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特開2024-82038照明器具移動制御装置、照明装置、照明器具移動制御方法、プログラム及び記録媒体
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  • 特開-照明器具移動制御装置、照明装置、照明器具移動制御方法、プログラム及び記録媒体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082038
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】照明器具移動制御装置、照明装置、照明器具移動制御方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/125 20200101AFI20240612BHJP
   H05B 47/175 20200101ALI20240612BHJP
   H05B 47/12 20200101ALI20240612BHJP
【FI】
H05B47/125
H05B47/175
H05B47/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195736
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】519147348
【氏名又は名称】株式会社ホタルクス
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】宮野 美紀
(72)【発明者】
【氏名】西塚 龍太
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA01
3K273PA02
3K273QA07
3K273QA11
3K273QA13
3K273RA05
3K273RA08
3K273RA12
3K273SA11
3K273SA21
3K273SA38
3K273SA46
3K273SA57
3K273SA58
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA27
3K273TA28
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA57
3K273TA62
3K273UA21
3K273VA04
(57)【要約】
【課題】 本発明の目的は、照明の対象者に対し照明器具の距離又は方向を制御可能な照明器具移動制御装置を提供することである。
【解決手段】 本発明の照明器具移動制御装置10は、情報取得部11、分析部12及び制御部13を含み、前記情報取得部11は、照明器具に対する照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を含む位置情報を取得し、前記分析部12は、前記位置情報に基づき前記照明器具の移動情報を生成し、前記制御部13は、前記移動情報を含む前記照明器具の制御情報を生成する。
【選択図】 図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報取得部、分析部及び制御部を含み、
前記情報取得部は、照明器具に対する照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を含む位置情報を取得し、
前記分析部は、前記位置情報に基づき前記照明器具の移動情報を生成し、
前記制御部は、前記移動情報を含む前記照明器具の制御情報を生成する、
照明器具移動制御装置。
【請求項2】
前記情報取得部は、さらに、前記照明対象に関する対象情報を取得し、
前記分析部は、さらに、前記対象情報に基づき、前記照明器具の移動情報を生成する、
請求項1記載の照明器具移動制御装置。
【請求項3】
前記分析部は、さらに、前記対象情報に基づき、前記移動情報に加え又は代えて、前記照明器具の照明条件情報を生成し、
前記制御部は、前記照明条件制御情報を含む前記制御情報を生成する、
請求項2記載の照明器具移動制御装置。
【請求項4】
前記分析部は、さらに、前記照明器具の移動開始情報を含む前記移動情報を生成する、
請求項1記載の照明器具移動制御装置。
【請求項5】
照明器具移動制御装置、対象位置計測装置、照明器具及び照明器具移動装置を含み、
前記照明器具移動制御装置は、請求項1から4のいずれか一項に記載の照明器具移動制御装置であり、
前記対象位置計測装置は、前記照明器具に対する前記照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を計測して前記位置情報を生成し、
前記照明器具移動制御装置において、前記情報取得部は、前記位置情報を取得し、前記分析部は、前記位置情報に基づき前記照明器具の移動情報を生成し、前記制御部は、前記移動情報を含む前記照明器具の制御情報を生成し、
前記照明器具移動装置は、前記制御情報に基づき、前記照明器具を移動させる、
照明装置。
【請求項6】
情報取得工程、分析工程及び制御工程を含み、
前記情報取得工程は、照明器具に対する照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を含む位置情報を取得し、
前記分析工程は、前記位置情報に基づき前記照明器具の移動情報を生成し、
前記制御工程は、前記移動情報を含む前記照明器具の制御情報を生成し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
照明器具移動制御方法。
【請求項7】
前記情報取得工程は、さらに、前記照明対象に関する対象情報を取得し、
前記分析工程は、さらに、前記対象情報に基づき、前記照明器具の移動情報を生成し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
請求項6記載の照明器具移動制御方法。
【請求項8】
前記分析工程は、さらに、前記対象情報に基づき、前記移動情報に加え又は代えて、前記照明器具の照明条件情報を生成し、
前記制御工程は、前記照明条件制御情報を含む前記制御情報を生成し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
請求項7記載の照明器具移動制御方法。
【請求項9】
前記分析工程は、さらに、前記照明器具の移動開始情報を含む前記移動情報を生成し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
請求項6記載の照明器具移動制御方法。
【請求項10】
対象位置計測工程、情報取得工程、分析工程、制御工程及び照明器具移動工程を含み、
前記対象位置計測工程は、照明器具に対する照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を計測して位置情報を生成し、
前記情報取得工程は、前記位置情報を取得し、
前記分析工程は、前記位置情報に基づき前記照明器具の移動情報を生成し、
前記制御工程は、前記移動情報を含む前記照明器具の制御情報を生成し、
前記照明器具移動工程は、前記制御情報に基づき、前記照明器具を移動させ、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
照明方法。
【請求項11】
情報取得手順、分析手順及び制御手順を含み、
前記情報取得手順は、照明器具に対する照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を含む位置情報を取得し、
前記分析手順は、前記位置情報に基づき前記照明器具の移動情報を生成し、
前記制御手順は、前記移動情報を含む前記照明器具の制御情報を生成し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
対象位置計測手順、情報取得手順、分析手順、制御手順及び照明器具移動手順を含み、
前記対象位置計測手順は、照明器具に対する照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を計測して位置情報を生成し、
前記情報取得手順は、前記位置情報を取得し、
前記分析手順は、前記位置情報に基づき前記照明器具の移動情報を生成し、
前記制御手順は、前記移動情報を含む前記照明器具の制御情報を生成し、
前記照明器具移動手順は、前記制御情報に基づき、前記照明器具を移動させ、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
情報取得手順、分析手順及び制御手順を含み、
前記情報取得手順は、照明器具に対する照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を含む位置情報を取得し、
前記分析手順は、前記位置情報に基づき前記照明器具の移動情報を生成し、
前記制御手順は、前記移動情報を含む前記照明器具の制御情報を生成し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項14】
対象位置計測手順、情報取得手順、分析手順、制御手順及び照明器具移動手順を含み、
前記対象位置計測手順は、照明器具に対する照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を計測して位置情報を生成し、
前記情報取得手順は、前記位置情報を取得し、
前記分析手順は、前記位置情報に基づき前記照明器具の移動情報を生成し、
前記制御手順は、前記移動情報を含む前記照明器具の制御情報を生成し、
前記照明器具移動手順は、前記制御情報に基づき、前記照明器具を移動させ、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具移動制御装置、照明装置、照明器具移動制御方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具として、ヒトの動きに応じた照明器具が知られている。例えば、特許文献1には、ヒトの移動に応じて照明器具を的確に点灯させることができる照明システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-056596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の照明システムでは、ヒトの動きに合わせて点灯させることができるだけで、ヒトとの照明距離を制御することができない。例えば、シーリングライトの場合、健常者等の一般人に対する照明であれば、天井からの照明で部屋全体を明るく照明できればよいが、被介護者及び患者等の処置において、対象者を明るく照らしたい場合がある。このような場合、シーリングライトが天井から降下し、対象者との照明距離を短くすることで対象者を明るく照らすことが可能である。
【0005】
そこで、本発明は、照明の対象者に対し照明器具の距離又は方向を制御可能な照明器具移動制御装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の照明器具移動制御装置は、
情報取得部、分析部及び制御部を含み、
前記情報取得部は、照明器具に対する照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を含む位置情報を取得し、
前記分析部は、前記位置情報に基づき前記照明器具の移動情報を生成し、
前記制御部は、前記移動情報を含む前記照明器具の制御情報を生成する。
【0007】
本発明の照明装置は、
本発明の照明器具移動制御装置、対象位置計測装置、照明器具及び照明器具移動装置を含み、
前記対象位置計測装置は、前記照明器具に対する前記照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を計測して前記位置情報を生成し、
前記照明器具移動装置は、前記制御情報に基づき、前記照明器具を移動させる。
【0008】
本発明の照明器具移動制御方法は、
情報取得工程、分析工程及び制御工程を含み、
前記情報取得工程は、照明器具に対する照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を含む位置情報を取得し、
前記分析工程は、前記位置情報に基づき前記照明器具の移動情報を生成し、
前記制御工程は、前記移動情報を含む前記照明器具の制御情報を生成し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される。
【0009】
本発明の照明方法は、
対象位置計測工程、情報取得工程、分析工程、制御工程及び照明器具移動工程を含み、
前記対象位置計測工程は、照明器具に対する照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を計測して位置情報を生成し、
前記情報取得工程は、前記位置情報を取得し、
前記分析工程は、前記位置情報に基づき前記照明器具の移動情報を生成し、
前記制御工程は、前記移動情報を含む前記照明器具の制御情報を生成し、
前記照明器具移動工程は、前記制御情報に基づき、前記照明器具を移動させ、
前記各工程が、コンピュータにより実行される。
【0010】
本発明のプログラムは、
情報取得手順、分析手順及び制御手順を含み、
前記情報取得手順は、照明器具に対する照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を含む位置情報を取得し、
前記分析手順は、前記位置情報に基づき前記照明器具の移動情報を生成し、
前記制御手順は、前記移動情報を含む前記照明器具の制御情報を生成し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0011】
本発明の記録媒体は、
情報取得手順、分析手順及び制御手順を含み、
前記情報取得手順は、照明器具に対する照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を含む位置情報を取得し、
前記分析手順は、前記位置情報に基づき前記照明器具の移動情報を生成し、
前記制御手順は、前記移動情報を含む前記照明器具の制御情報を生成し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、照明の対象に応じて照明の距離又は方向を制御可能であり、例えば、照明器具がシーリングライトの場合、健常者が在室時には、通常通り天井から照明し、被介護者及び患者等のようになんらかの処置が必要な者が在室時には、シーリングライトが降下し、対象者を明るく照らすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態1の照明器具移動制御装置の一例の構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態1の照明器具移動制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態1の照明器具移動制御装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、実施形態2の照明装置の一例の構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態2の照明装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態2の照明装置の具体的な動きの一例を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0015】
[実施形態1]
図1は、本実施形態の照明器具移動制御装置10(以下「本装置10」ともいう。)の一例の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本装置10は、情報取得部11、分析部12及び制御部13を含む。また、本装置10は、図示していないが、例えば、入力部、出力部、表示部及び/又は記憶部を含んでもよい。
【0016】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等が挙げられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムのサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。さらに、本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0017】
図2に、本装置10のハードウェア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、出力装置106、通信デバイス107等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0018】
中央処理装置101は、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が情報取得部11、分析部12及び制御部13として機能する。本装置10が、前記出力部を含む場合、中央処理装置101は、前記出力部として機能してもよい。本装置10は、演算装置として、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の他の演算装置を備えてもよいし、CPUとこれらとの組合せを備えてもよい。
【0019】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、対象位置計測装置、照明器具、照明器具移動装置、ユーザの端末、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンタ、外部入力装置、外部表示装置等が挙げられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0020】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央処理装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0021】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。本装置10が前記記憶部を含む場合、例えば、記憶装置104は、前記記憶部として機能する。前記記憶部は、例えば、後述する位置情報、対象情報、移動情報、照明条件情報、制御情報等を記憶できる。
【0022】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10によって生成した情報、本装置10が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。この場合、メモリ102及び記憶装置104は、例えば、位置情報等を記憶していてもよい。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0023】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、出力装置106を備える。入力装置105は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;ゲームパッド;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等が挙げられる。出力装置106は、例えば、LEDディスプレー、液晶ディスプレー等の表示装置;スピーカ等の音声出力装置;プリンタ;等が挙げられる。本実施形態1において、入力装置105と出力装置106とは、別個に構成されているが、入力装置105と出力装置106とは、タッチパネルディスプレーのように、一体として構成されてもよい。
【0024】
つぎに、本実施形態の照明器具移動制御方法の一例を、図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の照明器具移動制御方法は、例えば、図1又は図2の本装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の照明器具移動制御方法は、図1又は図2の本装置10の使用には限定されない。
【0025】
まず、情報取得部11は、照明器具に対する照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を含む位置情報を取得する(S1、情報取得工程)。前記照明対象は、例えば、ヒトであるが、ヒトに限定されず、その他の動物、植物等であってもよい。前記位置情報は、前記照明器具が配置される位置及び前記照明器具の用途に応じて、照明器具と照明対象との距離の情報のみではなく、方向に関する情報も含まれる。なお、前記位置情報は、例えば、本装置10に接続された対象位置計測装置から取得される。前記対象位置計測装置は、本装置と一体のものでもよく、外部装置の場合には、例えば、本装置10と前記対象位置計測装置との接続は、外部ネットワークを介したものであってもよい。また、前記情報取得部11は、前記照明器具の用途に応じて、照明対象者に関する対象情報を取得してもよい。なお、前記照明対象情報は、例えば、照明対象者の健常者、患者又は被介護者の区分、対象者の病状、対象者の精神状態、照明対象者の目の位置等、照明対象者の顔の向きや体勢、寝ているか起きているか等の状態等であるかという前記照明対象に関する情報である。
【0026】
つぎに、分析部12は、前記位置情報に基づき前記照明器具の移動情報を生成する(S2、移動情報生成工程)。前記移動情報は、例えば、前記照明器具の位置の変更、前記照明器具の向きの変更、前記照明器具の回転又はその他特定の動作等に関する情報である。また、分析部12は、前記対象情報に基づき前記照明器具の移動情報を生成してもよい。前記移動情報の生成は、前記位置情報の全部又は一部、前記対象情報の全部又は一部、前記位置情報及び前記対象情報の双方又は一方に基づくものであってもよい。
【0027】
さらに、分析部12は、前記対象情報に基づき、前記移動情報に加え又は代えて、前記照明器具の照明条件情報を生成してもよい。前記照明器具の照明条件は、例えば、前記照明器具の照度、色彩、波長、照明範囲、照明時間、点滅などの点灯パターン等であり、照明条件情報は、例えば、必要照度の確保、特定の色彩や波長のみ点灯させること、集光、眩しさ低減等のために必要な照明条件に関する情報である。前記照明条件は、例えば、必要照度を確保するため配光を狭くし集光させること、照明時間を長くすること、特定の色彩や波長のみ点灯させるため点灯させる光源を選択すること、配光を照明対象に限定するために配光を狭くすること、眩しさの低減のために、照明装置の中心部分の光を消して、眩しくない部分を作ること、目の部分には照射しないようにすること、用途に応じて、目の部分にのみ照射すること、用途によって目の部分の照度を調整すること、顔以外の部分のみに照射すること等である。
【0028】
前記分析部12は、前記照明器具の移動開始情報を含む前記移動情報を生成してもよい。本装置10による制御は、例えば、スイッチ、タイマー、照明対象を患者と認めたとき等、条件が整ったときに開始するものであってもよい。前記移動開始情報は、例えば、本装置10の記憶装置に記憶されているスケジュール等の開始情報、スイッチ情報、画像による患者認識等の情報取得部11が取得した開始情報である。したがって、スイッチによる場合、例えば、スイッチを入れたときに、情報取得部11は、スイッチ情報を取得し、前記分析部は、情報取得部11から位置情報等とともに前記スイッチ情報を取得し、移動開始情報を含む移動情報を生成して制御部13に送信し、制御部13は、前記移動情報に基づき制御情報を生成する。なお、本装置10による制御は、開始情報があった場合の開始に限定されず、常時作動するものであってもよい。
【0029】
つぎに、制御部13は、前記移動情報を含む前記照明器具の制御情報を生成する(S3、制御情報生成工程)。前記制御情報は、前記移動情報に基づく制御を実現するための情報である。例えば、照明器具が天井から吊り下げられている場合、制御部13は、前記照明器具と前記照明対象との距離が前記移動情報に基づく距離になるように、吊り下げているコードの長さを制御する情報を生成する。また、制御部13は、前記移動情報に加え又は代えて、前記照明器具の照明条件情報に基づき、照明条件情報を含む前記照明器具の制御情報を生成してもよい。例えば、制御部13は、配光を狭くするために、レンズ又は反射板を移動させるように制御する制御する情報を生成する。
【0030】
[実施形態2]
実施形態2は、実施形態1の照明器具移動制御装置を備えた照明装置である。
【0031】
本実施形態の照明装置について、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態の照明装置1の一例の構成を示すブロック図である。図4に示すように、本実施形態の照明装置1は、実施形態1の照明器具移動制御装置10(以下「本制御装置10」ともいう。)に加えて、対象位置計測装置20、照明器具30及び照明器具移動装置40を含む。また、本制御装置10の構成は、実施形態1の説明を援用できる。
【0032】
対象位置計測装置20は、例えば、照明装置に内蔵されたセンサーであり、前記センサーが電波を照明対象に発信し、その反射波を前記センサーが受信して、照明器具と前記照明対象との方向情報及び距離情報の少なくとも一方を測定する電磁波型センサーである。対象位置計測装置20は、これに限定されず、例えば、ビデオカメラ、カメラによる画像を解析するものであってもよい。
【0033】
照明器具30は、例えば、天井照明であるが、これに限定されず、ダウンライト、ベース照明、スポットライト、壁付ブラケットライト、投光器等であってもよい。また、照明器具30は、生体リズム改善に特化した専用照明等であってもよい。
【0034】
照明器具移動装置40は、例えば、モーターにより照明を吊り下げるコードを巻き取る装置である。なお、照明器具移動装置40は、これに限定されず、バネ式、折りたたみ機構式、ダンパー式、エアー式等であってもよい。
【0035】
つぎに、本実施形態の照明方法の一例を、図5のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の照明方法は、例えば、図4に示す照明装置1を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の照明方法は、照明装置1の使用には限定されない。
【0036】
本実施形態の照明装置1の照明位置計測装置20は、上記照明器具30に対する照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を計測して位置情報を生成する(S1B、位置情報生成工程)。照明位置計測装置20、例えば、電磁波型センサーである非接触生体情報センサーにより、照明器具と照明対象との方向情報及び距離情報の少なくとも一方を測定し、前記距離情報を生成する。なお、また、例えば、ビデオカメラ等で取得した情報は、専用のコンピュータによって解析され、前記位置情報に生成されるものであってもよい。
【0037】
生成された前記位置情報は、例えば、照明位置計測装置20から情報取得部11に送信される。なお、照明位置計測装置20は、生成した前記位置情報を直接情報取得部11に送信するものでなくてもよく、例えば、照明位置計測装置20に接続されたコンピュータに送信し、前記コンピュータが、情報取得部11に送信してもよい。また、照明位置計測装置20は、例えば、生成した前記生体情報を、照明位置計測装置20に接続されたコンピュータに送信し、前記コンピュータが、位置情報を分析し、移動情報を生成し、生成した前記移動情報を情報取得部11に送信してもよい。
【0038】
つぎに、本制御装置10による工程を実施する。具体的な工程の内容は、図5のとおり、情報取得工程(S2B)、移動情報生成工程(S3B)、制御情報生成工程(S4B)である。なお、これらの工程は、実施形態1の説明を援用できる。
【0039】
前記器照明器具移動装置40は、制御部13が生成した前記制御情報に基づき、前記照明器具30を移動させる(S5B、照明器具移動工程)。前記照明器具移動装置40は、例えば、モーターにより照明を吊り下げるコードを巻き取ることによって、又はコードを引き出すことによって、前記制御情報に基づく位置に、前記照明器具の高さを調整する。
【0040】
前記照明器具30は、制御部13が生成した照明条件情報を含む制御情報に基づき、照明条件が制御されてもよい。前記照明器具30は、前記制御情報を制御部13から直接取得して、前記制御を行ってもよいが、これに限定されない。例えば、前記器照明器具移動装置40が前記制御情報を取得して、前記照明器具30の制御を行ってもよく、その他の機器が前記制御情報を取得して、前記照明器具30の制御を行ってもよい。
【0041】
前記照明器具30は、例えば、生体に対し活性を有する光を照射可能であってもよい。前記生体に対し活性を有する光とは、身体及び精神の少なくとも一方に対し活性(状態を変化させる、または、変化を抑制させてその状態を持続させる)を有する光である。前記生体に対し活性を有する光は、例えば、特定波長の光、特定強度の光等である。特定波長の光としては、例えば、朝にメラトニンを抑制する波長域(470nm)のみ1000lx程度の光とし、夜に電球色の光とすることでもよい。また、例えば、概日リズムに合わせた太陽光LEDを全波長分載せた照明を使用してもよい。さらに、例えば、太陽光をセンサーで検知し、太陽光と同じ照度や光束及び同じ波長に制御及び点灯する照明を使用してもよい。
【0042】
前記照明器具30は、例えば、照度を上げる等のために、天井照明と連動して床や壁等からも照射する構成、部屋の四隅から連動して点灯する構成、洗面台に組み込み、三面鏡で照度を上げる構成、箱に入って全面から照射する構成、複数箇所で反射させ、1箇所に集光させる構成、一般的な床材や壁面材が効率よく反射する波長の照明とする構成等としてもよい。
【0043】
前記照明器具30は、例えば、眩しさの低減等のために、高照度でも眩しすぎないライン照明とする構成、円形照明とし、高照度でも円形の中心に目線のやり場を作る構成、顔認識で対象者に朝一度のみ照射する高照度照射ゲートとし、天面、側面からの照射で照度を確保し、正面からの直射がない構成等としてもよい。
【0044】
前記照明器具30は、例えば、照射部位調整又は照射位置固定等するために、顔認証で照明対象となる顔に集光させて照射する構成、対象者のみに認証端末の付いた帽子を被らせ、帽子の下の顔の位置に照射する構成、骨格認識で対象部位を照射する構成、マッサージベッドに顔を入れた体勢等で顔のみを照射する構成、ヘルメット式で顔を照射する構成、マスク、ゴーグルタイプの照射装置とする構成、部屋の四方に配置した任意のスポットライトから室内の前記照明対象に向けて照射し、前記照明対象が別方向をむいても、別のスポットライトで照射できる構成等としてもよい。
【0045】
前記照明器具30は、例えば、点灯タイミング調整等のために、ベッドの傾きや離床を検知して制御できる照明とする構成、心拍数や体温等、起床のタイミングが判断できるセンサー等と連動して、起きる時間に点灯する照明とする構成、画像認識等で目の開き具合に合わせて点灯時間、照度を調整する構成としてもよい。
【0046】
前記照明器具30は、付加機能として、例えば、朝に鳥のさえずり、夕方にコオロギの鳴き声等、時間に合わせた音が流れる機能、睡眠時、起床時にアロマオイル等の香りが感じられる機能、徐々に暗く又は徐々に明るくなり、就寝時の消灯、起床時の点灯のときの不快感を軽減する機能、点灯及び消灯のリズムで心地よく眠りに入れる機能、疑似天窓照明の機能等を備えてもよい。
【0047】
本実施形態の照明装置1の具体的な動きの一例を、図6を用いて説明する。図6の(A)、(B)、(C)の各図の右上に本制御装置10が配置され、下部中央に照明対象となる照明対象者が寝ており、前記照明対象者の上部に照明器具30が配置され、前記照明器具30の中央に対象位置計測装置20が配置され、前記照明装置30を吊り下げているコードを接続する天井部分に照明器具移動装置40は配置されている。なお、以下の説明は、本実施形態の照明装置1の動きの一例であり、これに限定されず、前記照明装置1による工程は、前述の各工程の説明を援用できる。
【0048】
図7の(B)図の対象位置計測装置20から照明対象者に向かう円弧状の破線は、対象位置計測装置20から発信された電磁波を示している。照明対象者から対象位置計測装置20に向かう円弧状の線は、照明対象者からの反射波を示している。まず、前記対象位置計測装置20は、照明対象者からの反射波から前記照明器具30と前記照明対象者との距離を測定し、位置情報を生成し、通信回線網を通して、本制御装置10の情報取得部11に送信する。つぎに、情報取得部11は、前記位置情報を取得する。つぎに、分析部12は、前記位置情報に基づき移動情報を生成する。例えば、前記照明対象者の状態から照度の高くするために、分析部12は、前記照明器具と前記照明対象者との距離を近づける内容の移動情報が生成される。つぎに、制御部13は、前記移動情報に基づき照明装置30の位置を低くする内容の制御情報を生成し、通信回線網を通して、照明器具移動装置40に送信する。前記照明器具移動装置は、前記制御情報に基づき、前記照明器具30を吊り下げているコードを長くする動きを行い、前記照明器具30は、低い位置に移動し、前記照明器具と前記照明対象者との距離が近くなる。図7では、(C)図では、前記照明器具と前記照明対象者との距離が近くなった状況を示している。その結果、前記照明対象へ配光が集中し、照度が高くなっている。
【0049】
このように、本発明の照明装置によれば、例えば、照明器具と照明対象者との距離を計測して、照度を上げることができる等、照明器具を用途に応じた照明条件に制御することが可能である。
【0050】
[実施形態3]
本実施形態のプログラムは、前述の前記照明器具移動制御方法の各工程及び前記照明方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0051】
本実施形態の前記照明器具移動制御方法に係るプログラムは、具体的に、コンピュータに、情報取得手順、分析手順及び制御手順を実行させるためのプログラムである。
【0052】
前記情報取得手順は、照明器具に対する照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を含む位置情報を取得し、
前記分析手順は、前記位置情報に基づき前記照明器具の移動情報を生成し、
前記制御手順は、前記移動情報を含む前記照明器具の制御情報を生成する。
【0053】
また、本実施形態の前記照明方法に係るプログラムは、具体的に、コンピュータに、対象位置計測手順、情報取得手順、分析手順、制御手順及び照明器具移動手順を実行させるためのプログラムである。
【0054】
前記対象位置計測手順は、照明器具に対する照明対象の方向情報及び距離情報の少なくとも一方を計測して位置情報を生成し、
前記情報取得手順は、前記位置情報を取得し、
前記分析手順は、前記位置情報に基づき前記照明器具の移動情報を生成し、
前記制御手順は、前記移動情報を含む前記照明器具の制御情報を生成し、
前記照明器具移動手順は、前記制御情報に基づき、前記照明器具を移動させる。
【0055】
また、本実施形態のプログラムは、コンピュータを、情報取得手順、分析手順及び制御手順として、又は対象位置計測手順、情報取得手順、分析手順、制御手順及び照明器具移動手順として機能させるプログラムということもできる。
【0056】
本実施形態のプログラムは、前記本発明の照明器具移動制御装置及び照明器具移動制御方法並びに照明装置及び照明方法における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、フラッシュメモリ(例えば、SSD(Solid State Drive)、USBフラッシュメモリ、SD/SDHCカード等)、光ディスク(例えば、CD‐R/CD‐RW、DVD‐R/DVD‐RW、BD‐R/BD‐RE等)、光磁気ディスク(MO)、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。また、本実施形態のプログラム(例えば、プログラミング製品、又はプログラム製品ともいう)は、例えば、外部のコンピュータから配信される形態であってもよい。前記「配信」は、例えば、通信回線網を介した配信でもよいし、有線で接続された装置を介した配信であってもよい。本実施形態のプログラムは、配信された装置にインストールされて実行されてもよいし、インストールされずに実行されてもよい。
【0057】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や条件は、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、照明の対象者に応じて照明器具の距離又は方向を制御可能であり、その用途はこれらに限定されず、広い範囲に適用可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 照明装置
10 照明器具移動制御装置
11 情報取得部
12 分析部
13 制御部
20 対象位置計測装置
30 照明器具
40 照明器具移動装置
101 中央処理装置
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 出力装置
107 通信デバイス


図1
図2
図3
図4
図5
図6