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特開2024-82341刃先交換式切削工具および切削インサート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082341
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】刃先交換式切削工具および切削インサート
(51)【国際特許分類】
   B23B 27/10 20060101AFI20240613BHJP
   B23B 27/16 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
B23B27/10
B23B27/16 A
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196125
(22)【出願日】2022-12-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000221144
【氏名又は名称】株式会社タンガロイ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】大塚 潤
(72)【発明者】
【氏名】望月 桂
【テーマコード(参考)】
3C046
【Fターム(参考)】
3C046BB07
3C046EE01
(57)【要約】
【課題】小径の内径溝入れや溝幅が狭い溝入れのようなクーラントが加工点に到達し難い加工においてもより確実かつ直接的にクーラントを加工点に到達させてより効率的な冷却、潤滑を図る。
【解決手段】切れ刃21を備えた切削インサート20が工具本体10の軸線方向先端部10tのインサート取付座に止めねじで着脱可能に取り付けられる構造の刃先交換式切削工具1であって、工具本体10に設けられた、クーラント供給用のクーラント流路12と、インサート取付座に設けられた開口部13と、該開口部13から吐出されたクーラント50の少なくとも一部が流れる流路を形成する、切削インサート20に設けられた凹部23と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切れ刃を備えた切削インサートが工具本体の軸線方向先端部のインサート取付座に止めねじで着脱可能に取り付けられる構造の刃先交換式切削工具であって、
前記工具本体に設けられた、クーラント供給用のクーラント流路と、
前記インサート取付座に設けられた、前記クーラント流路の開口部と、
該開口部から吐出された前記クーラントの少なくとも一部が流れる流路を形成する、前記切削インサートに設けられた凹部と、
を備える、刃先交換式切削工具。
【請求項2】
前記開口部と前記凹部とが、前記切れ刃のほうを向くクーラント吐出部を形成するように設けられている、請求項1に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項3】
前記クーラント吐出部は、前記切れ刃の一部に向けて前記クーラントを吐出する形状に形成されている、請求項2に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項4】
前記クーラント吐出部は、前記開口部と前記凹部とが組み合わされて略円形となる形に形成されている、請求項3に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項5】
前記凹部は、ディンプル状である、請求項1に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項6】
前記凹部は、半球状のディンプルで形成されている、請求項5に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項7】
前記凹部は、前記切れ刃に近い側が深くなるように設けられている、請求項4に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項8】
前記クーラント流路の前記開口部の一部がディンプル状である、請求項1に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項9】
前記切削インサートに前記凹部が複数設けられている、請求項1から8のいずれか一項に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項10】
前記切削インサートは、所定の軸を中心に回した状態あるいは表面と裏面とを入れ替えた状態としても異なる切れ刃を使用することが可能な対称形状である、請求項9に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項11】
クーラント供給用のクーラント流路を有する刃先交換式切削工具の工具本体の軸線方向先端部のインサート取付座に止めねじで着脱可能な切削インサートであって、
前記クーラント流路の開口部に対応する位置に設けられた凹部を有し、前記インサート取付座に取り付けられた状態で、前記開口部から吐出された前記クーラントの少なくとも一部が流れる流路を形成する、切削インサート。
【請求項12】
前記凹部は、前記切れ刃に近い側が深くなるように設けられている、請求項11に記載の切削インサート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刃先交換式切削工具および切削インサートに関する。
【背景技術】
【0002】
切削インサートでワークを切削する箇所(加工点)に向けクーラントを供給するようにした従来の工具としては、切削インサートと座との隙間からクーラントを噴出する構造の刃先交換式内径溝入れ工具(例えば特許文献1参照)や、切削インサートの凹部をクーラント流路の一部とする構造の工具(例えば特許文献2,3参照)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-179380号公報
【特許文献2】特開2013-107196号公報
【特許文献3】特表2013-519537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、切削加工の形態を変えた場合や異なる形状のワークを加工対象とした場合、加工点にクーラントが十分に到達しなくなる場合がある。たとえば、小径の内径溝入れや溝幅が狭い溝入れといった切削加工においては、クーラントが加工点に到達し難いことが多い。
【0005】
そこで、本発明は、小径の内径溝入れや溝幅が狭い溝入れのようなクーラントが加工点に到達し難い加工においてもより確実かつ直接的にクーラントを加工点に到達させてより効率的な冷却、潤滑を図ることができるようにした刃先交換式切削工具および切削インサートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、切れ刃を備えた切削インサートが工具本体の軸線方向先端部のインサート取付座に止めねじで着脱可能に取り付けられる構造の刃先交換式切削工具であって、
工具本体に設けられた、クーラント供給用のクーラント流路と、
インサート取付座に設けられた、クーラント流路の開口部と、
該開口部から吐出されたクーラントの少なくとも一部が流れる流路を形成する、切削インサートに設けられた凹部と、
を備える、刃先交換式切削工具である。
【0007】
かかる態様の刃先交換式切削工具によれば、切削インサートに設けられた凹部とインサート取付座に設けられた開口部とが協働して切れ刃にクーラントを吐出する部分(クーラント吐出部)を形成することができる。こうした場合には、従前よりも切れ刃に近い位置からクーラントを供給できるようになることから、これまでよりもさらに効率的な冷却や潤滑を図り、ひいては、工具の長寿命化や加工面品位の向上を実現することが可能となる。
【0008】
上記のごとき刃先交換式切削工具において、開口部と凹部とが、切れ刃のほうを向くクーラント吐出部を形成するように設けられていてもよい。
【0009】
上記のごとき刃先交換式切削工具において、クーラント吐出部は、切れ刃の一部に向けてクーラントを吐出する形状に形成されていてもよい。
【0010】
上記のごとき刃先交換式切削工具において、クーラント吐出部は、開口部と凹部とが組み合わされて略円形となる形に形成されていてもよい。
【0011】
上記のごとき刃先交換式切削工具において、凹部は、ディンプル状であってもよい。
【0012】
上記のごとき刃先交換式切削工具において、凹部は、半球状のディンプルで形成されていてもよい。
【0013】
上記のごとき刃先交換式切削工具において、凹部は、切れ刃に近い側が深くなるように設けられていてもよい。
【0014】
上記のごとき刃先交換式切削工具において、クーラント流路の開口部の一部がディンプル状であってもよい。
【0015】
上記のごとき刃先交換式切削工具において、切削インサートに凹部が複数設けられていてもよい。
【0016】
上記のごとき刃先交換式切削工具において、切削インサートは、所定の軸を中心に回した状態あるいは表面と裏面とを入れ替えた状態としても異なる切れ刃を使用することが可能な対称形状であってもよい。
【0017】
本発明の別の一態様は、クーラント供給用のクーラント流路を有する刃先交換式切削工具の工具本体の軸線方向先端部のインサート取付座に止めねじで着脱可能に取り付けられる構造の切削インサートであって、
クーラント流路の開口部に対応する位置に設けられた凹部を有し、インサート取付座に取り付けられた状態で、開口部から吐出されたクーラントの少なくとも一部が流れる流路を形成する、切削インサートである。
【0018】
上記のごとき切削インサートにおいて、凹部は、切れ刃に近い側が深くなるように設けられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態における刃先交換式切削工具の先端部分を側部から見た図である。
図2】刃先交換式切削工具の先端部分を、クーラント吐出部が設けられた側部から見た図である。
図3】刃先交換式切削工具の先端部分を示す斜視図である。
図4】凹部が設けられた切削インサートの一例を示す斜視図である。
図5】クーラント流路の開口部が設けられたシャンク(工具本体)の先端部を示す斜視図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る刃先交換式切削工具の先端部分を示す斜視図である。
図7図6に示した刃先交換式切削工具の先端部分を側部から見た図である。
図8図6に示した刃先交換式切削工具の先端部分を、クーラント吐出部が設けられた側部から見た図である。
図9図6に示したものとは切れ刃等の構成が異なる刃先交換式切削工具の先端部分を示す斜視図である。
図10】本発明の第3実施形態に係る刃先交換式切削工具の先端部分を示す斜視図である。
図11】複数の凹部が設けられた切削インサートの一例を示す斜視図である。
図12】クーラント流路の開口部が複数設けられたシャンク(工具本体)の先端部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る刃先交換式切削工具および切削インサートの好適な実施形態について詳細に説明する(図1等参照)。
【0021】
本発明に係る刃先交換式切削工具1は、工具本体たるシャンク10の先端部10tのインサート取付座11に、止めねじ40を用いて切削インサート20を着脱できるようにした構造の切削工具であり、切削インサート20を取り替えたりその向きを異ならせたりすることによって切れ刃(刃先)21を交換することができるようになっている(図1等参照)。
【0022】
シャンク10は、刃先交換式切削工具1の工具本体となる部材であり、その中心軸10Cに沿って延びる形状となっている。中心軸10Cに沿った方向(軸線方向)の先端部10tにはインサート取付座11が設けられている(図5参照)。このインサート取付座11には、止めねじ40を螺合させるための雌ねじ部14が設けられており、止めねじ40を使って切削インサート20を着脱することが可能となっている。雌ねじ部14の具体的な態様は特に限定されるものではないが、一例として、本実施形態の刃先交換式切削工具1では、中心軸10Cに沿って延びる雌ねじ部14をインサート取付座11に設けている(図5参照)。
【0023】
シャンク10には、クーラント流路12と、開口部13とが設けられている。クーラント流路12は、ワーク(図示省略)を切削する箇所すなわち加工点に向けてクーラントを供給するための流路で、シャンク10の基端部(図示省略)から先端部10tに向けて延びている(図1等参照)。開口部13は、先端部10t側におけるクーラント流路12が開口した部分で、クーラント(図1図7において、クーラントの流れを示す矢印をもって当該クーラント(符号50)を模式的に示している)の吐出口となる。本実施形態では、インサート取付座11にこの開口部13を設けている(図5参照)。
【0024】
切削インサート20は、切れ刃21と、ねじ穴22とを備えている。単一の切削インサート20に複数の切れ刃21が設けられていてもよい(図4等参照)。ねじ穴22は、当該切削インサート20の略中央に設けられている。本実施形態の切削インサート20は、止めねじ40でインサート取付座11に取り付けられると、切れ刃21がシャンク10の中心軸10Cに対して径方向外側を向いた状態となるように形成されている(図1図2等参照)。
【0025】
切削インサート20には、クーラント流路12の開口部13から吐出されたクーラント50の少なくとも一部が流れる流路を形成するように凹部23が設けられている(図4等参照)。この凹部23とシャンク10の開口部13とは、インサート取付座11に切削インサート20を取り付けた状態としたとき、切れ刃21のほうを向き、切れ刃21の少なくとも一部に向けてクーラント50を吐出する形状のクーラント吐出部30を形成するように設けられている。このような刃先交換式切削工具1によれば、インサート取付座11に切削インサート20を取り付けたとき、開口部13と凹部23とが互いに協働し、切れ刃21に向けてクーラント50を吐出させることができる。しかも、このようなクーラント吐出部30を備えた刃先交換式切削工具1によれば、シャンクのみに凹部を備えた構造の従来の切削工具と比較して、より切れ刃21に近い位置からクーラント50を供給できるようになる。したがって、従前よりもさらに効率的な冷却や潤滑を図り、ひいては、工具の長寿命化や加工面品位の向上を実現することが可能となる。
【0026】
以下では、上記のごとき構造を、(1)4枚の切れ刃21を備えた切削インサート20がシャンク10に装着される構造の、内径溝入れ加工などに用いられる刃先交換式切削工具1に適用した第1実施形態、(2)内径加工用ねじ切り工具あるいは内径加工用前挽き工具に適用した第2実施形態、(3)シャンク(工具本体)10のクーラント流路12の開口部13と、切削インサート20の凹部23とをそれぞれ複数設けた第3実施形態として、順に説明する。
【0027】
[第1実施形態]
本実施形態の刃先交換式切削工具1は内径溝入れ加工などに用いられる工具であり、シャンク10と、該シャンク10の先端部10tのインサート取付座11に止めねじ40を使って取り付けられる切削インサート20とで構成される(図1図5参照)。切削インサート20は、ねじ穴22の中心を通る軸22Cを中心に180°回転させて使用することができ、かつ、表裏を反転させて入れ替えても使用することができる、片面2つ、両面で計4つの切れ刃21を有する構造となっている(図4参照)。
【0028】
シャンク10のインサート取付座11には、クーラント流路12の開口部13が設けられている(図2図5参照)。切削インサート20の底面(インサート取付座11と当接する面)24のうち、インサート取付座11に取り付けられた状態でこの開口部13と対向する部分には凹部23が設けられている(図3図4等参照)。これら開口部13と凹部23は、クーラント流路12を通って供給されたクーラント50を、切れ刃21の少なくとも一部に向けて、好ましくは加工点(切削インサート20でワークを切削する箇所)に向けて吐出させることができるクーラント吐出部30を構成するように設けられている(図1参照)。これら開口部13と凹部23は、切れ刃21に向けてクーラント50を確実に、特に、小径の内径溝入れや溝幅が狭い溝入れといった、クーラント50が加工点に到達し難い場合がある加工を行う場合にも確実に到達させることができるような形状に構成されていることが好ましい。一例として、本実施形態における開口部13は、その一部がディンプル状であり、切れ刃21のほうを向く部分がより広く開口した形状となっている(図5等参照)。また、同様の観点から、本実施形態の凹部23は、半球状のディンプルで形成されていて、かつ、切れ刃21に近い側ほど深くなる形状となっている(図4等参照)。開口部13と凹部23とが、組み合わされた際に略円形となるクーラント吐出部30を構成するように設けられていてもよい。こうした場合、クーラント50の噴出時の抵抗を極力少なくして流量を増大させることが可能となる。
【0029】
[第2実施形態]
以下においては、内径溝入れ工具以外の刃先交換式切削工具1に本発明を適用した例を示す(図6図9参照)。図6図8は、本発明を適用した内径加工用ねじ切り工具の一例を示す図である。この刃先交換式切削工具1においては、シャンク10の先端部10tにクーラント流路12の開口部13が設けられ、また、切削インサート20の底面24のうち、インサート取付座11に取り付けられた状態でこの開口部13と対向する部分に凹部23が設けられている(図6図8参照)。これら開口部13と凹部23は、クーラント流路12を通って供給されたクーラント50を、切れ刃21の少なくとも一部、好ましくは加工点に向けて吐出させるクーラント吐出部30を構成するように設けられている(図7等参照)。
【0030】
図9は、本発明を適用した内径加工用前挽き工具の一例を示す図である。この刃先交換式切削工具1においても、上述の内径加工用ねじ切り工具の場合と同様、シャンク10の先端部10tにクーラント流路12の開口部13が設けられ、切削インサート20の底面24のうち、インサート取付座11に取り付けられた状態でこの開口部13と対向する部分に凹部23が設けられている(図9参照)。これら開口部13と凹部23は、クーラント流路12を通って供給されたクーラント50を、切れ刃21の少なくとも一部、好ましくは加工点に向けて吐出させるクーラント吐出部30を構成するように設けられている。
【0031】
[第3実施形態]
以下においては、刃先交換式切削工具1に複数のクーラント吐出部30を設けた例を示す(図10図12参照)。なお、本実施形態では、一例として、旋削工具でなく回転切削工具(転削工具等)である刃先交換式切削工具1を対象とした場合について説明する。この刃先交換式切削工具1においては、シャンク10の先端部10tのインサート取付座11のうち、切削インサート20の底面(ただし、平坦な部分)24が当接する部分にクーラント流路12の開口部13が設けられている。本実施形態では3つの開口部13を、径方向120°おきに等間隔に配置している(図12参照)。それぞれの開口部13は、シャンク10の内部を通るインサート流路(図10図12においては図示省略)の端部に設けられている。また、切削インサート20の底面24のうち、インサート取付座11に取り付けられた状態でこれら開口部13と対向する部分に、計3つの凹部23が設けられている(図6図8参照)。この切削インサート20は120°おきに配置された3つの切れ刃21を備えている。上述の開口部13と凹部23のそれぞれは、もっとも近傍に位置する切れ刃21に向けてクーラント50を吐出する形状のクーラント吐出部30を形成するように設けられている。
【0032】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述した各実施形態の切削インサート20は、止めねじ40でインサート取付座11に取り付けられると、切れ刃21がシャンク10の中心軸10Cに対して径方向外側を向いた状態となるものであったがこれは一例にすぎない。特に図示はしていないものの、止めねじ40でインサート取付座11に取り付けられると、切れ刃21が軸方向(中心軸10Cに沿った方向)を向いた状態となる構造の切削インサート20を対象とした場合にも本発明を適用し、切れ刃21に向けてクーラント50を吐出させるようにすることが可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、刃先交換式切削工具および切削インサートに適用して好適である。
【符号の説明】
【0034】
1…刃先交換式切削工具
10…シャンク(工具本体)
10C…シャンクの中心軸(工具本体の軸線)
10t…先端部
11…インサート取付座
12…クーラント流路
13…(クーラント供給流路の)開口部
14…雌ねじ部
20…切削インサート
21…切れ刃
22…ねじ穴
22C…ねじ穴の中心を通る軸(所定の軸)
23…凹部
24…底面
30…クーラント吐出部
40…止めねじ
50…クーラント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-04-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切れ刃を備えた切削インサートが工具本体の軸線方向先端部のインサート取付座に止めねじで着脱可能に取り付けられる構造の刃先交換式切削工具であって、
前記工具本体に設けられた、クーラント供給用のクーラント流路と、
前記インサート取付座に設けられた、前記クーラント流路の開口部と、
該開口部から吐出された前記クーラントの少なくとも一部が流れる流路を形成する、前記切削インサートに設けられた凹部と、
を備え
前記切削インサートは、対向する2つの端面を貫通するねじ穴と、前記2つの端面をつなぐ側面と、を有し、
前記切れ刃は、前記側面内の稜線に形成されている、刃先交換式切削工具。
【請求項2】
前記開口部と前記凹部とが、前記切れ刃のほうを向くクーラント吐出部を形成するように設けられている、請求項1に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項3】
前記クーラント吐出部は、前記切れ刃の一部に向けて前記クーラントを吐出する形状に形成されている、請求項2に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項4】
前記クーラント吐出部は、前記開口部と前記凹部とが組み合わされて略円形となる形に形成されている、請求項3に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項5】
前記凹部は、ディンプル状である、請求項1に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項6】
前記凹部は、半球状のディンプルで形成されている、請求項5に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項7】
前記凹部は、前記切れ刃に近い側が深くなるように設けられている、請求項4に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項8】
前記クーラント流路の前記開口部の一部がディンプル状である、請求項1に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項9】
前記切削インサートに前記凹部が複数設けられている、請求項1から8のいずれか一項に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項10】
前記切削インサートは、所定の軸を中心に回した状態あるいは表面と裏面とを入れ替えた状態としても異なる切れ刃を使用することが可能な対称形状である、請求項9に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項11】
前記切れ刃が、前記所定の軸に対して径方向外側を向いた状態となるように形成されている、請求項10に記載の刃先交換式切削工具。
【請求項12】
クーラント供給用のクーラント流路を有する刃先交換式切削工具の工具本体の軸線方向先端部のインサート取付座に止めねじで着脱可能な切削インサートであって、
対向する2つの端面を貫通するねじ穴と、前記2つの端面をつなぐ側面と、前記側面内の稜線に形成された切れ刃と、前記クーラント流路の開口部に対応する位置に設けられた凹部と、を有し、前記インサート取付座に取り付けられた状態で、前記開口部から吐出された前記クーラントの少なくとも一部が流れる流路を形成する、切削インサート。
【請求項13】
前記凹部は、前記切れ刃に近い側が深くなるように設けられている、請求項12に記載の切削インサート。
【請求項14】
前記切れ刃が、前記ねじ穴の軸に対して径方向外側を向いた状態となるように形成されている、請求項13に記載の切削インサート。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8