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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082336
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】組立式ベッド
(51)【国際特許分類】
   A47C 19/00 20060101AFI20240613BHJP
   A61G 7/012 20060101ALI20240613BHJP
   A61G 7/015 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
A47C19/00 B
A61G7/012
A61G7/015
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196116
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】599139442
【氏名又は名称】株式会社プラッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】清本 太郎
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040AA05
4C040AA30
4C040BB03
4C040DD05
4C040EE05
(57)【要約】
【課題】組立式ベッドの剛性感や安定感を増大させ、組立式ベッドの寝心地を向上させること。
【解決手段】本発明では、床に設置される基台(2)に横臥者を支持する支持台(3)を組付けた組立式ベッド(1)において、一対の可動部材(ローラー51,52(ローラー63,64))を両端部で支持する支持部材(連結フレーム18(移動フレーム24))を基台(2)に設けるとともに、可動部材を可動可能に受ける一対の受け部材(ブラケット53,54(ブラケット66,67))を支持台(3)に設け、一対の受け部材の間の距離よりも一対の可動部材の間の距離を長くするとともに、一対の可動部材の間の距離を支持部材の変形によって短縮可能とし、支持部材を変形させることによって一対の可動部材の間の距離を短縮させた状態で可動部材を受け部材に組付け可能とすることにした。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床に設置される基台に横臥者を支持する支持台を組付けた組立式ベッドにおいて、
一対の可動部材を両端部で支持する支持部材を基台に設けるとともに、可動部材を可動可能に受ける一対の受け部材を支持台に設け、
一対の受け部材の間の距離よりも一対の可動部材の間の距離を長くするとともに、一対の可動部材の間の距離を支持部材の変形によって短縮可能とし、
支持部材を変形させることによって一対の可動部材の間の距離を短縮させた状態で、可動部材を受け部材に組付け可能としたことを特徴とする組立式ベッド。
【請求項2】
前記受け部材は、少なくとも一対の可動部材の間の距離から一対の受け部材の間の距離まで傾斜するガイドを有することを特徴とする請求項1に記載の組立式ベッド。
【請求項3】
前記支持部材は、中途部を変形可能として一対の可動部材の間の距離を短縮可能としたことを特徴とする請求項1に記載の組立式ベッド。
【請求項4】
床に設置される基台に横臥者を支持する支持台を組付けた組立式ベッドにおいて、
一対の可動部材を両端部で支持する支持部材を基台に設けるとともに、可動部材を可動可能に受ける一対の受け部材を支持台の取付部材に設け、
一対の受け部材の間の距離よりも一対の可動部材の間の距離を長くし、
一対の受け部材の間の距離を取付部材の変形によって伸長可能とし、
取付部材を変形させることによって一対の受け部材の間の距離を伸長させた状態で、可動部材を受け部材に組付け可能としたことを特徴とする組立式ベッド。
【請求項5】
前記受け部材は、少なくとも一対の可動部材の間の距離から一対の受け部材の間の距離まで傾斜するガイドを有することを特徴とする請求項4に記載の組立式ベッド。
【請求項6】
前記可動部材は、受け部材と接する端面を曲面で形成した、あるいは、受け部材と接する端面に傾斜状又は曲面状の面取りを形成したことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載の組立式ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床に設置される基台に横臥者を支持する支持台を組付けた組立式ベッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ベッドは、搬送を容易にするために、基台や支持台などの異なる部材に分離して構成されており、設置場所等で基台に支持台を組付けてベッドを形成する組立式のものが利用されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
この組立式ベッドでは、基台と支持台とを分離して搬送され、設置場所等で基台に支持台を組付けて設置される。
【0004】
そして、従来の組立式ベッドでは、基台に左右一対のローラーを取付けるとともに、支持台に左右のローラーを受けるための一対のブラケットを設け、設置場所等で基台の左右のローラーを支持台の左右のブラケットに装着させることで、基台に支持台を組付けるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5-20662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記従来の組立式ベッドでは、設置場所等で基台に支持台を容易に組付けられるようにするために、基台に設けられた左右のローラーの間の距離を支持台に設けられた左右のブラケットの間の距離よりも短くなるようにしていた。
【0007】
そのため、上記従来の組立式ベッドでは、組付け後に基台の左右のローラーと支持台の左右のブラケットとの間に間隙が形成されてしまい、ベッド使用時にベッド全体がガタつく要因となっており、ベッドの剛性感や安定感が低く寝心地が損なわれてしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、請求項1に係る本発明では、床に設置される基台に横臥者を支持する支持台を組付けた組立式ベッドにおいて、一対の可動部材を両端部で支持する支持部材を基台に設けるとともに、可動部材を可動可能に受ける一対の受け部材を支持台に設け、一対の受け部材の間の距離よりも一対の可動部材の間の距離を長くするとともに、一対の可動部材の間の距離を支持部材の変形によって短縮可能とし、支持部材を変形させることによって一対の可動部材の間の距離を短縮させた状態で可動部材を受け部材に組付け可能とすることにした。
【0009】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記受け部材は、少なくとも一対の可動部材の間の距離から一対の受け部材の間の距離まで傾斜するガイドを有することにした。
【0010】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記支持部材は、中途部を変形可能として一対の可動部材の間の距離を短縮可能とすることにした。
【0011】
また、請求項4に係る本発明では、床に設置される基台に横臥者を支持する支持台を組付けた組立式ベッドにおいて、一対の可動部材を両端部で支持する支持部材を基台に設けるとともに、可動部材を可動可能に受ける一対の受け部材を支持台の取付部材に設け、一対の受け部材の間の距離よりも一対の可動部材の間の距離を長くし、一対の受け部材の間の距離を取付部材の変形によって伸長可能とし、取付部材を変形させることによって一対の受け部材の間の距離を伸長させた状態で、可動部材を受け部材に組付け可能とすることにした。
【0012】
また、請求項5に係る本発明では、前記請求項4に係る本発明において、前記受け部材は、少なくとも一対の可動部材の間の距離から一対の受け部材の間の距離まで傾斜するガイドを有することにした。
【0013】
また、請求項6に係る本発明では、前記請求項1~請求項5のいずれかに係る本発明において、前記可動部材は、受け部材と接する端面を曲面で形成した、あるいは、受け部材と接する端面に傾斜状又は曲面状の面取りを形成することにした。
【発明の効果】
【0014】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0015】
すなわち、本発明では、床に設置される基台に横臥者を支持する支持台を組付けた組立式ベッドにおいて、一対の可動部材を両端部で支持する支持部材を基台に設けるとともに、可動部材を可動可能に受ける一対の受け部材を支持台に設け、一対の受け部材の間の距離よりも一対の可動部材の間の距離を長くするとともに、一対の可動部材の間の距離を支持部材の変形によって短縮可能とし、支持部材を変形させることによって一対の可動部材の間の距離を短縮させた状態で可動部材を受け部材に組付け可能とすることにしているため、組付け後に基台の左右の可動部材と支持台の左右の受け部材との間に間隙が形成されることがなく、ベッド使用時にベッド全体がガタつくことが無くなり、組立式ベッドの剛性感や安定感が増大して寝心地を向上させることができる。
【0016】
また、本発明では、床に設置される基台に横臥者を支持する支持台を組付けた組立式ベッドにおいて、一対の可動部材を両端部で支持する支持部材を基台に設けるとともに、可動部材を可動可能に受ける一対の受け部材を支持台の取付部材に設け、一対の受け部材の間の距離よりも一対の可動部材の間の距離を長くし、一対の受け部材の間の距離を取付部材の変形によって伸長可能とし、取付部材を変形させることによって一対の受け部材の間の距離を伸長させた状態で、可動部材を受け部材に組付け可能とすることにしているため、組付け後に基台の左右の可動部材と支持台の左右の受け部材との間に間隙が形成されることがなく、ベッド使用時にベッド全体がガタつくことが無くなり、組立式ベッドの剛性感や安定感が増大して寝心地を向上させることができる。
【0017】
特に、前記受け部材に少なくとも一対の可動部材の間の距離から一対の受け部材の間の距離まで傾斜するガイドを設けることにした場合には、ガイドに沿って受け部材に可動部材を装着することで支持部材を変形させながら基台に支持台を組付けることができるので、組立式ベッドの組み付け作業の作業性を向上させることができる。
【0018】
また、前記支持部材の中途部を変形可能として一対の可動部材の間の距離を短縮可能とした場合には、組付け時の支持部材の変形を容易に行うことができるので、これによっても組立式ベッドの組み付け作業の作業性を向上させることができる。
【0019】
また、前記可動部材の受け部材と接する端面を曲面で形成した、あるいは、受け部材と接する端面に傾斜状又は曲面状の面取りを形成することにした場合には、基台に支持台を組付ける際に可動部材の端面と受け部材との接触抵抗を軽減させることができるので、これによっても組立式ベッドの組み付け作業の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る組立式ベッドを示す平面図(a)、側面図(b)。
図2】組立式ベッドの昇降機構を示す平面図(a)、側面断面図(b)。
図3】組立式ベッドの上半身及び下半身起倒機構を示す平面図(a)、側面断面図(b)。
図4】組立式ベッドの上半身起倒機構を示す側面拡大断面図。
図5】組立式ベッドの下半身起倒機構を示す側面拡大断面図。
図6】前側の連結機構を示す正面拡大断面図(a)、側面拡大図(b)、側面断面拡大図(c)、可動部材を示す側面拡大図(d)、可動部材を示す側面拡大図(e)。
図7】前側の連結機構を示す説明図。
図8】後側の連結機構を示す正面拡大断面図(a)、側面拡大図(b)、X-X断面拡大図(c)。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係る組立式ベッドの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1図3に示すように、組立式ベッド1は、床等に設置される基台2の上部に横臥者を支持する支持台3を着脱可能(組立及び分離可能)に設け、支持台3の上部に横臥者が横臥する寝台4を着脱可能(組立及び分離可能)に設けている。基台2と支持台3との間には、基台2に対して支持台3(寝台4)を全体的に昇降させるための昇降機構5が設けられている。また、支持台3と寝台4との間には、支持台3に対して寝台4の一部(上半身側)を部分的に起倒させるための上半身起倒機構6が設けられているとともに、支持台3に対して寝台4の一部(下半身側)を部分的に起倒させるための下半身起倒機構7が設けられている。なお、ここでは、便宜的に、組立式ベッド1に横臥する者の足側(図1中における右側)を前側とし、頭側(図1中における左側)を後側として説明する。
【0023】
基台2は、前後方向に伸延する左右一対の基台フレーム8,9の前端下部及び後端下部にキャスター10,11を取付けて移動可能とするとともに、左右の基台フレーム8,9の前部間及び後部間に左右方向に伸延する連結フレーム12,13を取付け(固定し)ている。
【0024】
支持台3は、前後方向に伸延する左右一対の支持台フレーム14,15の前端部間及び後端部間にボード(フットボード16及びヘッドボード17)を着脱可能に取付けるとともに、左右の支持台フレーム14,15の中途部間に左右方向に伸延する連結フレーム18を取付け(固定し)ている。連結フレーム18は、中途部で湾曲させて上半身起倒機構6との干渉(衝突)を回避している。
【0025】
寝台4は、主に横臥者の尻の荷重を受ける(横臥者の尻を下方から支える)ための尻部受台19と、主に横臥者の上半身(尻よりも上側)の荷重を受ける(横臥者の上半身を下方から支える)ための上半身受台20と、主に横臥者の下半身(尻よりも下側)の荷重を受ける(横臥者の下半身を下方から支える)ための下半身受台とで構成している。この下半身受台は、主に横臥者の大腿の荷重を受ける(横臥者の大腿を下方から支える)ための大腿部受台21と、主に横臥者の下腿の荷重を受ける(横臥者の下腿を下方から支える)ための下腿部受台22とに分割して構成している。
【0026】
尻部受台19は、支持台3(支持台フレーム14,15)の概略中央上部に水平状に固定されている。
【0027】
上半身受台20は、支持台3(支持台フレーム14,15)の後側(尻部受台19よりも後側)上部に前端部を上下回動自在に枢着することによって支持台3や尻部受台19に対して起倒可能に設けられている。この上半身受台20は、後述する支持機構によって支持台3(支持台フレーム14,15)で支持されており、支持台フレーム14,15に沿って前後に移動しながら支持台フレーム14,15に対して上下に起倒するようになっている。なお、上半身受台20は、主に横臥者の肩(肩甲骨)よりも下側の背中(背骨)の荷重を受ける(横臥者の肩(肩甲骨)よりも下側の背中(背骨)を下方から支える)ための背部受台と、主に横臥者の肩(肩甲骨)から上側の肩及び頭の荷重を受ける(横臥者の肩(肩甲骨)から上側の肩及び頭を下方から支える)ための肩部受台とに分割して構成してもよい。
【0028】
下半身受台は、支持台3(支持台フレーム14,15)の尻部受台19よりも前側上部に大腿部受台21の後端部を上下回動自在に枢着している。これにより、大腿部受台21は、支持台3や尻部受台19に対して起倒可能となっている。また、下半身受台は、大腿部受台21の前端部に下腿部受台22の後端部を上下回動自在に枢着している。これにより、下腿部受台22は、支持台3や尻部受台19に対して大腿部受台21とともに起倒するとともに、大腿部受台21に対して起倒可能(自由に屈曲可能)となっている。なお、下腿部受台22は、後端部が大腿部受台21の前端部とともに動き、前端部が支持台3(支持台フレーム14,15)の上面に沿って動くようになっている。
【0029】
昇降機構5は、基台フレーム8,9の中途部間内側に左右方向に伸延する基台側の移動フレーム23を基台フレーム8,9に沿って前後移動可能に取付けるとともに、支持台フレーム14,15の中途部間内側に左右方向に伸延する支持台側の移動フレーム24を支持台フレーム14,15に沿って前後移動可能に取付けている。この昇降機構5の基台側の移動フレーム23と支持台側の移動フレーム24は、後述する支持機構によって基台フレーム8,9と支持台フレーム14,15でそれぞれ支持されている。支持台側の移動フレーム24は、中途部で湾曲させて下半身起倒機構7との干渉(衝突)を回避している。
【0030】
また、昇降機構5は、基台2の後側の連結フレーム13と基台側の移動フレーム23に左右一対のクロスバー25,26の下端部を左右に間隔をあけて上下回動自在に取付けるとともに、支持台3の後側の連結フレーム18と支持台側の移動フレーム24にクロスバー25,26の上端部を左右に間隔をあけて上下回動自在に取付けている。クロスバー25,26は、中央部で上下回動自在に連結されている。
【0031】
さらに、昇降機構5は、基台2の前側の連結フレーム12の中央部と支持台側の移動フレーム24の中央部との間にアクチュエーター27を上下回動自在に取付けている。なお、アクチュエーター27は、モーターとロッドで構成しており、モーター側(基端部側)が連結フレーム12に上下回動自在に取付けられ、ロッド側(先端部側)が支持台側の移動フレーム24に上下回動自在に取付けられている。昇降機構5のアクチュエーター27の下方には、アクチュエーター27を下方から保護する(下方からの力が上方のアクチュエーター27に直接かからないように保護する)ための保護体28を設けている。保護体28は、連結フレーム12の下部に前方に向けて水平に伸延させた状態で取付けられている。
【0032】
そして、昇降機構5は、アクチュエーター27のロッドを伸縮させることで、基台2に対して支持台3(寝台4)を上下に昇降させることができるようになっている。なお、昇降機構5は、基台2に対して支持台3(寝台4)を上下に昇降させることができればよく、上記構成に限定されるものではない。
【0033】
上半身起倒機構6は、支持台フレーム14,15の後側中途部間に左右方向に伸延するとともに中央部を前側下方に向けて湾曲させた支持フレーム29を取付け、支持フレーム29の中央部に前側上方へ向けて伸延する支持アーム30,31を左右に間隔をあけて取付けている。左右の支持アーム30,31の間には、前後方向に伸延する可動体32の基端部(前端部)が上下回動自在に軸支されており、可動体32の先端部(後端部)には、左右にローラー33,34が回動自在に軸支されている。左右のローラー33,34は、上半身受台20の下部に上半身受台20に沿って転動可能に当接されている。可動体32は、後述する支持機構によって左右の支持アーム30,31の先端部で支持されている。
【0034】
また、上半身起倒機構6は、支持台フレーム14,15の後端部間に左右方向に伸延する支持フレーム35を取付け、支持フレーム35の中央部に下方へ向けて伸延する支持体36を取付けている。
【0035】
さらに、上半身起倒機構6は、支持体36の前側下部と可動体32の下側中途部との間にアクチュエーター37を上下回動自在に取付けている。なお、アクチュエーター37は、モーターとロッドで構成しており、モーター側(基端部側)が支持体36に上下回動自在に取付けられ、ロッド側(先端部側)が可動体32に上下回動自在に取付けられている。上半身起倒機構6のアクチュエーター37の下方には、アクチュエーター37を下方から保護する(下方からの力が上方のアクチュエーター37に直接かからないように保護する)ための保護体38を設けている。保護体38は、基端部が支持体36の前側下部に前側上方に向けて屈曲させた状態で取付けられており、先端部が支持フレーム29の中央後部に取付けられている。
【0036】
そして、上半身起倒機構6は、アクチュエーター37のロッドを伸縮させることで、図4に示すように、支持台3に対して上半身受台20を上下に起倒させることができるようになっている。なお、上半身起倒機構6は、支持台3に対して上半身受台20を上下に起倒させることができればよく、上記構成に限定されるものではない。
【0037】
下半身起動機構7は、支持台フレーム14,15の中途部前側間に左右方向に伸延する支持フレーム39を取付け、支持フレーム39の中央部に前側上方へ向けて伸延する支持アーム40,41を左右に間隔をあけて取付けている。左右の支持アーム40,41の間には、前後方向に伸延する可動体42の基端部(後端部)が上下回動自在に軸支されており、可動体42の先端部(前端部)には、左右にローラー43,44が回動自在に軸支されている。左右のローラー43,44は、大腿部受台21の下部に大腿部受台21に沿って転動可能に当接されている。可動体42は、後述する支持機構によって支持アーム40,41で支持されている。
【0038】
また、下半身起倒機構7は、支持台フレーム14,15の中途部後側間に左右方向に伸延する支持フレーム45を取付け、支持フレーム45の中央部に下方へ向けて伸延する支持体46を取付けている。
【0039】
さらに、下半身起倒機構7は、支持体46の前側下部と可動体42の下側後部との間にアクチュエーター47を上下回動自在に取付けている。なお、アクチュエーター47は、モーターとロッドで構成しており、モーター側(基端部側)が支持体46に上下回動自在に取付けられ、ロッド側(先端部側)が可動体42に上下回動自在に取付けられている。下半身起倒機構7のアクチュエーター47の下方には、アクチュエーター47を下方から保護する(下方からの力が上方のアクチュエーター47に直接かからないように保護する)ための保護体48を設けている。保護体48は、基端部が支持体46の前側下部に前側上方に向けて左右に分岐して屈曲させた状態で取付けられており、二股状の先端部が支持フレーム39の中央後部に左右に間隔をあけて取付けられている。
【0040】
そして、下半身起倒機構7は、アクチュエーター47のロッドを伸縮させることで、図5に示すように、支持台3に対して下半身受台(大腿部受台21及び下腿部受台22)を上下に起倒させることができるようになっている。なお、下半身起倒機構7は、支持台3に対して下半身受台(大腿部受台21及び下腿部受台22)を上下に起倒させることができればよく、アクチュエーター47を用いずに上半身起倒機構6のアクチュエーター37と可動体42とを連動連結させた構成としてもよく、上記構成に限定されるものではない。
【0041】
組立式ベッド1は、概ね以上に説明した構成となっており、基台2に支持台3を組付けるために基台2と支持台3との間に前後の連結機構49,50が設けられている。
【0042】
前側の連結機構49は、図2及び図6図7に示すように、基台2に設けられた左右に伸延する連結フレーム18と、支持台3の左右側部に設けられた支持台フレーム14,15との間に設けられている。
【0043】
この前側の連結機構49では、中途部で湾曲させた連結フレーム18の左右両端部に一対のローラー51,52を回動自在に取付けるとともに、左右の支持台フレーム14,15の内側に一対のブラケット53,54を取付けており、ブラケット53,54にローラー51,52を可動(回動)可能に装着することによって基台2に支持台3を組付けられるようにしている。ここで、連結フレーム18は、ローラー51,52を支持する支持部材として機能している。また、ローラー51,52は、ブラケット53,54に対して可動(回動)する可動部材として機能している。さらに、ブラケット53,54は、ローラー51,52を可動(回動)可能に受ける受け部材として機能している。また、支持台フレーム14,15は、ブラケット53,54を取付ける取付部材として機能している。
【0044】
可動部材としてのローラー51,52は、支持部材としての連結フレーム18の左右両端部に回転軸55を介して回動自在に取付けられている。
【0045】
受け部材としてのブラケット53,54は、支持台フレーム14,15に取付けられた平板状の基部56の前後及び上側外縁に壁状の保持部57を形成している。保持部57は、前後側部を平行に上下に伸延させるとともに、上端部を円弧形状に形成している。
【0046】
そして、組立式ベッド1を組立てた状態では、ローラー51,52の端面58がブラケット53,54の基部56の表面59に当接し、ローラー51,52の外周面60がブラケット53,54の保持部57の内側面61に当接し、ローラー51,52が保持部57で保持されながら回動できるようになっている。
【0047】
支持部材としての連結フレーム18は、弾性を有する素材で形成され、中途部を湾曲させており、弾性変形させることで左右への伸延方向に対して僅かに短縮させることができるようになっている。
【0048】
そして、連結フレーム18は、図7に示すように、基台2に支持台3を組付ける前の状態(図7中に、実線で示した状態)では、左右一対のローラー51,52の端面58の間の距離L1が左右一対のブラケット53,54の基部56の表面59の間の距離L2よりも長くなっており、湾曲させた中途部を弾性により変形させた状態(図7中に、一点鎖線で示した状態)では、左右一対のブラケット53,54の基部56の表面59の間の距離L2にまで短縮させることができるようになっている。
【0049】
左右一対のブラケット53,54には、傾斜壁状のガイド62が設けられている。この左右のブラケット53,54に設けられたガイド62は、下端部同士の間の距離が連結フレーム18を短縮させていない状態(基台2に支持台3を組付ける前の状態)における一対のローラー51,52の端面58の間の距離L1より大きくとなっており、上端部同士の間の距離が左右一対のブラケット53,54の基部56の表面59の間の距離L2となり、少なくとも一対のローラー51,52の端面58の間の距離L1から左右一対のブラケット53,54の基部56の表面59の間の距離L2まで内側上向きに傾斜した状態となっている。
【0050】
そのため、基台2に支持台3を組付ける際には、基台2のローラー51,52の上端に支持台3のブラケット53,54のガイド62,62の下端を上方から当接させながら支持台3を下方へ向けて押圧することで、ガイド62,62の傾斜に沿って連結フレーム18が左右伸延方向に対して伸縮され、左右のローラー51,52が左右のブラケット53,54の内側に収容されて、ローラー51,52の端面58がブラケット53,54の基部56の表面59に当接し、ローラー51,52の外周面60がブラケット53,54の保持部57の内側面61に当接した状態となる。
【0051】
ブラケット53,54と接するローラー51,52の端面58は、図6(c)に示すように、平坦面で形成してもよいが、これに限られず、図6(d)に示すように、曲面で形成してもよく、図6(e)に示すように、面取りを形成してもよい。なお、面取りは、傾斜状の面取り(C面取り)に限られず、曲面状の面取り(R面取り)でもよい。これにより、基台2に支持台3を組付ける際に可動部材(ローラー51,52)の端面58と受け部材(ブラケット53,54)との接触抵抗を軽減させ、容易に基台2に支持台3を組付けることができる。
【0052】
このように、前側の連結機構49では、基台2に対して支持台3を上方から下方へ向けて押圧することによって、支持部材としての連結フレーム18が湾曲した中途部で撓み、あるいは、弾性を有する素材で形成した可動部材としてのローラー51,52が弾性変形するなどして、支持部材の弾性変形によって一対の可動部材の間の距離を僅かに短縮させることができるようになっている。また、前側の連結機構49では、基台2に対して支持台3を上方から下方へ向けて押圧することによって、取付部材としての支持台フレーム14,15がベッドの外側方向に撓み、取付部材の弾性変形によって一対の受け部材の間の距離を僅かに伸長させることができるようになっている。
【0053】
これにより、前側の連結機構49では、基台2に支持台3を容易に組み付けることができ、基台2に支持台3を組付けた状態において、ローラー51,52の端面58とブラケット53,54の基部56の表面59との間に間隙が形成されず、基台2に対して支持台3がガタつく(横揺れする)のを防止している。
【0054】
後側の連結機構50は、図2及び図8に示すように、基台2に設けられた左右に伸延する移動フレーム24と、支持台3の左右側部に設けられた支持台フレーム14,15との間に設けられている。
【0055】
この後の連結機構50では、前側の連結機構49と同様に、中途部で湾曲させた移動フレーム24の左右両端部に一対のローラー63,64を回転軸65を介して回動自在に取付けるとともに、左右の支持台フレーム14,15の内側に一対のブラケット66,67を取付けており、ブラケット66,67にローラー63,64を可動(回動及び摺動)可能に装着することによって基台2に支持台3を組付けられるようにしている。ここで、移動フレーム24は、ローラー63,64を支持する支持部材として機能している。また、ローラー63,64は、ブラケット66,67に対して可動(回動及び摺動)する可動部材として機能している。さらに、ブラケット66,67は、ローラー63,64を可動(回動及び摺動)可能に受ける受け部材として機能している。また、支持台フレーム14,15は、ブラケット66,67を取付ける取付部材として機能している。
【0056】
後側の支持機構のブラケット66,67は、支持台フレーム14,15に取付けられた横長平板状の基部68の上下端縁に横長壁状の保持部69,70を上下に間隔をあけて平行に形成している。基部68の前後端縁には、ローラー63,64(移動フレーム24)の摺動を規制するための壁状のストッパー71,72が設けられている。
【0057】
そして、組立式ベッド1を組立てた状態では、ローラー63,64の端面73がブラケット66,67の基部68の表面74に当接し、ローラー63,64の外周面75がブラケット66,67の保持部69,70の内側面76,77に当接し、ローラー63,64が上下の保持部69,70で保持されながら回動するとともに保持部69,70に沿って摺動できるようになっている。
【0058】
移動フレーム24は、前側の連結機構49の連結フレーム18と同様に、弾性を有する素材で形成され、中途部を湾曲させており、弾性変形させることで左右への伸延方向に対して僅かに短縮させることができるようになっている。この移動フレーム24は、基台2に支持台3を組付ける前の状態では、左右一対のローラー63,64の端面73の間の距離が左右一対のブラケット66,67の基部68の表面74の間の距離よりも長くなっており、湾曲させた中途部を弾性により変形させた状態では、左右一対のブラケット66,67の基部68の表面74の間の距離にまで短縮させることができるようになっている。
【0059】
また、左右一対のブラケット66,67には、前側の連結機構49のブラケット53,54と同様に、傾斜壁状のガイド78が設けられている。このガイド78も、下端部同士の間の距離が移動フレーム24を短縮させていない状態(基台2に支持台3を組付ける前の状態)における一対のローラー63,64の端面73の間の距離より大きくなっており、上端部同士の間の距離が左右一対のブラケット66,67の基部68の表面74の間の距離となり、少なくとも一対のローラー63,64の端面73の間の距離から左右一対のブラケット66,67の基部68の表面74の間の距離まで内側上向きに傾斜した状態となっている。
【0060】
そのため、基台2に支持台3を組付ける際には、基台2のローラー63,64の上端に支持台3のブラケット66,67のガイド78,78の下端を上方から当接させながら支持台3を下方へ向けて押圧することで、ガイド78,78の傾斜に沿って移動フレーム24が左右伸延方向に対して伸縮され、左右のローラー63,64が左右のブラケット66,67の内側に収容されて、ローラー63,64の端面73がブラケット66,67の基部68の表面74に当接し、ローラー63,64の外周面75がブラケット66,67の上側の保持部69の内側面76に当接した状態となる。
【0061】
ブラケット66,67と接するローラー63,64の端面58は、前側の連結機構49と同様に、平坦面で形成した場合に限られず、曲面で形成してもよく、面取り(C面取又はR面取り)を形成してもよい。これにより、基台2に支持台3を組付ける際に可動部材(ローラー63,64)の端面73と受け部材(ブラケット66,67)との接触抵抗を軽減させ、容易に基台2に支持台3を組付けることができる。
【0062】
このように、後側の連結機構50では、基台2に対して支持台3を上方から下方へ向けて押圧することによって、支持部材としての移動フレーム24が湾曲した中途部で撓み、あるいは、弾性を有する素材で形成した可動部材としてのローラー63,64が弾性変形するなどして、支持部材の弾性変形によって一対の可動部材の間の距離を僅かに短縮させることができるようになっている。また、後の連結機構50では、基台2に対して支持台3を上方から下方へ向けて押圧することによって、取付部材としての支持台フレーム14,15がベッドの外側方向に撓み、取付部材の弾性変形によって一対の受け部材の間の距離を僅かに短縮させることができるようになっている。
【0063】
これにより、後側の連結機構50では、基台2に支持台3を容易に組み付けることができ、基台2に支持台3を組付けた状態において、ローラー63,64の端面73とブラケット66,67の基部68の表面74との間に間隙が形成されず、基台2に対して支持台3がガタつく(横揺れする)のを防止している。
【0064】
組立式ベッド1は、以上に説明したように構成しており、前後の連結機構49,50を用いて基台2と支持台3とを連結することで基台2に支持台3を組付けることができるようになっている。
【0065】
以上に説明したように、組立式ベッド1は、一対の可動部材(ローラー51,52(ローラー63,64))を両端部で支持する支持部材(連結フレーム18(移動フレーム24))を基台2に設けるとともに、可動部材(ローラー51,52(ローラー63,64))を可動可能に受ける一対の受け部材(ブラケット53,54(ブラケット66,67))を支持台3の取付部材(支持台フレーム14,15)に設け、一対の受け部材(ブラケット53,54(ブラケット66,67))の間の距離よりも一対の可動部材(ローラー51,52(ローラー63,64))の間の距離を長くし、一対の可動部材(ローラー51,52(ローラー63,64))の間の距離を支持部材(連結フレーム18(移動フレーム24))の変形によって短縮可能とし、又は/及び、一対の受け部材(ブラケット53,54(ブラケット66,67))の間の距離を取付部材(支持台フレーム14,15)の変形によって伸長可能とし、支持部材(連結フレーム18(移動フレーム24))を変形させることによって一対の可動部材(ローラー51,52(ローラー63,64))の間の距離を短縮させた状態で、又は/及び、取付部材(支持台フレーム14,15)を変形させることによって一対の受け部材(ブラケット53,54(ブラケット66,67)の間の距離を伸長させた状態で、可動部材(ローラー51,52(ローラー63,64))を受け部材(ブラケット53,54(ブラケット66,67))に組付け可能とした構成となっている。
【0066】
そのため、上記構成の組立式ベッド1では、組付け後に基台2の左右の可動部材(ローラー51,52(ローラー63,64))と支持台3の左右の受け部材(ブラケット53,54(ブラケット66,67))との間に間隙が形成されることがなく、ベッド使用時にベッド全体がガタつくことが無くなり、組立式ベッド1の剛性感や安定感が増大して寝心地を向上させることができる。
【0067】
また、上記組立式ベッド1は、受け部材(ブラケット53,54(ブラケット66,67))に少なくとも一対の可動部材(ローラー51,52(ローラー63,64))の間の距離から一対の受け部材(ブラケット53,54(ブラケット66,67))の間の距離まで傾斜するガイド62(78)を設けた構成となっている。
【0068】
そのため、上記構成の組立式ベッド1では、ガイド62(78)に沿って受け部材(ブラケット53,54(ブラケット66,67))に可動部材(ローラー51,52(ローラー63,64))を装着することで支持部材(連結フレーム18(移動フレーム24))を変形させながら基台2に支持台3を組付けることができるので、組立式ベッド1の組み付け作業の作業性を向上させることができる。
【0069】
また、上記組立式ベッド1は、支持部材(連結フレーム18(移動フレーム24))の中途部を変形可能として一対の可動部材(ローラー51,52(ローラー63,64))の間の距離を短縮可能な構成となっている。なお、支持部材(連結フレーム18(移動フレーム24))は、中途部で変形可能であればよく、弾性部材の中途部を湾曲させた形状とすることによって中途部(湾曲部分)で変形可能としてもよく、左右に伸延させた弾性部材の両端に上下に伸延させた連結部材を取付けて全体で中途部を凹状に屈曲させた形状とすることによって中途部(弾性部材)で変形可能としてもよく、両端部を変形が困難な剛性部材等で形成するとともに両端部の間を変形が容易な弾性部材で形成することで中途部(弾性部材)で変形可能としてもよい。
【0070】
そのため、上記構成の組立式ベッド1では、組付け時の支持部材(連結フレーム18(移動フレーム24))の変形を容易に行うことができるので、これによっても組立式ベッド1の組み付け作業の作業性を向上させることができる。
【0071】
また、上記組立式ベッド1は、可動部材(ローラー51,52(ローラー63,64))の受け部材(ローラー51,52(ローラー63,64))と接する端面58(73)を曲面で形成した、あるいは、受け部材(ブラケット53,54(ブラケット66,67))と接する端面58(73)に傾斜状又は曲面状の面取りを形成した構成となっている。
【0072】
そのため、上記構成の組立式ベッド1では、基台2に支持台3を組付ける際に可動部材(ローラー51,52(ローラー63,64))の端面58(73)と受け部材(ブラケット53,54(ブラケット66,67))との接触抵抗を軽減させることができるので、これによっても組立式ベッド1の組み付け作業の作業性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0073】
1 組立式ベッド 2 基台
3 支持台 4 寝台
5 昇降機構 6 上半身起倒機構
7 下半身起倒機構 8,9 基台フレーム
10,11 キャスター 12,13 連結フレーム
14,15 支持台フレーム 16 フットボード
17 ヘッドボード 18 連結フレーム
19 尻部受台 20 上半身受台
21 大腿部受台 22 下腿部受台
23 移動フレーム 24 移動フレーム
25,26 クロスバー 27 アクチュエーター
28 保護体 29 支持フレーム
30,31 支持アーム 32 可動体
33,34 ローラー 35 支持フレーム
36 支持体 37 アクチュエーター
38 保護体 39 支持フレーム
40,41 支持アーム 42 可動体
43,44 ローラー 45 支持フレーム
46 支持体 47 アクチュエーター
48 保護体 49,50 支持機構
51,52 ローラー 53,54 ブラケット
55 回転軸 56 基部
57 保持部 58 端面
59 表面 60 外周面
61 内側面 62 ガイド
63,64 ローラー 65 回転軸
66,67 ブラケット 68 基部
69,70 保持部 71,72 ストッパー
73 端面 74 表面
75 外周面 76,77 内側面
78 ガイド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8