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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024081998
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】コンロ
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/07 20060101AFI20240612BHJP
【FI】
A47J37/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195659
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】500560129
【氏名又は名称】株式会社ニトリホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】230116816
【弁護士】
【氏名又は名称】成川 弘樹
(74)【代理人】
【識別番号】100174850
【弁理士】
【氏名又は名称】大崎 絵美
(72)【発明者】
【氏名】長田 琢也
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA02
4B040AC02
4B040AD04
4B040AE14
4B040ED05
4B040GC03
4B040GD02
(57)【要約】
【課題】コンパクトな折り畳みが可能なコンロの提供。
【解決手段】本発明に係るコンロは、折り畳み可能なコンロであって、組み立て時にボックス状となる本体部と、該本体部のボックス形状を維持するための複数の係止部材とを有している。本体部は、底板と、該底板の外周に折り畳み可能に設けられた複数の外板を有している。本発明に係るコンロは、使用時に本体部を下方から支持する折り畳み可能な脚部を有しており、本体部は、底板の下面に、前記折り畳み可能な脚部を固定するための係合部を有している。そして、本体部と係止部材との係止を解除することにより本体部をフラットに折り畳むことが可能であるとともに、係合部から前記脚部を係合解除して該脚部もフラットに折り畳むことが可能である。本発明に係るコンロは、組み立て時にボックス状となる本体部が、折り畳んだ状態でフラットとなるから、きわめてコンパクトな収容が可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み可能なコンロであって、
組み立て時にボックス状となる本体部と、
該本体部のボックス形状を維持するための複数の係止部材と、を有し、
前記本体部は、底板と、該底板の外周に折り畳み可能に設けられた複数の外板を有し、
前記コンロは、使用時に前記本体部を下方から支持する折り畳み可能な脚部を有し、前記本体部は前記底板の下面に、前記折り畳み可能な脚部を固定するための係合部を有しており、
前記本体部と前記係止部材との係止を解除することにより前記本体部をフラットに折り畳むことが可能であるとともに、前記係合部から前記脚部を係合解除して該脚部もフラットに折り畳むことが可能である、
ことを特徴とするコンロ。
【請求項2】
前記複数の外板は、互いに対向する一対の外板が前記底板の一方面側に折り畳まれ、該2枚の外板のそれぞれに隣接する他の一対の外板が前記底板の他方面側に折り畳まれる、請求項1に記載のコンロ。
【請求項3】
前記折り畳み可能な脚部を固定するための係合部は、前記折り畳まれた状態の外板と重ならない位置に配置されている、請求項2に記載のコンロ。
【請求項4】
前記底板には、前記係止部材の端部を挿通させて固定するための第1の貫通孔が設けられており、前記複数の外板のそれぞれに、前記係止部材を挿通させるための第2の貫通孔が設けられている、請求項1に記載のコンロ。
【請求項5】
前記係止部材のそれぞれは、横フレームと、該横フレームの両端から下方に延伸する2本の縦フレームとを有しており、
前記係止部材の2本の縦フレームのそれぞれは、互いに隣接する2枚の外板に設けられた前記第2の貫通孔に挿通するとともに、その端部が前記底板に設けられた前記第1の貫通孔に挿通して固定されることにより、前記ボックス形状の本体部に係止する、請求項4に記載のコンロ。
【請求項6】
前記係止部材の横フレーム上に、前記コンロの使用時に載置される網板を固定するための留止部を備え、該留止部は、前記網板の網目に挿入可能なサイズの突起である、請求項5に記載のコンロ。
【請求項7】
前記複数の外板は、少なくとも一対の互いに対向する2枚の外板のそれぞれに、火床を前記底板上に載置するための掛留部を備えている、請求項1に記載のコンロ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳みが可能なコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、野外でのバーベキューなどに用いる目的で、携帯や収容の利便性を高めるための折り畳み可能なコンロや焚き火台が提案されている。
【0003】
例えば、実用新案登録第3098524号の登録実用新案公報(特許文献1)には、台座と、上枠構造と、灰落箱と、火床及び網板等の部材を組合せて構成したものを含み、台座は2個の相対する外側板・外蓋板及び箱体を結合して構成し、且つ台座の位置決め孔と外側板及び外蓋板の円形凸状粒の相互嵌合により、その外側板及び外蓋板は箱体上に折畳収合の機能を形成するとともに、上枠構造は2個の相対する内蓋板・内側板及び枠フレームを結合して構成し、内蓋板及び内側の円形凸状粒と枠フレームの数個の位置決め孔間での相互嵌合により、内蓋板及び内側板もまた枠フレーム上に折畳収合の機能を形成する構成の折畳式バーベキュー炉が開示されており、そのような構成の採用により、迅速な折畳収合ができ同時に携帯及び収納の便利な構造設計を指し、一般の戸外バーベキューレジャー活動に従事する時、更に実用的で便利な効果を提供することができるとされている。
【0004】
また、特開2019-97992号公報(特許文献2)には、矩形状の枠体と、枠体に対して着脱自在な焼き網と、板状であり火床(第1部品)と、板状の熱遮蔽板(第2部品)と、切替ユニットと、を備え、切替ユニットは、枠体に設けられた回動軸と、回動軸に対して回動自在に設けられる回動部材と、各回動部材に対して火床や熱遮蔽板を連結する連結機構と、を備える、回動部材には、レールとなる長孔が2本形成され、火床の長辺側の両端部や熱遮蔽板の短辺側の両端部には、スライド駒が形成され、スライド駒は、長孔に沿って移動自在となるコンロが開示されており、そのような構成の採用により、収容状態及び使用状態への切替を容易に行うことができる折畳構造及びこの折畳構造を持つコンロを提供することができるとされている。
【0005】
さらに、実用新案登録第3234669号の登録実用新案公報(特許文献3)には、折り畳み式の焚き火台であって、メイン部材と、メイン部材における左右一対の短手側壁部間に差し渡される前後一対の長手側壁部材と、左右一対の底部にそれぞれ配置される左右一対の燃焼材載置用板状部材と、長手側壁部材の内側に配置される二次燃焼用板状部材と、前後一対の長手側壁部材間に差し渡される複数の五徳部材と、五徳部材の上部に載置される左右一対の調理台と、を具備し、格納状態で、長手側壁部材と、燃焼材載置用板状部材と、二次燃焼用板状部材と、五徳部材と、調理台が、メイン部材における底部と短手側壁部との間に形成された空隙に格納される焚き火台が開示されており、そのような構成の採用により、コンパクトに折り畳むことができ、発生する煙を二次燃焼によって低減することのできる焚き火台が提供されるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3098524号の登録実用新案公報
【特許文献2】特開2019-97992号公報
【特許文献3】実用新案登録第3234669号の登録実用新案公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示のバーベキュー炉は、台座と上枠構造とで形成される本体部に灰落箱、火床、および網板を載置する構成とされ、バーベキュー炉を収合する時には、台座の外蓋板及び外側板を順に箱体上に折畳んだうえで、さらに、上枠構造の内側板及び内蓋板を枠フレーム上に折畳むこととなるため、折畳作業は2度必要である。しかも、折り畳んだ状態の台座は箱体の厚みの分だけ、また、上枠構造は枠フレームの厚みの分だけの厚みを有しているから、それらの厚み分だけ携帯時及び収容時の小型化が制限される。
【0008】
また、特許文献2に開示のコンロは、火床や熱遮蔽板に設けられたスライド駒を、枠体を構成する板状の回動部材に形成されレールとして機能する長孔に沿ってスライド移動させることで、折り畳んだ状態の枠体内に、回動部材はもとより、火床や熱遮蔽板を収容する構造であり、枠体の表裏の向きによって、切替ユニットによる切替及び切替の規制が可能となるため収容状態及び使用状態への切替が容易となるものの、このコンロにおいても枠体は折り畳みされないから、この枠体の厚みの分だけ携帯時及び収容時の小型化が制限される。
【0009】
さらに、特許文献3に開示の焚き火台においても、その折り畳み状態では、メイン部材を構成する左右一対の底板は折り畳まれることがないから、この底板の厚みの分だけ携帯時及び収容時の小型化が制限される。
【0010】
このように、従来の折り畳み式コンロには、それらの構造上、携帯や収容のために折り畳んだ状態での小型化に制限があり、さらなる改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するために、本発明に係るコンロは、折り畳み可能なコンロであって、組み立て時にボックス状となる本体部と、該本体部のボックス形状を維持するための複数の係止部材と、を有し、前記本体部は、底板と、該底板の外周に折り畳み可能に設けられた複数の外板を有し、前記コンロは、使用時に前記本体部を下方から支持する折り畳み可能な脚部を有し、前記本体部は前記底板の下面に、前記折り畳み可能な脚部を固定するための係合部を有しており、前記本体部と前記係止部材との係止を解除することにより前記本体部をフラットに折り畳むことが可能であるとともに、前記係合部から前記脚部を係合解除して該脚部もフラットに折り畳むことが可能である、ことを特徴とする。
【0012】
好ましい態様では、前記複数の外板は、互いに対向する一対の外板が前記底板の一方面側に折り畳まれ、該2枚の外板のそれぞれに隣接する他の一対の外板が前記底板の他方面側に折り畳まれる。
【0013】
前記折り畳み可能な脚部を固定するための係合部は、前記折り畳まれた状態の外板と重ならない位置に配置されていることが好ましい。
【0014】
一態様では、前記底板には、前記係止部材の端部を挿通させて固定するための第1の貫通孔が設けられており、前記複数の外板のそれぞれに、前記係止部材を挿通させるための第2の貫通孔が設けられている。
【0015】
また、一態様では、前記係止部材のそれぞれは、横フレームと、該横フレームの両端から下方に延伸する2本の縦フレームとを有しており、前記係止部材の2本の縦フレームのそれぞれは、互いに隣接する2枚の外板に設けられた前記第2の貫通孔に挿通するとともに、その端部が前記底板に設けられた前記第1の貫通孔に挿通して固定されることにより、前記ボックス形状の本体部に係止する。
【0016】
本発明の折り畳み可能なコンロは、前記係止部材の横フレーム上に、前記コンロの使用時に載置される網板を固定するための留止部を備え、該留止部は、前記網板の網目に挿入可能なサイズの突起である態様としてもよい。
【0017】
また、前記複数の外板は、少なくとも一対の互いに対向する2枚の外板のそれぞれに、火床を前記底板上に載置するための掛留部を備えている態様としてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るコンロは、組み立て時にボックス状となる本体部が、折り畳んだ状態でフラットとなるから、きわめてコンパクトな収容が可能となる。また、本発明に係るコンロの本体部は、底板の外周に設けられた複数の外板が底板に垂直回転自在に連結されており、底板と複数の外板が別部材として分離していないので、コンロ使用時の組み立てが楽である。さらに、複数の外板を底板の一方面側と他方面側に折り畳み可能とすること、さらには、折り畳み可能な脚部を固定するための係合部を折り畳まれた状態の外板と重ならない位置に配置することで、さらなるコンパクトな折り畳み状態(フラット性の向上)を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明に係るコンロの一態様を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示した態様のコンロにおいて、本体部が係止部によりボックス形状に維持された状態を分かりやすく説明するために、火床と網板を載置する前の状態を説明するための、別の角度からの斜視図である。
図3図3は、本発明に係るコンロの折り畳み可能な本体部を説明するための図で、図3(a)は外板を展開してフラットにした状態を示す図であり、図3(b)は外板を立ててボックス状にした状態を示す図である。
図4図4は、コンロの収容時に本体部をフラットに折り畳んだ状態を説明するための図で、図4(a)は表面からみた状態の図であり、図4(b)は裏面からみた状態の図である。
図5図5は、本体部のボックス形状を維持するための係止部材の一態様を説明するための図で、図5(a)は係止部材の基本的構造を説明するための図であり、図5(b)は高さ調整が可能な態様とした場合の基本的構造を説明するための図である。
図6図6(a)および図6(b)はそれぞれ、本発明に係るコンロで用いられる火床および網板の一態様を説明するための図である。
図7図7(a)および図7(b)はそれぞれ、本発明に係るコンロを組み立てた状態の、90度異なる角度からみた状態を説明するための側面図である。
図8図8(a)および図8(b)はそれぞれ、本発明に係るコンロを組み立てた状態の、上面図および下面図である。
図9図9(a)および図9(b)はそれぞれ、本発明に係るコンロを収容した状態を、表裏方向からみた状態を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、本発明に係るコンロの実施態様を例示によりに説明する。なお、本明細書中で用いられる「コンロ」という用語は、特許文献1に開示のようなバーベキュー炉や特許文献3に開示のような焚き火台などを包含する広い意味で用いられる。
【0021】
また、本明細書中で用いる「上」や「下」という方向を示す用語は、図示された態様を説明するためのものに過ぎない。
【0022】
図1は、本発明に係るコンロの一態様を示す斜視図である。このコンロ100は、野外でのキャンプなどの携帯用コンロとしての使用が可能なように設計された折り畳み可能なコンロ100であって、組み立て時にボックス状となる本体部10と、本体部10をボックス形状に維持するための複数の係止部材20を有している。ボックス状に組み立てられた本体部10内には、熱源となる石炭いや練炭などの固形燃料が収容される。
【0023】
図1に示した態様のコンロ100は、組み立てられた本体部10の上面視形状は矩形とされ、本体部10の4隅のそれぞれにおいて係止部材20a~dが設けられ、係止部材20a~dの2本の縦フレームのそれぞれは、互いに隣接する2枚の外板に設けられた第2の貫通孔に挿通するとともに、その端部が底板に設けられた第1の貫通孔に挿通して固定されることにより、ボックス形状の本体部10に係止している。
【0024】
このコンロ100は、使用時に本体部10を下方から支持する折り畳み可能な脚部30を有しており、後述するように、本体部10は、底板の下面に、脚部30を固定するための係合部を有している。この脚部30は、コンロ100の収容時には、本体部10との係合が解かれて折り畳まれる。また、ボックス状に組み立てられた本体部10の内部には、炭などの固形燃料を載せるための火床40を収容することができ、係止部材20の上部となる横フレーム上に、肉や野菜などを焼くための網板50を載置することができる。なお、この図等に示した例では、矩形の網板50は、同じく上面視で矩形のボックス状に組み立てられた本体部10の上に、矩形が重なる態様で載置した状態で使用されているが、例えば45度ずらせて重ねて使用すると、ボックス状に組み立てられた本体部10内に炭などの燃料を入れやすくなる。
【0025】
図2は、図1に示した態様のコンロにおいて、本体部10が係止部材20a~dによりボックス形状に維持された状態を分かりやすく説明するために、火床40と網板50を載置する前の状態を説明するための、別の角度からの斜視図である。
【0026】
本体部10は、底板11と、この底板11の外周において折り畳み可能に設けられた外板12からなる。この図に示した態様では、ボックス状に組み立てられた本体部10は上面視で矩形であるため、底板11の外周の4辺に4枚の外板12a~dが折り畳み可能に設けられている。底板11には、係止部材20a~dの下方端部を挿通させて本体部10に固定するための第1の貫通孔13が設けられている。この図に示された態様では、第1の貫通孔13は8つ設けられている。また、外板12a~dのそれぞれには、係止部材20a~dの下方端部のそれぞれを上記第1の貫通孔13に導くために、係止部材20a~dを挿通させるための第2の貫通孔14が設けられている。この図に示された態様では、第2の貫通孔14は、外板12a~dのそれぞれに2つ設けられている。
【0027】
係止部材20aの下方端部の一方は、外板12aに設けられた第2の貫通孔14の一方を挿通して底板11に設けられた第1の貫通孔13のひとつに導かれて挿通し固定され、係止部材20aの下方端部の他方は、外板12bに設けられた第2の貫通孔14の一方を挿通して底板11に設けられた第1の貫通孔13のひとつに導かれて挿通し固定される。
【0028】
係止部材20bの下方端部の一方は、外板12bに設けられた第2の貫通孔14の一方を挿通して底板11に設けられた第1の貫通孔13のひとつに導かれて挿通し固定され、係止部材20bの下方端部の他方は、外板12cに設けられた第2の貫通孔14の一方を挿通して底板11に設けられた第1の貫通孔13のひとつに導かれて挿通し固定される。
【0029】
係止部材20cの下方端部の一方は、外板12cに設けられた第2の貫通孔14の一方を挿通して底板11に設けられた第1の貫通孔13のひとつに導かれて挿通し固定され、係止部材20cの下方端部の他方は、外板12dに設けられた第2の貫通孔14の一方を挿通して底板11に設けられた第1の貫通孔13のひとつに導かれて挿通し固定される。
【0030】
係止部材20dの下方端部の一方は、外板12dに設けられた第2の貫通孔14の一方を挿通して底板11に設けられた第1の貫通孔13のひとつに導かれて挿通し固定され、係止部材20dの下方端部の他方は、外板12aに設けられた第2の貫通孔14の一方を挿通して底板11に設けられた第1の貫通孔13のひとつに導かれて挿通し固定される。
【0031】
なお、図2中に附番15で示した孔部は、火床40を底板11上に載置するための掛留部であり、この図に示した態様では、掛留孔15は、一対の互いに対向する2枚の外板である外板12bと12dにそれぞれ、2つ設けられている。後述するように、本発明に係るコンロで用いられる火床40は、外板12に設けられた掛留孔15に掛留させて底板11の上方に載置するように端部に、下方に屈曲する部分を有している。また、図2中に附番21で示した突起部は、係止部材20a~dのそれぞれの横フレーム上に載置される網板50を固定するための留止部である。
【0032】
図3は、本発明に係るコンロ100の折り畳み可能な本体部10を説明するための図で、図3(a)は外板を展開してフラットにした状態を示す図であり、図3(b)は外板を立ててボックス状にした状態を示す図である。なお、図中に附番16で示したものは、コンロ100の使用時に本体部10を下方から支持する折り畳み可能な脚部30を固定するために本体部10の底板11の下面に設けられた係合部である。
【0033】
図4は、コンロ100の収容時に本体部10をフラットに折り畳んだ状態を説明するための図で、図4(a)は一方面(便宜上「表面」とする)からみた状態の図であり、図4(b)は他方面(便宜上「裏面」とする)からみた状態の図である。
【0034】
外板12a~dのそれぞれは、底板11の外周において、連結機構を介して連結されている。この連結機構は、例えば、回動軸の回りで回動自在に設けられた回動部材を有しており、このような回動部材により、外板12a~dは何れも、底板11に対してフラットとなるように展開できるとともに、使用時には底板11に対して略垂直に立てることで本体部10をボックス状に組み立てることができる。同様に、コンロ100の収容時には、図4に示したように、フラットに折り畳んだ状態とすることができる。
【0035】
なお、図4に示した折り畳みの態様では、外板12aおよび12cは、本体部10を折り畳んだときに脚部30との係合部16に当接しないように底板11の表面側に折り畳まれる一方、外板12bおよび12dは、折り畳んだ外板12aおよび12cに重ならないように、底板11の裏面側に折り畳まれている。このような折り畳みとすることで、折り畳まれた本体部10の厚みを薄くできる。
【0036】
図5は、本体部10のボックス形状を維持するための係止部材20の一態様を説明するための図で、図5(a)は係止部材の基本的構造を説明するための図であり、図5(b)は高さ調整が可能な態様とした場合の基本的構造を説明するための図である。
【0037】
係止部材20は、網板50の載置部となる横フレーム22と、該横フレーム22の両端から下方に延伸する2本の縦フレーム23とを有している。この図に示した態様では、縦フレーム23のそれぞれは、下方に延伸する第1の縦フレーム部23aと第2の縦フレーム部23cを有しており、これら第1の縦フレーム部23aと第2の縦フレーム部23cとの間にクランク部(屈曲部)23bが設けられている。本体部10をボックス形状に組み立てる際には、係止部材20の2本の縦フレーム23のそれぞれは、このクランク部(屈曲部)23bを利用して、下方端部が外板12に設けられた第2の貫通孔14を挿通し、さらに、底板11に設けられた第1の貫通孔13へと導かれて固定される。言うまでもなく、本体部10をフラットに折り畳む際には、上記と逆のプロセスで、本体部10と係止部材20との係止を解除する。
【0038】
このような係止部材20は、コンロ100を組み立てた際の網板50の高さを変える必要がなければ図5(a)のような一体型の態様でよいが、コンロ100を組み立てた際の網板50の高さを変えたい場合には、図5(b)に示したように、延長部24を、横フレーム22と第1の縦フレーム部23aのとの間に嵌め込み等できるような態様としてもよい。例えば、横フレーム22と第1の縦フレーム部23aの少なくとも一方をパイプ状としておき嵌め込み等で接続させ、延長部24を用いる場合にはこの接続部に延長部24を嵌め込み等することで、コンロ100を組み立てた際の網板50の高さを変えることができる。
【0039】
図6(a)および図6(b)はそれぞれ、本発明に係るコンロで用いられる火床40および網板50の一態様を説明するための図であり、図6(a)中に附番41で示した部分(突出部の端部)は、外板12に設けられた掛留孔15に掛留させて火床40を底板11の上方に載置するために、下方に屈曲している。
【0040】
図7(a)および図7(b)はそれぞれ、本発明に係るコンロを組み立てた状態の、90度異なる角度からみた状態を説明するための側面図である。本体部10は脚部30により下方から支持され、網板50が中に附番21で示した突起部は、係止部材20a~dのそれぞれに設けられた突起部21に固定された状態で、係止部材20a~dの横フレーム22上に載置されている。
【0041】
図8(a)および図8(b)はそれぞれ、本発明に係るコンロを組み立てた状態の、上面図および下面図であり、図9(a)および図9(b)はそれぞれ、本発明に係るコンロを収容した状態を、表裏方向からみた状態を説明するための斜視図である。
【0042】
このように、本発明に係るコンロは、折り畳み可能なコンロであって、組み立て時にボックス状となる本体部と、該本体部のボックス形状を維持するための複数の係止部材と、を有し、前記本体部は、底板と、該底板の外周に折り畳み可能に設けられた複数の外板を有し、前記コンロは、使用時に前記本体部を下方から支持する折り畳み可能な脚部を有し、前記本体部は前記底板の下面に、前記折り畳み可能な脚部を固定するための係合部を有しており、前記本体部と前記係止部材との係止を解除することにより前記本体部をフラットに折り畳むことが可能であるとともに、前記係合部から前記脚部を係合解除して該脚部もフラットに折り畳むことが可能である、ことを特徴とする。
【0043】
好ましい態様では、前記複数の外板は、互いに対向する一対の外板が前記底板の一方面側に折り畳まれ、該2枚の外板のそれぞれに隣接する他の一対の外板が前記底板の他方面側に折り畳まれる。
【0044】
前記折り畳み可能な脚部を固定するための係合部は、前記折り畳まれた状態の外板と重ならない位置に配置されていることが好ましい。
【0045】
一態様では、前記底板には、前記係止部材の端部を挿通させて固定するための第1の貫通孔が設けられており、前記複数の外板のそれぞれに、前記係止部材を挿通させるための第2の貫通孔が設けられている。
【0046】
また、一態様では、前記係止部材のそれぞれは、横フレームと、該横フレームの両端から下方に延伸する2本の縦フレームとを有しており、前記係止部材の2本の縦フレームのそれぞれは、互いに隣接する2枚の外板に設けられた前記第2の貫通孔に挿通するとともに、その端部が前記底板に設けられた前記第1の貫通孔に挿通して固定されることにより、前記ボックス形状の本体部に係止する。
【0047】
本発明の折り畳み可能なコンロは、前記係止部材の横フレーム上に、前記コンロの使用時に載置される網板を固定するための留止部を備え、該留止部は、前記網板の網目に挿入可能なサイズの突起である態様としてもよい。
【0048】
また、前記複数の外板は、少なくとも一対の互いに対向する2枚の外板のそれぞれに、火床を前記底板上に載置するための掛留部を備えている態様としてもよい。
【0049】
なお、上述した係止部材の縦フレームは、必要に応じ、高さ調整機構を備えている態様としてもよい。
【0050】
以上説明したように、本発明に係るコンロは、組み立て時にボックス状となる本体部が、折り畳んだ状態でフラットとなるから、きわめてコンパクトな収容が可能となる。また、本発明に係るコンロの本体部は、底板の外周に設けられた複数の外板が底板に垂直回転自在に連結されており、底板と複数の外板が別部材として分離していないので、コンロ使用時の組み立てが楽である。さらに、複数の外板を底板の一方面側と他方面側に折り畳み可能とすること、さらには、折り畳み可能な脚部を固定するための係合部を折り畳まれた状態の外板と重ならない位置に配置することで、さらなるコンパクトな折り畳み状態(フラット性の向上)を実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明によれば、携帯時や収容時にコンパクトに折り畳むことができるコンロが提供される。
【符号の説明】
【0052】
100 コンロ
10 本体部
11 底板
12 外板
13 第1の貫通孔
14 第2の貫通孔
15 掛留孔
16 係合部
20 係止部材
21 突起部
22 横フレーム
23 縦フレーム
23a 第1の縦フレーム部
23b クランク部(屈曲部)
23c 第2の縦フレーム部
24 延長部
30 折り畳み可能な脚部
40 火床
41 火床の突出端部
50 網板

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9