(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082279
(43)【公開日】2024-06-19
(54)【発明の名称】健康食品又は医薬品提案装置、健康食品又は医薬品提案プログラム、健康食品提案方法、医薬品提案装置の作動方法、及び、健康食品又は医薬品提案システム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20240612BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023216284
(22)【出願日】2023-12-04
(31)【優先権主張番号】P 2022209051
(32)【優先日】2022-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】515179484
【氏名又は名称】飯永 和子
(72)【発明者】
【氏名】飯永 一也
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】 摂取するのが望ましい健康食品をユーザーに提案する装置を提供する。
【解決手段】 顧客装置と、健康食品又は医薬品提案装置とが、ネットワークを介して接続した、健康食品又は医薬品提案システムに用いられる健康食品又は医薬品提案装置であって、顧客装置から、予め受信した特定時刻の血液濁度から、血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間を算出し、顧客装置から受信した所定時刻の血液濁度から、算出された特定時刻の血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間に基づいて、パーソナル血液濁度レベルを算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客使用装置と、健康食品又は医薬品提案装置とが、ネットワークを介して接続した、健康食品又は医薬品提案システムに用いられる健康食品又は医薬品提案装置であって、
前記顧客使用装置から、予め受信した特定時刻の血液濁度から、血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間を算出し、
前記顧客使用装置から受信した所定時刻の血液濁度から、前記算出された特定時刻の血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間に基づいて、パーソナル血液濁度レベルを算出する、健康食品又は医薬品提案装置。
【請求項2】
前記パーソナル血液濁度レベルから、前記パーソナル血液濁度レベルの2以上の分類であるレコメンドレベルへの換算表に基づいて、前記算出されたパーソナル血液濁度レベルに対応する前記レコメンドレベルを算出し、
前記レコメンドレベルに対応してグループ分けされた健康食品又は医薬品データベースから、前記算出されたレコメンドレベルに対応するグループの健康食品又は医薬品データベースのデータテーブルの健康食品又は医薬品を抽出する、請求項1に記載の健康食品又は医薬品提案装置。
【請求項3】
前記記憶された特定時刻の血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間から、前記血液濁度の平均値の移動平均と前記標準偏差若しくは信頼区間の移動平均を算出し、
前記血液濁度の平均値の移動平均と前記標準偏差若しくは信頼区間の移動平均に基づいて、前記パーソナル血液濁度レベルを算出する、請求項1または2に記載の健康食品又は医薬品提案装置。
【請求項4】
前記健康食品又は医薬品データベースから抽出された健康食品又は医薬品の成分自体の1日推奨量の3分の1の値を、有効成分量で割り、前記レコメンドレベルに対応する補正係数を乗じて、前記健康食品又は医薬品の推奨摂取量を算出し、
前記推奨摂取量が1.0に最も近い健康食品又は医薬品を抽出する、請求項2に記載の健康食品又は医薬品提案装置。
【請求項5】
前記健康食品又は医薬品提案システムは、前記顧客使用装置及び前記健康食品又は医薬品提案装置がアクセス可能であり、所定の健康食品又は医薬品を購入できるECサイトを有するECサイトサーバーをさらに有し、
前記健康食品又は医薬品データベースから抽出された健康食品又は医薬品を前記顧客使用装置もしくは顧客使用装置からアクセス可能なサーバーに送信し、前記顧客使用装置から受信した、顧客が購入希望の健康食品又は医薬品の情報を、前記ECサイトサーバーへ送信する、請求項2に記載の健康食品又は医薬品提案装置。
【請求項6】
顧客使用装置と、健康食品又は医薬品提案装置とが、ネットワークを介して接続した、健康食品又は医薬品提案システムに用いられる健康食品又は医薬品提案装置のコンピュータに、
前記顧客使用装置から予め受信した特定時刻の血液濁度から、血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間を算出する処理と、
前記顧客使用装置から受信した所定時刻の血液濁度から、前記算出された特定時刻の血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間に基づいて、パーソナル血液濁度レベルを算出する処理と、を実行させる健康食品又は医薬品提案プログラム。
【請求項7】
顧客使用装置と、健康食品提案装置とが、ネットワークを介して接続した、健康食品提案システムにおける健康食品提案方法であって、
前記顧客使用装置から予め受信した特定時刻の血液濁度から、血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間を算出し、
前記顧客使用装置から受信した所定時刻の血液濁度から、前記算出された特定時刻の血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間に基づいて、パーソナル血液濁度レベルを算出する、健康食品提案方法。
【請求項8】
顧客使用装置と、医薬品提案装置とが、ネットワークを介して接続した、医薬品提案システムにおける医薬品提案装置の作動方法であって、
前記顧客使用装置から予め受信した特定時刻の血液濁度から、血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間を算出し、
前記顧客使用装置から受信した所定時刻の血液濁度から、前記算出された特定時刻の血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間に基づいて、パーソナル血液濁度レベルを算出する、医薬品提案装置の作動方法。
【請求項9】
顧客使用装置と、健康食品又は医薬品提案装置とが、ネットワークを介して接続した、健康食品又は医薬品提案システムであって、
前記顧客使用装置から予め受信した特定時刻の血液濁度から、血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間を算出し、
前記顧客使用装置から受信した所定時刻の血液濁度から、前記算出された特定時刻の血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間に基づいて、パーソナル血液濁度レベルを算出する、健康食品又は医薬品提案システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康食品又は医薬品提案装置、健康食品又は医薬品提案プログラム、健康食品提案方法、医薬品提案装置の作動方法、及び、健康食品又は医薬品提案システムに関する。
【背景技術】
【0002】
血液の散乱強度の変化から脂質濃度を算出する技術がある(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、食後の血液成分の時間変化の測定が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6241853号公報
【特許文献2】特許6991634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザーが、その測定結果を解釈することは難しい。さらに、食後の血液成分の時間変化は、食べた食事の内容によっても差が出る。そのため、ユーザーが測定結果から自分に最適なサプリメントや食事を選定することはさらに難しい。
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題を解決するためになされたもので、2以上の測定日の異なる血液濁度等の測定結果から、計測期間における脂質代謝状況を分析することで、摂取するのが望ましい健康食品や医薬品をユーザーに提案する健康食品又は医薬品提案装置、健康食品又は医薬品提案プログラム、健康食品提案方法、医薬品提案装置の作動方法、及び、健康食品又は医薬品提案システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、顧客装置と、健康食品又は医薬品提案装置とが、ネットワークを介して接続した、健康食品又は医薬品提案システムに用いられる健康食品又は医薬品提案装置であって、顧客装置から、予め受信した特定時刻の血液濁度から、血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間を算出し、顧客装置から受信した所定時刻の血液濁度から、算出された特定時刻の血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間に基づいて、パーソナル血液濁度レベルを算出する、健康食品又は医薬品提案装置である。
【0007】
本発明は、顧客装置と、健康食品又は医薬品提案装置とが、ネットワークを介して接続した、健康食品又は医薬品提案システムに用いられる健康食品又は医薬品提案装置のコンピュータに、顧客装置から、予め受信した特定時刻の血液濁度から、血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間を算出する処理と、顧客装置から受信した所定時刻の血液濁度から、算出された特定時刻の血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間に基づいて、パーソナル血液濁度レベルを算出する処理と、を実行させる健康食品又は医薬品提案プログラムである。
【0008】
本発明は、顧客装置と、健康食品提案装置とが、ネットワークを介して接続した、健康食品提案システムにおける健康食品提案方法であって、顧客装置から、予め受信した特定時刻の血液濁度から、血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間を算出し、顧客装置から受信した所定時刻の血液濁度から、算出された特定時刻の血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間に基づいて、パーソナル血液濁度レベルを算出する健康食品提案方法である。
【0009】
本発明は、顧客装置と、医薬品提案装置とが、ネットワークを介して接続した、医薬品提案システムにおける医薬品提案装置の作動方法であって、顧客装置から、予め受信した特定時刻の血液濁度から、血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間を算出し、顧客装置から受信した所定時刻の血液濁度から、算出された特定時刻の血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間に基づいて、パーソナル血液濁度レベルを算出する医薬品提案装置の作動方法である。
【0010】
本発明は、顧客装置と、健康食品又は医薬品提案装置とが、ネットワークを介して接続した、健康食品又は医薬品提案システムであって、顧客装置から、予め受信した特定時刻の血液濁度から、血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間を算出し、顧客装置から受信した所定時刻の血液濁度から、算出された特定時刻の血液濁度の平均値と標準偏差若しくは信頼区間に基づいて、パーソナル血液濁度レベルを算出する健康食品又は医薬品提案システムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の健康食品又は医薬品提案装置、健康食品又は医薬品提案プログラム、健康食品提案方法、医薬品提案装置の作動方法、及び、健康食品又は医薬品提案システムによれば、摂取するのが望ましい健康食品又は医薬品をユーザーに提案することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図5A】健康食品又は医薬品データベースのデータテーブル
【
図5B】健康食品又は医薬品データベースのデータテーブル
【
図5C】健康食品又は医薬品データベースのデータテーブル
【
図5D】健康食品又は医薬品データベースのデータテーブル
【
図10】血液濁度の平均値と標準偏差の移動平均を示す図
【
図11】パーソナル血液濁度レベル分類処理のフローチャート
【
図12】パーソナル血液濁度レベル分類処理を示す図
【
図13】パーソナル血液濁度レベルからのレコメンドレベルの換算表
【
図14】健康食品又は医薬品提案処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に実施形態を図面を用いて説明する。
【0014】
図1は、実施形態の健康食品又は医薬品提案装置を含む健康食品又は医薬品提案システムの構成例を示す。健康食品又は医薬品提案システム1は、ネットワーク500で接続した、健康食品又は医薬品提案装置100、顧客端末200(顧客使用装置)、血液濁度測定装置300(顧客使用装置)、及び、ECサイトサーバー400を含む。
【0015】
ここでいう健康食品とは、国等が定めた保健機能食品制度の基準を満たしたものばかりでなく、食生活の改善のために摂取する食品や飲料(粉末、固形物等の形状を問わず飲料の原料になるものも含む)を含むものとする。
【0016】
図1では、健康食品又は医薬品提案装置100とECサイトサーバー400とを別装置としたが、同一装置としてもよい。
図1では、顧客端末200と血液濁度測定装置300とを顧客が使用する別装置(顧客使用装置)としたが、同一装置としてもよい。
【0017】
図1では、健康食品又は医薬品提案装置100、顧客端末200、血液濁度測定装置300、及び、ECサイトサーバー400を、各々1~2台を示しているが、健康食品又は医薬品提案システム1は、健康食品又は医薬品提案装置100、顧客端末200、血液濁度測定装置300、及び、ECサイトサーバー400を、多数含んでもよい。
【0018】
ネットワークの接続は、API(Application Programming Interface)を利用するなどでもよい。
【0019】
顧客端末200(顧客使用装置)は、有線又は無線通信を可能にするネットワークインターフェイスを有し、記憶媒体に保存されたプログラムをメモリへロードし、プログラムをCPU(Central Processing Unit)で動作させることで、各機能を有効にする。
【0020】
顧客端末200のハードウェア構成は、公知のスマートフォン、タブレットPC、又は、PC等のハードウェア構成でよい。
【0021】
顧客端末200の制御系の構成について説明する。
図2は、顧客端末200のブロック図である。システムバス208を介して、CPU202、ROM(Read Only Memory)203、RAM(Random Access Memory)204、外部I/F(Interface)205、操作パネル206及びカメラ207が接続される。CPU202とROM203とRAM204とで制御部201を構成する。
【0022】
ROM203には、CPU202により実行されるプログラムや閾値を予め記憶する。
【0023】
RAM204には、CPU202が実行するプログラムを展開するエリアと、プログラムによるデータ処理の作業領域となるワークエリアなどの様々なメモリエリアを動的に形成する。
【0024】
外部I/F205は、健康食品又は医薬品提案装置100、血液濁度測定装置300、及び、ECサイトサーバー400などの外部装置と通信するためのインターフェースである。
【0025】
外部I/F205は、外部装置とデータ通信を行うインターフェースであれば良い。例えば、外部I/F205は、ネットワークを介して通信するためのネットワークインターフェイスであって良い。さらに、データ通信方式は、Wi-Fi(登録商標)通信やUSB通信でもよい。外部I/F205は、例えばIEEE802.11の規格に準拠した無線通信機構やIEEE802.15.1の規格に準拠した近距離無線通信機構を含んでもよい。その他の無線通信規格に準拠したユニットを含めてもよい。
【0026】
操作パネル206は、表示部とタッチパネルが一体化したユーザインターフェースである。操作パネル206は、顧客端末200の本体の前面に配置され、タッチパネルを具備する表示部を有する。制御部201は、操作パネル206の表示部に表示する内容を制御する。
【0027】
操作パネル206は、タッチパネル入力した情報を制御部201へ出力する。操作パネル206から入力される各処理に関する情報は、処理情報としてRAM204の所定の領域に記憶される。以上のような構成を備える顧客端末200において、予め設定されているプログラムに基づいて、顧客端末200は画面表示を実行する。
【0028】
カメラ207は、CCD、CMOS等の撮像素子である。カメラ207は、撮像した食事画像情報等を制御部201へ出力する。カメラ207から入力される食事画像情報は、RAM204の所定の領域に記憶される。
【0029】
血液濁度測定装置300のハードウェア構成及びソフトウェア構成は、特許文献1に記載の公知の構成に準ずるので、ここでは概略を説明する。
【0030】
血液濁度測定装置300(顧客使用装置)は、有線又は無線通信を可能にするネットワークインターフェイスを有し、記憶媒体に保存されたプログラムをメモリへロードし、プログラムをCPU(Central Processing Unit)で動作させることで、各機能を有効にする。
【0031】
血液濁度測定装置300の制御系の構成について説明する。
図3は、血液濁度測定装置300のブロック図である。システムバス309を介して、CPU302、ROM(Read Only Memory)303、RAM(Random Access Memory)304、外部I/F(Interface)305、照射部306、及び、受光部307、308が接続される。CPU302とROM303とRAM304とで制御部301を構成する。
【0032】
ROM303には、CPU302により実行されるプログラムや閾値を予め記憶する。ROM303には、予め測定された光強度の差や比と散乱係数との相関関係を示す統計データを記憶する。
【0033】
RAM304には、CPU302が実行するプログラムを展開するエリアと、プログラムによるデータ処理の作業領域となるワークエリアなどの様々なメモリエリアを動的に形成する。
【0034】
外部I/F305は、健康食品又は医薬品提案装置100、顧客端末200、及び、ECサイトサーバー400などの外部装置と通信するためのインターフェースである。
【0035】
外部I/F305は、外部装置とデータ通信を行うインターフェースであれば良い。例えば、外部I/F305は、ネットワークを介して通信するためのネットワークインターフェイスであって良い。さらに、データ通信方式は、Wi-Fi(登録商標)通信やUSB通信でもよい。外部I/F305は、例えばIEEE802.11の規格に準拠した無線通信機構やIEEE802.15.1の規格に準拠した近距離無線通信機構を含んでもよい。その他の無線通信規格に準拠したユニットを含めてもよい。
【0036】
照射部306は、生体(不図示)外から生体に向けて、所定の照射位置に光を照射する。照射部206は、照射する光の波長を自在に調整することができる。照射部306は、例えば、蛍光灯、LED、レーザー、白熱灯、HID、ハロゲンランプ等である。照射部306の照度は、制御部301により制御されてもよい。また、太陽光、月光等の自然光を利用してもよい。
【0037】
受光部307、308は、生体から生体外に放出される光を受光し、その光強度を検出する。受光部307、308は、照射部206の照射位置を中心として各々異なる距離に設置される(不図示)。受光部307、308は、フォトダイオードやCCDやCMOSでもよい。受光部307、308は、検出した光強度を制御部304へ出力する。なお、照射部と受光部の配置は、本態様に拘るものではなく、血液濁度計測が可能であれば適宜変更してもよい。
【0038】
制御部301は、受光部307,308により検出された光強度の差や比、血流情報などに基づき、予め測定されROM303に記憶された、光強度の差や比や血流情報と散乱係数との関係を示す統計データ(もしくは、統計データから導かれる回帰式や演算式)に基づいて、生体内における光の散乱係数(血液濁度)を算出する。
【0039】
なお、光の散乱係数(血液濁度)の算出は健康食品又は医薬品提案装置100が実行することでもよい。この場合、制御部301は、受光部307,308により検出された光強度を健康食品又は医薬品提案装置100へ送信し、健康食品又は医薬品提案装置100は、血液濁度測定装置300から受信した光強度の差や比に基づき、予め測定され、健康食品又は医薬品提案装置100の記憶部(ROM103等)に記憶された、光強度の差や比と散乱係数との相関関係を示す統計データ(もしくは、統計データから導かれる回帰式や演算式)に基づいて、ユーザーの生体内における光の散乱係数(血液濁度)を算出する。
【0040】
ECサイトサーバー400は、有線又は無線通信を可能にするネットワークインターフェイスを有し、記憶媒体に保存されたプログラムをメモリへロードし、プログラムをCPU(Central Processing Unit)で動作させることで、各機能を有効にする。ECサイトサーバー400のハードウェア構成は、公知のサーバー等のハードウェア構成でよいため、図を使った内部構成の説明は省略する。
【0041】
健康食品又は医薬品提案装置100及び顧客端末200は、操作パネル206等からID等を入力することにより、ECサイトサーバー400にアクセス可能である。
【0042】
ECサイトサーバー400は、顧客のデータを記憶する。健康食品又は医薬品提案装置100及び顧客端末200が、ECサイトサーバー400にアクセスすることにより、顧客はサプリメント等の健康食品をECサイトから購入可能である。
【0043】
図4は、実施形態の健康食品又は医薬品提案装置100のブロック図である。
【0044】
システムバス108を介して、CPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104、HDD(Hard Disk Drive)105、外部I/F(Interface)106、及び、入力部107が接続される。CPU102とROM103とRAM104とで制御部101を構成する。
【0045】
ROM103は、CPU102により実行されるプログラムや閾値を予め記憶する。
【0046】
RAM104は、CPU102が実行するプログラムを展開するエリアと、プログラムによるデータ処理の作業領域となるワークエリアなどの様々なメモリエリア等を有する。
【0047】
HDD105は、入力部107から入力されたデータ等を記憶する。HDD105は、健康食品データベース1051を記憶する。なお、実施形態では、健康食品データベース1051は健康食品又は医薬品提案装置100に内蔵されるが、外部の装置(ECサイトサーバー400や、他のサーバー等)に格納することでもよい。
【0048】
図5は、健康食品又は医薬品データベース1051のデータテーブルを示す。健康食品又は医薬品データベース1051は、健康食品又は医薬品の用途や品質等の情報を記憶する。
【0049】
健康食品又は医薬品データベース1051の種別エリアは、サプリメント等の健康食品又は医薬品の作用機序や対象症状を記憶するエリアである。
【0050】
健康食品又は医薬品データベース1051の有効成分エリアは、健康食品又は医薬品の有効成分を記憶するエリアである。有効成分量は、厚生労働省などの公的機関や健康食品メーカーが開示されている値である。
【0051】
健康食品又は医薬品データベース1051の商品名エリアは、健康食品又は医薬品の商品名を記憶するエリアである。
【0052】
健康食品又は医薬品データベース1051の推奨摂取量エリアは、健康食品又は医薬品の推奨摂取量を記憶するエリアである。推奨量は、厚生労働省などの公的機関から開示された推奨量を参照することが望ましい。
【0053】
健康食品又は医薬品データベース1051の有効成分量エリアは、健康食品又は医薬品の商品名を有効成分量を記憶するエリアである。
【0054】
健康食品又は医薬品データベース1051のRM(Recommendation)エリアは、成分自体の1日推奨量の3分の1の値を記憶するエリアである。
【0055】
健康食品又は医薬品データベース1051の価格エリアは、健康食品又は医薬品の価格を記憶するエリアである。
【0056】
健康食品又は医薬品データベース1051の識別コードエリアは、健康食品又は医薬品データベース作成時に、順次設定される健康食品又は医薬品の識別コードを記憶するエリアである。識別コードは、ECサイトで取り扱っている健康食品類又は医薬品と照合のための情報ともなる。
【0057】
健康食品又は医薬品データベース1051における健康食品には、サプリメントや、栄養補助食品のほか、特定保健用食品、乳酸菌飲料、発酵食品など、健康効果あるものを含んでよい。健康食品又は医薬品データベース1051における医薬品には、高脂血症治療薬、糖尿病治療薬、高血圧治療薬、などの薬剤を含んでよい。
【0058】
健康食品又は医薬品データベース1051における健康食品には、肥満予防や食に関する生活習慣改善を目的とした顧客のための弁当やパンなどの食品を含んでよい。
【0059】
実施形態の健康食品又は医薬品データベース1051は、後述するSTEP205で決定されたレコメンドレベル(R1~5)にグループ分けされる。
【0060】
図5Aは、レコメンドレベルがRの健康食品データベース1051の部分を示す。健康食品又は医薬品データベース1051には、他に、レコメンドレベルがG,P,Fの部分も存在する(G,P,Fは順に
図5B、
図5C、
図5Dに対応)。
【0061】
G,P,Fに記載された健康食品または医薬品は、
図21における「濁度のみ」の分類に付加して使用するものとし、成分が同一の場合は、異なる成分を選択する。また金銭状況、基礎疾患の有無などにより適宜調整するとしてもよい。
【0062】
外部I/F106は、例えばクライアント端末(PC)などの外部装置と通信するためのインターフェースである。外部I/F106は、顧客端末200、血液濁度測定装置300、及び、ECサイトサーバー400と接続する。
【0063】
外部I/F106は、外部装置とデータ通信を行うインターフェースであれば良く、たとえば、外部装置にローカルに接続する機器(USBメモリ等)であってもよいし、ネットワークを介して通信するためのネットワークインターフェイスであってもよい。
【0064】
外部I/F106は、プリンタ等の印刷装置(不図示)と接続する。外部I/F106は、液晶ディスプレイ等の表示装置(不図示)と接続する。
【0065】
入力部107は、キーボード、マウス、スキャナ(読取装置)、音声入力等の入力装置である。
【0066】
以上のような構成を備える健康食品又は医薬品提案装置100において、予め設定されているプログラムに基づいて、健康食品又は医薬品提案装置100は健康食品又は医薬品提案ジョブを実行する。
【0067】
図6は、血液濁度レベル分類用の移動平均処理のフローチャートである。STEP101からSTEP107は、STEP201以下で血液濁度をパーソナル血液濁度レベルに分類するために必要となる移動平均データの事前処理と記憶処理を行うステップである。
【0068】
STEP101では、ユーザーが保有する血液濁度測定装置300が、ユーザーの血液濁度と血液濁度の取得時刻を測定する。
【0069】
STEP101では、血液濁度測定装置300は、血液濁度を、ユーザーの都合に応じた任意のタイミングで測定してよい。
【0070】
血液濁度測定装置300による血液濁度の算出については、公知の手法(例えば、特許文献1参照)や公知の装置を適宜用いることでもよい。
【0071】
血液濁度とは、血液中にカイロミクロンやVLDLといったリポ蛋白と呼ばれる粒子により、血漿が白濁する度合いを指す。血液濁度の単位は、a.u.である。血液濁度の計測手法は、血液中のカイロミクロンやVLDLの変化による濁度変化を計測できる手法であれば、例えば、指先採血のデータを用いる等、何を用いてもよい。
【0072】
また、カイロミクロン、VLDLは、脂質代謝異常等による代謝遅延により、翌朝も濁りとして残存していることは、よく知られた現象である。そのため、空腹時の指先採血等によるデータを用いた日差変動の分析からも、本発明の血液濁度としての利用も可能である。
【0073】
STEP102では、血液濁度測定装置300は、健康食品又は医薬品提案装置100へ、複数の測定した血液濁度と血液濁度の取得時刻を送信する。例えば、1日あたり7:00~22:00の決められた時間に10回測定した血液濁度を、10日間測定した場合には、10日分の1日あたり10個の血液濁度と血液濁度の取得時刻を送信する。
【0074】
実施形態では、血液濁度測定装置300から健康食品又は医薬品提案装置100へ、血液濁度を直接送信するが、血液濁度測定装置300での血液濁度の測定値をユーザーの顧客端末200(スマートフォン等)に手入力やデータ送信して、ユーザーの顧客端末200から健康食品又は医薬品提案装置100へ、血液濁度と血液濁度の取得時刻を送信することでもよい。
【0075】
STEP103では、健康食品又は医薬品提案装置100は、血液濁度測定装置300から複数日分の血液濁度と血液濁度の取得時刻を受信する。
【0076】
STEP104では、健康食品又は医薬品提案装置100は、受信した複数日間(例えば10日間)の所定の計測時刻(例えば、7:00~22:00)の血液濁度をHDD105等の記憶部に記憶する。
【0077】
STEP105では、健康食品又は医薬品提案装置100は、記憶した複数日間の血液濁度から、所定の計測時刻(例えば10:00)ごとの時刻に応じた血液濁度の平均値と標準偏差を算出する。血液濁度の標準偏差は以下の数式1で求まる。
【0078】
【数1】
s:標準偏差
n:測定した日数
x
i:特定時刻範囲における個々の血液濁度
【0079】
式2を用いた信頼区間による分析も可能である。信頼区間では、真値の存在確率をより反映することが可能ではあるが、本発明では、真値よりむしろ複雑な生体計測におけるばらつき自体が重要であることから、実施例では、標準偏差を用いた。
【0080】
【数2】
CI:信頼区間
t:t分布のt値(自由度n-1)
n:データ数
【0081】
図7に、数式1による標準偏差Sの算出例を示す。
図7は、任意の測定した日数10日間の測定日において、特定時刻範囲10時±1時(9時~11時)の測定時間に計測した個々の血液濁度の測定結果を分析する例を示す。
【0082】
図7に示すように、血液濁度の平均値として64.61が得られ、血液濁度の標準偏差Sとして12.48が得られた。
【0083】
図8に、数式1による標準偏差Sの他の算出例を示す。
図8は、測定日が10日に満たない場合の10時±1時(9時~11時)の測定例である。
図8は、任意の測定した日数8日間の測定日において、特定時刻範囲10時±1時(9時~11時)の測定時間に計測した個々の血液濁度の測定結果を分析する例を示す。
【0084】
図8に示すように、血液濁度の平均値として63.33が得られ、血液濁度の標準偏差Sとして9.58が得られた。
【0085】
図9に、数式1による標準偏差Sの他の算出例を示す。
図9は、任意の同一日に複数回計測した場合の測定例である。
図9は、任意の測定した日数8日間の測定日において、特定時刻範囲10時±1時(9時~11時)の測定時間に計測した個々の血液濁度の測定結果を分析する例を示す。
【0086】
図9に示すように、血液濁度の平均値として60.60が得られ、血液濁度の標準偏差Sとして10.26が得られた。
【0087】
STEP106では、健康食品又は医薬品提案装置100は、STEP105で得られた所定の計測時刻ごとの時刻に応じた血液濁度の平均値と標準偏差に対し移動平均処理を行う。
【0088】
図10は、数式1により算出された所定の計測時刻ごと(時刻変化に応じた)の血液濁度の平均値と標準偏差の移動平均を示す。
図10では、移動平均の処理を行い、血液濁度の平均値と標準偏差ごとの移動平均線を生成している。
【0089】
図10中のX1は9時~11時の間に複数回計測された血液濁度の値から算出された血液濁度の平均値+2SD(標準偏差)の値である。図中の+2SDの移動平均線は1時間ごとの算出結果の血液濁度の平均値+2SDの移動平均により求められる。例えば、9時のプロットは8時~10時の血液濁度の平均値+2SDから算出され、20時の結果は、19時~21時の血液濁度の平均値+2SDから算出した移動平均である。
【0090】
図10中のX2は14時~16時の間に複数回計測された血液濁度の値から算出された血液濁度の平均値+1SD(標準偏差)の値である。図中の+1SDの移動平均線は1時間ごとの血液濁度の平均値+1SDの移動平均により求められる。
【0091】
図10中のX3は14時~16時の間に複数回計測された血液濁度の値から算出された血液濁度の平均値の値である。図中の平均値の移動平均線は1時間ごとの血液濁度の平均値の移動平均により求められる。
【0092】
図10中のX4は11時~13時の間に複数回計測された血液濁度の値から算出された血液濁度の平均値-1SD(標準偏差)の値である。図中の-1SDの移動平均線は1時間ごとの血液濁度の平均値-1SDの移動平均により求められる。
【0093】
図10中のX5は11時~13時の間に複数回計測された血液濁度の値から算出された血液濁度の平均値-2SD(標準偏差)の値である。図中の-2SDの移動平均線は1時間ごとの血液濁度の平均値-2SDの移動平均により求められる。
【0094】
STEP107では、血液濁度測定装置300は、算出された所定の計測時刻ごと(時刻変化に応じた)の血液濁度の平均値と標準偏差(+2SD~-2SD)の移動平均をHDD105等の記憶部に記憶する。
【0095】
図11は、パーソナル血液濁度レベル分類処理のフローチャートである。
【0096】
STEP201では、ユーザーが保有する血液濁度測定装置300が、ユーザーの血液濁度と血液濁度の取得時刻を測定する。
【0097】
血液濁度測定装置300による血液濁度の算出については、公知の手法(例えば、特許文献1参照)を適宜用いることでもよい。
【0098】
STEP202では、血液濁度測定装置300は、健康食品又は医薬品提案装置100へ、測定した血液濁度と血液濁度の取得時刻を送信する。
【0099】
STEP203では、健康食品又は医薬品提案装置100は、血液濁度測定装置300から血液濁度と血液濁度の取得時刻を受信する。
【0100】
STEP204では、健康食品又は医薬品提案装置100は、STEP203で受信した所定時刻の血液濁度を、STEP107で記憶された所定の計測時刻の血液濁度の平均値と標準偏差(+2SD~-2SD)の移動平均に基づいて、6段階のパーソナル血液濁度レベルに分類する。
【0101】
例えば、健康食品又は医薬品提案装置100は、13:00に受信した血液濁度が、血液濁度の平均値の-2SDの移動平均以下の場合には、受信した血液濁度を、パーソナル血液濁度レベルAに分類する(
図12のA)。
【0102】
例えば、健康食品又は医薬品提案装置100は、12:00に受信した血液濁度が、血液濁度の平均値の-2SDの移動平均以上、血液濁度の平均値の-1SDの移動平均未満の場合には、受信した血液濁度を、パーソナル血液濁度レベルBに分類する(
図12のB)。
【0103】
例えば、健康食品又は医薬品提案装置100は、12:00に受信した血液濁度が、血液濁度の平均値の-1SDの移動平均以上、平均値の移動平均以下の場合には、受信した血液濁度を、パーソナル血液濁度レベルCに分類する(
図12のC)。
【0104】
例えば、健康食品又は医薬品提案装置100は、15:00に受信した血液濁度が、血液濁度の平均値の移動平均以上、血液濁度の平均値の+1SDの移動平均未満の場合には、受信した血液濁度を、パーソナル血液濁度レベルDに分類する(
図12のD)。
【0105】
例えば、健康食品又は医薬品提案装置100は、15:00に受信した血液濁度が、血液濁度の平均値の+1SDの移動平均以上、血液濁度の平均値の+2SDの移動平均未満の場合には、受信した血液濁度を、パーソナル血液濁度レベルEに分類する(
図12のE)。
【0106】
例えば、健康食品又は医薬品提案装置100は、13:00に受信した血液濁度が、血液濁度の平均値の+2SDの移動平均以上の場合には、受信した血液濁度を、パーソナル血液濁度レベルFに分類する(
図12のF)。
【0107】
実施形態の健康食品又は医薬品提案装置100は、パーソナル血液濁度レベルを6段階のレベルに分類するが、標準偏差の段階をより細かくするなどして10段階以上など、より多段階に分類することでもよい。
【0108】
STEP205では、健康食品又は医薬品提案装置100は、STEP204で判断したパーソナル血液濁度レベルから、レコメンドレベルを算出する。
【0109】
図13は、パーソナル血液濁度レベルからのレコメンドレベルの換算表である。
【0110】
健康食品又は医薬品提案装置100は、STEP204で、パーソナル血液濁度レベルがAの場合には、STEP205において、レコメンドレベルをR1と算出する。
【0111】
健康食品又は医薬品提案装置100は、STEP204で、パーソナル血液濁度レベルがBの場合には、STEP205において、レコメンドレベルをR1と算出する。
【0112】
健康食品又は医薬品提案装置100は、STEP204で、パーソナル血液濁度レベルがCの場合には、STEP205において、レコメンドレベルをR2と算出する。
【0113】
健康食品又は医薬品提案装置100は、STEP204で、パーソナル血液濁度レベルがDの場合には、STEP205において、レコメンドレベルをR3と算出する。
【0114】
健康食品又は医薬品提案装置100は、STEP204で、パーソナル血液濁度レベルがEの場合には、STEP205において、レコメンドレベルをR4と算出する。
【0115】
健康食品又は医薬品提案装置100は、STEP204で、パーソナル血液濁度レベルがFの場合には、STEP205において、レコメンドレベルをR5と算出する。なお、レコメンドレベルは、参考値、参考基準範囲、基準値、正常値、正常高値、境界域、異常値などと置き換えることもできる。つまり、測定結果を2以上の状態に分類できればよい。また、パーソナル血液濁度レベルは、さらに細分化してもよく、健康食品または医薬品データベースと照合できればよい。
【0116】
図14は、健康食品又は医薬品提案処理のフローチャートである。
【0117】
STEP301では、健康食品又は医薬品提案装置100は、STEP205で判断されたレコメンドレベル(R1~R5)に基づき、健康食品又は医薬品データベース1051から該当する1以上の健康食品又は医薬品を抽出する。
【0118】
STEP302では、健康食品又は医薬品提案装置100は、STEP301で抽出した1以上の健康食品のRMを、有効成分量で割り、レコメンドレベルに対応する補正係数を乗じて、1以上の各健康食品の推奨摂取量を算出する。
【0119】
図15は、レコメンドレベルと補正係数の対応表である。
【0120】
補正係数は、糖尿病専門医や日本糖尿病療養指導士の資格を持つ医療従事者など、総数80名へ、自分が職務で栄養指導をする場合に、適切な健康食品量をどのように算出するかについてアンケートやヒアリングを行い設定した。
【0121】
また、すべての種類のヒアリングが難しい場合などでは、市販の健康食品の摂取量の目安は、一般的な平均データに基づき、補正係数を設定してもよい。
【0122】
補正係数は、血液濁度測定装置300により得られた血液濁度から、一般的に推奨される健康食品の摂取量を、個人レベルに変換するための指標である。
【0123】
図16は、STEP302で、健康食品又は医薬品提案装置100が、算出した健康食品又は医薬品ごとの推奨摂取量の例を示す。
【0124】
STEP303では、健康食品又は医薬品提案装置100は、STEP302で算出された推奨摂取量が、1.0に最も近い健康食品又は医薬品(の識別コード)を抽出する。
図16の例では、S003を抽出することになる。
【0125】
STEP303では、健康食品又は医薬品提案装置100は、抽出した健康食品又は医薬品が複数ある場合は、価格の安い順に推奨し、価格が同じ場合は、人気が高い(出荷量が多い)健康食品(の識別コード)を抽出する。
【0126】
STEP304では、健康食品又は医薬品提案装置100は、算出された推奨する摂取量が、商品が推奨する摂取量の2倍を超えた、または、0.5を下回った健康食品又は医薬品を除外する。
【0127】
STEP305では、健康食品又は医薬品提案装置100は、厚生労働省から開示されている摂取カロリー量と同等になるような吸収カロリー量となる食品を選択する。例えば、厚生労働省などから発表されている2000~2400kcal/日を参考に、3食均等にすることが望ましい。さらには、食間の血液濁度がBになることが望ましく、血液濁度がBになったときの栄養配分を参考に、類似した栄養配分の食品を提案する。
【0128】
この機能は、食事のカロリーが事前にわかっていることが前提であり、食事に含まれるカロリーと吸収された脂質のカロリー量から、適切な吸収カロリー量となる食品を提供する。ここで用いる吸収カロリーは、濁度計測から算出された値を用いる。
【0129】
初回は、希望する価格帯などから提案し、運用しながら弁当のカロリー、タンパク質、脂質、炭水化物、食物繊維、糖分、塩分のデータと吸収カロリー量のデータを収集し、吸収率が40~70%になる弁当(各栄養素の組み合わせ)を求め、レコメンド機能とする。
【0130】
STEP306では、健康食品又は医薬品提案装置100は、抽出した健康食品又は医薬品の情報(識別コード等)を、顧客端末200に送信する。
【0131】
なお、送信とは、顧客端末200自体に情報をダウンロードする必要はなく、アプリケーションを介し、情報を閲覧できれば良い。
【0132】
STEP307では、顧客端末200は、操作パネル206に、健康食品又は医薬品提案装置100から送信された識別コードの健康食品の情報を表示する。
【0133】
図17は、ECサイト転送処理のフローチャートである。
【0134】
ユーザーは、顧客端末200は、操作パネル206に表示された健康食品又は医薬品を確認し、(購入を希望する)健康食品又は医薬品を操作パネル206にて選択する。
【0135】
STEP401では、顧客端末200は、ユーザーが選択した健康食品又は医薬品の(識別コード)を、健康食品提案装置100に送信する。
【0136】
STEP402では、健康食品又は医薬品提案装置100は、受信した健康食品又は医薬品の識別コードとユーザーの識別情報(メールアドレス等)を、ECサイトのサーバー400へ送信する。
【0137】
STEP403では、ECサイトサーバー400は、健康食品又は医薬品提案装置100から、健康食品又は医薬品の識別コードとユーザーの識別情報を、受信する。
【0138】
ECサイトサーバー400は、予め自動レコメンドサービス利用を希望し、個人情報を登録したユーザーの識別情報を記憶する。
【0139】
ECサイトサーバー400は、登録したユーザーの情報に、ユーザーの識別情報に加えて氏名、住所、クレジットカードなどの発送及び決済手段を記憶する
【0140】
STEP404では、ECサイトサーバー400は、ユーザーの識別情報のカートへ識別コードの健康食品又は医薬品を追加する。
【0141】
STEP307で送信された健康食品又は医薬品情報は、顧客端末200のECサイトのカート機能で表示される。なお表示期間は、最初のレコメンド表示開始から1か月、1週間、随時など更新を選択できる。
【0142】
表示期間内に購入に至らなかった商品はカートから削除される。
【0143】
削除されたのち、更新された最新情報が表示される。なお、この表示期間内は、新たな300濁度計測機による計測結果が追加されても、表示は更新されない。
【0144】
ここでいうカートは、ECサーバー内にある機能で、ユーザーが商品を購入する機能である。この機能は、自社ECサイトでも事業提携により、他社が運営するカートを利用してもよい。
【0145】
また、ECサイトサーバーは、薬局で処方薬を提供する場合などでは、電子処方箋対応のシステムと連携するなどした、処方薬対応システムであってもよい。
【0146】
以上、実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0147】
1:健康食品又は医薬品提案システム
100:健康食品又は医薬品提案装置
200:顧客端末
300:血液濁度測定装置
400:ECサイトサーバー