IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザウラー スピニング ソリューションズ ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲーの特許一覧

特開2024-82245種々の織物生産のためのコンフィギュレーションをコンピュータ支援により適合させる方法
<>
  • 特開-種々の織物生産のためのコンフィギュレーションをコンピュータ支援により適合させる方法 図1
  • 特開-種々の織物生産のためのコンフィギュレーションをコンピュータ支援により適合させる方法 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082245
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】種々の織物生産のためのコンフィギュレーションをコンピュータ支援により適合させる方法
(51)【国際特許分類】
   D01H 13/00 20060101AFI20240612BHJP
   D01H 4/44 20060101ALI20240612BHJP
   D06H 3/00 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
D01H13/00 A
D01H13/00 Z
D01H4/44
D06H3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023195079
(22)【出願日】2023-11-16
(31)【優先権主張番号】503150
(32)【優先日】2022-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】518264859
【氏名又は名称】ザウラー スピニング ソリューションズ ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Saurer Spinning Solutions GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Carlstr. 60, 52531 Uebach-Palenberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュミッツ、ヨハネス
【テーマコード(参考)】
3B154
4L056
【Fターム(参考)】
3B154AB20
3B154AB27
3B154BA53
3B154BB76
3B154CA16
3B154DA30
4L056AA15
4L056AA19
4L056EA04
4L056EA07
4L056EA13
4L056EB04
4L056EB07
4L056EB18
4L056EB30
4L056EC02
4L056EC03
4L056EC53
4L056EC58
4L056EC59
4L056ED01
4L056ED03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】種々の織物生産に関するコンフィギュレーションをコンピュータ支援により適合させる方法を提供する。
【解決手段】方法であって、以下のステップを有する。-少なくとも1回以上の生産実験215の実行を開始するステップ101であって、少なくとも1つの生産ステップ220が、設定240を用いてコンフィギュレートされ、且つ生産仕様230に基づいて実行されるステップ101、生産実験215における、設定に基づいた効果250を求めるステップ102、効果に基づいて、設定を適合させるステップ103、生産ステップが、最適化された設定、生産仕様に基づいて実行されるステップ104、を含み、効果に基づいて適合させるステップで機械学習法300が使用され、機械学習法は、少なくとも1つのカーネル法として実施される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
種々の織物生産(210)のためのコンフィギュレーションをコンピュータ支援により適合させる方法(100)において、
前記織物生産(210)では、生産仕様(230)が種々の生産(210)に対して変更され、且つ前記織物生産(210)では、それぞれ、少なくとも1つの生産ステップ(220)において、前記生産仕様(230)に基づいて、織物材料(2)が少なくとも1つの機械(10)によって加工され、
それぞれの前記織物生産(210)の自動化された生産準備及び生産開始を、当該織物生産(210)のために変更された生産仕様(230)を用いて行うために、以下のステップ、すなわち、
-少なくとも1回以上の生産実験(215)の実行を開始するステップ(101)であって、それぞれの前記生産実験(215)において、少なくとも1つの生産ステップ(220)が、設定(240)を用いてコンフィギュレートされ、且つ前記生産仕様(230)に基づいて実行されるステップ(101)、
-それぞれの前記生産実験(215)における、前記設定(240)に基づいた前記コンフィギュレーションの効果(250)を求めるステップ(102)、
-前記生産仕様(230)について最適化された設定(240)を決定するために、求められた前記効果(250)に基づいて、前記設定(240)を適合させるステップ(103)、
-前記織物生産(210)の実行を開始するステップ(104)であって、前記少なくとも1つの生産ステップ(220)が、前記最適化された設定(240)を用いてコンフィギュレートされ、且つ前記生産仕様(230)に基づいて実行されるステップ(104)、を含み、
前記求められた効果(250)に基づいて前記適合させるステップ(103)を実行するために少なくとも1つの機械学習法(300)が使用され、とりわけ、前記少なくとも1つの機械学習法(300)は、少なくとも1つのカーネル法(300)として実施されることを特徴とする、方法(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの生産ステップ(220)において、織物材料(2)の加工、とりわけ織糸への繊維の加工、並びに/又は織糸の巻付け及び/若しくは巻取りを制御するために、前記設定(240)が、少なくとも1つの織物機械、とりわけ紡績機械及び/又は巻取機械の形態の少なくとも1つの機械(10)に対する少なくとも1つ以上の設定値を含み、とりわけ、前記少なくとも1つ以上の設定値は、引出し速度、前記機械のロータの回転速度、負圧、巻取り時の前記織物材料(2)及び/又は生産成果物(3)のテンション、前記織物材料(2)の種類及び/又は選択、クリアラに関する設定、特に前記クリアラによる前記織物材料(2)の切断に関する限界値の設定、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1記載の方法(100)。
【請求項3】
前記効果(250)を求めるステップ(102)は、少なくとも1つの検出装置(15)から少なくとも1つの検出結果を受信するステップとして実施され、前記検出結果は、前記機械(10)における、且つ/又は前記織物材料(2)における、且つ/又は前記機械(10)の周囲における、且つ/又はそれぞれの前記生産実験(215)の生産成果物(3)、とりわけ織糸における検出、特に測定及び/又は分析から得られ、とりわけ前記少なくとも1つの検出結果は、前記機械(10)のロータの回転速度、前記機械(10)の消費電力、潤滑剤の品質、前記織物材料(2)の直径、前記織物材料(2)の繊維密度、前記織物材料(2)の実験室での分析結果、前記機械(10)の環境パラメータ、特に気候条件に関する環境パラメータ、前記織物材料(2)及び/又は前記生産成果物(3)、特に糸の裂け及び/又は糸欠陥の頻度、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1又は2記載の方法(100)。
【請求項4】
複数の前記生産実験(215)は順次実行され、複数の前記生産実験(215)の内の少なくとも1つの生産実験について、前記効果(250)を求めるステップ(102)と、それに続く、求められた前記効果(250)に基づいて前記設定(240)を適合させるステップ(103)とが実行されることで、複数の前記生産実験(215)のうちのそれぞれの後続の生産実験では、その際に適合された前記設定を用いたコンフィギュレーションが行われることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項記載の方法(100)。
【請求項5】
複数の前記生産実験(215)は順次実行され、前記生産実験(215)では、その都度、前記適合させるステップ(103)によって前記設定(240)が変更され、その際に求められた前記効果(250)が、機械学習法(300)に対する入力として使用されることで、前記設定(240)が生産固有に最適化され、とりわけ少なくとも1つの目標仕様に基づいて最適化され、前記少なくとも1つの目標仕様は、好適には、エネルギ効率、とりわけ前記機械における負圧生成及び/又は正圧生成、前記生産成果物(3)の品質、特に織糸の品質、生産速度、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項記載の方法(100)。
【請求項6】
複数の前記生産実験(215)は順次実行され、それぞれの前記生産(210)の前記生産準備の、複数の前記生産実験(215)のうちの最後の生産実験について、前記効果(250)を求めるステップ(102)と、それに続く、求められた前記効果(250)に基づいて前記設定(240)を適合させるステップ(103)とが実行されることで、その際に適合された前記設定(240)が、最適化された設定(240)として使用されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項記載の方法(100)。
【請求項7】
それぞれの前記生産実験(215)及びそれぞれの前記生産(210)において、前記織物材料(2)が加工されて、生産成果物(3)、特に織糸が製造され、それぞれの前記生産実験(215)の前記生産成果物(3)は、少なくとも部分的に又は完全に不良品を成し、それによって、それぞれの前記生産(210)の前記生産成果物(3)とは異なることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項記載の方法(100)。
【請求項8】
前記織物生産(210)は、同じ少なくとも1つの機械(10)を用いて前記加工を実行するが、しかしながら、前記生産仕様(230)に関して、とりわけ生産成果物(3)、及び/又は前記生産成果物(3)に対する要求、及び/又は前記生産成果物(3)に関するパラメタリゼーション及び/又は前記生産成果物(3)に関する組成、及び/又は前記織物材料(2)に関するパラメタリゼーション及び/又は前記織物材料(2)に関する組成、及び/又は前記織物材料(2)のパラメータ、好適には繊維番手及び/又は繊維強度に関して異なり、それぞれの前記生産(210)の前記生産準備の、複数の前記生産実験(250)のうちの1回目の生産実験を実行するために、その都度、事前定義された初期設定(240)が前記設定(240)として使用され、前記初期設定は、前記1回目の生産実験(215)の実行後に初めて変更され、好適には、別の生産(210)の、その都度決定されて最適化された前記設定(240)は考慮されないことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項記載の方法(100)。
【請求項9】
少なくとも1つ又は丁度1つの前記機械学習法(300)はカーネル法(300)として実施されており、好適には、前記カーネル法(300)は、サポートベクターマシン、ガウス過程、カーネルPCA、カーネルパーセプトロン、正準相関分析、リッジ回帰、スペクトルクラスタリング、線形適応フィルタ、のうちの1つとして実施されており、且つ/又は、少なくとも1つの前記機械学習法(300)のトレーニングのために、トレーニングデータの一部が生産固有であり、前記生産固有のトレーニングデータは、専ら、それぞれの前記生産(210)の前記生産準備の少なくとも1回以上の前記生産実験(215)から決定され、とりわけ前記生産(210)用の前記トレーニングデータは同一に定義された初期トレーニングデータ、特に事前定義された初期設定(240)を含み、付加的に、求められた前記効果(250)に基づき変更されたトレーニングデータを含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項記載の方法(100)。
【請求項10】
少なくとも1つ又は丁度1つの前記機械学習法(300)は、ガウス過程として実施されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項記載の方法(100)。
【請求項11】
自動化された生産準備及び/又は生産開始のための前記ステップは全自動化されて実行される、且つ/又は前記方法(100)は、少なくとも部分的に又は完全にコンピュータに実装され、とりわけリアルタイムで実施されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項記載の方法(100)。
【請求項12】
それぞれの前記生産実験(215)において、前記少なくとも1つの生産ステップ(220)は、少なくとも1つ又は丁度1つの紡績試験として実行され、前記紡績試験では、前記設定(240)に基づいて糸が紡績されることで、前記生産実験(215)に基づいて、前記適合させるステップ(103)によって、それぞれの前記生産(210)に関する前記設定が最適化されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項記載の方法(100)。
【請求項13】
請求項1から12に記載の方法のステップを実施する手段を含む、データ処理のための装置(20)。
【請求項14】
織物生産(210)を実行するシステム(1)において、前記システム(1)は、
-少なくとも1つの生産ステップ(220)において織物材料(2)を加工するための少なくとも1つの機械(10)と、
-請求項13記載のデータ処理のための装置(20)と、
-前記機械(10)において、且つ/又は前記織物材料(2)において、且つ/又は前記機械(10)の周囲において、且つ/又は生産成果物(3)において、少なくとも1つの検出結果を検出することによって前記効果(250)を求める(102)ための少なくとも1つの検出装置(15)と、を含むことを特徴とするシステム(1)。
【請求項15】
コンピュータプログラム(30)において、コンピュータによる前記コンピュータプログラム(30)の実行時に、前記コンピュータに、請求項1から12のいずれか一項記載の方法(100)の自動化された生産準備及び生産開始を行うためのステップを実行させる命令を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の織物生産のためのコンフィギュレーションをコンピュータ支援により適合させる方法に関する。更に、本発明は、そのための装置、システム並びにコンピュータプログラムに関する。
【0002】
従来技術より、織物生産では、織物材料を加工するためにコンフィギュレートされなければならない多数の機械が使用されることが公知である。その際、その生産の結果の特性は、多数の要因に依存する。これに起因して、種々の生産に対して同一の生産品質を提供する単一のコンフィギュレーションを発見することはできない。ハードウェアの消耗、室内環境、繊維の混合及び品質のような要因は、生産ごとに異なるので、コンフィギュレーションを変えなければ、異なる生産結果がもたらされる可能性がある。
【0003】
従って、生産のためのコンフィギュレーションを手動で求めて、相応の機械に入力することも公知である。もっとも、これには時間が掛かり、それぞれのコンフィギュレーションの最適化の程度は、コンフィギュレーションを実施するオペレーターの経験に大きく依存する。
【0004】
独国特許出願公開第102006014475号明細書には、外部試験においてコンフィギュレーションを発見できることが記載されている。しかしながら、これによって大量の不良品が生産されることになるので、ニューラルネットワークを用いて繊維機械を制御する方法が提案される。これによって、不良品の生産も回避されるとされる。ただし、この方法の使用は、1台の繊維機械の生産に限定されている。
【0005】
他の冒頭で述べたような方法は、国際公開第2020/100092号及び欧州特許出願公開第3760772号明細書から公知である。
【0006】
従って、本発明の課題は、上述の欠点を少なくとも部分的に解決することである。特に、本発明の課題は、種々の生産のためのコンフィギュレーションを適合させるための改善された解決手段を提案することである。
【0007】
前述の課題は、対応する独立請求項に記載の特徴を備えた、方法、装置、システム並びにコンピュータプログラムによって解決される。本発明の別の特徴及び詳細は、各従属請求項、明細書及び図面より明らかになる。ここで、本発明による方法に関連させて記載する特徴及び詳細は、勿論、本発明による装置、本発明によるシステム並びに本発明によるコンピュータプログラムに関連させて記載する特徴及び詳細にも当てはまり、またその逆も当てはまるので、個々の本発明による態様の開示に関して、常に相互的に参照される、又は相互的に参照することができる。
【0008】
この課題は、特に、種々の繊維生産に関するコンフィギュレーションをコンピュータ支援により適合させる方法によって解決され、この方法においては、少なくとも1つの生産ステップにおいて、生産仕様に基づいて、繊維のような織物材料が少なくとも1つの機械によって加工され、とりわけ繊維のような織物製品を製造するために加工される。本方法は、コンピュータ実施方法として実施されてもよいし、部分的にのみコンピュータによって実施されてもよい。後者は、少なくとも1つの機械によって実施される方法ステップも設けられていることを意味してもよい。
【0009】
更に、生産仕様は、種々の生産に対して変更されてもよい。生産仕様とは、例えば、織物製品の規定、即ち各生産成果物の規定である。生産仕様は、種々の生産に対して変更されてもよく、その場合、生産は、それにもかかわらず、同一の単一の機械又は同一の複数の機械によって実行される。ここで、生産時に、生産仕様に依存して、織物材料が変更される、且つ/又は少なくとも1つの機械が異なる動作をすることも考えられる。また、生産時に環境要因が変化することも考えられる。生産仕様は、更に、織物材料の組成、例えば繊維混合を定義してもよい。
【0010】
本方法は、とりわけ、それぞれの織物生産を、そのために変更された生産仕様を用いて、自動化された生産準備を行うために、以下のステップ、すなわち、
-少なくとも1回以上の生産実験の実行を開始するステップであって、それぞれの生産実験において、少なくとも1つの生産ステップが、設定を用いてコンフィギュレートされ、生産仕様に基づいて実行されるステップ、
-それぞれの生産実験における、設定に基づいたコンフィギュレーションの効果を求めるステップ、
-生産仕様について最適化された設定を決定するために、求められた効果に基づいて、設定を適合させるステップ、
を含み、各ステップは、とりわけ、記述の順序で順次実施される、且つ/又は繰り返し実施される。
【0011】
複数の生産実験の内の1回目の生産実験の実行後に、別の複数の生産実験の内の各生産実験についての設定の適合を実行することができる。従って、少なくとも1つの生産ステップは、別のそれぞれの生産ステップにおいて、その都度そのために適合された設定を用いてコンフィギュレートされる。最後の生産実験の実行後に初めて、最後に適合された設定を、最適化された設定として決定することができる。このことを、以下では、少なくとも3つの生産実験を例として説明するが、以下のステップ、すなわち、
-先ず、複数の生産実験の内の1回目の生産実験の実行が開始され、この1回目の生産実験では、少なくとも1つの生産ステップが、必要に応じて事前定義されている初期設定を用いてコンフィギュレートされ、生産仕様に基づいて実行され、
-続いて、1回目の生産実験における、初期設定に基づくコンフィギュレーションの効果が求められ、
-その後、初期設定が、求められた効果に基づいて適合され、
-次に、複数の生産実験の内の2回目の生産実験が開始され、この2回目の生産実験では、少なくとも1つの生産ステップが、以前に適合された設定を用いてコンフィギュレートされ、生産仕様に基づいて実行され、
-続いて、2回目の生産実験における、以前に適合された設定に基づくコンフィギュレーションの効果が求められ、
-その後、設定が、求められた効果に基づいて改めて適合され、
-次に、複数の生産実験の内の最後の生産実験が開始され、この最後の生産実験では、少なくとも1つの生産ステップが、以前に新たに適合された設定を用いてコンフィギュレートされ、生産仕様に基づいて実行され、
-続いて、最後の生産実験における、以前に新たに適合された設定に基づくコンフィギュレーションの効果が求められ、
-その後、設定が、求められた効果に基づいて再度適合され、
-再度適合された設定が、最適化された設定として決定される
というステップが、記述の順序で順次実施される。
【0012】
更に、本方法は、とりわけ、それぞれの織物生産の(自動化された)生産開始を、そのために変更された生産仕様を用いて行うための以下のステップ、すなわち、
-織物生産の実行が開始され、この織物生産では、少なくとも1つの生産ステップが、最適化された設定を用いてコンフィギュレートされ、生産仕様に基づいて実行される、
とうステップを含んでもよく、このステップは、好適には、生産仕様について最適化された設定が決定された後に実行される。
【0013】
織物生産の実行の開始は、以下のステップ、すなわち、
-最適化された設定を用いた、少なくとも1つの機械のコンフィギュレーションを自動化して実行する、
というステップを含むことができる:。
【0014】
更に、少なくとも1つの機械学習法が、求められた効果に基づいて適合を実行するために使用されてもよく、とりわけ、少なくとも1つの機械学習法は、少なくとも1つのカーネル法として実施される。これによって、人工知能による生産設定値の自動的な改善又は作成が実現される。少なくとも1つの機械学習法によってその都度適合された設定を、続いて、複数の生産実験の内の別の生産実験に対して、少なくとも1つの機械をコンフィギュレートするために使用することができるか、又は最適化された設定として最終的に決定することができる。このようにして、少なくとも1つの機械学習法は、生産実験を制御することができ、また最終的には生産も制御することができる。
【0015】
生産実験を完全自動化で開始及び/又は実行することが可能である。相応に、少なくとも1つの機械学習法は、自律的に、生産実験、例えば紡績試験を、設定の適合を介して制御することができる。また、効果を自動化により求めることが可能である。効果は、例えば、センサのような少なくとも1つの検出装置の少なくとも1つの測定結果として説明される。効果を求めることには、例えば、生産実験及び/又は加工された織物材料及び/又は生産成果物及び/又は電力消費のような他の要因の評価が含まれてもよい。生産実験は、生産と同じ少なくとも1つの機械、即ち同じハードウェアを用いて実行することができ、特に、生産仕様に応じた、繊維複合体のような同じ繊維材料、及び/又は少なくとも1つの機械の周囲の環境のような同じ周辺条件を用いて実行することができるので、少なくとも1つの機械学習法は、特定の生産にとって最善の設定を求めることができる。
【0016】
少なくとも1つの機械は、ロータ紡績機械又は空気紡績機械を含んでもよい。また、少なくとも1つの機械は、機械をただ1つだけ含むことも可能であり、その場合、生産においては、加工が、例えば、ロータ紡績機械又は空気紡績機械のような機械によってのみ行われる。
【0017】
それぞれの生産を、それぞれの生産仕様に基づいた、少数の限定的な生産に対してのみ予定することも可能である。従って、生産仕様が頻繁に変更されることが考えられ、例えば遅くとも1週間に一回、それどころか数日又は数時間に一回変更されることが考えられる。また、生産仕様を変更する度に、生産準備のステップを改めて実行することも可能である。生産準備のためのステップを改めて実行するために、それぞれの生産は、更に、生産量及び/又は生産時間に関して限定されてもよく、それにより、量及び/又は生産時間が所定の上限を超えると、生産が終了する。このことは、生産仕様の変更、及び/又は少なくとも1台の機械の経年劣化のような影響因子の変更時に、設定が改めて最適化されるという利点を有する。
【0018】
更に、本発明の枠内では、少なくとも1つの生産ステップにおいて、織物材料の加工、とりわけ織糸(糸とも記す)への繊維の加工、並びに/又は織糸の巻付け及び/若しくは巻取りを制御するために、設定が、少なくとも1つの織物機械、とりわけ紡績機械及び/又は巻取機械の形態の少なくとも1つの機械に対する少なくとも1つ以上の設定値を含んでもよい。これについて、機械をコンフィギュレートするために、ひいてはその機械によって実行される生産ステップもコンフィギュレートするために、1つ以上の設定値が、例えばネットワークのようなデータコネクションを介して機械に伝送されてもよい。
【0019】
更には、少なくとも1つの設定値又は複数の設定値が、以下の複数の値、すなわち、引出し速度、機械のロータの回転速度、負圧、巻取り時の織物材料及び/又は生産成果物のテンション、織物材料の種類及び/又は選択、巻取り速度、特に糸巻取り装置の巻取り速度、クリアラに関する設定、特にクリアラによる織物材料の切断に関する限界値の設定、という値のうちの少なくとも1つの値を含むことが考えられる。クリアラは、とりわけセンサとして構成されていてもよいし、又は織糸の品質検査のための測定を実行するセンサを含んでもよい。更に、クリアラが、測定された値と少なくとも1つの限界値との比較を実行し、限界値を超えている場合、且つ/又は限界値を下回っている場合には、限界値違反を確定することができる。従って、比較に基づいて、織糸の十分な品質を確定することが可能である。限界値違反の場合、クリアラは必要に応じて信号を送出し、欠陥のある織糸部分の切り出しを開始することができる。
【0020】
オプションとして、効果を求めることが、少なくとも1つの検出装置から少なくとも1つの検出結果を受信することとして実施されることが可能であってもよい。検出装置は、機械の一部であってもよいし、機械に配置されていてもよい。検出装置は、設定によって影響を受ける測定量、即ち設定の効果を表す測定量を検出するように構成されていてもよい。相応に、検出結果は、機械における、且つ/又は織物材料における、且つ/又は機械の周囲における、且つ/又はそれぞれの生産実験の生産成果物、とりわけ織糸における検出、特に測定及び/又は分析から得られてもよい。
【0021】
少なくとも1つの検出装置は、織物材料及び/又は糸のような生産成果物が通過する容積の容量を測定するための容量性センサを含んでいてもよい。このようにして、通過量を検出することができる。またこのようにして、糸に細い箇所が生じているか否か、且つ/又は糸に細い箇所がどの程度生じているかを導出することができる。代替的又は付加的に、少なくとも1つの検出装置が、光学センサを含んでもよい。センサの発光ダイオードは、織物材料及び/又は例えば糸のような生産成果物に照射を行い、センサが入射光を測定し、例えば糸の直径を判断することができる。同様に、少なくとも1つの検出装置が、織物材料及び/又は生産成果物の詳細な分析を行う分析装置を含むことも可能である。更に、少なくとも1つの検出装置が、長さ測定及び/又は重量測定を実行し、長さと重量との比率を求めるように構成されていてもよい。また、少なくとも1つの検出装置が、異質繊維を発見するための少なくとも1つの光学センサを有していてもよい。更に、少なくとも1つの検出装置が、生産情報、例えば、製造時に糸が裂けた頻度及び/又は紡績し直さなければならなかった頻度を記録するように構成されていてもよい。従って、この生産情報も、少なくとも1つの検出結果として提供することができる。また、少なくとも1つの検出装置が、糸のねじれ及び/又は引張力を求めるように構成されていることも考えられる。
【0022】
とりわけ、複数の生産実験が順次実行され、その際、複数の生産実験の内の少なくとも1つの生産実験について、効果が求められ、またそれに続いて、求められた効果に基づいて設定の適合が実行され、それによって、複数の生産実験の内のそれぞれの後続の生産実験では、その際に適合された設定を用いたコンフィギュレーションが行われてもよい。これによって、生産実験は相互的な基礎をなすことができ、また適合のステップによって制御することができる。ここで、コンフィギュレーションは、オプションとして、例えば対応する機械への設定のデータ伝送によって全自動で行うことができる。また、コンフィギュレーションを行うために、機械自体が必要なデータを収集することも可能である。
【0023】
例えば、複数の生産実験が順次実行され、その際、生産実験においてはその都度、設定が適合によって変更され、その際に求められた効果が、機械学習法に対する入力として使用され、それによって、設定が生産固有に最適化され、とりわけ少なくとも1つの目標仕様に基づいて最適化されてもよい。それぞれの生産の生産準備のために実行される複数の生産実験では、同じ生産仕様が使用され、この生産仕様は後続のそれぞれの生産にも利用されるので、ここでは、生産固有の最適化と呼ぶことができる。更に、少なくとも1つの目標仕様は、例えば、事前定義された最適化目標を含んでいてもよい。有利には、少なくとも1つの目標仕様は、エネルギ効率の最大化、とりわけ機械における負圧生成及び/又は正圧生成の最大化、生産成果物、特に織糸の品質の最大化、生産速度の最大化、クリアラによる切断の最小化、効率についての機械の最適化、実効織糸における効果の確認、のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0024】
とりわけ、複数の生産実験が順次実行され、その際、それぞれの生産の生産準備の、複数の生産実験のうちの最後の生産実験について、効果が求められ、またそれに続いて、求められた効果に基づいて設定の適合が実行され、それによって、その際に適合された設定が最適化された設定として使用されてもよい。このようにして、コンフィギュレーションの適合が終了されてもよい。
【0025】
別の可能性として、それぞれの生産実験及びそれぞれの生産において、織物材料が加工されて、生産成果物、特に織糸が製造されてもよい。この場合、それぞれの生産実験の生産成果物は、少なくとも部分的に又は完全に不良品を成し、それによって、それぞれの生産の生産結果とは異なる可能性がある。換言すれば、生産実験において、意図的に不良品が生産されることも考えられる。つまり、廃棄しなければならない、織糸のような生産成果物が意図的に生産されることも考えられる。このことは、生産について最適な設定を発見するために甘受され得る。有利には、不良品、即ち生産実験の生産成果物は、生産の生産成果物の最大で1%又は最大で0.1%含まれてもよい。
【0026】
更に有利には、織物生産が、同じ少なくとも1つの機械を用いて加工を実行するが、しかしながら、生産仕様に関して、とりわけ生産成果物、及び/又は生産成果物に対する要求、及び/又は生産成果物に関するパラメタリゼーション及び/又は生産成果物に関する組成、及び/又は織物材料に関するパラメタリゼーション及び/又は織物材料に関する組成、及び/又は織物材料のパラメータ、好適には繊維番手及び/又は繊維強度及び/又は繊維混合物に関して異なっている場合には有利である。更に、それぞれの生産の生産準備の、複数の生産実験のうちの1回目の生産実験を実行するために、その都度、事前定義された初期設定が設定として使用されてもよく、この初期設定は、1回目の生産実験の実行後に初めて変更される。その際、好適には、別の生産の、その都度決定されて最適化された設定は考慮されない。従って、最適化はそれぞれの生産に限定されて実行されてもよい。これによって、非常に多くの異なる生産に対しても、設定を最適化できることを保証できる。
【0027】
オプションとして、少なくとも1つ又は丁度1つの機械学習法がカーネル法として実施されることも考えられ、また好適には、カーネル法が、サポートベクターマシン、ガウス過程、カーネルPCA、カーネルパーセプトロン、正準相関分析、リッジ回帰、スペクトルクラスタリング、線形適応フィルタ、のうちの1つとして実施される。ここに列挙した技術には、エラー源の高速且つ正確な推定を実現するという利点を有する。特に、列挙した技術及びアルゴリズムは、情報が不完全であっても、ロバストに最適化を実行できるという利点を有する。これによって総じて、最適な結果を求めることができるようになるための、実験の繰り返しの実行が少数で済むことになる。
【0028】
更に、少なくとも1つの機械学習法のトレーニングのために、トレーニングデータの一部が生産固有であることも考えられ、そのような生産固有のトレーニングデータは、専ら、それぞれの生産の生産準備の少なくとも1回以上の生産実験から決定され、この場合、とりわけ生産用のトレーニングデータは複数の生産に対して同一に定義された初期トレーニングデータ、特に事前定義された初期設定を含み、また付加的に、求められた効果に基づき変更されたトレーニングデータを含む。これによって、非常に多くの異なる生産に対しても、設定を最適化できることを保証できる。
【0029】
更にはオプションとして、本発明の枠内では、少なくとも1つ又は丁度1つの機械学習法がガウス過程として実施されることも可能である。つまり、利用可能なトレーニングデータが限定されているため、多数の異なる生産に対しても、設定の最適化を行うことが可能である。
【0030】
自動化された生産準備及び/又は生産開始のためのステップが全自動化されて実行される、且つ/又は方法が少なくとも部分的に又は完全にコンピュータに実装され、とりわけリアルタイムで実施される場合、本発明の枠内では更なる利点を達成することができる。これによって、熟練のユーザによる介入がなくとも、コンフィギュレーションの適合が実現される。
【0031】
更に、本発明の範囲では、それぞれの生産実験において、少なくとも1つの生産ステップが、少なくとも1つ又は丁度1つの紡績試験として実行されることが考えられ、この紡績試験では、設定に基づいて糸が紡績され、それによって、生産実験に基づいて、適合によって、それぞれの生産に関する設定が最適化される。
【0032】
少なくとも1つの機械、特に織物機械は、有利には、紡績機械、繊維準備用の織物機械、紡績準備用の織物機械、リング紡績機械、コンパクト紡績機械、ロータ紡績機械、空気紡績機械、自動化機械、巻取り機械、テクスチャリング機械、のうち少なくとも1つを含む。織物機械は、更に、相互に隣接して配置されている複数の作業位置を有していてもよい。作業位置は、例えば紡績位置等であってもよい。同様に、糸がボビン、例えば綾巻きボビンに巻き取られる巻取り位置として形成することも可能である。つまり、例えば、紡績機械においては、供された繊維複合体から糸が製造され、この糸は、紡績ユニットを離れた後に、糸走行方向に見て、引出し装置及び糸貯蔵部を順次通過し、最終的に糸巻取り装置、即ち巻取り位置において巻き取られる。
【0033】
生産を監視するために、少なくとも1つの検出装置、例えば少なくとも1つのセンサが使用されてもよい。この場合、検出装置は、例えば、織物材料における検出、及び/又は織物機械における生産成果物における検出、並びに/若しくは生産準備及び/又は生産に使用される少なくとも1つの別の機械における検出によって、少なくとも1つ検出結果を求めることができる。少なくとも1つの検出結果は、それぞれ、例えば測定値等として実施されている。この場合、検出装置による検出は、生産準備及び/又は生産の間、繰り返し実行することができ、従って、生産準備及び/又は生産の監視と称されてもよい。つまり、例えば、織物機械の個々の作業位置における糸の通過を監視するために、糸が通過する領域には、即ち紡績機械の例では、紡績ユニットと糸巻取り装置との間には、いわゆる糸モニタが配置されることが公知である。糸モニタは、作業位置の制御部と接続されている糸センサであってよく、糸の不所望な裂けも、紡績された糸における欠陥も識別する。いずれの場合にも、作業位置の制御を介して、それぞれの作業プロセスを中断することができる。糸が損傷している場合には更に、糸の損傷した領域を取り除くクリアラによる切断を実行することができる。糸が裂けた場合には、糸端の一部を取り除くことができる。いずれの場合にも、続いて、糸端を繋げることができる。紡績機械においては、例えば、糸巻取り装置から到来する糸端が紡績ユニットに供給され、この紡績ユニットにおいて再び紡績開始工程が実行され、その結果、紡績プロセスを再開することができる。少なくとも1つの織物機械、並びに/又は生産準備及び/若しくは生産に使用される少なくとも1つの機械が動作している間に、即ち生産中又は生産準備中に、少なくとも1つの検出装置によって少なくとも1つの検出結果を求めることができる。更に、紡績開始工程が再び実行される位置においては、つなぎ箇所が再び生じる可能性があり、このつなぎ箇所は同様に、最適化のつなぎ合わせの工程が再び行われる箇所では、最適化の対象と成り得る。
【0034】
ここで、少なくとも1つの検出結果は、回転数、消費電力、潤滑剤の化学的な特性のような、少なくとも1つの織物機械の物理的なパラメータ及び/又は化学的なパラメータ、のうちの少なくとも1つであってよい。更に、少なくとも1つの検出結果は、例えば、太さ、密度、繊維の化学的な特性などのような、織物材料の少なくとも1つの物理的なパラメータ及び/又は少なくとも1つの化学的なパラメータを含んでもよい。織物機械及び/又は織物材料のパラメータの検出は、織物機械のサンプル及び/又は織物材料のサンプルの採取、また特にサンプルの機械的/物理的及び/又は化学的な特性を決定するために、実験室におけるサンプルの検査を含んでもよい。
【0035】
生産準備は、生産と同じ生産ラインの一部又は同じ生産ライン及び/又は同じ少なくとも1つの織物機械を使用することができる。従って、生産との関係において説明した特徴は、生産準備との関係においても当てはまる。生産、ひいては生産準備は、1つ以上の生産ステップを含んでもよい。特に、天然繊維、化学繊維及びそれらの混合繊維のような繊維を織糸に加工する際に、生産ステップは、繊維のカードスライバへの変換、延伸、紡績、先行する織物機械から後続の織物機械への自動的な搬送、巻き戻し、テクスチャリング、巻取り、のうちの少なくとも1つを含むことができる。生産の直列の生産ラインに沿って所望の生産能力を達成するために、織物機械又は繊維機械の構成要素を並列に配置することができる。つまり、先行する生産ステップに続いて後続の生産ステップを逐次的に行うことができ、ここで、先行する生産ステップは、織物材料を加工するために、後続の生産ステップよりも少ない並列の織物機械若しくはコンポーネント、又は後続の生産ステップよりも多い並列の織物機械若しくはコンポーネントを必要とする場合がある。例えば、スライバを提供する繊維準備ステップは、スライバを紡績して織糸にするステップよりも少ない並列の織物機械又はコンポーネントを必要とする場合がある。
【0036】
少なくとも1つの検出結果は、機械の消費電力、潤滑剤の品質、織物材料の直径、織物材料の繊維密度、織物材料の実験室での分析結果、繊維の湿潤、マイクロネア、繊維長、糸の通過、糸欠陥、繊維長均一性、繊維強度、繊維ナップ、繊維成熟度、繊維色、繊維廃棄物、スライバ番手/ロービング番手/ストランド、スライバ重量偏差/ロービング重量偏差、スライバ均一性/ロービング均一性、太い箇所、細い箇所、撚りの度合い、織糸強度、織糸伸び特性、強度、撚り、番手、織糸の毛羽立ち、織糸の耐摩耗性、摩耗特性、織糸色、機械の環境パラメータ、特に気候条件に関する環境パラメータ、織物材料及び/又は生産成果物、特に糸の裂け及び/又は糸欠陥の頻度、その他、のうちの少なくとも1つを含むことが可能である。検出結果は、例えば潤滑剤のサンプルを採取することによって検出することができ、これによって、潤滑剤の品質が決定される。同様に、織物機械及び/又は織物材料の検出結果は、織物材料のサプライヤの品質データ(例えば、原綿の品質情報)、格付け/製品番号及び/又は材料特性及び/又は潤滑材のような消耗材の使用期限のような外部の情報開示に基づいてもよい。また、検出結果として、環境パラメータ、特に気候条件についての環境パラメータ、例えば温度、湿度、日射量、太陽の位置を、とりわけ測定することができるか、又は外部の情報源及び/又は日付及び/又は時刻に基づいて提供することができる。これは、原料倉庫及び/又は中間製品用の倉庫及び/又は完成した製品用の倉庫における気候条件であってもよい。つまり例えば、紡績工場の少なくとも1つの領域における気候条件についてのパラメータも検出することができる。
【0037】
同様に、本発明の対象は、本発明による方法のステップを実施するための手段を含む、データ処理用の装置である。従って、本発明による装置は、本発明による方法を参照して詳細に説明した利点と同じ利点をもたらす。装置は、少なくとも1つの機械のうちの少なくとも1つの機械又は丁度1つの機械の一部であってもよい。
【0038】
同様に、本発明の対象は、織物生産を実行するためのシステムであり、このシステムは、
-少なくとも1つの生産ステップにおいて織物材料を加工するための少なくとも1つの機械と、
-データ処理のための本発明による装置と、
-機械において、且つ/又は織物材料において、且つ/又は機械の周囲において、且つ/又は生産成果物において、少なくとも1つの検出結果を検出することによって効果を求めるための少なくとも1つの検出装置と
を含む。
【0039】
従って、本発明によるシステムは、本発明による方法を参照して詳細に説明した利点と同じ利点をもたらす。
【0040】
同様に、本発明の対象は、コンピュータによるコンピュータプログラムの実行時に、コンピュータに本発明による方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム、特にコンピュータプログラム製品である。従って、本発明によるコンピュータプログラムは、本発明による方法を参照して詳細に説明した利点と同じ利点をもたらす。
【0041】
コンピュータとして、データ処理装置、例えば、コンピュータプログラムを実行する本発明による装置を設けることができる。コンピュータは、コンピュータプログラムを実行するための少なくとも1つのプロセッサを有していてもよい。また、不揮発性のデータメモリが設けられていてもよく、そのデータメモリにコンピュータプログラムが格納され、またそのデータメモリからプロセッサによってコンピュータプログラムが実行のために読み出されてもよい。更に、コンピュータプログラムは、機械の機械ソフトウェアに直接的に統合されていてもよい。
【0042】
同様に、コンピュータが、マイクロプロセッサ、又は特定用途向け集積回路(ASIC)、又は特定用途向け汎用品(ASSP)、又はディジタル信号プロセッサ(DSP)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のような、少なくとも1つの集積回路を含むことも考えられる。コンピュータは更に、データ交換用の少なくとも1つのインターフェース、例えば、イーサネット・インターフェース、又はLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)用インターフェース、又はWLAN(ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク)用インターフェース、又はSoC(System-on-a-Chip)用インターフェース、若しくはブルートゥース又は近距離無線通信(NFC)のような他の無線インターフェースを有していてもよい。更に、コンピュータは、1つ又は複数の制御装置として、即ち制御装置のシステムとして構成されていてもよい。コンピュータは、例えば、インターフェースを介して、データ処理をローカルのアプリケーションで利用できるようにするために、クラウド及び/又はサーバとして設けられていてもよい。また、コンピュータがスマートフォンのようなモバイル機器として構成されていることも可能である。
【0043】
同様に、本発明の対象は、本発明によるコンピュータプログラムを含むコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であってもよい。記憶媒体は、例えば、ハードディスク及び/又は不揮発性メモリ及び/又はメモリカードのようなデータメモリとして形成されている。記憶媒体は、例えばコンピュータに統合されていてもよい。
本発明の更なる利点、特徴及び詳細は、図面を参照して本発明の実施例を詳細に記述している以下の説明より明らかになる。ここで、特許請求の範囲及び明細書において言及した特徴は単独でも、任意の組み合わせにおいても本発明にとって本質的な特徴であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明による方法の一実施例を概略的に示す。
図2】本発明によるシステム及び装置並びに本発明によるコンピュータプログラムの一実施例を概略的に示す。
【0045】
以下の図面において、同一の技術的な特徴に対しては、実施例が異なっても同一の参照符号を用いている。
【0046】
図1には、種々の織物生産210に関するコンフィギュレーションをコンピュータ支援により適合させるための、本発明による方法100の一実施例が示されている。例示的に、タイムラインtに基づいて、複数の生産210を順次実施できることが示されており、ここでは、種々の生産210に対して生産仕様230が変更される(例示的に、生産仕様230が変更されることが、タイムラインt上において矢印によって概略的に示されている)。更に、それら複数の生産210では、それぞれ、少なくとも1つの生産ステップ220において、生産仕様230に基づいて、例えば繊維のような織物材料が少なくとも1つの機械10によって加工されて、糸のような織物製品が製造される。織物材料の加工並びに機械10は、図2に更に詳細に示されている。
【0047】
更に図1には、それぞれの織物生産210を、そのために変更された生産仕様230を用いて、自動化された生産準備及び生産開始を行うために、方法ステップ101、102、103、104が設けられていることが示されている。第1の方法ステップ101に従い、少なくとも1回以上の生産実験215の実行が開始される。この際、それぞれの生産実験215において、少なくとも1つの生産ステップ220を、設定240を用いてコンフィギュレートし、生産仕様230に基づいて実行することができる。続いて、第2の方法ステップ102に従い、それぞれの生産実験215における、設定240に基づいたコンフィギュレーションの効果250が求められる。第3の方法ステップ103に従い、生産仕様230について最適化された設定240を決定するために、求められた効果250に基づいて、設定240の適合が行われる。更に、方法ステップ101から103を反復的に実行できることが破線の矢印によって示されている。このことは、複数の生産実験215のうちの1回目の生産実験215の実行後に、先ず効果250が求められ、それに基づいて設定240を適合できることを意味する。この適合された設定240は、その後、2回目の生産実験215を実行するために利用することができる。効果250を再度求めることができ、それに基づいて、設定240が改めて適合されて、3回目の生産実験215に利用され、その際に、少なくとも1つの生産ステップ220がコンフィギュレートされる。この過程を、オプションとして、更なる生産実験215に対して繰り返すことができる。従って、複数の生産実験215が順次実行され、それらの生産実験215間に、効果250を求めるステップ102、設定240を適合させるステップ103が実行され、それぞれの生産210の生産加工の複数の生産実験215の内の最後の生産実験215に対して、効果250を求めるステップ102と、それに続いて、その求められた効果250に基づいて、設定240を適合させるステップ103とが最終的に実行され、それによって、その際に適合された設定240が、最適化された設定240として使用される。
【0048】
ステップ103の最後の反復でもって生産準備が終了され、求められた、最適化された設定240を、織物生産210を開始する際の第4の方法ステップ104に対して使用することができる。織物生産210においては、同様に、少なくとも1つの生産ステップ220が生産仕様230に基づいて実行される。但し、この生産ステップ220は、最適化された設定240でもってコンフィギュレートされている。
【0049】
更に、求められた効果250に基づいて適合させるステップ103を実行するために、少なくとも1つ又は丁度1つの機械学習法300を使用できることが示されている。とりわけ、機械学習法300はカーネル法300として実施されている。
【0050】
図2には、具体的な織物機械10を例とした、本発明による方法100が示されている。織物機械10を、システム1の一部として設けることができ、このシステム1においては、データ処理のための装置20と、コンピュータプログラム30と、機械10において、且つ/又は織物材料2において、且つ/又は機械10の周囲において、且つ/又は生産成果物3において、検出結果を検出することによって効果250を求めること102を行うための少なくとも1つの検出装置15とが更に設けられている。この具体的な例において、織物材料2には、繊維、即ち、特に繊維複合体が含まれ、また生産成果物3には、糸が含まれる。ここで、図1に示したそれぞれの生産実験215及びそれぞれの生産210において、織物材料2を加工して、生産成果物3を製造することができるが、それぞれの生産実験215の生産成果物3は、少なくとも部分的に又は完全に不良品を成し、それによって、それぞれの生産210の生産成果物3とは異なる。生産210において実際に存在する条件下で最適化を実行するために、図2に示した同じ機械10を、生産実験215においても、生産210においても使用することができる。更に、別の織物生産210は、同じ機械10を用いた加工を実行することができるが、しかしながら、生産仕様230に関しては、とりわけ、生産成果物3、及び/又は生産成果物3に対する要求、及び/又は生産成果物3に関するパラメタリゼーション及び/又は生産成果物3に関する組成、及び/又は織物材料2に関するパラメタリゼーション及び/又は織物材料2に関する組成、及び/又は織物材料2のパラメータ、好適には繊維番手及び/又は繊維強度に関しては異なっていてもよい。
【0051】
特に、略してAIと呼ばれる機械学習法300に、先ず、生産210のための初期設定240が引き渡される。AIを用いて、適合された設定240を、接続された紡績ユニット又はパッケージユニットに引き渡し、それによって糸3を紡績する、且つ/又は巻き取ることができる。検出装置15、すなわち特にセンサは、それらの生産実験215の成果物、すなわち例えば糸3を効果250として検出して、AIに戻すことができる。このデータセットから、AIは新たな設定240を導出して、更なる生産実験215を行うことができる。時間の経過と共に、AIは設定値を改善し続けることになる。AIの対象は、例えば織糸の品質の向上、クリアラによる切断の最小化、電力効率の向上、生産速度の上昇のような種々の判定基準であってよい。
【0052】
方法ステップ、又は方法ステップを実行するためのコンピュータプログラム30がリアルタイムで実施されることも考えられる。これによって、上述のAIの完全自動化リアルタイムアプリケーションを提供することができる。このようにして、例えば、ユーザ側では、新たな生産210を実行する前に都度、先ずAIを用いて、最適化された設定240を求めることができる。このことは、設定240が、所属の設定値でもって、それぞれの特定の生産210について限定的に最適化され、生産210の終了後にはもはや必要なくなる(即ち、場合によっては数時間後に既に必要なくなる)ことを意味する。従って、AIのための時間的なトレーニングコストはむしろ低く、また少数のトレーニングデータのみが生産実験215から利用可能である。従って、非常に短い時間で、少数のトレーニングデータに基づいて、生産準備ごとに、最適化された設定240を求めるための最適化プロセスがAIによって提供される。これがユーザ側で行われる場合、そのために必要とされる生産実験215が機械10において可能な限り自動化されて実行されれば更に有利である。同様に、効果250を求めるために、サンプルを生産実験215から実験装置に自動的に移送することも可能である。
【0053】
AIの実現については種々の方法が公知であるが、従来のようにニューラルネットワークを使用することも公知である。もっとも、トレーニングデータの可用性が限定されていることに基づき、本発明によればカーネル法が好適である。従って、AIとして、例えばガウス過程を使用することができる。ニューラルネットワークとは異なり、機械学習のこれらの古典的なモデルは、少数のトレーニングデータであっても最適化を確実に実行できる可能性を提供する。このことは、最適化法を短い生産プロセス及びユーザ側に限定して使用することも可能にする。同様に、本発明の枠内では、ニューラルネットワークの使用を省略することができ、従って、少なくとも1つの機械学習法300は、単一のニューラルネットワークを含まない。
【0054】
装置20は、ユーザ側における方法ステップ101~104の実行をユーザによって開始できるようにするために、織物生産のための少なくとも1つの機械10の1つ以上の一部であってもよい。この場合、天然繊維及び化学繊維並びにそれらの混合繊維を、所望の種類、量及び品質の織糸にするために、生産210時に多数の織物機械10を使用することが実現される。所望の種類及び/又は量及び/又は品質及び/又は混合物は、例えば、生産仕様230によって定義することができ、また種々の生産210に対して変更することができる。例えば、巻取機械又は紡績機械のような、異なる種類の織物機械10を生産のために設けることができる。この織物機械10には、特に空気紡績機械及びロータ紡績機械も含まれ、これらの従来技術から公知である。
【0055】
同様に、生産を監視するために、織物機械10において、また加工された織物材料2において測定を実行することも公知である。このために、図2に示した2つのセンサ15のような、少なくとも1つの検出装置15を使用することができる。ここで、図2には、紡績過程中に例えば空気紡績ユニット又はロータ紡績ユニットである紡績ユニット21から糸巻取り装置13まで延在する糸3と共に紡績位置11が概略的に示されている。紡績ユニット21に供給された繊維複合体2は、空気紡績機械の場合には、ここでは図示していないドラフト装置を通過した後に、またロータ紡績機械の場合には、解撚ユニットを通過した後に、紡績ユニット21内で撚られる。糸走行方向22に関して、紡績ユニット21の後段には、引出しローラ19によって視覚化された引出し装置が接続されており、この引出し装置は、引出しローラ対19を用いて、紡績ユニット21から出ている糸3を紡績ユニット21から引き出して、糸巻取り装置13の方向へと移送する。引出し装置の後段にはまた、(破線で図示された)糸貯蔵管17を備えた糸貯蔵部が接続されており、この糸貯蔵部には、図示していない糸流入開口部の領域において、第1及び第2の糸センサ15が配置されており、この場合、糸貯蔵管17は、糸が通過する領域内に糸センサ15が配置されているように位置決めされている。従って、糸センサ15は、糸の通過を検出することができるセンサ系を形成する。このようにして、糸欠陥及び/又は糸3の裂けも検出結果として識別することができる。糸貯蔵管内に配置されたループ状の糸部分は、糸流入開口部から糸貯蔵管内部に向けられた吸引空気によって生成され、この吸引空気は、糸流入開口部とは反対側に位置する、糸貯蔵管17の端部に接続されている負圧源18によって提供される。従って、糸センサ15を介して、ループ状の糸部分が糸貯蔵管内にどの程度延在しているかが検出される。糸3が裂けた場合、又は糸センサ15によって識別された糸欠陥が発生した場合、接続されている制御部を介して紡績工程が中断される。続いて、分離装置16を用いて、糸巻取り装置13から到来する、規定通りの自由な糸端が生成され、この糸端が後続のステップにおいて、戻り手段14を用いて紡績ユニット21へと移送される。ここで、糸端が紡績される。つまり、糸端が、紡績ユニット21から到来する糸3に繋がれる。更に、図2には、糸巻取り装置13の巻取り速度の決定を実施するために用いられる駆動部12が示されている。
【0056】
検出装置15によって提供された検出結果に基づいて適合103を実行するために、少なくとも1つの機械学習法300に、少なくとも1つの検出結果及び/又は少なくとも1つの設定値及び/又は少なくとも1つの目標仕様を入力として引き渡すことができ、機械学習法300を適用することによって、この方法300の出力として、少なくとも1つの最適化された設定値が得られる。機械学習法300を適用するために、データセットが検出結果から準備され、方法300に対する入力として使用されてもよい。データセットを準備するために、例えば、最初に、少なくとも1つの設定値及び少なくとも1つの目標仕様を、例えばファイルに格納することができる。とりわけ、各検出結果に対して、目標仕様が事前に定義されており、この目標仕様は、どのような値について、少なくとも1つの初期設定値が最適化されるべきか、又はどの目標(例えば最大化)でもって、少なくとも1つの初期設定値が最適化されるべきかを表す。具体的には、目標仕様としては、例えば、エネルギ効率の向上、又は織糸品質の向上、又は生産速度の向上、又はそれらの組み合わせが考えられる。生産速度に関する目標仕様は、例えば、期間、又はその期間の最小化を定義する。
【0057】
以下では、複数の設定値及び検出結果に対する、略してガウス過程と称される、ガウシアンプロセスモデルを例にして、方法300の後続の適用を説明する。ガウシアンプロセスモデルは、線形回帰モデル、ツリーベースモデル、パーセプトロンベースモデルと同様に、機械学習法に属する。1つの利点として、ガウシアンプロセスモデルは、解析的に解くことができる機械学習モデルであるということである。以下では、織物機械10のための設定値を最適化に使用することで生産210を驚くべき程に改善できることを説明する。
【0058】
データセットは、生産準備中、常に、(必要に応じて適合された)設定240の目下の設定値、並びに、効果250に即して、その設定240に依存して繰り返し求められた検出結果を含むことができる。従って、設定値は、関数f(x)によって目標値yとして定義することができ、ここで、xは、検出結果から形成することができる、x=[x,x,...xφ]から成る個々の入力であり、またeは、独立したガウス雑音である:
=f(x)+e
【0059】
更に、f(x)でのyを観察する条件付き確率は、正規分布によって決定されてもよい:
p(y│f(x))=N(y│f(x),σ)
上式で、σは、eの標準偏差であり、σ=σIは、特性量φ×φの対角行列である。yを予測できるようにするために、周辺確率分布p(y)を決定することができる。この確率分布は、積分の使用下で、分布p(f(x))上の条件付き分布p(y|f(x))を周辺化することによって求めることができる:
p(y)=∫p(y|f(x))-p(f(x))df(x)
【0060】
分布p(f(x))は、0の平均値及び特性量φ×φの共分散カーネル行列を持つガウス分布として定義される:
p(f(x))=N(f(x)|0,K)
但し、
K[n,m]=k(x,x
これにより、以下が得られる:
p(y)=N(y│0,C)
上式で、各要素を次式によってCに含めることができる:C[n,m]=k(x,x)+σδnm
【0061】
K又はk(x,x)については、定数カーネル又は二乗指数カーネル又は周期カーネルのような種々の共分散カーネル関数を使用することができる。これにより、二乗指数カーネルは、ここで、xのサンプル(x,x)のペアから算出することができる。
k(x,x)=exp(-||x-x/2)
上式で、サンプルは、最初に初期設定された設定値から得ることができる。
【0062】
設定値の最適化のために、既存のφ入力x=[x,x,...xφ及び既知の目標値s y=[y,y,...yφに基づき、yφ+1の値を予測することができ、この値は、新たな入力xφ+1に対応する。ここで、新たな入力は目標仕様に対応することができる。p(yφ+1|y)のパラメータを決定するために、分布p(y’)から出発することができ、ここでy’=[y,y,...yφ,yφ+1は、長さφ+1のベクトルである。これにより、p(y’)= N(y’|0,C’)が得られ、特性量φ+1×φ+1の新たな共分散行列C’が構造C’=[[C,k],...[k,c]]を持ち、C=K+σIは、元のφ×φ共分散行列であり、kは、長さφのベクトルであり、その要素は、k[n]=k(x,xφ+1)によって与えられており、cはスカラであり、xφ+1の共分散自体を含み、c=k(xφ+1,xφ+1)+σとなる。このようにして予測された値に基づいて、設定240の後続の適合103を実現することができる。
【0063】
上記の実施形態の説明では、本発明を専ら例として説明した。勿論、実施形態の個々の特徴は、技術的に有用である限り、本発明の範囲から逸脱することなく、相互に自由に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0064】
1 システム
2 織物材料、繊維複合体
3 生産成果物、糸
10 機械
11 作業位置、紡績位置
12 駆動部
13 糸巻取り装置
14 戻り手段
15 検出装置、糸センサ
16 分離装置
17 糸貯蔵管
18 負圧源
19 引出しローラ
20 装置
21 紡績ユニット
22 糸走行方向
30 コンピュータプログラム
100 方法
101 第1の方法ステップ、開始する
102 第2の方法ステップ、求める
103 第3の方法ステップ、適合させる
104 第4の方法ステップ、開始する
210 生産
215 生産実験
220 生産ステップ
230 生産仕様
240 設定
250 効果
300 機械学習法、カーネル法
t 時間
図1
図2