(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082213
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】バレーボール練習用具
(51)【国際特許分類】
A63B 69/00 20060101AFI20240612BHJP
【FI】
A63B69/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049821
(22)【出願日】2023-03-27
(31)【優先権主張番号】P 2022195833
(32)【優先日】2022-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】500302541
【氏名又は名称】学校法人浪商学園
(74)【代理人】
【識別番号】110003823
【氏名又は名称】弁理士法人柳野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長江 晃生
(57)【要約】
【課題】本発明は、あおり動作などの予備動作を少なくし、素早くバレーボールネットの上端を超えて相手側に手を伸ばす好ましいブロックフォームを習得することができるバレーボール練習用具を提供する。
【解決手段】所定の高さに引張られたバレーボールネット9に設けられる一対の支持部材2,2と、弾性を有し、支持部材2,2の間に設けられる目安線部材3と、を備え、目安線部材3は、バレーボールネット9に対して平行且つ水平に緊張され、支持部材2,2は、バレーボールネット9の上端に設けられた帯状の上端部90に支持部材2,2を着脱自在に固着させる固着手段20を含み、支持部材2,2は、目安線部材3をバレーボールネット9の一面から面外方向に離間させて間隙4を形成している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の高さに引張られたバレーボールネットに設けられる一対の支持部材と、
弾性を有し、前記一対の支持部材の間に設けられる目安線部材と、を備え、
前記目安線部材は、前記バレーボールネットに対して平行且つ水平に緊張され、
前記支持部材は、前記バレーボールネットの上端に設けられた帯状の上端部に前記支持部材を着脱自在に固着させる固着手段を含み、
前記支持部材は、前記目安線部材を前記バレーボールネットの一面から面外方向に離間させて前記目安線部材と前記バレーボールネットの一面との間に間隙を形成する、バレーボール練習用具。
【請求項2】
前記支持部材は、前記固着手段によって前記上端部に固着された際に前記上端部に当接する当接面を有し、前記当接面の上下方向の長さは、前記上端部の上下幅と等しい、請求項1に記載のバレーボール練習用具。
【請求項3】
前記支持部材は、互いに対向する対向側と、前記対向側の反対側をそれぞれ有し、
前記固着手段は、前記反対側に設けられる、請求項2に記載のバレーボール練習用具。
【請求項4】
前記支持部材は、前記目安線部材の設置高さを調整する高さ調整手段を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載のバレーボール練習用具。
【請求項5】
前記支持部材は、前記目安線部材の設置間隔を変えて前記間隙の大きさを調整する間隔調整手段を有する、請求項4に記載のバレーボール練習用具。
【請求項6】
前記固着手段は、互いに対向する前記支持部材の対向側から前記対向側の反対側まで開口して前記支持部材に一体的に形成される固着スロットであって、前記バレーボールネットに近接する前記支持部材のインサイド側且つ前記支持部材の下端側に設けられる、請求項1に記載のバレーボール練習用具。
【請求項7】
前記固着スロットは、テーパ状に開口するガイド部と、前記上端部のうち前記バレーボールネットの上部ケーブルが内部に通っている部分を保持する保持部と、前記ガイド部と前記保持部とを繋げる通路部とによって構成される、請求項6に記載のバレーボール練習用具。
【請求項8】
前記支持部材は、前記対向側から前記反対側まで開口して前記支持部材に一体的に形成される巻付スロットをさらに含み、
前記巻付スロットは、前記バレーボールネットから離間する前記支持部材のアウトサイド側且つ前記支持部材の上端側に設けられる、請求項6又は7に記載のバレーボール練習用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バレーボールの練習用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
以前より、球技用ネットを設けた一対のポストに一対のポールを設け、該ポールの上端の間にロープを張り、ロープとネット上端との隙間を目標としてサーブなどの打球コントロールの練習を行う練習用具が存在している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、バレーボールのブロック動作において、あおり動作などの予備動作を少なくし、素早くバレーボールネットの上端を超えて相手側に手を伸ばすブロックフォームが好ましいとされている。しかし、ブロックフォームを練習するための既存のバレーボール練習用具では、予備動作を有効的に低減することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、あおり動作などの予備動作を少なくし、素早くバレーボールネットの上端を超えて相手側に手を伸ばす好ましいブロックフォームを習得することができるバレーボール練習用具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るバレーボール練習用具は、所定の高さに引張られたバレーボールネットに設けられる一対の支持部材と、弾性を有し、前記一対の支持部材の間に設けられる目安線部材と、を備え、前記目安線部材は、前記バレーボールネットに対して平行且つ水平に緊張され、前記支持部材は、前記バレーボールネットの上端に設けられた帯状の上端部に前記支持部材を着脱自在に固着させる固着手段を含み、前記支持部材は、前記目安線部材を前記バレーボールネットの一面から面外方向に離間させて前記目安線部材と前記バレーボールネットの一面との間に間隙を形成する。
【0007】
本発明に係るバレーボール練習用具によれば、目安線部材とバレーボールネットとの間に形成した間隙に手を通す練習を行うことで、あおり動作などの予備動作を少なくし、素早くバレーボールネットの上端を超えて相手側に手を伸ばす好ましいブロックフォームを習得することができる。
【0008】
また、前記支持部材は、前記固着手段によって前記上端部に固着された際に前記上端部に当接する当接面を有し、前記当接面の上下方向の長さは、前記上端部の上下幅と等しいことが好ましい。
【0009】
この構成によれば、支持部材が有する当接面の上下の長さが上端部の上下幅と等しいことで、目安線部材を緊張させる支持部材が当接面によって安定した姿勢で支持される。
【0010】
また、前記支持部材は、互いに対向する対向側と、前記対向側の反対側をそれぞれ有し、前記固着手段は、前記反対側に設けられることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、固着手段は、支持部材を上端部に固着するだけでなく、水平状態に緊張された目安線部材の弾性による収縮力で発生する支持部材の回転を抑制することができる。
【0012】
また、前記支持部材は、前記目安線部材の設置高さを調整する高さ調整手段を有することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、支持部材は、目安線部材の設置高さを調整することで、バレーボールネットの上端を超えて相手側に手を伸ばす練習の難易度を調整し、好ましいブロックフォームに矯正することができる。
【0014】
また、前記支持部材は、前記目安線部材の設置間隔を変えて前記間隙の大きさを調整する間隔調整手段を有することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、支持部材は、目安線部材とバレーボールネットとの間隙の大きさを調整することで、バレーボールネットの上端を超えて相手側に手を伸ばす練習の難易度を調整し、好ましいブロックフォームに矯正することができる。
【0016】
また、前記固着手段は、互いに対向する前記支持部材の対向側から前記対向側の反対側まで開口して前記支持部材に一体的に形成される固着スロットであって、前記バレーボールネットに近接する前記支持部材のインサイド側且つ前記支持部材の下端側に設けられることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、支持部材に一体的に形成された固着スロットが支持部材の下端側に設けられることで、支持部材を上端部に固着させるための固着手段として機能する。このため、支持部材は、支持部材の形状の形成のみで固着手段が設けられることから、バレーボール練習用具の製造コストを低減することができる。
【0018】
また、前記固着スロットは、テーパ状に開口するガイド部と、前記上端部のうち前記バレーボールネットの上部ケーブルが内部に通っている部分を保持する保持部と、前記ガイド部と前記保持部とを繋げる通路部とによって構成されることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、バレーボールネットの上端部は、ガイド部によって固着スロット内へと進入して通路部をとおり、固着スロットの奥にある保持部へと到達する。上部ケーブルが内部に通っている部分の上端部を保持部が保持することで、支持部材は、バレーボールネットの上端部で安定的に固着することができる。
【0020】
また、前記支持部材は、前記対向側から前記反対側まで開口して前記支持部材に一体的に形成される巻付スロットをさらに含み、前記巻付スロットは、前記バレーボールネットから離間する前記支持部材のアウトサイド側且つ前記支持部材の上端側に設けられることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、巻付スロットは支持部材の形状の形成のみで、目安線部材の設置を容易にするだけでなく、バレーボール練習用具の製造コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のことから、本発明に係るバレーボール練習用具は、あおり動作などの予備動作を少なくし、素早くバレーボールネットの上端を超えて相手側に手を伸ばす好ましいブロックフォームを習得することができるバレーボール練習用具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るバレーボール練習用具を示す斜視図である。
【
図2】バレーボールネットに設置された
図1に示したバレーボール練習用具を示す正面図である。
【
図3】
図1に示したバレーボール練習用具の平面図である。
【
図4】
図1に示したバレーボール練習用具1を用いたブロック練習を行った際の利用者の手の軌道を示す模式図である。
【
図5】バレーボール練習用具1を用いずにブロック練習を行った際の利用者の手の軌道を示す模式図である。
【
図6】本発明のその他の実施形態に係るバレーボール練習用具を示す平面図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係るバレーボール練習用具を示す斜視図である。
【
図8】
図7においてバレーボールネットに取り付けられた支持部材の様子を示す模式図である。
【
図9】
図7に示したバレーボール練習用具の支持部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
【0025】
まずは、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るバレーボール練習用具1を示す斜視図である。
図2はバレーボールネット9に設置された
図1に示したバレーボール練習用具1を示す正面図である。
図1及び
図2に示したバレーボール練習用具1は、所定の高さ、例えばバレーボールのルールに則った高さに引張られたバレーボールネット9に設けられる一対の支持部材2,2と、支持部材2,2の間に設けられる目安線部材3とが備えられる。
【0026】
バレーボールネット9は、両端に上部ケーブル92及び下部ロープ93が設けられる。所定の距離に離間した一対の支柱91,91に上部ケーブル92及び下部ロープ93が取付けられることで、バレーボールネット9が引張られている。なお、所定の高さでバレーボールネット9が引張られるのであれば、バレーボールネット9を設ける箇所は、支柱91,91の間でなくてもよい。
【0027】
支持部材2,2には、バレーボールネット9の上端部90に対して支持部材2,2をそれぞれ着脱自在に固着させる固着手段20が含まれる。支持部材2,2は、バレーボールネット9の両端に備えられるサイドバンド94.94の内側、即ちバレーボールコートのサイドライン内側の上端部90にそれぞれ設けることが好ましい。支持部材2,2は、サイドバンド94.94より外側の上端部90に設けられてもよい。
【0028】
固着手段20には、例えば、接着剤による接着、糸による縫付などで基端が支持部材2,2に固定され、先端にそれぞれ雄雌一対の面ファスナが設けられた一対のベルトが用いられる。なお、支持部材2,2を上端部90に着脱自在に固着させることができれば、固着手段20は上述した構成に限定しない。
【0029】
目安線部材3は、弾性を有する線材、例えば伸縮性があるゴム紐であり、目安線部材3の両端はそれぞれ後述する支持部材2,2の高さ調整手段24に巻付けられている。目安線部材3は、支持部材2,2の間でバレーボールネット9に対して平行且つ水平に緊張される。
【0030】
支持部材2,2には、固着手段20によって上端部90に固着された際、上端部90に当接する当接面21が備えられる。目安線部材3が支持部材2,2の間で緊張すると、弾性による収縮力が発生する。支持部材2,2は、当接面21が上端部90に当接することで、収縮力による支持部材2,2のズレが低減される。当接面21の上下方向の長さが、上端部90の上下幅と等しいことが好ましく、当接面21の上下方向の長さが上端部90の上下幅と等しいことで、固着手段20などによる上端部90に対する固着が強固となる。これにより、支持部材2,2は、当接面21により上端部90に対して安定的な姿勢で設けられる。
【0031】
また、支持部材2,2には、互いに対向する対向側22と、対向側22の反対に位置する反対側23とが備えられ、固着手段20は、反対側23に設けられる。固着手段20が支持部材2,2を上端部90に固着させることで、目安線部材3は、支持部材2,2の間でバレーボールネット9に対して平行且つ水平に緊張される。その際、弾性による収縮力が働き、目安線部材3を巻付けた支持部材2,2は内側に引張られる。
【0032】
固着手段20が支持部材2,2の間に位置する対向側22に設けられると、固着手段20は、支持部材2,2にはたらく収縮力に抵抗できずに、支持部材2,2が内側に引張られて回転してしまう。
【0033】
これに対して、固着手段20が対向側22の反対に位置する反対側23に設けられると、支持部材2,2に収縮力が働いても、固着手段20が引張方向の対向側に位置することから、支持部材2,2の回転が抑制される。なお、収縮力より大きな外力、例えば練習時に利用者の手Hが目安線部材3に引っ掛かって内側に引張られる力が目安線部材3に加わった場合でも、支持部材2,2の回転が抑制される。
【0034】
これにより、固着手段20は、支持部材2,2を上端部90に固着するだけでなく、水平状態に緊張された目安線部材3の弾性による収縮力で発生する支持部材2.2の回転が抑制される。
【0035】
図3は、
図1に示したバレーボール練習用具の平面図である。支持部材2,2は、
図3のとおり、目安線部材3をバレーボールネット9の一面から面外方向に離間させて目安線部材3とバレーボールネット9の一面との間に間隙4を形成する。
【0036】
次に、本発明に係るバレーボール練習用具1を用いたブロック練習について説明する。
図4は、
図1に示したバレーボール練習用具1を用いたブロック練習を行った際の利用者の手の軌道を示す模式図である。
図5は、バレーボール練習用具1を用いずにブロック練習を行った際の利用者の手の軌道を示す模式図である。
【0037】
通常、意識せずにブロック練習を行うと、利用者(図示されていない)は、
図5で示したとおり、バレーボールネット9から離れた地点から跳躍して相手側に手Hを伸ばすあおり軌道Taを描くことが多い。あおり軌道Taは、
図5で示したとおり、弧線を描くことから、利用者が跳躍してから相手側に手Hを伸ばすまでの時間が長くなる。
【0038】
目安線部材3とバレーボールネット9の一面との間に間隙4を形成するバレーボール練習用具1をバレーボールネット9に設け、間隙4に手Hを通すことを意識してブロック練習を行うと、利用者は、
図4で示したとおり、バレーボールネット9に近い地点から跳躍して相手側に手Hを直線的に伸ばす突き出し軌道Tを描くことができる。これにより、バレーボール練習用具1は、利用者が跳躍してから相手側に手Hを伸ばすまでの時間を短縮する好ましいブロックフォームを習得するための練習を提供することができる。
【0039】
バレーボール練習用具1は、利用者のブロックフォームをあおり軌道Taから突き出し軌道Tへと徐々に矯正するために、バレーボールネットの上端を超えて相手側に手を伸ばすブロック練習の難易度を調整する様々な手段を有している。
【0040】
図1で示したとおり、支持部材2,2には、目安線部材3の設置高さを調整する高さ調整手段24が備えられる。高さ調整手段24は、例えば、1センチ(cm)毎に切り込みや目盛が設けられた凸部である。高さ調整手段24が目安線部材3の設置高さをバレーボールネット9の上端の高さより高くすると、利用者の視点で間隙4の前後幅が広くなる。
【0041】
利用者の視点で間隙4の前後幅が広くなると、利用者が相手側に手Hを伸ばす角度が鈍角となって間隙4に通し易くなり、相手側に手Hを伸ばすブロック練習の難易度を低下させることができる。したがって、バレーボール練習用具1は、高さ調整手段24を用いて目安線部材3の設置高さを調整することで、ブロック練習の難易度を調整することができる。これにより、バレーボール練習用具1は、バレーボールネット9の上端を超えて相手側に手Hを伸ばすブロック練習の難易度を調整し、利用者のブロックフォームを好ましいブロックフォームへと矯正することができる。
【0042】
図6は、本発明のその他の実施形態に係るバレーボール練習用具1を示す斜視図である。
図6で示したバレーボール練習用具1が備える支持部材2,2には、目安線部材3の設置間隔を変えて間隙4の大きさを調整する間隔調整手段25が備えられる。ここで言う大きさとは、目安線部材3とバレーボールネット9の一面との間の前後幅を指す。間隔調整手段25は、例えば、厚さが2センチの板部材である。
【0043】
間隔調整手段25は、
図6(a)で示したとおり、支持部材2,2と目安線部材3との間に設けられることで、目安線部材3の設置高さは変わらずに、目安線部材3の設置間隔が変わり、間隙4の前後幅が広くなる。支持部材2,2と目安線部材3との間に複数の間隔調整手段25を設ければ、設けた間隔調整手段25の数だけ設置間隔が変わり間隙4の前後幅がより広くなる。
【0044】
設置間隔が変わって間隙4の前後幅が広くなると、利用者が相手側に手Hを伸ばすタイミングに余裕が生じ、ブロック練習の難易度を低下させることができる。したがって、バレーボール練習用具1は、間隔調整手段25を用いて目安線部材3の設置間隔を調整することで、ブロック練習の難易度を調整することができる。これにより、バレーボール練習用具1は、バレーボールネット9の上端を超えて相手側に手Hを伸ばすブロック練習の難易度を調整し、利用者のブロックフォームを好ましいブロックフォームへと矯正することができる。
【0045】
また、間隔調整手段25は、
図6(b)で示したとおり、支持部材2,2(当接面21,21)と上端部90との間に設けて設置間隔を変え間隙4を大きくすることもできる。間隔調整手段25は、支持部材2,2と目安線部材3との間に設けることが好ましい。支持部材2,2と目安線部材3との間及び支持部材2,2と上端部90との間にそれぞれ間隔調整手段25を設けてもよい。
【0046】
なお、支持部材2,2及び間隔調整手段25は、ウレタンが好ましいが、目安線部材3の収縮力に耐えながら目安線部材3を緊張させ、形状が維持され易く、且つ練習時に衝突しても負傷しない材質であれば、ウレタンに限定しない。
【0047】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態に等しい部分は説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を重点に説明する。
【0048】
図7は、本発明の第2実施形態に係るバレーボール練習用具10を示す斜視図である。
図7で示したバレーボール練習用具10は、支持部材200,200が備えられる。支持部材200は、巻付スロット210と、固着スロット220とが一体的に形成されている。巻付スロット210は、バレーボールネット9から離間する支持部材200のアウトサイド側203且つ支持部材200の上端側204に設けられ、互いに対向する支持部材200の対向側201から対向側201の反対に位置する支持部材200の反対側202まで開口している。固着スロット220は、バレーボールネット9に近接する支持部材200のインサイド側205且つ支持部材200の下端側206に設けられ、対向側201から反対側202まで開口している。
【0049】
支持部材200は、第1実施形態と同じく、ウレタンを用いることが好ましい。目安線部材3の収縮力に耐えながら目安線部材3を緊張させ、形状が維持され易く、且つ練習時に衝突しても負傷しない柔軟性を有する材質であれば、ウレタンに限定しない。
【0050】
巻付スロット210は、支持部材200の上端の一部を区切って巻付部211が形成される。目安線部材3は、両端を支持部材200の巻付部211,211にそれぞれ巻き付け、支持部材200,200の間でバレーボールネット9に対して平行且つ水平に緊張される。固着スロット220は、バレーボールネット9の上端部90を進入させて支持部材200を上端部90に着脱自在に固着させる。
【0051】
図8は、
図7においてバレーボールネット9に取り付けられた支持部材200の様子を示す模式図である。支持部材200は、固着スロット220によって、バレーボールネット9の両端に備えられるサイドバンド94の外側の上端部90にそれぞれ設けられる。支持部材200,200は、同じくサイドバンド94.94の外側に設けられるアンテナ95,95より外側に設けられる。その際、支持部材200,200は、アンテナ95,95に当接する状態で設けられることで、目安線部材3の収縮力で支持部材200,200が引張られてもアンテナ95,95がストッパの役割を果たし、支持部材200,200をバレーボールネット9に安定的に固着させることができる。
【0052】
図9は、
図7に示したバレーボール練習用具1の支持部材200を示す斜視図である。固着スロット220は、テーパ状に開口するガイド部221と、上端部90のうちバレーボールネット9の上部ケーブル92が内部に通っている部分を保持する保持部223と、ガイド部221と保持部223とを繋げる通路部222とによって構成される。
【0053】
ガイド部221は、前後方向で上端部90の厚さより広く開口し、通路部222に向かって狭まることから、上端部90が固着スロット内に進入すると路部222へと案内される。
【0054】
通路部222は、ガイド部221から進入した上端部90をさらに奥にある保持部223へと案内する。通路部222は、支持部材200において前後方向の間隔がバレーボールネット9の上部ケーブル92が内部に通っている部分の上端部90の厚さより小さい又はその厚さに等しい。通路部222は、支持部材200が柔軟性を有することから、たとえバレーボールネット9の上部ケーブル92が内部に通っている部分の上端部90の厚さより前後方向の間隔が小さくても、上端部90を通過させることができる。通路部222は、一定の間隔で保持部223まで延びることが好ましい。
【0055】
保持部223は、前後方向の間隔が通路部222より大きく、バレーボールネット9の上部ケーブル92が内部に通っている部分の上端部90を保持することができる。このため、保持部223の前後方向の間隔は、バレーボールネット9の上部ケーブル92が内部に通っている部分の上端部90の厚さに等しい、又はその厚さより大きくてもよい。
【0056】
上端部90が固着スロット220の保持部223に保持されることで、支持部材200,200は、上端部90に安定的に固着される。また、支持部材200は、柔軟性を有することから、固着スロット220の保持部223に上端部90を保持させても、容易に取り外すことができる。従って、固着スロット220は、固着手段20として機能する。
【0057】
また、巻付スロット210の底面212と固着スロット220の上面224とは、高さ位置が等しい。このため、支持部材200,200をそれぞれ上端部90に固着し、目安線部材3を巻付部211に巻付ける際に巻付スロット210の底面212で設けると、目安線部材3は、バレーボールネット9の上端と等しい高さで設けられる。
【0058】
支持部材200は、目安線部材3の収縮力に耐えながら目安線部材3を緊張させるとともに、バレーボールネット9と目安線部材3との間に間隙4を形成することができればよい。このため、巻付スロット210は、対向側201から反対側202まで開口するとは限らず、対向側201からアウトサイド側203まで開口してもよく、反対側202からアウトサイド側203まで開口してもよい。固着スロット220もまた、対向側201から反対側202まで開口するとは限らず、対向側201からインサイド側205まで開口してもよく、反対側202からインサイド側205まで開口してもよい。
【0059】
従って、支持部材200は、巻付スロット210及び固着スロット220を形状の形成のみで一体的に形成することで、固着スロット220を用いて上端部90に着脱自在に固着するとともに、巻付スロット210を用いて目安線部材3を緊張させることができる。従って、バレーボール練習用具10は、支持部材200の巻付スロット210と固着スロット220とが一体的に形成されることから、製造コストを低減することができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることができる。
【符号の説明】
【0061】
1 バレーボール練習用具
2 支持部材
3 目安線部材
4 間隙
9 バレーボールネット
10 バレーボール練習用具
20 固着手段
21 当接面
22 対向側
23 反対側
24 調整手段
25 間隔調整手段
90 上端部
91 支柱
92 上部ケーブル
93 下部ロープ
94 サイドバンド
95 アンテナ
200 支持部材
201 対向側
202 反対側
203 アウトサイド側
204 上端側
205 インサイド側
206 下端側
210 巻付スロット
211 巻付部
212 底面
220 固着スロット
221 ガイド部
222 通路部
223 嵌入部
224 上面
H 手
T 突き出し軌道
Ta 軌道