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  • 特開-真空溶解炉の温度測定部構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082015
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】真空溶解炉の温度測定部構造
(51)【国際特許分類】
   G01J 5/05 20220101AFI20240612BHJP
   G01J 5/00 20220101ALI20240612BHJP
   G01J 5/0875 20220101ALI20240612BHJP
   F27D 21/02 20060101ALI20240612BHJP
   F27B 5/18 20060101ALI20240612BHJP
   F27B 14/20 20060101ALI20240612BHJP
   F27B 3/28 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
G01J5/05
G01J5/00 101D
G01J5/0875
F27D21/02
F27B5/18
F27B14/20
F27B3/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195691
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003713
【氏名又は名称】大同特殊鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】弁理士法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】原 一貴
(72)【発明者】
【氏名】根岸 克成
【テーマコード(参考)】
2G066
4K045
4K046
4K056
4K061
【Fターム(参考)】
2G066AC01
2G066AC11
2G066BA30
2G066BB15
4K045RB26
4K046CC01
4K046EA00
4K056FA12
4K056FA22
4K061AA02
4K061BA02
4K061GA02
4K061HA07
(57)【要約】
【課題】真空溶解炉に設けられた光学窓の汚染を防止し、炉体内部の金属溶湯の温度を炉外から光学温度計で正確に測定することのできる温度測定部構造の提供。
【解決手段】光学窓と金属溶湯との間の光学経路を横切りかつ平面内にて回転自在に支持された円板の回転中心から等距離の円上に複数の貫通孔をそれぞれ透明板を保持し得るように設けた回転部材を含む。回転部材は、貫通孔のうちの第1の貫通孔を光学経路の外側から内側の光学窓との対向位置へと移動させるとともに、対向位置に配置させられていた貫通孔のうちの他の1つの第2の貫通孔を光学経路の外側の待避位置へと移動させるように回転する。待避位置では、移動してきた第2の貫通孔内に保持される透明板を上下から挟み込むように一対の清掃部材が配置されており、第2の貫通孔内に保持される透明板が一対の清掃部材に擦過されつつ待避位置に移動してくる。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空溶解炉内の金属溶湯の温度を炉体の上面部に設けられた透明な光学窓を介して炉外から光学温度計で測定するための温度測定部構造であって、
前記光学窓と前記金属溶湯との間の光学経路を横切りかつ平面内にて回転自在に支持された円板の回転中心から等距離の円上に複数の貫通孔をそれぞれ透明板を保持し得るように設けた回転部材を含み、
前記回転部材は、前記貫通孔のうちの第1の貫通孔を前記光学経路の外側から内側の前記光学窓との対向位置へと移動させるとともに、前記対向位置に配置させられていた前記貫通孔のうちの他の1つの第2の貫通孔を前記光学経路の外側の待避位置へと移動させるように回転し、前記待避位置では、移動してきた前記第2の貫通孔内に保持される前記透明板を上下から挟み込むように一対の清掃部材が配置されており、前記第2の貫通孔内に保持される前記透明板が前記一対の清掃部材に擦過されつつ前記待避位置に移動してくることを特徴とする真空溶解炉内の温度測定部構造。
【請求項2】
前記清掃部材は、前記待避位置に移動してきた前記第2の貫通孔内に保持される前記透明板の周縁部を上下から挟み込む一対の環状ゴム弾性体であることを特徴とする請求項1記載の真空溶解炉内の温度測定部構造。
【請求項3】
前記環状ゴム弾性体は、シリコンゴムからなることを特徴とする請求項2記載の真空溶解炉内の温度測定部構造。
【請求項4】
前記貫通孔の径は下側開口よりも上側開口で大であり、前記上側開口から前記透明板が前記貫通孔内に着脱自在に保持されることを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載の真空溶解炉内の温度測定部構造。
【請求項5】
前記炉体の内壁に沿って前記円板の周縁部との間から前記光学窓へ向けたヒュームの流れを遮断する遮蔽部材が前記内壁から前記円板の上面に向けて設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載の真空溶解炉内の温度測定部構造。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空溶解炉内の金属溶湯の温度を炉外から光学温度計で測定するための温度測定部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
真空溶解炉内で溶解された金属溶湯の温度を正確に測定するには、炉内を不活性ガスにて置換した上で、炉体上方に設けられた仕切弁を開け、熱電対を炉内の溶湯に差し入れることで温度を測定している。一方、簡易には、炉体にガラスのような光学的に透明な材料を嵌め込まれた光学窓を設け、赤外線温度計の如き光学温度計で光学窓越しに溶湯の温度を計測することもできる。かかる光学温度計では、ヒューム(金属蒸気)で光学窓が汚染されてしまうと、測温精度が低下してしまう。
【0003】
例えば、特許文献1では、真空溶解炉内の溶湯の温度を光学窓を介して炉外から光学温度計で測定するための温度測定部構造において、ヒュームによる光学窓のガラス板の汚染を防止し温度測定装置の視界を確保するよう、光学窓と溶湯との間の光学経路内に電気集塵機を与えることを開示している。いわゆるコットレル集塵機のような電気集塵機に通電すると、地金から発生したヒュームが電極に引きつけられ光学窓のガラス板に到達しなくなるため、光学窓の汚染を防止できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-54763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
真空溶解炉では、操業中に光学窓のガラス板が汚染されても、これを炉体内部の真空を維持したまま交換することは難しい。そこで、炉体の内部から光学窓のガラス板の表面を擦過するようなワイパー機構を設置することが考慮されるが、ワイパー機構にもヒュームなどが付着してしまい動作安定性が得られない。
【0006】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、真空溶解炉に設けられた光学窓に嵌め込まれたガラス板の汚染を防止し、炉体内部の金属溶湯の温度を炉外から光学温度計で正確に測定することのできる温度測定部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による構造は、真空溶解炉内の金属溶湯の温度を炉体の上面部に設けられた透明な光学窓を介して炉外から光学温度計で測定するための温度測定部構造であって、前記光学窓と前記金属溶湯との間の光学経路を横切りかつ平面内にて回転自在に支持された円板の回転中心から等距離の円上に複数の貫通孔をそれぞれ透明板を保持し得るように設けた回転部材を含み、前記回転部材は、前記貫通孔のうちの第1の貫通孔を前記光学経路の外側から内側の前記光学窓との対向位置へと移動させるとともに、前記対向位置に配置させられていた前記貫通孔のうちの他の1つの第2の貫通孔を前記光学経路の外側の待避位置へと移動させるように回転し、前記待避位置では、移動してきた前記第2の貫通孔内に保持される前記透明板を上下から挟み込むように一対の清掃部材が配置されており、前記第2の貫通孔内に保持される前記透明板が前記一対の清掃部材に擦過されつつ前記待避位置に移動してくることを特徴とする。
【0008】
かかる特徴によれば、汚染されて待避位置に待避された透明板を再度、対向位置に戻すことが出来て、透明板の交換頻度を上げ得て、炉内の金属溶湯の温度を炉外から光学温度計で正確に測定できるようになるのである。また、温度測定部構造を大型化、複雑化することもない。
【0009】
上記した発明において、前記清掃部材は、前記待避位置に移動してきた前記第2の貫通孔内に保持される前記透明板の周縁部を上下から挟み込む一対の環状ゴム弾性体であることを特徴としてもよい。また、前記環状ゴム弾性体は、シリコンゴムからなることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、温度測定部構造を大型化、複雑化することなく、炉内の金属溶湯の温度を炉外から光学温度計で正確に測定できるようになるのである。
【0010】
上記した発明において、前記貫通孔の径は下側開口よりも上側開口で大であり、前記上側開口から前記透明板が前記貫通孔内に着脱自在に保持されることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、透明板の交換を容易に出来て、炉内の金属溶湯の温度を炉外から光学温度計で正確に測定できるようになるのである。
【0011】
上記した発明において、前記炉体の内壁に沿って前記円板の周縁部との間から前記光学窓へ向けたヒュームの流れを遮断する遮蔽部材が前記内壁から前記円板の上面に向けて設けられていることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、長時間に亘り、炉内の金属溶湯の温度を炉外から光学温度計で正確に測定できるようになるのである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による1実施例における温度測定部構造を有する真空溶解炉の側断面図(部分)である。
図2】同温度測定部構造の上面図である。
図3】同温度測定部構造の側断面図である。
図4】同温度測定部構造の側断面図の要部の拡大図である。
図5】同温度測定部構造の上断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明による1つの実施例としての温度測定部構造について、図1乃至図5を用いて説明する。
【0014】
図1に示すように、温度測定部構造10は、真空溶解炉1の炉体2の上面部2aの壁体を貫通するように設けられた略円筒形の筐体11を備える。つまり、筐体11は、炉体2の一部とされる。温度測定部構造10は、真空溶解炉1の内部の坩堝3に貯留される金属溶湯4に向けた光学経路5が設けられている。光学経路5は、温度測定部構造10の上側に設置される光学温度計6から金属溶湯4の表面まで直線状に配置される。光学温度計6としては、例えば、二色温度法による測温カメラなどを好適に用い得る。そして、光学経路5は、真空引きされる真空溶解炉1の炉内と大気圧下の炉外とを隔てられるよう、ガラス板などの透明な板体による光学窓7で閉塞される。つまり、温度測定部構造10は光学経路5上に光学窓7を備え、筐体11に設けられた開口8によってその下方に金属溶湯4に向けた光学経路5を区画する。ここでは、光学窓7及び開口8は光学経路5を横切る断面において円形とされている。
【0015】
ところで、真空溶解炉1の内部は金属溶湯4から発生したヒュームなどによって汚染されやすい。光学経路5上の光学窓7が汚染されると、光学窓7を介して金属溶湯4の温度を測定する光学温度計6ではかかる測定が不正確になってしまう。そこで、温度測定部構造10では、光学窓7の汚染を防止するよう、光学窓7と金属溶湯4との間の光学経路5を横切る回転部材20を備える。
【0016】
図2及び図3に示すように、回転部材20は、温度測定部構造10の筐体11内部において平面内で回転自在となるよう支持された円板形状を有し、その外周を筐体11の内周に沿わせるようにして配置される。回転部材20は、円板21と複数の透明板22とを含む。円板21は、回転中心Cから等距離となる回転中心Cの周りの円上に上面視円形の複数の貫通孔23(23-1~23-5)を設け、貫通孔23のそれぞれで透明板22を保持し得るようにされている(図4を併せて参照)。例えば、貫通孔23の径は下側開口23bよりも上側開口23aで大とするようにすると、上側開口23aの側から透明板22を貫通孔23に挿入できて、下側への脱落を防止しつつ、着脱自在とされる。ここでは、貫通孔23及び透明板22を共に段付き形状として、かかる形状によって透明板22を保持するようにしている。
【0017】
回転部材20は、温度測定部構造10の筐体11の内部で軸支された軸体31にその中心部を貫通されるようにして固定され、これによって回転自在とされる。軸体31は、上下に延びて上端部を筐体11の上側へ突出させており、突出した上端部にはギア32が固定されている。ギア32は、図示しないモータへ接続され、その回転を伝達させることで回転部材20を回転させ、任意の位置で停止させることができるようにされる。
【0018】
回転部材20は、回転して貫通孔23の位置を変えることで、複数の透明板22を光学経路5の内側となる光学窓7の対向位置に順に配置させることができる。詳細には、回転部材20を回転させて、貫通孔23のうちの1つである貫通孔23-1(第1の貫通孔)を光学経路5の外側から内側の光学窓7との対向位置P0に移動させる。これとともに対向位置P0に配置されていた他の1つの貫通孔23-2(第2の貫通孔)を光学経路5の外側の待避位置P1に移動させる(特に図2を参照)。つまり、貫通孔23の位置を一つ分ずらすように回転部材20を回転させる。このようにして、光学経路5上に配置する透明板22を交換することができる。なお、このとき、残りの待避位置P2~P4についても同様に、順次、貫通孔23(23-1~23-5)が透明板22を伴って移動する。このような回転部材20の回転による透明板22の交換は、炉内が真空引きされている真空溶解炉1の操業中であっても可能である。
【0019】
図5を併せて参照すると、待避位置P1~P4のうちの1つである待避位置P2に対応する位置に下側清掃部材13及び上側清掃部材14からなる一対の清掃部材が設けられる。下側清掃部材13及び上側清掃部材14は、例えば、シリコンゴムなどのゴム弾性体からなり、透明板22の直径とほぼ同等の直径を有する環状とされ、アリ溝を有する環状部材13a及び14aにそれぞれ嵌め込まれて保持される。すなわち、下側清掃部材13及び上側清掃部材14はOリングと同様の材料と取り付け構造によって構成され得る。下側清掃部材13及び上側清掃部材14は、それぞれ下側及び上側から、互いに回転部材20を挟んで向かい合う。また、下側清掃部材13及び上側清掃部材14は透明板22の周縁部を挟み込んで互いに押圧しつつ、回転部材20の回転に対して透明板22の表面を擦過できる程度の距離となるように配置を調整されている。
【0020】
なお、下側清掃部材13及び上側清掃部材14の配置される待避位置としては、筐体11の内部へのヒュームの流入口となる開口8から離れた位置とされることが好ましい。例えば、待避位置P2は、待避位置P1(図2参照)よりも開口8からの距離が長く、筐体11内に流入したヒュームによる下側清掃部材13及び上側清掃部材14の汚染を抑制できる。
【0021】
これにより、上記したように回転部材20を回転させることで、移動する透明板22の下側の面を下側清掃部材13で擦過し、上側の面を上側清掃部材14で擦過することができる。また、下側清掃部材13及び上側清掃部材14で透明板22を挟み込むため、特に汚染されやすい透明板22の下面に下側清掃部材13を押し付けることができ、擦過によって効果的に汚れを除去できる。さらに、下側清掃部材13及び上側清掃部材14を透明板22とほぼ同等の直径を有する環状としたことで、透明板22は、待避位置P2に移動してきたときと、待避位置P2から移動していくときの2回の擦過を受けることになる。これらによって、透明板22に付着したヒュームなどの汚れを除去し得る。なお、下側清掃部材13及び上側清掃部材14は、これ以外の形状や構造とすることもでき、例えば、ブラシで透明板22を擦過するようなものとしてもよい。
【0022】
なお、真空溶解炉1の内部では、ヒュームのほかにスプラッシュ(粉塵)も発生し炉内を汚染するが、光学温度計6による温度測定にはあまり影響しない。そこで、本実施例では、特に、ヒュームによる汚染の防止と除去を目的としている。ヒュームによる汚染は、透明板22の全面に拡がったような形態となる。そこで、清掃部材は透明板22の全面を擦過できるような形状とされることが好ましく、例えば、上記したような環状ゴム弾性体とされる。
【0023】
このように、光学経路5を横切って透明板22を有する回転部材20を設けたことで、比較的単純な構成で温度測定部構造10を大型化することなく、光学窓7の汚染を抑制でき、光学経路5上で汚染された透明板22を交換できる。例えば、汚染されて待避位置に待避された透明板を下側清掃部材13及び上側清掃部材14で擦過して、再度、光学窓7の対向位置に戻すことができる。よって、透明板22の交換頻度を上げ得て、炉内の金属溶湯4の温度を炉外から光学温度計6で正確に測定できるようになる。また、真空溶解炉1の稼働中であって回転部材20を回転させるだけで透明板22を交換できるので、温度測定部構造10のメンテナンスなしで真空溶解炉1を稼働できる時間を長くでき、メンテナンスの頻度を少なくできる。
【0024】
また、温度測定部構造10は、光学経路5に対応する位置にも清掃部材15を備えている。清掃部材15は、他の清掃部材と同様にゴム弾性体からなり、光学経路5に干渉しないよう、透明板22の直径よりもやや大きな直径を有する環状とされ、アリ溝を有する環状部材15aに嵌め込まれて回転部材20の下側において上向きに保持される。また、清掃部材15は、移動する透明板22の下面を擦過するように配置を調整されている。清掃部材15によれば、光学経路5上に移動してくる透明板22の下面を擦過し、光学経路5上から移動する透明板22の下面を擦過することができる。つまり、光学経路5上で使用される直前に汚れを除去し得るとともに、光学経路5上で使用された直後に汚れを除去し得る。下側清掃部材13及び清掃部材15を環状としたことで、回転部材20を1回転させると、各透明板22の下面は、それぞれ、待避位置P2で2回と光学経路5上で2回の計4回、擦過されることになる。
【0025】
さらに、温度測定部構造10は、筐体11の内壁の天井面11aと回転部材20の上面との間において、ヒュームの流れを防止する環状の遮蔽部材16を光学経路5の周囲に備えている。遮蔽部材16は、筐体11の天井面11aに沿って設けられ、例えば、開口8の内壁8aに一端を固定され、他端を天井面11aの下に垂下させて回転部材20の上面に向けている。かかる先端を、円板21及び/又は透明板22の上面に当接させるようにすることも好ましい。これによって、回転部材20の周縁部と筐体11の内壁との間を通って、さらに回転部材20の上面と天井面11aとの間を通る光学窓7へ向けたヒュームの流れを遮断し得て、光学窓7の汚染をより確実に防止できる。その結果、温度測定部構造10のメンテナンスなしに長時間に亘って炉内の金属溶湯4の温度を炉外から光学温度計6で正確に測定できる。
【0026】
以上、本発明の代表的な実施例を説明したが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、種々の代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
【符号の説明】
【0027】
1 真空溶解炉
4 金属溶湯
5 光学経路
7 光学窓
10 温度測定部構造
13 下側清掃部材
14 上側清掃部材
20 回転部材
21 円板
22 透明板

図1
図2
図3
図4
図5