(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000820
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】梱包装置
(51)【国際特許分類】
B65B 67/12 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
B65B67/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099754
(22)【出願日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】304061099
【氏名又は名称】有限会社 薩摩農機
(72)【発明者】
【氏名】猪俣 憲安
(72)【発明者】
【氏名】黒田 順子
【テーマコード(参考)】
3E057
【Fターム(参考)】
3E057CA10
3E057CB10
3E057CC11
(57)【要約】
【課題】ビニール袋100を用いる梱包装置1に関する。
【解決手段】梱包装置1は、吸引部40と、吸引部40の吸込み側に備えた袋設置部10と、とを有し、袋設置部10は、一方の端部に第2開口部31、他方の端部に吸引部40を備えた外ケース30と、外ケース30の内側に空間を介して、複数の第2小孔25が配された側壁2の一方の端部に第1開口部21、他方の端部に底部22を備えた内ケース20と、とを有し、ビニール袋100を袋設置部10に載置し、吸引部40を作動させると、第2小孔25をビニール袋100が塞ぐことを特徴とする。袋設置部10に載置されたビニール袋100の開け口101を開口させて保持し、製品200の挿入を容易にする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引部と、
前記吸引部の吸込み側に備えた袋設置部と、とを有し、
前記袋設置部は、
一方の端部に第2開口部、他方の端部に前記吸引部を備えた外ケースと、
前記外ケースの内側に空間を介して、複数の第2小孔が配された側壁の一方の端部に第1開口部、他方の端部に底部を備えた内ケースと、とを有し、
ビニール袋を前記袋設置部に載置し、前記吸引部を作動させると、前記第2小孔を前記ビニール袋が塞ぐことを特徴とする梱包装置。
【請求項2】
前記吸引部の最後流の前記第2小孔より後流側に空気孔を有することを特徴とする請求項1に記載する梱包装置。
【請求項3】
前記吸引部の最後流の前記第2小孔より後流側に、前記外ケースと前記内ケースの前記側壁との間に配されたフランジを有することを特徴とする請求項1に記載する梱包装置。
【請求項4】
前記底部は、複数の第1小孔を有する面であることを特徴とする請求項1に記載する梱包装置。
【請求項5】
前記内ケースの前記側壁の内側には、前記吸引部の最後流の前記第2小孔より後流側に、リングを有することを特徴とする請求項1に記載する梱包装置。
【請求項6】
前記内ケースの前記底部には、前記吸引部の後流側に突起部を有することを特徴とする請求項1に記載する梱包装置。
【請求項7】
前記袋設置部と前記吸引部は、脱着可能であることを特徴とする請求項1に記載する梱包装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ビニール袋(プラスチックフィルム製の袋、ポリ袋を含む。以下同じ)を用いた梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビニール袋は、家電製品などの様々製品の梱包材として広く使用されている。
【0003】
特許文献1に記載される梱包装置は、ごみブロックに関するものである。この梱包装置は、圧縮したごみブロックを袋状の金網で梱包し、その上からビニール袋で梱包する。
【0004】
具体的には、まず立方体形状の金網にごみを入れて圧縮しごみブロック化する。次に、ごみブロックより大きなケースを用いて、その内側にビニール袋を設置する。最後に、その中へクレーンを用いてごみブロックを入れて、ビニール袋で梱包している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、人間がハンドリングできる程度の大きさの家庭用電気製品等(以下、「製品」と記載する)のビニール袋の梱包は、人の手でビニール袋を開口してその中へ製品を入れている。この人の手でビニール袋を左右に引っ張って開け口を開口させる作業は、ビニール袋は薄くて把持しづらく、また柔らかいので開け口が不安定で弱い風などで簡単に閉じてしまう。よって、製品を挿入する作業がやりにくい課題がある。尚、製品は人間がハンドリングするので、製品より大きいごみブロックを梱包する特許文献1で示されるビニール袋を設置する大きなケースを用いない。
【0007】
そこで、本開示は上記の問題点を解決するためになされたものであり、ビニール袋を容易に開口させる梱包装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本開示の一形態は、吸引部と、吸引部の吸込み側に備えた袋設置部と、とを有し、袋設置部は、一方の端部に第2開口部、他方の端部に吸引部を備えた外ケースと、外ケースの内側に空間を介して、複数の第2小孔が配された側壁の一方の端部に第1開口部、他方の端部に底部を備えた内ケースと、とを有し、ビニール袋を袋設置部に載置し、吸引部を作動させると、第2小孔をビニール袋が塞ぐことを特徴とする。
【0009】
この態様によれば、梱包装置は、吸引部と、吸引部の吸込み側に備えた袋設置部と、とを有し、袋設置部は、一方の端部に第2開口部、他方の端部に吸引部を備えた外ケースと、外ケースの内側に空間を介して、複数の第2小孔が配された側壁の一方の端部に第1開口部、他方の端部に底部を備えた内ケースと、とを有し、ビニール袋を袋設置部に載置し、吸引部を作動させると、第2小孔をビニール袋が塞ぐことを特徴とする。
そこで、ビニール袋を、その開け口を上にして、袋設置部の第1開口部から内ケースの内側に載置する。この際、ビニール袋の開け口は閉じたままでも良い。
次に、吸引部を作動させると、外ケースと内ケースの空間、及び内ケースとビニール袋の間の空気は、吸引部の吸込み側なのでポテンシャル流れとなる。よって、外ケースと内ケースの空間、及び内ケースとビニール袋の間の各位置の空気に対する吸引部の吸引力は、吸引部からの距離に反比例する。よって、最も吸引部に近く位置する空気の吸引力が最も大きい。
よって、ビニール袋は側壁の吸引部の最前流に位置する第2小孔から、後流の第2小孔に向けて順に側壁の第2小孔を塞ぎ、同時にビニール袋が側壁に密着していく。最後に、内ケースの最後流の第2小孔が塞がれビニール袋が密着し、ビニール袋が載置される。
以上、ビニール袋は、袋設置部の側壁に密着し、ビニール袋の開け口は、袋設置部の第1開口部と同等の大きさに開口する。即ち、本開示により、ビニール袋の開け口を容易に開口させるので製品の挿入がし易くなる梱包装置を提供することができる。
【0010】
上記の態様においては、吸引部の最後流の第2小孔より後流側に空気孔を有すること、が好ましい。
【0011】
この態様によれば、梱包装置は、吸引部の最後流の第2小孔より後流側に空気孔を有するので、吸引部は、吸引部の最後流の第2小孔より後流側に設定された空気孔から吸引することができる。よって、吸引部は、空気が流れなくなるとファンが空転して異振動や異音を発生することがあるが、これを防ぐことができる。
【0012】
上記の態様において他の形態は、吸引部の最後流の第2小孔より後流側に、外ケースと内ケースの側壁との間に配されたフランジを有すること、が好ましい。
【0013】
この態様によれば、梱包装置は、吸引部の最後流の第2小孔より後流側に、外ケースと内ケースの側壁との間に配されたフランジを有する。フランジは、外ケースと内ケースに接合されており袋設置部の強度を増すことができる。ここで、空気孔は、袋設置部の吸引部の最後流の第2小孔より後流側に外ケース、又は、フランジに配することができる。一方、空気孔を無くすことも可能である。この場合、内ケース、外ケース及びフランジを用いて構成される空間は密閉なので負圧となる。よって、ビニール袋は、内ケースに密着した状態で載置される。この際、吸引部のファンが空転して異振動や異音を発生することがあるので、これらが起きないように吸引部を設計する必要がある。
【0014】
上記の態様においては、底部は、複数の第1小孔を有する面であること、が好ましい。
【0015】
この態様によれば、梱包装置は、底部は、複数の第1小孔を有する面である。
よって、吸引部により、まず吸引部の最前流に位置する内ケースの底部の第1小孔付近の空気が吸引される。次に、その第1小孔にビニール袋が吸引され、その底部にビニール袋が密着され、その第1小孔が塞がれる。次に、後流に位置する第1小孔に向けて、順にビニール袋が底部に吸引され密着する。
即ち、ビニール袋の底を底部の面と同等な面とすることができ、製品を安定させる梱包装置を提供することができる。
【0016】
上記の態様においては、内ケースの側壁の内側には、吸引部の最後流の第2小孔より後流側に、リングを有すること、が好ましい。
【0017】
この態様によれば、梱包装置は、内ケースの側壁の内側には、吸引部の最後流の第2小孔より後流側に、リングを有する。
よって、ビニール袋はリングにより内側に3次元的に曲げられる。即ち、ビニール袋の剛性を向上することができ、開いたビニール袋の開けの口の状態が安定する。特に、ビニール袋のリングの上部への袋のはみ出し部分が大きいときに効果がある。
【0018】
上記の態様において、内ケースの底部には、吸引部の後流側に突起部を有すること、が好ましい。
【0019】
この態様によれば、梱包装置は、内ケースの底部には、吸引部の後流側に突起部を有する。
この態様によれば、吸引部を停止させビニール袋を取り出す際、内ケースの底部には、吸引部の後流側に突起部を有するので、ビニール袋を立体的にして把持し易くすることができる。ビニール袋を袋設置部に再セットする際、吸引部を停止させビニール袋を取り出すが、ビニール袋は薄くて柔らかいので、突起部が無いと把持することが困難である。
【0020】
上記の態様においては、袋設置部と吸引部は、脱着可能であること、が好ましい。
【0021】
この態様によれば、梱包される製品の大きさが変わった場合に、袋設置部を製品に応じた大きさに変更することができる。
【発明の効果】
【0022】
本開示により、薄くて柔らかいビニール袋の開け口を容易に開口させる梱包装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1実施形態の梱包装置の構成の概略図である。
【
図2】空気孔を有する袋設置部の空気の流れを示す概念図である。
【
図3】フランジを有する袋設置部の空気の流れを示す概念図である。
【
図4】内ケースの第1小孔、第2小孔を示す図である。(a)底部、(b)側壁。
【
図5】梱包装置に載置されたビニール袋の状態を示す概略図である。
【
図6】梱包装置に載置されたビニール袋への製品の挿入状態を示す概略図である。
【
図7】第2実施形態の梱包装置の構成の概略図である。
【
図8】第3実施形態及び第4実施形態の梱包装置の構成の概略図である。
【
図9】梱包装置に載置されたビニール袋の状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本開示の実施形態である梱包装置1について図を用いて示す。なお、実施形態は単なる開示にすぎず、本開示を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
【0025】
<梱包装置の用途と構成>
本開示の梱包装置1は、人間がハンドリングできる程度の大きさの製品を、薄くて柔らかいビニール袋100で梱包するものである。
通常、人の手でビニール袋100を開口してその中へ製品200を入れている。この人の手でビニール袋100を左右に引っ張って開け口101を開口させる作業は、ビニール袋100は薄くて把持しづらく、また柔らかいので開け口が不安定で弱い風などで簡単に閉じてしまうなど作業性が悪い課題がある。
梱包装置1は、ビニール袋100の開け口101を容易に開口させることができる。
【0026】
梱包装置1は、主に袋設置部10、吸引部40、脚50から構成される。ビニール袋100は、袋設置部10の内ケース20の第1開口部21から載置される。この際、ビニール袋100の開け口101を上にする。
吸引部40の吸込み側に袋設置部10が備えられる。吸引部40は、ファン41とモータ(図示せず)を有する。袋設置部10の内部の空気を吸引する。
吸引部40の後流側(通常下側)には、梱包装置1を大地300に設置する脚50がある。吸引部40からの空気は、脚50の間から大気に排出される。
【0027】
(第1実施形態)
本開示の第1実施形態である梱包装置1について、
図1から
図6を参照しながら説明する。
図1に第1実施形態の梱包装置1の構成の概略図を示す。上から袋設置部10、吸引部40、脚50で構成される。
【0028】
図1に示すように脚50は、梱包装置1を床など大地300の上に設置させる。脚50は、梱包装置1を支持する強度を有すると共に吸引部40からの空気を大気に排出させる開口を有する。
図1から
図6において、梱包装置1は水平な大地300に鉛直方向に設置されている。よって、吸引部40の上に袋設置部10が設置されているので、袋設置部10の内部は、下方が吸引部40の前流、上方が吸引部40の後流になる(
図2)。
【0029】
吸引部40は、ファン41とモータを有する。吸引部40は、袋設置部10の内部の空気を吸引するように設定されている。モータをスイッチ(図示せず)でオン/オフすることでファン41、即ち吸引部40を作動させる。
【0030】
<袋設置部>
袋設置部10は、内ケース20と外ケース30を有する。外ケース30の内側に、空間を介して内ケース20が挿入されている。
内ケース20と外ケース30は、略台形を上下反転した形状で、それぞれ底部22、32、側壁24、34、第1開口部21、第2開口部31を有する。底部22、32、及び第1開口部21、第2開口部31は、略円形である。
内ケース20と外ケース30は、スペーサ15を用いて空間を介して構成される。この空間が、吸引部40で吸引される空気の通路となる。尚、外ケース30の底部31には、吸引部40に対応した形状と大きさの開口(図示せず)を有し、吸引部40に接続されている。
内ケース20の底部22は、面形状で複数の第1小孔23を有する。第1小孔23は、底部22の中央から周辺にかけてほぼ全面に配される。
内ケース20の側壁24は、複数の第2小孔25を有する。即ち、第1小孔23及び第2小孔25は、吸引部40で吸引される空気の通路と連通している。
【0031】
<袋設置部の空気の流れ>
図2に、袋設置部10の空気の流れの概念図を示す。まずビニール袋100を、袋の開け口101を上にして、袋設置部10の第1開口部21から内ケース20の内側に載置する。この際、ビニール袋100の開け口101は閉じたままでも良い。
【0032】
次に吸引部40を作動させると、外ケース30と内ケース20の空間、及び内ケース20とビニール袋100の間の空気の流れは、吸引部40の吸込み側なのでポテンシャル流れとなる。よって、外ケース30と内ケース20の空間、及び内ケース20とビニール袋100の間の各位置の空気に対する吸引部40の吸引力は、吸引部40からの距離に反比例する。よって、吸引部40に最も近い外ケース30と内ケース20の空間、及び内ケース20とビニール袋100の間の各位置の空気の吸引力が最も大きくなる。
【0033】
空気の流れは、まず吸引部の最前流に位置する内ケース20の底部22の中央部の第1小孔23付近の気流23aが吸引され、その第1小孔23にビニール袋100が吸引され、その底部22にビニール袋100が密着され、その第1小孔23が塞がれる。
次に底部22では、中央部の第1小孔23より、後流に位置する即ち半径方向外側の第1小孔23に向けて、順にビニール袋100が第1小孔23を塞ぎ密着する。よって、ビニール袋100は、底部22との間に空隙などを殆ど有さずにビニール袋100の底を底部22の面と同等な面とすることができる。
【0034】
次に、側壁24の吸引部の最前流に位置する、即ち下部の第2小孔25から気流25aが吸引され、その第2小孔25にビニール袋100は吸引され、その第2小孔25を塞ぐ。次に、ビニール袋100は、後流即ち上部に向けて側壁24の第2小孔を塞ぎ、同時に側壁24に密着していく。最後に、内ケース20の最後流即ち最上部の第2小孔25が塞がれビニール袋100が密着する。よって、ビニール袋100は、側壁24との間に殆ど空隙を有さずに載置される。
従って、ビニール袋100は、袋設置部10に密着し、ビニール袋100の開け口101は、袋設置部10の第1開口部21と同等の大きさに開口する。即ち、ビニール袋100の開け口101を容易に開口させ、その開け口101の状態を安定させる。また、開口した開け口101を、水平面とすることができる。
【0035】
(空気孔)
図2に、空気孔17を有する袋設置部10の空気の流れの概念図を示す。空気孔17は、吸引部40の最後流の第2小孔25より後流側に備えられる。吸引部40の最後流の第2小孔25は、吸引部40の作動によりビニール袋100で塞がれ第2小孔25の内、最後に塞がれる第2小孔25である。
図2において、空気孔17は、外ケース30と内ケース20の側壁24との間である。ここを空気孔17として空気流17aが流れる。
吸引部40は、吸引部40の最後流の第2小孔がビニール袋100で塞がれた後、その後流側に設定された空気孔17から気流17aを吸引することができる。これにより、吸引部40は、空気が流れなくなるとファン41が空転して異振動や異音を発生することがあるが、これを防ぐことができる。
【0036】
(フランジ)
図3に、フランジ13を有する袋設置部10の空気の流れの概念図を示す。フランジ13は、吸引部40の最後流の第2小孔25より後流側に、外ケース30と内ケース20の側壁との間に配される。
図3では、フランジ13はリング形状で、外側端部が外ケース30の第2開口部31に接合され、内側端部が内ケース20の側壁24に接合されている。これにより袋設置部10の強度を増すことができる。ブランジ13により、スペーサ15を不使用とすることも可能である。
ここで、空気孔17は、袋設置部10に、吸引部40の最後流の第2小孔25より後流側に設定される。例えば、
図3に示すように、吸引部40の最後流の第2小孔25より後流側に位置する外ケース30に配することができる。又、フランジ13に設けることができる。
【0037】
一方、空気孔17を無くすことも可能である。この場合、内ケース20、外ケース30及びフランジ13を用いて構成される空間は密閉になるので、この空間は負圧となる。よって、ビニール袋100は、内ケース20に密着した状態で載置される。この際、吸引部40のファン41が空転して異振動や異音を発生することがあるので、これらが起きないように吸引部40を設計する必要がある。
【0038】
<内ケース>
図4に、内ケース20の第1小孔23及び内ケース20第2小孔25を示す。
図4(a)は、底部22の第1小孔23を示す。第1小孔23は、底部22の中央部の第1孔23より、半径方向の外側へ数を増やして設けている。また、同心円状に配して吸引部40からの同心円状に配した第1小孔の吸引力の均一化を図っている。
図4(a)では、底部22の外径は約300mm、第1小孔23の直径は約20mmである。
図4(b)は、側壁24の第2小孔25を示す。第2小孔25は、底部22の面と並行になるように設けて、吸引部40からの吸引力の均一化を図っている。第2小孔25の直径は約20mmである。第2小孔25の最上部は、挿入された外ケースの第2開口部31より前流(即ち下側)に配される。
尚、第1小孔23及び第2小孔25の寸法、配列は1実施例にすぎず、薄くて柔らかいビニール袋100の開け口101を容易に開口させ、その開口した開け口101の状態を安定させるように変更できることは言うまでもない。
【0039】
<梱包作業>
図5に、梱包装置1に載置された袋100の状態の概略図を示す。まず、梱包装置1の袋設置部10にビニール袋100を、開け口101を上にして載置する。次に、吸引部40を作動させる。
図5はこの状態を示す。ビニール袋100は内ケース20に密着し、開け口101は、内ケース20の第1開口部21と、ほぼ同じ大きさの概円形に開口している。
【0040】
図6に、梱包装置1に載置されたビニール袋100への製品200の挿入状態の概略図を示す。
図5のビニール袋100の開け口101から、製品200を挿入している。製品200は、内ケース20よりやや小さい似た形状を有している。開け口101は、ほぼ水平なので製品200の作業は容易である。挿入後、吸引部40をオフとして、ビニール袋100の上部を把持して取り出す。
また、脚50を調節して袋設置部10を鉛直方向に対して傾けることによりビニール袋100の開け口101に傾斜をつけることも可能である。これにより製品200をビニール袋100に挿入することが容易にできることがある。
【0041】
更に、ビニール袋100を袋設置部10に載置して吸引部40を作動させて内ケース20に袋100を密着させると、ビニール袋100の外側(内ケース20側)についた埃などが吸引され除去できる効果もある。よって、梱包装置1を用いて製品200を梱包すると、梱包されたビニール袋100の外側がきれいにできる清掃効果もある。
【0042】
製品200は、内ケースに収納できれば大きさ、形状に制約はない。一方、製品200が大きい場合、製品が収納できるように袋設置部10を大きくする。よって、袋設置部10と吸引部40は脱着可能である。
ここで、第1実施形態の袋設置部10の形状は、略台形を上下反転した形状で、底部22、32、及び第1開口部21、第2開口部31は、略円形である。しかし、これに限らず製品の外形に合わせて変更することができる。内ケース20の上部の開口部21と底部22がほぼ同じ大きさ、即ち円筒形状でもよい(外ケース30も同じ)。また、内ケース20の第1開口部21と底部22が、楕円形状、矩形形状でも良い(外ケース30も同じ)。
【0043】
以上より、第1実施形態は、薄くて柔らかいビニール袋100の開け口101を容易に開口させ、開口した開け口101の状態を安定させることができ製品200の挿入がし易すくことができる梱包装置1を提供することができる。
【0044】
(第2実施形態)
本開示の第2実施形態である梱包装置1の構成の概略図を
図7に示す。第2実施形態は、吸引部40と、吸引部40の吸込み側に備えた袋設置部10と、とを有し、袋設置部10は、一方の端部に第2開口部31、他方の端部に吸引部40を備えた外ケース30と、外ケース30の内側に空間を介して、複数の第2小孔25が配された側壁22の一方の端部に第1開口部21、他方の端部に底部22を備えた内ケース20と、とを有し、ビニール袋100を袋設置部10に載置し、吸引部40を作動させると、第2小孔25をビニール袋100が塞ぐことを特徴とする。
【0045】
ここで、内ケース20の底部22には、第1小孔23に相当する小孔は有さない。よって、面でなく点又は線形状でもよい。ビニール袋100の開け口101の反対側の底部は、通常直線形状である。よって、内ケース20の底部22が線形状の場合、底部22とビニール袋100の底部とは位置決めが容易である。
【0046】
そこで、ビニール袋100を、その開け口101を上にして、袋設置部の第1開口部21から内ケース20の内側に載置する。この際、ビニール袋100の開け口101は閉じたままでも良い。
次に、吸引部40を作動させると、外ケース30と内ケース20の空間、及び内ケース20とビニール袋100の間の空気は、吸引部40の吸込み側なのでポテンシャル流れとなる。よって、外ケース30と内ケース20の空間、及び内ケース20とビニール袋100の間の各位置の空気に対する吸引部30の吸引力は、吸引部40からの距離に反比例する。よって、最も吸引部40に近く位置する空気の吸引力が最も大きい。
よって、ビニール袋100は側壁24の吸引部40の最前流に位置する第2小孔25から、後流の第2小孔25に向けて順に側壁の第2小孔25を塞ぎ、同時にビニール袋100が側壁24に密着していく。最後に、内ケース20の最後流の第2小孔25が塞がれビニール袋100が密着し、ビニール袋100の開け口100が開口して載置される。
従って、ビニール袋100は、袋設置部10の側壁24に密着し、ビニール袋100の開け口101は、袋設置部100の第1開口部21と同等の大きさに開口する。
【0047】
以上より、第2実施形態は、薄くて柔らかいビニール袋100の開け口101を容易に開口させ、開口した開け口101の状態を安定させ、製品200を挿入し易すい梱包装置1が提供できる。
【0048】
(第3実施形態)
本開示の第3実施形態である梱包装置1について、第1実施形態をベースにした
図8、
図9を参照しながら示す。
図8は、第3実施形態の梱包装置1の構成の概略図である。
図9は、第3実施形態の梱包装置1に載置されたビニール袋100の状態を示す概略図である。
第3実施形態は、第1実施形態又は第2実施形態に、袋設置部10の内ケース20の第1開口部21の内側にリング28を有する場合である。
【0049】
(リング)
図8、
図9に示すように、内ケースの側壁の内側には、吸引部の最後流の第2小孔より後流側にリングを有する。リング28は、内ケース20の側壁24の内側、及び吸引部の最後流(即ち最上部)の第2小孔25より後流(即ち上部)に位置する。よって、リング28の位置では、ビニール袋100は内ケース20に密着されていないので、ビニール袋100はリング28により内側に3次元的に曲げられる。即ち、ビニール袋100の剛性を向上することができ、開いた袋100の開けの口101の状態が安定する。特に、袋設置部10の上部へのビニール袋100のはみ出し部分が大きいときに効果がある。
【0050】
以上より、第3実施形態のリング28により、ビニール袋100は内側に3次元的に曲げられる。即ち、ビニール袋100の剛性を向上することができ、開いたビニール袋100の開けの口101の状態が安定する。特に、袋設置部10の上部へのビニール袋100のはみ出し部分が大きいときに効果がある梱包装置1を提供することができる。
【0051】
(第4実施形態)
本開示の第4実施形態である梱包装置1について、第1実施形態をベースにした
図8、
図9を参照しながら説明する。
図8は、第4実施形態の梱包装置1の構成の概略図である。
図9は、第4実施形態の梱包装置1に載置されたビニール袋100の状態を示す概略図である。第3実施形態は、第1実施形態又は第2実施形態に、内ケース20の底部22の上部に突起部29を有する場合である。
【0052】
(突起部)
図8、
図9に示すように、内ケース20の底部22の後流側(即ち上部)に突起部29が配される。これは、一旦ビニール袋100を袋設置部10に載置して吸引部40を作動させて内ケース20にビニール袋100を密着させて後、製品200を挿入することなく、吸引部40をオフにしてビニール袋100を取り出す際に、突起部29付近のビニール袋100を把持しやすい。突起部がないと、ビニール袋100が薄くて柔らかくて平面なので把持することが困難である。
このようなビニール袋100の再セットは、ビニール袋100のサイズを変更する場合、又は袋100の材質、色などを変更する場合などに行われる。
また、ビニール袋100を袋設置部10に載置して吸引部40を作動させて内ケース20にビニール袋100を密着させると、ビニール袋100の外側(内ケース20側)についた埃などが吸引され除去できる清掃効果もある。よって、ビニール袋100の外側を清掃して、内外をひっくり返して内側をきれいな状態で使用することもできる。
【0053】
以上より、第4実施形態の突起部29は、吸引部40をオフにしてビニール袋100を取り出す際に、突起部29付近のビニール袋100を把持しやすい梱包装置1を提供することができる。また、リング28と突起部29は、共に有することもできる。
【0054】
尚、吸引部40は、
図8、
図9に示すように、袋設置部10の外ケース30の内部に配することもできる。
【符号の説明】
【0055】
符号
1 梱包装置 10 袋設置部
13 フランジ 15 スペーサ
17 空気孔 17a 気流(空気孔の流れ)
20 内ケース 21 第1開口部
22 底部 23 第1小孔
23a 気流(第1小孔の流れ) 24 側壁
25 第2小孔 25a 気流(第2小孔の流れ)
28 リング 29 突起部
30 外ケース 31 第2開口部
32 底部 34 側壁
40 吸引部 41 ファン
50 脚 100 ビニール袋
101 開け口 200 製品
300 大地