(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082304
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】印刷管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20230101AFI20240613BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240613BHJP
【FI】
G06Q30/02
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196047
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】520375608
【氏名又は名称】株式会社重森産業社
(74)【代理人】
【識別番号】110000464
【氏名又は名称】弁理士法人いしい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】重森 章臣
(72)【発明者】
【氏名】栗山 由布子
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】本発明は、低コストでエンドユーザーの興味を引きつけられる販促方法を実現しながらも印刷物に係る情報を管理できる印刷管理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の印刷管理システムは、配布される物品に印刷される印刷物に係る情報を管理する印刷管理システムである。配布元に係る情報が印刷された物品に、該物品の配布元に係る情報が表示される配布元ウェブページのURLを記録した識別子が印字される。物品を取得した取得者の端末により識別子が読み込まれると、端末に配布元ウェブページが表示される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配布される物品に印刷される印刷物に係る情報を管理する印刷管理システムであって、
該物品の配布元に係る情報が表示される配布元ウェブページのURLを記録した識別子が印字され、
該物品を取得した受理者の端末により前記識別子が読み込まれると、該端末に前記配布元ウェブページが表示されることを特徴とする印刷管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業は、自社の商品又はサービスの販促活動として、例えば、テレビや新聞への広告の掲載、チラシの配布、ダイレクトメールの送付等といった広報活動を行う。これらの広報活動以外にも、例えば、ノベルティグッズの配布やキャッシュバックキャンペーン等のように、特典やインセンティブの付与等により、購入意欲を惹起させるような販促活動も行われる。これらの販促活動の中に、店舗での購入者に渡されるレシートに、購買意欲を惹起させる広告情報を掲載することで広報する活動も提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した伝統的な販促活動は目新しさにかける嫌いがあり、費用対効果の観点において、期待以上の効果が得にくいことが現状である。
【0005】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、低コストで取得者の興味を引きつけられる販促方法を実現しながらも、印刷物に係る情報を管理できる印刷管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の印刷管理システムは、配布される物品に印刷される印刷物に係る情報を管理する印刷管理システムであって、該物品の配布元に係る情報が表示される配布元ウェブページのURLを記録した識別子が印字され、該物品を取得した受理者の端末により前記識別子が読み込まれると、該端末に前記配布元ウェブページが表示されるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、低コストで受理者の購買意欲を惹起させる販促方法を提供しながら、印刷物に係る情報を確実に管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る印刷管理システムの全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、実施形態となる印刷管理システムについて、
図1及び
図2を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る印刷管理システムの全体構成を示す図である。
図2は、印刷物の一例を示す図である。
【0010】
本実施形態における印刷管理システム100は、企業の販促活動として、印刷物(物品)20に配布元11に係る情報を印刷し、取得者(受理者)12の購買意欲を刺激するサービスを実現する。印刷管理システム100は、印刷管理システム100全体を管理する印刷物管理サーバ1と、印刷物20が製作される印刷物生成装置2と、配布元11に係る情報が表示される配布元ウェブページ31を格納した配布元管理サーバ3と、配布元11により操作される配布元端末装置4と、印刷物20を入手した取得者12により操作される取得者端末装置5とを備える。印刷管理システム100を構成する各装置は、インターネットやVPN等として参照されるネットワーク6を介して相互通信可能に接続されている。
【0011】
印刷管理システム100は、配布される印刷物(物品)20に印刷される看板デザイン21及び配布元11に係る情報を管理するシステムである。法定標識看板等の看板デザイン21が印刷された印刷物(物品)20に、配布元11に係る情報が表示される配布元ウェブページ31のURLを記録した識別子22が印字される。印刷物(物品)20を取得した取得者12が取得者端末装置5で識別子22を読み込むと、配布元ウェブページ31が表示される。
【0012】
印刷管理システム100により実現されるビジネスモデルは、配布元11が印刷物20を発注した数に従って、印刷業者10に印刷物20の製作費が支払われる。また、印刷物20に印刷された識別子22により、取得者12が取得者端末装置5で容易に配布元ウェブページ31にアクセスできる。配布元ウェブページ31にアクセスした取得者12の情報を印刷物管理サーバ1が管理することで、当該情報を印刷業者10及び配布元11それぞれと共有できる。このビジネスモデルにより、印刷業者10及び配布元11それぞれが取得者12の情報を獲得できる。
【0013】
印刷物生成装置2は、印刷対象物23の表面に看板デザイン21を印刷した後、印刷対象物23における看板デザイン21の印刷領域と異なる領域に、識別子22を印刷する。識別子22は、例えば、QRコード(登録商標)等の二次元コードやバーコード等直接印字されるものであってもよく、ICタグ等のように電磁的に記憶されるものであってもよい。
【0014】
印刷物20における印刷対象物23として、本実施形態では、アルミニウムや真鍮等の金属又は金属製品として説明するが、紙製品、布製品、セラミック又はセラミック製品、木片や木製品等としても構わない。また、本実施形態において、印刷物生成装置2は、印刷対象物23に対してアルマイト染色で印刷する例を示すが、印刷方法もアルマイト染色で限定されるものではなく、例えば、レーザー加工により金属表面に印刷するものであってもよい。
【0015】
本実施形態において、印刷物20は、印刷対象物の表面に看板デザイン21が印字されるとともに、印刷対象物23の裏面に識別子22が印刷される。なお、印刷物20への印刷は上記パターンに限られるものでない。例えば、印刷対象物23の裏面に看板デザイン21が印刷されるとともに、印刷対象物23の表面に識別子22が印刷されてもよい。また、印刷対象物23の片面に看板デザイン21と識別子22が印刷されるものであってもよい。
【0016】
本実施形態において、印刷物20の印刷対象物23は、その裏面に薄板状の磁石を貼付させた金属片マグネットであってもよいし、その裏面に接着剤が塗布された紙片シール又は金属片シールであってもよい。なお、金属片マグネット、紙片シール、金属片シールとなる印刷対象物23は、印刷物生成装置2で紙片又は金属片の裏面が加工されて作成される。また、このような構成の印刷対象物23の裏面に識別子22を表記する場合、例えば、識別子22が印字された紙片が裏面の磁石又は接着剤表面に貼付される。
【0017】
印刷物20の印刷対象物23は、紙片又は金属片に限定されるものではない。例えば、印刷物20において、印刷対象物23を陶器や金属のコップとした場合、看板デザイン21を印刷対象物23の外周側面に印刷する一方、識別子22を印刷対象物23の内周側面、内側底面又は外側底面に印刷するものとしてもよい。また、印刷物20において、印刷対象物23を被服やタオル等とした場合、看板デザイン21を印刷対象物23の表面に印刷する一方、識別子22を印刷対象物23のタグに印刷するものとしてもよい。
【0018】
次に、本実施形態におけるビジネスモデルによる販促活動について、ノベルティ等として印刷物20を配布する例を説明する。配布元11は、ノベルティ等となる印刷物20の製作を印刷業者10に依頼すると、印刷業者10は、複数種類の印刷対象物23と、複数種類の看板フレーム21aを提示する。配布元11は、印刷業者10から提示された複数種類の印刷対象物23と複数種類の看板フレーム21aの中から、ノベルティ等に使用する印刷対象物23と看板フレーム21aとを選択する。
【0019】
印刷物20の看板フレーム21aは、印刷業者10が提供する飾り枠素材である。例えば、建設業の許可票をはじめとする各種法定標識看板(建築事務所登録票や宅地建物取引業者票等)のデザインを模したもの等であってもよい。配布元11は、複数の看板フレーム21aから所望の看板フレーム21aを選択し、選択した看板フレーム21aに自身の名称や取得番号等(看板情報21b)を追加することで、自身の法定標識看板等のミニチュアを製作することができる。なお、看板情報21bを追加せず、空白として依頼することも可能である。
【0020】
配布元11は、配布元端末装置4を使用することにより、印刷業者10が管理する印刷物管理サーバ1にアクセスし、印刷業者ウェブページ30を閲覧して、印刷対象物23と看板フレーム21aとを選択するものとしてもよい。このとき、配布元端末装置4が、印刷物管理サーバ1に対して、配布元11の企業名、住所、メールアドレス、電話番号、配布元ウェブページ31のURL等の配布元固有の情報i1(以下、「配布元固有情報」とする)と、選択した印刷対象物23に係る情報i2(以下、「印刷物選択情報」とする)と、選択した看板フレーム21a及び選択したフレームデザイン内に追加する看板情報21bからなる看板デザイン21に係る情報i3(以下、「デザイン情報」とする)とを送信することで、印刷業者10に通知される。なお、配布元11が印刷業者10に送信する情報は、メール又はファクシミリ等により印刷業者10に通知するものとしてもよい。
【0021】
印刷業者10は、配布元11の配布元固有情報i1、印刷物選択情報i2及びデザイン情報i3を取得すると、印刷物生成装置2で、配布元固有情報i1より確認される配布元ウェブページ31のURLから識別子22を作成する。識別子22は、例えば、QRコード(登録商標)等の二次元コードやバーコード等直接印字されるものであってもよく、ICタグ等のように電磁的に記憶されるものであってもよい。
【0022】
印刷物管理サーバ1は、配布元11の配布元固有情報i1、印刷物選択情報i2及びデザイン情報i3を記憶するとともに、配布元11より依頼を受けた印刷物20に対して特定番号(印刷物ID)を作成し、配布元11の配布元固有情報i1、印刷物選択情報i2及びデザイン情報i3との紐付けを行う。
【0023】
従って、印刷物管理サーバ1は、印刷物20の印刷物IDに紐付けられた配布元固有情報i1、印刷物選択情報i2及びデザイン情報i3の内容を確認して出力できる。この印刷物管理サーバ1の出力を印刷業者10が確認することで、依頼者となる配布元11を認知できる。また、配布元11が印刷物管理サーバ1から、自身が依頼した印刷物20に係る配布元固有情報i1、印刷物選択情報i2及びデザイン情報i3の内容を確認することもできるようにしてもよい。
【0024】
印刷物管理サーバ1は、配布元固有情報i1、印刷物選択情報i2及びデザイン情報i3のデータを印刷物生成装置2に送信する。印刷業者10は、印刷物管理サーバ1の出力から確認した印刷対象物23を印刷物生成装置2にセットする。このとき、印刷物生成装置2には、配布元11から指定された数量の印刷対象物23がセットされる。そして、印刷物生成装置2は、印刷対象物23の表面に、印刷物管理サーバ1より受信した看板デザイン21を印刷する。そして、印刷物生成装置2は、受信した配布元固有情報i1にある配布元ウェブページ31のURLから識別子22を作成して、印刷対象物23の裏側に印刷する。このとき、印刷物生成装置2は、識別子22を印刷した紙片を印刷対象物23の裏側に貼付するものとしてもよい。
【0025】
印刷業者10は、印刷物生成装置2により、印刷対象物23の表裏それぞれに看板デザイン21と識別子22とを印刷することで、依頼数の印刷物20を作成すると、完成した印刷物20を配布元11に納品する。配布元11は、印刷物20の納品を受けると、印刷業者10に対して印刷物20の制作費を印刷物20の数量分支払う。なお、印刷物20の製作費は、印刷物生成装置2の稼働時間や印刷物生成装置2の稼動に関わる労働者数により決定されるものとしてもよい。
【0026】
配布元11は、納品された印刷物20を、例えばイベントや展示会、又は店舗等で手渡すことで、又は、ダイレクトメールや商品と同時に郵送することで、複数の取得者12に配布する。なお、イベント等で印刷物20を配布する場合、例えば、複数の配布元11が協力しあって、配布元11それぞれが異なる印刷物20を配布し、全ての配布元11からの印刷物20を取得者12が収集したときに景品を贈呈されるものとし、取得者12の興味を引きつけるものとしてもよい。同様に、店舗での手渡しや商品との同時郵送の場合、店舗への来店回数や商品の購入回数によって印刷物20の種類を変更する等し、取得者12の関心を高めるようにしてもよい。
【0027】
配布元11から印刷物20を取得した取得者12は、取得者端末装置5を使用して、印刷物20に印刷された識別子22を読み取ることで、配布元管理サーバ3における配布元ウェブページ31を取得者端末装置5に表示できる。取得者12は、配布元ウェブページ31を閲覧することで、例えば、配布元11の商品やサービスを認知することができたり、配布元11から商品やサービスを購入することができる。
【0028】
このとき、配布元11の商品やサービス毎に異なる印刷物20を付属させるものとし、その印刷物20の内容を配布元ウェブページ31で閲覧できるものとしてもよい。これにより、取得者12は、希望する印刷物20を目当てに、印刷物20が付属された商品又はサービスへの購買意欲が高まる。
【0029】
なお、識別子22により配布元ウェブページ31を取得者端末装置5に表示させる場合、取得者12に特定情報(ID)と暗証番号(パスワード)の入力を求めるようにしても構わない。すなわち、取得者12が取得者端末装置5で識別子22の読み取りを行い、配布元管理サーバ3にアクセスしたとき、取得者端末装置5から送信された特定情報(ID)と暗証番号(パスワード)を印刷物管理サーバ1で照合することで、取得者12を確認することができる。
【0030】
このとき、取得者12が取得者端末装置5で識別子22の読み取りを行い、配布元管理サーバ3にアクセスした場合、取得者12の取得者情報i4の入力が求められるようにしてもよい。取得者情報i4とは、例えば取得者12の名称、住所、メールアドレス、電話番号等がある。なお、取得者12の取得者情報i4の入力は、アクセスされた配布元管理サーバ3により求められるものであってもよいし、配布元管理サーバ3により通知された印刷物管理サーバ1により求められるものとしてもよい。
【0031】
取得者12は、取得者端末装置5への操作により取得者情報i4を入力し、配布元管理サーバ3又は印刷物管理サーバ1に入力した取得者情報i4を送信する。送信された取得者情報i4は、最終的に印刷物管理サーバ1に記憶されるとともに、取得者12が取得した印刷物20の印刷物IDに紐付けされる。そして、配布元管理サーバ3及び印刷物管理サーバ1で取得者12の取得者情報i4が共有される。これにより、印刷業者10及び配布元11は、取得者12の商品又はサービスの嗜好等を知ることができ、新たな商品又はサービスの開発や販促活動に活かせる。
【0032】
以上、本発明をいくつかの実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。例えば、配布元管理サーバにおいて配布元ウェブページが格納されるものとしたが、印刷情報管理サーバにおいて、印刷業者が契約した配布元の配布元ウェブページが格納されるものとしても構わない。
【符号の説明】
【0033】
1 印刷物管理サーバ
2 印刷物生成装置
3 配布元管理サーバ
4 配布元端末装置
5 取得者端末装置
6 ネットワーク
10 印刷業者
11 配布元
12 取得者(受理者)
20 印刷物(物品)
21 看板デザイン
21a 看板フレーム
21b 看板情報
22 識別子
23 印刷対象物
30 印刷業者ウェブページ
31 配布元ウェブページ
100 印刷管理システム