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▶ 株式会社ケイジパックの特許一覧

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  • 特開-緩衝材 図1
  • 特開-緩衝材 図2
  • 特開-緩衝材 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082024
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】緩衝材
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/03 20060101AFI20240612BHJP
【FI】
B65D81/03 100Z
B65D81/03 ZAB
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195705
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】522430626
【氏名又は名称】株式会社ケイジパック
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八木 修二
【テーマコード(参考)】
3E066
【Fターム(参考)】
3E066AA62
3E066CA03
3E066KA01
3E066KA08
3E066LA02
(57)【要約】
【課題】廃棄する際の手間を省くことができ、海洋環境に係るSDGsの達成に寄与できる緩衝材を提供する。
【解決手段】袋2の内部に紙片3が詰められた緩衝材1において、袋2は紙により形成されている。袋2を形成する紙は、クラフト紙であることが好ましい。また、袋2は、互いに向かい合う2枚のクラフト紙20A,20Bにより構成され、クラフト紙20A,20Bの各々が有する周縁部21の一部が互いに接着された接着縁部2Aを有していることが好ましい。さらに、袋2は、クラフト紙20A,20Bの各々が有する周縁部21が互いに接着されていない開口縁部と、開口縁部を閉じる蓋部2Cとをさらに有していることが好ましい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋の内部に紙片が詰められた緩衝材であって、
前記袋は、紙により形成されている
ことを特徴とする緩衝材。
【請求項2】
前記袋を形成する紙は、クラフト紙である
ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝材。
【請求項3】
前記袋は、互いに向かい合う2枚の前記クラフト紙により構成され、前記クラフト紙の各々が有する周縁部の少なくとも一部が互いに接着された接着縁部を有している
ことを特徴とする請求項2に記載の緩衝材。
【請求項4】
前記袋は、前記クラフト紙の各々が有する前記周縁部が互いに接着されていない開口縁部と、前記開口縁部を閉じる蓋部とをさらに有している
ことを特徴とする請求項3に記載の緩衝材。
【請求項5】
前記袋は、当該袋を貫通する通気孔を有している
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の緩衝材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋の内部に紙片が詰められた緩衝材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、袋の内部に多数の紙片が詰められた緩衝材(クッション材)が記載されている。紙片は、例えば、短冊状に裁断された段ボール紙からなる短冊片である。袋は、一般的に、熱溶着性を有するプラスチックフィルムにより形成される。
【0003】
ところで、プラスチック製の袋の内部に紙片が詰められた緩衝材を廃棄する際には、紙のごみとプラスチックのごみとを分別するために、袋から紙片を取り出す手間が掛かるという問題があった。また、プラスチックのごみは海洋汚染の原因となるため、海洋環境に係るSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)を達成できる緩衝材が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-118570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、廃棄する際の手間を省くことができ、海洋環境に係るSDGsの達成に寄与できる緩衝材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の緩衝材は、袋の内部に紙片が詰められた緩衝材であって、前記袋は、紙により形成されていることを特徴とする。
【0007】
また、前記袋を形成する紙は、クラフト紙であることが好ましい。
【0008】
また、前記袋は、互いに向かい合う2枚の前記クラフト紙により構成され、前記クラフト紙の各々が有する周縁部の少なくとも一部が互いに接着された接着縁部を有していることが好ましい。
【0009】
また、前記袋は、前記クラフト紙の各々が有する前記周縁部が互いに接着されていない開口縁部と、前記開口縁部を閉じる蓋部とをさらに有していることが好ましい。
【0010】
また、前記袋は、当該袋を貫通する通気孔を有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、廃棄する際の手間を省くことができ、海洋環境に係るSDGsの達成に寄与できる緩衝材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】(A)は、本発明の一実施形態に係る緩衝材の斜視図であり、(B)は同緩衝材の断面図である。
図2】(A)および(B)は、同実施形態に係る緩衝材を構成する袋の斜視図である。
図3】変形例に係る緩衝材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1(A)は、本発明の一実施形態に係る緩衝材1の外観を示す図であり、図1(B)は、緩衝材1の内部構成を示す図である。
図1(A)および(B)に示すように、緩衝材1は、柔軟な袋2と、弾力性を有する多数の紙片3とにより構成されている。緩衝材1は、例えば、保護対象物を箱に梱包する際に、箱と保護対象物との隙間を埋めるように設けられる。
【0014】
袋2は、紙により形成されている。本実施形態では、袋2を形成する紙は、クラフト紙であって、袋2は、互いに向かい合う2枚のクラフト紙20A,20Bにより構成されている。
【0015】
紙片3は、袋2の内部に詰められている。本実施形態では、紙片3は、シュレッダーにより裁断された紙であって、後述する開口縁部2Bを通して袋2の外部から内部に手作業で詰めることができる。
【0016】
図2(A)および(B)は、紙片3が詰められていない状態の袋2を示す図である。
図2(A)および(B)に示すように、袋2を構成するクラフト紙20A,20Bの各々は、矩形状の周縁部21を有している。
【0017】
袋2は、クラフト紙20A,20Bの周縁部21の一部が互いに接着された接着縁部2Aと、周縁部21の一部が互いに接着されていない開口縁部2Bと、開口縁部2Bを閉じる蓋部2Cとを有している。
【0018】
接着縁部2Aは、クラフト紙20A,20Bの周縁部21のうち、X1方向の端部21A、X2方向の端部21B、および、Y1方向の端部21Cにより構成されている。接着縁部2Aは、袋2の内部から外部に紙片3が出ないように、クラフト紙20A,20Bを綴っている。
【0019】
開口縁部2Bは、クラフト紙20A,20Bの周縁部21のうち、Y2方向の端部21Dにより構成されている。開口縁部2Bは、袋2の外部から内部に紙片3を詰めることができるように、袋2の内部をY2方向に開放する。
【0020】
蓋部2Cは、開口縁部2Bに設けられており、クラフト紙20Bの周縁部21のうち、Y2方向の端部21Dにより構成されている。蓋部2Cは、クラフト紙20Bが折れ曲がることで、開口縁部2Bを覆うとともに、クラフト紙20Aに接着できるように形成されている。紙片3が袋2の内部に詰められた後、接着剤や接着テープ等を用いて蓋部2Cをクラフト紙20Aに接着することで、袋2の内部から外部に紙片3が出ないように、開口縁部2Bが閉鎖される。
【0021】
本実施形態では以下の効果が得られる。
(1)袋2の内部に紙片3が詰められた緩衝材1において、袋2が、紙により形成されている。この構成によれば、袋2から紙片3を取り出して紙のごみとプラスチックのごみとを分別する必要がないため、緩衝材1を廃棄する際の手間を省くことができる。また、緩衝材1の廃棄に際し、海洋汚染の原因となるプラスチックのごみを削減でき、海洋環境に係るSDGsの達成に寄与できる。
【0022】
(2)袋2を形成する紙がクラフト紙である。この構成によれば、引張強度の高い丈夫で破れにくい袋2が得られる。
【0023】
(3)袋2は、互いに向かい合う2枚のクラフト紙20A,20Bにより構成され、クラフト紙20A,20Bの各々が有する周縁部21の一部(端部21A,21B,21C)が互いに接着された接着縁部2Aを有している。この構成によれば、接着縁部2A以外の部分(開口縁部2B)を閉じることで、袋2を容易に密閉することができる。
【0024】
(4)袋2は、クラフト紙20A,20Bの各々が有する周縁部21が互いに接着されていない開口縁部2Bと、開口縁部2Bを閉じる蓋部2Cとを有している。この構成によれば、開口縁部2Bを通して紙片3を袋2の内部に詰めることができ、紙片3が袋2の外部に出ることを蓋部2Cで抑止できる。
【0025】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記構成を変更することもできる。例えば、以下のように変更して実施することもでき、以下の変更を組み合わせて実施することもできる。
【0026】
図3に示すように、袋2を構成するクラフト紙20A,20Bに、袋2を貫通する通気孔22を設けてもよい。このように、袋2が通気孔22を有する構成によれば、袋2の内外の圧力差を無くすことができ、袋2が圧縮されることによって破れることを防止できる。
【0027】
・紙片3が、シュレッダーにより裁断された紙でなくてもよい。例えば、紙片3が、球状に丸められた紙、または潰されて圧縮された紙であってもよい。
【0028】
・袋2が、例えば、ポリラミネート加工されたクラフト紙、またはクラフト紙以外の紙により形成されていてもよい。また、袋2が、1枚の紙、または3枚以上の紙により構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 緩衝材
2 袋
2A 接着縁部
2B 開口縁部
2C 蓋部
3 紙片
20A,20B クラフト紙
21 周縁部
21A~21D 端部
22 通気孔
図1
図2
図3