(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082006
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】待機装置及び搬送装置
(51)【国際特許分類】
A47G 23/08 20060101AFI20240612BHJP
【FI】
A47G23/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195677
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】511305106
【氏名又は名称】アイカム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】田中 正明
【テーマコード(参考)】
3B115
【Fターム(参考)】
3B115AA15
3B115CB07
(57)【要約】
【課題】 ベルトコンベアの下方において、駆動源を設置するスペースを確保できないことがある。
【解決手段】 待機装置(3)は、第1アーム(31)及び第2アーム(32)と、駆動源(4)と、伝達機構(5)とを備える。第1アーム(31)及び第2アーム(32)は、物品を載せた器(P)を搬送するベルトコンベア(2)に対して幅方向の両外側に設けられた回転軸(A1,A2)の周りで回転し、ベルトコンベア(2)上で器(P)を止める閉状態と、ベルトコンベア(2)による器(P)の移動を許容する開状態との間を遷移する。駆動源(4)は、ベルトコンベア(2)を含む搬送装置(1)の側方に配置され、第1アーム(31)及び第2アーム(32)を駆動する。伝達機構(5)は、駆動源(4)から第1アーム(31)及び第2アーム(32)へ駆動力を伝達する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を載せた器を搬送するベルトコンベアに対して幅方向の両外側に設けられた回転軸の周りで回転し、前記ベルトコンベア上で前記器を止める閉状態と、前記ベルトコンベアによる前記器の移動を許容する開状態との間を遷移する第1アーム及び第2アームと、
前記ベルトコンベアを含む搬送装置の側方に配置され、前記第1アーム及び前記第2アームを駆動する駆動源と、
前記駆動源から前記第1アーム及び前記第2アームへ駆動力を伝達する伝達機構と、を備えることを特徴とする待機装置。
【請求項2】
前記駆動源は、直線上で往復動する駆動部材を備え、
前記伝達機構は、前記駆動部材の往復動を回転運動に変換して前記第1アーム及び前記第2アームに伝達することを特徴とする請求項1に記載の待機装置。
【請求項3】
前記伝達機構は、
前記第1アームと共に同軸上で回転し、一端側で前記駆動部材と係合する第1リンクと、
前記第1リンクの他端側と係合するスライダピンを有し、前記ベルトコンベアの延びる方向にスライド移動可能なスライダと、
前記スライダピンと係合し、前記第1リンクの回転に伴う前記スライダの移動に応じて、前記第2アームと共に同軸上で回転する第2リンクと、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の待機装置。
【請求項4】
前記第1アーム及び前記第2アームと前記駆動源とは、前記ベルトコンベアの幅方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載の待機装置。
【請求項5】
前記伝達機構は、前記ベルトコンベアの底部に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の待機装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一つに記載の待機装置と、前記ベルトコンベアとを備えることを特徴とする搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を載せた器をベルトコンベア上で待機させる待機装置と、この待機装置を備え、器を搬送する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食物を載せた器をベルトコンベア上で待機させる待機装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の待機装置は、並設されるベルトコンベア間に下方からストッパを突出させ、ベルトコンベアに搬送される器の中央部にストッパを当てることで、器の進行を止める。待機装置は、ストッパを下方に退避させることで、ベルトコンベアに器の搬送を再開させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の待機装置では、駆動源、及び駆動源からストッパへの駆動力の伝達機構がベルトコンベアの下方に配置されているため、ベルトコンベアの下方に駆動源及び伝達機構を設置するスペースを確保しなければならない。しかし、ベルトコンベアの下方には、駆動源などを設置するスペースを確保できないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明である待機装置は、第1アーム及び第2アームと、駆動源と、伝達機構とを備える。第1アーム及び第2アームは、物品を載せた器を搬送するベルトコンベアに対して幅方向の両外側に設けられた回転軸の周りで回転し、ベルトコンベア上で器を止める閉状態と、ベルトコンベアによる器の移動を許容する開状態との間を遷移する。駆動源は、ベルトコンベアを含む搬送装置の側方に配置され、第1アーム及び第2アームを駆動する。伝達機構は、駆動源から第1アーム及び第2アームへ駆動力を伝達する。
【0006】
駆動源には、直線上で往復動する駆動部材を備えることができる。伝達機構は、駆動部材の往復動を回転運動に変換して第1アーム及び第2アームに伝達することができる。伝達機構は、第1リンクと、スライダと、第2リンクとで構成することができる。第1リンクは、第1アームと共に同軸上で回転し、一端側で駆動部材と係合する。スライダは、第1リンクの他端側と係合するスライダピンを有し、ベルトコンベアの延びる方向にスライド移動可能である。第2リンクは、スライダピンと係合し、第1リンクの回転に伴うスライダの移動に応じて、第2アームと共に同軸上で回転する。
【0007】
第1アーム及び第2アームと駆動源とは、ベルトコンベアの幅方向に並んで配置することができる。伝達機構は、ベルトコンベアの底部に沿って配置することができる。本発明である待機装置と、ベルトコンベアとによって搬送装置を構成することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第1アーム及び第2アームを駆動する駆動源を、ベルトコンベアを含む搬送装置の側方に配置しているため、ベルトコンベアの下方に駆動源を配置するスペースを確保する必要が無い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】ベルトコンベア及び待機装置を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、搬送装置1の平面図である。搬送装置1は、例えば寿司店などの飲食店に設置され、寿司や飲み物等の注文品を載せた皿Pを直線状のベルトコンベア2によって搬送する。直線状のベルトコンベア2は、例えば、飲食店において、注文品を載せた複数の皿Pを注文客に届けるために設置される。なお、ベルトコンベア2は直線状のタイプに限るものではなく、皿Pを注文客まで搬送できるものであればよい。
【0011】
皿Pは、
図1の吹き出しの(B)に示すように、底に向かって窄んでいる。皿Pの底面Pbには、円環状の足PLが立設されるとともに、足PLの内側の領域に、足PLの高さよりも厚みが小さいIC(Integrated Circuit)タグPtが取り付けられている。ICタグPtは、識別情報を記憶する。
【0012】
なお、ICタグPtを内蔵する札を皿Pに載せてもよい。皿Pは、寿司の搬送に適した平面視円形のものを例示したが、適宜の平面形状、立体形状を取り得る。また、搬送装置1の搬送対象は、皿Pに替えて、多数の皿を載せることが可能なトレイであってもよく、物品を載せることが可能な器であればよい。搬送装置1は、焼き肉や定食屋等の飲食店に設置されてもよいし、飲食以外の用途、例えば物品の仕分け(物品を載せた器の搬送)にも適用できる。
【0013】
ベルトコンベア2の店内に配置される部分に沿って、テーブルT及び座席Sが設置される。テーブルTには、注文端末101が設置される。各テーブルTに対応して、払出機102及び皿待機テーブル103が設置される。払出機102は、適宜の構成であってよい。例えば、払出機102は、ベルトコンベア2の幅方向外側にある案内板を、皿Pの払い出し時に回転させ、ベルトコンベア2の進行方向に対して傾斜した姿勢でベルトコンベア2上に位置付けることで、皿Pをベルトコンベア2から皿待機テーブル103に払い出す。ベルトコンベア2の上流側は、調理場9に配置される。ベルトコンベア2の調理場9に配置される部分に沿って、複数の待機装置3が設置される。待機装置3の上記設置個所は、例示であり、ベルトコンベア2に対して適宜の個所に設けてよい。
【0014】
待機装置3は、
図1の(A)に示すように、第1アーム31及び第2アーム32を備える。ベルトコンベア2に対し、第1アーム31が
図1の下側にあり、第2アーム32が
図1の上側にある。第1アーム31及び第2アーム32は、水平面内で回転することで閉状態と開状態との間を遷移する。
【0015】
第1アーム31及び第2アーム32は、閉状態では、先端側がベルトコンベア2の上方に位置し、皿Pの進路をベルトコンベア2の幅方向両側から狭める。そして、第1アーム31及び第2アーム32は、ベルトコンベア2が駆動した状態で、皿Pに、本実施形態では皿Pの足PLに、両側から当接することで、皿Pの進行を止める。
【0016】
第1アーム31及び第2アーム32は、開状態では、ベルトコンベア2の幅方向外側に位置することで皿Pを通す。ベルトコンベア2が駆動しており、かつ第1アーム31及び第2アーム32によって皿Pを待機させている状態で、第1アーム31及び第2アーム32が閉状態から開状態となることで、皿Pがベルトコンベア2によって移動する。各待機装置3の上流には、センサPSが設置される。センサPSは、対応する待機装置3の上流位置を皿Pが通過したことを検出する。
【0017】
図2は、搬送装置1の制御ブロックを示す図である。搬送装置1は、制御装置104を備える。注文端末101及び制御装置104は、コンピュータであり、通信機能、計算機能、記憶機能、表示機能、入力受付機能を有する。制御装置104は、店内または店外にある1台または適宜のネットワークを介して接続する複数台のコンピュータにより構成されてもよい。制御装置104は、オーダリングシステムを提供し、店舗状況管理、調理配信、飲食物の到着案内、オーダー集計等を行う。制御装置104は、注文端末101及びセンサPSと通信するとともに、払出機102、ベルトコンベア2、待機装置3を制御する。
【0018】
図1に戻り、客が注文端末101によって飲食物を注文すると、調理場9にて、注文品を載せた皿Pが調理スタッフによりベルトコンベア2に載せられる。この際、1人の注文客が複数の注文を行った場合や、店内でベルトコンベア2が皿Pを搬送中である場合等に、制御装置104は、調理場9にて皿Pをベルトコンベア2上で待機させる。例えば、1人の注文客に向けた3つの注文品がある場合、制御装置104は、空いている最も下流の待機装置3を閉状態とし、該待機装置3に、1つ目の注文品を載せた皿Pを待機させる。該待機装置3に皿Pが待機されたことが該待機装置3の上流位置にあるセンサPSによって検出されると、制御装置104は、一つ上流の待機装置3にて、上述の処理を繰り返し、2つ目の注文品の皿Pを待機させる。同様にして、さらに上流の待機装置3に3つ目の注文品を待機させる。
【0019】
続いて、制御装置104は、一斉に待機装置3を閉状態から開状態に切り替えて皿Pを開放させ、3つの皿Pを搬送方向に並んだ状態でベルトコンベア2に搬送させる。制御装置104は、これらの皿Pをベルトコンベア2から注文客の皿待機テーブル103に払出機102によって払い出す。なお、制御装置104による皿Pの待機条件や待機解除条件は、待機装置3の使用目的等により適宜に設定できる。例えば、ベルトコンベア2が駆動している状態で、複数の待機装置3が異なる注文客への皿Pを待機させている場合、下流側の待機装置3がある注文客への皿Pを開放した際、上流側の待機装置3に、別の注文客への皿Pの待機を継続させてもよく、適宜のタイミングで、該上流側の待機装置3に皿Pを開放させてもよい。待機装置3は、適宜の台数を設置でき、一台のみ設置してもよい。
【0020】
図3は、ベルトコンベア2及び待機装置3を拡大して示す斜視図である。ベルトコンベア2は、アルミ製の長手状のフレームFの幅方向中央に設けられている。ベルトコンベア2の搬送面の幅方向両外側には、フレームFのガイド面Ffが配置される。ガイド面Ffは、ベルトコンベア2の搬送面よりも若干低い位置にあり、ベルトコンベア2の搬送面と共に皿Pの搬送路を形成する。
【0021】
待機装置3において、第1アーム31の軸部材311の中心を通る回転軸A1は、ベルトコンベア2に対して幅方向の一方の外側(
図3の左下側)に位置しており、ベルトコンベア2の上面に対して直交する方向に延びている。第2アーム32の軸部材321の中心を通る回転軸A2は、ベルトコンベア2に対して幅方向の他方の外側(
図3の右上側)に位置しており、ベルトコンベア2の上面に対して直交する方向に延びている。軸部材311、321は、共に、ガイド面Ffに形成された孔Fhを通ってガイド面Ffの下方へ延びる。本実施形態では、第1アーム31及び第2アーム32は、上流側に回転軸A1、A2が位置する姿勢で設けられているが、下流側に回転軸A1、A2が位置する姿勢で設けられてもよい。
【0022】
待機装置3は、第1アーム31及び第2アーム32を駆動する駆動源4を備える。駆動源4は、搬送装置1の側方に配置されており、第1アーム31よりも、ベルトコンベア2の幅方向の外側(
図3の左下側)に設けられている。駆動源4と、第1アーム31及び第2アーム32とは、ベルトコンベア2の幅方向において並んで配置されている。本実施形態では、駆動源4は、ベース33に取り付けられ、ベース33がフレームFに取り付けられることで、フレームFの側方にフレームFに沿って設けられる。駆動源4は、第2アーム32よりも、ベルトコンベア2の幅方向の外側(
図3の右上側)に設けられてもよい。ベルトコンベア2の幅方向において、第1アーム31及び第2アーム32と駆動源4とは、本実施形態では少なくとも一部が重なる。
【0023】
駆動源4は、駆動源本体41と、駆動源本体41によって直線状に往復動する駆動部材42とを備える。駆動源4は、電動シリンダであり、駆動源本体41内のモータによってボールねじを回転させ、ボールねじ上のボールねじナットを内蔵する駆動部材42を駆動源本体41に対して直線状に移動させる。駆動源4は、空圧式や油圧式で駆動部材42を駆動してもよい。駆動部材42は、ベルトコンベア2が延びる方向に沿って配置されている。駆動部材42は、
図3にて1点鎖線で示す軸部421と、ブラケット422とを備える。軸部421は、駆動源本体41により往復動する。
【0024】
ブラケット422は、底部423の一端(上流側)から立ち上がり部424が立ち上がるL字形である。立ち上がり部424は、軸部421の先端部に固定される。軸部421が駆動源本体41の外側に伸びることで、ブラケット422が
図3の方向UD(搬送方向に対して逆方向)にスライド移動し、立ち上がり部424が駆動源本体41から離れる。これにより、第1アーム31が
図3のCCD方向(第1アーム31及び第2アーム32を上方から見た場合の反時計方向)に回転するとともに、第2アーム32が
図3のCD方向(第1アーム31及び第2アーム32を上方から見た場合の時計方向)に回転し、第1アーム31及び第2アーム32が閉状態から開状態になる。
【0025】
一方、軸部421が駆動源本体41の内側に引き込まれることで、ブラケット422が
図3の方向DD(搬送方向と同一方向)にスライド移動し、立ち上がり部424が駆動源本体41に近づく。すると、第1アーム31がCD方向に回転するとともに、第2アーム32がCCD方向に回転し、第1アーム31及び第2アーム32が開状態から閉状態になる。
【0026】
図4は、待機装置3の分解斜視図である。ベース33は、フレームFの底部に取り付けられ、ベルトコンベア2の底部に配置される。ベース33からは、第1アーム31の軸部材311を保持する円筒状のハウジング331が上方に突出する。ハウジング331の上端、下端には、フランジ型の滑り軸受332、333が設置される。第1アーム31の軸部材311は、ハウジング331を通って下方まで延びる。同様に、ベース33からは、第2アーム32の軸部材321を保持する円筒状のハウジング334が上方に突出する。ハウジング334の上端、下端には、フランジ型の滑り軸受335、336が設置される。第2アーム32の軸部材321は、ハウジング334を通って下方まで延びる。
【0027】
待機装置3は、駆動源4から第1アーム31及び第2アーム32へ駆動力を伝達する伝達機構5を備える。伝達機構5は、駆動源4の種類や、伝達機構5の目的等に応じて適宜の構成を採用できる。本実施形態では、伝達機構5は、駆動部材42の直線状の往復動を回転運動に変換して第1アーム31及び第2アーム32に伝達する。伝達機構5は、第1リンク51、スライダ52、第2リンク53を備える。
【0028】
第1リンク51は、互いに異なる方向に延びる2つのリンクアーム511、512が繋がったV字状の板部材である。リンクアーム511、512が繋がる部位は、第1アーム31の回転軸A1が位置しており、孔513が形成される。孔513には、下方からワッシャ514を介して不図示のボルトが通される。このボルトが、カラー515を介して第1アーム31の軸部材311にねじ込まれることで、第1リンク51が第1アーム31の軸部材311に固定される。
【0029】
リンクアーム511の先端側には、リンクアーム511の長手方向に直線状に延びるピン溝516が形成されている。駆動部材42は、ブラケット422の下面に固定された駆動ピン425を備えており、駆動ピン425は、ピン溝516を通り、樹脂製のワッシャ426が通され、止め輪427によりリンクアーム511に対して抜け止めされる。
【0030】
リンクアーム512は、リンクアーム511よりも長い。リンクアーム512の先端右側には、リンクアーム512の長手方向に直線状に延びるピン溝517が形成されている。スライダ52は、ベルトコンベア2の幅方向において、回転軸A1、A2の中間に配置されている。スライダ52は、ベース33に固定されてスライダ52の上方にあるスライダガイド54により、ベルトコンベア2が延びる方向にスライド移動可能に保持される。スライダ52は、下方に突出するスライダピン521を備える。
【0031】
第2リンク53は、直線状の板部材である。第2リンク53の一端側には、第2リンク53の長手方向に対して傾斜する方向に延びる孔531が形成されている。孔531には、下方からワッシャ532を介して不図示のボルトが通される。このボルトが、カラー533を介して第2アーム32の軸部材321にねじ込まれることで、第2リンク53が第2アーム32の軸部材321に固定される。
【0032】
第2リンク53の他端側には、第2リンク53の長手方向に延びるピン溝534が形成されている。スライダピン521は、リンクアーム512のピン溝517を通り、樹脂製のワッシャ535が通される。スライダピン521は、さらにピン溝534を通り、樹脂製のワッシャ536が通され、止め輪537により、第1リンク51及び第2リンク53に対して抜け止めされる。
【0033】
図5は、待機装置3を下方から見た斜視図である。第1アーム31及び第2アーム32を閉状態から開状態にする際には、駆動源4が軸部421を移動させ、ブラケット422を介して駆動ピン425を
図5の方向UD(搬送方向に対して逆方向)にスライド移動させる。駆動ピン425は、第1リンク51のピン溝516を介して第1リンク51を
図5の方向CCDに回転させる。ここで、ピン溝516は、駆動ピン425のスライド移動を第1リンク51の回転に変換する。
【0034】
ここで、第1リンク51の孔513には、軸部材311(
図4)を介して第1アーム31が固定されているが、第1リンク51の孔513と軸部材311は同軸上(回転軸A1上)に位置しているため、第1リンク51が
図5の方向CCDに回転することにより、第1アーム31が方向CCDに回転して開状態となる。
【0035】
第1リンク51の回転に伴い、第1リンク51のピン溝517がスライダピン521を
図5の方向DD(搬送方向)にスライド移動させる。ここで、スライダピン521は、ピン溝517の一端側から他端側に移動する。スライダピン521は、方向DDに移動することで、第2リンク53のピン溝534を介して、第2リンク53を方向CDに回転させる。第2リンク53が方向CDに回転することに伴い、スライダピン521は、ピン溝534の一端から他端に移動する。
【0036】
ここで、第2リンク53の孔531には、軸部材321(
図4)を介して第2アーム32が固定されているが、第2リンク53の孔531と軸部材321は同軸上(回転軸A2上)に位置しているため、第2リンク53が
図5の方向CDに回転することにより、第2アーム32が方向CCDに回転して開状態となる。
【0037】
第1アーム31及び第2アーム32を開状態から閉状態にする際には、駆動源4が、軸部421を移動させて駆動ピン425を
図5の方向DDにスライド移動させ、ピン溝516を介して第1リンク51を
図5の方向CDに回転させる。これにより、第1アーム31が、方向CD(
図3参照)に回転して閉状態となる。第1リンク51の方向CDへの回転に伴い、第1リンク51のピン溝517を介してスライダピン521が
図5の方向UD(搬送方向に対して逆方向)にスライド移動する。スライダピン521は、方向UDへの移動に伴い、第2リンク53のピン溝534を介して第2リンク53を方向CCDに回転させる。これにより、第2アーム32が、方向CCDに回転して閉状態となる。
【0038】
このように、第1リンク51は、駆動部材42の往復動により、回転軸A1を中心に回転し、その回転が第1アーム31に伝達される。第2リンク53は、スライダ52の移動により、回転軸A2を中心に回転してその回転が第2アーム32に伝達される。駆動部材42の駆動に対する第1アーム31及び第2アーム32の回転量は、本実施形態では等しくなるように設定されるが、適宜に設定してよい。
【0039】
本実施形態では、駆動源4が搬送装置1の側方に配置されているため、ベルトコンベア2の下方において、駆動源4を配置するスペースを確保する必要が無い。また、伝達機構5は、
図4及び
図5に示すように、ベルトコンベア2の下方に配置されるベース33に取り付けられており、ベース33の平面に沿って配置されているため、ベルトコンベア2の下方において、伝達機構5を配置するスペースを小型化することができる。
【符号の説明】
【0040】
1:搬送装置、2:ベルトコンベア、3:待機装置、4:駆動源、5:伝達機構、31:第1アーム、32:第2アーム、42:駆動部材、51:第1リンク、52:スライダ、53:第2リンク、425:駆動ピン、516:ピン溝、517:ピン溝、521:スライダピン、534:ピン溝、A1:回転軸、A2:回転軸、P:器