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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082112
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】光学系及びそれを有する撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20240612BHJP
【FI】
G02B13/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195846
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】森 丈大
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087LA01
2H087PA05
2H087PA06
2H087PA07
2H087PA18
2H087PA19
2H087PB07
2H087PB08
2H087QA02
2H087QA03
2H087QA06
2H087QA17
2H087QA19
2H087QA21
2H087QA25
2H087QA26
2H087QA32
2H087QA41
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA42
2H087RA43
2H087RA44
2H087UA01
(57)【要約】
【課題】小型軽量で高い光学性能を有する光学系を提供する。
【解決手段】光学系L0は、前群La、開口絞りSP、全体として正の屈折力の後群Lbからなる。前群は、最も物体側に配置された負の屈折力の第1レンズL1を含む。後群は、最も像側に配置された正の屈折力の最終レンズLpを含む。光学系は、第1レンズと最終レンズの間に配置された、4枚以上のレンズを有する。最終レンズの光軸近傍のレンズ面は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状である。光学系の焦点距離f、光学系の半画角ω(°)、光学系のバックフォーカスsk、光学系のレンズ全長TTL、光学系に含まれる全ての正レンズの材料のd線における屈折率の平均値PNdaveは、所定の条件式を満足する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置された、前群、開口絞り、全体として正の屈折力の後群からなる光学系であって、
前記前群は、最も物体側に配置された負の屈折力の第1レンズを含み、
前記後群は、最も像側に配置された正の屈折力の最終レンズを含み、
前記光学系は、前記第1レンズと前記最終レンズの間に配置された、4枚以上のレンズを有し、
前記最終レンズの光軸近傍のレンズ面は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状であり、
前記光学系の焦点距離をf、前記光学系の半画角をω(°)、前記光学系のバックフォーカスをsk、前記光学系において最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離に前記バックフォーカスを加えた長さをTTL、前記光学系に含まれる全ての正レンズの材料のd線における屈折率の平均値をPNdaveとするとき、
0.1<TTL/(f×tanω)<4.0
1.50<PNdave<2.00
0.2<sk/TTL<1.0
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記前群の焦点距離をfa、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.0<|f/fa|<1.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記最終レンズの焦点距離をfpとするとき、
0.6<fp/f<6.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項4】
0.1<sk/f<1.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項5】
前記開口絞りから像面までの光軸上の距離をSPIPとするとき、
0.5<SPIP/TTL<1.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項6】
前記最終レンズの物体側のレンズ面の近軸曲率半径をR1、前記最終レンズの像側のレンズ面の近軸曲率半径をR2とするとき、
1.0<(R1+R2)/(R2-R1)<50.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項7】
前記最終レンズは、プラスチックから形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項8】
前記最終レンズは、単レンズであることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項9】
前記最終レンズの像側のレンズ面は、中心部に比べて周辺部で正の屈折力が強くなる非球面であることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項10】
前記最終レンズの像側のレンズ面は、周辺部に変曲点を有することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項11】
前記最終レンズのd線における屈折率をNdp、前記最終レンズのd線におけるアッベ数をνdpとするとき、
1.450<Ndp<5.000/νdp+1.550
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項12】
前記前群の焦点距離をfa、前記後群の焦点距離をfbとするとき、
0.0<|fb/fa|<2.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項13】
前記前群は、正の屈折力の第1正レンズを含み、
前記第1正レンズのd線における屈折率をNdapとするとき、
1.60<Ndap<2.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項14】
前記後群は、正の屈折力の第2正レンズを含み、
前記第2正レンズのd線における屈折率をNdbpとするとき、
1.60<Ndbp<2.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項15】
前記後群は、負の屈折力の第1負レンズを含み、
前記第1負レンズのd線における屈折率をNdbnとするとき、
0.0<Ndbp-Ndbn<0.4
なる条件式を満足することを特徴とする請求項14に記載の光学系。
【請求項16】
前記後群は、正の屈折力の第3正レンズを含み、
前記第3正レンズのd線における屈折率をNdbp2、前記第3正レンズのd線におけるアッベ数をνdp2とするとき、
1.450<Ndbp2<5.000/νdp2+1.550
なる条件式を満足することを特徴とする請求項14に記載の光学系。
【請求項17】
請求項1から16の何れか一項に記載の光学系と、該光学系によって形成される像を受光する撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系に関し、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ等に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
撮像素子の小型化および高画素化にともない、撮像装置に用いられる光学系は、小型で高い光学性能を有していることが求められている。これらの要求を満足するために、特許文献1には、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ、負の屈折力の第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、第5レンズ、第6レンズからなる光学系が提案されている。該第1レンズの物体側のレンズ面は光軸近傍で凸面である。該第2レンズの像側のレンズ面は光軸近傍で凹面である。該第3レンズの物体側のレンズ面は光軸近傍で凸面である。該第4レンズの像側のレンズ面は光軸近傍で凸面である。該第5レンズの物体側のレンズ面は光軸近傍で凸面である。該第6レンズの像側のレンズ面は光軸近傍で凹面である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-115174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光学系の全長を小型化するためには、テレフォト型のパワー配置を採用し、物体側の正の屈折力と像側の負の屈折力を強くすることが有効である。しかしながら、テレフォト型のパワー配置を強くすると、糸巻型の歪曲が大きく発生するため、限られたレンズ枚数で歪曲と像面湾曲の補正を両立させることが困難となる。また、テレフォト型のパワー配置を強くすると、バックフォーカスが短くなり、軸外光束の射出角が大きくなる。
【0005】
特許文献1に記載の光学系は、テレフォト型のパワー配置を採用することで全長を小型化し、複数の非球面レンズを用いることで歪曲と像面湾曲の補正を行っているが、全系のペッツバール和が大きく軸外光束の射出角も大きい。このため、特許文献1の光学系を撮像素子の大きい撮像装置に適用しようとすると、像面湾曲の補正や周辺光量の低下が課題となる。
【0006】
本発明は、小型軽量で高い光学性能を有する光学系を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての光学系は、物体側から像側へ順に配置された、前群、開口絞り、全体として正の屈折力の後群からなる光学系であって、前記前群は、最も物体側に配置された負の屈折力の第1レンズを含み、前記後群は、最も像側に配置された正の屈折力の最終レンズを含み、前記光学系は、前記第1レンズと前記最終レンズの間に配置された、4枚以上のレンズを有し、前記最終レンズの光軸近傍のレンズ面は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状であり、前記光学系の焦点距離をf、前記光学系の半画角をω(°)、前記光学系のバックフォーカスをsk、前記光学系において最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離に前記バックフォーカスを加えた長さをTTL、前記光学系に含まれる全ての正レンズの材料のd線における屈折率の平均値をPNdaveとするとき、
0.1<TTL/(f×tanω)<4.0
1.50<PNdave<2.00
0.2<sk/TTL<1.0
なる条件式を満足することを特徴とする。
【0008】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小型軽量で高い光学性能を有する光学系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1の光学系の断面図である。
図2】実施例1の無限遠合焦時の収差図である。
図3】実施例2の光学系の断面図である。
図4】実施例2の無限遠合焦時の収差図である。
図5】実施例3の光学系の断面図である。
図6】実施例3の無限遠合焦時の収差図である。
図7】実施例4の光学系の断面図である。
図8】実施例4の無限遠合焦時の収差図である。
図9】撮像装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の光学系及びそれを有する撮像装置の実施例について、添付の図面に基づいて説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
図1図3図5図7はそれぞれ、実施例1乃至4の光学系L0の断面図である。各実施例の光学系L0は、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ等の撮像装置に用いられる。
【0013】
各レンズ断面図において、左方が物体側で、右方が像側である。各実施例の光学系L0は、複数のレンズを有して構成されており、Laは前群、Lbは後群、L1は最も物体側に配置された負レンズ、Lpは最も像側に配置された正レンズを表している。また、SPは開口絞りである。開口絞りSPは、開放Fナンバー(Fno)の光束を決定(制限)する。IPは像面(近軸)であり、各実施例の光学系L0をデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラの撮影光学系として使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が配置される。各実施例の光学系L0を銀塩フィルム用カメラの撮影光学系として使用する際には像面IPにはフィルム面に相当する感光面が置かれる。なお、本明細書において「前群」及び「後群」とは、複数のレンズから構成されてもよいし、1枚のレンズから構成されていてもよい。
【0014】
図2図4図6図8はそれぞれ、実施例1乃至4の光学系L0の無限遠合焦時の収差図である。球面収差図においてFnoはFナンバーであり、d線(波長587.56nm)、g線(波長435.84nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図においてdSはサジタル像面、dMはメリディオナル像面を示している。歪曲収差図においてd線に対する歪曲収差量を示している。倍率色収差図ではg線における倍率色収差量を示している。ωは撮像半画角(°)である。
【0015】
次に、各実施例の光学系L0における特徴的な構成について述べる。
【0016】
各実施例の光学系L0は、物体側から像側へ順に配置された、前群La、開口絞りSP、全体として正の屈折力の後群Lbからなる。前群Laは、最も物体側に配置された負の屈折力の第1レンズL1を含む。後群Lbは、最も像側に配置された正の屈折力の最終レンズLpを含む。第1レンズL1と最終レンズLpの間には、4枚以上のレンズが配置されている。各実施例の光学系L0は、レトロフォーカスタイプのパワー配置を採用することで、高い光学性能を維持しつつ軸外光束の像面入射角を抑制している。
【0017】
さらに、各実施例の光学系L0では、最終レンズLpの光軸近傍のレンズ面は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状である。これにより、像面湾曲と歪曲を抑制している。なお、光軸近傍とは近軸領域のことであり、非球面レンズの場合、光軸近傍での凹面と凸面は近軸曲率半径の符号で定義する。また、屈折力の正負についても同様に、近軸曲率半径より算出されるものとする。
【0018】
光学系L0の焦点距離をf、光学系L0の半画角をω(°)とする。光学系L0のバックフォーカスをsk、光学系L0において最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離にバックフォーカスskを加えた長さ(レンズ全長)をTTLとする。このとき、各実施例の光学系L0は、以下の条件式(1)を満足する。
【0019】
0.1<TTL/(f×tanω)<4.0 ・・・(1)
条件式(1)は、レンズ全長と像高の比を規定している。条件式(1)の上限値を上回ると、レンズ全長が長くなり光学系L0が大型化してしまう。条件式(1)の下限値を下回ってレンズ全長が短くなると、各レンズの屈折力が強くなり、像面湾曲と歪曲の両立が困難となる。
【0020】
各実施例の光学系L0は、光学系L0に含まれる全ての正レンズの材料のd線(波長587.56nm)における屈折率の平均値をPNdaveとするとき、以下の条件式(2)を満足する。
【0021】
1.50<PNdave<2.00 ・・・(2)
条件式(2)は、光学系L0に含まれる正レンズの平均屈折率を規定している。条件式(2)の上限値を上回って平均屈折率が高いと、色の分散が大きくなり、軸上色収差の補正が困難となる。条件式(2)の下限値を下回って平均屈折率が低いと、全系のペッツバール和が大きくなり、像面湾曲の補正が困難となる。
【0022】
各実施例の光学系L0は、光学系L0のバックフォーカスをskとするとき、以下の条件式(3)を満足する。
【0023】
0.2<sk/TTL<1.0 ・・・(3)
条件式(3)は、バックフォーカスとレンズ全長の比を規定している。条件式(3)の上限値を上回ると、レンズ全長が長くなる。条件式(3)の下限値を下回るほどバックフォーカスが短いと、最も像側に配置された最終レンズLpの有効径が大きくなり、光学系L0が径方向に大型化する。
【0024】
さらに、条件式(1)乃至(3)の数値範囲を以下の条件式(1a)乃至(3a)の数値範囲とすることが好ましい。
【0025】
1.0<TTL/(f×tanω)<3.5 ・・・(1a)
1.55<PNdave<1.90 ・・・(2a)
0.21<sk/TTL<0.60 ・・・(3a)
また、条件式(1)乃至(3)の数値範囲を以下の条件式(1b)乃至(3b)の数値範囲とすることがさらに好ましい。
【0026】
1.5<TTL/(f×tanω)<3.1 ・・・(1b)
1.60<PNdave<1.80 ・・・(2b)
0.23<sk/TTL<0.35 ・・・(3b)
次に、各実施例の光学系L0が満足することが好ましい構成および条件について述べる。
【0027】
各実施例の光学系L0は、前群Laの焦点距離をfaとするとき、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
【0028】
0.0<|f/fa|<1.0 ・・・(4)
条件式(4)は、前群Laの焦点距離と光学系L0の焦点距離の比を規定している。条件式(4)の上限値を上回って前群Laの正の屈折力が強くなると、糸巻型の歪曲が大きくなり、像面湾曲と歪曲の両立が困難となるため好ましくない。条件式(4)の上限値を上回って前群Laの負の屈折力が強くなると、像側でテレセントリックな光学系に近づき、レンズ全長が長くなるため好ましくない。なお、条件式(4)の下限値を下回ることはない。光学系L0がズームレンズの場合は、広角端における当該ズームレンズの焦点距離をfとする。
【0029】
各実施例の光学系L0は、最終レンズLpの焦点距離をfpとするとき、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
【0030】
0.6<fp/f<6.0 ・・・(5)
条件式(5)は、最終レンズLpの焦点距離と光学系L0の焦点距離の比を規定している。条件式(5)の上限値を上回って最終レンズLpの屈折力が弱くなると、糸巻型の歪曲の補正と像面入射角の抑制が困難となるため好ましくない。条件式(5)の下限値を下回って最終レンズLpの屈折力が強くなると、光学系L0が像側でテレセントリックな光学系に近づき、レンズ全長が長くなるため好ましくない。
【0031】
各実施例の光学系L0は、以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
【0032】
0.1<sk/f<1.0 ・・・(6)
条件式(6)は、光学系L0のバックフォーカスと光学系L0の焦点距離の比を規定している。条件式(6)の上限値を上回ってバックフォーカスが長いと、レンズ全長が長くなるため好ましくない。条件式(6)の下限値を下回ってバックフォーカスが短いと、最も像側に配置された最終レンズLpの有効径が大きくなり、光学系L0が径方向に大型化するため好ましくない。
【0033】
各実施例の光学系L0は、開口絞りSPから像面IPまでの光軸上の距離をSPIPとするとき、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
【0034】
0.5<SPIP/TTL<1.0 ・・・(7)
条件式(7)は、開口絞りSPの位置とレンズ全長の比を規定している。条件式(7)の上限値を上回って開口絞りSPの位置が物体側にあると、口径食の偏りが発生し易くなり、ボケの形状が異形になるため好ましくない。条件式(7)の下限値を下回って開口絞りSPの位置が像側にあると、射出瞳が像面IPに近づき、軸外光束の像面入射角度抑制が困難となるため好ましくない。なお、光学系L0がズームレンズの場合は、広角端における当該ズームレンズの開口絞りSPから像面IPまでの光軸上の距離をSPIPとする。
【0035】
各実施例の光学系L0は、最終レンズLpの物体側のレンズ面の近軸曲率半径をR1、最終レンズLpの像側のレンズ面の近軸曲率半径をR2とするとき、以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
【0036】
1.0<(R1+R2)/(R2-R1)<50.0 ・・・(8)
条件式(8)は、最終レンズLpの形状を規定している。条件式(8)の上限値を上回って物体側近軸曲率半径R1と像側近軸曲率半径R2の値が近づくと、最終レンズLpの屈折力が弱くなり、軸外光束の像面入射角度の抑制が困難となるため好ましくない。条件式(8)の下限値を下回ると、最終レンズLpの像側近軸曲率半径R2が小さくなり、像面湾曲と歪曲の両立が困難となるため好ましくない。
【0037】
各実施例の光学系L0において、最終レンズLpは、プラスチックから形成されていることが好ましい。最終レンズLpの径は一般的に大きくなり易く、最終レンズLpの材料に硝子を採用すると、レンズ重量が重くなるため好ましくない。
【0038】
各実施例の光学系L0において、最終レンズLpは単レンズであることが好ましい。最終レンズLpが接合レンズである場合、光線を曲げるために屈折力が不足し、軸外光束の像面入射角度の抑制が困難となるため好ましくない。
【0039】
各実施例の光学系L0において、最終レンズLpの像側のレンズ面は、中心部に比べて周辺部で正の屈折力が強くなる非球面であることが好ましい。最終レンズLpの像側のレンズ面が球面である場合、軸外光線を曲げるための屈折力が不足し、像面入射角度の抑制と像面湾曲の両立が困難となるため好ましくない。
【0040】
各実施例の光学系L0において、最終レンズLpの像側のレンズ面は、周辺部に変曲点を有することが好ましい。最終レンズLpの像側のレンズ面に変曲点がない場合、軸外光線を曲げるための屈折力が不足し、像面入射角度の抑制と像面湾曲の両立が困難となるため好ましくない。
【0041】
各実施例の光学系L0は、最終レンズLpのd線における屈折率をNdp、最終レンズLpのd線におけるアッベ数をνdpとするとき、下記の条件式(9)を満足することが好ましい。
【0042】
1.450<Ndp<5.000/νdp+1.550 ・・・(9)
条件式(9)は、最終レンズLpの屈折率を規定している。条件式(9)の上限値を上回って最終レンズLpの屈折率が高いと、比重の小さい材料を選択することができなくなり、最終レンズLpのレンズ重量が重くなるため好ましくない。条件式(9)の下限値を下回って最終レンズLpの屈折率が低いと、全系のペッツバール和が大きくなり、像面湾曲の補正が困難となるため好ましくない。
【0043】
各実施例の光学系L0は、前群Laの焦点距離をfa、後群Lbの焦点距離をfbとするとき、下記の条件式(10)を満足することが好ましい。
【0044】
0.0<|fb/fa|<2.0 ・・・(10)
条件式(10)は、前群Laの焦点距離と後群Lbの焦点距離の比を規定している。条件式(10)の上限値を上回って後群Lbの正の屈折力が弱くなると、糸巻型の歪曲の補正と像面入射角の抑制が困難となるため好ましくない。条件式(10)の上限値を上回って前群Laの負の屈折力が強くなると、光学系L0が像側でテレセントリックな光学系に近づき、レンズ全長が長くなるため好ましくない。なお、条件式(10)の下限値を下回ることはない。
【0045】
各実施例の光学系L0において、前群Laは正の屈折力のレンズLap(第1正レンズ)を1枚含み、レンズLapのd線における屈折率をNdapとするとき、下記の条件式(11)を満足することが好ましい。
【0046】
1.60<Ndap<2.00 ・・・(11)
条件式(11)は、正レンズLapの屈折率を規定している。条件式(11)の上限値を上回って正レンズLapの屈折率が高いと、色の分散が大きくなり、軸上色収差の補正が困難となるため好ましくない。条件式(11)の下限値を下回って正レンズLapの屈折率が低いと、全系のペッツバール和が大きくなり、像面湾曲の補正が困難となるため好ましくない。
【0047】
各実施例の光学系L0において、後群Lbは正の屈折力のレンズLbp(第2正レンズ)を含み、レンズLbpのd線における屈折率をNdbpとするとき、下記の条件式(12)を満足することが好ましい。
【0048】
1.60<Ndbp<2.00 ・・・(12)
条件式(12)は、正レンズLbpの屈折率を規定している。条件式(12)の上限値を上回って正レンズLbpの屈折率が高いと、色の分散が大きくなり、軸上色収差の補正が困難となるため好ましくない。条件式(12)の下限値を下回って正レンズLbpの屈折率が低いと、全系のペッツバール和が大きくなり、像面湾曲の補正が困難となるため好ましくない。
【0049】
各実施例の光学系L0において、後群Lbは負の屈折力のレンズLbn(第1負レンズ)を含み、レンズLbnのd線における屈折率をNdbnとするとき、下記の条件式(13)を満足することが好ましい。
【0050】
0.0<Ndbp-Ndbn<0.4 ・・・(13)
条件式(13)は、正レンズLbpと負レンズLbnの屈折率差を規定している。条件式(13)の上限値を上回って屈折率差の大きい材料を選択すると、色消しが困難となり、軸上色収差の補正が不足するため好ましくない。条件式(13)の下限値を下回って屈折率差の小さい材料を選択すると、全系のペッツバール和が大きくなり、像面湾曲の補正が困難となるため好ましくない。
【0051】
各実施例の光学系L0において、後群Lbは正の屈折力のレンズLbp2(第3正レンズ)を含み、レンズLbp2のd線における屈折率をNdbp2、レンズLbp2のアッベ数をνdp2とするとき、下記の条件式(14)を満足することが好ましい。
【0052】
1.450<Ndbp2<5.00/νdp2+1.550 ・・・(14)
条件式(14)は、正レンズLbp2の屈折率を規定している。条件式(14)の上限値を上回って正レンズLbp2の屈折率が高いと、色の分散が大きくなり、軸上色収差および倍率色収差の補正が困難となるため好ましくない。条件式(14)の下限値を下回って正レンズLbp2の屈折率が低いと、全系のペッツバール和が大きくなり、像面湾曲の補正が困難となるため好ましくない。
【0053】
なお、条件式(4)乃至(14)の数値範囲は、以下の条件式(4a)乃至(14a)の数値範囲とすることがより好ましい。
【0054】
0.1<|f/fa|<0.9 ・・・(4a)
1.0<fp/f<5.0 ・・・(5a)
0.2<sk/f<0.7 ・・・(6a)
0.60<SPIP/TTL<0.95 ・・・(7a)
3.0<(R1+R2)/(R2-R1)<40.0 ・・・(8a)
1.500<Ndp<5.000νdp+1.500 ・・・(9a)
0.13<|fb/fa|<1.50 ・・・(10a)
1.62<Ndap<1.97 ・・・(11a)
1.70<Ndbp<1.95 ・・・(12a)
0.02<Ndbp-Ndbn<0.20 ・・・(13a)
1.500<Ndbp2<5.000/νdp2+1.500・・・(14a)
また、条件式(4)乃至(14)の数値範囲は、以下の条件式(4b)乃至(9b)の数値範囲とすることがさら好ましい。
【0055】
0.15<|f/fa|<0.80 ・・・(4b)
2.0<fp/f<4.5 ・・・(5b)
0.3<sk/f<0.5 ・・・(6b)
0.65<SPIP/TTL<0.90 ・・・(7b)
5.0<(R1+R2)/(R2-R1)<35.0 ・・・(8b)
1.520<Ndn<5.000/νdn+1.470 ・・・(9b)
0.15<|fb/fa|<1.00 ・・・(10b)
1.65<Ndap<1.96 ・・・(11b)
1.75<Ndbp<1.91 ・・・(12b)
0.030<Ndbp-Ndbn<0.125 ・・・(13b)
1.520<Ndbp2<5.000/νdp2+1.470・・・(14b)
なお、各実施例の光学系L0において、最終レンズLpと像面IPの間にカバーガラスやIRカットフィルタ等の光学ブロックを配置してもよい。また、レンズの屈折力とは、光軸近傍(近軸)における屈折力を表すものとする。
【0056】
以下に、実施例1乃至4にそれぞれ対応する数値実施例1乃至4を示す。
【0057】
各数値実施例の面データにおいて、rは各光学面の曲率半径、d(mm)は第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔(光軸上の距離)を表している。ただし、mは光入射側から数えた面の番号である。また、ndは各光学部材のd線に対する屈折率、νdは光学部材のd線に対するアッベ数を表わしている。なお、ある材料のアッベ数νdは、フラウンホーファ線のd線(587.56nm)、F線(486.13nm)、C線(656.27nm)における屈折率をNd,NF,NCとするとき、νd=(Nd-1)/(NF-NC)で表される。
【0058】
また、光学面が非球面の場合は、面番号の右側に、*の符号を付している。非球面形状は、光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にH軸、光の進行方向を正とし、Rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A3からA14を各々非球面係数とするとき、
【0059】
【数1】
【0060】
で表している。なお、各非球面係数における「e±XX」は「×10±XX」を意味している。
【0061】
なお、各数値実施例において、d、焦点距離(mm)、Fナンバー、半画角(度)は全て各実施例の光学系L0が無限遠物体に焦点を合わせた時の値である。「バックフォーカス(BF)」は、最終レンズ面(最も像側のレンズ面)から近軸像面までの光軸上の距離を空気換算長により表記したものである。「レンズ全長」は、光学系L0の最も物体側のレンズ面から最終レンズ面までの光軸上の距離にバックフォーカスを加えた長さである。
【0062】

[数値実施例1]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 -25.177 0.70 1.59270 35.3 13.96
2 20.767 3.17 1.91082 35.2 12.55
3 -43.800 0.99 11.56
4(絞り) ∞ 2.60 10.15
5 14.261 3.51 1.87070 40.7 9.66
6 -32.837 0.50 1.76182 26.5 8.96
7 12.505 2.07 9.50
8* -235.152 1.68 1.53500 56.0 11.05
9* -10000.000 5.43 13.28
10* -11.334 3.63 1.53500 56.0 22.64
11* -10.218 0.21 24.34
12* 17.642 4.89 1.53500 56.0 32.10
13* 22.064 33.33
像面 ∞

非球面データ
第8面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.04566e-03 A 6=-9.37556e-05 A 8=-5.53704e-07
A 3= 9.72583e-04 A 5= 3.63328e-04 A 7= 1.17358e-05

第9面
K = 0.00000e+00 A 4=-6.72372e-04 A 6=-5.12270e-05 A 8=-1.85093e-07
A 3= 9.10492e-04 A 5= 2.23735e-04 A 7= 5.42283e-06

第10面
K =-1.83110e+01 A 4=-6.24412e-04 A 6=-4.26039e-05 A 8=-1.18796e-07
A10= 6.72472e-11
A 3=-5.99283e-04 A 5= 2.67221e-04 A 7= 3.41220e-06

第11面
K =-4.49148e+00 A 4=-2.32087e-03 A 6=-6.08056e-05 A 8=-1.49652e-07
A10= 7.93407e-11
A 3= 5.15205e-03 A 5= 4.86742e-04 A 7= 4.45108e-06

第12面
K =-5.38183e+01 A 4=-1.74379e-03 A 6=-2.16819e-05 A 8=-7.33722e-08
A10=-2.80326e-11
A 3= 6.86749e-03 A 5= 2.28224e-04 A 7= 1.52808e-06 A 9= 2.12818e-09

第13面
K =-2.25124e+01 A 4=-1.07024e-03 A 6=-3.50892e-05 A 8=-1.81411e-07
A10=-7.08372e-11
A 3= 2.06768e-03 A 5= 2.37331e-04 A 7= 3.25539e-06 A 9= 5.54475e-09

焦点距離 28.50
Fナンバー 2.86
半画角(°) 37.20
像高 21.64
レンズ全長 42.64
BF 13.25

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -19.09
2 2 15.84
3 5 11.83
4 6 -11.83
5 8 -450.15
6 10 90.91
7 12 118.74

[数値実施例2]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 -32.094 0.80 1.59270 35.3 14.73
2 13.451 0.22 12.81
3 14.066 3.35 1.91082 35.2 12.77
4 -81.655 0.88 11.75
5(絞り) ∞ 2.53 11.43
6 15.638 3.46 1.87070 40.7 10.75
7 -22.209 0.50 1.76182 26.5 9.89
8 14.756 1.86 9.39
9* -59.980 1.73 1.53500 56.0 10.55
10* -370.728 5.41 12.83
11* -15.950 4.36 1.53500 56.0 22.66
12* -13.846 0.50 24.95
13* 17.591 4.84 1.53500 56.0 32.60
14* 24.164 34.06
像面 ∞

非球面データ
第9面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.08320e-03 A 6=-8.84422e-05 A 8=-4.28559e-07
A 3= 1.36888e-03 A 5= 3.73165e-04 A 7= 1.01971e-05

第10面
K = 0.00000e+00 A 4=-6.54688e-04 A 6=-5.27521e-05 A 8=-2.13664e-07
A 3= 1.34817e-03 A 5= 2.38290e-04 A 7= 5.74368e-06

第11面
K =-3.44235e+01 A 4=-6.38343e-04 A 6=-4.26477e-05 A 8=-1.18269e-07
A10= 7.67530e-11
A 3= 4.85557e-05 A 5= 2.60713e-04 A 7= 3.40467e-06

第12面
K =-3.08794e+00 A 4=-2.27652e-03 A 6=-6.14607e-05 A 8=-1.47175e-07
A10= 8.73153e-11
A 3= 6.04115e-03 A 5= 4.80657e-04 A 7= 4.43542e-06

第13面
K =-4.72297e+01 A 4=-1.76055e-03 A 6=-2.19580e-05 A 8=-7.23737e-08
A10=-3.00758e-11
A 3= 7.41113e-03 A 5= 2.27924e-04 A 7= 1.52563e-06 A 9= 2.15652e-09

第14面
K =-1.98741e+01 A 4=-1.02271e-03 A 6=-3.50501e-05 A 8=-1.81558e-07
A10=-7.04181e-11
A 3= 2.24813e-03 A 5= 2.31781e-04 A 7= 3.26449e-06 A 9= 5.53025e-09

焦点距離 28.50
Fナンバー 2.55
半画角(°) 37.20
像高 21.64
レンズ全長 42.90
BF 12.46

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -15.89
2 3 13.40
3 6 11.01
4 7 -11.57
5 9 -134.01
6 11 113.90
7 13 96.18

[数値実施例3]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* -10000.000 1.40 1.58313 59.4 14.29
2* 8.753 1.18 11.59
3 16.891 3.83 1.65160 58.5 11.36
4 -41.966 1.09 9.89
5(絞り) ∞ 2.29 9.86
6 18.502 3.48 1.75500 52.3 10.45
7 -18.130 0.30 11.14
8 -27.428 4.40 1.61800 63.4 11.24
9 -9.134 1.40 1.72047 34.7 11.97
10 28.012 2.88 13.50
11* -34.743 1.78 1.53500 56.0 14.17
12* -37.819 2.42 16.62
13* -11.863 4.35 1.53500 56.0 21.28
14* -11.484 0.53 23.83
15* 11.840 5.30 1.53500 56.0 33.89
16* 13.127 35.46
像面 ∞

非球面データ
第1面
K = 0.00000e+00 A 4=-6.78455e-04 A 6= 1.33354e-05 A 8= 1.35788e-07
A 3=-4.26570e-04 A 5= 6.91920e-05 A 7=-2.74199e-06

第2面
K = 3.64968e-01 A 4=-7.75157e-04 A 6= 7.33843e-06 A 8=-1.12711e-07
A 3=-6.44618e-04 A 5= 5.38136e-05 A 7=-6.10266e-07

第11面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.75054e-04 A 6=-1.13030e-06 A 8= 7.88726e-08
A10=-4.67549e-10

第12面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.45507e-04 A 6=-1.64020e-06 A 8= 7.72645e-08
A10=-3.93531e-10

第13面
K =-1.27759e+01 A 4= 2.63706e-04 A 6= 5.73607e-06 A 8= 2.93093e-08
A10=-4.45514e-11
A 3=-7.93420e-04 A 5=-3.18814e-05 A 7=-6.11948e-07

第14面
K =-1.19491e+00 A 4=-2.26442e-06 A 6=-7.81773e-06 A 8=-1.34278e-08
A10=-1.79310e-11
A 3=-1.85363e-04 A 5= 4.90241e-05 A 7= 5.85849e-07

第15面
K =-1.36904e+00 A 4=-1.04565e-03 A 6=-2.43530e-05 A 8=-1.17262e-07
A10=-4.25806e-11
A 3= 6.74386e-04 A 5= 1.89856e-04 A 7= 2.16124e-06 A 9= 3.46428e-09

第16面
K =-5.78503e-01 A 4=-8.35374e-04 A 6=-8.61317e-06 A 8=-2.43644e-08
A10=-5.39681e-12
A 3= 6.50288e-04 A 5= 9.88435e-05 A 7= 5.66400e-07 A 9= 5.68901e-10

焦点距離 24.50
Fナンバー 2.88
半画角(°) 41.45
像高 21.64
レンズ全長 47.90
BF 11.28

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -15.00
2 3 18.97
3 6 12.65
4 8 20.29
5 9 -9.41
6 11 -1000.00
7 13 134.24
8 15 92.69

[数値実施例4]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 14.120 1.50 1.72825 28.5 17.88
2 12.036 4.92 1.80400 46.5 16.78
3 39.963 1.12 15.23
4* 11.035 1.33 1.68040 18.1 13.34
5* 7.194 3.74 11.62
6(絞り) ∞ 3.55 10.86
7 -22.824 1.45 1.80400 46.5 9.55
8 -18.868 0.84 10.65
9* -23.270 3.35 1.68040 18.1 11.06
10* -47.108 1.00 15.04
11* -9.509 3.17 1.53110 56.0 16.10
12* -8.011 0.20 17.13
13* 11.951 2.92 1.61550 25.8 21.03
14* 12.696 (可変) 22.14
像面 ∞

非球面データ
第4面
K =-2.68850e+00 A 4=-1.04742e-04 A 6= 5.62415e-07 A 8=-4.65789e-08
A10= 2.52007e-09 A12=-5.22231e-11 A14= 3.79457e-13

第5面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.81826e-04 A 6=-2.05447e-06 A 8=-4.94086e-08
A10= 1.93962e-09 A12=-6.95594e-11

第9面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.55340e-04 A 6=-4.28696e-06 A 8= 3.05739e-08
A10=-4.04397e-09 A12= 3.30442e-11

第10面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.30569e-04 A 6= 3.47076e-06 A 8=-7.93640e-08
A10= 1.63383e-09 A12=-1.90372e-11 A14= 7.68428e-14

第11面
K = 0.00000e+00 A 4= 5.25524e-04 A 6=-7.46425e-06 A 8= 3.18527e-07
A10=-4.06261e-09 A12= 1.74226e-11 A14= 2.64968e-14

第12面
K =-7.76547e-01 A 4= 1.31469e-04 A 6= 1.25454e-06 A 8=-2.88332e-08
A10= 7.18099e-10 A12=-5.93048e-12 A14= 1.52782e-14

第13面
K = 0.00000e+00 A 4=-5.76433e-04 A 6= 8.17828e-06 A 8=-1.15678e-07
A10= 9.44995e-10 A12=-4.20503e-12 A14= 5.71111e-15

第14面
K = 0.00000e+00 A 4=-6.44620e-04 A 6= 9.84059e-06 A 8=-1.34057e-07
A10= 1.11603e-09 A12=-5.29814e-12 A14= 9.97952e-15

焦点距離 33.08
Fナンバー 1.85
半画角(°) 22.44
像高 13.66
レンズ全長 41.00
BF 11.91

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -160.68
2 2 19.86
3 4 -35.31
4 7 116.37
5 9 -71.66
6 11 55.21
7 13 132.76

各数値実施例における種々の値を、以下の表1にまとめて示す。
【0063】
【表1】
【0064】
[撮像装置]
次に、本発明の光学系L0を撮像光学系として用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)10の実施例について、図9を用いて説明する。図9において、13はカメラ本体、11は実施例1乃至4で説明したいずれかの光学系L0によって構成された撮影光学系である。12はカメラ本体13に内蔵され、撮影光学系11によって形成された光学像を受光して光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。カメラ本体13はクイックターンミラーを有する所謂一眼レフカメラでも良いし、クイックターンミラーを有さない所謂ミラーレスカメラでも良い。
【0065】
このように本発明の光学系L0をデジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することにより、レンズが小型である撮像装置を得ることができる。
【0066】
上記各実施例の開示は、以下の構成を含む。
【0067】
(構成1)
物体側から像側へ順に配置された、前群、開口絞り、全体として正の屈折力の後群からなる光学系であって、
前記前群は、最も物体側に配置された負の屈折力の第1レンズを含み、
前記後群は、最も像側に配置された正の屈折力の最終レンズを含み、
前記光学系は、前記第1レンズと前記最終レンズの間に配置された、4枚以上のレンズを有し、
前記最終レンズの光軸近傍のレンズ面は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状であり、
前記光学系の焦点距離をf、前記光学系の半画角をω(°)、前記光学系のバックフォーカスをsk、前記光学系において最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離に前記バックフォーカスを加えた長さをTTL、前記光学系に含まれる全ての正レンズの材料のd線における屈折率の平均値をPNdaveとするとき、
0.1<TTL/(f×tanω)<4.0
1.50<PNdave<2.00
0.2<sk/TTL<1.0
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
(構成2)
前記前群の焦点距離をfa、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.0<|f/fa|<1.0
なる条件式を満足することを特徴とする構成1に記載の光学系。
(構成3)
前記最終レンズの焦点距離をfpとするとき、
0.6<fp/f<6.0
なる条件式を満足することを特徴とする構成1または2に記載の光学系。
(構成4)
0.1<sk/f<1.0
なる条件式を満足することを特徴とする構成1から3の何れかに記載の光学系。
(構成5)
前記開口絞りから像面までの光軸上の距離をSPIPとするとき、
0.5<SPIP/TTL<1.0
なる条件式を満足することを特徴とする構成1から4の何れかに記載の光学系。
(構成6)
前記最終レンズの物体側のレンズ面の近軸曲率半径をR1、前記最終レンズの像側のレンズ面の近軸曲率半径をR2とするとき、
1.0<(R1+R2)/(R2-R1)<50.0
なる条件式を満足することを特徴とする構成1から5の何れかに記載の光学系。
(構成7)
前記最終レンズは、プラスチックから形成されていることを特徴とする構成1から6の何れかに記載の光学系。
(構成8)
前記最終レンズは、単レンズであることを特徴とする構成1から7の何れかに記載の光学系。
(構成9)
前記最終レンズの像側のレンズ面は、中心部に比べて周辺部で正の屈折力が強くなる非球面であることを特徴とする構成1から8の何れかに記載の光学系。
(構成10)
前記最終レンズの像側のレンズ面は、周辺部に変曲点を有することを特徴とする構成1から9の何れかに記載の光学系。
(構成11)
前記最終レンズのd線における屈折率をNdp、前記最終レンズのd線におけるアッベ数をνdpとするとき、
1.450<Ndp<5.000/νdp+1.550
なる条件式を満足することを特徴とする1から10の何れかに記載の光学系。
(構成12)
前記前群の焦点距離をfa、前記後群の焦点距離をfbとするとき、
0.0<|fb/fa|<2.0
なる条件式を満足することを特徴とする構成1から11の何れかに記載の光学系。
(構成13)
前記前群は、正の屈折力の第1正レンズを含み、
前記第1正レンズのd線における屈折率をNdapとするとき、
1.60<Ndap<2.00
なる条件式を満足することを特徴とする構成1から12の何れかに記載の光学系。
(構成14)
前記後群は、正の屈折力の第2正レンズを含み、
前記第2正レンズのd線における屈折率をNdbpとするとき、
1.60<Ndbp<2.00
なる条件式を満足することを特徴とする構成1から13の何れかに記載の光学系。
(構成15)
前記後群は、負の屈折力の第1負レンズを含み、
前記第1負レンズのd線における屈折率をNdbnとするとき、
0.0<Ndbp-Ndbn<0.4
なる条件式を満足することを特徴とする構成14に記載の光学系。
(構成16)
前記後群は、正の屈折力の第3正レンズを含み、
前記第3正レンズのd線における屈折率をNdbp2、前記第3正レンズのd線におけるアッベ数をνdp2とするとき、
1.450<Ndbp2<5.000/νdp2+1.550
なる条件式を満足することを特徴とする構成14または15に記載の光学系。
(構成17)
構成1から16の何れかに記載の光学系と、該光学系によって形成される像を受光する撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
【0068】
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0069】
L0 光学系
La 前群
SP 開口絞り
Lb 後群
L1 第1レンズ
Lp 最終レンズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9