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特開2024-81950処理装置、処理システム、処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081950
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】処理装置、処理システム、処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20240612BHJP
   G08B 15/00 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
G08B25/04 E
G08B15/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195564
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】川上 和也
【テーマコード(参考)】
5C084
5C087
【Fターム(参考)】
5C084AA02
5C084AA08
5C084CC19
5C084EE01
5C084EE02
5C084HH02
5C084HH03
5C084HH08
5C084HH10
5C084HH13
5C087AA11
5C087AA19
5C087AA32
5C087AA37
5C087AA44
5C087DD24
5C087DD31
5C087EE08
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5C087GG84
(57)【要約】
【課題】監視対象人物が禁止施設にいることを検出する。
【解決手段】本発明は、監視対象人物の位置情報を取得する取得部11と、監視対象人物毎に禁止施設を登録した登録情報と、上記位置情報とに基づき、監視対象人物が禁止施設にいるか否かを判定する判定部12と、監視対象人物が禁止施設にいると判定された場合、所定の処理を実行する処理部13と、を有する処理装置10を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象人物の位置情報を取得する取得手段と、
前記監視対象人物毎に禁止施設を登録した登録情報と、前記位置情報とに基づき、前記監視対象人物が前記禁止施設にいるか否かを判定する判定手段と、
前記監視対象人物が前記禁止施設にいると判定された場合、所定の処理を実行する処理手段と、
を有する処理装置。
【請求項2】
前記登録情報は、さらに、前記監視対象人物毎に移動可能範囲を登録しており、
前記判定手段は、さらに、前記監視対象人物が前記移動可能範囲内にいるか否かを判定する請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記登録情報は、前記監視対象人物毎に、前記移動可能範囲と、前記移動可能範囲内に存在する前記禁止施設とを登録し、
前記判定手段は、
前記監視対象人物が前記移動可能範囲内にいるか否かを判定し、さらに、
前記監視対象人物が前記移動可能範囲内に存在する前記禁止施設にいるか否かを判定する請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記禁止施設は、前記監視対象人物の属性に基づき決定された施設である請求項1に記載の処理装置。
【請求項5】
前記処理手段は、前記所定の処理として、前記禁止施設の内部又は周辺を撮影した画像を取得し、前記画像に基づく本人認証処理で、前記監視対象人物が前記禁止施設にいるか否かを判定する処理を実行する請求項1に記載の処理装置。
【請求項6】
前記本人認証処理では、人物のカメラ画像、カメラ画像から復元された人物の3次元形状を示す画像、人物の歩容の特徴量、人物の体格の特徴量、人物の顔の特徴量、及び人物の虹彩の特徴量の中の少なくとも1つが利用される請求項5に記載の処理装置。
【請求項7】
前記処理手段は、前記所定の処理として、前記禁止施設にいると判定された前記監視対象人物の行動内容を特定する処理を実行する請求項1から6のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項8】
監視対象人物が携帯する位置情報取得装置と、
前記位置情報取得装置から前記監視対象人物の位置情報を取得する請求項1に記載の処理装置と、
を有する処理システム。
【請求項9】
1つ以上のコンピュータが、
監視対象人物の位置情報を取得し、
前記監視対象人物毎に禁止施設を登録した登録情報と、前記位置情報とに基づき、前記監視対象人物が前記禁止施設にいるか否かを判定し、
前記監視対象人物が前記禁止施設にいると判定された場合、所定の処理を実行する、
処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、
監視対象人物の位置情報を取得する取得手段、
前記監視対象人物毎に禁止施設を登録した登録情報と、前記位置情報とに基づき、前記監視対象人物が前記禁止施設にいるか否かを判定する判定手段、
前記監視対象人物が前記禁止施設にいると判定された場合、所定の処理を実行する処理手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理システム、処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1乃至5は、本発明に関連する技術を開示している。
【0003】
特許文献1に開示の技術は、携帯端末のGPS(Global Positioning System)を利用して、所定の監視カメラと所定位置関係にいるユーザを特定する。そして、当該技術は、特定したユーザの画像特徴情報を用いて、その監視カメラが生成した画像内でそのユーザを特定する。
【0004】
特許文献2に開示の技術は、監視カメラが生成した画像に基づき監視エリアに人が侵入したか否かを判定する。そして、当該技術は、監視エリアに人が侵入したと判定した場合、通報処理を行ったり、予め記憶されている識別情報と照合してその人物を特定したりする。
【0005】
特許文献3に開示の技術は、センサで検知エリア内における侵入者を検知する。そして、当該技術は、検知エリア内で侵入者を検知した後にカメラによりその侵入者を撮影する。
【0006】
特許文献4に開示の技術は、監視カメラで進入者を撮影する。監視カメラは、進入検知センサが通過者の進入を検知したタイミングで撮影を行う。
【0007】
特許文献5に開示の技術は、監視カメラが生成した画像に基づき侵入者を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2016-122300号公報
【特許文献2】特開2011-145839号公報
【特許文献3】特開2004-228649号公報
【特許文献4】特開2011-28357号公報
【特許文献5】国際公開第2020/213058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
所定の施設への訪問や所定の商品の購入を禁止される人物がいる。そこで、監視対象人物が禁止施設にいることを検出する技術が望まれている。禁止施設は、監視対象人物の訪問が禁止されている施設や、監視対象人物による購入が禁止されている商品を販売する店舗等である。
【0010】
特許文献1に開示の技術は、所定の監視カメラと所定位置関係にいるユーザを特定することはできる。また、特許文献2乃至5に開示の技術は、所定のエリアに侵入した侵入者を検知することはできる。しかし、特許文献1乃至5に開示の技術は、監視対象人物が禁止施設にいることを検出することはできない。禁止施設は、監視対象人物毎に異なる。特許文献1乃至5に開示の技術は、各監視対象人物の禁止施設を特定する手段を備えない。
【0011】
本発明の目的の一例は、上述した問題を鑑み、監視対象人物が禁止施設にいることを検出するという課題を解決する処理装置、処理システム、処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によれば、
監視対象人物の位置情報を取得する取得手段と、
前記監視対象人物毎に禁止施設を登録した登録情報と、前記位置情報とに基づき、前記監視対象人物が前記禁止施設にいるか否かを判定する判定手段と、
前記監視対象人物が前記禁止施設にいると判定された場合、所定の処理を実行する処理手段と、
を有する処理装置が提供される。
【0013】
また、本発明の一態様によれば、
監視対象人物が携帯する位置情報取得装置と、
前記位置情報取得装置から前記監視対象人物の位置情報を取得する請求項1に記載の処理装置と、
を有する処理システムが提供される。
【0014】
また、本発明の一態様によれば、
1つ以上のコンピュータが、
監視対象人物の位置情報を取得し、
前記監視対象人物毎に禁止施設を登録した登録情報と、前記位置情報とに基づき、前記監視対象人物が前記禁止施設にいるか否かを判定し、
前記監視対象人物が前記禁止施設にいると判定された場合、所定の処理を実行する、
処理方法が提供される。
【0015】
また、本発明の一態様によれば、
コンピュータを、
監視対象人物の位置情報を取得する取得手段、
前記監視対象人物毎に禁止施設を登録した登録情報と、前記位置情報とに基づき、前記監視対象人物が前記禁止施設にいるか否かを判定する判定手段、
前記監視対象人物が前記禁止施設にいると判定された場合、所定の処理を実行する処理手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、監視対象人物が禁止施設にいることを検出するという課題を解決する処理装置、処理システム、処理方法、及びプログラムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
上述した目的及びその他の目的、特徴及び利点は、以下に述べる公的な実施の形態、及びそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0018】
図1】処理装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
図2】処理システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図3】処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図4】処理装置が処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図5】処理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】処理装置が処理する情報の他の一例を模式的に示す図である。
図7】3次元形状画像の一例を示す図である。
図8】処理装置の処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。
図9】処理装置が処理する情報の他の一例を模式的に示す図である。
図10】処理装置の処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、全ての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0020】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る処理装置10の概要を示す機能ブロック図である。処理装置10は、取得部11と、判定部12と、処理部13とを有する。
【0021】
取得部11は、監視対象人物の位置情報を取得する。判定部12は、監視対象人物毎に禁止施設を登録した登録情報と、取得部11が取得した位置情報とに基づき、監視対象人物が禁止施設にいるか否かを判定する。処理部13は、監視対象人物が禁止施設にいると判定された場合、所定の処理を実行する。
【0022】
このように、本実施形態の処理装置10は、監視対象人物毎に禁止施設を登録した登録情報と、監視対象人物の位置情報とに基づき、監視対象人物が禁止施設にいるか否かを判定する。このような処理装置10によれば、監視対象人物が禁止施設にいることを検出するという課題が解決される。
【0023】
<第2の実施形態>
「概要」
本実施形態の処理装置10は、第1の実施形態の処理装置10と同様に、監視対象人物毎に禁止施設を登録した登録情報と、監視対象人物の位置情報とに基づき、監視対象人物が禁止施設にいるか否かを判定する。本実施形態では、その処理が具体化される。以下、詳細に説明する。
【0024】
「処理システム1の構成」
図2に、本実施形態の処理システム1の機能ブロック図を示す。図示するように、処理システム1は、処理装置10と、位置情報取得装置20とを有する。
【0025】
位置情報取得装置20は、各監視対象人物の位置情報を取得し、処理装置10に送信する装置である。処理装置10は、位置情報取得装置20から取得した位置情報に基づき、各監視対象人物が禁止施設にいるか判定する装置である。以下、これらの装置の構成を詳細に説明する。
【0026】
「位置情報取得装置20の構成」
位置情報取得装置20は、複数の監視対象人物各々が携帯する装置である。位置情報取得装置20は、スマートフォン、スマートウォッチ、携帯電話等の汎用装置であってもよい。その他、位置情報取得装置20は、監視対象人物の監視用に生成された専用の装置であってもよい。位置情報取得装置20は、ウェアラブル端末であってもよい。
【0027】
位置情報取得装置20は、少なくとも、位置情報取得機能と、通信機能とを有する。
【0028】
位置情報取得機能は、位置情報取得装置20の現在位置を示す位置情報を取得する機能である。位置情報取得機能は、例えばGPSを利用して位置情報を取得してもよい。また、位置情報取得機能は、周知のその他の技術を利用して位置情報を取得してもよい。
【0029】
通信機能は、処理装置10に位置情報を送信する機能である。通信機能は、多くのユーザが利用する一般的な通信回線を利用して通信する機能であってもよい。その他、通信機能は、専用回線を利用して通信する機能であってもよい。
【0030】
位置情報取得装置20は、位置情報取得機能及び通信機能を利用し、自装置の現在位置を示す位置情報を処理装置10に送信する。位置情報取得装置20は、所定時間毎に、自装置の現在位置を示す位置情報を処理装置10に送信することができる。例えば、位置情報取得装置20は、数秒毎又は数分毎に、自装置の現在位置を示す位置情報を処理装置10に送信する。
【0031】
「処理装置10の構成」
-ハードウエア構成-
処理装置10のハードウエア構成の一例を説明する。処理装置10の各機能部は、ハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。その実現方法にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。ソフトウエアは、予め装置を出荷する段階から格納されているプログラムや、CD(Compact Disc)等の記録媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラム等を含む。
【0032】
図3は、処理装置10のハードウエア構成を例示するブロック図である。図3に示すように、処理装置10は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。処理装置10は周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、処理装置10は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。この場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0033】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ、カメラ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。また、入出力インターフェイス3Aはインターネット等の通信ネットワークに接続するためのインターフェイスを含むことができる。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク、物理ボタン、タッチパネル等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0034】
-機能構成-
図1は、第2の実施形態に係る処理装置10の概要を示す機能ブロック図である。処理装置10は、取得部11と、判定部12と、処理部13とを有する。
【0035】
取得部11は、監視対象人物の位置情報を取得する。
【0036】
「監視対象人物」は、禁止施設に行っていないか監視主体により監視される人物である。
【0037】
「禁止施設」は、例えば監視対象人物の訪問が禁止されている施設や、監視対象人物による購入が禁止されている商品を販売する店舗等である。禁止施設は監視対象人物毎に異なり得る。各監視対象人物の禁止施設は、各監視対象人物の属性に基づき決定される。監視対象人物の属性は、例えば犯罪歴、病歴等である。
【0038】
「監視対象人物の位置情報」は、監視対象人物の現在位置を示す情報である。取得部11は、複数の監視対象人物各々が携帯している位置情報取得装置20から、各監視対象人物の位置情報を取得する。位置情報取得装置20は、所定時間毎に、自装置の現在位置を示す位置情報を処理装置10に送信する。そして、取得部11は、所定時間毎に、位置情報取得装置20の現在位置を示す位置情報を取得する。
【0039】
「取得」とは、自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータ又は情報を取りに行くこと(能動的な取得)、及び、自装置に他の装置から出力されるデータ又は情報を入力すること(受動的な取得)の少なくとも一方を含む。能動的な取得の例は、他の装置にリクエスト又は問合わせしてその返信を受信すること、及び、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等がある。また、受動的な取得の例は、配信(または、送信、プッシュ通知等)される情報を受信すること等がある。さらに、「取得」とは、受信したデータ又は情報の中から選択して取得すること、又は、配信されたデータ又は情報を選択して受信することであってもよい。当該前提は、全ての実施形態において同様である。
【0040】
ここで、監視対象人物、禁止施設及び監視主体の例を示す。なお、ここでの例示に限定されない。
【0041】
例えば、監視対象人物は、所定の罪を犯した前科者である。所定の罪は暴行事件、暴力事件、銃絡みの事件等である。この場合の禁止施設は、例えば銃を販売する店舗である。そして、監視主体は、警察や行政機関等である。
【0042】
他の例では、監視対象人物は、アルコール依存症の治療を受けている人物である。この場合の禁止施設は、例えばアルコールを販売する店舗や、アルコールを提供するバー等である。そして、監視主体は、治療に関わる医療機関や行政機関等である。
【0043】
他の例では、監視対象人物は、所定の感染症に感染している感染者である。この場合の禁止施設は、例えばアミューズメントパーク等、人が多く集まり、かつ感染中の訪問が不適切な施設である。そして、監視主体は、治療に関わる医療機関や行政機関等である。
【0044】
他の例では、監視対象人物は、ストーカー犯罪者である。この場合の禁止施設は、ストーキングの対象となっている人物の自宅や職場等である。そして、監視主体は、警察や行政機関等である。
【0045】
判定部12は、監視対象人物毎に禁止施設を登録した登録情報と、取得部11が取得した位置情報とに基づき、監視対象人物が禁止施設にいるか否かを判定する。
【0046】
図4に登録情報の一例を示す。図示する登録情報は、監視対象人物識別情報と、禁止施設とを互いに対応付けた情報である。
【0047】
「監視対象人物識別情報」は、複数の監視対象人物を互いに識別する情報である。
【0048】
「禁止施設」の欄に示される情報は、各監視対象人物の禁止施設を示す情報である。例えば、禁止施設の名称や住所等が示される。
【0049】
判定部12は、図4に示すような登録情報に基づき、各監視対象人物の禁止施設を特定する。そして、判定部12は、特定した禁止施設の位置情報(住所等)と、取得部11が取得した監視対象人物の位置情報とを比較することで、監視対象人物が禁止施設にいるか否かを判定する。
【0050】
「監視対象人物が禁止施設にいると判定する基準」は様々である。例えば、判定部12は、「監視対象人物の位置情報で示される位置が、禁止施設のエリア内」に存在する場合に、監視対象人物が禁止施設にいると判定してもよい。その他、判定部12は、「監視対象人物の位置情報で示される位置が、禁止施設のエリア内又は当該エリアから所定の距離以内」に存在する場合に、監視対象人物が禁止施設にいると判定してもよい。これは、位置情報取得装置20が取得する位置情報の誤差を考慮した基準である。なお、ここで例示した基準はあくまで一例であり、これらに限定されない。
【0051】
ところで、処理装置10が複数の監視対象人物を監視する場合、取得部11が取得した位置情報がいずれの監視対象人物に関する情報であるか特定する手段が必要となる。以下、当該手段の一例を説明するが、ここでの例示に限定されない。
【0052】
例えば、予め監視対象人物識別情報と、各監視対象人物が携帯する位置情報取得装置20の端末識別情報とを紐付けて、処理装置10に登録しておいてもよい。そして、判定部12は、取得部11が取得した位置情報を送信してきた位置情報取得装置20の端末識別情報に紐付く監視対象人物識別情報を特定してもよい。その他、各位置情報取得装置20を携帯する監視対象人物の監視対象人物識別情報が、予め各位置情報取得装置20に登録されていてもよい。そして、位置情報取得装置20は、登録されている監視対象人物識別情報と位置情報とを紐付けて、処理装置10に送信してもよい。
【0053】
図1に戻り、処理部13は、監視対象人物が禁止施設にいると判定部12により判定された場合、所定の処理を実行する。なお、処理部13は、監視対象人物が禁止施設にいると判定部12により判定されなかった場合、所定の処理を実行しない。
【0054】
所定の処理の一例は警告処理である。警告処理の一例では、処理部13は、禁止施設にいると判定した監視対象人物の位置情報取得装置20に警告情報を送信する。この場合、位置情報取得装置20は、警告情報の受信に応じて警告情報を出力する。具体的には、位置情報取得装置20は、ディスプレイやスピーカを介して、所定の警告メッセージを出力してもよい。警告メッセージは、例えば「禁止施設にいることが検知されました。速やかに退場してください。」等である。その他、位置情報取得装置20は、スピーカを介して警告音を出力してもよい。その他、位置情報取得装置20は、警告ランプを点灯してもよい。
【0055】
警告処理の他の一例では、処理部13は、予め登録されている監視主体の端末に警告情報を送信する。この場合の警告情報は、禁止施設にいると判定した監視対象人物を識別する情報(氏名等)を含んでもよい。また、警告情報は、監視対象人物がいる禁止施設を特定する情報(名称、住所など)を含んでもよい。監視主体の端末は、受信した警告情報を出力する。具体的には、監視主体の端末は、ディスプレイやスピーカを介して、所定の警告メッセージを出力してもよい。警告メッセージは、例えば「監視対象人物が禁止施設にいることが検知されました。」等である。また、警告メッセージは、禁止施設にいると判定した監視対象人物を識別する情報(氏名等)や、監視対象人物がいる禁止施設を特定する情報(名称、住所など)を含んでもよい。その他、監視主体の端末は、スピーカを介して警告音を出力してもよい。その他、監視主体の端末は、警告ランプを点灯してもよい。
【0056】
なお、処理部13が実行する所定の処理は、上述した警告処理以外の処理であってもよい。
【0057】
次に、図5のフローチャートを用いて、処理装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0058】
まず、処理装置10は、監視対象人物の位置情報を取得する(S10)。次いで、処理装置10は、監視対象人物毎に禁止施設を登録した登録情報に基づき、その監視対象人物の禁止施設を特定する(S11)。次いで、処理装置10は、S10で取得した位置情報に基づき、監視対象人物がS11で特定した禁止施設にいるか否かを判定する(S12)。
【0059】
監視対象人物がS11で特定した禁止施設にいると判定した場合(S13のYes)、処理装置10は所定の処理を実行する(S14)。一方、監視対象人物がS11で特定した禁止施設にいないと判定した場合(S13のNo)、処理装置10は所定の処理を実行しない。
【0060】
処理装置10は、以降、同様の処理を繰り返す。
【0061】
「作用効果」
本実施形態の処理装置10、位置情報取得装置20、及び処理システム1によれば、監視対象人物毎に禁止施設を登録した登録情報と、監視対象人物の位置情報とに基づき、監視対象人物が禁止施設にいるか否かを判定することができる。このような処理装置10、位置情報取得装置20、及び処理システム1によれば、監視対象人物が禁止施設にいることを検出するという課題が解決される。
【0062】
<第3の実施形態>
第1及び第2の実施形態で説明した通り、処理装置10は、位置情報取得装置20から取得した位置情報に基づき、監視対象人物が禁止施設にいるか否かを判定する。しかし、当該手段の場合、位置情報取得装置20が取得する位置情報の精度の問題から、監視対象人物が禁止施設にいるか否かを正確に判定できない場合がある。例えば、監視対象人物が禁止施設の前にいるだけで、監視対象人物がその禁止施設にいると誤判定してしまう可能性がある。
【0063】
本実施形態の処理装置10は、監視対象人物が禁止施設にいると判定した場合に行う所定の処理として、監視対象人物がその禁止施設にいるか本人認証処理を用いて判定する処理をさらに行う。以下、詳細に説明する。
【0064】
処理部13は、監視対象人物が禁止施設にいると判定部12により判定された場合、所定の処理を実行する。
【0065】
処理部13は、所定の処理として、次の処理を行う。まず、処理部13は、監視対象人物がいると判定された禁止施設の内部又は周辺を撮影したカメラ画像を取得する。次いで、処理部13は、取得したカメラ画像に基づく本人認証処理で、監視対象人物が禁止施設にいるか否かを判定する。
【0066】
処理部13は、本人認証処理で監視対象人物が禁止施設にいると判定した場合に、第2の実施形態で説明した警告処理を行ってもよい。当該例では、「処理部13による本人認証処理で監視対象人物が禁止施設にいると判定したこと」が、警告処理を実行するトリガとなる。「判定部12による監視対象人物の位置情報に基づく処理で監視対象人物が禁止施設にいると判定したこと」だけでは、警告処理は実行されない。
【0067】
以下、「禁止施設の内部又は周辺を撮影したカメラ画像を取得する処理」及び「取得したカメラ画像に基づく本人認証処理で、監視対象人物が禁止施設にいるか否かを判定する処理」を詳細に説明する。
【0068】
「禁止施設の内部又は周辺を撮影したカメラ画像を取得する処理」
予め、禁止施設の内部及び周辺の少なくとも一方を撮影する監視カメラが設置されている。そして、処理部13は、監視対象人物が禁止施設にいると判定部12により判定された場合、その禁止施設に設置された監視カメラが生成したカメラ画像を、本人認証処理のために取得する。予め、監視カメラ又は監視カメラが生成したカメラ画像を蓄積する装置と、処理装置10とは通信可能に構成されている。
【0069】
「取得したカメラ画像に基づく本人認証処理で、監視対象人物が禁止施設にいるか否かを判定する処理」
本実施形態では、図6に示すように、監視対象人物の登録情報として、各監視対象人物の生体情報が登録されている。処理部13は、当該生体情報を用いて、本人認証を行う。すなわち、処理部13は、取得したカメラ画像に写る人物が監視対象人物であるか判定する。
【0070】
本人認証処理により、禁止施設の「内部」を撮影したカメラ画像に写る人物の中から監視対象人物が検出された場合、処理部13は、監視対象人物が禁止施設にいると判定する。一方、本人認証処理により、禁止施設の「内部」を撮影したカメラ画像に写る人物の中から監視対象人物が検出されなかった場合、処理部13は、監視対象人物が禁止施設にいないと判定する。
【0071】
また、本人認証処理により、禁止施設の「周辺」を撮影したカメラ画像に写る人物の中から監視対象人物が検出された場合、処理部13は、監視対象人物が禁止施設にいないと判定することができる。禁止施設の「周辺」は、禁止施設の「外部」である。
【0072】
本人認証処理では、生体情報として、人物のカメラ画像、カメラ画像から復元された人物の3次元形状を示す画像、人物の歩容の特徴量、人物の体格の特徴量、人物の顔の特徴量、及び人物の虹彩の特徴量の中の少なくとも1つが利用される。すなわち、各監視対象人物の生体情報として、これらの情報が処理装置10に登録される。
【0073】
「カメラ画像」は、カメラが生成した画像である。カメラ画像は静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。カメラは、可視光を検知するセンサを備えたカメラであってもよい。また、カメラは、非可視光(赤外線等)を検知するセンサを備えたカメラであってもよい。
【0074】
「人物のカメラ画像」は、人物の顔や、身体の一部又は全部を示す。このような人物のカメラ画像を利用することで、周知の顔認証技術等を利用した本人認証処理を行うことができる。
【0075】
「カメラ画像から復元された人物の3次元形状を示す画像」は、カメラ画像に写っている人物の3次元形状を示す画像である。以下、このような画像を「3次元形状画像」という。図7に、3次元形状画像の一例を示す。図7に示すように、3次元形状画像は、人物の顔の3次元形状を示すことができる。また、図示しないが、3次元形状画像は、人物の身体(上半身、下半身等)の3次元形状を示してもよい。3次元形状画像はカメラ画像から復元された「コンピュータによりデザインされた画像」である。カメラ画像から3次元形状画像を復元する手段は特段制限されず、あらゆる技術を採用できる。
【0076】
図7に示すように、3次元形状画像は、カメラ画像と同様に、人物の外観の特徴を示す。このため、カメラ画像と同様に、3次元形状画像から人物の外観の各種特徴量(各パーツの位置、形状、大きさ、複数のパーツの相対的な位置関係、抽出された特徴点等)を抽出することができる。そして、カメラ画像を利用する場合と同様に、周知の顔認証技術等を利用した本人認証処理を行うことができる。
【0077】
「人物の歩容の特徴量」は、一定距離における四肢の動かし方、関節及び頭の軌道、歩幅、及び速度の中の少なくとも1つに関する。
【0078】
「一定距離における四肢の動かし方」は、人物が一定距離を移動する間における四肢の動かし方の特徴を示す。四肢の動かし方の特徴は、例えば四肢の特徴点の移動軌跡で示されてもよい。四肢の特徴点は、四肢の関節部分であってもよいし、四肢の先端であってもよいし、四肢のその他の箇所であってもよい。四肢の特徴点の移動軌跡は、3次元空間で示されてもよい。その他、四肢の特徴点の移動軌跡は、特徴点の高さ(地面からの高さ)の変化(上下の変化)の軌跡を示してもよい。その他、四肢の特徴点の移動軌跡は、身体の基準点を基準とした相対的な位置の時間変化であってもよい。基準点は、頭部、腰部分等であるが、これらに限定されない。
【0079】
「関節及び頭の軌道」は、3次元空間で示されてもよい。その他、関節及び頭の軌道は、関節及び頭の高さ(地面からの高さ)の変化(上下の変化)の軌道を示してもよい。その他、関節及び頭の軌道は、身体の基準点を基準とした相対的な位置の時間変化であってもよい。基準点は、頭部、腰部分等であるが、これらに限定されない。
【0080】
上述のような人物の歩容の特徴量は、カメラが生成した動画像に基づき算出することができる。例えば、OpenPose等の技術を利用することで、画像内の人物の関節点を抽出することができる。動画像内での関節点の移動軌跡を求めることで、上述のような人物の歩容の特徴量が算出される。
【0081】
「歩幅」、「速度」、「人物の体格の特徴量」、「人物の顔の特徴量」及び「人物の虹彩の特徴量」は、広く知られているので、ここでの説明は省略する。
【0082】
ところで、プライバシーの問題から、監視対象人物のカメラ画像を登録情報としてデータベースに登録できない場合がある。この場合、処理部13は、上述のようなカメラ画像以外の生体情報を登録情報としてデータベースに登録し、本人認証処理を行う。プライバシーの問題から人物のカメラ画像をデータベースに登録できない場合であっても、その他の生体情報を登録できる場合がある。
【0083】
次に、本実施形態の処理装置10の処理の流れの一例を説明する。本実施形態の処理装置10の処理の流れの一例は、図5のフローチャートで示される。図5の処理の流れは、第2の実施形態で説明した通りである。
【0084】
そして、本実施形態では、図5のフローチャートのS14の処理は、図8のフローチャートで示される。以下、図8のフローチャートを用いて、処理装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0085】
まず、処理装置10は、監視対象人物がいると判定された禁止施設の内部又は周辺を撮影したカメラ画像を取得する(S20)。
【0086】
次いで、処理装置10は、取得したカメラ画像に基づく本人認証処理で、監視対象人物が禁止施設にいるか否かを判定する(S21)。
【0087】
例えば、本人認証処理により、禁止施設の「内部」を撮影したカメラ画像に写る人物の中から監視対象人物が検出された場合、処理装置10は、監視対象人物が禁止施設にいると判定する。一方、本人認証処理により、禁止施設の「内部」を撮影したカメラ画像に写る人物の中から監視対象人物が検出されなかった場合、処理装置10は、監視対象人物が禁止施設にいないと判定する。その他、本人認証処理により、禁止施設の「周辺」を撮影したカメラ画像に写る人物の中から監視対象人物が検出された場合、処理装置10は、監視対象人物が禁止施設にいないと判定してもよい。
【0088】
監視対象人物が禁止施設にいると判定した場合(S22のYes)、処理装置10は警告処理を行う(S23)。一方、監視対象人物が禁止施設にいないと判定した場合(S22のNo)、処理装置10は警告処理を行わない。警告処理の詳細は、第2の実施形態で説明した通りである。
【0089】
処理装置10は、以降、同様の処理を繰り返す。
【0090】
本実施形態の処理装置10、位置情報取得装置20、及び処理システム1のその他の構成は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0091】
本実施形態の処理装置10、位置情報取得装置20、及び処理システム1によれば、第1及び第2の実施形態と同様の作用効果が実現される。
【0092】
また、本実施形態の処理装置10、位置情報取得装置20、及び処理システム1によれば、位置情報取得装置20の位置情報に基づき監視対象人物が禁止施設にいると判定した場合、監視対象人物がその禁止施設にいるか本人認証処理を用いて判定することができる。
【0093】
位置情報取得装置20の位置情報の精度の問題から、監視対象人物が禁止施設にいるか否かを正確に判定できない場合がある。例えば、監視対象人物が禁止施設の前にいるだけで、監視対象人物がその禁止施設にいると誤判定してしまう可能性がある。上述のような構成を有する本実施形態の処理装置10によれば、精度よく、監視対象人物が禁止施設にいるか否かを判定することができる。
【0094】
また、全ての禁止施設のカメラ画像及び全ての監視対象人物を対象として本人認証処理を行うことで、より精度よく監視対象人物が禁止施設にいることを検出できる。しかし、このように構成した場合、コンピュータの処理負担が大きくなる。本実施形態のように、判定部12により監視対象人物がいると判定された禁止施設のカメラ画像とその監視対象人物のみを対象として本人認証処理を行うことで、コンピュータの処理負担を軽減できる。
【0095】
<第4の実施形態>
本実施形態の処理装置10は、監視対象人物が禁止施設にいると判定した場合に行う所定の処理として、監視対象人物がその禁止施設で行っている行動内容を特定する処理を行う。以下、詳細に説明する。
【0096】
処理部13は、監視対象人物が禁止施設にいると判定部12により判定された場合、所定の処理を実行する。処理部13は、所定の処理として、禁止施設にいると判定された監視対象人物の行動内容を特定する処理を実行する。
【0097】
変形例として、処理部13は、監視対象人物が禁止施設にいると判定部12により判定された場合、第3の実施形態で説明した本人認証処理を行ってもよい。そして、処理部13は、本人認証処理により、監視対象人物が禁止施設にいると判定した場合に、その監視対象人物の行動内容を特定する処理を実行してもよい。
【0098】
処理部13は、監視対象人物の行動内容を特定する処理の結果に応じて、第2の実施形態で説明した警告処理を行ってもよい。具体的には、処理部13は、監視対象人物が所定の禁止行動を行っていると判断した場合に、第2の実施形態で説明した警告処理を行ってもよい。当該例では、「監視対象人物が所定の禁止行動を行っていると判定したこと」が、警告処理を実行するトリガとなる。「監視対象人物が禁止施設にいると判定したこと」だけでは、警告処理は実行されない。
【0099】
「禁止行動」は、予め監視対象人物毎に定められる。そして、禁止行動の内容は、各監視対象人物に紐付けて、処理装置10に登録される。禁止行動は、例えば「購入を禁止されている商品(例:銃、アルコール等)を手に取る」、「購入を禁止されている商品をレジカウンターに持っていく」、「アルコールを飲む」等である。
【0100】
ここで、監視対象人物の行動内容を特定する処理を説明する。
【0101】
処理部13は、禁止施設内で撮影された監視対象人物のカメラ画像に基づき、行動内容を特定する。予め、複数の禁止行動が定義される。そして、処理部13は、監視対象人物がそれら禁止行動を行っているか否かを判定する。
【0102】
予め定義した禁止行動を行っているか否かを判定する手段は様々である。一例として、機械学習の利用が挙げられる。具体的には、各禁止行動を行っている時の人物のカメラ画像が学習データとして用意される。そして、当該学習データに基づく機械学習により、カメラ画像に写っている人物が各禁止行動を行っているか否かを判定する推定モデルが生成される。処理部13は、当該推定モデルに、禁止施設内で撮影された監視対象人物のカメラ画像を入力し、その出力を得る。出力は、入力されたカメラ画像に写っている監視対象人物が、予め定義された複数の禁止行動各々を行っている確信度を示す。そして、処理部13は、カメラ画像に写っている監視対象人物が、確信度が基準値以上の禁止行動を行っていると判定する。
【0103】
本実施形態の処理装置10、位置情報取得装置20、及び処理システム1のその他の構成は、第1乃至第3の実施形態と同様である。
【0104】
本実施形態の処理装置10、位置情報取得装置20、及び処理システム1によれば、第1乃至第3の実施形態と同様の作用効果が実現される。
【0105】
また、本実施形態の処理装置10、位置情報取得装置20、及び処理システム1によれば、監視対象人物が禁止施設にいると判定した場合、その監視対象人物の行動内容を特定することができる。具体的には、その監視対象人物が、予め定められた禁止行動を行っているか否かを判定することができる。結果、監視対象人物の行動内容を把握することが可能となる。
【0106】
<第5の実施形態>
本実施形態では、監視対象人物毎に、移動可能範囲が定められる。そして、本実施形態の処理装置10は、「監視対象人物が移動可能範囲の外に出たこと」、及び「移動可能範囲内の禁止施設にいること」を検出する。
【0107】
なお、監視対象人物が移動可能範囲の外にいる場合、「監視対象人物が移動可能範囲の外に出たこと」として検出される。このため、本実施形態では、「移動可能範囲の外の禁止施設にいること」は、検出対象外である。このように構成することで、処理装置10の処理負担を軽減できる。以下、詳細に説明する。
【0108】
判定部12は、取得部11が取得した位置情報に基づき、監視対象人物が移動可能範囲内にいるか否かを判定する。
【0109】
「移動可能範囲」は、各監視対象人物が移動できる範囲である。すなわち、各監視対象人物は移動可能範囲外に移動することが許されない。
【0110】
移動可能範囲の定義の仕方は様々である。例えば、各監視対象人物の自宅から所定距離以内が、移動可能範囲として定義されてもよい。その他、「日本」、「東京都」、「品川区」等のように、地名で移動可能範囲が定義されてもよい。
【0111】
本実施形態では、図9に示すように、監視対象人物の登録情報として、各監視対象人物の移動可能範囲が登録されている。判定部12は、当該情報を用いて、各監視対象人物の移動可能範囲を特定する。
【0112】
判定部12は、取得部11が取得した位置情報で示される位置が移動可能範囲内である場合、監視対象人物が移動可能範囲内にいると判定する。そして、判定部12は、取得部11が取得した位置情報で示される位置が移動可能範囲外である場合、監視対象人物が移動可能範囲内にいないと判定する。
【0113】
ところで、本実施形態の登録情報では、各監視対象人物の禁止施設として、各監視対象人物の移動可能範囲内に存在する禁止施設が登録される。すなわち、移動可能範囲外に存在する禁止施設は登録されない。
【0114】
そして、判定部12は、このような登録情報に基づき、各監視対象人物が各監視対象人物の移動可能範囲内に存在する禁止施設にいるか否かを判定する。判定部12は、各監視対象人物が各監視対象人物の移動可能範囲外に存在する禁止施設にいるか否かを判定しない。
【0115】
処理部13は、監視対象人物が移動可能範囲内にいないと判定された場合、所定の処理を実行することができる。所定の処理は、例えば第2の実施形態で説明した警告処理である。出力するメッセージの内容を適宜変更し、同様の処理を行うことができる。
【0116】
次に、図10のフローチャートを用いて、処理装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0117】
まず、処理装置10は、監視対象人物の位置情報を取得する(S30)。次いで、処理装置10は、監視対象人物毎に移動可能範囲を登録した登録情報に基づき、その監視対象人物の移動可能範囲を特定する(S31)。次いで、処理装置10は、S30で取得した位置情報に基づき、監視対象人物がS31で特定した移動可能範囲内にいるか否かを判定する(S32)。
【0118】
監視対象人物がS31で特定した移動可能範囲内にいないと判定した場合(S33のNo)、処理装置10は警告処理を行う(S34)。
【0119】
一方、監視対象人物がS31で特定した移動可能範囲内にいると判定した場合(S33のYes)、処理装置10は、監視対象人物毎に禁止施設を登録した登録情報に基づき、その監視対象人物の禁止施設を特定する(S35)。次いで、処理装置10は、S30で取得した位置情報に基づき、監視対象人物がS35で特定した禁止施設にいるか否かを判定する(S36)。
【0120】
監視対象人物がS35で特定した禁止施設にいると判定した場合(S37のYes)、処理装置10は所定の処理を実行する(S38)。所定の処理の詳細は、第2乃至第4の実施形態で説明した通りである。一方、監視対象人物がS35で特定した禁止施設にいないと判定した場合(S37のNo)、処理装置10は所定の処理を実行しない。
【0121】
処理装置10は、以降、同様の処理を繰り返す。
【0122】
本実施形態の処理装置10、位置情報取得装置20、及び処理システム1のその他の構成は、第1乃至第4の実施形態と同様である。
【0123】
本実施形態の処理装置10、位置情報取得装置20、及び処理システム1によれば、第1乃至第4の実施形態と同様の作用効果が実現される。
【0124】
また、本実施形態の処理装置10、位置情報取得装置20、及び処理システム1によれば、「監視対象人物が移動可能範囲の外に出たこと」、及び「移動可能範囲内の禁止施設にいること」を検出できる。このように、検出できる内容の幅が広がる。
【0125】
また、本実施形態においては、監視対象人物が移動可能範囲の外にいる場合、「監視対象人物が移動可能範囲の外に出たこと」として検出される。このため、本実施形態では、「移動可能範囲の外の禁止施設にいること」は、検出対象外である。このように構成することで、処理装置10の処理負担を軽減できる。
【0126】
<変形例>
第5の実施形態では、「監視対象人物が移動可能範囲の外の禁止施設にいること」は、検出対象外であった。
【0127】
当該変形例では、「監視対象人物が移動可能範囲の外の禁止施設にいること」も検出対象とする。すなわち、監視対象人物の登録情報(図9参照)において、「移動可能範囲内の禁止施設」のみならず、「移動可能範囲外の禁止施設」も登録される。
【0128】
例えば、「移動可能範囲外の禁止施設の全て」が登録情報に登録されてもよい。しかし、このような構成とすると、コンピュータの処理負担が大きくなる。そこで、「移動可能範囲外の禁止施設の全て」でなく、「移動可能範囲外の禁止施設の中の、移動可能範囲から所定距離以内の禁止施設」が登録情報に登録されてもよい。
【0129】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。上述した実施形態の構成は、互いに組み合わせたり、一部の構成を他の構成に入れ替えたりしてもよい。また、上述した実施形態の構成は、趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。また、上述した各実施形態や変形例に開示される構成や処理を互いに組み合わせてもよい。
【0130】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されている。しかし、各実施の形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施の形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施の形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0131】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 監視対象人物の位置情報を取得する取得手段と、
前記監視対象人物毎に禁止施設を登録した登録情報と、前記位置情報とに基づき、前記監視対象人物が前記禁止施設にいるか否かを判定する判定手段と、
前記監視対象人物が前記禁止施設にいると判定された場合、所定の処理を実行する処理手段と、
を有する処理装置。
2. 前記登録情報は、さらに、前記監視対象人物毎に移動可能範囲を登録しており、
前記判定手段は、さらに、前記監視対象人物が前記移動可能範囲内にいるか否かを判定する1に記載の処理装置。
3. 前記登録情報は、前記監視対象人物毎に、前記移動可能範囲と、前記移動可能範囲内に存在する前記禁止施設とを登録し、
前記判定手段は、
前記監視対象人物が前記移動可能範囲内にいるか否かを判定し、さらに、
前記監視対象人物が前記移動可能範囲内に存在する前記禁止施設にいるか否かを判定する2に記載の処理装置。
4. 前記禁止施設は、前記監視対象人物の属性に基づき決定された施設である1から3のいずれかに記載の処理装置。
5. 前記処理手段は、前記所定の処理として、前記禁止施設の内部又は周辺を撮影した画像を取得し、前記画像に基づく本人認証処理で、前記監視対象人物が前記禁止施設にいるか否かを判定する処理を実行する1から4のいずれかに記載の処理装置。
6. 前記本人認証処理では、人物のカメラ画像、カメラ画像から復元された人物の3次元形状を示す画像、人物の歩容の特徴量、人物の体格の特徴量、人物の顔の特徴量、及び人物の虹彩の特徴量の中の少なくとも1つが利用される5に記載の処理装置。
7. 前記処理手段は、前記所定の処理として、前記禁止施設にいると判定された前記監視対象人物の行動内容を特定する処理を実行する1から6のいずれかに記載の処理装置。
8. 監視対象人物が携帯する位置情報取得装置と、
前記位置情報取得装置から前記監視対象人物の位置情報を取得する1から7のいずれかに記載の処理装置と、
を有する処理システム。
9. 1つ以上のコンピュータが、
監視対象人物の位置情報を取得し、
前記監視対象人物毎に禁止施設を登録した登録情報と、前記位置情報とに基づき、前記監視対象人物が前記禁止施設にいるか否かを判定し、
前記監視対象人物が前記禁止施設にいると判定された場合、所定の処理を実行する、
処理方法。
10. コンピュータを、
監視対象人物の位置情報を取得する取得手段、
前記監視対象人物毎に禁止施設を登録した登録情報と、前記位置情報とに基づき、前記監視対象人物が前記禁止施設にいるか否かを判定する判定手段、
前記監視対象人物が前記禁止施設にいると判定された場合、所定の処理を実行する処理手段、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0132】
1 処理システム
10 処理装置
11 取得部
12 判定部
13 処理部
20 位置情報取得装置
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10