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特開2024-81973遠心式流体機械及び一軸多段遠心圧縮機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081973
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】遠心式流体機械及び一軸多段遠心圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/44 20060101AFI20240612BHJP
   F04D 17/12 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
F04D29/44 P
F04D17/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195613
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】319007240
【氏名又は名称】株式会社日立インダストリアルプロダクツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】平舘 澄賢
(72)【発明者】
【氏名】橋本 竜一
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA12
3H130AB27
3H130AB46
3H130AB62
3H130AB65
3H130AB69
3H130AC01
3H130BA66A
3H130BA66J
3H130BA72J
3H130CA21
3H130DA02Z
3H130DG02X
3H130DG09X
3H130EA06A
3H130EA07A
(57)【要約】
【課題】、吸込ノズルからの作動流体に対し予旋回を付与することができ、しかも流量分布が不均一になることも抑制する。
【解決手段】一軸多段遠心圧縮機は、回転軸と、複数枚の遠心羽根車と、軸受と、ケーシングを備える。また、ケーシングに設けられた吸込流路を備え、この吸込流路は、第1の吸込ノズルと、回転軸の周囲に設けられた環状流路部と、作動流体の流れを回転軸の軸方向へと転向させるL字ベンド部と、第1の吸込ノズルとは反対側の前記ケーシングに設けられ環状流路部と接続される第2の吸込ノズルと、環状流路部における第1の吸込ノズルとは反対側に設けられた旋回防止板とを備える。前記第1の吸込ノズルは回転軸の方向に向かって配置され、前記第2の吸込ノズルは回転軸の方向からずれた方向に向かって配置され、第1の吸込ノズルと第2の吸込ノズルは、作動流体の流入を制御する流入制御装置を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、この回転軸に取付けられた遠心羽根車と、前記回転軸を支承する軸受と、これら回転軸と遠心羽根車と軸受とを収容するケーシングとを備えた遠心式流体機械であって、
前記遠心羽根車の上流側の前記ケーシングに設けられ、作動流体を前記回転軸の径方向から導入して前記遠心羽根車に流入させる吸込流路を備え、前記吸込流路は、
作動流体を導入する第1の吸込ノズルと、
前記回転軸の周囲に設けられ前記第1の吸込ノズルと接続される環状流路部と、
前記環状流路部と前記遠心羽根車の入口との間に設けられ、作動流体の流れを前記回転軸の軸方向へと転向させるL字ベンド部と、
前記第1の吸込ノズルとは反対側の前記ケーシングに設けられ前記環状流路部と接続される第2の吸込ノズルと、
前記環状流路部における前記第1の吸込ノズルとは反対側に設けられた旋回防止板とを備え、
前記第1の吸込ノズルは前記回転軸の方向に向かって配置され、前記第2の吸込ノズルは前記回転軸の方向からずれた方向に向かって配置され、
前記第1の吸込ノズルと前記第2の吸込ノズルは、それぞれの吸込ノズルから圧縮機内部へ導入する作動流体の流入を制御する流入制御装置を備えている
ことを特徴とする遠心式流体機械。
【請求項2】
回転軸と、この回転軸に取付けられた複数枚の遠心羽根車と、前記回転軸を支承する軸受と、これら回転軸と遠心羽根車と軸受とを収容するケーシングとを備えた一軸多段遠心圧縮機であって、
初段の遠心羽根車の上流側の前記ケーシングに設けられた吸込流路を備え、前記吸込流路は、
作動流体を導入する第1の吸込ノズルと、
前記回転軸の周囲に設けられ前記第1の吸込ノズルと接続される環状流路部と、
前記環状流路部と初段の遠心羽根車の入口との間に設けられ、作動流体の流れを前記回転軸の軸方向へと転向させるL字ベンド部と、
前記第1の吸込ノズルとは反対側の前記ケーシングに設けられ前記環状流路部と接続される第2の吸込ノズルと、
前記環状流路部における前記第1の吸込ノズルとは反対側に設けられた旋回防止板とを備え、
前記第1の吸込ノズルは前記回転軸の方向に向かって配置され、前記第2の吸込ノズルは前記回転軸の方向からずれた方向に向かって配置され、
前記第1の吸込ノズルと前記第2の吸込ノズルは、それぞれの吸込ノズルから圧縮機内部へ導入する作動流体の流入を制御する流入制御装置を備えている
ことを特徴とする一軸多段遠心圧縮機。
【請求項3】
請求項2に記載の一軸多段遠心圧縮機であって、
前記第2の吸込ノズル及び前記旋回防止板の設置場所の付近以外の前記環状流路部の断面形状は、前記回転軸の円周方向に沿って略一定の形状に構成していることを特徴とする一軸多段遠心圧縮機。
【請求項4】
請求項2に記載の一軸多段遠心圧縮機であって、
前記第2の吸込ノズルは、前記第1の吸込ノズルよりもノズルサイズが小さく構成されていることを特徴とする一軸多段遠心圧縮機。
【請求項5】
請求項2に記載の一軸多段遠心圧縮機であって、
作動流体を前記第1の吸込ノズルに導くための主配管と、前記第2の吸込ノズルに作動流体を導くための副配管とを備えていることを特徴とする一軸多段遠心圧縮機。
【請求項6】
請求項5に記載の一軸多段遠心圧縮機であって、
前記作動流体の流入を制御する流入制御装置は、前記主配管と前記副配管にそれぞれ設けられた流量調整弁または開閉弁であることを特徴とする一軸多段遠心圧縮機。
【請求項7】
請求項6に記載の一軸多段遠心圧縮機であって、
前記副配管は前記主配管における前記流入制御装置の上流側から分岐して前記第2の吸込ノズルに作動流体を導く配管であることを特徴とする一軸多段遠心圧縮機。
【請求項8】
回転軸と、この回転軸に取付けられた複数枚の遠心羽根車と、前記回転軸を支承する軸受と、これら回転軸と遠心羽根車と軸受とを収容するケーシングとを備えた一軸多段遠心圧縮機であって、
初段の遠心羽根車の上流側の前記ケーシングに設けられた吸込流路を備え、前記吸込流路は、
作動流体を導入する第1の吸込ノズルと、
前記回転軸の周囲に設けられ前記第1の吸込ノズルと接続される環状流路部と、
前記環状流路部と初段の遠心羽根車の入口との間に設けられ、作動流体の流れを前記回転軸の軸方向へと転向させるL字ベンド部と、
前記第1の吸込ノズルとは反対側の前記ケーシングに設けられ前記環状流路部と接続される第2の吸込ノズルと、
前記第1の吸込ノズルと前記第2の吸込ノズルの間の前記ケーシングに設けられ前記環状流路と接続される第3の吸込ノズルと、
前記環状流路部における前記第1の吸込ノズルとは反対側に設けられた旋回防止板とを備え、
前記第1の吸込ノズルは前記回転軸の方向に向かって配置され、前記第2の吸込ノズル及び前記第3の吸込ノズルは前記回転軸の方向からずれた方向に向かって配置され、
前記第2の吸込ノズルと前記第3の吸込ノズルは前記旋回防止板を挟むように該旋回防止板の左右に配置され、
前記第1の吸込ノズル、前記第2の吸込ノズル及び前記第3の吸込ノズルは、それぞれの吸込ノズルから圧縮機内部へ導入する作動流体の流入を制御する流入制御装置を備えている
ことを特徴とする一軸多段遠心圧縮機。
【請求項9】
請求項8に記載の一軸多段遠心圧縮機であって、
前記第2の吸込ノズル、前記第3の吸込ノズル及び前記旋回防止板の設置場所の付近以外の前記環状流路部の断面形状は、前記回転軸の円周方向に沿って略一定の形状に構成していることを特徴とする一軸多段遠心圧縮機。
【請求項10】
請求項8に記載の一軸多段遠心圧縮機であって、
前記第2の吸込ノズル及び前記第3の吸込ノズルは、前記第1の吸込ノズルよりもノズルサイズを小さく構成していることを特徴とする一軸多段遠心圧縮機。
【請求項11】
請求項8に記載の一軸多段遠心圧縮機であって、
作動流体を前記第1の吸込ノズルに導くための主配管と、前記第2の吸込ノズルに作動流体を導くための副配管と、前記第3の吸込ノズルに作動流体を導くための副配管とを備えていることを特徴とする一軸多段遠心圧縮機。
【請求項12】
請求項11に記載の一軸多段遠心圧縮機であって、
前記作動流体の流入を制御する流入制御装置は、前記主配管と、前記第2の吸込ノズル作動流体を導くための副配管と、前記第3の吸込ノズルに作動流体を導くための副配管のそれぞれに設けられた流量調整弁または開閉弁であることを特徴とする一軸多段遠心圧縮機。
【請求項13】
請求項12に記載の一軸多段遠心圧縮機であって、
前記第2の吸込ノズル作動流体を導くための副配管と、前記第3の吸込ノズルに作動流体を導くための副配管は、それぞれ前記主配管における前記流入制御装置の上流側から分岐して前記第2の吸込ノズルまたは前記第3の吸込ノズルに作動流体を導く配管であることを特徴とする一軸多段遠心圧縮機。
【請求項14】
請求項2~13の何れか一項に記載の一軸多段遠心圧縮機であって、
前記旋回防止板は、前記回転軸の回転方向に傾けた傾斜面または旋回防止するための旋回防止面の少なくとも何れかを有する構成としたことを特徴とする一軸多段遠心圧縮機。
【請求項15】
請求項2~13の何れか一項に記載の一軸多段遠心圧縮機であって、
前記一軸多段遠心圧縮機は、アンモニアまたはメタノールなどを合成する合成圧縮機として使用されることを特徴とする一軸多段遠心圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心式流体機械及び一軸多段遠心圧縮機に関し、特にそれらの吸込流路形状に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種プラントでは、プロセスガスを昇圧するため、一つの回転軸に複数枚の遠心羽根車を多段に設けた一軸多段遠心圧縮機が用いられている。この一軸多段遠心圧縮機は、吸込流路を形成する吸込ノズルからプロセスガスを吸入して環状流路部の内部に導入した後、回転軸に多段に設けた遠心羽根車により順次圧縮、昇圧し、その後吐出ノズルから排出するように構成されている。
【0003】
このような一軸多段遠心圧縮機の例としてWO2016/121046号公報(特許文献1)に記載のものがある。この特許文献1のものでは、吸込ノズルから吸入したプロセスガスの流れを、吸込ボリュート(環状流路部)内で回転軸の軸線に沿うように曲げて初段の遠心羽根車に流入させるようにしている。また、流れが曲がる際の圧力損失を抑制するため、前記吸込ボリュートに連通し、該吸込ボリュートに外部から作動流体(ガス)を吸い込み可能とする吸込ノズルを、回転軸の周方向に間隔をあけて複数設けた構成としている。前記吸込ノズルは回転軸の方向を向くように配置されている。
【0004】
この特許文献1のものでは、それぞれの吸込ノズルから吸込ボリュートに流入する流体同士を吸込ボリュート内で衝突させることにより、流体の流れ方向を回転軸の軸線方向に向かって急激に曲げることを可能にしている。従って、吸込流路の下流に設置している遠心羽根車への流れは、回転軸に対する円周方向の旋回速度成分を除去された状態で、羽根車へと流入させることができる。また、回転軸中心方向を向くように複数の吸込ノズルが設けられているので、吸込ボリュート内で周方向に均一となるように、吸込ノズルから流体を流入させることができ、流量分布が周方向に均一化された流れを羽根車へ導入することができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2016/121046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一軸多段遠心圧縮機が使用されるプラントの種類によっては、設置される一軸多段の遠心圧縮機に対し、定格吐出圧力を維持しつつ、定格流量からかなり小流量側までの幅広い流量範囲における安定動作の確保が要求される場合がある。
【0007】
一軸多段遠心圧縮機において安定動作域を小流量側へと拡大するための一般的な手段としては、吸込流路のすぐ下流に位置する初段遠心羽根車の吸込口に対し、遠心羽根車の回転方向と同一方向の旋回成分を有する予旋回流れを、なるべく周方向の流量分布が均一な状態で流入させる方法が知られている。
【0008】
ただし、初段遠心羽根車への予旋回の付与は、一軸多段遠心圧縮機の吐出圧力の低下も同時にもたらす。そのため前述したように、定格吐出圧力を維持しつつ定格流量から小流量側までの安定動作域を確保するためには、特許文献1に記載のように、常に予旋回の無い状態で一軸多段遠心圧縮機を動作させるのではなく、定格流量では予旋回を付与しない状態で圧縮機を運転する一方、作動流体の流量を減少させる場合に限り、初段の遠心羽根車に予旋回を付与して運転することが求められる。
【0009】
このように初段遠心羽根車への予旋回量をコントロールしながら一軸多段遠心圧縮機を運転する手段として、ベーン取付角を可変とするベーン駆動機構を有するインレットガイドベーンを、吸込流路の内部に設置することも知られている。
【0010】
しかし、インレットガイドベーンのように駆動機構を有する場合、インレットガイドベーンの取り付け角の変更頻度が高いと、可動部の信頼性が低下する。また、一つの吸込ノズルから作動流体を圧縮機内部に取り込む場合、吸込ノズルの設置位置付近における環状流路部を選択的に作動流体が流れるため、インレットガイドベーンの取り付け角を変更して予旋回を付与して運転する際に、流量分布が周方向に十分に均一化されずに初段の遠心羽根車に流れ込んでしまうという課題がある。
【0011】
本発明の目的は、吸込ノズルからの作動流体に対し予旋回を付与することができ、しかも流量分布が不均一になることも抑制できる遠心式流体機械及び一軸多段遠心圧縮機を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明は、回転軸と、この回転軸に取付けられた遠心羽根車と、前記回転軸を支承する軸受と、前記回転軸と前記遠心羽根車を収容するケーシングとを備えた遠心式流体機械であって、前記遠心羽根車の上流側の前記ケーシングに設けられ、作動流体を前記回転軸の径方向から導入して前記遠心羽根車に流入させる吸込流路を備え、前記吸込流路は、作動流体を導入する第1の吸込ノズルと、前記回転軸の周囲に設けられ前記第1の吸込ノズルと接続される環状流路部と、前記環状流路部と前記遠心羽根車の入口との間に設けられ、作動流体の流れを前記回転軸の軸方向へと転向させるL字ベンド部と、前記第1の吸込ノズルとは反対側の前記ケーシングに設けられ前記環状流路部と接続される第2の吸込ノズルと、前記環状流路部における前記第1の吸込ノズルとは反対側に設けられた旋回防止板とを備え、前記第1の吸込ノズルは前記回転軸の方向に向かって配置され、前記第2の吸込ノズルは前記回転軸の方向からずれた方向に向かって配置され、前記第1の吸込ノズルと前記第2の吸込ノズルは、それぞれの吸込ノズルから圧縮機内部へ導入する作動流体の流入を制御する流入制御装置を備えていることを特徴とする。
【0013】
本発明の他の特徴は、回転軸と、この回転軸に取付けられた複数枚の遠心羽根車と、前記回転軸を支承する軸受と、前記回転軸と前記遠心羽根車を収容するケーシングとを備えた一軸多段遠心圧縮機であって、初段の遠心羽根車の上流側の前記ケーシングに設けられた吸込流路を備え、前記吸込流路は、作動流体を導入する第1の吸込ノズルと、前記回転軸の周囲に設けられ前記第1の吸込ノズルと接続される環状流路部と、前記環状流路部と初段の遠心羽根車の入口との間に設けられ、作動流体の流れを前記回転軸の軸方向へと転向させるL字ベンド部と、前記第1の吸込ノズルとは反対側の前記ケーシングに設けられ前記環状流路部と接続される第2の吸込ノズルと、前記環状流路部における前記第1の吸込ノズルとは反対側に設けられた旋回防止板とを備え、前記第1の吸込ノズルは前記回転軸の方向に向かって配置され、前記第2の吸込ノズルは前記回転軸の方向からずれた方向に向かって配置され、前記第1の吸込ノズルと前記第2の吸込ノズルは、それぞれの吸込ノズルから圧縮機内部へ導入する作動流体の流入を制御する流入制御装置を備えていることにある。
【0014】
本発明の更に他の特徴は、回転軸と、この回転軸に取付けられた複数枚の遠心羽根車と、前記回転軸を支承する軸受と、前記回転軸と前記遠心羽根車を収容するケーシングとを備えた一軸多段遠心圧縮機であって、初段の遠心羽根車の上流側の前記ケーシングに設けられた吸込流路を備え、前記吸込流路は、作動流体を導入する第1の吸込ノズルと、前記回転軸の周囲に設けられ前記第1の吸込ノズルと接続される環状流路部と、前記環状流路部と初段の遠心羽根車の入口との間に設けられ、作動流体の流れを前記回転軸の軸方向へと転向させるL字ベンド部と、前記第1の吸込ノズルとは反対側の前記ケーシングに設けられ前記環状流路部と接続される第2の吸込ノズルと、前記第1の吸込ノズルと前記第2の吸込ノズルの間の前記ケーシングに設けられ前記環状流路部と接続される第3の吸込ノズルと、前記環状流路部における前記第1の吸込ノズルとは反対側に設けられた旋回防止板とを備え、前記第1の吸込ノズルは前記回転軸の方向に向かって配置され、前記第2の吸込ノズル及び前記第3の吸込ノズルは前記回転軸の方向からずれた方向に向かって配置され、前記第2の吸込ノズルと前記第3の吸込ノズルは前記旋回防止板を挟むように該旋回防止板の左右に配置され、前記第1の吸込ノズル、前記第2の吸込ノズル及び前記第3の吸込ノズルは、それぞれの吸込ノズルから圧縮機内部へ導入する作動流体の流入を制御する流入制御装置を備えていることにある。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、吸込ノズルからの作動流体に対し予旋回を付与することができ、しかも流量分布が不均一になることも抑制できる遠心圧縮機及び一軸多段遠心圧縮機を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例1を示す一軸多段遠心圧縮機の縦断面図。
図2図1のII-II線矢視断面図で、第1の吸込ノズルからのみ流体が流入している状態を示す図。
図3図1のII-II線矢視断面図で、第1及び第2の吸込ノズルの両方から流体が流入している状態を示す図。
図4】本発明の実施例1の変形例を説明する図で、図3に相当する図。
図5】本発明の実施例1の他の変形例を説明する図で、図3に相当する図。
図6】本発明の一軸多段遠心圧縮機の実施例2を説明する図で、図3に相当する図。
図7】一般的な一軸多段遠心圧縮機を示す縦断面図。
図8図1のVIII-VIII線矢視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて説明する。なお、各図において、同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。また、以下の説明では、一軸多段遠心圧縮機に本発明を適用した例について説明するが、単段の遠心圧縮機や一軸多段遠心ポンプなどの遠心式流体機械にも本発明は同様に適用できるものである。
【実施例0018】
まず、図7及び図8を用いて、従来の一般的な一軸多段遠心圧縮機について説明する。図7は一般的な一軸多段遠心圧縮機を示す縦断面図、図8図7のVIII-VIII線矢視断面図である。
【0019】
図7に示すように一軸多段遠心圧縮機100は、円筒状のケーシング5内に設けられた1本の回転軸2に複数枚の遠心羽根車1が多段に取り付けられている。前記回転軸2の両端部側は、前記ケーシング5等に設けられた軸受装置3と軸受装置4により回転自在に支持されている。前記軸受装置3は、軸受ケース3a、この軸受ケース3aに保持された軸受(ジャーナル軸受)3b及びスラスト軸受3cにより構成され、軸受装置4は、軸受ケース4aと、この軸受ケース4aに保持された軸受(ジャーナル軸受)4bにより構成されている。
【0020】
また、機外の空気等が初段の遠心羽根車1に直接流入するのを防止するため、初段の遠心羽根車1の吸込側と前記軸受装置3の間であって、前記ケーシング5の前記回転軸2が貫通する部分には、回転軸2と僅かな隙間をもって配置される軸封装置6aが設けられている。さらに、最終段の遠心羽根車1から吐出された作動流体(作動ガス)がスクロール13に流入することなく直接機外に漏洩するのを防止するために、最終段の遠心羽根車1と前記軸受装置4の間であって、前記ケーシング5の前記回転軸2が貫通する部分にも、回転軸2と僅かな隙間をもって配置される軸封装置6bが設けられている。また、各段の遠心羽根車1間にも軸封装置6cが設けられている。これらの軸封装置6(6a、6b、6c)としては通常ラビリンスシールが用いられている。
【0021】
初段の遠心羽根車1に作動流体を導入する吸込流路7の形状は、その他の段の静止流路12とは、異なった形状となっている。即ち、前記吸込流路7は、遠心羽根車1及び回転軸2を収容する円筒状のケーシング5の初段の遠心羽根車1側の端部(吸込側)に形成され、作動流体を前記回転軸2の径方向から導入して初段の遠心羽根車1に流入させるため、該初段の遠心羽根車1に対し、軸方向吸込みが可能になるように構成されている。
【0022】
このため、前記吸込流路7は、ケーシング5における初段の遠心羽根車1の吸込側(上流側)に設けられ、図8示すように、作動流体を導入するための流路部7aを有する吸込ノズル8と、前記回転軸2の周囲に設けられ前記吸込ノズル8と接続される環状流路部7bと、前記環状流路部7bと前記遠心羽根車1の入口との間に設けられ、作動流体の流れを前記回転軸の軸方向へと転向させるL字ベンド部7cと、前記環状流路部7bにおける前記吸込ノズル8とは反対側に設けられた旋回防止板14を備えている。また、前記吸込ノズル8は前記回転軸2の方向に向かって配置されている。
【0023】
図8に示すように、前記吸込ノズル8は、その入口(フランジ部8a)の断面形状が円形となっており、内径側の環状流路部7bに近づくにつれてその断面形状が、吸込流路7の中心線Yに対して面対称となるオーバル形となるような断面形状に形成されている。吸込ノズル8から吸い込まれた作動流体は半径方向内側に導かれ、初段の遠心羽根車1の吸込口1aに流入する。ここで、作動流体の機外からの導入口である吸込ノズル8のフランジ部8aから、初段の遠心羽根車1の吸込口1aまでの間のケーシング5内部の空間が、作動流体が通過する吸込流路7である。
【0024】
前記吸込流路7は、吸込ノズル8が存在する部分に相当する吸込ノズル8の流路部7aと、この流路部7aの内径側と接続される前記環状流路部7bと、該環状流路部7bの内径側と接続されるL字ベンド部7cと、初段の遠心羽根車1の吸込口1aに対向する位置に設けられている吸込部7dから構成されている。
【0025】
前記環状流路部7bは、円環状に形成され、作動流体Aを吸込ノズル8に近い側(吸込ノズル側)から遠い側(反吸込ノズル側)へと回り込ませるために設けられている。また、前記L字ベンド部7cは、作動流体Aを半径方向内向き方向から回転軸2の軸線Xの下流側方向へと転向させるために設けられている。
【0026】
図7に示すように、各段の遠心羽根車1の半径方向外径側には、遠心羽根車1から吐出された作動流体の流路がほぼ径方向に形成されており、この作動流体の流路はディフューザ10を形成している。この例では、前記ディフューザ10には周方向に間隔を置いて配置された複数の翼(羽根)10aを有する羽根付ディフューザを用いている。なお、前記ディフューザ10として翼10aを持たない羽根なしディフューザを用いる場合もある。
【0027】
前記ディフューザ10の下流側は、次段の遠心羽根車1への吸込流路を形成するために、作動流体の流れを半径方向外向き流れから半径方向内向き流れにするためのリターンチャンネル11が形成されている。このリターンチャンネル11には、作動流体の流れを整流するためにリターンベーン11aが周方向に間隔をおいて配置されている。前記ディフューザ10及びリターンチャンネル11は静止流路12を形成している。
【0028】
最終段の遠心羽根車1の出口側(下流側)である遠心羽根車1の半径方向外側には、スクロール13が形成されており、最終段の遠心羽根車1から流出する高圧の作動流体を集めて吐出ノズル9から機外へと吐出するように構成されている。
【0029】
前述した軸封装置6cは、前記ディフューザ10とリターンチャンネル11との間のケーシング5内周側に回転軸2と僅かな隙間をもって設けられており、前段の遠心羽根車1から吐出された作動流体が静止流路12側に流れずにバイパスして後段の遠心羽根車1に流入するのを防止するものである。
【0030】
図8に示すように、吸込ノズル8のフランジ部8aから導入された作動流体Aは、吸込ノズル8の流路部7aを通過して、流路部7aの出口と前記環状流路部7bの外径7baの位置との接続部(吸込ノズル直下部)8bから、前記環状流路部7b内に流入する。ここで、吸込ノズル8の流路部7aを流れる作動流体Aは、環状流路部7b及びL字ベンド部7cのうち、前記吸込ノズル8が設置されている側の周方向範囲である前記接続部(吸込ノズル直下部)8bから、前記環状流路部7b及びL字ベンド部7cに流れ込む。このため、初段の遠心羽根車1の吸込口1aの部分での作動流体の流れは周方向に不均一なガス流量分布を呈する場合が多い。
【0031】
即ち、図8に示すように、作動流体Aは、回転軸2の周囲の全周にわたって存在する環状流路部7bを左右に回り込みながら、環状流路部7bの内径7bbと接続されるL字ベンド部7cに流入する。ここで、環状流路部7bからL字ベンド部7cに接続される部分における前記吸込ノズル8の反対側の吸込流路7内部には、作動流体Aの流れの旋回除去と左右対称性確保のために旋回防止板14が設けられている場合が多い。この旋回防止板14により作動流体Aは、環状流路部7bの各周方向位置において、流動方向を回転軸2の軸線Xに向かう方向へと変化させつつ、吸込流路7の中心線Yに対して左右対称な流れ場を形成して、前記L字ベンド部7cへと流入する。その後、作動流体Aは軸線Xの下流側方向へと流れ、初段の遠心羽根車1の吸込口1aに吸い込まれる。
【0032】
このように、吸込ノズル8が1つのみ取り付けられた構造をとる従来の一般的な一軸多段遠心圧縮機では、環状流路部7b並びに旋回防止板14の作用により、初段の遠心羽根車1の吸込口1aにおける作動流体Aは、吸込流路7の中心線Yに対して左右対称ではあるが、周方向には不均一な流量分布となる。また、旋回成分のない状態で遠心羽根車1へと流入する。この周方向への不均一な流量分布により、初段の遠心羽根車1では若干の性能低下はあるものの、一軸多段遠心圧縮機100を定格流量付近でのみ運転する場合には、図7図8に示す従来の吸込流路構造を持つ一軸多段遠心圧縮機であっても特に問題なく動作させることが可能である。
【0033】
しかし、図7図8に示す従来の吸込流路構造を持つ一軸多段遠心圧縮機100では、定格流量での運転は可能であるが、定格流量から小流量側までの幅広い流量範囲で安定動作を確保することについては考慮されていない。このため、特に定格流量以外の小流量で運転する場合には、安定動作を確保することは困難であった。
【0034】
定格流量から小流量側までの幅広い流量範囲で安定動作を確保するためには、初段の遠心羽根車1の吸込口1aにおける周方向への作動流体の流量分布の均一性を高めつつ、予旋回を付与せずに作動流体を流入させる状態と、予旋回を付与して作動流体を流入させる状態とを切換られるようにする必要がある。
【0035】
そこで本実施例では、図1図3に示すように、一軸多段遠心圧縮機100において、環状流路部7bの外径7baの位置に相当する流路壁面のうち、吸込ノズル8(以下の説明では、第1の吸込ノズル8という)とは反対側となる部分に、第2の吸込ノズル20と旋回防止板19を設置し、第1の吸込ノズル8は回転軸2の方向に向かって配置する一方、第2の吸込ノズル20は回転軸2の方向からずれた方向に向かって配置するように構成している。
【0036】
また、第1の吸込ノズル8と第2の吸込ノズル20は、それぞれの吸込ノズル8,20から圧縮機内部へと導入する作動流体の量を調整できるようにしている。このような吸込流路構造を持つ一軸多段遠心圧縮機とすることにより、初段の遠心羽根車1の吸込口1aにおける作動流体の流入流れの予旋回量を調整可能にすることができ、しかも流入する作動流体の周方向における流量分布の均一性もより高めることができる。
【0037】
以下、図1図3を用いて、本実施例1の一軸多段遠心圧縮機100について詳細に説明する。図1は、本発明の実施例1を示す一軸多段遠心圧縮機の縦断面図、図2図3はそれぞれ図1のII-II線矢視断面図で、吸込流路の部分の断面図に相当する。また、図2は第1の吸込ノズルからのみ流体が流入している状態を示す図、図3は第1及び第2の吸込ノズルの両方から流体が流入している状態を示す図である。なお、本実施例の説明においては、図7図8を用いて説明した一般的な一軸多段遠心圧縮機と同じ部分については同一符号を付して重複する説明を省略し、図7図8に示した一軸多段遠心圧縮機と異なる部分を中心に説明する。
【0038】
図1図3に示すように、本実施例1の一軸多段遠心圧縮機100は、回転軸2と、この回転軸2に多段に取付けられた複数枚の遠心羽根車1と、前記回転軸2を支承する軸受装置3,4(3a,4a…軸受ケース、3b,4b…軸受、3c…スラスト軸受)と、前記遠心羽根車1や前記回転軸2などを収容するケーシング5とを備えている。また、初段の遠心羽根車1の上流側の前記ケーシング5に設けられた吸込流路7を備え、前記吸込流路7は、作動流体(例えば、プラントのプロセスガス等の作動ガス)Aを導入する流路部7aを有する第1の吸込ノズル8と、前記回転軸2の周囲に設けられ前記第1の吸込ノズル8と接続される環状流路部7bと、前記環状流路部7bと初段の遠心羽根車1の入口(吸込口1a)との間に設けられ、作動流体の流れを前記回転軸2の軸方向へと転向させるL字ベンド部7cと、初段の遠心羽根車1の吸込口1aに対向する位置に設けられている吸込部7dなどから構成されている。前記流路部7aは第1の吸込ノズル8の内部流路部分である。
【0039】
また本実施例では、前記第1の吸込ノズル8とは反対側の前記ケーシング5に設けられ、前記環状流路部7bと接続される第2の吸込ノズル20を備えている。即ち、前記環状流路部7bの外径7baの位置に相当するケーシング5内部の流路壁面のうち、前記第1の吸込ノズル8とは反対側の位置に前記第2の吸込ノズル20が設けられている。この第2の吸込ノズル20は、図3に示すように、第2の吸込ノズル20の内部流路部分であって作動流体Bを導入する流路部17と、第2の吸込ノズルの流路部17と環状流路部7bとの連結部である第2の吸込ノズル20の流路部出口17aを備えている。19は前記環状流路部7bにおける前記第1の吸込ノズル8とは反対側に設けられた旋回防止板である。
【0040】
前記第1の吸込ノズル8は、図7図8に示すものと同様に、前記回転軸2の方向に向かって配置されている。即ち本実施例では、前記第1の吸込ノズル8は、前記回転軸2の軸線Xに対し直交する方向に設けられている。これに対し、前記第2の吸込ノズル20は、前記回転軸2の方向からずれた方向に向かって配置されている。即ち本実施例では、前記第2の吸込ノズル20は、前記環状流路部7bの略接線方向に設けられている。
【0041】
また、前記旋回防止板19は、前記第2の吸込ノズル20の流路壁面の一部を構成するように設けられている。この旋回防止板19は、前記第2の吸込ノズル20からの作動流体Bの流れが、流路部出口17aで前記環状流路部7bに沿って流れるようにする傾斜面19aを有している。即ち、本実施例における前記旋回防止板19は、環状流路部7bからL字ベンド部7cにかけて、遠心羽根車1の回転方向Rを表す矢印と同一の方向に傾けた前記傾斜面19aを有する構成としている。
【0042】
本実施例においては、前記第1、第2の吸込ノズル8,20のそれぞれのフランジ部8a,20aから流路部7a,17の内部へ導入される作動流体の流入を制御する流入制御装置が備えられている。前記流入制御装置としては、流入を開閉する開閉弁や流入量を調整可能にする流量調整弁などが用いられる。本実施例では、前記流入制御装置として流量調整弁を用いた場合について説明する。
【0043】
即ち、図1に示すように、本実施例においては、作動流体を一軸多段遠心圧縮機100の第1のノズル8に導くための主配管22と、この主配管22に設けられた流量調整弁22aと、前記主配管22における前記流量調整弁22aの上流側から分岐して第2の吸込ノズル20に作動流体を導くための副配管23と、この副配管23に設けられた流量調整弁23aを備えている。
【0044】
なお、前記第1の吸込ノズル8のフランジ部8aから圧縮機内部に導入される作動流体Aの流れは、図2及び図3における実線矢印で表されている。一方、前記第2の吸込ノズル20のフランジ部20aから圧縮機内部に導入される作動流体Bの流れは、図3における点線矢印で表されている。
【0045】
次に、上記流量調整弁22aを開とし、上記流量調整弁23aを閉として、前記第1の吸込ノズル8のフランジ部8aからのみ作動流体Aを導入した場合について図2を用いて説明する。図2は第1の吸込ノズル8のフランジ部8aからのみ、吸込流路7の内部に作動流体Aを導入した場合の作動流体Aの流動状態を示している。
【0046】
図2に示すように、前記第1の吸込ノズル8のフランジ部8aからのみ、吸込流路7の内部に作動流体Aを導入した場合、吸込流路7の内部の作動流体Aの流動状態は、図8で説明した吸込流路7での流れとほぼ同様になる。
【0047】
即ち、第1の吸込ノズル8の流路部7aを流通する作動流体Aは、環状流路部7bの内部へと流入した後に、左右にそれぞれ回り込みながら、旋回防止板19の設置効果により環状流路部7bの各周方向位置において、流動方向を回転軸2の軸線Xに向かう方向へと変化させつつL字ベンド部7cに流入する。L字ベンド部7cに流入した作動流体Aはその後、流動方向を軸線Xの下流側方向へと転向させ、吸込部7dから初段の遠心羽根車1の吸込口1aへ流入する。
【0048】
なお、図2に示す状態では、第2の吸込ノズル20のフランジ部20aからの作動流体の流れ込みがないため、第2の吸込ノズル20の流路部17内はガスの流動のない高静圧のよどみ領域となる。このため、図2の右側の環状流路部7bを通過した作動流体Aが第2の吸込ノズル20の流路部17内へ流入する量は少ない。
【0049】
次に、上記流量調整弁22aを開とし、上記流量調整弁23aも開として、前記第1の吸込ノズル8のフランジ部8aと前記前記第2の吸込ノズル20のフランジ部20aの両方から作動流体を導入した場合について図3を用いて説明する。図3は第1の吸込ノズル8のフランジ部8aからの作動流体Aの導入に加え、第2の吸込ノズル20のフランジ部20aからも同時に作動流体Bを吸込流路7の環状流路部7b内に導入した場合の作動流体A,Bの流動状態を示している。
【0050】
図3に示すように、第1の吸込ノズル8及び第2の吸込ノズル20から同時に作動流体A,Bを導入した場合、吸込流路7の内部の作動流体の流動状態は以下のようになる。
前記第2の吸込ノズル20の流路壁面の一部を構成するように設けられている旋回防止板19は、その壁面が環状流路部7bからL字ベンド部7cにかけて、羽根車回転方向Rと同一の方向に傾くように形成している前記傾斜面19aを有している。また、前記第2の吸込ノズル20を、回転軸2の方向からずれた方向に向かうように配置している。これらの構成により、前記第2の吸込ノズル20のフランジ部20aから導入された作動流体Bは、遠心羽根車1の回転方向Rと同一方向に旋回する旋回流となる。従って、前記作動流体Bは、図3に点線矢印で示すように、環状流路部7bの内部を第1の吸込ノズル8の方向に向かって流れることになる。
【0051】
この作動流体Bの流れのうちの一部は、環状流路部7bの各周方向位置において、遠心羽根車1の回転方向Rと同一方向に旋回しながらL字ベンド部7cに流入し、さらに流動方向を軸線Xの下流側方向へと転向させ、初段の遠心羽根車1の吸込口1aへ流入する。
【0052】
一方、前記第1の吸込ノズル8のフランジ部8aから流入した作動流体Aは、第2の吸込ノズル20から遠心羽根車1の回転方向Rと同一方向に旋回しながら環状流路部7bに流れてくる作動流体Bに押されて、同一方向の旋回を与えられ、環状流路部7bを旋回防止板19が設置されている方向へと流れる。環状流路部7bを前記回転方向Rと同一方向に旋回しながら流れる作動流体Aは、環状流路部7bの各周方向位置において旋回しながらL字ベンド部7cに流入し、さらに流動方向を軸線Xの下流側方向へと転向させて初段の遠心羽根車1の吸込口1aへ流入する。
【0053】
以上説明したように、第1の吸込ノズル8のフランジ部8aから作動流体Aを導入すると同時に、第2の吸込ノズル20のフランジ部20aからも作動流体Bを導入した場合、初段の遠心羽根車1の吸込口1aに予旋回が付与された作動流体を流入させることができる。また、第1の吸込ノズル8と第2の吸込ノズル20のそれぞれから作動流体A,Bを導入するため、初段の遠心羽根車1の吸込口1aに流入する作動流体の流れを周方向により均一な流量分布とすることができる。
【0054】
これに対し、図7図8で説明した吸込ノズルが1つだけのものでは、吸込ノズル直下部8b付近を集中して作動流体Aが流れるため、初段の遠心羽根車1の吸込口1aに流入する作動流体の流れが周方向に不均一な流量分布となる。
したがって、本実施例によれば、初段の遠心羽根車1の吸込口1aに流入する作動流体の流れを改善でき、周方向に一様性の高いより均一な流量分布とした一軸多段遠心圧縮機を実現することができる。
【0055】
以上のように本実施例の構成とすれば、初段の遠心羽根車1の吸込口1aにおける作動流体の流入流れの予旋回量を調整することが可能となる。図2図3に示したように本実施例では、図2の右側の環状流路部7bにおける流れ方向に対し、図3では右側の環状流路部7bにおける流れ方向が反転する。流れ方向が反転した場合でも、環状流路部7bの内部の作動流体の流動により生じる圧力損失が増大しないようにするため、本実施例では、前記第2の吸込ノズル20及び前記旋回防止板19の設置場所の付近以外の前記環状流路部7bの断面形状を、前記回転軸2の円周方向に沿って略一定の形状に構成している。このように構成することにより、前記環状流路部7bの周方向における流路断面積の変化により生じる作動流体の加減速の大きさが、流れ方向によらずに同等することができる。
【0056】
本実施例における一軸多段遠心圧縮機100が吸込む作動流体の総体積流量は、前記第1の吸込ノズル8と前記第2の吸込ノズル20のそれぞれの吸込ノズルから導入される作動流体の体積流量の和となる。また、前記第1の吸込ノズル8から導入される作動流体の体積流量と、前記第2の吸込ノズル20から導入される作動流体の体積流量の流量配分は、前記流量調整弁22aの開度と前記流量調整弁23aの開度を調整することにより任意に調整することが可能である。
【0057】
例えば、定格流量で運転する場合など、初段の遠心羽根車1へ吸い込まれる作動流体に予旋回を付与しない場合には、前記流量調整弁22aの開度を100%(全開)とし、前記流量調整弁23aの開度は0%(全閉)として、前記流量配分を「100:0」にすることにより可能である。また、小流量側で運転したい場合など、初段の遠心羽根車1へ吸い込まれる作動流体に予旋回を付与して運転する場合には、例えば、前記流量調整弁22aの開度を50%とし、前記流量調整弁23aの開度も50%とすれは、前記流量配分を「50:50」にすることができ、予旋回を付与して小流量側まで運転範囲を拡大でき、且つ遠心羽根車1への流れの周方向分布の一様性も向上させることができる。このように、前記流量配分を調整することにより、定格流量から小流量側まで幅広い流量範囲において安定動作をさせることができる。
【0058】
なお、前記流量配分については、「100:0」や「50:50」に限られず、所望の総体積流量に応じて、前記第1の吸込ノズル8から導入する作動流体の体積流量と、前記第2の吸込ノズル20から導入する作動流体の体積流量の流量配分を任意に調整することができる。吸込流路7で発生させる旋回流の旋回成分の大きさは次のように決まる。即ち、第2の吸込ノズル20のフランジ部20aから導入される作動流体Bの流量と、第2の吸込ノズル20の流路部出口17aにおける流路断面積から、第2の吸込ノズル20の取付方向の流速の大きさが決まり、これにより前記旋回成分の大きさが決まる。従って、初段の遠心羽根車1への流入流れの予旋回量を大きくしたい場合には、前記第2の吸込ノズル20のフランジ部20aから導入する作動流体Bの流量が多くなるように、前記流量調整弁23aを調節する。
【0059】
なお、本実施例の説明では、第1の吸込ノズル8から導入される作動流体の体積流量と、第2の吸込ノズル20から導入される作動流体の体積流量の流量配分は、前記流量調整弁22a,23aにより調整するようにしているが、以下のように構成しても良い。即ち、前記第2の吸込ノズル20の流路断面積を第1の吸込ノズル8の流路断面積よりも小さく構成しておき、第2の吸込ノズル20への流入を開閉弁で制御する。予旋回を与えて遠心羽根車1に流入させる場合には、前記開閉弁を開とすることにより、第1の吸込ノズル8からの流入量よりも少ない流量の作動流体を第2の吸込ノズル20から環状流路部7bに導入することができる。流量制御装置を開閉弁とした場合には流量の調整はできないが、第2の吸込ノズルを第1の吸込ノズルよりもノズルサイズが小さく構成しておくことにより、予め定めた流量配分で運転することは可能である。
【0060】
なお、図3に示すような一様な予旋回流を初段の遠心羽根車1に流入させるような状況は、作動流体の総体積流量が定格流量よりもかなり低減させるような状況である。例えば、定格流量を100%とすると、定格流量の70%よりも作動流体の流量を減少させるような状況である。前記第1の吸込ノズル8は、基本的には、予旋回を付与しない図2に示す運転条件、即ち第1の吸込ノズル8からのみ定格流量相当の作動流体を導入する運転条件に合わせて、第1の吸込ノズル8の流路部7a内の流速が過大になり過ぎないように、設計されている。
【0061】
一方、図3に示すような予旋回を付与する運転の場合には、吸込ガスの総体積流量が定格流量の例えば70%よりも小さくなるような条件となるため、仮に初段の遠心羽根車1の流入流れの予旋回量を増やすため、全ての作動流体を第2の吸込ノズル20から導入するようにしても、第2の吸込ノズル20から導入される作動流体の流量は定格流量に対しては小さい。従って、第2の吸込ノズル20のノズルサイズは、第1の吸込ノズル8のノズルサイズよりも小さくすることが望ましい。
【0062】
また、前記環状流路部7bの流路断面形状は円周方向に略一定となるように構成することが好ましい。環状流路部7bの流路断面形状を円周方向に略一定とした際に、図3に示すような予旋回を付与するケースにおいて、予旋回量を増やすために第2の吸込ノズル20から導入する作動流体の量を第1の吸込ノズル8から導入する作動流体の量に対して極端に増大させると、L字ベンド部7cを通過し初段の遠心羽根車1の吸込口1aへ流入する作動流体の流量は、第2の吸込ノズル20の流路部出口17aの付近で最も大きくなると共に、そこから環状流路部7bを反時計回りに進むにつれて徐々に小さくなり、旋回防止板19の設置位置付近では最小となる。従って、予旋回付与時の初段の遠心羽根車1への流入流量の周方向の分布一様性が低下してしまう。
【0063】
予旋回付与時の初段の遠心羽根車1への流入流量の周方向の分布一様性を向上するためには、前記第2の吸込ノズル20から導入する作動流体の流量と、第1の吸込ノズル8から導入する作動流体の流量とが、なるべく同等になるよう調整することが好ましい。
【0064】
また、初段の遠心羽根車1に付与する予旋回量の大きさと、予旋回付与時の初段の遠心羽根車1への流入流量の周方向の分布一様性の高さとのバランスを考慮し、第2の吸込ノズル20から導入する作動流体の流量と、第1の吸込ノズル8から導入する作動流体の流量比率(流量配分)を調整することが望ましい。
【0065】
図2図3で説明したように、本実施例では、旋回防止板19を、環状流路部7bからL字ベンド部7cにかけて、遠心羽根車1の回転方向Rと同一の方向に傾けた傾斜面19aを有する構成としている。この理由は、図2に示すように予旋回を付与しない場合には、前記旋回防止板19による旋回防止効果を発揮させると共に、図3に示すように予旋回を付与する場合には、第2の吸込ノズル20から流入する作動流体による旋回流れ形成を補助する効果を発揮させることを狙ったものである。
【0066】
本実施例の一軸多段の遠心圧縮機100の適用先としては、様々なプラントが想定されるが、その中で、設置される一軸多段の遠心圧縮機に対し、定格吐出圧力を維持しつつ、定格流量から小風量側までの幅広い流量範囲における安定動作の確保が要求される場合に有効である。例えば、アンモニアやメタノール等の合成プラント用の一軸多段遠心圧縮機として特に有効である。これらプラントで用いられる合成ガス圧縮機には、アンモニアやメタノールの合成に必要なガス圧力を維持しながら、所望のガス合成量に合わせ、定格流量から小風量側までの幅広い流量範囲において安定動作することが求められるためである。
【0067】
また、前記合成ガス圧縮機の駆動用電力として太陽光発電由来の電力が利用されるプラントにおいては、昼夜で発電量が大幅に変化するため、それに合わせてガス合成量も定格流量(昼間)から小風量(夜間)まで大幅に変化させる必要がある。このようなプラントで用いる合成ガス圧縮機では、昼間は図2に示すような予旋回を付与しない状態で一軸多段遠心圧縮機100を運転し、吸込ガス量を低減したい夜間には図3に示すような予旋回を付与した状態で一軸多段遠心圧縮機100を運転することで、昼間と夜間とで、第1の吸込ノズル8から導入する流量と第2の吸込ノズル20から導入する流量とを調整しながら圧縮機を運転することが効果的である。
【0068】
本実施例によれば、吸込ノズルからの作動流体に対し、インレットガイドベーンを用いることなく、予旋回を付与することができるので、信頼性を向上でき、しかも流量分布が不均一になることも抑制できる一軸多段遠心圧縮機を得ることができる。
【0069】
即ち、吸込流路下流の初段の遠心羽根車1に予旋回を付与しないで作動流体を流入させる状態と、予旋回を付与して作動流体を流入させる状態とを、比較的簡単な構造で切換可能にすることができ、予旋回付与時の初段の遠心羽根車1への流入流れの周方向分布の一様性も高めることができる。
【0070】
次に本発明の実施例1で説明した旋回防止板19の変形例を、図4及び図5を用いて説明する。実施例1で説明した旋回防止板19の形状は、図2図3に示すものに限られるものではなく、例えば、図4図5に示すような旋回防止板19としても良い。
【0071】
図4は、本発明の実施例1の変形例を説明する図で、図3に相当する図である。図4に示す例では、旋回防止板19の旋回防止効果をより大きくするため、旋回防止板19の形状を回転軸2の方向を向くように構成しているものである。
【0072】
図5は、本発明の実施例1の他の変形例を説明する図で、図3に相当する図である。図5に示す例では、旋回防止板19による旋回流れ形成のための補助効果と旋回防止効果を併せ持つようにするために、旋回防止板19に、図3と同様の傾斜面19aと、旋回防止効果をより大きくするための旋回防止面19bとを有する形状としたものである。
【実施例0073】
以下、本発明の実施例2を、図6を用いて説明する。図6は本発明の一軸多段遠心圧縮機の実施例2を説明する図で、図3に相当する図である。この実施例2の説明においては、上述した実施例1と同様の部分についての説明は省略し、実施例1と異なる部分を中心に説明する。
【0074】
図6に示すように、本実施例2における吸込流路7は、第1の吸込ノズル8の内部流路部分である流路部7aと、環状流路部7bを有する。また、環状流路部7bの外径7baの位置に相当するケーシング5内部の流路壁面のうち、第1の吸込ノズル8とは反対側となる位置に第2の吸込ノズル20と、第3の吸込ノズル21を設置している。この第2の吸込ノズル20には、その内部流路部分である流路部17が形成され、第3の吸込ノズル21には、その内部流路部分である流路部18が形成されている。
【0075】
また、前記環状流路部7bの外径7baの位置に相当するケーシング5内部の流路壁面のうち、第1の吸込ノズル8とは反対側となる位置には、第2の吸込ノズル20の設置位置付近に、第2の吸込ノズル20の流路壁面の一部を構成するように旋回防止板19が設けられている。この旋回防止板19には、実施例1と同様に、環状流路部7bからL字ベンド部7cにかけて、羽根車回転方向Rと同一の方向に傾けた傾斜面19aが設けられている。
【0076】
実施例1と同様に、前記第1の吸込ノズル8は回転軸2の方向に向かうように配置されている。また、前記第2の吸込ノズル20及び第3の吸込ノズル21は共に、回転軸2の方向からずれた方向に向かうように配置されている。さらに、前記第2の吸込ノズル20及び前記第3の吸込ノズル21は、前記旋回防止板19を挟むように、環状流路部7bの左右にそれぞれ配置されている。
【0077】
これら第1、第2、第3の吸込ノズル8,20,21は、それぞれフランジ部8a,20a,21aから吸込流路7の内部へと導入される流入作動流体の流量を調整可能に構成されている。即ち、第1の吸込ノズル8に対しては、図1に示す主配管22が接続され、この主配管22には流量調整弁22aが設けられている。また、第2、第3の吸込ノズル20,21に対しては、それぞれ、図1に示すように、主配管22から分岐する副配管23が接続され、それぞれの副配管23にも流量調整弁23aが設けられている。
なお、他の構成は上述した実施例1と同様である。
【0078】
以上説明した本実施例2の構成とすることにより、以下の効果が得られる。
即ち、前記第1の吸込ノズル8のみから作動流体を吸込流路7内に導入すれば、図2と同様に、初段の遠心羽根車1に対する予旋回のない作動流体の流入状態を実現できる。
また、前記第1の吸込ノズル8及び前記第2の吸込ノズル20から同時に作動流体を吸込流路7内に導入すれば、図3と同様に、初段の遠心羽根車1に対してその回転方向Rと同一方向の予旋回を付与した作動流体の流入状態を実現できる。
【0079】
一方、第1の吸込ノズル8及び第3の吸込ノズル21から同時に作動流体を吸込流路7内に導入すれば、初段の遠心羽根車1に対してその回転方向Rと逆方向の逆予旋回を付与した作動流体の流入状態を実現できる。逆予旋回が初段の遠心羽根車1に対し付与された場合、初段の遠心羽根車1における圧力上昇を増大することができ、一軸多段遠心圧縮機100の吐出圧力を増大させることが可能となる。
このように、本実施例2の構成とすることにより、定格流量付近における圧縮機吐出圧力の増大と、小風量側への安定動作範囲拡大を両立させることが可能となる。
【0080】
なお、本実施例2においても、上述した実施例1と同様に、以下の構成にすると良い。
即ち、環状流路部7bの流路断面形状は、円周方向に略一定となるようにすることが好ましい。また、前記第2の吸込ノズル20と前記第3の吸込ノズル21のノズルサイズは、第1の吸込ノズル8のノズルサイズよりも小さくすることが好ましい。さらに、初段の遠心羽根車1に付与する予旋回量の大きさと、予旋回付与時の初段の遠心羽根車1への流入流量の周方向分布一様性のバランスとを考慮し、第2の吸込ノズル20または第3の吸込ノズル21から導入する作動流体の流量と、第1の吸込ノズル8から導入する作動流体の流量の比率(流量配分)を調整することが好ましい。また、前記旋回防止板19の形状は、図4に示す旋回防止板19のように、旋回防止効果を大きくした構成や、図5に示す旋回防止板19のように、旋回防止効果と旋回流れ形成の補助効果を併せ持つ構成としても良い。
【0081】
本実施例2に記載の一軸多段の遠心圧縮機100の適用先については、実施例1の一軸多段遠心圧縮機と同様に、圧縮機の駆動用電力として太陽光発電由来の電力が利用されるアンモニアやメタノール等の合成プラントにおいて用いられる合成ガス圧縮機に特に好適である。
【0082】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例では一軸多段遠心圧縮機に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、一軸多段遠心圧縮機に限られるものではなく、単段の遠心圧縮機であっても、作動流体を前記回転軸の径方向から導入して前記遠心羽根車に流入させる吸込流路を備えるものであれば同様に適用できるものである。また、本発明は圧縮機に限られず、例えば一軸多段遠心ポンプ等の遠心式流体機械にも同様に適用可能である。さらに、本発明はアンモニアやメタノール等の合成プラントに用いられる合成ガス圧縮機に限られず、その他の各種プラントの圧縮機として適用可能である。
また、上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0083】
1…遠心羽根車、1a…吸込口、2…回転軸、
3…軸受装置、3a…軸受ケース、3b…軸受、3c…スラスト軸受、
4…軸受装置、4a…軸受ケース、4b…軸受、
5…ケーシング、6(6a、6b、6c)…軸封装置、
7…吸込流路、7a…流路部、7b…環状流路部、
7ba…環状流路の外径、7bb…環状流路の内径、7c…L字ベンド部、
7d…吸込部、
8…第1の吸込ノズル(吸込ノズル)、8a…フランジ部、
8b…接続部(吸込ノズル直下部)、
9…吐出ノズル、
10…ディフューザ、10a…翼、11…リターンチャンネル、
11a…リターンベーン、
12…静止流路、13…スクロール、14…旋回防止板、
17,18…流路部、17a,18a…流路部出口、
19…旋回防止板、19a…傾斜面、19b…旋回防止面、
20…第2の吸込ノズル、20a…フランジ部、
21…第3の吸込ノズル、21a…フランジ部、
22…主配管、22a…流量調整弁、
23…副配管、23a…流量調整弁、
100…一軸多段遠心圧縮機、
A、B、C…作動流体(A…第1の吸込ノズルからの作動流体の流動方向、B…第2の吸込ノズルからの作動流体の流動方向、C…第3の吸込ノズルからの作動流体の流動方向)、R…回転方向、X…軸線、Y…中心線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8