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特開2024-82198取引システム、取引方法及び取引プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082198
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】取引システム、取引方法及び取引プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/38 20120101AFI20240612BHJP
【FI】
G06Q20/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022206050
(22)【出願日】2022-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】522319000
【氏名又は名称】葉 立三
(72)【発明者】
【氏名】五味淵 民江
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA71
5L055AA71
(57)【要約】
【課題】デジタルアセットに関連付けられている権利の取引をすることができる。
【解決手段】
ノンファンジブルトークンを特定する特定部と、ノンファンジブルトークンに関連付け可能な権利または/及びイベントの取引を行うことができる取引処理部と、取引処理部より取引した権利または/及びイベントをノンファンジブルトークンに関連付けを行うことができる移転処理部と、を備えることを特徴とする取引システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノンファンジブルトークンを特定する特定部と、
前記ノンファンジブルトークンに関連付け可能な前記権利または/及び前記イベントの取引を行うことができる取引処理部と、
前記取引処理部より取引した権利または/及びイベントを前記ノンファンジブルトークンに関連付けを行うことができる移転処理部と、
を備えることを特徴とする取引システム。
【請求項2】
さらに、ノンファンジブルトークンに関連付けされている権利または/及び前記イベントを指定して販売登録を行うことができる販売登録部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の取引システム。
【請求項3】
前記販売登録部は、さらに、ノンファンジブルトークンに関連付けされている権利または/及びイベントを指定して取引可能な権利または/及びイベントを設定することができ、
前記販売登録部は、ユーザによる販売登録のリクエストを受けると、設定された前記取引可能な権利または/及びイベントに基づいて、前記ユーザが指定するノンファンジブルトークンに関連付けされている権利または/及びイベントの販売登録する補助を行うことを特徴とする請求項2に記載の取引システム。
【請求項4】
前記イベントは、コンテンツであることを特徴とする請求項1又は2に記載の取引システム。
【請求項5】
前記イベントは、プログラムであることを特徴とする請求項1または2に記載の取引システム。
【請求項6】
ノンファンジブルトークンを特定するステップと、
前記ノンファンジブルトークンに関連付け可能な前記権利または/及び前記イベントの取引を行うステップと、
前記取引処理部より取引した権利または/及びイベントを前記ノンファンジブルトークンに関連付けを行うステップと、
を備えることを特徴とする取引方法。
【請求項7】
ノンファンジブルトークンを特定するステップと、
前記ノンファンジブルトークンに関連付け可能な前記権利または/及び前記イベントの取引を行うステップと、
前記取引処理部より取引した権利または/及びイベントを前記ノンファンジブルトークンに関連付けを行うステップと、
を備えることを特徴とする取引プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引システム、取引方法及び取引プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザ間でコンテンツの再生する権利を交換することのできるコンテンツ再生システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-90222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されている技術は、ユーザ間でデジタルアセット関連付けられている権利の一部または全部の権利の取引をするものではない。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、デジタルアセットに関連付けられている権利の取引を可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
また、上記した目的を達成するために、本発明に取引システムは、ノンファンジブルトークンを特定する特定部と、前記ノンファンジブルトークンに関連付け可能な前記権利または/及び前記イベントの取引を行うことができる取引処理部と、前記取引処理部より取引した権利または/及びイベントを前記ノンファンジブルトークンに関連付けを行うことができる移転処理部と、を備える。
【0007】
また、上記取引システムは、さらに、ノンファンジブルトークンに関連付けされている権利または/及び前記イベントを指定して販売登録を行うことができる販売登録部と、備えてもよい。
【0008】
また、前記販売登録部は、さらに、ノンファンジブルトークンに関連付けされている権利または/及びイベントを指定して取引可能な権利または/及びイベントを設定することができ、前記販売登録部は、ユーザによる販売登録のリクエストを受けると、設定された前記取引可能な権利または/及びイベントに基づいて、前記ユーザが指定するノンファンジブルトークンに関連付けされている権利または/及びイベントの販売登録する補助を行ってもよい。
【0009】
また、前記イベントは、コンテンツであってもよい。
【0010】
また、前記イベントは、プログラムであってもよい。
【0011】
また、上記した目的を達成するために、本発明に関わる取引方法は、ノンファンジブルトークンを特定するステップと、前記ノンファンジブルトークンに関連付け可能な前記権利または/及び前記イベントの取引を行うステップと、前記取引処理部より取引した権利または/及びイベントを前記ノンファンジブルトークンに関連付けを行うステップと、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、デジタルアセットに関連付けられている権利の取引をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施形態に係る取引システムの全体構成例を示す図である。
図2】第1実施形態におけるサーバ装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】第1実施形態におけるサーバ装置のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】第1実施形態におけるユーザが追加権利等を購入する際の動作を説明する図である。
図5】第2実施形態におけるサーバ装置のソフトウェア構成例を示す図である。
図6】第2実施形態におけるNFTに関連付けされている権利やイベント等の販売登録する動作を説明する図である。
図7】第2実施形態におけるユーザが指定するNFTの権利やイベント等の購入する動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明における第1の実施形態を図面に基づき説明する。
【0015】
図1は、本発明における第1の実施形態に係る取引システム1の全体構成例を示す図である。第1の実施形態の取引システム1は、少なくともサーバ装置2、ユーザ端末3、ブロックチェーンネットワーク4と、を含んで構成されており、それぞれ通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。通信ネットワークは、例えば、インターネット、公衆電話回線網、携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0016】
ブロックチェーンネットワーク4は、複数のノード(コンピュータ)により構成されており、例えば、台帳データをブロックチェーンの仕組みにより分散して管理することで改ざん困難に管理される。ブロックチェーンによる管理の仕組みについては一般的なものを採用するものとしてここでは詳細な説明を省略する。ブロックチェーンネットワーク4は、例えば、イーサリアムなどにより構築することができる。
【0017】
イーサリアムなどのブロックチェーンネットワークは、ファンジブルトークンや、ノンファンジブルトークン(非代替性トークン;Non-Fungible Token:NFT)等のトークンを発行することができる。NFTは、ファンジブルトークンとは異なり、代替性を有さないトークンである。代替性を有さないトークンは、他のトークンとは価値が異なることがあり、また、他のNFTと区別される独自の価値を有することがある。このため、NFTは、他のNFTと区別可能とする固有の識別子(NFT―ID)を有する。
【0018】
NFTは、ブロックチェーンネットワーク上において取引可能である。NFTの取引履歴は、ブロックチェーンネットワーク上において記録されるので、ブロックチェーンネットワークでは、NFTの所有者及び所有者履歴も記録される。
【0019】
NFTは、例えば、Ethereum Request for Comments(ERC)721規格に従って発行されたトークンである。ERC721規格に準拠したNFTをNFT―21トークンと呼ぶ。本発明では、一例として、NFTは、NFT―721トークンであるものとして説明する。なお、ブロックチェーンネットワークは、イーサリアムに限らず、例えば、Polygon、Polkadotなど他のブロックチェーンネットワークでも良く、また、本発明におけるNFTは、各々のブロックチェーンネットワークにより発行されでもよい。
【0020】
NFTは、ファンジブルトークンと同様に、ブロックチェーンネットワーク上で取引可能である。
【0021】
取引システム1は、デジタルアセット権利の取引を可能とするものである。例えば、デジタルアセットに関連付けが可能な権利を新たに購入したり、他のユーザが所有するデジタルアセットに関連付けされている権利等を購入したりすることできるものである。また、本発明におけるデジタルアセットは、NFTとするが、これに限らずファンジブルトークンであってもよい。
【0022】
サーバ装置2は、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーションのような汎用コンピュータとしてもよいし、携帯電話やスマートフォン等の電子端末でも良いし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0023】
ユーザ端末3は、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーションのような汎用コンピュータとしてもよいし、携帯電話やスマートフォン等の電子端末でも良いし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0024】
図2は、サーバ装置2のハードウェア構成例を示す図である。サーバ装置2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信装置204、入力装置205、出力装置206と、を含んで備えている。記憶装置203は、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどであり、各種のデータやプログラムを記憶することができる。通信装置204は、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどであり、通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。入力装置205は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどであり、様々なデータを入力するすることができる。出力装置206は、例えば、ディスプレイやプリンタ、スピーカなどであり、データを出力することができる。なお、後述するサーバ装置2の各機能部は、CPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現されることができる。また、サーバ装置2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現されることができる。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。
【0025】
図3は、サーバ装置2のソフトウェアの構成例を示す図である。サーバ装置2は、取引処理部211、特定部218、移転処理部212、アセット情報記憶部213、権利情報記憶部214、イベント記憶部215、商品記憶部216と、を含んで備える。
【0026】
アセット情報記憶部213は、NFTに関する情報(NFT情報)を含んで記憶する機能を有している。NFT情報は、例えば、インデックスデータであり、トークンID等NFTを特定するための情報(NFT特定情報)、NFTが所属するグループの特定情報(NFTグループ特定情報)、NFTを発行する業者を特定するための情報(発行業者特定情報)、保有者アドレス等の保有者や所有者(保有者等)を特定するための情報(保有者等特定情報)、メタデータの場所を特定するための情報(トークンURI)などが含まれ得る。アセット情報記憶部213は、ブロックチェーンネットワーク4にて管理されてもよいし、サーバ装置2以外のサーバ装置やIPFS(Inter Planetary File System)上で管理されてもよい。
【0027】
権利情報記憶部214は、NFT特定情報と、NFTに関連付されている権利や規定(NFT関連権利等)(例えば、メタデータ等)、含んで記憶する機能を有している。NFT関連権利等は、例えば、NFTの保有者等に与えられている権利であってもよいし、NFTに関連する業者が有する権利であってもよい。保有者等に与えられる権利は、例えば、業者とユーザが契約を結んだ事により生じる権利であってもよく、例えば、優遇される権利(優遇権)、営利や非営利を目的として利用できる権利(利用権)等を含むことができる。優遇権は、業者から取引やサービスの優遇を受けられる権利であり、例えば、業者と取引する際に、NFT保有者等は、有利な取引条件で取引できる権利や保有者等特典を得られる権利等が含まれる。また、保有者等は、特定の行事等を優先的に参加できる権利などが含めることができる。利用権は、例えば、NFTに関連付けられる商品やサービス等を予めに定めた規定の範囲内において利用できる権利等が含まれ得る。また、NFTに関連付けされている権利は、単独であってもよいし、複数あってもよい。複数の場合、それぞれの権利が独立してNFTに関連付けられてもよいし、関係性のある複数の権利を束にして(例えば、複数の権利を一つのメタデータでもよいし、メタデータ同士が関連付けされてもよい)にしてもよい。なお、NFTに関連付けされている権利は、優遇権、利用権以外の権利(例えば会員権等)があってもよく、特に限定する必要がない。
【0028】
また、NFTに関連付けされている規定としては、NFT保有者等に対し、利益を与える規定でも良いし、不利益を与える規定であっても良い。不利益な規定として、例えば、利用制限、時間制限等が含まれ得る。
【0029】
また、権利情報記憶部214は、NFTに紐づけられているイベントに関連する情報(イベント関連情報)を含んで記憶する機能を含むことができる。イベント関連情報は、例えば、イベントを特定する情報(例:イベントID)、イベントにアクセスするための情報(例:イベントURI等)、イベントに関する説明等が含まれ得る。イベントは、例えば、コンテンツであってもよい。例えば、イベントURIを経て、NFTに紐づけられているコンテンツにアクセスして、コンテンツを利用してもよい。この場合、権利情報記憶部214は、NFTに紐づけられているコンテンツを規定範囲内において利用する権利をも含むことができる。例えば、複製権等著作権や著作隣接権に関連する権利や、商品化権等契約により生じる権利を含む。
【0030】
また、イベントは、コンテンツに限らず、プログラム、アプリケーションやウェブサイト(プログラム等)等であっても良い。その際、権利情報記憶部214は、プログラム等を起動させるためのトリガー(イベント起動トリガー)を記憶することができる。イベント起動トリガーは、例えば、メタデータや起動キー等を含むことができ、プログラム等がトリガーの読み取りや認証等することで、機能を発揮ことができる。例えば、会員制度を有するECサイトに応用することが可能である。例えば、ユーザは会員を示すNFTを所有しており、NFTには会員権が関連付けされている状態とする。そこで、ユーザ端末3またはサーバ装置2は、NFTのイベントURIを経てECサイトにアクセスすると、ECサイトは、ユーザが所有するNFT及び会員権の認証を行う。認証を終えると、ECサイトは、ユーザに会員限定の販売商品を提供する機能を起動することができる。そして、イベントは、間接的なイベント起動トリガーであってもよい。例えば、NFTには会員限定商品を購入できる権利が関連付けされているが、会員限定商品の購入のみならず、さらに値引されてもよい。
【0031】
また、イベントは、コンテンツや、プログラム等を組み合わせてもい。例えば、動画コンテンツを動画再生プログラムにて再生する等を含むことができる。なお、権利情報記憶部214は、サーバ装置2で管理されても良いし、サーバ装置2と異なるサーバ装置やIPFS、ブロックチェーンネットワーク4で管理されてもよい。また、アセット情報記憶部213と同じブロックチェーンネットワークで管理されてもよいし、異なるブロックチェーンネットワークで管理されてもよい。
【0032】
イベント記憶部215は、NFTに紐づけられているイベントを記憶する機能を含んでいる。イベントは、例えば、コンテンツであってもよい。コンテンツは、例えば、静止画、動画などの画像コンテンツや、音声コンテンツ、文章コンテンツ、であってもよく、コンテンツの用途は、広告、ゲーム、教育等あらゆる用途に使用されてもよい。また、コンテンツは、商品に関するコンテンツ(商品コンテンツ)であってもよい。商品コンテンツは、商品や業者に直接的、間接的に関係するコンテンツ(例、商品の画像、音楽など)でもよいし、商品に関係なく指定されたコンテンツ(例、指定されたアニメキャラクタなど)であってもよい。ユーザは、イベントURIを経てNFTに対応付けされているイベントにアクセスすることができる。
【0033】
また、イベントは、コンテンツ以外にも何らか機能を発揮するプログラム、アプリケーションやウェブサイト(プログラム等)であってもよい。
【0034】
また、イベント記憶部215は、サーバ装置2で管理されてもよいし、サーバ装置2と異なるサーバ装置やIPFS、ブロックチェーンネットワークで管理されてもよい。また、アセット情報記憶部213と同じブロックチェーンネットワークで管理されてもよいし、異なるブロックチェーンネットワークで管理されてもよい。
【0035】
商品記憶部216は、NFTに関連付けが可能な権利(追加権利)やイベント(追加イベント)、追加権利や追加イベントに対応可能であるNFT情報、追加権利または追加イベントの対価情報を含んで記憶する事ができる。追加権利等は、例えば、NFTに新しい所有権、利用権、優遇権等の権利(例えば、メタデータ等)を含み得る。追加権利は、NFTに関連付けされると、NFT関連権利等になり得る。追加イベントは、イベント及び/またはイベントにアクセスするイベントURIを含むことができる。追加イベントは、コンテンツであってもよいし、プログラム等であってもよい。または、これらの組み合わせでもよい。商品記憶部216は、追加権利や追加イベントをそれぞれ独立して記憶してもよいし、例えば、追加イベントそれに関連し得る追加権利を束として記憶してもよい。
【0036】
また、商品記憶部216は、NFTに対応づけされている規定に対して、変更、無効化、または関連付けの解除(例:削除等)のプログラムを記憶することができる。
【0037】
取引処理部211は、ユーザとNFTに関連付け得る権利やイベント等の取引を行う機能を有している。取引処理部211は、ユーザのリクエストに応じて取引を行うことができる。リクエストには、例えば、ユーザ特定情報や指定したNFTのNFT情報等が含まれ得る。取引処理部211は、リクエストに含まれるNFT情報に基づいて商品記憶部216から指定されたNFTに関連付け可能な権利やイベントを読み取り、ユーザに提示することができる。ユーザは、提示された追加権利や追加イベントを指定して購入することができる。また、取引処理部211は、決済する機能を含み得る。例えば、取引処理部211は、仮想通貨や法定通貨等により取引することができる。また、取引処理部は、後述する特定部218が少なくともNFTを特定し、追加権利や追加イベントに対応するNFTであると確認できたことにより取引を進めることができる。また、取引処理部は、特定部218が、NFTを特定できなかった場合は、取引をキャンセルすることができる。なお、ユーザは、追加権利と追加イベントを独立して購買してもよいし、追加イベントと追加イベントに関連し得る追加権利を束として購買してもよい。また、取引処理部211は、権利やイベントの購買に限らず、レンタルしてもよい。また、取引処理部211は、ユーザのリクエストによりNFT関連権利等の一部または全部を変更、無効化、または関連付けの解除(例:削除等)をすることができる。
【0038】
特定部218は、ユーザの認証やNFTの特定する機能を含んで備えている。ユーザの認証は、ユーザのウォレット、NFT情報に基づいて、ユーザ認証してもよいし、身分を証明する身分証明書等を用いて認証してもよい。また、複数組み合わせて認証してもよい。また、特定部218は、追加権利や追加イベント等の取引前後や最中にユーザ認証することもできる。NFTの特定には、NFT情報の一部または全部を取得することにより特定することができる。また、NFTの特定は、NFT自体(例:トークンID)を特定してもいし、NFTが所属するグループやNFTを発行うる業者等の特定であってもよい。また、特定部218は、NFTを特定すると、商品記憶部216に含まれるNFT情報と照会し、追加権利や追加イベントに対応するNFTであると確認することができる。特定部218は、特定したNFTが対応するNFTであると確認すると、取引処理部211にその旨を送信することができる
【0039】
移転処理部212は、取引した追加権利、追加イベントをNFTに関連付けすることができる。例えば、移転処理部212は、ユーザによる対価の支払を確認すると、権利情報記憶部214にユーザが購入した追加権利等を付与して記憶させることができる。追加権利の付与方法として、例えば、追加権利の購買を示すトランザクションを発行してもよいし、追加権利を示すメタデータを追加してもよい。また、ユーザがイベントを購入した場合、移転処理部212は、購入したイベント及び/またはイベントURIをNFTに関連付けすることができる。例えば、取引処理部211は、イベント記憶部215に購入したイベントを記憶させることができる。また、併せてそのイベントに対応するイベントURIを権利情報記憶部214に記憶させることができる。例えば、追加イベントの購買を示すトランザクションを発行してもよいし、イベントURIを示すメタデータを追加してもよい。また、移転処理部212は、イベントURIのみを権利情報記憶部214に記憶させることができる。
【0040】
また、移転処理部212は、ユーザが追加権利や追加イベントをレンタルしている場合、所定の条件(利用制限や期限等)を達すると、NFTに関連付けたイベントや権利の対応付けを解除や抹消することができる。
【0041】
図4は、ユーザが追加権利等を購入する際の動作を説明する図である。
【0042】
ユーザは、NFTの追加権利等の購入リクエストを行う(S301)。サーバ装置2は、リクエストを受けて、NFTの特定を行う(S302)。特定後、サーバ装置2は、NFTに対応する追加権利及びイベント等を提示する(S303)。ユーザは、追加権利を購入し、対価を支払う(S304)。サーバ装置2は、NFTにユーザが購入した権利等の関連付けを行う(S305)。なお、NFTの特定は、ユーザが追加権利の購買を決定してから行ってもよい。
【0043】
以上のように、本実施形態の取引システム1によれば、デジタルアセットに関連付けられている権利の取引をすることができる。そうすることで、ユーザが所有するNFTに新たに権利や機能等を付与することができ、NFTの利用幅を広げることができる。
【0044】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0045】
上記実施形態では、ユーザは、NFTの権利販売業者等から権利等を購入していたが、これに限らず、ユーザ同士で権利等の売買を行ってもよい。詳細は、第2実施形態として説明する。
【0046】
図5は、第2実施形態におけるサーバ装置のソフトウェア構成例を示す図である。図に示すように、サーバ装置2’は、更に販売登録部217を備えることができる。
【0047】
販売登録部217は、NFT関連権利等を販売希望とするユーザ(第1のユーザ)が指定するNFTのNFT関連権利等やイベント等の販売登録する機能を含んで備える。例えば、販売登録部217は、NFTに関連付けされている権利等を関連付けして販売登録をすることができる。例えば、販売登録部217は、第1のユーザから受けた販売を希望とする権利やイベント等のリクエストを受け付けて、リクエストに含まれる、例えば、NFT情報やトークURI等に基づいて、NFTとNFTに関連付けされている権利やイベント等の特定を行うことができる。また、権利の特定は、例えば、販売登録部217は、トークンURIに基づいて権利情報記憶部214へアクセスして、NFTに関連付けされている権利等を特定することができる。イベント等の特定は、イベントURIに基づいてイベント等を特定することができる。そして、販売登録部217は、特定した権利やイベント等を第1のユーザに提示させることができ、第1のユーザは、販売したい権利やイベント等を選択することで販売登録をすることができる(販売登録権利等)。この時、販売登録部217は、権利やイベント等とNFT情報の全部または一部とを関連付けて販売登録するすることができる。
【0048】
また、販売登録部217は、予めに取引可能な権利やイベント等を設定することができる。例えば、まず、取引可能なNFTを設定してすることができる。NFTの指定は、例えば、個別にNFT(例えば、NFT特定情報等に基づく等)を指定してもよいし、共通の属性を持つNFTを指定してもよい。共通の属性は、例えば、NFTに係る利害関係人であってもよく、例えばNFTに係る業者等を含むことができる。共通属性は、例えば、NFT情報に含まれているNFTグループ特定情報、発行業者特定情報、保有者等特定情報等であってもよい。
【0049】
次に、販売登録部217は、設定されたNFTに関連付けされている権利やイベント等から取引可能な権利(例えば、メタデータ等)やイベント等(例えば、イベントID、イベントURI、イベント等)として設定することができる(取引可能権利等)。また権利やイベント等を独立して設定してもよいし、権利やイベント等を関連付けして設定することもできる。本実施形態では、NFTを設定してから権利やイベント等を設定しているが、設定順これに限らず、任意の順番に設定してもよい。
【0050】
販売登録部217は、上述したように予めに取引可能権利等を設定することで、第1のユーザが権利やイベント等を販売登録する際に、設定された取引可能権利等に基づいて、権利やイベント等における事前の選定や登録の可否判断等の補助をすることができる。
【0051】
また、販売登録部217は、予めに取引可能権利等の取引対価を設定することができる。対価は定額として設定してもよいし、ダイナミックプライシングのように商品やサービスの需要に応じて価格を変動させるように設定してもよい。
【0052】
第2実施形態における取引処理部211は、さらに販売登録権利等を取引できる機能を含んで備えている。例えば、取引処理部211は、販売登録権利等を購入しようとするユーザ(第2のユーザ)からの取引リクエストを受信すると、少なくともリクエストに含まれるNFT情報に基づき、取引可能な権利やイベント等を第2のユーザに提示することができ、第2のユーザは、提示された権利やイベント等を購入することができる。
【0053】
また、取引処理部211は、決済する機能を含み得る。例えば、取引処理部211は、仮想通貨や法定通貨等により取引することができる。なお、ユーザは、権利とイベント等を独立して購買してもよいし、イベントに関連する権利を束として購買してもよい。また、取引処理部211は、権利やイベントの購買に限らず、レンタルしてもよい。
【0054】
第2実施形態における移転処理部212は、さらに、譲渡側のNFT(第1のNFT)に関連付けされた権利またはイベント等を譲受側のNFT(第2のNFT)の関連付けを行う(移転)機能を含む。例えば、移転処理部212は、第1のNFTに関連付けされており、販売した権利やイベント等(売却権利等)を第2のNFTに対して関連付けを行い、第1のNFTと売却権利等との関連付けを解除や無効化(解除等)することができる。例えば、移転処理部212は、権利情報記憶部214やイベント記憶部215において、第2のNFTに売却済権利等の関連付けを行い記憶させ、第1のNFTに関連付けされている売却済権利等を解除等して、上書きさせてもよいし、また、これに限らず、例えば、移転処理部212は、第1のNFTの売却権利等を第2のNFTに移転するトランザクションを発行してもよい。
【0055】
図6は、第2実施形態におけるNFTに関連付けされている権利やイベント等の販売登録する動作を説明する図である。
【0056】
ユーザは、販売登録のリクエストを行う(S401)。サーバ装置2は、リクエストを受けて、ユーザの認証とユーザが指定するNFTの特定を行う(S402)。サーバ装置2は、特定したNFTと取引可能権利等に基づいて販売登録することができる権利やベント等をユーザに提示する(S403)。ユーザは、販売登録する権利やイベント等を設定する(S404)。
【0057】
図7は、第2実施形態におけるユーザが指定するNFTの権利やイベント等の購入する動作を説明する図である。
【0058】
ユーザは、権利購買のリクエストを行う(S501)。サーバ装置2は、リクエストを受けて、ユーザの認証とユーザが指定するNFTの特定を行う(S502)。サーバ装置2は、特定したNFTに対応する販売登録権利等を提示する(S503)。ユーザは、販売登録権利等から権利やイベント等を選択して購入する(S504)。サーバ装置2は、譲渡側のNFTに関連付けされた権利またはイベント等を譲受側のNFTの移転を行う(S505)。
【0059】
以上のように、本実施形態の取引システム1では、NFTに関連する業者が、NFTに関連付けされている権利やイベント等を指定して販売可能と設定を行い、第1のユーザが、指定された範囲内で自身の所有するNFTに含まれる権利やイベント等を販売登録し、第2のユーザが販売登録されている権利やイベント等を購入することができる。
【0060】
そうすることで、ユーザ同士で、NFTに関連付ける権利やイベント等を必要に応じてカスタマイズすることができ、NFTの利用幅を広げることができる。
【0060】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0061】
例えば、上記実施形態では、サーバ装置2は、ユーザが所有するNFTを特定や認証してから、ユーザに販売登録権利等を提示するが、これに限らない。例えば、ユーザは所望のNFTにおける販売登録権利等の購入の意思を示してから(購入手続等)、ユーザが所有するNFTの特定や認証してもよい。
【符号の説明】
【0062】
001 取引システム
002 サーバ装置
003 ユーザ端末
004 ブロックチェーンネットワーク
211 取引処理部
212 移転処理部
213 アセット情報記憶部
214 権利情報記憶部
215 イベント記憶部
216 商品記憶部
217 販売登録部
218 特定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7