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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081975
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】管理装置及び管理システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 63/00 20060101AFI20240612BHJP
   D01H 13/00 20060101ALI20240612BHJP
   D01H 13/32 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
B65H63/00 Z
D01H13/00 Z
D01H13/32
B65H63/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195617
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】富山 公貴
(72)【発明者】
【氏名】平井 克尚
【テーマコード(参考)】
3F115
4L056
【Fターム(参考)】
3F115CA53
3F115CF39
4L056AA02
4L056AA45
4L056ED01
4L056ED03
4L056ED11
(57)【要約】
【課題】少ない操作で目的の画面を表示可能であり、かつ、目的の画面を表示させるまでの操作が簡単である管理装置を提供する。
【解決手段】管理装置は、糸を巻き取ってパッケージを製造する糸処理装置を管理する。管理装置は、表示部と、制御部と、を備える。表示部は、糸処理装置に関する情報を表示する。制御部は、表示部の表示内容を制御する。制御部は、予め登録された画面の内容を示す移行先情報を表示部に複数表示して、当該移行先情報の選択を受け付け、選択された移行先情報が示す画面に移行して当該画面を表示部に表示する処理を行う。制御部は、移行先情報として、登録した画面を示すサムネイル画像、登録した画面に応じて登録された補助テキスト、及び、登録した画面のメニューツリーでの階層を示す階層情報のうち少なくとも2つを表示部に表示する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸を巻き取ってパッケージを製造する糸処理装置を管理する管理装置において、
前記糸処理装置に関する情報を表示する表示部と、
前記表示部の表示内容を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、予め登録された画面の内容を示す移行先情報を前記表示部に複数表示して、当該移行先情報の選択を受け付け、選択された前記移行先情報が示す画面に移行して当該画面を前記表示部に表示する処理を行い、
前記制御部は、前記移行先情報として、登録した画面を示すサムネイル画像、登録した画面に応じて登録された補助テキスト、及び、登録した画面のメニューツリーでの階層を示す階層情報のうち少なくとも2つを前記表示部に表示することを特徴とする管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の管理装置であって、
前記制御部は、前記移行先情報として、登録した画面を示すサムネイル画像、登録した画面に応じて登録された補助テキスト、及び、登録した画面のメニューツリーでの階層を示す階層情報の全てを前記表示部に表示することを特徴とする管理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の管理装置であって、
前記制御部は、移行先の画面を登録する操作が行われた場合に、該当する画面の前記サムネイル画像を少なくとも含む前記移行先情報を登録することを特徴とする管理装置。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の管理装置であって、
前記制御部は、分類識別情報と、当該分類識別情報が割り付けられた1又は複数の前記移行先情報と、を対応付けた移行先登録情報にアクセス可能であり、
前記制御部は、前記分類識別情報の選択が行われた場合に、当該分類識別情報が割り付けられた前記移行先情報を前記表示部に表示することを特徴とする管理装置。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載の管理装置であって、
前記管理装置の外部に配置された外部装置と通信する通信部を備え、
前記通信部は、前記制御部が登録した前記移行先情報を前記外部装置へ送信可能であるとともに、当該外部装置に登録された前記移行先情報を受信可能であることを特徴とする管理装置。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか一項に記載の管理装置としての第1管理装置及び第2管理装置を備える管理システムにおいて、
前記第1管理装置は、
前記制御部としての第1制御部と、
記憶媒体が着脱可能に取り付けられる第1入出力部と、
を備え、
前記第2管理装置は、
前記制御部としての第2制御部と、
記憶媒体が着脱可能に取り付けられる第2入出力部と、
を備え、
前記第1制御部は、前記移行先情報を、前記第1入出力部を介して、前記記憶媒体へ記憶可能であり、
前記第2制御部は、前記移行先情報を、前記第2入出力部を介して、前記記憶媒体へ記憶可能であり、
前記第1制御部は、前記第2管理装置で登録されて前記記憶媒体に記憶された前記移行先情報を、前記第1入出力部を介して、前記記憶媒体から読出可能であり、
前記第2制御部は、前記第1管理装置で登録されて前記記憶媒体に記憶された前記移行先情報を、前記第2入出力部を介して前記記憶媒体から読出可能であることを特徴とする管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、糸を巻き取ってパッケージを製造する糸処理装置を管理する管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、繊維機械に関する情報を表示する画面装置を備える。画面装置は、「稼動」、「運転」、「操業」等の文字で構成されたアイコンをメインメニューページに表示する。画面装置は、選択されたアイコンに応じた画面を表示する。例えば、「運転」と記載されたアイコンが選択された場合、画面装置は、繊維機械の現在の運転状態を示す画面を表示する。また、この運転状態を示す画面には、「現在の運転設定」と記載された更に別のアイコンが表示される。「現在の運転設定」と記載されたアイコンが選択された場合、画面装置は、現在の運転設定に関する情報と、更に別のアイコンと、が含まれる画面を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-87703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、ユーザは、目的の画面を表示させるまでに多数のアイコンを選択する必要がある。更に、ユーザは、目的の画面を表示させるまでのアイコンの選択の流れを記憶する必要がある。また、特許文献1で開示されるアイコンは、移行先の画面の情報を端的に示す用語のみで構成されているため、ユーザは、どのアイコンを選択すれば目的の画面を表示できるかを十分に把握できない可能性がある。
【0005】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、少ない操作で目的の画面を表示可能であり、かつ、目的の画面を表示させるまでの操作が簡単である管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0007】
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の管理装置が提供される。即ち、管理装置は、糸を巻き取ってパッケージを製造する糸処理装置を管理する。管理装置は、表示部と、制御部と、を備える。前記表示部は、前記糸処理装置に関する情報を表示する。前記制御部は、前記表示部の表示内容を制御する。前記制御部は、予め登録された画面の内容を示す移行先情報を前記表示部に複数表示して、当該移行先情報の選択を受け付け、選択された前記移行先情報が示す画面に移行して当該画面を前記表示部に表示する処理を行う。前記制御部は、前記移行先情報として、登録した画面を示すサムネイル画像、登録した画面に応じて登録された補助テキスト、及び、登録した画面のメニューツリーでの階層を示す階層情報のうち少なくとも2つを前記表示部に表示する。
【0008】
これにより、移行先情報が予め登録されているため、ユーザは目的の画面に少ない操作で到達可能である。更に、移行先情報として、上述した3つのうち少なくとも2つが表示部に表示されるため、ユーザは、移行先情報が示す画面の内容を容易に把握できる。そのため、ユーザは目的の画面に対応する移行先情報を簡単に選択できる。
【0009】
前記の管理装置においては、前記制御部は、前記移行先情報として、登録した画面を示すサムネイル画像、登録した画面に応じて登録された補助テキスト、及び、登録した画面のメニューツリーでの階層を示す階層情報の全てを前記表示部に表示することが好ましい。
【0010】
これにより、ユーザは、移行先情報が示す画面の内容を更に容易に把握できる。
【0011】
前記の管理装置においては、前記制御部は、移行先の画面を登録する操作が行われた場合に、該当する画面の前記サムネイル画像を少なくとも含む前記移行先情報を登録することが好ましい。
【0012】
これにより、ユーザが移行先情報を登録できるので、ユーザが頻繁に閲覧する画面についてサムネイル画像を少なくとも含む移行先情報を登録することにより、ユーザの利便性が向上する。
【0013】
前記の管理装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記制御部は、分類識別情報と、当該分類識別情報が割り付けられた1又は複数の前記移行先情報と、を対応付けた移行先登録情報にアクセス可能である。前記制御部は、前記分類識別情報の選択が行われた場合に、当該分類識別情報が割り付けられた前記移行先情報を前記表示部に表示する。
【0014】
これにより、使用するユーザ毎又は巻取条件等に応じて分類識別情報を設定することにより、ユーザ又は巻取条件等に応じた適切な移行先情報の組合せを表示することができる。
【0015】
前記の管理装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、管理装置は、当該管理装置の外部に配置された外部装置と通信する通信部を備える。前記通信部は、前記制御部が登録した前記移行先情報を前記外部装置へ送信可能であるとともに、当該外部装置で登録された前記移行先情報を受信可能である。
【0016】
これにより、管理装置で登録された移行先情報を外部装置に登録したり、外部装置で登録された移行先情報を管理装置に登録したりすることができる。その結果、管理装置毎に移行先情報を登録する手間を軽減できる。また、記憶媒体を用いなくても、移行先情報を手間なくやり取りできる。
【0017】
本発明の第2の観点によれば、以下の管理システムが提供される。前記管理システムは、第1管理装置と、第2管理装置と、を備える。前記第1管理装置は、前記制御部としての第1制御部と、第1入出力部と、を備える。前記第1入出力部には、記憶媒体が着脱可能に取り付けられる。前記第2管理装置は、前記制御部としての第2制御部と、第2入出力部と、を備える。前記第2入出力部には、記憶媒体が着脱可能に取り付けられる。前記第1制御部は、前記移行先情報を、前記第1入出力部を介して、前記記憶媒体へ記憶可能である。前記第2制御部は、前記移行先情報を、前記第2入出力部を介して、前記記憶媒体へ記憶可能である。前記第1制御部は、前記第2管理装置で登録されて前記記憶媒体に記憶された前記移行先情報を、前記第1入出力部を介して、前記記憶媒体から読出可能である。前記第2制御部は、前記第1管理装置で登録されて前記記憶媒体に記憶された前記移行先情報を、前記第2入出力部を介して、前記記憶媒体から読出可能である。
【0018】
これにより、第1管理装置で登録された移行先情報を第2管理装置に登録したり、第2管理装置で登録された移行先情報を第1管理装置に登録したりすることができる。その結果、管理装置毎に移行先情報を登録する手間を軽減できる。また、第1管理装置と第2管理装置とが適切に通信できない場合であっても、移行先情報をやり取りできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る管理装置を含む自動ワインダの正面図。
図2】自動ワインダのブロック図。
図3】移行先情報を登録する処理を示すフローチャート。
図4】移行先情報を登録する際に表示部に表示される画面。
図5】移行先登録情報を示す表。
図6】移行先情報を表示する処理を示すフローチャート。
図7】移行先情報を選択する際に表示部に表示される画面。
図8】第1変形例に係る自動ワインダのブロック図。
図9】第2変形例に係る自動ワインダのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。初めに、図1及び図2を参照して、自動ワインダ(繊維機械)の全体的な構成について説明する。
【0021】
図1に示す自動ワインダ1は、糸処理装置2と、管理装置50と、を備える。糸処理装置2と管理装置50は並んで配置されている。糸処理装置2は、並設された複数の巻取ユニット10と、玉揚台車40と、を備える。また、
【0022】
それぞれの巻取ユニット10は、給糸部11と、糸解舒補助装置12と、テンション付与装置13と、糸継装置14と、糸品質測定器15と、クレードル16と、巻取ドラム17と、ハウジング18と、を備える。
【0023】
給糸部11には、給糸ボビン21が支持されている。糸解舒補助装置12は、給糸ボビン21から解舒される糸が遠心力によって振り回されて外側に膨らんだ部分(バルーン)に対して接触することで、糸が過度に振り回されることを抑制し、糸の解舒を一定のテンションで行うことができる。テンション付与装置13は、走行する糸に所定のテンションを付与する。糸継装置14には、給糸ボビン21から解舒される糸と、パッケージ22の糸と、がそれぞれ案内される。糸継装置14は、案内された糸同士の糸継ぎを行う。糸品質測定器15は、走行する糸の品質(例えば糸太さ又はその変化量等)を光学式センサ等で測定する。
【0024】
クレードル16には巻取ボビンが取り付けられている。巻取ドラム17は、巻取ボビン又はパッケージ22と接触して回転することにより、糸を綾振りしつつ、当該糸を巻取ボビンに巻き取る。巻取ドラム17が巻取ボビンに糸を巻き取ることにより、パッケージ22が製造される。
【0025】
ハウジング18の内部には、図2に示すユニット制御部19が設けられている。ユニット制御部19は、CPU、RAM、ストレージ等を備える。ストレージは、例えば、HDD、SDD、又はフラッシュメモリである。ストレージには各種プログラム及び制御用データが記憶されている。CPUは、ストレージに記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行する。これにより、ユニット制御部19は巻取ユニット10に関する制御を行う。
【0026】
玉揚台車40は、巻取ユニット10の並列方向に沿って走行可能である。具体的には、巻取ユニット10の上方には、並列方向に沿ってレールが形成されており、玉揚台車40はレールに沿って走行する。玉揚台車40は、ある巻取ユニット10においてパッケージが満巻となった場合、玉揚台車40は、当該巻取ユニット10まで走行して停止する。玉揚台車40は、当該巻取ユニット10の満巻のパッケージを取り外すとともに糸が巻かれていない新たな巻取ボビンを巻取ユニット10に供給する。
【0027】
具体的には、玉揚台車40は、糸引出しアーム41と、クレードル開放アーム42と、チャッカ43と、を備える。糸引出しアーム41は、図略のエアシリンダ等のアクチュエータにより伸縮可能である。糸引出しアーム41の先端には吸引式の糸捕捉部が取り付けられており、給糸ボビン21からの糸を引き出す。クレードル開放アーム42は、クレードル16を操作して開放し、満巻となったパッケージ22をクレードル16から取り外す。チャッカ43は、図略のボビンストッカに保持されている空の巻取ボビンを掴んでクレードル16に供給する。
【0028】
管理装置50は、糸処理装置2を管理する。本実施形態の糸処理装置2は、巻取ユニット10及び玉揚台車40を含む。ただし、玉揚台車40を糸処理装置2から除外してもよい。即ち、玉揚台車40は、管理装置50の管理対象であってもよいし、管理装置50の管理対象外であってもよい。なお、管理装置50の管理対象には、給糸ボビン21を巻取ユニット10まで搬送したり、給糸ボビン21に糸を巻き取る準備を行うボビン準備装置を含めてもよい。図2に示すように、管理装置50は、制御部51と、表示部52と、操作部53と、通信部54と、を備える。
【0029】
制御部51は、ユニット制御部19と同様、CPU、RAM、ストレージ等を備える。ストレージは、例えば、HDD、SSD、又はフラッシュメモリである。ストレージには各種プログラム及び制御用データが記憶されている。CPUは、ストレージに記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行する。これにより、制御部51は、糸処理装置2の管理に関する制御を行う。
【0030】
表示部52は、情報を表示可能なディスプレイ装置である。表示部52は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである。表示部52は、制御部51が生成した画面を表示する。以下の説明において、「画面」とは、糸処理装置2に関する情報の表示、又は、糸処理装置2に関する設定の変更を目的として、表、グラフ、写真、イラスト、入力欄、又はアイコン等で構成された表示物である。具体的には、各巻取ユニット10の稼動状況を示す情報表示画面、各巻取ユニット10の生産効率を示す情報表示画面、各巻取ユニット10の糸巻取条件を変更するための設定変更画面、玉揚台車40の処理条件を変更するための設定変更画面、他の画面に移行するためのメニュー画面等が表示部52に表示される。
【0031】
操作部53は、ユーザが操作可能なハードウェアデバイスである。操作部53は、例えば、ハードウェアキー又はタッチパネルである。タッチパネルは、表示部52と一体的に構成されており、ユーザが表示部52の画面に触れた場合、ユーザが触れた位置を検出する。また、ユーザが触れた位置の履歴に基づいて、所定の操作(タップ、ダブルタップ、ドラッグ、ピンチイン、ピンチアウト)が行われたことを検出可能である。なお、ユーザとは、自動ワインダ1の稼動を補助するオペレータだけでなく、自動ワインダ1を管理する管理者も含む用語である。
【0032】
制御部51は、ユーザが操作部53を操作して行った指令に応じた処理を行う。例えば、ユーザが操作部53を操作して、情報表示画面等を表示する指示を行った場合、制御部51は、指定された情報表示画面等を表示する。また、ユーザが操作部53を操作して、糸巻取条件を変更する指示を行った場合、制御部51は、糸巻取条件の変更を反映させる。
【0033】
通信部54は、他の装置と通信を行うための有線通信モジュール又は無線通信モジュールである。通信部54は、複数の巻取ユニット10及び玉揚台車40と通信可能である。
【0034】
次に、図3から図7を参照して、管理装置50のブックマーク機能について説明する。上述したように、表示部52が表示可能な画面は多数存在する。そのため、ユーザが目的の画面を表示部52に表示させるために、大きな手間又は時間が掛かる可能性があった。例えば、上述した特許文献1のようにアイコンを複数回選択することで目的の画面に移行する場合は、目的の画面に移行するまでのアイコンの選択の流れをユーザが記憶する必要がある。更に、特許文献1で開示されるアイコンは、移行先の画面の情報を端的に示す用語のみで構成されているため、ユーザは、どのアイコンを選択すれば目的の画面に移行できるかを十分に把握できない可能性がある。
【0035】
この点、本実施形態では、管理装置50のブックマーク機能を用いて所定の画面を登録することにより、目的の画面を表示させるまでのユーザの手間を軽減できる。更に、管理装置50は、登録した画面をユーザに選択させる際に、登録した画面に関する様々な情報を表示部52に表示する。これにより、何れの移行先情報を選択すれば目的の画面に移行できるかをユーザに十分に把握させることができる。
【0036】
以下、管理装置50のブックマーク機能の詳細について説明する。図3には、ユーザが所望の画面を登録するときに、管理装置50の制御部51が行う処理が記載されている。本実施形態では、ユーザが所望の画面を登録するが、それに代えて又は加えて、一般的に良く使用される画面をデフォルトのブックマークとして、メーカ側で予め登録してもよい。
【0037】
図4に示すように、表示部52には、第1メニューバー61及び第2メニューバー62が表示される。第1メニューバー61は常に表示されており、第1メニューバー61には複数のアイコンが表示される。第2メニューバー62には、第1メニューバー61で選択したアイコンの下位の階層の項目を示すアイコンが表示される。つまり、第1メニューバー61で選択したアイコンに応じて、第2メニューバー62に表示されるアイコンが変化する。ユーザは、画面を登録する場合、操作部53を用いて第1メニューバー61及び/又は第2メニューバー62に表示されたアイコンを選択する操作を行って、所望の画面をメイン領域63に表示させる。あるいは、ユーザは、メイン領域63にメニュー画面を表示し、メニュー画面のアイコンを選択することにより、所望の画面をメイン領域63に表示させてもよい。
【0038】
また、表示部52の端部(本実施形態では上端部)には、補助領域64が表示される。補助領域64には、複数のアイコンが並べて表示される。補助領域64に表示されるアイコンは、左から順に、電卓、スクリーンショット、ヘルプ、アラート、及びメールを示す。補助領域64に表示されるアイコンは、ユーザが頻繁に使用する機能を実行するためのものである。別の観点で説明すると、補助領域64に表示されるアイコンは、メイン領域63に表示される内容に関係なくユーザに使用される機能を実行するためのものである。なお、補助領域64に表示されるアイコンと、第1メニューバー61又は第2メニューバー62に表示されるアイコンと、の一部同士が重複していてもよい。
【0039】
また、表示部52には、メニューボタン65が常に表示されている。つまり、管理装置50にブックマークとして登録可能な画面が表示部52に表示されている場合は、表示部52にメニューボタン65が表示される。ユーザは、表示部52に現在表示されている画面を登録する場合、メニューボタン65を選択する操作を行って、メニュー項目表示領域66を表示させる。メニュー項目表示領域66には、現在表示されている画面を登録するための項目が含まれる。ユーザは、この項目を選択する操作を行うことにより、現在の表示画面を登録する指示を行う。本実施形態では、メニューボタン65が表示部52に常に表示されているため、ユーザは、どの画面が表示されている場合でも同じ操作(かつ簡単な操作)で現在の表示画面を登録する指示を行うことができる。メニューボタン65又はメニュー項目表示領域66を選択する操作は、操作部53(具体的にはタッチパネル又はハードウェアキー)を用いて行われる。
【0040】
制御部51は、ユーザが現在の画面の登録指示を行ったか否かを判定する(S101)。制御部51は、ユーザが現在の画面の登録指示を行ったと判定した場合、現在の画面のスクリーンショット画像に基づいてサムネイル画像を作成する。
【0041】
サムネイル画像は、登録した画面に移行する際に、登録した画面を示すために用いられる画像である。サムネイル画像は、ユーザが見慣れている画面そのものであるため、どのような画面であるかを瞬時に把握できる。本実施形態では、制御部51は、メイン領域63だけでなく、第1メニューバー61、第2メニューバー62、及び補助領域64で構成されるサムネイル画像を作成する。これに代えて、制御部51は、メイン領域63に表示された部分だけで構成されるサムネイル画像を作成してもよい。サムネイル画像は、スクリーンショット画像と比較して表示時のサイズが小さい。また、サムネイル画像の解像度は、スクリーンショット画像の解像度と同じであってもよいし、スクリーンショット画像の解像度よりも小さくてもよい。また、スクリーンショット画像を用いることに代えて、予め作成されたサンプル画像を用いてもよい。サンプル画像とは、サンプルデータ等を用いて予め作成された表又はグラフを含む画像である。
【0042】
次に、制御部51は、ブックマークグループIDの選択を受け付ける(S103)。ブックマークグループID(管理識別情報)とは、登録した画面をグループ化して管理するための識別情報である。ユーザが登録する画面にはブックマークグループIDが割り付けられる。1つのブックマークグループに属する画面には、同一のブックマークグループIDが割り付けられる。ブックマークグループの利用方法としては、例えば、ユーザ毎にブックマークグループを分けたり、巻取ユニット10と玉揚台車40でブックマークグループを分けたりすることができる。また、ブックマークグループIDの選択を受け付ける処理を省略してもよい。例えば、ブックマークグループIDを予め選択できる場合は、現在選択中のブックマークグループIDが、登録する画面に自動的に割り付けられる。ブックマークグループIDが選択中である場合、後述のように登録した画面の一覧を表示する際には、現在選択中のブックマークグループIDが割り付けられた画面の一覧が表示される。ブックマークグループIDは、上述したように、ユーザ毎に分けられてもよい。即ち、第1のブックマークグループIDを利用する第1のユーザは、第1のブックマークグループIDを選択するため、新たに登録する画面にも第1のブックマークグループIDが割り付けられる。一方、第2のユーザは、第2のブックマークグループIDを選択するため、新たに登録する画面にも第2のブックマークグループIDが割り付けられる。また、ブックマークグループIDを選択する処理に代えて、ログイン情報を関連付ける処理を行ってもよい。即ち、第1のユーザがログインした際には、第1のユーザに関連付けられた第1のブックマークグループIDが選択中となる。そのため、この状態で第1のユーザが新たに登録する画面には第1のブックマークグループIDが割り付けられる(第2のユーザについても同様)。また、ログイン状態は最終操作から一定時間だけ継続する仕様にしてもよい。この場合、第1のユーザが最終操作から一定時間以内に登録する画面に、第1のブックマークグループIDが割り付けられる。なお、ブックマークグループIDによる登録画面の分類は必須の技術ではなく、省略することもできる。
【0043】
次に、制御部51は、選択されたブックマークグループIDに対応付けて、画面IDとサムネイル画像と階層情報を登録する(S104)。図5には、これらの情報(以下、移行先登録情報)を示す表が記載されている。画面IDとは、画面毎に設定される固有の識別情報である。階層情報とは、登録する画像のメニューツリーにおける階層である。例えば、図5に記載されている「AA11>BB11>CC13」は、AA11,BB11,CC13の順にアイコン等を選択することで到達できる画面であることを示す。制御部51は、自身が備えるストレージに移行先登録情報を記憶するが、管理装置50の外部に配置された外部装置に移行先情報を記憶してもよい。外部装置の例としては、例えば、自動ワインダ1の工場内に配置される他のPC又はNAS(Network Attached Storage)、又は、ワイドエリアネットワークを介して管理装置50と接続されるデータサーバを挙げることができる。
【0044】
階層情報について更に具体的に説明する。階層の最上位には、例えば、運転、設定、保全等が含まれる。運転は、現在の運転状態のデータを表示するための項目である。設定は、運転に関する設定を変更するための項目である。保全は、保全が必要な箇所を表示するための項目である。また、最上位の1つ下位の階層には、巻取ユニット、玉揚装置、ボビン準備装置のように、どの機器に関する項目かを指定するための階層である。なお、階層の分類は一例であり、本実施形態とは異なるメニューツリーを採用してもよい。
【0045】
次に、制御部51は、補助テキストの入力があるか否かを判定する(S105)。補助テキストとは、登録した画面に関してユーザが入力テキストである。補助テキストは、例えば、登録した画面の内容、画面を登録した日時、画面を登録したユーザ、登録した画面を閲覧すべき状況等、様々な内容を登録できる。補助テキストの入力は、例えば、以下の手順で行われる。例えば、ユーザが画面を登録する際に入力ボックスを表示部52に表示して補助テキストの入力を受け付けてもよい。あるいは、登録した画面の一覧を表示する画面において、補助テキストの入力又は修正を受け付けてもよい。また、補助テキストの入力は必須ではなく、省略することもできる。
【0046】
制御部51は、補助テキストの入力があったと判定した場合、ブックマークグループIDに対応付けて補助テキストを登録する(S106)。
【0047】
次に、予め登録した画面の一覧を表示部52に表示して、ユーザが選択した画面に移行して、当該画面を表示部52に表示する処理について説明する。これらの処理は、図6のフローチャートに示されており、制御部51によって行われる。
【0048】
図7に示すように、第1メニューバー61にはブックマークボタン61aが含まれている。ユーザがブックマークボタン61aを操作することにより、第2メニューバー62に登録画面表示ボタン62aが表示される。ユーザは、登録画面表示ボタン62aを操作することにより、登録画面の表示指示を行うことができる。
【0049】
制御部51は、ユーザが登録画面の表示指示を行ったか否かを判定する(S201)。制御部51は、登録画面表示ボタン62aが操作されたか否かに基づいて、ユーザが登録画面の表示指示を行ったか否かを判定する。なお、登録画面の表示指示は登録画面表示ボタン62aの操作に限られず、異なる操作であってもよい。また、第1メニューバー61のブックマークボタン61aを操作することで自動的に登録画面表示ボタン62aが選択されてもよい。この場合、制御部51は、ブックマークボタン61aが操作されたか否かに基づいて、ユーザが登録画面の表示指示を行ったか否かを判定する。
【0050】
制御部51は、ユーザが登録画面の表示指示を行ったと判定した場合、選択されたブックマークグループIDが割り付けられた移行先情報の一覧を表示部52に表示する(S202)。本実施形態では、直近に使用したブックマークグループIDが自動的に選択される。ただし、移行先情報の一覧を表示する前に、ユーザにブックマークグループIDを選択させてもよい。
【0051】
図7には、移行先情報の一覧が表示された画面が示されている。具体的には、表示部52のメイン領域63に、4つの移行先情報表示領域72が設けられている。それぞれの移行先情報表示領域72には、画面表示領域72a、補助テキスト表示領域72b、及び階層表示領域72cが設けられている。画面表示領域72aには、画面の登録時に作成したサムネイル画像が表示される。補助テキスト表示領域72bには、画面の登録時又は登録後に入力した補助テキストが表示される。階層表示領域72cには、画面の登録時に作成した階層情報が表示される。
【0052】
本実施形態では、移行先情報表示領域72が左右に2つ並べて配置され、かつ、上下に2つ並べて配置される。また、画面を上下にスクロールすることにより、更に別の移行先情報表示領域72が表示される。画面表示領域72aに表示されるサムネイル画像は、スクリーンショット画像より小さいため、移行先情報の一覧性を高くすることができる。なお、移行先情報表示領域72が左右に1つ又は3つ以上並べて配置されてもよいし、左右又は上下に並べて配置する数を変更可能であってもよい。また、ユーザの操作に応じて、移行先情報の表示順序を変更したり、移行先情報を削除したりすることが可能であってもよい。
【0053】
本実施形態では、画面表示領域72aの下方に補助テキスト表示領域72bが配置され、画面表示領域72aの上方に階層表示領域72cが配置される。このレイアウトは一例であり、補助テキスト表示領域72b及び階層表示領域72cの位置が、本実施形態のレイアウトと異なっていてもよい。
【0054】
本実施形態では、管理装置50は、サムネイル画像、補助テキスト、階層情報の3つを表示可能である。これに代えて、管理装置50は、これらの3つのうち2つのみを表示可能であってもよい。即ち、管理装置50は、サムネイル画像と補助テキストを表示可能で階層情報を表示不能であってもよいし、サムネイル画像と階層情報を表示可能で補助テキストを表示不能であってもよいし、補助テキストと階層情報を表示可能でサムネイル画像を表示不能であってもよい。あるいは、サムネイル画像は他の2つの情報よりも重要であるため、サムネイル画像が表示されるとともに、更に、補助テキストと階層情報の少なくとも一方が表示されてもよい。
【0055】
何れの組合せで移行先情報を表示した場合においても、特許文献1のアイコンと比較して、ユーザは、移行先に関する十分な情報を把握できる。従って、ユーザは、何れの移行先情報を選択すれば目的の画面に移行できるかを容易に把握できる。例えば、1つの情報だけを表示する場合は、登録した移行先情報によっては、他の移行先情報と区別することが難しい可能性がある。この点、2つ以上の情報を表示することにより、移行先情報同士の差異が明確になるので、移行先情報同士を容易に区別できる。例えば、表示する移行先情報としてサムネイル画像と階層情報が含まれる場合、両者はメニューツリー上の位置を示す情報であるため、2つの情報を考慮することにより、ユーザは移行先情報の内容を容易に特定できる。また、サムネイル画像又は階層情報に加え、補助テキストが含まれる場合、補助テキストの情報だけでは移行先情報の内容が容易に特定できない場合であっても、メニューツリー上の位置を示す情報(サムネイル画像又は階層情報)を更に考慮することにより、ユーザは、移行先情報の内容を容易に特定できる。
【0056】
次に、制御部51は、別のブックマークグループIDが選択されたか否かを判定する(S203)。図4に示すように、例えば補助領域64には、ID切替ボックス70が表示されている。ユーザがID切替ボックス70を操作することにより、別のブックマークグループIDに切り替えることができる。制御部51は、ID切替ボックス70が操作されたか否かに基づいて、ステップS203の判定を行う。制御部51は、別のブックマークグループIDが選択されたと判定した場合、選択されたブックマークグループIDが割り付けられた移行先情報の一覧を表示する(表示を切り替える、S202)。
【0057】
制御部51は、移行先情報が選択されたか否かを判定する(S204)。図4に示す、移行先情報表示領域72の全体、言い換えれば画面表示領域72a、補助テキスト表示領域72b、及び階層表示領域72cの全ては、リンクとして機能する。そのため、ユーザは、移行先情報表示領域72の何れかの部分を選択することにより、移行先情報を選択することができる。制御部51は、移行先情報表示領域72を選択する操作が行われるか否かに基づいて、ステップS204の判定を行う。
【0058】
制御部51は、移行先情報が選択されたと判定した場合、選択された移行先情報が示す画面に移行し、当該画面を表示部52に表示する(S205)。選択された移行先情報が示す画面に移行する際には、移行先登録情報として登録された画面IDを用いることができる。なお、画面IDに代えて、階層情報を用いて、選択された移行先情報が示す画面に移行してもよい。
【0059】
次に、図8を参照して、上記実施形態の第1変形例を説明する。なお、以後の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0060】
繊維工場では、複数の自動ワインダ1が並べて配置されることがある。図8は、複数の自動ワインダ1のうち、2つの自動ワインダ1が並べて配置された部分のブロック図である。2つの自動ワインダ1は同じ構成であるが、説明のために、一方の自動ワインダ1及び管理装置50を、第1自動ワインダ1a及び第1管理装置50aと称し、他方を、第2自動ワインダ1b及び第2管理装置50bと称する。また、複数の管理装置50(ここでは第1管理装置50aと第2管理装置50b)を合わせたものが「管理システム」に相当する。
【0061】
ここで、全ての自動ワインダ1に対して、図3のフローチャートに示す画面の登録を行うことはユーザにとって手間となる。この点、第1変形例では、1つの自動ワインダ1に対して行った設定の内容を他の自動ワインダ1に反映させることができる。
【0062】
具体的には、第1管理装置50aの通信部54と、第2管理装置50bの通信部54と、は有線又は無線により通信可能である。また、制御部51は、移行先登録情報を所定の形式のファイルにエクスポート可能であるとともに、他の管理装置50がエクスポートした移行先登録情報を含むファイルをインポート可能である。
【0063】
以上により、例えば第1管理装置50aで画面の登録を行って移行先登録情報を作成した後に、この移行先登録情報をエクスポートして、第2管理装置50bに送信する。第2管理装置50bは、受信した移行先登録情報をインポートする。これにより、第1自動ワインダ1aと同様の設定が第2自動ワインダ1bに反映される。なお、第1管理装置50aにとっては第2管理装置50bが「外部装置」に相当し、第2管理装置50bにとっては第1管理装置50aが「外部装置」に相当する。
【0064】
第1変形例では、2つの自動ワインダ1について述べたが、1つの自動ワインダ1が2以上の自動ワインダ1に対して移行先登録情報を送信してもよい。また、第1管理装置50aが上述したPC、NAS、又はサーバに移行先登録情報を記憶する場合は、他の管理装置50は、これらの外部装置にアクセスするだけで、移行先登録情報を取得してインポートすることができる。
【0065】
次に、図9を参照して、上記実施形態の第2変形例を説明する。第2変形例は、第1変形例と比較して、移行先登録情報をやり取りする方法が異なる。
【0066】
第2変形例の管理装置50は、入出力部55を備える。入出力部55はUSBメモリ(記憶媒体)56を取付可能である。制御部51は、入出力部55を介して、USBメモリ56へ移行先登録情報を記憶可能である。制御部51は、入出力部55を介して、USBメモリ56に記憶された移行先登録情報を読出可能である。なお、USBメモリ56に代えて、他の記憶媒体、例えばSDカードを用いてもよい。
【0067】
以上により、例えば第1管理装置50aで画面の登録を行って移行先登録情報を作成した後に、入出力部55にUSBメモリ56を取り付ける。そして、第1管理装置50aの制御部51は、入出力部55を介して、移行先登録情報をUSBメモリ56に記憶する。次に、このUSBメモリ56を第2管理装置50bの入出力部55に取り付ける。第2管理装置50bの制御部51は、入出力部55を介して、移行先登録情報を読み出して設定する。これにより、第1自動ワインダ1aと同様の設定が第2自動ワインダ1bに反映される。なお、第1管理装置50aの制御部51が「第1制御部」に相当し、第1管理装置50aの入出力部55が「第1入出力部」に相当し、第2管理装置50bの制御部51が「第2制御部」に相当し、第2管理装置50bの入出力部55が「第2入出力部」に相当する。なお、第1管理装置50a又は第2管理装置50bは、USBメモリ56を用いて、外部装置との間で移行先情報をやり取りすることもできる。
【0068】
以上に説明したように、本実施形態の管理装置50は、糸を巻き取ってパッケージ22を製造する糸処理装置2を管理する。本実施形態の管理装置50は、表示部52と、制御部51と、を備える。表示部52は、糸処理装置2に関する情報を表示する。制御部51は、表示部52の表示内容を制御する。制御部51は、予め登録された画面の内容を示す移行先情報を表示部52に複数表示して、移行先情報の選択を受け付け、選択された移行先情報が示す画面に移行して画面を表示部52に表示する処理を行う。制御部51は、移行先情報として、登録した画面を示すサムネイル画像、登録した画面に応じて登録された補助テキスト、及び、登録した画面のメニューツリーでの階層を示す階層情報のうち少なくとも2つを表示部52に表示する。
【0069】
これにより、移行先情報が予め登録されているため、ユーザは目的の画面に少ない操作で到達可能である。更に、移行先情報として、上述した3つのうち少なくとも2つが表示部52に表示されるため、ユーザは、移行先情報が示す画面の内容を容易に把握できる。そのため、ユーザは目的の画面に対応する移行先情報を簡単に選択できる。
【0070】
本実施形態の管理装置50において、制御部51は、移行先情報として、登録した画面を示すサムネイル画像、登録した画面に応じて登録された補助テキスト、及び、登録した画面のメニューツリーでの階層を示す階層情報の全てを表示部52に表示する。
【0071】
これにより、ユーザは、移行先情報が示す画面の内容を更に容易に把握できる。
【0072】
本実施形態の管理装置50において、制御部51は、移行先の画面を登録する操作が行われた場合に、該当する画面のサムネイル画像を少なくとも含む移行先情報を登録する。
【0073】
これにより、ユーザが移行先情報を登録できるので、ユーザが頻繁に閲覧する画面についてサムネイル画像を少なくとも含む移行先情報を登録することにより、ユーザの利便性が向上する。
【0074】
本実施形態の管理装置50において、制御部51は、分類識別情報と、分類識別情報が割り付けられた1又は複数の移行先情報と、を対応付けた移行先登録情報にアクセス可能である。制御部51は、分類識別情報の選択が行われた場合に、分類識別情報が割り付けられた移行先情報を表示部52に表示する。
【0075】
これにより、使用するユーザ毎又は巻取条件等に応じてブックマークグループIDを設定することにより、ユーザ又は巻取条件等に応じた適切な移行先情報の組合せを表示することができる。
【0076】
第1変形例の管理装置50(第1管理装置50a)は、外部装置(PC、NAS、サーバ、又は、第2管理装置50b)と通信する通信部54を備える。通信部54は、制御部51が登録した移行先情報を外部装置へ送信可能であるとともに、外部装置で登録された移行先情報を受信可能である。
【0077】
これにより、第1管理装置50aで登録された移行先情報を外部装置に登録したり、外部装置に登録された移行先情報を第1管理装置50aに登録したりすることができる。その結果、管理装置50毎に移行先情報を登録する手間を軽減できる。また、記憶媒体を用いなくても、移行先情報を手間なくやり取りできる。
【0078】
第2変形例の管理システムにおいて、第1管理装置50a及び第2管理装置50bは、それぞれ、制御部51と、入出力部55と、を備える。入出力部55には、USBメモリ56が着脱可能に取り付けられる。制御部51は、移行先情報を、入出力部55を介して、USBメモリ56へ記憶可能である。制御部51は、別の管理装置50で登録されてUSBメモリ56に記憶された移行先情報を、入出力部55を介して、USBメモリ56から読出可能である。
【0079】
これにより、第1管理装置50aで登録された移行先情報を第2管理装置50bに登録したり、第2管理装置50bで登録された移行先情報を第1管理装置50aに登録したりすることができる。その結果、管理装置50毎に移行先情報を登録する手間を軽減できる。また、第1管理装置50aと第2管理装置50bとが適切に通信できない場合であっても、移行先情報をやり取りできる。
【0080】
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0081】
上記実施形態では、移行先情報表示領域72に表示する表示物として、サムネイル画像、補助テキスト、及び階層情報を示したが、これらの以外の表示物を移行先情報表示領域72に表示してもよい。
【0082】
上記実施形態では、移行先情報表示領域72に表示される画面表示領域72a、補助テキスト表示領域72b、又は階層表示領域72cが操作された場合に該当の画面に移行する。これに代えて、移行先情報表示領域72の何れの箇所(情報が表示されない空白の箇所も含む)が操作された場合に該当の画面に移行してもよい。あるいは、該当の画面に移行するためのボタンを別途表示してもよい。
【0083】
上記実施形態で示したフローチャートは一例であり、一部の処理を省略したり、一部の処理の内容を変更したり、新たな処理を追加したりしてもよい。
【0084】
上記実施形態では、自動ワインダ1が備える管理装置50に本発明を適用した例を説明したが、自動ワインダ1以外の繊維機械(例えば紡績機)にも本発明を適用できる。
【0085】
上記実施形態では、登録する画面を表示した状態でメニュー項目表示領域66を操作して移行先情報を登録する。これに代えて、階層情報を入力することにより、移行先情報を登録してもよい。
【0086】
上記実施形態では、管理装置50は、糸処理装置2と並んで配置されているが、糸処理装置2とは離れた位置に管理装置50が配置されていてもよい。また、1又は複数の管理装置50を管理する上位の管理装置(外部装置)が、上述した移行先情報に関する処理を行ってもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 自動ワインダ
2 糸処理装置
10 巻取ユニット
50 管理装置
51 制御部
52 表示部
53 操作部
54 通信部
40 玉揚台車
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9