度、無水エタノール18Lを加え、上記と同様に混合、減圧ろ過し、これを最初からのトータルで30回繰り返した。最終の減圧ろ過後、40~50℃、-0.1MPa、16rpmで1時間減圧乾燥し、キャリア粒子1を得た。
【0077】
上記[BET比表面積の測定方法]により測定したキャリア粒子1の比表面積は、173m2/gであった。
【0078】
[混合工程]
無水エタノール50gにアセトアミノフェン8gを溶解させ、アセトアミノフェン溶液1を得た。
32oz容器にキャリア粒子1を125g入れた。
容器内部を真空ポンプで346.58hPaとし、低周波共振音響ミキサー(Resodyn社製)を用い加速度60Gでキャリア粒子1を振動させた。
振動させている粒子に対し、調製したアセトアミノフェン溶液1を1.2g/minで滴下した。液滴量が増えるにつれ、やや混合物の動きが鈍ってきたため、途中で加速度を80Gまで増加させて、粒子Aを作製した。
その後、常圧に戻して、容器から取り出した粒子Aを60℃で乾燥した。
乾燥後の粒子A103gを32oz容器に入れた。
容器内部を真空ポンプで319.92hPaとし、周波共振音響ミキサーで加速度70Gで粒子Aを振動させた。
振動させている粒子Aに対して、無水エタノールを1.2g/minで3g滴下し、実施例1の機能性成分担持粒子を作製した。
その後、常圧に戻して、容器から取り出した実施例1の機能性成分担持粒子を60℃、-0.1MPaで乾燥した。
【0079】
(実施例2)
[混合工程]
無水エタノール69gにアセトアミノフェン11.2gを溶解させた。
32oz容器にシリカ粒子(製品名「クロマトレックスPSQ100B」、富士シリシア社製)125gを入れた。
容器内部を真空ポンプで413.23hPaとし、低周波共振音響ミキサーを用い、加速度60~70Gでシリカ粒子を振動させた。
振動させているシリカ粒子に対し、調製したアセトアミノフェン溶液を1.2g/minで滴下した。
その後、常圧に戻して、容器から実施例2の機能性成分担持粒子を取り出した。
【0080】
[機能性成分担持粒子中の機能性成分の分散性の評価]
以下に示す測定条件で、ラマン分光法により、実施例1及び2の機能性成分担持粒子中の機能性成分の分散性を評価した。その結果のラマンイメージング画像を
図1及び2に示した。
≪測定条件≫
顕微レーザーラマン分光測定装置 LabRAM HR Evolution(堀場製作所社製)
対物レンズ:50倍長焦点
励起波長:532nm
グレーティング:150
露光時間:1秒
積算回数:2回
測定範囲:200~4000cm
-1
【0081】
図1及び2に示す通り、実施例1及び2の機能性成分担持粒子は、機能性成分がキャリア粒子の内部まで均一に含浸していることが確認できた。
したがって、本実施形態の機能性成分担持粒子の製造方法によれば、機能性成分をキャリア粒子の内部まで均一に含浸できることが確認できた。