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特開2024-8231コード画像読取装置、本人確認装置、及び紙葉類自動取引装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008231
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】コード画像読取装置、本人確認装置、及び紙葉類自動取引装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/015 20060101AFI20240112BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20240112BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20240112BHJP
   G07D 11/00 20190101ALI20240112BHJP
【FI】
G06K7/015
G06K7/10 376
G06K7/10 416
G06K7/14 060
G07D11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109934
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立チャネルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 篤士
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA07
3E141BA07
3E141DA06
3E141EA01
3E141FH05
3E141FJ07
(57)【要約】
【課題】コード画像を安定的かつ正確に読取り可能にする。
【解決手段】媒体に表示されたコード画像を読み取るコード画像読取装置20は、読み取り光をコード画像読取装置20の下方に向けて照射してコード画像を読み取る読取部22と、読取部22を制御する読取制御部211と、読取部22が読み取り可能なコード画像の読取位置を、読み取り光の照射方向の対向面又は空中に投影するコード画像位置表示部23と、コード画像位置表示部23を制御して読取位置を対向面又は空中に投影するコード画像読取位置表示制御部212とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に表示されたコード画像を読み取るコード画像読取装置であって、
読み取り光を前記コード画像読取装置の下方に向けて照射して前記コード画像を読み取るコード画像読取部と、
前記コード画像読取部を制御する読取制御部と、
前記コード画像読取部が読み取り可能な前記コード画像の読取位置を、前記読み取り光の照射方向の対向面又は空中に投影するコード画像読取位置表示部と、
前記コード画像読取位置表示部を制御して前記位置を前記対向面又は前記空中に投影する読取位置表示制御部と
を有することを特徴とするコード画像読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコード画像読取装置であって、
前記読取制御部は、前記コード画像読取部を制御して前記コード画像を読み取る際に、厳格モード及び緩和モードの何れかのモードを選択し、
前記厳格モードを選択し、前記緩和モードよりも読取精度を優先して前記コード画像の読み取りを行い、
前記厳格モードで前記コード画像を読み取れなかった場合に、前記厳格モードよりも前記読取精度を緩和した前記緩和モードを選択し、前記厳格モードよりも読取速度を優先して前記コード画像の読み取りを行う
ことを特徴とするコード画像読取装置。
【請求項3】
請求項2に記載のコード画像読取装置であって、
前記緩和モードには、前記読取精度を段階的に緩和した複数の緩和モードがあり、
前記緩和モードで前記コード画像を読み取れなかった場合に、さらに前記読取精度を緩和した前記緩和モードを選択し、さらに前記読取速度を優先して前記コード画像の読み取りを行う
ことを特徴とするコード画像読取装置。
【請求項4】
請求項1に記載のコード画像読取装置であって、
前記読取制御部は、
前記コード画像を読み取れなかったが、前記媒体の外形の少なくとも一部を認識し、前記媒体における前記コード画像の位置が推定できた場合に、前記コード画像の推定位置を基に、前記コード画像が読み取り可能となる前記媒体の移動方向及び移動量を報知する
ことを特徴とするコード画像読取装置。
【請求項5】
請求項1に記載のコード画像読取装置であって、
前記読取制御部は、
前記コード画像を読み取れなかったが、前記媒体の外形の少なくとも一部を認識し、前記媒体における前記コード画像の位置が推定できた場合に、前記コード画像の推定位置に、前記コード画像読取部のピントを合わせる
ことを特徴とするコード画像読取装置。
【請求項6】
請求項1に記載のコード画像読取装置であって、
前記読取制御部は、
前記コード画像を読み取れなかったが、前記媒体の外形の少なくとも一部を認識し、前記媒体における前記コード画像の位置が推定できた場合に、前記コード画像の推定位置へ、前記読み取り光の照射方向を変化させる
ことを特徴とするコード画像読取装置。
【請求項7】
請求項1に記載のコード画像読取装置であって、
前記コード画像読取位置表示部によって投影された前記コード画像の読取位置の周辺に、前記コード画像を前記読取位置に合わせるように操作ガイダンスを表示する
ことを特徴とするコード画像読取装置。
【請求項8】
請求項1に記載のコード画像読取装置であって、
前記コード画像読取部が読み取り可能な前記コード画像の高さ位置を表示する高さガイド表示部を有する
ことを特徴とするコード画像読取装置。
【請求項9】
請求項8に記載のコード画像読取装置であって、
前記高さガイド表示部は、前記高さ位置を可変に表示する
ことを特徴とするコード画像読取装置。
【請求項10】
請求項1に記載のコード画像読取装置であって、
前記コード画像読取部が読み取り可能な前記コード画像の高さ位置に、前記媒体を配置する配置台を有する
ことを特徴とするコード画像読取装置。
【請求項11】
請求項1に記載のコード画像読取装置であって、
前記コード画像読取部から前記媒体までの距離を検出する距離センサを有し、
前記距離センサによって取得された前記距離に基づいて、前記コード画像読取部が読み取り可能な前記コード画像の高さ位置を報知する
ことを特徴とするコード画像読取装置。
【請求項12】
請求項1に記載のコード画像読取装置であって、
セキュリティモードが設定された場合に、前記コード画像読取部による前記コード画像の読取範囲を通常モードより狭くし、前記コード画像読取装置が搭載される現金自動取引装置の周囲から死角になる位置へ前記媒体を誘導する報知を行う
ことを特徴とするコード画像読取装置。
【請求項13】
請求項1~12の何れか1項に記載のコード画像読取装置を有し、
前記コード画像読取装置による前記コード画像の読取結果に応じて、前記媒体の持参者の本人確認処理を実行することを特徴とする本人確認装置。
【請求項14】
請求項1~13の何れか1項に記載のコード画像読取装置を有し、
前記コード画像読取装置による前記コード画像の読取結果に応じて、前記媒体に関する取引処理を実行する
ことを特徴とする紙葉類自動取引装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コード画像読取装置、本人確認装置、及び紙葉類自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、キャッシュレス化や業務改革による窓口従業員の業務量低減化に伴い、窓口業務のセルフ化を推進することによる効率化が進められている。また、税公金等の振込に対しても振込帳票にバーコードを印刷する等、セルフ化に向けた施策が検討されている。金融機関も、現金自動取引装置に振込帳票に印刷されたコード画像の読取り機能を備えることで、税公金等の振込み処理を窓口で処理することなく利用者自身で処理するようにして、店舗内の業務の効率化が可能である。
【0003】
このようなコード画像の読取り機能を備えた現金自動取引装置の一例として、特許文献1には、光学情報読取部が前面パネルの上方に配置され、操作パネルに載置された帳票および携帯端末等の読取対象に表示されたバーコードを読取る自動取引装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-164367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術においては、コード画像を安定的かつ正確に読取ることが難しいという問題があった。その原因は、次のようなものである。例えば、自動取引装置の操作パネルや操作画面に帳票を置くことになるため、操作パネルや操作画面の段差の影響で帳票が変形してしまうためである。また、帳票の形状や大きさ、コード画像の位置が、帳票によって異なるため、コード画像の位置を読取装置の最適な読取位置に帳票を位置させることが難しいためである。また、スマートフォンなどの携帯端末の大画面に表示されたコード画像を読取る際に、携帯端末の角度が適切でなかったり照明光が反射したりするためである。
【0006】
本発明の目的は上記問題点を解決し、媒体に表示されたコード画像を安定的かつ正確に読取り可能なコード画像読取装置、本人確認装置、及び紙葉類自動取引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明の一態様では、媒体に表示されたコード画像を読み取るコード画像読取装置であって、読み取り光を前記コード画像読取装置の下方に向けて照射して前記コード画像を読み取るコード画像読取部と、前記コード画像読取部を制御する読取制御部と、前記コード画像読取部が読み取り可能な前記コード画像の読取位置を、前記読み取り光の照射方向の対向面又は空中に投影するコード画像読取位置表示部と、前記コード画像読取位置表示部を制御して前記位置を前記対向面又は前記空中に投影する読取位置表示制御部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、例えば、振込帳票等の媒体に表示されたコード画像を安定的かつ正確に読取り可能になることで、税公金等の振込み処理を窓口で処理する必要なく、顧客自身で自動取引装置を操作してスムーズに処理することが可能になる。このため、窓口業務のセルフ化を推進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1に係る現金自動取引装置の機能構成を示す図。
図2】実施形態1に係る現金自動取引装置を示す斜視図。
図3】実施形態1に係る現金自動取引装置の前面部分を拡大して示す斜視図(厳格モード時)。
図4】実施形態1に係る現金自動取引装置の前面部分を拡大して示す斜視図(緩和モード時)。
図5】実施形態1に係る現金自動取引装置のコード画像の読取モードを示す図。
図6】実施形態1に係るコード画像読取処理を示すフローチャート。
図7】実施形態1に係る現金自動取引装置のコード画像読取操作のガイド表示例を示す図。
図8】実施形態1に係る現金自動取引装置のコード画像読取操作のガイド表示例を示す図。
図9】実施形態2に係る現金自動取引装置を示す斜視図。
図10】実施形態3に係る現金自動取引装置を示す斜視図。
図11】実施形態3に係る現金自動取引装置を示す斜視図。
図12】実施形態4に係る現金自動取引装置を示す斜視図。
図13】実施形態4に係る現金自動取引装置を示す斜視図。
図14】実施形態5に係る現金自動取引装置の機能構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。以下の実施形態は、図面を含め例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。以下の実施形態を説明するための各図面において同一の符号は同一あるいは類似の機能を備えた構成要素又は処理を示し、後出の説明を省略する。また各実施形態、各実施例、及び各変形例は、本発明の技術思想の範囲内かつ整合する範囲内で一部又は全部を適宜組合せることができる。
【0011】
以下の実施形態では、現金自動取引装置の装置筐体の鉛直方向(上部方向、上方)をZ軸の正方向、装置筐体の利用者側(正面側、前方)から反対側(背面側、後方)に向かう方向をY軸の正方向とする。また、装置筐体の利用者側に向かって左側から右側に向かう方向をX軸の正方向とする。以下の実施形態の説明では、X軸、Y軸、及びZ軸がそれぞれ直交する正系のXYZ座標系を用いる。
【0012】
なお以下の実施形態において“上”“下”“左”“右”“前”“後”“背”等で表す方向及び位置は相対的なものに過ぎず、またXYZ座標系により現金自動取引装置及びその構成要素の向き、形状、又は大きさが限定されるものではない。また実施形態の説明及び図示における構成要素の数は、一例に過ぎない。
【0013】
以下の実施形態では、紙葉類自動取引装置として、紙葉類として紙幣を取り扱う現金自動取引装置を例として説明する。しかしこれに限られず、小切手や商品券等の他の様々な紙葉類についても同様に適用できる。
【0014】
また、以下の実施形態では、帳票に記載されたコード画像(バーコードやいわゆる二次元バーコードなど)を読取りの対象として説明するが、スマートフォンやタブレット端末といった端末装置の画面を始めとする様々な媒体に表示されたコード画像を読取りの対象としてもよい。
【0015】
以下の説明では、実施形態で開示する技術と直接関係しない事項の説明を適宜省略する場合がある。また、後出の実施形態では、既出の実施形態と重複する事項の説明を省略し、差分を中心に説明する場合がある。
【0016】
[実施形態1]
(実施形態1の現金自動取引装置100の構成)
先ず、図1を参照して、本実施形態の現金自動取引装置100の機能的な構成について説明する。図1は、実施形態1に係る現金自動取引装置100の機能構成を示す図である。
【0017】
現金自動取引装置100は、全体制御部10と、コード画像読取装置20と、操作画面30と、本人確認装置40とを含んで構成される。コード画像読取装置20は、制御部21と、読取部22と、コード画像位置表示部23と、帳票照明24を含んで構成される。その他、現金自動取引装置100は、紙幣ユニット、貨幣ユニット、通帳ユニット、カードユニット等を有するが、図示及び説明を省略する。
【0018】
全体制御部10は、現金自動取引装置100が備える各ユニットを含む現金自動取引装置100の全体制御を司るマイクロプロセッサである。
【0019】
コード画像読取装置20は、現金自動取引装置100の前面に位置し、利用者によってかざされた帳票に表示されているコード画像を撮影し、コード解析に供するCCD(Charge Coupled Device)スキャン方式である。コード画像読取装置20は、CCD方式に限らず、レーザー方式など、その他の方式でもよい。
【0020】
なお、コード画像読取装置20は、独立した装置であるとする。しかし、コード画像読取装置20は、顔撮像装置といった本人確認装置や、その他の装置に備えられるとしてもよい。
【0021】
操作画面30は、利用者による現金自動取引装置100の操作をタッチパネルで受け付けると共に、現金自動取引装置100での処理や各種情報を表示する表示装置である。
【0022】
本人確認装置40は、読取面にかざされた利用者が保持している本人確認書類を読取り、本人確認書類に埋設されている集積回路と通信を行い、現金自動取引装置100が備える顔撮像部(不図示)によって撮影された利用者の顔の画像を用いて、本人確認書類及び帳票1001の持参者である利用者の本人確認を行う。
【0023】
コード画像読取装置20は、マイクロプロセッサ等の制御部21と、読取部22と、コード画像位置表示部23と、帳票照明24とを含んで構成される。
【0024】
制御部21は、読取制御部211と、コード画像位置表示制御部212と、報知制御部213と、照明制御部214とを有する。読取制御部211と、コード画像位置表示制御部212と、報知制御部213と、照明制御部214とは、プログラムの実行により実現される。
【0025】
読取部22は、読取制御部211によって制御される。読取部22は、利用者が保持する帳票に表示されたバーコードや二次元コードといったコード画像を読取る。読取部22は、読取制御部211の制御によって、コード画像が表示されている帳票のサイズや、帳票におけるコード画像の表示位置に応じて、より読取精度を向上させる読取り方向を決める角度調整機能を搭載する。読取部22は、操作画面30から読取部22までの間の空間に保持されている帳票1001に表示されているコード画像1002を読取り可能である。コード画像1002は、コード画像位置ガイド22Cに位置が合せられている時に、読取部22によって読み取り可能である(図3図5参照)。
【0026】
コード画像位置表示部23は、コード画像位置表示制御部212によって制御される。コード画像位置表示部23は、空中に保持された帳票に表示されているコード画像を読取部22が読取り可能な帳票及び/又はコード画像の位置を示すコード画像位置ガイド22Cを、読み取り光の照射方向の対向面(操作画面30が配置される現金自動取引装置100の操作パネル1000上)に投影する。コード画像位置ガイド22Cは、読み取り光の照射方向の空中に投影されてもよい。あるいは、コード画像位置ガイド22Cは、操作画面30に表示されてよい。
【0027】
帳票照明24は、照明制御部214によって制御される。帳票照明24は、コード画像を読み取る帳票及びそのコード画像へ光を照射する。
【0028】
図2は、実施形態1に係る現金自動取引装置100を示す斜視図である。図3は、実施形態1に係る現金自動取引装置100の前面部分を拡大して示す斜視図(厳格モード時)である。図4は、実施形態1に係る現金自動取引装置100の前面部分を拡大して示す斜視図(緩和モード時)である。図5は、実施形態1に係る現金自動取引装置100のコード画像の読取モードを示す図である。
【0029】
図2に示すように、コード画像読取装置20は、現金自動取引装置100の前面パネル101に搭載される。読取部22は、コード画像読取装置20の下方から操作画面30方向へ、コード画像を読み取り可能に向いている。
【0030】
コード画像位置表示部23は、コード画像読取装置20と同様に、現金自動取引装置100の筐体内部に収容されている。図3に示すように、コード画像位置表示部23は、コード画像読取装置20の下方から操作画面30が配置される操作パネル1000方向へ、帳票及び/又はコード画像の読取位置を投影可能に向いている。コード画像位置表示部23は、光の照射によって、帳票及び/又はコード画像の読取位置を、空中又は操作画面30が配置される現金自動取引装置100の筐体1上の面上に表示する。図3は、コード画像のコード画像位置ガイド22Cが示されている。
【0031】
なお、帳票1001の読み取り位置や高さは、図3及び図4に示した位置の左右や上下に移動した位置に設定されることも可能である。
【0032】
図4は、“読取モード”が、図3の“厳格モード”と比較して緩和されている“緩和モード”の状態の現金自動取引装置100を示す。
【0033】
図5に示すように、“厳格モード”は、相対的に、読取部22の読取範囲が狭く、解像度が高く、読取距離が近い。このように、“厳格モード”では、読取制御部211は、読取精度を重視して、コード画像の読取りエラー防止を優先する。一方、“緩和モード”では、相対的に、読取部22の読取範囲が広く、解像度が低く、読取距離が遠い。このように、“緩和モード”では、読取制御部211は、読取速度を重視して、素早いコード画像の読取りを優先する。すなわち、「厳格モード」は、読取精度は高い(読み取りエラー率が低い)が読取失敗しやすく(読み取りまでに時間が掛かる)、「緩和モード」読取精度は低い(読み取りエラー率が高い)が読取成功しやすい(短時間で読み取りできる)。
【0034】
なお、“緩和モード”には、段階があり、徐々に読取範囲が広く、解像度が高く、読取距離が遠くなるように設定されてもよい。同様に、“厳格モード”にも段階が設けられてもよい。また、“読取モード”を規定する項目は、読取範囲、解像度、読取距離に限られるものではない。
【0035】
コード画像1002の読み取り時の当初は、“厳格モード”で運用され、コード画像位置ガイド22Cを、読取対象のコード画像の2倍程度の大きさとする。そして、読取エラー及びリトライ処理が発生する毎に読取モードを緩和し、コード画像位置ガイド22Cをコード画像の3倍程度まで段階的に大きくすることで、コード画像の読取りが成功しやすくなる。コード画像が認識不可能な場合でも、コード画像の表示や全体形状が識別可能な場合は、表示された位置を特定してピント調整を行い、読み取りのリトライ処理を行うことで、コード画像の読み取り及び認識の成功確率を高めることができる。
【0036】
(実施形態1に係るコード画像読取処理)
図6は、実施形態1に係るコード画像読取処理を示すフローチャートである。実施形態1に係るコード画像読取処理は、読取部22による帳票1001の検出又は利用者によるコード画像読取開始指示毎に実行される。
【0037】
先ずステップS21では、読取制御部211は、読取部22で取得した画像への帳票1001の存在、又は、利用者によるコード画像読取開始指示の操作画面30などからの受付けを検出する。
【0038】
次にステップS22では、読取制御部211は、“厳格モード”を設定する。次にステップS23では、コード画像位置表示制御部212は、コード画像位置表示部23を制御して、コード画像位置ガイド22Cを表示する。
【0039】
次にステップS24では、読取制御部211は、帳票1001の外形の少なくとも一部又はコード画像1002を検出したかを判定する。読取制御部211は、帳票1001の外形の少なくとも一部又はコード画像1002を検出した場合(ステップS24YES)にステップS25に処理を移し、検出していない場合(ステップS24NO)にステップS32に処理を移す。
【0040】
ステップS25では、読取制御部211は、コード画像1002を読み取り可かを判定する。読取制御部211は、コード画像1002を読み取り可の場合(ステップS25YES)にステップS26に処理を移し、読み取り不可の場合(ステップS25NO)にステップS31に処理を移す。
【0041】
ステップS26では、読取制御部211は、コード画像1002を読み取る。この読み取りの際、読取制御部211は、コード画像1002をより正確に読み取り易くなるように、読取部22の読取角度を調整してもよい。
【0042】
次にステップS27では、本人確認装置40は、コード画像1002を読み取らせた利用者の認証(本人確認処理)を実行する。本人確認装置40は、ステップS27の認証がOK(ステップS28YES)であればステップS29に処理を移し、NG(ステップS28NO)であればステップS34に処理を移す。
【0043】
ステップS29では、現金自動取引装置100は、コード画像1002を読み取った帳票1001に関する帳票処理(取引処理)を実行する。次にステップS30では、現金自動取引装置100は、ステップS29の帳票処理の結果に係る明細書を出力する。
【0044】
一方、ステップS31では、読取制御部211は、“読取モード”を1段階だけ緩和する。次にステップS32では、報知制御部213は、コード画像1002の適正位置のコード画像位置ガイド22Cへ帳票1001を案内する画像表示を操作画面30から出力したり、音声出力したりする。ステップS32では、コード画像の表示や帳票全体の形状が識別できている場合には、コード画像の位置を推定してこの推定位置にピント調整を合わせて、次の読み取り処理に備えてもよい。
【0045】
次にステップS33では、制御部21は、コード画像1002の読み取り開始(例えばステップS23)から所定時間が経過してタイムアウトしたかを判定する。制御部21は、タイムアウトした場合(ステップS33YES)にステップS34に処理を移し、タイムアウトしていない場合(ステップS33YES)にステップS25に処理を戻す。
【0046】
ステップS34では、制御部21は、コード画像1002の読み取りエラーとなった報知画面を操作画面30から出力したり、音声出力したりする。
【0047】
(実施形態1に係るコード画像読取操作のガイド表示例)
図7及び図8は、実施形態1に係る現金自動取引装置100のコード画像読取操作のガイド表示例を示す図である。
【0048】
図7のガイド表示例は、現金自動取引装置100を前方上面から見た図である。図7のガイド表示例では、帳票1001に表示されているコード画像1002をコード画像位置ガイド22Cの枠内へ誘導するように、操作画面30に案内30D1を表示したり、操作パネル1000上に案内33D2を表示したりしている。コード画像位置ガイド22Cの枠内の空中に、コード画像のアイコンマークを投影してもよい。また、このアイコンマークの周辺に操作ガイダンスを表示することで、読み取り操作を直感的に分かりやすくできる。
【0049】
コード画像の読み取り開始時に帳票1001全体又は外形の少なくとも一部を認識し、認識画像をもとに、帳票1001の外形形状やサイズを保持するデータベース(不図示)を参照するなどして帳票1001の外形形状と寸法を確認し、コード画像の位置を推定する。そして、撮影した帳票1001の画像上にコード画像の推定位置を重ね合わせて表示し、操作画面30に矢印と音声ガイダンスで帳票1001を移動させる方向を案内してもよい。ただし、コード画像の推定位置と実際のコード画像の位置とが異なることが判別した段階で、案内を停止する。また、このようにして帳票内の位置を推定したコード画像に対して、既述のようにピントを推定位置に合わせてコード画像を読み取るようにしてもよい。
【0050】
図8のガイド表示例は、現金自動取引装置100を斜め前方から見た図である。図8のガイド表示例では、帳票1001に表示されているコード画像1002をコード画像位置ガイド22Cの枠内へ移動する方向の表示又は音声出力などを用いて順次誘導する(a)~(d)のアニメーションを表示している。
【0051】
(実施形態1の効果)
本実施形態では、空中に帳票を保持した上でコード画像を読み取るため、操作パネル1000に帳票1001を置く必要がなく、現金自動取引装置100の制約の中で長尺の帳票1001でもコード画像1002の読み取りが可能となる。また、操作画面30などによる操作パネル1000上の凹凸に影響することなく、安定して帳票1001上のコード画像の読み取りが可能となる。例えば操作画面30上に帳票を載置してコード画像を読み取らせる場合、帳票1001のサイズが大きいと、操作画面30からはみだしたり、両サイドの枠などにぶつかり帳票1001が変形したりし、安定しない状態になる。一方、空中に帳票1001を保持してコード画像1002を読み取る場合には、帳票1001が変形することがないため、形状が安定し、コード画像1002を迅速かつ正確に読み取り可能となる。
【0052】
(実施形態1の変形例)
コード画像位置ガイド22Cは、現金自動取引装置100が設置された周囲の環境条件(照度など)に応じて変化する読取部22(コード画像リーダ)の読取性能に応じて範囲を可変としてもよい。現金自動取引装置100が設置された周囲の照度は、照度センサから取得できる。読取部22の読取性能が出る環境条件では、コード画像位置ガイド22Cの範囲を広くして操作性を優先し、読取性能が出ない環境条件ではコード画像位置ガイド22Cの範囲を狭くして読取精度を優先するようにしてもよい。
【0053】
読取部22がカメラである場合、帳票1001の形状の少なくとも一部を捕捉したがコード画像1002を読み取れないとき、コード画像1002の既述の方法による推定位置を基にコード画像1002が読取り可能になる帳票1001の移動方向及び移動量を報知してもよい。あるいは、読取部22の読み取り方向をコード画像1002の推定位置の方向へ変化させてもよい。また、コード画像1002を捕捉したが読み取り位置に至っていない場合も、移動方向及び移動量を利用者に報知してもよい。
【0054】
また、コード画像読取装置20は、セキュリティモードを設け、セキュリティモードが設定された場合に、読取部22による読取範囲を通常モードより狭くし、帳票1001に不必要に光が当たらないなど現金自動取引装置100の周囲から死角になる位置へ帳票1001を誘導する報知を行い、その位置でコード画像1002を読み取るようにしてもよい。このようにすることで、帳票1001に記載の個人情報の保護効果が期待できる。
【0055】
[実施形態2]
図9は、実施形態2に係る現金自動取引装置100Bを示す斜視図である。本実施形態では、コード画像読取装置20Bのコード画像位置ガイド22Cを操作画面30の手前に構成している。
【0056】
本実施形態では、現金自動取引装置100Bの前面パネル101上部中央に搭載したコード画像読取装置20Bは、実施形態1と同様に、コード画像1002を表示する帳票1001のサイズやコード画像1002の表示位置により読み取り角度調整が可能である。さらに、コード画像読取装置20Bは、操作画面30よりも手前にコード画像位置ガイド22Cを照射し、操作パネル1000の一端辺に帳票1001の一辺を置いた状態の帳票1001のコード画像1002を読み取ることができる。操作パネル1000の一端辺に帳票1001の一辺を置いた状態とすることで帳票1001の安定性が増し、コード画像読取装置20Bは、コード画像1002を安定的に読み取ることができる。
【0057】
[実施形態3]
図10及び図11は、実施形態3に係る現金自動取引装置100Cを示す斜視図である。
【0058】
図10及び図11に示すように、コード画像読取装置20Cは、現金自動取引装置100Cの前面パネル101及びコード画像読取装置20Cの下方の現金自動取引装置100Cの通帳入出口及びカード入出口が位置する略鉛直面に備えられた帳票高さガイド表示部25を有する。帳票高さガイド表示部25は、図11に示すように、コード画像1002の読取時に帳票1001を空中に保持する高さの位置をランプやディスプレイなどで表示する。なお、帳票高さガイド表示部25は、実施形態1で示した読取モードに応じて、高さ位置も同様に変化させて表示する。なお、帳票高さガイド表示部25は、ランプやディスプレイなどの光による報知手段ではなく、視認容易なラベルであってもよい。
【0059】
[実施形態4]
図12及び図13は、実施形態4に係る現金自動取引装置100Dを示す斜視図である。本実施形態のコード画像読取装置20Dは、実施形態3の帳票高さガイド表示部25に代えて、帳票配置台26を有する点が異なる。帳票配置台26は、図13に示すように、現金自動取引装置100Dの通帳入出口及びカード入出口が位置する略鉛直面に備えられ、帳票1001の一端辺を置くことで帳票1001を安定的に支持することができる。よって帳票1001の安定性が増し、コード画像読取装置20Dは、コード画像1002を安定的に読み取ることができる。
【0060】
[実施形態5]
図14は、実施形態5に係る現金自動取引装置100Eの機能構成を示す図である。現金自動取引装置100Eは、実施形態1の現金自動取引装置100と比較して、コード画像読取装置20Eが制御部21Eに距離測定部215を有し、距離センサ27を有する点が異なる。
【0061】
距離センサ27は、現金自動取引装置100Eのコード画像読取装置20Eの内部に搭載される反射センサである。距離測定部215は、距離センサ27によって読取部22から帳票1001までの距離情報を取得する。例えばコード画像1002の読取開始時に距離情報が取得される。報知制御部213は、取得された距離情報に基づいて、操作画面30や音声の出力により、帳票1001の現在の高さと、コード画像1002の読み取りに適切な帳票1001の高さを報知し、帳票1001の適切な高さ位置へ案内する。
【0062】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例を含む。例えば、上述の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また矛盾しない限りにおいて、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成で置き換えたり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えたりすることも可能である。また各実施形態の構成の一部について、追加、削除、置換、統合、及び分割をすることが可能である。また実施形態で示した各処理は、処理効率又は実装効率に基づいて適宜分散又は統合してもよい。
【符号の説明】
【0063】
1:筐体、10:全体制御部、20,20B,20C,20D,20E:コード画像読取装置、21,21E:制御部、22:読取部、22C:コード画像位置ガイド、23:コード画像位置表示部、25:高さ位置ガイド表示部、26:帳票配置台、27:距離センサ、30:操作画面、100,100B,100C,100D,100E:現金自動取引装置、211:読取制御部、212:コード画像位置表示制御部、213:報知制御部、214:照明制御部、215:距離測定部、1000:操作パネル、1001:帳票、1002:コード画像。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14