(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024082346
(43)【公開日】2024-06-20
(54)【発明の名称】サイトローテーションシート
(51)【国際特許分類】
G09B 19/00 20060101AFI20240613BHJP
G09B 9/00 20060101ALI20240613BHJP
G09B 19/24 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
G09B19/00 Z
G09B9/00 Z
G09B19/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196131
(22)【出願日】2022-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】浅香 孝
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ペン型の注射装置と貼付型の薬液投与装置とを併用する患者向けに、注射部位又は貼付部位を容易に判断できるようにするための教育ツールは開発されていない。本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【解決手段】サイトローテーションシート10Aは、シート本体12と、ペン型の注射装置による注射部位を示し、互いに離間した複数の第1標識20と、生体に貼付して使用される薬液投与装置の貼付部位を示し、貼付部位に沿った形態を有する互いに離間した複数の第2標識30とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート本体と、
前記シート本体に設けられ、ペン型の注射装置による注射部位を示し、互いに離間した複数の第1標識と、
前記シート本体に設けられ、生体に貼付して使用される薬液投与装置の貼付部位を示し、前記貼付部位に沿った形態を有し、互いに離間した複数の第2標識と、
を備える、サイトローテーションシート。
【請求項2】
請求項1記載のサイトローテーションシートにおいて、
前記複数の第2標識は、別々の前記貼付部位に沿った複数の輪郭線であり、
前記複数の第1標識は、前記複数の輪郭線毎に複数のグループに分けられて、前記複数の輪郭線の中にそれぞれ配置され、
前記複数の輪郭線の各々にはミシン目が設けられ、前記複数の輪郭線の各々で囲まれる内側シート部が、前記輪郭線の周囲の外側シート部から分離可能である、サイトローテーションシート。
【請求項3】
請求項1記載のサイトローテーションシートにおいて、
前記シート本体は、
前記複数の第1標識が設けられた第1シートと、
前記第1シートの上面に接着層を介して接合され、前記複数の第2標識が設けられた第2シートと、を備え、
前記複数の第2標識は、別々の前記貼付部位に沿った複数の輪郭線であり、
前記複数の第1標識は、前記複数の輪郭線毎に複数のグループに分けられて、前記複数のグループが前記複数の輪郭線の中にそれぞれ配置され、
前記第2シートは、前記複数の輪郭線によって囲まれた複数の内側シート部と、前記複数の内側シート部の周囲の外側シート部とを有し、
前記複数の内側シート部は、前記複数のグループをそれぞれ覆うとともに、前記外側シート部から分離可能な不透明シートである、サイトローテーションシート。
【請求項4】
請求項2又は3記載のサイトローテーションシートにおいて、
前記内側シート部には、手指で摘まむことが可能なタブ部が設けられている、サイトローテーションシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペン型の注射装置による注射部位又は貼付型の薬液投与装置の貼付部位について、患者を指導及び教育するために使用されるサイトローテーションシートに関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の薬剤(例えば、インスリン)を皮下に繰り返し注射すると、脂肪萎縮症が発生し、薬剤が効きにくくなる。このため、患者は、注射部位を毎回変える必要がある。患者は、医療従事者から注射部位の変更について指導及び教育を受ける。特許文献1、2には、注射部位を容易に判断できるようにするための手段が提示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-171765号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/0281493号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ペン型の注射装置と貼付型の薬液投与装置とを併用する患者向けに、注射部位又は貼付部位を容易に判断できるようにするための教育ツールは開発されていない。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、シート本体と、前記シート本体に設けられ、ペン型の注射装置による注射部位を示し、互いに離間した複数の第1標識と、前記シート本体に設けられ、生体に貼付して使用される薬液投与装置の貼付部位を示し、前記貼付部位に沿った形態を有し、互いに離間した複数の第2標識と、を備える、サイトローテーションシートである。
【0007】
医療従事者(医師又は看護師)は、注射装置又は薬液投与装置を使用する患者に対し、サイトローテーションシートを参照して、注射部位又は貼付部位のローテーションを指導及び教育することができる。注射装置と薬液投与装置とを併用する患者に対しては、注射装置を使用する際の注射部位の間隔と、薬液投与装置を使用する際の貼付部位の間隔の両方を、1枚のサイトローテーションシートで指導及び教育することができる。薬液投与装置を使用したことがない患者にサイトローテーションシートを見せることで、薬液投与装置のサイズ感を容易に確かめることができるため、薬液投与装置の使用を検討するきっかけを患者に与えることができる。
【0008】
(2)上記項目(1)記載のサイトローテーションシートにおいて、前記複数の第2標識は、別々の前記貼付部位に沿った複数の輪郭線であり、前記複数の第1標識は、前記複数の輪郭線毎に複数のグループに分けられて、前記複数の輪郭線の中にそれぞれ配置され、前記複数の輪郭線の各々にはミシン目が設けられ、前記複数の輪郭線の各々で囲まれる内側シート部が、前記輪郭線の周囲の外側シート部から分離可能であってもよい。
【0009】
薬液投与装置の貼付部位に対応する内側シート部を取り除くと、薬液投与装置の貼付部位が孔として形成されるため、患者が、薬液投与装置の大きさや貼付部位をよりイメージしやすい。患者が、一度に2種類の投与デバイス(注射装置と薬液投与装置)の適用部位を視認することができる。
【0010】
(3)上記項目(1)記載のサイトローテーションシートにおいて、前記シート本体は、前記複数の第1標識が設けられた第1シートと、前記第1シートの上面に接着層を介して接合され、前記複数の第2標識が設けられた第2シートと、を備え、前記複数の第2標識は、別々の前記貼付部位に沿った複数の輪郭線であり、前記複数の第1標識は、前記複数の輪郭線毎に複数のグループに分けられて、前記複数のグループが前記複数の輪郭線の中にそれぞれ配置され、前記第2シートは、前記複数の輪郭線によって囲まれた複数の内側シート部と、前記複数の内側シート部の周囲の外側シート部とを有し、前記複数の内側シート部は、前記複数のグループをそれぞれ覆うとともに、前記外側シート部から分離可能な不透明シートであってもよい。
【0011】
内側シート部を外側シート部から分離する前において、第1標識は内側シート部で覆われているため、視認できない。内側シート部を外側シート部から分離すると第1標識が視認可能となり、注射装置による注射部位を確認することができる。
【0012】
(4)上記項目(2)又は(3)記載のサイトローテーションシートにおいて、前記内側シート部には、手指で摘まむことが可能なタブ部が設けられていてもよい。
【0013】
内側シート部にタブ部が設けられているため、内側シート部を除去しやすい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、医療従事者(医師又は看護師)は、注射装置又は薬液投与装置を使用する患者に対し、サイトローテーションシートを参照して、注射部位又は貼付部位のローテーションを指導及び教育することができる。注射装置と薬液投与装置とを併用する患者に対しては、注射装置を使用する際の注射部位の間隔と、薬液投与装置を使用する際の貼付部位の間隔の両方を、1枚のサイトローテーションシートで指導及び教育することができる。薬液投与装置を使用したことがない患者にサイトローテーションシートを見せることで、薬液投与装置のサイズ感を容易に確かめることができるため、薬液投与装置の使用を検討するきっかけを与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係るサイトローテーションシートの平面図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態に係るサイトローテーションシートと、このシート用のホルダを示す平面図である。
【
図3】
図3Aは、本発明の第2実施形態に係るサイトローテーションシートの平面図(初期状態)である。
図3Bは、本発明の第2実施形態に係るサイトローテーションシートの平面図(1つの内側シート部を除去した状態)である。
【
図4】
図4Aは、本発明の第3実施形態に係るサイトローテーションシートの平面図(初期状態)である。
図4Bは、本発明の第3実施形態に係るサイトローテーションシートの平面図(2つの内側シート部を除去した状態)である。
【
図5】
図5は、本発明の第3実施形態に係るサイトローテーションシートの構造説明用の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
図1に示す本発明の第1実施形態に係るサイトローテーションシート10Aは、ペン型の注射装置(以下、単に「注射装置」という)による注射部位、又は持続的に薬液を投与する貼付型の薬液投与装置(以下、単に「薬液投与装置」という)の貼付部位について、患者を指導及び教育するために使用される。サイトローテーションシート10Aは、使用の一態様として、人体の一部(例えば、腹部)に重ねられる。注射装置又は薬液投与装置により患者に投与される薬液は、例えば、インスリンである。薬液は、インスリンに限らず、他の種類の薬液であってもよい。
【0017】
注射装置は、注射針を有し、適宜のタイミングで薬液の投与毎に患者の皮膚に穿刺されて、人体に薬液を投与するために使用される。薬液投与装置は、薬液を送液するポンプ機構を内蔵し、患者の身体の一部(腹部等)の皮膚にある一定期間貼付されて、人体に薬液を持続的に投与するために使用される。薬液投与装置の形態としては、薬液注入部とポンプユニットとが別体とされ、互いにチューブで接続されたチューブ式でもよく、薬液注入部とポンプユニットが分離可能あるいは分離不可能に一体化されたパッチ式であってもよい。
【0018】
サイトローテーションシート10Aは、シート本体12と、シート本体12に設けられた複数の第1標識20と、シート本体12に設けられた複数の第2標識30とを備える。シート本体12は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等により構成される透明な平板状の樹脂製シートである。
【0019】
図1において、シート本体12は、横長の長方形状である。シート本体12は、その他の形状でもよく、例えば、正方形状、あるいは、
図1における仮想線Lの位置で切断したような形状であってもよい。シート本体12は、縦長の形状であってもよい。シート本体12は、人体の腹部に沿う形状であってもよい。シート本体12は、着色された半透明シートであってもよい。シート本体12は、不透明シートであってもよい。
【0020】
図1に示すサイトローテーションシート10Aでは、人体の腹部に重ねて使用する際の位置決め用の目印とするための基準部14がシート本体12の幅方向中央部に設けられている。基準部14は孔141及び円形マーク142からなる。サイトローテーションシート10Aの使用において、基準部14は、例えば人体のへそに重ねられる。
【0021】
複数の第1標識20は、注射装置による注射部位を示すマーク又は形状である。複数の第1標識20は、互いに離間している。各第1標識20は、シート本体12をその厚み方向に貫通する円形の貫通孔21と、貫通孔21を囲む円形の輪郭線22(以下、第1輪郭線22という)とからなる。貫通孔21は、円形以外の形状(楕円形、多角形等)でもよい。第1輪郭線22は、円形以外の形状(楕円形、多角形等)でもよい。第1標識20は、貫通孔21がなく第1輪郭線22のみで構成されてもよい。シート本体12が透明シートである場合、第1輪郭線22は不透明な着色された線で構成されてもよい。シート本体12が半透明シート又は不透明シートである場合、第1輪郭線22は設けられなくてもよい。
【0022】
脂肪萎縮症の発生を防止するためには、医学的に、成人の指2本分程度の間隔(20~30mm)を開けることが好ましい。このため、複数の第1標識20は、互いに隣り合う第1標識20の中心間距離が20~30mm以上となるように配置されている。
【0023】
複数の第1標識20は、シート本体12の左半分と右半分とで同数ずつ配分されている。複数の第1標識20の個数は、シート本体12の左半分と右半分とで異なっていてもよい。第1実施形態において、複数の第1標識20には数字が連続番号(
図1では、1~28)で割り当てられており、各第1標識20の近傍に数字が表示されている。これらの数字は、必ずしも注射の順番を示すものではないが、患者への指導及び教育の際の説明において必要に応じて参照され得る。
【0024】
複数の第2標識30は、薬液投与装置の貼付部位を示すマーク又は形状である。複数の第2標識30は、互いに離間している。複数の第2標識30は、薬液投与装置の貼付部位に沿った形態を有する。複数の第2標識30は、別々の貼付部位に沿った複数の輪郭線31(以下、第2輪郭線31という)である。第2標識30(薬液投与装置の貼付部位の形状)は、薬液投与装置の外形(薬液投与装置を平面視したときの輪郭形状)に概ね対応している。
【0025】
第2標識30の形態は、線に限らない。薬液投与装置の貼付部位とそれ以外との部分を色分けすることで第2標識30が構成されてもよい。例えば、着色された半透明シート又は不透明シートで第2標識30が構成され、第2標識30以外の部分(第2標識30を囲む部分)が透明シートで構成されてもよい。
【0026】
第1実施形態では、第2標識30の一部がいくつかの第1標識20を横切るように第2標識30が配置されている。第2標識30は、第1標識20よりも大きい。第2標識30は、第1標識20を2個以上囲む大きさを有する。第2標識30の個数は、第1標識20の個数よりも少ない(第1実施形態では、4個)。複数の第2標識30は、シート本体12の左半分と右半分とで同数ずつ配分されている。
図1において、複数の第2標識30は、シート本体12の左半分に縦方向に並ぶ2個の第2標識30と、シート本体12の右半分に縦方向に並ぶ2個の第2標識30とを有する。第2標識30の個数は、4個に限らず、3個以下又は5個以上であってもよい。第2標識30の個数は、シート本体12の左半分と右半分とで異なっていてもよい。
【0027】
第1実施形態は、以下の効果を奏する。
【0028】
医療従事者(医師又は看護師)は、注射装置又は薬液投与装置を使用する患者に対し、サイトローテーションシート10Aを参照して、注射部位又は貼付部位のローテーションを指導及び教育することができる。
【0029】
注射装置と薬液投与装置とを併用する患者(時期ごとに交互に使用する場合を含む)に対しては、注射装置を使用する際の注射部位の間隔と、薬液投与装置を使用する際の貼付部位の間隔の両方を、1枚のサイトローテーションシート10Aで指導及び教育することができる。注射装置から薬液投与装置に切り替える場合やその逆の場合にも、注射部位と貼付部位をどれくらい離せばよいか、患者自身による適切な判断を促すことができる。
【0030】
薬液投与装置を使用したことがない患者にサイトローテーションシート10Aを見せることで、薬液投与装置のサイズ感を容易に確かめることができるため、薬液投与装置の使用を検討するきっかけを患者に与えることができる。
【0031】
注射装置のみを使用する患者に対しては、複数の第1標識20を見せ、複数の第1標識20の間隔を視覚的に印象づけることで、注射部位をどれくらい離せばよいか、患者自身による適切な判断を促すことができる。
【0032】
薬液投与装置のみを使用する患者に対しては、複数の第2標識30を見せ、複数の第2標識30の間隔を視覚的に印象づけることで、貼付部位をどれくらい離せばよいか、患者自身による適切な判断を促すことができる。
【0033】
図2に示すように、サイトローテーションシート10Aを収納するホルダ40が用いられてもよい。このホルダ40は、口部42を有し、透明素材で袋状に形成されている。使用に際し、サイトローテーションシート10Aを収納したホルダ40を人体の腹部に当てることができる。ホルダ40の裏側に粘着面を設け、ホルダ40を人体の腹部に貼り付けてもよい。
【0034】
[第2実施形態]
図3Aに示す第2実施形態に係るサイトローテーションシート10Bにおいて、複数の第1標識20は、複数の第2輪郭線31毎に複数のグループに分けられている。第1標識20の複数のグループが、複数の第2輪郭線31の中にそれぞれ配置されている。第1標識20のグループ数は、第2輪郭線31の個数と同じである。
【0035】
複数の第2輪郭線31の各々には複数の第2輪郭線31に沿ってミシン目34が設けられている。シート本体12は、複数の内側シート部16と、外側シート部18とを有する。シート本体12は、ミシン目34に沿って破断可能である。従って、複数の第2輪郭線31の各々で囲まれる内側シート部16が、第2輪郭線31の周囲の外側シート部18から分離可能である。第2実施形態では、第2標識30の個数は4個であるため、内側シート部16の個数は4個である。従って、第1標識20は4つのグループに分けられている。各内側シート部16には、手指で摘まむことが可能なタブ部24が設けられている。タブ部24は、シート本体12の上面に設けられている。
【0036】
第2実施形態は、以下の効果を奏する。
【0037】
図3Bに示すように、薬液投与装置の貼付部位に対応する内側シート部16を取り除くと、シート本体12に孔17が形成されるため、患者が、薬液投与装置の大きさや貼付部位をよりイメージしやすい。患者が、2種類の投与デバイス(注射装置と薬液投与装置)の適用部位を同時に視認することができる。
【0038】
内側シート部16には、手指で摘まむことが可能なタブ部24が設けられているため、内側シート部16を除去しやすい。
【0039】
なお、第2実施形態のうち、第1実施形態と共通する部分については、第1実施形態と同一又は同様の作用及び効果が得られる。
【0040】
[第3実施形態]
図4Aに示す第3実施形態に係るサイトローテーションシート10Cのシート本体120は、下面側の第1シート51と、上面側の第2シート52とを備える。
図5に示すように、第1シート51に複数の第1標識20(貫通孔21及び第1輪郭線22)が設けられ、第2シート52に複数の第2標識30(第2輪郭線31)が設けられている。
【0041】
第1実施形態(
図1)と同様に、第1標識20は、貫通孔21と第1輪郭線22とからなる。第1シート51には、孔141(位置決め用の目印)が設けられている。複数の第1標識20は、複数の第2輪郭線31毎に複数のグループに分けられている。第1標識20の複数のグループが複数の第2輪郭線31の中にそれぞれ配置されている。
【0042】
第2シート52は、第1シート51の上面に接着層53を介して接合されている。接着層53には、複数の第2標識30に対応した孔部531と、孔141とが設けられている。複数の第2輪郭線31の各々にはミシン目34が設けられている。第2シート52は、ミシン目34に沿って破断可能である。第2シート52は、複数の第2輪郭線31(ミシン目34)によって囲まれた複数の内側シート部160と、複数の内側シート部160の周囲の外側シート部180とを有する。なお、第2輪郭線31には、ミシン目34に代えて、環状に1周連続した切れ目が設けられてもよい。
【0043】
複数の内側シート部160は、第1標識20の複数のグループをそれぞれ覆う。内側シート部160は、外側シート部180から分離可能な不透明シートである。各内側シート部160には、手指で摘まむことが可能なタブ部24が設けられている。タブ部24は、シート本体120の上面に設けられている。外側シート部180は、透明シート、半透明シート、不透明シートのいずれであってもよい。
【0044】
第3実施形態は、以下の効果を奏する。
【0045】
図4Aに示すように、内側シート部160を外側シート部180から分離する前において、第1標識20は内側シート部160で覆われているため、ユーザは第1標識20を視認できない。
図4Bに示すように、内側シート部160を外側シート部180から分離すると第1標識20が視認可能となり、ユーザは、注射装置による注射部位を確認することができる。
【0046】
なお、第3実施形態のうち、第1実施形態又は第2実施形態と共通する部分については、第1実施形態又は第2実施形態と同一又は同様の作用及び効果が得られる。
【0047】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0048】
10A、10B、10C…サイトローテーションシート
12、120…シート本体
16、160…内側シート部
18、180…外側シート部
20…第1標識
30…第2標識
34…ミシン目
51…第1シート
52…第2シート
53…接着層