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特開2024-82261供給ユニット及びそのような供給ユニットを備える粉末ステーション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082261
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】供給ユニット及びそのような供給ユニットを備える粉末ステーション
(51)【国際特許分類】
   B05C 19/06 20060101AFI20240612BHJP
   B05B 7/14 20060101ALI20240612BHJP
   B05B 7/24 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
B05C19/06
B05B7/14
B05B7/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023205158
(22)【出願日】2023-12-05
(31)【優先権主張番号】FR2212911
(32)【優先日】2022-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】516299279
【氏名又は名称】エクセル インダストリー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン ベルジオビーヌ
(72)【発明者】
【氏名】マクシム ペリエ
(72)【発明者】
【氏名】エリク ジオ
(72)【発明者】
【氏名】エルベ ブロシエ-サンドル
【テーマコード(参考)】
4F033
4F042
【Fターム(参考)】
4F033QA01
4F033QB02Y
4F033QB05
4F033QB12Y
4F033QC08
4F033QD02
4F033QD11
4F033QE06
4F033QF08X
4F033QF11X
4F033QF23
4F033QH02
4F033QH05
4F033QH11
4F033QH13
4F042AA01
4F042AB03
4F042CA01
4F042CA04
4F042CB02
4F042CB08
4F042CB19
4F042CC06
4F042DE01
4F042DF02
4F042DF16
4F042EC01
4F042EC08
(57)【要約】
【課題】粉末コーティング製品を粉末ステーションに供給するための供給ユニットを提供する。
【解決手段】粉末コーティング製品の粉末ステーション用のこの供給ユニットは、流動化コーティング製品リザーバーと、コーティング製品容器を受容するための支持体と、容器からリザーバーを供給するためのポンプと、リザーバーを受容するための内部容積を画定し、内部容積への接近のための開口部を備えるケーシングと、を含む。支持体は、少なくとも1つの回転軸の周りで、両方向に、ケーシングの内部容積の外側に、アクセス開口部を通って支持体が突出する第1の装填/取り出し位置と、支持体上の定位置にある支持体及び容器がこの内部容積内に含まれる第2のコーティング製品移送位置との間で、回転又は円形状の並進で移動可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末コーティング製品の、粉末ステーション(2)用の供給ユニット(10)であって、前記供給ユニットが、
-流動化コーティング製品リザーバー(102)と、
-コーティング製品の容器(118、119)を受容するための支持体(120)と、 -前記支持体によって担持される前記容器から前記流動化コーティング製品リザーバーを供給するためのポンプ(112)と、
-前記流動化コーティング製品リザーバーを受容するための内部容積(V104)を画定し、この内部容積に接近するための開口部(O104)を備えるケーシング(104)と、
を含み、
前記支持体(120)が、少なくとも1つの回転軸(Z120)周りを、少なくとも
-第1の装填/取り出し位置であって、前記支持体(120)が、前記アクセス開口部(O104)を通して前記ケーシング(104)の前記内部容積(V104)の外側に突出する、第1の装填/取り出し位置と、
-第2のコーティング移送位置であって、前記支持体及び前記支持体上の定位置にある容器(118、119)が、前記ケーシングの前記内部容積に含まれている、第2のコーティング移送位置と、
の間で両方向(R1、R2)に、回転又は円形状の並進で移動可能であることを特徴とする、
供給ユニット。
【請求項2】
前記回転軸(Z120)が垂直であることを特徴とする、請求項1に記載の供給ユニット。
【請求項3】
前記回転軸(Z120)が部分的に、前記ケーシング(104)の前記内部容積(V104)内に配置されることを特徴とする、請求項2に記載の供給ユニット。
【請求項4】
前記支持体(120)が、振動テーブル(121)を備えていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の供給ユニット。
【請求項5】
前記支持体(120)がその第1の位置及び第2の位置の一方から、前記流動化コーティング製品リザーバー(102)を排出するための第3の位置へ、及びその逆に、前記第3の位置からその第1の位置及び第2の位置の一方へ、回転又は円形状の並進で移動可能であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の供給ユニット。
【請求項6】
前記支持体の前記第3の位置において、前記コーティング製品容器(118、119)が、前記流動化コーティング製品リザーバー(102)の下に配置されることを特徴とする、請求項5に記載の供給ユニット。
【請求項7】
前記支持体(120)の第1の位置と第2の位置との間の回転角度(α)が、100°~180°であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の供給ユニット。
【請求項8】
前記支持体(120)の前記第1の位置と前記第2の位置との間の回転角度(α)が、120°~160°であることを特徴とする、請求項7に記載の供給ユニット。
【請求項9】
前記支持体(120)の前記第1の位置と前記第2の位置との間の回転角度(α)が、約135°であることを特徴とする、請求項8に記載の供給ユニット。
【請求項10】
前記支持体(120)の前記第1の位置と前記第3の位置との間の回転角度(β)が、70°~110°であることを特徴とする、請求項7に記載の供給ユニット。
【請求項11】
前記支持体(120)の前記第1の位置と前記第3の位置との間の回転角度(β)が、80°~100°であることを特徴とする、請求項10に記載の供給ユニット。
【請求項12】
前記支持体(120)の前記第1の位置と前記第3の位置との間の回転角度(β)が、約90°であることを特徴とする、請求項11に記載の供給ユニット。
【請求項13】
前記容器(119)が、前記支持体がその第2の位置にあるときに、コーティング製品吸引管(122)を通過させるための管(141)が設けられたカバー(139)を備え、前記管が、前記支持体がその第3の位置にあるときに、前記流動化コーティング製品リザーバーを空にするための開口部(105)の下に配置されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の供給ユニット。
【請求項14】
前記支持体(120)が、前記支持体をその第1の位置と第2の位置との間、場合によってはこれらの第1の位置と第2の位置と第3の位置との間で回転移動(R1、R2)させるための、少なくとも1つのハンドル(132、134)を備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の供給ユニット。
【請求項15】
前記支持体(120)が、トレイタイプ(119)の容器、特にコーティング製品のバッグ用の剛性トレイ、又はカートンタイプ(118)の容器を受容するように構成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の供給ユニット。
【請求項16】
スプレーブース(4)内に設置され、供給ユニット(10)によってコーティング製品が供給される少なくとも1つの粉末コーティング製品噴霧器(6)を備える、粉末ステーション(2)であって、前記供給ユニット(10)が請求項1~3のいずれか一項に記載されていることを特徴とする、粉末ステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末コーティング製品を粉末ステーションに供給するための供給ユニットに関する。
【0002】
本発明の技術分野は、1つ以上の噴霧器が、コーティングされるべき物体上に粉末コーティング製品を投射する、粉末ステーション又は設備の技術分野である。この噴霧器又はこれらの噴霧器は、手動又は自動であってもよく、その場合、それらは多軸又は往復ロボットによって有利に動かされる。
【0003】
このタイプのステーションでは、粉末ステーション、より具体的には、その噴霧器に粉末コーティング製品を供給するためのユニット又は中央ユニットを設けることが知られている。そのようなユニットは一般に、スプレーブースの近傍に設置され、流動化コーティング製品リザーバーが配置される内部容積を画定する、ケーシング又はエンベロープを備える。この流動化されたコーティング製品リザーバーは、粉末コーティング製品を支持体、例えば、振動テーブル上に配置された容器内に引き込むポンプによって供給される。
【背景技術】
【0004】
従来技術の供給ユニットは、US2019/314836A1、US7074274B1、US7325750B2及びUS2007/235558A1から知られている。
【発明の概要】
【0005】
粉末コーティング製品はしばしば、20キログラム(kg)以上のオーダーの質量を有するカートン又はバッグに包装されて入手可能である。作業日の間に、粉末で満たされた幾つかの容器は、ケーシングの内部容積内で、流動化コーティング製品リザーバーの近くの限定された空間内で、支持体上に連続的に装填されなければならない。容器が完全に又は部分的に空にされたとき、例えば、噴霧されるコーティング製品の色が変更される場合、別の容器が取り付けられることを可能にするために、容器は支持体から取り出され、この限定された空間から除去されなければならない。コーティング製品の粉末ステーション消費に応じて、支持体上へのコーティング製品容器の装填/取り出し(loading/unloading)作業は、8時間のシフトで最大10回発生しうる。これらの動作は限られた空間内で行われ、これは作業者の疲労及び筋骨格障害の増加につながる可能性が高い。
【0006】
特に、これらの問題こそが、本発明が粉末コーティングステーション用の新しい供給ユニットを提案することにより、粉末コーティング製品をより装填し易くすることで解決しようとするものである。
【0007】
この目的のために、本発明は粉末コーティングステーション供給ユニットに関し、この供給ユニットは、流動化コーティング製品リザーバーと、コーティング製品容器を受容するための支持体と、支持体によって担持される容器から流動化コーティング製品リザーバーを供給するためのポンプと、流動化コーティング製品リザーバーを受容するための内部容積を画定し、この内部容積へのアクセス開口部を備えるケーシングと、を含む。本発明によれば、支持体は少なくとも1つの軸の周りで、少なくとも
-第1の装填/取り出し位置であって、支持体が、アクセス開口部を通してケーシングの内部容積の外側に突出する位置と、
-第2のコーティング移送位置であって、支持体及び支持体上の定位置にある容器が、ケーシングの内部容積に含まれている位置と、
の間で両方向に、回転又は円形状の並進で移動可能である。
【0008】
本発明のおかげで、支持体の回転又は円形状の並進によって、支持体を第1の位置に移動させることができ、この位置では、支持体がケーシングの外部に突出するので、作業者が容易に接近することができ、したがって、粉末コーティング製品が充填された容器による支持体の装填が容易になる。これにより、作業者は、コーティング製品容器を供給ユニット内に運ぶ必要がなくなる。これにより、作業者の疲労が大幅に軽減され、筋骨格障害が防止される。容器が支持体から取り出されなければならないとき、すなわちこの容器が、空であるか、又は粉末コーティング製品で部分的に満たされているとき、特に色の変更のときに、同じ利点がもたらされる。第2の位置では、支持体及びこの支持体上の定位置にある容器が、ケーシングの内部容積内に正確に配置され、その結果、ポンプはコーティング製品を容器内に引き込むことができる。支持体及び容器は、ケーシングの内部容積に含まれるので、供給ユニットの近傍における作業者又は搬送カートの通過を妨げず、粉末ステーションの安全性を向上させる。支持体をその2つの位置の間で変位させるために実施される回転又は円形状の並進は、ケーシングの外側の空間を妨げない、単純で十分に制御された移動であるという利点を提示する。
【0009】
本発明の有利であるが必須ではない態様によれば、そのような供給ユニットは、任意の技術的に許容される組み合わせでとられる以下の特徴の1つ以上を組み込むことができる:
-回転軸は垂直であり、好ましくは、部分的に、ケーシングの内部容積内に配置される。
-支持体は振動テーブルを備えている。
-支持体はその第1の位置及び第2の位置の一方から、流動化コーティング製品リザーバーを排出するための第3の位置へ、その逆に、第3の位置からその第1の位置及び第2の位置の一方へ、回転又は円形状の並進で移動可能である。
-支持体の第3の位置において、コーティング製品容器は、流動化コーティング製品リザーバーの下に配置される。
-第1の位置と第2の位置との間の支持体の回転角度は、100°~180°、好ましくは120°~160°、より好ましくは約135°である。好ましくは、その第1の位置と第3の位置との間の支持体の回転角度は、70°~110°、好ましくは80°~100°、更により好ましくは約90°である。
-容器には、支持体がその第2の位置にあるときに、コーティング製品吸引パイプを通過させるための管が設けられたカバーが取り付けられ、一方、この管は、支持体がその第3の位置にあるときに、流動化コーティング製品リザーバドレーンの開口部の下に配置される。
-支持体は、支持体をその第1の位置と第2の位置との間、場合によってはこれらの第1の位置と第2の位置と第3の位置との間で回転移動させるための、少なくとも1つのハンドルを備える。
-支持体は、トレイタイプの容器、特にコーティング製品のバッグ用の剛性トレイ、又はカートンタイプの容器を受容するように構成される。
【0010】
第2の態様によれば、本発明は、スプレーブース内に設置され、上述の供給ユニットによってコーティング製品が供給される、少なくとも1つの粉末コーティング製品噴霧器を備える粉末ステーションに関する。
【0011】
このような粉末ステーションは、特に作業者のための筋骨格疾患の低減及び安全に関して、供給ユニットに関して上述したものと同じ利点をもたらす。
【0012】
本発明は、単に例として与えられ、添付の図面を参照してなされる、その原理に従う供給ユニット及び粉末ステーションの2つの実施形態の以下の説明に照らして、よりよく理解され、本発明の他の利点がより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の第1の実施形態による粉末ステーション及び供給ユニットの概略斜視図である。
図2図2は、図1に示す構成において、2つの挿入A)及びB)において、供給ユニットを正面図及び図1の平面Bに沿った垂直断面で示している。
図3図3は、供給ユニットの支持体が装填位置にあるときの、図2と同様の図である。
図4図4は、供給ユニットの支持体が流動化コーティング製品のリザーバーを排出するための位置にあるときの、図2と同様の図である。
図5図5は、本発明の第2の実施形態による設備及び供給ユニットについて、図1と同様の図である。
図6図6は、第2の実施形態について、図2と同様の図である。
図7図7は、第2の実施形態について、図3と同様の図である。
図8図8は、第2の実施形態について、図4と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、スプレーブース4を備える粉末ステーション又は設備2を示し、ここで、図示されていない物体は、やはり図示されていないコンベヤによって搬送軸A4に従って変位され、そのハンガーは、ブース4の天井44の長手方向スロット42を通過する。ブース4は1つ以上の噴霧器6を含み、そのうちの1つのみが図1に非常に概略的に示されており、キャビン4内のコンベヤによって変位される物体に向かって配向されている。
【0015】
図に示される例では、噴霧器6が直交基準フレームXYZの3つの軸X、Y、Zに従って、図示されていない多軸ロボットによって変位される自動噴霧器であり、軸Xはコンベヤ軸A4に平行である。あるいは、ロボットは往復式又は他のタイプであり、噴霧器6はX、Y、Z軸の一部又は全部に従って変位される。別の変形例によれば、噴霧器6は、ブース4内に立っている塗装者によって運ばれる手動噴霧器である。
【0016】
噴霧器6は、静電式又は摩擦電気式であってもよい。
【0017】
ブース4内の噴霧器6の数は、その容積及びコーティングされる部品のサイズに適合される。
【0018】
また、粉末ステーション2は供給ユニット10を備え、供給ユニット10は、供給ユニット10の外郭を構成し、図示の例では、スプレーブース4に平行に隣接しているケーシング104の内部容積V104内に配置されたリザーバー102から、各噴霧器6に空気と粉末コーティング製品の混合物を供給する。
【0019】
ユニット10は、粉末コーテイングユニットとも称され得る。
【0020】
ブラケット103は、内部容積V104内のリザーバー102を、ケーシング104に対して固定された位置で支持する。したがって、リザーバー102は、粉末ステーション2の外部環境から比較的隔離され、衝撃に対して機械的に保護される。
【0021】
ケーシング104はまた、供給ステーション10の外部での粉末粒子の拡散を制限する機能を有する。
【0022】
供給管106は、リザーバー102を各噴霧器6に接続する。
【0023】
図2図4に見られるように、接続プレート108はケーシング104の底壁110に固定され、供給管106の第1の部分106Aは内部容積V104内で、リザーバー102とプレート108との間に延在し、一方、この供給管の第2の部分106Bは内部容積V104の外側で、プレートと噴霧器6との間に延在する。
【0024】
リザーバー102には、供給ユニット10にも属しケーシング104の第1の側壁114の外側に固定されるポンプ112によって粉末コーティング製品が供給される。第2の供給管116は、ポンプ112の排出口112Bをリザーバー102に接続し、内部容積V104の内側で、リザーバー102とプレート108との間に延在する第1の部分116Aと、内部容積V104の外側で、プレート108とポンプ112との間に延在する第2の部分116Bと、を備える。
【0025】
図に示されるポンプ112の位置は、限定的ではない。あるいは、ポンプ112は側壁114の内側、底部110、特にケーシング104の外側に面するこの底部の側、容積V104の反対側、床111、天井113、又はケーシング104の第2の側壁115に設置することができる。
【0026】
供給ユニット10の前後方向は軸線Yに平行であり、この軸線と同じ方向を向く方向として定義される。容積104へのアクセス開口部O104は、フロア111、天井113、並びに側壁114及び115の前縁によって画定され、これらの前縁は図1及び図2図4の挿入B)に見られるものである。
【0027】
ポンプ112の入口112Aには、支持体120上に配置されたカートン118内に収容された粉末コーティング製品が供給される。
【0028】
図1に示す構成では、粉末コーティング製品は流動化形態で噴霧器6に供給することができる。したがって、この位置は、カートン118からリザーバー102へ、次いでリザーバー102から噴霧器6へのコーティング製品移送位置である。この位置では、支持体120及びカートン118は、ケーシング104の内部容積V104内に完全に封入される。言い換えれば、カートン118及び担体120は、開口部O104を通って容積V104から突出しない。容積V104の外側に突出しないカートン118及び担体120は、粉末ステーション2の近傍を移動する作業者又は搬送カートに干渉する可能性が低い。
【0029】
有利には、支持体120は、図1及び図2に示される構成でカートン118を振ることを可能にし、その下隅にコーティング製品を集めることが容易になる、振動テーブル121を備える。振動テーブル121の上面は傾斜しており、カートン118が傾斜した構成で静止することで、カートン118の下隅にコーティング製品を集中させることが容易になる。
【0030】
図1及び図2に示される供給ユニット10の構成では、吸引管122は、ケーシング104の第2の側壁115に固定されたブラケット124によって定位置に保持されたカートン118に突入する。
【0031】
第3の管126は、吸引管122の上端をポンプ112の入口112Aに接続する。管126の第1の部分は内部容積V104内で、吸引管122と底壁110に固定された接続プレート128との間に延在し、一方、この管の第2の部分は内部容積V104の外側で、プレート128とポンプ112の入口112Aとの間に延在する。
【0032】
スリーブ130は、容積V104に向かって回転する壁115の内面に配置され、カートン118に突入するためにブラケット124上の定位置にないとき、吸引管122を受容するように構成される。
【0033】
図面を明瞭にするために、管106、116、及び126は、図1の粉末ステーション2の部分6、102、112、及び122を直接相互接続するものとして示されている。これらの管の様々な部分は、図2~4の挿入A)に見ることができ、これらの図の挿入B)には示されていない。
【0034】
リザーバー102は、ポンプ112から来るコーティング製品の流動化を可能にする公知の手段を備えており、その結果、コーティング製品は、容易にかつ制御された速度で、噴霧器6又は各噴霧器6に送達され得る。これを達成するために、リザーバー102は図示されていない多孔質プレートを備えることができ、その上にポンプ112からのコーティング製品が排出され、そこを通って上向きの空気流が延在し、それによって、コーティング製品を空気中に懸濁させる効果を有する。
【0035】
図1及び図2に示される供給ユニット10の構成では、支持体120上の定位置にあるカートン118は、容積V104の一方の側に配置され、リザーバー102からX軸に平行にオフセットされ、Z軸に沿ってこのリザーバーの下に配置される。この構成では、カートン118はブラケット124に対して正確に位置決めされ、容積V104内に完全に配置され、その結果、吸引管122はこのカートンの内部容積内に突入することができる。
【0036】
この構成では、カートン118に接近することが比較的困難である。特に、作業者が図1及び図2に示される構成で支持体上にカートン118を設置する場合、作業者自身が容積V104に入らない限り、作業者は体を歪め、部分的に片持ちの位置で働かなければならず、リザーバー102及びブラケット103及び124によって妨げられ、それらにより自分自身を傷つける可能性がある。この動作をシフトごとに数回繰り返すことにより、作業者は早期疲労及び筋骨格障害の危険性を負う。
【0037】
この困難を克服するために、支持体120は、図示の例では軸Zに対して垂直かつ平行である軸Z120の周りを回転することができる。回転は、ベアリングなどの既知の手段を用いて実施することが容易な、単純な運動である。
【0038】
軸Z120は、床111と天井113との間の部分がケーシング104の内部容積V104内に位置するように、床111を通過する。これにより、供給ユニット10は非常にコンパクトになる。
【0039】
したがって、支持体120は図1及び図2に示される位置から図3に示される位置に移動することができ、支持体120は開口部O104を通って容積V104の外側に突出し、その結果、カートン118もまた、容積V104の外側に少なくとも部分的に配置され、カートンを支持体120上に装填するため、又はカートンを支持体120から取り出すために、作業者が容易に接近できるようになる。したがって、この位置は、この実施形態ではカートン118である容器を有する支持体120を装填/取り出しするための位置である。
【0040】
支持体120の、図1及び図2のその移送位置から図3のその装填/取り出し位置への移動は、可逆的である。それはいずれの方向でも起こり得る。
【0041】
作業者の作業及び軸Z120の周りの支持体120の回転を容易にするために、支持体120は支持体から上方に、特に支持体上の定位置にあるカートンの真上に延在する2つのハンドル132及び134を備える。幾何学的形状を考えると、作業者が曲がる必要なく、ハンドルに容易に接近できる。それらは、著しく曲がることなく軸Z120の周りで支持体120に回転トルクを及ぼすことを可能にする。このトルクは図3の矢印R1の方向に作用して、装填/取り出し位置から移送位置に移動する、又は図2の矢印R2の方向に、移送位置から装填/取り出し位置に移動することができる。
【0042】
したがって、軸Z120の周りのその配向に応じて、支持体120は、図3に示される支持体120上でカートン118を装填/取り出しするための第1の位置と、図1及び図2に示されるコーティング製品を移送するための第2の位置と、をとる。
【0043】
これにより、図3に示される装填/取り出し位置において、粉末コーティング製品を収容するカートン118を配置するための支持体120への接近がより容易となる一方で、カートン118及び支持体120は、支持体120の移送位置において容積104の外側に突出しておらず、このことは供給ユニット10の、したがって粉末ステーション2の安全性及びコンパクト性の点で有利であるため、作業者の作業が容易となる。
【0044】
実際には、図2及び図3の挿入B)に示される反三角(時計回り)の上面視方向における支持体120の、第1の位置と第2の位置との間の回転角度αが、100°~180°、好ましくは120°~160°、更により好ましくは約135°とすることができる。あるいは、第1の位置と第2の位置との間の支持体120の回転が同じ点に達するように、上から見たときに三角(反時計回り)方向に行うことができる。この場合、支持体の回転角度は、360°と、反三角方向の回転の場合の角度の値との差に等しい値を有する。
【0045】
有利には、第3の位置が支持体120のために提供される。この第3の位置は図4に示されている。この第3の位置では、カートン118はリザーバー102の下に配置されており、その中に収容された粉末コーティング製品が重力によってカートン118内に落下することを可能にすることによって、リザーバーがパージされることを可能にする。パージスリーブバルブ105は、リザーバー102の下に設けられ、スリーブバルブ105によって制御される開口部を通って、第3の位置で支持体120上の定位置にあるカートン118に向かって、リザーバー102内に存在するコーティング製品残渣の排出を制御することを可能にする。
【0046】
リザーバー102が排出されるこの第3の位置では、支持体120は図3に示される装填/取り出し位置よりも少ない程度までケーシング104の外側に突出する。カートン118は実際には接近可能ではないが、このことは重要ではない。この構成では、カートン118を支持体120上に装填又は取り出しすることが問題ではなく、リザーバー102内に残存する粉末コーティング製品を回収し、スリーブバルブ105によって制御される開口部を通って流れるようにすることが問題であるからである。
【0047】
この第3の位置により、リザーバー102を排出し、このリザーバー内に残存するコーティング製品を回収することがより容易かつ迅速になり、したがって、コーティング製品の切り替え動作が容易になる。実際、以前に使用されたコーティング製品は、その元のカートン118に回収することができ、このカートンは、この製品が使用される将来の粉末コーティング作業まで保管することができる。これにより、コーティング製品の変更、特に色の変更が容易になる。
【0048】
図4に示される第3の位置は、図3に示される第1の位置と、図1及び2に示される第2の位置との間の中間位置であり、三角方向の回転を伴う第1の位置から第2の位置へ、及び逆に、反三角方向の回転を伴う第2の位置から第1の位置へ通過するとき、支持体120は第3の位置を通過する。
【0049】
支持体120のこの第3の位置は、支持体120によって、第1の装填/取り出し位置から第2の移送位置への経路に対応する振幅よりも小さい振幅で、第1の装填/取り出し位置から矢印R1の方向への回転によって到達することができ、反対方向に回転することによって、支持体120は、その第3のパージ位置からその第1の装填/取り出し位置へ移動する。支持体120のこの第3の位置はまた、支持体120によって、第2の移送位置から第1の装填/取り出し位置への経路に対応する振幅よりも小さい振幅で、第2の移送位置から矢印R2の方向への回転によって到達することができる。反対方向の回転は、支持体120をその第3のパージ位置からその第2の移送位置に移動させる。
【0050】
実際には、支持体120の回転角度βは、図2及び図4の挿入B)に示される平面図における三角方向において、その第1の位置と第3の位置との間で、70°~110°、好ましくは80°~100°、更により好ましくは約90°であり得る。あるいは、第1の位置と第3の位置との間の支持体120の回転は、同じ点に達するように、上から見たとき、反三角方向に行うことができる。
【0051】
上記において、角度がおおよその値で定義される場合、角度は5°以内の値に等しい。
【0052】
支持体120の位置が何であれ、ハンドル132及び134の少なくとも1つは、所望の動きに応じて、矢印R1の方向又は矢印R2の方向に、軸Z120の周りにトルクを及ぼすために、開口部O104を通して、ケーシング104の外部から作業者に接近可能である。
【0053】
なお、図5以降に示される第2の実施形態では、第1の実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。以下では、図に記載されることなく説明中に言及される場合、又は説明中に言及されることなく図に記載される場合、それは第1の実施形態において同じ言及を有するものと同じ要素に対応する。以下では、第2の実施形態と前の実施形態とを区別するものを主に説明する。
【0054】
この実施形態は、剛性トレイ119が、「ビッグバッグ」と呼ばれることがある一定のコーティング製品パッケージング構成に対応するコーティング製品のバッグを受容するように支持体120上に取り付けられている点で、前の実施形態とは異なる。トレイ119は、好ましくは溶接されたポリマー、ラッカー鋼、又は研磨されたステンレス鋼で作られる。この容器119は、支持体120が第1の実施形態と同様に定められた移送位置にある図5及び図6の構成において、ポンプ112によって吸引された粉末コーティング製品を、管126を通して吸い上げるために、吸引管122が容器119内に突入する煙突を形成する管141を備えたカバー139によって閉鎖されている。
【0055】
粉末ステーション2の部品102~116及び121~134は、第1の実施形態のものと同一である。
【0056】
特に、支持体120は図7及び図6の矢印R1及びR2によってそれぞれ表される2つの方向に、コーティング製品の袋を容器119内に装填/取り出しするための第1の位置と、流動化コーティング製品をリザーバー102に通すことによって容器119の内部容積から噴霧器6にコーティング製品を移送するための位置との間で、回転可能である。
【0057】
図7に示される支持体120の第1の装填/取り出し位置では、図示されない態様によれば、カバー139は、コーティング製品の部分的に又は完全に使用されたバッグが除去される前に、及びコーティング製品の新しいバッグが剛性トレイ119内に配置される前に除去される。この動作の後、カバー139は、まだこの位置にある容器119上で交換される。
【0058】
カバー139及び管141により、容器119の内部容積が閉じ込められることが可能になる。これにより、粉末コーティング製品が供給ユニット10の内部に付着することが防止され、それによって外部粒子による粉末コーティング製品の汚染の危険性が制限される。
【0059】
管141は、図5及び図6に示される第2の移送位置において吸引管122と整列されるように、カバー139上に配置され、また、図8に示される第3の構成において、第1の実施形態の場合と同様に、スリーブバルブ105によって制御されるリザーバー102の出口開口部と整列される。
【0060】
この第3の位置では、管141は、コーティング製品がリザーバー119の内部容積に向かって動かされることを確実にし、容積V104の汚染の危険性を制限する。
【0061】
実施形態が何であれ、上述の位置の間にトルクを加えるために支持体120に取り付けられたハンドル132、134又は当量物の数は、2つ、特に1つ以上又は3つ以上と異なっていてもよい。加えて、これらのハンドルは、図に示されるものとは異なる幾何学的形状を有することができる。
【0062】
あるいは、ケーシング104は、図に示されるものとは異なる幾何学的形状を有してもよく、その開口部は異なる方向に向けられてもよい。
【0063】
あるいは、第1の位置と第2の位置との間、及び場合によってはこれらの位置と第3の位置との間の支持体の移動は、2つの回転軸を中心とする、並進する円形状の移動である。この場合、異なる位置間の回転角度は180°に制限される。
【0064】
回転運動又は円形状の並進運動を使用するかに拘らず、その位置間の支持体の変位は良好に制御され、並進運動の場合のように、ケーシング104の外側の空間を妨げない。
【0065】
回転運動又は円形状の並進運動に適用可能な、図示されていない別の代替形態によれば、支持体をその第1の位置及び第2の位置のそれぞれ、及び場合によってはその第3の位置に割り出す、言い換えれば、停止させるための手段が提供される。
【0066】
さらに別の代替形態(図示されていない)によれば、支持体120はその位置の間で、モーターによって電気的に、又は回転アクチュエータによって空気圧で駆動される。この場合、ハンドル132及び134は省くことができる。
【0067】
本発明は、記載された実施形態に限定されない。特に、上記で想定される実施形態及び代替形態は、互いに組み合わせることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】