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特開2024-82085粉粒体用エア搬送装置、及びエア搬送装置用の捕集ケース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082085
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】粉粒体用エア搬送装置、及びエア搬送装置用の捕集ケース
(51)【国際特許分類】
   B65G 65/36 20060101AFI20240612BHJP
【FI】
B65G65/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195801
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002192
【氏名又は名称】弁理士法人落合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小西 拓
(72)【発明者】
【氏名】井川 弘大
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大輝
(72)【発明者】
【氏名】田中 遥子
【テーマコード(参考)】
3F075
【Fターム(参考)】
3F075AA08
3F075BA01
3F075BB01
3F075CA06
3F075CA09
3F075DA29
(57)【要約】
【課題】ホッパ下部に連設されてホッパ内の粉粒体を出口管に向けて強制排出するロータリバルブと、同バルブから排出された粉粒体にブロワからの噴出エアを混合させる混相器とを備えたエア搬送装置において、容器又は袋からホッパ内へ粉粒体を投入する作業に際し、ブロワから噴出したエアがロータリバルブ内を漏れ出てホッパ内の粉塵を吹き上げても、その粉塵が外気に拡散するのを抑制可能とする。
【解決手段】ホッパHの上面を覆う隔壁板51と、隔壁板51の上面に粉塵捕集空間53を挟んで対面する天板部52t、及び天板部52tの外周部に連設されて粉塵捕集空間53の周囲を取り囲む側板部52sを有する囲い板52と、囲い板52の内面に開口する吸引口52iを通して粉塵捕集空間53内の粉塵を吸引して貯留可能な集塵機Sとを備え、隔壁板51及び囲い板52には、容器又は袋Bの下部に突設した排出筒部Baを通す貫通孔51h,52hが設けられる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を収容した容器又は袋(B)から粉粒体を投入可能なホッパ(H)と、前記ホッパ(H)の下部に連設されて該ホッパ(H)内の粉粒体を強制排出するロータリバルブ(R)と、粉粒体圧送用のエアを噴出可能なブロワ(3)と、前記ロータリバルブ(R)から排出された粉粒体に前記ブロワ(3)からの噴出エアを合流させて出口管(4)内に向かわせる混相器(M)とを備え、前記噴出エアを利用して前記出口管(4)から、該出口管(4)に連なる粉粒体搬送先(Z)まで粉粒体をエア搬送できるようにした粉粒体用エア搬送装置において、
前記ホッパ(H)の上端部に隣接、固定されて該ホッパ(H)の開放上面を覆う隔壁板(51,51′)と、その隔壁板(51,51′)の上面に粉塵捕集空間(53)を挟んで対面する天板部(52t)、及び該天板部(52t)の外周部に連設されて前記粉塵捕集空間(53)の周囲を全周に亘り取り囲む側板部(52s)を有して前記ホッパ(H)の上端部に固定される囲い板(52,52′)と、その囲い板(52,52′)の内面に開口する吸引口(52i)を通して前記粉塵捕集空間(53)内の粉塵を吸引して貯留可能な集塵機(S)とを備え、
前記隔壁板(51,51′)及び前記囲い板(52,52′)には、前記容器又は袋(B)の下部に突設した排出筒部(Ba)を通す貫通孔(51h,52h)がそれぞれ設けられることを特徴とする、粉粒体用エア搬送装置。
【請求項2】
前記排出筒部(Ba)は可撓性を有しており、前記隔壁板(51,51′)に設けた前記貫通孔(51h)の内径(Di1)は、前記排出筒部(Ba)の自由状態での外径(Do)よりも小径に設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の粉粒体用エア搬送装置。
【請求項3】
前記隔壁板(51,51′)には、前記ホッパ(H)内と前記粉塵捕集空間(53)との間を連通させる連通孔(51c)が設けられ、その連通孔(51c)がフィルタ(F51)で覆われることを特徴とする、請求項1又は2に記載の粉粒体用エア搬送装置。
【請求項4】
前記囲い板(52,52′)には、前記粉塵捕集空間(53)を大気に開放する大気開放孔(52c)が設けられ、その大気開放孔(52c)がフィルタ(F52)で覆われることを特徴とする、請求項1又は2に記載の粉粒体用エア搬送装置。
【請求項5】
粉粒体を収容した容器又は袋(B)から粉粒体を投入可能なホッパ(H)と、前記ホッパ(H)の下部に連設されて該ホッパ(H)内の粉粒体を強制排出するロータリバルブ(R)と、粉粒体圧送用のエアを噴出可能なブロワ(3)と、前記ロータリバルブ(R)から排出された粉粒体に前記ブロワ(3)からの噴出エアを合流させて出口管(4)内に向かわせる混相器(M)とを備えていて、前記噴出エアを利用して前記出口管(4)から、該出口管(4)に連なる粉粒体搬送先(Z)まで粉粒体をエア搬送できるようにした粉粒体用エア搬送装置に付設され、前記容器又は袋(B)から粉粒体を前記ホッパ(H)内に投入する際に飛散する粉塵を捕集するための捕集ケース(50,50′)であって、
前記ホッパ(H)の上端部に隣接、固定されて該ホッパ(H)の開放上面を覆う隔壁板(51,51′)と、その隔壁板(51,51′)の上面に粉塵捕集空間(53)を挟んで対面する天板部(52t)、及び該天板部(52t)の外周部に連設されて前記粉塵捕集空間(53)の周囲を全周に亘り取り囲む側板部(52s)を有して前記ホッパ(H)の上端部に固定される囲い板(52,52′)とを備え、
前記囲い板(52,52′)の内面には、前記粉塵捕集空間(53)内の粉塵を吸引可能な集塵機(S)の吸込側に接続可能な吸引口(52i)が設けられ、
前記隔壁板(51,51′)及び前記囲い板(52,52′)には、前記容器又は袋(B)の下部に突設した排出筒部(Ba)を通す貫通孔(51h,52h)がそれぞれ設けられることを特徴とする、エア搬送装置用の捕集ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体用エア搬送装置、特に粉粒体を収容した容器又は袋から粉粒体を投入可能なホッパと、ホッパの下部に連設されてホッパ内の粉粒体を強制排出するロータリバルブと、粉粒体圧送用のエアを噴出可能なブロワと、ロータリバルブから排出された粉粒体にブロワからの噴出エアを合流させて出口管内に向かわせる混相器とを備え、前記噴出エアを利用して出口管から、該出口管に連なる粉粒体搬送先まで粉粒体をエア搬送できるようにした粉粒体用エア搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記粉粒体用エア搬送装置は、例えば特許文献1に開示されるように従来公知であり、この公知のものでは、エア搬送装置の作動と並行して、粉粒体収容用の袋(フレキシブルコンテナバッグ)からホッパ内へ粉粒体を供給するようにしており、その際に上記袋(フレキシブルコンテナバッグ)の下部に突設した排出筒部からホッパ内に粉粒体を直接投入している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-75787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ホッパ内への上記した粉粒体投入作業に際して、エア搬送装置のブロワから噴出したエアが、ロータリバルブのバルブハウジングとロータ羽根部との隙間から漏れることで、ホッパ内の粉粒体に混じる粉塵を吹き上げて外気に拡散させる虞れがある。
【0005】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、従来構造の問題を解決可能とした粉粒体用エア搬送装置、及びエア搬送装置用の捕集ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、粉粒体を収容した容器又は袋から粉粒体を投入可能なホッパと、前記ホッパの下部に連設されて該ホッパ内の粉粒体を強制排出するロータリバルブと、粉粒体圧送用のエアを噴出可能なブロワと、前記ロータリバルブから排出された粉粒体に前記ブロワからの噴出エアを合流させて出口管内に向かわせる混相器とを備え、前記噴出エアを利用して前記出口管から、該出口管に連なる粉粒体搬送先まで粉粒体をエア搬送できるようにした粉粒体用エア搬送装置において、前記ホッパの上端部に隣接、固定されて該ホッパの開放上面を覆う隔壁板と、その隔壁板の上面に粉塵捕集空間を挟んで対面する天板部、及び該天板部の外周部に連設されて前記粉塵捕集空間の周囲を全周に亘り取り囲む側板部を有して前記ホッパの上端部に固定される囲い板と、その囲い板の内面に開口する吸引口を通して前記粉塵捕集空間内の粉塵を吸引して貯留可能な集塵機とを備え、前記隔壁板及び前記囲い板には、前記容器又は袋の下部に突設した排出筒部を通す貫通孔がそれぞれ設けられることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴に加えて、前記排出筒部は可撓性を有しており、前記隔壁板に設けた前記貫通孔の内径は、前記排出筒部の外径よりも小径に設定されていることを第2の特徴とする。
【0008】
また本発明は、第1又は第2の特徴に加えて、前記隔壁板には、前記ホッパ内と前記粉塵捕集空間との間を連通させる連通孔が設けられ、その連通孔がフィルタで覆われることを第3の特徴とする。
【0009】
また本発明は、第1又は第2の特徴に加えて、前記囲い板には、前記粉塵捕集空間を大気に開放する大気開放孔が設けられ、その大気開放孔がフィルタで覆われることを第4の特徴とする。
【0010】
更に本発明は、粉粒体を収容した容器又は袋から粉粒体を投入可能なホッパと、前記ホッパの下部に連設されて該ホッパ内の粉粒体を強制排出するロータリバルブと、粉粒体圧送用のエアを噴出可能なブロワと、前記ロータリバルブから排出された粉粒体に前記ブロワからの噴出エアを合流させて出口管内に向かわせる混相器とを備えていて、前記噴出エアを利用して前記出口管から、該出口管に連なる粉粒体搬送先まで粉粒体をエア搬送できるようにした粉粒体用エア搬送装置に付設され、前記容器又は袋から粉粒体を前記ホッパ内に投入する際に飛散する粉塵を捕集するための捕集ケースであって、前記ホッパの上端部に隣接、固定されて該ホッパの開放上面を覆う隔壁板と、その隔壁板の上面に粉塵捕集空間を挟んで対面する天板部、及び該天板部の外周部に連設されて前記粉塵捕集空間の周囲を全周に亘り取り囲む側板部を有して前記ホッパの上端部に固定される囲い板とを備え、前記囲い板の内面には、前記粉塵捕集空間内の粉塵を吸引可能な集塵機の吸込側に接続可能な吸引口が設けられ、前記隔壁板及び前記囲い板には、前記容器又は袋の下部に突設した排出筒部を通す貫通孔がそれぞれ設けられることを第5の特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の特徴によれば、粉粒体用エア搬送装置において、ホッパの上端部に隣接、固定されてホッパの開放上面を覆う隔壁板と、その隔壁板の上面に粉塵捕集空間を挟んで対面する天板部、及びその天板部の外周部に連設されて粉塵捕集空間の周囲を全周に亘り取り囲む側板部を有してホッパの上端部に固定される囲い板と、その囲い板の内面に開口する吸引口を通して粉塵捕集空間内の粉塵を吸引して貯留可能な集塵機とを備え、隔壁板及び囲い板には、粉粒体収容用の容器又は袋の下部に突設した排出筒部を通す貫通孔がそれぞれ設けられる。これにより、上記容器又は袋からホッパ内へ粉粒体を投入する作業に際して、エア搬送装置のブロワから噴出したエアがロータリバルブ内を漏れ出てホッパ内の粉塵を吹き上げても、その粉塵は、隔壁板で阻まれて上方への飛散が極力抑制される。またその際に吹き上げられた粉塵が隔壁板と排出筒部との隙間から漏れ出しても、これを粉塵捕集室で捕集でき、そこから囲い板の吸引口を通して集塵機に吸引、貯留されるため、ホッパ内から吹き上げられた粉塵が外気に拡散するのを効果的に抑制可能となる。
【0012】
また第2の特徴によれば、粉粒体収容用の容器又は袋の下部に突設した排出筒部は、可撓性を有しており、隔壁板に設けた貫通孔の内径は、上記排出筒部の外径よりも小径に設定されるので、その排出筒部と貫通孔との間のシール性が高められ、ホッパ内から粉塵捕集空間への粉塵の漏れを効果的に抑制可能となる。
【0013】
また第3の特徴によれば、隔壁板には、ホッパ内と粉塵捕集空間との間を連通させる連通孔が設けられ、その連通孔がフィルタで覆われるので、ロータリバルブ内を漏れ出たエアがホッパ内で吹き上がろうとしたときに、その吹き上げエアを連通孔を通して粉塵捕集空間側へ適度に逃がすことができると共に、吹き上げエアに混じる粉塵の連通孔通過をフィルタにより阻止することができる。従って、隔壁板の特設によっても上記エアの吹き上げに因るホッパの内圧上昇が抑えられるため、その内圧上昇に伴う粉塵の粉塵捕集空間側への漏れ出しを抑制可能となる。
【0014】
また第4の特徴によれば、囲い板には、粉塵捕集空間を大気に開放する大気開放孔が設けられ、その大気開放孔がフィルタで覆われるので、集塵機の吸引による粉塵捕集空間の過度の負圧発生を抑制でき、従って、集塵機に過負荷を掛けることなく的確な集塵作用を発揮させることができる。また粉塵捕集空間に侵入した粉塵が大気開放孔から外気に拡散するのをフィルタで阻止し得るため、大気開放孔からの粉塵拡散を回避できる。
【0015】
また第5の特徴によれば、ホッパ上に捕集ケースを固定するだけで、ホッパの真上に隔壁板を挟んで粉塵捕集空間を容易に画成可能となり、その捕集ケースの囲い板に設けた吸込口を集塵機の吸込側に接続すれば、粉塵捕集空間で捕集された粉塵を容易に吸引・除去可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係るエア搬送装置の第1実施形態及びその使用例を示す全体概要図
図2】前記エア搬送装置の、一部を切欠いた要部側面図(図3の2X矢視図)
図3図2と同じ向きから見たエア搬送装置の要部を示す拡大縦断面図(図5の3X-3X線断面図)
図4図2と同じ向きから見たホッパ、ロータリバルブ及び混相器の要部を示す拡大縦断面図
図5図3の5X-5X線拡大断面図
図6図3の6X矢視部の拡大断面図
図7】第2実施形態を示す図6対応拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を、添付図面により以下に具体的に説明する。
【0018】
先ず、図1図6において、粉粒体搬送用のエア搬送装置Aは、粉粒体が収容されて支持手段CL(例えばクレーン等の吊持手段)で支持された袋B(例えば、フレキシブルコンテナバッグ等)内から投入された粉粒体を、粉粒体搬送先Z(例えばサイロ、貯留槽等の粉粒体収容設備)までエア搬送するために利用されるものであって、それは、設置面(例えば地面等)に定置、固定される中空且つ直方体状のハウジング1を主枠とする。
【0019】
ハウジング1の少なくとも上壁1tは、他のハウジング要素(即ち四方の側壁1s)に対し従来周知の結合手段(図示せず)を以て着脱可能に結合される。
【0020】
ハウジング1内には、図2で明らかなように、粉粒体を上方より投入、収容可能なホッパHと、ホッパHの下部に接続されてホッパH内の粉粒体を強制排出するロータリバルブRと、粉粒体圧送用のエアを噴出可能な搬送用ブロワ3と、ロータリバルブRから排出された粉粒体に搬送用ブロワ3からの噴出エアを合流させて出口管4に向かわせる混相器Mとが少なくとも収容、固定される。
【0021】
出口管4の出口(下流端)は、ハウジング1の一側壁1sに設けた側部開口1iに臨んでおり、この出口には、側部開口1iを通してハウジング1内に延びる接続管5の一端部(上流端)が、従来周知のジョイントJ1を介して着脱可能に接続、連通される。その接続管5の他端部(下流端)は、上記粉粒体搬送先Zに直接に、又は延長接続管5′を介して通じている。尚、側部開口1iは、ハウジング1の一側壁1sに開閉可能に設けた不図示の開閉蓋により、エア搬送装置Aの非使用時には塞がれる。
【0022】
エア搬送装置Aは、搬送用ブロワ3からの噴出エアを利用して、出口管4や接続管5,5′内での粉粒体の排出流動を助勢し、粉粒体搬送先Zまで粉粒体をスムーズにエア搬送できるようにする。
【0023】
而して、エア搬送の対象となる粉粒体としては、エア搬送が可能な程度に流動性がある無数の粒状体(例えば木質チップ、飼料等)又は粉状体(例えばセメント、粉状化学剤,粉状食材等)が含まれる。
【0024】
ホッパHは、粉粒体を上方より投入可能な上向き且つ矩形状の入口Hiを上端に有したホッパ本体Hmを主要部としており、そのホッパ本体Hmは、下方が徐々に窄まる角筒状に形成され、これの開放下端が、後述するロータリバルブRの入口Riに従来周知のジョイントJ2を介して着脱可能に接続、連通される。またホッパHの開放下端には、粉粒体の通過は許容するが大きな異物の通過は阻止する網部材9が固定される。
【0025】
ハウジング1の上壁1tには、ホッパHの上端部が嵌合、支持される矩形状の上部開口1toが形成される。そして、この上部開口1toを縁取るように取り囲む平面視矩形状の取付板2が、これと上壁1tとの間にホッパHの上端部外周の外向きフランジHfを挟持した状態で、上壁1tの上面に重合、固定(例えば溶接、ボルト止め等)される。また取付板2及び上壁1tには、後述する複数の共締め用ボルトb1をそれぞれ貫通させる複数のボルト孔が、互いに周方向に間隔をおいて形成される。
【0026】
次にロータリバルブRの一例について具体的に説明すると、ロータリバルブRは、図2図4で明らかなように、上端に入口Riを、また下端に出口Roをそれぞれ有するバルブハウジングHrと、そのバルブハウジングHr内に回転自在に収容、支持されるロータ10と、このロータ10を回転駆動するバルブモータ11とを備える。上記出口Roは、矩形状に形成されていて、後述する混相器Mの矩形状の入口Miに従来周知のジョイントJ3を介して着脱可能に接続、連通される。
【0027】
尚、バルブハウジングHrは、ハウジング1の内壁に不図示の支持手段を介して固定、支持される。
【0028】
上記ロータ10は、バルブハウジングHrに回転自在に支持されてその中心部に横切る回転軸部10aと、回転軸部10aの外周に放射状に突設された複数のロータ羽根部10bとを一体に有する。そして、このロータ10をバルブモータ11で回転駆動すれば、そのモータ回転速度に応じた排出流量で、ホッパH内へ投入された粉粒体を出口Ro側(従って混相器M内)に強制的に排出可能である。
【0029】
混相器Mは、図2図4で明らかなように、ロータリバルブRの出口Roに臨む入口Miを上端に有する角筒状の混相器本体21と、その混相器本体21の下部に中央部が一体的に結合(例えば溶接)されて略水平な円管部22とを備える。混相器本体21は、下方に向かうにつれて互いに接近するよう傾斜した前・後側壁211,212と、前・後側壁211,212の左右両側縁間を一体に接続する略鉛直の左・右側壁213,214とを主要部としていて、下窄まりで且つ上下端開放のボックス状に形成される。
【0030】
それら前後左右の側壁211~214の下端部は、円管部22の中央部周壁の上部を切欠くように形成した平面視矩形状の上向きの開口22oの開口縁部にそれぞれ気密に接続(例えば溶接)される。そして、上記開口22o直下の円管部22内が、ロータリバルブRから排出された粉粒体と、搬送用ブロア3から噴出して円管部22内を流れるエアとの合流部となる。尚、混相器本体21及び円管部22のうち少なくとも一方は、ハウジング1の内壁に不図示の支持手段を介して固定、支持される。
【0031】
円管部22の一端(上流端)には、ハウジング1の内壁適所に固定した搬送用ブロワ3から延出するエア導入管23の下流端が従来周知のジョイントJ4を介して接続、連通される。一方、円管部22の他端(下流端)には、前述の出口管4の入口端が従来周知のジョイントJ5を介して着脱可能に接続、連通される。
【0032】
エア搬送装置Aのハウジング1には、図示はしないが、搬送用ブロワ3及びロータリバルブR(具体的にはブロワモータ31及びバルブモータ11)、並びに後述する集塵機S(具体的には吸引ブロワ36のモータ36a)を作動させるための電源装置及び制御装置が収納される。尚、それらモータ31,11,36aを油圧作動式のモータでそれぞれ構成してもよい。
【0033】
以上説明したエア搬送装置Aの構成は、粉粒体用エア搬送装置として従来周知であって、例えば前記特許文献1にも開示されているが、本発明は、このようなエア搬送装置Aに、次に説明する飛散防止装置DTを付設した点を技術的特徴としている。この飛散防止装置DTは、フレキシブルコンテナバッグ等の袋B内より粉粒体をホッパH内に投入する際に、エア搬送装置Aの搬送用ブロワ3から噴出したエアの一部がロータリバルブRの隙間(例えばバルブハウジングHrとロータ10との隙間)から漏れ出すことでホッパH内の粉塵を吹き上げて外気に拡散させるのを防止するための装置である。
【0034】
本明細書では、このように搬送用ブロワ3から噴出したエアの一部であり且つロータリバルブRの隙間から漏れ出してホッパH内の粉塵を吹き上げるエアを、重複説明を回避すべく単に「ホッパ内吹き上げエア」という。
【0035】
次に、図2図3図5及び図6を主として参照して、飛散防止装置DTの一例を説明する。即ち、飛散防止装置DTは、ハウジング1の上壁1t(従って上壁1tに固定の取付板2及びホッパH上端部)に固定される捕集ケース50と、この捕集ケース50内に流入したホッパ内吹き上げエアに混じる粉塵を吸引・貯留するための吸引貯留装置ADとを備える。
【0036】
捕集ケース50は、外周部51aがハウジング1の上壁1tに取付板2及びホッパHの外向きフランジHfを挟んで隣接、固定されてホッパHの開放上面(即ち入口Hi)を覆う隔壁板51と、その隔壁板51の上面に扁平な粉塵捕集空間53を挟んで対面する平板状の天板部52tを有した囲い板52とを備える。
【0037】
隔壁板51は、ホッパHの入口Hiよりも大きい矩形平板状に形成され、それの外周部51aが、取付板2上に載置され且つ取付板2及び上壁1tに複数のボルトb1を介して着脱可能に結合される。この場合、上壁1tの下面には、ボルトb1を螺合させるナットn1が固定(例えば溶接)されている。
【0038】
また囲い板52の上記した天板部52tは、平面視でホッパHの入口Hiよりやや大きい矩形状に形成される。その天板部52tの外周部には、前記粉塵捕集空間53の周囲を全周に亘り取り囲む側板部52sが一体に連設されており、その側板部52sの下端は、隔壁板51の外周部51a上面に当接、固定(例えば接着、溶着等)されている。而して、粉塵捕集空間53もまた、平面視でホッパHの入口Hiよりやや大きい矩形状に形成される。
【0039】
隔壁板51及び囲い板52には、フレキシブルコンテナバッグ等の袋Bの下部に突設した円筒状の排出筒部Baを通す円形状の貫通孔51h,52hがそれぞれ設けられる。
【0040】
袋Bのうち少なくとも排出筒部Baは、可撓性を有した材料(例えば丈夫な布材等)で円筒状に形成されており、その根元近くの外周部を不図示の留め具(例えば止め紐等)で従来周知の手法で緊縛することで排出筒部Baを随時に閉塞可能である。この閉塞状態は、フレキシブルコンテナバッグ等の袋Bを車両等で輸送する際やクレーン等の支持手段CLで吊り上げる場合において、排出筒部Baが置かれる状態である。尚、実施形態の袋Bの胴部には、複数の補強紐Bcが巻き付け、固定されており、その補強紐Bcの上方延出部に、上記クレーン等の支持手段CLのフック部を係止させて袋Bを吊り上げるようにしている。
【0041】
一方、上記留め具による緊縛を従来周知の手法で解放することで排出筒部Baを随時に開放可能である。この開放状態は、フレキシブルコンテナバッグ等の袋B内の粉粒体を排出筒部BaからホッパH内に落下、投入する場合において、排出筒部Baが置かれる状態(図2を参照)である。
【0042】
尚、図2では、袋Bの胴部下面が天板部52tから離れた状態で袋Bが吊持されているが、袋Bの胴部下面を天板部52tの上面に載せることで、袋Bの胴部により天板部52tの貫通孔52hをより効果的に閉塞することができる。
【0043】
また隔壁板51には、図3及び図5で明らかなように、貫通孔51hの周囲四隅において、ホッパH内と粉塵捕集空間53との間を連通させる複数の連通孔51cが設けられる。その各々の連通孔51cは、フィルタF51でそれぞれ覆われており、各フィルタF51の外周部は、その外周部を押さえる縁枠板61と共に隔壁板51に複数のビスを以て固定される。
【0044】
ところで実施形態では、図2の部分拡大断面図で明らかなように、隔壁板51に設けた貫通孔51hの内径Di1が、排出筒部Baの自由状態での外径Doよりも小径に設定される。この設定によれば、後述するように排出筒部Baと貫通孔51hとの間のシール性が高められる利点がある。
【0045】
尚、その貫通孔51hの内径Di1は、排出筒部Baの自由状態での外径Doに対し同径に設定してもよいし、或いは多少大径に設定してもよい。特に貫通孔51hの内径Di1を排出筒部Baの外径Doより大径とする場合には、排出筒部Baの外周と貫通孔51hとの間の平面視での隙間総合面積と、上記複数の連通孔51cの平面視での開口総合面積とは、前者の隙間総合面積よりも後者の開口総合面積の方を大きく設定することが望ましい。
【0046】
この設定によれば、排出筒部Baと貫通孔51h間の隙間を単位時間当たり通過するエア量よりも、複数の連通孔51cを単位時間当たり通過するエア量の方が大きくなる。そのため、連通孔51c(従ってフィルタF51)を通してホッパH内のエア圧力が逃げ易くなり、ホッパ内吹き上げエアに混じる粉塵をフィルタF51側に積極的に吹き上げ誘導することが可能となる。
【0047】
また囲い板52の天板部52tに設けた貫通孔52hの内径Di2は、貫通孔51hの内径Di1と同径に設定してもよいし、或いは多少大径に設定してもよい。
【0048】
さらに囲い板52の側板部52sには、粉塵捕集空間53を大気に開放する複数の大気開放孔52cが設けられる。その各々の大気開放孔52cはフィルタF52でそれぞれ覆われており、各フィルタF52の外周部は、その外周部を押さえる縁枠板62と共に側板部52sに複数のビスを以て固定される。尚、大気開放孔52cの一部は、天板部52tに設けてもよい。
【0049】
囲い板52、特に側板部52sの内面には、粉塵捕集空間53に直接連通する吸引口52iが開口しており、この吸引口52iは、側板部52sに一体に突設した吸込筒34内に貫通、形成される。その吸込筒34は、従来周知のジョイントJ7を介して接続用チューブ35の上流端が着脱可能に接続、連通される。尚、吸引口52i(即ち吸込筒34)は、天板部52tに配設してもよい。
【0050】
ところで前記した集塵機Sは、ハウジング1周辺の設置面(例えば地面等)に設置、固定される。また集塵機Sは、図2で明らかなように、排気チューブ35の下流端に従来周知のジョイントJ8を介して着脱可能に接続、連通される吸込口36iを有して分離室33内のエアを吸引可能な吸引ブロワ36と、この吸引ブロワ36の吐出口36oに従来周知のジョイントJ9を介して着脱可能に接続される袋状の集塵フィルタ37とを備えている。
【0051】
そして、吸引ブロワ36が粉塵捕集空間53より接続用チューブ35を通して吸引した、粉塵が混じるエアは、集塵フィルタ37で濾過・清浄化された上で大気に排出される。尚、使用に伴い集塵フィルタ37内に集まる粉塵等は、任意の清掃作業で除去される。
【0052】
而して、集塵機S及び接続用チューブ35は、互いに協働して前記吸引貯留装置ADを構成する。
【0053】
尚、接続用チューブ35を省略して吸引筒34に集塵機S(即ち吸引ブロワ36)の吸込口36iを着脱可能に直接、接続してもよい。この場合は、集塵機Sだけが吸引貯留装置ADを構成する。
【0054】
次に前記第1実施形態の作用について説明する。
【0055】
フレキシブルコンテナバッグ等の袋B内から粉粒体を投入する作業を行う場合は、粉粒体を収容し且つ排出筒部Baが不図示の緊縛具で緊縛(従って閉塞)状態にあるフレキシブルコンテナバッグ等の袋Bをクレーン等の支持手段CLで吊持してホッパHの真上位置に移動させ、この袋Bの排出筒部Baを捕集ケース50の上記貫通孔51h,52hを通してホッパH内に嵌挿させる(図1図2を参照)。
【0056】
しかる後に上記緊縛具による緊縛を解放操作すると、袋B内の粉粒体を排出筒部Baを通してホッパH内に落下、投入させることができ、その投入作業時には、予めエア搬送装置Aの搬送用ブロワ3、ロータリバルブR及び集塵機Sを作動させておく。
【0057】
特に集塵機S(具体的には吸引ブロワ36)の作動によれば、捕集ケース50の粉塵捕集空間53に流入したホッパ内吹き上げエアが、これに混じる粉塵と共に吸込筒34及び接続用チューブ35を経て吸引ブロワ36により吸引される。従って、その吸引されたエアは、集塵機Sの集塵フィルタ37を通過して大気に排出され、一方、エア中の粉塵は集塵フィルタ37で濾過され、そのフィルタ37内に貯留される。
【0058】
一方、フレキシブルコンテナバッグ等の袋Bの排出筒部BaからホッパH内に落下、投入された粉粒体は、ロータリバルブRにより混相器Mの入口Miまで強制排出され、混相器本体21内を流下する。
【0059】
また搬送用ブロワ3の起動に伴い、同ブロワ3から噴出するエアがエア導入管23を通して混相器Mの円管部22の一端に勢いよく流入し、このエアは、円管部22内を通過して出口管4に向かう。従って、ロータリバルブRから混相器本体21内に排出された粉粒体は、円管部22内で搬送用ブロワ3からのエアと合流して出口管4内に向かって流動し、このとき粉粒体がエア圧で助勢されて出口管4や接続管5,5′の内部をスムーズに排出流動するため、粉粒体供給先Zまでスムーズに供給される。
【0060】
以上説明した実施形態において、エア搬送装置Aに付設される飛散防止装置DTは、ハウジング1の上壁1tに取付板2及びホッパH上端の外向きフランジHfを挟んで隣接、固定されてホッパHの開放上面を覆う隔壁板51と、その隔壁板51の上面に粉塵捕集空間53を挟んで対面する天板部52t、及び天板部52tの外周部に連設されて粉塵捕集空間53の周囲を取り囲む側板部52sを有して隔壁板51(従って上壁1t)に固定された囲い板52と、その囲い板52の内面に開口する吸引口52iを通して粉塵捕集空間53内のエア及び粉塵を吸引する集塵機Sとを備え、隔壁板51及び囲い板52には、フレキシブルコンテナバッグ等の袋Bの下部に突設した排出筒部Baを通す貫通孔51h,52hがそれぞれ設けられる。
【0061】
これにより、フレキシブルコンテナバッグ等の袋BからホッパH内へ粉粒体を投入する作業に際して、エア搬送用ブロワ3から噴出したエアの一部がロータリバルブR内の隙間から漏れ出てホッパH内の粉塵を吹き上げても、その粉塵は、隔壁板51で阻まれて上方への飛散が極力抑えられる。このとき、ホッパ内吹き上げエアに混じる粉塵が隔壁板51と排出筒部Baとの隙間から漏れ出しても、これをホッパH直上の粉塵捕集室53で捕集でき、そこから囲い板52の吸引口52iを通して集塵機Sに吸引貯留されるため、ホッパ内吹き上げエアで吹き上がる粉塵が外気に拡散するのを効果的に抑制可能となる。
【0062】
また実施形態では、フレキシブルコンテナバッグ等の袋Bの下部に突設した排出筒部Baは、可撓性を有しており、隔壁板51に設けた貫通孔51hの内径Di1は、排出筒部Baの自由状態での外径Doよりも小径に設定される。これにより、その排出筒部Baと貫通孔51hとの間のシール性が高められ、ホッパH内から粉塵捕集空間53への粉塵の流入が効果的に抑制可能となる。
【0063】
また隔壁板51には、ホッパH内と粉塵捕集空間53との間を連通させる連通孔51cが設けられ、その連通孔51cがフィルタF51で覆われる。これにより、ロータリバルブR内を漏れ出たエアがホッパH内で吹き上がろうとしたときに、そのホッパ内吹き上げエアを連通孔51cを通して粉塵捕集空間53側へ適度に逃がすことができ、しかもホッパ内吹き上げエアに混じる粉塵の連通孔51c通過をフィルタF51により阻止できる。従って、隔壁板51の特設によっても上記ホッパ内吹き上げエアに因るホッパHの内圧上昇が抑えられるため、その内圧上昇に伴う粉塵の粉塵捕集空間53側への漏れ出しを効果的に抑制可能となる。
【0064】
また囲い板52には、粉塵捕集空間53を大気に開放する大気開放孔52cが設けられ、その大気開放孔52cがフィルタF52で覆われる。これにより、集塵機Sの吸引による粉塵捕集空間53での過度の負圧発生を抑制できるため、集塵機Sに過負荷を掛けることなく的確な集塵作用を発揮させることができる。また粉塵捕集空間53に侵入した粉塵が大気開放孔52cから外気に拡散するのをフィルタF52で阻止し得るため、大気開放孔52cの特設によっても、そこからの粉塵拡散を回避できる。
【0065】
また粉粒体用エア搬送装置Aにおけるハウジング1の上壁1t(従って上壁1tに固定の取付板2及びホッパHの上端部)に捕集ケース50を結合するだけで、ホッパHの真上に隔壁板51を挟んで粉塵捕集空間53を容易に画成可能となり、その捕集ケース50の囲い板52に設けた吸込口52iを集塵機Sの吸込側に接続すれば、粉塵捕集空間53で捕集された粉塵を容易に吸引・除去可能となる。
【0066】
また図7には、本発明の第2実施形態の一部が示される。第1実施形態では、囲い板52及び隔壁板51を結合一体化して捕集ケース50を構成し、隔壁板51をハウジング1の上壁1t(従って上壁1tに固定のホッパH上端部)に結合することで捕集ケース50(即ち囲い板52及び隔壁板51)を一纏めにハウジング1の上壁1tに結合しているのに対し、第2実施形態は、捕集ケース50′の構造及びそれのハウジング1への取付構造が第1実施形態とは異なる。
【0067】
即ち、第2実施形態では、図7に例示したように、囲い板52′と隔壁板51′とを互いに独立してハウジング1の上壁1tに結合しており、それら囲い板52′及び隔壁板51′と、ハウジング1の上壁1tに固定の取付板2とで捕集ケース50′が構成される。より具体的に説明すると、囲い板52′の側板部52sの下端外周には、取付板2上に載置させる外向きフランジ52fが一体に連設されており、この外向きフランジ52f(従って囲い板52′)が取付板2及び上壁1tに複数組の第1のボルトb1・ナットn1で結合される。
【0068】
また第2実施形態では、隔壁板51′が、囲い板52′の下端開口より小形に形成されており、その隔壁板51′の外周部51a′が、取付板2上に載置され且つ取付板2及び上壁1tに複数組の第2のボルトb2・ナットn2で結合される。
【0069】
第2実施形態のその他の構造は、第1実施形態であるので、第2実施形態の各構成要素には、これと対応する第1実施形態の構成要素の参照符号と同じ符号を付すにとどめ、これ以上の構造説明は省略する。
【0070】
而して、この第2実施形態によっても、第1実施形態の前記作用効果と同等の作用効果を達成可能である。
【0071】
尚、ホッパH内に投入すべき粉粒体の性状によっては、粉粒体投入時のホッパ内吹き上げエアに因る粉塵飛散の心配がない場合もあり、その場合には、例えば捕集ケース50,50′をハウジング1の上壁1tより取外してホッパHの上面を開放した状態で、フレキシブルコンテナバッグ等の袋Bの排出筒部BaをホッパH内に直接差し入れて、ホッパH内に粉粒体を直接、投入することも可能である。
【0072】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施形態を実施可能である。
【0073】
例えば、前記実施形態では、エア搬送装置Aが地面又は固定物(例えば建物等)の所定位置に固定的に設置される定置式のエア搬送装置Aであるものを例示したが、本発明のエア搬送装置は、定置式に限定されず、移動体(例えば車両)上に設置されて移動体と共に移動可能なものであってもよい。
【0074】
また前記実施形態では、粉粒体が収容されるフレキシブルコンテナバッグ等の袋Bをクレーン等の支持手段CLで吊り上げた状態で、その袋B内の粉粒体をエア搬送装置AのホッパHに投入する場合の粉塵飛散を防止するために飛散防止装置DTを用いた例を示したが、飛散防止装置DTの使用例は、実施形態に限定されない。例えば、上記袋Bに代えて、粉粒体収容可能なコンテナ等の容器をクレーン、フォークリフトその他の支持手段CLで持ち上げた状態で、その容器内の粉粒体をエア搬送装置AのホッパHに投入する場合の粉塵飛散を防止するために飛散防止装置DTを用いてもよい。
【0075】
また前記実施形態では、粉粒体をホッパH内に投入するための排出筒部Baを下部に有した袋Bを、全体が可撓性を有する素材で構成したものを示したが、袋Bは排出筒部Baだけが可撓性を有する構造であってもよい。また、袋Bに代わる上記容器は、これの全部又は大部分が剛体で構成されるが、この容器の下部に連設した排出筒部Baは、剛体で構成されてもよいし、可撓性材料で構成されてもよい。
【0076】
また前記実施形態では、エア搬送装置Aから出口管4や接続管5を経て搬出される粉粒体搬送先Zとしてサイロ、貯留槽等の粉粒体収容設備を例示したが、粉粒体収容設備は、少なくとも粉粒体を一時的に収容して外部に取出し可能な設備であればよく、実施形態に限定されない。またこのような粉粒体収容設備を用いずに地面に野積み状態で粉粒体を仮置きしてもよく、この場合は、当該地面が粉粒体搬送先Zとなる。
【0077】
また前記実施形態では、エア搬送装置Aのハウジング1(具体的には上壁1t及びこれに固定の取付板2)に隔壁板51(第2実施形態では隔壁板51及び囲い板52)の外周部を着脱可能に結合して、そのハウジング1を介して隔壁板51(第2実施形態では隔壁板51及び囲い板52)をホッパHの上端部に結合したものを示したが、本発明では、隔壁板51(第2実施形態では隔壁板51及び囲い板52)の外周部をホッパHの上端部に直接、結合してもよい。
【0078】
この場合には、例えば取付板2を省略して、ハウジング1の上壁1t上に、ホッパHの上端外周の外向きフランジHfを重ね合わせて固定(例えば溶接、接着、ボルト止め等)し、その外向きフランジHf上に隔壁板51(第2実施形態では隔壁板51及び囲い板52)の外周部を重ね合わせてボルトb1・ナットn1(第2実施形態ではボルトb1,b2・ナットn1,n2)で直接、結合すればよい。
【0079】
また前記実施形態では、隔壁板51の上面に粉塵捕集空間53を挟んで対面する天板部52tを平板状としたものを示したが、天板部52tの構造は実施形態に限定されず、例えば、天板部52tが、少なくとも一部に彎曲部を有していてもよく、或いはドーム状に形成されてもよい。
【符号の説明】
【0080】
A・・・・・・粉粒体用エア搬送装置
B・・・・・・袋としてのフレキシブルコンテナバッグ
Ba・・・・・排出筒部
Di1・・・・隔壁板に設けた貫通孔の内径
Do・・・・・排出筒部Baの自由状態での外径
F51・・・・フィルタとして隔壁板用フィルタ
F52・・・・フィルタとして囲い板用フィルタ
H・・・・・・ホッパ
M・・・・・・混相器
R・・・・・・ロータリバルブ
S・・・・・・集塵機
Z・・・・・・粉粒体搬送先
3・・・・・・ブロワとしての搬送用ブロワ
4・・・・・・出口管
35・・・・・接続用チューブ
36i・・・・吸込口
50,50′・・・捕集ケース
51,51′・・・隔壁板
51c・・・・連通孔
51h,52h・・貫通孔
52,52′・・・囲い板
52c・・・・大気開放孔
52i・・・・吸引口
52t・・・・天板部
52s・・・・側板部
53・・・・・粉塵捕集空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7