(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082207
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】ロボットの制御システム、ロボットの制御プログラム
(51)【国際特許分類】
B25J 15/06 20060101AFI20240612BHJP
B25J 15/10 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
B25J15/06 M
B25J15/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026590
(22)【出願日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2022195945
(32)【優先日】2022-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707BS27
3C707CS08
3C707DS01
3C707ES04
3C707ES07
3C707FT01
3C707FT13
3C707KS08
3C707KS36
3C707KT01
3C707KT03
3C707KT05
3C707KT06
3C707WA03
3C707WA16
(57)【要約】
【課題】把持部による荷物の位置の確認、掴み、及び把持の一連の作業を迅速かつ確実に行う。
【解決手段】把持部20に3本の指部22A、22B、22Cを設け、把持部20の掌側20Aと、指22A、22B、22Cに、複数の吸着パッド24をと取り付け、吸着パッド24は、例えば、エアー吸着構造で、荷物100を吸着し、かつ、指部22A、22B、22Cを曲げることにより、荷物100を掴むことができる。荷物100の性状(形状、重さ等)に基づいて分類し、分類した結果で、把持部20の選択、及び、吸着パッド24の選択を行うことで、単一の人型ロボット1によって、様々な種類の荷物100をピッキングすることが可能となる。言い換えれば、荷物100の性状毎に異なるロボットを選択して、出動させる必要がなく、ピッキング作業の効率化を図ることができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を把持する基盤となる掌部と、前記掌部から放射状に延長された複数の指部とを備えた第1把持部と、対象物を把持し、かつ把持することが可能な保持体を備えた第2把持部とを有し、前記第1把持部及び前記第2把持部により前記対象物を把持することが可能なロボットの制御システムであって、
前記第1把持部の前記掌部及び指部毎に選択的に設けられ、異なる吸着面積で前記対象物を吸着して把持することが可能な複数種類の吸着パッドと、
前記対象物の少なくとも形状及び重さを含む性状によって、前記対象物を把持する機能として、前記第1把持部で把持する第1機能、前記第2把持部で把持する第2機能、前記第1機能及び前記第2機能を併用する第3機能の何れかを選択して、前記対象物を把持する動作を制御する制御部と、
を有するロボットの制御システム。
【請求項2】
前記第1把持部は、前記指部が複数設けられ、少なくとも1の指部の先端部には他の吸着パッドと比べて小径の吸着パッドが取り付けられ、前記1の指部以外の他の指部の先端部には他の吸着パッドと比べて大径の吸着パッドが取り付けられており、
前記制御部は、前記性状に基づいて、前記第1機能、前記第2機能、前記第3機能の何れかを選択して、前記対象物を把持する動作を制御する請求項1記載のロボットの制御システム。
【請求項3】
前記第1把持部は、前記指部が3本設けられ、第1の指部の先端部には他の吸着パッドと比べて小径の吸着パッドが取り付けられ、第2の指部及び第3の指部の先端部には他の吸着パッドと比べて大径の吸着パッドが取り付けられており、
前記制御部は、
前記対象物が、前記性状に基づいて、特大サイズ、大サイズ、中サイズ、小サイズ、及び特小サイズに分類し、
前記対象物が、前記特大サイズの場合は、前記第2把持部に設けられた保持体を用いて把持し、
前記対象物が、前記大サイズの場合は、前記掌部に設けられた吸着パッドを用いて把持し、
前記対象物が、前記中サイズの場合は、前記第2の指部及び前記第3の指部の先端部に設けられた前記大径の吸着パッドを用いて把持し、
前記対象物が、前記小サイズの場合は、前記第2の指部又は前記第3の指部の先端部に設けられた前記大径の吸着パッドを用いて把持し、
前記対象物が、前記特小サイズの場合は、前記第1の指部の先端部に設けられた前記小径の吸着パッドを用いて把持することを選択する、
請求項1記載のロボットの制御システム。
【請求項4】
前記第2把持部の前記保持体として、吸着パッドが適用される、請求項1記載のロボットの制御システム。
【請求項5】
前記第1把持部及び前記第2把持部に設けられ、前記対象物の形状及び位置を含む対象物情報を検出する掌センサ部をさらに有し、前記掌センサ部が、前記対象物の画像を撮影して当該対象物の種類を識別するカメラと、前記対象物の位置を特定するモーションプロセシングユニットとを備える請求項1記載のロボットの制御システム。
【請求項6】
前記対象物の前記性状の内、重さ情報を用いて、前記対象物が、単一のロボットで把持することが可能な所定規格内か否かを判定し、所定規格を超える場合に、複数のロボットを集結し、互いに連携して、前記対象物を把持する、請求項1記載のロボットの制御システム。
【請求項7】
前記制御部が、
前記複数のロボットの各々の前記対象物の把持点を設定し、前記対象物の性状に基づいて、設定した把持点での、各ロボットに分担される荷重比率を演算し、演算結果に基づいて、各ロボット毎に、前記対象物を把持する前記機能を選択する、請求項6記載のロボットの制御システム。
【請求項8】
前記複数のロボットで前記対象物を把持して搬送するとき、当該対象物に加わる慣性力が最小となるように、各ロボットの搬送ルートを設定する、請求項6記載のロボットの制御システム。
【請求項9】
コンピュータを請求項1~請求項8の何れか1項記載の制御部として動作させる、ロッボットの制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットの制御システム、ロボットの制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場の生産ラインにおいては作業を自動で行うための人型ロボットが使用されている。特許文献1には、人型ロボットの姿勢制御について記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、弾性体アクチュエータで駆動されて複数の関節を有するロボットアームであって、ロボットアームの手先部に配設され支持面と接触することによりロボットアームを支持する手先支持部材と、手先支持部材と支持面との接触する力を制御すると同時にロボットアームの手先部の位置及び姿勢を制御する制御部により制御することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-093506号公報
【特許文献2】WO2011/001569公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の人型ロボットによる倉庫内でのピッキング作業において、例えば、荷物が陳列されている棚から当該荷物(シャンプーや、コンディショナー、化粧品、歯磨き粉、カップラーメン、菓子袋等の形状や重さ、硬さ、壊れやすさが違うもの)をピックアップし、所定の包装体(箱等)に収容してパッキングするような場面において、現状では人の手に頼っている。
【0006】
また、ロボットの把持部の構造をフィンガータイプとして対応しようとしても、指や腕の動きが遅いため、生産性が低い。
【0007】
本発明上記事実を考慮し、把持部による荷物の位置の確認、掴み、及び把持の一連の作業を迅速かつ確実に行うことができるロボットの制御システム、ロボットの制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るロボットの制御システムは、対象物を把持する基盤となる掌部と、前記掌部から放射状に延長された複数の指部とを備えた第1把持部と、対象物を把持し、かつ把持することが可能な保持体を備えた第2把持部とを有し、前記第1把持部及び前記第2把持部により前記対象物を把持することが可能なロボットの制御システムであって、前記第1把持部の前記掌部及び指部毎に選択的に設けられ、異なる吸着面積で前記対象物を吸着して把持することが可能な複数種類の吸着パッドと、前記対象物の少なくとも形状及び重さを含む性状によって、前記対象物を把持する機能として、前記第1把持部で把持する第1機能、前記第2把持部で把持する第2機能、前記第1機能及び前記第2機能を併用する第3機能の何れかを選択して、前記対象物を把持する動作を制御する制御部と、を有している。
【0009】
本発明によれば、制御部は、対象物の少なくとも形状及び重さを含む性状によって、前記対象物を把持する機能として、前記第1把持部で把持する第1機能、前記第2把持部で把持する第2機能、前記第1機能及び前記第2機能を併用する第3機能の何れかを選択して、前記対象物を把持する動作を制御する。
【0010】
これにより、把持部による対象物(以下、荷物という場合がある。)の位置の確認、掴み、及び把持の一連の作業を迅速かつ確実に行うことができる。
【0011】
本発明において、前記第1把持部は、前記指部が複数設けられ、少なくとも1の指部の先端部には他の吸着パッドと比べて小径の吸着パッドが取り付けられ、前記1の指部以外の他の指部の先端部には他の吸着パッドと比べて大径の吸着パッドが取り付けられており、前記制御部は、前記性状に基づいて、前記第1機能、前記第2機能、前記第3機能の何れかを選択して、前記対象物を把持する動作を制御することを特徴としている。
【0012】
1台のロボットの対象部の性状に適合する把持機能を有しているため、ロボットの選択が不要となり、ピッキング作業の効率化を図ることができる。
【0013】
本発明において、前記第1把持部は、前記指部が3本設けられ、第1の指部の先端部には他の吸着パッドと比べて小径の吸着パッドが取り付けられ、第2の指部及び第3の指部の先端部には他の吸着パッドと比べて大径の吸着パッドが取り付けられており、前記制御部は、前記対象物が、前記性状に基づいて、特大サイズ、大サイズ、中サイズ、小サイズ、及び特小サイズに分類し、前記対象物が、前記特大サイズの場合は、前記第2把持部に設けられた保持体を用いて把持し、前記対象物が、前記大サイズの場合は、前記掌部に設けられた吸着パッドを用いて把持し、前記対象物が、前記中サイズの場合は、前記第2の指部及び前記第3の指部の先端部に設けられた前記大径の吸着パッドを用いて把持し、前記対象物が、前記小サイズの場合は、前記第2の指部又は前記第3の指部の先端部に設けられた前記大径の吸着パッドを用いて把持し、前記対象物が、前記特小サイズの場合は、前記第1の指部の先端部に設けられた前記小径の吸着パッドを用いて把持することを選択することを特徴としている。
【0014】
1台のロボットの対象部の性状に適合する把持機能を有しているため、ロボットの選択が不要となり、ピッキング作業の効率化を図ることができる。
【0015】
本発明において、前記第2把持部の前記保持体が、前記大径の吸着パッド又は前記小径の吸着パッドの何れかと同形状の吸着パッドが適用されることを特徴としている。
【0016】
第2把持部にも吸着パッドを用いることで、制御が容易となる。
【0017】
本発明において、前記第1把持部及び前記第2把持部に設けられ、前記対象物の形状及び位置を含む対象物情報を検出する掌センサ部をさらに有し、前記掌センサ部が、前記対象物の画像を撮影して当該対象物の種類を識別するカメラと、前記対象物の位置を特定するモーションプロセシングユニットとを備えることを特徴としている。
【0018】
カメラは、撮影した画像情報に基づき、撮影された対象物を識別する。すなわち、対象物の種類(形状、大きさ、硬さ等)を特定するための情報を取得する役目を有する。
【0019】
モーションプロセシングユニット(MoPU)は、対象物の存在位置を示す点の、所定の座標軸に沿った動きのベクトル情報を動き情報として出力する。すなわち、MoPUから出力される動き情報には、対象物の中心点(又は重心点)の座標軸(x軸、y軸、z軸)上の動き(移動方向と移動速度)を示す情報のみが含まれている。すなわち、把持部が対象物に接近するときの軌跡を精度よく案内することができる。
【0020】
本発明において、前記対象物の前記性状の内、重さ情報を用いて、前記対象物が、単一のロボットで把持することが可能な所定規格内か否かを判定し、所定規格を超える場合に、複数のロボットを集結し、互いに連携して、前記対象物を把持する、ことを特徴としている。
【0021】
単体のロボットで把持する対象物として、所定規格を超える対象物(例えば、重量オーバー)の場合、複数のロボットを連携して把持することで、当該重量オーバー等の対象物にも対応することができる。
【0022】
本発明において、前記制御部が、前記複数のロボットの各々の前記対象物の把持点を設定し、前記対象物の性状に基づいて、設定した把持点での、各ロボットに分担される荷重比率を演算し、演算結果に基づいて、各ロボット毎に、前記対象物を把持する前記機能を選択する、ことを特徴としている。
【0023】
各ロボットの把持点によって、対象物を把持したときの荷重が異なるため、それぞれの荷重比率に基づいて、把持するときの機能を選択することができる。
【0024】
本発明において、前記複数のロボットで前記対象物を把持して搬送するとき、当該対象物に加わる慣性力が最小となるように、各ロボットの搬送ルートを設定する、ことを特徴としている。
【0025】
例えば、右折及び左折時等で、対象物に減速及び加速による慣性力が加わり、把持状態が変化する場合がある。そこで、対象物が所定の曲率半径のカーブ軌跡で移動するような、ロボットの搬送ルートを設定することで、把持状態を変化させない走行が可能となる。
【0026】
本発明に係るロボットの制御プログラムは、コンピュータを上記の制御部として動作させることを特徴としている。
【0027】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように本発明によれば、把持部による荷物の位置の確認、掴み、及び把持の一連の作業を迅速かつ確実に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】第1の実施の形態に係る人型ロボットの正面図である。
【
図2】第1の実施の形態に係る人型ロボットの側面図である。
【
図3】(A)は第1の実施の形態に係る把持部の掌側の正面図、(B)は把持部に取り付けた吸着パッドの斜視図である。
【
図4】(A)は第1の実施の形態に係る左手側の把持部の斜視図、(B)は第1の実施の形態に係る右手側の把持部の斜視図である。
【
図5】人型ロボットの機能構成の一例を概略的に示す図である。
【
図6】情報処理装置によって実行される処理ルーチンの一例を概略的に示す図である。
【
図7】
図4の人型ロボットの全体の動作に連動し、把持部によって荷物を把持する際の把持制御の手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図7のステップ160における、把持部及び吸着パッドの選択処理ルーチンを示す制御フローチャートである。
【
図9】第2の実施の形態に係る把持部及び吸着パッドの選択処理ルーチンを示す制御フローチャートである。
【
図10】
図9のステップ194における、所定規格外処理サブルーチンの詳細を示す制御フローチャートである。
【
図11】第2の実施の形態の変形例に係る、1つの荷物を把持している2台の人型ロボットが、クランク状の搬送経路に差しかかっている状態を示す平面図である。
【
図12】第2の実施の形態の変形例に係る、所定規格外のときの走行ルート設定処理ルーチンを示す制御フローチャートである。
【
図13】情報処理装置として機能するコンピュータハードウェアの一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0031】
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態に係る人型ロボットの正面図である。
図1に示すように、第1の実施の形態に係る人型ロボット1は、上半身部2、脚部3、および上半身部2を脚部3に対して回動可能に連結する連結部4を備え、例えば工場の生産ライン等に配置されて、ピッキング対象物である荷物100等が陳列されている棚を含むライン上、又は床上の対象物(落下物等)に対して作業を行うものである。なお、作業は、棚から荷物100を把持するピッキング以外に、把持した荷物100を所定の筐体(ダンボール等)に収容するパッキングを含む。
【0032】
上半身部2は2本の腕部5、6を有する。腕部5、6は上半身部2の左右に回動自在に取り付けられている。また、腕部5、6の先端には荷物100を把持するための把持部20(詳細後述)が取り付けられている。なお、腕部は2本に限定されるものではなく、1本あるいは3本以上であってもよい。
【0033】
脚部2は2つの車輪7、8がその下部に取り付けられており、人型ロボット1が配置される床の上を移動可能とされている。
【0034】
連結部4は、上半身部2と脚部3を回動可能に連結する。このため、上半身部2は、脚部3に対して前傾および後傾が可能となっている。このため、第1の実施の形態に係る人型ロボット1は、
図2に示すように、脚部3に対して上半身部2を前傾させて、棚に置かれた荷物100や、床に置かれていた荷物100、及び作業中に床に落ちたりした荷物100を拾うことが可能である。
【0035】
なお、脚部2は、上半身部2が脚部3に対して前傾または後傾したり、人型ロボット1が移動したりした際に、人型ロボット1が転倒しないようにするためのバランス機能を有する。
【0036】
また、連結部4は、
図1に示すように上半身部2と脚部3との距離を変更可能な機能を有する。このため、生産ラインにおける作業台の高さに合うように、脚部3に対する上半身部2の上下方向の位置を矢印Aに示すように調整することができる。
【0037】
また、第1の実施の形態に係る人型ロボット1は、人型ロボット1内に実装された制御システム10によりその駆動が制御される。
【0038】
(把持部20の構造)
図3(A)に示される如く、腕部5、6の先端に取り付けられた把持部20は、一方(第1の実施の形態では、左腕である腕部6が人間の同様の手の構造とされ(以下、左手側の把持部20を「把持部20L」という)、他方(第1の実施の形態では、右腕である腕部5)は矩形構造とされ(以下、右手側の把持部20を「把持部20R」という)、何れの把持部20は、腕部5、6に対して、回転自在に取り付けられている(Intelligent Hand System)。
【0039】
(左手の把持部20L)
図3(A)及び
図4(A)に示される如く、第1の実施の形態に係る把持部20Lは、各々複数の関節を備えた3本の指部22A、22B、22Cを有している。なお、第1の実施の形態では、把持部20Lの指の数を3本としているが、5本指などの複数指構造であってもよい。
【0040】
把持部20Lの掌側20Aには、複数(第1の実施の形態では、4個)の吸着パッド24が取り付けられている。
【0041】
また、第1の実施の形態の把持部20Lの掌側20Aの中央部には、掌センサ26が取り付けられている。掌センサ26は、荷物100の種類を識別する高解像度カメラ、及び、荷物100の位置を特定するMoPU(Motion Processing Unit)を備えている。
【0042】
また、3本の指部22A、22B、22Cの先端部には、それぞれ吸着パッド24X、24Yが取り付けられている。吸着パッド24X、24Yの分類については、後述する。
【0043】
(右手の把持部20R)
図3(A)及び
図4(B)に示される如く、第1の実施の形態に係る把持部20Rは、矩形状の本体部20Bを備え、本体部20Bの先端面には、複数(第1の実施の形態では、4個)の吸着パッド24が取り付けられている。この吸着パッド24は、左手の把持部20Lで適用した何れかの吸着パッド24X又は吸着パッド24Yの何れであってもよいし、別の径寸法であってもよい。
【0044】
また、第1の実施の形態の把持部20Rの本体部20Bの先端面中央部には、掌センサ26が取り付けられている。掌センサ26は、荷物100の種類を識別する高解像度カメラ、及び、荷物100の位置を特定するMoPU(Motion Processing Unit)を備えている。
【0045】
図3(B)に示される如く、吸着パッド24は、荷物100を把持するときに対峙させるゴム製のパッド部24Aと、パッド部24Aと荷物100との密着により形成される密閉空間のエアーを吸引する空気流路を形成するニップル24Bとで構成されている。
【0046】
すなわち、第1の実施の形態の吸着パッド24は、エアー吸着構造であり、ニップル24Bに設けられた孔24Cから、密閉空間内の空気を吸引して真空(ほぼ真空を含む)することで、吸着力を持つ。なお、吸着パッド24は、エアー吸着構造に限らず、単純にパッド部24Aの変形による密閉空間の容積を変化させて吸着させる構造であってもよい。
【0047】
ここで、吸着パッド24は、取付位置によってその大きさが異なっている(パッド部24Aの径寸法の違い)。
【0048】
大きく分類すると、吸着パッド24は、大径サイズ又は小径サイズに分類され、相対的に小径サイズ(大径サイズよりも小径)の吸着パッド24Xと、相対的に大径サイズ(小径サイズよりも大径)の吸着パッド24Yとによって構成されている。
【0049】
把持部20Lの指部22Aには小径サイズの吸着パッド24Xが取り付けられ、その他の指22B、22C、及び掌側20Aには大径サイズの吸着パッド24Yが取り付けられている。
【0050】
また、把持部20Rの本体には、大径サイズの吸着パッド24Yが取り付けられている。
【0051】
なお、吸着パッド24X、24Yのサイズを2種類としたが、3種類以上であってもよい。
【0052】
第1の実施の形態の掌センサ26を構成する高解像度カメラは、撮影した画像情報に基づき、撮影された荷物100が何であるかシャンプー、コンディショナー、化粧品、歯磨き粉等のケア商品なのか、又は、カップラーメン、菓子袋等の食品なのかを識別する。
【0053】
言い換えると、高解像度カメラは、荷物100の種類(形状、大きさ、硬さ等)を特定するための情報を取得する役目を有する。
【0054】
一方、高解像度カメラと共に、第1の実施の形態の掌センサ26を構成するMoPUは、1000フレーム/秒以上のフレームレートで撮影された荷物100の画像から、撮影された荷物100の動き(この場合、腕部5、6との間の相対的な動きとなる。)を示す動き情報を、例えば1000フレーム/秒以上のフレームレートで出力する。なお、移動中の荷物100を検知する場合、フレームレートを上げて、固定物(移動しない荷物100)を検知する場合、フレームレートを下げるようにしてもよい。
【0055】
MoPUは、荷物100の存在位置を示す点の、所定の座標軸に沿った動きのベクトル情報を動き情報として出力する。すなわち、MoPUから出力される動き情報には、撮影された荷物100が何であるか(上記ケア商品、食品)を識別するために必要な情報は含まれておらず、当該荷物100の中心点(又は重心点)の座標軸(x軸、y軸、z軸)上の動き(移動方向と移動速度)を示す情報のみが含まれている。
【0056】
すなわち、把持部20が荷物100に接近するときの軌跡を精度よく案内することができる。
【0057】
高解像度カメラ及びMoPUを含む掌センサ26から出力された情報は、情報処理装置14に供給される。
【0058】
情報処理装置14は、高解像度カメラ及びMoPUを含む掌センサ26からの情報により、高精度に荷物100の位置を特定し、把持するときの指部22A、22B、22Cの広がり度合い、掴むときの強度、及び吸着パッド24による吸着力等を演算し、腕部5、6及び把持部20の微小な動きを、精度よくコントロールし、様々な荷物100のピッキング作業に対応することができる。
【0059】
(荷物100の形状、重さ等を含む性状による、吸着パッド24X、24Yの選択)
ところで、ピッキング対象の荷物100は、第1の実施の形態では、以下の表1のように分類することができる。
【0060】
表1は、ピッキング対象の荷物100(Object)を、形状(Shape)、重さ(Weight)、及びその他状態(Other condition)の3項目で分類している。
【0061】
【0062】
形状の項目としては、箱型(Box)、非箱型(Not box)、及びその他(Other)が設定される。重さの項目としては、5kg以上(Over 5kg)及び5kg未満(Below 5kg)が設定される。状態の項目としては、四角形等の多角形を主とする線形的形状(Aligned)及び球体や袋体を主とする非線形形状(Not aligned)が設定される。
【0063】
ここで、比較例では、上記各項目の組み合わせで決定した荷物100の性状に基づいて、適用可能なロボットを選択して、ピッキング作業を実行するようにしていた。すなわち、ロボットの種類として、フィンガーロボット(Finger robot)、吸着ロボット(Sucking robot)の「大(Large)」、「中(Medium)」、「小(Small)」,及び2本アームロボット(Both 2 arms robot)があり、これらの中から、適用可能なロボットを選択する。
【0064】
しかしながら、種類の異なるロボットの選択では、例えば、近くに待機しているロボットが適用対象外の種類のロボットの場合、新たに適用可能な種類のロボットを呼び寄せる必要があり、ピッキング作業の効率が悪かった。
【0065】
そこで、第1の実施の形態では、単一の人型ロボット1に、複数の異なる把持部(把持部20A、20B)を設けると共に、異なる大きさの吸着パッド(吸着パッド24X、24Y)を取り付けることで、1台の人型ロボット1に取り付けられた1本又は2本の腕部5、6により、上記で示した様々な性状の荷物100のピッキングを行うようにした。
【0066】
より具体的には、表1で確定した荷物100の性状に応じて、表2に示される如く、オブジェックトサイズ(Object size)として5パターン(Extra-Large、Large、Medium、Small、Extra-small)に分類し、当該5パターンのそれぞれに対応したピッキング作業を選択するようにした(Suitable for : Right hand、Left hand palm、Left 2 fingers、left 1 finger)。
【0067】
【0068】
より具体的には、以下のような選択制御が実行される。
【0069】
(選択制御1) Extra-Largeサイズ(特大サイズ)の荷物100の場合は、最も重い荷物100と判断して、右手の把持部20Rを使用してピッキングする。
【0070】
(選択制御2) Largeサイズ(大サイズ)の荷物100の場合は、左手の把持部20Lの掌側20Aに取り付けられた吸着パッド24Yを使用してピッキングする(大径サイズの4個の吸着パッド24Yを使用)。
【0071】
(選択制御3) Mediumサイズ(中サイズ)の荷物100の場合は、左手の把持部20Lの指部22B及び指部22Xに取り付けられた2個の吸着パッド24Yを使用してピッキングする(大径サイズの2個の吸着パッド24Yを使用)。
【0072】
(選択制御4) Smallサイズ(小サイズ)の荷物100の場合は、左手の把持部20Lの指部22Bを使用してピッキングする(大径サイズの吸着パッド24Yを使用)。
【0073】
(選択制御5) Extra-smallサイズ(特小サイズ)の荷物100の場合は左手の把持部20Lの指部22Aを使用してピッキングする(小径サイズの吸着パッド24Xを使用)。
【0074】
(選択制御6) 表2には記載していないが、グリップ(掴む)のに適した荷物100であれば、左手の把持部24Lの指部22A、22B、22Cで荷物100を掴んで持ち上げる。この選択制御6は、上記の選択制御1~選択制御5との併用でもよいし、単独で実行してもよい。
【0075】
図5は、第1の実施の形態に係る人型ロボットの制御システムの一例の概略図である。制御システム10は、人型ロボットに搭載されるセンサ12と、高解像度カメラ及びMoPUを含む掌センサ26と、情報処理装置14とを備えている。
【0076】
センサ12は、人型ロボット1の周辺にある、人型ロボット1が作業する荷物100と腕部5、6との距離および角度を少なくとも表す情報を逐次取得する。センサ12としては、最高性能のカメラ、ソリッドステートLiDAR、マルチカラーレーザ同軸変位計、又はその他様々なセンサ群が採用され得る。また他には、センサ12としては、振動計、サーモ
【0077】
カメラ、硬度計、レーダー、LiDAR、高画素・望遠・超広角・360度・高性能カメラ、ビジョン認識、微細音、超音波、振動、赤外線、紫外線、電磁波、温度、湿度、スポットAI天気予報、高精度マルチチャネルGPS、低高度衛星情報、又はロングテールインシデントAI data等が挙げられる。
【0078】
なお、センサ12は、上記の情報のほかに、画像、距離、振動、熱、匂い、色、音、超音波、紫外線、又は赤外線等を検知する。他にセンサ12が検知する情報としては、人型ロボット1の重心移動、人型ロボット1が設置される床の材質の検知、外気温度の検知、外気湿度の検知、床の上下横斜め傾き角度の検知、水分量の検知等が挙げられる。
【0079】
センサ12は、これらの検知を例えばナノ秒毎に実施する。
【0080】
掌センサ26(高解像度カメラ及びMoPU)は、腕部5、6の把持部20に設けられるセンサであり、センサ12とは別に、荷物100を撮影するカメラ機能、及び、荷物100位置を特定する位置特定機能を有する。
【0081】
なお、1つのMoPU12を用いた場合には、荷物100の存在位置を示す点の、三次元直交座標系における2つの座標軸(x軸及びy軸)の各々に沿った動きのベクトル情報を取得することが可能である。ステレオカメラの原理を利用して、2つのMoPU12を用いて、荷物100の存在位置を示す点の、三次元直交座標系における3つの座標軸(x軸、y軸、z軸)の各々に沿った動きのベクトル情報を出力してもよい。z軸は、奥行方法(車両の走行)に沿った軸である。
【0082】
情報処理装置14は、情報取得部140と、制御部142と、情報蓄積部144とを備えている。
【0083】
情報取得部140は、センサ12及び掌センサ26(高解像度カメラ及びMoPU)によって検知された荷物100の情報を取得する。
【0084】
制御部142は、情報取得部140がセンサ12から取得した情報とAI(Artificial intelligence)とを用いて、連結部4の回動動作、上下方向の移動動作および腕部5、6の動作等を制御する。
【0085】
また、制御部142は、情報取得部140が掌センサ26(高解像度カメラ及びMoPU)から取得した情報を用いて、荷物100の種類(形状、大きさ、硬さ等)及び位置を詳細に把握し、当該外形や位置に応じて、掌側20Aを対峙させ、吸着パッド24により吸着し、かつ、3本の指部22A、22B、22Cで掴むように制御する(把持制御)。なお、外形情報に基づいて、荷物100の種類を把握して把持制御(「吸着」のみ、「掴み」のみ、「吸着」と「掴み」の併用等)を選択してもよい。
【0086】
例えば、制御部142は、全体の動作として、以下の各処理を実行する。
(1)棚及び床にある荷物100を拾い上げることが可能なように連結部4を駆動して、上半身部2を前傾または後傾させる。
(2)荷物100をつかむことが可能なように腕部5、6および把持部を駆動する。
(3)生産ラインの作業台の高さに合うように、上半身部2を脚部3に対して上下に駆動する。
(4)人型ロボット1の転倒を防ぐために、バランスを取る。
(5)人型ロボット1がカート等を押し進めることができるように、車輪7、8の駆動を制御する。
【0087】
情報処理装置14は、例えば、床にある荷物100を拾う場合、
図6に示されているフローチャートを繰り返し実行する。
【0088】
ステップS100において、情報取得部140は、センサ12によって検知された荷物100の情報を取得する。
【0089】
ステップS102において、制御部142は、ステップS100で取得された荷物100の情報とAIとを用いて、連結部4および腕部5、6を制御することにより、床にある荷物100を拾い上げる。
【0090】
ステップS104において、制御部142は、拾った荷物100を所定位置へ移動する。
【0091】
第1の実施の形態によれば、人型ロボット1は、上半身部2、脚部3および上半身部2と脚部3とを回動自在に連結する連結部4を備える。また、センサ12が取得した情報に基づいて連結部4の回動を制御するようにした。このため、人型ロボット1と荷物100との距離や角度を判断することができ、これにより、床にある荷物100を拾い上げるような動作を行うことができる。
【0092】
また、連結部4は上半身部2と脚部3との距離を変更可能であるため、生産ラインにおける作業台の高さに合うように、脚部3に対する上半身部2の上下方向の位置を調整することができる。
【0093】
また、脚部2は、上半身部2が脚部3に対して前傾または後継した際に、人型ロボット1が転倒しないようにするためのバランス機能を有する。このため、生産ラインにある荷物100を押したり引いたりする作業を行った際の人型ロボット1の転倒を防止できる。したがって、転倒による人型ロボット1の故障、あるいは人型ロボット1の周囲にいる人物の怪我等を防止することができる。
【0094】
(荷物100の把持制御)
図7は、
図4の人型ロボット1の全体の動作に連動し、把持部20によって荷物100を把持する際の把持制御の手順を示すフローチャートである。
【0095】
ステップ150では、荷物100の把持の指示があったか否かを判断し、肯定判定されると、ステップ152へ移行して、人型ロボット1を移動させ(例えば、腕部5、6を動作させ)、対象の荷物100に掌側20Aを対峙させ、ステップ154へ移行する。
【0096】
ステップ154では、掌側20Aを対向させて、荷物100の情報を検出する。
【0097】
次のステップ156では、掌センサ26(高解像度カメラ及びMoPU)による検出情報を解析して、荷物100の種類(形状、大きさ、硬さ等)及び位置を詳細に把握し、ステップ158へ移行する。
【0098】
ステップ158では、荷物100の把持のための作業を選択する。例えば、「吸着」のみ、「掴み」のみ、「吸着」と「掴み」の併用等から選択し、次いで、ステップ160へ移行して、荷物100の性状に応じた、把持部20、吸着パッド24の選択処理(詳細は、
図8参照)を実行し、ステップ162へ移行する。
【0099】
ステップ162では、荷物100の把持(「吸着」のみ、「掴み」のみ、「吸着」と「掴み」)を実行する。
【0100】
次のステップ164では、荷物100の把持が成功したか否かを判定し、肯定判定された場合は、把持した荷物100を所定の場所へ運び、ステップ150へ移行して、次の荷物100の把持の指示を待つ。
【0101】
また、ステップ164で否定判定された場合は、ステップ166へ移行して、エラー処理(例えば、リトライ又はキャンセル等)を実行し、ステップ150へ戻る。
【0102】
(把持部、吸着パッド選択処理)
図8は、
図7のステップ160で実行される把持部、吸着パッドの選択処理ルーチンを示す制御フローチャートである。
【0103】
ステップ170では、荷物100は特大サイズか否かを判断する。このステップ170で肯定判定(特大サイズ確定)されると、ステップ172へ移行して、右手側の把持部20Rを選択し、かつ当該把持部20Rに取り付けられた4個の吸着パッド24を選択し、ステップ190へ移行する。
【0104】
また、ステップ170で否定判定された場合は、ステップ174へ移行して、左手側の把持部20Lを選択し、ステップ176へ移行する。
【0105】
ステップ176では、荷物100は大サイズか否かを判断する。このステップ176で肯定判定(大サイズ確定)されると、ステップ178へ移行して、把持部20Lの掌側20Aの4個の吸着パッド24を選択し、ステップ190へ移行する。
【0106】
また、ステップ176で否定判定された場合は、ステップ180へ移行する。
【0107】
ステップ180では、荷物100は中サイズか否かを判断する。このステップ180で肯定判定(中サイズ確定)されると、ステップ182へ移行して、把持部20Lの指部22B、22Cに取り付けられた2個の大径サイズの吸着パッド24Yを選択し、ステップ190へ移行する。
【0108】
また、ステップ180で否定判定された場合は、ステップ184へ移行する。
【0109】
ステップ184では、荷物100は小サイズか否かを判断する。このステップ184で肯定判定(小サイズ確定)されると、ステップ186へ移行して、把持部20Lの指部22B又は指部22Cに取り付けられた何れか1個の大径サイズの吸着パッド24Yを選択し、ステップ190へ移行する。
【0110】
また、ステップ184で否定判定(特小サイズ確定)されると、ステップ188へ移行して、持部20Lの指部22Aに取り付けられた小径サイズの吸着パッド24Xを選択し、ステップ190へ移行する。
【0111】
ステップ190では、指22A、22B、22Cによる掴みの必要があるか否かを判断し、肯定判定されると、ステップ192へ移行して、左手側の把持部24Lの3本の指22A、22B、22Cによる掴み動作を選択し、このルーチンは終了する。また、ステップ190で否定判定された場合は、このルーチンは終了する。
【0112】
以上、第1の実施の形態によれば、把持部20に3本の指部22A、22B、22Cを設け、把持部20の掌側20Aと、指22A、22B、22Cに、複数の吸着パッド24をと取り付け、吸着パッド24は、例えば、エアー吸着構造で、荷物100を吸着し、かつ、指部22A、22B、22Cを曲げることにより、荷物100を掴むことができる。
【0113】
また、荷物100の性状(形状、重さ等)に基づいて分類し、分類した結果で、把持部20の選択、及び、吸着パッド24の選択を行うことで、単一の人型ロボット1によって、様々な種類の荷物100をピッキングすることが可能となる。言い換えれば、荷物100の性状毎に異なるロボットを選択して、出動させる必要がなく、ピッキング作業の効率化を図ることができる。
【0114】
掌側20Aには、高解像度カメラ及びMoPUを含む掌センサ26を取り付け、上記の構造の把持部20を人型ロボット1の腕部5、6に装着することにより、吸着面によりモノを確実にピックすることができ、人型ロボット1の動きが早くても荷物100を把持部20から落とさずに運ぶことができる。
【0115】
また、掌センサ26(高解像度カメラ及びMoPU)が掌側20Aに搭載されているので、高精度に荷物100を捉えることができ、微小な動きをする作業にも対応することができる。
【0116】
さらに、非常に柔らかく壊れやすいものは、吸着パッド24を使わずに、指22A、22B、22Cの動きにより掴むこともできるし、掴む力を調整することにより、柔らかい荷物100の破損等を防止することかできる。
【0117】
(第2の実施の形態)
図9~
図12に基づき、本発明の第2の実施の形態について説明する。
なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付して、その構成の説明を省略す。
【0118】
第2の実施の形態の特徴は、複数の人型ロボット1が共同して、1つの荷物100を把持して、搬送する点にある。
【0119】
第1の実施の形態では、荷物100の状態(ここでは、重さ)によって、把持部20(左手又は右手)の選択、及び吸着パッド24のサイズ選択を行い、荷物100を最適な状態で把持するようにした。
【0120】
しかしながら、荷物100の重さが所定規格(第2の実施の形態では、10kg以上)を超えた場合、1台の人型ロボット1では、把持が不安定になる。
【0121】
そこで、所定規格を超える荷物100を把持する場合に、複数の人型ロボット1が連携して把持し、搬送する構成とした。
【0122】
この場合、荷物100を把持するにあたり、事前に計測されている重さ(或いは、現場で計測した重さ)に基づき、所定規格を超えている場合に、その重さに基づいて、人型ロボット1の必要台数を設定する(表3参照)。
【0123】
【0124】
これにより、把持対象の荷物100に対して、複数の人型ロボット1を集結させ、複数の人型ロボット1が、それぞれ把持動作を実行させることができる。
この場合、荷物100の重心位置によって、各人型ロボット1が把持する位置での荷重が平均にならない場合があるため、各把持点での荷重分担比率を演算することが好ましい。
【0125】
また、把持点での荷重が認識されることで、第1の実施の形態の表2に基づいて実行した、重さ等に基づく、把持形態(左手/右手、及び吸着パッド24のサイズ、並びに、掴み動作の併用の有無)を選択することが可能である。
【0126】
以下に、第2の実施の形態の作用を、
図9及び
図10のフローチャートに従い説明する。各フローチャートに基づく処理は、最初に荷物を把持しようとした一の人型ロボット1の情報処理装置14において実行される。
【0127】
図9に示される如く、ステップ169では、事前情報に基づき、把持する対象の荷物100の重さが、所定規格内か否かを判断する。
【0128】
このステップ169で肯定判定された場合は、ステップ170へ移行する。ステップ170に続き処理は、第1の実施の形態で説明した
図8と同一であるので、ここでの説明は省略する。
【0129】
また、ステップ169で否定判定された場合は、荷物100の重さが、所定規格外(5kg超)であると判断し、ステップ194へ移行して、所定規格外処理(
図10参照、詳細後述)を実行し、このルーチンは終了する。
【0130】
なお、
図9のフローチャートでは、事前に知り得る重さ情報で、ステップ169の判定を行ったが、事前情報として重さ情報が無い場合は、ステップ172で選択した、Extra-Large対応の右手の把持部20Rを用いて重さを計測して、所定規格外(5kg超)の場合に、ステップ194へ移行するようにしてもよい。
【0131】
(所定規格外処理の詳細)
図10は、
図9のステップ194における所定規格外処理サブルーチンの詳細を示す制御フローチャートである。
【0132】
ステップ200では、荷物の重さに基づき、人型ロボット1の必要台数を設定する。
【0133】
すなわち、表3に示される如く、荷物100の重さに応じて、必要な人型ロボット1が決まる。荷物100の重さが、25kgの場合は、人型ロボット1による把持動作の許容を超えるため、特殊搬送ロボットに搬送を委ねる。
【0134】
なお、表3に示す荷物100の重さの範囲設定は一例であり、人型ロボット1の仕様に基づき定めればよい。
【0135】
次のステップ202では、該当する人型ロボット1に対して、集合を指示する。指示対象は、例えば、待機中の人型ロボット1が主体となるが、把持対象の荷物100の近傍で、待機位置へ戻ろうしている人型ロボット1を指示するようにしてもよい。また、条件が合えば、他の荷物100を把持して搬送中の人型ロボット1であってもよい。条件とは、今回の荷物100の把持に必要な把持部が使用されておらず、現在、把持している荷物100と搬送先が近い場合等が挙げられ、複数の人型ロボット1を一括管理している場合に実行可能である。
【0136】
次のステップ204では、集結した複数の人型ロボット1のそれぞれの把持点、荷物100の重心等に基づき、荷物100の荷重分担比率を演算し、次いで、ステップ206では、ステップ204で演算結果(分担した荷重(重さ))に応じて、把持形態を選択する。この把持形態の選択は、第1の実施の形態における表2を用いることができる。言い換えれば、
図8のステップ170~ステップ192の処理を、このステップ206が実行される。
【0137】
(第2の実施の形態の変形例)
第2の実施の形態において、複数(ここでは、2台)の人型ロボット1が、1つの荷物100を把持して搬送する場合、直線路であれば、一定速度で同一方向に搬送が可能であるため、荷物100を脱落する恐れはほとんどない。
【0138】
しかし、搬送路が、例えば、
図11に示すようなクランク状で、右折及び左折が存在する搬送路208の場合、2台の人型ロボット1は、互いに走行軌跡の形状が異なることになる。
【0139】
また、右折及び左折の際に、減速及び加速することで、荷物100に慣性力が加わり、把持状態が変化して、結果として荷物100の脱落を招く恐れがある。
【0140】
そこで、第2の実施の形態の変形例では、右折及び左折を含む搬送経路での、安定搬送を実現した。
【0141】
図11は、1つの荷物100を把持している2台の人型ロボット1が、クランク状の搬送経路に差しかかっている状態を示す平面図である。
【0142】
この
図11のような状況において、2台の人型ロボット1の情報処理装置14(
図5参照)は、互いに連携し、
図12に示す走行ルート設定処理を実行する。
【0143】
すなわち、
図12のステップ210では、走行ルートを確認し、次いで、ステップ212へ移行して、確認した走行ルートにおける、荷物100の安定した搬送(荷物100に加わる慣性力が最も低減し得るカーブ移動)を設定する(
図11の点線矢印A参照)。
【0144】
次のステップ214では、2台の人型ロボット1(第1人型ロボット1A、第2人型ロボット1B)の内の一方(第1人型ロボット1A)の走行ルート(
図11の実線矢印B参照)を設定する。
【0145】
ここで、2台の人型ロボット1(第1人型ロボット1A、第2人型ロボット1B)と、荷物100の位置(3点)は、相対位置関係が不変である。
【0146】
このため、次のステップ216では、荷物100の移動ルートと、第1人型ロボット1Aの走行ルートと、に基づいて、2台の人型ロボット1(第1人型ロボット1A、第2人型ロボット1B)の内の他方(第2人型ロボット1B)の走行ルート(
図11の実線矢印C参照)を設定する。
【0147】
ステップ218では、ステップ2140及びステップ216で設定した走行ルートに基づいて、走行を指令し、このルーチンは終了する。
【0148】
また、上記では、最初に選択した人型ロボット1が、起点(把持位置)から終点(目的地)まで荷物100を搬送する構成を示したが、所定の中継点において、別の人型ロボット1に受け渡しながら、所謂リレー方式で、起点から終点まで荷物100を搬送するようにしてもよい。
【0149】
受け渡しの条件は、所定の距離毎に中継点を予め定めてもよいし、段差のある場所を中継点としてもよい。
【0150】
また、経路の状態(ストレート/カーブ、道幅、路面状態等)によって、当該経路の状態の下で、荷物100の搬送に有利な人型ロボット1に受け渡すようにしてもよい。
【0151】
一例として、ストレート走行では速度を重視した人型ロボット1を選択し、カーブ走行では、カーブの曲率半径と走行速度とに基づいて左右に傾斜可能なダンパー機構を備えた人型ロボット1を選択し、凹凸の多い路面走行では、衝撃吸収力が高いショックアブソーバーを装備した人型ロボット1を選択する、といった、適材適所の人型ロボット1を連携させることで、荷物100を安定した把持状態で搬送することができる。
【0152】
なお、第2の実施の形態(変形例を含む)における、複数の人型ロボット1の連携動作制御は、最初に荷物を把持しようとした一の人型ロボット1の情報処理装置14(
図5参照)において実行するようにしたが、それぞれの人型ロボット1の情報制御装置14が互いに連携し合って、互いの位置情報等を交換することでも実行可能である。この場合、主たる情報制御装置14を設定し(所謂、リーダー格の人型ロボット1を設定し)、従たる情報制御装置14に命令する構成としてもよいし、連結し合う複数の人型ロボット1を一括管理する管理制御センター(図示省略)からの指示で動作させるようにしてもよい。
【0153】
図13は、情報処理装置14として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、第1の実施の形態及び第2の実施の形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、第1の実施の形態及び第2の実施の形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、および/又はコンピュータ1200に、第1の実施の形態及び第2の実施の形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0154】
第1の実施の形態及び第2の実施の形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、およびグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、およびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブおよびDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブおよびソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230およびキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0155】
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0156】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/又はプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0157】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0158】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0159】
例えば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0160】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0161】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本発明の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0162】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0163】
第1の実施の形態及び第2の実施の形態におけるフローチャートおよびブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階および「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、および他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0164】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0165】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0166】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0167】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0168】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0169】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0170】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0171】
1 人型ロボット、2 上半身部、3 脚部、4 連結部、5、6 腕部、7、8 車輪、10 制御システム、12 センサ、14 情報処理装置、20(20L、20R) 把持部、20A 掌側、20B本体部、22A、22B、22C 指部、24(24X、24Y) 吸着パッド、24A パッド部、24B ニップル部、26 掌センサ、100 荷物、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ