(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082206
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】自己殺菌合板構造、及び自己殺菌キャリア
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20240612BHJP
【FI】
A61L2/10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019980
(22)【出願日】2023-02-13
(31)【優先権主張番号】111147066
(32)【優先日】2022-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504429600
【氏名又は名称】緯創資通股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】WISTRON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蕭毅豪
(72)【発明者】
【氏名】邱顯榮
(72)【発明者】
【氏名】卓竹順
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA24
4C058BB06
4C058KK02
4C058KK14
4C058KK33
(57)【要約】
【課題】車両本体のランディングスペースの全体を殺菌し得る自己殺菌合板構造、及び自己殺菌キャリアを提供する。
【解決手段】光源は、複数の発光モジュールを含み、回路基板と透明カバーの間に位置し、且つ回路基板上に設けられ、光源の発光面は透明カバーに向いており、透明カバーに向けて紫外線を発射し、放熱層は回路基板の下方に位置し、レンズ層は透明カバーと光源の間に位置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明カバーと、回路基板と、光源と、放熱層と、レンズ層とを備えた自己殺菌合板構造において、
前記回路基板は前記透明カバーの下方に位置し、
前記光源は、複数の発光モジュールを含み、前記回路基板と前記透明カバーの間に位置し、且つ前記回路基板上に設けられ、
前記光源の発光面は前記透明カバーに向いており、前記透明カバーに向けて紫外線を発射し、
前記放熱層は前記回路基板の下方に位置し、
前記レンズ層は前記透明カバーと前記光源の間に位置する
ことを特徴とする自己殺菌合板構造。
【請求項2】
自己滅菌ディスプレイと、黒ずみ層とを更に備え、
前記自己滅菌ディスプレイは前記回路基板の周辺に設けられ、前記透明カバーの下方に位置し、他の紫外線を発射し、
前記黒ずみ層は前記透明カバー上に位置し、前記黒ずみ層は前記回路基板を遮蔽し、或いは前記回路基板と前記自己滅菌ディスプレイを遮蔽する
ことを特徴とする請求項1に記載の自己殺菌合板構造。
【請求項3】
前記レンズ層は第1の表面と第2の表面を含み、前記第1の表面は前記光源に貼り合わせられ、前記第2の表面は前記透明カバーに貼り合わせられ、前記第1の表面と前記第2のいずれか一方は複数の表面微細構造を具備する
ことを特徴とする請求項1に記載の自己殺菌合板構造。
【請求項4】
透明カバーと、回路基板と、光源と、放熱層と、ブラックマトリックス層と、自己滅菌ディスプレイと、レンズ層と、黒ずみ層を備えた自己殺菌合板構造において、
前記回路基板は前記透明カバーの下方に位置し、
前記光源は複数の発光モジュールを含み、前記回路基板と前記透明カバーの間に位置し、且つ前記回路基板上に設けられ、前記光源の発光面は前記透明カバーに向いており、前記透明カバーに向けて紫外線を発射し、
前記放熱層は前記回路基板の下方に位置し、
前記ブラックマトリックス層は前記回路基板上に位置し、前記複数の発光モジュールは前記ブラックマトリックス層を貫通する複数の開口内に位置し、
前記自己滅菌ディスプレイは前記回路基板の周辺に設けられると共に前記透明カバーの下方に位置し、他の紫外線を発射し、
前記レンズ層は前記透明カバーと前記複数の発光モジュールの間に位置すると共に、前記透明カバーと前記自己滅菌ディスプレイの間に位置し、
前記黒ずみ層は前記透明カバー上に位置する
ことを特徴とする自己殺菌合板構造。
【請求項5】
車両本体と、自己殺菌合板構造とを備えた自己殺菌キャリアにおいて、
前記車両本体は、前記車両本体の内部にランディングスペースを設け、
前記自己殺菌合板構造は、前記ランディングスペース内に位置し、且つ前記車両本体の内壁上に設けられ、
前記自己殺菌合板構造は、透明カバーと、回路基板と、光源と、放熱層を備え、
前記回路基板は前記透明カバーの下方に位置し、
前記光源は、複数の発光モジュールを含み、前記回路基板と前記透明カバーの間に位置し、且つ前記回路基板上に設けられ、前記光源の発光面は前記透明カバーに向いており、前記透明カバーに向けて紫外線を発射し、
前記放熱層は前記回路基板の下方に位置する
ことを特徴とする自己殺菌キャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紫外線の殺菌技術に関連する自己殺菌合板構造、及び自己殺菌キャリアに関し、特に、車両本体のランディングスペースの全体を殺菌し得る自己殺菌合板構造、及び自己殺菌キャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会では、文明の発展に伴い、人々の間における社会活動がより活発になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、感染の恐れのある細菌やウイルスは、このような人々の社会活動下でも存在し得る。また、人々が交流し、移動するのに伴って、細菌やウイルスはより簡単に触れたり、他の物体に付着したりする。一般的に、人々が長距離を移動する場合には、頻繁に車両等に乗り込む必要があり、車両を利用する機会が増す。このように、不特定多数が利用する車両の利用回数が増すと、細菌やウイルスが車両の内部に触れ、又は飛沫として社内を浮遊するので、当該車両の利用者は感染のリスクが更に高まる。
【0004】
従来の殺菌の方法は、主に紫外線を照射することにより行われてきた。しかし、車両の室内空間で殺菌を行う場合、通常、紫外線による殺菌装置を別途設置する必要があり、非常に不便であった。
【0005】
一方、現在は、ユーザーが頻繁に接触する(タッチパネル等の)表示面を殺菌するために、内側から外側に向かって紫外線を連続的に照射するディスプレイ装置が存在する。
【0006】
しかし、このように表示面のみを殺菌するために出力される紫外線では、ディスプレイ自体とそのディスプレイの表面を殺菌することに留まる。カーナビその他のタッチパネルに適用しても、車両内の空間を大規模に除菌・殺菌することはできない。しかも、車両用のディスプレイはデフォルトではインパネの表面に埋め込まれているため、発生した熱を発散することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みて以下の構成を備える。即ち、
透明カバーと、回路基板と、光源と、放熱層と、レンズ層とを備えた自己殺菌合板構造において、
前記回路基板は前記透明カバーの下方に位置し、
前記光源は、複数の発光モジュールを含み、前記回路基板と前記透明カバーの間に位置し、且つ前記回路基板上に設けられ、
前記光源の発光面は前記透明カバーに向いており、前記透明カバーに向けて紫外線を発射し、
前記放熱層は前記回路基板の下方に位置し、
前記レンズ層は前記透明カバーと前記光源の間に位置する。
【0008】
また、自己滅菌ディスプレイと、黒ずみ層とを更に備え、
前記自己滅菌ディスプレイは前記回路基板の周辺に設けられ、前記透明カバーの下方に位置し、他の紫外線を発射し、
前記黒ずみ層は前記透明カバー上に位置し、前記黒ずみ層は前記回路基板を遮蔽し、或いは前記回路基板と前記自己滅菌ディスプレイを遮蔽する。
【0009】
また、前記レンズ層は第1の表面と第2の表面を含み、前記第1の表面は前記光源に貼り合わせられ、前記第2の表面は前記透明カバーに貼り合わせられ、前記第1の表面と前記第2のいずれか一方は複数の表面微細構造を具備する。
【0010】
また、透明カバーと、回路基板と、光源と、放熱層と、ブラックマトリックス層と、自己滅菌ディスプレイと、レンズ層と、黒ずみ層を備えた自己殺菌合板構造において、
前記回路基板は前記透明カバーの下方に位置し、
前記光源は複数の発光モジュールを含み、前記回路基板と前記透明カバーの間に位置し、且つ前記回路基板上に設けられ、前記光源の発光面は前記透明カバーに向いており、前記透明カバーに向けて紫外線を発射し、
前記放熱層は前記回路基板の下方に位置し、
前記ブラックマトリックス層は前記回路基板上に位置し、前記複数の発光モジュールは前記ブラックマトリックス層を貫通する複数の開口内に位置し、
前記自己滅菌ディスプレイは前記回路基板の周辺に設けられると共に前記透明カバーの下方に位置し、他の紫外線を発射し、
前記レンズ層は前記透明カバーと前記複数の発光モジュールの間に位置すると共に、前記透明カバーと前記自己滅菌ディスプレイの間に位置し、
前記黒ずみ層は前記透明カバー上に位置する。
【0011】
また、車両本体と、自己殺菌合板構造とを備えた自己殺菌キャリアにおいて、
前記車両本体は、前記車両本体の内部にランディングスペースを設け、
前記自己殺菌合板構造は、前記ランディングスペース内に位置し、且つ前記車両本体の内壁上に設けられ、
前記自己殺菌合板構造は、透明カバーと、回路基板と、光源と、放熱層を備え、
前記回路基板は前記透明カバーの下方に位置し、
前記光源は、複数の発光モジュールを含み、前記回路基板と前記透明カバーの間に位置し、且つ前記回路基板上に設けられ、前記光源の発光面は前記透明カバーに向いており、前記透明カバーに向けて紫外線を発射し、
前記放熱層は前記回路基板の下方に位置する。
【0012】
自己殺菌合板構造100は自己滅菌ディスプレイと接着層を更に含む。回路基板は透明回路板である。レンズ層と透明回路板は更に自己滅菌ディスプレイの上方に位置する。自己滅菌ディスプレイと透明回路板は接着層で接着されている。
【0013】
本発明の他の実施形態において、上述のレンズ層は複数の表面微細構造を有し、各表面微細構造は凹溝である。
【0014】
前記レンズ層は複数のレンズブロックにより構成される。複数のレンズブロックにおける任意の隣り合う2つのレンズブロックの複数の表面構造は互いに異なる延伸方向である。
【0015】
本発明の実施形態において、前記レンズ層は複数のレンズブロックにより構成される。複数のレンズブロックにおける任意の隣り合う2つのレンズブロックの複数の表面構造は同じ方向に延伸するが、互いにずれている。
【0016】
本実施形態において、上述のレンズ層は複数のレンズブロックにより構成され、複数のレンズブロックにおける一部は複数の表面微細構造を具備し、複数のレンズブロックにおける他の一部は複数の表面微細構造を具備しない。
【0017】
他の実施形態において、上述したレンズ層は複数のレンズブロックにより構成され、且つ各レンズブロックはいずれも複数の表面微細構造を具備する。
【0018】
本実施形態において、透明カバー、回路基板、放熱層、及びレンズ層は可撓性部材によるものでも良い。
【0019】
本実施形態において、前記各開口内には複数の発光モジュールにおける少なくとも1つの発光モジュールが設けられる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本実施形態における自己殺菌合板構造或いは自己殺菌キャリアは、ランディングスペースを具備する乗り物(例えば、車両、船舶、飛行機等)に用いられ、紫外線を連続的に放出することでランディングスペース(乗客がいる空間)を照射(発射)して殺菌すると共に、紫外線光源によって発生した熱エネルギーを、放熱層を介して迅速に除去するので、光源の寿命が大幅に短縮してしまうことを抑制し得る。また、本発明の複数の実施形態では、自己殺菌合板構造又は自己殺菌キャリアは、自己殺菌合板構造の表面を殺菌するだけでなく、長距離及び/又は大規模な照射を実行して、車体のランディングスペース、内部空間(すなわち、座席スペース、室内等の少なくともいずれか)を照射して殺菌することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1の実施形態の自己殺菌合板構造を説明する断面図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態の自己殺菌合板構造を説明する断面図である。
【
図3】本発明の第3の実施形態の自己殺菌合板構造を説明する断面図である。
【
図4】
図2或いは
図3におけるレンズ層の実施形態を示す表面の説明図である。
【
図5】
図2或いは
図3におけるレンズ層の他の実施形態を示す表面の説明図である。
【
図6】
図2或いは
図3におけるレンズ層の実施形態を示す説明図である。
【
図7】本発明の第4の実施形態の自己殺菌合板構造を説明する断面図である。
【
図8】自己殺菌合板構造の実施形態の上面図である。
【
図9】本発明の第5の実施形態の自己殺菌合板構造を説明する断面図である。
【
図10】本発明の第6の実施形態の自己殺菌合板構造を説明する断面図である。
【
図11】本発明の第7の実施形態の自己殺菌合板構造を説明する断面図である。
【
図12】本発明の第8の実施形態の自己殺菌合板構造を説明する断面図である。
【
図13】本発明の第9の実施形態の自己殺菌合板構造を説明する断面図である。
【
図14】本発明の第10の実施形態の自己殺菌合板構造を説明する断面図である。
【
図15】本発明の第11の実施形態の自己殺菌合板構造を説明する断面図である。
【
図16】本発明の第12の実施形態の自己殺菌合板構造を説明する断面図である。
【
図17】本発明の自己殺菌キャリアの実施形態を示した説明図である。
【
図18】本発明の自己殺菌キャリアの実施形態の紫外線を照射する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1を参照して本発明を説明する。ここで、
図1は本発明の第1の実施形態の自己殺菌合板構造を説明する断面図である。自己殺菌合板構造100は紫外線(ultraviolet,UV)殺菌機能を具備する。自己殺菌合板構造100は透明カバー(透光カバープレート)10、回路基板20、光源30、及び放熱層40を備える。
【0023】
回路基板20は、透明カバー10の下方に位置する。本実施形態では、透明カバー10は、UV光波長を吸収しない材料、又は石英ガラス、低ホウ素ガラス、若しくはプラスチック等のUV光波長を通過させる材料でできていても良い。
【0024】
ここで、プラスチックは、例えば、PP(Polypropylene、ポリプロピレン)等であり得る。また、透明カバー10は、波長100nm~400nmの不可視光(紫外線)を吸収しない、又は当該波長を透過する材料で形成されている。
【0025】
光源30は回路基板20と透明カバー10との間に位置し、回路基板20上に配置される。光源30の発光面30aは透明カバー10に面しているので、光源30が駆動されると、光源30は紫外線を透明カバー10に向けて照射して殺菌する。
【0026】
また、光源30は、回路基板20上に配置される。更に、光源30は回路基板20上の回路パターンに電気的に接続され、回路パターンを介して回路基板20上の駆動回路(図示せず)に電気的に接続される。従って、光源30は、駆動回路によって駆動され、紫外線を放出することができる。
【0027】
本実施形態では紫外線は紫外線C(UVC)であっても良い。ここで、波長域は100nm~280nmで、(太陽光からの)紫外線C(UVC)と呼ばれる光は地表には届かないため照射することはできないが、殺菌、有機分解、光重合、センシング等の複数の機能を有する。
【0028】
したがって、地上で紫外線C(UVC)を利用するためには、光源30から人工的な紫外線C(UVC)を発生させなければならない。
【0029】
ここで、紫外線殺菌には他の殺菌方法にはないメリットがある。例えば、薬品を使用していないため、使用後の拭き取りが不要で、塩素では殺菌できない耐塩素性の微生物に対しても殺菌効果がある。また、紫外線殺菌に耐性のある細菌も発生しない。
【0030】
放熱層40は回路基板20の下に位置する。ここで、光源30で発生した熱エネルギーは、回路基板20を介して放熱層40に伝導され、放熱層40によって放熱される。
【0031】
このため、光源30によって生成された熱を、放熱層40を介して放熱することによって、光源30の温度を効果的に下げることができるので、光源30の耐用年数を相対的に長くすることができる。なお、本実施形態において、放熱層40は、銅箔又は人造黒鉛板であっても良い。
【0032】
本実施形態において、光源30は複数の発光モジュール31を含み、これらの発光モジュール31は回路基板20上に配置される。本実施形態では、光源30は、紫外線LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)素子によって実装されても良い。
【0033】
例えば、各発光モジュール31は、単一のLED素子であっても良いし、複数のLED素子から構成されていても良い。例えば、LEDライトバー(LED Light Bar)や複数のLED素子からなるLEDアレイであっても良い。
【0034】
ここで、単一のLED素子を例にとると、各発光モジュール31は、集光レンズ31bで覆われたLEDチップ31aから構成され得る。ここで、各LEDチップ(LED Chip)31aは、約50°~70°の放射角度で紫外線を放射(発射)し、集光レンズ31bは、LEDチップ31aが放射した紫外線を約30°以下の出射角度に変換して外部に出射するので、発光モジュール31が発する紫外線は、長い距離でも照射することができる。
【0035】
なお、各発光モジュール31が複数のLED素子を含むとき、発光モジュール31は、LEDライトバー(LED Light Bar)又はLEDアレイ(LED Matrix)で構成されても良い。
【0036】
本実施形態において、透明カバー10、回路基板20、及び放熱層40は可撓性材料で作られても良い。これに基づき、自己殺菌合板構造100全体を平面上又は非平面上に自由に配置することができる(例えば曲面となるように貼り付ける。)。
【0037】
図2を参照すると、本実施形態では、自己滅菌合板構造100はレンズ層50を更に含み、レンズ層50は透明カバー10と光源30との間に位置する。
【0038】
本実施形態では、光源30の発光面30aがレンズ層50に面するので、光源30から放射された紫外線は、レンズ層50に入射してレンズ層50を通過し、透明カバー10を透過して自己殺菌合板構造100の外部に向かって放射される。放出された紫外線は自己殺菌合板構造100の外部を照射して殺菌することができる。
【0039】
また、光源30から出射された紫外線は、レンズ層50の影響を受けて照射角度が変化する。
【0040】
このため、光源30によって出力された紫外線は、設けられたレンズ層50に基づいて様々な角度でレンズ層50から出射することができ、透明カバー10を貫通して自己殺菌合板構造100の外側を照射し滅菌する。
【0041】
これにより、自己殺菌合板構造100は、様々な角度で紫外線を照射することができ、より広い範囲に渡って紫外線を照射して殺菌することができる。本実施形態では、レンズ層50は、UV光波長を吸収しない材料、又は石英ガラス、低ホウ素ガラス又はプラスチック等のUV光波長を通過させる材料で形成されていても良い。
【0042】
ここで、プラスチックは、例えば、PP(Polypropylene、ポリプロピレン)等であり得る。また、レンズ層50は、波長100nm~400nmの不可視光(紫外線)を吸収せず、又は当該波長を透過する材料からなる。
【0043】
図2又は
図3を参照すると、本実施形態では、レンズ層50は、第1の表面50aと第2の表面50bを含む。第1の表面50aは光源30に取り付けられ、第2の表面50bは透明カバー10に取り付けられ、第1の表面50aと第2の表面50bの一方は複数の表面微細構造51を有する。
【0044】
本発明の実施形態では、
図3に示すように、第1の表面50aは複数の表面微細構造51を有し、各表面微細構造51は溝である。具体的には、第1の表面50aには、間隔を空けて配置され、同一方向に延伸する複数の溝が設けられている。
【0045】
このとき、第2の表面50bには表面微細構造51は設けられていない。他の実施形態では、
図2に示すように、第2の表面50bは複数の表面微細構造51を有し、各表面微細構造51は凸状の線である。具体的には、第2の表面50bには間隔を空けて配置され、同一方向に延伸する複数の突起が設けられている。このとき、
図2の実施形態では、第1の表面50aには表面微細構造51は設けられていない。
【0046】
図4から
図6を参照して説明する。本実施形態において、レンズ層50は複数のレンズブロック52から構成される。
【0047】
図4の実施形態では、任意の2つの隣接するレンズブロック52の表面微細構造51は、異なる方向に延在する。ここで、表面微細構造51が異なる延伸方向となるように配置されているため、光源30から放出される紫外線は、2つの軸の方向に、且つ様々な角度を付けて紫外線を同時に放出することができる。
【0048】
図4に示した右上のレンズブロック52を例にとると、光源30から出射された紫外線L1は、表面微細構造51の影響を受け、Y軸上で様々な角度の紫外線L1を出射する。
【0049】
一方、右下のレンズブロック52を例にとると、光源30から出射された紫外線L2は、表面微細構造51の影響を受けて、X軸上に様々な角度の紫外線L2を出射する。
【0050】
例として
図4を取り上げると、表面微細構造51はそれぞれ水平線に対して垂直又は平行であるが、表面微細構造51は複数の異なる角度で配置することができる。
【0051】
例えば、表面微細構造51は、水平線と45度の角度を形成し(すなわち、
図4のレンズ層50を時計回りまたは反時計回りに45度回転する)又は他の角度を形成しても良い。
【0052】
これに基づき、表面微細構造51と水平線との間を異なる角度に設定することにより、光源30によって放射される紫外線が、異なる軸上で様々な角度の紫外線を放射することを可能にする。
【0053】
図5から
図6を共に参照しながら説明する。ここで、
図5と
図4の違いは次のとおりである。
図5の実施形態では、任意の2つの隣接するレンズブロック52の表面微細構造51は、同じ方向に延伸している。
【0054】
更に、
図4の実施形態では、任意の2つの隣接するレンズブロック52の表面微細構造51は、異なる延伸方向に配置されるが、
図5の実施形態では、それらは同じ延伸方向となるように配置される。
【0055】
ここで、
図5の実施形態では、任意の2つの隣接するレンズブロック52の表面微細構造51は、互いにずらして配置することができる。特に、任意の2つの隣接するレンズブロック52の表面微細構造51は、同じ直線上に延在しない。
【0056】
これに基づいて、光源30によって放射される紫外線は、1つの軸に沿って様々な角度で紫外線を放射することができる。
図5に示す右上のレンズブロック52を例にとると、光源30から出射された紫外線L1は、表面微細構造51の影響を受けて、Y軸上に様々な角度で紫外線L1を出射する。
【0057】
図5を例にとると、表面微細構造51は水平線に平行であるが、表面微細構造51は複数の異なる角度で配置することができる。例えば、表面微細構造51は、水平線と45度の角度を形成し(すなわち、
図5のレンズ層50は、時計回り又は反時計回りに45度回転する)、又は他の角度を形成する。
【0058】
これに基づいて、表面微細構造51が異なる角度に配置されることにより、光源30によって放出される紫外線は、異なる軸方向に様々な角度の紫外線を放出することができる。
【0059】
これに基づくと、
図4の実施形態と
図5の実施形態との間の更なる相違点は次の通りである。
図4の実施形態では、光源30によって放射される紫外線は、それぞれX軸上とY軸上で様々な角度で放射される。
【0060】
図5の実施形態では、光源30によって放射される紫外線は、Y軸上で様々な角度で放射される。
図6に示す実施形態では、自己殺菌合板構造100は、表示領域100aと非表示領域100bとに分けることができる。
【0061】
図4又は
図5の実施形態では、表面微細構造51を設定し、又は表面微細構造51と水平線が様々な角度で配置されている場合、光源30から出射される紫外線は、異なる軸上で様々な角度から紫外線Lを出射することができる。
【0062】
本実施形態では、
図4の実施形態の構造の下でも、
図5の実施形態の構造の下でも、レンズ層50では、レンズブロック52の一部のみが複数の表面微細構造51を有し、レンズブロック52の他の部分は表面微細構造51を有していない。
【0063】
更に、表面微細構造51を有するレンズブロック52は、光の進行経路を大きく変えるが、表面微細構造51を有さないレンズブロック52は、純粋な光透過領域であり、光の進行経路が大幅に変化することはない (たとえば、媒質の変化によってわずかに屈折するだけである。)。本発明の他の実施形態では、レンズ層50内の全てのレンズブロック52が表面微細構造51を有する。
【0064】
図7と
図8を参照すると、本実施形態では、自己殺菌合板構造100は、自己滅菌ディスプレイ60を更に含むことができる。自己滅菌ディスプレイ60は回路基板20の周囲で透明カバー10の下に配置される。
【0065】
ここで、自己滅菌ディスプレイ60は、表示時又は非表示時に他の紫外線を照射して殺菌を行うことができる。更に、自己滅菌ディスプレイ60が画像を表示するディスプレイ機能を実行する場合、自己滅菌ディスプレイ60の外表面を滅菌するために、内側から他の紫外線を放出することができる。
【0066】
他の実施形態では、自己滅菌ディスプレイ60は、側面の入射光を使用して、照射滅菌用の他の紫外線を放射する(すなわち、自己滅菌ディスプレイ60の外表面に側面の入射光が照射される。)ことができる。上記に基づいて、自己殺菌合板構造100は表示領域100aと非表示領域100bとに分けることができる。
【0067】
表示領域100aは自己滅菌ディスプレイ60から提供される領域であり、イメージ画像を表示する表示機能の役割を果たす。非表示領域100bは、表示領域100aの周辺(本発明の実施形態では回路基板20が配置される領域)に隣接する。
【0068】
本実施形態では、自己殺菌合板構造100は接着剤層70を更に含む。自己滅菌ディスプレイ60は接着層70を介して透明カバー10に接着される。具体的には、自己滅菌ディスプレイ60の表示面を透明カバー10の下面に接着層70を介して貼り付ける。
【0069】
図9を参照すると、複数の他の実施形態では、レンズ層50は、透明カバー10と自己滅菌ディスプレイ60との間に更に配置される。すなわち、レンズ層50の一部が透明カバー10と光源30(及び回路基板20)との間に挟まれ、レンズ層50の他の部分は、透明カバー10と自己滅菌ディスプレイ60との間に挟まれる。
【0070】
本実施形態では、自己滅菌ディスプレイ60とレンズ層50は接着層70で接着される。具体的には、自己滅菌ディスプレイ60の表示面を、接着層70を介してレンズ層50の下面に貼り付ける。レンズ層50の上面は、透明カバー10の下面に貼り付けられる。
【0071】
本実施形態では、透明カバー10と自己滅菌ディスプレイ60との間に介在するレンズ層50中のレンズブロック52は、上述の表面微細構造51を有していない。したがって、自己滅菌ディスプレイ60に表示される画像は、レンズ層50によって変化しない。
【0072】
本実施形態では、接着層70は光学接着剤、例えば:OCA (Optical Clear Adhesive、光学透明接着剤) 又はOCR (Optical Clear Resin、オプティカルクリアレジン)であっても良い。
【0073】
図10を参照すると、本発明の実施形態では、回路基板20は透明回路基板であり、レンズ層50と透明回路基板は自己滅菌ディスプレイ60の上に配置される。具体的には、自己滅菌ディスプレイ60は放熱層40と共に回路基板20の下面に取り付けられる。
【0074】
これに基づいて、自己滅菌ディスプレイ60に表示される画像は、透明な回路基板を通過し、正常に表示される。本実施形態では、自己滅菌ディスプレイ60と透明回路基板(回路基板20)とを接着層70で接着することができる。
【0075】
本実施形態では、透明カバー10、回路基板20、放熱層40、及びレンズ層50は、可撓性材料で作られるので、自己殺菌合板構造100は、全体として湾曲した弧を呈することができる。
【0076】
図11と
図12を参照すると、本実施形態では自己殺菌合板構造100は黒ずみ層80を更に含む。黒ずみ層80は透明カバー10上に位置する。ここで、黒ずみ層80はその下の構成要素を遮蔽することができ、紫外線は黒ずみ層80を部分的に透過することができる(なお、詳細は後述する)。これに基づいて、自己殺菌合板構造100は、黒ずみ層80によって下にある構成要素(発光モジュール31等)の視認性を低下させることができる。
【0077】
本実施形態では、黒ずみ層80は、
図11に示されるように、回路基板20を遮蔽する。なお、本発明の他の実施形態では、黒ずみ層80は、
図12に示されるように、回路基板20と自己滅菌ディスプレイ60を遮蔽する。
【0078】
また、
図11に示すように、黒ずみ層80は、回路基板20の上方の透明カバー10上に位置する。ただし、自己滅菌ディスプレイ60の上方の透明カバー10上には黒ずみ層80は存在しない。
【0079】
これに基づいて、光源30と自己滅菌ディスプレイ60が発光していないときに、自己殺菌合板構造100の正面から自己殺菌合板構造100を見たとき、自己滅菌ディスプレイ60の上には黒化層80が無いので、自己滅菌ディスプレイ60の外観と回路基板20上の外観は、視覚的に僅かな色の違いを示す。
【0080】
本実施形態では、黒ずみ層80は、
図12に示されるように、回路基板20に加えて自己滅菌ディスプレイ60を遮蔽する。更に、黒ずみ層層80は回路基板20と自己滅菌ディスプレイ60の上の透明カバー10上に配置される。
【0081】
例えば、黒ずみ層80は、透明カバー10の上面全体に配置される。このため、光源30と自己滅菌ディスプレイ60が発光していないとき、自己殺菌合板構造100の正面から自己殺菌合板構造100を見ると、全体が一様に黒く見える。
【0082】
本実施形態では、上記黒ずみ層80は、カーボンブラック又は黒色顔料と樹脂とを混合した遮光材料によって形成されたコーティングであっても良い。ここで、黒ずみ層80は、高密度にパターン化されたコーティングにスクリーン印刷することにより又はリソグラフィによって形成することができる。
【0083】
本実施形態では、高密度のパターンは、複数の円形又は正方形のドットを有する密なパターンであってもよい。また、丸い点や四角い点が複数ある領域は、遮光材が無い領域である。
【0084】
これにより、高密度にパターン化されたコーティングは、下層の構成要素を遮蔽すると同時に、複数のドット又は正方形のドットの領域(遮光材料のない領域)に紫外線エネルギーを部分的に透過させることができる。
図11又は
図12に示すように、黒ずみ層80がスクリーン印刷又はリソグラフィによって高密度にパターン化されてコーティングされた後、複数のドット又は正方形のドットの高密度のパターンにより遮光材料は存在しない。
【0085】
このため、光源30が紫外線L3を出射した後、紫外線L3の一部は黒ずみ層80(遮光材の領域)によって遮られる。紫外線L3の他の部分は、黒ずみ層80の複数のドット又は正方形のドットの領域を透過できる。
【0086】
図13を参照すると、自己殺菌合板構造100は、透明カバー10、回路基板20、光源30、及び放熱層40を含む。ここで、光源30は複数の発光モジュール31を含み、これらの発光モジュール31は回路基板20上に配置される。
【0087】
本実施形態では、自己殺菌合板構造100はブラックマトリックス層(black matrix)90を更に含む。ブラックマトリックス層90は、回路基板20上に位置し、発光モジュール31は、ブラックマトリックス層90を貫通する複数の開口90a内に位置する。
【0088】
換言すると、ブラックマトリックス層90は発光モジュール31の間の回路基板20上に形成され、すなわち、ブラックマトリックス層90と発光モジュール31は回路基板20上に互い違いに配置される。
【0089】
ここで、ブラックマトリックス層90は、発光モジュール31の視認性を低下させることができ、換言すると、ブラックマトリックス層90の遮光パターンは、微小な発光モジュール31を遮蔽することができるが、発光モジュール31によって放射される紫外線は、開口90aを通過することができる。
【0090】
したがって、ブラックマトリックス層90が黒色の遮光材料を採用する場合、発光モジュール31が発光していないときに、自己殺菌合板構造100の正面から自己殺菌合板構造100を見たときに、透明カバー10は黒いガラスのような外観となり、黒いガラスのように見せる遮蔽板としての効果を有する。
【0091】
ブラックマトリクス層90は、黒色の遮光材料を使用することに加えて、要求に応じて他の色(例えば、青、緑、灰色等)の遮光材料を使用することもできる。
【0092】
しかし、前述のブラックマトリックス層90によって採用される仕様によれば、例えば限定されないが、厚さが27μm~33μmの間(30μm±3)であってもよい。光学密度(Optical Density)は1.5未満で、紫外線C(UVC)の光透過率(UVC Transmittance)は50%を超える。
【0093】
また、ブラックマトリックス層90の外形構造は主に六角形の構造を採用し、マイクロカップ(Micro Cup)構造や円形構造を採用することもできる。
【0094】
本実施形態では、複数の発光モジュール31のうちの少なくとも1つの発光モジュール31が各開口90a内に配置される。更に、各開口90aには、少なくとも1つの発光モジュール31又は複数の発光モジュール31が配置される。
【0095】
本実施形態では、開口90aの形状は、平面視でカップ形状、円形、又は矩形であっても良い。
【0096】
本実施形態では、自己殺菌合板構造100がブラックマトリックス層90を採用する場合、自自己殺菌合板構造100は、レンズ層50及び/又は黒ずみ層80を任意に選択し又は使用しないことができる。
【0097】
図14を参照すると、本実施形態では、自己殺菌合板構造100は自己滅菌ディスプレイ60を更に含む。自己滅菌ディスプレイ60は、回路基板20の周囲で透明カバー10の下に配置される。
【0098】
具体的には、自己滅菌ディスプレイ60は、ブラックマトリックス層90と共に透明カバー10の下面に配置される。ここで、自己滅菌ディスプレイ60は、非表示時に他の紫外線を照射して照射殺菌を行うことができる。本実施形態では、自己滅菌ディスプレイ60は接着層70を介して透明カバー10に結合することができる。
【0099】
図15を参照すると、本実施形態では、自己殺菌合板構造100はレンズ層50を更に含むことができ、レンズ層50は透明カバー10と複数の発光モジュール31との間に位置する。具体的には、透明カバー10の下面にレンズ層50が配置され、レンズ層50の下面にブラックマトリクス層90が設けられる。
【0100】
本実施形態では、自己殺菌合板構造100が自己滅菌ディスプレイ60を有する場合、自己滅菌ディスプレイ60は、透明カバー10の下面に直接配置することができる。すなわち、レンズ層50は、自己滅菌ディスプレイ60上には延伸していなくても良い。
【0101】
他の実施形態では、自己殺菌合板構造100が自己滅菌ディスプレイ60を有する場合、レンズ層50は自己滅菌ディスプレイ60の上に延伸しても良い。すなわち、レンズ層50は、
図15に示すように、透明カバー10と自己滅菌ディスプレイ60との間に更に配置される。
【0102】
具体的には、自己殺菌ディスプレイ60は、ブラックマトリックス層90と共にレンズ層50の下面に配置される。このため、レンズ層50は、ブラックマトリックス層90と複数の発光モジュール31の上に位置することとなる。本実施形態では、自己殺菌ディスプレイ60は、接着層70によってレンズ層50に接着することができる。
【0103】
図16を参照して説明する。本実施形態では、自己殺菌合板構造100は更に黒ずみ層80を含むことができ、黒ずみ層80は透明カバー10上に位置する。ここで、黒ずみ層80は、下にある構成要素を遮蔽することができるが、紫外線の放出を遮断しないので、紫外線は黒ずみ層80を透過することができる。
【0104】
これに基づいて、自己殺菌合板構造100は、ブラックマトリックス層90によって内部の構成要素(発光モジュール31等)の視認性を低下させ、内部の構成要素(発光モジュール31等)の視認性は、黒ずみ層80によって更に低減させることができる。
【0105】
本実施形態では、黒ずみ層80は、透明カバー10の上面全体に配置される。他の実施形態では、黒ずみ層80は回路基板20の位置に対応する透明カバー10の上面にのみ配置されても良い。
【0106】
例えば、自己殺菌合板構100が自己滅菌ディスプレイ60を有する場合、黒ずみ層80は自己滅菌ディスプレイ60の上部に分布せず、自己滅菌ディスプレイ60の上方の透明カバー10の上面には黒ずみ層80が存在しない。
【0107】
図17と
図18を参照して説明する。前述の実施形態のいずれかの自己殺菌合板構造100は、キャリア(車両、船舶、航空機等)に適用することができ、車両その他のキャリアの内部空間(すなわち、ランディングスペース(座席空間)220及び/又は室内装飾)を照射によって殺菌することができる。
【0108】
具体的には、自己殺菌キャリア200は、車両本体210と、前述の実施形態のいずれか1つの自己殺菌合板構造100とを含む。車両本体210の内部は、着座する空間であるランディングスペース220を有する。自己殺菌合板構造100はランディングスペース220内に配置され、車両本体210の内壁210a上に配置される。
【0109】
換言すると、自己殺菌合板構造100は、車両本体210の任意の内壁210aに埋め込むことができる。家庭用又は商用車の乗用車の例である車両本体210を以って説明すると、車両本体210の内壁210aは、車両のランディングスペース220の周囲の任意の表面を意味する。
【0110】
例えば、車内の屋根、車内の床、車内の椅子の背もたれ(
図18に示すように、自己殺菌合板構造100は、車両の運転席又は助手席の背もたれに設置される)、車のドアの内側、車内のインストルメントパネル(
図18に示されるように、自己殺菌合板構造100は車両のダッシュボード等の表上に配置される)等である。ここで、自己殺菌合板構造100の構成は上述した実施形態と同様なので再度の説明を省略する。
【0111】
例えば、自己殺菌合板構造100は、車両のフロントダッシュボードの表示画面以外の部分、すなわち、車両のフロントダッシュボードのパネルとして適用することができる。他の実施形態としては、自己殺菌合板構造100は、車両の運転席側の中央コンソールに埋め込むこともできる。
【0112】
図18の本発明の自己殺菌キャリアの実施形態の紫外線を照射する説明図に示すように、自己殺菌合板構100から放射される紫外線Lは、車両本体210から様々な角度で放射され得る。
【0113】
換言すると、自己殺菌合板構造100から放射される紫外線Lは、異なる方向の異なる位置を照射することができ、各車両の運転席や助手席、ハンドル、内装等を長い距離に渡って照射することができる。
【0114】
自己殺菌合板構造100が車両の運転席又は助手席の背もたれに配置されると、車両の後部座席等の異なる位置を異なる方向から照らすことができる。換言すれば、車両本体210のランディングスペース220を照射によって滅菌することができる。
【0115】
複数の他の実施形態では、任意の実施形態の自己殺菌合板構造100は、車の電源が切られた後、又は車内のランディングスペース220に誰もいないときに自己殺菌を行うことができる。すなわち、自己殺菌機能を受動的に作動させることができる。
【0116】
すなわち、自己殺菌合板構造100は、誰もいないときに紫外線Lの照射をオンにしてランディングスペース220及び/又は内部(車内の前席、後席等)を自己殺菌する。
【0117】
以上のように、任意の本発明の実施形態の自己殺菌合板構造100又は自己殺菌キャリア200は、乗客スペース220を有するキャリア(車両、船、飛行機等)に用いるのに適している。また、紫外線を連続的に照射してランディングスペース220を殺菌し、紫外線を出力し得る光源30で発生した熱エネルギーに関しては、放熱層40を介して迅速に除去できるので、光源30の寿命を大幅に縮み難い。
【0118】
本実施形態では、自己殺菌合板構造100又は自己殺菌キャリア200は、自己殺菌合板構造100の表面を殺菌するだけでなく、車両本体210の内部空間(すなわち、ランディングスペース220及び/又は内装)を殺菌するために、長い距離が離れた場所でも及び/又は広い範囲に渡っても照射を行うことができる。
【符号の説明】
【0119】
10 透明カバー
20 回路基板
30 光源
30a 発光面
31 発光モジュール
31a LEDチップ
31b 集光レンズ
40 放熱層
50 レンズ層
50a 第1の表面
50b 第2の表面
51 表面微細構造
52 レンズブロック
60 自己滅菌ディスプレイ
70 接着層
80 黒ずみ層
90 ブラックマトリックス層
90a 開口
100 自己殺菌合板構造
100a 表示領域
100b 非表示領域
200 自己殺菌キャリア
210 車両本体
210a 内壁
220 ランディングスペース
L 紫外線
L1 紫外線
L2 紫外線
L3 紫外線