(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082200
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】量子フーリエ変換回路およびその形成方法
(51)【国際特許分類】
G06N 10/20 20220101AFI20240612BHJP
G06F 7/38 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
G06N10/20
G06F7/38 510
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212248
(22)【出願日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0169867
(32)【優先日】2022-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521056272
【氏名又は名称】ソウル市立大学産学協力団
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アン、ト ヨル
(57)【要約】
【課題】本発明はTカウント(count)及びT-深さ(depth)を低減させることのできる量子フーリエ変換回路及びそれの形成方法を提供する。
【解決手段】このような量子フーリエ変換回路形成方法は、標準nキュービット量子フーリエ変換回路において、偶数番目キュービットのアダマールゲート(H-gate)を他のキュービットと量子絡みのない最善の段階に移動させる段階、量子加算を用いて、Rzゲートが実行できる形態に量子回路を分解する段階、及びアンスイラ(ancilla)キュービットを使用してRzゲートレイヤーの数を減少させる段階を含む。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標準n(nは5以上の自然数)キュービット量子フーリエ変換回路において、偶数番目のキュービットのアダマールゲート(H-gate)を他のキュービットと量子絡みのない最善の段階に移動させる段階と、
量子加算を用いて、Rzゲートが実行できる形態に量子回路を分解する段階と、
アンスイラ(ancilla)キュービットを使用してRzゲートレイヤーの数を減少させる段階と、
を含む、量子フーリエ変換回路形成方法。
【請求項2】
量子加算を用いて、Rzゲートが実行できる形態に量子回路を分解する段階において、Rzゲートが実行できる形態に回路は、
第1段階において、
q0キュービットにアダマールゲートを適用し、
q1キュービットにRz(π/4)ゲートを適用し、
qkキュービットにRz(3π/2
k+1)ゲートを適用し(kは5以上n-1以下の自然数)、
第2段階において、
第1段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートのCNOTゲートを適用し、
第3段階において、
第2段階以後のq0キュービットにRz(-π/4)ゲートを適用し、
第4段階において、
第3段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用し、
第5段階において、
第4段階以後のq1キュービットにアダマールゲートを劇用し、
第6段階において、
第5段階以後のq0キュービットに基づいて、q1ないしq(n―1)キュービットにCNOTゲートを適用し、
第7段階において、
第6段階以後のq1ゲートにRz(-π/2
l+1)ゲートを適用し(lは5以上n-1以下の自然数)、
第8段階において、
第7段階以後のq0キュービットに基づいて、q1乃至q(n―1)キュービットにCNOTゲートを適用し、
第9段階において、
第8段階以後のq1キュービットに基づいて、q2乃至q(n―1)キュービットにCNOTゲートを適用し、
第10段階において、
第9段階以後のq1ゲートにRz(-π/2
l) ゲートを適用し(lは5以上n-1以下の自然数)、
第11段階において、
第10段階以後のq1キュービットに基づいて、q2乃至q(n―1)キュービットにCNOTゲートを適用し、
第12段階において、
第8段階以後のq0キュービットにRz(15π/32)ゲートを適用し、
第11段階以後のq1キュービットにRz(7π/16)ゲートを適用する量子回路であることを特徴とする、請求項1に記載の量子フーリエ変換回路形成方法。
(上記で、
で表現される。)
【請求項3】
アンスイラ(ancilla)キュービットを使用してRzにゲートレイヤーの数を減少させる段階を経た量子回路は、
第1段階において、
q0キュービットにアダマールゲートを適用し、
q1キュービットにRz(π/4)ゲートを適用し、
qkキュービットにRz(3π/2k+1)ゲートを適用し(kは5以上n-1以下の自然数)、
第2段階において、
第1段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用し、
第3段階において、
第2段階以後のq0キュービットにRz(-π/4)ゲートを適用し、
第4段階において、
第3段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用し、
第5段階において、
第4段階以後のq1キュービットにアダマールゲートを適用し、
第1段階以後のq4キュービットに基づいて、第3アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用し、
第6段階において
第1段階以後のq3キュービットに基づいて、第2アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用し、
第7段階において、
第1段階以後のq2キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用し、
第8段階において、
第5段階以後のq1キュービットに基づいて、第1乃至第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第9段階において、
第4段階以後のq0キュービットに基づいて、q2乃至q4キュービットにCNOTゲートを適用し、
第10段階において、
q2キュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、
q3キュービットにRz(-π/16)ゲートを適用し、
q4キュービットにRz(-π/32)ゲートを適用し、
第1アンスイラキュービットにRz(-π/4)ゲートを適用し、
第2アンスイラキュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、
第3アンスイラキュービットにRz(-π/16)ゲートを適用し、
第11段階において、
q0キュービットに基づいて、q2,q3、q4キュービットにCNOTゲートを適用し、
第12段階では、
q1キュービットに基づいて、第1乃至第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第13段階において、
q2キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第14段階において、
q3キュービットに基づいて、第2アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第15段階において、
q4キュービットに基づいて、第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第16段階において、
q0キュービットにRz(15π/32)ゲートを適用し、
q1キュービットにRz(7π/16)ゲートを適用する量子回路であることを特徴とする、請求項2に記載の量子フーリエ変換回路形成方法。
【請求項4】
下記の各段階を遂行する量子フーリエ変換回路であって、
第1段階において、
q0キュービットにアダマールゲートを適用し、
q1キュービットにRz(π/4)ゲートを適用し、
qkキュービットにRz(3π/2
k+1)ゲートを適用し(kは5以上n-1以下の自然数)、
第2段階において、
第1段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用し、
第3段階において、
第2段階以後のq0キュービットにRz(-π/4)ゲートを適用し、
第4段階において、
第3段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用し、
第5段階において、
第4段階以後のq1キュービットにアダマールゲートを適用し、
第1段階以後のq4キュービットに基づいて、第3アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用し、
第6段階において
第1段階以後のq3キュービットに基づいて、第2アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用し、
第7段階において、
第1段階以後のq2キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用し、
第8段階において、
第5段階以後のq1キュービットに基づいて、第1乃至第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第9段階において、
第4段階以後のq0キュービットに基づいて、q2乃至q4キュービットにCNOTゲートを適用し、
第10段階において、
q2キュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、
q3キュービットにRz(-π/16)ゲートを適用し、
q4キュービットにRz(-π/32)ゲートを適用し、
第1アンスイラキュービットにRz(-π/4)ゲートを適用し、
第2アンスイラキュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、
第3アンスイラキュービットにRz(-π/16)ゲートを適用し、
第11段階において、
q0キュービットに基づいて、q2,q3、q4キュービットにCNOTゲートを適用し、
第12段階では、
q1キュービットに基づいて、第1乃至第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第13段階において、
q2キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第14段階において、
q3キュービットに基づいて、第2アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第15段階において、
q4キュービットに基づいて、第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第16段階において、
q2キュービットにアダマールゲートを適用し、
第17段階において、
q3キュービットに基づいて、q2キュービットにCNOTゲートを適用し、
第18段階において、
q2キュービットにRz(-π/4)CNOTゲートを適用し、
第19段階において、
q3キュービットに基づいて、q2キュービットにCNOTゲートを適用し、
第20段階において、
q3キュービットにアダマールゲートを適用し、
第21段階において、
q4キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第22段階において、
q3キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第23段階において、
q2キュービットに基づいて、q4キュービットにCNOTゲートを適用し、
第24段階において、
q4キュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、
第1アンスイラキュービットにRz(-π/4)ゲートを適用し、
第25段階において、
q2キュービットに基づいて、q4キュービットにCNOTゲートを適用し、
第26段階において、
q3キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第27段階において、
q4キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第28段階において、
q0キュービットにRz(15π/32)ゲートを適用し、
q1キュービットにRz(7π/16)ゲートを適用し、
q2キュービットにRz(3π/8)ゲートを適用し、
q3キュービットにRz(π/4)ゲートを適用し、
q4キュービットにアダマールゲートを適用し
第29段階において、
q1キュービットとq3キュービットをスワップし、
第30段階において、
q0キュービットとq4キュービットをスワップする段階を遂行するように構成されたnキュービット量子フーリエ変換回路(nは5以上の自然数)。
(上記で、
で表現される。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は量子コンピューティング回路に関わり、より詳細には量子フーリエ変換回路及びその形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
量子フーリエ変換(QFT:Quantum Fourier Transform)は数多い量子コンピューティング応用プログラムにおいて最も重要な量子演算の中の一つである。QFT構成の主要障害物は回路を構成するに必要な数多くの基本ゲートである。耐欠陥性具現に必要なこのようなリソースのうちT-カウント(count)及びT-深さ(depth)が主な内容である。現在精密度O(ε)に対するn-量子ビットQFTの最も知られた表現は、それぞれトフォリ(Toffoli)ゲート及び付加使用によって得られた8nlog2(n/ε)のT-カウントと2nlog2(n/ε)のT-深さを見せる。ここでは、最近本発明者が開発した一般量子回路最適化プロトコルである量子カルノー図(Quantum Karnaugh Map)を使用して最もよく知られた具現のT-カウントとT-深さを全部半分に減少させるQFTの新しい構成方式を提示する。それは、加算を適用する前にT-countの半分を加算する以前のトフォリ(Toffoli)ゲートが不必要になりRzレイヤーの数を減少させることを見せている。アマゾンバケット(Amazon Barket)を使用してIonQ装置において過半数ボート(vote)で正答を見せてくれるQFTのNISQ実験も遂行される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Scientific Reports |(2020)10:15651|“Quantum circuit optimization using quantum Karnaugh map”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明が解決しようとする課題はT-カウント及びT-深さを低減させることのできる、量子フーリエ変換回路形成方法を提供することである。
【0005】
また、本発明の解決しようとする他の課題は、T-カウント及びT-深さを低減させることのできる、量子フーリエ変換回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による量子フーリエ変換回路形成方法は、標準n(nは5以上の自然数)キュービット量子フーリエ変換回路において、偶数番目のキュービットのアダマールゲート(H-gate)を他のキュービットと量子絡みのない最善の段階に移動させる段階と、量子加算を用いて、Rzゲートが実行できる形態に分解する段階、及び、アンスイラキュービットを使用してRzゲートレイヤーの数を減少させる段階を含む。
【0007】
この際、量子加算を用いてRzゲートが実行できる形態に量子回路を分解する段階で、Rzゲートが実行できる回路は、下記の各段階を遂行するように構成される。
【0008】
具体的に、第1段階において、q0キュービットにアダマールゲートを適用し、q1キュービットにRz(π/4)ゲートを適用し、qkキュービットにRz(3π/2k+1)ゲートを適用する(kは5以上n-1以下の自然数)。
【0009】
第2段階においては、第1段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートのCNOTゲートを適用する。
【0010】
第3段階においては、第2段階以後のq0キュービットにRz(-π/4)ゲートを適用する。
【0011】
第4段階においては、第3段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用する。
【0012】
第5段階においては、第4段階以後のq1キュービットにアダマールゲートを適用する。
【0013】
第6段階においては、第5段階以後のq0キュービットに基づいて、q1乃至q(n―1)キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0014】
第7段階においては、第6段階以後のq1ゲートにRz(-π/2l+1)ゲートを適用する(lは5以上n-1以下の自然数)。
【0015】
第8段階においては、第7段階以後のq0キュービットに基づいて、q1乃至q(n―1)キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0016】
第9段階においては、第8段階以後のq1キュービットに基づいて、q2乃至q(n―1)キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0017】
第10段階においては、第9段階以後のq1ゲートにRz(-π/2l)ゲートを適用する(lは5以上n-1以下の自然数)。
【0018】
第11段階においては、第10段階以後のq1キュービットに基づいて、q2乃至q(n―1)キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0019】
第12段階においては、第8段階以後のq0キュービットにRz(15π/32)ゲートを適用し、第11段階以後のq1キュービットにRz(7π/16)ゲートを適用する。
【0020】
【0021】
また、アンスイラ(ancilla)キュービットを使用してRzゲートレイヤーの数を減少させる段階を経た量子回路は、下記の各段階を遂行するように構成されてもよい。
【0022】
具体的に、第1段階においては、q0キュービットにアダマールゲートを適用し、q1キュービットにRz(π/4)ゲートを適用し、qkキュービットにRz(3π/2k+1)ゲートを適用する(kは5以上n-1以下の自然数)。
【0023】
第2段階において、第1段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートのCNOTゲートを適用する。
【0024】
第3段階において、第2段階以後のq0キュービットにRz(-π/4)ゲートを適用する。
【0025】
第4段階において、第3段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用する。
【0026】
第5段階において、第4段階以後のq1キュービットにアダマールゲートを適用し、第1段階以後のq4キュービットに基づいて、第3アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用する。
【0027】
第6段階において、第1段階以後のq3キュービットに基づいて、第2アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用する。
【0028】
第7段階においては、第1段階以後のq2キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用する。
【0029】
第8段階においては、第5段階以後のq1キュービットに基づいて、第1乃至第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0030】
第9段階においては、第4段階以後のq0キュービットに基づいて、q2乃至q4キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0031】
第10段階においては、q2キュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、q3キュービットにRz(-π/16)ゲートを適用し、q4キュービットにRz(-π/32)ゲートを適用し、第1アンスイラキュービットにRz(-π/4)ゲートを適用し、第2アンスイラキュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、第3アンスイラキュービットにRz(-π/16)ゲートを適用する。
【0032】
第11段階においては、q0キュービットに基づいて、q2,q3、q4キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0033】
第12段階では、q1キュービットに基づいて、第1乃至第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0034】
第13段階においては、q2キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0035】
第14段階においては、q3キュービットに基づいて、第2アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0036】
第15段階においては、q4キュービットに基づいて、第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0037】
第16段階においては、q0キュービットにRz(15π/32)ゲートを適用し、q1キュービットにRz(7π/16)ゲートを適用する。
【0038】
本発明の例示的一実施例によるnキュービット量子フーリエ変換回路は、下記の各段階を遂行するすうりょうに構成される(nは5以上の自然数)。
【0039】
第1段階においては、q0キュービットにアダマールゲートを適用し、q1キュービットにRz(π/4)ゲートを適用し、qkキュービットにRz(3π/2k+1)ゲートを適用し(kは5以上n-1以下の自然数)、
【0040】
第2段階において、第1段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用する。
【0041】
第3段階において、第2段階以後のq0キュービットにRz(-π/4)ゲートを適用する。
【0042】
第4段階において、第3段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用する。
【0043】
第5段階において、第4段階以後のq1キュービットにアダマールゲートを適用し、第1段階以後のq4キュービットに基づいて、第3アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用する。
【0044】
第6段階において、第1段階以後のq3キュービットに基づいて、第2アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用する。
【0045】
第7段階においては、第1段階以後のq2キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用する。
【0046】
第8段階においては、第5段階以後のq1キュービットに基づいて、第1乃至第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0047】
第9段階においては、第4段階以後のq0キュービットに基づいて、q2乃至q4キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0048】
第10段階においては、q2キュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、q3キュービットにRz(-π/16)ゲートを適用し、q4キュービットにRz(-π/32)ゲートを適用し、第1アンスイラキュービットにRz(-π/4)ゲートを適用し、第2アンスイラキュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、第3アンスイラキュービットにRz(-π/16)ゲートを適用する。
【0049】
第11段階においては、q0キュービットに基づいて、q2,q3、q4キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0050】
第12段階では、q1キュービットに基づいて、第1乃至第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0051】
第13段階においては、q2キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0052】
第14段階においては、q3キュービットに基づいて、第2アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0053】
第15段階において、q4キュービットに基づいて、第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0054】
第16段階においては、q2キュービットにアダマールゲートを適用する。
【0055】
第17段階においては、q3キュービットに基づいて、q2キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0056】
第18段階においては、q2キュービットにRz(-π/4)ゲートを適用する。
【0057】
第19段階において、q3キュービットに基づいて、q2キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0058】
第20段階においては、q3キュービットにアダマールゲートを適用する。
【0059】
第21段階においては、q4キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0060】
第22段階においては、q3キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0061】
第23段階においては、q2キュービットに基づいて、q4キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0062】
第24段階においては、q4キュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、第1アンスイラキュービットにRz(-π/4)ゲートを適用する。
【0063】
第25段階においては、q2キュービットに基づいて、q4キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0064】
第26段階においては、q3キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0065】
第27段階においては、q4キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0066】
第28段階においては、q0キュービットにRz(15π/32)ゲートを適用し、q1キュービットにRz(7π/16)ゲートを適用し、q2キュービットにRz(3π/8)ゲートを適用し、q3キュービットにRz(π/4)ゲートを適用し、q4キュービットにアダマールゲートを適用する。
【0067】
第29段階においては、q1キュービットとq3キュービットをスワップする。
【0068】
第30段階においては、q0キュービットとq4キュービットをスワップする。
【0069】
【発明の効果】
【0070】
このように本発明による量子フーリエ変換回路及びそれの形成方法によると、T-カウント及びT-深さを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【
図1】従来5キュービット量子フーリエ変換(QFT:Quantum Fourier Transformation)回路図である。
【
図2】
図1の標準QFT回路で偶数番目のHゲートを最大に左側に移動させた回路図である。
【
図4】
図3の回路を、量子加算を使用してRzゲートが実行できる形態に分解された回路である。
【
図5】
図4の回路において、初期に|0>状態であるアンスイラキュービットを使用することで、より少ない数のRzゲートレイヤーを有するように構成された回路である。
【
図9】本発明の実施例による分解された量子フーリエ変換QFT回路である。
【
図10】IonQ装置で量子位相推定(QPE)を具現した結果の例を示すグラフである。
【
図11】Falcon r5.11H processorを用いて7-キュービット量子コンピュータに対するCNOT個数を示すシミュレーション結果を示すグラフである。
【
図12】Falcon r4P processorを用いた16-キュービット量子コンピュータに対するCNOT個数を示すシミュレーション結果を示すグラフである。
【
図13】Falcon r5.11 processorを用いて27-キュービット量子コンピュータに対するCNOT個数を示すシミュレーション結果を示すグラフである。
【
図14】Eagle r1 processorを用いて27-キュービット量子コンピュータに対するCNOT個数を示すシミュレーション結果を示すグラフである。
【
図15】10乃至90キュービット量子コンピュータに対するCNOT個数を示したシミュレーション結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0072】
本発明は多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することできる。ここでは、特定の実施形態を図面に例示し本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むこととして理解されるべきである。各図面を説明しながら類似した参照符号を類似した構成要素に対して使用した。添付された図面において、構造物の寸法は本発明の明確性を図るために実際より誇張して示してもよい。
【0073】
第1、第2などの用語は多用な構成要素を説明するのに使用されることがあるが、前記構成要素は前記用語によって限定解釈されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみとして使用される。例えば、本発明の権利範囲を外れることなく第1構成要素を第2構成要素ということができ、類似に第2構成要素も第1構成要素ということができる。
【0074】
本出願において使用した用語は単なる特定の実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に示さない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は明細書に記載された特徴、数字、ステップ、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを意味し、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないこととして理解されるべきである。また、AとBが「連結される」という意味はAとBが直接的に連結されるか結合する他に他の構成要素CがAとBとの間に含まれてAとBが連結されるか結合されることを含んでいてもよい。
【0075】
他のように定義されない限り、技術的や科学的な用語を含んでここで使用される全ての用語は本発明が属する分野で通帳の知識を有したものによって一般的に理解されるのと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているのと同じ用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有することとして解釈されるべきであり、本出願で明白に定義されない限り、理想的か過度に形式的な意味で解釈されない。また、方法説明に対する特許請求範囲で、各段階が明白に順序に離れることなく、各段階はその順序が互いに変わってもよい。
【0076】
また、各実施形態によって個別気に説明された構成は、他の実施形態によって適用されてもよい。
【0077】
量子フーリエ変換QFTは量子アルゴリズムの最も多才多能の構成要素であるだろう。QFTはショア(Shor)の因数分解アルゴリズム、モンテカルロ(MonteCarlo)シミュレーションのための量子振幅推定、などの線形システムを解くための偏微分方程式解き、保安などの量子アルゴリズムの核心要素である。従って、QFTの費用を減少することは多くの量子アルゴリズムの効率性のための重要な作業になるだろう。
【0078】
QFTを含む大部分の量子アルゴリズムは量子回路図で具現される。実用的なアルゴリズムを遂行するためには量子回路が汎用量子ゲートだけではなく耐欠陥性量子ゲートによって具現されることを望ましい。クリフォート(Clifford)ゲートは低い費用で、耐欠陥性(fault-tolerant)で具現されるが普遍的でない。従って、量子回路を普遍性及び耐欠陥性で作るためにはクリフォートゲートの他に非クリフォート(Non-Clifford)ゲートも必要である。非クリフォートゲートのうちTケート(下記の数式1参照)は一般的に普遍性のために選択される。
【0079】
その結果、クリフォート+Tゲートセットを標準基礎ゲートセットで使用した。Tゲートの場合、クリフォートゲートの場合と異なって耐欠陥性及びトランスバーサル(transversal)な方法で具現することが不可能である。Tゲートの耐欠陥性を具現しようとすると状態蒸留(state distillation)のような比較的高価の方法が必要である。それを考慮するときクリフォート+Tゲートセットを用いた耐欠陥性量子コンピューティングの場合、Tゲートの数(T-カウント)とTゲートの深さが量子回路の重要費用と見なされる。
【0080】
【0081】
標準n-キュービットQFT回路はn個のアダマール(H)ゲート、n(n―1)/2個の制御位相(C(Rn))ゲート、及び(n/2)個のスワップゲートで構成される(数式2参照及び
図1a参照)。
【0082】
【0083】
スワップゲートは3個のCNOT(Controlled-Not)ゲートを使用して合成することができる。C(Rn)ゲートの場合、以前の研究でそれを分解するために多く提案された方法ある。一般的にC(Rn)ゲートの完全な構成にはRnゲート(グローバル位相までのRzゲートと同一)が必要である(数式3及び4参照)。
【0084】
【0085】
【0086】
一般的に、一般Rzゲートを標準基本ゲートセットで完全に分解することは不可能である。従って、一般的なRzゲート実行のために遂行されたアルゴリズムに必要な精密度までゲート合成が使用され精密度スペクトルノーム(spectral norm)で定義される。一般Rzゲートを精密度εに合成するためにRUS(repeat-until-success)回路を使用して知られた最も小さいT-カウントは~1.15log2(1/ε)である。
【0087】
量子加算(quantum addition)を使用するRzゲートを具現する他の方法がある。しかし、それは実際量子回路に適用するに多少難しい方法である。この方法を使用するためにはRzゲートが一つの深さでレイヤリングされ、レイヤーでRzゲートの回転角度が全部π/2k形態であるか、全部-π/2k形態でなければならない。ここで、kは0から順次に増加する陰でない整数であり、中間に漏落があってはならない。このような条件で加算を用いてRzゲートを具現する方法は次のようである。nキュービット状態に作用する各Rzゲートが-π/2k形態の回転角度にあると、ここでkは0、1、2、...nである。そうすると、下記のように表現される量子状態|Ψ>を求めることができる。
【0088】
【0089】
万一、Rzゲートを具現しようとするキュービットの状態が計算基盤状態|x>であると、全体状態はテンソル積(tensor product)状態|x>|Ψ>である。|Ψ>に|x>を追加してプロセッサの結果状態を次の形式で示すことができる。
【0090】
【0091】
従って、加算後の状態はe-2πix/2^n )|x>|Ψ>状態であり、これは、|x>|状態にRzゲートレイヤーを適用したときと同一の状態である。nキュービットの追加の場合、今まで最もよく知られた結果は~2n個のT-深さと共に~4個のT-カウントが必要である。この過程でRzゲート合成が要らないように見られるが実際はそうではない。|x>状態を準備するためにゲート合成が必要であるである。しかし、前記のように|x>状態は加算過程で保存されて再使用が可能である。従って、加算の可能な条件を満たすRzゲートの同一なレイヤーが複数個ある場合、加算を使用する方法がゲート合成より効率的である。
【0092】
AQFT(近似量子フーリエ変換)は角度の小さい一部C(Rn)ゲートを削除してQFTを近似化する。AQFTはショア(Shor)の因数分解アルゴリズムを含む量子アルゴリズムを具現するに十分に有用するからQFTの実際具現のために研究された。AQFTを使用する精密度0(ε)に対するn-キュービットQFTに対して知られた最も小さいT―カウント及びT-深さは量子加算を使用してそれぞれ~8nlog2(n/ε)及び~2nlog2(n/ε)である。
【0093】
最近、著者のうち一人がQKM(quantum Karnaugh map)という効率的量子回路最適化プロトコルを提案した。本明細書では最もよく知られたT-カウント及びT-深さの結果半分にするQKM及び量子追加を使用してQFTの新しい具現を開示する。参照のAQFT回路は加算を適用する前にRzゲートレイヤーを構成するためにトフォリゲート(より正確には相対的位相トフォリゲート)、測定及び古典的で制御されるゲートを使用する。本発明のQFT回路でRzゲートレイヤーはQKMで得た量子回路アイデンティティを使用してトフォリゲート(Toffoli gate)なしに構成される。このような方法を使用して先行方法でT-カウントの役半分を占めるトフォリゲートを構成する費用を除去することができる。T-デプスの減少は順次に加算を並列に変更して同時に2個の加算を遂行することで行われる。このために、先行技術の結果を改善して得た新しい量子回路アイデンティティを使用した。結果的に~4nlog2(n/ε)のT-カウントと~nlog2(n/ε)のT-深さの費用で誤謬0(ε)のあるQFT回路を構成する。
【0094】
結果及び論議
【0095】
量子回路構成の構成として、例えば、5キュービットQFT回路を例えて説明する。
【0096】
まず、
図1の標準QFT回路で偶数番目のHゲートを
図2のように最大に左側に移動させる。即ち、アダマールゲート(H-gate)を他のキュービットと量子絡みのない最善の段階に移動させる。その後、QFT回路は
図3のような形態の下位回路で構成される。
【0097】
図3の回路は量子加算を使用してRzゲートが実行できる形態である
図4の回路で分解できる。
【0098】
具体的に、
図4の量子回路は下記の各段階を遂行する。第1段階ではq0キュービットにアダマールゲートを適用し、q1キュービットにRz(π/4)ゲートを適用し、q2キュービットにRz(3π/8)ゲートを適用し、q3キュービットにRz(3π/16)ゲートを適用し、q4キュービットにRz(3π/32)ゲートを適用する。
【0099】
第2段階では、第1段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用する。
【0100】
第3段階では、第2段階以後のq0キュービットにRz(-π/4)ゲートを適用する。
【0101】
第4段階では、第3段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用する。
【0102】
第5段階では、第4段階以後のq1キュービットに基づいて、アダマールゲートを適用する。
【0103】
第6段階では、第5段階以後のq0キュービットに基づいて、q1乃至q4キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0104】
第7段階では、第6段階以後のq2ゲートにRz(-π/8)ゲートを適用し、第6段階以後のq3ゲートにRz(-π/16)ゲートを適用し、第6段階以後のq4キュービットにRz(-π/16)ゲートを適用する。
【0105】
第8段階では、第7段階以後のq0キュービットに基づいて、q1乃至q4キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0106】
第9段階では、第8段階以後のq1キュービットに基づいて、q2乃至q4キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0107】
第10段階では、第9段階以後のq2ゲートにRz(-π/4)ゲートを適用し、第9段階以後のq3ゲートにRz(-π/8)ゲートを適用し、第9段階以後のq4ゲートにRz(-π/16)ゲートを適用する。
【0108】
第11段階では、第10段階以後のq1キュービットに基づいて、q2乃至q4キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0109】
第12段階では、第8段階以後のq0キュービットにRz(15π/32)ゲートを適用し、第11段階以後のq1キュービットにRz(7π/16)ゲートを適用する。
【0110】
また、
図4の回路は、初期に|0>状態であるアンスイラ(ancilla)キュービットを使用することによって、より少ない数のRzゲートレイヤーを有する
図5の回路に代替でき、二つのRzゲートにレイヤーが並列的に遂行できる形態である。
【0111】
アンスイラ(ancilla)キュービットを使用してRzゲートレイヤーの数を減少させる段階を経た量子回路は、
図4に示されたように、下記の各段階を遂行するように構成されてもよい。
【0112】
具体的に第1段階では、q0キュービットにアダマールゲートを適用し、q1キュービットにRz(π/4)ゲートを適用し、q2キュービットにRz(3π/8)ゲートを適用し、q3キュービットにRz(3π/16)ゲートを適用し、q4キュービットにRz(3π/32)ゲートを適用する。
【0113】
第2段階では、第1段階以後のq1キュービットに基づいて。q0ゲートのCNOTゲートを適用する。
【0114】
第3段階では、第2段階以後のq0キュービットにRz(-π/4)ゲートを適用する。
【0115】
第4段階では、第3段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用する。
【0116】
第5段階では、第4段階以後のq1キュービットにアダマールゲートを適用し、第1段階以後のq4キュービットに基づいて、第3アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用する。
【0117】
第6段階では、第1段階以後のq3キュービットに基づいて、第2アンスイラキュービットキュービット|0>にCNOTゲートを適用する。
【0118】
第7段階では、第1段階以後のq2キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットキュービット|0>にCNOTゲートを適用する。
【0119】
第8段階では、第5段階以後のq1キュービットに基づいて、第1乃至第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0120】
第9段階では、第4段階以後のq0キュービットに基づいて、q2乃至q4キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0121】
第10段階では、q2キュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、q3キュービットにRz(-π/16)ゲートを適用し、q4キュービットにRz(-π/32)ゲートを適用し、第1アンスイラキュービットにRz(-π/4)ゲートを適用し、第2アンスイラキュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、第3アンスイラキュービットにRz(-π/16)ゲートを適用する。
【0122】
第11段階では、q0キュービットに基づいて、q2、q3、q4キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0123】
第12段階では、q1キュービットに基づいて、第1乃至第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0124】
第13段階では、q2キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0125】
第14段階では、q3キュービットに基づいて、第2アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0126】
第15段階では、q4キュービットに基づいて、第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0127】
第16段階では、q0キュービットにRz(15π/32)ゲートを適用し、q1キュービットにRz(7π/16)ゲートを適用する。
【0128】
図3乃至
図4において先行技術で持ってきた
図6の回路アイデンティティを適用する。Rzゲートが対角行列形態を有する回路を計算基盤で通根するという事実を用いる。また、
図7の回路アイデンティティを適用することで、
図4の回路が作られる。
図4から
図5まで、
図8の回路アイデンティティを
図4連続的に適用する。
図6乃至
図8の回路アイデンティティは、QKM22を適用して得ることができる。
図8の回路同一性に対するアイデアは先行技術の整理で霊感を得た。
図5のRzのゲート層のうち1番目の層は、QFT回路の一番初めに移動することができ、最後のRzゲート層はQFT回路の最後に移動できる。結果的に~n/2のRzゲートレイヤーと~n/2のRz(-π/4)ゲートで
図9のようなQFT回路を具現することができる。
【0129】
即ち、
図9において示されたように5キュービット量子フーリエ変換回路は、下記の各段階を遂行するように構成される。
【0130】
具体的に、第1段階では、q0キュービットにアダマールゲートを適用し、q1キュービットにRz(π/4)ゲートを適用し、q2キュービットにRz(3π/8)ゲートを適用し、q3キュービットにRz(3π/16)ゲートを適用し、q4キュービットにRz(3π/32)ゲートに適用する。
【0131】
第2段階では、第1段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用する。
【0132】
第3段階では、第2段階以後のq0キュービットにRz(-π/4)ゲートを適用する。
【0133】
第4段階では、第3段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用する。
【0134】
第5段階では、第4段階以後のq1キュービットにアダマールゲートを適用し、第1段階以後のq4キュービットに基づいて、第3アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用する。
【0135】
第6段階では、第1段階以後のq3キュービットに基づいて、第2アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用する。
【0136】
第7段階では、第1段階以後のq2キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用する。
【0137】
第8段階では、第5段階以後のq1キュービットに基づいて、第1乃至第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0138】
第9段階では、第4段階以後のq0キュービットに基づいて、q2乃至q4キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0139】
第10段階では、q2キュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、q3キュービットにRz(-π/16)ゲートを適用し、q4キュービットにRz(-π/32)ゲートを適用し、第1アンスイラキュービットにRz(-π/4)ゲートを適用し、第2アンスイラキュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、第3アンスイラキュービットにRz(-π/16)ゲートを適用する。
【0140】
第11段階では、q0キュービットに基づいて、q2、q3、q4キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0141】
第12段階では、q1キュービットに基づいて、第1乃至第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0142】
第13段階では、q2キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0143】
第14段階では、q3キュービットに基づいて、第2アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0144】
第15段階では、q4キュービットに基づいて、第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0145】
第16段階では、q2キュービットにアダマールゲートを適用する。
【0146】
第17段階では、q3キュービットに基づいて、q2キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0147】
第18段階では、q2キュービットにRz(-π/4)ゲートを適用する。
【0148】
第19段階では、q3キュービットに基づいて、q2キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0149】
第20段階では、q3キュービットにアダマールゲートを適用する。
【0150】
第21段階では、q4キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0151】
第22段階では、q3キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0152】
第23段階では、q2キュービットに基づいて、q4キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0153】
第24段階では、q4キュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、第1アンスイラキュービットにRz(-π/4)ゲートを適用する。
【0154】
第25段階では、q2キュービットに基づいて、q4キュービットにCNOTゲートを適用する。
【0155】
第26段階では、q3キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0156】
第27段階では、q4キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用する。
【0157】
第28段階では、q0キュービットにRz(15π/32)ゲートを適用し、q1キュービットにRz(7π/16)ゲートを適用し、q2キュービットにRz(3π/8)ゲートを適用し、q3キュービットにRz(π/4)ゲートを適用し、q4キュービットにアダマールゲートを適用する。
【0158】
第29段階では、q1キュービットとq3キュービットとをスワップする。
【0159】
第30段階では、q0キュービットとq4キュービットをスワップする。
【0160】
図1は従来5キュービット量子フーリエ変換(QFT: Quantum Fourier Transformation)回路図である。
図2はアダマール(H)ゲートが移動された5キュービットQFT回路図である。ここで、
図1の偶数番目のアダマール(H)ゲートは可能である限り回路の左側に移動される。
【0161】
図3乃至
図5は量子フーリエ変換QFTの下位回路分解図である。
【0162】
図3は
図2のQFT回路の下位回路であり、
図4は下位回路分解図であり、この回路は
図3と同一の回路である。また、一番目のレイヤーと最後のレイヤーを除いたRzゲートレイヤーは量子加算が適用できる形態である。それはT-カウント減少を説明する。
図5は二つのRzゲートレイヤーが単一レイヤーにある下位回路分解である。これはT-深さ減少を説明する。この回路図初期に|0>状態である補助キュービットを使用することを除いては
図3及び
図4と同一である。
【0163】
【0164】
より詳細に、
図6は先行技術で制御されたRnゲートの分解図である。
図7は
図3の回路を
図4の回路に分解するに使用される回路アイデンティティである。
図7において、Dは計算基盤で対角行列形式の回路である。この回路アイデンティティを使用すると、トフォリゲートを使用せず必要なRzゲートレイヤーを作ることができる。これはT-カウント減少を説明する。量子カルノー図は回路インテントを得るに使用される。
図8は
図4の回路を
図5の回路に分解するに使用される回路アイデンティティである。
図8において、D1及びD2は計算基盤で対角行列形式の回路である。この回路アイデンティティは2個のRzゲートレイヤーを単一レイヤーに作ることができ、これはT深さの減少を説明する。
【0165】
図9は本発明の実施形態による分解された量子フーリエ変換回路である。分解されたQFT回路には~n/2個のRzゲートレイヤーと~n/2個のRz(-π/4)ゲートがある。この回路はT-ゲートの数を減らす足し算を使用して実行される。一番目及び最後Rzゲートレイヤーを除いて、Rzゲートレイヤーは並列に具現できるのでT深さを効果的に半分にすることができる。
【0166】
今までは近似値なしに完璧なQFT具現である。近似化前に一番目及び最後RzゲートレイヤーのRzゲートが角度(2
k-1-1)π/2
kを有し、ここで、kは陰でない整数である(
図4を参照)。次の段階で、
図4において回路の一番目及び最後のRzゲートレイヤーを角度-π/2
kのRzゲートを含む、残りのRzゲートレイヤーと同一の形態に修正する。次の一番目及び最後のRzゲートレイヤーの各RzゲートはRz(-π/2
k)ゲートのあるRz(π/2)ゲート(Sゲート)に代替される。
【0167】
次に、近似を進行する。回転角度の絶対値がπ/2b未満であるすべてのRzゲートは廃棄される。ここで、bは精密度と関連された正の整数である。その結果、各Rzゲート層には最大2(b-1)個のRzゲートが残される。
【0168】
最後に、必要なT-カウントを減らすために量子加算を適用する。このためには、前述した条件を満たすRzゲート層が必要である。本発明者は、量子加算を適用することで、Rzゲートを具現するためには、追加Rz(-π)、Rz(-π/2)及びRz(-π/4)ゲート(Z-1、S-1及びT-1ゲート)が必要であることを見せる。従って、本発明者は必要なゲートと追加でRz(π)、Rz(π/2)及びRz(π/4)ゲート(Z、S及びTゲート)を追加して全体手続き単一性または同一性を作った。この過程はT-カウントを[n/2]分だけ上げる。量子加算を具現するためには二つの|Ψ>状態も準備すべきである。
【0169】
【0170】
次に、二つの量子加算を並列に実行してQFTのT深さを減少させる。それで、二つの|Ψ>を準備しなければならない。Rzゲートの最も小さい角度の絶対値がπ/2r(ここでrはbより小さい正の整数)であるRzゲートレイヤーの場合(r+1)キュービット加算が適用される。この過程で|Ψ>の該当部分を使用することができるので、必要な状態|Ψ>を別途に準備する必要がない。
【0171】
【0172】
誤謬分析
【0173】
量子回路UとVとの間の誤差またはVの代わりのUの具現精密度(error(U、V))は、(U-V)のスペクトルノーム(spectral norm)とU1、U2、…UmとV1、V2、…Vmとの間の累積誤差で定義される。最大Σi=1^merror(Ui、Vi)である。一部の正の整数pに対して一つのRz(-π/2p)ゲートが廃棄されると誤謬は||1-eiπ/2^p||であり、π/2pより小さい。従って、大略的なQFT回路で一番目のRzゲートレイヤーの誤謬は高がΣp=b+1^nπ/2pでありπ/2bより小さい。ここで||-||はl2ノーム(norm)を示す。
【0174】
単一の追加の対象であるRzレイヤーのうち一番目のレイヤーと最後のレイヤーで最も多くの数のRzゲートが廃棄される。第1Rzゲート層の近似誤差はRzゲート層の近似誤差のうち最も大きい。捨てられたRzゲートによる誤謬の上限はπ(n-b+2)/2bである。この過程でbをlog2(n/ε)で選択される。そうすると一部Rzゲートを廃棄して発生する誤謬がπε(n-2+2)/nより低い。bが2より大きいと誤差はπεより小さい。
【0175】
層誤謬はRzゲート廃棄による誤謬だけではなくRzゲート合成による誤謬にも依存する。足し算に使用される|Ψ>状態準備には合成が必要である。|Ψ>状態は初期に全部状態|0>である(b+1)キュービットのうちk番目のキュービットでアダマールゲートとRz(π/2k)ゲートを実行して得ることができる。
【0176】
必要な(b+1)RzゲートのうちZ、S、Tゲートは合成する必要がない。従って、二つの|Ψ>状態を得ようとすると2(b―2)Rzゲートが合成されなければならない。RUS方法を使用する場合標準基本ゲートを使用して精密度εまでRzゲートを合成するに必要なT-カウントは~1.15log2(1/ε)であり、それは今まで知られたもののうち最も小さい。ゲート合成精密度の上限をε/2bに選択するとゲート合成による誤謬はεより低いε(b-2)/bより低い。Rzゲート廃棄とゲート合成の誤謬を全部含む総誤謬はε(π+1)より低い。そうするとQFTに対する近似値の誤謬は0(ε)である。
【0177】
わがプロセッサに必要なTゲート数は三つの部分に分けられる。一番目の部分は追加に必要なTゲート数である。二番目のRzゲートの合成に必要なTゲートの数である。三番目の量子加算の適用されないn個のTゲートである。
【0178】
m-キュービット追加の場合、必要なT-カウントは4(m-1)であり、これは我々が知る限り最も小さいものである。近似n-キュービットQFTを精密度εに具現するために(b+1)またはより小さい数のキュービット追加をn番適用するため、追加に必要なT-カウントは4nlog2(n/ε)より小さい。Rzゲート合成の場合必要なT-カウントは~2.3(b-2)log2(2b/ε)である。これはゲート合成に精密度ε/2bに必要な2(b-2)Rzゲートがあるからである。
【0179】
結果的に総T-カウントは~4nlog2(n/ε)+n+2.3log2(2b/ε)である。n-キュービットQFTで精密度0(ε)までである。また、この場合T-深さは~nlog2(n/ε)+n+2.3log2(2b/ε)である。nlog2(n/ε)項は並列足し算から出たのである。これは(b+1)キュービット足し算に2bT深さが必要であるからである。2.3log2(2b/ε)項はゲート合成から出たのである。因数2(b-2)を掛け算しなくてもよい理由は各ゲート合成を並列で具現できるからである。わが結果と以前研究との比較が下記の表1に示されている。
【0180】
【表1】
<QFTのT-カウント及びT-深さとの結果及び比較>
【0181】
表1で、比較の便宜のために精密度に対する依存性を省略する。
【0182】
QFTのNISQ具現
【0183】
このセクションではアマゾンバケットを使用してIonQ装置でQFT基盤QPE(量子位相推定)のモデルを具現してNISQ24装置でQFTをどれぐらい具現できるかを確認する。主要結果は耐欠陥性量子コンピューティングに対するのであり私たちが構成する回路は先行技術でのように、追加量子ゲートと補助キュービットが必要であるからである。このような理由からQPEを具現する時、
図3cではなく3aと
図3bの回路識別者のみを使用して分解されたQFT回路を使用する。
【0184】
IonQ装置は閉められた171Yb^+イオンを使用する量子コンピュータである。11個のキュービットがあり装置のキュービットが完全に連結されている。IonQ装置の場合単一キュービットゲートの充実度は平均0.9955であり2キュービットゲートの充実度は平均0.9614である。QPEは該当固有ベクトル|u>使用して単位行列Uの固有値を見出すアルゴリズムである。行列Uと固有ベクトル|u>を次のように定義する。
【0185】
【0186】
3-キュービットQPEの場合(0、1/8、2/8、...、7/8)、4-キュービットQPEの場合(0、1/16,2/16、…、15/16)、また、5-キュービットQPEの場合(0、1/32、2/32、...31/32)でφを選択してQPEを具現した。また、各φ毎に1000回ずつ実行して成功率を測定した。その結果、3、4、5キュービットQPEに対して平均~77%、~48%、~11%の正しい結果を得ることができた。3及び4キュービットQPEの場合過半数ボート(vote)を使用して正答を見つけることができる。5キュービットQPEの場合過半数得票の結果がいつも正答でない場合があることがわかる(表2参照)。QPE具現の3-キュービット場合に対して
図10に示されている。
【0187】
3~5キュービットQPE(量子位相推定)
【0188】
3-5-QPEを具現する時3-キュービットQPEの場合(0、1/8、2/8、...7/8)、4-キュービットQPEの場合(0、1/16、2/16、...、15/16)、また、5-キュービットQPEの場合(0、1/32、2/32、...、31/32)でφを選択した。各φに対してそれぞれ100回実行した。表で平均個数は1000回の実行のうち正答を見つけた回数の平均であり成功率は過半数ボートを使用する時正答を見つける確率である。
【0189】
【0190】
図10はIonQ装置で量子位相推定を具現した結果の例を示すグラフである。これはIonQ装置の3キュービットのQPEの結果である。x軸は測定結果であるy軸は測定回数である。φは7/8であった。過半数ボートを通じて正答を見つけた。
【0191】
要約すると、本発明者は0(ε)の精密度で具現されたQFTの新しい近似回路を導入した。T-カウント及びT-深さのリーディングオーだ(leading order)はそれぞれ4nlog2(n/ε)及びnlog2(n/ε)である。以前までT-カウント及びT-深さのリーディングオーだはそれぞれ8nlog2(n/ε)及び2nlog2(n/ε)である。従って、わが結果は精密度0(ε)で具現されたQFTの最もよく知られたT-カウント及びT-深さの役半分を示す。NISQ装置で3~5キュービットQFTを具現した。私たちの結果はQFTの耐欠陥性具現を加速化し短期NISQアプリケーションに有用な洞察力を提供することができる。
【0192】
図11はFalcon r5.11H processorを用いた7-キュービット量子コンピュータに対したCNOT個数を示したシミュレーション結果を示すグラフであり、
図12は Falcon r4P processorを用いた16-キュービット量子コンピュータに対するCNOT個数を示したシミュレーション結果を示すグラフであり、
図13は Falcon r5.11H processorを用いた27-キュービット量子コンピュータに対するCNOT個数を示すシミュレーション結果を示すグラフであり、
図14はEagle r1 processorを用いた27-キュービット量子コンピュータに対するCNOT個数を示したシミュレーション結果を示すグラフであり、
図15は10乃至90キュービット量子コンピュータに対するCNOT個数をシミュレーションした結果を示すグラフである。
【0193】
図11乃至
図15において、X軸はn-キュービットQFTのキュービット個数nであり、Y軸は要求されるCNOTの個数である。示されたように、本発明による量子フーリエ変換回路形成方法及びそれによる量子フーリエ変換回路はCNOT個数が大きく減少されることを確認することができる。
【0194】
以上、本発明の実施形態によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の思想と精神を離れることなく、本発明を修正または変更できる。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標準n(nは5以上の自然数)キュービット量子フーリエ変換回路において、偶数番目のキュービットのアダマールゲート(H-gate)を他のキュービットと量子絡みのない最善の段階に移動させる段階と、
量子加算を用いて、Rzゲートが実行できる形態に量子回路を分解する段階と、
アンスイラ(ancilla)キュービットを使用してRzゲートレイヤーの数を減少させる段階と、
を含む、量子フーリエ変換回路形成方法。
【請求項2】
量子加算を用いて、Rzゲートが実行できる形態に量子回路を分解する段階において、Rzゲートが実行できる形態に回路は、
第1段階において、
q0キュービットにアダマールゲートを適用し、
q1キュービットにRz(π/4)ゲートを適用し、
qkキュービットにRz(3π/2
k+1)ゲートを適用し(kは
2以上n-1以下の自然数)、
第2段階において、
第1段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートのCNOTゲートを適用し、
第3段階において、
第2段階以後のq0キュービットにRz(-π/4)ゲートを適用し、
第4段階において、
第3段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用し、
第5段階において、
第4段階以後のq1キュービットにアダマールゲートを
適用し、
第6段階において、
第5段階以後のq0キュービットに基づいて、q1ないしq(n―1)キュービットにCNOTゲートを適用し、
第7段階において、
第6段階以後のq
lゲートにRz(-π/2
l+1)ゲートを適用し(lは
2以上n-1以下の自然数)、
第8段階において、
第7段階以後のq0キュービットに基づいて、q1乃至q(n―1)キュービットにCNOTゲートを適用し、
第9段階において、
第8段階以後のq1キュービットに基づいて、q2乃至q(n―1)キュービットにCNOTゲートを適用し、
第10段階において、
第9段階以後のq
lゲートにRz(-π/2
l) ゲートを適用し(lは
2以上n-1以下の自然数)、
第11段階において、
第10段階以後のq1キュービットに基づいて、q2乃至q(n―1)キュービットにCNOTゲートを適用し、
第12段階において、
第8段階以後のq0キュービットにRz(15π/32)ゲートを適用し、
第11段階以後のq1キュービットにRz(7π/16)ゲートを適用する量子回路であることを特徴とする、請求項1に記載の量子フーリエ変換回路形成方法。
(上記で、
で表現される。)
【請求項3】
アンスイラ(ancilla)キュービットを使用してRzにゲートレイヤーの数を減少させる段階を経た量子回路は、
第1段階において、
q0キュービットにアダマールゲートを適用し、
q1キュービットにRz(π/4)ゲートを適用し、
qkキュービットにRz(3π/2k+1)ゲートを適用し(kは2以上n-1以下の自然数)、
第2段階において、
第1段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用し、
第3段階において、
第2段階以後のq0キュービットにRz(-π/4)ゲートを適用し、
第4段階において、
第3段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用し、
第5段階において、
第4段階以後のq1キュービットにアダマールゲートを適用し、
第1段階以後のq4キュービットに基づいて、第3アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用し、
第6段階において
第1段階以後のq3キュービットに基づいて、第2アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用し、
第7段階において、
第1段階以後のq2キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用し、
第8段階において、
第5段階以後のq1キュービットに基づいて、第1乃至第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第9段階において、
第4段階以後のq0キュービットに基づいて、q2乃至q4キュービットにCNOTゲートを適用し、
第10段階において、
q2キュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、
q3キュービットにRz(-π/16)ゲートを適用し、
q4キュービットにRz(-π/32)ゲートを適用し、
第1アンスイラキュービットにRz(-π/4)ゲートを適用し、
第2アンスイラキュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、
第3アンスイラキュービットにRz(-π/16)ゲートを適用し、
第11段階において、
q0キュービットに基づいて、q2,q3、q4キュービットにCNOTゲートを適用し、
第12段階では、
q1キュービットに基づいて、第1乃至第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第13段階において、
q2キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第14段階において、
q3キュービットに基づいて、第2アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第15段階において、
q4キュービットに基づいて、第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第16段階において、
q0キュービットにRz(15π/32)ゲートを適用し、
q1キュービットにRz(7π/16)ゲートを適用する量子回路であることを特徴とする、請求項2に記載の量子フーリエ変換回路形成方法。
【請求項4】
下記の各段階を遂行する
n(nは5以上の自然数)キュービット量子フーリエ変換回路であって、
第1段階において、
q0キュービットにアダマールゲートを適用し、
q1キュービットにRz(π/4)ゲートを適用し、
qkキュービットにRz(
(2
k
-1)π/2
k+1)ゲートを適用し(kは
2以上n-1以下の自然数)、
第2段階において、
第1段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用し、
第3段階において、
第2段階以後のq0キュービットにRz(-π/4)ゲートを適用し、
第4段階において、
第3段階以後のq1キュービットに基づいて、q0ゲートにCNOTゲートを適用し、
第5段階において、
第4段階以後のq1キュービットにアダマールゲートを適用し、
第1段階以後のq4キュービットに基づいて、第3アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用し、
第6段階において
第1段階以後のq3キュービットに基づいて、第2アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用し、
第7段階において、
第1段階以後のq2キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービット|0>にCNOTゲートを適用し、
第8段階において、
第5段階以後のq1キュービットに基づいて、第1乃至第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第9段階において、
第4段階以後のq0キュービットに基づいて、q2乃至q4キュービットにCNOTゲートを適用し、
第10段階において、
q2キュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、
q3キュービットにRz(-π/16)ゲートを適用し、
q4キュービットにRz(-π/32)ゲートを適用し、
第1アンスイラキュービットにRz(-π/4)ゲートを適用し、
第2アンスイラキュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、
第3アンスイラキュービットにRz(-π/16)ゲートを適用し、
第11段階において、
q0キュービットに基づいて、q2,q3、q4キュービットにCNOTゲートを適用し、
第12段階では、
q1キュービットに基づいて、第1乃至第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第13段階において、
q2キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第14段階において、
q3キュービットに基づいて、第2アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第15段階において、
q4キュービットに基づいて、第3アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第16段階において、
q2キュービットにアダマールゲートを適用し、
第17段階において、
q3キュービットに基づいて、q2キュービットにCNOTゲートを適用し、
第18段階において、
q2キュービットにRz(-π/4)CNOTゲートを適用し、
第19段階において、
q3キュービットに基づいて、q2キュービットにCNOTゲートを適用し、
第20段階において、
q3キュービットにアダマールゲートを適用し、
第21段階において、
q4キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第22段階において、
q3キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第23段階において、
q2キュービットに基づいて、q4キュービットにCNOTゲートを適用し、
第24段階において、
q4キュービットにRz(-π/8)ゲートを適用し、
第1アンスイラキュービットにRz(-π/4)ゲートを適用し、
第25段階において、
q2キュービットに基づいて、q4キュービットにCNOTゲートを適用し、
第26段階において、
q3キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第27段階において、
q4キュービットに基づいて、第1アンスイラキュービットにCNOTゲートを適用し、
第28段階において、
q0キュービットにRz(15π/32)ゲートを適用し、
q1キュービットにRz(7π/16)ゲートを適用し、
q2キュービットにRz(3π/8)ゲートを適用し、
q3キュービットにRz(π/4)ゲートを適用し、
q4キュービットにアダマールゲートを適用し
第29段階において、
q1キュービットとq3キュービットをスワップし、
第30段階において、
q0キュービットとq4キュービットをスワップする段階を遂行するように構成されたnキュービット量子フーリエ変換回路。
(上記で、
で表現される。)