IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンクの特許一覧

特開2024-82265コネクタインサートを受け入れるためのグロメットハウジング、コネクタおよびコネクタアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082265
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】コネクタインサートを受け入れるためのグロメットハウジング、コネクタおよびコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/46 20060101AFI20240612BHJP
   H01R 43/18 20060101ALI20240612BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
H01R13/46 301B
H01R43/18
H01R13/52 Z
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023205861
(22)【出願日】2023-12-06
(31)【優先権主張番号】10 2022 132 435.4
(32)【優先日】2022-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100229736
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 剛
(72)【発明者】
【氏名】ディミトリオス メカテリディス
(72)【発明者】
【氏名】グレゴール パーニッツ
【テーマコード(参考)】
5E063
5E087
【Fターム(参考)】
5E063XA05
5E087EE11
5E087FF12
5E087JJ09
5E087KK07
5E087LL02
5E087LL03
5E087LL04
5E087LL12
5E087MM05
5E087RR12
5E087RR25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】組み立てがより容易かつ取り扱いがより容易なコネクタを提供する。
【解決手段】本発明は、コネクタインサート6を受け入れるためのグロメットハウジング1であって、導電体または光導体をグロメットハウジング1の外部領域からグロメットハウジング1の内部領域4へと通過させるための導体受け入れ開口部10と、コネクタインサート6と相手側コネクタとを互いにプラグ接続するための挿入開口部8と、内部領域4を封止するために少なくとも部分的に挿入開口部8を囲む封止面12とを備え、グロメットハウジング1は、ゴム弾性材料から作製されている。そのようなグロメットハウジング1を備えるコネクタ110、およびコネクタアセンブリ100により課題を解決する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタインサート(6)を受け入れるためのグロメットハウジング(1)であって、
導電体または光導体を前記グロメットハウジング(1)の外部領域から前記グロメットハウジング(1)の内部領域(4)へと通過させるための導体受け入れ開口部(10)と、
前記コネクタインサート(6)と相手側コネクタとを互いにプラグ接続するための挿入開口部(8)と、
前記内部領域(4)を封止するために少なくとも部分的に前記挿入開口部(8)を囲む封止面(12)と
を備え、
前記グロメットハウジング(1)は、ゴム弾性材料から作製されている、
グロメットハウジング(1)。
【請求項2】
前記封止面(12)は、封止リップ(18)を備える、
請求項1に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項3】
前記封止面(12)は、互いに平行に延びる少なくとも2つの封止リップ(16)を備える、
請求項1に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項4】
前記少なくとも2つの封止リップ(16)のうちの少なくとも1つの封止リップ(18)が、断面においてより幅狭または幅広である、
請求項3に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項5】
前記封止面(12)は、少なくとも2つの封止リップ(16)を備え、前記少なくとも2つの封止リップのうち、前記内部領域から最も遠くに配置されている封止リップが、内側から外側へと傾斜して延びる、
請求項1に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項6】
前記挿入開口部(8)の反対側に配されている前記グロメットハウジング(1)の外壁が、トンネルアーチ(28)を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項7】
前記導体受け入れ開口部(10)は、蛇腹状に構成されている前記グロメットハウジング(1)の管状連続体(24)において連続する、
請求項1から6のいずれか一項に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項8】
前記トンネルアーチ(28)は、前記管状連続体(24)と位置合わせされている、
請求項7に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項9】
前記コネクタインサート(6)のロック要素(112)または制御要素(114)を受け入れるためのハウジング開口部(30)を備え、さらなる封止面(34)が、前記グロメットハウジング(1)の前記内部領域を封止するために前記ハウジング開口部(30)を囲む、
請求項1から8のいずれか一項に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項10】
前記さらなる封止面(34)は、前記内部領域(4)の方向に突出するかつ/または外方に突出する封止リップ(16)を備える、
請求項9に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項11】
前記グロメットハウジング(1)は、ハウジング体積の3倍まで非破壊的に弾性的に膨張可能であるように構成されている、
請求項1から10のいずれか一項に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のグロメットハウジング(1)と、
前記グロメットハウジング(1)の前記内部領域(4)に配置されているコネクタインサート(6)と
を備えるコネクタ(110)であって、

前記コネクタ(110)の差込み面(120)が、前記挿入開口部(8)を通してアクセス可能である、
コネクタ(110)。
【請求項13】
請求項9または10に記載のグロメットハウジング(1)と、
前記グロメットハウジング(1)の前記内部領域(4)に配置されているコネクタインサート(6)と
を備えるコネクタであって、

前記コネクタ(110)の差込み面(120)が、前記挿入開口部(8)を通してアクセス可能であり、
前記グロメットハウジング(1)の前記ハウジング開口部(30)は、前記コネクタインサート(6)の開口部と位置合わせされている、
コネクタ。
【請求項14】
前記グロメットハウジング(1)の前記ハウジング開口部(30)は、前記コネクタインサート(6)の前記開口部(42)へと突出するカラー(40)を備える、
請求項13に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記コネクタインサート(6)のロック要素(112)または制御要素(114)が、前記グロメットハウジング(1)の前記ハウジング開口部(30)を通して突出する、
請求項13または14に記載のコネクタ。
【請求項16】
請求項1から11のいずれか一項に記載のグロメットハウジング(1)と、
相手側表面(140)を備える相手側コネクタ(130)と
を備えるコネクタアセンブリ(100)であって、
前記封止面(12)のゴム弾性材料は、前記相手側表面(140)に当接してシールを形成する、
コネクタアセンブリ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタインサートを受け入れるためのグロメットハウジングに関する。また、本発明はさらに、そのようなグロメットハウジングを有するコネクタ、およびコネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、コネクタは、複数の生活用品において用いられている。特に、コネクタは、電線(electrical lines)を1つの構成要素から別の構成要素に接続するために用いられる。例えば、コネクタは、コネクタを挿入方向において相手側コネクタに接続することにより、電線または光回線を車両シャーシから車両のドアに接続することができる。コネクタの挿入方向は、一般に、コネクタと相手側コネクタとを互いにプラグ接続する方向を意味するものとして理解される。ドアまたはドアとシャーシとの間の中間空間は、様々な気候条件に曝されるため、そのような使用環境において用いられるコネクタは、シールを有する。シールは、短絡を引き起こし得る水分の侵入および汚損からコンタクトを保護する。従来技術によれば、これらのシールは、コネクタの別個の構成要素として組み込まれる。
さらに、コネクタを電気ケーブルまたは光ケーブルに取り付けることは、時間がかかるのみならず、様々な導体を非常に小さいスペースにおいてコネクタまたはコネクタの導体レセプタクルに正しく配置する必要があるため、この組み付けが手動で行われる場合には誤りを生じさせやすくもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明は、組み立てがより容易かつ取り扱いがより容易なコネクタを作製するという目的に基づくものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、コネクタインサートを受け入れるためのグロメットハウジングにより達成され、グロメットハウジングは、導電体または光導体をグロメットハウジングの外部領域からグロメットハウジングの内部領域へと通過させるための導体受け入れ開口部と、コネクタインサートと相手側コネクタとを互いにプラグ接続するための挿入開口部と、内部領域を封止するために少なくとも部分的に挿入開口部を囲む封止面とを備え、グロメットハウジングは、ゴム弾性材料から作製される。
【0005】
本発明は、コネクタを本発明に係るグロメットハウジングに容易にまたは自動的に取り付けることを可能とする点で有利である。同時に、グロメットハウジングの封止面は、相手側コネクタの相手側表面に当接すると、内部領域のための高信頼なシールを形成することができる。
【0006】
挿入開口部は、封止面により完全に囲まれることが有利である。さらに、本発明に係るグロメットハウジングは、1つの材料のみから作製されることが有利である。代替的に、グロメットハウジングは、いくつかの材料の組み合わせから作製されてもよい。
【0007】
有利には、グロメットハウジングは、以下の材料、すなわち、ゴム、シリコーンを含有するゴム弾性材料、アクリロニトリル(ACN)およびブタジエンから作製される合成ゴムコポリマー、またはニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ネオプレン、ビニルメチルシリコーン(VMS)またはフッ素ゴム(FKM)等のうちの1つから作製されてよい。
【0008】
さらに、本発明は、ハウジングおよびシールの機能を統合する点で有利である。これは、必要な構成要素がより少なくなり、結果として材料およびスペースが節減されることを意味する。
【0009】
本発明は、単独で有利であり互いに無作為に組み合わされ得る以下の構成により、さらに改善することができる。
【0010】
さらなる有利な構成によれば、封止面は、封止リップを備えてよい。代替的にまたは追加的に、封止面は、互いに平行に延びる複数の封止リップを備えてよい。例えば、封止面は、少なくとも2つの封止リップを備えてよい。代替的にまたは追加的に、封止面は、挿入開口部を完全に囲んでよい。換言すると、1つの封止リップまたは複数の封止リップが挿入開口部を完全に囲む。
【0011】
それらの封止リップのうちの1つの封止リップが、相手側コネクタに向かって断面において角度を付けて延びてよい。例えば、外部領域の最も近くに配される封止リップは、(相手側表面に向かって)斜めにまたは傾斜して延びてよい。代替的に、複数の封止リップのうちの全ての封止リップが、そのような傾斜を有してもよい。例えば、少なくとも2つの封止リップを有する構成によれば、少なくとも2つの封止リップのうち、内部領域から最も遠くに配置される1つの封止リップが、内側から外側へと傾斜して延びてよい。傾斜した封止リップは、コネクタの差込み方向とは反対の方向に延びてよい。換言すると、少なくとも2つの封止リップのうちの最も外側の封止リップは、差込み方向とは反対の方向に傾斜していてよい。代替的に、全ての封止リップが、内側から外側へと傾斜して延びてもよい。
【0012】
さらなる有利な構成によれば、複数の封止リップのうちの少なくとも1つの封止リップが、複数の封止リップのうちの他の封止リップよりも断面において幅狭または幅広であってよい。少なくとも2つの封止リップを有する例示的構成によれば、例えば、少なくとも2つの封止リップのうちの1つの封止リップが、少なくとも2つの封止リップのうちの他の封止リップまたは他の複数の封止リップよりも断面において幅狭または幅広であってよい。
【0013】
水分粒子(例えば水粒子)の表面張力が物理的閾値を下回るため、グロメットハウジングと相手側コネクタの相手側表面との間の移行箇所における水滴の蓄積が低減することが有利である。これは、水滴が内部領域に侵入することなくグロメットハウジングから抜けることができることを意味する。
【0014】
さらなる有利な構成によれば、グロメットハウジングは、挿入開口部の反対側に配される外壁におけるトンネルアーチを備えてよい。
【0015】
グロメットハウジングの内部領域に受け入れられたこの構成のコネクタインサートは、外部からもたらされる機械的応力から特に保護されることが有利である。同時に、トンネルアーチの湾曲により、グロメットハウジングが、この湾曲を有しないハウジングよりも著しく大きく非破壊的に膨張することが可能となる。
【0016】
代替的にまたは追加的に、導体受け入れ開口部は、グロメットハウジングの管状連続体へと連続する。特に、この連続体は、蛇腹状に構成されてよい。
【0017】
代替的にまたは追加的に、トンネルアーチは、グロメットハウジングの連続体と面一に位置合わせされる。
【0018】
この構成は、導体受け入れ開口部が柔軟に構成され、その動きを抑制することができるように、連続体のコンサーティーナ状の動作を可能とすることが有利である。これにより、本発明に係るグロメットハウジングを有するコネクタの破損に対する信頼性が高まる。
【0019】
さらなる有利な構成によれば、グロメットハウジングは、コネクタインサートのロック要素または制御要素を受け入れるためのハウジング開口部を備えてよく、さらなる封止面が、グロメットハウジングの内部領域を封止するためにハウジング開口部を囲む。
【0020】
制御要素またはロック要素を介したコネクタと相手側コネクタとの安定した結合またはロックを確立するために、ハウジング開口部を有利に用いることができる。
【0021】
代替的にまたは追加的に、ハウジング開口部の封止面は、1つまたは複数の封止リップを備えてよい。これらは、挿入開口部の封止リップと同様に構成されてよい。ハウジング開口部も、封止面により完全に囲まれてよい。換言すると、1つまたは複数の封止リップは、ハウジング開口部の全周にわたって延び、それにより、内部領域への水分の侵入が防止される。好ましくは、それらの封止リップは、ハウジング開口部の対向して配される側から互いに向い合っていてよい。
【0022】
制御要素またはロック要素は、スライドまたはレバーであってよい。さらに、駆動補助部がグロメットハウジングの内部領域に設けられ、制御要素により操作されてよい。例えば、レバーは、グロメットハウジングに設置された歯車レールとの相互作用によりロック要素をロック状態に移す歯車を駆動してよい。
【0023】
代替的にまたは追加的に、ハウジング開口部のさらなる封止面は、内部領域の方向に突出するかつ/または外方に突出する封止リップを備えてよい。
【0024】
さらなる有利な構成によれば、導体受け入れ開口部は、ハウジング開口部の反対側の第1の外壁に配され、ハウジング開口部は第2の外壁に配され、グロメットハウジングの第2の外壁は、断面が矩形の外面を備える。
【0025】
代替的にまたは追加的に、グロメットハウジングは、第2の外壁にさらなるハウジング開口部を備えてよく、ハウジング開口部およびさらなるハウジング開口部は、互いに平行に配置されるスロットとして構成される。例えば、両方のハウジング開口部は、等しいサイズのスロットとして構成されてよい。
【0026】
代替的にまたは追加的に、グロメットハウジングは、他のさらなるハウジング開口部を備えてよく、他のさらなるハウジング開口部は、ハウジング開口部とさらなるハウジング開口部との間に配され、他のさらなるハウジング開口部は、他のさらなるハウジング開口部を囲む封止面を備える。
【0027】
特に、ロック要素および/または制御要素が他のさらなるハウジング開口部を通して突出し運動力を受ける場合であっても、内部領域の高信頼なシールが確実になるように、封止面は、他のさらなるハウジング開口部を完全に囲んでよい。
【0028】
さらに、他のさらなるハウジング開口部は、例えば実質的に矩形の断面領域を備えてよい。
【0029】
代替的にまたは追加的に、グロメットハウジングは、グロメットハウジングの第3の外壁に配置される他のさらなるハウジング開口部を備えてよく、第3の外壁は、第1の外壁と第2の外壁との間に配される。
【0030】
追加的に、第1の外壁、第2の外壁、および/または第3の外壁は、挿入開口部が配される他の外壁を画定してよい。特に、第3の外壁は、第2の外壁に垂直に当接してよい。
【0031】
さらなる有利な構成によれば、他のさらなるハウジング開口部は、断面において円形の底部領域を有してよい。
【0032】
代替的にまたは追加的に、第3の外壁は、他のさらなるハウジング開口部を同心円状に包囲し、内部領域に向かう方向にかつ/またはグロメットハウジングから外方に突出する凹部または突出部を備えてよい。
【0033】
さらなる有利な構成によれば、グロメットハウジングは、ハウジング体積の3倍まで非破壊的に弾性的に膨張可能であるように構成されてよい。
【0034】
さらなる有利な構成によれば、挿入開口部および/または導体受け入れ開口部および/またはハウジング開口部は、グロメットハウジングの異なる外壁に配される。導体受け入れ開口部および/またはハウジング開口部は、挿入開口部とは異なる外壁に配置されることが好ましい。
【0035】
さらに、本発明の基礎をなす目的は、本発明に係るグロメットハウジングを備え、グロメットハウジングの内部領域に配置されるコネクタインサートを備えるコネクタにより達成され、コネクタの差込み面が、挿入開口部を通してアクセス可能である。
【0036】
追加的に、コネクタインサートは、開口部を備える。グロメットハウジングのハウジング開口部は、コネクタインサートの開口部と位置合わせされることが好ましい。コネクタインサートの開口部は、外部からアクセス可能であることが有利である。
【0037】
代替的にまたは追加的に、グロメットハウジングのハウジング開口部は、コネクタインサートの開口部へと突出するカラーを備える。
【0038】
コネクタのこの構成により、グロメットハウジングの内部領域が水分の侵入から特に保護されることが有利である。同時に、カラーは、コネクタインサートをグロメットハウジングに挿入するときの位置決めの補助を提供する。この結果、全体的により良好なシールが得られる。
【0039】
代替的にまたは追加的に、コネクタは、グロメットハウジングのハウジング開口部を通して突出するロック要素および/または制御要素を備える。
【0040】
さらに、本発明の基礎をなす目的は、本発明に係るグロメットハウジングを有するコネクタアセンブリにより達成され、コネクタアセンブリは、相手側表面を備える相手側コネクタを備え、封止面のゴム弾性材料は、相手側表面に当接してシールを形成する。
【0041】
以下、図面に関連して、有利な構成に基づき、本発明を例としてより詳細に説明する。そこに示される有利なさらなる発展例および構成は各々、互いに独立であり、その用途にどの程度必要であるかに応じて互いに無作為に組み合わされてよい。簡単のために、複数の実施形態に存在する要素および機能は、一度しか詳細に説明はしない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明に係るグロメットハウジングを有する例示的コネクタアセンブリを示す図である。
図2A】封止面の例示的構成の外形図である。
図2B】封止面のさらなる例示的構成のさらなる外形図である。
図2C】封止面のさらなる例示的構成のさらなる外形図である。
図3A】グロメットハウジングの例示的構成を示す図である。
図3B】グロメットハウジングのさらなる例示的構成を示す図である。
図3C】グロメットハウジングのさらなる例示的構成を示す図である。
図4A】未挿入状態におけるさらなる例示的コネクタアセンブリを示す図である。
図4B】未挿入状態におけるさらなる例示的コネクタアセンブリを示す図である。
図4C】未挿入状態におけるさらなる例示的コネクタアセンブリを示す図である。
図5A】挿入済み状態における図4Aの例示的コネクタアセンブリを示す図である。
図5B】挿入済み状態における図4Bの例示的コネクタアセンブリを示す図である。
図5C】挿入済み状態における図4Cの例示的コネクタアセンブリを示す図である。
図6A】グロメットハウジングの第2の外壁の断面図である。
図6B】グロメットハウジングの断面図、すなわちコネクタの断面図である。
図7図4Cに示すグロメットハウジングの構成の断面図である。
図8A図4Cに示すグロメットハウジングの構成を有するコネクタの斜視図である。
図8B図4Cに示すグロメットハウジングの構成を有するコネクタのさらなる斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、本発明に係る一般的構成のグロメットハウジング1を備えるコネクタアセンブリ100を示す。グロメットハウジングの外壁2は、内部領域4を包囲する。コネクタインサート6が、内部領域4に受け入れられてよい。グロメットハウジング1は、ゴム弾性材料から作製されることが好ましい。代替的に、これは、弾塑性材料(elastic-plastic material)から作製されてもよい。グロメットハウジング1の材料のさらなる例としては、シリコーンを含有するゴム弾性材料、アクリロニトリル(ACN)およびブタジエンから作製される合成ゴムコポリマー、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ネオプレン、またはフッ素ゴム(FKM)がある。特に、有利な構成に係るグロメットハウジングは、上記の材料のうちの1つのみから作製される。
したがって、グロメットハウジング1の全ての他の特徴は、その一体化した部分(integral part)である。さらに、さらなる構成によれば、グロメットハウジング1の材料は、非破壊的に、すなわち弾性的に膨張することができ、それにより、膨張状態における内部領域は、通常状態、すなわち非膨張状態または無応力状態と比較して3倍の体積を有する。
【0044】
コネクタインサート6との相互作用により、グロメットハウジング1は、電気ケーブルを保持するコネクタ110を形成する。コネクタ110のコネクタ面120は、グロメットハウジング1の挿入開口部8に向く。コネクタ110は、コネクタ110の差込み方向Sにおいて相手側コネクタ130に差し込まれてよい。相手側コネクタ130は、相手側表面140により囲まれてよい。さらに、相手側コネクタ130とのコネクタインサート6のプラグ接続は、任意選択的なロック要素または制御要素(図1では不図示)を用いて機械的に固定することができる。例えば、この機械的固定は、ロックとして構成されてよい。コネクタインサート6に挿入される導電体、例えばケーブルは、導体受け入れ開口部10を通してグロメットハウジング1の外部領域から内部領域4へと延びてよい。
例えば、導体受け入れ開口部10は、第1の外壁26に配置されてよい。導体受け入れ開口部10は、挿入開口部8に直接隣接する外壁に配されてもよい。
【0045】
グロメットハウジング1の内部領域4は、挿入開口部8を通してアクセス可能である。場合によっては導電体に短絡を生じさせる内部領域4への水分の侵入を防止するために、挿入開口部は、封止面12により囲まれてよい。グロメットハウジング1の封止面12が相手側表面140に当接すると、内部領域が封止される。好ましくは、封止面12は、内部領域4を封止するための1つまたは複数の封止リップを備えてもよく、または封止リップにより形成されてもよい。挿入開口部8に封止リップがどのように設けられるかの様々な実施形態を示す以下の図2A図2Cにおいて、封止面12の詳細図14を示す。
【0046】
挿入開口部8のジオメトリは、平面を画定してもよい。例えば、平面は、挿入開口部8の全ての外部の点がこの平面上に位置するものとして画定される。差込み方向Sは、挿入開口部8により囲まれる平面の面法線に平行であることが好ましい。
【0047】
図2A図2Cは、詳細図14に示す封止面12の様々な構成についての外形図を示す。これらの構成は、互いに任意に組み合わされてよく、挿入開口部8の封止面12のみに適用可能なものではない。グロメットハウジング1における他の開口部も、記載の封止面または封止リップを有するように構成されてよい。
【0048】
図2Aにおいて、封止面12は、いくつかの封止リップ16を備える。図示の例においては、3つの封止リップ18がグロメットハウジング1の外壁2から形成される。代替的に、封止面12は、1つのみ、2つ、または3つよりも多くの封止リップ18を備えてよい。
【0049】
いくつかの封止リップ16を有する例示的構成を、図2Bに再び示す。ただし、これは、3つよりも多くの封止リップ16を備えてもよい。一方において、図2Bには、封止リップ18のうちの1つが他の封止リップ18よりも幅広に構成されることが示されている。例えば、最も内側または最も外側の封止リップ18が、他の封止リップよりも幅広である。最も内側の封止リップは、グロメットハウジング1の内部領域4の最も近くに配置される封止リップを指す。反対に、最も外側の封止リップは、グロメットハウジング1の内部領域から最も遠くに配置される封止リップを指す。他方、図2Bには、2つの隣接する封止リップの間の横方向距離20が等しくないことが示されている。挿入開口部8に関して、横方向距離は、差込み方向Sを横切る2つの封止リップの間の距離を表す。
図2Aには、隣接する封止リップの間の横方向距離がそれぞれ等しいことが示されている。
【0050】
図2Cは、相手側表面140に角度を付けて当接する2つの封止リップ16を有する例示的構成を示す。代替的に、この構成は、1つのみの封止リップ18または2つよりも多くの封止リップ16を有するように構成されてもよい。例えば、複数の封止リップ16のうちの最も外側の封止リップ18のみに角度が付いていてよい。
【0051】
図2Cに示す構成によれば、角度の付いた封止リップは、差込み方向Sとは反対の方向において内側から外側へと次第に傾斜して延びる。ここで、差込み方向Sは、相手側表面140の面法線または法線ベクトル22に一致する。角度の付いた封止リップは、法線ベクトル22と角度23をなす。法線ベクトル22と角度の付いた封止リップ18の延在方向との間の角度23は、45°よりも小さく、例えば30°であることが好ましい。
【0052】
グロメットハウジング1の様々な例示的構成を、図3A図3Cに示す。図3A図3Cにおいて、挿入開口部8は、角の丸い矩形の底面としてそれぞれ示されている。ただし、これは、平坦面を包囲する縁部を有する任意の種類を画定してよい。例えば、挿入開口部8の底部領域は、任意の多角形により囲まれてよい。代替的に、挿入開口部8の底部領域は、円形または楕円形に形成されてよい。
【0053】
さらに、グロメットハウジング1は、管状連続体24を備えてよい。導体受け入れ開口部10は、管状連続体24に配されることが好ましい。さらに、管状連続体24は、蛇腹状に構成されてよい。したがって、連続体24は、コンサーティーナ状に圧縮または伸長してよい。
【0054】
さらに、管状連続体24は、グロメットハウジングの第1の外壁26に配置されてよい。
【0055】
グロメットハウジング1は、挿入開口部8の反対側の外壁にトンネルアーチ28を備えてよい。トンネルアーチ28は、管状または蛇腹状に形成される連続体24と位置合わせされることが好ましい。
【0056】
特にトンネルアーチが管状連続体と位置合わせされる場合、グロメットハウジング1の内部領域4における柔軟なケーブルの配線が可能である。
【0057】
さらに、グロメットハウジング1は、ハウジング開口部30を備えてよい。ハウジング開口部30は、挿入開口部8を画定するまたは挿入開口部8に隣接する第2の外壁32に配されることが好ましい。第2の外壁の端面は、例えば矩形に形成されてよい。さらに、ハウジング開口部30は、導体受け入れ開口部10の反対側に配置されてよい。
【0058】
さらに、ハウジング開口部30は、同様に、例えば内部領域4を封止するための少なくとも1つの封止リップ18を備える、それ自体の封止面34を備えてよい。封止面34は、ハウジング開口部30を囲む。さらに、ハウジング開口部30の封止面34または少なくとも1つの封止リップ18は、凹部および/または突出部により形成されてよい。
【0059】
グロメットハウジング1は、好ましくは同じ外壁32に配置される、さらなるハウジング開口部36を備えてよい。特に、これは、ハウジング開口部30と同じ形状および構造を有してよい。下記でさらに説明するように、ハウジング開口部30またはハウジング開口部30および36は、例えばスライドとして構成されるロック要素を受け入れるように構成され、それぞれのハウジング開口部30および/または36の封止リップが内部領域4を封止する。封止面34の封止リップ18は、段差状に配置されてよい。さらに、封止リップ18は、好ましくは差込み方向Sにおいて、グロメットハウジング1の内部領域4から離れるように延びる。
図2A図2Cに関して既に説明したように、封止リップ16は、互いに異なる距離を空けていてよく、内部領域4から離れるように角度を付けて延びてよく、かつ/または、少なくとも最も内側または最も外側の封止リップ18が外形において他の封止リップとは異なる幅を有してよい。
【0060】
図3Bに示すさらなる構成によれば、グロメットハウジング1は、他のさらなるハウジング開口部38を備える。このさらなるハウジング開口部38は、ハウジング開口部30とさらなるハウジング開口部36との間に配されてよい。他のさらなるハウジング開口部38は、ハウジング開口部30と同様に封止面34を有するように構成されてよい。特に、他のさらなるハウジング開口部38の封止面は、制御要素(図3Bでは不図示)を受け入れつつ内部領域4を封止する封止リップ18を備えてよい。
【0061】
グロメットハウジング1のさらなる代替的構成を、図3Cに示す。図示のグロメットハウジング1は、ハウジング開口部30およびさらなるハウジング開口部36を備える。ただし、これは、第1の外壁26に1つのハウジング開口部のみを有するように構成されてもよい。他のさらなるハウジング開口部38が、ハウジング開口部30と導体受け入れ開口部10との間に配される。他のさらなるハウジング開口部38は、トンネルアーチ28の側壁に配置されることが好ましい。特に、他のさらなるハウジング開口部38は、トンネルアーチ28の支持側壁において、トンネルアーチ28が延在する延伸方向に関して中央に配置される。支持側壁という用語は、トンネルアーチ28の湾曲部を保持または支持する壁を意味するものとして理解される。
第2の他のさらなるハウジング開口部(図3Cでは不図示)が、対向して配されるトンネルアーチ28の支持側壁に配されてよい。特に、トンネルアーチ28に形成されるこれら2つのハウジング開口部は、回転軸Rが画定されるように位置合わせされてよい。
【0062】
図3A図3Cにおいて説明されているハウジング開口部30、36および38のいずれかは、それを支持するグロメットハウジング1の外壁を越えて外部領域に向かって部分的に突出してよい。したがって、ハウジング開口部30、36および36のうちの任意の無作為な1つが、それを支持する外壁にカラーを形成してよい。代替的にまたは追加的に、カラーは、内部領域4に形成されてよい。
【0063】
未挿入状態におけるコネクタアセンブリ100の様々な構成を、図4A図4Cに示す。挿入済みかつロック済み状態における図4A図4Cの対応するコネクタアセンブリ100を、図5A図5Cに示す。
【0064】
図3aのグロメットハウジング1が、図4Aにおいてロック要素112を有するものとして示されている。ロック要素112は、U字形状の外形を有するスライドとして実質的に構成されてよい。ロック要素は、ウエブを介して互いに接続された、平行に延びる2つのレールを備える。ロック要素112のレールは、グロメットハウジング1のハウジング開口部30または36を貫通する。相手側コネクタ130との相互作用により、ロック要素112は、グロメットハウジング1に挿入された状態において、相手側コネクタとグロメットハウジング1との間のロックを実現することができる。特に、このロックは、相手側コネクタ130と、グロメットハウジング1に挿入されるコネクタインサート6(図4A図4Cでは不図示)との間に存在してよい。
例えば、ロック要素112は、手動でグロメットハウジング1に挿入されてよい。
【0065】
挿入されたコネクタインサート6と共に、グロメットハウジング1は、コネクタ110を形成してよい。
【0066】
図5A図5Cに示すように、封止面12の材料は、相手側コネクタ130の相手側表面140に当接して、シールを形成する。ここで、グロメットハウジング1の材料のゴム弾性は、高信頼なシールを形成するのに有用である。
【0067】
図4Bは、図3Bに示す構成に係るグロメットハウジング1を備えるさらなるコネクタアセンブリ100を示す。図4Aにおけるロック要素112と異なり、図4Bにおけるロック要素112は、2つのレールを備えるのみならず、回転可能に装着される制御要素114、例えばレバーにより、2つのレールが互いに接続される。制御要素114が操作されると、ロック要素112がグロメットハウジング1に押し込まれ、それにより、グロメットハウジングまたは挿入されたコネクタインサート6と相手側コネクタ130との間にロックが形成される。
【0068】
制御要素114は、他のさらなるハウジング開口部38に挿入されてもよく、または開口部38を通して突出してもよい。
【0069】
図4Bに示すグロメットハウジング1も、挿入されたコネクタインサートならびに要素112および114と共にコネクタ110を形成する。回転可能に装着される制御要素により、結合またはロックのための力を印加できることが有利である。これは、コネクタインサートと相手側コネクタとの間に特に多数の導体を接続する必要がある場合に有用である。これは、そのような場合、個々の導体、ピン、および対応する受け入れソケットの間に大きい摩擦力が生じるためである。
【0070】
図4Cは、コネクタアセンブリ100が図3Cに示すグロメットハウジング1の構成に係るグロメットハウジング1を備える、さらなるコネクタアセンブリ100を示す。図4Aに示す構成と同様に、ロック要素112は、スライドとして構成されてよい。この構成においても、ロック要素112は、ハウジング開口部30を通して、加えてさらなるハウジング開口部36を通して突出してよい。さらに、コネクタインサート6は、ロック要素112と機械的に結合する歯車装置を備えてよい。代替的に、歯車装置は、グロメットハウジング1における追加の構成要素として挿入されてよい。歯車装置は、歯車レールおよび歯車を備えてよい。特に、歯車レールは、歯車レールの動作によりロック要素112がグロメットハウジング1に押し込まれるように、ロック要素112に接続されてよい。
制御要素114は、歯車を駆動してよい。例えば、制御要素は、歯車を保持する回転軸、およびレバーを備える。制御要素114が歯車を駆動すると、ロック要素112がグロメットハウジング1に押し込まれる。これにより、コネクタインサート6を相手側コネクタ130と固定するためのロックが形成される。同時に、ここで、グロメットハウジング1の封止面12におけるシールを補強することができる。換言すると、歯車は、歯車レールと共に、グロメットハウジング1をロックするために、操作された制御要素114のレバー力を相手側コネクタ130に伝達する歯車装置を形成する。
【0071】
制御要素114は、好ましくはU字形状のレバーとして構成されてよい。この構成における制御要素114は、特に破断しにくく、歯車に回転動作を与えることが有利である。代替的にまたは追加的に、歯車は、ねじ回しまたはラチェットなどの外部器具により駆動されてもよい。この構成によれば、制御要素114に代えて、歯車を保持する回転軸が、歯車を外部から駆動することができるように、他のさらなるハウジング開口部においてアクセス可能に配置される。
【0072】
図4Cに示すグロメットハウジング1も、挿入されたコネクタインサート6、ロック要素112、および制御要素114との組み合わせにより、相手側コネクタ130に接続されるコネクタ110を形成する。
【0073】
図6Aは、グロメットハウジング1の例示的構成のハウジング開口部30を通る断面図を示す。この断面図は、差込み方向Sから離れるように傾斜するいくつかの封止リップ16を備える封止面12の外形を示す。図示の構成において、ハウジング開口部の封止面34は、外形においてW字形状を形成するいくつかの封止リップ16を備える。この場合、先端がわずかに丸まった2つの封止リップが存在する。代替的に、封止面34は、1つの封止リップ18のみを備えてよい。ハウジング開口部の封止面34は、図2A図2Cにおいて説明されている構成のいずれかに係るものと実質的に同じように構成されてよい。例えば、複数の封止リップ16のうちの外側のものが、グロメットハウジング1の内部領域4から離れるように傾斜してよい。
反対に、外側または内側の封止リップ18が、内部領域4に向かって傾斜してもよい。封止リップ16間の距離または封止リップ18の幅は、変動してもよい。
【0074】
図6Bは、図6Aに示す断面図に垂直な、挿入されたコネクタインサート6を有するグロメットハウジング1のさらなる断面図を示す。図示の実施形態において、グロメットハウジング1は、2つのハウジング開口部30および36を備える。ただし、以下に示す特徴は、1つのハウジング開口部30のみを備える本発明に係るグロメットハウジング1にも当てはまる。封止面34または少なくとも1つの封止リップ18は、ハウジング開口部30を囲む。これにより、内部領域4が封止されることが確実になる。さらに、コネクタインサートは、ハウジング開口部30と位置合わせされる開口部を備えてよい。このとき、図4A図4Cに示すようなロック要素が、グロメットハウジング1を通してコネクタインサート6へと突出してよい。図示の構成において、さらなるハウジング開口部36は、コネクタインサートのさらなる開口部44と位置合わせされる。
【0075】
さらに、ハウジング開口部30は、コネクタインサート6の開口部42のためのカラー40を形成する。カラー40は、グロメットハウジング1の内部領域4を封止するために有利であるのみならず、同時に、コネクタインサート6をグロメットハウジング1において正しく配置または位置合わせするための位置決めの補助を提供する。
【0076】
図7は、図4Cに示す構成に係るグロメットハウジングの断面図を示す。他のさらなるハウジング開口部38は、内部領域4を封止するための封止面を備える。封止面34は、少なくとも1つの封止リップ18を備えることが好ましい。封止面34は、ハウジング開口部38を完全に囲んでよく、図2A図2Cにおいて説明されている構成のうちの1つに従って同様に構成されてよい。
【0077】
加えて、グロメットハウジング1は、他のさらなるハウジング開口部38を同心円状に囲む突出部46を備えてよい。代替的に、突出部は、凹部として構成されてもよい。同心円状の突出部は、好ましくは浮動する封止リップとして構成されてよい。グロメットハウジング1に挿入される制御要素114が、この突出部46により弾性的にかつ移動可能に保持されることが有利である。それにより、制御要素114が移動または回転する間に、他のさらなるハウジング開口部38が内部領域4を封止する。
【0078】
図8Aおよび図8Bは、互いに対して180°回転させた図におけるコネクタ110の斜視図を示す。図示の構成において、コネクタ110は、図4Cに示す構成に係るグロメットハウジング1を備える。ただし、コネクタインサート6が挿入され、コネクタ110の差込み面120が差込み方向Sの方向を向く、グロメットハウジング1の任意の他の構成も示され得る。
【符号の説明】
【0079】
1 グロメットハウジング
2 グロメットハウジングの外壁
4 内部領域
6 コネクタインサート
8 挿入開口部
10 導体受け入れ開口部
12 封止面
14 封止面の詳細図
16 封止リップ
18 封止リップ
20 隣接する封止リップの間の横方向距離
22 相手側表面の法線ベクトル
23 角度
24 連続体
26 第1の外壁
28 トンネルアーチ
30 ハウジング開口部
32 第2の外壁
34 さらなる封止面
36 さらなるハウジング開口部
38 他のさらなるハウジング開口部
40 カラー
42 コネクタインサートの開口部
44 コネクタインサートのさらなる開口部
46 突出部
100 コネクタアセンブリ
110 コネクタ
112 ロック要素
114 制御要素
120 差込み面
130 相手側コネクタ
140 相手側表面
R 回転軸
S 差込み方向
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
【手続補正書】
【提出日】2024-01-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタインサート(6)を受け入れるためのグロメットハウジング(1)であって、
導電体または光導体を前記グロメットハウジング(1)の外部領域から前記グロメットハウジング(1)の内部領域(4)へと通過させるための導体受け入れ開口部(10)と、
前記コネクタインサート(6)と相手側コネクタとを互いにプラグ接続するための挿入開口部(8)と、
前記内部領域(4)を封止するために少なくとも部分的に前記挿入開口部(8)を囲む封止面(12)と
を備え、
前記グロメットハウジング(1)は、ゴム弾性材料から作製されている、
グロメットハウジング(1)。
【請求項2】
前記封止面(12)は、封止リップ(18)を備える、
請求項1に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項3】
前記封止面(12)は、互いに平行に延びる少なくとも2つの封止リップ(16)を備える、
請求項1に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項4】
前記少なくとも2つの封止リップ(16)のうちの少なくとも1つの封止リップ(18)が、断面においてより幅狭または幅広である、
請求項3に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項5】
前記封止面(12)は、少なくとも2つの封止リップ(16)を備え、前記少なくとも2つの封止リップのうち、前記内部領域から最も遠くに配置されている封止リップが、内側から外側へと傾斜して延びる、
請求項1に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項6】
前記挿入開口部(8)の反対側に配されている前記グロメットハウジング(1)の外壁が、トンネルアーチ(28)を備える、
請求項1から5のいずれか一項に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項7】
前記導体受け入れ開口部(10)は、蛇腹状に構成されている前記グロメットハウジング(1)の管状連続体(24)において連続する、
請求項1からのいずれか一項に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項8】
前記挿入開口部(8)の反対側に配されている前記グロメットハウジング(1)の外壁が、トンネルアーチ(28)を備えており、
前記トンネルアーチ(28)は、前記管状連続体(24)と位置合わせされている、
請求項7に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項9】
前記コネクタインサート(6)のロック要素(112)または制御要素(114)を受け入れるためのハウジング開口部(30)を備え、さらなる封止面(34)が、前記グロメットハウジング(1)の前記内部領域を封止するために前記ハウジング開口部(30)を囲む、
請求項1からのいずれか一項に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項10】
前記さらなる封止面(34)は、前記内部領域(4)の方向に突出するかつ/または外方に突出する封止リップ(16)を備える、
請求項9に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項11】
前記グロメットハウジング(1)は、ハウジング体積の3倍まで非破壊的に弾性的に膨張可能であるように構成されている、
請求項1からのいずれか一項に記載のグロメットハウジング(1)。
【請求項12】
請求項1からのいずれか一項に記載のグロメットハウジング(1)と、
前記グロメットハウジング(1)の前記内部領域(4)に配置されているコネクタインサート(6)と
を備えるコネクタ(110)であって、

前記コネクタ(110)の差込み面(120)が、前記挿入開口部(8)を通してアクセス可能である、
コネクタ(110)。
【請求項13】
請求項9に記載のグロメットハウジング(1)と、
前記グロメットハウジング(1)の前記内部領域(4)に配置されているコネクタインサート(6)と
を備えるコネクタであって、

前記コネクタ(110)の差込み面(120)が、前記挿入開口部(8)を通してアクセス可能であり、
前記グロメットハウジング(1)の前記ハウジング開口部(30)は、前記コネクタインサート(6)の開口部と位置合わせされている、
コネクタ。
【請求項14】
前記グロメットハウジング(1)の前記ハウジング開口部(30)は、前記コネクタインサート(6)の前記開口部(42)へと突出するカラー(40)を備える、
請求項13に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記コネクタインサート(6)のロック要素(112)または制御要素(114)が、前記グロメットハウジング(1)の前記ハウジング開口部(30)を通して突出する、
請求項13に記載のコネクタ。
【請求項16】
請求項1からのいずれか一項に記載のグロメットハウジング(1)と、
相手側表面(140)を備える相手側コネクタ(130)と
を備えるコネクタアセンブリ(100)であって、
前記封止面(12)のゴム弾性材料は、前記相手側表面(140)に当接してシールを形成する、
コネクタアセンブリ(100)。
【外国語明細書】