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  • 特開-空気清浄機 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082018
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】空気清浄機
(51)【国際特許分類】
   F24F 8/80 20210101AFI20240612BHJP
   F24F 8/10 20210101ALI20240612BHJP
   F24F 13/08 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
F24F8/80 110
F24F8/10
F24F8/80 200
F24F13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195697
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩嗣
【テーマコード(参考)】
3L081
【Fターム(参考)】
3L081AA01
3L081BA05
(57)【要約】
【課題】より多くの空気を清浄にできる大きな風量の空気清浄機を提供する。
【解決手段】本発明の空気清浄機1は、流入口2と吹出口3が形成され、モータ4により駆動される遠心力形ファン5を有する送風手段が設けられる本体1hと、送風手段の風上側に形成される空間部8に配設されるファン接触防止用の格子9と、格子9の風上側に設けられる集塵ユニット10とを備え、格子9は、格子すき間9sが、空気の流速が速く多くの量の空気が流通する部分6bでは大きく、空気の流速が遅くて少ない量の空気が流通する部分6aでは小さい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入口と吹出口が形成され、モータにより駆動される遠心力形ファンを有する送風手段が設けられる本体と、
前記送風手段の風上側に形成される空間部に配設されるファン接触防止用の格子と、
前記格子の風上側に設けられる集塵ユニットとを備え、
前記格子は、格子すき間が、空気の流速が速く多くの量の空気が流通する部分では大きく、空気の流速が遅くて少ない量の空気が流通する部分では小さい
ことを特徴とする空気清浄機。
【請求項2】
請求項1記載の空気清浄機において、
前記格子の格子骨は、空気の流速が速くて多くの空気が流通する部分では細くし、空気の流速が遅くて少ない空気が流通する部分では太くしている
ことを特徴とする空気清浄機。
【請求項3】
請求項1記載の空気清浄機において、
前記格子は、
空気の流速が速くて多くの量の空気が流通する部分では、格子すき間を大きく、かつ格子骨を細くし、空気の流速が遅くて少ない量の空気が流通する部分では、格子すき間を小さくしかつ格子骨を太くしている
ことを特徴とする空気清浄機。
【請求項4】
請求項1記載の空気清浄機において、
格子は、空気の流速が速く多くの量の空気が流通する部分と、空気の流速が遅くて少ない量の空気が流通する部分とが異なる材料で構成されていることを特徴とする空気清浄機。
【請求項5】
流入口と吹出口が形成され、モータにより駆動される遠心力形ファンを有する送風手段が設けられる本体と、
前記送風手段の風上側に形成される空間部に配設されるファン接触防止用の格子と、
前記格子の風上側に設けられる集塵ユニットとを備え、
前記格子は、空気の流速が速く多くの量の空気が流通する部分では格子骨が細く、空気の流速が遅くて少ない量の空気が流通する部分では格子骨が太いことを特徴とする空気清浄機。
【請求項6】
請求項5記載の空気清浄機において、
前記格子は、空気の流速が速く多くの量の空気が流通する部分と、空気の流速が遅くて少ない量の空気が流通する部分とで、材質が異なる
ことを特徴とする空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気清浄機では、ファンの吸い込み側に手指などの接触防止用部材を備えている。本技術分野の背景技術として、例えば特許文献1がある。
【0003】
特許文献1の要約には、「本体1内に設けられる送風手段7の風上側に略20mm~30mmの距離を設けた空間部8を形成して配設されるファン接触防止用の格子9を設ける。そして、格子9の風上側に集塵ユニット10を設ける。そして、格子9と空間部8により吸込み気流を整流せしめる構成としたことにより、騒音の低減と風量の増加を図ることのできる空気清浄機を提供する。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-3256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の空気清浄機は、流入口と吹出口を形成し、内部のモータにより駆動される遠心力形ファンよりなる送風手段を設けた本体と、この本体に設けられる送風手段の風上側に空間部を形成して配設されるファン接触防止用の格子と、この格子の風上側に設けられる集塵ユニットとを備えている。
【0006】
また、流入口と吹出口を形成し、内部に遠心力形ファンと前記吹出口に向かい気流を案内する渦巻状のファンケーシングよりなる送風手段を設けた本体と、該本体に設けられる送風手段の風上側に配設される集塵ユニットと、集塵ユニットに設けられる脱臭フィルターと、該脱臭フィルターが当接するファン接触防止用の格子とを備え、前記格子の格子ピッチを略均一に構成したものである。
また、集塵ユニットに設けられる脱臭フィルターと、該脱臭フィルターが当接するファン接触防止用の格子とを備え、前記格子の格子ピッチを略均一に構成したものであり、脱臭フィルターが格子により受け止められて脱臭フィルターのたわみによる変形が防止される。
【0007】
このような従来の空気清浄機の構成では、遠心力形ファンの流入口に近接してファン接触防止用の格子を設け、格子の上流側にフィルターボックスが配設されている。格子は手指が遠心力形ファンに接触するのを防止するためのものである。格子を高速の吸い込み気流が渦巻き状に通過することにより、気流の乱れによる騒音が生じ風量も低減するために格子の格子ピッチを略均一に構成し、前記格子と空間部により吸い込み気流を整流せしめる構成としている。
【0008】
しかしながら、前記の遠心力形ファンへの流入口の円周状の流速は多くの場合に渦巻状のファンケーシングであるために流路に違いがあり、均一ではない。すなわち、流速が速く多くの空気が流通する部分と、流速が遅く少ない空気が流通する部分とがある。
また、空気清浄機には、より多くの空気を清浄処理するために大風量が求められている。しかしながら、前記格子と空間部とにより吸い込み気流を整流する構成としたことによって、流速が遅く少ない空気が流通する部分では影響は少ないが、流速が速く多くの空気が流通する部分では、前記の格子が流路の抵抗となり風量が低減し大風量が得られないという課題がある。
【0009】
本発明は上記実状に鑑み創案されたものであり、より多くの空気を清浄にできる大きな風量の空気清浄機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の空気清浄機は、流入口と吹出口が形成され、モータにより駆動される遠心力形ファンを有する送風手段が設けられる本体と、前記送風手段の風上側に形成される空間部に配設されるファン接触防止用の格子と、前記格子の風上側に設けられる集塵ユニットとを備え、前記格子は、格子すき間が、空気の流速が速く多くの量の空気が流通する部分では大きく、空気の流速が遅くて少ない量の空気が流通する部分では小さい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より多くの空気を清浄にできる大きな風量の空気清浄機を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】本発明の実施形態に係る空気清浄機の斜視図。
図1B図1AのI方向矢視図である空気清浄機の前面図。
図1C図1AのII方向矢視図である空気清浄機の後面図。
図2A】本発明の実施形態1の空気清浄機の縦断面図の図1BのIII-III断面図。
図2B図2AのIV-IV断面で見た遠心力形ファンとファンケーシングとを示す図。
図3】本発明の実施形態1の空気清浄機の流入口の上流の図2AのV-V断面で見たファン接触防止用の格子の模式的正面図。
図4】本発明の実施形態2における格子骨の太さを変化させた格子を示す構成の模式図。
図5】実施形態3における格子の格子すき間と格子骨の太さを変化させた構成の模式図。
図6】実施形態4における格子の格子すき間と格子骨の太さを変化させた構成の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
<<実施形態1>>
図1Aに、本発明の実施形態に係る空気清浄機1の斜視図を示す。
図1Bに、図1AのI方向矢視図である空気清浄機1の前面図を示す。
図1Cに、図1AのII方向矢視図である空気清浄機1の後面図を示す。
【0014】
図1Aに示す実施形態1の空気清浄機1は、本体1hの後部に吸込口15(図1C)が形成され、本体1hの上部に吹出口3が形成されている。
【0015】
図2A図2B図3は、本発明の実施形態1の空気清浄機1の例である。
図2Aに、本発明の実施形態1の空気清浄機1の縦断面図の図1BのIII-III断面図を示す。
図2Aに示すように、空気清浄機1は、本体1hの前中央内部にモータ4が保持されている。
空気清浄機1は、本体1hと集塵ユニット10と格子9とを備えている。
【0016】
図2Bに、図2AのIV-IV断面で見た遠心力形ファン5とファンケーシング6とを示す。
本体1hには、送風手段7が設けられる。送風手段7は、内部のモータ4により駆動される遠心力形ファン5と、渦巻状のファンケーシング6とを有している。
送風手段7は、空気の流入口2と吹出口3とが形成されている。
【0017】
図2Aに示すように、本体1hに設けられる送風手段7の風上側には空間部8が形成されている。
図3に、本発明の実施形態1の空気清浄機1の流入口2の上流の図2AのV-V断面で見たファン接触防止用の格子9の模式的正面図を示す。
空間部8には、ファン接触防止用の格子9が配設されている。格子9の風上側には、室内に空気に含まれる塵埃を除去する集塵ユニット10を備えている。
送風手段7の流入口2には、集塵ユニット10で塵埃が除去された清浄な空気が流入する。
流入口2から流入した清浄な空気は、遠心力形ファン5の稼働により、格子9(図3参照)を通って、渦巻状のファンケーシング6(図2B参照)を通り、吹出口3から上方に排出される。
【0018】
この際、送風手段7の遠心力形ファン5と渦巻状のファンケーシング6により生じる流入口2での空気の吸い込みは、図2Bに示す渦巻状のファンケーシング6の巻き始め6aでは弱く、吹出口3に向かって空気の密度が高まるために巻き終わり6bでは強くなる。この吸い込み風量の変化によって流入口2において空気の流速の差が生じる。
そこで、図3に示す格子9は、下記の構成を有している。
【0019】
格子9は、渦巻状のファンケーシング6(図2B参照)により流入口2(図2A図2B参照)で生じる吸い込み風量差に応じて、格子すき間9s1、9s2(図3参照)を変化させて配置されている。
すなわち、格子9の格子すき間9sは、空気の流速が速く多くの空気が流通する部分(ファンケーシング6の巻き始め6a(図2B参照)の対向箇所)では大きい格子すき間9s1としている。一方、空気の流速が遅く少ない空気が流通する部分(ファンケーシング6の巻き終わり6b(図2B参照)の対向箇所)では小さい格子すき間9s2としている。つまり、格子9は、異なる格子すき間9s1、9s2の格子で構成されている。
格子9は、外枠と組子(格子骨)とで構成されている。組子(格子骨)は、縦方向に架け渡たされる竪子と横方向に架け渡される横子とがある。図3に示される格子9は、中央の竪子を境に枠の左側(格子9の左半分)は、竪子が1本と横子が7本存在している。また、中央の竪子を境に枠の右側(格子9の右半分)は、竪子が2本と横子が15本存在している。
【0020】
遠心力形ファン5による空気の流速が速い箇所(ファンケーシング6の巻き終わり6b(図2B参照)の対向箇所)では格子すき間9s1を大きくする。これにより、遠心力形ファン5による空気の流速が速い箇所で、格子9による損失が低減される。
一方、遠心力形ファン5による空気の流速が遅い箇所(ファンケーシング6の巻き始め6a(図2B参照)の対向箇所)では、格子すき間9s2を小さく配置される。格子すき間9s2を小さく配置した箇所により、格子すき間9s1を大きく配置して格子9の強度が低下した箇所を支持できる。
【0021】
<空気清浄機1の運転>
上記構成の空気清浄機1が運転を開始されると、送風手段7の遠心力形ファン5(図2B参照)がモータ4(図2A参照)により駆動される。すると、室内の空気が集塵ユニット10(図2A参照)を通過して、室内の空気に含まれる塵埃が除去される。塵埃が除去された浄化空気が、格子9を通過し、流入口2(図2A図2B参照)より渦巻状のファンケーシング6に吸い込まれる。浄化空気は、渦巻状のファンケーシング6を通過後、吹出口3(図1A図2A参照)より室内に排出される。
【0022】
実施形態1によれば、図3に示すように、太さの同じ格子9を流速が速い箇所では格子すき間9s1を大きくし、流速が遅い箇所では格子すき間9s2を小さくした格子9を設けている。そのため、格子9が流路の抵抗となることが抑制され大風量を得ることができる。
【0023】
また、図2Bに示す渦巻状のファンケーシング6の巻き始め6aの約半分に対応した部分は、格子すき間9s2を小さくしている。そのため、全ての格子すき間9sを大きくした場合に生じる格子9の強度の低下が少なく、ファン接触防止用の格子9の強度を維持することができる。
したがって、より多くの空気を清浄できる大きな風量の空気清浄機1を実現できる。
<<実施形態2>>
【0024】
図4に、本発明の実施形態2における格子骨12hの太さを変化させた格子12を示す構成の模式図を示す。
実施形態2は、格子12の格子骨12h(12h1、12h2)の太さを変化させた場合である。即ち、組子としての格子骨12hである竪子や横子の太さを、格子9の右半分と左半分とで変えて、左半分よりも右半分の方を太くしている。
実施形態2のうち、既に説明した実施形態1の図2A図2Bに示される同一の符号を付された構成要素と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
【0025】
図2Aに示すように、空気清浄機1の内部の送風手段7(モータ4、遠心力形ファン5)の風上側である流入口2と集塵ユニット10の間に空間部8を設けている。そして、空間部8に実施形態2のファン接触防止用の格子12を設けている。格子12は、渦巻状のファンケーシング6(図2B参照)により流入口2で生じる吸い込み風量差に応じて格子骨12h1、12h2の太さを変化させて配置される。
すなわち、渦巻状のファンケーシング6(図2B参照)による空気の流速が速い箇所の巻き終わり6bでは格子骨12h1を細くする。一方、渦巻状のファンケーシング6(図2B参照)による空気の流速が遅い箇所の巻き始め6aでは格子骨12h2を太くして配置される。
【0026】
上記構成の空気清浄機1が運転されると、吸い込み風量よって流入口2(図2A図2B参照)の場所によって流速の差が生じる。太さが異なる格子骨12h1、12h2を、吸い込み空気の流速が速い箇所(巻き終わり6b)では格子骨12h1を細く、吸い込み空気の流速が遅い箇所(巻き始め6a)では格子骨12h2を太くした格子12を設けている。そのため、格子12が吸い込み空気の流路の抵抗となることが抑制され大風量が得られる。
【0027】
また、渦巻状のファンケーシング6の巻き始め6aの約半分に対応した部分は格子骨12h2を太くしてあるので、全ての格子12のすき間12sを細くした場合に生じる格子12の強度低下が少ない。そのため、ファン接触防止用の格子12のための強度を維持することができる。
【0028】
<<実施形態3>>
図5に、実施形態3における格子13の格子すき間13sと格子骨13hの太さを変化させた構成の模式図を示す。
実施形態3は、格子すき間13sと格子骨13hの太さを変化させた構成の例である。
【0029】
実施形態3において、既に説明した実施形態1の図2A図2Bに示される同一の符号を付された構成要素と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
【0030】
図2Aに示す空気清浄機1の内部の送風手段7(モータ4、遠心力形ファン5)の風上側である流入口2と集塵ユニット10の間に空間部8が設けられる。そして、空間部8に実施形態3のファン接触防止用の格子13を設けている。格子13は、図2Bに示す渦巻状のファンケーシング6の形状(巻き始め6aと巻き終わり6b(図2B参照))によって流入口2で生じる吸い込み風量差に応じて格子すき間13s(13s1。13s2)と太さΦ1、Φ2を変化させて配置される。
【0031】
すなわち、遠心力形ファン5による空気の流速が速い箇所(巻き終わり6b)では格子すき間13s1を大きくかつ格子骨13s1の太さΦ1を細くする。一方、遠心力形ファン5による空気の流速が遅い箇所(巻き始め6a)では格子すき間13s2を小さくかつ格子骨13s2の太さΦ2を太くして配置される。
【0032】
実施形態3の構成によれば、空気清浄機1(図1参照)が運転されると、遠心力形ファン5(図2B参照)による吸い込み風量によって流入口2(図2A参照)に流速の差が生じる。 そこで、格子13は以下のように構成している。
すなわち、空気の流速が速い箇所(巻き終わり6b)では格子すき間13s1を大きくかつ格子骨13h1を細くする。一方、空気の流速が遅い箇所(巻き始め6a)では格子すき間13s2を小さくかつ格子骨13h2を太くする。これにより、格子13が空気の流路の抵抗となることが抑制され大風量が得られる。
【0033】
また、渦巻状のファンケーシング6の巻き始め6aの約半分に対応した部分は格子すき間13s2を小さくかつ格子骨13h2を太くしてあるので、全ての格子すき間13sを大きくしかつ格子骨13hを細くした場合に生じる強度低下が少なく、ファン接触防止用の格子13のための強度を維持することができる。
【0034】
<<実施形態4>>
図6に、実施形態4における格子14、16の格子すき間14s、16sと格子骨14h、16hの太さを変化させた構成の模式図を示す。
実施形態4では、格子すき間14s、16sと格子骨14h、16hの太さが異なる材質による格子14、16の構成の例を説明する。
【0035】
実施形態4の空気清浄機1のうち、既に説明した実施形態1の図2Aに示す同一の符号の構成要素については、説明を省略する。
空気清浄機1(図2A参照)の内部の送風手段7の風上側である流入口2と集塵ユニット10の間に空間部8が設けられる。そして、空間部8に実施形態4のファン接触防止用の格子14と格子16とが設けられる。
【0036】
格子14と格子16は、渦巻状のファンケーシング6(図2B参照)により流入口2で生じる吸い込み風量差に合わせて(応じて)格子すき間14s、16sと格子骨14h、16hの太さが異なるように配置されている。
すなわち、渦巻状のファンケーシング6(図2B参照)の形状によって遠心力形ファン5による空気の流速が速い箇所(巻き終わり6b)では格子14のすき間14sを大きくかつ格子骨14hは細い格子14を配置する。
【0037】
一方、渦巻状のファンケーシング6(図2B参照)の形状によって遠心力形ファン5(図2A)による空気の流速が遅い箇所(巻き始め6a)では格子すき間16sを小さくかつ格子骨16hが太い格子16を配置する。
【0038】
上記構成において、空気清浄機1が運転されると、渦巻状のファンケーシング6(図2B参照)の形状による吸い込み風量の違いによって流入口2に流速の差が生じる。
空気の流速が速い箇所(巻き終わり6b)(図2B参照)では格子14のすき間14sを大きくかつ格子骨14hを細くした格子14を用いる。一方、空気の流速が遅い箇所(巻き始め6a)では格子すき間16sを小さくかつ格子骨16hを太くした格子16を設けている。そのため、格子14、16が流路の抵抗となることが抑制され、大風量が得られる。
【0039】
この際、空気の流速が速い箇所(巻き終わり6b)では格子すき間14sを大きくかつ格子骨14hを細くした格子14は、格子14の強度が不足して変形しやすくなる場合がある。この場合、格子14が遠心力形ファン5(図2A)のファン接触防止の役目を果たさなくなる。そこで、格子すき間16sを小さくかつ格子骨16hを太くした格子16の材質とは異なるより強度のある材質で格子14を構成して、変形防止を図る。
【0040】
<<その他の実施形態>>
1.本発明は、前記した実施形態の構成に限られることなく、添付の特許請求の範囲内で様々な変形形態、具体的形態が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 空気清浄機
1h 本体
2 流入口
3 吹出口
4 モータ
5 遠心力形ファン
6 渦巻状のファンケーシング(ファンケーシング)
6a 空気の流速が遅くて少ない量の空気が流通する部分
6b 空気の流速が速く多くの量の空気が流通する部分
7 送風手段
8 空間部
9 格子すき間の異なる格子
9s1 格子すき間が大きい格子
9s2 格子すき間が小さい格子
10 集塵ユニット
12 格子すき間が同じで、格子骨の太さの異なる格子
13 格子すき間と格子骨の太さの異なる格子
14 格子すき間を大きく且つ格子骨を細くした格子
15 吸込口
16 格子すき間を小さく且つ格子骨を太くした格子
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6