(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081940
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 3/52 20060101AFI20240612BHJP
【FI】
H02K3/52 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195546
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】峰松 泰浩
(72)【発明者】
【氏名】田村 葉子
(72)【発明者】
【氏名】文字山 竜
【テーマコード(参考)】
5H604
【Fターム(参考)】
5H604BB01
5H604BB10
5H604BB14
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC16
5H604QB04
5H604QB14
(57)【要約】
【課題】軸方向におけるサイズを小型にすることができるモータを提供する。
【解決手段】モータは、複数のコイルを有するステータと、複数のバスバーと、前記複数のバスバーを保持するホルダと、を備える。前記コイルから引き出された引出線は、前記ホルダの孔部を通過して、前記バスバーに接続している。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコイルを有するステータと、
複数のバスバーと、
前記複数のバスバーを保持するホルダと、
を備え、
前記コイルから引き出された引出線は、前記ホルダの孔部を通過して、前記バスバーに接続している、
モータ。
【請求項2】
前記コイルから引き出された前記引出線における前記孔部を通過する第1部分と、前記引出線における前記バスバーに接続される第2部分とが、軸方向に並んで配置される、
請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記ホルダの径方向において、複数のバスバーは並んで配置されており、
前記複数のバスバーのうち、第1のバスバーの一部分は第2のバスバーに向かって延在している、
請求項1または2に記載のモータ。
【請求項4】
前記ホルダは、複数のバスバーを収容する複数の開口部を備えており、
前記バスバーには係合部が設けられており、
前記係合部は、前記ホルダの前記開口部の内面に係合している、
請求項1または2に記載のモータ。
【請求項5】
前記複数のバスバーは、外部装置と電気的に接続する複数の端子を備え、
前記ホルダは、当該ホルダの径方向において、内周縁と、外周縁と、を備え、
前記複数の端子は、前記径方向において、前記内周縁と前記外周縁との間に配置されている、
請求項1または2に記載のモータ。
【請求項6】
前記複数のコイルのうち、同一の相を構成する2以上の前記コイルは並列に接続され、
前記複数のバスバーは、
前記同一の相を構成するコイルと他の相を構成するコイルとを電気的に接続する第1のバスバーと、
前記同一の相を構成する2以上の前記コイルを電気的に接続する第2のバスバーと、
を備え、
前記第2のバスバーの断面積は、前記第1のバスバーの断面積よりも小さい、
請求項1または2に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータの巻線と、外部リード線とを接続するリードフレームを有するモールド端子台が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
リードフレームは、いわゆるバスバーであって、導電性の材料で、周方向に延在するように形成される。また、モールド端子台は、リードフレームを保持する絶縁性のホルダを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したモータには、シャフトが延びる軸方向におけるモータのサイズを小型にすることに関して改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑み、軸方向におけるサイズを小型にすることができるモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るモータは、複数のコイルを有するステータと、複数のバスバーと、前記複数のバスバーを保持するホルダと、を備え、前記コイルから引き出された引出線は、前記ホルダの孔部を通過して、前記バスバーに接続している。
【0008】
一つの態様によれば、本発明に係るモータは、軸方向におけるモータのサイズを小型にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るモータの平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すモータが備えるステータの斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すモータが備えるバスバーの斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1に示すモータが備えるホルダの平面図である。
【
図9】
図9は、
図4に示すモータにおいて、コイルの引出線とバスバーの接続部との接続を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、
図9に示す引出線と接続部との接続を、軸方向の一方側から視た斜視図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態に係るモータの斜視図である。
【
図15】
図15は、第2実施形態の第1変形例に係るモータの一部を示す斜視図である。
【
図16】
図16は、第3実施形態に係るモータが備えるステータの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
以下に、実施形態に係るモータを図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0011】
図1は、第1実施形態に係るモータ1の平面図である。
図2は、
図1に示すモータ1が備えるステータ4の斜視図である。
図3は、
図1に示すモータ1が備えるバスバー5の斜視図である。
図4は、
図1に示すモータ1の斜視図である。
図5は、
図1に示すモータ1が備えるホルダ7の平面図である。
図6は、
図3の矢視B-Bにおける端面図である。
図7は、
図1に示すステータ4の一部の回路図である。
図8は、
図4に示すモータ1の一部を示す斜視図である。
図9は、
図4に示すモータ1において、コイル43の引出線43bとバスバー5の接続部52bとの接続を示す斜視図である。
図10は、
図9に示す引出線43bと接続部52bとの接続を、軸方向Aの一方側から視た斜視図である。なお、
図2~
図10において、ロータ3の図示を省略している。また、
図4、
図8、
図9および
図10において、説明の便宜のため、ホルダ7の軸方向Aの一方側を覆うカバー6を省略してある。また、
図2で示すステータ4において、説明の便宜のため、コア40の一部を省略し、複数のティース41にうち一部のティース41の一部を省略してあり、複数のインシュレータ42のうち、一部のインシュレータ42を省略してあり、かつ、複数のコイル43のうち、一部のコイル43を省略してある。さらに、
図9、
図10において、説明の便宜のため、複数のバスバー5のうち一部のバスバー5を省略してある。
【0012】
第1実施形態に係るモータ1の説明において、方向の理解を容易にするため、後述するシャフト2が延びる方向を軸方向Aと呼び、後述するロータ3が回転する方向を周方向Cと呼び、軸方向Aに対して直交する平面に含まれ、かつ、シャフト2の軸心2oを通過し、周方向Cに対して直交する方向を径方向Rと呼ぶ。
【0013】
第1実施形態に係る
図1に示すモータ1は、軸方向Aから視た場合、ロータ3を基準とすると、ロータ3の径方向Rの外側にステータ4が位置する一方、ロータ3の径方向Rの内側にシャフト2が位置するインナーロータ型である。第1実施形態に係るモータ1は、例えば、三相交流電源に対して電気的に接続される三相モータ(DCモータ)である。
【0014】
第1実施形態に係るモータ1は、例えば電源からの電気エネルギーを、シャフト2の周方向Cへ回転する駆動力に変換する電動機である。モータ1は、例えば、図示しないフレームに収容される。
【0015】
モータ1は、例えば
図1に示すように、シャフト2と、ロータ3と、ステータ4と、バスバー5と、カバー6と、ホルダ7と、を備える。シャフト2は、いわゆる回転軸であって、例えば、金属部材で軸方向Aに沿って延びる円柱状に形成される。シャフト2は、軸心2oを有し、かつ、軸心2oを中心に回転可能に設けられる。シャフト2は、周方向Cに回転することで動力を外部に伝達する。
【0016】
ロータ3は、シャフト2の軸心2oを中心に回転可能に設けられる。また、本実施形態に係るモータ1は、シャフト2とロータ3とを一体として形成してある。
【0017】
ロータ3は、例えば、径方向Rにおいてステータ4の内側(シャフト2側)に配置される。つまり、このモータ1は、ステータ4の径方向Rの内側にロータ3が位置するインナーロータ型のブラシレスモータである。
【0018】
ロータ3は、ヨーク31と、複数のマグネット32と、を有する。ヨーク31は、例えば鉄等の磁性材料で形成される。
【0019】
マグネット32は、例えば、永久磁石によって構成される。複数のマグネット32は、例えば、周方向Cに沿って等間隔に並べられる。本実施形態に係るロータ3は、例えば、14個のマグネット32を備える。
【0020】
ステータ4は、ロータ3を周方向Cへ回転させるための力を発生させる部分である。ステータ4は、
図2に示すように、例えば、1つのコア40と、複数のティース41と、複数のインシュレータ42と、複数のコイル43と、を備える。
【0021】
コア40は、例えば、ケイ素鋼板、電磁鋼板、軟磁性鋼板等の板状の金属部材を軸方向Aへ積層することによって形成され、磁性を有する。コア40は、軸方向Aから視た場合、環状に形成される(
図2参照)。また、本実施形態に係るステータ4は、コア40とティース41とを一体に形成してある。
【0022】
ティース41のそれぞれは、径方向Rにおいて、コア40の内周面からロータ3側へ突出するように形成される。本実施形態に係るステータ4は、例えば、18個のティース41を備える。
【0023】
インシュレータ42は、例えば、絶縁性の樹脂等により形成されてティース41の表面に装着され、ティース41とコイル43との間の絶縁性を確保する。本実施形態に係るステータ4は、例えば、18個のインシュレータ42を備える。
【0024】
コイル43は、例えば、インシュレータ42を介してティース41に巻線を巻き回して形成される。巻線は、導電性の芯線(不図示)と、芯線の周囲を被覆する絶縁性の被覆部(不図示)と、を有する。
【0025】
本実施形態に係るコイル43は、ティース41に巻線を巻き回すことで形成される。巻線は、ティース41に巻き回された部分43aと、両端部に位置してティース41から引き出された引出線43bとを有する。引出線43bは、例えば不図示の電源に対して電気的に接続される。つまり、コイル43は、電源(不図示)に対して電気的に接続される。また、本実施形態に係る引出線43bの一部は、後述するように、軸方向Aに沿って直線状に延びるように配置される。本実施形態に係るステータ4は、例えば、18個のコイル43を有する。
【0026】
ステータ4は、例えば、モータ1のU相を構成する複数の第1コイル43Uと、モータ1のV相を構成する複数の第2コイル43Vと、モータ1のW相を構成する複数の第3コイル43Wと、を含む。
図7に示すように、モータ1のU相は、例えば、複数(本実施形態では6個)の第1コイル43Uを直列に接続して形成される。モータ1のV相は、例えば、複数(本実施形態では6個)の第2コイル43Vを直列に接続して形成される。モータ1のW相は、例えば、複数(本実施形態では6個)の第3コイル43Wを直列に接続して形成される。そして、モータ1のU相と、V相と、W相とは、例えばデルタ結線で電気的に接続される。また、これらのコイル43に接続される不図示の交流電源は、例えばデルタ結線で電気的に接続される。
【0027】
バスバー5は、例えば、導電性を有する金属によって形成される。バスバー5は、あるコイル43と別のコイル43とを電気的に接続する。本実施形態に係るバスバー5は、例えば、複数のコイル43(例えば、複数のコイル43の両端部)のそれぞれに対して電気的に接続される。また、本実施形態に係るモータ1は、
図3に示すように、複数のバスバー5を有する。より具体的に説明すると、本実施形態に係るモータ1は、径方向Rの内側に位置する第1のバスバー51と、第1のバスバー51に対して径方向Rの外側に位置する第2のバスバー52と、を有する。言い換えると、本実施形態に係るモータ1において、複数のバスバー5は、ホルダ7の径方向Rにおいて並んで配置される。本実施形態に係るモータ1は、第1のバスバー51を3個有し、第2のバスバー52を12個有する。
【0028】
第1のバスバー51は、U相を構成する第1コイル43U、V相を構成する第2コイル43V、W相を構成する第3コイル43Wのうち、1つの相を構成するコイル43と、別の1つの相を構成するコイル43とを電気的に接続する。つまり、第1のバスバー51は、異なる2つの相それぞれを構成するコイル43を電気的に接続する。より具体的に説明すると、第1のバスバー51は、U相を構成する第1コイル43Uと、V相を構成する第2コイル43Vとを電気的に接続する。また、別の第1のバスバー51は、V相を構成する第2コイル43Vと、W相を構成する第3コイル43Wとを電気的に接続する。さらに別の第1のバスバー51は、W相を構成する第3コイル43Wと、U相を構成する第1コイル43Uと、を電気的に接続する。第1のバスバー51は、ホルダ7に形成された溝部72に挿入される本体51aと、本体51aから軸方向Aの一方側へ向けて突出し、引出線43bに対して電気的に接続される接続部51bと、を有する。
【0029】
本体51aは、薄い板状に形成される。このような本体51aは、第1部分51a1と、第2部分51a2と、第3部分51a3と、を有する。
【0030】
第1部分51a1は、径方向Rの最も内側に位置し、かつ、溝部72の内部において周方向Cに延びる弧状に形成される部分である。第2部分51a2は、第1部分51a1に対して、径方向Rの外側に位置し、かつ、溝部72の内部において周方向Cに延びる弧状に形成される部分である。第3部分51a3は、溝部72の内部において径方向Rに延びるように直線状に形成され、第1部分51a1と第2部分51a2とを連結する部分である。
【0031】
接続部51bは、溝部72の内部から、ホルダ7における本体71の表面よりも軸方向Aの一方側に突出する。このような接続部51bは、本体51aから軸方向Aの一方側に延びる端部51b1と、端部51b1における先端部分から折れ曲がる湾曲部51b2と、湾曲部51b2の先端部分から軸方向Aの反対側に延びる第1部分51b3と、端部51b1および第1部分51b3に設けられ、径方向Rにおいて対向する一対の平面部(プレート)51b4と、を有する。
【0032】
一対の平面部51b4の間には、引出線43bが配置され、かつ、一対の平面部51b4のそれぞれに引出線43bが例えば溶着(例:超音波溶着)又は溶接(例:抵抗溶接)することによって電気的に接続されている。
【0033】
第2のバスバー52は、同一の相を構成する複数のコイル43同士を直列に接続する。この第2のバスバー52は、例えば、各相を構成する複数のコイル43を直列に接続する。より具体的に説明すると、U相を構成する6つの第1コイル31Uを直列に接続する。また、第2のバスバー52は、V相を構成する6つの第2コイル31Vを直列に接続する。さらに、第2のバスバー52は、W相を構成する6つの第3コイル31Wを直列に接続する。第2のバスバー52は、ホルダ7に形成された溝部72に挿入される本体52aと、本体52aから軸方向Aの一方側へ向けて突出し、引出線43bに対して電気的に接続される接続部52bと、を有する。
【0034】
本体52aは、溝部72の内部において、周方向Cへ延びるように薄い板状に形成される。接続部52bは、本体52b1と、湾曲部52b2と、第1部分52b3と、一対の平面部52b4と、を有するが、接続部52bの形状は、接続部51bの形状と同一であるため、説明を省略する。
【0035】
第1のバスバー51は、本体51aにおける断面積S1を有する。
図6に示すように、この第1のバスバー51の本体51aの断面積S1は、径方向Rにおける長さ51W(以下、幅方向における長さと称呼する)と、軸方向Aにおける長さ51Lの積で表される。同様に、第2のバスバー52の本体52aは、断面積S2を有する。この第2のバスバー52の本体52aの断面積S2は、径方向Rにおける長さ52W(以下、幅方向における長さと称呼する)と、軸方向Aにおける長さ52Lの積で表される。本実施形態に係る第1のバスバー51の断面積S1は、第2のバスバー52Cの断面積S2と同一である。また、第1のバスバー51に流れる電流の大きさは、第2のバスバー52に流れる電流の大きさと同一である。
【0036】
本実施形態では、第1のバスバー51の軸方向Aの長さ51Lは、第2のバスバー52の軸方向Aの長さ52Lと同一である。その上、軸方向Aと直交するバスバー51、52の幅方向において、第1のバスバー51の幅方向の長さ51Wは、第2のバスバー52の幅方向の長さ52Wと同一である(
図5参照)。つまり、本実施形態では、第1のバスバー51の軸方向Aに直交する幅方向の断面積51Sと、第2のバスバー52の軸方向Aに直交する幅方向の断面積52Sとは、同一である。
【0037】
カバー6は、例えば、絶縁性を有する樹脂によって形成される。本実施形態に係るカバー6は、
図1に示すように、軸方向Aから視た場合、環状に形成され、ホルダ7の軸方向Aの一方側を覆い、かつ、複数のバスバー5の軸方向Aの一方側を覆う。また、カバー6は、本体61と、本体61に形成された複数の第1孔部62と、を有する。
【0038】
第1孔部62は、軸方向Aにおいて本体61を貫通する。そして、軸方向Aにおいて、第1孔部62から引出線43bが引き出され、かつ、第1孔部62から接続部51b、52bが突出する。
【0039】
ホルダ7は、
図4に示すように、ステータ4に対して軸方向Aの一方側からステータ4を覆うように配置される。このようなホルダ7は、例えば、絶縁性を有する樹脂によって、
図5に示すように、軸方向Aから視た場合、環状に形成され、径方向Rの最も内側に位置する内周縁7iと、径方向Rの最も外側に位置する外周縁7oと、を有する。また、ホルダ7は、本体71と、本体71における軸方向Aの一方側の表面に形成された溝部72と、本体71に形成された複数の孔部73と、を有する。
【0040】
溝部72は、
図9に示すように、本体71における軸方向Aの一方側の表面から他方側への裏面へ向けて凹むように形成され、かつ、
図8に示すように、バスバー5の本体51a、52aを収容可能に形成される。このような溝部72は、
図5に示すように、ホルダ7に複数形成される。より具体的に説明すると、複数の溝部72は、第1のバスバー51を保持する第1の溝部721と、第2のバスバー52を保持する第2の溝部722と、を有する。つまり、本実施形態に係るホルダ7は、複数のバスバー5を保持する。
【0041】
第1の溝部721は、第1部分721aと、第2部分721bと、第3部分721cと、を有する。第1部分721aは、径方向Rの最も内側に位置し、かつ、周方向Cに延びる弧状に形成される部分である。第2部分721bは、第1部分721aに対して、径方向Rの外側に位置し、かつ、周方向Cに延びる弧状に形成される部分である。第3部分721cは、径方向Rに延びるように直線状に形成され、第1部分721aと第2部分721bとを連結する部分である。
【0042】
第2の溝部722は、第1の溝部721における第2部分721bに対して、径方向Rの外側に位置し、かつ、周方向Cに延びる弧状に形成される。
【0043】
孔部73は、軸方向Aにおいて本体71を貫通する。孔部73は、本体71に複数、形成される。複数の孔部73のうち、一部の孔部73は、溝部72における周方向Cの端部に配置され、残りの孔部73は、溝部72における周方向Cの途中に配置される。
【0044】
孔部73は、軸方向Aから視た場合、湾曲した内面を有する第1部分731と、複数のコーナーを有する内面を備える第2部分732と、を有するように形成される。本実施形態に係る孔部73は、第2部分732に対して第1部分731が径方向Rの外側に位置する。
【0045】
また、複数の孔部73は、第1孔部73aと、第2孔部73bと、第3孔部73cと、を有する。第1孔部73aは、径方向Rの内周縁7i側に位置する。第2孔部73bは、径方向Rの外周縁7o側に位置する。第3孔部73cは、径方向Rにおいて外周縁7oと内周縁7iとの間に位置する。
【0046】
これらのような孔部73からは、
図9、
図10に示すように、コイル43の引出線43bが引き出される。つまり、巻線において、ティース41に巻き回された部分43aは、ホルダ7に対して軸方向Aの他方側に配置され、コイル43の引出線43bは、軸方向Aにおいて、孔部73を通してホルダ7の他方側から一方側へ引き出される。そして、軸方向Aの一方側において、孔部73から引き出されたコイル43の引出線43bは、バスバー5の接続部51b、52bに接続される。その上、コイル43から引き出された引出線43bにおける孔部73を通過する第1部分43b1と、引出線43bにおけるバスバー5に接続される第2部分43b2とが、軸方向Aに並んで配置される(
図9参照)。
【0047】
以上に説明したように、本実施形態に係るモータ1において、コイル43から引き出された引出線43bは、ホルダ7の孔部73を通過して、バスバー5に接続している。そのため、本実施形態に係るモータ1は、コイルの引出線がホルダを避けて配置される従来のモータと比べて、軸方向Aにおけるサイズを小型にすることができる。その上、本実施形態に係るモータ1は、径方向Rに延びる接続端子を設ける従来のモータと比べて、径方向Rにおけるサイズを小型にすることができる。
【0048】
本実施形態に係る引出線43bは、孔部73を通過する第1部分43b1と、バスバー5に接続される第2部分43b2とが、軸方向Aに並んで配置される。そのため、本実施形態に係るモータ1は、引出線43bが弛むことを防止し、引出線43bが無駄に長くなることを抑制することができる。
【0049】
なお、上述した実施形態に係るモータ1は、第1のバスバー51を3個有し、第2のバスバー52を12個有するものを説明した。しかし、本実施形態に係る第1のバスバー51および第2のバスバー52の数は、それらに限られず、任意の個数に設定することができる。
【0050】
また、上述した実施形態に係るステータ4は、18個のティース41を備えるものを説明した。しかし、本実施形態に係るステータ4のティース41の数は、それに限られず、任意の個数に設定することができる。
【0051】
さらに、上述した実施形態に係るステータ4は、18個のコイル43を備えるものを説明した。しかし、本実施形態に係るステータ4のコイル43の数は、それに限られず、任意の個数に設定することができる。
【0052】
また、上述した実施形態に係るモータ1は、14個のマグネット32を備えるものを説明した。しかし、本実施形態に係るモータ1において、マグネット32の数は、それに限られず、任意の個数に設定することができる。
【0053】
さらに、上述した実施形態に係るモータ1は、接続部51b、52bと引出線42bとを超音波を用いた溶着又はヒュージングなどの溶接をすることによって電気的に接続するものを説明した。しかし、本発明に係るモータ1は、それに限られず、例えば溶着や溶接等とは異なる他の方法によって、接続部51b、52bと引出線42bとを電気的に接続してもよい。
【0054】
また、上述した実施形態に係るモータ1は、同一の相を構成するコイル43を6個、直列に接続するものを説明した。しかし、本実施形態に係るモータ1において、直列に接続されるコイル43の数は、6個に限られず任意の個数に設定することができる。
【0055】
さらに、上述した実施形態に係るモータ1は、第1のバスバー51が径方向Rの内側に配置され、第2のバスバー52が径方向Rの外側に配置されるものを説明した。しかし、本実施形態に係るモータ1において、第1のバスバー51および第2のバスバー52の配置はこれに限られない。例えば、第1のバスバー51が径方向Rの外側に配置され、第2のバスバー52が径方向Rの内側に配置されてもよい。もちろん、これに限られず、第1のバスバー51および第2のバスバー52のいずれか一方を径方向の外側に配置し、かつ、他方を径方向の内側に配置することなく、両者を混在させて配置してもよい。
【0056】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るモータ1Aに関して
図11、
図12、
図13、
図14を用いて説明する。
図11は、第2実施形態に係るモータ1Aの斜視図である。
図12は、
図11に示すモータ1Aが備えるバスバー5Aの斜視図である。
図13は、
図11に示すモータ1Aの一部を示す斜視図である。
図14は、
図11に示すモータ1Aの別の一部を示す斜視図である。なお、第2実施形態に係るモータ1Aの構成において、第1実施形態に係るモータ1と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。また、
図11および
図13において、説明の便宜のため、ホルダ7Aの軸方向Aの一方側を覆うカバー6を省略してある。さらに、
図11において、説明の便宜のため、複数の引出線43bのうち、一部の引出線43bの一部を短く記載してある。
【0057】
本実施形態に係るモータ1Aは、
図11に示すように、不図示のシャフト2およびロータ3と、ステータ4と、バスバー5Aと、不図示のカバー6と、ホルダ7Aと、を備える。
【0058】
第2実施形態に係るバスバー5Aは、第1実施形態に係るバスバー5と同様、
図12に示すように、径方向Rの内側に位置する第1のバスバー51Aと、第1のバスバー51Aに対して径方向Rの外側に位置する第2のバスバー52Aと、を有する。
【0059】
第1のバスバー51Aは、ホルダ7Aに形成された溝部72に挿入される本体51aと、本体51aから軸方向Aの一方側へ向けて突出する突出部(一部分)51cと、突出部51cの先端側に設けられ、引出線43bに対して電気的に接続される接続部51bと、を有する。
【0060】
本体51aは、第1実施形態に係る第1のバスバー51と同様、第1部分51a1と、第2部分51a2と、第3部分51a3と、を有する。
【0061】
突出部51cは、薄い板状に形成され、
図13に示すように、ホルダ7Aにおける本体71の表面よりも軸方向Aの一方側に突出する。そして、突出部51cは、以下のいずれかのように形成される。すなわち、突出部51cは、第1部分51a1から軸方向Aの一方側へ向けて延びた後、溝部72の外部において、径方向Rの外側へ向けて延び、第2部分51a2を超えて外周縁7o側へ向けて延び、径方向Rにおいて、第2のバスバー52と同じ位置まで延びる部分である。または、突出部51cは、第2部分51a2から軸方向Aの一方側へ向けて延びた後、溝部72の外部において、径方向Rの外側へ向けて延び、径方向Rにおいて、第2のバスバー52と同じ位置まで延びる部分である。つまり、第1のバスバー51Aは、径方向Rにおいて、第2のバスバー52Aに向かって延在する突出部(一部分)51cを有する。
【0062】
本実施形態に係る第1のバスバー51Aは、突出部51cの径方向Rの先端部分に接続部51bを設けてある。そして、突出部51cの先端部分に設けられた接続部51bの径方向Rの位置は、第2のバスバー52Aに設けられた接続部52bの径方向Rの位置と同一である。本実施形態に係るバスバー5Aは、径方向Rの最も外側に接続部51b、52bを配置してあり、かつ、周方向Cに沿って、第1のバスバー51Aの接続部51bと、第2のバスバー52Aの接続部52bとを並べて配置してある。
【0063】
本実施形態に係る接続部51bの形状は、第1実施形態に係る接続部51bの形状と同一であるため、説明を省略する。
【0064】
また、本実施形態に係る第1のバスバー51Aは、
図14に示すように、後述するホルダ7Aの開口部74に係合する係合部53が、本体51aに設けられる。
【0065】
係合部53は、例えば、第2部分51a2の周方向Cの途中に設けられる。そして係合部53は、例えば、第2部分51a2に対して、径方向Rの外側へ向けて突出する態様であって、弾性変形可能に形成される。
【0066】
このような係合部53を有する第1のバスバー51Aをホルダ7Aに組み付ける場合、第1のバスバー51Aをホルダ7Aに対して軸方向Aの一方側に配置する。この後、第1のバスバー51を軸方向Aの他方側に移動させる。この移動に伴い、ホルダ7Aの溝部72に係合部53を挿入して、係合部53を弾性変形させながら、係合部53を開口部74に挿入する。その後、係合部53が凹部(段差部741)を乗り越えると、係合部53が弾性変形から復元することで係合部53と段差部741とが係合し、第1のバスバー51がホルダ7Aに組み付けられる。
【0067】
本実施形態に係る第2のバスバー52Aの構成は、第1実施形態に係る第2のバスバー52の構成と同一であるため、説明を省略する。
【0068】
ホルダ7Aは、例えば、絶縁性を有する樹脂によって環状に形成され、内周縁7iと、外周縁7oと、を備える。ホルダ7Aは、本体71と、本体71における軸方向Aの一方側の表面に形成された溝部72と、本体71に形成された複数の孔部73と、バスバー5Aを収容する開口部74と、を有する。
【0069】
開口部74は、ホルダ7Aにおける本体71の軸方向Aの一方側の表面に形成された第1開口74o1と、本体71の軸方向Aの他方側の裏面に形成された第2開口74o2と、第1開口74o1および第2開口74o2にそれぞれ繋がる空間74sと、を有する。
【0070】
本実施形態に係る開口部74において、第1開口74o1における径方向Rの位置と、第2開口74o2における径方向Rの位置とがずれるように、第1開口74o1および第2開口74o2が配置され、かつ、空間74sには凹部(段差部741)が形成される。
【0071】
より具体的に説明すると、第1開口74o1を形成して径方向Rの外側に位置する第1面7411よりも、第2開口74o2を形成して径方向Rの外側に位置する第2面7421が、径方向Rの外側に配置されるため、開口部74の内部に位置する空間74sに段差部741が形成される。そして、段差部741は、バスバー5Aに設けられた係合部53に係合する被係合部として機能する。つまり、開口部74における径方向Rの外側に位置し、第1面7411および第2面7421によって形成される内面74fが、バスバー5Aの係合部53に係合する。
【0072】
本実施形態において、ホルダ7Aの径方向Rにおいて、複数のバスバー5Aは並んで配置されており、複数のバスバー5Aのうち、第1のバスバー51Aの突出部(一部分)51cは第2のバスバー52Aに向かって延在している。
【0073】
本実施形態に係るホルダ7Aは、複数のバスバー5を収容する複数の開口部74を備えている。バスバー5Aには係合部53が設けられており、係合部53は、ホルダ7Aの開口部74の内面74fに係合している。そのため、本実施形態に係るモータ1Aは、ホルダ7Aに対するバスバー5の組み立て作業を容易にすることができる。
【0074】
本実施形態に係る、突出部51cの先端部分に設けられた接続部51bの径方向Rの位置は、第2のバスバー52Aに設けられた接続部52bの径方向Rの位置と同一であり、バスバー5Aにおいて、これらの接続部51b、52bを径方向Rの最も外側に配置してある。そのため、接続部51b、52bに引出線43bを溶接する際、溶接の器具が、接続部51b、52bおよび引出線43bに届くことを容易にすることができ、これによって、固定の際の作業性を向上することができる。
【0075】
本実施形態に係るバスバー5Aは、周方向Cに沿って、第1のバスバー51Aの接続部51bと、第2のバスバー52Aの接続部52bとを並べて配置してある。そのため、径方向Rにおいて、第1のバスバー51Aの接続部51bの一部と、第2のバスバー52Aの接続部52bの一部とが重なることを防止することができる。そのため、本実施形態に係るバスバー5Aは、接続部51b、52b、に引出線43bを溶接する際において、接続対象でない他の接続部51b、52bが邪魔になることがない。その結果、本実施形態に係るバスバー5Aは、接続部51b、52bに引出線43bを溶接する際において、作業性が低下することを抑制することができる。
【0076】
なお、上述した実施形態に係るモータ1Aは、第1のバスバー51に係合部53を設け係合部53によって第1のバスバー51をホルダ7Aに取り付けるものを説明した。しかし、本実施形態に係るモータ1Aは、それに限られない。例えば、第2のバスバー52に係合部53を設け、係合部53によって第2のバスバー52をホルダ7Aに取り付けてもよい。
【0077】
[第2実施形態の第1変形例]
次に、第2実施形態の第1変形例に係るモータ1Bに関して
図15を用いて説明する。
図15は、第2実施形態の第1変形例に係るモータ1Bの一部を示す斜視図である。なお、第1変形例に係るモータ1Bの構成において、第1実施形態に係るモータ1の構成と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0078】
本実施形態に係るモータ1Bは、不図示のシャフト2およびロータ3と、ステータ4と、バスバー5Bと、カバー6Bと、ホルダ7と、を備える。バスバー5Bは、外部装置と電気的に接続する複数の端子55を備える。端子55は、例えば、第1のバスバー51Aにおいて、第2のバスバー52Aに向かって延在する突出部(一部分)51cの径方向Rの途中に設ける。
【0079】
本実施形態に係るカバー6Bは、本体61と、本体61に形成された複数の第1孔部62と、本体61に形成された複数の第2孔部63と、を有する。
【0080】
第2孔部63は、軸方向Aにおいて本体61を貫通する。そして、軸方向Aにおいて、第2孔部63からは、バスバー5Bの端子55が露出する。
【0081】
本実施形態に係る複数のバスバー5Bは、外部装置と電気的に接続する複数の端子55を備える。ホルダ7は、当該ホルダ7の径方向Rにおいて、内周縁7iと、外周縁7oと、を備える。複数の端子55は、径方向Rにおいて、内周縁7iと外周縁7oとの間に配置されている。
【0082】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るモータ1Cに関して
図16、
図17、
図18、
図19を用いて説明する。
図16は、第3実施形態に係るモータ1Cが備えるステータ4Cの斜視図である。
図17は、
図16に示すステータ4Cの一部の回路図である。
図18は、
図16に示すモータ1Cが備えるバスバー5Cの一部の斜視図である。
図19は、
図18の矢視D-Dにおける端面図である。なお、第3実施形態に係るモータ1Cの構成において、第1実施形態に係るモータ1と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0083】
本実施形態に係るモータ1Cは、例えば、三相交流電源に電気的に接続される三相モータ(DCモータ)である。ステータ4Cは、複数のコイル43Cを有する。ステータ4Cは、
図16に示すように、モータ1CのU相を構成する第1コイル43Uと、モータ1CのV相を構成する第2コイル43Vと、モータ1CのW相を構成する第3コイル43Wと、を含む。同一の相を形成するコイル43Cは、例えば、径方向Rにおいて対向するように配置される。
【0084】
図17に示すように、U相は、例えば、6個の第1コイル43Uで構成される。そして、3個の第1コイル43Uを直列接続し、かつ、直列接続された3個の第1コイル43Uを並列接続することでモータ1CのU相が構成される。なお、V相の構成およびW相の構成は、U相の構成と同一のため、説明を省略する。
【0085】
バスバー5Cは、あるコイル43Cと別のコイル43Cとを電気的に接続する。本実施形態に係るバスバー5Cは、複数のコイル43C(例えば、複数のコイル43Cの両端部)のそれぞれに対して電気的に接続される。また、バスバー5Cは、第1のバスバー51Cと、第2のバスバー52Cと、を有する。
【0086】
第1のバスバー51Cは、U相を構成する第1コイル43U、V相を構成する第2コイル43V、W相を構成する第3コイル43Wのうち、同一の相を構成するコイル43Cと、他の相を構成するコイル43Cとを電気的に接続する。つまり、第1のバスバー51Cは、異なる相それぞれを構成する2つのコイル43Cを電気的に接続する。より具体的に説明すると、第1のバスバー51Cは、U相を構成する第1コイル43Uと、V相を構成する第2コイル43Vとを電気的に接続する。また、別の第1のバスバー51Cは、V相を構成する第2コイル43Vと、W相を構成する第3コイル43Wとを電気的に接続する。さらに別の第1のバスバー51Cは、W相を構成する第3コイル43Wと、U相を構成する第1コイル43Uと、を電気的に接続する。
【0087】
また、第1のバスバー51Cは、後述する同一の相を構成するコイル43Cを3個、直列に接続することで形成されたコイル群43Mの2つを並列に接続する。つまり、本実施形態に係るモータ1CのU相は、コイル群43Mの2つを並列に接続することで構成される。また、モータ1CのV相は、コイル群43Mの2つを並列に接続することで構成される。さらに、モータ1CのW相は、コイル群43Mの2つを並列に接続することで構成される。そして、モータ1CのU相と、V相と、W相とは、例えばデルタ結線を構成している。また、デルタ結線を構成するこれらコイル43Cには、例えば交流電源が電気的に接続される。
【0088】
第1のバスバー51Cは、本体51aの断面積S1を有する。
図19に示すように、この第1のバスバー51Cの本体51aの断面積S1は、径方向Rにおける長さ51CW(以下、幅方向における長さと称呼する)と、軸方向Aにおける長さ51CLの積で表される。同様に、第2のバスバー52Cは、本体52aの断面積S2を有する。この第2のバスバー52Cの本体52aの断面積S2は、径方向Rにおける長さ52WC(以下、幅方向における長さと称呼する)と、軸方向Aにおける長さ52CLの積で表される。第1のバスバー51Cの断面積S1は、第2のバスバー52Cの断面積S2よりも大きい。より具体的に説明すると、第1のバスバー51Cの断面積S1は、例えば、第2のバスバー52Cの断面積S2の2倍である。また、第1のバスバー51Cに流れる電流の大きさは、第2のバスバー52Cに流れる電流の大きさよりも大きい。より具体的に説明すると、本実施形態では、第1のバスバー51Cに流れる電流は、第2のバスバー52Cに流れる電流の2倍である。
【0089】
第2のバスバー52Cは、同一の相を構成する複数のコイル43C同士を直列に接続する。この第2のバスバー52Cは、例えば、各相を構成する複数のコイル43Cを直列に接続する。より具体的に説明すると、U相を構成する3つの第1コイル31Uを直列に接続する。また、第2のバスバー52Cは、V相を構成する3つの第2コイル31Vを直列に接続する。さらに、第2のバスバー52Cは、W相を構成する3つの第3コイル31Wを直列に接続する。
【0090】
第2のバスバー52Cの断面積S2は、第1のバスバー51Cの断面積S1よりも小さい。より具体的に説明すると、第2のバスバー52Cの断面積S2は、例えば、第1のバスバー51Cの断面積S1の半分である。また、第2のバスバー52Cに流れる電流の大きさは、第1のバスバー51Cに流れる電流の大きさよりも小さい。より具体的に説明すると、本実施形態では、第2のバスバー52Cに流れる電流は、第1のバスバー51Cに流れる電流の半分である。
【0091】
本実施形態では、第1のバスバー51Cの軸方向Aの長さ51CLと、第2のバスバー52Cの軸方向Aの長さ52CLとが同一である。その上、軸方向Aと直交するバスバー51C、52Cの幅方向において、
図18に示すように、第1のバスバー51Cの幅方向の長さ51CWは、第2のバスバー52Cの幅方向の長さ52CWの2倍である。
【0092】
本実施形態に係るモータ1Cのステータ4Cは、複数のコイル43Cのうち、同一の相を構成する2以上のコイル43Cは並列に接続され、複数のバスバー5Cは、同一の相を構成するコイル43Cと、他の相を構成するコイル43Cとを電気的に接続する第1のバスバー51Cと、同一の相を構成する2以上のコイル43Cを電気的に接続する第2のバスバー52Cと、を備え、第2のバスバー52Cの断面積52Sは、第1のバスバー51Cの断面積51Sよりも小さい。そのため、バスバー5Cの小型化および軽量化を図ることができる。
【0093】
なお、上述した実施形態に係るモータ1Cは、同一の相を構成するコイル43Cを3個、直列に接続するものを説明した。しかし、本実施形態に係るモータ1Cにおいて、直列に接続されるコイル43Cの数は、3個に限られず任意の個数に設定することができる。
【0094】
また、上述した実施形態に係るモータ1Cの各相において、直列に接続された2つのコイル群43Mを並列に接続するものを説明した。しかし、本実施形態に係るモータ1Cにおいて、並列に接続されるコイル群43Mの数は、2つに限られず任意の個数に設定することができる。
【0095】
さらに、上述した実施形態において、モータ1CのU相と、V相と、W相とがデルタ結線されるものを説明した。しかし、本実施形態に係るモータ1Cはそれに限られない。例えば、モータ1CのU相と、V相と、W相とをスター結線してもよい。
【0096】
また、上述した実施形態において、複数のコイル43Cに接続される不図示の交流電源がデルタ結線された複数のコイル43Cに電気的に接続されるものを説明した。しかし、本実施形態に係る複数のコイル43Cに接続される交流電源はそれに限られない。例えば、複数の交流電源をスター結線された複数のコイル43Cに電気的に接続してもよい。
【0097】
なお、上述した第1実施形態に係るモータ1、第2実施形態に係るモータ1A、第2実施形態の第1変形例に係るモータ1B、第3実施形態に係るモータ1Cは、インナーロータ型のものを説明した。しかし、本実施形態および変形例に係るモータ1、1A、1B、1Cは、それに限られない。例えば、本実施形態および変形例に係るモータ1、1A、1B、1Cは、軸方向Aから視た場合、ロータ3の径方向Rの内側にステータ4が位置するアウターロータ側のものに適用することができる。
【0098】
以上、本発明に係るモータ1、1A、1B、1Cの実施形態および変形例に基づいて説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更が可能であることも言うまでもない。上述した各実施形態または変形例の構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。そのような要旨を逸脱しない範囲での種々の変更を行ったものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0099】
1、1A、1B、1C モータ、 2 シャフト、 3 ロータ、 4、4C ステータ、 43、43C コイル、 43b 引出線、 43b1 第1部分、 43b2 第2部分、 5、5A、5B、5C バスバー、 51、51A、51C 第1のバスバー、 51b 接続部、 51c 突出部(一部分)、 52、52A、52C 第2のバスバー、 52b 接続部、 53 係合部、 55 端子、 7 ホルダ、 7i 内周縁、 7o 外周縁、 73 孔部、 74 開口部、 74f 内面、 A 軸方向、 R 径方向